JP2011059904A - 状態推定装置及び制御装置 - Google Patents

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博志 藤本
Koichi Sakata
晃一 坂田
Kazuaki Saeki
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Abstract

【課題】制御対象の状態(例えば速度)を精度良く推定でき、且つ、サンプル遅れを防止可能な状態推定装置を提供する。
【解決手段】制御対象であるプラントへの制御入力と前記プラントの状態とに基づき前記プラントの状態変数を推定する、オブザーバを含んで構成された状態推定装置11において、前記オブザーバは、前記プラントの状態のサンプリング値であって時間間隔が互いにN(Nは2以上の整数)サンプル離れたサンプリング値と、前記制御入力の連続するサンプリング値とに基づいて、前記状態変数を推定する。
【選択図】図2

Description

本発明は、制御対象の状態を推定する状態推定装置、及び、当該状態推定装置を利用して制御対象を制御する制御装置に関する。
露光装置や工作機械等における位置制御では、位置センサによって得られた位置情報に基づいて制御対象の位置を制御することに加えて、当該位置情報から算出される速度情報に基づいて制御対象の速度を制御することで、高精度な位置制御を行うことが可能である。ここで、速度は位置の差分により算出できるが、位置センサの分解能が十分でない場合には、差分の計算結果に含まれる誤差が大きくなって正確な速度を求めることができず、制御の性能が低下してしまう(例えば、非特許文献1参照)。また、差分計算であるが故、得られる速度情報は位置センサのサンプリング周期に対して少なくとも半サンプル遅れたものとなり、制御に遅延が発生してしまう。
R. C. Kavanagh and J. M. D. Murphy, "The effects of quantization noise and sensor nonideality on digital-differentiator-based velocity measurement", IEEE Trans. Instrumentation and Measurement, vol. 47, no. 6, pp. 1457-1463, 1998. Y. Hori, T. Umeno, T. Uchida, and Y. Konno, "An instantaneous speed observer for high performance control of dc servo motor using DSP and low precision shaft encoder", in Proc. 4th European Conf. Power Electronics, vol. 3, pp. 647-652, 1991. K. Fujita and K. Sado, "Instantaneous speed detection with parameter identification for ac servo systems", IEEE Trans. Industry Applications, vol. 28, no. 4, pp. 864-872, 1992.
そこで、位置センサのサンプリング周期を長くとることによって、見かけ上、位置センサの分解能が上がり速度の算出精度を向上させることができる(例えば、非特許文献2参照)が、その反面、サンプリング周期が長くなることで、差分計算におけるサンプル遅れが大きくなってしまうという問題がある。
また、制御対象の速度を求める他の方法として、制御対象のモデルに基づき、同一次元オブザーバや最小次元オブザーバを用いて速度を推定する方法が考えられる(例えば、非特許文献3参照)。この方法では、サンプル遅れの問題は生じないが、推定により得られる速度の精度が十分でないという問題がある。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、その目的は、制御対象の状態(例えば速度)を精度良く推定でき、且つ、サンプル遅れを防止可能な状態推定装置を提供すること、及び、当該状態推定装置を利用して制御対象を制御する制御装置を提供することにある。
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、本発明に係る状態推定装置は、制御対象であるプラントへの制御入力と前記プラントの状態とに基づき前記プラントの状態変数を推定する、オブザーバを含んで構成された状態推定装置において、前記オブザーバは、前記プラントの状態のサンプリング値であって時間間隔が互いにN(Nは2以上の整数)サンプル離れたサンプリング値と、前記制御入力の連続するサンプリング値とに基づいて、前記状態変数を推定する。
また、本発明に係る状態推定装置は、制御対象であるプラントへの制御入力と前記プラントの状態とに基づき、オブザーバの第1,第2,第3,第4,及び第5係数行列を用いて前記プラントの状態変数を推定する状態推定装置において、前記制御入力のサンプリング値を遅延させて前記サンプリング値に対してそれぞれj(1≦j≦N,Nは2以上の整数)サンプル遅延したN個の遅延制御入力を算出する第1遅延部と、中間変数をNサンプル遅延させる第2遅延部と、前記プラントの状態を検出するセンサの出力のサンプリング値をNサンプル遅延させる第3遅延部と、前記N個の遅延制御入力に前記第1係数行列を乗じた積と前記第2遅延部により遅延させられた中間変数に前記第2係数行列を乗じた積と前記第3遅延部により遅延させられたセンサ出力のサンプリング値に前記第3係数行列を乗じた積とを加算して前記中間変数として出力する第1加算部と、前記第1加算部から出力された中間変数に前記第4係数行列を乗じた積と前記センサの出力のサンプリング値に前記第5係数行列を乗じた積とを加算して前記状態変数として出力する第2加算部と、を備える。
また、本発明に係る状態推定装置は、上記の状態推定装置において、前記制御入力のサンプリング値を前記プラントの制御系に存在するむだ時間に応じて遅延させた遅延制御入力と前記第2加算部から出力された状態変数とに基づいて、前記状態変数に含まれるむだ時間を補償する補償部を備える。
また、本発明に係る状態推定装置は、上記の状態推定装置において、前記センサ出力のサンプリング値は、前記センサ出力の複数サンプルの移動平均値であり、前記補償部は、前記複数サンプルの移動平均に基づく遅れを含むむだ時間を補償する。
また、本発明に係る制御装置は、上記の状態推定装置と、前記状態推定装置によって推定されたプラントの状態変数に基づいて前記プラントをフィードバック制御する制御器と、を含む。
本発明によれば、制御対象の状態を精度良く推定でき、且つ、サンプル遅れを防止することができる。
本発明の第1の実施形態による状態推定装置の構成を示す機能ブロック図である。 本発明の第2の実施形態による状態推定装置の構成を示す機能ブロック図である。 本発明の第3の実施形態による制御装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第4の実施形態による制御装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第5の実施形態による露光装置の構成図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳しく説明する。なお、以下では最小次元オブザーバを用いた例を説明するが、全次元オブザーバも同様に適用可能である。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態による状態推定装置の構成を示す機能ブロック図である。状態推定装置10は、制御対象(プラント)(図3参照)への制御指令である制御入力u[k]と不図示の位置センサによって検出された制御対象の位置y[k]とに基づいて制御対象の状態x[k]を推定する装置であり、第1遅延部110と、第2遅延部120と、第3遅延部130と、第1係数行列で特徴付けられた第1係数行列乗算部210と、第2係数行列で特徴付けられた第2係数行列乗算部220と、第3係数行列で特徴付けられた第3係数行列乗算部230と、第4係数行列で特徴付けられた第4係数行列乗算部240と、第5係数行列で特徴付けられた第5係数行列乗算部250と、第1加算部310と、第2加算部320とを有している。また、第1遅延部110は、N個の遅延部110−1〜110−Nを有している。
ここで、制御入力は、例えば制御対象を駆動するモータへの電流指令値であり、制御対象の状態とは、位置、速度、加速度、加加速度(ジャーク)等である。但し、これらに限定されるものではない。また、kはサンプリング周期Tのサンプリング時刻を示すインデックスであり、Nは2以上の整数である。
また、第1係数行列乗算部210を特徴付ける第1係数行列は、サンプリング周期N・Tでマルチレート化した制御対象により次式(1)で定義される最小次元オブザーバの係数行列J^に対応し、他も同様に、第2係数行列は式(1)の係数行列A^に、第3係数行列は係数行列B^に、第4係数行列は係数行列C^に、第5係数行列は係数行列D^に、それぞれ対応する。なお、記号“^”は式(1)中のハット記号を表す。
Figure 2011059904
但し、上記マルチレート化した制御対象は、次式(2)で表されるものとする。また、外乱を含む制御対象の拡大系連続時間状態方程式は、可制御正準実現により次式(3),(4)で表され、式(3)に対応するサンプリング周期Tでの拡大系離散時間方程式は、次式(5)で表されるものとする。
Figure 2011059904
Figure 2011059904
Figure 2011059904
Figure 2011059904
第1遅延部110は、サンプリング周期T毎に制御入力u[k]を遅延させて、遅延前の制御入力u[k]に対してそれぞれ1,2,…,Nサンプル遅延したN個の遅延制御入力u[k−1],u[k−2],…,u[k−N]を生成する。即ち、遅延部110−1は制御入力u[k]を1サンプル遅延させ、遅延部110−2は制御入力u[k]を2サンプル遅延させ、…、遅延部110−Nは制御入力u[k]をNサンプル遅延させる。
第1係数行列乗算部210は、第1係数行列(係数行列J^)とN個の遅延制御入力u[k−1],u[k−2],…,u[k−N]を縦に配列したベクトルとをサンプリング周期T毎に乗算し、結果を第1加算部310へ出力する。
第1加算部310は、第1係数行列乗算部210の出力と、後述する第2係数行列乗算部220の出力と、後述する第3係数行列乗算部230の出力とをサンプリング周期T毎に加算し、加算結果を中間変数ξ[k]として出力する。
第2遅延部120は、サンプリング周期T毎に中間変数ξ[k]をNサンプル遅延させ、遅延後の中間変数ξ[k−N]を第2係数行列乗算部220へ出力する。
第2係数行列乗算部220は、第2係数行列(係数行列A^)と遅延した中間変数ξ[k−N]とをサンプリング周期T毎に乗算し、結果を第1加算部310へ出力する。
第3遅延部130は、サンプリング周期T毎に制御対象の位置y[k]をNサンプル遅延させ、遅延後の位置y[k−N]を第3係数行列乗算部230へ出力する。
第3係数行列乗算部230は、第3係数行列(係数行列B^)と遅延した位置y[k−N]とをサンプリング周期T毎に乗算し、結果を第1加算部310へ出力する。
第4係数行列乗算部240は、第4係数行列(係数行列C^)と中間変数ξ[k]とをサンプリング周期T毎に乗算し、結果を第2加算部320へ出力する。
第5係数行列乗算部250は、第5係数行列(係数行列D^)と制御対象の位置y[k]とをサンプリング周期T毎に乗算し、結果を第2加算部320へ出力する。
第2加算部320は、第4係数行列乗算部240の出力と第5係数行列乗算部250の出力とをサンプリング周期T毎に加算する。この加算結果が、制御対象の推定された状態x^[k]である。
以上説明した状態推定装置10の各部による計算アルゴリズムをまとめると、次式(6)のように表すことができる。
Figure 2011059904
式(6)から分かるように、時刻kにおける制御対象の状態x^[k]は、時間間隔が互いにNサンプル離れた位置y[k],y[k−N],y[k−2N],…に基づいて計算されるので、サンプリング周期をTのN倍に長くしたのと同様に、見かけ上位置センサの分解能が上がり、状態x^[k]の推定精度を向上させることができる。また、従来のような差分計算ではないため、サンプル遅れが生じることがない。更に、式(6)において各変数の更新はサンプリング周期T毎に行われるので、位置センサの出力データを全て有効に利用でき、従来の最小次元オブザーバの更新周期(式(1)でマルチレート化された制御対象のサンプリング周期N・T)よりも短いサンプリング周期Tで制御対象の状態x^[k]を求めることができる。
(第2の実施形態)
図2は、本発明の第2の実施形態による状態推定装置の構成を示す機能ブロック図である。第2の実施形態では、制御対象の状態を推定するにあたって制御系に存在するむだ時間を考慮する。状態推定装置11は、図1の構成に加えて、更にむだ時間補償部400を有している。また、むだ時間補償部400は、複数個の遅延部410−1〜410−Kと、第1乗算部420と、第2乗算部430と、加算部440とを有している。
ここで、制御系に存在するむだ時間は、制御装置(図3参照)の演算クロックを基準として、入力端むだ時間(ndi)と出力端むだ時間(ndo)の2種類に分類することができる。入力端むだ時間としては、例えば、状態推定装置11内部の計算に要する時間や図3に示す駆動装置30において生じる遅れ時間等が存在する。また、出力端むだ時間としては、例えば位置センサからの出力データに含まれる遅れ時間等が存在する。そのむだ時間の長さndoはサンプリング周期TのK倍(Kは整数)であるとする。このとき、位置センサの出力データ(位置)は、y[k−ndo]と表されることになる。なお、むだ時間の長さndoはサンプリング周期Tの非整数倍であってもよい。
第1遅延部110は、サンプリング周期T毎に制御入力u[k]を遅延させて、遅延前の制御入力u[k]に対してそれぞれ1+ndo,2+ndo,…,N+ndoサンプル遅延したN個の遅延制御入力u[k−1−ndo],u[k−2−ndo],…,u[k−N−ndo]を生成する。即ち、遅延部110−1は制御入力u[k]を1+ndoサンプル遅延させ、遅延部110−2は制御入力u[k]を2+ndoサンプル遅延させ、…、遅延部110−Nは制御入力u[k]をN+ndoサンプル遅延させる。
第1係数行列乗算部210は、第1係数行列(係数行列J^)とN個の遅延制御入力u[k−1−ndo],u[k−2−ndo],…,u[k−N−ndo]を縦に配列したベクトルとをサンプリング周期T毎に乗算し、結果を第1加算部310へ出力する。
第1加算部310は、第1係数行列乗算部210の出力と、後述する第2係数行列乗算部220の出力と、後述する第3係数行列乗算部230の出力とをサンプリング周期T毎に加算する。各係数行列乗算部の出力にはむだ時間ndoが含まれるため、この加算結果もむだ時間ndoを含んでいる。以降、第1加算部310の加算結果を中間変数ξ[k−ndo]と表記する。
第2遅延部120は、サンプリング周期T毎に中間変数ξ[k−ndo]をNサンプル遅延させ、遅延後の中間変数ξ[k−N−ndo]を第2係数行列乗算部220へ出力する。
第2係数行列乗算部220は、第2係数行列(係数行列A^)と遅延した中間変数ξ[k−N−ndo]とをサンプリング周期T毎に乗算し、結果を第1加算部310へ出力する。
第3遅延部130は、サンプリング周期T毎に、むだ時間ndoを含んだ制御対象の位置y[k−ndo]をNサンプル遅延させ、遅延後の位置y[k−N−ndo]を第3係数行列乗算部230へ出力する。
第3係数行列乗算部230は、第3係数行列(係数行列B^)と遅延した位置y[k−N−ndo]とをサンプリング周期T毎に乗算し、結果を第1加算部310へ出力する。
第4係数行列乗算部240は、第4係数行列(係数行列C^)とむだ時間ndoを含んだ中間変数ξ[k−ndo]とをサンプリング周期T毎に乗算し、結果を第2加算部320へ出力する。
第5係数行列乗算部250は、第5係数行列(係数行列D^)とむだ時間ndoを含んだ制御対象の位置y[k−ndo]とをサンプリング周期T毎に乗算し、結果を第2加算部320へ出力する。
第2加算部320は、第4係数行列乗算部240の出力と第5係数行列乗算部250の出力とをサンプリング周期T毎に加算する。各係数行列乗算部の出力にはむだ時間ndoが含まれるため、この加算結果もむだ時間ndoを含んでいる。つまり、この加算結果は、むだ時間ndoを含んだ制御対象の推定状態x^[k−ndo]である。
むだ時間補償部400の第1乗算部420は、次式(7)で定義される係数行列Aとむだ時間ndoを含んだ推定状態x^[k−ndo]とをサンプリング周期T毎に乗算し、結果を加算部440へ出力する。
Figure 2011059904
むだ時間補償部400の遅延部410−1は、サンプリング周期T毎に制御入力u[k]を1サンプル遅延させ、遅延後の制御入力u[k−1]を出力する。同様に、遅延部410−2は、サンプリング周期T毎に制御入力u[k]を2サンプル遅延させて遅延後の制御入力u[k−2]を出力し、…、遅延部410−Kは、サンプリング周期T毎に制御入力u[k]をndoサンプル遅延させて遅延後の制御入力u[k−ndo]を出力する。
むだ時間補償部400の第2乗算部430は、上式(7)で定義された係数行列BとK個(ndo個)の遅延した制御入力u[k−1],u[k−2],…,u[k−ndo]を縦に配列したベクトルとをサンプリング周期T毎に乗算し、結果を加算部440へ出力する。
加算部440は、第1乗算部420の出力と第2乗算部430の出力とをサンプリング周期T毎に加算する。この加算結果が、むだ時間ndoを含まない制御対象の推定状態x^[k]である。
以上説明した状態推定装置11の各部による計算アルゴリズムをまとめると、次式(8),(9)のように表すことができる。
Figure 2011059904
Figure 2011059904
式(8)によれば、第2の実施形態の状態推定装置11においても、第1の実施形態の状態推定装置10と同様の上述した効果を得られる。更に、式(7)及び(9)によれば、第2の実施形態の状態推定装置11は、むだ時間ndoを含んだ制御対象の推定状態x^[k−ndo]からむだ時間を含まない制御対象の状態x^[k]を推定することができ、サンプル遅れを防止可能である。
(第3の実施形態)
図3は、本発明の第3の実施形態による制御装置の構成を示すブロック図である。制御装置1は、上述した状態推定装置11と、目標軌道生成部21と、フィードフォワード制御器22と、状態フィードバック制御器23と、入力端むだ時間補償部24とを有している。なお、状態推定装置11に代えて状態推定装置10を用いてもよい。
目標軌道生成部21は、制御対象40を移動させるべき目標の位置に基づいて、制御対象40の目標軌道y[k]を生成する。ここで、目標軌道y[k]は、制御対象40が制御開始位置から制御終了位置(目標位置)まで移動していく途中の任意の時刻における制御対象40の位置、速度、加速度等を指示する情報であり、目標位置から目標軌道を算出する方法は周知のものを適用すればよい。
フィードフォワード制御器22は、制御対象40の制御モデル(伝達関数)を保持しており、この制御モデルを用いて、上記の目標軌道y[k]に基づき駆動装置30への制御入力を生成する。
状態フィードバック制御器23は、状態推定装置11の出力に基づいて、即ち、制御対象40の状態(位置、速度、加速度等)と目標軌道との差分を状態推定装置11が推定した推定結果Δx[k]に基づいて、当該差分推定値Δx[k]がゼロとなるように駆動装置30への制御入力を生成する。換言すると、状態フィードバック制御部23は、制御対象40の状態が目標軌道と一致するように、フィードバック制御を行う。
入力端むだ時間補償部24は、制御対象40に作用する外乱を状態推定装置11が推定した推定外乱d[k]に行列Asd ndiを乗算することによって、制御系の入力端むだ時間ndiに相当するサンプル数だけ先の推定外乱d[k+ndi]を生成する。これにより、制御系に存在する入力端むだ時間が補償された推定外乱を用いた外乱の抑圧が可能となる。ここで、Asd=exp(Acd・T)である。
駆動装置30は、フィードフォワード制御器22からの制御入力と状態フィードバック制御器23からの制御入力と入力端むだ時間補償部24からの推定外乱とを加算した制御入力に従って、制御対象40を駆動する。
位置センサ50は、制御対象40の位置を検出し、検出した位置情報を状態推定装置11へ出力する。
遅延部26は、状態フィードバック制御器23からの制御入力と入力端むだ時間補償部24からの推定外乱を加算した制御入力に対して入力端むだ時間が補償された制御入力u[k+ndi]を、入力端むだ時間ndiに相当するサンプル数だけ遅延させて遅延後の制御入力u[k]を出力する。
遅延部27は、目標軌道生成部21からの目標軌道y[k]を出力端むだ時間ndoに相当するサンプル数だけ遅延させて遅延後の目標軌道y[k−ndo]を出力する。
状態推定装置11は、遅延部26からの制御入力u[k]、及び、位置センサ50により検出された制御対象40の位置y[k−ndo]と遅延した目標軌道y[k−ndo]との差分Δy[k−ndo]に基づいて、第2の実施形態において既述したように制御対象40の状態Δx[k](制御対象40の位置、速度、加速度等と目標軌道との差分)と外乱d[k]を推定する。これにより、例えば制御対象40の速度と速度の目標値との差分を精度良く推定することができ、制御対象40の制御性能を向上させることができる。なお、外乱d[k]も制御対象40の状態の1つであるが、ここではΔx[k]とd[k]を明示的に分けて表記した。
(第4の実施形態)
図4は、本発明の第4の実施形態による制御装置の構成を示すブロック図である。制御装置2は、上述した状態推定装置11と、目標軌道生成部21と、フィードフォワード制御器22と、入力端むだ時間補償部24と、P−PI補償器25を有している。なお、状態推定装置11に代えて状態推定装置10を用いてもよい。
目標軌道生成部21、フィードフォワード制御器22、入力端むだ時間補償部24、及び遅延部26,27は、上述した第3の実施形態と同じであるので説明を省略する。
P−PI補償器25は、状態推定装置11が推定した制御対象40の状態x^[k]のうちの1つである制御対象40の推定速度xvel[k]、及び、位置センサ50により検出された制御対象40の位置y[k−ndo]と目標軌道生成部21からの目標軌道との差分に基づいて、P−PI制御(比例−比例積分制御)を行い駆動装置30への制御入力を生成する。
駆動装置30は、フィードフォワード制御器22からの制御入力とP−PI補償器25からの制御入力と入力端むだ時間補償部24からの推定外乱とを加算した制御入力u[k]に従って、制御対象40を駆動する。
状態推定装置11は、駆動装置30への制御入力u[k]、及び、位置センサ50により検出された制御対象40の位置y[k−ndo]に基づいて、第2の実施形態において既述したように制御対象40の状態x^[k](制御対象40の位置、速度、加速度等と目標軌道との差分)と外乱d[k]を推定する(第3の実施形態と同様、ここではx^[k]とd[k]を明示的に分けて表記した)。これにより、例えば制御対象40の速度を精度良く推定することができ、制御対象40の制御性能を向上させることができる。
(第5の実施形態)
以上説明した第3及び第4の実施形態による制御装置は、例えば微細な回路パターンをガラス基板や半導体基板に焼き付ける露光装置用のステージ装置を駆動制御する制御装置として用いることができる。
図5は、上述の制御装置1又は2をステージ装置の制御装置に適用した露光装置の構成図である。露光装置901は、照明光学系902と、マスクMを保持して移動するマスクステージ装置903と、投影光学系PLと、ガラス基板Pを保持して移動する基板ステージ装置905と、を含んで構成される。マスクステージ装置903または基板ステージ装置905の少なくともいずれか一方には、駆動のため上述した制御装置1又は2を組み込んだステージ装置を用いる。
照明光学系902は、いずれも図示していない光源ユニット、シャッタ、2次光源形成光学系、ビームスプリッタ、集光レンズ系、レチクルブラインド、および結像レンズ系から構成され、マスクステージ装置903に保持されたマスクM上の所定の照明領域(回路パターンを含んでいる)を照明光ILにより均一な照度で照明する。
投影光学系PLは、光軸AX方向に沿って所定間隔で配置された複数枚のレンズエレメントを有する光学系(例えば屈折光学系)であり、照明光学系902からの照明光ILによってマスクMの照明領域が照明されると、このマスクMを通過した照明光により、投影光学系PLを介してマスクM上の照明領域の回路パターンの所定倍率の正立像がガラス基板P上に投影され、これによりガラス基板Pの表面に塗布されたフォトレジストが露光される。
以上、図面を参照してこの発明の一実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
例えば、図1の状態推定装置10又は図2の状態推定装置11において、位置センサによって検出された制御対象の位置y[k]に代えて、位置y[k]の複数サンプルの移動平均yfil[k]を用いてもよい。これにより、位置y[k]に存在している高周波成分を除去することができ、制御対象の状態の推定精度を更に向上することができる。なお、移動平均により生じるむだ時間を上述したむだ時間ndoに含めて考えれば、第2の実施形態と同様にサンプル遅れを防止することができる。
また、前述のように、上記各実施形態では最小次元オブザーバを用いて制御対象の状態を推定する例について説明したが、最小次元オブザーバの代わりに全次元オブザーバを用いることもできる。ここで、全次元オブザーバは、式(1)の各係数行列を、A^=A−KC、B^=K、C^=1、D^=0、J^=Bとしたオブザーバである。
また、第5の実施形態では本発明の制御装置を露光装置用のステージ装置に適用させた例を挙げたが、これに限定されない。例えば、ロボットアーム等の工作機械の位置決め装置等に本発明の制御装置を適用することも可能である。
1,2…制御装置 10,11…状態推定装置 21…目標軌道生成部 22…フィードフォワード制御器 23…状態フィードバック制御器 24…入力端むだ時間補償部 25…P−PI補償器 30…駆動装置 40…制御対象 50…位置センサ 110…第1遅延部 110−1〜110−N…遅延部 120…第2遅延部 130…第3遅延部 210…第1係数行列乗算部 220…第2係数行列乗算部 230…第3係数行列乗算部 240…第4係数行列乗算部 250…第5係数行列乗算部 310…第1加算部 320…第2加算部 400…むだ時間補償部 410−1〜410−K…遅延部 420…第1乗算部 430…第2乗算部 440…加算部

Claims (5)

  1. 制御対象であるプラントへの制御入力と前記プラントの状態とに基づき前記プラントの状態変数を推定する、オブザーバを含んで構成された状態推定装置において、
    前記オブザーバは、前記プラントの状態のサンプリング値であって時間間隔が互いにN(Nは2以上の整数)サンプル離れたサンプリング値と、前記制御入力の連続するサンプリング値とに基づいて、前記状態変数を推定する、
    状態推定装置。
  2. 制御対象であるプラントへの制御入力と前記プラントの状態とに基づき、オブザーバの第1,第2,第3,第4,及び第5係数行列を用いて前記プラントの状態変数を推定する状態推定装置において、
    前記制御入力のサンプリング値を遅延させて前記サンプリング値に対してそれぞれj(1≦j≦N,Nは2以上の整数)サンプル遅延したN個の遅延制御入力を算出する第1遅延部と、
    中間変数をNサンプル遅延させる第2遅延部と、
    前記プラントの状態を検出するセンサの出力のサンプリング値をNサンプル遅延させる第3遅延部と、
    前記N個の遅延制御入力に前記第1係数行列を乗じた積と前記第2遅延部により遅延させられた中間変数に前記第2係数行列を乗じた積と前記第3遅延部により遅延させられたセンサ出力のサンプリング値に前記第3係数行列を乗じた積とを加算して前記中間変数として出力する第1加算部と、
    前記第1加算部から出力された中間変数に前記第4係数行列を乗じた積と前記センサの出力のサンプリング値に前記第5係数行列を乗じた積とを加算して前記状態変数として出力する第2加算部と、
    を備える状態推定装置。
  3. 前記制御入力のサンプリング値を前記プラントの制御系に存在するむだ時間に応じて遅延させた遅延制御入力と前記第2加算部から出力された状態変数とに基づいて、前記状態変数に含まれるむだ時間を補償する補償部を備える請求項2に記載の状態推定装置。
  4. 前記センサ出力のサンプリング値は、前記センサ出力の複数サンプルの移動平均値であり、
    前記補償部は、前記複数サンプルの移動平均に基づく遅れを含むむだ時間を補償する、
    請求項3に記載の状態推定装置。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1の項に記載の状態推定装置と、
    前記状態推定装置によって推定されたプラントの状態変数に基づいて前記プラントをフィードバック制御する制御器と、
    を含む制御装置。
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