JP2011102529A - 接着型の鋼ジベル及びそれを用いた鋼床版とコンクリート等の接合構造 - Google Patents

接着型の鋼ジベル及びそれを用いた鋼床版とコンクリート等の接合構造 Download PDF

Info

Publication number
JP2011102529A
JP2011102529A JP2010111042A JP2010111042A JP2011102529A JP 2011102529 A JP2011102529 A JP 2011102529A JP 2010111042 A JP2010111042 A JP 2010111042A JP 2010111042 A JP2010111042 A JP 2010111042A JP 2011102529 A JP2011102529 A JP 2011102529A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
steel
plate
concrete
adhesive
gibber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2010111042A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5530246B2 (ja
Inventor
Ryosuke Shionaga
亮介 塩永
Yoshihiko Nakamura
善彦 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
IHI Corp
IHI Infrastructure Systems Co Ltd
Original Assignee
IHI Corp
IHI Infrastructure Systems Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by IHI Corp, IHI Infrastructure Systems Co Ltd filed Critical IHI Corp
Priority to JP2010111042A priority Critical patent/JP5530246B2/ja
Publication of JP2011102529A publication Critical patent/JP2011102529A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5530246B2 publication Critical patent/JP5530246B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Bridges Or Land Bridges (AREA)

Abstract

【課題】コンクリートまたはモルタルに応力集中によるひび割れが発生することを抑制し、かつ、鋼床版と高強度に接着が可能な接着型の鋼ジベル及びそれを用いた鋼床版とコンクリート等の接合構造を提供する。
【解決手段】鋼床版の表面に接着され、鋼床版と鋼床版上に設けられるコンクリートまたはモルタルとを一体化させるための接着型の鋼ジベルにおいて、鋼床版に裏面が接着される鋼製のプレート10と、プレート10の表面から突出するように設けられたスタッド部11と、スタッド部11の周囲を覆うように設けられた樹脂製のカバー部12とからなる。
【選択図】図1

Description

本発明は、鋼床版とコンクリートまたはモルタルを一体化するための接着型の鋼ジベル及びそれを用いた鋼床版とコンクリート等の接合構造に係り、特に、鋼床版と高強度に接着が可能な接着型の樹脂被覆した鋼ジベル及びそれを用いた鋼床版とコンクリートまたはモルタルの接合構造に関するものである。
わが国の主要な橋梁構造形式のひとつである鋼橋の上部工には、鋼床版およびコンクリート床版があり、そのうちの鋼床版では図7(a),(b)に示すように、板厚9〜14mmの鋼床版(デッキプレート)2の上にアスファルト4を施工したものが一般に用いられている。
また鋼床版2の裏面には、走行方向の剛度を補強するために、複数のU字状の型鋼(Uリブ)61が溶接により固定されている。しかし、このような鋼橋の床版では、車両の通過による繰り返し荷重により、鋼床版2とUリブ61の溶接部分やUリブ61の突き合わせ溶接部など(図7(b)に破線楕円で示す部分)にクラック(疲労き裂)が生じやすいという問題がある。
この問題を解決するために、鋼床版上に補強用のコンクリート(例えば繊維補強コンクリート)またはモルタルを設け、鋼床版とコンクリートまたはモルタルとを一体化させ、このコンクリートまたはモルタル上にアスファルトを施工することが行われている。鋼床版と補強用のコンクリートまたはモルタルとを一体化させることで、鋼床版とUリブ61の溶接部分に発生する応力を低減し、溶接部分でのクラックの発生を抑制することが可能である。
鋼床版とコンクリートとを一体化する方法としては、従来、図8(a),(b)に示すように、鋼床版2の表面に頭付きスタッド62を設け、その頭付きスタッド62を設けた鋼床版2上にコンクリート3を打設することで、鋼床版2とコンクリート3とを一体化する方法がある。しかし、この方法では、頭付きスタッド62周辺のコンクリート3に応力集中が発生し、コンクリート3にひび割れが発生しやすいという問題がある。
そこで、特許文献1では、図9に示すように、コンクリートからなる略円盤状のジベル71を用い、そのジベル71を接着剤により鋼床版2の表面に接着し、その上に板状のコンクリート72を載置することが提案されている。特許文献1では、板状のコンクリート72に形成された凹部73にジベル71を嵌合させることで、板状のコンクリート72と鋼床版2とを一体化している。
また、特許文献2では、図10(a),(b)に示すように、FRP(Fiber Reinforced Plastics;繊維強化プラスチック)からなる略円盤状のジベル81を用い、そのジベル81を鋼床版2の表面に接着し、この状態で鋼床版2上にコンクリート3を打設することで、鋼床版2とコンクリート3とを一体化させることが提案されている。
特開2006−249702号公報 特開2005−155187号公報
しかしながら、特許文献1,2では、金属からなる鋼床版2と、コンクリートあるいはFRPからなるジベル71,81とを接着するため、異種材料間の接着となり、十分な接着強度が長期的に確保できないという問題がある。
この問題を解決するには、鋼製のジベル(あるいはスタッド)を用いることが考えられるが、この場合、図8で説明したように、鋼製のジベルの周辺のコンクリート(またはモルタル)3に応力集中が発生し、コンクリート(またはモルタル)3にひびが入ってしまうという問題が生じる。
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、コンクリートまたはモルタルに応力集中によるひび割れが発生することを抑制し、かつ、鋼床版と高強度に接着が可能な接着型の鋼ジベル及びそれを用いた鋼床版とコンクリート等の接合構造を提供することにある。
本発明は上記目的を達成するために創案されたものであり、鋼床版の表面に接着され、前記鋼床版と該鋼床版上に設けられるコンクリートまたはモルタルとを一体化させるための接着型の鋼ジベルにおいて、前記鋼床版に裏面が接着される鋼製のプレートと、該プレートの表面から突出するように設けられたスタッド部と、該スタッド部の周囲を覆うように設けられた樹脂製のカバー部とからなる接着型の鋼ジベルである。
前記スタッド部は、前記プレートの裏面側から圧入され、前記プレートの表面から先端部が突出した状態で前記プレートに固定されたボルトからなり、前記カバー部に設けた雌ネジと前記ボルトに設けた雄ネジとを螺合させることで、前記カバー部を前記ボルトに固定し、前記ボルトの前記プレートの表面から突出した先端部を前記カバー部で覆うようにしてもよい。
前記スタッド部が円筒状の筒状部材からなり、該筒状部材は、その一方の開口を前記プレートで塞ぐようにして、溶接により前記プレートに固定され、前記カバー部は、前記筒状部材の外周を覆うように、圧着により前記筒状部材に固定されてもよい。
前記プレートには、プレートを前記鋼床版に接着するとき余分な接着剤を逃がすと共に前記プレートを前記鋼床版に追随して変形し易くするためのスリットが形成されるとよい。
前記スリットは、前記スタッド部を中心として放射状に延びるとよい。
前記カバー部は、略円筒状の胴部と、該胴部の上方に一体に設けられ、前記胴部よりも径の大きい頭部とからなるとよい。
また、本発明は、前記接着型の鋼ジベルの前記プレートの裏面を、前記鋼床版の表面に接着剤にて接着し、この状態で前記鋼床版上にコンクリートまたはモルタルを打設することで、前記鋼床版と前記コンクリートまたはモルタルを一体化した鋼床版とコンクリート等の接合構造である。
本発明によれば、コンクリートまたはモルタルに応力集中によるひび割れが発生することを抑制し、かつ、鋼床版と高強度に接着が可能な接着型の鋼ジベル及びそれを用いた鋼床版とコンクリート等の接合構造を提供できる。これによって、鋼床版とUリブの溶接部分に発生する応力を低減し、溶接部分でのクラックの発生を抑制することが可能となる。
本発明の一実施の形態に係る接着型の樹脂被覆した鋼ジベルを示す図であり、(a)は平面図および正面図、(b)は断面図である。 図1の接着型の樹脂被覆した鋼ジベルの変形例を示す断面図である。 図1の接着型の樹脂被覆した鋼ジベルを用いた鋼床版とコンクリートの接合構造を示す図であり、(a)は斜視図(一部破断面)、(b)は断面図である。 本発明の一実施の形態に係る接着型の樹脂被覆した鋼ジベルを示す図であり、(a)は断面図、(b)は平面図である。 本発明の一実施の形態に係る接着型の樹脂被覆した鋼ジベルを示す図であり、(a)は断面図、(b)は平面図である。 本発明の一実施の形態に係る接着型の樹脂被覆した鋼ジベルを示す図であり、(a)は断面図、(b)は平面図である。 (a)は鋼床板を用いた橋梁構造を示す図であり、(b)は鋼床板でひび割れが発生する位置を示す図である。 従来の鋼床版とコンクリートの接合構造を説明する図であり、(a)は斜視図(一部破断面)、(b)はそのA部拡大図である。 従来の鋼床版とコンクリートの接合構造およびそれに用いられるジベルを説明する図である。 (a)は、従来の鋼床版とコンクリートの接合構造を説明する図であり、(b)はそれに用いられるジベルを説明する図である。
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面にしたがって説明する。
図1は、本実施の形態に係る接着型の樹脂被覆した鋼ジベル(以下、接着型樹脂ジベルと略す)を示す図であり、(a)は平面図および正面図、(b)は断面図である。
図1(a),(b)に示すように、接着型樹脂ジベル1は、鋼床版の表面に接着され、鋼床版と鋼床版上に設けられるコンクリートまたはモルタルとを一体化させる(鋼床版に対してコンクリートまたはモルタルがずれないようずれ止めする)ためのものであり、鋼床版に裏面が接着される鋼製(例えば、SS400製、あるいはZAM鋼板製)のプレート10と、プレート10の表面から突出するように設けられたスタッド部11と、スタッド部11の周囲を覆うように設けられた樹脂製(強化樹脂製)のカバー部12とからなる。
プレート10は、円盤状に形成される。プレート10の直径は、例えば100mmであり、厚さは、例えば3.2mmである。本実施の形態では、プレート10を円盤状としているが、プレート10の形状はこれに限定されない。プレート10は矩形板状であってもよく楕円板状であってもよい。
スタッド部11は、プレート10の表面の略中央部から突出するように設けられる。本実施の形態では、プレート10の裏面側からボルト(あるいはネジ)13を圧入することで、プレート10の表面からその先端部13aが突出した状態でボルト13をプレート10に固定し、これをスタッド部11として用いる。ボルト13のサイズは、例えばM16×h25(先端部13aの直径16mm、長さ25mm)である。
カバー部12は、略円筒状の胴部12aと、胴部12aの上方に一体に設けられ、胴部12aよりも径の大きい頭部12bとからなる。本実施の形態では、カバー部12の上縁に断面視で半円状(例えば、R=3mm)の突部を形成することで、頭部12bを形成している。胴部12aの直径は、例えば36mmであり、頭部12bの最大直径は、例えば42mmである。また、胴部12aと頭部12bを合わせたカバー部12の高さは、例えば、21.8mmである。
カバー部12の略中央部には、その軸方向に沿って貫通穴12cが形成されており、貫通穴12cの上部にはボルト13に設けた雄ネジに螺合する雌ネジを有するナット12dが設けられている。このナット12d(雌ネジ)をボルト13の先端部13a(雄ネジ)に螺合させることで、カバー部12がボルト13に固定される。カバー部12をボルト13に螺合させることで、ボルト13のプレート10の表面から突出した先端部13aは、カバー部12の上面と一致する。
カバー部12の頭部12bの形状は、カバー部12をボルト13に螺合するのを容易とするために、平面視で多角形状としてもよい。
また、本実施の形態では、カバー部12の上縁に断面視で半円状の突部を形成することで、頭部12bを形成しているが、図2に示すように、頭部12bを、胴部12aから離れるにしたがって径が大きくなるようテーパ状に形成してもよい。
カバー部12に用いる樹脂としては、強度が高く、かつ、カバー部12の周囲のコンクリートまたはモルタルに応力集中を発生させないものを用いることが望ましく、例えば、POM(ポリアセタール樹脂)を用いるとよい。
次に、接着型樹脂ジベル1を用いた鋼床版とコンクリート等(コンクリートまたはモルタル)の接合構造について説明する。
図3(a),(b)に示すように、本実施の形態に係る鋼床版とコンクリートまたはモルタルの接合構造31は、接着型樹脂ジベル1のプレート10の裏面を、鋼床版2の表面に接着剤32により接着し、この状態で鋼床版2上にコンクリート(またはモルタル)3を打設することで、鋼床版2とコンクリート(またはモルタル)3を一体化したものである。
接着剤32としては、耐水性のものを用いることが望ましく、例えば、アクリル系またはエポキシ系のものを用いるとよい。本実施の形態では、鋼製のプレート10と鋼床版2とを接着するため、同種材料間の接着となり、十分な接着強度を確保することが可能である。接着型樹脂ジベル1は、例えば、鋼床版2の表面に縦横50cm間隔で配置される。
鋼床版2上に打設するコンクリート(またはモルタル)3は、鋼床版2を補強するためのものであるため、強度の高いものを用いることが望ましい。本実施の形態では、コンクリート(またはモルタル)3として、高強度繊維補強モルタルを用いる。
コンクリート(またはモルタル)3上には、塗膜系防水層33、および排水性アスファルト層34が順次設けられる。コンクリート(またはモルタル)3の厚さは、例えば40mmであり、排水性アスファルト層34の厚さは、例えば35mmである。本実施の形態では、コンクリート(またはモルタル)3上に、塗膜系防水層33、排水性アスファルト層34を設けているが、コンクリート(またはモルタル)3上に設けられる構造については、これに限定されない。
本実施の形態の作用を説明する。
本実施の形態に係る接着型樹脂ジベル1では、鋼床版2に裏面が接着される鋼製のプレート10と、プレート10の表面から突出するように設けられたスタッド部11と、スタッド部11の周囲を覆うように設けられた樹脂製のカバー部12とを備えている。
接着型樹脂ジベル1によれば、鋼製のプレート10と鋼床版2、つまり同種材料同士を接着するので、コンクリートやFRPなどからなるジベルと鋼床版2、すなわち異種材料同士を接着する場合と比較して、接着型樹脂ジベル1を鋼床版2に高強度に接着することが可能となる。
さらに、接着型樹脂ジベル1によれば、スタッド部11(ボルト13)の周囲を覆うように樹脂製のカバー部12を設けているため、このカバー部12で応力を分散させることが可能となり、接着型樹脂ジベル1の周囲のコンクリート(またはモルタル)3に応力集中によるひび割れが発生することを抑制できる。
つまり、接着型樹脂ジベル1によれば、コンクリート(またはモルタル)3に応力集中によるひび割れを発生させることなく、鋼床版2とコンクリート(またはモルタル)3との接着強度を長期的に確保することが可能となる。鋼床版2とコンクリート(またはモルタル)3とを十分な強度で一体化することより、鋼床版2とUリブの溶接部分に発生する応力を低減し、溶接部分でのクラックの発生を抑制することが可能となる。
また、接着型樹脂ジベル1では、カバー部12を、略円筒状の胴部12aと、胴部12aの上方に一体に設けられた胴部12aよりも径の大きい頭部12bとで構成しているため、コンクリート(またはモルタル)3が上方に(鋼床版2と離れる方向に)ずれてしまうことを抑制でき、鋼床版2とコンクリート(またはモルタル)3とをより強固に一体化させることができる。
本発明の他の実施の形態を説明する。
図4(a),(b)に示す接着型樹脂ジベル41は、基本的に図1の接着型樹脂ジベル1と同じ構成であり、スタッド部11としてM16×h25の皿ボルト42を用いた点が異なる。
スタッド部11としてボルトを用いる場合、接着型樹脂ジベル41の強度を向上させるために、ボルトの先端部の径は大きい(太い)方が好ましい。しかし、径が大きいボルト(ここでは皿ボルト42)では、その頭部42aも大きくなってしまい、ボルトをプレート10に圧入した際に、その頭部42aがプレート10の裏面から突出してしまう場合がある。
そこで、接着型樹脂ジベル41では、皿ボルト42の圧入部分の周囲のプレート10を表面側に湾曲するようにプレス加工し、プレート10の裏面と皿ボルト42の頭部42aとが面一になるように構成されている。これにより、皿ボルト42の頭部42aがプレート10の裏面から突出してプレート10の裏面を鋼床版2に接着できなくなることを抑制できる。
皿ボルト42に螺合するカバー部43は、円筒状の胴部43aと、胴部43aの上方に一体に設けられ、胴部43aよりも径の大きい頭部43bとからなる。ここでは、カバー部43の上縁に断面視で半円状(例えば、R=3mm)の突部を形成することで、頭部43bを形成している。また、胴部43aの下部(プレート10側の部分)は、湾曲したプレート10に対応した形状とされている。
図5(a),(b)に示す接着型樹脂ジベル61は、図4の接着型樹脂ジベル41のプレート10に変更を加えたものである。プレート62以外の構成はカバー部63のナット65が六角ナットである点を除いて図4の接着型樹脂ジベル41と同じである。
図5(a),(b)に示すように接着型樹脂ジベル61は、鋼床版2の上面に接着剤66を介して接着される鋼製のプレート(底板)62と、プレート62に上方に突出するように設けられたスタッド部11と、スタッド部11の周囲を覆うように設けられた樹脂製(強化樹脂製)のカバー部63とからなる。
プレート62は、スリット64を有する円盤状に形成されており、スリット64によって変形に対する抵抗を低くされている。プレート62の中央部にはスタッド部11を構成する上述の皿ボルト42を挿通させるための貫通穴67が形成されると共に皿ボルト42の頭部42aを収容するための頭部収容部68が形成されている。頭部収容部68は、貫通穴67周囲のプレート62を表面側に突出させるようにプレス加工することで円錐台状に形成されており、皿ボルト42の頭部42aを完全に収容するようになっている。
スリット64は、プレート62を鋼床版2に接着するとき余分な接着剤66を逃がすと共にプレート62を鋼床版2に追随して変形し易くするためのものであり、スタッド部11を中心として放射状に延びている。スリット64のスタッド部11側の端部(基端)はカバー部63の径方向外方に位置されている。また、スリット64はプレート62の外周端まで延びて形成されており、プレート62の外周側を周方向に分割するようになっている。具体的には、スリット64は、周方向に等間隔に8カ所形成されている。
スタッド部11は、プレート62の貫通穴67に皿ボルト42を裏面側から圧入して形成される。
カバー部63は、略筒状に形成されており、下部に形成された胴部63aと、上部に形成され胴部63aより大径の頭部63bとからなる。胴部63aより径方向外方の頭部63bは断面半円状に形成されている。また、カバー部63の上部には、皿ボルト42に螺合されるナット65が同軸上に設けられており、カバー部63の下部には、ナット65と鋼床版2の間に介在される樹脂層69が形成されている。ナット65が皿ボルト42に締結されることで樹脂層69がプレート62に圧接し、カバー部63に作用する軸方向の力と曲げ方向の力を樹脂層69で吸収するようになっている。
次に本実施の形態の作用を述べる。
鋼床版2にプレート62を接着する場合、プレート62と鋼床版2のいずれか一方又は両方に接着剤66を塗布し、鋼床版2上にプレート62を押し付けて接着する。このとき、鋼床版2、プレート62間の接着剤66の厚さは必ずしも均等ではなく、スリットのない従来のプレート(図示せず)にあっては、中心付近で接着剤66の量が多くなると接着剤66がプレートの外に出て行きにくく、接着剤66の層厚が厚くなっていたが、スリット64を有するプレート62にあっては、鋼床版2上にプレート62を押し付けることで余分な接着剤66がスリット64から外にはみ出るため、鋼床版2、プレート62間の接着剤66の層厚が一定量に保たれる。また、スリット64から外にはみ出した接着剤66の量を見れば、接着剤66が鋼床版2とプレート62の接着面に均等に広がったことを容易に確認でき、容易に品質管理できる。
この後、鋼床版2上にコンクリートまたはモルタルを打設するなどして橋梁を構築したのち、鋼床版2が曲げ方向の力を受けるなどして変形した場合、スリットのない従来のプレート(図示せず)にあっては、鋼床版2の変形に追随できず、鋼床版2とプレートの間に引き剥がす力が働き、この力が働いた位置を起点にプレートが剥がれる虞があったが、スリット64を有するプレート62にあっては、スリット64の幅を拡大又は縮小させるように変形して鋼床版2の変形に追随する。このため、プレート62には鋼床版2から引き剥がす力が生じにくく、鋼床版2から接着型樹脂ジベル61が剥がれるのを防ぐことができる。
図6(a),(b)に示す接着型樹脂ジベル51は、スタッド部11として円筒状の筒状部材(鋼管、リング)52を用い、その筒状部材52の外周を覆うようにカバー部53を設けたものである。
筒状部材52は、その一方の開口をプレート10で塞ぐようにして、溶接(簡易溶接)によりプレート10に固定される。筒状部材52の外径は、例えば76mm、高さは、例えば21.8mm、厚さは、例えば2.2mmである。
カバー部53は、筒状部材52の外周を覆うように設けられ、圧着により筒状部材52に固定される。カバー部53は、円筒状の胴部53aと、胴部53aの上方に一体に設けられ、胴部53aよりも径の大きい頭部53bとからなる。ここでは、カバー部53の上縁に断面視で半円状(例えば、R=2mm)の突部を形成することで、頭部53bを形成している。カバー部53(胴部53aおよび頭部53b)の内径は、筒状部材52の外径と略同じに形成されており、例えば76mmである。胴部53aの外径は、例えば80mmであり、頭部53bの最大外径は、例えば84mmである。
接着型樹脂ジベル51によれば、筒状部材52の内部にもコンクリート(またはモルタル)3が充填されることとなるので、接着型樹脂ジベル41の強度をさらに向上させることができ、さらに、接着型樹脂ジベル51の周囲のコンクリート(またはモルタル)3に応力集中によるひび割れが発生することをより抑制できる。
本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変更を加え得ることは勿論である。
1 接着型樹脂ジベル
10 プレート
11 スタッド部
12 カバー部
13 ボルト

Claims (7)

  1. 鋼床版の表面に接着され、前記鋼床版と該鋼床版上に設けられるコンクリートまたはモルタルとを一体化させるための接着型の鋼ジベルにおいて、
    前記鋼床版に裏面が接着される鋼製のプレートと、該プレートの表面から突出するように設けられたスタッド部と、該スタッド部の周囲を覆うように設けられた樹脂製のカバー部とからなることを特徴とする接着型の鋼ジベル。
  2. 前記スタッド部は、前記プレートの裏面側から圧入され、前記プレートの表面から先端部が突出した状態で前記プレートに固定されたボルトからなり、
    前記カバー部に設けた雌ネジと前記ボルトに設けた雄ネジとを螺合させることで、前記カバー部を前記ボルトに固定し、前記ボルトの前記プレートの表面から突出した先端部を前記カバー部で覆うようにした請求項1記載の接着型の鋼ジベル。
  3. 前記スタッド部が円筒状の筒状部材からなり、該筒状部材は、その一方の開口を前記プレートで塞ぐようにして、溶接により前記プレートに固定され、前記カバー部は、前記筒状部材の外周を覆うように、圧着により前記筒状部材に固定される請求項1記載の接着型の鋼ジベル。
  4. 前記プレートには、プレートを前記鋼床版に接着するとき余分な接着剤を逃がすと共に前記プレートを前記鋼床版に追随して変形し易くするためのスリットが形成された請求項1〜3のいずれかに記載の接着型の鋼ジベル。
  5. 前記スリットは、前記スタッド部を中心として放射状に延びる請求項4記載の接着型の鋼ジベル。
  6. 前記カバー部は、略円筒状の胴部と、該胴部の上方に一体に設けられ、前記胴部よりも径の大きい頭部とからなる請求項1〜5いずれかに記載の接着型の鋼ジベル。
  7. 請求項1〜6いずれかに記載の接着型の樹脂被覆した鋼ジベルの前記プレートの裏面を、前記鋼床版の表面に接着剤にて接着し、この状態で前記鋼床版上にコンクリートまたはモルタルを打設することで、前記鋼床版と前記コンクリート等を一体化したことを特徴とする鋼床版とコンクリート等の接合構造。
JP2010111042A 2009-10-14 2010-05-13 接着型の鋼ジベル及びそれを用いた鋼床版とコンクリート等の接合構造 Expired - Fee Related JP5530246B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010111042A JP5530246B2 (ja) 2009-10-14 2010-05-13 接着型の鋼ジベル及びそれを用いた鋼床版とコンクリート等の接合構造

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009237424 2009-10-14
JP2009237424 2009-10-14
JP2010111042A JP5530246B2 (ja) 2009-10-14 2010-05-13 接着型の鋼ジベル及びそれを用いた鋼床版とコンクリート等の接合構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011102529A true JP2011102529A (ja) 2011-05-26
JP5530246B2 JP5530246B2 (ja) 2014-06-25

Family

ID=44192964

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010111042A Expired - Fee Related JP5530246B2 (ja) 2009-10-14 2010-05-13 接着型の鋼ジベル及びそれを用いた鋼床版とコンクリート等の接合構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5530246B2 (ja)

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09105177A (ja) * 1995-10-09 1997-04-22 Daishin Kogyo Kk スタッド金具
JPH10317324A (ja) * 1997-05-23 1998-12-02 Shigeyuki Matsui 桁 橋
JP2001011938A (ja) * 1999-06-30 2001-01-16 Kawada Industries Inc 鋼とコンクリートとの結合用ずれ止め
JP2006183306A (ja) * 2004-12-27 2006-07-13 Kajima Corp ずれ止めおよび鋼とコンクリートとの結合方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09105177A (ja) * 1995-10-09 1997-04-22 Daishin Kogyo Kk スタッド金具
JPH10317324A (ja) * 1997-05-23 1998-12-02 Shigeyuki Matsui 桁 橋
JP2001011938A (ja) * 1999-06-30 2001-01-16 Kawada Industries Inc 鋼とコンクリートとの結合用ずれ止め
JP2006183306A (ja) * 2004-12-27 2006-07-13 Kajima Corp ずれ止めおよび鋼とコンクリートとの結合方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP5530246B2 (ja) 2014-06-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4817264A (en) Fastener and assembly process
JP6979982B2 (ja) 硬化ライニング材のライナーを固定する固定アセンブリ、該固定アセンブリと共の使用に適したフェルール、さらにフェルールホルダーを含む固定取り付けアセンブリ、および該固定アセンブリの使用
JP5982103B2 (ja) 鋼管杭の連結構造
US8122680B2 (en) Concrete conduit members
JP5530246B2 (ja) 接着型の鋼ジベル及びそれを用いた鋼床版とコンクリート等の接合構造
JP2000160700A (ja) 鋼構造物接合用高力ボルトおよび鋼構造物接合構造
JP2008273053A (ja) 接着方法および接着構造
KR101561112B1 (ko) 방수시트 고정장치 및 이를 이용한 저수조 방수공법
JP5388669B2 (ja) ジベル及び床版結合方法
JP2006037448A (ja) スタッドおよび合成地下壁
JP2010216647A (ja) 配線・配管材支持具、および配線・配管材支持具の固定方法
JP5676165B2 (ja) 耐腐食性向上支柱
JP2007332975A (ja) フランジ付カラーを含む締結構造体
KR20190044865A (ko) 방수시트 고정부재를 이용한 수조 방수공법
KR20190040566A (ko) 방수시트 고정부재
JP2008045320A (ja) コンクリート部材の補強方法、および補強構造
JP2006183306A (ja) ずれ止めおよび鋼とコンクリートとの結合方法
JP2007138448A (ja) 梁貫通孔補強構造
FR2510639A3 (fr) Dispositif pour l'ancrage de tiges de fixation, en particulier dans l'industrie du batiment et des travaux publics
JP4322587B2 (ja) ずれ止めおよび鋼とコンクリートとの結合方法
JP2007100473A (ja) 外壁のタイル張り工法及び外壁
KR101730688B1 (ko) 앵커 볼트 시공을 향상시킨 콘크리트 표면 처리용 거푸집
KR101887774B1 (ko) 이종 재질의 연결구조
JP2006028779A (ja) アンカー部材
JP2016125311A (ja) 防水シート固定具

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130204

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20131025

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20131105

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20131219

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140401

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140418

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5530246

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees