JP2011078147A - 車載電源装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来必須となっていたDCDCコンバータを不要にして十分なコストダウンを実現可能にした車載電源装置を提供する。
【解決手段】オルタネータに電気接続された鉛蓄電池と、鉛蓄電池に並列接続されたリチウム蓄電池(第2蓄電池)とを備え、MOS-FETの寄生ダイオード(整流手段)を、鉛蓄電池からリチウム蓄電池へ電流を流す向きが順方向となるよう配置する。そして、鉛蓄電池のSOC使用範囲W1とリチウム蓄電池のSOC使用範囲W2とで、鉛蓄電池の開放電圧V0(Pb)から障壁電圧Vbarを差し引いた電圧とリチウム蓄電池の開放電圧V0(Li)とが一致するポイントVds’が存在し、SOC使用範囲W2のうち一致ポイントVds’の上限側ではV0(Li)>V0(Pb)−Vbarとなり、リチウム蓄電池に最大充電電流が流れている時の端子電圧Vc(Li)が、レギュレータによる定電圧Vreg(設定電圧)以下となるようにする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、アイドルストップ機能を有する車両に適用された車載電源装置に関する。
内燃機関を走行駆動源とする車両には、スタータモータ等の各種電気負荷へ電力供給する鉛蓄電池が搭載されているのが一般的である。鉛蓄電池は、ニッケル蓄電池やリチウム蓄電池等の高出力・高エネルギ密度の蓄電池(高性能蓄電池)に比べて安価であるものの、頻繁な充放電(累積充放電量)に対する耐久性が低い。そのため、アイドルストップ機能を有した車両においては、鉛蓄電池が頻繁に放電されることとなり早期劣化が懸念される。特に、車両の減速回生エネルギによりオルタネータを発電させて充電する車両においては、鉛蓄電池が頻繁に充電されることにもなるため、早期劣化が懸念される。これらの懸念に対し、鉛蓄電池を上記高性能蓄電池に替えただけでは、大幅なコストアップを招く。
そこで特許文献1〜5では、頻繁な充放電に対する耐久性の高い高性能蓄電池(第2蓄電池)と安価な鉛蓄電池との両方を、並列接続して搭載することが提案されている。すなわち、アイドルストップ中における電気負荷への電力供給や充電(特に回生充電)は、高性能蓄電池が優先的に実施することで、鉛蓄電池の劣化軽減を図る。一方、車両を駐車する場合等、長時間に亘って要求される電力供給(暗電流補給)に対しては、安価な鉛蓄電池が実施することで、高性能蓄電池を小容量化してコストアップ抑制を図る。
特開2007−46508号公報 特開2007−131134号公報 特開2008−29058号公報 特開2008−155814号公報 特開2009−126395号公報
ところで、蓄電池が過充電や過放電の状態になると早期劣化が懸念される。したがって、充電状態を表すSOC(State of charge:満充電時の充電量に対する実際の充電量の割合)が過充放電とならない範囲(SOC使用範囲)となるよう蓄電池を使用することが望ましい。そして、SOCに応じて蓄電池の開放電圧は異なる値となるが、鉛蓄電池のSOC使用範囲における開放電圧(例えば12.7V〜12.8V)と、高性能蓄電池のSOC使用範囲における開放電圧とは一致しないのが通常である。
すると、両蓄電池は並列接続されているため、放電時において、端子電圧Vd(以下の式1参照)の高い側の蓄電池から低い側の蓄電池へ電流が流れ込み、SOC使用範囲から外れた過充電状態や過放電状態になることが懸念される。なお、放電電流をId、蓄電池の内部抵抗をR、蓄電池の開放電圧をV0とすると、放電時における蓄電池の端子電圧Vdは「Vd=V0−Id×R」といった式1で表される。
そこで上記特許文献1〜5記載の電源装置では、両蓄電池の間にDCDCコンバータを備え、高い電圧となっている側の蓄電池(主に高性能蓄電池)の端子電圧をDCDCコンバータにより調整することで、低い電圧となっている側の蓄電池(主に鉛蓄電池)に高性能蓄電池から電流が流れ込むことを回避して、鉛蓄電池の過充電を回避させている。
しかしながら、DCDCコンバータは高価なものであるため、DCDCコンバータを備えることが必須となっている上記電源装置では、コストダウンを十分に図ることができなかった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、鉛蓄電池に加え、高性能蓄電池(第2蓄電池)を備えることで鉛蓄電池の劣化抑制とコストダウンとの両立を図った車載電源装置において、従来必須となっていたDCDCコンバータを不要にして十分なコストダウンを実現可能にした、車載電源装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果について記載する。
請求項1記載の発明では、アイドルストップ機能を有するとともに、発電機から出力される電力の電圧を設定電圧に制御する定電圧制御手段を備えた車両に適用され、前記発電機に電気接続された鉛蓄電池と、前記鉛蓄電池に並列接続され、前記鉛蓄電池に比べて出力密度又はエネルギ密度の高い第2蓄電池と、前記鉛蓄電池から前記第2蓄電池へ電流を流す向きが順方向となるよう配置されるとともに、前記順方向に流れる電流に対して障壁電圧を有する整流手段と、を備え、以下の(a)(b)(c)の条件を満たすよう前記鉛蓄電池及び前記第2蓄電池の開放電圧及び内部抵抗を設定したことを特徴とする。
(a)前記鉛蓄電池の残存容量使用範囲と前記第2蓄電池の残存容量使用範囲とで、前記鉛蓄電池の開放電圧から前記障壁電圧を差し引いた電圧と前記第2蓄電池の開放電圧とが一致するポイントが存在する。
(b)前記第2蓄電池の残存容量使用範囲のうち前記ポイントの上限側では、前記第2蓄電池の開放電圧が、前記鉛蓄電池の開放電圧から前記障壁電圧を差し引いた電圧よりも高い。
(c)前記第2蓄電池に最大充電電流が流れている時の端子電圧が、前記定電圧制御手段による前記設定電圧以下となる。
以下、上記条件(a)〜(c)による効果を説明した後、整流手段を備えることの技術的意義について説明する。
上記条件(a)を満たすよう両蓄電池を設定することにより、放電時において、鉛蓄電池の残存容量使用範囲での端子電圧Vd(Pb)(整流手段に対して第2蓄電池の側に配置された電気負荷への放電の場合、正確には、Vd(Pb)から障壁電圧を差し引いた電圧)と、第2蓄電池の残存容量使用範囲での端子電圧Vd(Li)とはほぼ一致し、両蓄電池間にて大きな電位差は生じなくなる。よって、従来必須となっていたDCDCコンバータを廃止しつつも、両蓄電池のうち電圧の高い電池から電圧の低い電池へ流れ込む電流量を極少量にできるので、それぞれの電池が過充電状態や過放電状態になるおそれを抑制できる。よって、上記DCDCコンバータを不要にして十分なコストダウンを図ることができる。
上記条件(b)を満たすよう両蓄電池を設定することにより、第2蓄電池を残存容量使用範囲内で前記ポイントよりも多く充電した状態では、鉛蓄電池の開放電圧V0(Pb)から障壁電圧を差し引いた電圧よりも第2蓄電池の開放電圧V0(Li)の方が高くなるので、開放電圧が高くなっている第2蓄電池から放電されることとなる。よって、鉛蓄電池よりも優先して第2蓄電池から放電される機会が増えるため、頻繁な放電(累積放電量)に対する耐久性の低い鉛蓄電池からの累積放電量を低減できるので、鉛蓄電池の劣化を抑制できる。
上記条件(c)を満たすよう両蓄電池を設定することにより、以下の理由によって、鉛蓄電池よりも優先して第2蓄電池で充電される機会を増やすことができる。
すなわち、一般的な鉛蓄電池においては、最大充電電流が流れている時の端子電圧Vc(Pb)(以下の式2参照)は、定電圧制御手段による設定電圧より大きくなるため、充電できなくなる。仮にその時の残存容量が少なく端子電圧Vc(Pb)が設定電圧より低かったとしても、鉛蓄電池の充電時の内部抵抗値R(Pb)は大きいので、端子電圧Vc(Pb)は直ぐに設定電圧よりも高くなり充電できなくなる。なお、充電電流をIc、蓄電池の内部抵抗をR、蓄電池の開放電圧をV0とすると、充電時における蓄電池の端子電圧Vcは「Vc=V0+Ic×R」といった式2で表される。
これに対し上記発明では、第2蓄電池に最大充電電流が流れている時の端子電圧Vc(Li)が前記設定電圧以下となるよう設定されている。つまり第2蓄電池においては、残存容量が使用範囲の上限であり端子電圧Vc(Li)が使用範囲内で最も高くなっている時であっても設定電圧以下となっているため、常時充電が可能である。以上により、鉛蓄電池よりも優先して第2蓄電池で充電される機会を増やすことができる。よって、頻繁な充電(累積充電量)に対する耐久性の低い鉛蓄電池への累積充電量を低減できるので、鉛蓄電池の劣化を抑制できる。
ここで、図2(b)中の横軸はリチウム蓄電池(第2蓄電池)のSOCを示し、図中の実線A2は、リチウム蓄電池のSOCと開放電圧V0(Li)との関係を示す電圧特性線である。また、図中の実線A1は、鉛蓄電池のSOCと開放電圧V0(Pb)との関係を示す電圧特性線である。なお、リチウム蓄電池のSOCを示す横軸のうち0%の位置は、鉛蓄電池のSOC=88%に相当する。
そして、図2(b)中の符号Vdsは、上記発明に反して整流手段を備えていない場合において両電池の開放電圧が一致するポイントを示す。リチウム蓄電池のSOCがSOC使用範囲W2(Li)のうちポイントVdsよりも下限側になると、鉛蓄電池の端子電圧Vd(Pb)の方が第2蓄電池の端子電圧Vd(Li)よりも高くなるので、第2蓄電池からは放電されずに鉛蓄電池から放電されることとなる。したがって、鉛蓄電池よりも優先して第2蓄電池から放電される機会を増やすには、ポイントVdsをできるだけSOC使用範囲W2(Li)の下限側に位置させればよい。
この点を鑑みた上記発明では、整流手段(例えばダイオード)を備えることにより、整流手段の障壁電圧Vbarの分だけ、両電池の開放電圧が一致するポイントは下限側にシフトする(符号Vds’参照)。換言すれば、鉛蓄電池の電圧特性線A1は見かけ上、図2(b)中の一点鎖線に示す如く低電圧側にシフトすることとなる。そのため、リチウム蓄電池のSOC使用範囲W2(Li)のうちポイントVds’より上限側の領域(放電領域W2d)を符号W2d’に示すように拡大することができ、ひいては、鉛蓄電池よりも優先して第2蓄電池から放電される機会を増やすことができる。
ここで、車両に搭載される各種電気負荷の中でも、スタータモータが要する電力は桁違いに大きい。このように電力の大きい電気負荷に対して第2蓄電池から電力供給しようとすると、鉛蓄電池に比べて高価な第2蓄電池の小容量化の妨げとなる。そこで、スタータモータのように消費電力の大きい電気負荷については鉛蓄電池から電力供給させることが望ましい。
この点を鑑みた上記発明では、鉛蓄電池から第2蓄電池へ電流を流す向きが順方向となるよう整流手段(例えばダイオード)を配置するので、鉛蓄電池から電力供給させたい電気負荷(スタータモータ)を、整流手段に対して第2蓄電池の反対側(鉛蓄電池の側)に電気接続させれば、スタータモータ等の電気負荷へ第2蓄電池から電流が流れ込むことを、整流手段により阻止することができる。
請求項2記載の発明では、前記整流手段と並列接続され、前記発電機に対する前記第2蓄電池の通電と遮断を切り替える開閉手段と、前記発電機から前記第2蓄電池へ電力供給して充電させる場合には前記開閉手段を通電作動させ、前記整流手段による整流機能を発揮させる場合には前記開閉手段を遮断作動させる開閉制御手段と、を備えることを特徴とする。
上記発明に反して開閉手段を備えない場合には、発電機での発電電流を第2蓄電池へ流して充電するにあたり、発電電流が整流手段を流れる際に「障壁電圧×発電電流」に相当する電力が熱エネルギに変換されて損失となる。特に、車両の減速回生エネルギにより発電機を発電させて充電する際には、大電流が整流手段を通じて第2蓄電池へ流れ込むため、前記損失が極めて大きくなる。
これに対し上記発明によれば、発電機から前記第2蓄電池へ電力供給して充電させる場合には、開閉手段を通電作動させるので、整流手段をバイパスして発電電流が第2蓄電池へ流れ込むこととなる。よって、障壁電圧による損失を無くすことができるので、発電機で発電した電力の損失を低減できる。なお、第2蓄電池を充電させる以外の場合には、開閉手段を遮断作動させることで、整流手段による先述した効果、すなわち、ポイントVds’を下限側にシフトさせることで放電領域W2d’を拡大させるといった効果と、スタータモータ等の電気負荷へ第2蓄電池から電流が流れ込むことを阻止するといった効果とを発揮させることができる。
請求項3記載の発明では、前記開閉手段は半導体スイッチにより構成され、前記整流手段は前記半導体スイッチの寄生ダイオードにより構成されていることを特徴とする(図1参照)。また、請求項4記載の発明では、前記開閉手段は、前記整流手段と並列接続された電磁リレーにより構成されていることを特徴とする(図10参照)。
上記請求項3記載の発明によれば、1つの電子部品(半導体スイッチ)で開閉手段及び整流手段を構成できるので、開閉手段及び整流手段を別々の電子部品で構成する場合に比べて部品点数を低減できるとともに、小型化を図ることができる。また、請求項4の如く電磁リレーにより開閉手段を構成する場合に比べて、開閉手段への作動指令に対する遮断通電作動の応答性を高めることができる。
但し、請求項3記載の如く半導体スイッチを採用した場合には、半導体スイッチの制御端子(例えばMOS−FETのゲート端子)と被制御端子(例えばソース端子及びドレイン端子)とは絶縁状態になっていないので、制御端子へ印加する作動電圧は、被制御端子の電圧に制御電圧を上積みした電圧としなければならず、高電圧となるのが一般的である。よって、作動電圧用に高電圧を作成する回路が必要となる。これに対し、請求項4記載の如く電磁リレーを採用した場合には、電磁リレーのスイッチと電磁コイルとは絶縁状態になっているので、電磁リレーへ印加する作動電圧には高電圧が要求されない。よって、半導体スイッチで要求される作動電圧用の高電圧作成回路を不要にでき、ひいては開閉制御手段による制御を簡素にできる。
なお、上記半導体スイッチには、以下に説明するようにMOS−FETを採用することが望ましい。すなわち、MOS−FET50は、その内部構造上必然的に整流手段(寄生ダイオード)を有する(図1中の符号51参照)。そのため、MOS−FETの内部回路は、開閉手段(半導体スイッチ部52)と整流手段とを並列接続した回路と等価であると言える。したがって、半導体スイッチにMOS−FETを採用すれば、MOS−FETがその内部構造上必然的に有する寄生ダイオードを整流手段として利用できるので、MOS−FETとは別にダイオード(整流手段)を備えさせることを不要にできる。
請求項5記載の発明では、前記第2蓄電池の残存容量使用範囲のうち前記ポイントの下限側では、前記第2蓄電池の開放電圧が、前記鉛蓄電池の開放電圧から前記障壁電圧を差し引いた電圧よりも低くなるよう、前記鉛蓄電池及び前記第2蓄電池の開放電圧及び内部抵抗を設定したことを特徴とする。
ここで、第2蓄電池を残存容量使用範囲内で前記ポイントよりも多く充電した状態では、鉛蓄電池よりも優先して第2蓄電池から放電されることは上述した通りであるが、放電を続けて残存容量が低下すると、第2蓄電池の過放電が懸念される。この懸念に対し、上記発明によれば、前記ポイントの下限側では第2蓄電池の開放電圧が、鉛蓄電池の開放電圧V0(Pb)から障壁電圧を差し引いた電圧よりも低くなるので、第2蓄電池の残存容量が前記ポイントよりも低下すると、鉛蓄電池から放電されるとともに、鉛蓄電池から整流手段を通じて第2蓄電池へ電流が流れ込むこととなり、第2蓄電池が充電されて残存容量が前記ポイントまで引き上げられることとなる。よって、第2蓄電池の過放電といった上記懸念が解消される。
請求項6記載の発明では、前記第2蓄電池の残存容量使用範囲のうち前記ポイントより上限側の範囲を下限側の範囲よりも広くするよう、前記鉛蓄電池及び前記第2蓄電池の開放電圧及び内部抵抗を設定したことを特徴とする。
前記ポイントより上限側の範囲は、第2蓄電池の開放電圧が鉛蓄電池の開放電圧V0(Pb)から障壁電圧を差し引いた電圧よりも高くなる範囲(条件(b))である。よって、この上限側の範囲を広く設定するほど、鉛蓄電池よりも優先して第2蓄電池から放電される機会をより一層増やすことができるので、鉛蓄電池の劣化抑制の効果を向上できる。
請求項7記載の発明では、前記第2蓄電池の残存容量が使用範囲内となるよう、前記第2蓄電池への充電量を制限して過充電保護するとともに前記第2蓄電池への放電量を制限して過放電保護するよう制御する保護制御手段を備え、前記保護制御手段は、前記開閉手段を作動させることで、前記第2蓄電池への充電量又は放電量を制限することを特徴とする。
これによれば、例えば、回生充電中に第2蓄電池の端子電圧が閾値を超えて高くなった場合は、通電状態の開閉手段を遮断作動させれば、充電量を低下させることができ、過充電を抑制できる。また、充電終了時でも例えばそれまでの充電過多により第2蓄電池の開放電圧が閾値を超えて高くなった場合には、通常は鉛蓄電池の開放電圧の方が第2蓄電池の開放電圧よりも低くなっている筈なので、開閉手段を通電作動させれば、開閉手段を通じて鉛蓄電池に放電させることができる。よって、充電過多となっていた第2蓄電池の充電量を低下させることができ、過充電を抑制できる。
また、第2蓄電池の開放電圧が閾値を超えて低くなった場合には、通常、鉛蓄電池の開放電圧から整流手段の障壁電圧を差し引いた電圧値よりも第2蓄電池の開放電圧は低くなっている筈である。そのため、整流手段を通じて鉛蓄電池から第2蓄電池へ充電されることに加え、開閉手段を通電作動させればさらに鉛蓄電池から第2蓄電池への充電を増やすことができ、過放電を抑制できる。
請求項8記載の発明では、前記第2蓄電池の残存容量が使用範囲内となるよう、前記第2蓄電池への充電量を制御して過充電保護及び過放電保護するよう制御する保護制御手段を備え、前記保護制御手段は、前記設定電圧を低下させるよう前記定電圧制御手段へ指令信号を出力することで、前記第2蓄電池への充電量を制御することを特徴とする。
これによれば、定電圧制御手段を利用して、第2蓄電池の過充電及び過放電を防止することができる。例えば、第2蓄電池の開放電圧が閾値を超えて高くなった場合には、設定電圧を低下させるよう定電圧制御手段へ指令信号を出力すれば、充電量を低下させることができ、過充電を抑制できる。また、第2蓄電池の開放電圧が閾値を超えて低くなった場合には、設定電圧を上昇させるよう定電圧制御手段へ指令信号を出力すれば、放電量を低下させることができ、過放電を抑制できる。
請求項9記載の如く、第2蓄電池に、リチウムイオン蓄電池に代表される非水電解液系の蓄電池を適用すれば、例えばニッケル蓄電池を適用した場合に比べて、出力密度又はエネルギ密度が高くかつ、上記条件(a)(b)(c)を満たすよう第2蓄電池の開放電圧及び内部抵抗を設定することを、容易に実現できる。
請求項10記載の発明では、第2蓄電池にリチウムイオンを吸蔵、放出する正極及び負極材料を適宜選択することによって、上記条件(a)(b)(c)を満たすよう第2蓄電池の開放電圧及び内部抵抗を設定することを、容易に実現できる。
請求項11記載の発明では、第2蓄電池の負極材料(負極活物質)にチタン酸リチウムを選択することによって、上記条件(a)(b)(c)を満たすよう第2蓄電池の開放電圧及び内部抵抗を設定することを、容易に実現できる。
ここで、本発明者らは、当初、第2蓄電池の正極材料及び負極材料の組み合わせとして、正極にリン酸鉄リチウム、負極にグラファイトを採用することによって、上記条件(a)(b)(c)を満たすよう第2蓄電池の開放電圧及び内部抵抗を設定することを容易に実現できることを見出していた。しかしながら、上記組み合わせでは、正極材料の内部抵抗が他の材料に比べて大きいため、上記条件(a)(b)(c)を満たすようにするためには電極面積を大きくせざるを得ない、との問題が生じることが分かった。
この問題に対し、本発明者らは、負極材料にチタン酸リチウムを採用すれば電極面積を小さくしつつ条件(a)(b)(c)を満たすようにできる、との知見を得た。なお、この場合の正極材料としては、一般的な正極材料(例えばコバルト酸リチウム、マンガン酸リチウム、ニッケル酸リチウム化合物等)を用いればよいことも分かった。
上記点を鑑み、請求項11記載の発明では、前記第2蓄電池の負極活物質に、チタン酸リチウムを用いることを特徴とする。これによれば、電極面積を小さくできるので第2電池の小型化及びコストダウンを図ることができる。但し、負極活物質にチタン酸リチウムを用いると、負極活物質にグラファイトを用いた場合に比べて、両電池の開放電圧が一致するポイントVdsが上限側に位置してしまうといった問題が新たに生じることが、本発明者らが行った試験により明らかになった。この問題に対しては、上記請求項1記載の発明により、ポイントVdsを下限側にずらすことができることで解消できる。したがって、上記発明によれば、ポイントVdsが上限側に位置してしまうといった問題を解消することと、電極面積を小さくできることとの両立を図ることができる。
請求項12記載の発明では、前記第2蓄電池は、複数の電池セルを直列接続して構成されており、前記複数の電池セルの電圧を監視するとともに残存容量を均等化する均等化手段を備えることを特徴とする。
仮に、電池セルの各々の残存容量にばらつきが生じていると、第2蓄電池を充電するにあたり、第2蓄電池の端子電圧は早期に設定電圧に達してしまう。そして、このように設定電圧に達した時点において、当初から残存容量が多かった電池セルは使用範囲の上限を超え、当初から残存容量が少なかった電池セルは使用範囲の上限に達していない状態となる。そのため、第2蓄電池の劣化が促進されてしまう。第2蓄電池から放電する時も同様にして、当初から残存容量が少なかった電池セルは過放電の状態になり、当初から残存容量が多かった電池セルは使用範囲の下限に達していない状態となるため、第2蓄電池の劣化が促進されてしまう。
以上の点を鑑みた上記発明によれば、複数の電池セルの電圧を監視するとともに残存容量を均等化する均等化手段を備えるので、充電時において過充電の電池セルと残存容量に余裕のある電池セルとが混在することを抑制でき、同様に、放電時において過放電の電池セルと残存容量に余裕のある電池セルとが混在することを抑制できる。よって、第2蓄電池の劣化促進を抑制できる。
なお、供給電力の電圧が一定又は少なくとも所定範囲内で変動するよう安定であることが要求される定電圧要求電気負荷へは、前記第2蓄電池から電力供給するよう構成し、前記第2蓄電池からスタータモータへの放電は整流手段又は開閉手段の遮断作動により回避して前記第2蓄電池の電圧降下を回避させることが望ましい構成である。
一般的に、車両に搭載される各種電気負荷の中でも、スタータモータが要する電力は桁違いに大きい。そのため、スタータモータへ放電した蓄電池の電圧は大幅に降下することとなる。すると、定電圧要求電気負荷(例えばナビゲーション装置やオーディオ装置等)へ供給する電力の電圧が最低動作電圧を下回って、作動がリセットされてしまうことが懸念される。この懸念に対し上記望ましい構成によれば、定電圧要求電気負荷へ電力供給する第2蓄電池から、スタータモータへの放電を回避して第2蓄電池の電圧降下を回避させるので、定電圧要求電気負荷への電圧が最低動作電圧を下回るといった上記懸念を抑制できる。
本発明の第1実施形態にかかる車載電源装置を示す電気ブロック図。 (a)は鉛蓄電池のSOC使用範囲を示し、(b)はリチウム蓄電池のSOC使用範囲を示す図。 鉛蓄電池とリチウム蓄電池とのIV特性の違いを説明する図。 充電電流及び端子電圧Vcの変化を説明する図。 本発明の第2実施形態にかかる車載電源装置を示す電気ブロック図。 本発明の第3実施形態にかかる車載電源装置を示す電気ブロック図。 本発明の第4実施形態にかかる車載電源装置を示す電気ブロック図。 本発明の第5実施形態にかかる車載電源装置を示す電気ブロック図。 本発明の第6実施形態にかかる車載電源装置を示す電気ブロック図。 本発明の第7実施形態にかかる車載電源装置を示す電気ブロック図。 本発明の第8実施形態にかかる車載電源装置を示す電気ブロック図。
以下、本発明を具体化した各実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付しており、同一符号の部分についてはその説明を援用する。
(第1実施形態)
本実施形態にかかる車載電源装置が搭載される車両は、内燃機関を走行駆動源とした車両であり、所定の自動停止条件を満たした場合に内燃機関を自動停止させ、所定の自動再始動条件を満たした場合に内燃機関を自動再始動させる、アイドルストップ機能を有する。なお、内燃機関の始動時にクランク軸を回転させるスタータモータは搭載されているものの、車両走行をアシストする走行用モータは搭載されていない。
図1に示すように、当該車両には、以下に説明するオルタネータ10(発電機)、レギュレータ11(定電圧制御手段)、鉛蓄電池20、リチウム蓄電池30(第2蓄電池)、各種の電気負荷41,42,43及びMOS−FET50(開閉手段、整流手段)が搭載されており、これら鉛蓄電池20、リチウム蓄電池30及び電気負荷41〜43はオルタネータ10に対して並列に電気接続されている。
MOS−FET50は、オルタネータ10及び鉛蓄電池20と、リチウム蓄電池30との間に配置されており、オルタネータ10及び鉛蓄電池20に対するリチウム蓄電池30の通電(オン)と遮断(オフ)を切り替える開閉手段として機能する。
また、MOS−FET50は、その内部構造上必然的に整流手段を有していると言える。すなわち、MOS−FET50の内部回路は、半導体スイッチ部52(開閉手段)と寄生ダイオード51(整流手段)とを並列接続した回路と等価であると言える。なお、半導体スイッチ部52のゲートへの入力信号は開閉制御手段600により制御される。つまり、MOS−FET50のオン作動(通電作動)とオフ作動(遮断作動)とは開閉制御手段600により切り替えられるよう制御される。
電気負荷41〜43のうち符号43に示す負荷は、供給電力の電圧が概ね一定、又は少なくとも所定範囲内で変動するよう安定であることが要求される定電圧要求電気負荷43であり、MOS−FET50に対してリチウム蓄電池30の側に電気接続される。これにより、定電圧要求電気負荷43への電力供給は、リチウム蓄電池30が分担することとなる(図1(b)中の実線矢印、及び図1(c)参照)。
定電圧要求電気負荷43の具体例としてはナビゲーション装置やオーディオ装置が挙げられる。例えば、供給電力の電圧が一定ではなく大きく変動している場合、或いは前記所定範囲を超えて大きく変動している場合には、電圧が瞬時的に最低動作電圧よりも低下するとナビゲーション装置等の作動がリセットされとの不具合が生じる。そこで、定電圧要求電気負荷43へ供給される電力は、電圧が最低動作電圧よりも低下することのない一定の値に安定していることが要求される。
電気負荷41〜43のうち符号41に示す負荷は内燃機関を始動させるスタータモータであり、符号42に示す負荷は、定電圧要求電気負荷43及びスタータモータ41以外の、及び一般的な電気負荷(例えば、リヤウインドシールドのデフロスタ用ヒータ、空調装置の送風ファン等)である。これらのスタータモータ41及び一般電気負荷42は、MOS−FET50に対して鉛蓄電池20の側に電気接続される。これにより、スタータモータ41及び一般電気負荷42への電力供給は鉛蓄電池20が分担することとなる(図1(b)中の実線矢印、及び図1(c)参照)。
スタータモータ41への供給電力は、他の電気負荷42,43への供給電力に比べて桁違いに大きい。そのため、スタータモータ41へ電力供給すると鉛蓄電池20の端子電圧Vd(Pb)が急激に低下することとなる。しかしながらリチウム蓄電池30については、リチウム蓄電池30からスタータモータ41への通電と遮断を切り替えるMOS−FET50を備えることで、端子電圧Vd(Li)の急激低下を回避している。具体的には、鉛蓄電池20からスタータモータ41へ電力供給している期間中、開閉制御手段600によりMOS−FET50をオフ作動させることにより、リチウム蓄電池30からスタータモータ41へ電流が流れ込むことを回避して、リチウム蓄電池30の電圧降下を回避する。そのため、リチウム蓄電池30から定電圧要求電気負荷43へは電圧変動の小さい安定した電力を供給できる。
なお、スタータモータ41を起動させるに十分な蓄電量を鉛蓄電池20が有していない場合には、MOS−FET50をオン作動させてリチウム蓄電池30からスタータモータ41へ電力供給するようにしてもよい。要するに、鉛蓄電池20のSOCが低い場合には、定電圧要求電気負荷43への電力供給よりも優先して、リチウム蓄電池30からスタータモータ41へ電力供給させる。また、図1の例では一般電気負荷42を、MOS−FET50に対して鉛蓄電池20の側に電気接続しているが、MOS−FET50に対してリチウム蓄電池30の側に電気接続して、一般電気負荷42への電力供給をリチウム蓄電池30が分担するようにしてもよい。
開閉制御手段600は、通常時にはMOS−FET50をオフ作動させているが、リチウム蓄電池30に多くの電流を流し込んで充電させたい場合や、リチウム蓄電池30から鉛蓄電池20へ放電させたい場合に、MOS−FET50をオン作動させる(図1(a)参照)。例えば、リチウム蓄電池30のSOC、鉛蓄電池20のSOC及び車速等の情報に基づき、減速時回生発電のような大きな電流をリチウム蓄電池30に効率よく充電したい場合や、鉛蓄電池20が過放電してリチウム蓄電池30から鉛蓄電池20を充電させたい場合に、開閉制御手段600はMOS−FET50をオン作動させる。
MOS−FET50をオフ作動させている時には、リチウム蓄電池30から充放電される電流が寄生ダイオード51により整流される。つまり、オフ作動時において、オルタネータ10や鉛蓄電池20からリチウム蓄電池30へ電流が流れることはあるが、リチウム蓄電池30からオルタネータ10や鉛蓄電池20へ電流が流れることはない(図1(c)参照)。
また、寄生ダイオード51は障壁電圧Vbar(pn接合等、2つの異なる材料の接合部において、電気伝導を起こすのに必要な電圧)を有するので、寄生ダイオード51を流れる電力には障壁電圧Vbar分の電圧降下が生じる。よって、オフ作動時において、オルタネータ10による発電電力の電圧又は鉛蓄電池20の端子電圧Vd(Pb)から障壁電圧Vbarを差し引いた分の電圧が、リチウム蓄電池30の端子電圧Vd(Li)よりも高くなっている時に、寄生ダイオード51を通じてリチウム蓄電池30へ電流が流れ込み、リチウム蓄電池30が充電されることとなる。
但し、車両の減速回生エネルギによりオルタネータ10を発電させて充電する際にオフ作動させておくと、大電流が寄生ダイオード51を通じて第2蓄電池へ流れ込むため、発電電流が寄生ダイオード51を流れる際に生じるエネルギ損失(「障壁電圧Vbar×発電電流」に相当する電力)が極めて大きくなる。そこで本実施形態では、減速回生エネルギによりオルタネータ10を発電させてリチウム蓄電池30で充電させる場合には、MOS−FET50をオン作動させている(図1(c)参照)。これにより、寄生ダイオード51をバイパスして発電電流がリチウム蓄電池30へ流れ込むこととなる。よって、障壁電圧Vbarによる損失を無くすことができるので、オルタネータ10で発電した電力の損失を低減できる。
また、リチウム蓄電池30から鉛蓄電池20へ電力供給して鉛蓄電池20を充電させたい場合や、鉛蓄電池20のSOCが小さく、鉛蓄電池20から一般電気負荷42及びスタータモータ41への電力供給が不足しておりリチウム蓄電池30から電力供給させたい場合にも、MOS−FET50をオン作動させる(図1(b)中の点線矢印参照)。鉛蓄電池20の端子電圧Vd(Pb)がリチウム蓄電池30の端子電圧Vd(Li)よりも低くなっている時にオン作動させると、リチウム蓄電池30から鉛蓄電池20へ電力供給されるともに、一般電気負荷42又はスタータモータ41への電力供給を補うことができる。
オルタネータ10は、クランク軸の回転エネルギにより発電するものである。具体的には、オルタネータ10のロータがクランク軸により回転すると、ロータコイル10aに流れる励磁電流に応じてステータコイルに交流電流が誘起され、図示しない整流器により直流電流に変換される。そして、ロータコイル10aに流れる励磁電流をレギュレータ11が調整することで、発電された直流電流の電圧を一定の設定電圧(定電圧Vreg)となるよう調整し、発電電力の電圧変動を抑制する。本実施形態では、通常時の定電圧Vregを14.5Vに設定している。
オルタネータ10で発電した電力は、各種電気負荷41〜43へ供給されるとともに、鉛蓄電池20及びリチウム蓄電池30へ供給される。内燃機関の駆動が停止してオルタネータ10で発電されていない時には、鉛蓄電池20及びリチウム蓄電池30から電気負荷41〜43へ電力供給される。鉛蓄電池20及びリチウム蓄電池30から電気負荷41〜43への放電量、及びオルタネータ10からの充電量は、SOC(State of charge:満充電時の充電量に対する実際の充電量の割合)が過充放電とならない範囲(SOC使用範囲)となるよう、図示しない保護制御手段により制御されている。
また、本実施形態では、車両の減速回生エネルギによりオルタネータ10を発電させて両蓄電池20,30(主にはリチウム蓄電池30)に充電させる、減速回生を行っている。この減速回生は、車両が減速状態であること、内燃機関への燃料噴射をカットしていること、等の条件が成立した時に実施される。
鉛蓄電池20は周知の汎用蓄電池である。具体的には、正極活物質が二酸化鉛(PbO)、負極活物質が鉛(Pb)、電解液が硫酸(HSO)である。そして、これらの電極から構成された複数の電池セルを直列接続して構成されている。なお、鉛蓄電池20の蓄電容量は、リチウム蓄電池30の蓄電容量よりも大きく設定している。
一方、リチウム蓄電池30の正極活物質には、リチウムを含む酸化物(リチウム金属複合酸化物)が用いられており、具体例としては、LiCoO、LiMn、LiNiO、LiFePO等が挙げられる。リチウム蓄電池30の負極活物質には、カーボン(C)やグラファイト、チタン酸リチウム(例えばLiTiO)、Si又はSuを含有する合金等が用いられている。リチウム蓄電池30の電解液には有機電解液が用いられている。そして、これらの電極から構成された複数の電池セルを直列接続して構成されている。特に本実施形態では、リチウム蓄電池30の負極活物質にチタン酸リチウムを採用している。
なお、図1中の符号21,31は、鉛蓄電池20及びリチウム蓄電池30の電池セル集合体を表し、符合22,32は鉛蓄電池20及びリチウム蓄電池30の内部抵抗を表している。また、以下の説明において、蓄電池の開放電圧V0とは、電池セル集合体21,31により生じた電圧のことであり、蓄電池の端子電圧Vd,Vcとは、次の式1,2で表される電圧のことである。
Vd=V0−Id×R・・・(式1)
Vc=V0+Ic×R・・・(式2)
なお、放電電流をId、充電電流をIc、蓄電池の内部抵抗をR、蓄電池の開放電圧をV0とする。これらの式1,2に示すように、放電時の端子電圧Vdは内部抵抗Rが大きいほど小さい値となり、充電時の端子電圧Vcは内部抵抗Rが大きいほど大きい値となる。
ここで、両蓄電池20,30は並列接続されているため、オルタネータ10から充電する際には、端子電圧Vcの低い側の蓄電池へオルタネータ10の起電流が流れ込むこととなる。一方、電気負荷40へ電力供給(放電)する際には、端子電圧Vdの高い側の蓄電池から電気負荷へ放電されることとなる。
そして、回生充電時には、リチウム蓄電池30の端子電圧Vc(Li)が鉛蓄電池20の端子電圧Vc(Pb)より低くなる機会が多くなるようにして、鉛蓄電池20よりも優先してリチウム蓄電池30に充電されるように設定している。また、放電時には、リチウム蓄電池30の端子電圧Vd(Li)が鉛蓄電池20の端子電圧Vd(Pb)(正確には、寄生ダイオード51の障壁電圧VbarをVd(Pb)から差し引いた電圧)より高くなる機会が多くなるようにして、鉛蓄電池20よりも優先してリチウム蓄電池30から定電圧要求電気負荷43へ放電されるように設定している。
これらの設定は、両蓄電池20,30の開放電圧V0及び内部抵抗値Rを設定することで実現可能であり、開放電圧V0の設定は、リチウム蓄電池30の正極活物質、負極活物質及び電解液を選定することで実現可能である。
以下、回生充電時にVc(Li)<Vc(Pb)、放電時にVd(Li)>Vd(Pb)−Vbarとなる機会を多くする設定の詳細について、図2及び図3を用いて説明する。
図2(a)中の横軸は鉛蓄電池20のSOCを示し、図中の実線A1は、鉛蓄電池20のSOCと開放電圧V0(Pb)との関係を示す電圧特性線である。充電量が増加してSOCが上昇することに比例して開放電圧V0(Pb)も上昇する。図2(b)中の横軸はリチウム蓄電池30のSOCを示し、図中の実線A2は、リチウム蓄電池30のSOCと開放電圧V0(Li)との関係を示す電圧特性線である。充電量が増加してSOCが上昇することに伴い開放電圧V0(Li)も上昇するが、変極点P1,P2(図2(a)参照)の間では上昇の傾きが小さくなっている。
蓄電池20,30が過充電や過放電の状態になると早期劣化が懸念される。したがって、過充放電とならない範囲(SOC使用範囲)となるよう、先述した保護制御手段により蓄電池20,30の充放電量を規制しており、鉛蓄電池20のSOC使用範囲W1(Pb)はSOC88%〜100%であり、リチウム蓄電池30のSOC使用範囲W2(Li)は例えばSOC10%〜90%である。使用範囲W2(Li)の上限は100%より小さく、下限は0%より大きい。
したがって、鉛蓄電池20ではSOC0%〜88%が早期劣化を招く範囲である。なお、図2(b)は、図2(a)の点線部分(使用範囲W1(Pb)を示す部分)の拡大図でもあり、図2(b)の横軸に示されるリチウム蓄電池30のSOC=0%の位置は、使用範囲W1(Pb)の88%の値に相当する。
そして、以下の条件(a)(b)(c)(d)(e)を満たすリチウム蓄電池30の電圧特性A2となるよう、リチウム蓄電池30は設定されている。具体的には、リチウム蓄電池30の正極活物質、負極活物質及び電解液の組み合わせを選定することで、条件(a)〜(e)を満たす電圧特性A2を作りこむことができる。
<条件(a)>
鉛蓄電池20のSOC使用範囲W1(Pb)とリチウム蓄電池30のSOC使用範囲W2(Li)とで、鉛蓄電池20の開放電圧V0(Pb)とリチウム蓄電池30の開放電圧V0(Li)とが一致するポイントVdSが存在する。なお、リチウム蓄電池30の電圧特性線A2のうち傾きが小さくなっている変極点P1,P2の間の領域(棚領域P1〜P2)に一致ポイントVdSを存在させている。但し、障壁電圧Vbarの分だけ、両電池20,30の開放電圧が一致するポイントは下限側にシフトする(図2(b)中の符号Vds’参照)。換言すれば、鉛蓄電池20の電圧特性線A1は見かけ上、図2(b)中の一点鎖線に示す如く低電圧側にシフトすることとなる。
<条件(b)>
リチウム蓄電池30のSOC使用範囲W2(Li)のうち一致ポイントVds’の上限側では、リチウム蓄電池30の開放電圧V0(Li)が、鉛蓄電池20の開放電圧V0(Pb)から障壁電圧Vbarを差し引いた分の電圧よりも高い。より詳細に説明すると、棚領域P1〜P2に一致ポイントVds’を存在させるにあたり、SOC使用範囲W2(Li)の上限値(90%)よりも下限側に一致ポイントVds’を存在させている。そして、SOC使用範囲W2(Li)のうち一致ポイントVds’の上限側において、リチウム蓄電池30の電圧特性線A2の傾きが鉛蓄電池20の電圧特性線A1の傾きよりも大きい。
<条件(c)>
リチウム蓄電池30に最大充電電流が流れている時の端子電圧Vc(Li)が、レギュレータ11により制御される定電圧Vregよりも小さい。換言すれば、充電時におけるリチウム蓄電池30の端子電圧Vc(Li)(図2(b)中の実線A3参照)であって、SOC使用範囲W2(Li)の上限値(90%)における端子電圧Vc(Li)の値が、定電圧Vregよりも小さい。なお、図2(b)中の符号ΔVは、上限値(90%)における内部抵抗32による電圧降下分を示しており、上述した式2中の(Ic×R)の項に相当する。
<条件(d)>
リチウム蓄電池30のSOC使用範囲W2(Li)のうち一致ポイントVds’の下限側では、リチウム蓄電池30の開放電圧V0(Li)が鉛蓄電池20の開放電圧V0(Pb)よりも低い。より詳細に説明すると、棚領域P1〜P2に一致ポイントVds’を存在させるにあたり、SOC使用範囲W2(Li)の下限値(10%)よりも上限側に一致ポイントVds’を存在させている。そして、SOC使用範囲W2(Li)のうち一致ポイントVds’の下限側において、リチウム蓄電池30の電圧特性線A2の傾きが鉛蓄電池20の電圧特性線A1の傾きよりも大きい。
<条件(e)>
リチウム蓄電池30のSOC使用範囲W2(Li)のうち一致ポイントVds’より上限側の範囲が下限側の範囲よりも広い。より詳細に説明すると、棚領域P1〜P2に一致ポイントVds’を存在させるにあたり、前記P1,P2の間の領域の中央よりもSOCの下限側に一致ポイントVds’を存在させる。そのため、SOC使用範囲W2(Li)の大部分においてVd(Li)>Vd(Pb)−Vbarとなる。
図3中の実線B1は蓄電池20のIV特性を、実線B2はリチウム蓄電池30のIV特性を、実線B3は定電圧Vregを示しており、図3の横軸は電流値Ic,Id、縦軸は端子電圧Vc,Vdを示す。なお、充電時の電流Icをプラスで表し、放電時の電流Idをマイナスで表している。
これらのIV特性B1,B2は、充電電流Icの上昇に比例して端子電圧Vcが上昇(SOCが増大)し、放電電流Idの下降に比例して端子電圧Vdが低下(SOCが減少)する様子を表している。そして、IV特性B1,B2の傾きが内部抵抗値Rを示しており、リチウム蓄電池30については充電時と放電時とで内部抵抗値R(Li)は同じであるが、鉛蓄電池20については充電時の内部抵抗値R(Pb)は放電時の内部抵抗値R(Pb)よりも大きくなっている。
そして、充電時においてはR(Li)<R(Pb)、放電時においてはR(Li)≦R(Pb)となるよう設定している。また、MOS−FET50をオフ作動させた時の放電時においてはVd(Li)>Vd(Pb)−Vbar(オン作動時にはVd(Li)>Vd(Pb))となるよう設定し、MOS−FET50をオン作動させた時の充電時においては、Icがゼロ近傍の範囲ではVc(Li)>Vc(Pb)となるものの、それ以外の範囲ではVc(Li)<Vc(Pb)(オフ作動時にはVc(Li)+Vbar<Vc(Pb))となるよう設定している。このような設定は、充電時におけるリチウム蓄電池30の内部抵抗値R(Li)が鉛蓄電池20の内部抵抗値R(Pb)よりも小さいことで実現可能となっている。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)電圧特性A1に対して上記条件(a)(一致ポイントVdsが存在する(MOS−FET50のオフ作動時にはVds’が存在する))を満たすよう電圧特性A2を作りこむことにより、放電時において、鉛蓄電池20のSOC使用範囲W1での端子電圧Vd(Pb)と、リチウム蓄電池30のSOC使用範囲W2での端子電圧Vd(Li)とは、図2(a)に示すようにほぼ一致し、両蓄電池間にて大きな電位差は生じなくなる。よって、従来必要となっていたDCDCコンバータを廃止し、かつ、MOS−FET50をオン作動させたとしても、両蓄電池20,30のうち電圧の高い電池から低い電池へ流れ込む電流量を極少量にできるので、従来必須となっていたDCDCコンバータを不要にしつつも、それぞれの電池20,30が過充電状態や過放電状態になるおそれを抑制できる。よって、DCDCコンバータを廃止できる分、十分なコストダウンを実現できる。
(2)電圧特性A1に対して上記条件(b)(一致ポイントVds’の上限側でVd(Li)>Vd(Pb)−Vbar)を満たすよう電圧特性A2を作りこむことにより、リチウム蓄電池30をSOC使用範囲W2内で一致ポイントVds’よりも多く充電した状態では、鉛蓄電池20よりも開放電圧が高くなっているリチウム蓄電池30から定電圧要求電気負荷43へ放電されることとなる。よって、鉛蓄電池20よりも優先してリチウム蓄電池30から定電圧要求電気負荷43へ放電される機会が増えるため、頻繁な放電(累積放電量)に対する耐久性の低い鉛蓄電池20からの累積放電量を低減できるので、鉛蓄電池20の劣化を抑制できる。
なお、一般電気負荷42をMOS−FET50に対してリチウム蓄電池30側に配置し、一般電気負荷42への電力供給をリチウム蓄電池30で分担させるよう構成した場合においては、上記条件(b)を満たすよう電圧特性A2を作りこむことにより、鉛蓄電池20よりも優先してリチウム蓄電池30から一般電気負荷42へ放電される機会が増えることとなる。
(3)電圧特性A1に対して上記条件(c)(最大充電電流時にVc(Li)<Vreg)を満たすよう電圧特性A2を作りこむことにより、以下の理由によって、鉛蓄電池20よりも優先してリチウム蓄電池30で充電される機会を増やすことができる。
仮に、リチウム蓄電池30を廃止して鉛蓄電池20で回生電力を充電しようとすると、図3に示すように鉛蓄電池20の内部抵抗22はリチウム蓄電池30の内部抵抗32より大きいので、充電電流がIaにまで上昇した時点で端子電圧Vc(Pb)は定電圧Vregに達してしまい、充電できなくなってしまう。これに対し、本実施形態にかかるリチウム蓄電池30は、充電電流が最大になった時であってもVc(Li)<Vregを満たすので、充電が可能である。図3の例では、充電電流が最大充電電流Imaxよりも大きいIbにまで上昇した時点で端子電圧Vc(Li)が定電圧Vregに達する。
このことを、さらに図4を用いて説明する。図4中の実線C1,D1は、リチウム蓄電池30を廃止して鉛蓄電池20で最大充電電流Imax時の回生電力を充電しようとした場合における、充電電流及び端子電圧Vc(Pb)の変化を示す。図4中の点線C2,D2は、本実施形態にかかるリチウム蓄電池30で最大充電電流Imax時の回生電力を充電しようとした場合における充電電流及び端子電圧Vc(Li)の変化を示す。
図3を用いて上述したように、鉛蓄電池20で充電しようとした場合には、Imax>Iaであるため、図4(a)に示すように充電電流はt1時点で直ぐに低下してゼロに収束し、充電されない状態になる。この場合、図4(a)中の斜線を付した面積が充電量に相当する。一方、リチウム蓄電池30で充電しようとした場合には、Imax≦Ibであるため、リチウム蓄電池30のSOCが上限値(概ね90%付近)になるt2時点まで充電電流はImaxを維持する。よって、常時充電が可能であり、充電可能量を増大できる。
以上により、本実施形態によれば、鉛蓄電池20よりも優先してリチウム蓄電池30で充電される機会を増やすことができる。よって、頻繁な充電(累積充電量)に対する耐久性の低い鉛蓄電池20への累積充電量を低減できるので、鉛蓄電池20の劣化を抑制できる。
(4)電圧特性A1に対して上記条件(d)(一致ポイントVds’の下限側でVd(Li)<Vd(Pb)−Vbar)を満たすよう電圧特性A2を作りこむ。これによれば、リチウム蓄電池30から優先的に電気負荷40へ放電した結果、リチウム蓄電池30のSOCが一致ポイントVds’よりも低下してくると、リチウム蓄電池30に替わって鉛蓄電池20から電気負荷40へ放電されることとなる。しかも、鉛蓄電池20からリチウム蓄電池30へ電流が流れ込むこととなり、リチウム蓄電池30が充電されてSOCが一致ポイントVds’に向けて引き上げられることとなる。よって、リチウム蓄電池30が過放電になることを抑制できる。
(5)電圧特性A1に対して上記条件(e)(一致ポイントVds’より上限側の範囲が下限側の範囲よりも広い)を満たすよう電圧特性A2を作りこむ。これによれば、上記条件(b)によるVd(Li)>Vd(Pb)−Vbarとなる範囲を十分に広く確保できるので、リチウム蓄電池30から優先的に放電される機会を十分に増やすことができ、鉛蓄電池20の劣化抑制の効果を向上できる。
(6)本実施形態では、MOS−FET50を備えることにより、その寄生ダイオード51の障壁電圧Vbarの分だけ、両電池20,30の開放電圧が一致するポイントが下限側にシフトする(Vds→Vds’)。換言すれば、鉛蓄電池20の電圧特性線A1は見かけ上、図2(b)中の一点鎖線に示す如く低電圧側にシフトすることとなる。そのため、リチウム蓄電池30のSOC使用範囲W2(Li)のうちポイントVds’より上限側の領域(放電領域W2d)を符号W2d’に示すように拡大することができ、ひいては、鉛蓄電池20よりも優先してリチウム蓄電池30から定電圧要求電気負荷43へ放電される機会を増やすことができる。
(7)ここで、車両に搭載される各種電気負荷41〜43の中でも、スタータモータ41が要する電力は桁違いに大きい。このように電力の大きい電気負荷に対してリチウム蓄電池30から電力供給しようとすると、鉛蓄電池20に比べて高価なリチウム蓄電池30の小容量化の妨げとなる。そこで本実施形態では、消費電力の大きいスタータモータ41への電力供給を鉛蓄電池20に分担させて、リチウム蓄電池30の小容量化を図っている。そして、MOS−FET50の寄生ダイオード51の向きを、鉛蓄電池20からリチウム蓄電池30へ電流を流す向きが順方向となるよう配置するので、リチウム蓄電池30からスタータモータ41へ電流が流れ込むことを阻止できる。しかも、スタータモータ41の作動期間中にはMOS−FET50をオフ作動させるので、リチウム蓄電池30からスタータモータ41へ電流が流れ込むことを確実に阻止できる。
(8)オルタネータ10からリチウム蓄電池30へ充電させる場合には、MOS−FET50をオン作動させるので、寄生ダイオード51をバイパスして発電電流をリチウム蓄電池30へ流して充電させることとなる。よって、寄生ダイオード51の障壁電圧Vbarによる損失を無くすことができるので、オルタネータ10で発電した電力の損失を低減できる。特に、回生電力によりリチウム蓄電池30へ充電させる時にオン作動させるので、回生時の大電流が寄生ダイオード51を流れることによる電力ロスを低減できる点で優れている。
(9)リチウム蓄電池30の正極材料及び負極材料の組み合わせとして、正極にリン酸鉄リチウム、負極にグラファイトを採用することによって上記条件(a)(b)(c)を満たすようにすると、正極材料であるリン酸鉄リチウムの内部抵抗が他の材料に比べて大きいため、上記条件(a)(b)(c)を満たすようにするためには電極面積を大きくせざるを得ない。この問題に対し本実施形態では、正極材料にはコバルト酸リチウム、マンガン酸リチウム、ニッケル酸リチウム化合物等を用い、負極材料にはチタン酸リチウムを採用するので、電極面積を小さくしつつ条件(a)(b)(c)を満たすようにでき、リチウム蓄電池30の小型化及びコストダウンを図ることができる。
但し、負極材料にチタン酸リチウムを用いると、負極材料にグラファイトを用いた場合に比べて、両電池の開放電圧が一致するポイントVdsが上限側に位置してしまうといった問題が新たに生じるが、この問題に対しては、上述の如くMOS−FET50を備えることによりポイントを下限側にずらす(Vds→Vds’)ことで解消できる。したがって、本実施形態によれば、ポイントVdsが上限側に位置してしまうといった問題を解消することと、電極面積を小さくできることとの両立を図ることができる。
(10)定電圧要求電気負荷43への電力供給はリチウム蓄電池30が分担し、スタータモータ41への電力供給は鉛蓄電池20が分担する。そして、鉛蓄電池20からスタータモータ41へ電力供給している期間中、MOS−FET50をオフ作動させるので、定電圧要求電気負荷43へは電圧変動の小さい安定した電力を供給できる。
(11)オルタネータ10、レギュレータ11及び鉛蓄電池20を備えて構成される既存の車載電源装置に、上記条件(a)〜(e)を満たすリチウム蓄電池30を追加するだけで、DCDCコンバータを不要にした本実施形態にかかる車載電源装置を実現できる。よって、既存の車載電源装置に対してハード的に設計変更が要求される変更点を少なくできる。
(12)本実施形態では、本発明にかかる開閉手段及び整流手段をMOS−FET50により具現化している。そのため、MOS−FET50がその内部構造上必然的に有する寄生ダイオード51を整流手段として利用できるので、MOS−FET50とは別にダイオード(整流手段)を備えさせることを不要にできる。
(第2実施形態)
図5に示す本実施形態では、リチウム蓄電池30のSOCが使用範囲W2内となるよう、リチウム蓄電池30への充電量及び放電量を制限して、過充電保護及び過放電保護するよう保護制御する保護制御手段60を備える。さらに保護制御手段60は、上記第1実施形態にかかる開閉制御手段600と同様にして、半導体スイッチ部52のゲートへの入力信号を制御することで、MOS−FET50のオン作動とオフ作動とを切り替えるよう制御する。
保護制御手段60は、リチウム蓄電池30の端子電圧Vc,Vd又は開放電圧V0(Li)の検出値を常時取得するとともに、電流検出手段61により検出される、リチウム蓄電池30を流れる電流値を常時取得する。そして、例えば放電時の端子電圧Vdが下限電圧よりも低下した場合に、MOS−FET50をオン作動させることで、オルタネータ10やSOCが低下していない鉛蓄電池20から充電させることにより過放電保護を図るようにすればよい。前記下限電圧は、図2(b)のSOC下限値(10%)に対応する電圧に基づき設定すればよい。また、端子電圧Vcが上限電圧よりも上昇した場合に、MOS−FET50をオフ作動(電圧上昇抑制作動)させることで、過充電保護を図るようにすればよい。前記上限電圧は、図2(b)のSOC上限値(90%)に対応する電圧に基づき設定すればよい。
さらに保護制御手段60は、リチウム蓄電池30の電圧に応じて定電圧Vregの値を指令する指令信号をレギュレータ11へ出力することで、レギュレータ11の定電圧Vregの値を可変制御する。これにより、リチウム蓄電池30の過放電保護と過充電保護を図っている。
すなわち、リチウム蓄電池30の電圧が下限電圧よりも低下した場合には、定電圧Vregを上昇させてリチウム蓄電池30への充電量増大を図ることで、過放電保護を実施する。また、リチウム蓄電池30の電圧が上限電圧よりも上昇した場合には、定電圧Vregを低下させてリチウム蓄電池30への充電量抑制を図ることで、過充電保護を実施する。
以上により、本実施形態によれば、スタータモータ41への電力供給時のみならず、リチウム蓄電池30の電圧が使用範囲W2を超えて低下しそうになった時にもMOS−FET50をオン作動させるので、過放電保護を確実にできる。また、MOS−FET50をオフ作動させることで過充電保護を実施するので、過充電回避を確実にできる。
また、保護制御手段60により定電圧Vregを可変制御することで過放電保護と過充電保護を実施するので、リチウム蓄電池30の電圧をきめ細かく制御でき、過放電保護と過充電保護を精度良く実施できる。
(第3実施形態)
上記第2実施形態では、リチウム蓄電池30に対して過充放電保護を実施する保護制御手段60を備えているが、図6に示す本実施形態では、この保護制御手段60に、鉛蓄電池20に対しても過充放電保護を実施させている。
すなわち、保護制御手段60は、鉛蓄電池20の電圧が下限電圧よりも低下した場合には、定電圧Vregを上昇させて鉛蓄電池20への充電量増大を図ることで、過放電保護を実施する。また、鉛蓄電池20の電圧が上限電圧よりも上昇した場合には、定電圧Vregを低下させて鉛蓄電池20への充電量抑制を図ることで、過充電保護を実施する。
以上により、本実施形態によれば、リチウム蓄電池30の電圧に応じて定電圧Vregを可変制御するのみならず、鉛蓄電池20の電圧にも応じて定電圧Vregを可変制御するので、鉛蓄電池20の電圧をもきめ細かく制御でき、過放電保護と過充電保護を精度良く実施できる。
(第4実施形態)
図7に示す本実施形態では、リチウム蓄電池30を複数備えており、定電圧要求電気負荷43、大出力の供給電力が要求される大出力要求負荷44、非常時に確実に作動させることが要求される非常時作動電気負荷45のそれぞれに対して、別々のリチウム蓄電池30から電力供給している。
大出力要求負荷44の具体例としては、パワー電動ステアリング装置に備えられた電動モータが挙げられる。この大出力要求負荷44の場合には、定電圧要求電気負荷43とは異なり、電圧に多少の変動があっても許容される。非常時作動電気負荷45の具体例としては、内燃機関の始動ができなくなった場合等の車両故障発生時にディーラ等の修理作業者へ緊急連絡するための通信装置が挙げられる。この場合、大出力や定電圧は要求されない。
また、図5と同様のMOS−FET50、電池状態検知手段70及び電流検出手段61は、リチウム蓄電池30の各々に対して設けられている。電池状態検知手段70は、リチウム蓄電池30の端子電圧Vc,Vd又は開放電圧V0(Li)、及びリチウム蓄電池30を流れる電流を常時検出し、検出した電圧及び電流の値を保護制御手段60に送信する。保護制御手段60は、図5に示す保護制御手段60と同様にして、MOS−FET50を用いて過充放電保護を実施するとともに、定電圧Vregを可変制御することで過充放電保護を実施する。
なお、定電圧要求電気負荷43、大出力要求負荷44及び非常時作動電気負荷45は、MOS−FET50に対してリチウム蓄電池30の側に電気接続されている。これにより、これらの電気負荷43〜45への電力供給はリチウム蓄電池30が分担することとなる。
以上により、本実施形態によれば、用途別にリチウム蓄電池30を複数備えるので、リチウム蓄電池30の劣化促進を抑制できる。特に、非常時作動電気負荷45に対して専用のリチウム蓄電池30を備えさせるので、冗長性が向上され、リチウム蓄電池30の劣化により非常時作動電気負荷45へ電力供給できなくなるおそれを低減できる。
(第5実施形態)
図8に示す本実施形態では、図7に示す電池状態検知手段70の詳細について具現化したものであり、この電池状態検知手段は、セル電圧切替手段71(均等化手段)、電池状態検知制御手段72(均等化手段)、温度検出手段73及びセル均等化手段74(均等化手段)を有して構成されている。
セル電圧切替手段71は、リチウム蓄電池30を構成する複数(本実施形態では5個)の電池セル33の各々に対して、電池セル33の電圧を検出する手段であって、いずれの電池セル33に対して電圧を検出するかを切り替える機能を有している。セル電圧切替手段71にて検出された電池セル33の電圧は、電池状態検知制御手段72に出力される。また、電池状態検知制御手段72には、リチウム蓄電池30を流れる電流値が入力される。さらに電池状態検知制御手段72には、温度検出手段73により検出されたリチウム蓄電池30の温度が入力される。
電池状態検知制御手段72は、電池セル33の電圧からリチウム蓄電池30の端子電圧Vc,Vd又は開放電圧V0(Li)を算出し、算出した電圧、リチウム蓄電池30の電流、及びリチウム蓄電池30の温度の情報を、通信インタフェース75を介して保護制御手段60に送信する。保護制御手段60は、受信した各種情報に基づき、先述した保護制御を実施する。
さらに電池状態検知制御手段72は、入力されてきた電池セル33の電圧に基づき、例えばSOCの高い電池セル33に対しては放電量を、SOCの低い電池セル33に対しては充電量を算出する。そして、各々の電池セル33に対して算出した充放電量を、均等化指令信号としてセル均等化手段74に出力する。セル均等化手段74は、均等化指令信号に従って、各々の電池セル33を充放電させることで、複数の電池セル33の残存容量を均等化する。
以上により、本実施形態によれば、複数の電池セル33の残存容量が均等化されるので、充電時において過充電の電池セル33と残存容量に余裕のある電池セル33とが混在することを抑制でき、同様に、放電時において過放電の電池セル33と残存容量に余裕のある電池セル33とが混在することを抑制できる。よって、リチウム蓄電池30の劣化促進を抑制できる。
(第6実施形態)
上記第6実施形態では、セル電圧切替手段71及びセル均等化手段74を別々の電子部品で構成しているのに対し、図9に示す本実施形態では、これら両手段を1つのIC(セル均等化異常検知手段710)で構成している。
つまり、セル均等化異常検知手段710は、複数の電池セル33の各々に対して電圧を検出し、その検出結果に基づき各々の電池セル33に対して充放電量を算出する。そしてセル均等化異常検知手段710は、算出した充放電量に基づき各々の電池セル33を充放電させることで、複数の電池セル33の残存容量を均等化する。
また、セル均等化異常検知手段710は、電池セル33の各々に対して検出した電圧が正常な範囲を超えて異常な値になっていないかを検知することで、電池セル33の異常を検知する機能を有している。そして、電池状態検知制御手段72からセル均等化異常検知手段710へ故障診断指令の信号が出力されると、セル均等化異常検知手段710は上記異常検知を実施し、その実施結果を電池状態検知制御手段72へ送信する。
なお、電圧降下手段76は、リチウム蓄電池30の電圧をマイコンで処理可能な5V以下の信号に電圧降下させる手段であり、このように降下された電圧信号は、電池状態検知制御手段72に入力され、通信インタフェース75を介して保護制御手段60へ送信される。
以上により、本実施形態によれば、上記第5実施形態と同様の効果が発揮されるとともに、電池セル33の異常検知をも実施することができる。
(第7実施形態)
図10に示す本実施形態では、上記各実施形態にかかるMOS−FET50に替え、互いに並列接続された電磁リレー52R及びダイオード51aを採用している。この場合、電磁リレー52Rが開閉手段に相当し、ダイオード51aが整流手段に相当する。なお、寄生ダイオード51が障壁電圧Vbarを有するのと同様にして、ダイオード51aも障壁電圧Vbarを有する。
電磁リレー52Rの電磁コイル52bへ流れる電流を開閉制御手段600によりオンオフ制御することで、電磁リレー52Rのスイッチ部52aの作動を制御する。本実施形態では、電磁コイル52bへ電流を流すと、電磁力によりスイッチ部52aがオン作動して、オルタネータ10及び鉛蓄電池20に対するリチウム蓄電池30を通電させる。一方、電磁コイル52bへの電流を遮断すると、スイッチ部52aがオフ作動して、オルタネータ10及び鉛蓄電池20に対するリチウム蓄電池30の通電を遮断させる。
以上により、本実施形態によっても、上記第1実施形態と同様の作用及び効果が発揮される。また、MOS−FET50を採用した第1実施形態と、電磁リレー52R及びダイオード51aを採用した本実施形態とでは、以下に説明する長所と短所がある。
すなわち、MOS−FET50を採用した場合には、1つの電子部品で開閉手段及び整流手段を構成できるので、電磁リレー52R及びダイオード51aを採用した場合に比べて、部品点数を低減できるとともに、小型化を図ることができる。また、MOS−FET50を採用した場合には、電磁リレー52Rを採用した場合に比べて、開閉制御手段600による作動指令(ゲート電圧又は励磁電流)の出力に対する半導体スイッチ部52の作動の応答性を高めることができる。
一方、MOS−FET50を採用した場合には、MOS−FET50の制御端子(ゲート端子)と被制御端子(ソース端子及びドレイン端子)とは絶縁状態になっていないので、制御端子へ印加する作動電圧は、被制御端子の電圧に制御電圧を上積みした電圧としなければならず、高電圧となるのが一般的である。よって、作動電圧用に高電圧を作成する回路(図示せず)が必要となる。これに対し、電磁リレー52Rを採用した場合には、電磁リレー52Rのスイッチ部52aと電磁コイル52bとは絶縁状態になっているので、電磁リレー52Rの電磁コイル52bへ印加する作動電圧には高電圧が要求されない。よって、MOS−FET50に要求される作動電圧用の高電圧作成回路を不要にでき、ひいては開閉制御手段600によるオンオフ制御を簡素にできる。
(第8実施形態)
図11に示す本実施形態では、上記第7実施形態にかかるダイオード51a(整流手段)を備えるものの、電磁リレー52R(開閉手段)を廃止している。本実施形態によっても、ダイオード51aの障壁電圧Vbarにより、両電池20,30の開放電圧が一致するポイントを下限側にシフトさせる(Vds→Vds’)といった作用効果を発揮させることができる。また、ダイオード51aの向きを、鉛蓄電池20からリチウム蓄電池30へ電流を流す向きが順方向となるよう配置するので、リチウム蓄電池30からスタータモータ41へ電流が流れ込むことを阻止するといった作用効果も発揮される。
但し、回生電力によりリチウム蓄電池30へ充電させる時に、回生電力の電流がダイオード51aを通じてリチウム蓄電池30へ流れ込むので、ダイオード51aの障壁電圧により生じる電力ロスが大きい点で、上記各実施形態の方が本実施形態より優れる。
(他の実施形態)
本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず、以下のように変更して実施してもよい。また、各実施形態の特徴的構成をそれぞれ任意に組み合わせるようにしてもよい。
・上記第1〜第6実施形態では、リチウム蓄電池30からスタータモータ41への通電と遮断を切り替える開閉手段としてMOS−FET50を採用しているが、MOS−FET50に替えて、IGBT等の他の半導体スイッチ(電界効果トランジスタ)を採用してもよい。但し、IGBTはMOS−FETと異なり、スイッチ部の通電電流が寄生ダイオードの順方向と反対の向きにしか流れないので、寄生ダイオードの障壁電圧による損失を低減するには、別のバイパス手段を用意する必要がある。それに対し、MOS−FET50を採用すれば、上記バイパス手段を不要にできる点で有利である。
・上記各実施形態では、電圧特性A2となる第2蓄電池として非水電解液系のリチウム蓄電池30を採用しているが、本発明の第2蓄電池はリチウム蓄電池30に限定されるものではなく、少なくとも上記条件(a)〜(c)を満たすのであれば、例えば、電極にニッケル化合物を用いたニッケル蓄電池を採用してもよい。
・上記各実施形態では、リチウム蓄電池30のSOC使用範囲W2の下限値(10%)よりも上限側に一致ポイントVds’が存在しているが、当該下限値に一致ポイントVds’が存在していてもよい。
・上記各実施形態では、回生機能を有する車両を対象としているが、回生機能を有していない車両にも本発明を適用することができる。但し、回生機能を有する車両においては、回生による充電が頻繁に行われることとなるので、「耐久性の低い鉛蓄電池20への累積充電量を低減して鉛蓄電池20の劣化を抑制する」といった効果が好適に発揮される。
10…オルタネータ(発電機)、11…レギュレータ(定電圧制御手段)、20…鉛蓄電池、30…リチウム蓄電池(第2蓄電池)、51…MOS−FETの寄生ダイオード(整流手段)、51a…ダイオード(整流手段)、52…MOS−FETの半導体スイッチ部(開閉手段(半導体スイッチ))、52R…電磁リレー(開閉手段)、60…保護制御手段、71…セル電圧切替手段(均等化手段)、72…電池状態検知制御手段(均等化手段)、74…セル均等化手段(均等化手段)、710…セル均等化異常検知手段(均等化手段)、Vds…一致ポイント(通電オン時)、Vds’…一致ポイント(通電オフ時)、W1…鉛蓄電池の残存容量使用範囲、W2…第2蓄電池の残存容量使用範囲。

Claims (12)

  1. 内燃機関を自動停止及び自動再始動するアイドルストップ機能を有するとともに、発電機と、前記発電機から出力される電力の電圧を設定電圧に制御する定電圧制御手段と、を備えた車両に適用され、
    前記発電機に電気接続された鉛蓄電池と、
    前記鉛蓄電池に並列接続され、前記鉛蓄電池に比べて出力密度又はエネルギ密度の高い第2蓄電池と、
    前記鉛蓄電池から前記第2蓄電池へ電流を流す向きが順方向となるよう配置されるとともに、前記順方向に流れる電流に対して障壁電圧を有する整流手段と、
    を備え、
    前記鉛蓄電池の残存容量使用範囲と前記第2蓄電池の残存容量使用範囲とで、前記鉛蓄電池の開放電圧から前記障壁電圧を差し引いた電圧と前記第2蓄電池の開放電圧とが一致するポイントが存在し、
    かつ、前記第2蓄電池の残存容量使用範囲のうち前記ポイントの上限側では、前記第2蓄電池の開放電圧が、前記鉛蓄電池の開放電圧から前記障壁電圧を差し引いた電圧よりも高く、
    かつ、前記第2蓄電池に最大充電電流が流れている時の端子電圧が、前記定電圧制御手段による前記設定電圧以下となるよう、
    前記鉛蓄電池及び前記第2蓄電池の開放電圧及び内部抵抗を設定したことを特徴とする車載電源装置。
  2. 前記整流手段と並列接続され、前記発電機に対する前記第2蓄電池の通電と遮断を切り替える開閉手段と、
    前記発電機から前記第2蓄電池へ電力供給して充電させる場合には前記開閉手段を通電作動させ、前記整流手段による整流機能を発揮させる場合には前記開閉手段を遮断作動させる開閉制御手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の車載電源装置。
  3. 前記開閉手段は半導体スイッチにより構成され、
    前記整流手段は前記半導体スイッチの寄生ダイオードにより構成されていることを特徴とする請求項2に記載の車載電源装置。
  4. 前記開閉手段は、前記整流手段と並列接続された電磁リレーにより構成されていることを特徴とする請求項2に記載の車載電源装置。
  5. 前記第2蓄電池の残存容量使用範囲のうち前記ポイントの下限側では、前記第2蓄電池の開放電圧が、前記鉛蓄電池の開放電圧から前記障壁電圧を差し引いた電圧よりも低くなるよう、前記鉛蓄電池及び前記第2蓄電池の開放電圧及び内部抵抗を設定したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の車載電源装置。
  6. 前記第2蓄電池の残存容量使用範囲のうち前記ポイントより上限側の範囲を下限側の範囲よりも広くするよう、前記鉛蓄電池及び前記第2蓄電池の開放電圧及び内部抵抗を設定したことを特徴とする請求項5に記載の車載電源装置。
  7. 前記第2蓄電池の残存容量が使用範囲内となるよう、前記第2蓄電池への充電量を制限して過充電保護するとともに前記第2蓄電池への放電量を制限して過放電保護するよう制御する保護制御手段を備え、
    前記保護制御手段は、前記開閉手段を作動させることで、前記第2蓄電池への充電量又は放電量を制限することを特徴とする請求項2〜6のいずれか1つに記載の車載電源装置。
  8. 前記第2蓄電池の残存容量が使用範囲内となるよう、前記第2蓄電池への充電量を制御して過充電保護するとともに前記第2蓄電池への放電量を制限して過放電保護するよう制御する保護制御手段を備え、
    前記保護制御手段は、前記設定電圧を低下させるよう前記定電圧制御手段へ指令信号を出力することで、前記第2蓄電池への充電量を制御することを特徴とする請求項2〜6のいずれか1つに記載の車載電源装置。
  9. 前記第2蓄電池は非水電解液系の蓄電池であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載の車載電源装置。
  10. 前記第2蓄電池の負極活物質に、カーボン、グラファイト、チタン酸リチウム、Siを含有する合金、Suを含有する合金のいずれかを用い、
    前記第2蓄電池の正極活物質に、リチウム金属複合酸化物を用いたことを特徴とする請求項9に記載の車載電源装置。
  11. 前記第2蓄電池の負極活物質に、チタン酸リチウムを用いたことを特徴とする請求項10に記載の車載電源装置。
  12. 前記第2蓄電池は、複数の電池セルを直列接続して構成されており、
    前記複数の電池セルの電圧を監視するとともに残存容量を均等化する均等化手段を備えることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1つに記載の車載電源装置。
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