JP2011088612A - 多軸船および多軸船の推進方法 - Google Patents

多軸船および多軸船の推進方法 Download PDF

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Abstract

【課題】速力範囲を広げられ、且つ、燃費が良い大型の多軸船を提供する。
【解決手段】第1主機20から動力が伝達される第1軸系装置50と、第2主機10から動力が伝達される第2軸系装置30とを具備する。第1軸系装置50は、第1主機20と接続された第1前軸51と、第1プロペラ54が結合された第1後軸52と、第1主機20から伝達される動力を、第1前軸51から受け第1後軸52へ伝達する、又は切り離す第1歯車装置53とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、二つ以上の推進器を装備した多軸船および多軸船の推進方法に関する。
船舶は、一機の主機と一基のプロペラとの組み合わせで推進する方法が主流であるが、二つ以上の推進器を装備した多軸船もある。単純に二基のプロペラを装備して推進する多軸船は、一機一軸の船舶と比べて、シャフトブラケットやボッシングなどに伴う抵抗が増加するため推進性能が低下する。そこで、多軸船の推進性能向上の観点から、二基のプロペラの位置をずらして装備するオーバーラッピングプロペラが開発されている。オーバーラッピングプロペラは、船体を船尾方向から見た場合、プロペラの回転面が重なるようにプロペラ軸の間隔を近づけて配置したものである。オーバーラッピングプロペラを備える二機二軸の船舶は、二つのプロペラ軸の距離をプロペラ直径以下とすると、一機一軸の船舶よりも推進性能が5〜10%程度改善できることが知られている。
オーバーラッピングプロペラを装備した船舶に関する技術が、特許文献1に開示されている。特許文献1の船舶は、オーバーラッピングプロペラを装備し、プロペラの軸心の上下方向の少なくとも0.4R(Rはプロペラ半径)の船尾の水線面形状が船体中心線に対して15度以下である後端部を有する。そして、特許文献1の船舶は、その後端部の水線面形状が先鋭化されていることを特徴とする。
国際公開第2006/095774号
近年、コンテナ船やタンカーなどの大型船舶は、燃料油の価格高騰や経済状況の変化による荷動きに対応するため、運用する速力の範囲を広げることが要求されている。しかし、大型船舶に搭載される主機の主流は低速回転のディーゼルエンジンであり、50%以下の低負荷で長期運転に耐えることは難しい。そこで、本発明者は、大型船舶の速力範囲を拡大するために、大型船舶にオーバーラッピングプロペラなどの二機二軸方式を採用する検討を行った。二機二軸の大型船舶が減軸運転(一機の主機を停止)すると、二機の主機を同時に50%の低負荷で運転させることに相当する。つまり、二機二軸の大型船舶は容易に速力範囲の拡大が可能となる。しかし、本発明者は、鋭意検討の結果、二機二軸の大型船舶では減軸運転による速力範囲の拡大が可能であるが、減軸運転するには主機と直結されているプロペラなどの軸系装置を固定させなくてはならず、航走中の船舶が受ける抵抗が増加し、燃費が悪くなる問題点を見出した。
本発明の目的は、速力範囲を広げられ、且つ、燃費が良い大型の多軸船を提供することにある。
本発明の他の目的は、減軸運転させたときの抵抗を少なくできる大型の多軸船を提供することにある。
本発明の他の目的は、減軸運転時に、減軸された軸を自由に回転させられる大型の多軸船を提供することにある。
本発明の更に他の目的は、減軸運転時の自由に回転するプロペラ軸を用いて発電できる多軸船を提供することにある。
以下に、発明を実施するための形態で使用される符号を括弧付きで用いて、課題を解決するための手段を記載する。この符号は、特許請求の範囲の記載と発明を実施するための形態の記載との対応を明らかにするために付加されたものであり、特許請求の範囲に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
本発明の多軸船(1)は、第1主機(20)から動力が伝達される第1軸系装置(50)と、第2主機(10)から動力が伝達される第2軸系装置(30)とを具備する。第1軸系装置(50)は、第1主機(20)と接続された第1前軸(51)と、第1プロペラ(54)が結合された第1後軸(52)と、第1主機(20)から伝達される動力を、第1前軸(51)から受け第1後軸(52)へ伝達する、又は切り離す第1歯車装置(53)とを備える。このような多軸船(1)は、第1プロペラ(54)と第1後軸(52)とを自由に回転する遊転状態に移行させることができる。
本発明の多軸船(1)において、第1歯車装置(53)は、第1主機(10)から伝達される動力を、第1前軸(52)から受け第1後軸(52)へ伝達する第1歯車(53a)と、第1歯車(53a)を移動し、第1前軸(51)と第1後軸(52)とを切り離す第1移動装置(53b)とを含む。
本発明の多軸船(1)において、第1前軸(51)は第1歯車(53a)と噛み合う第2歯車(51a)を含む。第2後軸(52)は第1歯車(53a)と噛み合う第3歯車(52a)を含む。
本発明の多軸船(1)において、第1軸系装置(30)は第2軸系装置(50)よりも船尾側に配置され、第2軸系装置(30)は第1軸系装置(50)よりも船首側に配置されるオーバーラッピングプロペラである。このような多軸船(1)は、推進力を与える第1軸系装置(30)の後ろに、減軸運転する第2軸系装置(50)が配置されるため、減軸運転する場合の第1軸系装置(30)への影響を少なくすることができる。
本発明の多軸船(1)において、第1主機(20)は、低回転ディーゼルエンジンである。
本発明の多軸船(1)において、第1軸系装置(30)は、第1後軸(52)の回転によるエネルギーを電気エネルギーに変換して発電する第1軸発電機(55)を備える。
本発明の多軸船(1)において、第2軸系装置(60)は、第2主機(10)と接続された第2前軸(61)と、第2プロペラ(64)が結合された第2後軸(62)と、第2主機(10)から伝達される動力を、第2前軸(61)から受け第2後軸(62)へ伝達する、又は切り離す第2歯車装置(63)とを備える。このような多軸船(1)は、主機(10、20)と切り離す軸系装置(50、60)を柔軟に選択することができる。
本発明の多軸船(1)において、第2歯車装置(63)は、第2主機(20)から伝達される動力を、第2前軸(61)から受け第2後軸(62)へ伝達する第4歯車(63a)と、第4歯車(63a)を移動し、第2前軸(61)と第2後軸(62)とを切り離す第2移動装置(63b)とを含む。
本発明の多軸船(1)において、第2軸系装置(60)は、第2後軸(62)の回転によるエネルギーを電気エネルギーに変換して発電する第2軸発電機を備える。
本発明の多軸船(1)の推進方法は、第1主機(20)と、第1主機(20)から動力が伝達される第1軸系装置(50)とが減軸運転を行うステップと、第2主機(10)の動力に基づいて、第2軸系装置(30)が多軸船(1)に推進力を与えるステップとを具備する。減軸運転を行うステップは、第1主機(10)に接続された第1前軸(51)から、第1プロペラ(54)が結合された第1後軸(52)への動力の伝達を切り離すステップを備える。
本発明の多軸船(1)の推進方法において、動力の伝達を切り離すステップは、第1前軸(51)と、第1後軸(52)との間に配置された第1歯車(53a)を、第1前軸(51)から第1後軸(52)への動力の伝達を切り離すように移動させるステップを含む。
本発明の多軸船(1)の推進方法において、移動させるステップは、第1歯車(53a)を、第1前軸(51)が有する第2歯車(51a)と第1後軸(52)が有する第3歯車(52a)とから噛み合わせを外すように、第1前軸(51)及び第1後軸(52)の方向に対して垂直方向に移動させる。
本発明の多軸船(1)の推進方法において、減軸運転を行うステップは、多軸船(1)の航走に基づいて、第1プロペラ(54)及び第1後軸(52)が遊転するステップと、第1後軸(52)の遊転によるエネルギーを電気エネルギーに変換して発電するステップとを更に備える。
本発明の多軸船は、速力範囲を広げられると共に、燃費を良くすることができる。
図1は、本発明の第1の実施の形態による多軸船1の主機及び軸系装置を示す模式図である。 図2は、本発明の第2の実施の形態による多軸船1の主機及び軸系装置を示す模式図である。 図3は、本発明の第3の実施の形態による多軸船1の主機及び軸系装置を示す模式図である。
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態による多軸船および多軸船の推進方法を説明する。本発明の多軸船は、総トン数2000トン以上の大型船舶であり、特に、コンテナ船やタンカーなどの貨物船に好適である。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態による多軸船1の主機及び軸系装置を示す模式図である。尚、図1は、多軸船1の船尾を船底方向から見た図である。従って、中心線2よりも上が船体左側の左舷であり、下が船体右側の右舷である。本発明の多軸船1は、左右対称の船尾形状を有する一軸船型の二軸船として説明するが、三軸以上の多軸船であってもよい。輪郭3は、多軸船1を船底から見た場合の外側の輪郭を示す。船底部4は、軸系装置が含まれる水平面における、ボッシングなどの船底の輪郭を示す。図1を参照すると、多軸船1は、主機10と、主機20と、軸系装置30、舵40と、軸系装置50とを具備する。
主機10及び主機20は、多軸船1の推進に必要な動力を発生する。主機10及び主機20はディーゼルエンジンであり、詳細には毎分250回転以下の低回転ディーゼルエンジンである。主機10及び主機20のトルクは、80kN・m以上が例示される。
軸系装置30は、主機10から動力が伝達され、主機10の動力に基づいて多軸船1に推進力を与える。軸系装置30と後述する軸系装置50とは、航走時に受ける抵抗を少なくするため、更に、ビルジ渦によるエネルギーを回収しやすくするために、互いに中心線2の近くに配置されることが好ましい。言い換えると、本発明の多軸船1は、推進性能を向上させる観点から、中心線2の近くで互いのプロペラが出来るだけ近接されていることが好ましい。尚、本発明の第1の実施の形態では、軸系装置30と軸系装置50とは、多軸船1を船尾方向から見た場合、互いのプロペラの回転面が重なるように軸の間隔を近づけて配置したオーバーラッピングプロペラであるとして説明する。ここでは、軸系装置30が、軸系装置50よりも船首側に配置される。軸系装置30は、前軸31と、後軸32と、プロペラ33とを備える。尚、本明細書では、各軸を支える軸受けや、シール材など軸系装置30に備わるその他の構成要素は省略する。
前軸31は、主機10とプロペラ33との間の軸であり、後軸32よりも船首側に配置される中間軸である。後軸32は、前軸31と同様に主機10とプロペラ33との間の軸であり、前軸31よりも船尾側に配置されるプロペラ軸である。前軸31と後軸32とは、各々の軸継手によって連結される。プロペラ33は、後軸32の端部に結合される。
舵40は、多軸船1の中心線2において、船尾船底に配置される。舵40は、プロペラ33及び後述するプロペラ54が生み出す水流の向きを変え、多軸船1の進行方向を変える。
軸系装置50は、主機20から動力が伝達され、主機20の動力に基づいて多軸船1に推進力を与える。軸系装置50は、軸系装置30よりも船尾側に配置される。軸系装置50は、多軸船1が減軸運転を行う場合、停止した主機20から切り離されて自由に回転できる遊転状態となる。軸系装置50は、前軸51と、後軸52と、歯車装置53と、プロペラ54とを備える。尚、本明細書では、各軸を支える軸受けや、シール材など軸系装置50に備わるその他の構成要素は省略する。
前軸51は、主機20とプロペラ54との間の軸であり、後軸52よりも船首側に配置される軸である。前軸51は、主機20の動力を伝達できるように、一方の端部と主機20とが接続される。更に、前軸51は、動力を伝達できるように、他方の端部と歯車装置53とが接続される。前軸51は歯車装置53が有する歯車53aと噛み合う歯車51aを含み、歯車51aを介して動力を歯車装置53へ伝達する。
後軸52は、前軸51と同様に、主機20とプロペラ54との間の軸であり、前軸51よりも船尾側に配置される軸である。後軸52は、一方の端部にプロペラ54が結合される。更に、後軸52は、動力が伝達されるように、他方の端部と歯車装置53とが接続される。後軸52は歯車装置53の歯車と噛み合う歯車52aを含み、歯車52aを介して歯車装置53から動力が伝達される。
歯車装置53は、主機20から伝達される動力を、前軸51から受け後軸52へ伝達する。または、歯車装置53は、主機20から伝達される動力が、前軸51から後軸52に伝達しないように切り離す。歯車装置53は、歯車53aと、移動装置53bとを含む。歯車53aは、前軸51の歯車51aと、後軸52の歯車52aと噛み合う歯車である。歯車装置53は、主機20から伝達される動力を、歯車53aを介して前軸51から受け、歯車53aを介して後軸52へ伝達する。移動装置53bは、歯車53aを軸(前軸51及び後軸52)方向に対して垂直方向に移動させることができる。つまり、移動装置53bは、適宜、歯車53aを歯車51a及び歯車52aと噛み合わせたり、噛み合わせを外したりすることができる。従って、移動装置53bが、歯車53aを軸方向に対して垂直方向、詳細には噛み合わせを外す方向に移動させると、前軸51と後軸52とは切り離される。尚、歯車装置53は、多軸船1が二機の主機10及び主機20を共に駆動させる場合、歯車53aと歯車51a及び歯車52aと噛み合わせるように動作する。また、歯車装置53は、主機20を停止させる減軸運転を行う場合、歯車53aと歯車51a及び歯車52aとの噛み合わせを外すように動作する。ここで示した歯車装置53の構成は一例であって、歯車装置53は、主機20から伝達される動力を、前軸51から受け後軸52へ伝達する、又は切り離すことができればよい。
本発明の第1の実施の形態による多軸船1の推進方法を説明する。まず、通常の二機二軸方式で推進する場合を説明する。軸系装置30は、主機10の動力に基づいて、多軸船1に推進力を与える。同様に、軸系装置50は、主機20の動力に基づいて、多軸船1に推進力を与える。詳細には、主機10及び主機20は、多軸船1に推進力を与えるために共に駆動する。軸系装置30では、前軸31は、主機10から伝達された動力により回転する。前軸31が回転すると、連結された後軸32も同様に回転する。プロペラ33は後軸32と共に回転し推力を発生させる。
一方、軸系装置50は、前軸51と歯車装置53と後軸52とが動力を伝達できるように接続されている。前軸51は主機20から伝達された動力により回転する。前軸51が回転すると、歯車装置53の歯車53aが回転し、後軸52も回転する。プロペラ54は後軸52と共に回転し推力を発生させる。多軸船1は、軸系装置30と軸系装置50との推進力に基づいて航走する。
本発明の第1の実施の形態による多軸船1が、減軸運転を行う場合の推進方法を説明する。軸系装置30は、主機10の動力に基づいて、多軸船1に推進力を与える。詳細には、主機10は、多軸船1に推進力を与えるために駆動する。前軸31は、主機10から伝達された動力により回転する。前軸31が回転すると、連結された後軸32も同様に回転する。プロペラ33は後軸32と共に回転し推力を発生させる。
一方、主機20と、主機20から動力が伝達される軸系装置50とは減軸運転を行う。詳細には、主機20は、多軸船1の速力を調整するため駆動を停止する。歯車装置53の移動装置53bは、主機20に接続された前軸51と、プロペラ54が結合された後軸52との間に配置された歯車53aを、前軸51から後軸52への動力の伝達を切り離すように移動させる。ここでは、移動装置53bは、歯車53aを、歯車51aと歯車52aとから噛み合わせを外すように、前軸51及び後軸52の方向に対して垂直方向に移動させる。歯車53aと、歯車51a及び歯車52aとの噛み合わせが外れると、前軸51と後軸52とは切り離される。多軸船1は、軸系装置30のみの推進力で航走する。多軸船1の航走に基づいて、軸系装置50のプロペラ54及び後軸52は遊転する。本発明の多軸船1は、軸系装置50が遊転するため、減軸運転で航走する際の抵抗を減らすことができる。
本発明の第1の実施の形態による多軸船1は、二機二軸と、一機一軸との2つ推進方法により速力範囲を容易に広げられるため、燃料油の価格高騰や経済状況の変化による荷動きに柔軟に対応することができる。更に、本発明の多軸船1は、歯車装置53が歯車51aと歯車52aと噛み合う歯車53aを移動させ、主機20と軸系装置50(詳細にはプロペラ54及び後軸52)とを切り離すことができる。即ち、多軸船1は、プロペラ54及び後軸52を自由に回転する遊転状態に移行させることができる。多軸船1は、二機の主機10及び主機20を共に駆動させる場合は、主機20と軸系装置50とを切り離さず航走し、主機20を停止させる減軸運転を行う場合は、主機20と軸系装置50とを切り離して航走する。減軸運転の際、多軸船1はプロペラ54及び後軸52が遊転状態となるため、航走する際の抵抗を減らす効果を奏する。航走する際の抵抗が減ることによって、多軸船1の燃費性能は向上する。この様に、本発明の多軸船1は、一機一軸の航行によって一方の主機20を停止させる燃費の向上効果に加え、停止している軸系装置50の抵抗を減らすことで駆動する主機10の負荷をも減らすことができるため、より一層の燃費向上効果を奏する。
本発明の第1の実施の形態による多軸船1は、軸系装置30が船首側に配置され、軸系装置50が船尾側に配置されるオーバーラッピングプロペラであるとして説明したが、軸系装置30が船尾側に配置され、軸系装置50が船首側に配置された構成であってもよい。但し、多軸船1がオーバーラッピングプロペラである場合、減軸運転時に遊転状態となる軸系装置は、後ろ側の軸系装置50であることが好ましい。それによって、多軸船1は、推進力を与える軸系装置30の後ろに、減軸運転する軸系装置50が配置されるため、減軸運転時の軸系装置30への影響を少なくすることができる。また、本発明の多軸船1は、軸系装置30が左舷に配置され、軸系装置50が右舷に配置されているが、配置が逆であっても良い。更に、本発明の多軸船1は、二基のプロペラがオーバーラップしていなくてもよい。オーバーラッピングでない場合、前述したように出来るだけ中心線2の近くで近接していることが好ましい。その場合も、軸系装置30と軸系装置50とが右舷左舷のどちらであってもよい。
(第2の実施の形態)
図2は、本発明の第2の実施の形態による多軸船1の主機及び軸系装置を示す模式図である。図2は、図1と同様に、多軸船1の船尾を船底方向から見た図である。本発明の第2の実施の形態による多軸船1は、第1の実施の形態の軸系装置30に変えて軸系装置60を具備する。図2を参照すると、多軸船1は、主機10と、主機20と、舵40と、軸系装置50と、軸系装置60とを具備する。尚、本発明の第2の実施の形態による多軸船1は、第1の実施の形態と同じ構成には同じ符号を付して説明を省略する。
軸系装置60は、軸系装置50と同様であり、主機10から動力が伝達され、主機10の動力に基づいて多軸船1に推進力を与える。そして、軸系装置60は、多軸船1が減軸運転を行う場合、停止した主機10から切り離されて遊転状態となる。軸系装置60は、前軸61と、後軸62と、歯車装置63と、プロペラ64とを備える。
前軸61は、軸系装置50の前軸51と同様であり、後軸62は、軸系装置50の後軸52と同様である。つまり、前軸61は歯車装置63が有する歯車63aと噛み合う歯車61aを含み、後軸62は歯車装置63の歯車63aと噛み合う歯車62aを含む。また、歯車装置63は、軸系装置50の歯車装置53と同様であり、プロペラ64は、プロペラ54と同様である。つまり、歯車装置63は歯車63aと移動装置63bとを含む。歯車63aは、前軸61の歯車61aと、後軸62の歯車62aと噛み合う歯車であり、主機10から伝達される動力を、前軸61から受け歯車63aを介して後軸62へ伝達する。移動装置63bは、歯車63aを軸(前軸61及び後軸62)方向に対して垂直方向に移動させ、歯車63aを歯車61a及び歯車62aと噛み合わせたり、噛み合わせを外したりすることができる。
本発明の第2の実施の形態の多軸船1は、2つの軸系装置(軸系装置50、60)が共にそれぞれの主機と切り離すことができ、遊転状態へ移行させることができる。従って、本発明の第2の実施の形態による多軸船1は、減軸運転を行う軸系装置の選択ができるため、より柔軟に航走することが可能となる。本発明の第2の実施の形態による多軸船1の推進方法は、第1の実施の形態の軸系装置50に係る説明と同様である。
(第3の実施の形態)
図3は、本発明の第3の実施の形態による多軸船1の主機及び軸系装置を示す模式図である。図3は、図1と同様に、多軸船1の船尾を船底方向から見た図である。本発明の第3の実施の形態による多軸船1は、軸系装置50の構成が第1の実施の形態と異なる。その他は第1の実施の形態と同様であるため、第1の実施の形態と同じ構成には同じ符号を付して説明を省略する。
軸系装置50は、主機20から動力が伝達され、主機20の動力に基づいて多軸船1に推進力を与える。また、軸系装置50は、多軸船1が減軸運転を行う場合、停止した主機20から切り離されて遊転状態となる。多軸船1が減軸運転を行う場合、軸系装置50は多軸船1の航走によって遊転すると共に発電を行う。軸系装置50は、前軸51と、後軸52と、歯車装置53と、プロペラ54と、軸発電機55とを備える。
前軸51と、後軸52と、歯車装置53と、プロペラ54とは、第1の実施の形態と同様である。軸発電機55は、後軸52の歯車52aとプロペラ54との間に配置される。軸発電機55は、後軸52の回転によるエネルギーを電気エネルギーに変換して発電する。軸発電機55は、電力を多軸船1の各種装置へ出力する。
本発明の第3の実施の形態による多軸船1の推進方法を説明する。まず、通常の二機二軸方式で推進する場合を説明する。軸系装置30は、主機10の動力に基づいて、多軸船1に推進力を与える。同様に、軸系装置50は、主機20の動力に基づいて、多軸船1に推進力を与える。主機10及び主機20は、多軸船1に推進力を与えるために共に駆動する。軸系装置30は、第1の実施の形態と同様であるため説明を省略する。
軸系装置50は、前軸51と歯車装置53と後軸52とが動力を伝達できるように接続されている。前軸51は主機20から伝達された動力により回転する。前軸51が回転すると、歯車装置53の歯車53aが回転し、後軸52も回転する。プロペラ54は後軸52と共に回転し推力を発生させる。軸発電機55は、後軸52の回転によるエネルギーを電気エネルギーに変換して発電する。軸発電機55は、電力を多軸船1の各種装置へ出力する。多軸船1は、軸系装置30と軸系装置50との推進力に基づいて航走する。
本発明の第3の実施の形態による多軸船1が、減軸運転を行う場合の推進方法を説明する。軸系装置30は、主機10の動力に基づいて、多軸船1に推進力を与える。詳細には、主機10は、多軸船1に推進力を与えるために駆動する。前軸31は、主機10から伝達された動力により回転する。前軸31が回転すると、連結された後軸32も同様に回転する。プロペラ33は後軸32と共に回転し推力を発生させる。
一方、主機20と、主機20から動力が伝達される軸系装置50とは減軸運転を行う。詳細には、主機20は、多軸船1の速力を調整するため駆動を停止する。歯車装置53の移動装置53bは、主機20に接続された前軸51と、プロペラ54が結合された後軸52との間に配置された歯車53aを、前軸51から後軸52への動力の伝達を切り離すように移動させる。ここでは、移動装置53bは、歯車53aを、歯車51aと歯車52aとから噛み合わせを外すように、前軸51及び後軸52の方向に対して垂直方向に移動させる。歯車53aと、歯車51a及び歯車52aとの噛み合わせが外れると、前軸51と後軸52とは切り離される。多軸船1は、軸系装置30のみの推進力で航走する。多軸船1の航走に基づいて、軸系装置50のプロペラ54及び後軸52は遊転する。軸発電機55は、後軸52の遊転によるエネルギーを電気エネルギーに変換して発電する。軸発電機55は、電力を多軸船1の各種装置へ出力する。本発明の多軸船1は、軸系装置50が遊転するため、減軸運転で航走する際の抵抗を減らすことができると共に、軸系装置50が遊転に基づいて発電することができる。
本発明の第3の実施の形態による多軸船1は、軸発電機55が後軸52の回転に基づいて発電することができるため、多軸船1のエネルギーを節約する効果を奏する。即ち、本発明の第3の実施の形態による多軸船1は、第1の実施の形態による燃費向上効果に加え、更に、発電により燃費性能を向上させることができる。
以上、多軸船1および多軸船1の推進方法に関する実施の形態を説明したが、これらは矛盾のない範囲で組み合わせることが可能である。
1 多軸船
2 中心線
3 輪郭
4 船底部
10 主機
20 主機
30 軸系装置
31 前軸
32 後軸
33 プロペラ
40 蛇
50 軸系装置
51 前軸
51a 歯車
52 後軸
52a 歯車
53 歯車装置
53a 歯車
53b 移動装置
54 プロペラ
55 軸発電機
60 軸系装置
61 前軸
61a 歯車
62 後軸
62a 歯車
63 歯車装置
63a 歯車
63b 移動装置
64 プロペラ

Claims (13)

  1. 第1主機から動力が伝達される第1軸系装置と、
    第2主機から動力が伝達される第2軸系装置と
    を具備し、
    前記第1軸系装置は、
    前記第1主機と接続された第1前軸と、
    第1プロペラが結合された第1後軸と、
    前記第1主機から伝達される動力を、前記第1前軸から受け前記第1後軸へ伝達する、又は切り離す第1歯車装置と
    を備える
    多軸船。
  2. 請求項1に記載の多軸船であって、
    前記第1歯車装置は、
    前記第1主機から伝達される動力を、前記第1前軸から受け前記第1後軸へ伝達する第1歯車と、
    前記第1歯車を移動し、前記第1前軸と前記第1後軸とを切り離す第1移動装置と
    を含む
    多軸船。
  3. 請求項1又は2に記載の多軸船であって、
    前記第1前軸は、
    前記第1歯車と噛み合う第2歯車
    を含み、
    前記第2後軸は、
    前記第1歯車と噛み合う第3歯車
    を含む
    多軸船。
  4. 請求項1乃至3の何れか一項に記載の多軸船であって、
    前記第1軸系装置が前記第2軸系装置よりも船尾側に配置されるオーバーラッピングプロペラである
    多軸船。
  5. 請求項1乃至4の何れか一項に記載の多軸船であって、
    前記第1主機は、低回転ディーゼルエンジンである
    多軸船。
  6. 請求項1乃至5の何れか一項に記載の多軸船であって、
    前記第1軸系装置は、
    前記第1後軸の回転によるエネルギーを電気エネルギーに変換して発電する第1軸発電機
    を更に備える
    多軸船。
  7. 請求項1乃至6の何れか一項に記載の多軸船であって、
    前記第2軸系装置は、
    前記第2主機と接続された第2前軸と、
    第2プロペラが結合された第2後軸と、
    前記第2主機から伝達される動力を、前記第2前軸から受け前記第2後軸へ伝達する、又は切り離す第2歯車装置と
    を備える
    多軸船。
  8. 請求項7に記載の多軸船であって、
    前記第2歯車装置は、
    前記第2主機から伝達される動力を、前記第2前軸から受け前記第2後軸へ伝達する第4歯車と、
    前記第4歯車を移動し、前記第2前軸と前記第2後軸とを切り離す第2移動装置と
    を含む
    多軸船。
  9. 請求項7又は8に記載の多軸船であって、
    前記第2軸系装置は、
    前記第2後軸の回転によるエネルギーを電気エネルギーに変換して発電する第2軸発電機
    を更に備える
    多軸船。
  10. 第1主機と、前記第1主機から動力が伝達される第1軸系装置とが、減軸運転を行うステップと、
    第2主機の動力に基づいて、第2軸系装置が多軸船に推進力を与えるステップと
    を具備し、
    前記減軸運転を行うステップは、
    前記第1主機に接続された第1前軸から、第1プロペラが結合された第1後軸への動力の伝達を切り離すステップ
    を備える
    多軸船の推進方法。
  11. 請求項10に記載の多軸船の推進方法であって、
    前記動力の伝達を切り離すステップは、
    前記第1前軸と、前記第1後軸との間に配置された第1歯車を、前記第1前軸から前記第1後軸への動力の伝達を切り離すように移動させるステップ
    を含む
    多軸船の推進方法。
  12. 請求項11に記載の多軸船の推進方法であって、
    前記移動させるステップは、前記第1歯車を、前記第1前軸が有する第2歯車と前記第1後軸が有する第3歯車とから噛み合わせを外すように、前記第1前軸及び前記第1後軸の方向に対して垂直方向に移動させる
    多軸船の推進方法。
  13. 請求項10乃至12の何れか一項に記載の多軸船の推進方法であって、
    前記減軸運転を行うステップは、
    前記多軸船の航走に基づいて、前記第1プロペラ及び前記第1後軸が遊転するステップと、
    前記第1後軸の遊転によるエネルギーを電気エネルギーに変換して発電するステップと
    を更に備える
    多軸船の推進方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015199413A (ja) * 2014-04-07 2015-11-12 新潟原動機株式会社 船舶用発電システム
JP2017193224A (ja) * 2016-04-19 2017-10-26 株式会社 神崎高級工機製作所 減速逆転機及びこれを備えた船舶

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