JP2011104647A - 金属条材の曲げ加工装置及び曲げ加工方法 - Google Patents

金属条材の曲げ加工装置及び曲げ加工方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2011104647A
JP2011104647A JP2009265067A JP2009265067A JP2011104647A JP 2011104647 A JP2011104647 A JP 2011104647A JP 2009265067 A JP2009265067 A JP 2009265067A JP 2009265067 A JP2009265067 A JP 2009265067A JP 2011104647 A JP2011104647 A JP 2011104647A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bending
steel pipe
metal strip
eccentric
rotation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2009265067A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5616051B2 (ja
Inventor
Yoshiaki Onodera
義秋 小野寺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
GOJO KK
Original Assignee
GOJO KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by GOJO KK filed Critical GOJO KK
Priority to JP2009265067A priority Critical patent/JP5616051B2/ja
Publication of JP2011104647A publication Critical patent/JP2011104647A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5616051B2 publication Critical patent/JP5616051B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Abstract

【課題】金属条材の偏心量を曲げ加工中に一定に保つことができ、かつ、装置の構成を簡略化することで、作業効率を向上する。
【解決手段】鋼管1を曲げ加工する曲げ加工装置10であって、鋼管1を加熱する加熱部11と、加熱された部分を冷却する冷却部20と、鋼管1に対して、加熱部11及び冷却部20を相対移動させる移動手段と、鋼管1の端部に取付けられる前端部挟圧部2と、前端部挟圧部に係止されたワイヤー4bを牽引し、鋼管1の中心軸から所定距離偏心された偏心軸線上に圧縮力を作用させる鋼管移動部6と、曲げ加工の曲率又は曲げ形状に対応した回転軸を中心として、前端部挟圧部2を回動させる端部回動アームと、曲げ加工の曲率又は曲げ形状に対応した形状をなし、ワイヤー4bが掛け回される偏心距離保持部材8と、端部回動アーム33の回転軸31に支持され、鋼管1に回転可能に押圧される押圧ローラー34とを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、鋼管等の金属条材を曲げ加工する金属条材の曲げ加工装置及び曲げ加工方法に関する。
従来より、建築資材や機械部品には鋼管等の金属条材が使用されている。そして、この金属条材の曲げ加工技術としては、高周波誘導加熱によって金属条材を曲げる加工技術がある。金属条材曲げ加工技術として、金属条材の両端の端部を挟圧部に取り付けて、環状の加熱部に金属条材を通しつつ、挟圧部に係止された牽引索を牽引し、金属条材の中心軸から所定距離偏心された偏心軸線上に圧縮力を作用させることで、真っ直ぐな金属条材を曲げていく方法がある。
ところが、従来の金属条材曲げ加工方法では、曲がりが進行するに従って金属条材の腹側に作用する圧縮力が小さくなり、それとともに外側に作用する引張り力が大きくなるため、金属条材の背側が伸びて外側に膨らみ、金属条材の中心軸がズレてしまっていた。そのため、中心軸から偏心軸線までの偏心量が一定とならず、金属条材を目的の曲率又は曲げ形状とすることができなかった。
これらに応える技術として、例えば特許文献1に開示されたものがある。この特許文献1に開示された技術では、既に曲げられた部位を拘束部材で拘束した状態で、偏心軸に沿って配置した牽引索により金属条材を引き戻すことで、既に曲げられた部分が外側に膨らむことを防止し、曲げ加工中に偏心量を一定にすることができる。
特許第3793762号公報
しかしながら、上述した金属条材曲げ加工装置では、金属条材のサイズや曲げ量、曲率に応じて偏心量を調節しなければならないことから、曲げ加工の対象となる金属条材のサイズや曲げ量を変更する際には、その都度、装置の部品を交換する作業が必要であり、その作業が煩雑であるという問題があった。特に、特許文献1に開示された技術では、偏心量を一定にするために、金属条材の曲げ加工中、金属条材の曲げに係る部位に拘束部材を随時、着脱する方式であるため、交換作業に際して、その解体作業工程が増えてしまい、さらに作業効率が低下するという問題があった。
また、上記特許文献1に開示された装置では、偏心量を一定にするため、金属条材の曲げ加工に係る部位に拘束部材が押し当てられる形となることから、拘束部材と金属条材とが接触する部分に、応力が局所的に集中し、拘束部材が押し当てられた金属条材の外表面に傷などが残る惧れがあった。
そこで、本発明は、上記のような問題を解決するものであり、金属条材の曲げ加工に際し、簡単な装置構成により、金属条材表面の損傷を解消しつつ、曲げ加工中における偏心量(偏心距離)を一定に保つことができ、かつ、装置の構成を簡略化することで、装置の運搬、組み立て、及び分解等の作業の負担を軽減し、作業効率を向上できる金属条材の曲げ加工装置及び曲げ加工方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、金属条材を曲げ加工する曲げ加工装置であって、金属条材の曲げ加工に係る部分を加熱する加熱手段と、加熱手段で加熱された部分を冷却する冷却手段と、金属条材に対して、加熱手段及び冷却手段を相対移動させる移動手段と、金属条材の端部に取付けられる端部挟圧部と、端部挟圧部に係止された牽引索を牽引し、金属条材の中心軸から所定距離偏心された偏心軸線上に圧縮力を作用させる牽引手段と、曲げ加工の曲率又は曲げ形状に対応した回転軸を中心として、端部挟圧部を回動させる端部回動アームと、曲げ加工の曲率又は曲げ形状に対応した形状をなし、牽引索が掛け回される偏心距離保持部材と、端部回動アームの回転軸に支持され、金属条材に回転可能に押圧される押圧ローラーとを備える。
また、他の発明は、金属条材を曲げ加工する方法であって、
前記金属条材の端部に端部挟圧部を取付けるとともに、前記曲げ加工の曲率又は曲げ形状に対応した形状の偏心距離保持部材に前記牽引索を掛け回し、前記端部挟圧部に係止された牽引索を牽引し、前記金属条材の中心軸から所定距離偏心された偏心軸線上に圧縮力を作用させる牽引工程と、
前記金属条材に対して、加熱手段及び冷却手段を相対移動させつつ、前記金属条材の曲げ加工に係る部分を加熱するとともに、加熱手段で加熱された部分を冷却する熱処理工程と、
前記曲げ加工の曲率又は曲げ形状に対応した回転軸を中心として、前記端部挟圧部を回動させるとともに、前記端部回動アームの前記回転軸に支持された押圧ローラーを前記金属条材に回転可能に押圧する回転支持工程と
を有する。
このような本発明では、偏心距離保持部材は、曲げ加工の曲率又は曲げ形状に対応した形状をなし、牽引索が掛け回される構成となっているため、この牽引索を牽引することで、牽引索が偏心線上からズレることがなく、金属条材の中心軸からの偏心量を一定に保ちつつ、金属条材に圧縮力をかけることができる。
また、本発明では、押圧ローラーによって、金属条材を押圧するので、加工の際に、金属条材が外側に膨らみ、金属条材の中心軸が曲げの外側にズレるのを防止することができ、金属条材の中心軸からの偏心量を一定に保つことができる。
なお、上記発明において、押圧ローラーは、前記加熱手段及び冷却手段の前後に複数配置することができる。これにより、曲げ加工の境界となる加熱・冷却手段の前後において、金属条材を適切に矯正することができ、曲げ加工の前後に生じる応力や変形の格差を低減し、金属条材の中心軸が変位したり、曲げ応力が不均衡になるのを防止できる。
上記発明においては、金属条材の外周面を把持し、端部回動アームの回動と連動して回動する把持部をさらに備えていることが好ましい。この場合には、把持部は、金属条材に対して外周面を把持し固定するので、金属条材が外側に膨らむことを防止することができる。特に、把持部は、曲げ加工の曲率又は曲げ形状に対応した回転軸を有する端部回動アームと連動して回動するので、曲げ加工に応じて、金属条材を固定することができ、目的とした曲率又は曲げ形状に金属条材を曲げることができる。
また、上記発明において、把持部は、端部回動アームの回動半径内方側から外方に向けて金属条材を挟み込むとともに、該把持部の先端には、該回動半径外方側において、該金属条材の外表面に引っ掛ける爪部を有していることが好ましい。
この場合には、把持部は金属条材の全周を覆いつつ、爪部によって、金属条材を端部回動アームの回動半径外方から引っ掛けて把持するので、曲げ加工中の金属条材が回動半径外側に膨らむ力を、小さい力で抑制することができ、装置の小型化、簡略化を図ることができる。
さらに、上記発明において、把持部は、偏心距離保持部材の形状に応じて、端部回動アームに対する相対位置を変位させる変位手段を備えていることが好ましい。この場合には、把持部は、曲げ加工の曲率又は曲げ形状の偏心距離保持材に対応して、位置を変更することができるので、様々な形状の金属条材を固定することができる。
上記発明において、端部挟圧部は、牽引索が係止される基部と、金属条材の端部が取付けられる端部受部とを有し、基部と端部受部とは、基部側の凹曲面と、端部受部側の凸曲面とを介して、摺動可能に組み合わされていることが好ましい。この場合には、金属条材の前端部が傾斜した形状である場合などでも、端部挟圧部を金属条材の中心軸に対して垂直に保つことができ、金属条材に対する圧縮力を的確に伝達することができるとともに、偏心距離を正確に維持することができる。
上記発明において、牽引索は、剛性を有するロッド状のロッド部とロッド部の先端に緊結され、偏心距離保持部材に掛け回されるワイヤー部とから構成される。この場合には、ロッド部は一定の剛性を有するので、曲げ加工中であってもロッド部の位置は固定され、偏心量を一定に保つことができる。また、ワイヤー部は、一定の軟性を有しているので、偏心距離保持部材に架け回されることで、曲げ加工の曲率に合わせた圧縮力を金属条材に伝達することができる。
上記発明において、ロッド部は、牽引手段に対する連結位置を変更することによって、長さが変更可能であることが好ましい。この場合には、様々な長さを有する金属条材に対応して、目的の曲率又は曲げ形状の金属条材を得ることができる。
上記発明において、偏心距離保持部材は、回転軸に支持されるとともに、該回転軸に対して着脱可能となっていることが好ましい。この場合には、目的の曲げ加工の曲率又は曲げ形状に対応した偏心距離保持部材を適宜変更することができるので、例えば、異なる曲率を有するS字状の曲げ管等を製造することができる。
上記発明において、端部回動アームは、回転軸を中心付近から外方に向けて延設されるレール部を備え、端部挟圧部は、レール部に沿って摺動可能となっていることが好ましい。この場合には、端部狭圧部は、金属条材を曲げる端部回動アームの動きや、牽引索による圧縮力に追従して、レール部を摺動することができ、より適切に金属条材に圧縮力を伝達することができる。
上記発明において、押圧ローラーは、回転軸方向に進退可能に取付けられていることが好ましい。この場合には、押圧ローラーが金属条材を押圧する力を均等に加えることができ、目的の曲率又は曲げ形状を得ることができる。
本発明によれば、端部挟圧部に係止された牽引索を牽引し、金属条材の中心軸から所定距離偏心された偏心軸線上に圧縮力を作用させる、金属条材の曲げ加工において、簡単な装置構成により、金属条材の曲げ加工に際し、金属条材表面の損傷を解消しつつ、曲げ加工中における偏心量を一定に保つことができ、かつ、装置の構成を簡略化することで、装置の運搬、組み立て、及び分解等の作業の負担を軽減し、作業効率を向上できる。
実施形態に係る曲げ加工装置及び加工方法の概要を模式的に示す説明図であり、(a)は上面図であり、(b)は(a)におけるA−A断面図である。 実施形態に係る曲げ加工装置の全体構成を示す上面図及び側面図である。 実施形態に係る鋼管移動部を示す側面図である。 実施形態に係る熱処理部の構成を示す説明図であり、(a)は上面図、(b)は正面図、(c)は、内部構造を示す断面図である。

実施形態に係る前端挟圧部を示す説明図であり、(a)は後面(鋼管が連結される面)側の斜視図であり、(b)は側面図であり、(c)は鋼管受部の機能の説明図である。 実施形態に係る把持部の開閉状態を示す側面図である。 実施形態に係る把持部の移動動作を示す側面図である。 実施形態に係る偏心距離保持部材を示す斜視図である。 実施形態に係る回転支持部の押圧ローラーに関する構造を示す上面図、側面図及び背面図である。 実施形態に係る回転支持部の押圧ローラーに関する構造を示す上面図、側面図及び背面図である。 実施形態に係る回転支持部の動作(曲げ加工前)を示す斜視図である。 実施形態に係る回転支持部の動作(曲げ加工後)を示す斜視図である。
(金属条材の曲げ加工方法の概要)
以下に添付図面を参照して、本発明に係る金属条材の曲げ加工装置及び加工方法の実施形態を詳細に説明する。図1は、実施形態に係る曲げ加工方法の概要を模式的に示す説明図であり、(a)は上面図であり、(b)は、(a)におけるA−A断面図である。
ここで、本実施形態では、金属条材である鋼管1に曲げ加工をする場合を例として説明する。なお、本発明における金属条材には、本実施例で説明する鋼管の他、炭素鋼管、低合金鋼管、ステンレス鋼管、ニッケル基合金管、クロム基合金、コバルト基合金など各種金属材料からなる管材も含まれ、その他に、H型鋼、I型鋼、チャンネル型鋼、アングル型鋼などの各種断面形状の型鋼を含むものとする。
図1に示すように、本実施形態に係る曲げ加工では、先ず、鋼管1の前端部に前端部挟圧部2を取付けるとともに、鋼管1の後端に後端部挟圧部3を取付ける。この際、鋼管1に環状の熱処理手段である環状部53を嵌装しておく。そして、前端部挟圧部2と後端部挟圧部3との間に牽引索4を掛け渡し、牽引索4により前端部挟圧部2と後端部挟圧部3とを連結する。本実施形態では、牽引索4は、鋼管1の上下に一対、配置されている。また、鋼管1の固定に際し、把持部14により、鋼管1の外周面を把持させる。この把持部14により把持する箇所は、回転軸31よりも前方(前端部挟圧部2側)となっている。この把持部14は、端部回動アーム33の回動半径内方側から外方に向けて鋼管1を挟み込むように把持する。
次いで、曲げ加工の曲率又は曲げ形状に対応した形状の偏心距離保持部材8に牽引索4を掛け回す。この偏心距離保持部材8は、本実施形態では、半径rの円形状のプーリーであり、一対の牽引索4に対応させて鋼管1の上下に一対、配置されている。この半径rは、鋼管1の径や、曲げ加工の曲げ量、曲げ半径によって算定される偏心距離eを維持するために、回転の回転軸31から鋼管1の中心軸CL1までの距離から、偏心距離eを差し引いて設定されている。この偏心距離保持部材8は、回転軸31から着脱可能であり、半径rが異なるものと交換が可能となっているとともに、回転軸31自体も中心軸CL1と直交する方向d2に移動可能となっており、偏心距離eを調整できるようになっている。
そして、前端部挟圧部2に係止された牽引索4を、張力P1で牽引する牽引工程により、鋼管1の中心軸CL1から所定距離(偏心距離e)だけ偏心された偏心軸線CL2上に圧縮力P2を作用させることができる。この牽引工程と合わせて、鋼管1に対して、加熱手段及び冷却手段を相対移動させつつ、鋼管1の曲げ加工に係る部分を加熱するとともに、加熱手段で加熱された部分を冷却手段により冷却する熱処理工程を行う。
この加熱手段及び冷却手段は、本実施形態では、コイルの電磁誘導による加熱と、水流の噴射による冷却とを一体的に行う環状の環状部53を用いる。この環状部53は、環状の環状部53を移動させるか、或いは、鋼管1を送り出すことにより、鋼管1に対して相対移動が可能となっている。本実施形態では、後端部挟圧部3によって、鋼管1を圧縮しつつ、送り出すことで、鋼管1を環状の環状部53に対して相対移動させるようにしている。
このように、牽引工程による偏心した圧縮力を付与しつつ、熱処理工程を行うことで、鋼管1に曲げ応力が作用し、鋼管1が曲げられ、鋼管1の先端側が曲げ方向d1に向かって回転される。そして、鋼管1に作用する曲げ応力により、回転軸31を中心として端部回動アーム33とともに後端部挟圧部3が回動されることとなる。また、この端部回動アーム33の回動と連動して把持部14も回動し、鋼管1の曲げ方向を規制する。また、これらと併せて、回転軸31に支持された押圧ローラー34及び36を、曲げ半径方向d3に向けて、鋼管1の外側から押圧する。これら押圧ローラー34及び36は、送りモーターにより前後に移動可能となっており、鋼管1の管径や曲げ加工の進捗に応じて前後され、鋼管1の外側に常に密着されるようになっている。
(曲げ加工装置の構成)
以上説明した金属条材の曲げ方法を実施するための曲げ加工装置について説明する。図2は、実施形態に係る曲げ加工装置の全体構成を示す上面図及び側面図である。
図2(a)及び(b)に示すように、本実施形態に係る曲げ加工装置10は、加工処理部40と、中間支持部19と、鋼管移動部6とを備えており、これら各部は、架台7上において、鋼管1の長手方向に沿って設置されている。
架台7は、曲げ加工装置10の各部を搭載させる台であり、例えば、H鋼などの構造材を矩形状に組み合わせて構成されている。この架台7上において、曲げ加工の対象となる鋼管1は、その後端を鋼管移動部6によって支持され、前端側を加工処理部40に支持され、これら鋼管移動部6と加工処理部40との中間で、中間支持部19が鋼管1の中間部分を支持している。また、架台7の上部には、鋼管移動部6を移動させるための一対のレール部7a,7aが備えられている。このレール部7a,7aは、鋼管1の設置方向と平行となるように延設されており、この延設方向によってガイドされることにより、鋼管移動部6が、加工処理部40に対して前後に進退移動される。
鋼管移動部6は、加工処理部40の前端部挟圧部2に係止された牽引索4を牽引し、鋼管1の中心軸から所定距離偏心された偏心軸線上に圧縮力を作用させる牽引手段であり、主として油圧ジャッキ5と、後端部挟圧部3とを有している。詳述すると、鋼管移動部6は、架台7上に進退移動可能に設置された基部6aと、基部6a上で前後にスライド移動可能に取付けられた前後移動部6bとから構成され、これら基部6aと前後移動部6bとの間に油圧ジャッキ5が介在される。
そして、鋼管移動部6では、油圧ジャッキ5が伸縮することにより、基部6a上で前後移動部6bが前後移動され、基部6aと前後移動部6bとの距離が変化されることとなる。なお、鋼管移動部6の基部6aは、一対のレール部7a上を鋼管1の軸方向に対して前後移動されるようになっており、油圧ジャッキ5が伸張されたときには、基部6aは、加工処理部40側に移動され、鋼管1の後端側に押しつけられる。これにより、油圧ジャッキ5の伸張力を、鋼管1の圧縮力に変換することができる。
油圧ジャッキ5は、油圧により鋼管1の延設方向に伸縮する装置であり、伸張することにより、牽引索4が後方に引張られ、鋼管1の前端において牽引索4が係止されている前端部挟圧部2が、後方に引き寄せられる。これにより、前端部挟圧部2と、後端部挟圧部3との距離が縮まり、前端部挟圧部2と後端部挟圧部3とに支持された鋼管1に対して圧縮力が与えられる。換言すれば、油圧ジャッキ5は、伸張することにより、前端部挟圧部2から反力を得て、後端部挟圧部3を鋼管1の後端部に押しつけ、鋼管1に対して圧縮力を与えている。
後端部挟圧部3は、鋼管1の端部が固定される部材であり、基部6aの前方に配置されている。また、後端部挟圧部3には、加工処理部40側において、鋼管1を嵌合して固定する端部受部3aを備えている。そして、図1に示すように、油圧ジャッキ5が伸張することにより、基部6aの前進に伴って後端部挟圧部3が、鋼管1の後端部に押しつけられ、鋼管1に対して前端部挟圧部2を与える。
なお、鋼管移動部6(移動台車)の移動速度は、図示しない鋼管移動速度調節器及び鋼管移動速度表示器によって調節されるようになっている。また、油圧ジャッキ5は、図示しない油圧ジャッキ引張り力調節器、油圧ジャッキ引張り力表示器、油圧ジャッキ引張り速度調節器によって、油圧ジャッキ引張り力又は油圧ジャッキ引張り速度を調節することができるようになっている。
牽引索4は、鋼管移動部6の油圧ジャッキ5によって発生した伸張力を、前端部挟圧部2にから反力を得つつ、圧縮力として鋼管1に伝達する一対の牽引部材であり、鋼管1の上下において、鋼管1の軸方向に平行となるように配置されている。また、本実施形態において、この牽引索4は、それぞれ、剛性を有するロッド状のロッド4aと、ロッド4aの先端に緊結され、偏心距離保持部材8に掛け回されるワイヤー4bとから構成されている。
ロッド4aは、鋼管1と平行になるように配置され、図3に示すように、鋼管移動部6の上部及び下部において、係合部4cにより前後移動部6bに係合されており、係合部4cの前後移動部6bに対する係合位置を変更することによって、後端部挟圧部3前方からの突出長さが変更可能となっている。
一方、ワイヤー4bは、ロッド4aの先端に緊結された可撓性の部材であり、後端をロッド4aに緊結され、前端は、加工処理部40の前端部挟圧部2に緊結されており、その中間箇所の加工処理部40において、偏心距離保持部材8に掛け回される。
そして、牽引索4(4a,4a)は、図1に示すように、鋼管1の中心軸CL1に対して偏心する偏心軸CL2に沿って配置されている。詳述すると、鋼管1は、その前端側を前端部挟圧部2に突当てられ、端部受部27によって前端部挟圧部2に係合されて支持されているとともに、後端側は、後端部挟圧部3によって支持されている。そして、偏心軸CL2は、鋼管1の中心軸CL1から曲げ方向(水平方向)に偏心量(偏心距離)eだけズレて位置しており、この偏心軸CL2の上下に、牽引索4a,4aが位置されている。偏心距離保持部材8は、上下一対のプーリーであり、その外縁が偏心軸CL2上に位置するように設置されており、牽引索4は、この偏心距離保持部材8の外縁に捲き掛けられることにより、鋼管1の上下位置において、上記偏心距離eを維持しつつ、所定の高さに位置される。
前記中間支持部19は、曲げ加工中の鋼管1を支持する支持機構であり、本実施形態においては、鋼管移動部6と、加工処理部40との中間に3個配置されている。この中間支持部19は、曲げ方向の反対側の鋼管1が配置される位置において鋼管1の外周面と接触する支持ローラー19aをそれぞれ備えている。これら中間支持部19は、鋼管1に沿って配列されているとともに、鋼管移動部6の進退方向に移動可能となっており、鋼管1を任意の位置で支持できるようになっている。また、支持ローラー19aは、鋼管1を、下方向及び斜め上方向から挟むようにして支持する一対のローラーである。
前記加工処理部40は、鋼管1に対して曲げ加工を行う装置であり、鋼管1の曲げ対象部分に対して加熱・冷却処理を行う熱処理部50と、鋼管1の曲げ対象部分に曲げ応力をかけるための回転支持部30とを備えている。本実施形態における曲げ加工は、鋼管1の曲げ対象部分を加熱し、その加熱された部分に曲げ応力及び圧縮力を付与し、対象部分を曲げつつ、加熱された部分を冷却する。このため、熱処理部50による熱処理の対象部分と、回転支持部30により曲げ応力が付与される対象部分とはほぼ一致することとなり、熱処理部50と、回転支持部30とは隣接配置されている。
熱処理部50は、図4に示すように、処理の対象となる鋼管1の外径よりも大きい内径を有する環状の環状部53と、環状部53を支持するコイルホルダ52と、加熱及び冷却に必要な熱源や水流を提供するとともに、コイルホルダ52を移動させる熱処理本体51とから概略構成される。
環状部53は、加熱部11と、冷却部20とから構成されている。加熱部11は、鋼管1の曲げ加工に係る部分を加熱する環状の加熱コイルであり、本実施形態においては、鋼管1の外周を加熱するための環状の加熱コイルが、コイルホルダ52によって支持され、熱処理本体51内の高周波電源に接続されている。加熱部11に通電すると、コイルホルダ52を経て、加熱コイルに電磁誘導が生じ、鋼管1は加熱部11からの誘導電流によって環状に順次加熱されていくように構成されている。
冷却部20は、加熱手段で加熱された部分を、水流を噴射することによって冷却する冷却手段である。本実施形態においては、冷却部20は、内部中空の環状部材であり、その中空部は、仕切21で2つの流路22,23に仕切られている。一方の流路23は加熱部11の本体が過熱しないように水冷するための循環流路であり、熱処理本体51の熱交換器に連通している。他方の流路22は、コイルホルダ52内を経て、熱処理本体51の水供給源に連通し、複数の噴出孔24においてそれぞれ開口している。噴出孔24は、加熱部11の内周側のコーナー部分において、全周にわたり所定の等ピッチ間隔に形成され、斜め前方を向いて開口している。このため、噴出孔24からの冷却水は、環状加熱部1Hの直ぐ下流側(鋼管の曲げ送り方向の下流側)に噴射される構成となっている。
また、複数の噴出孔24は環状に配置されているので、幅Wをもつ環状加熱部1Hの直ぐ後に環状の冷却部が形成される。したがって、環状加熱部1Hは、環状冷却部によって順次環状に冷却されていく。その結果、環状加熱部1Hは、鋼管1の前進に伴ってその軸線方向に移動(後退)する。なお、環状加熱部は、鋼管1の再結晶温度以上の温度に高周波誘導加熱される。炭素鋼管を例にとって言えば、環状加熱部1Hの幅Wの領域は760℃〜900℃の高温に加熱される。また、加熱部11による鋼管1の加熱温度と冷却水25の温度及び量は熱処理本体51内の制御手段によってそれぞれ制御されるようになっている。
熱処理本体51は、上述した加熱部11及び冷却部20を支持するとともに、これらを鋼管1に対して相対移動させる移動手段としての機能を有する。なお、本実施形態では、鋼管移動部6によって、鋼管1を前端側へ押し出すことによって、鋼管1の加工対象部分が、熱処理部50い対して移動されることから、本実施形態では、鋼管移動部6も、熱処理部50と鋼管1とを相対移動させる移動手段としての機能を果たしている。
次いで、本実施形態における回転支持部30について説明する。図5〜図9は、本実施形態に係る回転支持部30の各部を示す図である。回転支持部30は、前端部挟圧部2と、端部回動アーム33と、偏心距離保持部材8と、押圧ローラー34,36と、把持部14とを備えている。
前端部挟圧部2は、鋼管1の前端部に配置される装置であり、図5に示すように、板状をなす支持板28を基部として端部受部27が取付けられ、この支持板28が端部回動アーム33に対してスライド可能に連結されることにより、鋼管1の長さに適合させて位置されるようになっている。また、この前端部挟圧部2は、牽引索4が貫通されるスリット部28aが表裏を貫通するように形成されている。
このスリット部28aは、支持板28の上下において、支持板28側部に開口し、水平方向に形成されている。また、牽引索4(ワイヤー4b)の終端には、スリット部28aの幅よりも大径の拡径部41が取付けられている。そして、ワイヤー4bを、支持板28側方のスリット部28a開口側から、スリット部28a内に挿通し、終端の拡径部41を、支持板28の反対面において引っ掛けて、牽引索4が前端部挟圧部2に緊結される。なお、牽引索4は、スリット部28a内を左右水平方向にスライド移動が可能であるため、端部受部27に連結された鋼管1の中心軸に対する相対位置を自由に移動させて、偏心軸の位置を張設することができる。
端部受部27は、一方の面が平坦であり、その背面に凸状の凸曲面27aが形成された円盤状の部材であり、支持板28上部の凸部28bからワイヤー29により吊下され、支持板28の後面(鋼管1前端が係合される面)における所定の高さに位置されるようになっている。そして、本実施形態における鋼管1の係合に際しては、端部受部27の後面に鋼管1の前端が押しつけられ、その押しつけられた押圧力により鋼管1が支持され、固定される。
詳述すると、図5(c)に示すように、支持板28の後面には、端部受部27を支持する嵌合部26を有し、嵌合部26と端部受部27とは、嵌合部26側の凹曲面26aと、端部受部27側の凸曲面27aとを介して、摺動可能に組み合わされている。この凹曲面26aと、凸曲面27aとが摺動可能に組み合わされることにより、曲面に沿って端部受部27が回転し、端部受部27の表面27bが上下左右に自由に傾斜するようになっている。このように、端部受部27が自由に傾斜することにより、鋼管1の前端が傾斜しているような場合であっても、鋼管1を、支持板28に対して垂直に保つことができ、偏心による曲げ応力や圧縮力が正確に鋼管1に伝達される。
端部回動アーム33は、図1及び図2に示すように、鋼管1の曲げ加工の曲率又は曲げ形状に対応した回転軸31を中心として、前端部挟圧部2を水平面上において回動させるアームであり、回転軸31に軸支され、図1中に矢印で示す曲げ方向d1に回動することで、端部回動アーム33と連結した前端部挟圧部2を曲げ方向d1へと回動させる。また、端部回動アーム33は、その回動円の径方向に、すなわち回転軸31を中心付近から外方に向けて、延設されたレール部35を備え、前端部挟圧部2は、このレール部35に沿って摺動可能となっている。このレール部35に沿って、前端部挟圧部2が回動円の径方向に移動することによって、曲げ加工の新興に伴う鋼管1の前進・後退移動、及び伸縮変形に追従させることができる。
一方、把持部14は、鋼管1の外周面を把持し、端部回動アーム33の回動と連動して、回転軸31を中心に回動する把持部材である。本実施形態において、把持部14は、図6(a)に示すように端部回動アーム33の回動半径内方側から外方に向けて鋼管1を挟み込む構造となっているとともに、把持部14の先端には、回動半径外方側において、該鋼管の外表面に引っ掛ける爪部14aを有している。爪部14aには、回動半径内方側にシリンダー14cと連結しており、図6(b)に示すように、シリンダー14cが収縮することで、爪部14aの回転軸14bを中心として、上下に開閉可能となっている。
また、把持部14は、図7に示すように、偏心距離保持部材8の形状に応じて、鋼管1に対する相対位置を変位させる変位手段14dを備えている。例えば、偏心距離保持部材8が半径Rの円盤状のプーリーである場合に、鋼管のサイズや、曲げ半径(曲げ量)に応じて、偏心距離保持部材8の半径R1から半径R2に交換した場合、変位手段14dにより把持部14の位置を移動させる。偏心軸CL2は、偏心距離保持部材8の外縁に捲き掛けられたワイヤー4bの位置になることから、変位手段14dにより把持部14の位置を移動させることによって、偏心軸CL2から、偏心距離eを確保できる位置に、鋼管1の中心軸CL1を位置させることができる。
偏心距離保持部材8は、曲げ加工の曲率又は曲げ形状に対応した形状をなし、曲げ加工の際に、ワイヤー4bが掛け回され、鋼管1の中心軸に対する偏心距離を保持する部材である。本実施形態では、この偏心距離保持部材8は、図8(a)に示すように、円形状のプーリーであり、外縁に曲げ加工中にワイヤー4bの引張り力の方向を鋼管の中心軸CL1と平行に案内するためのガイド溝9が形成されている。また、偏心距離保持部材8は、この回転軸31に挿通孔8cを挿通することにより、回転軸31に軸支されるとともに、同図(b)に示すように、挿通孔8cを含む断面で、8a及び8bの二つに分割され、分割することにより回転軸31から容易に外せるようになっている。これにより偏心距離保持部材8の着脱作業及び交換作業が容易となる。
他方、押圧ローラー34及び36は、端部回動アーム33の回転軸31に支持され、鋼管1に回転可能に押圧されるローラー部材である。具体的には、図9A及びBに示すように、端部回動アーム33の回転軸31に連結されたローラー固定部34b及び36bが設けられており、このローラー固定部34b及び36bによりローラー部34a及び36aが支持されている。ここで、ローラー部34aが配置される位置は、熱処理手段である環状部53よりも後方の、未だ曲げられていない鋼管1の部位に対して、曲げ方向とは反対側(鋼管の外側)の位置となっている。また、ローラー部36aが配置される位置は、環状部53よりも前方の、曲げ加工が開始されている鋼管1の部位に対して、曲げ方向とは反対側の位置となっている。なお、これら押圧ローラの位置としては、可能な限り加熱部11の近傍部位を拘束することが望ましいが、押圧ローラー34を取り付ける位置は特に限定されるものではない。
さらに、押圧ローラー34,36は、回転軸方向d3に進退可能に取付けられ、鋼管1のサイズや曲げ角度により変位する偏心軸に、追従するようになっている。詳述すると、押圧ローラー34,36のローラー固定部34b及び36bは、回転軸31に固定された円盤状の固定板37を介して、回転軸31から反力を得ており、これらローラー固定部34b及び36bに支持された送りモーター36d等により、ローラー部34a及び36bが、回転軸31に向けられて突出されている。ローラー部34a及び36bは、送りネジ34c及び36cを介して送りモーター34d又は36dに支持されており、この送りネジ34c及び36cは、送りモーター34d又は36dによって伸縮されることにより、ローラー部34a及び36aを前後に移動させる。
(曲げ加工装置の動作)
以上説明した構成を備える曲げ加工装置10の動作について詳細に説明する。図10及び図11は、本実施形態に係る曲げ加工処理を示す説明図である。
先ず、鋼管1を曲げ加工装置10に配置し、環状の加熱コイルを鋼管1に挿通し、後端部挟圧部3の端部受部に、鋼管1の後端部を嵌合させるとともに、図10に示すように、前端部挟圧部2の端部受部27に鋼管1の前端部を取付ける。これと併せて、前端部挟圧部2と、後端部挟圧部3の間に牽引索4を掛け渡す。このとき、偏心距離保持部材8に対して、前端部挟圧部2に係止されたワイヤー4bを掛け回す。
また、本実施形態では、把持部14の爪部14aを開放した状態で、把持部14に鋼管1を挿通し、把持部14を閉止することにより、鋼管1を把持させる。このとき、把持部14は、端部回動アーム33の回動半径内方側から外方に向けて鋼管1を挟み込み、爪部14aを、鋼管1の曲げ方向d1の外側から引っ掛けるようにする。さらに、端部回動アーム33の回転軸31に支持された押圧ローラー34を鋼管1に向けて前進させ、鋼管1の外表面に押圧ローラー34を押圧させる。
具体的に押圧ローラー34が、環状部53よりも後方の、未だ曲げられていない鋼管1の部位に対し、また、ローラー部36aが、環状部53よりも前方の、曲げ加工が施された後の鋼管1の部位に対し、曲げ方向とは反対側から送りモーター34d又は36dによって押圧される。
そして、このような状態において、係止されたワイヤー4bを油圧ジャッキ5によって牽引し、前端部挟圧部2に対して、鋼管1の中心軸から所定距離偏心された偏心軸線上に圧縮力を作用させる。この牽引動作と連動して、鋼管1に対して、加熱部11及び冷却部20を相対移動させつつ、加熱部11によって鋼管1の曲げ加工に係る部分を加熱し、冷却部によって加熱部11で加熱された部分を冷却する。
この加熱処理と、偏心軸線上の圧縮力とにより、軟化した鋼管1に、偏心された圧縮力が作用することとなり、鋼管1に曲げ応力が生じ、鋼管1が曲げられる。この曲げ応力により、端部回動アーム33と連結した前端部挟圧部2、及び把持部14が、回転軸31を中心として回動される。
このように、曲げ加工処理を行うことで、牽引索4の両固定端は鋼管1の偏心軸CL2上にあるから、鋼管1はその偏心軸CL2線方向の圧縮力を受けながら順次移動する環状の環状加熱部1Hにおいて連続して曲がっていく。なお、この曲げ加工の進行に合わせて、押圧ローラー36が、送りモーターにより送り出され、鋼管1の変形に追従させて押しつけられ、ローラーの押圧状態が維持される。
(作用・効果)
このような本実施形態によれば、偏心距離保持部材8は、曲げ加工の曲率又は曲げ形状に対応した形状をなし、この形状を有する偏心距離保持部材8にワイヤー4bが掛け回される構成となっているので、このワイヤー4bを牽引することで、ワイヤー4bが偏心線上からズレることなく、鋼管1の中心軸からの偏心量を一定に保つことができる。
また、本実施形態によれば、押圧ローラー34によって、鋼管1を押圧するので、鋼管1の背側が伸びて外側に膨らみ、鋼管1の中心軸が曲げの外側にズレるのを防止することができ、鋼管1の中心軸からの偏心距離eを一定に保つことができる。さらに、押圧ローラー34は、曲げ加工装置10に予め配置されてるので、曲げ加工中に拘束部材を装着する工程を省略することができ、作業効率を向上させることができる。
上記発明においては、鋼管1の外周面を把持し、端部回動アーム33の回動と連動して回動する把持部14をさらに備えているので、把持部14は、鋼管1が外側に膨らむことを防止することができる。特に、把持部14は、曲げ加工の曲率又は曲げ形状に対応した回転軸31を有する端部回動アーム33と連動して回動するので、曲げ加工に応じて、鋼管1を固定することができ、目的とした曲率又は曲げ形状に鋼管1に曲げることができる。
また、本実施形態において、把持部14は、端部回動アーム33の回動半径内方側から外方に向けて鋼管1を挟み込むとともに、把持部14の先端には、回動半径外方側において、鋼管1の外表面に引っ掛ける爪部14aを有しているので、曲げ加工中の鋼管1が回動半径外側に逃げる力を抑制することができ、目的とした曲率又は曲げ形状に鋼管1に曲げることができる。
さらに、本実施形態において、把持部14は、偏心距離保持部材8の形状に応じて、端部回動アーム33に対する相対位置を変位させる変位手段を備えているので、把持部14は、曲げ加工の曲率又は曲げ形状の偏心距離保持部材8に対応して、位置を変更することができ、様々な形状の鋼管1を固定することができる。
また、本実施形態において、前端部挟圧部2は、ワイヤー4bが係止される嵌合部26と、鋼管1の端部が取付けられる端部受部27とを有し、嵌合部26と端部受部27とは、基部側の凹曲面26aと、端部受部側の凸曲面27aとを介して、摺動可能に組み合わされているので、この場合には、鋼管1の前端部が傾斜した形状である場合などでも、前端部挟圧部2を鋼管1の中心軸CL1に対して垂直に保つことができ、鋼管1に対する圧縮力を的確に伝達することができるとともに、偏心距離を正確に維持することができる。
また、本実施形態において、牽引索4は、剛性を有するロッド状のロッド4aとロッド4aの先端に緊結され、偏心距離保持部材8に掛け回されるワイヤー4bとから構成されるので、ロッド4aは一定の剛性を有するので、曲げ加工中であってもロッド4aの位置は固定され、偏心距離eを一定に保つことができる。また、ワイヤー4bは、一定の軟性を有しているので、偏心距離保持部材8に架け回されることで、曲げ加工の曲率に合わせた圧縮力を鋼管1に伝達することができる。
さらに、本実施形態において、ロッド4aは、鋼管移動部6に対する連結位置を変更することによって、長さが変更可能であるので、様々な長さを有する鋼管1に対応して、目的の曲率又は曲げ形状を得ることができる。
また、本実施形態において、偏心距離保持部材8は、回転軸31に支持されるとともに、回転軸31に対して着脱可能となっているので、目的の曲げ加工の曲率又は曲げ形状に対応した偏心距離保持部材8を適宜変更することができる。
また、本実施形態において、端部回動アーム33は、回転軸31を中心付近から外方に向けて延設されるレール部35を備え、前端部挟圧部2は、レール部35に沿って摺動可能となっているので、前端部挟圧部2は、鋼管1を曲げる回動アームの動きや、牽引索4による圧縮力に追従して、レール部35上を摺動することができ、より適切に鋼管1に圧縮力を伝達することができる。
また、本実施形態において、押圧ローラー34は、回転軸方向に進退可能に取付けられているので、押圧ローラー34が鋼管1を押圧する力を均等に加えることができ、目的の曲率又は曲げ形状を得ることができる。
1…鋼管
2…前端部挟圧部
3…後端部挟圧部
3a…端部受部
4…牽引索
4a…ロッド
4b…ワイヤー
4c…係合部
5…油圧ジャッキ
6…鋼管移動部
6a…基部
6b…前後移動部
7…架台
7a,7a…レール部
8…偏心距離保持部材
8c…挿通孔
9…ガイド溝
10…加工装置
11…加熱部
14…把持部
14a…爪部
14b…回転軸
14c…シリンダー
14d…変位手段
19…中間支持部
19a…支持ローラー
20…冷却部
21…仕切
22,23…流路
24…噴出孔
25…冷却水
26…嵌合部
26a…凹曲面
27…端部受部
27a…凸曲面
27b…表面
28…支持板
28a…スリット部
28b…凸部
29…ワイヤー
30…回転支持部
31…回転軸
33…端部回動アーム
34,36…押圧ローラー
34a,36a…ローラー部
34b,36b…ローラー固定部
35…レール部
40…加工処理部
41…拡径部
50…熱処理部
51…熱処理本体
52…コイルホルダ
53…環状部

Claims (8)

  1. 金属条材を曲げ加工する曲げ加工装置であって、
    前記金属条材の曲げ加工に係る部分を加熱する加熱手段と、
    前記加熱手段で加熱された部分を冷却する冷却手段と、
    前記金属条材に対して、前記加熱手段及び前記冷却手段を相対移動させる移動手段と、
    前記金属条材の端部に取付けられる端部挟圧部と、
    前記端部挟圧部に係止された牽引索を牽引し、前記金属条材の中心軸から所定距離偏心された偏心軸線上に圧縮力を作用させる牽引手段と、
    前記曲げ加工の曲率又は曲げ形状に対応した回転軸を中心として、前記端部挟圧部を回動させる端部回動アームと、
    前記曲げ加工の曲率又は曲げ形状に対応した形状をなし、前記牽引索が掛け回される偏心距離保持部材と、
    前記端部回動アームの前記回転軸に支持され、前記金属条材に回転可能に押圧される押圧ローラーと
    を備えることを特徴とする曲げ加工装置。
  2. 前記押圧ローラーは、前記加熱手段及び冷却手段の前後に複数配置されることを特徴とする請求項1に記載の曲げ加工装置。
  3. 前記金属条材の外周面を把持し、前記端部回動アームの回動と連動して回動する把持部をさらに備え、
    前記把持部は、前記端部回動アームの回動半径内方側から外方に向けて前記金属条材を挟み込むとともに、該把持部の先端には、該回動半径外方側において、該金属条材の外表面に引っ掛ける爪部を有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の曲げ加工装置。
  4. 前記端部挟圧部は、
    前記牽引索が係止される基部と、
    前記金属条材の端部が取付けられる端部受部と
    を有し、
    前記基部と前記端部受部とは、該基部側の凹曲面と、該端部受部側の凸曲面とを介して、摺動可能に組み合わされている
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の曲げ加工装置。
  5. 前記牽引索は、
    剛性を有するロッド状のロッド部と
    前記ロッド部の先端に緊結され、前記偏心距離保持部材に掛け回されるワイヤー部と
    から構成されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の曲げ加工装置。
  6. 前記ロッド部は、前記牽引手段に対する連結位置を変更することによって、長さが変更可能であることを特徴とする請求項5に記載の曲げ加工装置。
  7. 金属条材を曲げ加工する方法であって、
    前記金属条材の端部に端部挟圧部を取付けるとともに、前記曲げ加工の曲率又は曲げ形状に対応した形状の偏心距離保持部材に前記牽引索を掛け回し、前記端部挟圧部に係止された牽引索を牽引し、前記金属条材の中心軸から所定距離偏心された偏心軸線上に圧縮力を作用させる牽引工程と、
    前記金属条材に対して、加熱手段及び冷却手段を相対移動させつつ、前記金属条材の曲げ加工に係る部分を加熱するとともに、前記加熱手段で加熱された部分を前記冷却手段で冷却する熱処理工程と、
    前記曲げ加工の曲率又は曲げ形状に対応した回転軸を中心として、前記端部挟圧部を回動させるとともに、該回転軸に支持された押圧ローラーを前記金属条材に回転可能に押圧する回転支持工程と
    を有することを特徴とする金属条材の曲げ加工方法。
  8. 前記押圧ローラーは、前記加熱手段及び冷却手段の前後に複数配置されることを特徴とする請求項7に記載の金属条材の曲げ加工方法。
JP2009265067A 2009-11-20 2009-11-20 金属条材の曲げ加工装置及び曲げ加工方法 Expired - Fee Related JP5616051B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009265067A JP5616051B2 (ja) 2009-11-20 2009-11-20 金属条材の曲げ加工装置及び曲げ加工方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009265067A JP5616051B2 (ja) 2009-11-20 2009-11-20 金属条材の曲げ加工装置及び曲げ加工方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011104647A true JP2011104647A (ja) 2011-06-02
JP5616051B2 JP5616051B2 (ja) 2014-10-29

Family

ID=44228753

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009265067A Expired - Fee Related JP5616051B2 (ja) 2009-11-20 2009-11-20 金属条材の曲げ加工装置及び曲げ加工方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5616051B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103018102A (zh) * 2013-01-23 2013-04-03 上海交通大学 用于柱形曲板轴压稳定性试验的固定夹具
JP2013111590A (ja) * 2011-11-25 2013-06-10 Dai Ichi High Frequency Co Ltd 金属条材の曲げ加工装置、首折れ防止用支持クランプ装置、および曲部を備えた金属条材の製造方法
CN106944512A (zh) * 2017-03-25 2017-07-14 郭敏青 铝条折弯机
CN107186837A (zh) * 2017-07-05 2017-09-22 广东工业大学 一种辅助大幅度热弯竹子的装置
CN114160629A (zh) * 2021-10-26 2022-03-11 中铁十六局集团第五工程有限公司 弯管制备设备
WO2023010991A1 (zh) * 2021-08-05 2023-02-09 浙江传播者金属装饰材料有限公司 钢管折弯装置

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5973126A (ja) * 1982-10-21 1984-04-25 Hitachi Ltd 熱間管曲げ装置
JPS59193720A (ja) * 1983-04-16 1984-11-02 Honda Motor Co Ltd 数値制御式パイプ曲げ加工装置
JPH02179323A (ja) * 1988-12-30 1990-07-12 Usui Internatl Ind Co Ltd 細径金属管の曲げ加工装置
JP2967482B1 (ja) * 1998-07-02 1999-10-25 徹 佐藤 鋼管曲げ加工装置及び方法
JPH11319958A (ja) * 1998-05-19 1999-11-24 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 曲がりクラッド管およびその製造方法
JP3400767B2 (ja) * 2000-02-28 2003-04-28 徹 佐藤 鋼管曲げ加工装置及び方法
JP3793762B2 (ja) * 2003-05-19 2006-07-05 有限会社オータス 金属条材曲げ加工装置及び金属条材曲げ加工方法
JP2007083304A (ja) * 2005-03-03 2007-04-05 Sumitomo Metal Ind Ltd 金属材の曲げ加工方法、曲げ加工装置および曲げ加工設備列、並びにそれらを用いた曲げ加工製品
JP2007301587A (ja) * 2006-05-10 2007-11-22 Sumitomo Metal Ind Ltd 異形管の曲げ加工方法およびその曲げ加工装置、並びにそれらを用いた曲げ加工製品

Patent Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5973126A (ja) * 1982-10-21 1984-04-25 Hitachi Ltd 熱間管曲げ装置
JPS59193720A (ja) * 1983-04-16 1984-11-02 Honda Motor Co Ltd 数値制御式パイプ曲げ加工装置
JPH02179323A (ja) * 1988-12-30 1990-07-12 Usui Internatl Ind Co Ltd 細径金属管の曲げ加工装置
JPH11319958A (ja) * 1998-05-19 1999-11-24 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 曲がりクラッド管およびその製造方法
JP2967482B1 (ja) * 1998-07-02 1999-10-25 徹 佐藤 鋼管曲げ加工装置及び方法
JP2000015350A (ja) * 1998-07-02 2000-01-18 Toru Sato 鋼管曲げ加工装置及び方法
JP3400767B2 (ja) * 2000-02-28 2003-04-28 徹 佐藤 鋼管曲げ加工装置及び方法
JP3793762B2 (ja) * 2003-05-19 2006-07-05 有限会社オータス 金属条材曲げ加工装置及び金属条材曲げ加工方法
JP2007083304A (ja) * 2005-03-03 2007-04-05 Sumitomo Metal Ind Ltd 金属材の曲げ加工方法、曲げ加工装置および曲げ加工設備列、並びにそれらを用いた曲げ加工製品
JP2007301587A (ja) * 2006-05-10 2007-11-22 Sumitomo Metal Ind Ltd 異形管の曲げ加工方法およびその曲げ加工装置、並びにそれらを用いた曲げ加工製品

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013111590A (ja) * 2011-11-25 2013-06-10 Dai Ichi High Frequency Co Ltd 金属条材の曲げ加工装置、首折れ防止用支持クランプ装置、および曲部を備えた金属条材の製造方法
CN103018102A (zh) * 2013-01-23 2013-04-03 上海交通大学 用于柱形曲板轴压稳定性试验的固定夹具
CN106944512A (zh) * 2017-03-25 2017-07-14 郭敏青 铝条折弯机
CN107186837A (zh) * 2017-07-05 2017-09-22 广东工业大学 一种辅助大幅度热弯竹子的装置
WO2023010991A1 (zh) * 2021-08-05 2023-02-09 浙江传播者金属装饰材料有限公司 钢管折弯装置
CN114160629A (zh) * 2021-10-26 2022-03-11 中铁十六局集团第五工程有限公司 弯管制备设备

Also Published As

Publication number Publication date
JP5616051B2 (ja) 2014-10-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5616051B2 (ja) 金属条材の曲げ加工装置及び曲げ加工方法
KR100806775B1 (ko) 싱글타입 언코일러
EP3127629A1 (en) Device for manufacturing hot-rolled coil spring
JP2007083304A (ja) 金属材の曲げ加工方法、曲げ加工装置および曲げ加工設備列、並びにそれらを用いた曲げ加工製品
JP5044576B2 (ja) 巻取中にストリップを安定化させる方法及び装置
JP5288749B2 (ja) 金属管曲げ加工装置および方法
JP2010525953A (ja) 管を曲げ加工するための装置および方法
JP2011088206A (ja) マグネシウム合金薄板熱間圧延装置
JP3400767B2 (ja) 鋼管曲げ加工装置及び方法
KR20120015473A (ko) 파이프 정관기
JP5822285B2 (ja) 熱間三次元曲げ加工装置
JP3793762B2 (ja) 金属条材曲げ加工装置及び金属条材曲げ加工方法
JP2004223530A (ja) 金属曲管の製造方法及び曲げ加工装置
JP2011125907A (ja) 金属管曲げ加工装置および方法
JP6329260B2 (ja) 巻癖形成装置
CN215396877U (zh) 内衬管扩管翻边设备
US9744584B2 (en) Hot formed coiling machine
JP2012529992A (ja) Uoe鋼管を拡管する際にプロセスを監視しプロセスを制御するための方法および装置
JP4610202B2 (ja) 加熱処理可能な軸肥大加工装置
KR101155442B1 (ko) 파이프 내부 냉각장치
JP5704635B2 (ja) 金属条材圧縮曲げ加工方法
CN213772154U (zh) 一种拉丝机的退火装置
JP6778543B2 (ja) 溝付き金属管の製造装置及び方法
KR100577912B1 (ko) 선박의 선체 보강용 보강대 가공 장치
AU2012101315A4 (en) Apparatus for Forming Bends in Thermoplastic Pipe and Method of Use

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120831

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130905

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20131101

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140821

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140911

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5616051

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees