JP2011074732A - 架構の補強構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】想定外の大地震時に万が一方杖が破断するような状況に至った場合でも、建物全体の倒壊を防止可能な低コストで耐震性の高い鉄骨構造を実現する。
【解決手段】鋼材からなる柱1と大梁2とを剛接合してなる柱梁接合部Bの近傍に、柱1と大梁2とに亘ってダンパー性能を有する方杖材5を架設して補強された架構の補強構造において、方杖材5は柱1及び大梁2よりも先行して降伏するものであって、且つ、柱梁接合部Bを柱1及び梁2の全塑性耐力を上回る耐力を有する保有耐力接合とした。
【選択図】図6

Description

本発明は柱と梁との接合部を効果的に補強する架構の補強構造に関するものである。
従来から、鉄骨造の建物においては、柱と梁の接合部をピン接合とし、当該接合部の近傍に方杖材を設け、当該方杖材により地震等の水平力に抵抗するように構成する構成が採用されていることが知られている。
例えば特許文献1には、天井裏空間内において、建物の柱と梁の接合部の近傍にて、柱の中途部と梁の中途部とを方杖材により連結し、柱と梁との接合部並びに方杖材によって接合された部分とからなる柱梁接合部周りの全体を剛接合とした構成が開示されている。
かかる構成によれば、柱と梁との接合部を比較的簡易なピン接合とすることができるので、施工性の向上を図ることができるものとなっている。
また、特許文献2には、鋼製の柱と梁と方杖ブレースとを有する柱梁仕口構造を有する架構において、梁が第1の接合部材を介して乾式接合で柱に接合されると共に、柱梁間に架設される方杖ブレースがその両端を第2の接合部材を介して乾式接合で柱および梁にそれぞれ接合されている構成が開示されている。
かかる構成によれば、梁端部の柱との接合部においては、当該架構に荷重が作用する場合でも、梁と柱との間で曲げモーメントと軸方向力とせん断力が伝達可能である。また、当該特許文献2の構成においては、接合部の曲げ強度が梁の曲げ強度よりも低く設定されている。
特開2001−329611号公報 特開2007−332682号公報
上記特許文献1の構成においては、柱と梁との接合部をピン接合とした上で、それら柱と梁とを方杖材により連結しており、かかる構成を有する架構においては、地震等によりエネルギーが入力された場合、方杖材を降伏させて塑性変形させることで地震エネルギーを方杖材に吸収させ、これによって地震に耐えることを前提としている。
しかしながら、仮に想定する規模を大きく上回る地震が発生し、方杖材が塑性変形に留まらずに破断してしまった場合、柱および梁は地震力に対して全く抵抗できず、建物はたちどころに倒壊してしまう虞がある。
また、上記特許文献2の構成の如き接合部の曲げ強度を梁の曲げ強度より低いものとした架構においては、想定する地震に対して、方杖材が降伏して塑性変形することによって地震エネルギーが吸収され、これによって梁に作用する曲げモーメントをその梁の曲げ強度に到達させないことを前提としている。
かかる構成であるため、上記特許文献2の如き構成においては、設計当初に想定していた規模を著しく超える地震が発生し、これによって方杖材が吸収できるエネルギーを超える地震エネルギーが架構に入力されることで方杖材が破断する場合がであっても、梁にその後の曲げモーメントを作用させ、当該曲げモーメントがその梁の曲げ強度に到達するまで地震エネルギーを梁に負担させることが考えられる。
しかしながら、特許文献2の構成においては、柱と梁の接合部の曲げ強度が梁の曲げ強度より低いため、梁の曲げ強度に達するよりも先に当該接合部の曲げ強度に達することとなり、これによって、梁よりも先に梁と柱の接合部が破壊に至ってしまう。
すなわち、方杖ダンパーだけでは吸収できなかったエネルギーを、梁が塑性化して吸収する前に柱と梁の接合部が破壊に至り、これによって建物が倒壊してしまう至る虞がある。
そこで、本発明は、上記従来技術の問題を解決し、仮に想定外の大地震時が発生する場合でも、確実に柱と梁との接合部の破壊を防止して建物全体の倒壊を回避することができる耐震性の高い架構の補強構造を提供することを目的とするものである。
上記課題解決のための具体的手段として、本願発明は、
(1)鋼材からなる柱と梁とを接合してなる柱梁接合部の近傍に、前記柱と梁とに亘って方杖材を架設して補強された架構の補強構造であって、
前記方杖材は、前記柱及び梁よりも先に降伏に至るものであって、
前記柱梁接合部は、前記柱と梁とを剛接合又は半剛接合して形成される共に、前記柱及び梁の全塑性耐力を上回る耐力を有する保有耐力接合とされている
ことを特徴としている。
これによれば、剛接合又は半剛接合である柱梁接合部に方杖材を設置して補強された架構は、ピン接合である柱梁接合部に方杖材を設置して補強された構造より、地震力や風などの水平力に対する架構の剛性が高く、地震や暴風時の層間変形の応答を抑えることができる。この結果、内外装の損傷を抑えられ、災害時の復旧コストを抑制することができるものとなっている。
また、方杖材を設置する柱梁接合部の耐力を、接合される柱および梁の全塑性耐力を上回るものとする保有耐力接合とすることで以下のような効果が得られる。
耐震設計上想定している規模を上回る巨大な地震が発生し、当該地震によるエネルギーが方杖材の吸収可能なエネルギーを超えて架構に作用した場合、当該方杖材の吸収可能なエネルギーを超えるエネルギーは架構に作用することとなるが、柱梁接合部は、接合される柱および梁の全塑性耐力を上回る耐力を有しているので、柱や梁よりも先んじて接合部が破壊されることはなく柱は梁を塑性化させることでエネルギーを吸収して架構の倒壊を免れることが可能となっているのである。
(2)また、前記方杖材は、少なくとも前記柱、梁及び柱梁接合部のいずれかに作用する荷重によって生じるエネルギーを吸収するダンパー性能を有していることが好ましい。
これによれば、方杖材がエネルギーを吸収するダンパーとして揺れの初期段階から効率よくエネルギーを吸収するので、建物の最大変形を抑え、損傷を小さくすることができる。
(3)また、前記方杖材を形成するダンパーは、低降伏点鋼を用いて形成されていることが好ましい。
これによれば、方杖材が低降伏点鋼からなるダンパーであるため、ゴムや樹脂等の粘弾性体と異なり、温度や湿度等の周辺環境により性状を変化させる虞は著しく低減され、さらには、時間的安定性および耐久性も極めて高いものとすることができる。
本発明によれば、仮に想定外の大地震時が発生する場合でも、確実に柱と梁との接合部の破壊を防止して建物全体の倒壊を回避することができることができる。
架構の平面的グリッド構成を示す図である。 架構の全体構成を示す斜視図である。 架構を構成する柱と大梁の接合状態を示す図である。 架構を構成する柱と大梁の接合状態を示す図である。 ダンパーの構成を示す図である。 ダンパーを付加した状態の柱と大梁の接合部を示す図である。 水平力の作用に伴う架構の層間変形角の変化を模式的に示すグラフである。
次に、本発明の最も好ましい実施形態について図を参照して具体的に説明する。本実施形態は、鉄骨造3階建ての架構を有する工業化住宅における補強構造の例であり、図1は架構の平面的グリッド構成を示す図、図2は架構の全体構成を示す斜視図、図3、図4は架構を構成する柱と大梁の接合状態を示す図、図5はダンパーの構成を示す図、図6はダンパーを付加した状態の柱と大梁の接合部を示す図である。図7は本実施形態の架構における水平力と層間変形の関係を示すグラフである。
図1、2に示すように、住宅Aは、妻方向が2スパンで合計6つの平面グリッドからなる3層の架構からなる。図2に示すように、住宅Aの架構は、1層から3層まで連続した通し柱形式の複数の柱1と、各階層において隣接する柱1どうしを連結する複数の大梁(梁)2と、大梁2の直下に格子状に形成された鉄筋コンクリート造の基礎3とで構成されている。なお、柱脚部は特開平01−203522号公報に開示された露出型固定柱脚工法にて基礎に接合されている。
この架構を構築したのち、相対する大梁2の間に小梁を適宜架け渡した上でALC(軽量気泡コンクリート)からなる床パネルを梁の上フランジに載置して床が構成され、外周部の大梁2にALCからなる壁パネルを取り付けることによって外壁が構成されて住宅Aの躯体が完成する。
図3、図4に示すように、柱1は、外形寸法が150mm角の角形鋼管からなる通し柱となっており、柱脚プレート1aの接合部から中途部分に形成された柱・柱接合部1bまでの部分である下部柱1cは、22mmの肉厚を有する横断面内に溶接による継目が存在しない角型鋼管であり、長さ方向についても、柱部材を長さ方向に連結する節を有することなく構成されている。下部柱1cの上端部に連結されて上部の柱を構成する上部柱1dは、外形寸法が下部柱1cと同一の150mm角ではあるが、下部柱1cよりも薄い4.5mm〜6.0mmの肉厚を有する角形鋼管で構成されている。
柱1は、各階層の標準的な階高(大梁上端面間の離間寸法)が2870mmとなるように大梁2の接合高さ位置が設定されており、当該高さ位置にて、柱1の各面には大梁2のエンドプレート2dの孔2eに対応する孔1fが複数個連続して穿たれており、これによって各階の大梁2を受ける梁受け部1eが形成されている。なお、各孔1fの内壁には、ネジが切られている。
梁受け部1eは、大梁2の孔2eと同様に、上部2段と最下段の計6個の孔1fが、大梁2と接合するボルト4を螺入する孔であり、下から2段目の孔2個は位置合わせ用の孔である。柱・柱接合部1bは、特開平6−180026号公報、特開平8−60740号公報等に記載された公知の接合部構造によって3階の大梁2との梁受け部1eの上方に形成されている。
柱1の各面において、2階の大梁2を受ける梁受け部1eから下方向及び上方向に所定寸法離間した位置と、3階の大梁2を受ける梁受け部1eの下方向に所定方向離隔した位置には、後述するダンパー(方杖材)5をボルト接合する為の複数のボルト孔が穿たれてダンパー5を受けるダンパー受け部1gが形成されている。下部柱1cはシームレスパイプで構成されているのでダンパー受け部1gはボルト孔を穿設するだけで容易に形成することができ接合の高さを自由に設定することができる。なお、各ボルト孔の内壁には、ネジが切られている。
このように、柱1のうち下部柱1bを横断面内に溶接による継目が存在しないシームレスパイプで構成したので、ダンパー5を受ける受け部として柱の所定位置にジョイントボックス等を溶接する必要がなく、溶接欠陥によって性能が低下する可能性がない。従って、耐震性能に対する柱1の信頼性を高めることができる。また、シームレスパイプで構成された範囲内においては、柱1の側面の任意の位置にボルト孔を設けるだけでダンパー5を接合することができるので、ダンパー5の接合高さの設定を、住宅Aに求められる構造耐力や有効な室内空間の広さ等に応じて容易に変更できる。
図3に示すごとく、大梁2は、一対のフランジ2a、2bをウェブ2cによって連結して形成されるH形鋼からなり、全ての階層における全ての大梁2は、梁成が250mm、上下のフランジ2a、2bの幅が125mm、厚みが9mm、ウェブ2cの厚みが6mmに統一されている。
大梁2の各端部には、柱1に接合されるエンドプレート2dが溶接により取り付けられている。該エンドプレート2dは、所定の厚さを有する平板状に形成されており、該エンドプレートには、横方向に中心から左右対称に2列、縦方向に等間隔に4段、同一径の孔2eが計8箇所穿たれている。孔2eのうち上部2段と最下段の計6個の孔が柱1との接合に使用するボルト4を挿通する為の孔である。
なお、下から2段目の孔2個は柱1に大梁2を取り付ける接合作業の際、「シノ」と称する挿嵌部材を挿し込んで位置合わせを行う為の孔であり、これら柱1と大梁2との接合には使用しない。このように柱1の梁受け部1eに大梁2のエンドプレート2dが重ね合わされ、これらを上述の如くボルト締結することにより、柱梁接合部Bが形成される。
当該柱梁接合部Bは、大梁2端部のエンドプレート2dを柱1に高力ボルト4により締結する剛接合であり、また、荷重作用時に被接合材である大梁2及び柱1が塑性域に達するまで破断しない保有耐力接合として構成されている。
詳述すると、柱と梁との接合部を剛接合とする場合、梁は地震発生時に躯体に作用する地震エネルギーを塑性変形により吸収する構造要素となることが期待されている。大きな地震動を受けている間に亘って梁の塑性化によるエネルギー吸収機構を保持するためには、当該梁を保持する柱との接合部である梁両端の柱梁接合部が破断してはならない。このように、梁の塑性変形能を充分に発揮させるべく、梁の塑性変形よりも先に柱梁接合部を破断させない接合状態を保有耐力接合という。
ここで、柱梁接合部を保有耐力接合とするためには、柱と梁との接合方法はもちろん、梁や柱の鋼材の材質や強度など多くの点が設計と関係するが、柱梁接合部の耐力に関しては、当該柱梁接合部の最大曲げ耐力が、梁の梁端部に作用する最大曲げモーメントを上回ることがもっとも主要な条件となる。
そこで、梁の終局耐力をその全塑性モーメントで評価すると、柱梁接合部の必要曲げ耐力は以下の式で規定される。
また、大梁2の上下フランジ2a、2bには、各種部材をボルト固定する為の孔群2a1、2b1が柱1に接合した状態でモジュールに基づく基準線を中心にして穿たれている。この構成は寸法も含め全ての階層の全ての大梁2に共通している。
図5に示すダンパー5は、低降伏点鋼からなる芯部材5aと、該芯部材5aに圧縮力を作用させた際の座屈を防止する為の座屈防止部材5bとからなる。
芯部材5aは、矩形断面を有する扁平で長尺な棒板状の本体5a1と、該本体5a1の一端に溶接され大梁2のフランジ2bに接合される平板状の第1座部5a2と、該本体5a1の他端に溶接されて柱1のダンパー受け部1gに接合される平板状の第2座部5a3とを備えている。
座屈防止部材5bは、一般構造用圧延鋼材からなる一対の平板5b1の間に一対の側板5b2を挟みこんで断面ロ字状とし、これらをボルト5b3により締結して構成され、当該座屈防止部材5bの中央の空隙部分に芯部材5aの本体5a1が配されている。座屈防止部材5bの一対の平板5b1の間隔は芯部材5aの厚さよりも僅かに大きいものとされると共に、一対の側板5b2の間隔は芯部材5aの幅よりも僅かに大きく形成されている。
これにより、座屈防止部材5bによって芯部材5aは弱軸まわりの面外曲げが規制され、芯部材5aの座屈が規制されることとなっている。この結果、ダンパー5は引張力とともに圧縮力をも負担することができ、正負いずれの水平力に対しても抵抗することができるものとなっている。
図6に示すように、ダンパー5は方杖型であり、第1座部5a2が大梁2の下フランジ2aにボルトにより締結され、第2座部5a3が柱1のダンパー受け部1gにボルトにより締結されており、これによってダンパー5は、大梁2と柱1に亘って架設されている。大梁2に対しては、該大梁2の下フランジ2bにモジュールに基づいて設けられた複数の孔群のうち、柱1の配置の基準となる基準線(通り芯)から305mm(モジュールの1倍)の位置にある孔群2b1を利用してボルト接合されている。本実施例においてダンパー5は、柱1と大梁2に接合した状態でダンパー5の中心線と水平面とのなす角度が70度となるように構成されている。
なお、ダンパー5と大梁2との接合位置はここに限定はされず、柱1の配置の基準となる基準線(通り芯)からモジュールの整数倍の位置にある孔群を利用してダンパー5を接合することができる。例えば、ダンパー5と大梁2との接合位置となる孔群2b1の位置を不動として柱1のダンパー受け部1gを柱梁接合部Bから離隔させていくと大梁2の長手方向とのなす角度が直角に近づいていき、ダンパー5による大梁2の補剛効果を高めるものとなる。また、ダンパー5と大梁2の間のなす角度を変えずに柱1のダンパー受け部1gを柱梁接合部Bから離隔させると共に大梁2の孔群2b1を当該大梁2のスパン中央方向に移動させた場合も、大梁2に作用する曲げモーメントを小さくすることができ、補強という点では有効である。
また、1本の柱1に対してダンパー5が取付け可能な位置(レベル)は、2階の大梁2のレベルにあっては大梁2の上下フランジ2a、2bであり、3階の大梁2のレベルでは下フランジ2bであり、夫々のレベルで4面(X、Y夫々の方向について2ヶずつ)取り付けることが可能である。
このように、柱梁接合部Bの近傍にダンパー5を設けることにより、本実施形態の架構Cが構成される。
上記構成によれば、想定される大地震の発生においては、架構Cに作用する水平力をダンパー5が負担し、ダンパー5が塑性変形域に達して変形することでエネルギーを吸収し、これによって地震に耐えるものとなっている。
そして、ごくまれに発生する巨大地震により想定を超える水平力が作用した場合、柱梁接合部Bに先行して、先ず、上記と同様にダンパー5が塑性変形域に達し、その後、更に大きな水平力が作用することでダンパー5が破断等して耐力要素として機能しなくなったとしても、柱梁接合部Bは、被接合材である柱1及び大梁2の全塑性耐力を上回る保有耐力接合により形成されているので、柱1や大梁2の塑性化に伴うエネルギー吸収過程においてこれら柱1や大梁2に先行して壊れてしまうことはなく、当該柱1や大梁2の塑性化によるエネルギー吸収能を発揮させることができる。のみならず、柱梁接合部Bの破壊を防止することで架構全体の倒壊が回避されることとなるのである。
かかる点につき、図7には、本実施形態の如き架構に作用する水平力と建物の層間変形量との関係を示すことで、地震に対する架構の変形性状が模式的に示されている。
当該図において、縦軸は地震により架構に作用する水平力を示し、横軸は層間変形量を示しており、かかる座標軸に示されるグラフGは、架構の変形性状を示しており、原点から地点hまでが上記特許文献1に示される比較例1の架構の変形性状を示し、原点から地点iまでが上記特許文献2に示される比較例2の架構の変形性状を示し、原点から地点jまでが本実施形態の架構の変形性状を示している。
当該図に示すとおり、特許文献1の構成は方杖材のみが水平力に抵抗するので、方杖材が降伏に達した時点で、それ以上架構の水平耐力は上昇しない。特許文献2の構成は、方杖材が降伏に達した後も、柱梁に作用する力が増大することで架構の水平耐力は上昇するが、梁が曲げ耐力に達する前に柱梁接合部が破壊するので、その後は、それ以上の水平耐力の上昇はない。
これに対し、本実施形態においては、設計上想定される範囲の地震に対しては、ダンパー5によって地震エネルギーが吸収される。そして、それを上回る巨大な規模の地震に対しては、柱1または大梁2、或いはその両方が塑性化することによって地震エネルギーが吸収されることとなる。その過程において、柱梁接合部Bが壊れてしまうことはないため、被接合部材たる柱1、大梁の変形能力(エネルギー吸収能)は充分に発揮されることとなるのである。
このように、本実施形態においては、地震の規模や特性の不確実性に対して、冗長性の高い架構を形成することができるものとなる。
また、特にダンパー5を効かせている状態においては、ダンパー5を不存在とする一般的な架構に比べて大梁2に作用する最大の曲げモーメントを小さくすることができ、しかもそれを大梁2の柱との接合部分ではなく母材部分に作用させることができるので構造耐力上有利となる。例えばスパンが4270mmの場合、大梁2に作用する曲げモーメントはダンパー5との連結部で最大となり、その値はダンパー5を設置しない状態での2階の大梁2の端部に作用する曲げモーメントの凡そ89%となる。
また、ダンパー5は、低降伏点鋼を用いて形成されているため、ゴムや樹脂等の粘弾性体によりかかるダンパーを形成する場合と異なり、日射による紫外線照射、温度や湿度等の周辺環境や経年により性能が変化することなく、時間的安定性および耐久性も極めて高い。したがって、温度変化や時間経過によらず、建物全体の構造躯体としての耐震性を安定的に発揮させるものとなる。
なお、必要に応じて3階の大梁2のレベルにおいて上フランジ2aに取り付け可能にしてもよいし、R階の大梁2のレベルにおいて下フランジ2bに取り付け可能としてもよい。この場合、柱1の全てを長さ方向に継ぎ目のない1本のシームレスパイプで構成するのが好ましい。
また、純鉄骨造以外に鋼管柱にセメントミルクを充填したCFT造や鉄骨鉄筋コンクリート造にも適用可能である。また、本発明の構成は、柱と梁の接合部を半剛接合する構成においても、採用可能である。
A…住宅
B…柱梁接合部
C…架構
1…柱
1a…柱脚プレート
1b…柱・柱接合部
1c…下部柱
1d…上部柱
1e…大梁との接合部
1f…孔
1g…ダンパー受け部
2…大梁(梁)
2a…上フランジ
2a1…孔群
2b…下フランジ
2b1…孔群
2c…ウェブ
2d…エンドプレート
2e…孔
3…基礎
4…ボルト
5…ダンパー(方杖材)
5a…芯部材
5a1…本体
5a2…第1座部
5a3…第2座部
5b…座屈防止部材
5b1…平板
5b2…側板
5b3…ボルト

Claims (3)

  1. 鋼材からなる柱と梁とを接合してなる柱梁接合部の近傍に、前記柱と梁とに亘って方杖材を架設して補強された架構の補強構造であって、
    前記方杖材は、前記柱及び梁よりも先に降伏に至るものであって、
    前記柱梁接合部は、前記柱と梁とを剛接合又は半剛接合して形成される共に、前記柱及び梁の全塑性耐力を上回る耐力を有する保有耐力接合とされている
    ことを特徴とする架構の補強構造。
  2. 前記方杖材は、少なくとも前記柱、梁及び柱梁接合部のいずれかに作用する荷重によって生じるエネルギーを吸収するダンパー性能を有していることを特徴とする請求項1に記載の架構の補強構造。
  3. 前記方杖材は、低降伏点鋼を用いて形成されていることを特徴とする請求項2に記載の架構の補強構造。
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