JP2011067055A - ステータの製造方法、およびステータ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】磁性材料から成る板材9を打ち抜いて複数枚積層し、ステータコア12を形成する打ち抜き積層工程と、打ち抜き積層工程により環状に連結された複数の分割コア14に、この分割コア14のティース部16の周囲を被覆するように樹脂製のインシュレータ6をアウトサート成型するアウトサート成型工程と、アウトサート成型工程の後に、ステータコア12を複数の分割コア14に分割する分割工程と、分割工程により分割された各分割コア14のティース部16に、コイルを巻回するコイル巻回工程と、コイル巻回工程の後に、各分割コア14を分割時と同じ組み合わせで再結合させる再結合工程とを有する。
【選択図】図5
Description
また、ステータコアは、磁性材料からなる電磁鋼板をプレス加工等によって打ち抜き、この打ち抜いたプレートを複数枚積層することで形成される場合が多い。さらに、ステータコアを複数の分割コアで構成する場合、まず、分割コアを連結したステータコアの状態で電磁鋼板を打ち抜いて積層し、その後それぞれ分割してから各分割コアにコイルを巻装するようになっている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、各分割コアに接着剤の塗布する場合、塗布量の管理等が難しく、各分割コアの変形や損傷を確実に防止することが困難であるという課題がある。また、各分割コアに接着剤を塗布する工程が煩わしく、ステータコアの組み立て作業効率が悪化するという課題がある。
また、従来のように接着剤を塗布する必要がなくなるので、ステータの組み立て作業性を向上させることができる。これに加え、インシュレータをアウトサート成型とすることで、インシュレータ自体の部品点数も減少させることができる。このため、インシュレータの装着作業性も向上させることができると共に、製造コストを低減することができる。
このような製造方法とすることで、分割コアを連結した状態で各ティース部に確実に樹脂を供給することができる。このため、アウトサート成型されたインシュレータの品質を安定させることができる。
また、金型全体に満遍なく樹脂を流し込むべく、周方向に隣接するインシュレータ間に跨る樹脂通路を形成する必要がない。このため、隣接するインシュレータ同士が互いに接合されることなく、ステータコアを分割しやすくなる。このため、さらにステータの組み立て作業性を向上させることができる。
このような製造方法とすることで、アウトサート成型に用いる金型に複数の樹脂注入口を設ける必要がなく、金型の製造コストを低減できる。また、周方向に連なるようにインシュレータを形成しても薄肉部によって容易にステータコアを分割することができる。このため、組み立て作業性の悪化を防止できる。
このように構成することで、分割コアにコイルを巻回する際、分割コアの変形や損傷を確実に防止でき、かつ組み立て作業効率を向上させることができる。
次に、この発明の第一実施形態を図1〜図5に基づいて説明する。
図1は、ブラシレスモータ1の縦断面図である。
同図に示すように、ブラシレスモータ1は、例えば、電動パワーステアリング装置(EPS;Electric Power Steering)に用いられるものであって、ステータ2と、ステータ2内に配置されたロータ3とを有し、ステータ2に固定されたブラケット4にロータ3が回転自在に支持されている。
ロータ3は、中空シャフトからなる回転軸22を有し、この回転軸22の内部に不図示のラック軸が挿入可能になっている。ラック軸は、車両のギヤボックス内でラック・アンド・ピニオン機構を形成し、不図示のステアリングホイールの操作に応じてブラシレスモータ1の軸方向に移動自在になっている。ラック軸の両端は、ナックルアームなどを介して車両の車輪に連結されている。
回転軸22の軸方向中央には、外周面に金属プレートの積層体32が外嵌固定され、さらにこの外周面には、マグネットホルダ34を介して筒状のロータマグネット33が固定されている。ロータマグネット33は、複数の磁極が周方向に配置されている。
図2は、ステータコア12の斜視図、図3は、ステータコア12の平面図、図4は、分割コア14の斜視図である。
図1〜図4に示すように、ステータ2は、略円筒形のステータハウジング11と、ステータハウジング11に内嵌固定されている略円筒状のステータコア12とで構成されている。
ステータハウジング11は、解放された両端部のそれぞれの周縁部にボルト孔13が形成されており、ブラケット4や、不図示の他のブラケットを固定できる。ブラケット4側の端部は、ブラケット4と印籠接合する際に使用されるインロー部11aが形成されている。
内周部36の内周面には、2条の凹部18が軸方向全体に渡って形成されており、これら2条の凹部18によって1つのコア本体15に対して3つのティースが形成された状態になっている。
各ティース部16の巻胴部35は、この周囲を樹脂製のインシュレータ6に被覆された状態になっており、このインシュレータ6の上からコイル7が巻回されている。
図4に詳示するように、インシュレータ6は、ステータコア12にアウトサート成型により形成されたものであって、ティース部16の軸方向両端部を被覆するエンド部71,71とティース部16の側面を被覆する側面部72,72とが一体成形されている。
エンド部71は、ティース部16の巻胴部35の軸方向端部を被覆するエンド部本体73を有している。
また、エンド部本体73の外周側縁には、軸方向外側に向かって立ち上がり形成された外周壁75が設けられている。外周壁75は、コア本体15の内周縁を被覆している。外周壁75には、コイル7の巻き始め端、および巻き終わり端である端末部45(図1参照)を引き出したり、後述のバスバーユニット46の位置決めを行ったりするための凹部76が複数形成されている。
すなわち、インシュレータ6は、エンド部71のエンド部本体73、内周壁74、および外周壁75により、コイル7を収納するためのコイル収納部81を形成していると共に、側面部72の側面部本体77、および側壁78,79により、コイル7を収納するためのコイル収納部82を形成している。コイル7は、各コイル収納部81,82に収納された状態で巻回される。
図1に示すように、コイル7の端末部45は、ブラケット4とは反対側(図1における右側)に向かって引き出され、それぞれバスバーユニット46に接続されている。
バスバーユニット46は、ステータハウジング11のブラケット4とは反対側であって、インシュレータ6のエンド部71上に載置されており、回転軸22の周囲を取り囲むように形成されている。
ブラケット4は略円筒形状に形成されており、ステータハウジング11にボルト24によって締結固定されている。ブラケット4の端部には、ステータハウジング11に突き当てたときにインロー部11aに嵌合する接合部4aが一体成形されている。接合部4aの外周に刻まれた溝には、Oリングなどのパッキン23が装着されている。
各レゾルバコイル54の巻線の端部は、ブラケット4の外周部に突設されたセンサコネクタ27に電気的に接続されている。
次に、図5(a)、図5(b)、図5(c)に基づいて、ステータ2におけるステータコア12の製造方法について説明する。図5(a)、図5(b)、図5(c)は、ステータコア12の製造手順について示す説明図である。
まず、図5(a)に示すように、磁性材料から成る帯状のシート(不図示)からプレス加工等によって板材9を打ち抜き、この板材9を軸方向に沿って複数枚積層する(打ち抜き積層工程)。これにより、ステータコア12が形成される。
ここで、不図示の金型には、分割コア14毎に樹脂を注入するための不図示のゲート(樹脂注入部)が設けられている。
各分割コア14のインシュレータ6は、それぞれ別個になっているので、ステータコア12を容易に分割することができる。
このとき、各分割コア14には、インシュレータ6がアウトサート成型されているので、インシュレータ6により、積層された板材9が強固に固定された状態になっている。このため、コイル7を巻回する際、コイル7の張力により、分割コア14の積層状態が崩れて変形したり、板材9が欠けるなどして損傷したりするおそれがない。
これにより、ステータコア12の組み立てが完了する。ここで、分割コア14同士を分割時と同じ組み合わせで再結合してステータコア12を組み立てることで、隣接する分割コア14は、分割前と同じ相手で結合されることになる。このため、各分割コア14の接合精度が向上する。
この第二実施形態において、ブラシレスモータ1は、ステータ2と、ステータ2内に配置されたロータ3とを有し、ステータ2に固定されたブラケット4にロータ3が回転自在に支持されている点、ステータ2は、ステータハウジング11と、ステータハウジング11に内嵌固定されているステータコア12とで構成されている点、ステータコア12は、周方向に分割可能な分割コア14を環状に連結して成るものである点、分割コア14は、磁性材料から成る板材9を軸方向に複数枚積層して形成されたものである点、各分割コア14には、インシュレータ6がアウトサート成型されている点等の基本的構成は、前述した第一実施形態と同様である。
薄肉部91の肉厚は、インシュレータ6の側壁79の肉厚よりも薄肉に設定されている。薄肉部91は、ステータコア12を複数の分割コア14に分割する際の破断部として機能する。
例えば、ステータコア12のティース部16が軸方向に捻るようにして形成されたスキュー角を有するものであっても、板材9を積層してインシュレータ6をアウトサート成型した後、ステータコアを分割する方法を適用することが可能である。
また、上述の実施形態では、ブラシレスモータ1を電動パワーステアリング装置に用いる場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、様々な電装品にブラシレスモータ1を適用することが可能である。
2 ステータ
3 ロータ
4 ブラケット
6 インシュレータ
7 コイル
9 板材
12 ステータコア
14 分割コア
15 コア本体
15a,15b 連結部
16 ティース部
35 巻胴部
36 内周部
71 エンド部
72 側面部
73 エンド部本体
74 内周壁
75 外周壁
76 凹部
77 側面部本体
78 側壁
79 側壁(インシュレータにおけるコア本体の内周面側)
91 薄肉部
Claims (4)
- 円弧状のコア本体と、
前記コア本体から径方向に突設されたティース部とにより構成される分割コアを有し、
前記コア本体の周方向両端に連結部を形成し、
複数の前記分割コアを前記連結部を介して環状に連結して成るステータコアを備えたステータの製造方法において、
磁性材料から成る板材を打ち抜いて複数枚積層し、前記ステータコアを形成する打ち抜き積層工程と、
前記打ち抜き積層工程により環状に連結された複数の前記分割コアに、この分割コアのティース部の周囲を被覆するように樹脂製のインシュレータをアウトサート成型するアウトサート成型工程と、
前記アウトサート成型工程の後に、前記ステータコアを複数の前記分割コアに分割する分割工程と、
前記分割工程により分割された各分割コアのティース部に、コイルを巻回するコイル巻回工程と、
前記コイル巻回工程の後に、各分割コアを分割時と同じ組み合わせで再結合させる再結合工程とを有することを特徴とするステータの製造方法。 - 前記アウトサート成型工程において、
前記分割コア毎に樹脂注入部が設けられた金型を用いて前記インシュレータをアウトサート成型することを特徴とする請求項1に記載のステータの製造方法。 - 前記アウトサート成型工程において、
各インシュレータを周方向に連なるように形成すると共に、
前記連結部に対応する部位に、前記インシュレータの肉厚のうち、前記コア本体の内周面側の肉厚と比較して薄肉な薄肉部を形成し、
前記分割工程において、
前記薄肉部を破断させることで複数の前記分割コアに分割することを特徴とする請求項1に記載のステータの製造方法。 - 円弧状のコア本体と、
前記コア本体から径方向に突設されたティース部とにより構成される分割コアを有し、
前記コア本体の周方向両端に連結部を形成し、
複数の前記分割コアを前記連結部を介して環状に連結して成るステータコアを備えたステータにおいて、
前記ステータコアの各分割コアに、アウトサート成型により周方向で連なるように形成された樹脂製のインシュレータを設け、
各インシュレータの前記連結部に対応する箇所に、前記インシュレータの肉厚のうち、前記コア本体の内周面側の肉厚と比較して薄肉な薄肉部を形成し、
この薄肉部を、前記ステータコアを複数の前記分割コアに分割する際の破断部として機能させることを特徴とするステータ。
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