JP2011046997A - 無方向性電磁鋼板およびその製造方法 - Google Patents

無方向性電磁鋼板およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】磁気特性や鋼板品質にも優れる無方向性電磁鋼板、およびその製造方法を低コストで提供する。
【解決手段】質量%で、Si:5.0%以下、Mn:2.0%以下、Al:2.0%以下およびP:0.05%以下を、下記式(1)を満足する範囲において含み、さらにC:0.008%以上0.040%以下、N:0.003%以下およびTi:0.04%以下を、下記式(2)を満足する範囲において含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる、成分組成とする。

300≦85[Si%]+16[Mn%]+40[Al%]+490[P%]≦430 …(1)
0.008≦Ti*<1.2[C%] …(2)
但し、Ti*=Ti−3.4[N%]
【選択図】なし

Description

本発明は、無方向性電磁鋼板、特にタービン発電機、電気自動車およびハイブリッド自動車の駆動モータ、或いはロボットや工作機械のサーボモータなど、高速回転機のロータを典型例とする、大きな応力がかかる部品に用いて好適な、高強度で疲労特性に優れ、しかも優れた磁気特性を有する無方向性電磁鋼板およびその製造方法を従来よりも低コストで提供するものである。
近年、モータの駆動システムの発達により、駆動電源の周波数制御が可能となり、可変速運転を行うモータや商用周波数以上で高速回転を行うモータが増加している。このような高速回転を行うモータでは、回転体に作用する遠心力は回転半径に比例し、回転速度の2乗に比例して大きくなるため、特に中・大型の高速モータのロータ材には高強度が必要となる。
また、近年、ハイブリッド自動車の駆動モータやコンプレッサモータなどでの採用が増加している、埋め込み磁石型DCインバータ制御モータ(IPM)では、ロータ内の磁石埋設用溝とロータ外周との間や、磁石埋設溝間の幅数mm程度の狭いブリッジ部に応力が集中する。モータは高速回転とすることで小型化が可能となるため、スペースや重量制約のあるハイブリッド自動車の駆動モータなどでは、モータの高速回転化が指向されており、高速回転ロータに使用されるコア材料には高強度材が有利となる。
一方で、こうしたモータや発電機などの回転機器は、電磁気現象を利用するため、その鉄心コア素材には磁気特性に優れることも求められる。特に、高速回転モータのロータにおいては、高周波磁束で発生する渦電流によりコア温度が上昇し、埋設されている永久磁石の熱減磁の原因となったり、モータ効率が低下する要因ともなるため、高周波において低鉄損であることが求められている。従って、高強度でかつ磁気特性に優れる電磁鋼板がロータ用素材として要望されている。
鋼の強化機構には、固溶強化、析出強化、結晶粒微細化および加工硬化などがあり、これまでに、このようなニーズに対応した高強度の無方向性電磁鋼板がいくつか検討、そして提案されている。
ここに、固溶強化を活用したものとして、例えば特許文献1には、Si含有量を3.5〜7.0%と高めることを基本として、さらに固溶強化のためにTi,W,Mo,Mn,Ni,CoおよびAlなどの元素を添加して高強度化を図る方法が提案されている。さらに、特許文献2には、上記強化法に加え、仕上げ焼鈍条件の工夫により結晶粒径を0.01〜5.0mmに制御して磁気特性を改善する方法が提案されている。
しかしながら、これらの方法を工場生産に適用した場合、熱延後の圧延ラインでの板破断などのトラブルが生じやすく、歩留まり低下やライン停止が余儀なくされる場合があった。なお、冷間圧延を板温数百℃の温間で行えば、板破断は軽減されるものの、温間圧延のための設備対応が必要となること、生産上の制約が大きくなることなど、工程管理上の問題を無視できなくなる。
また、炭窒化物の析出を利用する技術として、特許文献3には、Si含有量が2.0%以上4.0%未満の鋼において、Cを0.05%以下とし、Nb、Zr、TiおよびVのうち、1種または2種を、0.1<(Nb+Zr)/8(C+N) <1.0、0.4<(Ti+V)/4(C+N) <4.0の範囲で含有して、炭窒化物による析出硬化および細粒化効果を利用する技術が提案されている。
同様に、特許文献4には、前記特許文献3に記載された事項に加えて、NiおよびMnを合計で0.3%以上10%以下添加して固溶強化した上で、前記特許文献3に記載されたと同様の比率のNb、Zr、TiおよびVを添加して、高強度並びに磁気特性の両立をはかる技術が提案されている。
しかしながら、これらの方法で高い強度を得た場合、磁気特性の劣化が避けられないのに加え、析出物に起因するヘゲなどの表面欠陥や内部欠陥が生じやすく製品品質の低下を招き、さらに欠陥除去のための歩留まり落ちや鋼板製造時の破断トラブルを生じやすいため、コスト高となるといった問題がある。また、特許文献4に記載の技術では、Niのような高価な固溶強化元素を添加しているため、一層大幅なコスト高を招くこととなる。
さらに、加工硬化を利用した技術として、特許文献5には、0.2〜3.5%のSiを含有する鋼に対して、鋼材内部に加工組織を残存させることにより高強度化を図る技術が提案されている。具体的には、冷間圧延後に熱処理を行わないか、行っても750℃で30秒保持に相当する程度を超えるものではなく、好ましくは700℃以下、さらに好ましくは650℃以下、600℃以下、550℃以下および500℃以下とする手段が開示されている。ここでは、750℃×30秒の焼鈍で加工組織率5%、同700℃×30秒で20%、同600℃×30秒で50%を実績として例示している。この場合、焼鈍温度が低温であるために、圧延ストリップの形状矯正が十分に行われないという問題があった。鋼板形状が不良であると、モータ用のコアなどに積層加工した後の占積率が低下すること、ロータとして高速回転したときの応力分布が不均一となること、などの問題が生じる。また、鋼組成および焼鈍温度によって加工粒と再結晶粒の比率が大幅に変化するため、安定した特性が得がたいという、問題もある。さらに、一般に無方向性電磁鋼板の仕上げ焼鈍は連続焼鈍炉を用いて行われており、炉内は鋼板表面の酸化を抑制するために数%以上の水素ガスを含む雰囲気に調整されているのが通例である。こうした連続焼鈍設備において、700℃を下回るような低温焼鈍を実施するには、炉温設定の切り替えに時間を要するだけでなく、水素爆発を回避するために炉内雰囲気の置換が必要となるなどの、多大な操業上の制約が生じることとなる。
発明者らは、以上の技術背景から、特許文献6において、CおよびNを低減した珪素鋼において、TiをCおよびNに対して十分過剰に添加することで珪素鋼の再結晶温度を高め、仕上げ焼鈍での鋼板形状矯正と未再結晶組織による強化を両立した高強度電磁鋼板を提案した。この方法は、Tiの添加量が比較的に高いために合金コストが高くなること、また未再結晶組織が残存するため機械的特性がばらつく可能性があること、などに課題が残されていた。
特開昭60−238421号公報 特開昭62-112723号公報 特開平6−330255号公報 特開平2−8346号公報 特開2005−113185号公報 特開2007-186790号公報
以上、高強度の無方向性電磁鋼板に関していくつかの提案がなされてきているものの、これまでの提案では、高い引張強さや高い疲労強度に加えて、良好な磁気特性を有し、さらに表面欠陥および内部欠陥や板形状といった、鋼板品質の課題をも満足する、高強度無方向性電磁鋼板を、通常の電磁鋼板製造設備を用いて工業的に安定して、歩留まり良く安価に製造することは達成出来ていないのが現状である。特に、これまでに高速回転ロータ用に提供されている、高強度の電磁鋼板では、磁気特性すなわち高周波鉄損が高いためロータの発熱が避けられず、モータの設計仕様の制限が余儀なくされる状況にあった。
そこで、本発明の目的は、磁気特性や鋼板品質にも優れる無方向性電磁鋼板、およびその製造方法を低コストで提供すること、具体的には、引張強さ650MPa以上、望ましくは700MPa以上で、良好な高周波低鉄損特性、例えば板厚0.35mm材のW10/400値が40W/kg以下、望ましくは35W/kg以下を両立する、無方向性電磁鋼板を、工業的に安定して、しかも低コストで製造するための手段を提供することである。
発明者らは、上記の目的を高い次元で達成可能な高強度電磁鋼板およびその製造方法について種々の検討を行った。その結果、TiとCの添加量並びに添加比率が電磁鋼板の強度特性および磁気特性のバランスに深く関与することを突き止め、Ti炭化物の析出量を適正化することによって、優れた特性を有する高強度電磁鋼板を安定して低コストで製造出来ることを見出した。
すなわち、本発明は以下の知見に立脚するものである。
(イ)比較的少量のTi炭化物の存在により、電磁鋼板の仕上げ焼鈍における結晶粒の成長は抑制でき、結晶粒の微細化による強化が図れること。
(ロ)Ti炭化物の量が多すぎても結晶粒成長の抑制効果には寄与しないばかりか、表面欠陥や内部欠陥が増加し鋼板品質が低下したり、破壊起点となる等の悪影響をもたらすこと。一方、Tiの添加を適正範囲に制御することにより、ヘゲなどの表面欠陥や内部欠陥は大幅に減少すること。
一方、Ti窒化物はTi炭化物より高温で生成するため、結晶粒成長を抑制する効果が弱く、本発明の目的とする結晶粒の微細化制御には有用でないこと。従って、Ti炭化物量を制御することで結晶粒成長を抑制する手法においては、Nは安定的に低減することが望ましいこと。これは、CおよびNの効果が同様に扱われている従来の析出強化手法とは異なるものである。
(ハ)結晶粒を微細化した鋼板において、固溶Cは、引張強さを高めるだけでなく、高速回転するロータ材に本質的に必要である疲労特性を向上させる効果を有すること。
(ニ)電磁鋼板の電気抵抗を高めて低鉄損化を図る目的にて通常添加されている主要合金成分はSi,AlおよびMnの3元素であるが、これらの置換型合金元素には鋼を固溶強化する効果もある。従って、高強度と低鉄損を両立するためには、これらの元素による固溶強化をベースとするのが有効であること。一方、これらの元素の過剰添加は鋼を脆化して製造が困難になるため、添加には限界があり、固溶強化、低鉄損化および製造性の3点を、最も効率良く充足するには、Siを主体とした添加が望ましいこと。
これらの知見より、Siを主体とした置換型合金元素による固溶強化、Ti炭化物による結晶粒微細化、侵入型元素であるCによる固溶強化、をバランス良く活用することで、鋼板製造上の制約や新たな工程を、通常の無方向性電磁鋼板の製造に実質的に加えることなく、高強度で使用条件下での疲労特性に優れ、さらに磁気特性や鋼板品質にも優れる無方向性電磁鋼板が得られることを見出すとともに、そのために必要な製造方法をも見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨は、次の通りである。
(i)質量%で、
Si:5.0%以下、
Mn:2.0%以下、
Al:2.0%以下および
P:0.05%以下
を、下記式(1)を満足する範囲において含み、さらに
C:0.008%以上0.040%以下、
N:0.003%以下および
Ti:0.04%以下
を、下記式(2)を満足する範囲において含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなることを特徴とする無方向性電磁鋼板。

300≦85[Si%]+16[Mn%]+40[Al%]+490[P%]≦430 …(1)
0.008≦Ti*<1.2[C%] …(2)
但し、Ti*=Ti−3.4[N%]
ここで、前記[Si%]、[Mn%]、[Al%]、[P%]、[C%]および[N%]は、それぞれ表示元素の含有量(質量%)を示す。
(ii)前記(i)において、Si、Mn、AlおよびPの含有量が、質量%で、
Si:3.5%超5.0%以下、
Mn:0.3%以下、
Al:0.1%以下および
P:0.05%以下
であることを特徴とする無方向性電磁鋼板。
(iii)前記(i)または(ii)において、さらに、質量%で
Sb:0.0005%以上0.1%以下、
Sn:0.0005%以上0.1%以下、
B:0.0005%以上0.01%以下、
Ca:0.001%以上0.01%以下、
REM:0.001%以上0.01%以下、
Co:0.05%以上5%以下、
Ni:0.05%以上5%以下および
Cu:0.2%以上4%以下
の1種または2種以上を含むことを特徴とする無方向性電磁鋼板。
(iv)質量%で、
Si:5.0%以下、
Mn:2.0%以下、
Al:2.0%以下および
P:0.05%以下
を、下記式(1)を満足する範囲において含み、さらに
C:0.008%以上0.040%以下、
N:0.003%以下および
Ti:0.04%以下
を、下記式(2)を満足する範囲において含有する、鋼スラブを、1000〜1200℃で均熱保持した後熱間圧延し、次いで1回または中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延または温間圧延にて最終板厚とした後、仕上げ焼鈍を施すに当たり、前記仕上げ焼鈍に先立ち、800℃以上950℃以下の温度に30秒以上保持する熱処理を少なくとも1回は施し、その後、仕上げ焼鈍を700℃以上850℃以下で行うことを特徴とする無方向性電磁鋼板の製造方法。

300≦85[Si%]+16[Mn%]+40[Al%]+490[P%]≦430 …(1)
0.008≦Ti*<1.2[C%] …(2)
但し、Ti*=Ti−3.4[N%]
(v)前記(iv)において、Si、Mn、AlおよびPの含有量が、質量%で、
Si:3.5%超5.0%以下、
Mn:0.3%以下、
Al:0.1%以下および
P:0.05%以下
であることを特徴とする無方向性電磁鋼板の製造方法。
(vi)前記(iv)または(v)において、さらに、質量%で
Sb:0.0005%以上0.1%以下、
Sn:0.0005%以上0.1%以下、
B:0.0005%以上0.01%以下、
Ca:0.001%以上0.01%以下、
REM:0.001%以上0.01%以下、
Co:0.05%以上5%以下、
Ni:0.05%以上5%以下および
Cu:0.2%以上4%以下
の1種または2種以上を含むことを特徴とする無方向性電磁鋼板の製造方法。
本発明によれば、高速回転するモータのロータ材として必要な優れた機械特性と磁気特性を兼備し、かつヘゲや板形状といった鋼板品質にも優れた無方向性電磁鋼板を提供できる。また、通常の無方向性電磁鋼板の製造と比較して、多大なコストアップや製造上の厳しい制約や新たな工程を加えることなく、高い歩留まりで安定的に製造することが可能となる。そのため、電気自動車およびハイブリッド自動車の駆動モータ、或いはロボットや工作機械のサーボモータなど、今後ますます高速回転化が求められる分野に適合可能であり、その工業的価値、産業への貢献度は高い。
Ti量と引張強さとの関係を示すグラフである。 Ti量と鉄損との関係を示すグラフである。 Ti量と表面ヘゲ欠陥率との関係を示すグラフである。
以下、本発明を導くに至った実験について詳しく説明する。
すなわち、発明者らは、主要な炭窒化物形成元素であるTiが、析出強化、再結晶、粒成長挙動およびヘゲなどの鋼板品質に及ぼす影響について詳細に検討した。その結果、これらの元素は、特にCやNに対して原子当量以下の範囲で添加した場合の効果が大きく異なり、高強度とともに磁気特性や鋼板品質を高い次元で満足するための最適添加範囲が存在することがわかった。その主要な実験結果を示す。なお、以下に示す「%」の表示は、特に断らない限り、「質量%」を意味する。
<実験1>
Si:4.0〜4.1%、Mn:0.03〜0.05%、Al:0.001%以下、P:0.007〜0.009%およびS:0.001〜0.002%を主要成分として、C量を0.024〜0.026%、N量を0.001〜0.002%とほぼ一定量で含む鋼組成において、Ti量を0.001〜0.36%の範囲に変化させた鋼を真空溶解炉で種々溶製し、1100℃に加熱後熱間圧延によって2.1mm厚とした。その後900℃で90秒の熱延板焼鈍を行い、さらに冷間圧延により0.35mm厚とした後、鋼板表面のヘゲ欠陥発生状況(単位面積当たりのヘゲ長さ)を評価した。その後800℃で30秒の仕上げ焼鈍を施し、機械特性(圧延方向と平行にJIS5号試験片を切り出し評価)および磁気特性(圧延平行方向と圧延直角方向にエプスタイン試験片を切り出し、励磁磁束密度1.0T、周波数400Hzにおける鉄損W10/400を測定)を評価した。Ti量と引張り強さ、磁気特性、表面ヘゲ欠陥発生に関する調査結果を、図1、図2および図3に示す。
まず、図1に示すように、引張強さはTi添加に伴い上昇するが、添加量が少ない図1中の領域Aではその効果は小さく、図中の領域Bで示したTi量範囲では安定して強度の向上が見られた。さらに、Ti量が高い図中の領域Cでは一段と強度が上昇している。これらの領域の鋼組織を観察したところ、領域Bの鋼組織は結晶粒径10μm以下で均一な微細組織を有しているのに対し、領域Aの鋼組織の結晶粒は領域Bより成長しており、特に部分的な粒成長が見られる混粒組織を呈していた。一方、領域Cでは未再結晶粒と再結晶粒の複合組織を呈していた。
図2に、Ti添加量と鉄損W10/400との関係を示す。図中の領域Aにおいて鉄損は最も低くなり良好となるが、図1に示されるように、領域Aは強度のレベルが低い。一方、図中の領域CおよびDでは高強度の材料が得られているが、鉄損も高くなっている。これに対し、領域Bでは領域Cに匹敵する強度を有しながら、領域Aに近い程度の良好な鉄損となる材料が得られている。
一方、図3に示すように、ヘゲ欠陥はTi添加量が0.04%を超えると増加し始め、TiとC、Nとの元素当量比が1となる付近まで上昇し、そこでほぼ一定のヘゲ発生量に達している。C、N含有量が一定であれば、この元素当量比が1となる付近まではTi炭窒化物の析出量が増加し、それ以降は析出量が一定となるため、Ti炭窒化物の析出量がヘゲ発生量に関係するものと考えられる。
これらの結果から、Ti添加量を領域Bの範囲に制御することにより、歩留まりの低下や板破断トラブルの原因となり製造コストの増加に直結する、ヘゲ欠陥を抑制しつつ、高強度と低鉄損を両立可能であることが明らかとなった。すなわち、Tiはある程度のTi炭窒化物を形成する量が必要であるが、ヘゲ欠陥の抑制の観点から0.04%以下で含有するのが有利であることがわかる。
また、前記の鋼とN量以外は同様の成分として、含有するN量を変更して調査したところ、N量の増加により、高強度が得られるTi量の下限値が上昇することが明らかとなった。そして、さらに調査した結果、0.008≦Ti*(但し、Ti*=Ti−3.4[N%])を満足する必要があることがわかった。このことから、Ti炭化物の方が高強度化への寄与が大きく、Ti窒化物の寄与は小さいものと考えられ、Ti炭化物の制御がより重要となる。
これらの結果から、Ti添加量を領域Bのレベルに制御することにより、歩留まりの低下や板破断トラブルの原因となり製造コストの増加に直結する、ヘゲ欠陥を抑制しつつ、高強度と低鉄損を両立可能であることが明らかになった。
<実験2>
次に、Ti炭窒化物の影響を詳細に調査するため、表1に示す組成の鋼を真空溶解炉で溶製し、実験1と同様の手順で板厚0.35mmの鋼板を作製した。CおよびN量がともに少ない鋼aをベースとして、CおよびN量を変化させた。鋼cおよびdは、C+N量が一定となるように添加したものである。得られた試料の表面ヘゲ欠陥率、鉄損、引張強さを表2に示す。鋼aに対して、鋼b、cおよびdは強度が上昇しているが、CおよびNの合計量がほぼ同等の鋼cおよびdの比較により、CおよびNの添加効果を見ると、N量が低い鋼cの方がより高強度である。組織観察したところ結晶粒径の序列は、鋼a>d>b>cであり、引張強さの序列と対応していた。
Figure 2011046997
Figure 2011046997
さらに、これらの試料の疲労特性を調査した。試験条件は、応力比0.1の引張−引張モード、周期20Hzで行い1000万回振幅で破断しない応力を疲労限強度とした。その結果についても、表2に示す。引張強さTSが高い材料ほど疲労限強度FSも高い傾向を示すが、その比率FS/TSは異なっており、鋼cが最も優れる結果となった。一方、鋼dは、引張強さが高い割に疲労限強度の向上代が小さい。そこで、鋼dの組織を詳細に調査したところ、粒径5μmを超えるTiNと思われる析出物が散在しており、これが疲労破壊の起点となったものと推定された。ここで、窒素は1100℃以上の比較的高温でTiと反応しTiNとして粗大に析出しやすいため疲労破壊の起点となりやすく、またTiの炭化物と比較すると本発明の狙いの一つである結晶粒成長の抑制効果が小さいものと考えられた。
一方、鋼bとcとの比較においても、鋼cの方が引張強さ、疲労限強度ともに優れているが、特に疲労限強度が相対的に高く、強度比FS/TSが高くなることが特徴的である。鋼bとcのTiおよびN量はほぼ同等であることから、Ti窒化物、Ti炭化物の析出状況は同様であり、両者の差は固溶炭素量の違いに起因していることが考えられる。従って、固溶炭素の存在は、疲労試験のような繰り返し応力下において導入される転位を固着することによって、亀裂の発生と伝播を抑制し、疲労限強度を高めたものと推察される。よって、固溶炭素を確保することも重要となる。
上記の実験結果を元に、比較的微量のTi添加によるTi炭化物、Ti窒化物、固溶炭素などの因子が、鋼組織、鋼板表面品質や鋼板の機械特性や磁気特性に及ぼす影響についてさらに検討を進めたところ、これら因子を包括する規定を見出し、本発明を完成するに至った。
次に、本発明について、要件毎に詳しく説明する。
まず、主要な鋼成分の限定理由について説明する。
Si:5.0%以下、Mn:2.0%以下、Al:2.0%以下およびP:0.05%以下を、下記式(1)を満足する範囲において含有する。

300≦85[Si%]+16[Mn%]+40[Al%]+490[P%]≦430 …(1)
本発明では、高強度で磁気特性に優れる電磁鋼板を低コストに提供することを目的としており、そのためには、上記の主要4合金成分による固溶強化量を一定以上の水準とすることが必要であるため、上記主要4合金成分の個々の含有量を後述のとおりに規定することに併せて、個々の固溶強化量への寄与を勘案し、主要4合金成分の合計量を、上記した式(1)を満たす範囲で添加することが肝要である。すなわち、式(1)が300未満では、得られる材料強度が不足し、一方430を超えると、鋼板製造時の板割れトラブルが増加し、生産性低下および製造コストの著しい上昇を招く。
次に、主要4合金成分個々の含有量の限定理由について説明する。
Si:5.0%以下
Siは、脱酸剤として一般的に用いられる他、鋼の電気抵抗を高めて鉄損を低減する効果を有する、無方向性電磁鋼板を構成する主要元素である。さらに、高い固溶強化能を有する。すなわち、無方向性電磁鋼板に添加されるMn、AlおよびNiなど、他の固溶強化元素と比較して、高抗張力化、高疲労強度化並びに低鉄損化を最もバランス良く両立することが出来る元素であるため、積極的に添加する元素である。そのためには、3.0%以上で含有させること、さらに好ましくは3.5%を超えて含有させることが有利である。しかしながら、5.0%を超えると、靭性劣化が顕著になり、通板および圧延時に高度な制御が必要となり生産性も低下する。よって、上限は5.0%以下とする。
Mn:2.0%以下
Mnは、熱間脆性の改善に有効であることに加え、鋼の電気抵抗を高めて鉄損を低減する効果、固溶強化による強度向上効果も有する。ただし、MnはSiと比べると強度向上効果は小さく、過度の添加は鋼の脆化を招くため、Mn量は2.0%以下とする。
Al:2.0%以下
Alは、強力な脱酸剤として鋼精錬に一般的に用いられる元素である。さらに、SiやMnと同様に、鋼の電気抵抗を高めて鉄損を低減する効果、固溶強化による強度向上効果も有する。ただし、AlはSiと比べると強度向上効果は小さく、過度の添加は鋼の脆化を招くため、Al量は2.0%以下とする。
P:0.05%以下
Pは、比較的少量の添加でも大幅な固溶強化能が得られるため、高強度化に極めて有効であり、好ましくは0.005%以上で含有させる。しかし、過剰な添加は偏析による脆化により粒界割れや圧延性の低下をもたらすため、その添加量を0.05%以下に制限する。
なお、これら主要合金元素Si,Mn,AlおよびPのうち、固溶強化および低鉄損化と製造性とを最も効率よく両立するには、Siを主体とする合金設計が有利である。すなわち、Siを3.5%超の範囲で含有させることが、無方向性電磁鋼板の特性バランスを最適にするのに有利であり、その際、残る3成分は、それぞれMn:0.3%以下、Al:0.1%以下およびP:0.05%以下に規制することが好ましい。なお、この上限の理由は、上記と同様である。
また、C、NおよびTiも、本発明において重要な元素である。なぜなら、適量微細なTi炭化物により鋼板焼鈍時の結晶粒成長を抑制し、結晶粒微細化強化を発現させることが重要であるからである。そのためには、C:0.008%以上0.040%以下、N:0.003%以下、Ti:0.04%以下を、下記式(2)を満足する範囲において含有させる必要がある。

0.008≦Ti*<1.2[C%] …(2)
但し、Ti*=Ti−3.4[N%]
C:0.008%以上0.040%以下
Cは、0.008%以上が必要である。すなわち、0.008%未満では安定して微細Ti炭化物を析出させることが困難となり、また固溶C量が不足してしまうために疲労強度の一層の向上が見込めなくなる。一方、過度の添加は磁気特性の劣化をもたらすと共に、冷間圧延中の加工硬化が著しくなって板破断の原因となったり、圧延負荷の増大で圧延回数の増加が余儀なくされるなど、コスト上昇の要因となるため、上限を0.04%に規制する。
N:0.003%以下
Nは、Tiと窒化物を形成するが、Ti炭化物より高温で生成し結晶粒成長を抑制する効果が弱いため、結晶粒の微細化のためにはそれほど有効ではない。むしろ疲労破壊起点になるなどの悪影響を及ぼす場合もあるため、0.003%以下に限定する。なお、下限については、特に限定するものではないが、製鋼脱ガス能力、長時間精錬による生産性低下の観点から、0.0005%程度とすることが好ましい。
Ti:0.04%以下
本発明において、Ti炭化物を制御することは重要である。Tiは、炭化物を形成するよりも高温で窒化物を形成しやすいため、炭化物を形成するTi量を制御する必要がある。ここに、炭化物の形成が可能なTi量をTi*と表すと、このTi*は、Ti含有量からNとの原子当量分を除いた量、すなわち
Ti*=Ti−3.4[N%]
と表される。添加するTiをTi炭化物として析出させて高強度化を図りつつ、結晶粒成長を抑制させて鉄損の増大を防ぐには、適量のCと共に、Ti*≧0.008が必要である。一方、C量に対してTi添加量が増加すると、固溶Cが減少し疲労強度を向上させる効果が見込めなくなるため、Ti*<1.2[C%]も同時に満たすことが必要である。
また、Ti量が0.04%を超えると、先に図3にて示したように、ヘゲ欠陥が増加し、鋼板品質や歩留まりが低下してコスト増となるため、0.04%を上限とする。
本発明においては、発明の効果を損なわない範囲で上述した元素以外の元素も含有することが可能である。例えば、磁気特性を向上する効果のある、SbおよびSnは0.0005〜0.1%、粒界強度を高める効果のあるBは0.0005〜0.01%、酸化物や硫化物の形態を制御し磁気特性を改善する効果を有する、CaおよびREMは0.001〜0.01%、磁束密度を向上する効果を有するCoおよびNiは0.05〜5%、時効析出による析出強化が見込めるCuは0.2〜4%の範囲で、それぞれ添加することが可能である。
次に、製造方法について、その限定理由を述べる。
本発明において、鋼溶製から冷間圧延までの製造工程は、一般的な無方向性電磁鋼板で行われている方法に従って実施することが出来る。例えば、転炉あるいは電気炉などで所定成分に溶製、精錬された鋼を、連続鋳造あるいは造塊後の分塊圧延により鋼スラブとし、熱間圧延、必要に応じて熱延板焼鈍、冷間圧延、仕上げ焼鈍、絶縁被膜塗布焼き付け、といった工程を経て製造することが出来る。これらの工程において、析出状態を適正に制御するための条件は次のとおりである。なお、熱間圧延後に、必要に応じて熱延板焼鈍を施すことが可能であり、冷間圧延は、1回または中間焼鈍を挟む2回以上で行ってもよい。
上述した成分組成からなる鋼スラブを、熱間圧延する際のスラブ加熱温度は、1000℃以上1200℃以下とする。すなわち、1000℃未満とすると、スラブ加熱中にTiの炭化物が析出成長するため、仕上げ焼鈍時の結晶粒成長抑制効果が充分に発揮できない。一方、1200℃を超えると、コスト的に不利となることに加え、高温強度が低下しスラブ変形して加熱炉からの抽出に支障をきたすなど操業性が低下する。従って、スラブ加熱温度は、1000℃以上1200℃以下とする。なお、熱間圧延自体は特に限定されるものではなく、例えば熱延仕上げ温度は700〜950℃、巻き取り温度は750℃以下の条件とすることが出来る。
次いで、必要に応じて熱延板焼鈍を施し、1回または中間焼鈍を挟んだ2回以上の冷間圧延または温間圧延にて最終板厚とした後、仕上げ焼鈍を施すが、この仕上げ焼鈍に先立ち、800℃以上950℃以下の温度に30秒以上保持する熱処理を少なくとも1回は施すことが肝要である。この熱処理によって、仕上げ焼鈍前の組織中にTi炭化物を析出させることができ、仕上げ焼鈍中の結晶粒の成長を抑制することが可能になる。
すなわち、該熱処理が800℃未満では、十分な析出が生じない場合があり、一方950℃を超えると、析出物が成長し、仕上げ焼鈍時の結晶粒成長の抑制効果が不十分となる。
なお、前記熱処理は、仕上げ焼鈍に先立つ、熱延板焼鈍あるいは中間焼鈍のいずれかを兼ねて行うことが好ましい。
その後の仕上げ焼鈍は、700℃以上850℃以下とすることによって、再結晶粒組織を均一微細に制御し高強度で磁気特性にも優れた電磁鋼板を得ることができる。この仕上げ焼鈍の温度が700℃未満では再結晶が不充分となり、一方850℃を超えると、本発明の適用によっても結晶粒が成長しやすくなり強度が低下する。この仕上げ焼鈍に続いて絶縁被膜の塗布および焼き付け処理を行って、最終製品とする。
表3に示す組成の鋼を真空溶解炉で溶製し、1100℃に加熱後熱間圧延によって2.1mm厚とした。その後900℃で90秒の熱延板焼鈍を行い、さらに冷間圧延により0.35mm厚とした。ここで得られた鋼板表面のヘゲ欠陥の発生状況を、単位面積当たりのヘゲ長さを指標として評価した。その後、750℃と800℃の2条件で30秒の仕上げ焼鈍を施し、得られた試料について圧延方向と平行に試験片を切り出して引張試験および疲労試験を行った。また、磁気特性は圧延平行方向と圧延直角方向にエプスタイン試験片を切り出し、励磁磁束密度1.0T、周波数400Hzにおける鉄損により評価した。それらの結果を表4に示す。
Figure 2011046997
Figure 2011046997
表4から、Ti*量が本発明の範囲から外れた鋼1は、仕上げ焼鈍温度の違いによる特性差が大きく、品質管理上課題を有することがわかる。一方、Tiを適正に添加すると、仕上げ焼鈍温度による特性差は小さくなり、安定して高い引張強さが得られている。しかしながら、本発明の鋼組成範囲にある鋼2,3と比較してTi量が発明範囲を外れる鋼4,5および6は、高い引張強さを示す割に疲労限強度は高くなく、ヘゲ発生率および磁気特性も劣っている。
表5に示す組成の鋼を真空溶解炉で溶製し、1050℃に加熱後2.1mm厚まで熱延した。その後850℃で120秒の熱延板焼鈍を行い、さらに冷間圧延により0.35mm厚とした。ここで得られた鋼板表面のヘゲ欠陥の発生状況を、単位面積当たりのヘゲ長さを指標として評価した。その後、800℃で30秒の仕上げ焼鈍を施し、得られた試料について圧延方向と平行に試験片を切り出して引張試験および疲労試験を行った。また、磁気特性は圧延平行方向と圧延直角方向にエプスタイン試験片を切り出し、励磁磁束密度1.0T、周波数400Hzにおける鉄損により評価した。それらの結果も表6に示す。
なお、式(1)の値が本発明の範囲を外れる鋼18は、冷間圧延で板割れが生じたため、以降の評価は行っていない。
Figure 2011046997
Figure 2011046997
表6から、本発明に従う鋼板は、ヘゲ発生が少なく、良好な鉄損と高い引張強さ、そして高い疲労限強度を併せ持っていることがわかる。

Claims (6)

  1. 質量%で、
    Si:5.0%以下、
    Mn:2.0%以下、
    Al:2.0%以下および
    P:0.05%以下
    を、下記式(1)を満足する範囲において含み、さらに
    C:0.008%以上0.040%以下、
    N:0.003%以下および
    Ti:0.04%以下
    を、下記式(2)を満足する範囲において含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなることを特徴とする無方向性電磁鋼板。

    300≦85[Si%]+16[Mn%]+40[Al%]+490[P%]≦430 …(1)
    0.008≦Ti*<1.2[C%] …(2)
    但し、Ti*=Ti−3.4[N%]
  2. 請求項1において、Si、Mn、AlおよびPの含有量が、質量%で、
    Si:3.5%超5.0%以下、
    Mn:0.3%以下、
    Al:0.1%以下および
    P:0.05%以下
    であることを特徴とする無方向性電磁鋼板。
  3. 請求項1または2において、さらに、質量%で
    Sb:0.0005%以上0.1%以下、
    Sn:0.0005%以上0.1%以下、
    B:0.0005%以上0.01%以下、
    Ca:0.001%以上0.01%以下、
    REM:0.001%以上0.01%以下、
    Co:0.05%以上5%以下、
    Ni:0.05%以上5%以下および
    Cu:0.2%以上4%以下
    の1種または2種以上を含むことを特徴とする無方向性電磁鋼板。
  4. 質量%で、
    Si:5.0%以下、
    Mn:2.0%以下、
    Al:2.0%以下および
    P:0.05%以下
    を、下記式(1)を満足する範囲において含み、さらに
    C:0.008%以上0.040%以下、
    N:0.003%以下および
    Ti:0.04%以下
    を、下記式(2)を満足する範囲において含有する、鋼スラブを、1000〜1200℃で均熱保持した後熱間圧延し、次いで1回または中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延または温間圧延にて最終板厚とした後、仕上げ焼鈍を施すに当たり、前記仕上げ焼鈍に先立ち、800℃以上950℃以下の温度に30秒以上保持する熱処理を少なくとも1回は施し、その後、仕上げ焼鈍を700℃以上850℃以下で行うことを特徴とする無方向性電磁鋼板の製造方法。

    300≦85[Si%]+16[Mn%]+40[Al%]+490[P%]≦430 …(1)
    0.008≦Ti*<1.2[C%] …(2)
    但し、Ti*=Ti−3.4[N%]
  5. 請求項4において、Si、Mn、AlおよびPの含有量が、質量%で、
    Si:3.5%超5.0%以下、
    Mn:0.3%以下、
    Al:0.1%以下および
    P:0.05%以下
    であることを特徴とする無方向性電磁鋼板の製造方法。
  6. 請求項4または5において、さらに、質量%で
    Sb:0.0005%以上0.1%以下、
    Sn:0.0005%以上0.1%以下、
    B:0.0005%以上0.01%以下、
    Ca:0.001%以上0.01%以下、
    REM:0.001%以上0.01%以下、
    Co:0.05%以上5%以下、
    Ni:0.05%以上5%以下および
    Cu:0.2%以上4%以下
    の1種または2種以上を含むことを特徴とする無方向性電磁鋼板の製造方法。
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