JP2011089229A - シュープレス用ベルト - Google Patents
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Abstract
【解決手段】シュープレス用ベルトは、樹脂部材と、該樹脂部材内に埋設されたシュープレス用ベルト基布Aと、を備え、シュープレス用ベルト基布Aは、経糸10及び緯糸20を有する経4重織構造である。シュープレス用ベルト基布Aは経糸10及び緯糸20を有する経4重織構造であって、経糸10は、上下4層に、第1層経糸11、第2層経糸12、第3層経糸13及び第4層経糸14の順で配置された4種を有し、且つ、緯糸20は、隣り合った経糸で形成された隣接2糸間のうちのいずれか1箇所にのみ配置された1本のみのストレート緯糸25と、経糸20を織り込んでいる屈曲緯糸21と、を有し、且つ、上記ストレート糸25と隣接する2本の経糸12、13は、ナイロン糸である。
【選択図】図1
Description
その結果、繰り返し圧縮によりベルトを構成する基布が扁平化して糸の屈曲の程度が低下し、ベルトに寸法変化が生じやすくなっている。寸法変化が生じると、ベルトの回転状態の安定性に欠ける不都合を生ずる。
また、上記過酷な条件下では、シュープレス用ベルト基布(以下「基布」ともいう。)を埋設、被覆している樹脂にもクラックが生じやすくなる。
また、図6に示すように、緯糸21と2層目経糸12も交点部42では、両者の摩擦により、緯糸21aのフィブリル化(分化)が生じやすく、その上部の樹脂30を支える力が弱くなって、樹脂部材30の溝底部31bにクラック34が生じやすいクラックを生ずると、十分な脱水効果が得られず、ベルトを交換する必要がある。なお、上記実例は、フェルト側(湿紙側)であるが、シュー側においてもクラックを生ずるとシューからベルトへの潤滑油の滲出という問題を生ずるため、クラックを防止する必要がある。
また、基布層が、伸縮性に富むとともに、更に樹脂部材を安定して支持することができれば、クラックの発生を効果的に防ぐことができる。
(1)樹脂部材と、該樹脂部材内に埋設されたシュープレス用ベルト基布と、を備えるシュープレス用ベルトであって、
上記シュープレス用ベルト基布は、経糸及び緯糸を有する経4重織構造であり、
上記経糸は、上下4層に、第1層経糸、第2層経糸、第3層経糸及び第4層経糸の順で配置された4種を有すると共に、
上記緯糸は、隣り合った上記経糸で形成された隣接2糸間のうちのいずれか1箇所にのみ配置された1本のみのストレート緯糸と、上記経糸を織り込んでいる屈曲緯糸と、を有し、且つ、上記経糸のうち上記ストレート緯糸と隣接する2本の経糸は、ナイロン糸であることを特徴とするシュープレス用ベルト。
(2)上記屈曲緯糸は、樹脂加工された撚糸である(1)に記載のシュープレス用ベルト。
(3)上記屈曲緯糸は、ナイロン又はポリエステルモノフィラメントである(1)に記載のシュープレス用ベル。
(4)上記第1層経糸及び上記第4層経糸のうちの少なくとも一方は、樹脂加工されたポリエステル糸である(1)乃至(3)のうちのいずれかに記載のシュープレス用ベルト。
(5)上記ストレート緯糸と隣接する2本の経糸は、線径0.10〜0.50mmのナイロン糸である(1)乃至(4)のうちのいずれかに記載のシュープレス用ベルト。
(6)上記ストレート緯糸は、樹脂加工されたポリエステル糸である(1)乃至(5)のうちのいずれかに記載のシュープレス用ベルト。
更に、上記屈曲緯糸が、樹脂加工された撚糸であれば、樹脂加工により糸同士の摩擦を低減させることができ、隣接する経糸と擦れ合っても経糸に与える損傷を少なくすることができる。このため樹脂層にクラックが入るのを効果的に防ぐことができる。
また、上記屈曲緯糸が、ナイロンモノフィラメントであれば、伸縮性、低摩擦性に優れるため、隣接する経糸と擦れ合っても経糸に与える損傷を少なくすることができる。経糸に与える損傷を少なくできれば、樹脂層にクラックが入るのを効果的に防ぐことができる。上記屈曲緯糸が、ポリエステルモノフィラメントであれば、より寸法安定性と耐クラック性に優れることができる。
また、上記第1層経糸及び上記第4層経糸のうちの少なくとも一方が、樹脂加工されたポリエステル糸であれば、より寸法安定性と耐クラック性に優れることができる。
更に、上記ストレート緯糸と隣接する2本の経糸が、線径0.10〜0.50mmのナイロンモノフィラメントあるいは樹脂加工されたナイロン糸であれば、基布層の厚さを更に薄くすることができる。
また、上記ストレート緯糸が、樹脂加工されたポリエステル糸であれば、より寸法安定性と耐クラック性に優れることができる。
図1に示す基布Aは、第1層経糸11、第2層経糸12、第3層経糸13及び第4層経糸14の順で配置された経糸10と、これらの経糸10に対する緯糸20と、を備えた経4重織構造であって、緯糸20は、隣り合った経糸12と経糸13とで形成された隣接2糸間にのみ配置された1本のみのストレート緯糸25と、上記経糸を織り込んでいる屈曲緯糸21と、を有し、且つ、ストレート糸25と隣接する2本の経糸12、13は、ナイロン糸である。
また、図2に示す基布Bは、隣り合った第1経糸11と第2経糸12とで形成された隣接2糸間にストレート緯糸25が配置されていること以外は、基布Aと同様である。
更に、図3に示す基布C〜Eは、隣り合った第3経糸13と第4経糸14とで形成された隣接2糸間にストレート緯糸25が配置されていること以外は、基布Aと同様である。
上記「経糸」は、上下4層に、第1層経糸11、第2層経糸12、第3層経糸13及び第4層経糸14の順で配置されている。十分な経強度を得るため、経4重織構造とする。
経糸のうちの2本は、ストレート緯糸25と隣接したナイロン糸である(以下、単に「隣接ナイロン経糸」ともいう)。また、残りの2本はストレート緯糸25と隣接しない経糸である(以下、単に「非隣接経糸」ともいう)。更に、経糸のうち第1層経糸11及び第4層経糸14のうち一方はフェルト側の経糸を構成し、他方がシュー側の経糸を構成する。
隣接ナイロン経糸はストレート緯糸25と隣接したナイロン糸である。即ち、ストレート緯糸25が第1層経糸11及び第2層経糸12に隣接する場合(図2参照)は、第1層経糸11及び第2層経糸12がナイロン糸である。また、ストレート緯糸25が第2層経糸12及び第3層経糸13に隣接する場合(図1参照)は、第2層経糸12及び第3層経糸13がナイロン糸である。更に、ストレート緯糸25が第3層経糸13及び第4層経糸14に隣接する場合(図3参照)は、第3層経糸13及び第4層経糸14がナイロン糸である。
ナイロン糸は伸縮性及び強度に優れると共に、隣接糸との摩擦を低減できる。このため、隣接経糸をナイロン糸にすることで、ストレート緯糸25の損傷を抑制し、結果的に、屈曲緯糸21のフィブリル化を防いで、樹脂部材のクラックを抑制できる。
また、ポリアミド系樹脂には、共重合体(ポリアミド系樹脂にポリエーテルを共重合したブロックポリエーテルアミド系樹脂等)、及び、ブレンド物(ポリアミド系樹脂とブロックポリエーテルアミド系樹脂のブレンド物等)などが含まれる。
隣接ナイロン経糸として、モノフィラメントを用いる場合は、線径が小さくできるため、基布全体を薄くできる。また、隣接ナイロン経糸はストレート緯糸25の保護を主目的とするため、線径を小さくしても目的を十分達成できる。隣接ナイロン経糸として、モノフィラメントを用いる場合、その線径は特に限定されないが、各々独立に0.1〜0.5mmであることが好ましく、0.20〜0.40mmであることが更に好ましく、0.25〜0.35mmあることが特に好ましい。
非隣接経糸は、上記第1層経糸〜第4層経糸のうち、隣接ナイロン経糸以外の経糸である。この非隣接経糸を構成する材料は特に限定されず、例えば、ビニル系樹脂(疎水化ポリビニルアルコール樹脂等、特にビニロン)、ポリアミド系樹脂{脂肪族ポリアミド樹脂(ナイロン等)、芳香族ポリアミド樹脂(パラフェニレンジアミンとテレフタル酸との重合体など)}、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂(ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリブタジエン樹脂等)、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)等が挙げられる。
これらは1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらのなかでポリエステル系樹脂又はポリアミド系樹脂が好ましい。
一方、上記非隣接経糸の材料としてのポリエステル系樹脂は、ジカルボン酸とグリコールとからなるポリエステルが好ましい。このうちジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、イソフタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等が挙げられる。また、グリコール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。これらのジカルボン酸成分及びグリコール成分は各々1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
即ち、上記ポリエステル系樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート等が挙げられる。これらの中でも特にポリエチレンテレフタレート(PET)が好ましい。
また、ポリエステル系樹脂は単独でも用いてもよく、これらの共重合体を用いてもよく、これらのブレンド物を用いてもよい。更に、ポリエステル系樹脂に他のモノマーとの共重合体や、他の樹脂とのブレンド物等を用いることができる。
上記「緯糸」は、隣り合った上記経糸で形成された隣接2糸間のうちのいずれか1箇所にのみ配置された1本のみのストレート緯糸25と、上記経糸を織り込んでいる屈曲緯糸21と、を有する。
ストレート緯糸25は、隣り合ったナイロン経糸で形成された隣接2糸間のうちのいずれか1箇所にのみ配置された1本のみの糸をいう。また、「ストレート」とは、緯方向に屈曲することなく略直線的に伸びていることを意味する。即ち、屈曲緯糸のように経糸を織り込む形態で利用されていない糸である。
ストレート緯糸25は、隣接ナイロン経糸間のうちのいずれか1箇所にのみ配置されていれば、特に限定されず、例えば、図1に示す基布Aでは、ストレート緯糸25は、第2層経糸12と第3層経糸13との間に配置されている。また、図2に示す基布Bでは、第1層経糸11と第2層経糸12との間に配置されている。更に、図3に示す基布C、D、Eでは、第3層経糸13と第4層経糸14との間に配置されている。このようにストレート緯糸25の配置は、目的、用途に応じたものに設定することができる。
これらの中でも、ポリエステル系樹脂が好ましい。ポリエステル系樹脂については、前記非隣接経糸におけるポリエステル系樹脂についての説明をそのまま適用できる。
更に、ストレート緯糸25としてマルチフィラメントを用いる場合、このマルチフィラメントは撚糸でもよく、無撚糸でもよいが、撚糸がより好ましい。撚糸にすることによって、より強度的に安定し、緯方向の寸法安定性に更に優れることができる。また、撚糸を用いる場合、その構成するマルチフィラメント原糸{特に前記(2)のマルチフィラメント撚糸を構成するマルチフィラメント原糸(撚糸)}の繊度は、各々独立に800〜1200デニールが好ましく。900〜1100デニールであることが更に好ましく、950〜1050デニールであることが特に好ましい。
これらの各種の選択肢のなかでも、ストレート緯糸25は、樹脂加工されたポリエステルマルチフィラメントであることが特に好ましい。
上記屈曲緯糸21は、経糸を織り込んで屈曲している緯糸21である。即ち、ストレート緯糸25が経糸を織り込んでいないのに対して、経糸を織り込んでいる緯糸である。即ち、屈曲緯糸21は、図1〜3に示す基布A〜Eにおいて共通に、緯糸20のうちの経糸10を織り込む緯糸21であり、第1経糸11との交点部45及び第4経糸14との交点部46において各々屈曲された糸である。
これらのなかでポリエステル系樹脂又はポリアミド系樹脂が好ましい。尚、ポリエステル系樹脂には、上記非隣接経糸における説明をそのまま適用でき、ポリアミド系樹脂には、上記隣接ナイロン経糸における説明をそのまま適用できる。
また、屈曲緯糸21として、マルチフィラメントを用いる場合、マルチフィラメントを構成するマルチフィラメント原糸{特に前記(2)のマルチフィラメント撚糸を構成するマルチフィラメント原糸(撚糸)}の繊度は、各々独立に800〜1200デニールが好ましく、900〜1100デニールであることが更に好ましく、950〜1050デニールであることが特に好ましい。
更に、屈曲緯糸21として、マルチフィラメントを用いる場合には、樹脂加工を施すことができる。この樹脂加工については、非隣接経糸における樹脂加工についての説明をそのまま適用できる。樹脂加工により、屈曲緯糸21表面の滑りをよくし、摩擦を低減させることができ、磨耗及びフィブリル化を抑制できる。
また、屈曲緯糸21としてマルチフィラメントを用いる場合、糸の材質はポリエステル系樹脂が好ましい。
上記「経4重織構造」は、緯組織において経糸が上下4層に織られた構造をいう。経4重織構造であることにより、経方向の寸法安定性に優れる。
緯組織の構成は特に限定はないが、緯1重織とすることが好ましい。緯1重織であれば、2層目経糸が緯糸に挟まれるのを防ぐことができる。また、経方向は、屈曲糸のクリンプをなだらかにするために、綾織とすることが好ましい。この綾織の枚数は特に限定はないが、8〜16枚綾であることが好ましく、10〜14枚綾であることが更に好ましく、12〜14枚綾であることが特に好ましい。
また、基布全体の厚さは、1.9〜2.5mmであることが好ましく、2.0〜2.4mmであることが更に好ましく、2.1〜2.3mmであることが特に好ましい。
上記「樹脂部材」は、基布の最外面を構成する部分が埋設されていればよく、その他の部分における樹脂部材の有無は特に限定されないが、通常、基布全体が埋設されるように配置されるか、基布の厚さ方向におけるフェルト側のみに配置される。これらのうちでは前者が好ましい。即ち、基布が樹脂部材内に完全に埋設されていることが好ましい。
また、ベルトを構成する樹脂部材のフェルト側を構成する表面には、排水効率を向上するための排水溝を備えることができる。
(1)シュープレス用ベルト基布
実施例1に係るシュープレス用ベルト基布Aは、図1に示すように、経4重織、緯糸1重織の構造をなす。また、第1層経糸11、第2層経糸12、第3層経糸13及び第4層経糸14の順で配置された経糸10を有する。
更に、第2層経糸12と第3層経糸13との間に配置された1本のみのストレート緯糸25、及び、経糸10を織り込む屈曲緯糸21を有する。各糸は各々下記の通りである。
尚、下記樹脂加工とは、いずれも、撚糸にRFL液(レゾルシン;5重量%、ホルマリン;5重量%、ラッテクス;14重量%)を付与した後、搬送ローラが設けられたヒートセット・ゾーンとノルマライジング・ゾーンを通過させて行った加工である。
また、下撚りとは、原糸(マルチフィラメント)にかけた撚りである。また、上撚りとは、下撚りした前記原糸を束にして前記下撚りと逆方向にかけた撚りである。即ち、後述する実施例1の第1層経糸11は、9回/1インチで下撚りしたPETマルチフィラメントを1500デニールに束ねたマルチフィラメント3本を下撚りと逆方向に9回/1インチで上撚りした糸を意味する。
1500デニールのPETマルチフィラメントを3本撚り(撚り数が下撚り9回/1
インチ、上撚り9回/1インチ)したマルチフィラメントを樹脂加工した糸。
第2層経糸12及び第3層経糸13(隣接ナイロン経糸);
線径0.30mmのナイロンモノフィラメント。
屈曲緯糸21;
1000デニールのPET甘撚り(撚り数2〜3回/1インチ)のマルチフィラメン
トを樹脂加工した糸。
ストレート緯糸25;
1000デニールのPETマルチフィラメントを3本撚り(撚り数が下撚り9回/1
インチ、上撚り9回/1インチ)してマルチフィラメントを樹脂加工した糸。
基布Aの第1層経糸11側にウレタンプレポリマーをスプレー塗布し、十分に含浸させた後、ウレタンプレポリマーを加熱硬化させて第1層経糸11側の樹脂部材を形成した。次いで、第4層経糸14側にウレタンプレポリマーをスプレー塗布し、十分に含浸させた後、ウレタンプレポリマーを加熱硬化させて第4層経糸14側の樹脂部材を形成して、シュープレス用ベルトA’を得た。
実施例2に係るシュープレス用ベルト基布Bは、図2に示すように、経4重織、緯糸1重織の構造をなす。また、第1層経糸11、第2層経糸12、第3層経糸13及び第4層経糸14の順で配置された経糸10を有する。
更に、第1層経糸11と第2層経糸12との間に配置された1本のみのストレート緯糸25、及び、経糸10を織り込む屈曲緯糸21を有する。各糸は各々下記の通りである。尚、下記樹脂加工は実施例1と同様である。更に、基布Bを用いて実施例1と同様に樹脂部材を形成してシュープレス用ベルトB’を得た。
線径0.30mmのナイロンモノフィラメント。
第3層経糸13及び第4層経糸14(非隣接経糸);
1500デニールのPETマルチフィラメントを3本撚り(撚り数が下撚り9回/1
インチ、上撚り9回/1インチ)したマルチフィラメントを樹脂加工した糸。
屈曲緯糸21;
1000デニールのPET甘撚り(撚り数2〜3回/1インチ)のマルチフィラメン
トを樹脂加工した糸。
ストレート緯糸25;
1000デニールのPETマルチフィラメントを3本撚り(撚り数が下撚り9回/1
インチ、上撚り9回/1インチ回)してマルチフィラメントを樹脂加工した糸。
実施例3に係るシュープレス用ベルト基布Cは、図3に示すように、経4重織、緯糸1重織の構造をなす。また、第1層経糸11、第2層経糸12、第3層経糸13及び第4層経糸14の順で配置された経糸10を有する。
更に、第3層経糸13と第4層経糸14との間に配置された1本のみのストレート緯糸25、及び、経糸10を織り込む屈曲緯糸21を有する。各糸は各々下記の通りである。尚、下記樹脂加工は実施例1と同様である。更に、基布Cを用いて実施例1と同様に樹脂部材を形成してシュープレス用ベルトC’を得た。
1500デニールのPETマルチフィラメントを3本撚り(撚り数が下撚り9回/1
インチ、上撚り9回/1インチ)したマルチフィラメントを樹脂加工した糸。
第3層経糸13及び第4層経糸14(隣接ナイロン経糸);
線径0.30mmのナイロンモノフィラメント。
屈曲緯糸21;
1000デニールのPET甘撚り(撚り数2〜3回/1インチ)のマルチフィラ
メントを樹脂加工した糸。
ストレート緯糸25;
1000デニールのPETマルチフィラメントを3本撚り(撚り数が下撚り9回/1
インチ、上撚り9回/1インチ)してマルチフィラメントを樹脂加工した糸。
実施例4に係るシュープレス用ベルト基布Dは、実施例3に係る基布Cにおいて、第3層経糸13及び第4層経糸14をナイロンマルチフィラメントに換えた以外は、実施例3と同様の基布である。樹脂加工については実施例1と同様である。更に、基布Dを用いて実施例1と同様に樹脂部材を形成してシュープレス用ベルトD’を得た。
1500デニールのPETマルチフィラメントを3本撚り(撚り数が下撚り9回/1
インチ、上撚り9回/1インチ)したマルチフィラメントを樹脂加工した糸。
第3層経糸13及び第4層経糸14(隣接ナイロン経糸);
500デニールのナイロンモノフィラメントを3本撚り(撚り数が下撚り9回/1イ
ンチ、上撚り9回/1インチ)したマルチフィラメント。
屈曲緯糸21;
1000デニールのPET甘撚り(撚り数2〜3回/1インチ)のマルチフィラ
メントを樹脂加工した糸。
ストレート緯糸25;
1000デニールのPETマルチフィラメントを3本撚り(撚り数が下撚り9回/1
インチ、上撚り9回/1インチ)してマルチフィラメントを樹脂加工した糸。
実施例5に係るシュープレス用ベルト基布Eは、実施例3に係る基布Cにおいて、屈曲緯糸21をナイロンモノフィラメントに換えた以外は、実施例3と同様の基布である。樹脂加工については実施例1と同様である。更に、基布Eを用いて実施例1と同様に樹脂部材を形成してシュープレス用ベルトE’を得た。
1500デニールのPETマルチフィラメントを3本撚り(撚り数が下撚り9回/1
インチ、上撚り9回/1インチ)したマルチフィラメントを樹脂加工した糸。
第3層経糸13及び第4層経糸14(隣接ナイロン経糸);
線径0.30mmのナイロンモノフィラメント。
屈曲緯糸21;
線径0.15mmのナイロンモノフィラメント
ストレート緯糸25;
1000デニールのPETマルチフィラメントを3本撚り(撚り数が下撚り9回/1
インチ、上撚り9回/1インチ)してマルチフィラメントを樹脂加工した糸。
比較例に係るシュープレス用ベルト基布Fは、図4に示すように、従来タイプの経4重織りである。この基布Fを用いて実施例1と同様に樹脂部材を形成してシュープレス用ベルトF’を得た。
第2層経糸;0.35mmPETモノフィラメント。
第3層経糸;3000デニールのPETマルチフィラメント。
第4層経糸;0.35mmナイロンモノフィラメント。
緯糸 ;0.40mmPETモノフィラメント。
(1)耐久性試験
(1−1)クラック進展試験
上記実施例1〜5及び比較例で得られたシュープレス用ベルトA’〜F’を、JIS K6260に定義されるデマッチャ式屈曲試験機を用いて、次の条件でクラック進展性の試験を行なった。試験片のサイズは、幅20mm、長さ150mmとし、往復運動は、最大距離80.5mm、最小距離38.5mm、運動距離42.0mmとした。切り込みは、試験片の長さ方向中央、幅方向一端部外面に、長さ3mm、深さ1.5mm入れた。この条件で、1000回屈曲させた後、亀裂の大きさを実施例1〜5について比較した。結果を、表1の「クラック進展」の欄に示した。
「小」;亀裂の大きさが、3.5mm未満であった。
「中」;亀裂の大きさが、3.5mm以上4.0mm未満であった。
「大」;亀裂の大きさが、4.0mm以上であった。
耐久性試験には図5に示される中型プレス試験機(自社製)に、5本のステンレスロール53を介して架け回したシュープレス用ベルト基布A〜Eを、図5に示す進行方向に131.8m/分の速度で、25時間走行させた。またこの際、各基布には、ステンレスロール51とゴムロール52との間において線圧40kg/cmの圧力を加えて走行させた。この結果、上記25時間後における強伸度、即ち、基布の疲労後の残存強度を株式会社東洋精機製作所製ストログラフV10−Dにより測定した。更に、この強伸度を下記基準に従って、評価し、その結果を表1の「耐久試験後の残存強度」の欄に示した。
「○」;強伸度が、160kN/m以上であった。
「△」;強伸度が、140kN/m以上160kN/m未満であった。
「×」;強伸度が、140kN/m未満であった。
種々変更した実施例とすることができる。
において好適に用いられる。
Claims (6)
- 樹脂部材と、該樹脂部材内に埋設されたシュープレス用ベルト基布と、を備えるシュープレス用ベルトであって、
上記シュープレス用ベルト基布は、経糸及び緯糸を有する経4重織構造であり、
上記経糸は、上下4層に、第1層経糸、第2層経糸、第3層経糸及び第4層経糸の順で配置された4種を有すると共に、
上記緯糸は、隣り合った上記経糸で形成された隣接2糸間のうちのいずれか1箇所にのみ配置された1本のみのストレート緯糸と、上記経糸を織り込んでいる屈曲緯糸と、を有し、且つ、上記経糸のうち上記ストレート緯糸と隣接する2本の経糸は、ナイロン糸であることを特徴とするシュープレス用ベルト。 - 上記屈曲緯糸は、樹脂加工された撚糸である請求項1に記載のシュープレス用ベルト。
- 上記屈曲緯糸は、ナイロン又はポリエステルのモノフィラメントである請求項1に記載のシュープレス用ベルト。
- 上記第1層経糸及び上記第4層経糸のうちの少なくとも一方は、樹脂加工されたポリエステル糸である請求項1乃至3のうちのいずれかに記載のシュープレス用ベルト。
- 上記ストレート緯糸と隣接する2本の経糸は、線径0.10〜0.50mmのナイロン糸である請求項1乃至4のうちのいずれかに記載のシュープレス用ベルト。
- 上記ストレート緯糸は、樹脂加工されたポリエステル糸である請求項1乃至5のうちのいずれかに記載のシュープレス用ベルト。
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