JP2011046346A - 自動二輪車 - Google Patents

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Abstract

【課題】フレームとエンジンとの間にヒートガード部材を有する自動二輪車において、フレームとエンジンとが近接している場合であっても、燃料タンク容量を十分に確保するとともに、シリンダヘッドの高いメンテナンス性を可能とする自動二輪車を提供する。
【解決手段】左右一対のメインフレーム13とエンジン30との間にヒートガード部材60が設けられ、ヒートガード部材60は、燃料タンク50のフレームまたぎ部下方からエンジン30のカムチェーン室にかけて設けられる左右一対の板部61Aと、カムチェーン室30Gを車幅方向にまたぐまたぎ部63と、を有するとともに、ヒートガード部材60は、またぎ部63の前後方向中間部で前側と後側とに分割された前側ヒートガード61と後側ヒートガード62とが組まれて設けられる。
【選択図】図4

Description

本発明は、エンジンと燃料タンクとの間にヒートガード部材が設けられた自動二輪車に関する。
従来例1(特許文献1参照)には、メインフレームの下方に並列多気筒エンジンを搭載し、メインフレームの上部に燃料タンクを支持する自動二輪車で、並列多気筒エンジンの車幅方向中央上部にカムチェーン室およびブリーザ室が設けられた構造が開示されている。従来例1のような部品の配置では、エンジンが空冷大排気量のエンジンである場合、エンジン周りの空気からの走行風が燃料タンクや運転者側に向かい、熱居住性が低下する場合がある。そのような場合には、従来例2(特許文献2参照)にあるような遮熱板をエンジンと燃料タンクとの間に設けることで、熱せられた走行風が燃料タンクや運転者側に向かわないようにしつつ、エンジンからの輻射熱も抑えることもでき、熱居住性を快適にする上で効果的である。
特開平5−131962号公報 特開昭62−33983号公報
しかし、従来例2によれば、燃料タンク下方の左右のメインフレーム間に遮熱板を取り付けているので、燃料タンクは、その下部がメインフレーム(遮熱板)よりも下方に位置することになり、この部分がエンジンの熱影響を受けやすいという問題があった。
このため、メインフレームが左右一対に設けられたダブルクレードルフレームまたはセミダブルクレードルフレームと、当該左右一対のメインフレームをまたぐような形状に形成された燃料タンクと、フレーム下方で車幅方向中央上部にカムチェーン室が設けられたエンジンとが配された自動二輪車にヒートガード部材(遮熱板)を設ける場合、図10(A)の平面図、(B)の側面図に示すように、後方ほど高さが高くなるまたぎ部102とその車幅方向両側に設けた板部101とを備えたヒートガード部材100が想到できる。
ここで、エンジン30のシリンダヘッド30Cを取り外してヘッドカバー内をメンテナンスしたい場合、ヒートガード部材100をヘッドカバーよりも先に取り外す必要が出てくるが、このとき、ヒートガード部材100を車両側方(横方向)から抜き差しできる方が、メンテナンス性の観点で望ましい。図11に示すように、ヒートガード部材100を車両側方から抜き差しするためには、ヒートガード部材100のまたぎ部102がある部分の下縁Rをカムチェーン室30Gの上縁30Hよりも上側まで持ち上げる必要がある。ヒートガード部材100の前後方向全域にまたぎ部102が設けられた構造では、ヒートガード部材100の下縁Rをカムチェーン室30Gの上縁30Hよりも上方に来るまで持ち上げなければならないが、メインフレーム13とエンジン30とが近接していると、持ち上げられたまたぎ部102がエンジン30とメインフレーム13間に挟まり、車両側方への抜き差しできなくなる。
このように車両側方からヒートガード部材100の抜き差しができない場合は、エンジン30後方のスロットルボディ37やエアクリーナー38を外して、ヒートガード部材100を下後方から抜き差しする必要が生じ、メンテナンス性に課題が出てくる。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、左右一対のメインフレームと、これに近接するカムチェーン室を有するエンジンとの間に、カムチェーン室をまたぐようにヒートガード部材を配設した場合であっても、燃料タンク容量を十分に確保するとともに、シリンダヘッドの高いメンテナンス性を可能とする自動二輪車を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するため、本発明は、ヘッドパイプから後下方に延びる左右一対のメインフレームを有する車体フレームと、当該車体フレームに前記左右一対のメインフレーム下方で締結される並列多気筒エンジンと、前記左右一対のメインフレームを車幅方向にまたぐ形状のフレームまたぎ部を有するとともに、前記左右一対のメインフレーム上部に支持される燃料タンクと、が備えられ、前記並列多気筒エンジンは車幅方向中央上部にカムチェーン室が設けられ、当該カムチェーン室の上縁が前記並列多気筒エンジンの車体締結状態で前傾するように配された自動二輪車において、前記左右一対のメインフレームと前記並列多気筒エンジンとの間にヒートガード部材が設けられ、当該ヒートガード部材は、前記燃料タンクの前記フレームまたぎ部下方から前記並列多気筒エンジンの前記カムチェーン室にかけて設けられる左右一対の板部と、前記カムチェーン室をまたぐまたぎ部と、を有するとともに、前記ヒートガード部材は、前記またぎ部の前後方向中間部で前側と後側とに分割された前側ヒートガードと後側ヒートガードとが組まれて設けられることを特徴とする。
この発明によれば、メインフレームが後下方に延び、シリンダヘッド上縁が前傾するため、ヒートガード部材全体を車両側方から抜き差ししにくい場合であっても、ヒートガード部材をまたぎ部の前後方向中間部で、前側ヒートガードと後側ヒートガードとに分割することにより、前側ヒートガードのみ持ち上げて前側ヒートガード下縁がシリンダヘッドを超えることが可能となり、前側ヒートガードを車両側方から抜き差しすることが可能となり、燃料タンク容量を十分に確保しつつ、シリンダヘッドのメンテナンス性を高めることができる。
また、上述構成において、前記前側ヒートガードと前記後側ヒートガードは平面視で後側に開放した略U字状に分割線が形成され、前記略U字状の分割線のうち左右一対前後方向に延びる分割線は前記左右一対のメインフレームよりも車幅方向内側となるように設けられるようにしてもよい。この構成によれば、略U字状の分割線のうち左右一対前後方向に延びる分割線は左右一対のメインフレームよりも車幅方向内側となるように設けられているので、前側ヒートガードを車両から取り外す際は、後側ヒートガードとの組み付けを外した後、持ち上げて、回動させながら車両側方に抜き出すことが可能となる。また、後側ヒートガードは、メインフレーム間から持ち上げれば、そのまま抜き出すことができる。
また、上述構成において、前記後側ヒートガードには電装品取付部が設けられるようにしてもよい。この構成によれば、後側ヒートガードに電装部品をサブアセンブリしておくことが可能となり、車両の組立作業を効率よく行うことが可能となる。また、後側ヒートガードは、電装品が外観されることを防止しつつ、電装品の熱対策も兼ねることが可能となる。
また、上述構成において、前記左右一対のメインフレームには、前記前側ヒートガードの上方位置でクロス部材が設けられ、当該クロス部材の下部にはステー部が設けられ、当該ステー部にはイグニッションコイルを支持するイグニッションコイルステーが支持され、前記後側ヒートガードは前記イグニッションコイルステーの後端に支持されるようにしてもよい。この構成によれば、イグニッションコイルを前側ヒートガードで遮熱しつつ、イグニッションコイルステーで後側ヒートガードを支持することが可能となる。
また、上述構成において、前記左右一対のメインフレームの車幅方向内側部には左右一対の係止部が設けられ、前記後側ヒートガードの両側面には前記係止部と係合する溝部が形成されるようにしてもよい。この構成によれば、左右一対のメインフレームの車幅方向内側部に設けられた左右一対の係止部に、後側ヒートガードの両側面に設けられた溝部を係合させるといった簡易な構成で、メインフレームによって後側ヒートガードを確実に支持することが可能となる。
本発明は、ヒートガード部材は、またぎ部の前後方向中間部で前側と後側とに分割された前側ヒートガードと後側ヒートガードとが組まれて設けられるので、両者を分割して、前側ヒートガードのみ持ち上げて前側ヒートガード下縁がシリンダヘッドを超えることが可能となり、前側ヒートガードを車両側方から抜き差しすることが可能となり、シリンダヘッドのメンテナンス性を高めることができる。
また、左右一対前後方向に延びる分割線は左右一対のメインフレームよりも車幅方向内側となるように設ければ、前側ヒートガードを車両から取り外す際は、後側ヒートガードとの組み付けを外した後、持ち上げて、回動させながら車両側方に抜き出すことが可能となる。また、後側ヒートガードは、メインフレーム間から持ち上げれば、そのまま抜き出すことができる。
また、後側ヒートガードに電装品取付部を設ければ、後側ヒートガードに電装部品をサブアセンブリして車両の組立作業の効率化を図ることができ、また、ヒートガード部材により、電装品の外観視を防止して、電装品の熱対策も兼ねることが可能となる。
また、前記左右一対のメインフレームに、前側ヒートガードの上方位置でクロス部材を設け、このクロス部材の下部にはステー部を設け、このステー部で支持したイグニッションコイルステーの後端に後側ヒートガードを支持するようにすれば、イグニッションコイルステーにより、イグニッションコイルおよび後側ヒートガードを支持しつつ、前側ヒートガードでイグニッションコイルを遮熱することができる。
また、左右一対のメインフレームの車幅方向内側部に左右一対の係止部を設ける一方、後側ヒートガードの両側面に係止部と係合する溝部を形成すれば、簡単な構成で、メインフレームにより後側ヒートガードを支持できる。
以下、本発明の一実施形態を、添付した図面を参照して説明する。なお説明中、前後左右及び上下といった方向の記載は、車体に対してのものとする。また、図中の矢印Fは車体前方を示し、矢印Lは車体左方を示し、矢印Uは車体上方をそれぞれ示している。また、車体左右方向に付いては、適宜、車幅方向という。
図1は、本発明の実施形態に係る自動二輪車10の側面図である。同図においては、自動二輪車10の運転者Mを二点鎖線で表示している。
自動二輪車10は、図1に示すように、車体フレーム11を備えている。なお、本構成の車体フレーム11は、いわゆるダブルクレードル形のフレームである。
この車体フレーム11は、図1に示すように、その前端部に配置されたヘッドパイプ12と、このヘッドパイプ12から左右に分岐して緩やかに後ろ下がりで後方に延びた後、湾曲部13Aを介して略下方に延びる左右一対のメインフレーム13と、同じくヘッドパイプ12から左右に分岐して、メインフレーム13の下方を、後ろ斜め下方に延びた後、湾曲部14Aを介して略水平に後方に延びる左右一対のダウンパイプ14とを有している。車体フレーム11は、さらに、左右一対のメインフレーム13のそれぞれの湾曲部13A近傍から後方やや後ろ上がりに延びる左右一対のシートレール15と、それぞれのメインフレーム13の下部に配設された左右一対のピボットプレート16と、これらピボットプレート16から斜め後ろ上がりに延びてシートレール15にそれぞれ接続された左右一対の補強用のステー17とを有している。左右一対のピボットプレート16には、ピボット18が設けられている。
図1に示すように、ヘッドパイプ12は、左右一対のフロントフォーク20を回動自在に支持している。これらフロントフォーク20の上端には、トップブリッジ21を介して操舵用のハンドル22が取り付けられている。また、フロントフォーク20の上部近傍には、スピードメータをはじめとするメーター類23やヘッドライト24が取り付けられている。一方、フロントフォーク20の下端部には、ブレーキディスク25と一体の前輪26が回転自在に支持され、その支持部分の上側には、前輪26の上方を覆うフロントフェンダ27が固定されている。
図1に示す前輪26の後方で、かつ後述する燃料タンク50の下、すなわち、車体フレーム11の側面視における、メインフレーム13とダウンパイプ14との間には、エンジン30が配設されている。なお、本構成におけるエンジン30は、いわゆる空冷並列4気筒のエンジンである。
エンジン30は、ダウンパイプ14の下部に固定されたエンジンマウント31等に取り付けられ、クランクケース30Aを有している。エンジン30は、さらに、クランクケース30Aの前部上方に連結されたシリンダブロック30Bと、このシリンダブロック30Bの上部に連結されたシリンダヘッド30Cと、このシリンダヘッド30Cの上部に連結されたヘッドカバー30Dとを有している。
シリンダブロック30B及びシリンダヘッド30Cの周囲には空冷用フィン30Eが設けられている。シリンダブロック30Bには、シリンダ内にピストンが往復自在に収納されていて、クランクケース30A内には、ピストンにコンロッドを介して連結されたクランク軸やエンジン出力軸30F(ただし、図1では、クランクケースカバーの、エンジン出力軸30Fに対応する部分を示している。)が軸支されるとともに、クランク軸とエンジン出力軸30Fとの間に動力伝達機構を構成するクラッチ機構や変速機等が収納されている。上述のエンジン出力軸30Fに装着されたスプロケットと、後述する後輪42に装着されたスプロケット32との間には、ドライブチェーン33(図1では二点鎖線で図示している。)が掛け渡され、エンジン30の回転は、動力伝達機構等を介して、後輪42に伝達されるようになっている。
また、シリンダヘッド30Cにはエンジン前側から下方に延びる排気管34が接続されている。この排気管34には、排気マフラー35が接続されている。排気マフラー35は、車体フレーム11の下方から車体右側方を、後ろ上がりで斜め後方に延設されている。
また、シリンダヘッド30Cの前方には、オイルクーラー36がダウンパイプ14の前側に固定されており、一方、シリンダヘッド30Cの後方には、エアクリーナーやスロットルボディが配設されている。
車体フレーム11のピボットプレート16には、ピボット18を介して、リアスイングアーム39が略上下方向に揺動自在に支持されている。リアスイングアーム39における後端部上側と、シートレール15との間には、リアクッション40が介装されている。また、リアスイングアーム39の後端には、ブレーキディスク41と一体の後輪42が回動自在に支持されている。
また、ピボットプレート16には、後方に延びるステップホルダ43が固定されており、このステップホルダ43の前部と後部とには、運転者用および同乗者用のステップ44,45が装着されている。
車体フレーム11における左右のメインフレーム13上部には、これらを跨ぐように燃料タンク50が配設されている。また、燃料タンク50の後方におけるシートレール15の上部には、シートレール15を略上方から覆うようにシート51が取り付けられている。また、燃料タンク50の後部の下側には、着座姿勢をとった際の運転者Mの膝より下の部分(以下「下腿」という。)が当接される一対のニーカバー52が設けてある。これらニーカバー52は、上述のエアクリーナー38の左右の両端にそれぞれ配設されている。ニーカバー52の後方には、サイドカバー53が配設されている。
車体フレーム11のシートレール15における後部には、同乗者が把持するグラブバー54、リアウインカ55が取り付けられ、また、側面視略円弧状のリアフェンダ56が外装品として取り付けられている。そして、このリアフェンダ56には、テールランプ57、ライセンスプレート58が取り付けられている。
上述の自動二輪車10においては、図1に示すように、左右一対のメインフレーム13とエンジン30との間には、ヒートガード部材(遮熱板)60が配設されている。ヒートガード部材60は、エンジン30の上方を覆うことで、エンジン30で熱せられた走行風が燃料タンク50や運転者Mに当たりにくくして、運転者Mの熱居住性の向上を高めるものである。
図2は、図1中のヒートガード部材60近傍の拡大図である。ただし、同図では、燃料タンク50は、二点鎖線で示している。また、図3は、図2中のIII−III線矢視図であり、略上方から順に燃料キャップ50C、燃料タンク50、メインフレーム13、クロス部材74、イグニッションコイル70、ヒートガード部材60、カムチェーン室30Gの上縁30H、カムチェーン室30G、およびヘッドカバー30D等を前方から見た断面が図示されている。
図3に示すように、燃料タンク50は、車幅方向中央上部に燃料キャップ50Cを有しており、また、車幅方向両端下部には、左右一対のメインフレーム13を車幅方向にまたぐように形成されたフレームまたぎ部50Aを有している。フレームまたぎ部50Aは、図1に示すように、燃料タンク50の前端50Dから後端50E近傍まで設けられており、また、図2に示すように、フレームまたぎ部50Aの下端50Bは、エンジン30のシリンダヘッド30Cに向かって垂れ下がるように近接して配置されている。なお、フレームまたぎ部50Aを有する燃料タンク50においては、フレームまたぎ部50Aの下端50Bの位置をエンジン30のシリンダヘッド30Cに近づけて、フレームまたぎ部50Aの上下寸法を長くとることにより、燃料タンク容量を増加させることが可能となる。
上述のまたぎ部50Aを有する燃料タンク50に対し、エンジン30は、空冷式の並列多気筒(図示例では4気筒)エンジンであって、車体フレーム11に対して、左右一対のメインフレーム13の下方で締結されている。エンジン30は、全体が前傾姿勢をとって締結されるとともに、各気筒が車幅方向に並べて配置されていて、シリンダヘッド30Cの車幅方向寸法が燃料タンク50の車幅方向寸法よりも広くなっている。また、シリンダヘッド30Cの車幅方向中央上部には、カムチェーン室兼ブリーザ室30G(以下単に「カムチェーン室30G」という。)が突設されている。カムチェーン室30Gは、図2に示すように、その上縁30Hが、エンジン30の前傾姿勢に対応して、前側が低く、後側ほど高くなるように前傾している。この上縁30Hは、燃料タンク50における左右のフレームまたぎ部50Aの間に入り込むように配置されており、図2に示す側面視においては、燃料タンク50のフレームまたぎ部50Aの下端50Bよりも高い位置に配置されている。
ヒートガード部材60全体は、上述の左右一対のメインフレーム13、燃料タンク50、エンジン30に対し、上下方向の配置については、図1〜図3に示すように、略左右一対のメインフレーム13とエンジン30との間に設けられ、また、前後方向の配置については、図1および図2に示すように、エンジン30のシリンダヘッド30Cの略前端から後端まで延設され、そして、車幅方向の配置については、図3に示すように、燃料タンク50の左右のフレームまたぎ部50Aの下端50Bの間に設けられている。つまり、ヒートガード部材60は、燃料タンク50における左右のフレームまたぎ部50Aの間の空間のうち、シリンダヘッド30Cの上方に位置する部分に蓋をするようにして配置されている。
図4は、燃料タンク50を取り外した状態におけるヒートガード部材60を、車体の前側左斜め上方から見た斜視図を示し、同図中の左下が、車体の前方に対応する。なお、同図では、左右一対のメインフレーム13を二点鎖線で図示している。
ここで、同図を参照して、ヒートガード部材60と他部材との位置関係の概略を説明する。ヒートガード部材60の前端側には、AIチューブ(エアインジェクションコントロールバルブチューブ)77,78が配設され、後端側にはバキュームホース80が配設され、また、前部上方には、左右のそれぞれにイグニッションコイル70が配設され、後部上面には、ウインカリレー71、バンク角センサ72、ECU73等の電装品が配置されている。さらに、ヒートガード部材60の後方には、後側ヒートガード62の後方が連結される板状の規制部材82が配設されている。
ここで、図5,図6を参照して、相互に組み合わされてヒートガード部材60を構成する前側ヒートガード61、後側ヒートガード62について説明する。図5は前側ヒートガード61を説明する図であり、(A)は平面図、(B)は左側面図、(C)は(A)中のC−C線矢視図である。一方、図6は、後側ヒートガード62を説明する図であり、(A)は平面図、(B)は左側面図、(C)は(B)中のC−C断面図、(D)は(B)中のD−D断面図である。
図5(A)に示すように、前側ヒートガード61は、前後方向に延びる左右一対の板部61Aと、これら板部61Aを前端側内側で連結する前側またぎ部61Bとを有しており、全体は、車幅方向の中心を通る中心線Sを基準として、左側部分と右側部分とが略対称に構成されている。前側ヒートガード61は、例えば、ガラス繊維粉末入りのPP(ポリプロピレン)を材料として、平均肉厚が2.0mm程度となるように形成されている。
前側またぎ部61Bは、後側ほど高さが高くなる左右一対の壁部61Cとこれらの上端を連結する天井部61Dとを有していて、下方が開口されている。天井部61Dは、後側が高くなるように傾斜しながら、板部61Aの前後方向の略中央まで延びるように形成されている。なお、天井部61Dの傾斜は、エンジン30(図2参照)のカムチェーン室30Gの上縁30Hの傾斜に対応している。天井部61Dの後端近傍には、車幅方向に長い略矩形の係止孔61Eが穿設されている。この係止孔61Eには、後述する後側ヒートガード62の爪部62I(図6参照)が係合される。
板部61Aは、前後方向に長い板状に形成されていて、前端側内側部分が前側またぎ部61Bの壁部61Cの下部に接続されている。板部61Aの前部における内側部分には、略矩形の切欠部61Fが設けられている。この切欠部61Fは、二次空気供給用のAIチューブ77,78(図4参照)を上下に通過させるためのものである。また、板部61Aの前部における外側部分には、平面視で円弧状になだらかに湾曲する湾曲部61Gが形成されていて、前側ヒートガード61を車体側方から引きぬく際に、車体側の他部材に当たりにくいようにしている。板部61Aの後端には、前側に向かって窪んだ凹部61Hが形成されていて、バキュームホース80(図4参照)の配管を可能にしている。
図5(A)に示すように、前側ヒートガード61は、平面視において、左右の板部61Aの後部内端61Iと、前側またぎ部61Bの後端61Jとによって、後方側が開口した略U字状の取付空間61Kが形成されている。この取付空間61Kには、後側ヒートガード62が取り付けられる。なお、前側またぎ部61Bの後端61Jは、前側またぎ部61Bの左右の壁部61Cの後端と天井部61Dの後端とを合わせたものであって、図5(C)に示すように、下方が開口した逆U字状に形成されている。前側ヒートガード61と後側ヒートガード62とが組み合わされた状態では、これらの接合部には、図8に示す上面視において、分割線L1,L2,L3(図8では、太線で図示)が形成されるが、上述の前側ヒートガード61の前側またぎ部61Bの後端61Jは、これら分割線L1,L2,L3のうちの、分割線L2と一致する。なお、残りの分割線L1,L3は、後側ヒートガード62の上面視における外形の一部によって構成され、具体的には、後部内端61Iの少し外側に、この後部内端61Iに略沿って形成されることになる。
左右の板部61Aの後部内端61Iには、図5(B)に示すように、それぞれ車幅方向に貫通された透孔を有し、前後方向の位置が異なる舌片61L,61Mが突設されている。これら舌片61L,61Mは、後述するように、前側ヒートガード61と後側ヒートガード62とを連結するのに使用される。左右の板部61Aの前部にも、図5(B)に示すように、車幅方向に貫通された透孔を有し、前後方向および上下方向の位置が異なる舌片61N,61Oが突設されている。この舌片61N,61Nは、後述するように、前側ヒートガード61を車体側に取り付けるのに使用される。これら舌片61N,61Oの近傍には、透孔61P,61Qが穿設されている。これら透孔61P,61Qには、図2に示すように、板部61Aの裏面側からケーブルクリップ81が取り付けられる。このケーブルクリップ81は、板部61Aの裏面側に位置する部分に環状部81aを有していて、この環状部81aにより、エンジン30のヘッドカバー30Dの上方を、前後方向に延びるハーネスをエンジン30に接触させることなく整然と保持している。
左右の板部61Aの表面側には、車幅方向に沿って延びる補強用のリブ61Rが、前後方向に複数設けられ、また、表面側の前部においては、湾曲部61Gに向かって斜め外側に延びるリブ61Sが設けられている。また、板部61Aの裏面側には、前後方向に延びる61Tが車幅方向に複数設けられている。さらに、板部61Aの周縁部に沿ってリブ61U等が設けられている。板部61Aは、このように多数のリブ61R〜61Uが設けられることにより、肉厚を薄くして軽量化を図りつつ、必要十分な強度を確保するようにしている。
一方、後側ヒートガード62は、前側ヒートガード61と同様、例えば、ガラス繊維粉末入りのPP(ポリプロピレン)を材料として、平均肉厚が2.0mm程度となるように形成されている。後側ヒートガード62は、図6(A)に示すように、平面視形状が略矩形に形成されており、図6(B)に示すように、下側部分と上側部分とに大別すると、下側部分は、後側またぎ部62Aを構成し、上側部分は、電装品等が装着されるトレー部62Bを構成している。上述の後側ヒートガード62の略矩形の平面視形状は、上側部分のトレー部62Bの平面視形状と略一致している。
後側またぎ部62Aは、前後方向に延びる左右一対の側壁62Cを有しており、これら側壁62Cの上方をトレー部62Bによって覆われることで天井部を構成している。後部またぎ部62Aは、前端側および後端側に、略逆U字状に開口された開口部62E,62Fを有している。後側またぎ部62Aは、図9に示すように、その前側部分がカムチェーン室30Gの後端近傍をまたぎ、後側部分は、カムチェーン室30Gの後端とエアクリーナー38のフロントエアクリーナーケース38Aの前面上端上部とを連結するブリーザーチューブ83をまたいでいる。前側の開口部62Eの上端における車幅方向方向に長い当接部62Gが前傾姿勢で突設されていて、さらに車幅方向中央部には、突片62Hが突設されている。この突片の先端には、車幅方向に長い爪部62Iが上方に向かって突設されている。この爪部62Iは、前側ヒートガード61の前側またぎ部61Bの係止孔61Eに係合される。左右一対の側壁62Cには、それぞれ前側ヒートガード61の舌片61L,61Mの透孔に対応する位置に、透孔62J,62Kが穿設されている。
トレー部62Bは、後端側が後側またぎ部62Aよりもさらに後方に突出するように構成されている。トレー部62Bは、前部上端に、連結部62Yを有している。この連結部62Yには、後述するイグニッションコイルステー76の後端の取付部76Cが挿入されるスリット62Lおよび挿入された後端部を固定するための透孔62Mが形成されている。トレー部62Bの上面には、図6(A)に示すように、電装品取付部62N,62O,62Pが設けられている。このうち電装品取付部62Nは、ウインカリレー71(図4参照)が取り付けられる箇所であり、ウインカリレー71を位置決め係合する取付板62Qが突設されている。また、電装品取付部62Oは、バンク角センサ72が取り付けられる箇所であり、前端側に、バンク角センサ72の一部が係合される2つの係合孔62Rが設けてある。また、電装品取付部62Pは、ECU73が取り付けられる箇所であり、ECU73の車幅方向両端部にそれぞれ係合される係合爪62S、後端を位置決めする後壁62Tが設けてある。トレー部62Bの後端側における車幅方向中央には、自身の位置決めをするための突起62Uが突設されている。この突起62Uは、規制部材82に位置決め係合される。
さらに、トレー部62Bは、後端側上部の車幅方向両端に、前後方向に延びる溝部62V,62Wが形成されている。これら溝部62V,62Wは、前端側が開口されていて、左右一対のメインフレーム13のそれぞれの内側に突出されている係合ピン(係止部)13B(図7参照)に対し、後方から前方に向けての後側ヒートガード62のスライド動作により開口部を介して係合されるようになっている。
上述のように、前側ヒートガード61と後側ヒートガード62とが組み合わされて構成されたヒートガード部材60は、前者の前側またぎ部61Bと後者の後側またぎ部62Aとが前後に隣接するように配置されて、全体として、ヒートガード部材60のまたぎ部63(図9参照)を構成している。すなわち、ヒートガード部材60は、言い換えれば、全体として、エンジン30のカムチェーン室30Gを避けるようにまたぐまたぎ部63と、このまたぎ部63の車幅方向両側に設けられて、またぎ部63と略同じ前後方向の長さを有する板部61Aと、またぎ部63における後半部分(後側またぎ部62A)の上部に設けられて電装品が装着されるトレー部62Bとを有しているともいえる。
上述の前側ヒートガード61と後側ヒートガード62との組み合わせは、前者の係止孔61Eに後者の爪部62Iを係合させ、さらに、前者の舌片61L,61Mと後者の側壁62Cとを締結することによって行われる。
すなわち、前側ヒートガード61に対し、その前側またぎ部61Bの後端61Jよりも、爪部62Iが少し後方に位置するようにして、上方から後側ヒートガード62の左右の側壁62Cの下端62X(図6(B)参照)を、それぞれ前側ヒートガード61の後部内端61Iに載せる。このとき、後部内端61Iに立設されている舌片61L,61Mは、それぞれ左右の側壁62Cの内側に位置する。この状態で、後側ヒートガード62を前方に押す。これにより、後側ヒートガード62の爪部62Iが、前側ヒートガード61の係止孔61Eに係合されるとともに、当接部62Gが前側またぎ部61Bの後端61Jの裏面側に当接する。このとき、前側ヒートガード61の舌片61L,61Mの透孔に対して、後側ヒートガード62の左右の側壁62Cの透孔62J,62Kがそれぞれ一致する。そして、側壁62Cの透孔62Jと舌片61Lの透孔とに締結部材としてのプラスチック製のクリップトリムT(図4参照)を挿入し、同様に、他方の側壁62Cの透孔62Kと舌片61Mの透孔とにクリップトリムを挿入する。これにより、工具等を使用することなく簡単に前側ヒートガード61と後側ヒートガード62とを組み合わせてヒートガード部材60を構成することができる。
なお、前側ヒートガード61から後側ヒートガード62を取り外し際には、上述と逆の工程をたどる。すなわち、後側ヒートガード62の側壁62Cの透孔62J,62Kに挿入されている2本のクリップトリムTを引き抜き、その後、後側ヒートガード62を後方にずらすことにより、前側ヒートガード61の係止孔61Eに対する後側ヒートガード62の爪部62Iの係合を解除して、後側ヒートガード62を外すことができる。この取り外し作業も、上述の取り付け作業と同様、工具が不要な簡単な作業で行うことができる。なお、クリップトリムに限らず、ボルト等の他の締結部材を用いてよい。
上述のヒートガード部材60は、車体に対して以下のようにして取り付けられている。
図4に示すように、ヒートガード部材60全体は、後側ヒートガード62の前端側上部の連結部62Yが、イグニッションコイルステー76の後端の取付部76Cに締結され、また、後側ヒートガード62の後部における左右両端の溝部62V,62Wがメインフレーム13の内側の係合ピン13Bに係合され、さらに、前側ヒートガード61の前側の舌片61N,61Oが、イグニッションコイルステー76に連結された別のステー(図示略)に締結されることで、車体に取り付けられている。
ここで、後側ヒートガード62の連結部62Yが締結されるイグニッションコイルステー76について説明する。
図7は、車体に装着された状態のヒートガード部材60近傍の平面図である。ただし、同図では燃料タンク50は取り外してある。
図7に示すように、左右の一対のメインフレーム13は、クロス部材74によって連結されており、このクロス部材74の車幅方向略中央には、ステー部75が固定されている。ステー部75は、図2,図4に示すように、カムチェーン室30Gの上縁30Hと同様の前傾姿勢で固定されており、このステー部75には、イグニッションコイルステー76が2本のボルト75Aによって前傾姿勢で締結されている。
イグニッションコイルステー76は、ステー部75に沿って略前後方向に延びるとともに、前端側において左右の外側に向かってそれぞれ延びる2本の脚部76Aと、後端側において左右の外側に向かってそれぞれ延びる2本の脚部76Aとの合計4本の脚部76Aを有している。左側のイグニッションコイル70は、左側の2本の脚部76Aの先端にそれぞれボルト76Bによって締結され、また、右側のイグニッションコイル70は、右側の2本の脚部76Aの先端にそれぞれボルト76Bによって締結されている。さらにイグニッションコイルステー76には、前側に延びて左方に屈曲する別の脚部76Dが形成されており、脚部76Dには、IACV79が取り付けられている。このIACV79には、エアクリーナー38から前方に延びるAIチューブ78、およびこのAIチューブ78から左右に分岐されてエンジン30のヘッドカバー30Dに至るAIチューブ77が接続されている。イグニッションコイルステー76は、さらに、後端に後方に延びる舌片状の取付部76Cを有している。この取付部76Cは透孔を有するとともに、後側ヒートガード62のスリット62Lに対して、前方から挿入されている。さらに、イグニッションコイルステー76には、別のステー(図示略)が接続されていて、この別のステーに、次に説明するように前側ヒートガード61が取り付けられる。
ヒートガード部材60の、車体に対する取り付けは、後側ヒートガード62の連結部62Yをイグニッションコイルステー76の後端に取り付け、後側ヒートガード62の左右両端を左右一対のメインフレーム13に係合させ、さらに、前側ヒートガード61の前端側の車幅方向両側を別のステーに取り付けることによって行われている。
すなわち、後側ヒートガード62の連結部62Yのスリット62Lに挿入されているイグニッションコイルステー76の舌片状の取付部76Cの透孔と、連結部の透孔62MとにクリップトリムTを挿入する。これにより、後側ヒートガード62の連結部62Yをイグニッションコイルステー76の後端の取付部76Cに締結する。また、後側ヒートガード62の後端側の左右にそれぞれ設けられた溝部62V,62Wを、左右一対のメインフレーム13の内側にそれぞれ突設された係合ピン13Bに係合させることで、後側ヒートガード62の後部上端側がメインフレーム13によって支持される。さらに、前側ヒートガード61の前端側の左右の舌片61N,61Oの透孔と、別のステーの透孔とにクリップトリムTを挿入することで、前側ヒートガード61の前端側の左右を、イグニッションコイルステー76に締結する。これにより、ヒートガード部材60全体が車体側に取り付けられる。この車体に対するヒートガード部材60の取り付けも、クリップトリムによる締結および係合によるものであるので、工具を使用することなく簡単に取付作業を行うことができる。なお、車体からのヒートガード部材60の取り外しも、工具を不要とした簡単な取付作業となる。
車体に取り付けられたヒートガード部材60に対し、後側ヒートガード62の後端に規制部材82を後側から当接させ、さらに、後側ヒートガード62の突起62Uに位置決め孔82Aを係合させることで、取付作業を終了する。
図8は、車体に取り付けられた状態のヒートガード部材60の平面図を示している。すなわち、図7に示す状態から、後側ヒートガード62の上面に装着されているウインカリレー71、バンク角センサ72、ECU73等の電装品を取り外し、さらに、クロス部材74に固定されているステー部75から、イグニッションコイルステー76、およびこれに取り付けられているイグニッションコイルステー76、IACV79等を取り外した状態、つまり、ヒートガード部材60の上方、および上端に配置されている角部材を取り外した状態を示している。
ここで、同図に示すように、前側ヒートガード61と後側ヒートガード62とを組み合わせた際にそれぞれが接合されて形成される接合部のうち、平面視において目視できるラインを、分割線L1,L2,L3とすると、これら分割線L1,L2,L3は、全体として、後側に開放された略U字状を形成している。このうち前側において車幅方向に延びる分割線L2は、前側ヒートガード61の前側またぎ部61Bの後端61J(図5(A)参照)によって形成される。
これに対し、前後方向に延びて相互に対向する分割線L1,L3は、図6(A)に示す後側ヒートガード62の左右の側壁62Cによって形成される。そして、図8に示すように、車幅方向の分割線L2が、クロス部材74と同じかこれよりも後方に位置し、また、前後方向の分割線L1,L3が、左右一対のメインフレーム13の車幅方向内側の部分よりもさらに内側に位置している。これにより、ヒートガード部材60は、前側ヒートガード61と後側ヒートガード62とに分割することにより、後側ヒートガード62を左右一対のメインフレーム13の間から上方に引き抜き、一方、前側ヒートガード61を側方から引き抜くことが可能となる。
続いて、スロットルボディ37、エアクリーナー38等を取り外すことなく、車体からヒートガード部材60を取り外すことができる点について説明する。
まず、図2,図4に示す、ヒートガード部材60の上方や上面に配設されている各部材を取り外す。
イグニッションコイルステー76を車体側のステー部75に締結している2本のボルト75Aを外し、イグニッションコイルステー76の取付部76Cを後側ヒートガード62の連結部62Yに締結しているクリップトリムTを引き抜き、さらに、イグニッションコイルステー76に接続されている別のステーを、前側ヒートガード61の前側の左右の舌片61N,61Oに締結しているクリップトリムTを引き抜く。これにより、イグニッションコイルステー76を、左右のイグニッションコイル70、IACV79ともに取り外すことができる。さらに、後側ヒートガード62の上面の、電装品取付部62N,62O,62Pにそれぞれ装着されているウインカリレー71、バンク角センサ72、ECU73等の電装品を取り外す。
図8は、この状態を示す平面図、また、図9はこの状態を示す左側面図である。
つづいて、ヒートガード部材60の後側ヒートガード62の後端の位置を規制している規制部材82を左右のサイドフレームから取り外し、さらに、後側ヒートガード62の左右の側壁62Cと、前側ヒートガード61の舌片61L,61Mとを締結しているクリップトリムTを引き抜く。これにより、後側ヒートガード62は、前側ヒートガード61から分離され、後方へのスライド移動が可能となる。
後側ヒートガード62を少し後方にスライド移動させることで、後端側左右の溝部62V,62Wを、左右のメインフレーム13の内側の係合ピン13Bから外すことができ、上方への移動が可能となる。後側ヒートガード62を左右のメインフレーム13の間から上方に引き抜く。
上記実施例の作用について説明する。
後側ヒートガード62が取り外された前側ヒートガード61は、車体の側方から引き抜くことが可能となる。
前側ヒートガード61は、図9に示すように、その高さ寸法Hが、後側ヒートガード62が取り外される以前のヒートガード部材60の高さ寸法に対して小さくなっている。このため、前側ヒートガード61を側方から引き抜く際に、前側ヒートガード61の引き抜く際に、側面視においてメインフレーム13に当たる位置まで持ち上げたとき(図7中では、二点鎖線で図示)に、その下縁Rの位置がエンジン30のカムチェーン室30Gの上縁30Hよりも高い位置に位置すれば、前側ヒートガード61をそのまま側方に引き抜くことができる。
ここで、図7に二点鎖線で示すように、前側ヒートガード61の下縁Rが上縁30Hに対して完全に高い位置にない場合であっても、つまり、下縁Rと上縁30Hが多少オーバーラップしている場合であっても、図5(A)に示すように、前側ヒートガード61の後部には、矩形の取付空間61Kが形成されているので、例えば、図5(A)中に矢印Pで示す、左の板部61Aの後部を基準として、左周り(半時計周り)に前側ヒートガード61を回転させることにより、取付空間61Kが円運動して、カムチェーン室30Gの上縁30Hから抜けるので、前側ヒートガード61を車体の側方から引き抜くことが可能となる。このとき、前側ヒートガード61の板部61Aの前端側外側には、湾曲部61Gが設けてあるので、板部61Aの先端が車体側の他部材に当たりにくくして、前側ヒートガード61を円滑に引き抜くことができる。
上述構成の自動二輪車10においては、ヒートガード部材60が、前側ヒートガード61と後側ヒートガード62に分割されていて、後側ヒートガード62を左右一対のメインフレーム13の間から上方に、また、前側ヒートガード61を側方に引き抜くことが可能となっていて、従来の一体型のヒートガード部材とは異なり、例えば、エンジン30のヘッドカバー30Dを取り外して整備する際に、エンジン後方のスロットルボディ37やエアクリーナー38を取り外す必要がないため、エンジン30の整備性を向上させることができる。
なお、上述では、ヒートガード部材60の後側ヒートガード62を左右のメインフレーム13の間から上方に引き抜く前に、後側ヒートガード62の上面に装着されたウインカリレー71、バンク角センサ72、ECU73等の電装品を後側ヒートガード62から取り外したが、これら電装品が図7に示す平面視において、クロス部材74よりも後方で、かつ左右のメインフレーム13よりも車幅方向内側に位置するように配置しておけば、これら電装品が装着されたままの状態で、後側ヒートガード62を上方に引き抜くことができる。また、逆に、組立自動二輪車は、これら電装品を後側ヒートガード62にサブアッセンブリした状態で、後側ヒートガード62を取り付けることが可能である。これにより、組立作業を効率化することができる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、左右一対のメインフレーム13とエンジン30との間に、ヒートガード部材60を設けることにより、エンジン30で暖められた走行風が、燃料タンク50や運転者Mに当たりにくくして、熱居住性を向上させることができる。
また、イグニッションコイル70、ウインカリレー71、バンク角センサ72、ECU73等をヒートガード部材60の上方または上面に配置することにより、これら電装品は、燃料タンク50およびヒートガード部材60によって覆われることになるので、これら外装品の外観視を防止し、さらに、エンジン30の熱による影響を低減することができる。
また、ヒートガード部材60のまたぎ部63を、前側ヒートガード61の前側またぎ部61Bと、後側ヒートガード62とによって構成し、後側ヒートガード62を左右のメインフレーム13の間から上方に引き抜くことを可能としたので、前側ヒートガード61を車体側方から引き抜くことが可能になった。これにより、エンジン30のシリンダヘッド30Cのメンテナンス性を向上させることができる。
また、前側ヒートガード61と後側ヒートガードとの分割線L1,L2,L3のうち、左右一対前後方向に延びる分割線L1,L3が左右一対のメインフレーム13よりも車幅方向内側に位置するようにしたので、後側ヒートガード62の上方への引き抜きを円滑に行うことができる。
また、前側ヒートガード61に対する後側ヒートガード62との取り付けは、前側ヒートガード61の係止孔61Eと後側ヒートガード62の爪部62Iとの係合、および後側ヒートガード62の左右の側壁62Cの透孔62J,62Kと前側ヒートガード61の舌片61L,61Mのそれぞれに挿着したクリップトリムによる締結によって行われているので、取り付け、さらにはこの逆に取り外しが容易である。
また、車体側に対するヒートガード部材60の取り付けは、左右のメインフレーム13の内側の係合ピン13Bに対する、後側ヒートガード62の溝部62V,62Wの係合、およびイグニッションコイルステー76に取付部76Cに対する後側ヒートガード62の連結部62YのクリップトリムTによる締結、およびイグニッションコイルステー76に連結された他のステーに対する前側ヒートガード61の前側の左右の舌片61N、61OのクリップトリムTによる締結によって行われるので、車体に対するヒートガード部材60の取り付け、取り外しが容易である。
また、イグニッションコイルステー76がヒートガード部材60の支持部材をも兼ねるようにすれば、部品点数を減らすことができる。
また、図2,図3に示すように、ヒートガード部材60を、燃料タンク50のフレームまたぎ部50Aの間で、かつフレームまたぎ部50Aの下端50Bよりも高い位置に配置すれば、ヒートガード部材60が外部から視認できないようにすることができる。
また、図4に示すように、前側ヒートガード61の板部61Aの前端に切欠部61Fを設けて、ここにAIチューブ77,78を通し、また、前側ヒートガード61の板部61Aの後端に凹部61Hを設けて、ここにバキュームホース80を通すことにより、これらAIチューブ77,78、バキュームホース80の配管を可能にしつつ、板部61Aの前後方向の長さを長く確保して、シリンダヘッド30Cの上方をより広い面積で覆うことが可能となる。
また、図9に示すように、後側ヒートガード62の後側またぎ部62Aを、カムチェーン室30Gの後端よりもさらに後方に延長することにより、この延長部分に、カムチェーン室30Gの後端と、エアクリーナー38の前面上部とを連結するブリーザーチューブ83を通すようにすれば、ヒートガード部材60を設けた場合であっても、ブリーザーチューブ83がカムチェーン室30Gの後端とエアクリーナー38の前面上部とを最短距離で連結することが可能となる。
自動二輪車の側面図である。 図1中のヒートガード部材の近傍の拡大図である。 図2中のIII−III線矢視図である。 ヒートガード部材を、車体の前側左斜め上方から見た斜視図である。 前側ヒートガードを説明する図であり、(A)は平面図、(B)は左側面図、(C)は(A)中のC−C線矢視図である。 後側ヒートガードを説明する図であり、(A)は平面図、(B)は左側面図、(C)は(B)中のC−C断面図、(D)は(B)中のD−D断面図である。 イグニッションコイルステー、電装品が装着された状態のヒートガード部材を上方から見た図である。 イグニッションコイルステー、電装品が取り外された状態のヒートガード部材を上方から見た図である。 ヒートガード部材の取り外し動作を説明する側面図である。 (A)は従来のヒートガード部材の平面図であり、(B)は側面図である。 従来のヒートガード部材の取り外し動作を説明する側面図である。
10 自動二輪車
11 車体フレーム
12 ヘッドパイプ
13 メインフレーム
13B 係合ピン(係止部)
30 エンジン(並列多気筒エンジン)
30C ヘッドカバー
30G カムチェーン室
30H 上縁
50 燃料タンク
50A フレームまたぎ部
60 ヒートガード部材
61 前側ヒートガード
61A 板部
61B 前側またぎ部
62 後側ヒートガード
62A 後側またぎ部
62N,62O,62P 電装品取付部
62V,62W 溝部
63 またぎ部
74 クロス部材
75 ステー部
76 イグニッションコイルステー
L1,L2,L3 分割線

Claims (5)

  1. ヘッドパイプから後下方に延びる左右一対のメインフレームを有する車体フレームと、当該車体フレームに前記左右一対のメインフレーム下方で締結される並列多気筒エンジンと、前記左右一対のメインフレームを車幅方向にまたぐ形状のフレームまたぎ部を有するとともに、前記左右一対のメインフレーム上部に支持される燃料タンクと、が備えられ、前記並列多気筒エンジンは、車幅方向中央上部にカムチェーン室が設けられ、当該カムチェーン室の上縁が前記並列多気筒エンジンの車体締結状態で前傾するように配された自動二輪車において、
    前記左右一対のメインフレームと前記並列多気筒エンジンとの間にヒートガード部材が設けられ、
    当該ヒートガード部材は、前記燃料タンクの前記フレームまたぎ部下方から前記並列多気筒エンジンの前記カムチェーン室にかけて設けられる左右一対の板部と、前記カムチェーン室をまたぐまたぎ部と、を有するとともに、
    前記ヒートガード部材は、前記またぎ部の前後方向中間部で前側と後側とに分割された前側ヒートガードと後側ヒートガードとが組まれて設けられることを特徴とする自動二輪車。
  2. 前記前側ヒートガードと前記後側ヒートガードは平面視で後側に開放した略U字状に分割線が形成され、前記略U字状の分割線のうち左右一対前後方向に延びる分割線は前記左右一対のメインフレームよりも車幅方向内側となるように設けられることを特徴とする請求項1に記載の自動二輪車。
  3. 前記後側ヒートガードには電装品取付部が設けられることを特徴とする請求項2に記載の自動二輪車。
  4. 前記左右一対のメインフレームには、前記前側ヒートガードの上方位置でクロス部材が設けられ、当該クロス部材の下部にはステー部が設けられ、当該ステー部にはイグニッションコイルを支持するイグニッションコイルステーが支持され、前記後側ヒートガードは前記イグニッションコイルステーの後端に支持されることを特徴とする請求項1に記載の自動二輪車。
  5. 前記左右一対のメインフレームの車幅方向内側部には左右一対の係止部が設けられ、前記後側ヒートガードの両側面には当該係止部と係合する溝部が形成されることを特徴とする請求項2に記載の自動二輪車。
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