JP2011060622A - 透明導電性膜積層体およびその製造方法 - Google Patents

透明導電性膜積層体およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 高温での加熱処理や大掛かりな設備を必要とせずに、電気伝導性および基板との密着信頼性に優れた透明導電性膜を有する透明導電性膜積層体を提供する。
【解決手段】 透明導電性膜積層体は、a)透明基材上に、ポリアミド酸溶液を塗布・乾燥し、ポリアミド酸層を形成する工程、b)銀イオンをポリアミド酸層に付着させる工程、c)銀イオンを還元して金属銀粒子を析出させる工程、d)湿式めっき法により、金属銀粒子を触媒核として、ポリアミド酸層の表面に酸化亜鉛を含む透明導電性膜を形成する工程、および、e)透明導電性膜が形成されたポリアミド酸層を加熱してイミド化することにより、ポリイミド樹脂層のバインダー層を透明基材と透明導電性膜との間に介在させた透明導電性膜積層体を形成する工程、により製造される。
【選択図】図1

Description

本発明は、透明導電性膜積層体およびその製造方法に関し、詳しくは、各種の電子部品において電極や回路配線などの用途で用いられる透明導電性膜積層体およびその製造方法に関する。
基板上に透明導電性膜を積層してなる透明導電性膜積層体は、例えば液晶パネル、タッチパネル、エレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレイなどに用いられている。従来、透明導電性膜としては、錫添加酸化インジウム(ITO)が最も用いられており、ガラス基板上にスパッタリング、CVD、蒸着等の方法でITO膜を形成して透明導電性膜積層体が作製されている。
透明導電性膜積層体には、薄く、軽量で、成形加工性に優れる基板を用いることが求められており、プラスチック基板に透明導電性膜を積層したものの開発が進められている。しかし、スパッタリング等の方法でITO膜を基板上に形成するためには、真空装置や加熱装置、ガス供給装置などの大掛かりな設備が必要である。
そこで、特許文献1では、硝酸亜鉛とジメチルアミンボランを用いた湿式めっき法(化学析出法)により非導電性基板上に酸化亜鉛皮膜を形成する方法が提案されている。また、特許文献2では、特許文献1と同様の湿式めっき法を利用して真空成膜装置を使用せずに低コストで大面積のガラス基板に電気配線を形成する方法が提案されている。
しかし、特許文献1の湿式めっき法では、十分な電気伝導性を有する酸化亜鉛皮膜が得られにくいという欠点があった。その欠点を改善するため、特許文献3では、酸化亜鉛皮膜を形成した後に500℃の高温で加熱処理(焼結)を施すことによって、良好な電気伝導性と透明性を兼ね備えた酸化亜鉛皮膜を得ることが提案されている。しかし、特許文献3では、耐熱性のガラス基板を用いる透明導電性膜積層体を対象としており、プラスチック基板(あるいはプラスチック層)を用いる透明導電性膜積層体への適用可能性は確認されていない。プラスチック基板を用いる場合には、基板の温度をあまり高くすることができないため、特許文献3の技術をそのまま適用することは困難である。このように、プラスチックを使用する透明導電性膜積層体において、高温での加熱処理を極力避けて電気伝導性に優れた酸化亜鉛皮膜を形成する技術は未だ提案されていない。
また、透明導電性膜積層体では、基板と透明導電性膜との密着性が高いことも重要である。特許文献2では、湿式めっき法で得られる酸化亜鉛皮膜の表面に凹凸が形成されることによって酸化亜鉛皮膜とその上層のめっき皮膜との密着性が高まることが記載されているが、酸化亜鉛皮膜と基板との密着性については考慮されていない。
特開平9−278437号公報 特開2001−32086号公報 特開2001−11642号公報
本発明の目的は、高温での加熱処理や大掛かりな設備を必要とせずに、電気伝導性および基板との密着信頼性に優れた透明導電性膜を有する透明導電性膜積層体を提供することである。
本発明の第1の観点の透明導電性膜積層体の製造方法は、透明基材の上に透明導電性膜を積層形成してなる透明導電性膜積層体の製造方法であって、
a)前記透明基材の表面に、ポリアミド酸溶液を塗布して乾燥させ、ポリアミド酸層を形成する工程、
b)前記ポリアミド酸層に銀イオンを含有する溶液を含浸させることによって銀イオンを前記ポリアミド酸層に付着させる工程、
c)前記ポリアミド酸層に付着した銀イオンを還元して金属銀粒子を析出させる工程、
d)前記ポリアミド酸層に、還元剤、硝酸イオンおよび亜鉛イオンを含有する混合溶液を接触させ、前記金属銀粒子を触媒核として、前記ポリアミド酸層の表面に酸化亜鉛を含む透明導電性膜を形成する工程、および、
e)前記透明導電性膜が形成されたポリアミド酸層を加熱してイミド化しポリイミド樹脂層を形成することにより、該ポリイミド樹脂層をバインダー層として前記透明基材と前記透明導電性膜との間に介在させた透明導電性膜積層体を形成する工程、
を備えていることを特徴とする。
また、本発明の第2の観点の透明導電性膜積層体の製造方法は、透明基材の上に透明導電性膜を積層形成してなる透明導電性膜積層体の製造方法であって、
a’)基材上に、ポリアミド酸溶液を塗布して乾燥させ、ポリアミド酸層を形成する工程、
b)前記ポリアミド酸層に銀イオンを含有する溶液を含浸させることによって銀イオンを前記ポリアミド酸層に付着させる工程、
c)前記ポリアミド酸層に付着した銀イオンを還元して金属銀粒子を析出させる工程、および、
d)前記ポリアミド酸層に、還元剤、硝酸イオンおよび亜鉛イオンを含有する混合溶液を接触させ、前記金属銀粒子を触媒核として、前記ポリアミド酸層の表面に酸化亜鉛を含む透明導電性膜を形成する工程、を備え、
さらに、
x)前記透明導電性膜が形成されたポリアミド酸層を加熱してイミド化しポリイミド樹脂層を形成する工程、
y)前記透明導電性膜が形成されたポリアミド酸層もしくはポリイミド樹脂層を前記基材から剥離する工程、並びに、
z)前記剥離したポリアミド酸層もしくはポリイミド樹脂層の剥離面に透明基材を重ね合わせ、熱圧着することにより、該ポリアミド酸層もしくはポリイミド樹脂層をバインダー層として前記透明基材と前記透明導電性膜との間に介在させた透明導電性膜積層体を形成する工程、
を備えており、
前記工程x、工程y及び工程zを、x、y、zの順、y、x、zの順、もしくは、y、z、xの順に行うか、または、工程yの後で、工程xの加熱によるイミド化を工程zの熱圧着と同時に行うことを特徴とする。
また、本発明の第1または第2の観点の透明導電性膜積層体の製造方法において、前記工程a)または工程a’)で形成されるポリアミド酸層の厚みが、0.5〜3μmの範囲内であることが好ましい。
本発明の第1または第2の観点の透明導電性膜積層体の製造方法は、前記工程c)の後、工程d)の前に、工程f)前記ポリアミド酸層を酸処理して残留した銀イオンを除去する工程、を含むことが好ましい。
また、本発明の第1または第2の観点の透明導電性膜積層体の製造方法において、前記工程c)では、湿式還元法または光還元法により金属銀を析出させることが好ましい。
また、本発明の第1または第2の観点の透明導電性膜積層体の製造方法は、前記工程c)でフォトマスクを用いて光還元を行うことにより金属銀を所定のパターンで析出させ、該パターンに基づき前記工程d)で透明導電性膜を形成することが好ましい。
また、本発明の第1または第2の観点の透明導電性膜積層体の製造方法は、前記ポリイミド樹脂層が、熱可塑性のポリイミド樹脂により構成されるものであることが好ましい。
また、本発明の透明導電性膜積層体は、透明基材と、前記透明基材上に形成されたポリイミド樹脂を含むバインダー層と、前記ポリイミド樹脂層上に形成された酸化亜鉛を含む透明導電性膜と、前記透明導電性膜と前記バインダー層との間に析出した金属銀粒子と、を備えている。
本発明の透明導電性膜積層体において、前記バインダー層が、0.5〜3μmの範囲内の厚さであることが好ましい。この場合、前記金属銀粒子は、前記透明導電性膜と前記バインダー層との界面から深さ方向に500nmまでの範囲内に層状に分散して存在することが好ましい。
本発明の透明導電性膜積層体の製造方法によれば、キャスト法によってバインダー層であるポリイミド樹脂層を形成するとともに、ダイレクトメタライゼーション法と湿式めっき法とを組み合わせることによって、大掛かりな設備や高温での焼結工程を必要とせずに、ポリイミド樹脂層上に電気伝導性に優れた酸化亜鉛皮膜を備えた透明導電性膜積層体を製造することができる。すなわち、透明基材または任意の基材上にポリイミド樹脂の前駆体であるポリアミド酸を塗布してポリアミド酸層を形成した後、そこに銀イオンを付着させ、これを還元して触媒核とし、湿式めっき法によって酸化亜鉛皮膜を形成することによって、高温での焼結工程を必要とせずに緻密で電気伝導性に優れた透明導電性膜を形成できる。
また、本発明の透明導電性膜積層体は、バインダー層であるポリイミド樹脂層と透明導電性膜(酸化亜鉛皮膜)との間に析出した金属銀粒子によって酸化亜鉛皮膜の導電性が補完されることによって、優れた導電特性を有する。また、ポリイミド樹脂のバインダー層を有するため、酸化亜鉛皮膜と透明基材との密着性が高いものである。従って、本発明方法によって得られる透明導電性膜積層体を使用して配線や電極を形成した電子部品に、高い信頼性を付与することができる。
本発明の実施の形態にかかる透明導電性膜積層体の構成例を示す断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る透明導電性膜積層体の製造方法の工程例を示す図面である。 銀イオンを還元する工程の別の工程例を示す図面である。 本発明の第2の実施の形態に係る透明導電性膜積層体の製造方法の一部の工程例を示す図面である。
以下、適宜図面を参照しながら、本発明の実施の形態について詳細に説明する。図1は、本発明の一実施の形態に係る透明導電性膜積層体の構成例を示す断面図である。透明導電性膜積層体20は、透明基材1と、透明基材1上に形成されたバインダー層13と、このバインダー層13上に形成された酸化亜鉛を含む酸化亜鉛皮膜11と、酸化亜鉛皮膜11とバインダー層13との間に析出した金属銀粒子5と、を備えている。酸化亜鉛皮膜11は、必要に応じて所定形状にパターン形成されていてもよい。
透明導電性膜積層体20における透明導電性膜(酸化亜鉛皮膜11)は、電気抵抗率が50Ω/□(ohm/square)以下である。本発明者らは、透明導電性膜に電気めっきを施すことによって膜の導電性を評価した結果、透明導電性膜の電気抵抗値が、50Ω/□を超える場合は電気めっきが困難であり、一方、50Ω/□以下である場合は、電気めっきが可能であることを見出している。従って、本発明の透明導電性膜積層体20は、実用上、十分な導電性を有するものである。
また、透明導電性膜積層体20は、波長400nmでの光透過率が50%以上、好ましくは60%以上であり、波長550nmでの光透過率が60%以上、好ましくは70%以上であり、波長780nmでの光透過率が70%以上であり、波長380〜780nmにおける可視光平均透過率が65%以上、好ましくは70%以上である。
<透明基材>
本発明で用いられる透明基材1は、透明導電性膜積層体20を構成する一部分として、通常はそのまま電子部品に組み込まれる。また、透明基材1は、バインダー層13としてのポリイミド樹脂層の形成をキャスト法によって行う際に、ポリアミド酸溶液が塗布される対象となり、ポリアミド酸溶液を展延する際の支持体としても用いることができる。
透明基材1には、透明な材質例えば、ガラス、透明な合成樹脂等を用いることができる。透明な合成樹脂としては、例えば、ポリイミド樹脂、PET樹脂、アクリル樹脂、MS樹脂、MBS樹脂、ABS樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、シロキサン樹脂、エポキシ樹脂などを挙げることができる。この場合、透明基材1の厚みや形状は、組み込まれる電子部品の設計に応じたものとなるが、例えば厚みは4μm〜100μmの範囲内とすることが可能であり、5〜50μmの範囲内とすることが好ましく、8〜25μmの範囲内とすることがより好ましい。
透明導電性膜積層体20の光透過率を低下させないために、バインダー層13と接する面側の透明基材1の表面粗度Rzは3μm以下が好ましく、1μm以下がより好ましい。また、透明基材1とバインダー層13との密着性を高めるために、透明基材1の表面をプラズマ処理、オゾン処理、過マンガン酸処理又はアルカリ処理、あるいはシランカップリング剤等による表面処理を行うことができる。なお、これらの表面処理は透明基材1の透明性を低下させないものであることが好ましい。
透明基材1としてポリイミドフィルムを用いる場合、ポリイミドフィルムは、例えば、同じ種類のポリイミド樹脂又は種類の異なるポリイミド樹脂が積層された多層構造とすることもできる。多層構造とする場合は、任意の基材を使用してポリアミド酸溶液の塗布と乾燥を繰り返すことにより形成することができる。
<バインダー層>
本発明において、バインダー層13に使用されるポリイミド樹脂としては、例えばポリイミド、ポリアミドイミド、ポリベンズイミダゾール、ポリイミドエステル、ポリエーテルイミド、ポリシロキサンイミド等の構造中にイミド基を有するポリマーからなる耐熱性樹脂を挙げることができる。本発明では、透明または無色を呈するポリイミド樹脂として、分子内、分子間の電荷移動(CT)錯体を形成しにくいもの、例えば嵩高い立体構造の置換基を有する芳香族ポリイミド樹脂、脂環式ポリイミド樹脂、フッ素系ポリイミド樹脂、ケイ素系ポリイミド樹脂等を用いることが好ましい。これらのポリイミド樹脂は、ジアミンと、酸無水物とを反応させて製造される。従って、ジアミンと酸無水物を説明することによりポリイミド樹脂の具体例が理解される。
上記の嵩高い立体構造の置換基としては、例えばフルオレン骨格やアダマンタン骨格などが挙げられる。このような嵩高い立体構造の置換基は、芳香族ポリイミド樹脂における酸無水物の残基又はジアミン残基のいずれか一方に置換しているか、あるいは酸無水物の残基及びジアミンの残基の両方に置換していてもよい。嵩高い立体構造の置換基を有するジアミンとしては、例えば9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレンなどを挙げることができる。
脂環式ポリイミド樹脂とは、脂環式酸無水物および脂環式ジアミンを重合して形成される樹脂である。また、脂環式ポリイミド樹脂は、芳香族ポリイミド樹脂を水素化することによっても得られる。
フッ素系ポリイミド樹脂は、例えばアルキル基、フェニル基等の炭素に結合する一価元素をフッ素、ペルフルオロアルキル基、ペルフルオロアリール基、ペルフルオロアルコキシ基、ペルフルオロフェノキシ基等に置換した酸無水物および/またはジアミンを重合して形成される樹脂である。フッ素原子は、一価元素全部もしくは一部が置換したものいずれも用いることができるが、50%以上の一価元素がフッ素原子に置換したものが好ましい。
ケイ素系ポリイミド樹脂とは、ケイ素系ジアミンと酸無水物を重合してから得られる樹脂である。
このような透明ポリイミド樹脂は、例えば10μmの厚さにおいて、波長400nmでの光透過率が80%以上であり、可視光平均透過率が90%以上であることが好ましい。
上記ポリイミド樹脂の中でも、特に透明性に優れたフッ素系ポリイミド樹脂が好ましい。フッ素系ポリイミド樹脂としては、一般式(1)で現される構造単位を有するポリイミド樹脂を用いることができる。ここで、一般式(1)中、Arは式(2)、式(3)または式(4)で表される4価の芳香族基を示し、Arは式(5)、式(6)、式(7)または式(8)で表される2価の芳香族基を示し、pは構成単位の繰り返し数を意味する。
Figure 2011060622
また、Rは、独立にフッ素原子またはパーフルオロアルキル基を示し、Yは下記構造式で表される2価の基を示し、Rはパーフルオロアルキレン基を示し、nは1〜19の数を意味する。
Figure 2011060622
上記一般式(1)において、Arはジアミンの残基ということができ、Arは酸無水物の残基ということができるので、好ましいフッ素系ポリイミド樹脂を、ジアミンと、酸無水物若しくはこれと同等に利用可能なテトラカルボン酸、酸塩化物、エステル化物等(以下、「酸無水物等」と記す)とを挙げて説明する。但し、フッ素系ポリイミド樹脂は、ここで説明するジアミンと酸無水物等とから得られるものに限定されることはない。
ジアミンとしては、分子内のアミノ基を除くアルキル基、フェニル環等の炭素に結合するすべての1価元素をフッ素またはパーフルオロアルキル基としたものであれば、どのようなものでもよく、例えば、3,4,5,6,−テトラフルオロ−1,2−フェニレンジアミン、2,4,5,6−テトラフルオロ−1,3−フェニレンジアミン、2,3,5,6−テトラフルオロ−1,4−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノオクタフルオロビフェニル、ビス(2,3,5,6−テトラフルオロ−4−アミノフェニル)エーテル、ビス(2,3,5,6−テトラフルオロ−4−アミノフェニル)スルフォン、ヘキサフルオロ−2,2’−ビストリフルオロメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル等を挙げることができる。
酸無水物等としては、例えば1,4−ジフルオロピロメリット酸、1−トリフルオロメチル−4−フルオロピロメリット酸、1,4−ジ(トリフルオロメチル)ピロメリット酸、1,4−ジ(ペンタフルオロエチル)ピロメリット酸、ヘキサフルオロ−3,3’,4,4’−ビスフェニルテトラカルボン酸、ヘキサフルオロ−3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシトリフルオロフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,3−ビス(3,4’−ジカルボキシトリフルオロフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,4−ビス(3,4−ジカルボキシトリフルオロフェノキシ)テトラフルオロベンゼン、ヘキサフルオロ−3,3’,4,4’−オキシビスフタル酸、4,4’―(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸等が挙げられる。
上記各種のポリイミド樹脂を製造する場合、ジアミンと酸無水物等との反応は、有機溶媒中で行わせることが好ましい。このような有機溶媒としては特に限定されないが、具体的には、例えばジメチルスルフォキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、フェノール、クレゾール、γ−ブチロラクトン等が挙げられ、これらは単独で又は混合して用いることができる。また、このような有機溶媒の使用量としては特に制限されるものではないが、重合反応によって得られるポリイミド樹脂の前駆体であるポリアミド酸(ポリアミック酸)溶液の濃度が、5〜30重量%程度の範囲内になるように調整して用いることが好ましい。
合成されたポリアミド酸は溶液として使用される。通常、反応溶媒溶液として使用することが有利であるが、必要により濃縮、希釈又は他の有機溶媒に置換することができる。また、ポリアミド酸は一般に溶媒可溶性に優れるので、有利に使用される。
本実施の形態の透明導電性膜積層体20において、透明基材1上にポリイミド樹脂のバインダー層13を形成する方法は特に限定されるものではないが、バインダー層13の膜厚を容易にコントロールできること、層状に分散した金属銀粒子5を容易に析出させることができること、透明基材1や金属銀粒子5との密着性を強固にできることなどの理由から、後述するように、ポリアミド酸溶液を透明基材1に塗布した後にイミド化するキャスト法を採用することが好ましい。
また、バインダー層13はバインダーとしての機能を発揮させて透明基材1との密着性を強固にするという観点から、少なくとも透明基材1に接する層は熱可塑性のポリイミド樹脂で構成することが好ましい。透明基材1の接着面に接する層を熱可塑性樹脂で構成することによって、キャスト法による方法のみならず、後述するように、熱圧着によっても透明基材1とバインダー層13を密着させることが可能となる。熱可塑性のポリイミド樹脂は、ガラス転移温度(Tg)が350℃以下であるものが好ましく、200〜320℃がより好ましい。ここで、ガラス転移温度(Tg)は、例えば粘弾性アナライザ(レオメトリックサイエンスエフィー株式会社製RSA−II)を使って、10mm幅のサンプルを用いて、1Hzの振動を与えながら、室温から400℃まで10℃/分の速度で昇温した際の、損失正接(Tanδ)の極大から求めることができる。
バインダー層13の厚みは、例えば0.5〜3μmの範囲内であることが好ましく、0.5〜1.0μmの範囲内であることがより好ましい。
<透明導電性膜>
本実施の形態において、酸化亜鉛皮膜11は、酸化亜鉛を主成分として含む透明導電性膜である。本実施の形態の透明導電性膜積層体20において、酸化亜鉛皮膜11を形成する方法は特に限定されるものではないが、バインダー層13との密着性を高める観点から、後述する湿式めっき法により行うことが好ましい。酸化亜鉛皮膜11の膜厚は、特に限定されるものではないが、0.005μm以上が好ましく、0.01〜2μmがより好ましく、0.1〜1μmとすることが望ましい。また、酸化亜鉛皮膜11の電気抵抗率は、50Ω/□以下とすることが好ましく、30Ω/□以下がより好ましい。酸化亜鉛皮膜11の電気抵抗率を50Ω/□以下とすることによって実用上十分な導電性が得られ、30Ω/□以下とすることによって特に良好な導電性皮膜とすることができる。
<金属銀粒子>
金属銀粒子5は、銀イオンが還元されて粒子状に析出してなるものである。金属銀粒子5は、金属銀の優れた導電性によって、酸化亜鉛皮膜11(透明導電性膜)の導電性を補完する機能と、バインダー層13に部分的に埋包された金属銀粒子5のアンカー効果によってバインダー層13と酸化亜鉛皮膜11との間の密着性を強める作用とを有している。このような観点から、金属銀粒子5は、後述するダイレクトメタライゼーション法によって形成することが好ましい。また、ダイレクトメタライゼーション法を適用することで、金属銀粒子5の平均粒子径を制御でき、金属銀粒子5の均一分散も可能となる。金属銀粒子5の平均粒子径は300nm以下であることが好ましく、より好ましくは5〜100nmの範囲内、更に好ましくは10〜30nmの範囲内とすることがよい。このような粒子径とすることで、酸化亜鉛皮膜11の透明性を低下させにくくなる。別の観点から、透明導電性膜積層体20の面方向に対して垂直に(つまり、透明導電性膜積層体20の表面に対して垂直な方向から透視して)観察した場合、透明導電性膜積層体20の単位面積に対する金属銀粒子5が占める面積の百分率(%)(以下、「面積占有率」ともいう)は、0.1〜50%の範囲内とすることが好ましく、1〜30%の範囲内とすることがより好ましく、5〜15%の範囲内とすることが望ましい。また、金属銀粒子5は、バインダー層13の表層部に存在し、その粒径によっても変わるがバインダー層13の表面(つまり、酸化亜鉛皮膜11との界面)から深さ方向に500nmまでの範囲内に層状に分散して存在することが好ましく、表面から深さ方向に300nmまでの範囲内に層状に分散して存在することがより好ましく、表面から深さ方向に150nmまでの範囲内に層状に分散して存在することが望ましい。金属微粒子5が、バインダー層13の表面から深さ方向に500nmを超えて存在すると透明性に影響を与える傾向となる。また、金属銀粒子5は、その上部がバインダー層13の表面から酸化亜鉛皮膜11中に突出し、かつ下部がバインダー層13中に埋め込まれている半埋包状態で存在することが好ましい。バインダー層13の表面に、このような半埋包状態の金属銀粒子5を出来るだけ多く存在させることにより、金属銀粒子5のアンカー効果によってバインダー層13と酸化亜鉛皮膜11との密着性を強固にすることができる。更に、金属銀粒子5は、バインダー層13の面方向(水平方向)に対しては、ほぼ均一に分散している状態であることが好ましく、バインダー層13の断面方向(垂直方向)に対しては、分散した金属銀粒子5の存在分布がバインダー層13の最表面部で極大となるようにすることが望ましい。
[第1の実施の形態の透明導電性膜積層体の製造方法]
次に、図2および図3を参照しながら、本発明の第1の実施の形態に係る透明導電性膜積層体20の製造方法について説明する。本実施の形態の透明導電性膜積層体20の製造方法は、以下の工程a〜eを備えており、さらに必要に応じ、工程f、工程g等の任意の工程を備えることができる。
工程a)透明基材上に、ポリアミド酸溶液を塗布して乾燥させ、ポリアミド酸層を形成する工程:
まず、図2(A)に示したように、透明基材1を準備する。本実施の形態では、透明基材1は、最終的に透明導電性膜積層体20の一構成部材をなすものであり、例えばガラス基板や透明な合成樹脂基板(フィルム)である。次に、透明基材1の表面に、ポリアミド酸を塗布し、乾燥させて、図2(B)に示したようにポリアミド酸層3を形成する。本実施の形態では、イミド化後のポリイミド樹脂層をバインダー層13として機能させるため、ポリアミド酸層3を乾燥後の厚みが0.5〜3μmの範囲内の厚みに形成することが好ましい。透明基材1上にポリアミド酸層3を形成するには、ポリアミド酸溶液を透明基材1の上に直接塗布した後に乾燥すればよい。ポリアミド酸溶液を透明基材1に塗布する方法は特に制限されず、例えばコンマ、ダイ、ナイフ、リップ等のコーターにて塗布することが可能である。
透明基材1としてガラス基板などの無機材料を用いる場合、透明基材1とバインダー層13との密着性を向上させるため、透明基材1としてのガラス基板の表面をシランカップリング剤により表面処理することが好ましい。シランカップリング剤としては、例えば3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、2−(3,4エポキシシクロへキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシランなどを挙げることができる。
また、透明基材1としてポリイミド樹脂を用いる場合、透明基材1とバインダー層13との密着性を向上させるため、透明基材1としてのポリイミド樹脂層の表面をプラズマ等により表面処理することが好ましい。この表面処理によって、ポリイミド樹脂層の表面を粗化させるか、又は表面の化学構造を変化させることができる。これによって、ポリイミド樹脂層の表面の濡れ性が向上し、ポリアミド酸の溶液との親和性が高まり、該表面上にポリアミド酸層3を安定的に保持できるようになる。
プラズマとしては、例えば大気圧方式のプラズマ処理装置を用い、処理室内でアルゴン、ヘリウム、窒素又はこれらの混合ガスのプラズマを生成させる。この際の処理温度は10〜40℃の範囲内、高周波(あるいはマイクロ波)出力は50〜400Wの範囲内とすることが好ましい。また、表面処理の別の方法として、アルカリ処理によるポリイミド樹脂の加水分解もポリアミド酸層3との密着性を向上させることができるので有効である。ここで、アルカリとしては、例えばLiOH、KOH、NaOH等のアルカリ金属水酸化物等が挙げられ、好ましくはKOHまたはNaOHから選ばれる1種以上を用いることができる。
なお、透明基材1の材質をポリイミドフィルムなどの合成樹脂によって形成する場合は、例えばカットシート状、ロール状のもの、又はエンドレスベルト状などの形状で使用できる。生産性を得るためには、ロール状又はエンドレスベルト状の形態とし、連続生産可能な形式とすることが効率的である。
ポリアミド酸層3は、後に行われる工程である銀イオンを含有する溶液の含浸と、さらにその後の金属銀の析出に直接関与するので、乾燥においては、ポリアミド酸の脱水閉環の進行によるイミド化を完結させないように温度を制御する。乾燥させる方法としては、特に制限されず、例えば、60〜200℃の範囲内の温度条件で1〜60分の範囲内の時間をかけて乾燥を行うことがよいが、好ましくは、60〜150℃の範囲内の温度条件で乾燥を行うことがよい。ポリアミド酸の状態を残すことは、銀イオンを含有する水溶液を含浸させるために必要である。乾燥後のポリアミド酸層3はポリアミド酸の構造の一部がイミド化していても差し支えないが、イミド化率は50%以下、より好ましくは20%以下としてポリアミド酸の構造を50%以上残すことが好ましい。なお、ポリアミド酸のイミド化率は、フーリエ変換赤外分光光度計(市販品:日本分光製FT/IR620)を用い、透過法にてポリイミド薄膜の赤外線吸収スペクトルを測定することによって、1000cm−1のベンゼン環炭素水素結合を基準とし、1710cm−1のイミド基由来の吸光度から算出される。
透明導電性膜積層体20のバインダー層13となるポリイミド樹脂層は、単層のポリイミド樹脂層から形成されるものでも、複数層からなるものでもよい。ポリイミド樹脂層を複数層とする場合、異なる構成成分からなるポリアミド酸の層の上に他のポリアミド酸を順次塗布して形成することができる。ポリアミド酸の層が3層以上からなる場合、同一の構成のポリアミド酸を2回以上使用してもよい。
キャスト法を採用してポリアミド酸を塗布する本実施の形態の方法では、ポリアミド酸層3の厚みを自由に調節することが可能である。イミド化後にバインダー層13となるポリアミド酸層3の厚み(乾燥後)は、例えば0.5〜3μmの範囲内とすることが好ましく、0.5〜1μmの範囲内とすることがより好ましい。ポリアミド酸層3を上記厚みに形成することによって、銀イオン含浸工程(後述)において銀イオンの含浸量を十分に確保できる。その結果、金属銀粒子5の析出工程(後述)において、金属銀粒子5を導通が可能な膜状に析出させることも可能となる。
透明なポリイミド樹脂からなるバインダー層13を形成するためのポリアミド酸溶液としては、市販品も好適に使用可能であり、例えばフッ素系のポリアミド酸溶液としては、ルクスビア(NTT AT社製)等が挙げられる。
工程b)ポリアミド酸層に銀イオンを含有する溶液を含浸させることによって、銀イオンをポリアミド酸層に付着させる工程:
本工程では、図2(C)に示したように、ポリアミド酸層3に銀イオンを付着させる。ここでは、銀イオンがイオン交換反応によってポリアミド酸のカルボキシル基に結合して銀錯体を形成する。本発明において、多くの金属イオンの中から、特に銀イオンを用いる理由は、銀イオンを還元して析出させた金属銀を触媒核として得られる酸化亜鉛皮膜が、焼結を施さなくとも電気伝導性に優れるものとなることにある。すなわち、金属銀を触媒核として形成される酸化亜鉛皮膜は、ZnとOとが化学量論的に等しくない状態にあるため、高い電気伝導性を備えることができるものと考えられる。一方、銀以外の金属、例えばパラジウム、鉄、コバルト、ニッケル等を触媒核として形成される酸化亜鉛膜は、ZnとOとが化学量論的に等しい状態にあるため、電気伝導性に乏しい傾向になると考えられる。また、銀イオンは、還元されやすく、紫外線を用いる光還元法でも効率良く金属銀を析出することができる。また、金属銀は波長400nm付近での光吸収がないことから、透明性という観点で、光学的に利用可能となる。
銀イオンを含有する溶液としては、例えば、硝酸銀水溶液、塩化銀水溶液、臭化銀水溶液、ヨウ化銀水溶液、酢酸銀水溶液などの銀化合物の水溶液を挙げることができるが、銀化合物の水に対する溶解性の観点から、硝酸銀水溶液、酢酸銀水溶液が好ましい。
工程bで用いる銀イオン含有溶液中には、銀化合物を1〜1000mMの範囲内で含有することが好ましく、5〜300mMの範囲内で含有することがより好ましい。銀化合物の濃度が1mM未満では、銀イオンをポリアミド酸層3中に含浸させるための時間がかかり過ぎるので好ましくなく、1000mM超では、銀化合物の水への溶解が困難になる。
銀イオン溶液は、銀化合物のほかに、例えば緩衝液などのpH調整を目的とする成分を含有することができる。
含浸方法は、ポリアミド酸層3の表面に銀イオン溶液が接触することができる方法であれば、特に限定されず、公知の方法を利用することができる。例えば、浸漬法、スプレー法、刷毛塗りあるいは印刷法等を用いることができる。含浸の温度は0〜100℃、好ましくは20〜40℃付近の常温でよい。また、含浸時間は、浸漬法を適用する場合、例えば30秒〜1時間が好ましく、1分〜30分がより好ましい。浸漬時間が30秒より短い場合には、ポリアミド酸層3への銀イオンの含浸が不十分になって、酸化亜鉛の薄膜を均一に形成することが困難となり、また、アンカー効果が十分に得られない。一方、浸漬時間が1時間を越えても、銀イオンのポリアミド酸層3への含浸の程度は、ほぼ横ばいになっていく傾向になる。
含浸後、ポリアミド酸層3を乾燥する。乾燥方法は、特に限定されず、例えば自然乾燥、エアガンによる吹きつけ乾燥、あるいはオーブンによる乾燥等を用いることができる。乾燥条件は、例えば10〜150℃で5秒〜60分間、好ましくは25〜150℃で10秒〜30分間、更に好ましくは30〜120℃で、1分〜10分間とすることができる。
工程c)ポリアミド酸層に付着した銀イオンを還元して金属銀粒子を析出させる工程:
本工程では、還元処理によって銀イオンを還元し、図2(D)に示したように、金属銀粒子5を析出させる。銀イオンを還元処理する方法は、特に限定されないが、湿式還元法または光還元法を利用することが有利である。他の還元方法としては、水素による加熱還元などの気相還元が挙げられるが、電気特性及び安全性の観点から好ましくない。気相還元を利用した場合、銀イオンはポリアミド酸層の表層部に拡散することが抑制され、ポリアミド酸層の内部で拡散しながら還元が進行し、その結果、ポリアミド酸層の内部で銀ナノコンポジットが形成されるので、透明導電性膜積層体20の電気特性が低下する懸念がある。
湿式還元法は、銀イオンが含浸したポリアミド酸層3(銀イオン含有ポリアミド酸層)を、還元剤を含有する溶液(還元剤溶液)中に浸漬することにより、銀イオンを還元する方法である。この湿式還元法では、銀イオン含有ポリアミド酸層の内部に存在する銀イオンが、その場所で還元されて金属として析出してしまうことを抑制しながら、ポリアミド酸層3の表層部で優勢的に金属銀粒子5として析出させることができる効果的な方法である。また、湿式還元法では、金属銀の析出のムラが少なく、ポリアミド酸層3の表層部に金属銀粒子5が均一に分散した金属銀析出層を短時間で形成することが可能である。
なお、本発明方法では、ポリアミド酸の溶液を透明基材1に塗布することによってポリアミド酸層3を形成するため、銀イオン含有ポリアミド酸層の厚みの調節が容易で、厚みを十分に確保することが容易である。
湿式還元法における還元剤としては、例えば、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウム、ジメチルアミンボラン、トリメチルアミンボラン等のボラン系化合物が好ましく挙げられ、ポリアミド酸の耐薬品性の観点から、ジメチルアミンボラン、トリメチルアミンボラン等のアミンボラン化合物がより好ましい。これらのホウ素化合物は水溶液にして用いることが好ましいが、例えば次亜燐酸ナトリウム、ホルマリン、ヒドラジン類等の溶液(還元剤溶液)にして用いることができる。還元剤溶液中のホウ素化合物の濃度は、例えば0.001〜0.5mol/Lの範囲内が好ましく、0.003〜0.1mol/Lの範囲内がより好ましい。還元剤溶液中のホウ素化合物の濃度が0.001mol/L未満では、ポリアミド酸層の表面での金属銀の析出が不十分になることがあり、0.5mol/Lを超えると銀イオンの還元速度が速くなるために、還元して析出した金属銀が連続した又はアイランド状の薄膜の状態になり、酸化亜鉛皮膜の光透過性を低下させる傾向になる。
また、湿式還元処理では、銀イオン含有のポリアミド酸層3を、10〜90℃の範囲内、好ましくは50〜70℃の範囲内の温度の還元剤溶液中に、20秒〜30分、好ましくは30秒〜10分、更に好ましくは1分〜5分の時間で浸漬する。浸漬によって、銀イオン含有ポリアミド酸層中の銀イオンが還元剤の作用で還元されて、銀イオン含有ポリアミド酸層の表層部で金属銀が粒子状に析出する。金属銀粒子5の平均粒子径又は面積占有率は、還元剤溶液の濃度、温度及び浸漬時間の調整によって制御することができる。還元の終点では、ポリアミド酸層3中に銀イオンが残留する状態となるが、後述する酸処理によって、残留する銀イオンを除去することができる。ポリアミド酸層3中に残留する銀イオンは、例えば、銀イオン含有ポリアミド酸層(あるいは、ポリアミド酸層)の断面を、エネルギー分散型X線(EDX)分析装置を用いて測定し、残留する銀イオンの原子重量%を読み取ることによって確認できる。
銀イオンを還元処理する方法として、光還元法を用いる場合には、銀イオン含有のポリアミド酸層3に水素供給源となる水、アルコール又はアルコール水溶液などを塗布した後、紫外線を例えば50〜250J/cm程度、好ましくは100〜200J/cm程度の紫外線照射量で照射することがよい。金属銀粒子5の平均粒子径又は面積占有率は、紫外線照射量を調整することによって制御することができる。光還元法では、湿式還元法と同様に、銀イオン含有ポリアミド酸層の内部で還元されて金属として析出してしまうことを抑制しながら、ポリアミド酸層3の表層部で優勢的に金属銀粒子5として析出させることができる。なお、図3(A)に示したように、銀イオンに紫外線7を照射して還元処理を行う場合、所定のパターンに形成されたフォトマスク9を用いることによって、図3(B)に示したように、所定のパターンで金属銀粒子5を析出させることも可能である。その結果、後述する工程dで、酸化亜鉛皮膜11を金属銀粒子5のパターンに基づいてはじめからパターン状に形成することが可能になり、フォトリソグラフィーとエッチングによるパターニングのプロセスを省略し、工程数を削減できる。
なお、工程cで銀イオンの還元処理を行う前に、予め銀イオン含有のポリアミド酸層3の上に、レジストを所定のパターンで形成しておくことも可能である。この手法は、湿式還元法にも光還元法にも適用できる。レジストパターンの形成は、例えばフォトリソグラフィーとエッチングの組み合わせなど、公知の方法が適用でき、特に限定されない。なお、レジストパターンの形成は、工程bの次に行うことが好ましいが、工程bの前(工程aの後)に行うこともできる。
この工程cの後で、後述するように酸処理を行い、余剰の銀イオンの除去(工程f)を行うこともできる。
工程d)ポリアミド酸層に、還元剤、硝酸イオンおよび亜鉛イオンを含有するめっき液を接触させ、金属銀粒子を触媒核として、ポリアミド酸層の表面に酸化亜鉛を含む透明導電性膜を形成する工程:
この工程dは、湿式めっき法により行うことが有利である。すなわち、ポリアミド酸層3の表面に析出した金属銀粒子5を触媒核として、例えばホウ素系の還元剤と硝酸イオンおよび亜鉛イオンを含有するめっき液を用い、湿式めっき法によって図2(E)に示したように酸化亜鉛皮膜11を形成する。湿式めっき法は、還元剤、硝酸イオンおよび亜鉛イオンを含有するめっき液を使用することを除いて、工程cと同様に行うことができる。
還元剤としては、酸化亜鉛を析出させる水溶性の化合物であれば特に制限されないが、例えば、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウム、ジメチルアミンボラン、トリメチルアミンボラン等のボラン系化合物が好ましく挙げられ、ポリアミド酸の耐薬品性の観点から、ジメチルアミンボラン、トリメチルアミンボラン等のアミンボラン化合物がより好ましい。これらのホウ素化合物は水溶液にして用いることが好ましいが、例えば次亜燐酸ナトリウム、ホルマリン、ヒドラジン類等の溶液(還元剤溶液)にして用いることもできる。めっき液中における還元剤としてのホウ素化合物の濃度は、例えば0.001〜0.5mol/Lの範囲内が好ましく、0.001〜0.1mol/Lの範囲内がより好ましい。めっき液中のホウ素化合物の濃度が0.001mol/L未満では、酸化亜鉛の還元が不十分になることがあり、0.5mol/Lを超えるとホウ素化合物の作用で、ポリアミド酸が溶解してしまうことがある。
硝酸イオンおよび亜鉛イオンは、どのような化合物由来のものでもよいが、亜鉛イオン源となる化合物としては、水溶性亜鉛塩を用いればよく、その具体例として、硝酸亜鉛、硫酸亜鉛、塩化亜鉛、酢酸亜鉛、リン酸亜鉛、ピロリン酸亜鉛、炭酸亜鉛等を挙げることができる。また、硝酸イオン源となる化合物としては、硝酸、水溶性硝酸塩等を用いることができ、硝酸塩の具体例として、硝酸亜鉛、硝酸アンモニウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸リチウム、硝酸尿素等を挙げることができる。亜鉛イオン源となる化合物及び硝酸イオン源となる化合物は、それぞれ、単独又は二種以上混合して用いることができる。このなかでも、特に硝酸亜鉛を用いることが最も効率的である。硝酸亜鉛は水溶液にして用いるが、前述のボラン系化合物の還元剤との混合溶液にして用いることが好ましい。めっき液中における硝酸亜鉛の濃度は、例えば0.01〜0.5mol/Lの範囲内が好ましく、0.01〜0.2mol/Lの範囲内がより好ましく、0.05〜0.15mol/Lの範囲内が望ましい。めっき液中の硝酸亜鉛の濃度が0.01mol/L未満では、酸化亜鉛の析出が不十分になることがあり、0.5mol/Lを超えると酸化亜鉛の水への溶解が困難になることに加えて、めっき液の安定性が低下して沈殿が生成し易くなることがある。また、めっき液は、pH4〜9程度、特にpH6.5程度とすることが好ましい。
めっき処理では、金属銀粒子5が析出したポリアミド酸層3を、10〜80℃の範囲内、好ましくは50〜70℃の範囲内の温度の前記めっき液中に、10分〜200分間、好ましくは20〜150分間の時間をかけて浸漬する。浸漬によって、めっき液中の硝酸イオンが還元剤の作用で還元されて亜硝酸イオンに変化し、この際に生成した水酸化物イオンによってポリアミド酸層3表面のpHが上昇する結果、触媒核である金属銀粒子5の表面に水酸化亜鉛の薄膜が形成される。この水酸化亜鉛は、容易に脱水して酸化亜鉛(ZnO)に変化するため、ポリアミド酸層3の表面の金属銀粒子5が析出している領域に酸化亜鉛を含む酸化亜鉛皮膜11が析出する。以上の反応は、次の(1)〜(5)の化学反応式により表すことができる。
Zn(NO → Zn +2NO …(1)
(CH)NHBH+HO → BO +(CHNH+7H+6e…(2)
NO +HO+2e → NO +2OH…(3)
Zn2++2OH → Zn(OH)…(4)
Zn(OH) → ZnO+HO…(5)
工程e)透明導電性膜が形成されたポリアミド酸層を加熱してイミド化しポリイミド樹脂層を形成することにより、該ポリイミド樹脂層をバインダー層として透明基材と透明導電性膜との間に介在させた透明導電性膜積層体を形成する工程:
工程eでは、酸化亜鉛皮膜11が形成されたポリアミド酸層3を加熱することにより、図2(F)に示したようにポリアミド酸を閉環・イミド化させてポリイミド樹脂からなるバインダー層13を形成する。ポリアミド酸をイミド化する方法は、特に制限されず、例えば、80〜400℃の範囲内の温度条件で1〜60分間の範囲内の時間加熱するといった熱処理が好適に採用される。イミド化の温度は、従来技術(特許文献3)における酸化亜鉛皮膜の加熱処理の温度よりも十分に低く設定することができる。工程eのイミド化は、工程dの後に行うことが好ましい。工程eのイミド化を工程dの前に行うと、金属銀粒子5が樹脂層に完全に埋包された状態になり、触媒核としての機能を十分に発揮できず、酸化亜鉛皮膜11の形成が不十分になるので好ましくない。別の観点から、工程eのイミド化を工程dの後に行うことによって、形成された酸化亜鉛皮膜11への加熱が同時に行われるため、酸化亜鉛皮膜11の電気伝導性を更に向上させることができるので、工程eのイミド化は、工程dの後に行うことが好ましい。
本発明の透明導電性膜積層体20の製造方法は、上記工程a〜工程eに加えて、例えば以下の工程f、gを含むことができる。
工程f)工程cの後で、ポリアミド酸層を酸処理して残留した銀イオンを除去する工程:
工程cの銀イオンの湿式還元処理の後で、還元されない銀イオンがポリアミド酸層3に残存することがあるため、これを除去することが好ましい。この工程fは、工程cの後、工程dの前に行うことが好ましい。銀イオンの除去は、酸の水溶液に浸漬して行うことがよく、例えば希塩酸水溶液、希硫酸水溶液、酢酸水溶液、シュウ酸水溶液などの酸水溶液で処理することにより除去することができる。
金属イオンを除去するための浸漬処理の条件として、濃度が1〜15重量%の範囲内、好ましくは5〜10重量%の範囲内で、温度20〜50℃の範囲内の酸の水溶液に、2〜10分間の範囲内の時間で浸漬させることが好ましい。
工程g)工程dの後で、酸化亜鉛を含む酸化亜鉛皮膜11をパターン形成する工程:
パターンの形成は、例えばフォトリソグラフィーとエッチングの組み合わせなど、公知の方法により行うことができ、特に限定されない。この工程gは、工程d)の後または工程eの後に行うことができる。なお、工程cで光還元を採用し、フォトマスクを用いて金属銀粒子5をパターン状に析出させる場合には、この工程gは必要ない。
[第2の実施の形態の透明導電性膜積層体の製造方法]
次に、本発明の第2の実施の形態の透明導電性膜積層体の製造方法について説明する。本発明の透明導電性膜積層体20は、透明導電性膜(酸化亜鉛皮膜11)を形成したポリアミド酸層又はポリイミド樹脂層と透明基材1とを熱圧着することによっても製造できる。すなわち、例えば図4(A)に示したように、任意の基材21上に、バインダー層13となる樹脂層3a(ポリアミド酸層又はポリイミド樹脂層)及び金属銀粒子5を介して透明導電性膜11を形成した後、基材21から透明導電性膜11を有する樹脂層3aを剥離し、その後、同図(B)に示したように、樹脂層3aを透明基材1に熱圧着する方法である。なお、以下では第1の実施の形態との相違点を中心に説明し、第1の実施の形態と同様の工程については説明を省略する。
本実施の形態の透明導電性膜積層体の製造方法は、例えば、以下の工程;
工程a’)基材上に、ポリアミド酸溶液を塗布して乾燥させ、ポリアミド酸層を形成する工程、
工程b)前記ポリアミド酸層に銀イオンを含有する溶液を含浸させることによって銀イオンを前記ポリアミド酸層に付着させる工程、
工程c)前記ポリアミド酸層に付着した銀イオンを還元して金属銀粒子を析出させる工程、及び
工程d)前記ポリアミド酸層に、還元剤、硝酸イオンおよび亜鉛イオンを含有する混合溶液を接触させ、前記金属銀粒子を触媒核として、前記ポリアミド酸層の表面に酸化亜鉛を含む透明導電性膜を形成する工程、を備え、
さらに、
工程x)透明導電性膜が形成されたポリアミド酸層を加熱してイミド化しポリイミド樹脂層を形成する工程、
工程y)透明導電性膜が形成されたポリアミド酸層又はポリイミド樹脂層を前記基材から剥離する工程、
工程z)前記剥離したポリアミド酸層又はポリイミド樹脂層の剥離面に透明基材を重ね合わせ、熱圧着することにより、該ポリアミド酸層又はポリイミド樹脂層をバインダー層として前記透明基材と前記透明導電性膜との間に介在させた透明導電性膜積層体を形成する工程、
を備えている。ここで、前記工程x、工程y及び工程zは、x、y、zの順、y、x、zの順、もしくは、y、z、xの順に行うか、または、工程yの後で、工程xの加熱によるイミド化を工程zの熱圧着と同時に行うことができる。
本実施の形態の透明導電性膜積層体の製造方法は、さらに必要に応じ、上記第1の実施の形態と同様の工程f及び工程g等の任意の工程を備えることができる。
工程a’〜工程d:
上記工程a’〜工程dは、透明基材1に代えて基材21を用いること以外は、第1の実施の形態と同様に行うことができる。
<基材>
本実施の形態で用いられる基材21は、ポリアミド酸溶液を流延塗布する際に、ポリアミド酸溶液が塗布される対象となり、ポリアミド酸溶液を展延する際の支持体として機能する。基材21は、ポリアミド酸をイミド化する際の加熱に耐え得るものであれば、その材質は問われない。この場合、基材21の材質としては、例えば金属、合成樹脂、ガラス、セラミックスなどを挙げることができる。ここで、金属としては、例えば、銅箔、ステンレス箔、鉄箔、ニッケル箔、ベリリウム箔、アルミニウム箔、亜鉛箔、インジウム箔、銀箔、金箔、スズ箔、ジルコニウム箔、タンタル箔、チタン箔、鉛箔、マグネシウム箔、マンガン箔及びこれらの合金箔が挙げられる。この中でも、特に銅箔又は銅合金は、ポリアミド酸溶液の塗布工程、乾燥・熱処理工程及び剥離工程における操作性のバランスがよいので好ましい。また、合成樹脂としては、例えば、PET、ポリイミドフィルム、ポリアミドフィルム、ポリエチレンナフタレート、ポリベンゾオキサゾール、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリアリレート、シロキサン樹脂などを挙げることができる。この場合、剛性面を考慮すると、基材21の厚みは、5μm〜50μmの範囲内とすることが可能であり、7〜35μmの範囲内とすることが好ましく、10〜25μmの範囲内とすることがより好ましい。そのような基材21としては、例えばカットシート状、ロール状のもの、又はエンドレスベルト状などの形状で使用できる。生産性を得るためには、ロール状又はエンドレスベルト状の形態とし、連続生産可能な形式とすることが効率的である。
また、基材21から樹脂層3a(ポリアミド酸層又はポリイミド樹脂層)を剥離する場合、樹脂層3aの剥離性を良好なものにするため、樹脂層3aと接する面側の基材21の表面粗度Rzは、1.0μm以下とすることが好ましく、0.3〜0.8μmの範囲内がより好ましい。このような範囲のものを使用することで、剥離後における樹脂層3aの外観を良好にすることができる。なお、表面粗度RzはJIS B 0601に準じて測定される。また、基材21と樹脂層3aとの剥離性を高めるために、基材21の表面を離型剤等で処理しておくことができる。
工程x)透明導電性膜が形成されたポリアミド酸層を加熱してイミド化しポリイミド樹脂層を形成する工程:
この工程xにおけるイミド化は、第1の実施の形態の工程eと同様の条件で実施することができる。工程xは、工程dの後であればよい。つまり、工程xは、工程yの前に行ってもよく、工程yの後に行ってもよい。また、工程xは、工程zの前に行ってもよく、工程zの後に行ってもよい。
本実施の形態において、工程xにおけるポリアミド酸層3のイミド化反応は、必ずしも基材21上で完結させる必要はない。なぜなら、基材21上に形成されたポリアミド酸層3に対し、工程zにおける熱圧着によってもイミド化反応を完結させることが可能であるからである。つまり、工程xのイミド化は、工程zの熱圧着の際の熱を利用して行うことができる。この場合、工程xを独立して設ける必要はなく、工程zに含めることができる。
工程y)透明導電性膜が形成された樹脂層(ポリアミド酸層又はポリイミド樹脂層)を前記基材から剥離する工程:
樹脂層3aを基材21から剥離する方法は特に限定されるものではないが、連続生産の場合はロールによる巻取りなどの方法が有利である。
工程z)前記剥離した樹脂層(ポリアミド酸層又はポリイミド樹脂層)の剥離面に透明基材を重ね合わせ、熱圧着することにより、該ポリアミド酸層又はポリイミド樹脂層をバインダー層として前記透明基材と前記透明導電性膜との間に介在させた透明導電性膜積層体を形成する工程:
工程zで用いる透明基材は、第1の実施の形態における透明基材1と同様のものを使用できる。透明導電性膜としての酸化亜鉛皮膜11を形成した樹脂層3aと、透明基材1とを熱圧着する方法は特に制限されず、適宜公知の方法を採用することができる。樹脂層3aと透明基材1を張り合わせる方法としては、通常のハイドロプレス、真空タイプのハイドロプレス、オートクレーブ加圧式真空プレス、連続式熱ラミネータ等を挙げることができる。樹脂層3aと透明基材1を張り合わせる方法の中でも、十分なプレス圧力が得られ、残存揮発分の除去も容易に行え、更に透明基材1の劣化を防止することができるという観点から真空ハイドロプレス連続式熱ラミネータを用いることが好ましい。
また、熱圧着は、50〜450℃の範囲内に加熱しながら透明導電性膜としての酸化亜鉛皮膜11を形成した樹脂層3aと透明基材1とをプレスすることによって行うことが好ましい。加熱温度は、150〜400℃の範囲内であることがより好ましい。別の観点から、加熱温度は、透明基材1との密着性を高めるため、樹脂層3aを構成するポリイミド樹脂のガラス転移温度以上の温度であることが好ましい。さらに、工程zの熱圧着と同時に工程xのイミド化を行う場合は、ポリアミド酸の閉環・イミド化が可能な温度とすることが好ましい。また、プレス圧力については、使用するプレス機器の種類にもよるが、通常、1〜50MPa程度が適当である。
以上のように、本発明の第1及び第2の実施の形態の製造方法によれば、透明基材1と、バインダー層13と、酸化亜鉛皮膜11と、を備えた透明導電性膜積層体20を製造することができる。なお、この後で、必要に応じて酸化亜鉛皮膜11をパターニングすることができる。更に、必要に応じてバインダー層13の不要な部分をエッチング除去することもできる。
上記実施の形態の透明導電性膜積層体20の製造方法では、キャスト法によって透明基材1(もしくは基材21)上に形成されたポリアミド酸層3に対して銀イオンを接触させて、ポリアミド酸のカルボキシル基に銀イオンを結合させておく。そのため、銀イオンが豊富な状態で還元処理を行うことが可能であり、金属銀粒子5の析出量が多く、金属銀粒子5を、膜の面方向に均一に、かつ膜の厚み方向に層状に分散した状態にすることができる。そして、この金属銀粒子5を触媒核として湿式めっき法によって酸化亜鉛皮膜11を形成することにより、金属銀粒子5のアンカー効果によって酸化亜鉛皮膜11とバインダー層13との密着性が高くなる。また、膜状の金属銀粒子5の導電性が増大し、電気伝導性に優れた透明導電性膜積層体20を形成することができる。
また、本実施の形態の透明導電性膜積層体20は、バインダー層13であるポリイミド樹脂層と透明導電性膜である酸化亜鉛皮膜11との界面に析出した金属銀粒子5によって酸化亜鉛皮膜11の導電性が補完されることによって、優れた導電特性を有する。また、ポリイミド樹脂のバインダー層13を有するため、酸化亜鉛皮膜11と透明基材1との密着性が極めて強固になるため酸化亜鉛皮膜11の剥離や脱落を防止できる。従って、本発明方法によって得られる透明導電性膜積層体20を使用して配線や電極を形成した電子部品に、高い信頼性を付与することができる。
以上のようにして得られる透明導電性膜積層体20は、酸化亜鉛を含む透明導電性膜とポリイミド樹脂層との密着性に優れ、かつ、電気抵抗が少なく優れた導電性を有するので、例えば液晶表示装置(LCD)、プラズマディスプレイパネル装置(PDP)、有機エレクトロルミネッセンス表示装置(有機EL)、エレクトロクロミック表示装置、電気泳動表示装置などの各種表示装置に使用できる。特に、本発明方法は、銀イオンの還元と湿式めっきにより透明導電性膜としての酸化亜鉛皮膜の形成が可能であるため、高温による酸化亜鉛皮膜の焼結が不要であり、かつ、スパッタリングやCVDなどの工程も不要であるため真空装置などの大掛かりな設備を用いずに、大面積の基板上に透明導電性膜を低コストで製造できる。従って、本発明方法は、大面積化が進みつつある各種の表示装置の製造過程で利用価値が高いものである。
次に、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
(1)光透過率
光透過率は、紫外・可視分光分析装置(UV−vis;日本分光社製、商品名V−550)を用いて測定した。
(2)表面抵抗および電気抵抗率
JIS K7194に準拠し、三菱化学社製:4端子4探針法を用いて表面抵抗を測定し、膜厚から抵抗率を換算して求めた。
(3)密着性
JIS K5600−5−6に準拠して、クロスカット試験を行った。測定は透明導電性膜に形成した1mm×1mmの碁盤目25個について行い、剥がれず基板上に残存した目の個数(残存個数/25)を求めた。
(4)金属銀粒子の平均粒子径
樹脂表面に形成した金属銀粒子の平均粒子径は、走査型電子顕微鏡(SEM、JSM−6340F、日本電子製)により観測し、樹脂内部に形成した金属銀粒子の平均粒子径は、試料の断面をミクロトーム(ウルトラカットUTCウルトラミクロトーム、ライカ社製)を用いて超薄切片を作製し、透過型電子顕微鏡(TEM)(JEM−2000EX、日本電子社製)により観測した。なお、金属銀粒子の平均粒子径は面積平均径とした。
合成例1
500mlのセパラブルフラスコの中において、撹拌しながら15.2gの2,2−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル(TFMB)(47.6mmol)を170gのN,N―ジメチルアセトアミド(DMAc)に溶解させた。次に、その溶液に窒素気流中で14.8gの4,4’−オキシジフタル酸無水物(ODPA)(47.6mmol)を加え、室温で4時間攪拌を続けて重合反応を行い、無色の粘調なポリアミド酸溶液Sを得た。得られたポリアミド酸溶液の粘度は、E型粘度計(ブルックフィールド社製 DV−II +Pro CP型)により測定した結果、3251cP(25℃)であった。また、分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)(東ソー株式会社製 HLC−8220GPC)により測定し、Mw=163,900であった。
得られたポリアミド酸溶液Sを、ステンレス基材の上に塗布し、125℃で3分間乾燥した後、更に160℃で2分、190℃で30分、200℃で30分、220℃で3分、280℃、320℃、360℃で各1分ずつ段階的な熱処理を行い、イミド化を完結させ、ステンレス基材に積層されたポリイミドフィルムを得た。このポリイミドフィルムをステンレス基材から剥離し、10μmの厚みのポリイミドフィルムPを得た。このフィルムの400nmでの光透過率は95%、可視光平均透過率は96%であった。なお、このフィルムは熱可塑性である。
合成例2
500mlのセパラブルフラスコの中において、撹拌しながら31.7gの9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン(BAFL)(90.1mmol)を240gのN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)に溶解させた。次に、その溶液に窒素気流中で28.3gの4,4’−オキシジフタル酸無水物(ODPA)(90.1mmol)を加え、室温で4時間攪拌を続けて重合反応を行い、無色の粘調なポリアミド酸溶液Sを得た。得られたポリアミド酸溶液の粘度は、E型粘度計(ブルックフィールド社製 DV−II +Pro CP型)により測定した結果、45,000cP(25℃)であった。また、分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)(東ソー社製 HLC−8220GPC)により測定し、Mw=243,000であった。
得られたポリアミド酸溶液Sを、ステンレス基材の上に塗布し、125℃で3分間乾燥した後、更に160℃で2分、190℃で30分、200℃で30分、220℃で3分、280℃、320℃、360℃で各1分ずつ段階的な熱処理を行い、イミド化を完結させ、ステンレス基材に積層されたポリイミドフィルムを得た。このポリイミドフィルムをステンレス基材から剥離し、10μmの厚みのポリイミドフィルムPを得た。このフィルムの400nmでの光透過率は90%、可視光平均透過率は92%であった。なお、このフィルムは熱可塑性である。
合成例3
500mlのセパラブルフラスコの中において、撹拌しながら15.7gの2,2−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル(TFMB)(49mmol)を106gのN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)に溶解させた。次に、その溶液に窒素気流中で21.8gの4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物(6−FDA)(49mmol)を加え、室温で4時間攪拌を続けて重合反応を行い、無色の粘調なポリアミド酸溶液Sを得た。得られたポリアミド酸溶液の粘度は、E型粘度計(ブルックフィールド社製 DV−II +Pro CP型)により測定した結果、1040cP(25℃)であった。また、分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)(東ソー株式会社製 HLC−8220GPC)により測定し、Mw=60,000であった。
得られたポリアミド酸溶液Sを、ステンレス基材の上に塗布し、125℃で3分間乾燥した後、更に160℃で2分、190℃で30分、200℃で30分、220℃で3分、280℃、320℃、360℃で各1分ずつ段階的な熱処理を行い、イミド化を完結させ、ステンレス基材に積層されたポリイミドフィルムを得た。このポリイミドフィルムをステンレス基材から剥離し、10μmの厚みのポリイミドフィルムPを得た。このフィルムの400nmでの光透過率は96%、可視光平均透過率は97%であった。
作製例1
無アルカリガラス(旭硝子株式会社製 AN−100)の試験片10cm×10cm(厚み0.7mm)を50℃の5N水酸化ナトリウム水溶液により5分間処理した。次に、試験片のガラス基板を、純水で洗浄し、乾燥した後、1重量%の3−アミノプロピルトリメトキシシラン(以下、「γ−APS」と略す)水溶液に浸漬させた。このガラス基板を、γ−APS水溶液から取り出した後乾燥し、150℃で5分間加熱して、ガラス基板G1を作製した。
作製例2
合成例3で得られたポリイミドフィルムPを、アルゴンガス95%とヘリウムガス5%の混合気体が注入された部屋に通し、常圧下で、印加圧力が2kV、出力500Wの電力を入力してプラズマ放電させ、10分間、表面処理して、ポリイミドフィルム基板P’を作製した。
実施例1
合成例1で得られたポリアミド酸溶液Sをスピンコーター(ミカサ株式会社製 SPINCOATER 1H−DX2)を用いて、作製例1のガラス基板G1の上に塗布した後、125℃で3分間乾燥して、厚さ1μmのポリアミド酸層を形成した。このポリアミド酸層を0.1Mの硝酸銀水溶液に10分間浸漬し、イオン交換反応によりポリアミド酸層に銀イオンを吸着させた。
上記の銀イオンを吸着させたポリアミド酸層の表面に水を塗布し、石英ガラスを介して低圧水銀ランプより紫外線を10分照射することで、銀イオンを還元し、ポリアミド酸層の表層部に銀析出層を形成した。このとき照射した紫外線量は160J/cmであった。照射終了後、10重量%の酢酸水溶液に120分間浸漬し、ポリアミド酸層中に残存している銀イオンを除去した。ここで、析出した銀の量は、ICP質量分析によって測定した結果、213mg/mであった。また、金属銀粒子の平均粒子径は28nmであり、ポリアミド酸層の表面から100nmの範囲内に層状に分散して存在し、金属銀粒子の分散分布がポリアミド酸層の最表部で最も密となっていることが確認された。さらに、ポリアミド酸層の面方向に対して垂直な方向から観察したところ、金属銀粒子がほぼ均一に分散していることが確認され、ポリアミド酸層の単位面積に対して金属銀粒子が占める面積占有率は11%であった。
上記のポリアミド酸層を0.05Mの硝酸亜鉛水溶液および0.05Mのジメチルアミンボラン水溶液の混合溶液に50℃で120分間浸漬し、水洗後、125℃で3分間乾燥させることにより、ポリアミド酸層の表層部に50nm厚みの酸化亜鉛薄膜を形成した。形成した酸化亜鉛薄膜の電気抵抗率は、四探針法により測定した結果、1.91×10Ω/□であった。
得られた酸化亜鉛薄膜形成後のポリアミド酸層を、160℃で2分、190℃で30分、200℃で30分、220℃で3分、280℃、320℃、360℃で各1分ずつ段階的な熱処理を行ってイミド化を完結し、透明導電性ガラス基板を作製した。上記透明導電性ガラス基板における酸化亜鉛薄膜側の表面に、ドライフィルムレジスト(旭化成株式会社製 サンフォートAQ、10μm厚さ)を温度110℃にてラミネートし、フォトマスクを介して紫外線露光し、0.5重量%の炭酸ナトリウム水溶液にて現像して50μm{配線幅/配線間隔(L/S)=25μm/25μm}のレジストパターンを形成した。形成した配線スペース部の酸化亜鉛薄膜をエッチングで除去し、続くポリイミド樹脂層をエッチング除去した後、レジストを除去することで、透明導電性回路配線ガラス基板を作製した。なお、この基板の酸化亜鉛薄膜の電気抵抗率は、1.90×10−2Ω/□であった。また、酸化亜鉛薄膜の可視光平均透過率は70%であった。また、クロスカット試験による密着性評価では、25個中25個が残存した。
実施例2
実施例1と同様にして、合成例1のポリアミド酸溶液Sをガラス基板G1上に塗布、乾燥して、厚さ1μmのポリアミド酸層を形成した後、硝酸銀水溶液に浸漬し、イオン交換反応により銀イオンを吸着させた。
得られたポリアミド酸層の表面に水を塗布し、フォトマスク(パターン形状;配線幅/配線間隔(L/S)=25μm/25μm)を介して低圧水銀ランプより紫外線を10分間照射することで、銀イオンを還元し、ポリアミド酸層の表層部にパターン化された銀析出層を形成した。このとき照射した紫外線量は160J/cmであった。照射終了後、10重量%の酢酸水溶液に120分間浸漬し、紫外線非照射部分を含むポリアミド酸層中に残存している銀イオンを除去した。ここで、析出した銀の量は、208mg/mであった。また、金属銀粒子の平均粒子径は27nmであり、ポリアミド酸層の表面から100nmの範囲内に層状に分散して存在し、金属銀粒子の分散分布がポリアミド酸層の最表部で最も密となっていることが確認された。さらに、ポリアミド酸層の面方向に対して垂直な方向から観察したところ、金属銀粒子がほぼ均一に分散していることが確認され、ポリアミド酸層の単位面積に対して金属銀粒子が占める面積占有率は12%であった。
次に、上記のポリアミド酸層を、実施例1と同様にして、硝酸亜鉛及びジメチルアミンボラン水溶液の混合溶液による処理並びに乾燥によって、ポリアミド酸層の表層部にパターン化された50nm厚みの酸化亜鉛配線を形成した。形成した酸化亜鉛配線の電気抵抗率は、1.93×10Ω/□であった。
得られた酸化亜鉛配線形成後のポリアミド酸層を、実施例1と同様の方法で、熱処理してイミド化を完結し、透明導電性回路配線ガラス基板を作製した。なお、この基板の酸化亜鉛配線の電気抵抗率は、1.91×10−2Ω/□であった。また、酸化亜鉛薄膜の可視光平均透過率は、72%であった。また、クロスカット試験による密着性評価では、25個中25個が残存した。
実施例3
実施例1と同様にして、合成例1のポリアミド酸溶液Sをガラス基板G1上に塗布、乾燥して厚さ1μmのポリアミド酸層を形成した後、硝酸銀水溶液に浸漬し、イオン交換反応により銀イオンを吸着させた。
得られたポリアミド酸層を0.01Mのジメチルアミンボラン水溶液に30℃で5分間浸漬することで、銀イオンを還元し、ポリアミド酸層の表層部に銀析出層を形成した。還元処理終了後、10重量%の酢酸水溶液に120分間浸漬し、ポリアミド酸層に残存している銀イオンを除去した。ここで、析出した銀の量は485mg/mであった。また、金属銀粒子の平均粒子径は63nmであり、ポリアミド酸層の表面から100nmの範囲内に層状に分散して存在し、金属銀粒子の分散分布がポリアミド酸層の最表部で最も密となっていることが確認された。さらに、ポリアミド酸層の面方向に対して垂直な方向から観察したところ、金属銀粒子がほぼ均一に分散していることが確認され、ポリアミド酸層の単位面積に対して金属銀粒子が占める面積占有率は28%であった。
次に、上記のポリアミド酸層を、実施例1と同様にして、硝酸亜鉛及びジメチルアミンボラン水溶液の混合溶液による処理並びに乾燥によって、ポリアミド酸層の表層部に50nm厚みの酸化亜鉛配線を形成した。形成した酸化亜鉛配線の電気抵抗率は、0.50×10Ω/□であった。
得られた酸化亜鉛配線形成後のポリアミド酸層を、実施例1と同様の方法で熱処理してイミド化を完結し、透明導電性ガラス基板を作製した。なお、この基板の酸化亜鉛薄膜の電気抵抗率は、0.49×10−2Ω/□であった。また、形成した酸化亜鉛薄膜の透過率は、63%であった。また、クロスカット試験による密着性評価では、25個中25個が残存した。
上記の透明導電性ガラス基板を、実施例1と同様の方法でパターニングして、透明導電性回路配線ガラス基板を作製した。
実施例4
実施例1におけるポリアミド酸溶液Sの代わりに、合成例2で得られたポリアミド酸溶液Sを使用した以外は、実施例1と同様にして、透明導電性ガラス基板および透明導電性回路配線ガラス基板を作製した。なお、析出した銀の量は、210mg/mであった。また、金属銀粒子の平均粒子径は29nmであり、ポリアミド酸層の表面から100nmの範囲内に層状に分散して存在し、金属銀粒子の分散分布がポリアミド酸層の最表部で最も密となっていることが確認された。さらに、ポリアミド酸層の面方向に対して垂直な方向から観察したところ、金属銀粒子がほぼ均一に分散していることが確認され、ポリアミド酸層の単位面積に対して金属銀粒子が占める面積占有率は10%であった。また、イミド化前の酸化亜鉛薄膜の電気抵抗率は、1.92×10Ω/□であり、イミド化後の酸化亜鉛薄膜の電気抵抗率は、1.90×10−2Ω/□であった。また、酸化亜鉛薄膜の可視光平均透過率は、70%であった。また、クロスカット試験による密着性評価では、25個中25個が残存した。
実施例5
実施例2におけるポリアミド酸溶液Sの代わりに、合成例2で得られたポリアミド酸溶液Sを使用した以外は、実施例2と同様にして、透明導電性回路配線ガラス基板を作製した。なお、析出した銀の量は、202mg/mであった。また、金属銀粒子の平均粒子径は26nmであり、ポリアミド酸層の表面から100nmの範囲内に層状に分散して存在し、金属銀粒子の分散分布がポリアミド酸層の最表部で最も密となっていることが確認された。さらに、ポリアミド酸層の面方向に対して垂直な方向から観察したところ、金属銀粒子がほぼ均一に分散していることが確認され、ポリアミド酸層の単位面積に対して金属銀粒子が占める面積占有率は11%であった。また、イミド化前の酸化亜鉛薄膜の電気抵抗率は、1.93×10Ω/□であり、イミド化後の酸化亜鉛薄膜の電気抵抗率は、1.91×10−2Ω/□であった。また、酸化亜鉛薄膜の可視光平均透過率は、72%であった。また、クロスカット試験による密着性評価では、25個中25個が残存した。
実施例6
実施例3におけるポリアミド酸溶液Sの代わりに、合成例2で得られたポリアミド酸溶液Sを使用した以外は、実施例3と同様にして、透明導電性ガラス基板および透明導電性回路配線ガラス基板を作製した。なお、析出した銀の量は、479mg/mであった。また、金属銀粒子の平均粒子径は65nmであり、ポリアミド酸層の表面から100nmの範囲内に層状に分散して存在し、金属銀粒子の分散分布がポリアミド酸層の最表部で最も密となっていることが確認された。さらに、ポリアミド酸層の面方向に対して垂直な方向から観察したところ、金属銀粒子がほぼ均一に分散していることが確認され、ポリアミド酸層の単位面積に対して金属銀粒子が占める面積占有率は22%であった。また、イミド化前の酸化亜鉛薄膜の電気抵抗率は、0.52×10Ω/□であり、イミド化後の酸化亜鉛薄膜の電気抵抗率は、0.50×10−2Ω/□であった。また、酸化亜鉛薄膜の可視光平均透過率は、63%であった。また、クロスカット試験による密着性評価では、25個中25個が残存した。
実施例7
実施例1におけるポリアミド酸溶液Sの代わりに、合成例3で得られたポリアミド酸溶液Sを使用した以外は、実施例1と同様にして、透明導電性ガラス基板および透明導電性回路配線ガラス基板を作製した。なお、析出した銀の量は、220mg/mであった。また、金属銀粒子の平均粒子径は22nmであり、ポリアミド酸層の表面から100nmの範囲内に層状に分散して存在し、金属銀粒子の分散分布がポリアミド酸層の最表部で最も密となっていることが確認された。さらに、ポリアミド酸層の面方向に対して垂直な方向から観察したところ、金属銀粒子がほぼ均一に分散していることが確認され、ポリアミド酸層の単位面積に対して金属銀粒子が占める面積占有率は12%であった。また、イミド化前の酸化亜鉛薄膜の電気抵抗率は、1.89×10Ω/□であり、イミド化後の酸化亜鉛薄膜の電気抵抗率は、1.87×10−2Ω/□であった。また、酸化亜鉛薄膜の可視光平均透過率は、73%であった。また、クロスカット試験による密着性評価では、25個中25個が残存した。
実施例8
実施例2におけるポリアミド酸溶液Sの代わりに、合成例3で得られたポリアミド酸溶液Sを使用した以外は、実施例2と同様にして、透明導電性回路配線ガラス基板を作製した。なお、析出した銀の量は、221mg/mであった。また、金属銀粒子の平均粒子径は60nmであり、ポリアミド酸層の表面から100nmの範囲内に層状に分散して存在し、金属銀粒子の分散分布がポリアミド酸層の最表部で最も密となっていることが確認された。さらに、ポリアミド酸層の面方向に対して垂直な方向から観察したところ、金属銀粒子がほぼ均一に分散していることが確認され、ポリアミド酸層の単位面積に対して金属銀粒子が占める面積占有率は11%であった。また、イミド化前の酸化亜鉛薄膜の電気抵抗率は、1.91×10Ω/□であり、イミド化後の酸化亜鉛薄膜の電気抵抗率は、1.90×10−2Ω/□であった。また、酸化亜鉛薄膜の可視光平均透過率は、73%であった。また、クロスカット試験による密着性評価では、25個中25個が残存した。
実施例9
実施例3におけるポリアミド酸溶液Sの代わりに、合成例3で得られたポリアミド酸溶液Sを使用した以外は、実施例3と同様にして、透明導電性ガラス基板および透明導電性回路配線ガラス基板を作製した。なお、析出した銀の量は、405mg/mであった。また、金属銀粒子の平均粒子径は54nmであり、ポリアミド酸層の表面から100nmの範囲内に層状に分散して存在し、金属銀粒子の分散分布がポリアミド酸層の最表部で最も密となっていることが確認された。さらに、ポリアミド酸層の面方向に対して垂直な方向から観察したところ、金属銀粒子がほぼ均一に分散していることが確認され、ポリアミド酸層の単位面積に対して金属銀粒子が占める面積占有率は21%であった。また、イミド化前の酸化亜鉛薄膜の電気抵抗率は、0.62×10Ω/□であり、イミド化後の酸化亜鉛薄膜の電気抵抗率は、0.60×10−2Ω/□であった。また、酸化亜鉛薄膜の可視光平均透過率は、65%であった。また、クロスカット試験による密着性評価では、25個中25個が残存した。
以上の実施例1〜9の概要を表1および表2に総括して掲載した。
Figure 2011060622
Figure 2011060622
表1および表2より、銀イオンの還元をホウ素系還元剤による湿式還元法で行った実施例3、6、9では、金属銀の析出量が多く、特に、イミド化後の酸化亜鉛皮膜の電気抵抗率が十分に低く、優れた導電性を有していることが確認された。一方、銀イオンの還元を紫外線による光還元法で行った実施例1、2、4、5、7、8では、湿式還元法に比べて酸化亜鉛皮膜の電気抵抗率は若干高めではあるが、優れた導電性を有していることが確認された。以上のような高い導電性は、金属銀を核触媒として形成される酸化亜鉛皮膜の導電性のみならず、金属銀そのものが酸化亜鉛皮膜の導電性を補完した結果であると考えられた。
また、銀イオンの還元を紫外線による光還元法で行った実施例1、2、4、5、7、8では、透過率が高くなる傾向がみられ、高い透明性が要求される液晶表示装置の透明電極などの用途に適していることが確認された。
また、クロスカット試験の結果から、実施例1〜9のすべてにおいて、透明導電性膜(酸化亜鉛皮膜)はポリイミド樹脂層を介して基材に高い密着性で積層されていることが確認された。
実施例10
実施例1におけるガラス基板G1の代わりに、作製例2のポリイミドフィルム基板P’を使用した以外、実施例1と同様にして、透明導電性樹脂基板および透明導電性回路配線樹脂基板を作製した。
実施例11
実施例3におけるガラス基板G1の代わりに、作製例2のポリイミドフィルム基板P’を使用した以外、実施例3と同様にして、透明導電性樹脂基板および透明導電性回路配線樹脂基板を作製した。
実施例12
実施例1におけるガラス基板G1の代わりに、ステンレス基材(厚み;20μm、Rz;0.5μm)を使用した以外、実施例1と同様にして、ステンレス基材の上にポリアミド酸層を形成し、銀イオン吸着及び紫外線による還元を行った後、酸化亜鉛薄膜を形成した。
得られた酸化亜鉛薄膜形成後のポリアミド酸層をステンレス基材から剥離し、ポリアミド酸フィルムを得、このフィルムの剥離面をガラス基板G1に重ね合わせ、真空ハイドロプレス連続式熱ラミネータを用いて、圧力1MPa、温度150℃、5分間の熱圧着を行った。この積層体を160℃で2分、190℃で30分、200℃で30分、220℃で3分、280℃、320℃、360℃で各1分ずつ段階的な熱処理を行ってイミド化を完結し、透明導電性ガラス基板を作製した。
実施例1と同様にして、上記透明導電性ガラス基板における酸化亜鉛薄膜側の表面に、レジストパターンを形成し、酸化亜鉛薄膜及びポリイミド樹脂層(バインダー層)をエッチング除去した後、レジストを除去することで、透明導電性回路配線ガラス基板を作製した。
実施例13
実施例1におけるガラス基板G1の代わりに、ステンレス基材(厚み;20μm、Rz;0.5μm)を使用した以外、実施例1と同様にして、ステンレス基材の上にポリアミド酸層を形成し、銀イオン吸着及び紫外線による還元を行った後、酸化亜鉛薄膜を形成した。
得られた酸化亜鉛薄膜形成後のポリアミド酸層を、160℃で2分、190℃で30分、200℃で30分、220℃で3分、280℃、320℃、360℃で各1分ずつ段階的な熱処理を行ってイミド化を完結した後、ステンレス基材から剥離し、ポリイミドフィルムを得、このフィルムの剥離面を作製例2のポリイミドフィルム基板P’に重ね合わせ、真空ハイドロプレス連続式熱ラミネータを用いて、圧力20MPa、温度340℃、1分間の熱圧着を行い、透明導電性樹脂基板を作製した。
実施例1と同様にして、上記透明導電性樹脂基板における酸化亜鉛薄膜側の表面に、レジストパターンを形成し、酸化亜鉛薄膜及びポリイミド樹脂層(バインダー層)をエッチング除去した後、レジストを除去することで、透明導電性回路配線樹脂基板を作製した。
比較例1
5Nの水酸化カリウム水溶液の中に、ポリイミドフィルム(東レ・デュポン株式会社製、商品名:カプトンEN、100mm×100mm×25μm厚)を50℃、10分間浸漬した。その後、浸漬したポリイミドフィルムをイオン交換水で充分水洗し、1重量%濃度の塩酸水溶液(25℃)に30秒浸漬した後、さらにイオン交換水で充分水洗し、圧縮空気を吹き付けて乾燥することで、1.4μm厚みのアルカリ処理層を形成した。このアルカリ処理層を0.1Mの硝酸銀水溶液に10分間浸漬して銀イオンを吸着させた後、実施例1と同様にして、紫外線照射による銀イオンの還元処理及び硝酸亜鉛水溶液による処理により、アルカリ処理層の表層部に50nm厚みの酸化亜鉛薄膜を形成した。形成した酸化亜鉛配線の電気抵抗率は、3.10×10Ω/□であった。
得られた酸化亜鉛薄膜形成後のフィルムを、160℃で2分、190℃で30分、200℃で30分、220℃で3分、280℃、320℃、360℃で各1分ずつ段階的な熱処理を行ってイミド化を完結した。酸化亜鉛薄膜の電気抵抗率は、9.50×10Ω/□であった。また、このフィルムの400nmでの光透過率は0%、可視光平均透過率は25%であった。
比較例2
実施例1において0.1Mの硝酸銀水溶液に10分間浸漬したことに代えて、0.1Mの酢酸パラジウム水溶液に10分間浸漬したこと以外は、実施例1と同様にして、ポリアミド酸層の表層部に50nm厚みの酸化亜鉛薄膜を形成した。形成した酸化亜鉛配線の電気抵抗率は、1.12×10Ω/□であった。
得られた酸化亜鉛薄膜形成後のポリアミド酸層を、160℃で2分、190℃で30分、200℃で30分、220℃で3分、280℃、320℃、360℃で各1分ずつ段階的な熱処理を行ってイミド化を完結した。酸化亜鉛薄膜の電気抵抗率は、6.31×10Ω/□であった。
比較例3
実施例1と同様にして、合成例1のポリアミド酸溶液Sをガラス基板G1の上に塗布、乾燥して厚さ1μmのポリアミド酸層を形成した後、硝酸銀水溶液に浸漬し、イオン交換反応により銀イオンを吸着させ、紫外線照射による銀イオンの還元処理を行うことで、ポリアミド酸層の表層部に銀析出層を形成した。ポリアミド酸層中に残存している銀イオンを除去後、125℃で3分間乾燥した後、更に160℃で2分、190℃で30分、200℃で30分、220℃で3分、280℃、320℃、360℃で各1分ずつ段階的な熱処理を行い、イミド化を完結した。上記のポリイミドを0.05Mの硝酸亜鉛水溶液および0.05Mのジメチルアミンボラン水溶液の混合溶液に50℃で120分間浸漬し、水洗後、130℃で5分間乾燥させることにより、ポリイミドの表層部に50nm厚みの不連続の酸化亜鉛薄膜を形成した。形成した酸化亜鉛配線の電気抵抗率は、7.01×10Ω/□であった。
比較例4
無アルカリガラスを、5g/L濃度の脱脂洗浄剤(上村工業株式会社製、商品名:アサヒクリーナーC−4000)で洗浄し、50mL/L濃度の表面調整剤(上村工業株式会社製、商品名:スルカップCD−202)の溶液に45℃で5分間浸漬した後、水洗を行った。次いで100mL/L濃度の錫溶液(上村工業株式会社製、商品名:S−10X)及び20mL/L濃度の塩酸水溶液の混合液に20℃で1分間浸漬することにより、センシタイジング処理を行った後、100mL/L濃度のパラジウム溶液(上村工業株式会社製、商品名:A−10X)に20℃で1分間浸漬することにより、アクチベーティング処理を行った。上記の表面処理面を0.05Mの硝酸亜鉛水溶液および0.05Mのジメチルアミンボラン水溶液の混合溶液に50℃で120分間浸漬し、水洗後、125℃で3分間乾燥させることにより、50nm厚みの酸化亜鉛薄膜を形成した。形成後、窒素雰囲気で500℃、30分間の加熱処理を行った。酸化亜鉛薄膜の電気抵抗率は、9.50×10Ω/□であった。
ポリイミドフィルムのアルカリ処理によってポリアミド酸層を形成した比較例1、ポリアミド酸層にパラジウムイオンを付着させた比較例2、イミド化後の湿式めっきによって酸化亜鉛薄膜を形成した比較例3、バインダー層を設けずに無電解めっき法によって得られた酸化亜鉛薄膜を加熱処理した比較例4では、いずれも実施例1〜9に比べて電気抵抗率が高く、導電性の点で劣っていた。
以上、本発明の実施の形態を述べたが、本発明は上記実施の形態に制約されることはなく、種々の変形が可能である。例えば、透明導電性膜積層体20は、透明基材1、バインダー層13、金属銀粒子5及び酸化亜鉛皮膜11以外に、本発明の効果を損なわない範囲で任意の層(例えば電気めっき層など)を備えることができる。
1…透明基材、3…ポリアミド酸層、5…金属銀粒子、11…酸化亜鉛皮膜、13…バインダー層、20…透明導電性膜積層体

Claims (10)

  1. 透明基材の上に透明導電性膜を積層形成してなる透明導電性膜積層体の製造方法であって、
    a)前記透明基材の表面に、ポリアミド酸溶液を塗布して乾燥させ、ポリアミド酸層を形成する工程、
    b)前記ポリアミド酸層に銀イオンを含有する溶液を含浸させることによって銀イオンを前記ポリアミド酸層に付着させる工程、
    c)前記ポリアミド酸層に付着した銀イオンを還元して金属銀粒子を析出させる工程、
    d)前記ポリアミド酸層に、還元剤、硝酸イオンおよび亜鉛イオンを含有する混合溶液を接触させ、前記金属銀粒子を触媒核として、前記ポリアミド酸層の表面に酸化亜鉛を含む透明導電性膜を形成する工程、および、
    e)前記透明導電性膜が形成されたポリアミド酸層を加熱してイミド化しポリイミド樹脂層を形成することにより、該ポリイミド樹脂層をバインダー層として前記透明基材と前記透明導電性膜との間に介在させた透明導電性膜積層体を形成する工程、
    を備えていることを特徴とする透明導電性膜積層体の製造方法。
  2. 透明基材の上に透明導電性膜を積層形成してなる透明導電性膜積層体の製造方法であって、
    a’)基材上に、ポリアミド酸溶液を塗布して乾燥させ、ポリアミド酸層を形成する工程、
    b)前記ポリアミド酸層に銀イオンを含有する溶液を含浸させることによって銀イオンを前記ポリアミド酸層に付着させる工程、
    c)前記ポリアミド酸層に付着した銀イオンを還元して金属銀粒子を析出させる工程、および、
    d)前記ポリアミド酸層に、還元剤、硝酸イオンおよび亜鉛イオンを含有する混合溶液を接触させ、前記金属銀粒子を触媒核として、前記ポリアミド酸層の表面に酸化亜鉛を含む透明導電性膜を形成する工程、を備え、さらに、
    x)前記透明導電性膜が形成されたポリアミド酸層を加熱してイミド化しポリイミド樹脂層を形成する工程、
    y)前記透明導電性膜が形成されたポリアミド酸層もしくはポリイミド樹脂層を前記基材から剥離する工程、並びに、
    z)前記剥離したポリアミド酸層もしくはポリイミド樹脂層の剥離面に透明基材を重ね合わせ、熱圧着することにより、該ポリアミド酸層もしくはポリイミド樹脂層をバインダー層として前記透明基材と前記透明導電性膜との間に介在させた透明導電性膜積層体を形成する工程、
    を備えており、
    前記工程x、工程y及び工程zを、x、y、zの順、y、x、zの順、もしくは、y、z、xの順に行うか、または、工程yの後で、工程xの加熱によるイミド化を工程zの熱圧着と同時に行うことを特徴とする透明導電性膜積層体の製造方法。
  3. 前記工程a)または工程a’)で形成されるポリアミド酸層の厚みが、0.5〜3μmの範囲内である請求項1または請求項2に記載の透明導電性膜積層体の製造方法。
  4. 前記工程c)の後、工程d)の前に、工程f)前記ポリアミド酸層を酸処理して残留した銀イオンを除去する工程、を含む請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の透明導電性膜積層体の製造方法。
  5. 前記工程c)では、湿式還元法または光還元法により金属銀粒子を析出させる請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の透明導電性膜積層体の製造方法。
  6. 前記工程c)でフォトマスクを用いて光還元を行うことにより金属銀粒子を所定のパターンで析出させ、該パターンに基づき、前記工程d)で透明導電性膜を形成する請求項5に記載の透明導電性膜積層体の製造方法。
  7. 前記ポリイミド樹脂層が、熱可塑性のポリイミド樹脂により構成される請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の透明導電性膜積層体の製造方法。
  8. 透明基材と、
    前記透明基材上に形成されたポリイミド樹脂を含むバインダー層と、
    前記ポリイミド樹脂層上に形成された酸化亜鉛を含む透明導電性膜と、
    前記透明導電性膜と前記バインダー層との間に析出した金属銀粒子と、
    を備える透明導電性膜積層体。
  9. 前記バインダー層が、0.5〜3μmの範囲内の厚さである請求項8に記載の透明導電性膜積層体。
  10. 前記金属銀粒子は、前記透明導電性膜と前記バインダー層との界面から深さ方向に500nmまでの範囲内に層状に分散して存在する請求項9に記載の透明導電性膜積層体。
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JP2015527222A (ja) * 2012-06-22 2015-09-17 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニーE.I.Du Pont De Nemours And Company ポリイミド金属張積層体
JP2017502462A (ja) * 2013-09-06 2017-01-19 ソルベイ スペシャルティ ポリマーズ イタリー エス.ピー.エー. 導電性アセンブリ

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