以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
(実施形態1)
本発明に係る配線装置の実施形態1を図1〜図11に基づいて説明する。この配線装置は、図1に示すように負荷機器からの電源コードに接続されたプラグが着脱自在に接続されるコンセント部20がコンセント本体1の前面に設けられた直流コンセントAと、コンセント本体1が取着され、造営面に開口する埋込孔に前面側の開口を連通させた状態で造営面に埋設される埋込ボックスにコンセント本体1の後部を収納した状態で、埋込ボックスの開口部に取着される取付枠110(枠部材)とを備える。
先ず、直流コンセントAに接続されるプラグBについて図4を参照して説明する。プラグBは、合成樹脂により手で把持できる程度の大きさに形成された横長の直方体状のプラグ本体51を備え、このプラグ本体51の前面(直流コンセントAとの対向面)には、丸棒状の2本の電極ピン52が突設されるとともに、2本の電極ピン52の周りを囲むように四角筒状の周壁53が突設されている。ここで、プラグ本体51の前面から周壁53の先端までの長さは、プラグ本体51前面から電極ピン52の先端までの長さよりも若干大きい寸法に設定されている。また2本の電極ピン52は、周壁53の一方の壁(例えば上側壁)に沿って配置されており、且つ、電極ピン52と周壁53の上側壁との距離は、電極ピン52と周壁53の下側壁との距離よりも短くなるように配置されている。また、プラグ本体51の後面からは、負荷機器(図示せず)からの電線54が導出されており、差込プラグBが直流コンセントAに接続されると、電線54を介して負荷機器に直流電力が供給されるようになっている。
次に、直流コンセントAについて説明する。直流コンセントAのコンセント本体1は、図2及び図3に示すように耐トラッキング性に優れた熱硬化性合成樹脂(たとえば、ユリア樹脂)を用いて前面が開放された直方体状に形成されたボディ2と、弾性を有しかつ耐トラッキング性に優れた合成樹脂(たとえば、ポリブチレンテレフタレート=PBT)を用いて後面が開放された直方体状に形成されたカバー3とを結合することにより形成される。ここにおいてコンセント本体1は後述する規定の単位寸法を有している。
ボディ2の左右両端面には各一対の組立爪2eが突設されている。一方、カバー3の左右方向中央部には、前方に突出してプレート枠110の開口窓111内に嵌るボス部4が一体に突設されている。またボス部4の左右両端部にはそれぞれ肩部5が突設され、各肩部5の後縁からボディ2に向かってそれぞれ組立片6が突設される。各組立片6にはボディ2の組立爪2eと凹凸係合する各一対の係合孔6aが形成される。而して、ボディ2とカバー3とを組み付けるときには、カバー3を前側からボディ2に近付け、組立片6に設けた係合孔6aに組立爪2eを嵌合させると、ボディ2とカバー3とが結合されるのである。
ボディ2の内部は、長手方向の中間部に設けた仕切壁7によって内部空間が2分されている。仕切壁7の前端部はボディ2の開口面よりも前方に突出している。またボディ2の周壁の適所には前方に突出する位置決め突部2aが突設されている。仕切壁7および位置決め突部2aは、ボディ2とカバー3とが結合されたときにカバー3に形成した凹所(図示せず)に係合してボディ2に対するカバー3のがたつきを防止する。また、カバー3内にも仕切壁(図示せず)が形成され、ボディ2とカバー3とを結合するとボディ2の仕切壁7とカバー3の仕切壁とが突き合わされることによってコンセント本体1の内部空間が独立した2室に分割される。
ボディ2の内部において仕切壁7で仕切られた左右の各収納室8には、それぞれ刃受部材9が収納される。各刃受部材9は、先細に形成され、軸方向に沿って延びるスリットが複数箇所に形成された円筒状のピン受け部9aと、ピン受け部9aと一体に連結された端子板9bとで構成される。
また各収納室8には、刃受部材9が備える端子板9bのコ字状部に内包させるようにして一対の鎖錠ばね10が配置されている。鎖錠ばね10は帯板の一端部をS字状に曲成して接触片10aを形成するとともに、他端部をJ字状に曲成して鎖錠片10bを形成したものであって、接触片10aおよび鎖錠片10bを、端子板9bの側片9cに対向させる形でボディ2に収納される。
ボディ2の後壁には、鎖錠ばね10と端子板9bの側片9cとの間に電線を導入することができるように電線挿入口2bが形成されている。この電線挿入口2bを通して鎖錠ばね10と端子板9bの側片9cとの間に、鎖錠片10b側から電線を挿入すると、接触片10aおよび鎖錠片10bのばね力によって電線が端子板9bの側片9cとの間に挟持され、かつ鎖錠片10bが電線に食い込むことによって電線を引き抜くことができなくなる。このように、電線挿入口2bに電線を挿入するだけで結線することができるから、ねじ付きの端子などを用いる場合に比較して結線作業が容易になる。また、各収納室8に配置した刃受部材9にはそれぞれ2本の電線を接続することができるから、一方の電線を電源側とし、他方の電線を他のコンセントに接続する送り配線として用いれば、複数のコンセントを並列的に接続するような結線作業が容易になる。
また更に、各収納室8には、各刃受部材9の側片9cにそれぞれ対向する一対の鎖錠ばね10に跨がるように解除釦11が配設される。解除釦11は両鎖錠ばね10の鎖錠片10bに当接しており、解除釦11が鎖錠片10bに当接する部位は、鎖錠片10bが端子板9bの側片9cとの間に電線を挟持する部位からずれている。また、解除釦11に対応する部位でボディ2の後壁には操作孔2cが形成され、操作孔2cにマイナスドライバの先端部などを挿入して解除釦11を押すことにより、電線に食い込んでいる鎖錠片10bを電線から離すように撓ませて電線の引抜きが可能となるようにしてある。ここで、電線としては絶縁被覆を有する単線を用いるのが一般的であって、電線の引抜きに抗する所要の接続強度を得るには絶縁被覆を剥く長さが重要であるから、コンセント本体1の後面には芯線を露出させる長さを示した溝状のゲージ2dが設けられている。施工時にはゲージ2dの長さ分の芯線を露出させるように絶縁被覆を剥くのである。
一方、カバー3の前面には上述のコンセント部20が1口設けられている。コンセント部20は、図2及び図3に示すように、ボス部4前面の中央部に設けられ、前方から見た形状が四角形状(例えば矩形状)であって、丸孔状の2個のピン挿入孔22が開口したプラグ受け部21と、プラグ受け部21の周りを囲むように形成されてプラグBの周壁53が挿入される挿入溝23と、各々のピン挿入孔22からコンセント本体1の内部にそれぞれ挿入される電極ピン52と電気的に接続する上記の刃受部材9とを備えている。
2個のピン挿入孔22は、直流電力供給用の2個(正極側及び負極側)の刃受部材9にそれぞれ対応して設けられ、プラグ受け部21の一辺である基準辺(本実施形態では上側辺)に沿って配置され、且つ、プラグ受け部21において上側辺と対向する辺(下側辺)よりも上側辺(基準辺)に近い位置に偏って配置されている。尚、プラグ受け部21の上側辺からピン挿入孔22までの距離は、プラグ受け部21の下側辺からピン挿入孔22までの距離の半分以下となっており、ピン挿入孔22が上側寄りに配置されていることが、容易に判別できるようになっている。
而して、このコンセント部20にプラグBを差込接続する際には、電極ピン52とピン挿入孔22の位置を合わせて、プラグBを直流コンセントA側に近付けると、先ずプラグBの周壁53が直流コンセントAの挿入溝23内に挿入された後、電極ピン52がピン挿入孔22内に挿入され、プラグBを所定位置まで差し込むと、電極ピン52が刃受部材9に電気的且つ機械的に接続される。尚、電極ピン52が刃受部材9に接触する際には、既に周壁53の先端が挿入溝23内に挿入されているので、電極ピン52の接触時にアークが発生したとしても外部からアークが見えることはない。
またプラグBを直流コンセントAから引き抜く際には、プラグ本体51を把持して手前側に引っ張ると、先ず電極ピン52が刃受部材9から外れて、ピン挿入孔22の外側に出た後、プラグBの周壁53が挿入溝23から外に出るので、プラグBを直流コンセントAから容易に取り外すことができる。尚、電極ピン52が刃受部材9から外れた時点では、まだ周壁53の先端が挿入溝23内に挿入されているので、電極ピン52が刃受部材9から離れた際にアークが発生したとしても外部からアークが見えることはない。
上述のように、本実施形態の直流コンセントAでは、プラグBの周壁53内に挿入されるプラグ受け部21の形状が四角形状に形成されるとともに、プラグ受け部21に開口する2個のピン挿入孔22が、プラグ受け部21の上側辺(基準辺)に沿って配置され、且つ、2個のピン挿入孔22からプラグ受け部21の上側辺(基準辺)までの距離が、ピン挿入孔22からプラグ受け部21の下側辺(上記基準辺と対向する辺)までの距離に比べて短くなるように、プラグ受け部21の上側に偏って配置されているので、コンセント部20にプラグBを取り付ける向きを容易に理解できる。またプラグBの四角筒状の周壁53を、四角形状のプラグ受け部21の周りに設けた挿入溝23に挿入することによって、コンセント部20にプラグBを取り付ける向きが制限されるから、嵌合部分が円形となっているIEC規格に準拠したSELV回路用のソケットに比べて、プラグBの位置合わせが容易であり、逆差しを防止しつつ使い勝手のよい直流コンセントを実現できる。またコンセント部20には、ピン挿入孔22が開口するプラグ受け部21の周りに挿入溝23が形成されているだけで、上記のIEC規格に準拠したSELV回路用のソケットのように逆差し防止のためのキー溝が形成されていないので、コンセント部20の形状を簡単にでき、強度を確保するために直流コンセントAの大型化を招くことがない。
なお、前方から見たプラグ受け部21の形状が円形の場合、2個のピン挿入孔22を片側に寄せて配置しようとすると、2個のピン挿入孔22の間隔が狭くなってしまうが、本実施形態では前方から見たプラグ受け部21の形状が四角形状(矩形状)となっているので、2個のピン挿入孔22が基準辺である上側辺寄りに配置された場合でも、2個のピン挿入孔22の間隔が狭まることはなく、したがって絶縁距離を確保するために、直流コンセントの大型化を招くことがない。
また、丸棒状の電極ピン52に代えて平刃形状の栓刃がプラグBに設けられるとともに、図24(a)に示すように、プラグ受け部21に矩形孔からなるピン挿入孔22’が形成された場合、丸棒状の電極ピン22に比べて平刃形状の栓刃では断面積を同程度にするため幅細で且つ縦長になるので、プラグ受け部21に形成されるピン挿入孔22’も、丸孔状のピン挿入孔22に比べて縦長になる。ここで、コンセント本体1が1個モジュール寸法に形成されている場合、ピン挿入孔22’の縦寸法(上下方向寸法)とプラグ受け部21の上下方向寸法との差が小さいため、プラグ受け部21の上下方向における中央位置からピン挿入孔22’を上側に偏らせて配置したとしても、ピン挿入孔22’のズレ量を大きくとることができず、ピン挿入孔22’が上下何れの側に偏っているのか判別しにくいという問題があった。またピン挿入孔22’は、平刃形状の栓刃の縦寸法よりも若干縦長に形成されるので、ピン挿入孔22’の開口位置の上下方向におけるズレ量が小さい場合、プラグBが左右逆向きにして差込接続されると、平刃形状の栓刃の端がピン挿入孔22’内に差し込まれてしまう可能性もあった。このような問題を回避するには、図24(b)に示すようにピン挿入孔22’が開口する位置の上下方向におけるズレ量を大きくとる必要があるが、それによってコンセント本体1が大型化するという問題もあった。それに対して本実施形態ではピン挿入孔22が丸孔状に形成されているので、矩形孔状のピン挿入孔22’に比べて上下方向におけるズレ量を大きくとることができ、したがってピン挿入孔22が上下何れの側に偏っているかを容易に判別でき、プラグBを左右逆向きにして接続しようとしても、プラグBの電極ピン22がピン挿入孔22内に挿入されることがない。
ところで、この直流コンセントAを造営面に埋込配設するには、図1及び図5〜図8に示すプレート100を用いる。プレート100は、コンセント本体1を保持するプレート枠110と、プレート枠110を覆って見栄えよく施工する化粧プレート120とからなる。プレート枠110には、合成樹脂製のものと金属製のものとがある。合成樹脂製のプレート枠110は絶縁性を有し、一対の枠片113a,113bの左端部同士(図7(a)の上端部同士)および右端部同士(図7(a)の下端部同士)をそれぞれ横片112で連続一体に結合することによって、コンセント本体1の前面を露出させる長方形状の開口窓111を中央部に備えた縦長の矩形枠状に形成されている。開口窓111の長手方向に沿った両側縁の後面側にはそれぞれ帯板状の固定梁部114と可動梁部115とが互いに対向する形で設けてある。
可動梁部115は、長手方向の両端部で可動梁部115の長手方向に延長された連結部116を介して枠片113bに連続一体に連結され、中間部の2箇所が可動梁部115に直交する方向のブリッジ部117を介して枠片113bに連続一体に連結されている。また、各連結部116と各ブリッジ部117との間および両ブリッジ部117の間の部位は表裏に貫通するスリット118a〜118cとなっている。プレート枠110を形成する合成樹脂は可撓性を有し、可動梁部115および連結部116が可撓になっている。両側のスリット118a,118cはL字形に形成され、中間部のスリット118bは一直線上に形成されている。枠片113bにおいて各ブリッジ部117の近傍には、ブリッジ部117に対応する部位でも可動梁部115が可撓となるように、表裏に貫通する長孔状の溝119がそれぞれ設けられている。
一方、固定梁部114および可動梁部115において開口窓111に臨む一面には、コンセント本体1の両側面に各一対ずつ突設された取付爪3aと凹凸係合する保持部としての保持溝114a,115aが各3対ずつ等ピッチで設けられる(図7(b)(c)参照)。したがって、コンセント本体1に設けた取付爪3aを各保持溝114a,115aに凹凸係合させると、コンセント本体1の前面(ボス部4)を開口窓111から露出させた形でプレート枠110にコンセント本体1を取着することができる。また、コンセント本体1がプレート枠110から前方に抜け落ちないように、固定梁部114および可動梁部115の基部にはコンセント本体1の両側面に突設した肩部5の前面に当接する当接部114d,115dが形成されている。つまり、肩部5の前面が当接部114d,115dに当接し、取付爪3aの後面が保持溝114a,115aに係止されることによって、コンセント本体1がプレート枠110に取着される。
ここで、固定梁部114と可動梁部115との開口窓111に臨む一面における各先端部分には、コンセント本体1の取付爪3aをプレート枠110の後面側から保持溝114a,115aに導入する際に、各取付爪3aを保持溝114a,115aに誘導するために、先端側ほど互いの距離を広げるように傾斜した傾斜面となった誘導部114b,115bが設けてある。すなわち、図8(a)〜(c)に示すようにプレート枠110にコンセント本体1を取り付けるには、コンセント本体1の一側面に突設した取付爪3aを固定梁部114の保持溝114aに係合させておき、コンセント本体1の前端部を開口窓111にほぼ一致させてコンセント本体1をプレート枠110に対して前方に押し込むと、コンセント本体1の他側面に突設した取付爪3aが、可動梁部115を撓ませながら、取付爪3aに設けた傾斜面と誘導部115bとによって保持溝115aに追い込まれ、取付爪3aを保持溝115aに容易に係合させることができる。
一方、固定梁部114の基部には、隣接する各一対の保持溝114aの間にプレート枠110を表裏に貫通する器具外し孔114cが設けられており、コンセント本体1をプレート枠110に取着した状態で、ドライバや取外し専用の工具等の先端部分を器具外し孔114cに挿入し、工具の先端部分でコンセント本体1を可動梁部115側へ押すと梃子の原理によってわずかな力で可動梁部115を撓ますことができ、固定梁部114側の保持溝114aとコンセント本体1の取付爪3aとの係合状態を解除してプレート枠110からコンセント本体1を取り外すことができるようになっている。
なお上述のように、プレート枠110は固定梁部114と可動梁部115とにそれぞれ3対の保持溝114a,115aを有し、コンセント本体1には各側面に一対ずつの取付爪3aが形成されているから、上述のコンセント本体1をプレート枠110に3個まで取り付けることが可能である。つまり、プレート枠110は3個用であって、3個用のプレート枠110に最大3個まで取り付けることができるように取付寸法を設定したコンセント本体1を1個モジュール寸法のコンセント本体1と呼ぶことにする。このように、コンセント本体1とプレート枠110との相対的な取付寸法を規定しておくことによって、プレート枠110には1〜3個の範囲の任意個数のコンセント本体1を取り付けることが可能になる。固定梁部114および可動梁部115に設けた各保持溝114a,115aのピッチは1個モジュール寸法のコンセント本体1の側面に突設されている取付爪3aのピッチと等しく、かつ上述のように各保持溝114a,115aは等間隔であるから、1個モジュール寸法のコンセント本体1であれば固定梁部114および可動梁部115の隣接する任意の2個の保持溝114a,115aを用いてプレート枠110に取着することができる。図1(b)はコンセント本体1が開口窓111の中央位置に取り付けられた状態を示している。
ところで、プレート枠110の各横片112の中間部前面にはそれぞれ凹所131が形成してある。各凹所131には、プレート枠110を埋込ボックス(図示せず)に取り付けるためのボックスねじを挿通するボックス用孔132と、プレート枠110を壁面等の施工面に直付けするためのねじが挿通されるねじ挿通孔133と、施工面を形成する壁パネル等に取り付ける際に使用するはさみ金具(図示せず)を係止するはさみ金具係止孔134とが設けてある。
また、プレート枠110の4隅には、化粧プレート120の後面から突設した係止突起123を係止する化粧プレート係止孔135が設けてあり、化粧プレート係止孔135に係止突起123を挿入係止することでプレート枠110の前面を覆う形で化粧プレート120を着脱自在に取り付けることができるようになっている。
化粧プレート120は、絶縁性を有する合成樹脂を用いて形成されたものであって、プレート枠110の前面を覆う平面視矩形状の主部121と、主部121の周縁から全周に亙って後方に突出する側壁122とを連続一体に形成した略箱形に形成される。係止突起123は主部121の後面側の4隅に突設してある。また、主部121の中央部には、プレート枠110に取り付けたコンセント本体1の前面を露出させる開口窓121aが設けてある。
また、化粧プレート120の側壁122の内側面には、図8に示すように、先端側ほど開口幅を広げるように傾斜した傾斜面122aが形成され、かつプレート枠110の側面に当接してプレート枠110に対する化粧プレート120の位置ずれを防止する規制リブ124を複数列設している。
ところで、図5及び図7(a)(f)に示すようにプレート枠110の両枠片113a,113bの外側面には、後方ほど外側に突出するように傾斜する傾斜面113cと、傾斜面113cに連続して外側に張り出した張出部113dとが形成されている。さらに、化粧プレート120の短幅方向における両側壁122の内側面には後端面が張出部113dの前面に当接するリブ125が突設され、このリブ125によって化粧プレート120のがたつきが防止される。またプレート枠110に化粧プレート120を取り付けるときには、化粧プレート120の規制リブ124がプレート枠110の枠片113a,113bに形成した傾斜面113cに案内されるから、取り付けが容易である。
化粧プレート120の上下の一方の側壁122には一対の切欠部126が設けてあり、この切欠部126に工具(マイナスドライバの先端部など)を差し込んで化粧プレート120をプレート枠110から離す向き(前向き)の力を作用させると、化粧プレート120の係止突起123とプレート枠110の化粧プレート係止孔135との係合状態が解除され、化粧プレート120をプレート枠110から取り外すことができる。尚、プレート枠110の枠片113bにおいて切欠部126に対応する位置には傾斜面113cよりも内側へ窪んだ逃がし部136が設けてあり、切欠部126に差し込まれた工具を逃がして奥まで挿入できるようにしてあり、化粧プレート120を取り外す際に力を作用させやすくしてある。さらに、逃がし部136の後面側端部からは張出部113dよりも薄肉のリブ137が、化粧プレート120の切欠部126から突出しない程度まで延設してある。すなわち、切欠部126に差し込んだ工具に施工面に当接する部分を支点として力を加えることで施工面に傷が付くおそれがあるが、リブ137を設けていることで切欠部126に差し込んだ工具がリブ137に当接し、化粧プレート120をプレート枠110から取り外す際に工具によって施工面に傷が付くのを防ぐことができる。
また化粧プレート120の後面側には、プレート枠110に取着したときにプレート枠110に設けた3つのスリット118a〜118cにそれぞれ嵌入される突条片128a〜128cが列設してある。ここで、各突条片128a〜128cの寸法は、プレート枠110の各スリット118a〜118cに嵌入された状態で、スリット118a〜118cの内周面と各突条片128a〜128cとの間にわずかな隙間しか生じないような寸法に設定してある。すなわち、コンセント本体1を取り付けたプレート枠110に化粧プレート120を取着した状態では、3つの突条片128a〜128cがプレート枠110の各スリット118a〜118cに嵌入され、スリット118a〜118cの内周面と各突条片128a〜128cとの間にはわずかな隙間しか生じないことから、プレート枠110の可動梁部115の動き(撓み)が規制されることになる。その結果、直流コンセントAに差し込まれたプラグBを異常に大きな力で引き抜く等の衝撃が加えられた場合でも、可動梁部115の動きが規制されているためにコンセント本体1の取付爪3aと可動梁部115および固定梁部114の保持溝115a,114aとの係止が外れにくく、コンセント本体1が外れてしまうのを防止できる。
以上説明したように本実施形態の配線装置は、直流電源用のプラグBが着脱自在に接続されるコンセント部20がコンセント本体1の前面に設けられた直流コンセントAと、コンセント本体1が取着され、造営面に開口する埋込孔に前面側の開口を連通させた状態で造営面に埋め込まれる埋込ボックスにコンセント本体1の後部を収納した状態で、埋込ボックスの開口部に取着されるプレート100(枠部材)とを備えており、プレート100を用いて直流コンセントAを埋込配設できる。尚、直流コンセントAのコンセント本体1は1個モジュール寸法に形成されているので、図9(a)に示すようにプレート枠110に対して直流コンセントAを3個並設することもできるし、図9(b)〜(d)に示すように直流コンセントAを他の配線器具と共にプレート枠110に並設することもできる。ここで、図9(b)の形態では、直流コンセントAをTVコンセント40及びLAN用モジュラコンセント41と共にプレート枠110に並設してある。また図9(c)の形態では、直流コンセントAをLAN用モジュラコンセント41及び電話用モジュラコンセント42と共にプレート枠110に並設してあり、図9(d)の形態では2個の直流コンセントAをパイロットランプのような配線器具43と共に並設してある。また更に、図9(e)の形態では、2連のプレート枠を用いて、3個モジュール寸法に形成された交流電源用のコンセント44と、1個モジュール寸法に形成された3個の直流コンセントAとを並設してある。
ここにおいて、本実施形態の直流コンセントAは1個モジュール寸法に形成されており、ボス部4の短幅方向寸法は日本工業規格で規格化された大角形連用配線器具の1個モジュールと略等しく(約23mm)、ボス部の長手方向寸法は大角形連用配線器具の1個モジュールに比べて幅広(約36mm)に設定されている。また本実施形態のプレート100は、開口窓111の長手方向寸法が、日本工業規格で規格化された大角形連用配線器具の取付枠と略同じ寸法に形成されるとともに、開口窓111の短幅方向寸法が大角形連用配線器具の取付枠に比べて幅広に形成されており、このような直流コンセントA及びプレート100は、例えば中華人民共和国、タイ王国、インドネシア共和国、台湾などの国及び地域で使用されてる。
尚、上記の直流コンセントAでは、1個モジュール寸法に形成されたコンセント本体1の前面にコンセント部20が1口設けられているが、図10(a)(b)に示すようにコンセント本体1を2個モジュール寸法に形成するとともに、コンセント本体1の前面に上述のコンセント部20を1口又は2口設けるようにしても良い。また図11(a)〜(c)に示すようにコンセント本体1を3個モジュール寸法に形成するとともに、コンセント本体1の前面に上述のコンセント部20を1個、2個、或いは3個設けるようにしても良い。また図10(a)又は図11(a)(b)に示す例では、複数口(2口又は3口)設けられたコンセント部20から電圧値の同じ直流電源が供給されるようになっているが、コンセント本体1にDC−DCコンバータを内蔵させ、DC−DCコンバータにより複数種類の電圧値の直流電圧を発生させて、複数口のコンセント部20に供給してもよい。
ところで、本実施形態の配線装置や後述する他の実施形態の配線装置は、図23に示す直流配電システムに用いられる。なお、図23は直流配電システムを戸建て住宅の家屋Hに適用した例を示しているが、直流配電システムを集合住宅やテナントビルなどの建物に適用してもよいことは言うまでもない。
家屋Hには、直流電力を出力する直流電力供給部72と、家屋H内の要所に配設され、直流電力供給部72から直流供給線路Wdcを介して直流電力が供給される直流コンセントAと、直流電力により動作する複数の直流機器(例えば冷蔵庫80a、テレビ80b、電話機80cなど)が設けられており、直流機器80a〜80cからのプラグBを直流コンセントAに接続することによって、直流機器80a〜80cに直流電力が供給される。また直流電力供給部72と直流コンセントAとの間には、直流供給線路Wdcに流れる電流を監視し、異常を検知したときに直流供給線路Wdc上で直流電力供給部72から直流コンセントAへの給電を制限ないし遮断する直流ブレーカ73が設けられる。
直流電力供給部72は、基本的には、商用電源のように宅外から供給される交流電源ACを電力変換して直流電力を生成する。図示する構成では、交流電源ACは、分電盤70に内器として取り付けられた主幹ブレーカ71を通して、スイッチング電源を含むAC/DCコンバータ74に入力される。AC/DCコンバータ74から出力される直流電力は、協調制御部75を通して各直流ブレーカ73に接続される。
また直流電力供給部72には、交流電源ACから電力が供給されない期間(たとえば、商用電源ACの停電期間)に備えて二次電池77が設けられている。また、直流電力を生成する太陽電池76や燃料電池78を併用することも可能になっている。交流電源ACから直流電力を生成するAC/DCコンバータ74を備える主電源に対して、太陽電池76や二次電池77や燃料電池78は分散電源になる。なお、図示例において太陽電池76、二次電池77、燃料電池78は出力電圧を制御する回路部を含み、二次電池77は放電だけではなく充電を制御する回路部も含んでいる。
ここで、直流機器80a〜80cの駆動電圧は機器に応じた複数種類の電圧から選択されるから、協調制御部75にDC/DCコンバータを設け、主電源および分散電源から得られる直流電圧を必要な電圧に変換して、それぞれ対応する直流コンセントAに供給するのが望ましく、使用される直流機器や建物の使用環境などに合わせて直流電圧の供給電圧は適宜決められればよい。ここにおいて、直流コンセントAに直流電力を供給する電源供給元の電源回路は、交流電源ACと直流コンセントAとの間に設けられており、例えば分電盤70の内部に設けられている。
(実施形態2)
本発明に係る配線装置の実施形態2を図12及び図13に基づいて説明する。本実施形態の配線装置は、図12に示すように直流コンセントAと、この直流コンセントAを造営面に設けた埋込用孔に埋込配設するために用いる取付枠60(枠部材)とで構成される。
図12に示すように、直流コンセントAのコンセント本体1は略直方体状であって、前面に平面視の形状が円形状の突台1aを有し、この突台1aに実施形態1で説明したコンセント部20が設けられている。またコンセント本体1の左右両側面には、外部電源からの電線を接続するためのねじ端子18が設けられている。この直流コンセントAのコンセント本体1はNEMA規格(米国電機工業会)の規格W6Dに準拠した形状、大きさに形成されており、アメリカ合衆国などで使用されるコンセントと同様の形状に形成されている。
また取付枠60は金属製であって、直流コンセントAのコンセント本体1の上下両側面及び後面にそれぞれ当接するコ字状部61と、コ字状部61の上下片の先端部からそれぞれ外向き(上側又は下側)に突出する取付片62,62とが連続一体に形成されている。そして、各取付片62には、造営面に埋設された埋込ボックス(図示せず)に取り付けるためのボックスねじを挿通するボックス用孔63と、取付枠60の前面側にプレートねじ66を用いて化粧プレート65をねじ止めするためのねじ孔64とが設けられている。なお化粧プレート65は、矩形板状の主部65aの周部から後方に向かって側部が突設されてなり、主部65aの中央部に設けた丸孔状の窓孔65bから直流コンセントAの突台1aが露出するようになっている。
上述のように本実施形態では、直流コンセントAのコンセント本体1がNEMA規格に準拠した形状、大きさに形成されているので、NEMA規格に準拠した埋込型配線器具を埋込配設するために用いる取付枠60を用いて埋込配設することができ、取付枠65の前面側に化粧プレート65を取り付けると、化粧プレート65の窓孔65bから直流コンセントAの突台1aが露出し、コンセント部20に対してプラグB(図4参照)を挿抜自在に接続することができる。
尚、上記の直流コンセントAはコンセント部20を1口しか備えていないが、図13に示すようにコンセント部20を2口設けても良い。図13に示す直流コンセントAでは縦長の直方体状のコンセント本体1を備え、コンセント本体1前面の上下両側に平面視の形状が略長円形の突台1a,1aを設け、各突台1aに実施形態1で説明したコンセント部20がそれぞれ設けられている。また、取付枠60の前面側に取着される化粧プレート65には、主部65aにおいて突台1a,1aにそれぞれ対向する部位に、突台1aをそれぞれ露出させる窓孔65b,65bが貫設されている。
(実施形態3)
本発明の実施形態3を図14〜図34に基づいて説明する。本実施形態の配線装置は、英国や中近東諸国で主に使用されるBSボックス300及び中華人民共和国で主に使用されるGBボックス310に固定される取付枠190と、この取付枠190に取着される直流コンセントAとで構成される。なおBSボックス300は、図14(h)に示すように前面が開口した略箱状であって、開口縁には上下左右の各辺の中央部に、ねじ孔301を有する舌片302が突設されている。またGBボックス310は、図14(g)に示すように前面が開口した略箱状であって、開口縁には左右両側辺の中央部に、ねじ孔311を有する舌片312が突設されている。
取付枠190は、図14(d)及び図16(a)(b)に示すように矩形枠状であって、埋込型の配線器具が挿入配置される開口窓191が略中央に設けられ、4つの枠片にはそれぞれBSボックス300及びGBボックス310のねじ孔301,311に螺合させるためのボックスねじを挿通するねじ挿通孔192が貫設されている。また上下の枠片には、開口窓191の周縁に前面側から凹没させた段部193が形成されている。
一方、直流コンセントAのコンセント本体1は、図15(a)(b)に示すように略直方体状であって、前側部から側方に向かって鍔1bが突設されるとともに、鍔1bの後面との間で取付枠190の枠片を挟持する弾性係止片1cが上下両側面に設けられている。そして、コンセント本体1の前面には実施形態1で説明したコンセント部20が設けられている。尚、コンセント部20は実施形態1と同様であるので、詳細については説明を省略する。
図14(a)及び図15に示すコンセント本体1の縦寸法は42〜46mm、幅寸法は開口窓191の幅寸法の略半分の寸法(22〜23mm)となっており、取付枠190に2個並べて取着することが可能であるが、コンセント部20は1口のみとなっている。一方、図14(b)(c)に示す直流コンセントAではコンセント本体1の幅寸法が、開口窓191の幅寸法と略同じ寸法となっており、コンセント部20が1口又は2口設けられている。
この直流コンセントAを造営面に施工するにあたっては、先ず直流コンセントAのコンセント本体1が、鍔1bを前側に向けた状態で、取付枠190の開口窓191内に前方から挿入され、鍔1b後面が開口窓191の周縁に設けた段部193に当接すると、弾性係止片1cが取付枠190の上下の枠片に後側から当接し、鍔1bと弾性係止片1cとの間で取付枠190が挟持されることで、コンセント本体1が取付枠190に取着される(図17参照)。その後、取付枠190のねじ挿通孔192に挿通されたボックスねじ(図示せず)が、BSボックス300又はGBボックス310のねじ孔301,311に螺合されると、直流コンセントAのコンセント本体1を保持した取付枠190がBSボックス300又はGBボックス310に取着されるのである。
ところで、この直流コンセントAのコンセント本体1は、ドイツ連邦共和国、フランス共和国、インドネシア共和国などで使用される埋込ボックスであるCボックス320にも取付可能であり、Cボックス320に取り付ける際には取付枠140を用いて取り付けられるようになっている。Cボックス320は、図14(i)に示すように前面が開口した有底円筒状であって、開口部には、ねじ孔321を有する舌片322が、円筒の中心位置に対して対称な位置に突設されている。また取付枠140は図14(e)に示すように矩形枠状であって、埋込型の配線器具が挿入配置される開口窓141が略中央に設けられ、左右両側の枠片にはそれぞれCボックス320のねじ孔321に螺合させるためのボックスねじを挿通するねじ挿通孔142が貫設されている。また上下の枠片には、開口窓191の周縁に前面側から凹没させた段部193が形成されている。
而して、直流コンセントAのコンセント本体1をCボックス320内に埋込配設するにあたっては、先ず直流コンセントAのコンセント本体1が、鍔1bを前側に向けた状態で、取付枠140の開口窓141内に前方から挿入され、鍔1b後面が開口窓141の周縁に設けた段部143に当接すると、弾性係止片1cが取付枠140の上下の枠片に後側から当接し、鍔1bと弾性係止片1cとの間で取付枠140が挟持されることで、コンセント本体1が取付枠140に取着される。その後、取付枠140のねじ挿通孔142に挿通されたボックスねじ(図示せず)が、Cボックス320のねじ孔321に螺合されると、直流コンセントAのコンセント本体1を保持した取付枠140がCボックス320に取着されるのである。
また、この直流コンセントAのコンセント本体1は、日本国、アメリカ合衆国、台湾などの国及び地域で使用される埋込ボックスであるAボックス330にも取り付け可能であり、Aボックス330に取り付ける際には取付枠150を用いて取り付けられるようになっている。Aボックス330は、図14(j)に示すように前面が開口した略箱状であって、開口部には、ねじ孔331を有する舌片332が、上下両側壁の略中央に突設されている。また取付枠150は図14(f)に示すように矩形枠状であって、埋込型の配線器具が挿入配置される開口窓151が略中央に設けられ、上下両側の枠片にはそれぞれAボックス330のねじ孔331に螺合させるためのボックスねじを挿通するねじ挿通孔152が貫設されている。尚、Aボックスとはアメリカタイプの埋込ボックスであり、NEMA規格に準拠した埋込ボックスである。
この直流コンセントAのコンセント本体1をAボックス330内に埋込配設するにあたっては、先ず直流コンセントAのコンセント本体1が、鍔1bを前側に向けた状態で、取付枠150の開口窓151内に前方から挿入され、鍔1b後面が開口窓151の周縁に設けた段部153に当接すると、弾性係止片1cが取付枠150の左右の枠片に後側から当接し、鍔1bと弾性係止片1cとの間で取付枠150が挟持されることで、コンセント本体1が取付枠150に取着される。その後、取付枠150のねじ挿通孔152に挿通されたボックスねじ(図示せず)が挿通され、このボックスねじがCボックス330のねじ孔331に螺合されると、直流コンセントAのコンセント本体1を保持した取付枠150がCボックス330に取着されるのである。
ところで、上述した本実施形態の直流コンセントAのコンセント本体1は取付枠と別体に形成されているが、取付枠を一体化した形状に直流コンセントAの器体を構成しても良い。例えば図18(a)に示す直流コンセントAのコンセント本体160は、図14に示す直流コンセントAのコンセント本体1と、BSボックス300又はGBボックス310に取り付けるための取付枠190とを一体化した形状に形成されている。すなわちコンセント本体160は、前面にコンセント部20が形成された箱状の本体部161と、本体部161の前側部の四周から側方に突出する鍔部163とを一体に備えており、鍔部163の各辺の中央部にはねじ挿通孔162が貫設されている。なおコンセント本体160の前面側には、本体部161の前面を露出させる窓孔171を有する化粧プレート170が着脱自在に取着され、窓孔171を通してコンセント部20が露出するようになっている。このようにコンセント本体160は取付枠を一体化した形状に形成されているので、別体に形成された取付枠を使用せずに埋込ボックス(BSボックス300やGBボックス310)に取り付けることができ、部品数を減らすことができる。尚、BSボックスとは英国のBS規格に準拠した埋込ボックスであり、GBボックスとは中華人民共和国の国家標準化管理委員会によって規定されたGB規格に準拠した埋込ボックスである。
また図18(a)に示す直流コンセントAのコンセント本体160は、コンセント本体と取付枠を一体化したものであるが、図18(b)に示すようにコンセント本体165の形状を、コンセント本体を取付枠および上述の化粧プレート170と共に一体化した形状に形成しても良い。尚、図中の166はボックスねじを挿通するためのねじ挿通孔である。而して、この直流コンセントAでは、取付枠および化粧プレートを一体化した形状にコンセント本体165を構成しているので、別体に形成された取付枠や化粧プレートを使用しなくても埋込ボックス(BSボックス300やGBボックス310)に取り付けることができ、部品数をさらに削減することができる。
尚、図18に示す直流コンセントAでは、BSボックス300又はGBボックス310に取り付けるための取付枠190を一体化した形状に器体を形成しているが、図19(a)に示すように、Cボックス320に取着される取付枠140が一体化された形状にコンセント本体180を形成しても良い。このコンセント本体180は、前面にコンセント部20が形成された箱状の本体部181と、本体部181の前側部の四周から側方に突出する鍔部183とを一体に備えており、鍔部183の各辺の中央部にはねじ挿通孔182が貫設されている。尚、コンセント本体180の前面側には、本体部161の前面を露出させる窓孔171を有する化粧プレート170が着脱自在に取着され、窓孔171を通してコンセント部20が露出するようになっている。このようにコンセント本体180は取付枠を一体化した形状に形成されているので、別体に形成された取付枠を使用せずに埋込ボックス(Cボックス320)に取り付けることができる。尚、Cボックスとはドイツ連邦共和国及びフランス共和国等の欧州大陸国の規格に準拠した埋込ボックスである。
また図19(a)に示す直流コンセントAのコンセント本体180は、取付枠を一体化したものであるが、図19(b)に示すようにコンセント本体185の形状を、取付枠と上述の化粧プレート170を一体化した形状に形成しても良い。尚、図中の186はボックスねじを挿通するためのねじ挿通孔である。而して、この直流コンセントAでは、取付枠および化粧プレートを一体化した形状にコンセント本体185を構成しているので、別体に形成された取付枠や化粧プレートを使用しなくても埋込ボックス(Cボックス320)に取り付けることができ、部品数を削減することができる。
ところで、上述した実施形態1,2の配線装置において、本実施形態と同様にコンセント本体と枠部材とを一体化した形状にコンセント本体を形成しても良く、コンセント本体とは別体に形成された枠部材を使用することなく、埋込ボックスに埋込配設することができるので、部品数を減らすことができる。
(実施形態4)
本発明の実施形態4を図20に基づいて説明する。実施形態1で説明した直流コンセントAでは、前方から見たプラグ受け部21の形状が四角形状(矩形状)に形成されていたが、本実施形態では、前方から見たプラグ受け部21の形状が、四角形状(矩形状)の角を供給電圧の違いに応じて少なくとも1つ切り取った形状に形成されている。尚、プラグ受け部21の形状を除いては実施形態1で説明した直流コンセントAと同様であるので、共通する構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。
本実施形態の直流コンセントAは、例えばDC6V,12V,24V,48Vの4種類の供給電圧に対応しており、図20(a)は6V用、同図(b)は12V用、同図(c)は24V用、同図(d)は48V用の直流コンセントAを示している。そして、6V用の直流コンセントAでは、プラグ受け部21の右下角を斜めにカットしてテーパ部21aが設けられるとともに、挿入溝23もプラグ受け部21の外周形状に合わせて形成されている。また、12V用の直流コンセントAでは、プラグ受け部21の左下角を斜めにカットしてテーパ部21aが設けられるとともに、挿入溝23もプラグ受け部21の外周形状に合わせて形成されている。また24V用の直流コンセントAではプラグ受け部21にテーパ部を設けず、四角形状(矩形状)に形成してあり、48V用の直流コンセントAではプラグ受け部21の右下角及び左下角にテーパ部21a,21aが設けられるとともに、挿入溝23がプラグ受け部21の外周形状に合わせて形成されている。
このように、24V用の直流コンセントAでは前方から見たプラグ受け部21の形状を矩形状のままとし、6V用,12V用,48V用の直流コンセントAでは、四角形状の角を供給電圧の種類に応じて少なくとも1つ切り取った形状にプラグ受け部21が形成されており、供給電圧の違いに応じてプラグ受け部21の外周形状を異ならせているので、プラグ受け部21の外周形状から供給電圧の違いを容易に判別できる。またプラグ受け部21の外周形状は、四角形状(矩形状)の角を供給電圧に応じて少なくとも1つ切り取った形状に形成されているので、前方から見たプラグ受け部21の形状が矩形の外側に張り出すことがなく、直流コンセントAが大型になるのを防止できる。
また更に、供給電圧の違いに応じてプラグ受け部21の外周形状を異ならせるとともに、プラグB側でも、周壁53の外周形状がプラグ受け部21の形状に合わせて変更されるので、供給電圧の異なるプラグBが接続されるのを防止するとともに、プラグBを接続する向きが容易に判別でき、より差し込みしやすいものになる。
また本実施形態では、プラグ受け部21において、2個のピン挿入孔22が偏って配置された上側辺とは反対側(下側)の角が、供給電圧の違いに応じて切り取られており、ピン挿入孔22を偏って配置した上側の角が切り取られる場合と比べて、角が切り取られた部位とピン挿入孔22との距離を長くとれるので、プラグ受け部21の強度が低下するのを抑制できるという利点がある。
尚、本実施形態では、プラグ受け部21の下側の角を供給電圧の種類に応じて切り取ることによってプラグ受け部21の形状を変化させているが、切り取られる角の位置や数は上記の形態に限定されるものではなく、ピン挿入孔22が偏って配置された基準辺側(上側)の角を切り取るようにしてもよいし、上側及び下側の角を両方ともに切り取ってもよい。また切り取る部位の形状も上記の形態に限定されるものではなく、例えば図20(e)に示すようにプラグ受け部21の角を略直角に切り取って、入り隅部21bを設けてもよい。
また、上述した実施形態2,3のコンセント部20において、本実施形態と同様に、前方から見たプラグ受け部21の形状を、四角形状(矩形状)の角が供給電圧の違いに応じて少なくとも1つ切り取られた形状に形成してもよく、上述と同様の効果を得ることができる。
(実施形態5)
本発明の実施形態5を図21に基づいて説明する。上述の実施形態1〜4で説明した直流コンセントAでは、電源供給元である電源回路の種類に応じてプラグBとの嵌合部分の形状を変更していないが、本実施形態では、電源回路の種類を識別するための識別用溝23aが、挿入溝23に連続して延長形成されている。尚、識別用溝23a以外は実施形態4で説明した直流コンセントAと同様であるので、共通する構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。
電源供給元である電源回路の種類としてはSELV回路、ELV回路、FELV回路などがIEC規格で規格化されており、図21(a)〜(d)に示すようにSELV回路用の直流コンセントAには、プラグ受け部21の下側辺の左右方向中央部に、挿入溝23と連続する識別用溝23aが設けられている。図8(a)は6V用、同図(b)は12V用、同図(c)は24V用、同図(d)は48V用の直流コンセントAを示しており、実施形態4と同様、前方から見たプラグ受け部21の形状は、供給電圧の種類に応じて四角形状の角を少なくとも1つ切り取った形状に形成されている。ここにおいて、直流コンセントAに直流電源を供給する電源回路は、上述した図23の直流配電システムでは、交流電源ACと直流コンセントAとの間に設けられており、例えば分電盤70の内部に設けられている。
ここで、識別用溝23aは、挿入溝23を延長させることによって形成されているので、挿入溝23とは別に挿入溝23と分離した形で溝を形成する場合に比べてカバー12の強度を保ちやすく、形状が単純なため製造が容易になる。また識別用溝23aは、プラグ受け部21においてピン挿入孔22が偏って配置された側(上側)と反対側の辺に設けられているので、ピン挿入孔22と識別用溝23aとの距離を十分に確保することができ、プラグ受け部21の強度が低下するのを抑制できる。また本実施形態では、識別用溝23aが、挿入溝23をプラグ受け部21側に延長することで形成されているので、プラグ受け部21と反対側に延長する場合に比べて、ボス部4の前面の大きさを小さくでき、直流コンセントAの大型化を防止できる。尚、識別用溝23aを延長形成する部位やその形状を上記の形態に限定する趣旨のものではなく、識別が可能であれば識別用溝23aの形成部位や形状や数は問わない。
一方、ELV回路用の直流コンセントAには、図20(a)〜(d)に示すように識別用溝23aが設けられておらず、識別用溝23aの有無によって電源回路の種類を容易に判別することができる。
また、SELV回路用のプラグBの図示は省略するが、SELV回路用のプラグBでは、識別用溝23aと嵌合する識別用リブが周壁53の内面に形成されている。一方、ELV回路用のプラグBでは、図4に示すように識別用リブが形成されていないので、ELV回路用のプラグBはELV回路用の直流コンセントAとSELV回路用の直流コンセントAの両方に接続できるものの、SELV回路用のプラグBはSELV回路用の直流コンセントAのみに接続できるようになっている。
ここにおいて、SELV回路はELV回路に比べて絶縁等級が高いので、SELV回路で使用される負荷機器(以下、SELV機器と言う。)は、ELV回路で使用される負荷機器(以下、ELV機器と言う。)ほど高い絶縁性能が要求されておらず、SELV機器はELV機器よりも絶縁性能が低い場合が多い。したがって、SELV回路に比べて絶縁等級の低いELV回路で、ELV機器に比べて絶縁性能が不十分なSELV機器が使用されると、漏電による故障などが発生する虞があるが、本実施形態ではSELV回路用のプラグBは、ELV回路用の直流コンセントAに接続できず、SELV回路用の直流コンセントAのみに接続できるようになっているので、SELV機器がELV回路で使用されることはない。なお、ELV機器はSELV回路用の直流コンセントAに接続される可能性があるが、ELV機器はSELV機器に比べて絶縁性能が高く、ELV回路に比べてSELV回路は絶縁等級が高いので、SELV回路でELV機器が使用されても特に問題はない。
尚、上述した実施形態2,3のコンセント部20において、本実施形態と同様に、電源供給元である電源回路の種類に応じて、電源回路の種類を識別するための識別用溝23aを、挿入溝23に連続して延長形成してもよく、上述と同様の効果を得ることができる。
(実施形態6)
本発明の実施形態6を図22に基づいて説明する。本実施形態の直流コンセントでは、図22に示すように、ボス部4の前面において、2個のピン挿入孔22の中間位置に対して下側寄りの位置に、接地極付きのプラグBが備える丸棒状の接地極用の電極ピンが挿入されるピン挿入孔24が開口しており、コンセント本体1の内部には、ピン挿入孔24からコンセント本体1内部に挿入される電極ピンに電気的に接続される接地極用の刃受部材(図示せず)が収納されている。尚、接地極用のピン挿入孔24および刃受部材が設けられた点を除いては、実施形態1と同様であるので、共通する構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。
上述のようにコンセント部20には、接地極用の電極ピンと電気的に接続する接地極用の刃受が設けられており、刃受として、直流電力供給用の2個の刃受部材9,9に加えて、接地極の電極ピンに電気的に接続される接地極用の刃受を備えているので、負荷機器からの接地極付きのプラグBをコンセント部20に接続することによって、コンセント部20にプラグBが接続された負荷機器を接地することができる。
尚、上述した実施形態2〜5の配線装置においても、本実施形態と同様に、プラグBが備える接地極用の電極ピンに電気的に接続される刃受を備えるようにしてもよく、上述と同様、負荷機器からのプラグBを配線装置に接続することで、負荷機器を接地することができる。