JP2011090026A - 反射スクリーンの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】精度よく反射部と外光吸収部とを区分する反射スクリーンの製造方法を提供する。
【解決手段】スクリーン基板10の観察面の法線に対して垂直方向および水平方向に凹部11からなる単位形状部が複数形成され、凹部11は投影光を反射する投影光反射部12と、外光を吸収する外光吸収部13と、を備え、スクリーン基板10の観察面に向けて投射された投影光を、観察面側に反射する反射スクリーンの製造方法であって、光吸収性を有するスクリーン基板10に複数の凹部11を形成する単位形状部形成工程と、凹部11に反射層26を形成する反射層形成工程と、反射層26の一部にレーザー光LBを照射して反射層26を剥離する反射層剥離工程と、を有する。
【選択図】図6
【解決手段】スクリーン基板10の観察面の法線に対して垂直方向および水平方向に凹部11からなる単位形状部が複数形成され、凹部11は投影光を反射する投影光反射部12と、外光を吸収する外光吸収部13と、を備え、スクリーン基板10の観察面に向けて投射された投影光を、観察面側に反射する反射スクリーンの製造方法であって、光吸収性を有するスクリーン基板10に複数の凹部11を形成する単位形状部形成工程と、凹部11に反射層26を形成する反射層形成工程と、反射層26の一部にレーザー光LBを照射して反射層26を剥離する反射層剥離工程と、を有する。
【選択図】図6
Description
本発明は、投影光を入射させて用いる反射スクリーンの製造方法に関する。
プロジェクターなどから出射される投影光を受け、その投影光を反射させて拡大画像を映し出す反射スクリーンが知られている。例えば、特許文献1には、近接型プロジェクター用の反射スクリーンとして、スクリーン基板の観察面に複数の凸部からなる単位形状部において、投影光が入射される部分に反射面と外光を吸収する部分に外光吸収面を有する反射スクリーンが開示されている。
特許文献1によれば、単位形状部の反射面は反射性塗料をスプレーコート法により吹き付けて形成されている。しかしながら、吹き付けた塗料が単位形状部の他の部分に飛び散ることがある。この単位形状部の反射面以外の部分は、外光を吸収する外光吸収面であり、この面に反射性の塗料が存在すると反射スクリーンの光学特性が損なわれてしまうという課題がある。
また、精度よく反射面と外光吸収面とを区分するためにフォトリソグラフィー技術を用いた場合、大規模な設備が必要であり、長い工程を経るためコストがかかるという問題がある。
また、精度よく反射面と外光吸収面とを区分するためにフォトリソグラフィー技術を用いた場合、大規模な設備が必要であり、長い工程を経るためコストがかかるという問題がある。
本発明は上記課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例にかかる反射スクリーンの製造方法は、スクリーン基板の観察面の法線に対して垂直方向および水平方向に凹部または凸部からなる単位形状部が複数形成され、前記単位形状部は、投影光を反射する投影光反射部と、外光を吸収する外光吸収部と、を備え、前記スクリーン基板の観察面に向けて投射された投影光を、観察面側に反射する反射スクリーンの製造方法であって、光吸収性を有する前記スクリーン基板に複数の前記単位形状部を形成する単位形状部形成工程と、前記単位形状部に反射層を形成する反射層形成工程と、前記反射層の一部にレーザーヘッドからレーザー光を照射して前記反射層を剥離する反射層剥離工程と、を含むことを特徴とする。
この反射スクリーンの製造方法によれば、単位形状部の反射層にレーザー光を照射して、この反射層の一部を剥離する。反射層を剥離した部分は光吸収性を有するスクリーン基板が露出して外光吸収部が形成され、また、残った反射層が投影光反射部となる。
このように、単位形状部の投影光反射部と外光吸収部とが精度よく形成でき、外光の存在する中でもコントラストに優れ、光学特性が良好な反射スクリーンを得ることができる。
また、この反射スクリーンの製造方法によれば、簡単な方法で投影光反射部と外光吸収部とを精度よく区分できることから、工程の複雑なフォトリソグラフィー技術などを用いる必要がなく、コストを低減することが可能である。
このように、単位形状部の投影光反射部と外光吸収部とが精度よく形成でき、外光の存在する中でもコントラストに優れ、光学特性が良好な反射スクリーンを得ることができる。
また、この反射スクリーンの製造方法によれば、簡単な方法で投影光反射部と外光吸収部とを精度よく区分できることから、工程の複雑なフォトリソグラフィー技術などを用いる必要がなく、コストを低減することが可能である。
[適用例2]上記適用例にかかる反射スクリーンの製造方法において、前記反射層剥離工程が、前記スクリーン基板の観察面の法線に対して垂直方向にずれた位置から斜めにレーザー光を照射することが望ましい。
この反射スクリーンの製造方法によれば、斜めにレーザー光を照射することで、凹部または凸部の投影光が照射される部分とは反対の部分(外光を吸収する部分)に合わせて、部分的に反射層を剥離することが容易である。
[適用例3]上記適用例にかかる反射スクリーンの製造方法において、前記反射層剥離工程が、前記レーザーヘッドを走査しながらレーザー光を照射することが望ましい。
この反射スクリーンの製造方法によれば、レーザーヘッドを傾けて走査しながらレーザー光を照射することができることから、一つのレーザーヘッドで広範囲に加工ができ、レーザー加工の自由度が向上する。
[適用例4]上記適用例にかかる反射スクリーンの製造方法において、前記反射層剥離工程で使用するレーザーが、YAGレーザーまたはYVO4レーザーであることが望ましい。
この反射スクリーンの製造方法によれば、YAGレーザーまたはYVO4レーザーを利用することで、反射層の剥離が容易であり、また、反射層の剥離の際に、スクリーン基板に大きな損傷を与えることがない。
[適用例5]上記適用例にかかる反射スクリーンの製造方法において、前記スクリーン基板が樹脂であることが望ましい。
この反射スクリーンの製造方法によれば、スクリーン基板が樹脂であることから、反射層にレーザー光を照射して反射層を剥離する際に、樹脂表面も加工されて表面が少し粗くなり、外光の吸収を向上させる効果が生じる。
以下、本発明を具体化した実施形態について近接プロジェクター用の反射スクリーンを例にとり、図面に従って説明する。なお、説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の寸法の割合を適宜変更している。また、これらの説明においては直交座標系を設定して各部材の位置関係について説明する。鉛直面内における所定方向をX軸方向、鉛直面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向のそれぞれに直交する方向をZ軸方向とする。
(実施形態)
(実施形態)
<反射スクリーンの構成>
図1は本実施形態にかかる反射スクリーンと光源との位置関係を示す断面図である。また、図2は本実施形態における反射スクリーンの正面図である。
図1、図2に示すように、反射スクリーン100は、反射スクリーン100の観察面100aの中心点Cを通る法線NLに対して垂直方向(Y軸方向)にずれた位置に配置された光源Pから、観察面100aに向けて斜めに投射された投影光LPを、反射スクリーン100の観察側(Z軸正方向側)に反射するものである。そして、反射スクリーン100は、法線NLがZ軸と平行に配置されている。
スクリーン基板10の基材は、例えば、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンテレフタート(PET)、エポキシなどの樹脂を用いて形成され可撓性を有している。そして、スクリーン基板10は、染色等によって全体が黒色の光吸収材によって着色され、可視光を吸収可能に形成されている。なお、このスクリーン基板10は、樹脂に黒色顔料を混ぜたものであってもよいし、透明基材の片面もしくは両面に黒色の塗装、コーティングしたものであってもよい。
図1は本実施形態にかかる反射スクリーンと光源との位置関係を示す断面図である。また、図2は本実施形態における反射スクリーンの正面図である。
図1、図2に示すように、反射スクリーン100は、反射スクリーン100の観察面100aの中心点Cを通る法線NLに対して垂直方向(Y軸方向)にずれた位置に配置された光源Pから、観察面100aに向けて斜めに投射された投影光LPを、反射スクリーン100の観察側(Z軸正方向側)に反射するものである。そして、反射スクリーン100は、法線NLがZ軸と平行に配置されている。
スクリーン基板10の基材は、例えば、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンテレフタート(PET)、エポキシなどの樹脂を用いて形成され可撓性を有している。そして、スクリーン基板10は、染色等によって全体が黒色の光吸収材によって着色され、可視光を吸収可能に形成されている。なお、このスクリーン基板10は、樹脂に黒色顔料を混ぜたものであってもよいし、透明基材の片面もしくは両面に黒色の塗装、コーティングしたものであってもよい。
反射スクリーン100はスクリーン基板10の観察面100a側に単位形状部としての凹部が複数備えられている。
図3はスクリーン基板に形成された凹部の平面形状を示し、図1のA部拡大図である。図4は反射スクリーンの垂直方向の断面を示す断面図であり、図3のB−B断線に沿う概略断面図である。
図3はスクリーン基板に形成された凹部の平面形状を示し、図1のA部拡大図である。図4は反射スクリーンの垂直方向の断面を示す断面図であり、図3のB−B断線に沿う概略断面図である。
図3に示すように、スクリーン基板10の表面には凹部11が複数形成され、格子状にそれぞれが互いに接して配置されている。
単位形状部としての一つの凹部11は、図4に示すように、断面が半球状の面を有し投影光を反射する投影光反射部12と、外光を吸収する外光吸収部13とを備えている。
投影光反射部12は効率よく投影光を反射させるために、アルミニウム(Al)等の反射性を有する材料により反射層が形成されている。この反射層はスパッタ法または蒸着法により膜厚が10nm〜5μmとなるように成膜されている。
外光吸収部13は、スクリーン基板10の基材が露出し、この基材が黒色の光吸収材によって着色されていることから光を吸収できるように構成されている。
なお、凹部11の半球の直径としては例えば20μm〜200μm程度に形成されている。
単位形状部としての一つの凹部11は、図4に示すように、断面が半球状の面を有し投影光を反射する投影光反射部12と、外光を吸収する外光吸収部13とを備えている。
投影光反射部12は効率よく投影光を反射させるために、アルミニウム(Al)等の反射性を有する材料により反射層が形成されている。この反射層はスパッタ法または蒸着法により膜厚が10nm〜5μmとなるように成膜されている。
外光吸収部13は、スクリーン基板10の基材が露出し、この基材が黒色の光吸収材によって着色されていることから光を吸収できるように構成されている。
なお、凹部11の半球の直径としては例えば20μm〜200μm程度に形成されている。
さらに、図示しないが、スクリーン基板10の観察面100a上には、凹部11を充填するように保護層が形成されても良い。保護層は、例えば、樹脂などの可撓性を有する材料で形成することができる。
そして、保護層の上でスクリーン基板10の観察面100a側の最表面には、反射防止膜が形成されても良い。反射防止膜は、保護層と同様な材料で形成され、保護層の表面での投影光または外光などの反射を防止するように保護層との間で屈折率が調整されていることが好ましい。
そして、保護層の上でスクリーン基板10の観察面100a側の最表面には、反射防止膜が形成されても良い。反射防止膜は、保護層と同様な材料で形成され、保護層の表面での投影光または外光などの反射を防止するように保護層との間で屈折率が調整されていることが好ましい。
<反射スクリーンの作用>
このような反射スクリーン100は、図1で説明したように、反射スクリーン100の観察面100aの中心点Cを通る法線NLに対して垂直方向(Y軸方向)にずれた位置に配置されたプロジェクターなどの光源Pから、観察面100aに向けて斜めに投影光LPが投射され、反射スクリーン100に映像が映しだされる。
このような反射スクリーン100は、図1で説明したように、反射スクリーン100の観察面100aの中心点Cを通る法線NLに対して垂直方向(Y軸方向)にずれた位置に配置されたプロジェクターなどの光源Pから、観察面100aに向けて斜めに投影光LPが投射され、反射スクリーン100に映像が映しだされる。
観察面100aに対して斜めに入射した投影光LPは、図4に示すように、凹部11内に形成された投影光反射部12に入射する。投影光反射部12には反射層が形成されており、投影光LPは反射スクリーン100の観察面100a側に反射光Lrが反射される。なお、投影光LPは凹部11の縁に遮られて、外光吸収部13には投影光LPは入射しない。
一方、反射スクリーン100の観察面100aには、投影光LPのほかに反射スクリーン100の上方から外光Loが入射する。観察面100aに入射した外光Loは、凹部11の外光吸収部13に入射する。そして、凹部11の外光吸収部13に到達した外光Loは外光吸収部13に吸収される。なお、外光Loは凹部11の縁に遮られて、投影光反射部12に入射することはない。
このように、反射スクリーン100は、投影光反射部12で投影光LPを反射し、外光吸収部13で外光Loを充分に吸収でき、室内の照明などの外光Loが存在する中においても、コントラストの高い画像を映し出すことができる。
<反射スクリーンの製造方法>
次に上記のような構成の反射スクリーンの製造方法の一例について説明する。
図5、図6は反射スクリーンの製造方法を示す工程図である。
図5(a)に示すように、ソーダガラスなどのガラス基板20の上にマスク21を形成する。マスク21は、酸化クロム(CrO)膜を下地として、その上にクロム(Cr)膜をスパッタリング法などにより成膜したものである。なお、マスク21を成膜する前に、ガラス基板20の表面をサンドブラスト加工し、ガラス基板20の表面を粗く形成してマスク21の密着力を向上させてもよい。
そして、マスク21に対して凹部を形成する位置に数μm程度の開口部22を形成する。開口部22はフォトエッチングまたはレーザー加工を用いて形成する。
次に上記のような構成の反射スクリーンの製造方法の一例について説明する。
図5、図6は反射スクリーンの製造方法を示す工程図である。
図5(a)に示すように、ソーダガラスなどのガラス基板20の上にマスク21を形成する。マスク21は、酸化クロム(CrO)膜を下地として、その上にクロム(Cr)膜をスパッタリング法などにより成膜したものである。なお、マスク21を成膜する前に、ガラス基板20の表面をサンドブラスト加工し、ガラス基板20の表面を粗く形成してマスク21の密着力を向上させてもよい。
そして、マスク21に対して凹部を形成する位置に数μm程度の開口部22を形成する。開口部22はフォトエッチングまたはレーザー加工を用いて形成する。
次に、図5(b)に示すように、マスク21に開口部22が形成されたガラス基板20をエッチング液に所定の時間だけ浸漬して、ガラス基板20に半球状の凹部23を形成する。エッチング液により開口部22を介してガラス基板20が等方にエッチングされ、断面形状がほぼ半球状にエッチングされる。
エッチング液としては、一水素二フッ化アンモニウム系のエッチング液が用いられる。
続いて、ガラス基板20からマスク21を剥離することで、ガラス基板20は元転写型として完成する。
エッチング液としては、一水素二フッ化アンモニウム系のエッチング液が用いられる。
続いて、ガラス基板20からマスク21を剥離することで、ガラス基板20は元転写型として完成する。
次に、図5(c)に示すように、元転写型としてのガラス基板20を用いて、ニッケル(Ni)などの金属材料で電鋳型25を製作する。
そして、図5(d)に示すように、電鋳型25の形状をポリ塩化ビニル(PVC)シートなどのスクリーン基板10に熱および圧力を加えて転写する。このようにして、スクリーン基板10に単位形状部である凹部11が複数形成される(単位形状部形成工程)。
ここではスクリーン基板10として光吸収材料を含む黒色のポリ塩化ビニル(PVC)シートが用いられる。
そして、図5(d)に示すように、電鋳型25の形状をポリ塩化ビニル(PVC)シートなどのスクリーン基板10に熱および圧力を加えて転写する。このようにして、スクリーン基板10に単位形状部である凹部11が複数形成される(単位形状部形成工程)。
ここではスクリーン基板10として光吸収材料を含む黒色のポリ塩化ビニル(PVC)シートが用いられる。
次に、図6(a)に示すように、スクリーン基板10表面の全面にアルミニウム(Al)膜などの反射層26を形成する(反射層形成工程)。
反射層26は、スクリーン基板10に反射材料を蒸着またはスパッタリングすることで形成することができる。また、必要に応じて、反射層26とスクリーン基板10との密着力を確保するために、成膜の前にスクリーン基板10の表面をIPA(イソプロピルアルコール)による洗浄や大気プラズマ、コロナ放電などを用いて表面改質を行ってもよい。さらに、反射層26の表面にSiO2などの保護膜を設けてもよい。
なお、反射材料をスクリーン基板10表面にスプレーして反射層26を形成してもよい。
反射層26は、スクリーン基板10に反射材料を蒸着またはスパッタリングすることで形成することができる。また、必要に応じて、反射層26とスクリーン基板10との密着力を確保するために、成膜の前にスクリーン基板10の表面をIPA(イソプロピルアルコール)による洗浄や大気プラズマ、コロナ放電などを用いて表面改質を行ってもよい。さらに、反射層26の表面にSiO2などの保護膜を設けてもよい。
なお、反射材料をスクリーン基板10表面にスプレーして反射層26を形成してもよい。
続いて、図6(b)に示すように、スクリーン基板10の反射層26に対して斜めの位置からレーザーヘッド30を介してレーザー光LBを照射する。スクリーン基板10に対して斜めの位置とは、スクリーン基板10の観察面の法線に対して垂直方向にずれた位置であり、投影光を照射する方向とは逆の方向に相当する。
反射層26にレーザー光LBを照射することで反射層26が剥離し、スクリーン基板10の基材が露出する(反射層剥離工程)。この、凹部11の反射層26を剥離した部分が外光吸収部13となり、残された反射層26が投影光反射部12となる。
反射層26にレーザー光LBを照射することで反射層26が剥離し、スクリーン基板10の基材が露出する(反射層剥離工程)。この、凹部11の反射層26を剥離した部分が外光吸収部13となり、残された反射層26が投影光反射部12となる。
また、凹部11に対して斜めから入射するレーザー光LBは、凹部11の縁に遮られて投影光反射部12とする部分には入射しないため、確実に投影光反射部12を残すことが可能である。このように、レーザー光LBの直進性を利用して、レーザー光LBを斜めから照射することで、反射層26の選択的な剥離を容易に制御できる。
なお、レーザーの種類としてはYAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)レーザーまたはYVO4(イットリウム・バナデイト)レーザーが用いられる。なお、発明者はYVO4レーザーとして、(株)キーエンス製MD−V9900シリーズのレーザー装置を用い、レーザースポット径60μmにて、反射層26を剥離できることを確認している。
これらのYAGレーザーまたはYVO4レーザーを利用することで、アルミニウムなどの反射層26の剥離が容易であり、特にスクリーン基板10が樹脂の場合には、反射層26を剥離する際に樹脂表面も加工されて表面が少し粗くなり、外光の吸収を向上させる効果が生じる。
なお、レーザーの種類としてはYAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)レーザーまたはYVO4(イットリウム・バナデイト)レーザーが用いられる。なお、発明者はYVO4レーザーとして、(株)キーエンス製MD−V9900シリーズのレーザー装置を用い、レーザースポット径60μmにて、反射層26を剥離できることを確認している。
これらのYAGレーザーまたはYVO4レーザーを利用することで、アルミニウムなどの反射層26の剥離が容易であり、特にスクリーン基板10が樹脂の場合には、反射層26を剥離する際に樹脂表面も加工されて表面が少し粗くなり、外光の吸収を向上させる効果が生じる。
そして、順次レーザー光LBを反射層26に照射して反射層26を剥離し、凹部11内に外光吸収部13が形成され、図6(c)に示すような反射スクリーン100が製作される。
さらに、スクリーン基板10の凹部11を充填するように樹脂などの可撓性を有する材料で保護層を形成し、その上に反射防止膜を形成しても良い。
また、上記の反射スクリーン100の製造方法では元転写型としてのガラス基板20を用いて電鋳型25を形成したが、このガラス基板20を用いて樹脂転写によって樹脂型を形成し、この樹脂型から光硬化性樹脂を用いた2P転写法によりポリエチレンテレフタート(PET)シートまたはポリ塩化ビニル(PVC)シートに形状を転写しても良い。
さらに、スクリーン基板10の凹部11を充填するように樹脂などの可撓性を有する材料で保護層を形成し、その上に反射防止膜を形成しても良い。
また、上記の反射スクリーン100の製造方法では元転写型としてのガラス基板20を用いて電鋳型25を形成したが、このガラス基板20を用いて樹脂転写によって樹脂型を形成し、この樹脂型から光硬化性樹脂を用いた2P転写法によりポリエチレンテレフタート(PET)シートまたはポリ塩化ビニル(PVC)シートに形状を転写しても良い。
このように、本実施形態の反射スクリーンの製造方法によれば、凹部11の投影光反射部12と外光吸収部13とが精度よく形成でき、外光の存在する中でもコントラストに優れ、光学特性が良好な反射スクリーン100を得ることができる。
また、この製造方法を用いれば、簡単な方法で投影光反射部12と外光吸収部13とを精度よく形成できることから、工程の複雑なフォトリソグラフィー技術などを用いる必要がなく、コストを低減することが可能である。
また、この製造方法を用いれば、簡単な方法で投影光反射部12と外光吸収部13とを精度よく形成できることから、工程の複雑なフォトリソグラフィー技術などを用いる必要がなく、コストを低減することが可能である。
なお、反射層26へのレーザーヘッド30からのレーザー光LBの照射において、図7に示すように、スクリーン基板10の表面に対して垂直方向から照射してもよい。
この場合、レーザー光LBを照射する位置を予めレーザー加工装置のプログラムに設定しておくことで、所望の位置に加工を施すことができる。
この場合、レーザー光LBを照射する位置を予めレーザー加工装置のプログラムに設定しておくことで、所望の位置に加工を施すことができる。
<レーザー光照射方法>
レーザー光照射において、レーザーヘッドを走査しながらレーザー光を照射することが可能であり、次に、その実施の具体例について説明する。
図8、図9はレーザーヘッドを走査しながらレーザー光を照射する方法を説明する模式図である。
レーザー光照射において、レーザーヘッドを走査しながらレーザー光を照射することが可能であり、次に、その実施の具体例について説明する。
図8、図9はレーザーヘッドを走査しながらレーザー光を照射する方法を説明する模式図である。
図8に示すように、スクリーン基板31は長尺のシート状に形成され、連続してレーザー加工が可能なように2つのローラー32の間に配置され、スクリーン基板31の平面度を確保するためにテンションを付加して静止している。
レーザーヘッド30はスクリーン基板31の上方に配置され、レーザー光LBの走査ラインS1に対して傾き角θを保って固定されている。この傾き角θはスクリーン基板31表面の凹部の形状などにより適宜調整される。このように、レーザーヘッド30からのレーザー光LBはスクリーン基板31の送り方向Tに対して交差する方向に走査が可能であり、スクリーン基板31対して斜め方向からの照射ができる。
レーザーヘッド30はスクリーン基板31の上方に配置され、レーザー光LBの走査ラインS1に対して傾き角θを保って固定されている。この傾き角θはスクリーン基板31表面の凹部の形状などにより適宜調整される。このように、レーザーヘッド30からのレーザー光LBはスクリーン基板31の送り方向Tに対して交差する方向に走査が可能であり、スクリーン基板31対して斜め方向からの照射ができる。
例えば図中において左から右にレーザーヘッド30を傾けてレーザー光LBを走査して、スクリーン基板31の反射層を剥離していく。1回の走査が終了すると、スクリーン基板31を送り方向Tに送り静止する。そして、再びレーザーヘッド30がレーザー光LBを走査する。このことを繰り返すことで、スクリーン基板31にレーザー加工が行われ反射スクリーンが製造される。
次に、図9に示すレーザー照射方法について説明する。
図8と同様に、スクリーン基板31は長尺のシート状に形成され、連続してレーザー加工が可能なように2つのローラー32の間に配置され、テンションを付加して静止している。
複数のレーザーヘッド30はスクリーン基板31の上方に配置され、レーザー光LBの走査ラインS2に対して傾き角θを保って固定されている。この傾き角θはスクリーン基板31表面の凹部の形状などにより適宜調整される。このように、レーザーヘッド30からのレーザー光LBはスクリーン基板31の送り方向Tに対して平行な方向に走査が可能であり、スクリーン基板31に対して斜め方向からの照射ができる。また、複数のレーザーヘッド30は、キャリッジなどに固定され、スクリーン基板31の送り方向Tと交差する方向(U方向)に移動可能である。
図8と同様に、スクリーン基板31は長尺のシート状に形成され、連続してレーザー加工が可能なように2つのローラー32の間に配置され、テンションを付加して静止している。
複数のレーザーヘッド30はスクリーン基板31の上方に配置され、レーザー光LBの走査ラインS2に対して傾き角θを保って固定されている。この傾き角θはスクリーン基板31表面の凹部の形状などにより適宜調整される。このように、レーザーヘッド30からのレーザー光LBはスクリーン基板31の送り方向Tに対して平行な方向に走査が可能であり、スクリーン基板31に対して斜め方向からの照射ができる。また、複数のレーザーヘッド30は、キャリッジなどに固定され、スクリーン基板31の送り方向Tと交差する方向(U方向)に移動可能である。
例えば図中においてスクリーン基板31の送り方向Tにレーザーヘッド30を傾けてレーザー光LBを走査して、スクリーン基板31の反射層を剥離していく。1回の走査が終了すると、レーザーヘッド30がU方向に所定の距離を移動し停止する。そして、再びレーザーヘッド30がレーザー光LBを走査する。このことを繰り返すことで、スクリーン基板31にレーザー加工が行われ反射スクリーンが製造される。
このように、レーザーヘッド30を傾けて走査しながらスクリーン基板31にレーザー光LBを照射することができることから、一つのレーザーヘッド30で広範囲に加工ができ、レーザー加工の自由度が向上する。また、複数のレーザーヘッド30を用いれば、広い面積のレーザー加工も可能となる。
さらに、レーザーヘッド30を傾けてレーザー光LBを走査することで、レーザーヘッド30を中心として、レーザーヘッドから等距離にある部分を同心円状に順次加工することも可能であり、反射スクリーンの光学特性に合わせた加工が可能である。
さらに、レーザーヘッド30を傾けてレーザー光LBを走査することで、レーザーヘッド30を中心として、レーザーヘッドから等距離にある部分を同心円状に順次加工することも可能であり、反射スクリーンの光学特性に合わせた加工が可能である。
以上、本実施形態では反射スクリーンの単位形状部として、凹部を備えた反射スクリーンについて説明したが、単位形状部として凸部を備えた反射スクリーンであっても実施ができ、本実施形態と同様な効果を有する。
さらに、本発明の反射スクリーンの製造方法は、上記のような単位形状部としてレンズ形状だけでなく、レンチキュラー形状、ブレーズ形状であっても実施が可能である。
さらに、本発明の反射スクリーンの製造方法は、上記のような単位形状部としてレンズ形状だけでなく、レンチキュラー形状、ブレーズ形状であっても実施が可能である。
10…スクリーン基板、11…凹部、12…投影光反射部、13…外光吸収部、20…型基板としてのガラス基板、21…マスク、22…開口部、23…凹部、25…電鋳型、26…反射層、30…レーザーヘッド、31…スクリーン基板、32…ローラー、100…反射スクリーン、100a…観察面、Lo…外光、LP…投影光、Lr…反射光、LB…レーザー光、P…光源、S…レーザー光の走査ライン、T…スクリーン基板の送り方向、U…レーザーヘッドの移動方向。
Claims (5)
- スクリーン基板の観察面の法線に対して垂直方向および水平方向に凹部または凸部からなる単位形状部が複数形成され、前記単位形状部は、投影光を反射する投影光反射部と、外光を吸収する外光吸収部と、を備え、前記スクリーン基板の観察面に向けて投射された投影光を、観察面側に反射する反射スクリーンの製造方法であって、
光吸収性を有する前記スクリーン基板に複数の前記単位形状部を形成する単位形状部形成工程と、
前記単位形状部に反射層を形成する反射層形成工程と、
前記反射層の一部にレーザーヘッドからレーザー光を照射して前記反射層を剥離する反射層剥離工程と、を含むことを特徴とする反射スクリーンの製造方法。 - 請求項1に記載の反射スクリーンの製造方法において、
前記反射層剥離工程が、前記スクリーン基板の観察面の法線に対して垂直方向にずれた位置から斜めにレーザー光を照射することを特徴とする反射スクリーンの製造方法。 - 請求項1または2に記載の反射スクリーンの製造方法において、
前記反射層剥離工程が、前記レーザーヘッドを走査しながらレーザー光を照射することを特徴とする反射スクリーンの製造方法。 - 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の反射スクリーンの製造方法において、
前記反射層剥離工程で使用するレーザーが、YAGレーザーまたはYVO4レーザーであることを特徴とする反射スクリーンの製造方法。 - 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の反射スクリーンの製造方法において、
前記スクリーン基板が樹脂であることを特徴とする反射スクリーンの製造方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2009241129A JP2011090026A (ja) | 2009-10-20 | 2009-10-20 | 反射スクリーンの製造方法 |
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JP2018105968A (ja) * | 2016-12-26 | 2018-07-05 | 日本精機株式会社 | ヘッドアップディスプレイ装置及び同製造方法 |
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2009
- 2009-10-20 JP JP2009241129A patent/JP2011090026A/ja not_active Withdrawn
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