JP2011043786A - パターン形成方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】支持体上に、第一の化学増幅型ポジ型レジスト組成物を塗布して第一のレジスト膜を形成し、露光し、PEBを行い、アルカリ現像して第一のレジストパターンを形成する工程(1)と、第一のレジストパターンが形成された支持体上に、第二の膜形成用材料を塗布して第二の膜を形成し、第一のレジストパターンが形成された位置を含む領域を露光し、PEBを行い、アルカリ現像する工程(2)と、を有し、第二の膜形成用材料として、第一のレジスト膜を溶解しない有機溶剤を含有し、且つ第一の化学増幅型ポジ型レジスト組成物と同じかそれよりも少ないエネルギー量ではアルカリ現像液に対する溶解性が増大しないものを使用し、工程(2)にて、露光した領域内の第一のレジストパターンのみがアルカリ現像により除去されるように露光量およびPEB温度を設定するパターン形成方法。
【選択図】なし
Description
微細パターンは、通常、有機材料からなり、例えばリソグラフィー法やナノインプリント法等の技術によって形成される。たとえばリソグラフィー法においては、基板等の支持体上に、レジスト材料からなるレジスト膜を形成し、該レジスト膜に対し、光、電子線等の放射線にて選択的露光を行い、現像処理を施すことにより、前記レジスト膜に所定形状のレジストパターンを形成する工程が行われる。そして、上記レジストパターンをマスクとして、基板をエッチングにより加工する工程を経て半導体素子等が製造される。露光した部分の現像液に対する溶解性が増大するレジスト材料をポジ型、露光した部分の現像液に対する溶解性が低下するレジスト材料をネガ型という。
近年、リソグラフィー技術の進歩により急速にパターンの微細化が進んでいる。レジストパターンの微細化の手法としては、一般に、露光光源の短波長化が行われている。具体的には、従来は、g線、i線に代表される紫外線が用いられていたが、現在では、KrFエキシマレーザーや、ArFエキシマレーザーを用いた半導体素子の量産が開始されており、たとえばArFエキシマレーザーを用いたリソグラフィーにより、45nmレベルの解像性でのパターン形成が可能となっている。また、解像性の更なる向上のために、これらエキシマレーザーより短波長のF2エキシマレーザー、電子線、EUV(極紫外線)やX線などについても検討が行われている。
レジスト材料には、これらの露光光源に対する感度、微細な寸法のパターンを再現できる解像性等のリソグラフィー特性が求められる。このような要求を満たすレジスト材料として、露光により酸を発生する酸発生剤を含有する化学増幅型レジスト組成物が用いられている。化学増幅型レジスト組成物には、一般的に、前記酸発生剤とともに、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が変化する基材成分が配合されている。たとえばポジ型の化学増幅型レジストの基材成分としては、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大するものが用いられている(たとえば、特許文献1参照)。また、化学増幅型レジスト組成物の基材成分としては主に樹脂が用いられている。
液浸露光によれば、同じ露光波長の光源を用いても、より短波長の光源を用いた場合や高NAレンズを用いた場合と同様の高解像性を達成でき、しかも焦点深度幅の低下もないといわれている。また、液浸露光は、既存の露光装置を応用して行うことができる。そのため、液浸露光は、低コストで、高解像性で、かつ焦点深度幅にも優れるレジストパターンの形成を実現できると予想され、多額な設備投資を必要とする半導体素子の製造において、コスト的にも、解像度等のリソグラフィー特性的にも、半導体産業に多大な効果を与えるものとして大変注目されている。
液浸露光は、あらゆるパターン形状の形成において有効であり、更に、現在検討されている位相シフト法、変形照明法などの超解像技術と組み合わせることも可能であるとされている。現在、液浸露光技術としては、主に、ArFエキシマレーザーを光源とする技術が活発に研究されている。また、現在、液浸媒体としては、主に水が検討されている。
ダブルパターニングプロセスにはいくつか種類があり、たとえば、(1)リソグラフィー工程(レジスト組成物の塗布から露光、現像まで)およびエッチング工程を2回以上繰り返してパターンを形成する方法、(2)リソグラフィー工程を続けて2回以上繰り返す方法等がある。
(1)の方法によるパターンの形成は、たとえば以下の手順で実施される。まず、基板と下層膜とハードマスクとが積層された積層体を用意する。次に、ハードマスク上にレジスト膜を設け、該レジスト膜を、フォトマスクを介して選択的に露光し、現像することにより、所定のサイズのレジストパターンが複数、所定の位置に配置された第一のレジストパターンを形成する。次に、該第一のレジストパターンをマスクとしてハードマスクのエッチングを行った後、残った第一のレジストパターンを除去する。これにより、第一のレジストパターンが転写されたハードマスクが得られる。次に、該ハードマスク上にレジスト組成物を塗布することにより、ハードマスク内の空隙を充填するレジスト膜を形成する。そして、該レジスト膜を、パターン配置の異なるフォトマスクを介して選択的に露光し、現像して第二のレジストパターンを形成する。次に、該第二のレジストパターンをマスクとしてハードマスクのエッチングを行った後、残った第二のレジストパターンを除去する。これにより、第一のレジストパターンおよび第二のレジストパターンが転写されたハードマスクが得られる。このハードマスクをマスクとしてエッチングを行うことにより、下層膜にハードマスクのパターンが転写され、結果、使用したフォトマスクよりも狭ピッチのパターンが形成される。
(2)の方法では、たとえば、支持体上に第一のレジスト膜を形成し、該第一のレジスト膜をパターニングすることにより複数のレジストパターンを形成した後、その上に第二のレジスト材料を塗布して前記複数のレジストパターン間の空隙を充填する第二のレジスト膜を形成し、該第二のレジスト膜をパターニングする。
これらのダブルパターニングプロセスによれば、同じ露光波長の光源を用いても、また、同じレジスト組成物を用いても、1回のリソグラフィー工程で形成する場合(シングルパターニング)よりも高解像性のレジストパターンを形成することが可能である。また、ダブルパターニングプロセスは、既存の露光装置を用いて行うことができる。
高解像のレジストパターンを形成できる技術として、上述のようなダブルパターニングプロセスを用いることも考えられる。しかし、上記のようなダブルパターニングプロセスのうち、(1)の方法は、基板上にパターンを形成するためには、レジスト膜のパターニングを少なくとも2回、その下層のハードマスクのエッチングを少なくとも2回行う必要があるなど、工程数の増大や薬液使用量の増大、それらに伴う製造コストの増大が問題となる。また、(2)の方法は、ラインアンドスペースパターンの形成には適しているものの、孤立スペースパターン(トレンチパターン)やホールパターンの形成には適していない。
そのため、スペースパターン、ホールパターン等のパターンを高い解像性で形成できる新規な技術が求められる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、微細パターンの形成に有用なパターン形成方法を提供することを目的とする。
前記第一のレジストパターンが形成された前記支持体上に、第二の膜形成用材料を塗布して第二の膜を形成し、該第二の膜の、前記第一のレジストパターンが形成された位置を含む領域を露光し、露光後ベークを行い、アルカリ現像する工程(2)と、を有し、
前記第二の膜形成用材料として、前記第一のレジスト膜を溶解しない有機溶剤を含有し、且つ前記第一の化学増幅型ポジ型レジスト組成物と同じかそれよりも少ないエネルギー量ではアルカリ現像液に対する溶解性が増大しないものを使用し、
前記工程(2)にて、露光した領域内の前記第一のレジストパターンのみがアルカリ現像により除去されるように露光量および露光後ベーク温度を設定することを特徴とするパターン形成方法である。
「構成単位」とは、樹脂成分(重合体、共重合体)を構成するモノマー単位(単量体単位)を意味する。
「アルキル基」は、特に断りがない限り、直鎖状、分岐鎖状および環状の1価の飽和炭化水素基を包含するものとする。「アルキレン基」は、特に断りがない限り、直鎖状、分岐鎖状および環状の2価の飽和炭化水素基を包含するものとする。
「ハロゲン化アルキル基」は、アルキル基の水素原子の一部又は全部がハロゲン原子で置換された基である。「ハロゲン化アルキレン基」は、アルキレン基の水素原子の一部又は全部がハロゲン原子で置換された基である。該ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
「脂肪族」とは、芳香族に対する相対的な概念であって、芳香族性を持たない基、化合物等を意味するものと定義する。
本発明のパターン形成方法は、支持体上に、第一の化学増幅型ポジ型レジスト組成物を塗布して第一のレジスト膜を形成し、該第一のレジスト膜を露光し、露光後ベークを行い、アルカリ現像して第一のレジストパターンを形成する工程(1)と、
前記第一のレジストパターンが形成された前記支持体上に、第二の膜形成用材料を塗布して第二の膜を形成し、該第二の膜の、前記第一のレジストパターンが形成された位置を含む領域を露光し、露光後ベークを行い、アルカリ現像する工程(2)と、を有する。
図1〜2に本発明の第1の実施形態を示す。
本実施形態では、工程(1)を図1に示す手順で行う。
すなわち、まず、図1(a)に示すように、支持体1上に、第一の化学増幅型ポジ型レジスト組成物を塗布して第一のレジスト膜2を形成する。
次に、第一のレジスト膜2を、図1(b)に示すように、所定のパターンが形成されたフォトマスク3を介して露光し、露光後ベーク(ポストエクスポージャーベーク(PEB))を行う。これにより、第一のレジスト膜2のうち、露光された領域(露光部)のアルカリ現像液に対する溶解性が増大し、一方、露光されていない領域(未露光部)のアルカリ現像液に対する溶解性は変化しないか、変化してもその変化量がわずかであるため、露光部と未露光部との間にアルカリ現像液に対する溶解速度の差(溶解コントラスト)が生じる。そのため、アルカリ現像液による現像を行うと、第一のレジスト膜2の露光部が除去され、未露光部が残留し、結果、図1(c)に示すように、支持体1上に、離間配置された複数のレジストパターン2aから構成されるパターン(第一のレジストパターン)が形成される。
工程(2)では、まず、工程(1)で第一のレジストパターンが形成された支持体1(図2(a))上に、前記第一のレジスト膜を溶解しない有機溶剤を含有し、且つ前記第一の化学増幅型ポジ型レジスト組成物と同じかそれよりも少ないエネルギー量ではアルカリ現像液に対する溶解性が増大しない第二の膜形成用材料を塗布し、図2(b)に示すように、複数のレジストパターン2a間の空隙を充填する第二の膜6を形成する。
次に、第二の膜6を、図2(c)に示すように、オープンフレーム露光(フォトマスクを介さない露光)により露光(全面露光)し、PEBを行う。
このとき、露光における露光量、およびPEBにおけるベーク温度(PEB温度)を、露光した領域内のレジストパターン2aのみがアルカリ現像により除去されるように設定して行う。かかる露光およびPEBを行うと、レジストパターン2aのアルカリ現像液に対する溶解性が増大し、一方、レジストパターン2a間に充填された第二のレジスト膜6のアルカリ現像液に対する溶解性はほとんど変化しないため、アルカリ現像液による現像を行うと、レジストパターン2aとが除去される一方、レジストパターン2a間に充填された第二のレジスト膜6は除去されずに残る。第二のレジスト膜6のうち、レジストパターン2aの上面に存在する部分は、その厚さが薄いため、アルカリ現像時にレジストパターン2aとともに除去される。結果、図2(d)に示すように、レジストパターン2aのあった位置6cに、該レジストパターン2aのイメージが反転したレジストパターン(反転パターン)が形成される。
[工程(1)]
支持体としては、特に限定されず、従来公知のものを用いることができ、例えば、電子部品用の基板や、これに所定の配線パターンが形成されたもの等を例示することができる。より具体的には、シリコンウェーハ、銅、クロム、鉄、アルミニウム等の金属製の基板や、ガラス基板等が挙げられる。配線パターンの材料としては、例えば銅、アルミニウム、ニッケル、金等が使用可能である。
また、支持体としては、上述のような基板上に、無機系および/または有機系の膜が設けられたものであってもよい。無機系の膜としては、無機反射防止膜(無機BARC)が挙げられる。有機系の膜としては、有機反射防止膜(有機BARC)や多層レジスト法における下層膜が挙げられる。特に、有機膜が設けられていると、基板上に、高アスペクト比のパターンを形成でき、半導体の製造等において有用であることから好ましい。
ここで、多層レジスト法とは、基板上に、少なくとも一層の有機膜(下層膜)と、少なくとも一層のレジスト膜とを設け、上層のレジスト膜に形成したレジストパターンをマスクとして下層のパターニングを行う方法であり、高アスペクト比のパターンを形成できるとされている。多層レジスト法には、基本的に、上層のレジスト膜と、下層膜との二層構造とする方法と、これらのレジスト膜と下層膜との間に一層以上の中間層(金属薄膜等)を設けた三層以上の多層構造とする方法とに分けられる。多層レジスト法によれば、下層膜により所要の厚みを確保することにより、レジスト膜を薄膜化し、高アスペクト比の微細パターン形成が可能となる。
無機系の膜は、たとえばシリコン系材料などの無機系の反射防止膜組成物を基材上に塗工し、焼成等することにより形成できる。
有機系の膜は、たとえば、当該膜を構成する樹脂成分等を有機溶剤に溶解した有機膜形成用材料を基板にスピンナー等で塗布し、好ましくは200〜300℃、好ましくは30〜300秒間、より好ましくは60〜180秒間の加熱条件でベーク処理することにより形成できる。
ここで、「化学増幅型レジスト組成物」は、露光により酸を発生する酸発生剤成分を必須の成分として含有するものであり、該酸の作用により、当該化学増幅型レジスト組成物全体のアルカリ現像液に対する溶解性が変化する性質を有する。たとえばポジ型の場合、アルカリ現像液に対する溶解性が増大する。
たとえば、化学増幅型ポジ型レジスト組成物としては、前記酸発生剤とともに、酸解離性溶解抑制基を有する化合物(たとえば後述する(A)成分)が配合されたものが一般的に用いられている。このような組成物に対して露光および露光後ベークを行うと、前記酸発生剤成分から発生した酸の作用により当該化合物から酸解離性溶解抑制基が解離する。この酸解離性溶解抑制基は、解離前は当該化合物全体をアルカリ現像液に対して難溶とするアルカリ溶解抑制性を有するとともに、酸発生剤成分から発生した酸により解離する性質を有する基であり、この酸解離性溶解抑制基が解離することで、当該化合物のアルカリ現像液に対する溶解性が増大する。そのため、該化学増幅型ポジ型レジスト組成物を用いて形成されるレジスト膜に対して選択的露光および露光後ベークを行うと、レジスト膜の露光部が、酸発生剤成分から発生した酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大する一方で、未露光部はアルカリ現像液に対する溶解性が変化しないため、アルカリ現像により露光部のみが溶解除去され、レジストパターンが形成される。
かかる第一の化学増幅型ポジ型レジスト組成物の具体例については、詳しくは後述する。
具体的には、たとえば支持体1上に、スピンナーを用いる等の従来公知の方法を用いて第一のポジ型レジスト組成物を塗布し、80〜150℃の温度条件下、ベーク処理(プレベーク)を40〜120秒間、好ましくは60〜90秒間施し、有機溶剤を揮発させることにより第一のレジスト膜2を形成できる。
第一のレジスト膜2の厚さは、好ましくは50〜500nm、より好ましくは50〜450nmである。この範囲内とすることにより、レジストパターンを高解像度で形成できる、エッチングに対する充分な耐性が得られる等の効果がある。
露光に用いる波長は、特に限定されず、KrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー、F2エキシマレーザー、EUV(極紫外線)、VUV(真空紫外線)、EB(電子線)、X線、軟X線などの放射線を用いて行うことができる。微細なレジストパターンを形成しやすいことから、ArFエキシマレーザー、EUV、EBのいずれかが好ましく、特に、ArFエキシマレーザーが好ましい。
フォトマスクとしては、特に限定されず、公知のものを利用でき、たとえば、遮光部の透過率が0%のバイナリーマスク(Binary−Mask)や、遮光部の透過率が6%のハーフトーン型位相シフトマスク(HT−Mask)を用いることができる。
当該バイナリーマスクは、一般的には石英ガラス基板上に、遮光部としてクロム膜、酸化クロム膜等が形成されたものが用いられる。
当該ハーフトーン型位相シフトマスクは、一般的には石英ガラス基板上に、遮光部としてMoSi(モリブデン・シリサイド)膜、クロム膜、酸化クロム膜、酸窒化シリコン膜等が形成されたものが用いられる。
なお、本実施形態ではフォトマスク3を介して露光を行っているが本発明はこれに限定されず、フォトマスクを介さない露光、たとえばEB等による描画により選択的露光を行ってもよい。
液浸露光では、上述したように、露光時に、従来は空気や窒素等の不活性ガスで満たされているレンズと支持体上のレジスト膜との間の部分を、空気の屈折率よりも大きい屈折率を有する溶媒(液浸媒体)で満たした状態で露光を行う。
より具体的には、液浸露光は、上記のようにして得られたレジスト膜と露光装置の最下位置のレンズ間を、空気の屈折率よりも大きい屈折率を有する溶媒(液浸媒体)で満たし、その状態で、所望のフォトマスクを介して露光(浸漬露光)することによって実施できる。
液浸媒体としては、空気の屈折率よりも大きく、かつ当該浸漬露光によって露光されるレジスト膜(工程(1)においては第一のレジスト膜2)の有する屈折率よりも小さい屈折率を有する溶媒が好ましい。かかる溶媒の屈折率としては、前記範囲内であれば特に制限されない。
空気の屈折率よりも大きく、かつレジスト膜の屈折率よりも小さい屈折率を有する溶媒としては、例えば、水、フッ素系不活性液体、シリコン系溶剤、炭化水素系溶剤等が挙げられる。
フッ素系不活性液体の具体例としては、C3HCl2F5、C4F9OCH3、C4F9OC2H5、C5H3F7等のフッ素系化合物を主成分とする液体等が挙げられ、沸点が70〜180℃のものが好ましく、80〜160℃のものがより好ましい。フッ素系不活性液体が上記範囲の沸点を有するものであると、露光終了後に、液浸に用いた媒体の除去を、簡便な方法で行えることから好ましい。
フッ素系不活性液体としては、特に、アルキル基の水素原子が全てフッ素原子で置換されたパーフロオロアルキル化合物が好ましい。パーフロオロアルキル化合物としては、具体的には、パーフルオロアルキルエーテル化合物やパーフルオロアルキルアミン化合物を挙げることができる。
さらに、具体的には、前記パーフルオロアルキルエーテル化合物としては、パーフルオロ(2−ブチル−テトラヒドロフラン)(沸点102℃)を挙げることができ、前記パーフルオロアルキルアミン化合物としては、パーフルオロトリブチルアミン(沸点174℃)を挙げることができる。
より詳細に説明すると、化学増幅型ポジ型レジスト組成物からなる第一のレジスト膜2は、露光およびPEBを行うことで、酸発生剤成分からの酸の発生と、発生した酸の当該レジスト膜2内での拡散と、該酸の作用による当該レジスト膜のアルカリ現像液に対する溶解性の増大とが進行する。このとき、露光量およびPEBのベーク温度(PEB温度)が充分でなく、供給されるエネルギー量が充分でないと、露光部において、酸の発生および拡散が充分に進行せず、露光部のアルカリ現像液に対する溶解性が充分に増加しない。そのため、露光部と未露光部との間のアルカリ現像液に対する溶解速度の差(溶解コントラスト)が小さく、現像しても良好なレジストパターンを形成できない。つまり、第一のレジストパターンを形成するためには、当該第一のレジスト膜2の露光、PEBおよび現像を行った際に、該レジスト膜2の露光部が、アルカリ現像液で溶解除去されるのに充分なアルカリ現像液溶解性を発現する露光量およびPEB温度で露光およびPEBを行う必要がある。
第一のレジスト膜2のアルカリ現像液に対する溶解性を増大させるためには、露光量、PEB温度ともにある程度以上の値が必要となる。たとえば露光量が少なすぎると、PEB温度を高くしても、アルカリ現像液に対する溶解性の増大は見られない。また、露光量が多くても、PEB温度が低すぎると、アルカリ現像液に対する溶解性の増大は見られない。
以下、露光後のレジスト膜に、アルカリ現像液で溶解除去されるのに充分なアルカリ現像液溶解性を発現させることができるPEB温度を有効PEB温度ということがある。
工程(1)でのPEB温度(Tpeb1)は、当該露光量にて露光された第一のレジスト膜2の露光部のアルカリ現像液に対する溶解性を増大させ得る温度、つまり、第一のレジスト膜2の有効PEB温度の最低値(Tmin1)以上の温度であればよい。すなわち、Tmin1≦Tpeb1であればよい。
Tpeb1は、使用する第一のポジ型レジスト組成物の組成によっても異なるが、通常、70〜150℃の範囲内であり、80〜140℃が好ましく、85〜135℃がより好ましい。
該PEB処理におけるベーク時間は、通常、40〜120秒間であり、好ましくは60〜90秒間施される。
第一のレジスト膜2に対し、工程(1)で使用する露光光源(たとえばArFエキシマレーザー、EB、EUV等)にて、露光量を変化させて露光し、所定のベーク温度で30〜120秒間のPEB処理を行い、現像液として2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(23℃)を用いて現像を行う。
このとき、所定のベーク温度にて露光量を増加させていった際に、露光量が所定値以上になると、第一のレジスト膜2の露光部のアルカリ現像液に対する溶解速度が1nm/秒以上となる場合は、当該ベーク温度が、第一のレジスト膜2のアルカリ現像液に対する溶解性を増大させるベーク温度(第一のレジスト膜2のTmin1以上の温度)であると判定される。一方、露光量を増加させていっても、第一のレジスト膜2の露光部の現像液に対する溶解速度が1nm/秒以上とはならず、それよりも低い溶解速度で飽和を示す場合は、当該ベーク温度が、第一のレジスト膜2のアルカリ現像液に対する溶解性を増大させないベーク温度(第一のレジスト膜2のTmin1未満の温度)であると判定される。
また、このとき、アルカリ現像液に対する溶解速度が1nm/秒以上となる変化が生じた時点の露光量以上の露光量が、当該PEB温度において、第一のレジスト膜2のアルカリ現像液に対する溶解性を増大させる露光量であると判定される。
上記アルカリ現像後、水等によるリンス処理を行ってもよい。
該ポストベークのベーク温度は、第一のポジ型レジスト組成物に用いられている有機溶剤によっても異なるが、通常、130℃以上が好ましく、130〜160℃がより好ましい。該ベーク温度が低すぎると、有機溶剤を充分に低減にできず、高すぎると、その熱によってレジストパターン2aの形状が悪化するおそれがある。
ポストベークのベーク時間は、ベーク温度によっても異なるが、通常、30〜90秒間程度である。
次に、第一のレジストパターンが形成された支持体1上に、前記第一のレジスト膜を溶解しない有機溶剤(以下、(S’)成分という。)を含有し、且つ前記第一のポジ型レジスト組成物と同じかそれよりも少ないエネルギー量ではアルカリ現像液に対する溶解性が増大しない第二の膜形成用材料を塗布し、レジストパターン2a間の空隙を充填する第二の膜6を形成する。
第二の膜形成用材料が(S’)成分を含有することで、第二の膜形成用材料を塗布した際の、第二の膜形成用材料中の有機溶剤によるレジストパターン2aの溶解を抑制でき、レジストパターン2aの形状の悪化や消失、レジストパターン2aと第二の膜6との間の界面でのミキシングの発生等を防止することができる。
また、第二の膜形成用材料が前記第一のポジ型レジスト組成物と同じかそれよりも少ないエネルギー量ではアルカリ現像液に対する溶解性が増大しないものであることにより、上述したように、反転パターンを形成できる。
(S’)成分としては、第一のレジスト膜を溶解せず、かつ、第二の膜形成用材料に配合される成分を溶解し得るものであればよい。
具体的には、アルコール系有機溶剤、フッ素系有機溶剤、水酸基を有さないエーテル系有機溶剤等が挙げられる。これらは、いずれか1種を単独で用いてもよく、2種以上混合して用いてもよい。塗布性、樹脂成分などの材料の溶解性の点から、アルコール系有機溶剤が好ましい。
ここで、「アルコール系有機溶剤」とは、脂肪族炭化水素の水素原子の少なくとも1つが水酸基で置換された化合物であって、常温、常圧下で液体である化合物である。前記脂肪族炭化水素を構成する主鎖の構造は、鎖状構造であってもよく、環状構造であってもよく、該鎖状構造中に環状構造を有していてもよく、また、該鎖状構造中にエーテル結合を含むものであってもよい。
「フッ素系有機溶剤」とは、フッ素原子を含む化合物であって、常温、常圧下で液体である化合物である。
「水酸基を有さないエーテル系有機溶剤」とは、その構造中にエーテル結合(C−O−C)を有し、水酸基を有さず、かつ常温常圧下で液体である化合物である。該水酸基を有さないエーテル系有機溶剤は、さらに、水酸基に加えてカルボニル基も有さないことが好ましい。
1価アルコールとしては、炭素数にもよるが、1級または2級の1価アルコールが好ましく、中でも1級の1価アルコールが最も好ましい。
ここで1価アルコールとは、炭素および水素のみから構成される炭化水素化合物の水素原子の1つが水酸基で置換された化合物を意味し、2価以上の多価アルコールの誘導体は含まれない。該炭化水素化合物は、鎖状構造のものであってもよく、環状構造を有するものであってもよい。
2価アルコールとは、前記炭化水素化合物の水素原子の2つが水酸基で置換された化合物を意味し、3価以上の多価アルコールの誘導体は含まれない。
2価アルコールの誘導体としては、2価アルコールの水酸基の1つが置換基(アルコキシ基、アルコキシアルキルオキシ基等)で置換された化合物が挙げられる。
かかるアルコール系有機溶剤として具体的には、鎖状構造のものとして、プロピレングリコール(PG);1−ブトキシ−2−プロパノール(BP)、n−ヘキサノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、1−ヘプタノール、5−メチル−1−ヘキサノール、6−メチル−2−ヘプタノール、1−オクタノール、2−オクタノール、3−オクタノール、4−オクタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、2−(2−ブトキシエトキシ)エタノール、n−ペンチルアルコール、s−ペンチルアルコール、t−ペンチルアルコール、イソペンチルアルコール、イソブタノール(イソブチルアルコール又は2−メチル−1−プロパノールとも称する。)、イソプロピルアルコール、2−エチルブタノール、ネオペンチルアルコール、n−ブタノール、s−ブタノール、t−ブタノール、1−プロパノール、2−メチル−1−ブタノール、2−メチル−2−ブタノール、4−メチル−2−ペンタノール等が挙げられる。
また、環状構造を有するものとして、シクロペンタンメタノール、1−シクロペンチルエタノール、シクロヘキサノール、シクロヘキサンメタノール(CM)、シクロヘキサンエタノール、1,2,3,6−テトラヒドロベンジルアルコール、exo−ノルボルネオール、2−メチルシクロヘキサノール、シクロヘプタノール、3,5−ジメチルシクロヘキサノール、ベンジルアルコール等が挙げられる。
R40−O−R41 …(s−1)
[式中、R40、R41はそれぞれ独立して1価の炭化水素基であり、R40とR41とが結合して環を形成していてもよい。−O−はエーテル結合を示す。]
R40、R41の各アルキル基としては、特に制限はなく、たとえば炭素数1〜20の直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基等が挙げられる。該アルキル基は、その水素原子の一部または全部がハロゲン原子等で置換されていてもよく、されていなくてもよい。
該アルキル基としては、レジスト組成物の塗布性が良好なこと等から、炭素数1〜15であることが好ましく、炭素数1〜10であることがより好ましい。具体的には、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基等が挙げられ、n−ブチル基、イソペンチル基が特に好ましい。
前記アルキル基の水素原子が置換されていてもよいハロゲン原子としては、フッ素原子であることが好ましい。
R40、R41の各アリール基としては、特に制限はなく、たとえば炭素数6〜12のアリール基であって、該アリール基は、その水素原子の一部または全部がアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子等で置換されていてもよく、されていなくてもよい。
該アリール基としては、安価に合成可能なことから、炭素数6〜10のアリール基が好ましい。具体的には、たとえばフェニル基、ベンジル基、ナフチル基等が挙げられる。
前記アリール基の水素原子が置換されていてもよいアルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基であることがより好ましい。
前記アリール基の水素原子が置換されていてもよいアルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基がより好ましい。
前記アリール基の水素原子が置換されていてもよいハロゲン原子としては、フッ素原子であることが好ましい。
また、上記式においては、R40とR41とが結合して環を形成していてもよい。
R40およびR41は、それぞれ独立に直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基(好ましくは炭素数1〜10のアルキレン基)であって、R40の末端と、R41の末端とが結合して環を形成する。また、アルキレン基の炭素原子は、酸素原子で置換されていてもよい。
かかるエーテル系有機溶剤の具体例としては、たとえば1,8−シネオール、テトラヒドロフラン、ジオキサン等が挙げられる。
水酸基を有さないエーテル系有機溶剤の具体例としては、たとえば1,8−シネオール(沸点176℃)、ジブチルエーテル(沸点142℃)、ジイソペンチルエーテル(沸点171℃)、ジオキサン(沸点101℃)、アニソール(沸点155℃)、エチルベンジルエーテル(沸点189℃)、ジフェニルエーテル(沸点259℃)、ジベンジルエーテル(沸点297℃)、フェネトール(沸点170℃)、ブチルフェニルエーテル、テトラヒドロフラン(沸点66℃)、エチルプロピルエーテル(沸点63℃)、ジイソプロピルエーテル(沸点69℃)、ジヘキシルエーテル(沸点226℃)、ジプロピルエーテル(沸点91℃)等が挙げられる。
水酸基を有さないエーテル系有機溶剤としては、レジストパターンの膜減り低減効果が良好なことから、環状または鎖状のエーテル系有機溶剤であることが好ましく、なかでも1,8−シネオール、ジブチルエーテルおよびジイソペンチルエーテルからなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
また、第二の膜形成用材料は、(S’)成分を用いることによる効果を損なわない範囲で、(S’)成分以外の有機溶剤(以下、(S”)成分という。)を含有してもよい。
(S”)成分としては、第二の膜形成用材料に配合される成分を溶解し得るものが好ましい。具体的には、後述する第一のポジ型レジスト組成物の説明で挙げる(S)成分と同様のものが挙げられる。
(S”)成分の配合量は、第二の膜形成用材料に用いられる全有機溶剤中、0〜20質量%が好ましく、1〜15質量%がより好ましい。
第二の膜形成用材料に用いられる全有機溶剤の使用量は、特に限定されず、通常、当該第二の膜形成用材料が、支持体上に塗布可能な濃度の液体となる量が用いられる。
これらの中でも、前記第一のポジ型レジスト組成物よりも高エネルギー量でアルカリ現像液に対する溶解性が増大する化学増幅型ポジ型レジスト組成物が好ましい。該化学増幅型ポジ型レジスト組成物を用いると、工程(2)にて形成する第二の膜6を部分的に露光し、その露光部のみに反転パターンを形成でき、複雑な構造のパターンを形成できる。また、さらにその後、第二の膜6の未露光部に対して別途、選択的露光、PEBおよびアルカリ現像を行うことでも、複雑な構造のパターンを形成できる。
ただし本発明はこれに限定されるものではなく、非化学増幅型のポジ型レジスト組成物を用いてもよい。また、所定のアルカリ現像液に対する溶解性を有する(エネルギー量よってはアルカリ現像液に対する溶解性がほとんど変化しない)樹脂組成物を用いてもよい。該樹脂組成物における樹脂成分としては、たとえば、後述の構成単位(a1)のような酸解離性溶解抑制基を含む構成単位を有さない樹脂成分であって、構成単位(a3)(中でも式(a3−3)で示される構成単位)を含む樹脂成分が好ましい。
第二の膜形成用材料として用いられる化学増幅型ポジ型レジスト組成物(以下、第二のポジ型レジスト組成物ということがある。)の組成の具体例については詳しくは後述するが、第一のポジ型レジスト組成物の組成に応じて適宜設定すればよい。たとえば第一のポジ型レジスト組成物として、露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)および酸解離性溶解抑制基を有する基材成分(A)を含有するものを用いる場合、第二のポジ型レジスト組成物としては、露光により酸を発生する酸発生剤成分(B’)および酸解離性溶解抑制基を有する基材成分(A’)を含有し、且つ前記基材成分(A’)が、前記基材成分(A)が有する酸解離性溶解抑制基よりも脱保護エネルギーが高い酸解離性溶解抑制基を有するものが好ましい。
第一のポジ型レジスト組成物、第二のポジ型レジスト組成物は、それぞれ、工程(1)および工程(2)におけるリソグラフィー条件(露光量、PEB温度等)を考慮して、公知の化学増幅型ポジ型レジスト組成物のなかから適宜選択することができる。かかる第一のポジ型レジスト組成物および第二のポジ型レジスト組成物の選択方法については詳しくは後述する。
本発明においては、第二の膜6の膜厚(レジストパターン2a間の空隙を充填している部分の膜厚の最小値)が、レジストパターン2aの高さと同じか、それよりも薄いことが好ましい。この場合、レジストパターン2aの上面を覆う第二の膜6の厚さが、工程(2)でのアルカリ現像時に容易に除去できる程度に薄いものとなる。つまり、この部分の膜6は、膜厚(レジストパターン2aの上端から上側の厚さ)が薄いため、アルカリ現像液による膜減りが生じやすい。そのため、現像時にレジストパターン2aとともに溶解、除去される。そのため、反転パターンを良好に形成できる。
一方、第二の膜6の厚さが厚すぎると、工程(2)でのアルカリ現像時にレジストパターン2aの上面の第二の膜6がうまく取り除けず、良好な反転パターンが形成できないおそれがある。
このとき、上述したように、露光における露光量、およびPEB温度を、露光した領域内のレジストパターン2aのみがアルカリ現像により除去されるように設定して行う。
つまり、露光およびPEBによりレジストパターン2aおよび第二の膜6に供給されるエネルギー量が、レジストパターン2aのアルカリ現像液に対する溶解性は増大し、一方、第二の膜6のアルカリ現像液に対する溶解性は増大しないエネルギー量となるように、露光およびPEBを実施する。
かかる露光およびPEBを行うと、レジストパターン2aのアルカリ現像液に対する溶解性が増大し、一方、レジストパターン2a間に充填された第二のレジスト膜6のアルカリ現像液に対する溶解性はほとんど変化しないため、アルカリ現像液による現像を行うと、レジストパターン2aとが除去される一方、レジストパターン2a間に充填された第二のレジスト膜6は除去されずに残る。第二のレジスト膜6のうち、レジストパターン2aの上面に存在する部分は、その厚さが薄いため、アルカリ現像時にレジストパターン2aとともに除去される。
結果、図2(d)に示すように、レジストパターン2aのあった位置6cに、該レジストパターン2aのイメージが反転したパターン(反転パターン)が形成される。
たとえばレジストパターン2aがラインパターンの場合、該ラインパターンと同じ位置に、該ラインパターンの寸法(ライン幅)と同じ寸法(スペース幅)のスペースパターンが反転パターンとして形成される。また、レジストパターン2aがドットパターンの場合、該ドットパターンと同じ位置に、該ドットパターンの寸法(ドット直径)と同じ寸法(ホール直径)のホールパターンが反転パターンとして形成される。
全面露光による露光を行う場合、マスクパターンを介した選択的露光を行う場合に比べて、同じ露光量であっても入射するエネルギー量が大きく、工程(1)における露光量よりも少ない露光量であっても、レジストパターン2aのアルカリ現像液に対する溶解性を増大させ得る。そのため、工程(2)における露光量は、工程(1)における露光量(たとえばEop1)と同等以上であってもよく、少なくてもよい。
ただし、第二の膜形成用材料として、前述した化学増幅型または非化学増幅型のポジ型レジスト組成物を用いる場合、工程(2)における露光量は、当該露光量にて露光された第二の膜6の露光部のアルカリ現像液に対する溶解性が増大しない露光量である必要がある。
同様に、工程(2)におけるPEB温度は、露光およびPEB後にレジストパターン2aのアルカリ現像液に対する溶解性が増大し、かつ第二の膜6のアルカリ現像液に対する溶解性を増大しない範囲であれは特に限定されない。
また、工程(2)における露光量およびPEB温度が、第二の膜6のアルカリ現像液に対する溶解性を増大させない露光量およびベーク温度であるかどうかは、以下の手順により判定できる。
第二の膜6に対し、工程(2)で使用する露光光源(たとえばArFエキシマレーザー、EB・EUV等)にて、露光量を変化させて露光(全面露光)し、所定のベーク温度で30〜120秒間のPEB処理を行い、現像液として2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(23℃)を用いて現像を行う。
このとき、(I)露光量を増加させていった際に、所定値以上の露光量で第二の膜6の露光部が残膜していることを確認できればよい。
少なくとも70%以上の残膜が確認できれば、当該露光量およびベーク温度が、第二の膜6のアルカリ現像液に対する溶解性を増大させないベーク温度であると判定される。一方、露光量を増加させていった際に、第二の膜6の露光部において、70%以上の残膜を確認できない場合は、当該ベーク温度が、第二のレジスト膜のアルカリ現像液に対する溶解性を増大させるベーク温度であると判定される。
ここで、残膜(%)は、「露光、PEBおよび現像を行う前のレジスト膜の膜厚」に対する「露光、PEBおよび現像を行った後のレジスト膜の膜厚」の割合(%)である。
または、(II)露光量を増加させていっても、第二の膜6の露光部の現像液に対する溶解速度が1nm/秒以上とならず、それよりも低い溶解速度で飽和を示す場合は、当該ベーク温度が、第二の膜6のアルカリ現像液に対する溶解性を増大させないベーク温度であると判定される。
一方、露光量を増加させていった際に、第二の膜6の露光部の現像液に対する溶解速度が1nm/秒以上となる場合は、当該ベーク温度が、第二の膜6のアルカリ現像液に対する溶解性を増大させるベーク温度であると判定される。
また、このとき、アルカリ現像液に対する溶解速度が1nm/秒以上となる変化が生じない露光量が、当該PEB温度において、第二の膜6のアルカリ現像液に対する溶解性を増大させない露光量であると判定される。
また、Tpeb2は、第二の膜6の有効PEB温度の最低値未満の温度である必要がある。つまり、第二の膜6の有効PEB温度の最低値をTmin2とすると、Tpeb2<Tmin2である。
よって、Tpeb2は、Tmin1≦Tpeb2<Tmin2を満たすように、Tmin1、Tmin2等を考慮して設定される。
Tmin1≦Tpeb2<Tmin2を満たすようにTpeb2を設定するためには、Tmin2をTmin1よりも高くする必要がある。
Tmin1、Tmin2は、それぞれ、使用するポジ型レジスト組成物の組成によって異なっており、各ポジ型レジスト組成物の組成は、工程(1)〜(2)におけるPEB温度や、露光光源、露光量等のリソグラフィー条件を考慮して、適宜決定すればよい。
Tmin1とTmin2との差は10℃以上が好ましく、15℃以上がより好ましく、30℃以上がさらに好ましい。該差が大きいほど、本発明の効果に優れる。また、プロセスの余裕度が向上する等の利点もある。該差の上限は特に限定されないが、装置面を考慮すると、50℃以下が好ましい。
Tmin1とTmin2との差は、使用する第一のポジ型レジスト組成物および第二の膜形成用材料の組成を調節することにより調節できる。
たとえば、第一のポジ型レジスト組成物および第二の膜形成用材料がともに化学増幅型レジスト組成物であり、露光により酸を発生する酸発生剤成分(たとえば後述する(B)成分、(B’)成分)および酸解離性溶解抑制基を有する基材成分(たとえば後述する(A)成分、(A’)成分)を含有する場合、第二の膜形成用材料における酸解離性溶解抑制基が、第一のポジ型レジスト組成物における酸解離性溶解抑制基よりも脱保護エネルギーが高いものであると、Tmin2がTmin1よりも高くなる。
また、第一のポジ型レジスト組成物の酸発生剤成分として、発生する酸が比較的強酸であるものを用い、第二の膜形成用材料の酸発生剤成分として、発生する酸が比較的弱酸であるものを用いることによっても、Tmin2をTmin1よりも高くすることができる。
これら第一の化学増幅型レジスト組成物および第二の化学増幅型レジスト組成物における酸解離性溶解抑制基の組み合わせや、酸発生剤成分の組み合わせについては、詳しくは、第一のポジ型レジスト組成物および第二のポジ型レジスト組成物の選択方法として後述する。
現像は、アルカリ水溶液、例えば濃度0.1〜10質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液を用いて、公知の方法により実施できる。
上記アルカリ現像後、水等によるリンス処理を行ってもよい。
また、上記アルカリ現像後、さらに、ベーク処理(ポストベーク)を行ってもよい。ポストベークは(アルカリ現像やリンス処理後の水分をとばす目的で行われるため)通常100℃程度の条件で行われ、処理時間は、好ましくは30〜90秒間である。
このように反転パターンとして形成されるスペースパターンやホールパターンは、1回のリソグラフィー工程で直接形成される場合に比べて、解像力や形状、リソグラフィーマージン(たとえば露光量に対する余裕度(ELマージン)、焦点深度に対する余裕度(DOFマージン)、パターン形状の垂直性等)のパターン形成能に優れたものである。すなわち、レジスト膜の極一部、微細な領域を除去する必要があるスペースパターンやホールパターンを直接形成する場合、上記のように、弱い光入射強度下でのパターン形成を強いられ、パターン形成能に制限が大きいが、上記反転パターンの形成する際のパターン形成能は、第一のレジストパターン(孤立ラインパターンやドットパターン、ラインアンドスペースパターン等)を形成する際のパターン形成能に依存するため、スペースパターンやホールパターンを直接形成する場合に比べてパターン形成能に制限が少なく、良好なレジストパターンが形成できる。
本発明においては、上記工程(2)の後、工程(2)と同様の工程を1回または複数回繰り返してもよい。これにより、より複雑な形状のパターンを形成することができる。
また、第二の膜形成用材料としてポジ型レジスト組成物を用いた場合、上記工程(2)の後、第二の膜6のパターニングを行ってもよい。すなわち、上記のようにして反転パターンが形成された第二の膜6を選択的に露光し、現像してレジストパターンを形成する操作を行ってもよい。これにより、さらに狭ピッチのより密なパターンや複雑な形状のパターンを形成することができる。
また、本発明においては、上記工程(2)後、形成されたパターンをマスクとして用いて、支持体1のエッチングを行ってもよい。支持体1をエッチングすることにより、半導体デバイス等を製造することができる。
エッチングの方法は、公知の方法が利用できる。たとえば有機膜(レジストパターン、有機系の反射防止膜等)のエッチングは、ドライエッチングが好ましい。特に、酸素プラズマエッチング、またはCF4ガスもしくはCHF3ガスを用いたエッチングが好ましく、中でも酸素プラズマエッチングが好ましい。基板や無機系の反射防止膜のエッチングは、ハロゲンガスを用いたエッチングが好ましく、フッ化炭素系ガスを用いたエッチングが好ましく、特にCF4ガス又はCHF3ガスを用いたエッチングが好ましい。
ダブルパターニングプロセスとしては、前述した(1)リソグラフィー工程(レジスト組成物の塗布から露光、現像まで)およびエッチング工程を2回以上繰り返してパターンを形成する方法、(2)リソグラフィー工程を続けて2回以上繰り返す方法等が挙げられ、特に(2)の方法が好ましい。
レジスト膜[1]の形成から選択的露光、アルカリ現像までの一連の工程は、前記第1の実施形態における工程(1)と同様にして実施できる。
レジスト組成物[2]としては、前記第1の実施形態で、工程(1)で用いる第一のポジ型レジスト組成物として挙げたものと同様のものが挙げられる。
ただし、レジスト組成物[2]が含有する有機溶剤(以下、2nd溶剤という。)は、前記レジスト膜[1]を溶解しない有機溶剤であることが好ましい。これにより、レジスト組成物[2]を塗布した際の、レジスト組成物[2]中の有機溶剤によるレジストパターン[1]の溶解を抑制でき、レジストパターン[1]の形状の悪化や消失、レジストパターン[1]とレジスト膜[2]との間の界面でのミキシングの発生等を防止することができる。
2nd溶剤としては、たとえば前記(S’)成分、前記(S’)成分と前記(S”)成分((S’)成分以外の有機溶剤)との混合溶剤、等が挙げられる。特に、塗布性、樹脂成分などの材料の溶解性の点から、アルコール系有機溶剤を含有することが好ましい。
ただし、次の工程(2)で用いる第二の膜形成用材料が含有する有機溶剤が、第一のポジ型レジスト組成物(本実施形態におけるレジスト組成物[1]および[2])を溶解しないものである必要があるため、2nd溶剤は、通常、工程(2)で用いる第二の膜形成用材料が含有する有機溶剤とは異なるものである。
2nd溶剤と、第二の膜形成用材料の有機溶剤との好ましい組み合わせの例として、たとえば2nd溶剤として、1−ブトキシ−2−プロパノール(BP)とBPよりもレジスト組成物[2]の溶解性が高い溶剤(たとえば後述する第一のポジ型レジスト組成物の説明で挙げる(S)成分)との混合溶剤を用い、第二の膜形成用材料の有機溶剤としてイソブタノールのみを用いる例などが挙げられる。
つまり、1stパターニング工程、2ndパターニング工程ともにポジ型レジスト組成物を用いており、レジスト膜[1]、[2]ともに露光部がアルカリ現像液により溶解除去される。2ndパターニング工程では、レジスト膜[2]の、レジストパターン[1]が形成されていない位置を含む領域にレジストパターンを形成するため、レジストパターン[1]が形成されている位置を含む領域が露光される場合がある。この際、レジスト組成物[2]が、レジスト組成物[1]よりも少ないエネルギー量でアルカリ現像液に対する溶解性が増大しないものであると、2ndパターニング工程での露光およびPEBによりレジストパターン[1]のアルカリ現像液に対する溶解性が増大し、2ndパターニング工程でのアルカリ現像時に、レジスト膜[2]の露光部とともに溶解除去されてしまうおそれがある。これに対し、レジスト組成物[2]として、レジスト組成物[1]よりも少ないエネルギー量でアルカリ現像液に対する溶解性が増大するものを用いることにより、ダブルパターニングプロセスによる第一のレジストパターンの形成を良好に行うことができる。
たとえばレジスト組成物[1]、レジスト組成物[2]ともに、露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)および酸解離性溶解抑制基を有する基材成分(A)を含有するものを用いる場合、後述する選択方法の項で説明する方法(2a)〜(2c)と同様にして、レジスト組成物[1]を、レジスト組成物[2]と同じかそれよりも少ないエネルギー量でアルカリ現像液に対する溶解性が増大しないものとすることができる。それらの中でも、方法(2a)〜(2b)が好ましい。すなわち、下記方法(2a’)〜(2b’)により、レジスト組成物[2]を、レジスト組成物[1]よりも少ないエネルギー量でアルカリ現像液に対する溶解性が増大するものとすることができる。
(2a’)レジスト組成物[2]の基材成分(A)として、レジスト組成物[1]の基材成分(A)が有する酸解離性溶解抑制基よりも脱保護エネルギーが低い酸解離性溶解抑制基を有するものを用いる方法。
(2b’)レジスト組成物[2]の基材成分(A)として、レジスト組成物[1]の基材成分(A)よりも、露光および/またはPEBによるダメージを受けやすいものを用いる方法。
これらの中でも、方法(2a’)が好ましい。
上記方法(2a’)〜(2b’)は、いずれか1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ただし、次の工程(2)で「第一の化学増幅型ポジ型レジスト組成物と同じかそれよりも少ないエネルギー量ではアルカリ現像液に対する溶解性が増大しない第二の膜形成用材料」を用いることから、レジスト組成物[1]、[2]はいずれも、第二の膜形成用材料のアルカリ現像液に対する溶解性を増大させないエネルギー量でアルカリ現像液に対する溶解性が増大するものである必要がある。
たとえば酸解離性溶解抑制基の脱保護エネルギーの違いを利用する前記方法(2a’)および(2a)を適用する場合、レジスト組成物[1]、レジスト組成物[2]、第二のポジ型レジスト組成物は、それぞれ、含まれる酸解離性溶解抑制基の脱保護エネルギーが、第二のポジ型レジスト組成物>レジスト組成物[1]>レジスト組成物[2]となるように、配合する基材成分(A)および基材成分(A’)を選択することが好ましい。
レジスト膜[2]の膜厚は、少なくとも、前記レジストパターン[1]の高さと同じか、それよりも厚いことが好ましい。すなわち、支持体をレジスト膜[2]側から見た場合に、その表面が平坦であることが好ましい。
ここで、レジストパターン[1]が形成された位置と完全に一致する場合以外はすべて「レジストパターン[1]が形成されていない位置を含む領域」であり、レジストパターン[1]が形成された位置と全く重複していない場合、およびレジストパターン[1]が形成された位置と一部重複している場合を含むものとする。
該レジストパターンは、たとえば、下記方法(a)または(b)の方法で選択的露光を行うことにより形成できる。
(a)1stパターニング工程で用いたフォトマスクと同じフォトマスクを用い、露光する位置をずらす方法(たとえば1stパターニング工程で用いたフォトマスクを平行移動または回転移動させる、支持体を平行移動または回転移動させる等)、
(b)1stパターニング工程で用いたフォトマスクと異なるパターンが形成されたフォトマスクを用いる方法(たとえば、1stパターニング工程においてラインアンドスペースパターンのフォトマスクを用い、2ndパターニング工程においてホールパターンのフォトマスクを用いる等)。
つまり、露光およびPEBによりレジストパターン[1]およびレジスト膜[2]に供給されるエネルギー量が、露光部におけるレジスト膜[2]のアルカリ現像液に対する溶解性は増大し、一方、レジストパターン[1]のアルカリ現像液に対する溶解性は増大しないエネルギー量となるように、露光およびPEBを実施する。
かかる露光およびPEBを行うと、露光部におけるレジスト膜[2]のアルカリ現像液に対する溶解性が増大し、一方、レジストパターン[1]のアルカリ現像液に対する溶解性はほとんど変化しないため、アルカリ現像液による現像を行うと、レジスト膜[2]の露光部が除去される一方、レジストパターン[1]は除去されずに残る。結果、支持体上に、前記レジストパターン[1]と、レジスト膜[2]に新たに形成されたレジストパターンとからなる第一のレジストパターンが形成される。
2ndパターニング工程における露光量およびPEB温度は、前記第1の実施形態で説明した工程(2)における露光量およびPEB温度の設定を、露光およびPEB後にレジストパターン2aのアルカリ現像液に対する溶解性が増大し、かつ第二の膜6のアルカリ現像液に対する溶解性が増大しない条件から、露光およびPEB後にレジスト膜[2]のアルカリ現像液に対する溶解性が増大し、かつレジストパターン[1]のアルカリ現像液に対する溶解性が増大しない条件に変更する以外は同様に設定できる。
たとえばラインアンドスペースパターンを形成する場合を例に挙げると、1stパターニング工程で、複数のラインが一定のピッチで配置されたラインアンドスペースパターンのフォトマスクを用いてラインアンドスペースの疎パターンを形成した後、2ndパターニング工程で、1stパターニング工程で形成したラインとラインとの中間位置に同じライン幅のラインを形成することにより、最初に形成した疎パターンよりも狭ピッチのラインアンドスペースの密パターンが形成される。
ここで、「疎パターン」とは、ラインアンドスペースのレジストパターンにおいて、ライン幅:スペース幅=1:2以上にスペース幅が広いラインアンドスペースパターンを意味し、密パターンは、ライン幅:スペース幅=1:2よりもスペース幅が狭いラインアンドスペースパターンを意味するものとする。
より具体的には、例えば、1stパターニング工程でライン幅100nm、ピッチ400nm(ライン幅:スペース幅=1:3)のラインアンドスペースパターン(疎パターン)を形成した後、2ndパターニング工程で、同じフォトマスクを、ラインの方向に対して垂直方向に200nm平行移動させ、ライン幅100nm、ピッチ400nm(ライン幅:スペース幅=1:3)のラインアンドスペースパターンを形成することにより、最終的に、ライン幅100nm、ピッチ200nm(ライン幅:スペース幅=1:1)のラインアンドスペースパターン(密パターン)を形成することができる。
たとえば、上述したように、レジストパターン[1]を形成した位置と全く重複しないように選択露光すると、第一のレジストパターンとして、1stパターニング工程で形成したレジストパターン[1]よりも狭ピッチのものが形成できる。
また、1stパターニング工程でラインアンドスペースパターンを形成し、2ndパターニング工程で、該ラインアンドスペースパターンとラインが交差するラインアンドスペースパターンを形成する、すなわちクロスラインパターニングを行うことにより、ホール状または格子状のレジストパターンを形成することもできる。クロスラインパターニングを行う場合、ラインアンドスペースの各レジストパターンにおける、ライン幅:スペース幅の比率や、各パターンの交差角度は、最終的に得られるホール状又は格子状のレジストパターンの形状に合うように適宜制御すればよい。たとえば、交差する角度は、目的のパターンに応じて、直交させたり、斜めに(90°未満で)交差させたりすればよい。
したがって、工程(1)において、ダブルパターニングプロセスにより第一のレジストパターンを形成し、その後工程(2)を行うことで、シングルパターニングの場合に比べて、微細および/または多様な形状のパターンが反転パターンとして得られる。
本発明のパターン形成方法において第一のポジ型レジスト組成物として用いられる化学増幅型ポジ型レジスト組成物は、特に限定されず、これまで提案されている多数の化学増幅型レジスト組成物のなかから適宜選択して用いることができる。該化学増幅型レジスト組成物としては、たとえば、酸解離性溶解抑制基を有する基材成分(A)(以下、(A)成分という。)および露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)(以下、(B)成分という。)を含有するものが一般的である。かかるポジ型レジスト組成物においては、露光により(B)成分から酸が発生すると、該酸の作用により(A)成分の酸解離性溶解抑制基が解離し、(A)成分のアルカリ現像液に対する溶解性が増大する。そのため、レジストパターンの形成において、当該ポジ型レジスト組成物を用いて形成されるレジスト膜に対して選択的に露光すると、露光部はアルカリ現像液に対して可溶性へ転じる一方で、未露光部はアルカリ現像液に対して難溶性のまま変化しないため、アルカリ現像により露光部のみが除去され、レジストパターンが形成される。
「基材成分」とは、膜形成能を有する有機化合物である。基材成分としては、好ましくは分子量が500以上の有機化合物が用いられる。該有機化合物の分子量が500以上であることにより、膜形成能が向上し、また、ナノレベルのレジストパターンを形成しやすい。
前記基材成分として用いられる「分子量が500以上の有機化合物」は、非重合体と重合体とに大別される。
非重合体としては、通常、分子量が500以上4000未満のものが用いられる。以下、分子量が500以上4000未満の非重合体を「低分子化合物」という。
重合体としては、通常、分子量が1000以上のものが用いられる。以下、分子量が1000以上の重合体を「樹脂」ということがある。
重合体の場合、「分子量」としてはGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によるポリスチレン換算の質量平均分子量を用いるものとする。
(A)成分は、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大する樹脂成分(A1)(以下、(A1)成分ということがある。)であってもよく、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大する低分子化合物(A2)(以下、(A2)成分ということがある。)であってもよく、これらの混合物であってもよい。
本発明においては、(A)成分が(A1)成分を含有することが好ましい。
以下、(A1)成分および(A2)成分の好ましい態様をより具体的に説明する。
(A1)成分としては、従来の化学増幅型のKrF用ポジ型レジスト組成物、ArF用ポジ型レジスト組成物、EB用ポジ型レジスト組成物、EUV用ポジ型レジスト組成物等のベース樹脂として提案されているもののなかから、レジストパターン形成時に用いる露光光源の種類に応じて適宜選択できる。
前記ベース樹脂として、具体的には、親水基(水酸基、カルボキシ基等)を有する樹脂の親水基を酸解離性溶解抑制基で保護したものが挙げられる。
親水基を有する樹脂としては、たとえば、ノボラック樹脂、ポリヒドロキシスチレン(PHS)やヒドロキシスチレン−スチレン共重合体等の、ヒドロキシスチレンから誘導される構成単位を有する樹脂(PHS系樹脂)、アクリル酸エステルから誘導される構成単位を含有するアクリル系樹脂等が挙げられる。これらはいずれか1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
「ヒドロキシスチレン」とは、α位の炭素原子(フェニル基が結合する炭素原子)に水素原子が結合しているヒドロキシスチレンのほか、α位の炭素原子に置換基(水素原子以外の原子または基)が結合しているものも含む概念とする。該α位の炭素原子に結合する置換基としては、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基、ヒドロキシアルキル基等が挙げられる。
「アクリル酸エステルから誘導される構成単位」とは、アクリル酸エステルのエチレン性二重結合が開裂して構成される構成単位を意味する。
「アクリル酸エステル」は、α位の炭素原子(アクリル酸のカルボニル基が結合する炭素原子)に水素原子が結合しているアクリル酸エステルのほか、α位の炭素原子に置換基(水素原子以外の原子または基)が結合しているものも含む概念とする。該α位の炭素原子に結合する置換基としては、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基、ヒドロキシアルキル基等が挙げられる。なお、アクリル酸エステルのα位の炭素原子とは、特に断りがない限り、アクリル酸のカルボニル基が結合している炭素原子のことである。
ヒドロキシスチレンまたはアクリル酸エステルにおいて、α位の置換基としてのアルキル基は、直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等が挙げられる。
また、α位の置換基としてのハロゲン化アルキル基は、具体的には、上記「α位の置換基としてのアルキル基」の水素原子の一部または全部を、ハロゲン原子で置換した基が挙げられる。該ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。
また、α位の置換基としてのヒドロキシアルキル基は、具体的には、上記「α位の置換基としてのアルキル基」の水素原子の一部または全部を、水酸基で置換した基が挙げられる。該ヒドロキシアルキル基における水酸基の数は、1〜5が好ましく、1が最も好ましい。
本発明において、ヒドロキシスチレンまたはアクリル酸エステルのα位に結合しているのは、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基が好ましく、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜5のフッ素化アルキル基がより好ましく、工業上の入手の容易さから、水素原子またはメチル基が最も好ましい。
かかる(A1)成分としては、特に、酸解離性溶解抑制基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a1)を有する樹脂成分(A1−1)(以下、(A1−1)成分という。)が好ましい。
また、(A1−1)成分は、構成単位(a1)に加えて、さらに、ラクトン含有環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位および−SO2−含有環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位からなる群から選択される少なくとも1種の構成単位(a2)を有することが好ましい。
(A1−1)成分は、構成単位(a1)に加えて、または構成単位(a1)および(a2)に加えて、さらに、極性基含有脂肪族炭化水素基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a3)を有することが好ましい。
構成単位(a1)は、酸解離性溶解抑制基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位である。
構成単位(a1)における酸解離性溶解抑制基は、解離前は(A1−1)成分全体をアルカリ現像液に対して難溶とするアルカリ溶解抑制性を有するとともに、露光により(B)成分から発生した酸の作用により解離してこの(A1−1)成分全体のアルカリ現像液に対する溶解性を増大させるものである。
構成単位(a1)における酸解離性溶解抑制基としては、これまで、化学増幅型レジスト用のベース樹脂の酸解離性溶解抑制基として提案されているものを使用することができる。一般的には、(メタ)アクリル酸等におけるカルボキシ基と環状または鎖状の第3級アルキルエステルを形成する基;アルコキシアルキル基等のアセタール型酸解離性溶解抑制基などが広く知られている。なお、「(メタ)アクリル酸エステル」とは、α位に水素原子が結合したアクリル酸エステルと、α位にメチル基が結合したメタクリル酸エステルの一方あるいは両方を意味する。
「第3級アルキルエステル」とは、カルボキシ基の水素原子が、鎖状または環状のアルキル基で置換されることによりエステルを形成しており、そのカルボニルオキシ基(−C(O)−O−)の末端の酸素原子に、前記鎖状または環状のアルキル基の第3級炭素原子が結合している構造を示す。この第3級アルキルエステルにおいては、酸が作用すると、酸素原子と第3級炭素原子との間で結合が切断される。
なお、前記鎖状または環状のアルキル基は置換基を有していてもよい。
以下、カルボキシ基と第3級アルキルエステルを構成することにより、酸解離性となっている基を、便宜上、「第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基」という。
ここで、「脂肪族分岐鎖状」とは、芳香族性を持たない分岐鎖状の構造を有することを示す。「脂肪族分岐鎖状酸解離性溶解抑制基」の構造は、炭素および水素からなる基(炭化水素基)であることに限定はされないが、炭化水素基であることが好ましい。また、「炭化水素基」は飽和または不飽和のいずれでもよいが、通常は飽和であることが好ましい。
脂肪族分岐鎖状酸解離性溶解抑制基としては、たとえば、−C(R71)(R72)(R73)で表される基が挙げられる。式中、R71〜R73は、それぞれ独立に、炭素数1〜5の直鎖状のアルキル基である。−C(R71)(R72)(R73)で表される基は、炭素数が4〜8であることが好ましく、具体的にはtert−ブチル基、2−メチル−2−ブチル基、2−メチル−2−ペンチル基、3−メチル−3−ペンチル基などが挙げられる。特にtert−ブチル基が好ましい。
「脂肪族環式基を含有する酸解離性溶解抑制基」における脂肪族環式基は、置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。置換基としては、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、フッ素原子、フッ素原子で置換された炭素数1〜5のフッ素化アルキル基、酸素原子(=O)、等が挙げられる。
該脂肪族環式基の置換基を除いた基本の環の構造は、炭素および水素からなる基(炭化水素基)であることに限定はされないが、炭化水素基であることが好ましい。また、該炭化水素基は、飽和または不飽和のいずれでもよいが、通常は飽和であることが好ましい。
該脂肪族環式基は、多環式基であることが好ましい。
該脂肪族環式基としては、例えば、炭素数1〜5のアルキル基、フッ素原子またはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいモノシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。より具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基や、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。また、これらのモノシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基またはポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基の環を構成する炭素原子の一部がエーテル性酸素原子(−O−)で置換されたものであってもよい。
脂肪族環式基を含有する酸解離性溶解抑制基としては、たとえば、
(i)1価の脂肪族環式基の環骨格上、当該酸解離性溶解抑制基に隣接する原子(たとえば−C(=O)−O−における−O−)と結合する炭素原子に置換基(水素原子以外の原子または基)が結合して第3級炭素原子が形成されている基;
(ii)1価の脂肪族環式基と、これに結合する第3級炭素原子を有する分岐鎖状アルキレンとを有する基;等が挙げられる。
前記(i)の基において、脂肪族環式基の環骨格上、当該酸解離性溶解抑制基に隣接する原子と結合する炭素原子に結合する置換基としては、たとえばアルキル基が挙げられる。該アルキル基としては、たとえば後述する式(1−1)〜(1−9)中のR14と同様のものが挙げられる。
前記(i)の基の具体例としては、たとえば、下記一般式(1−1)〜(1−9)で表される基等が挙げられる。
前記(ii)の基の具体例としては、たとえば、下記一般式(2−1)〜(2−6)で表される基等が挙げられる。
該直鎖状のアルキル基は、炭素数が1〜5であることが好ましく、1〜4がより好ましく、1または2がさらに好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基等が挙げられる。これらの中でも、メチル基、エチル基またはn−ブチル基が好ましく、メチル基またはエチル基がより好ましい。
該分岐鎖状のアルキル基は、炭素数が3〜10であることが好ましく、3〜5がより好ましい。具体的には、イソプロピル基、イソブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等が挙げられ、イソプロピル基であることが最も好ましい。
gは0〜3の整数が好ましく、1〜3の整数がより好ましく、1または2がさらに好ましい。
R15〜R16のアルキル基としては、R14のアルキル基と同様のものが挙げられる。
上記式(1−1)〜(1−9)、(2−1)〜(2−6)中、環を構成する炭素原子の一部がエーテル性酸素原子(−O−)で置換されていてもよい。
また、式(1−1)〜(1−9)、(2−1)〜(2−6)中、環を構成する炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよい。該置換基としては、炭素数1〜5のアルキル基、フッ素原子、フッ素化アルキル基が挙げられる。
アセタール型酸解離性溶解抑制基としては、たとえば、下記一般式(p1)で表される基が挙げられる。
R1’,R2’のアルキル基としては、上記アクリル酸エステルについての説明で、α位の置換基として挙げたアルキル基と同様のものが挙げられ、メチル基またはエチル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。
本発明においては、R1’,R2’のうち少なくとも1つが水素原子であることが好ましい。すなわち、酸解離性溶解抑制基(p1)が、下記一般式(p1−1)で表される基であることが好ましい。
Yの脂肪族環式基としては、従来ArFレジスト等において多数提案されている単環又は多環式の脂肪族環式基の中から適宜選択して用いることができ、たとえば上記「脂肪族環式基を含有する酸解離性溶解抑制基」で挙げた脂肪族環式基と同様のものが例示できる。
特にR17、R18の一方が水素原子で、他方がメチル基であることが好ましい。
R19は直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基であり、炭素数は好ましくは1〜15であり、直鎖状、分岐鎖状又は環状のいずれでもよい。
R19が直鎖状、分岐鎖状の場合は炭素数1〜5であることが好ましく、エチル基、メチル基がさらに好ましく、特にエチル基が最も好ましい。
R19が環状の場合は炭素数4〜15であることが好ましく、炭素数4〜12であることがさらに好ましく、炭素数5〜10が最も好ましい。具体的には、フッ素原子またはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいモノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカン等のポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などを例示できる。具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等のポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。中でもアダマンタンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましい。
また、上記式(p2)においては、R17及びR19がそれぞれ独立に直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基(好ましくは炭素数1〜5のアルキレン基)であって、R19の末端とR17の末端とが結合していてもよい。
この場合、R17と、R19と、R19が結合した酸素原子と、該酸素原子およびR17が結合した炭素原子とにより環式基が形成されている。該環式基としては、4〜7員環が好ましく、4〜6員環がより好ましい。該環式基の具体例としては、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基等が挙げられる。
X1は、酸解離性溶解抑制基であれば特に限定されることはなく、たとえば上述した第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基、アセタール型酸解離性溶解抑制基などを挙げることができ、第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基が好ましい。
一般式(a1−0−2)において、Rは上記と同様である。
X2は、式(a1−0−1)中のX1と同様である。
Y2の2価の連結基としては、特に限定されず、たとえばアルキレン基、2価の脂肪族環式基、2価の芳香族環式基、ヘテロ原子を含む2価の連結基等が挙げられる。
Y2がアルキレン基である場合、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜6であることがさらに好ましく、炭素数1〜4であることが特に好ましく、炭素数1〜3であることが最も好ましい。
Y2が2価の脂肪族環式基である場合、該脂肪族環式基としては、水素原子が2個以上除かれた基であること以外は上記「脂肪族環式基を含有する酸解離性溶解抑制基」で挙げた脂肪族環式基と同様のものが挙げられる。Y2における脂肪族環式基としては、シクロペンタン、シクロヘキサン、ノルボルナン、イソボルナン、アダマンタン、トリシクロデカンまたはテトラシクロドデカンから水素原子が2個以上除かれた基が特に好ましい。
Y2が2価の芳香族環式基である場合、該芳香族環式基としては、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環から2個の水素原子を除いた基が挙げられる。芳香族炭化水素環としては、炭素数が6〜15であることが好ましく、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、フェナントレン環、アントラセン環等が挙げられる。これらの中でも、ベンゼン環又はナフタレン環が特に好ましい。
芳香族炭化水素環が有してもよい置換基としては、たとえば、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン化低級アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、ヨウ素原子、臭素原子等が挙げられる。
Y2が−NH−である場合、そのHはアルキル基、アシル基等の置換基で置換されていてもよい。該置換基(アルキル基、アシル基等)は、炭素数が1〜10であることが好ましく、1〜8であることがさらに好ましく、1〜5であることが特に好ましい。
Aにおける炭化水素基は、脂肪族炭化水素基であってもよく、芳香族炭化水素基であってもよい。脂肪族炭化水素基は、芳香族性を持たない炭化水素基を意味する。Aにおける脂肪族炭化水素基は、飽和であってもよく、不飽和であってもよく、通常は飽和であることが好ましい。
Aにおける脂肪族炭化水素基として、より具体的には、直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基、構造中に環を含む脂肪族炭化水素基等が挙げられる。
直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基は、炭素数が1〜10であることが好ましく、1〜8がより好ましく、2〜5がさらに好ましく、2が最も好ましい。
直鎖状の脂肪族炭化水素基としては、直鎖状のアルキレン基が好ましく、具体的には、メチレン基、エチレン基[−(CH2)2−]、トリメチレン基[−(CH2)3−]、テトラメチレン基[−(CH2)4−]、ペンタメチレン基[−(CH2)5−]等が挙げられる。
分岐鎖状の脂肪族炭化水素基としては、分岐鎖状のアルキレン基が好ましく、具体的には、−CH(CH3)−、−CH(CH2CH3)−、−C(CH3)2−、−C(CH3)(CH2CH3)−、−C(CH3)(CH2CH2CH3)−、−C(CH2CH3)2−等のアルキルメチレン基;−CH(CH3)CH2−、−CH(CH3)CH(CH3)−、−C(CH3)2CH2−、−CH(CH2CH3)CH2−等のアルキルエチレン基;−CH(CH3)CH2CH2−、−CH2CH(CH3)CH2−等のアルキルトリメチレン基;−CH(CH3)CH2CH2CH2−、−CH2CH(CH3)CH2CH2−等のアルキルテトラメチレン基などのアルキルアルキレン基等が挙げられる。アルキルアルキレン基におけるアルキル基としては、炭素数1〜5の直鎖状のアルキル基が好ましい。
これら直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基は、置換基を有していてもよく、有していなくてもよい。該置換基としては、フッ素原子、フッ素原子で置換された炭素数1〜5のフッ素化アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
環状の脂肪族炭化水素基は、炭素数が3〜20であることが好ましく、3〜12であることがより好ましい。
環状の脂肪族炭化水素基は、多環式基であってもよく、単環式基であってもよい。単環式基としては、炭素数3〜6のモノシクロアルカンから2個の水素原子を除いた基が好ましく、該モノシクロアルカンとしてはシクロペンタン、シクロヘキサン等が例示できる。
多環式基としては、炭素数7〜12のポリシクロアルカンから2個の水素原子を除いた基が好ましく、該ポリシクロアルカンとして具体的には、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等が挙げられる。
環状の脂肪族炭化水素基は、置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。置換基としては、炭素数1〜5の低級アルキル基、フッ素原子、フッ素原子で置換された炭素数1〜5のフッ素化低級アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
Bとしては、直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基が好ましく、メチレン基、エチレン基またはアルキルメチレン基がより好ましい。該アルキルメチレン基におけるアルキル基は、炭素数1〜5の直鎖状のアルキル基が好ましく、炭素数1〜3の直鎖状のアルキル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。
また、式−[A−C(=O)−O]m−B−で表される基において、mは0〜3の整数であり、0〜2の整数であることが好ましく、0または1がより好ましく、1が最も好ましい。
R1’、R2’、n、Yとしては、それぞれ、上述の「アセタール型酸解離性溶解抑制基」の説明において挙げた一般式(p1)におけるR1’、R2’、n、Yと同様のものが挙げられる。
Y2としては、上述の一般式(a1−0−2)におけるY2と同様のものが挙げられる。
以下に、上記一般式(a1−1)〜(a1−4)で表される構成単位の具体例を示す。
以下の各式中、Rαは、水素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基を示す。
構成単位(a1)としては、上記の中でも、一般式(a1−1)または(a1−3)で表される構成単位が好ましく、具体的には前記式(a1−1−1)〜(a1−1−4)、(a1−1−20)〜(a1−1−23)、(a1−3−25)〜(a1−3−32)で表される構成単位からなる群から選択される少なくとも1種を用いることがより好ましい。
さらに、構成単位(a1)としては、式(a1−1−1)〜(a1−1−3)で表される構成単位を包括する下記一般式(a1−1−01)で表されるもの、式(a1−1−16)〜(a1−1−17)、(a1−1−20)〜(a1−1−23)で表される構成単位を包括する下記一般式(a1−1−02)で表されるもの、式(a1−3−25)〜(a1−3−26)で表される構成単位を包括する下記一般式(a1−3−01)で表されるもの、式(a1−3−27)〜(a1−3−28)で表される構成単位を包括する下記一般式(a1−3−02)で表されるもの、式(a1−3−29)〜(a1−3−32)の構成単位を包括する下記一般式(a1−3−03)で表されるものが好ましい。
R11のアルキル基は、Rにおけるアルキル基と同様のものが挙げられ、メチル基、エチル基またはイソプロピル基が好ましい。
一般式(a1−1−02)において、Rについては上記と同様である。
R12のアルキル基は、Rにおけるアルキル基と同様ものが挙げられ、メチル基、エチル基またはイソプロピル基が好ましい。
hは1又は2が好ましく、2が最も好ましい。
R13は、水素原子が好ましい。
R14のアルキル基は、前記式(1−1)〜(1−9)中のR14と同様であり、メチル基、エチル基またはイソプロピル基が好ましい。
aは、1〜8の整数が好ましく、2〜5の整数が特に好ましく、2が最も好ましい。
n’は1または2が最も好ましい。
Y2’としては、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基が好ましく、直鎖状の脂肪族炭化水素基がより好ましく、直鎖状のアルキレン基がさらに好ましい。中でも、炭素数1〜5の直鎖状のアルキレン基が好ましく、メチレン基、エチレン基が最も好ましい。
Y2”としては、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基が好ましく、直鎖状の脂肪族炭化水素基がより好ましく、直鎖状のアルキレン基がさらに好ましい。中でも、炭素数1〜5の直鎖状のアルキレン基が好ましく、メチレン基、エチレン基が最も好ましい。
X’における酸解離性溶解抑制基は、前記と同様のものが挙げられ、第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基であることが好ましく、上述した(i)1価の脂肪族環式基の環骨格上に第3級炭素原子を有する基がより好ましく、中でも、前記一般式(1−1)で表される基が好ましい。
nは0〜3の整数であり、nは、0〜2の整数であることが好ましく、0または1がより好ましく、1が最も好ましい。
構成単位(a2)は、ラクトン含有環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(以下、構成単位(a2L)という。)および−SO2−含有環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位からなる群から選択される少なくとも1種の構成単位(以下、構成単位(a2S)という。)である。
構成単位(a2L)は、ラクトン含有環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位である。
ここで、ラクトン含有環式基とは、−O−C(O)−構造を含むひとつの環(ラクトン環)を含有する環式基を示す。ラクトン環をひとつの目の環として数え、ラクトン環のみの場合は単環式基、さらに他の環構造を有する場合は、その構造に関わらず多環式基と称する。
構成単位(a2L)のラクトン環式基は、(A1−1)成分をレジスト膜の形成に用いた場合に、レジスト膜の基板への密着性を高めたり、水を含有する現像液との親和性を高めたりするうえで有効なものである。
構成単位(a2L)におけるラクトン環式基としては、特に限定されることなく任意のものが使用可能である。具体的には、ラクトン含有単環式基としては、4〜6員環ラクトンから水素原子を1つ除いた基、たとえばβ−プロピオノラクトンから水素原子を1つ除いた基、γ−ブチロラクトンから水素原子1つを除いた基、δ−バレロラクトンから水素原子を1つ除いた基等が挙げられる。また、ラクトン含有多環式基としては、ラクトン環を有するビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンから水素原子一つを除いた基が挙げられる。
構成単位(a2L)の例として、より具体的には、下記一般式(a2−1)〜(a2−5)で表される構成単位が挙げられる。
R’の炭素数1〜5のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基が挙げられる。
R’の炭素数1〜5のアルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基が挙げられる。
R’は、工業上入手が容易であること等を考慮すると、水素原子が好ましい。
R”におけるアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよい。
R”が直鎖状または分岐鎖状のアルキル基の場合は、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜5であることがさらに好ましい。
R”が環状のアルキル基の場合は、炭素数3〜15であることが好ましく、炭素数4〜12であることがさらに好ましく、炭素数5〜10が最も好ましい。具体的には、フッ素原子またはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいモノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などを例示できる。具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。
A”は、炭素数1〜5のアルキレン基、酸素原子(−O−)または硫黄原子(−S−)であることが好ましく、炭素数1〜5のアルキレン基または−O−がより好ましい。炭素数1〜5のアルキレン基としては、メチレン基またはジメチルメチレン基がより好ましく、メチレン基が最も好ましい。
R29は単結合または2価の連結基である。該2価の連結基としては、前記一般式(a1−0−2)中のY2で説明した2価の連結基と同様ものが挙げられる。それらの中でも、アルキレン基、エステル結合(−C(=O)−O−)、またはそれらの組み合わせが好ましい。R29における2価の連結基としてのアルキレン基は、直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基がより好ましい。具体的には、前記Y2の説明中、Aにおける脂肪族炭化水素基で挙げた直鎖状のアルキレン基、分岐鎖状のアルキレン基と同様のものが挙げられる。
R29としては、特に、単結合または−R29’−C(=O)−O−[式中、R29’は直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基である。]が好ましい。R29’における直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基は、炭素数が1〜10であることが好ましく、1〜8がより好ましく、1〜5がさらに好ましい。
式(a2−1)中、s”は1〜2であることが好ましい。
以下に、前記一般式(a2−1)〜(a2−5)で表される構成単位の具体例を例示する。以下の各式中、Rαは、水素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基を示す。
構成単位(a2S)は、−SO2−含有環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位である。
ここで、−SO2−含有環式基とは、その環骨格中に−SO2−を含む環を含有する環式基を示し、具体的には、−SO2−における硫黄原子(S)が環式基の環骨格の一部を形成する環式基である。その環骨格中に−SO2−を含む環をひとつの目の環として数え、該環のみの場合は単環式基、さらに他の環構造を有する場合は、その構造に関わらず多環式基と称する。−SO2−含有環式基は、単環式であってもよく、多環式であってもよい。
−SO2−含有環式基は、特に、その環骨格中に−O−SO2−を含む環式基、すなわち−O−SO2−中の−O−S−が環骨格の一部を形成するサルトン(sultone)環を含有する環式基であることが好ましい。
−SO2−含有環式基は、炭素数が3〜30であることが好ましく、4〜20であることが好ましく、4〜15であることがより好ましく、4〜12であることが特に好ましい。ただし、該炭素数は環骨格を構成する炭素原子の数であり、置換基における炭素数を含まないものとする。
−SO2−含有環式基は、−SO2−含有脂肪族環式基であってもよく、−SO2−含有芳香族環式基であってもよい。好ましくは−SO2−含有脂肪族環式基である。
−SO2−含有脂肪族環式基としては、その環骨格を構成する炭素原子の一部が−SO2−または−O−SO2−で置換された脂肪族炭化水素環から水素原子を少なくとも1つ除いた基が挙げられる。より具体的には、その環骨格を構成する−CH2−が−SO2−で置換された脂肪族炭化水素環から水素原子を少なくとも1つ除いた基、その環を構成する−CH2−CH2−が−O−SO2−で置換された脂肪族炭化水素環から水素原子を少なくとも1つ除いた基等が挙げられる。
該脂環式炭化水素基は、炭素数が3〜20であることが好ましく、3〜12であることがより好ましい。
該脂環式炭化水素基は、多環式であってもよく、単環式であってもよい。単環式の脂環式炭化水素基としては、炭素数3〜6のモノシクロアルカンから2個の水素原子を除いた基が好ましく、該モノシクロアルカンとしてはシクロペンタン、シクロヘキサン等が例示できる。多環式の脂環式炭化水素基としては、炭素数7〜12のポリシクロアルカンから2個の水素原子を除いた基が好ましく、該ポリシクロアルカンとして具体的には、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等が挙げられる。
該置換基としてのアルキル基としては、炭素数1〜6のアルキル基が好ましい。該アルキル基は、直鎖状または分岐鎖状であることが好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基等が挙げられる。これらの中でも、メチル基またはエチル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。
該置換基としてのアルコキシ基としては、炭素数1〜6のアルコキシ基が好ましい。該アルコキシ基は、直鎖状または分岐鎖状であることが好ましい。具体的には、前記置換基としてのアルキル基として挙げたアルキル基に酸素原子(−O−)に結合した基が挙げられる。
該置換基としてのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
該置換基のハロゲン化アルキル基としては、前記アルキル基の水素原子の一部または全部が前記ハロゲン原子で置換された基が挙げられる。
該置換基としてのハロゲン化アルキル基としては、前記置換基としてのアルキル基として挙げたアルキル基の水素原子の一部または全部が前記ハロゲン原子で置換された基が挙げられる。該ハロゲン化アルキル基としてはフッ素化アルキル基が好ましく、特にパーフルオロアルキル基が好ましい。
前記−COOR06、−OC(=O)R06におけるR06は、いずれも、水素原子または炭素数1〜15の直鎖状、分岐鎖状もしくは環状のアルキル基である。
R06が直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基の場合は、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜5であることがさらに好ましく、メチル基またはエチル基であることが特に好ましい。
R06が環状のアルキル基の場合は、炭素数3〜15であることが好ましく、炭素数4〜12であることがさらに好ましく、炭素数5〜10が最も好ましい。具体的には、フッ素原子またはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいモノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などを例示できる。より具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。
該置換基としてのヒドロキシアルキル基としては、炭素数が1〜6であるものが好ましく、具体的には、前記置換基としてのアルキル基として挙げたアルキル基の水素原子の少なくとも1つが水酸基で置換された基が挙げられる。
−SO2−含有環式基として、より具体的には、下記一般式(3−1)〜(3−4)で表される基が挙げられる。
A’における炭素数1〜5のアルキレン基としては、直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基が好ましく、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、イソプロピレン基等が挙げられる。
該アルキレン基が酸素原子または硫黄原子を含む場合、その具体例としては、前記アルキレン基の末端または炭素原子間に−O−または−S−が介在する基が挙げられ、たとえば−O−CH2−、−CH2−O−CH2−、−S−CH2−、−CH2−S−CH2−等が挙げられる。
A’としては、炭素数1〜5のアルキレン基または−O−が好ましく、炭素数1〜5のアルキレン基がより好ましく、メチレン基が最も好ましい。
zは0〜2のいずれであってもよく、0が最も好ましい。
zが2である場合、複数のR6はそれぞれ同じであってもよく、異なっていてもよい。
R6におけるアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルキル基、−COOR06、−OC(=O)R06、ヒドロキシアルキル基としては、それぞれ、前記で−SO2−含有環式基が有していてもよい置換基として挙げたアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルキル基、−COOR06、−OC(=O)R06、ヒドロキシアルキル基と同様のものが挙げられる。
以下に、前記一般式(3−1)〜(3−4)で表される具体的な環式基を例示する。なお、式中の「Ac」はアセチル基を示す。
R5は、前記で挙げた−SO2−含有環式基と同様である。
R29は、単結合、2価の連結基のいずれであってもよい。本発明の効果に優れることから、2価の連結基であることが好ましい。
R29における2価の連結基としては、前記式(a2−1)〜(a2−5)中のR29の説明で挙げた2価の連結基と同様のものが挙げられる。それらの中でも、アルキレン基、またはエステル結合(−C(=O)−O−)を含むものが好ましい。
該アルキレン基は、直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基が好ましい。具体的には、前記Y2における脂肪族炭化水素基として挙げた直鎖状のアルキレン基、分岐鎖状のアルキレン基と同様のものが挙げられる。
エステル結合を含む2価の連結基としては、特に、一般式:−R4−C(=O)−O−[式中、R4は2価の連結基である。]で表される基が好ましい。すなわち、構成単位(a2S)は、下記一般式(a2−6−1)で表される構成単位であることが好ましい。
R4の2価の連結基としては、直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基、2価の脂環式炭化水素基、またはヘテロ原子を含む2価の連結基が好ましい。
該直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基、2価の脂環式炭化水素基、ヘテロ原子を含む2価の連結基としては、それぞれ、前記Y2で好ましいものとして挙げた直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基、2価の脂環式炭化水素基、ヘテロ原子を含む2価の連結基と同様のものが挙げられる。
上記の中でも、直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基、またはヘテロ原子として酸素原子を含む2価の連結基が好ましい。
直鎖状のアルキレン基としては、メチレン基またはエチレン基が好ましく、メチレン基が特に好ましい。
分岐鎖状のアルキレン基としては、アルキルメチレン基またはアルキルエチレン基が好ましく、−CH(CH3)−、−C(CH3)2−または−C(CH3)2CH2−が特に好ましい。
酸素原子を含む2価の連結基としては、エーテル結合またはエステル結合を含む2価の連結基が好ましく、前記式−A−O−B−、−A−O−C(=O)−B−または−[A−C(=O)−O]m−B−で表される基がより好ましい。
なかでも、式−A−O−C(=O)−B−で表される基が好ましく、−(CH2)c−C(=O)−O−(CH2)d−で表される基が特に好ましい。cは1〜5の整数であり、1または2が好ましい。dは1〜5の整数であり、1または2が好ましい。
R4としては、直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基、または酸素原子を含む2価の連結基が好ましい。R4における直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基、酸素原子を含む2価の連結基としては、それぞれ、前記で挙げた直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基、酸素原子を含む2価の連結基と同様のものが挙げられる。
式(a2−6−12)で表される構成単位としては、特に、下記一般式(a2−6−12a)または(a2−6−12b)で表される構成単位が好ましい。
構成単位(a2)としては、前記一般式(a2−1)〜(a2−6)で表される構成単位からなる群から選択される少なくとも1種が好ましく、一般式(a2−1)〜(a2−3)、(a2−6)で表される構成単位からなる群から選択される少なくとも1種がより好ましい。なかでも、化学式(a2−1−1)、(a2−2−1)、(a2−2−7)、(a2−3−1)、(a2−3−5)または(a2−6−1)で表される構成単位からなる群から選択される少なくとも1種が好ましい。
(A1−1)成分中、構成単位(a2)の割合は、当該(A1−1)成分を構成する全構成単位の合計に対し、5〜60モル%が好ましく、10〜50モル%がより好ましく、20〜50モル%がさらに好ましい。下限値以上とすることにより構成単位(a2)を含有させることによる効果が充分に得られ、上限値以下とすることにより他の構成単位とのバランスをとることができる。
構成単位(a3)は、極性基含有脂肪族炭化水素基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位である。
(A1−1)成分が構成単位(a3)を有することにより、(A)成分の親水性が高まり、現像液との親和性が高まって、露光部でのアルカリ溶解性が向上し、解像性の向上に寄与する。
極性基としては、水酸基、シアノ基、カルボキシ基、フッ素化アルコール基(アルキル基の水素原子の一部がフッ素原子で置換されたヒドロキシアルキル基)等が挙げられ、特に水酸基が好ましい。
構成単位(a3)において、脂肪族炭化水素基に結合する極性基の数は、特に限定されないが、1〜3個が好ましく、1個が最も好ましい。
前記極性基が結合する脂肪族炭化水素基としては、炭素数1〜10の直鎖状または分岐鎖状の炭化水素基(好ましくはアルキレン基)や、多環式の脂肪族炭化水素基(多環式基)が挙げられる。該多環式基としては、例えばArFエキシマレーザー用レジスト組成物用の樹脂において、多数提案されているものの中から適宜選択して用いることができる。該多環式基の炭素数は7〜30であることが好ましい。
構成単位(a3)としては、水酸基、シアノ基、カルボキシ基またはフッ素化アルコール基を含有する脂肪族多環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位が好ましい。該多環式基としては、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどから2個以上の水素原子を除いた基などを例示できる。具体的には、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから2個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。これらの多環式基の中でも、アダマンタンから2個以上の水素原子を除いた基、ノルボルナンから2個以上の水素原子を除いた基、テトラシクロドデカンから2個以上の水素原子を除いた基が工業上好ましい。
また、極性基含有脂肪族炭化水素基における炭化水素基が多環式基の場合、構成単位(a3)としては、下記式(a3−1)で表される構成単位、一般式(a3−2)で表される構成単位、一般式(a3−3)で表される構成単位等が好ましい。中でも、一般式(a3−1)で表される構成単位が好ましい。
jは1であることが好ましく、特に水酸基がアダマンチル基の3位に結合しているものが好ましい。
式(a3−2)中、kは1であることが好ましい。シアノ基はノルボルニル基の5位または6位に結合していることが好ましい。
式(a3−3)中、t’は1であることが好ましい。lは1であることが好ましい。sは1であることが好ましい。これらはアクリル酸のカルボキシ基の末端に2−ノルボルニル基または3−ノルボルニル基が結合していることが好ましい。フッ素化アルキルアルコールはノルボルニル基の5又は6位に結合していることが好ましい。
(A1−1)成分中、構成単位(a3)の割合は、当該(A1−1)成分を構成する全構成単位に対し、5〜50モル%であることが好ましく、5〜40モル%がより好ましく、5〜25モル%がさらに好ましい。
該他の構成単位は、上述の構成単位(a1)〜(a3)に分類されない他の構成単位であれば特に限定されるものではなく、ArFエキシマレーザー用、KrFエキシマレーザー用(好ましくはArFエキシマレーザー用)等のレジスト用樹脂に用いられるものとして従来から知られている多数のものが使用可能である。
該他の構成単位としては、例えば、酸非解離性の脂肪族多環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a4)、後述する(A’)成分の説明で挙げる構成単位(a5’)等が挙げられる。ただし本発明において、当該第一のポジ型レジスト組成物の各成分を溶解する有機溶剤としてアルコール系溶剤、フッ素系溶剤および水酸基を有さないエーテル系有機溶剤からなる群から選択される少なくとも1種を用いない場合、当該(A1−1)成分は、構成単位(a5’)を有さないことが好ましい。一方、当該第一のポジ型レジスト組成物の各成分を溶解する有機溶剤としてアルコール系溶剤、フッ素系溶剤および水酸基を有さないエーテル系有機溶剤からなる群から選択される少なくとも1種を用いる場合、当該(A1−1)成分は、それらの有機溶剤に対する溶解性の点から、構成単位(a5’)を有することが好ましい。
構成単位(a4)として、具体的には、下記一般式(a4−1)〜(a4−5)の構造のものを例示することができる。
(A1−1)成分中、アクリル酸エステルから誘導される構成単位(前記構成単位(a1)〜(a4)、(a5’)等)の合計の割合は、(A1−1)成分を構成する全構成単位の合計に対して、50モル%以上が好ましく、80モル%以上がより好ましく、100モル%であってもよい。
(A)成分において、(A1−1)成分としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用しても良い。
(A1−2)成分は、さらに、スチレンから誘導される構成単位(a13)を有することが好ましい。
構成単位(a11)は、ヒドロキシスチレンから誘導される構成単位である。
上述したとおり、「ヒドロキシスチレンから誘導される構成単位」とは、ヒドロキシスチレンのエチレン性二重結合が開裂して構成される構成単位を意味し、「ヒドロキシスチレン」とは、α位の炭素原子(フェニル基が結合する炭素原子)に水素原子が結合しているヒドロキシスチレンのほか、α位の炭素原子に置換基(水素原子以外の原子または基)が結合しているものも含む。α位の炭素原子に結合する置換基としては、上述したとおり、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基、ヒドロキシアルキル基等が挙げられる。これらの中でも、アルキル基が好ましい。
以下、α位の炭素原子に水素原子が結合しているヒドロキシスチレンを無置換ヒドロキシスチレン、α位の炭素原子に置換基が結合しているものをα置換ヒドロキシスチレンという。特に限定がない場合、当該「ヒドロキシスチレン」は、無置換ヒドロキシスチレン、α置換ヒドロキシスチレンのいずれであってもよい。
ヒドロキシスチレンは、そのベンゼン環に置換基が結合していてもよい。該置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基等が挙げられる。
置換基としてのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が特に好ましい。
置換基としてのアルキル基としては、R1のアルキル基と同様のものが挙げられる。
置換基としてのハロゲン化アルキル基としては、上記置換基としてのアルキル基における水素原子の一部または全部がハロゲン原子で置換された基が挙げられ、該ハロゲン原子としては、前記置換基としてのハロゲン原子として挙げたものと同様のものが挙げられる。該のハロゲン化アルキル基としては、フッ素化アルキル基が好ましい。
構成単位(a11)として、好適なものとしては、下記一般式(a11−1)で表される構成単位が例示できる。
R0のアルキル基としては、上記ヒドロキシスチレンの説明で、α位の炭素原子に結合する置換基として挙げたアルキル基と同様のものが挙げられる。
R0としては、水素原子またはメチル基が特に好ましい。
R6’としては、前記ヒドロキシスチレンのベンゼン環に結合していてもよい置換基として挙げたものと同様のものが挙げられる。
pは1〜3の整数であり、qは0〜4の整数であり、p+qは1〜5である。ただし、p+qは、1〜5である。
pは1が最も好ましい。
qは0〜2の整数であることが好ましく、0または1であることがより好ましく、工業上、0であることが特に好ましい。
また、フェニル基におけるR6’の結合位置は特に限定されない。qが1である場合は、o−位、m−位、p−位のいずれでもよい。qが2以上の整数である場合は、任意の結合位置を組み合わせることができる。
qが2以上の整数である場合、複数のR6’は、それぞれ同じであってもよく、異なっていてもよい。
(A1−2)成分中、構成単位(a11)の割合は、(A1−2)成分を構成する全構成単位の合計に対し、50〜90モル%であることが好ましく、55〜85モル%であることがより好ましい。該範囲の下限値以上であると、適度なアルカリ溶解性が得られ、構成単位(a11)を含有させることによる効果が充分に得られる。該範囲の上限値以下であると、他の構成単位とのバランスが良好である。
構成単位(a12)は、解離性溶解抑制基を有するアクリル酸エステルから誘導される構成単位(以下、構成単位(a12A)という。)およびヒドロキシスチレンから誘導される構成単位であって当該構成単位中の水酸基の水素原子の少なくとも1つが酸解離性溶解抑制基含有基で置換された構成単位(以下、構成単位(a12H)という。)からなる群から選択される少なくとも1種の構成単位である。
構成単位(a12A)としては、前記構成単位(a1)と同様のものが挙げられる。
構成単位(a12H)としては、たとえば前記一般式(a11−1)中の水酸基の水素原子が酸解離性溶解抑制基含有基で置換されたものが挙げられる。
酸解離性溶解抑制基含有基としては特に限定されず、KrFエキシマレーザー用、ArFエキシマレーザー用等のレジスト組成物用の樹脂において多数提案されているものの中から適宜選択して用いることができる。たとえば前記構成単位(a1)において挙げたものと同様のもの、たとえば第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基、アセタール型酸解離性溶解抑制基等、が挙げられる。構成単位(a12H)において、ヒドロキシスチレンの水酸基の水素原子を置換する酸解離性溶解抑制基としては、以下に示す基(7−1)における第3級アルキル基、基(7−2)等が好ましい。
また、酸解離性溶解抑制基とそれ以外の基または原子とからなる酸解離性溶解抑制基含有基として具体的には、以下に示す基(7−1)(ただし第3級アルキル基を除く)、(7−3)等が挙げられる。
ただし本発明はこれに限定されず、基(7−1)〜(7−4)に分類されない任意の酸解離性溶解抑制基含有基を使用できる。
基(7−1)は第3級アルキル基含有基である。
「第3級アルキル基」は、第3級炭素原子を有するアルキル基を示す。「アルキル基」は、上述のように、1価の飽和炭化水素基を示し、鎖状(直鎖状、分岐鎖状)のアルキル基および環状構造を有するアルキル基を包含する。
「第3級アルキル基含有基」は、その構造中に第3級アルキル基を含む基を示す。第3級アルキル基含有基は、第3級アルキル基のみから構成されていてもよく、第3級アルキル基と、第3級アルキル基以外の他の原子または基とから構成されていてもよい。
第3級アルキル基とともに第3級アルキル基含有基を構成する前記「第3級アルキル基以外の他の原子または基」としては、カルボニルオキシ基、カルボニル基、アルキレン基、酸素原子(−O−)等が挙げられる。
環状構造を有さない第3級アルキル基含有基は、第3級アルキル基として分岐鎖状の第3級アルキル基を含有し、かつ、その構造内に環状構造を有さない基である。
分岐鎖状の第3級アルキル基としては、たとえば下記一般式(7−1a)で表される基が挙げられる。
炭素数が1〜5のアルキル基として具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等が挙げられる。
一般式(7−1a)で表される基の全炭素数は、4〜7であることが好ましく、4〜6であることがより好ましく、4〜5であることが最も好ましい。
一般式(7−1a)で表される基としては、tert−ブチル基、tert−ペンチル基等が好ましく挙げられ、tert−ブチル基がより好ましい。
第3級アルキル基含有鎖状アルキル基におけるアルキレン基としては、炭素数1〜5のアルキレン基が好ましく、炭素数1〜4のアルキレン基がより好ましく、炭素数〜2のアルキレン基がさらに好ましい。
式(7−1b)中のR7f〜R7gは、前記式(7−1a)中のR7f〜R7gと同様である。
鎖状の第3級アルキルオキシカルボニル基としては、tert−ブチルオキシカルボニル基(t−boc)、tert−ペンチルオキシカルボニル基が好ましい。
式(7−1c)中のR7f〜R7gは、前記式(7−1a)中のR7f〜R7gと同様である。
fは1〜3の整数であり、1または2が好ましい。
鎖状の第3級アルキルオキシカルボニルアルキル基としては、tert−ブチルオキシカルボニルメチル基、tert−ブチルオキシカルボニルエチル基が好ましい。
これらの中で、環状構造を有さない第3級アルキル基含有基としては、第3級アルキルオキシカルボニル基または第3級アルキルオキシカルボニルアルキル基が好ましく、第3級アルキルオキシカルボニル基がより好ましく、tert−ブチルオキシカルボニル基(t−boc)が最も好ましい。
環状構造を有する第3級アルキル基含有基において、環状構造は、環を構成する炭素数が4〜12であることが好ましく、5〜10であることがより好ましく、6〜10であることが最も好ましい。環状構造としては、例えばモノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカン等のポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基等が挙げられる。好ましくは、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等のポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基等が挙げられる。
[1]環状のアルキル基(シクロアルキル基)の環を構成する炭素原子に、直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が結合し、該炭素原子が第3級炭素原子となっている基。
[2]シクロアルキル基の環を構成する炭素原子に、第3級炭素原子を有するアルキレン基(分岐鎖状のアルキレン基)が結合している基。
前記[1]の基としては、2−メチル−2−アダマンチル基、2−エチル−2−アダマンチル基、1−メチル−1−シクロアルキル基、1−エチル−1−シクロアルキル基等が挙げられる。
前記[2]の基において、分岐鎖状のアルキレン基が結合しているシクロアルキル基は置換基を有していてもよい。該置換基としては、フッ素原子、フッ素原子で置換された炭素数1〜5のフッ素化低級アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
前記[2]の基としては、たとえば下記化学式(7−1d)で表される基が挙げられる。
R7j、R7mは、それぞれ独立して、直鎖状または分岐鎖状のアルキル基である。該アルキル基としては、前記式(7−1a)中のR7f〜R7gのアルキル基と同様のものが挙げられる。
該第3級アルキルオキシカルボニル基、第3級アルキルオキシカルボニルアルキル基としては、それぞれ、前記一般式(7−1b)、(7−1c)中の−C(R7f)(R7g)(R7h)を、前記[1]または[2]の基で置換したものが挙げられる。
基(7−2)はアルコキシアルキル基である。
該アルコキシアルキル基としては、たとえば下記一般式(7−2a)で表される基が挙げられる。
R7bは、脂肪族環式基、芳香族環式炭化水素基または炭素数1〜5のアルキル基である。
「脂肪族環式基」は、芳香族性を持たない単環式基または多環式基であることを意味し、飽和または不飽和のいずれでもよく、通常は飽和であることが好ましい。
R7bにおける脂肪族環式基は1価の脂肪族環式基である。該脂肪族環式基としては、たとえば、従来のArFレジストにおいて多数提案されているものの中から適宜選択して用いることができる。脂肪族環式基の具体例としては、たとえば、炭素数5〜7の脂肪族単環式基、炭素数10〜16の脂肪族多環式基が挙げられる。
炭素数5〜7の脂肪族単環式基としては、モノシクロアルカンから1個の水素原子を除いた基が例示でき、具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサンなどから1個の水素原子を除いた基などが挙げられる。
炭素数10〜16の脂肪族多環式基としては、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどから1個の水素原子を除いた基などを例示できる。具体的には、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個の水素原子を除いた基などが挙げられる。これらの中でもアダマンチル基、ノルボルニル基、テトラシクロドデシル基が工業上好ましく、特にアダマンチル基が好ましい。
R7bの芳香族環式炭化水素基としては、炭素数10〜16の芳香族多環式基が挙げられる。具体的には、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、ピレンなどから1個の水素原子を除いた基などを例示できる。具体的には、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントリル基、2−アントリル基、1−フェナントリル基、2−フェナントリル基、3−フェナントリル基、1−ピレニル基等が挙げられ、2−ナフチル基が工業上特に好ましい。
R7bのアルキル基としては、上記一般式(a11−1)のR0のアルキル基と同様のものが挙げられ、メチル基またはエチル基がより好ましく、エチル基が最も好ましい。
基(7−2)としては、特に、下記一般式(7−2b)で表される基が好ましい。
R7cのアルキル基としては、上記一般式(a11−1)のR0のアルキル基と同様のものが挙げられる。工業的にはメチル基またはエチル基が好ましく、特にメチル基が好ましい。
R7dは、アルキル基または水素原子である。R7dのアルキル基としては、R7cのアルキル基と同様のものが挙げられる。R7dは、工業的には水素原子であることが好ましい。
式(7−1b)においては、レジストパターン形状等に優れることから、R7cが水素原子または炭素数1〜5のアルキル基であり、かつ、R7dが水素原子であることが好ましい。特に、R7cがメチル基であり、かつR7dが水素原子であることが好ましい。
また、式(7−1b)においては、R7bおよびR7cが、それぞれ独立に炭素数1〜5のアルキレン基であって、R7bとR7cとが結合していてもよい。この場合、前記一般式(7−1b)においては、R7cと、R7bと、R7bが結合した酸素原子と、該酸素原子およびR7cが結合した炭素原子とにより環式基が形成されている。該環式基としては、4〜7員環が好ましく、4〜6員環がより好ましい。該環式基の具体例としては、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基等が挙げられる。
また、前記R7bが脂肪族環式基である場合、1−シクロヘキシルオキシエチル基、1−(2−アダマンチル)オキシメチル基、下記式(7−1−1)で表される基(1−(1−アダマンチル)オキシエチル基)等が挙げられる。
また、前記R7bが芳香族環式炭化水素基である場合、下記式(7−1−2)で表される基(1−(2−ナフチル)オキシエチル基)等が挙げられる。
これらの中でも、1−エトキシエチル基が特に好ましい。
基(7−3)は、下記一般式(7−3)で表される基である。基(7−3)においては、露光により(B1)成分から酸が発生すると、該酸により、R7eに結合した酸素原子と、R7cおよびR7dが結合した炭素原子との間の結合が切れて、−C(R7c)(R7d)−OR7bが解離する。
R7eにおける2価の脂肪族環式基としては、上記R7bおける脂肪族環式基からさらに水素原子1つを除いた基が挙げられる。
(A1−2)成分においては、構成単位(a12A)および構成単位(a12H)のいずれか一方のみを用いることが好ましい。
(A1−2)成分中、構成単位(a12)の割合は、前記構成単位(a11)とのバランス、リソグラフィー特性等を考慮して適宜設定すればよい。
たとえば(A1−2)成分が構成単位(a12A)を有し、構成単位(a12H)を有さない場合、(A1−2)成分中の構成単位(a12A)の割合は、(A1−2)成分を構成する全構成単位の合計に対し、5〜40モル%が好ましく、10〜30モル%がより好ましい。該範囲の下限値以上であると、レジスト組成物とした際にパターンを得ることができ、上限値以下であると、他の構成単位とのバランスが良好である。
(A1−2)成分が構成単位(a12H)を有し、構成単位(a12A)を有さない場合、(A1−2)成分中の構成単位(a12H)の割合は、(A1−2)成分を構成する全構成単位の合計に対し、5〜60モル%が好ましく、10〜50モル%がより好ましい。該範囲の下限値以上であると、レジスト組成物とした際にパターンを得ることができ、上限値以下であると、他の構成単位とのバランスが良好である。
構成単位(a13)は、スチレンから誘導される構成単位である。
「スチレンから誘導される構成単位」とは、スチレンのエチレン性二重結合が開裂して構成される構成単位を意味する。「スチレン」とは、α位の炭素原子(フェニル基が結合する炭素原子)に水素原子が結合しているスチレンのほか、α位の炭素原子に置換基(水素原子以外の原子または基)が結合しているものも含む。α位の炭素原子に結合する置換基としては、前記構成単位(a11)におけるヒドロキシスチレンの説明で、α位の炭素原子に結合する置換基として挙げたものと同様のものが挙げられる。
以下、α位の炭素原子に水素原子が結合しているスチレンを無置換スチレン、α位の炭素原子に置換基が結合しているものをα置換スチレンという。特に限定がない場合、当該「スチレン」は、無置換スチレン、α置換スチレンのいずれであってもよい。
スチレンは、そのベンゼン環に置換基が結合していてもよい。該置換基としては、前記構成単位(a11)の説明で、ヒドロキシスチレンのベンゼン環に結合してもよい置換基として挙げたものと同様のものが挙げられる。
構成単位(a13)としては、たとえば、下記一般式(a13−1)で表される構成単位が例示できる。
rは、0〜3の整数が好ましく、0または1がより好ましく、工業上、0が最も好ましい。
rが1である場合、R7’の置換位置は、フェニル基のo−位、m−位、p−位のいずれでもよい。
rが2または3である場合には、任意の置換位置を組み合わせることができる。複数のR7は、それぞれ同じであってもよく、異なっていてもよい。
(A1−2)成分が構成単位(a13)を有する場合、(A1−2)成分中の構成単位(a13)の割合は、(A1−2)成分を構成する全構成単位の合計に対し、1〜40モル%が好ましく、5〜30モル%がより好ましい。該範囲の下限値以上であると、構成単位(a13)を有することによる効果が高く、上限値以下であると、他の構成単位とのバランスが良好である。
また、(A1)成分には、上記重合の際に、たとえばHS−CH2−CH2−CH2−C(CF3)2−OHのような連鎖移動剤を併用して用いることにより、末端に−C(CF3)2−OH基を導入してもよい。このように、アルキル基の水素原子の一部がフッ素原子で置換されたヒドロキシアルキル基が導入された共重合体は、現像欠陥の低減やLER(ラインエッジラフネス:ライン側壁の不均一な凹凸)の低減に有効である。
また、(A1)成分の分散度(Mw/Mn)は、特に限定されず、1.0〜5.0が好ましく、1.0〜3.0がより好ましく、1.0〜2.5が最も好ましい。なお、Mnは数平均分子量を示す。
(A2)成分としては、分子量が500以上4000未満であって、上述の(A1)成分の説明で例示したような酸解離性溶解抑制基と、親水性基とを有する低分子化合物が好ましい。具体的には、複数のフェノール骨格を有する化合物の水酸基の水素原子の一部が上記酸解離性溶解抑制基で置換されたものが挙げられる。
(A2)成分は、たとえば、非化学増幅型のg線やi線レジストにおける増感剤や、耐熱性向上剤として知られている低分子量フェノール化合物の水酸基の水素原子の一部を上記酸解離性溶解抑制基で置換したものが好ましく、そのようなものから任意に用いることができる。
かかる低分子量フェノール化合物としては、たとえば、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−3,4−ジヒドロキシフェニルメタン、ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−6−メチルフェニル)−4−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−6−メチルフェニル)−3,4−ジヒドロキシフェニルメタン、1−[1−(4−ヒドロキシフェニル)イソプロピル]−4−[1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン、ビス(2,3,−トリヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)メタン、2,3,4−トリヒドロキシフェニル−4'−ヒドロキシフェニルメタン、2−(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)−2−(2',3',4'−トリヒドロキシフェニル)プロパン、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−2−(2',4'−ジヒドロキシフェニル)プロパン、2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(4'−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−2−(3'−フルオロ−4'−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−2−(4'−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)−2−(4'−ヒドロキシフェニル)プロパン、及び2−(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)−2−(4'−ヒドロキシ−3',5'−ジメチルフェニル)プロパン等のビスフェノール型化合物;トリス(4−ヒドロシキフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5−トリメチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−4−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−3−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)−4−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)−3−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−3,4−ジヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)−3,4−ジヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)−2,4−ジヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−4−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−3−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、及びビス(5−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−3,4−ジヒドロキシフェニルメタン等のトリスフェノール型化合物;2,4−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシベンジル)−5−ヒドロキシフェノール、及び2,6−ビス(2,5−ジメチル−4−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェノール等のリニア型3核体フェノール化合物;1,1−ビス[3−(2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル]イソプロパン、ビス[2,5−ジメチル−3−(4−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−ヒドロキシフェニル]メタン、ビス[2,5−ジメチル−3−(4−ヒドロキシベンジル)−4−ヒドロキシフェニル]メタン、ビス[3−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシベンジル)−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル]メタン、ビス[3−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシベンジル)−4−ヒドロキシ−5−エチルフェニル]メタン、ビス[3−(3,5−ジエチル−4−ヒドロキシベンジル)−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル]メタン、ビス[3−(3,5−ジエチル−4−ヒドロキシベンジル)−4−ヒドロキシ−5−エチルフェニル]メタン、ビス[2−ヒドロキシ−3−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシベンジル)−5−メチルフェニル]メタン、ビス[2−ヒドロキシ−3−(2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−5−メチルフェニル]メタン、ビス[4−ヒドロキシ−3−(2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−5−メチルフェニル]メタン、及びビス[2,5−ジメチル−3−(2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−ヒドロキシフェニル]メタン等のリニア型4核体フェノール化合物;2,4−ビス[2−ヒドロキシ−3−(4−ヒドロキシベンジル)−5−メチルベンジル]−6−シクロヘキシルフェノール、2,4−ビス[4−ヒドロキシ−3−(4−ヒドロキシベンジル)−5−メチルベンジル]−6−シクロヘキシルフェノール、及び2,6−ビス[2,5−ジメチル−3−(2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−ヒドロキシベンジル]−4−メチルフェノール等のリニア型5核体フェノール化合物等のリニア型ポリフェノール化合物;1−[1−(4−ヒドロキシフェニル)イソプロピル]−4−[1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン、及び1−[1−(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)イソプロピル]−4−[1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン等の多核枝分かれ型化合物;フェノール、m−クレゾール、p−クレゾールまたはキシレノールなどのフェノール類のホルマリン縮合物の2〜12核体などが挙げられる。勿論これらに限定されるものではない。
酸解離性溶解抑制基も特に限定されず、上記したものが挙げられる。
ポジ型レジスト組成物中、(A)成分の含有量は、形成しようとするレジスト膜厚等に応じて調整すればよい。
(B)成分としては、特に限定されず、これまで化学増幅型レジスト用の酸発生剤として提案されているものを使用することができる。このような酸発生剤としては、これまで、ヨードニウム塩やスルホニウム塩などのオニウム塩系酸発生剤、オキシムスルホネート系酸発生剤、ビスアルキルまたはビスアリールスルホニルジアゾメタン類、ポリ(ビススルホニル)ジアゾメタン類などのジアゾメタン系酸発生剤、ニトロベンジルスルホネート系酸発生剤、イミノスルホネート系酸発生剤、ジスルホン系酸発生剤など多種のものが知られている。
オニウム塩系酸発生剤として、例えば下記一般式(b−1)または(b−2)で表される化合物を用いることができる。
また、R1”〜R3”のうち、少なくとも1つはアリール基を表す。R1”〜R3”のうち、2以上がアリール基であることが好ましく、R1”〜R3”のすべてがアリール基であることが最も好ましい。
該アリール基は、置換基を有していてもよい。「置換基を有する」とは、当該アリール基の水素原子の一部または全部が置換基で置換されていることを意味し、該置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシアルキルオキシ基、−O−R50−C(=O)−(O)n−R51[式中、R50はアルキレン基または単結合であり、R51は酸解離性基または酸非解離性基であり、nは0または1である。]等が挙げられる。
前記アリール基の水素原子が置換されていてもよいアルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基であることが最も好ましい。
前記アリール基の水素原子が置換されていてもよいアルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基が最も好ましい。
前記アリール基の水素原子が置換されていてもよいハロゲン原子としては、フッ素原子が好ましい。
R47、R48において、アルキル基の炭素数は好ましくは1〜5であり、エチル基、メチル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。
そして、R47およびR48は、一方が水素原子であり、他方が水素原子またはメチル基であることが好ましく、R47およびR48がいずれも水素原子であることが特に好ましい。
R49のアルキル基としては、好ましくは炭素数が1〜15であり、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよい。
R49における直鎖状、分岐鎖状のアルキル基としては、炭素数が1〜5であることが好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基などが挙げられる。
R49における環状のアルキル基としては、炭素数4〜15であることが好ましく、炭素数4〜12であることがさらに好ましく、炭素数5〜10であることが最も好ましい。
具体的には炭素数1〜5のアルキル基、フッ素原子またはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいモノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。モノシクロアルカンとしては、シクロペンタン、シクロヘキサン等が挙げられる。ポリシクロアルカンとしては、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等が挙げられる。中でもアダマンタンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましい。
R48およびR49は、相互に結合して一つの環構造を形成していても良い。この場合、R48とR49と、R49が結合した酸素原子と、該酸素原子およびR48が結合した炭素原子とにより環式基が形成されている。該環式基としては、4〜7員環が好ましく、4〜6員環がより好ましい。
R51における酸解離性基としては、酸(露光時に(B)成分から発生する酸)の作用により解離しうる有機基であれば特に限定されず、たとえば前記(A)成分の説明で挙げた酸解離性溶解抑制基と同様のものが挙げられる。中でも、第3級アルキルエステル型のものが好ましい。
R51における酸非解離性基としては、好ましくはデシル基、トリシクロデカニル基、アダマンチル基、1−(1−アダマンチル)メチル基、テトラシクロドデカニル基、イソボルニル基、ノルボルニル基が挙げられる。
該アルキル基は、置換基を有していてもよい。「置換基を有する」とは、当該アルキル基の水素原子の一部または全部が置換基で置換されていることを意味し、該置換基としては、前記アリール基が有していてもよい置換基として挙げたものと同様のものが挙げられる。
R1”〜R3”のうちの2つが結合して環を形成する場合、式中のイオウ原子をその環骨格に含む1つの環が、イオウ原子を含めて、3〜10員環であることが好ましく、5〜7員環であることが特に好ましい。
R1”〜R3”のうちの2つが結合して形成される環の具体例としては、ベンゾチオフェン、ジベンゾチオフェン、9H−チオキサンテン、チオキサントン、チアントレン、フェノキサチイン、テトラヒドロチオフェニウム、テトラヒドロチオピラニウムなどが挙げられる。
R1”〜R3”のうち、いずれか2つが相互に結合して式中のイオウ原子と共に環を形成する場合、残りの1つはアリール基であることが好ましい。
uは1〜3の整数であり、1または2が最も好ましい。
式(I−11−12)〜(I−11−13)中、R41〜R46において、アルキル基は、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、なかでも直鎖または分岐鎖状のアルキル基がより好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、又はtert−ブチル基であることが特に好ましい。
アルコキシ基は、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、なかでも直鎖または分岐鎖状のアルコキシ基がより好ましく、メトキシ基、エトキシ基が特に好ましい。
ヒドロキシアルキル基は、上記アルキル基中の一個又は複数個の水素原子がヒドロキシ基に置換した基が好ましく、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基等が挙げられる。
R41〜R46に付された符号n1〜n6が2以上の整数である場合、複数のR41〜R46はそれぞれ同じであってもよく、異なっていてもよい。
n1は、好ましくは0〜2であり、より好ましくは0又は1であり、さらに好ましくは0である。
n2およびn3は、好ましくはそれぞれ独立して0又は1であり、より好ましくは0である。
n4は、好ましくは0〜2であり、より好ましくは0又は1である。
n5は、好ましくは0又は1であり、より好ましくは0である。
n6は、好ましくは0又は1であり、より好ましくは1である。
R4”におけるアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであっても良い。
前記直鎖状または分岐鎖状のアルキル基としては、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8であることがさらに好ましく、炭素数1〜4であることが最も好ましい。
前記環状のアルキル基としては、炭素数4〜15であることが好ましく、炭素数4〜10であることがさらに好ましく、炭素数6〜10であることが最も好ましい。
R4”におけるハロゲン化アルキル基としては、前記直鎖状、分岐鎖状若しくは環状のアルキル基の水素原子の一部または全部がハロゲン原子で置換された基が挙げられる。該ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
ハロゲン化アルキル基においては、当該ハロゲン化アルキル基に含まれるハロゲン原子および水素原子の合計数に対するハロゲン原子の数の割合(ハロゲン化率(%))が、10〜100%であることが好ましく、50〜100%であることが好ましく、100%が最も好ましい。該ハロゲン化率が高いほど、酸の強度が強くなるので好ましい。
前記R4”におけるアリール基は、炭素数6〜20のアリール基であることが好ましい。
前記R4”におけるアルケニル基は、炭素数2〜10のアルケニル基であることが好ましい。
前記R4”において、「置換基を有していても良い」とは、前記直鎖状、分岐鎖状若しくは環状のアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アリール基、またはアルケニル基における水素原子の一部または全部が置換基(水素原子以外の他の原子または基)で置換されていても良いことを意味する。
R4”における置換基の数は1つであってもよく、2つ以上であってもよい。
前記ハロゲン原子、アルキル基としては、R4”において、ハロゲン化アルキル基におけるハロゲン原子、アルキル基として挙げたもの同様のものが挙げられる。
前記ヘテロ原子としては、酸素原子、窒素原子、硫黄原子等が挙げられる。
Q1は、酸素原子以外の原子を含有してもよい。酸素原子以外の原子としては、たとえば炭素原子、水素原子、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。
酸素原子を含む2価の連結基としては、たとえば、酸素原子(エーテル結合;−O−)、エステル結合(−C(=O)−O−)、アミド結合(−C(=O)−NH−)、カルボニル基(−C(=O)−)、カーボネート結合(−O−C(=O)−O−)等の非炭化水素系の酸素原子含有連結基;該非炭化水素系の酸素原子含有連結基とアルキレン基との組み合わせ等が挙げられる。
該組み合わせとしては、たとえば、−R91−O−、−R92−O−C(=O)−、−C(=O)−O−R93−、−C(=O)−O−R93−O−C(=O)−(式中、R91〜R93はそれぞれ独立にアルキレン基である。)等が挙げられる。
R91〜R93におけるアルキレン基としては、直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基が好ましく、該アルキレン基の炭素数は、1〜12が好ましく、1〜5がより好ましく、1〜3が特に好ましい。
該アルキレン基として、具体的には、たとえばメチレン基[−CH2−];−CH(CH3)−、−CH(CH2CH3)−、−C(CH3)2−、−C(CH3)(CH2CH3)−、−C(CH3)(CH2CH2CH3)−、−C(CH2CH3)2−等のアルキルメチレン基;エチレン基[−CH2CH2−];−CH(CH3)CH2−、−CH(CH3)CH(CH3)−、−C(CH3)2CH2−、−CH(CH2CH3)CH2−、−CH(CH2CH3)CH2−等のアルキルエチレン基;トリメチレン基(n−プロピレン基)[−CH2CH2CH2−];−CH(CH3)CH2CH2−、−CH2CH(CH3)CH2−等のアルキルトリメチレン基;テトラメチレン基[−CH2CH2CH2CH2−];−CH(CH3)CH2CH2CH2−、−CH2CH(CH3)CH2CH2−等のアルキルテトラメチレン基;ペンタメチレン基[−CH2CH2CH2CH2CH2−]等が挙げられる。
Q1としては、エステル結合またはエーテル結合を含む2価の連結基が好ましく、なかでも、−R91−O−、−R92−O−C(=O)−、−C(=O)−O−、−C(=O)−O−R93−または−C(=O)−O−R93−O−C(=O)−が好ましい。
芳香族炭化水素基は、芳香環を有する炭化水素基である。該芳香族炭化水素基の炭素数は3〜30であることが好ましく、5〜30であることがより好ましく、5〜20がさらに好ましく、6〜15が特に好ましく、6〜12が最も好ましい。ただし、該炭素数には、置換基における炭素数を含まないものとする。
芳香族炭化水素基として、具体的には、フェニル基、ビフェニル(biphenyl)基、フルオレニル(fluorenyl)基、ナフチル基、アントリル(anthryl)基、フェナントリル基等の、芳香族炭化水素環から水素原子を1つ除いたアリール基、ベンジル基、フェネチル基、1−ナフチルメチル基、2−ナフチルメチル基、1−ナフチルエチル基、2−ナフチルエチル基等のアリールアルキル基等が挙げられる。前記アリールアルキル基中のアルキル鎖の炭素数は、1〜4であることが好ましく、1〜2であることがより好ましく、1であることが特に好ましい。
該芳香族炭化水素基は、置換基を有していてもよい。たとえば当該芳香族炭化水素基が有する芳香環を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子で置換されていてもよく、当該芳香族炭化水素基が有する芳香環に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよい。
前者の例としては、前記アリール基の環を構成する炭素原子の一部が酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子で置換されたヘテロアリール基、前記アリールアルキル基中の芳香族炭化水素環を構成する炭素原子の一部が前記ヘテロ原子で置換されたヘテロアリールアルキル基等が挙げられる。
後者の例における芳香族炭化水素基の置換基としては、たとえば、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
前記芳香族炭化水素基の置換基としてのアルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基であることが最も好ましい。
前記芳香族炭化水素基の置換基としてのアルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基が最も好ましい。
前記芳香族炭化水素基の置換基としてのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
前記芳香族炭化水素基の置換基としてのハロゲン化アルキル基としては、前記アルキル基の水素原子の一部または全部が前記ハロゲン原子で置換された基が挙げられる。
Xにおいて、脂肪族炭化水素基は、当該脂肪族炭化水素基を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子を含む置換基で置換されていてもよく、当該脂肪族炭化水素基を構成する水素原子の一部または全部がヘテロ原子を含む置換基で置換されていてもよい。
Xにおける「ヘテロ原子」としては、炭素原子および水素原子以外の原子であれば特に限定されず、たとえばハロゲン原子、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、ヨウ素原子、臭素原子等が挙げられる。
「ヘテロ原子を含む置換基」(以下、ヘテロ原子含有置換基ということがある。)は、前記ヘテロ原子のみからなるものであってもよく、前記ヘテロ原子以外の基または原子を含む基であってもよい。
脂肪族炭化水素基が環状である場合、これらの置換基を環構造中に含んでいてもよい。
前記ヘテロ原子含有置換基としてのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
前記ヘテロ原子含有置換基としてのアルコキシ基におけるアルキル基としては、直鎖状、分岐鎖状、環状の何れであってもよく、それらの組み合わせであってもよい。その炭素数は1〜30が好ましい。該アルキル基が直鎖状または分岐鎖状である場合、その炭素数は1〜20であることが好ましく、1〜17であることがより好ましく、1〜15であることがさらに好ましく、1〜10が特に好ましい。具体的には、この後例示する直鎖状もしくは分岐鎖状の飽和炭化水素基の具体例と同様のものが挙げられる。該アルキル基が環状である場合(シクロアルキル基である場合)、その炭素数は、3〜30であることが好ましく、3〜20がより好ましく、3〜15がさらに好ましく、炭素数4〜12であることが特に好ましく、炭素数5〜10が最も好ましい。該アルキル基は単環式であってもよく、多環式であってもよい。具体的には、モノシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基等を例示できる。前記モノシクロアルカンとして、具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等が挙げられる。また、前記ポリシクロアルカンとして、具体的には、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等が挙げられる。これらのシクロアルキル基は、その環に結合した水素原子の一部または全部が、フッ素原子、フッ素化アルキル基等の置換基で置換されていてもよいし、されていなくてもよい。
前記ヘテロ原子含有置換基としての−C(=O)−R80、−COOR81において、R80、R81におけるアルキル基としては、前記アルコキシ基におけるアルキル基として挙げたアルキル基と同様のものが挙げられる。
前記ヘテロ原子含有置換基としてのハロゲン化アルキル基におけるアルキル基としては、前記アルコキシ基におけるアルキル基として挙げたアルキル基と同様のものが挙げられる。該ハロゲン化アルキル基としては、フッ素化アルキル基が特に好ましい。
前記ヘテロ原子含有置換基としてのハロゲン化アルコキシ基としては、前記アルコキシ基の水素原子の一部または全部が前記ハロゲン原子で置換された基が挙げられる。該ハロゲン化アルコキシ基としては、フッ素化アルコキシ基が好ましい。
前記ヘテロ原子含有置換基としてのヒドロキシアルキル基としては、前記アルコキシ基におけるアルキル基として挙げたアルキル基の水素原子の少なくとも1つが水酸基で置換された基が挙げられる。ヒドロキシアルキル基が有する水酸基の数は、1〜3が好ましく、1が最も好ましい。
直鎖状の飽和炭化水素基(アルキル基)としては、炭素数が1〜20であることが好ましく、1〜15であることがより好ましく、1〜10が最も好ましい。具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、イソトリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、イソヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、ヘンイコシル基、ドコシル基等が挙げられる。
分岐鎖状の飽和炭化水素基(アルキル基)としては、炭素数が3〜20であることが好ましく、3〜15であることがより好ましく、3〜10が最も好ましい。具体的には、例えば、1−メチルエチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基などが挙げられる。
不飽和炭化水素基としては、炭素数が2〜10であることが好ましく、2〜5が好ましく、2〜4が好ましく、3が特に好ましい。直鎖状の1価の不飽和炭化水素基としては、例えば、ビニル基、プロペニル基(アリル基)、ブチニル基などが挙げられる。分岐鎖状の1価の不飽和炭化水素基としては、例えば、1−メチルプロペニル基、2−メチルプロペニル基などが挙げられる。不飽和炭化水素基としてはプロペニル基が特に好ましい。
具体的には、たとえば、モノシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基;ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。より具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基;アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。
脂肪族環式基が、その環構造中にヘテロ原子を含む置換基を含まない場合は、脂肪族環式基としては、多環式基が好ましく、ポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましく、アダマンタンから1個以上の水素原子を除いた基が最も好ましい。
脂肪族環式基が、その環構造中にヘテロ原子を含む置換基を含むものである場合、該ヘテロ原子を含む置換基としては、−O−、−C(=O)−O−、−S−、−S(=O)2−、−S(=O)2−O−が好ましい。かかる脂肪族環式基の具体例としては、たとえば以下の式(L1)〜(L5)、(S1)〜(S4)で表される基等が挙げられる。
該アルキレン基は、酸素原子(−O−)もしくは硫黄原子(−S−)を含んでいてもよい。その具体例としては、前記アルキレン基の末端または炭素原子間に−O−または−S−が介在する基が挙げられ、たとえば−O−R94−、−S−R95−、−R96−O−R97−、−R98−S−R99−等が挙げられる。ここで、R94〜R99はそれぞれ独立にアルキレン基である。該アルキレン基としては、前記Q”におけるアルキレン基として挙げたアルキレン基と同様のものが挙げられる。中でも、−O−CH2−、−CH2−O−CH2−、−S−CH2−、−CH2−S−CH2−等が好ましい。
該置換基としてのアルキル基としては、前記ヘテロ原子含有置換基としてのアルコキシ基におけるアルキル基として挙げたものと同様のものが挙げられる。
該アルキル基としては、特に、炭素数1〜6のアルキル基が好ましい。また、該アルキル基は、直鎖状または分岐鎖状であることが好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基等が挙げられる。これらの中でも、メチル基またはエチル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。
該置換基としてのハロゲン原子、アルコキシ基、−C(=O)−R80、−COOR81、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アルコキシ基としては、それぞれ、前記脂肪族炭化水素基を構成する水素原子の一部または全部を置換してもよいヘテロ原子含有置換基として挙げたものと同様のものが挙げられる。
脂肪族環式基の水素原子を置換する置換基としては、上記の中でも、アルキル基、酸素原子(=O)、水酸基が好ましい。
脂肪族環式基が有する置換基の数は、1つであってもよく、2以上であってもよい。置換基を複数有する場合、該複数の置換基はそれぞれ同じであってもよく、異なっていてもよい。
前記芳香族炭化水素基としては、置換基を有していてもよいナフチル基、または置換基を有していてもよいフェニル基が好ましい。
置換基を有していてもよい脂肪族環式基としては、置換基を有していてもよい多環式の脂肪族環式基が好ましい。該多環式の脂肪族環式基としては、前記ポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基、前記(L2)〜(L5)、(S3)〜(S4)で表される基等が好ましい。
X−Q1−Y1−で表される基において、Y1のアルキレン基としては、前記Q1で挙げたアルキレン基のうち炭素数1〜4のものと同様のものが挙げられる。
フッ素化アルキレン基としては、該アルキレン基の水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換された基が挙げられる。
Y1として、具体的には、−CF2−、−CF2CF2−、−CF2CF2CF2−、−CF(CF3)CF2−、−CF(CF2CF3)−、−C(CF3)2−、−CF2CF2CF2CF2−、−CF(CF3)CF2CF2−、−CF2CF(CF3)CF2−、−CF(CF3)CF(CF3)−、−C(CF3)2CF2−、−CF(CF2CF3)CF2−、−CF(CF2CF2CF3)−、−C(CF3)(CF2CF3)−;−CHF−、−CH2CF2−、−CH2CH2CF2−、−CH2CF2CF2−、−CH(CF3)CH2−、−CH(CF2CF3)−、−C(CH3)(CF3)−、−CH2CH2CH2CF2−、−CH2CH2CF2CF2−、−CH(CF3)CH2CH2−、−CH2CH(CF3)CH2−、−CH(CF3)CH(CF3)−、−C(CF3)2CH2−;−CH2−、−CH2CH2−、−CH2CH2CH2−、−CH(CH3)CH2−、−CH(CH2CH3)−、−C(CH3)2−、−CH2CH2CH2CH2−、−CH(CH3)CH2CH2−、−CH2CH(CH3)CH2−、−CH(CH3)CH(CH3)−、−C(CH3)2CH2−、−CH(CH2CH3)CH2−、−CH(CH2CH2CH3)−、−C(CH3)(CH2CH3)−等が挙げられる。
これらの中でも、−CF2−、−CF2CF2−、−CF2CF2CF2−、又はCH2CF2CF2−が好ましく、−CF2−、−CF2CF2−又は−CF2CF2CF2−がより好ましく、−CF2−が特に好ましい。
アルキレン基またはフッ素化アルキレン基が有していてもよい置換基としては、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、水酸基等が挙げられる。
R5”〜R6”のアリール基としては、R1”〜R3”のアリール基と同様のものが挙げられる。
R5”〜R6”のアルキル基としては、R1”〜R3”のアルキル基と同様のものが挙げられる。
これらの中で、R5”〜R6”はすべてフェニル基であることが最も好ましい。
式(b−2)中のR4”としては上記式(b−1)のR4”と同様のものが挙げられる。
また、これらのオニウム塩のアニオン部をメタンスルホネート、n−プロパンスルホネート、n−ブタンスルホネート、n−オクタンスルホネート、1−アダマンタンスルホネート、2−ノルボルナンスルホネート、d−カンファー−10−スルホネート、ベンゼンスルホネート、パーフルオロベンゼンスルホネート、p−トルエンスルホネート等のアルキルスルホネートに置き換えたオニウム塩も用いることができる。
また、これらのオニウム塩のアニオン部を下記式(b1)〜(b8)のいずれかで表されるアニオン部に置き換えたオニウム塩も用いることができる。
R7に付された符号(r1〜r2、w1〜w5)が2以上の整数である場合、当該化合物中の複数のR7はそれぞれ同じであってもよく、異なっていてもよい。
R8におけるアルキル基、ハロゲン化アルキル基としては、それぞれ、上記Rにおけるアルキル基、ハロゲン化アルキル基と同様のものが挙げられる。
r1〜r2、w1〜w5は、それぞれ、0〜2の整数であることが好ましく、0または1であることがより好ましい。
v0〜v5は0〜2が好ましく、0または1が最も好ましい。
t3は、1または2が好ましく、1であることが最も好ましい。
q3は、1〜5であることが好ましく、1〜3であることがさらに好ましく、1であることが最も好ましい。
Y”、Z”は、それぞれ独立に、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された直鎖状または分岐鎖状のアルキル基であり、該アルキル基の炭素数は1〜10であり、好ましくは炭素数1〜7、より好ましくは炭素数1〜3である。
X”のアルキレン基の炭素数またはY”、Z”のアルキル基の炭素数は、上記炭素数の範囲内において、レジスト溶媒への溶解性も良好である等の理由により、小さいほど好ましい。
また、X”のアルキレン基またはY”、Z”のアルキル基において、フッ素原子で置換されている水素原子の数が多いほど、酸の強度が強くなり、また200nm以下の高エネルギー光や電子線に対する透明性が向上するので好ましい。該アルキレン基またはアルキル基中のフッ素原子の割合、すなわちフッ素化率は、好ましくは70〜100%、さらに好ましくは90〜100%であり、最も好ましくは、全ての水素原子がフッ素原子で置換されたパーフルオロアルキレン基またはパーフルオロアルキル基である。
R7”としては、前記R4”と同様のものが挙げられる。
上記「R7”−COO−」の具体的としては、トリフルオロ酢酸イオン、酢酸イオン、1−アダマンタンカルボン酸イオンなどが挙げられる。
R31の有機基としては、直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基またはアリール基が好ましい。これらのアルキル基、アリール基は置換基を有していても良い。該置換基としては、特に制限はなく、たとえばフッ素原子、炭素数1〜6の直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基等が挙げられる。ここで、「置換基を有する」とは、アルキル基またはアリール基の水素原子の一部または全部が置換基で置換されていることを意味する。
アルキル基としては、炭素数1〜20が好ましく、炭素数1〜10がより好ましく、炭素数1〜8がさらに好ましく、炭素数1〜6が特に好ましく、炭素数1〜4が最も好ましい。アルキル基としては、特に、部分的または完全にハロゲン化されたアルキル基(以下、ハロゲン化アルキル基ということがある)が好ましい。なお、部分的にハロゲン化されたアルキル基とは、水素原子の一部がハロゲン原子で置換されたアルキル基を意味し、完全にハロゲン化されたアルキル基とは、水素原子の全部がハロゲン原子で置換されたアルキル基を意味する。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。すなわち、ハロゲン化アルキル基は、フッ素化アルキル基であることが好ましい。
アリール基は、炭素数4〜20が好ましく、炭素数4〜10がより好ましく、炭素数6〜10が最も好ましい。アリール基としては、特に、部分的または完全にハロゲン化されたアリール基が好ましい。なお、部分的にハロゲン化されたアリール基とは、水素原子の一部がハロゲン原子で置換されたアリール基を意味し、完全にハロゲン化されたアリール基とは、水素原子の全部がハロゲン原子で置換されたアリール基を意味する。
R31としては、特に、置換基を有さない炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数1〜4のフッ素化アルキル基が好ましい。
R32の有機基としては、直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基、アリール基またはシアノ基が好ましい。R32のアルキル基、アリール基としては、前記R31で挙げたアルキル基、アリール基と同様のものが挙げられる。
R32としては、特に、シアノ基、置換基を有さない炭素数1〜8のアルキル基、または炭素数1〜8のフッ素化アルキル基が好ましい。
R33としては、ハロゲン化アルキル基が好ましく、フッ素化アルキル基がより好ましい。
R33におけるフッ素化アルキル基は、アルキル基の水素原子が50%以上フッ素化されていることが好ましく、70%以上フッ素化されていることがより好ましく、90%以上フッ素化されていることが特に好ましい。
R34のアリール基としては、フェニル基、ビフェニル(biphenyl)基、フルオレニル(fluorenyl)基、ナフチル基、アントリル(anthryl)基、フェナントリル基等の、芳香族炭化水素の環から水素原子を1つ除いた基、およびこれらの基の環を構成する炭素原子の一部が酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子で置換されたヘテロアリール基等が挙げられる。これらのなかでも、フルオレニル基が好ましい。
R34のアリール基は、炭素数1〜10のアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルコキシ基等の置換基を有していても良い。該置換基におけるアルキル基またはハロゲン化アルキル基は、炭素数が1〜8であることが好ましく、炭素数1〜4がさらに好ましい。また、該ハロゲン化アルキル基は、フッ素化アルキル基であることが好ましい。
R35の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基は、炭素数が1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8がより好ましく、炭素数1〜6が最も好ましい。
R35としては、ハロゲン化アルキル基が好ましく、フッ素化アルキル基がより好ましい。
R35におけるフッ素化アルキル基は、アルキル基の水素原子が50%以上フッ素化されていることが好ましく、70%以上フッ素化されていることがより好ましく、90%以上フッ素化されていることが、発生する酸の強度が高まるため特に好ましい。最も好ましくは、水素原子が100%フッ素置換された完全フッ素化アルキル基である。
R37の2または3価の芳香族炭化水素基としては、上記R34のアリール基からさらに1または2個の水素原子を除いた基が挙げられる。
R38の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基としては、上記R35の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基と同様のものが挙げられる。
p”は好ましくは2である。
また、特開平9−208554号公報(段落[0012]〜[0014]の[化18]〜[化19])に開示されているオキシムスルホネート系酸発生剤、WO2004/074242A2(65〜85頁目のExample1〜40)に開示されているオキシムスルホネート系酸発生剤も好適に用いることができる。
また、好適なものとして以下のものを例示することができる。
また、特開平11−035551号公報、特開平11−035552号公報、特開平11−035573号公報に開示されているジアゾメタン系酸発生剤も好適に用いることができる。
また、ポリ(ビススルホニル)ジアゾメタン類としては、例えば、特開平11−322707号公報に開示されている、1,3−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)プロパン、1,4−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ブタン、1,6−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ヘキサン、1,10−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)デカン、1,2−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)エタン、1,3−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)プロパン、1,6−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ヘキサン、1,10−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)デカンなどを挙げることができる。
ポジ型レジスト組成物における(B)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対し、0.5〜50質量部が好ましく、1〜40質量部がより好ましい。上記範囲とすることでパターン形成が充分に行われる。また、均一な溶液が得られ、保存安定性が良好となるため好ましい。
ポジ型レジスト組成物は、さらに、任意の成分として、含窒素有機化合物(以下、(D)成分という)を含有してもよい。
(D)成分としては、酸拡散制御剤、すなわち露光により前記(B)成分から発生する酸をトラップするクエンチャーとして作用するものであれば特に限定されず、既に多種多様なものが提案されているので、公知のものから任意に用いればよい。
(D)成分としては、通常、低分子化合物(非重合体)が用いられている。(D)成分としては、たとえば、脂肪族アミン、芳香族アミン等のアミンが挙げられ、脂肪族アミンが好ましく、特に第2級脂肪族アミンや第3級脂肪族アミンが好ましい。ここで、脂肪族アミンとは、1つ以上の脂肪族基を有するアミンであり、該脂肪族基は炭素数が1〜20であることが好ましい。
脂肪族アミンとしては、たとえば、アンモニアNH3の水素原子の少なくとも1つを、炭素数20以下のアルキル基またはヒドロキシアルキル基で置換したアミン(アルキルアミンまたはアルキルアルコールアミン)又は環式アミンが挙げられる。
アルキルアミンおよびアルキルアルコールアミンの具体例としては、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン等のモノアルキルアミン;ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジ−n−ヘプチルアミン、ジ−n−オクチルアミン、ジシクロヘキシルアミン等のジアルキルアミン;トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−n−ヘキシルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ヘプチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリ−n−ノニルアミン、トリ−n−デシルアミン、トリ−n−ドデシルアミン等のトリアルキルアミン;ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、ジ−n−オクタノールアミン、トリ−n−オクタノールアミン、ステアリルジエタノールアミン、ラウリルジエタノールアミン等のアルキルアルコールアミンが挙げられる。これらの中でも、トリアルキルアミンおよび/またはアルキルアルコールアミンが好ましい。
環式アミンとしては、たとえば、ヘテロ原子として窒素原子を含む複素環化合物が挙げられる。該複素環化合物としては、単環式のもの(脂肪族単環式アミン)であっても多環式のもの(脂肪族多環式アミン)であってもよい。
脂肪族単環式アミンとして、具体的には、ピペリジン、ピペラジン等が挙げられる。
脂肪族多環式アミンとしては、炭素数が6〜10のものが好ましく、具体的には、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、ヘキサメチレンテトラミン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン等が挙げられる。
その他の脂肪族アミンとしては、トリス(2−メトキシメトキシエチル)アミン、トリス{2−(2−メトキシエトキシ)エチル}アミン、トリス{2−(2−メトキシエトキシメトキシ)エチル}アミン、トリス{2−(1−メトキシエトキシ)エチル}アミン、トリス{2−(1−エトキシエトキシ)エチル}アミン、トリス{2−(1−エトキシプロポキシ)エチル}アミン、トリス[2−{2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ}エチルアミン等が挙げられる。
芳香族アミンとしては、たとえば、アニリン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、ピロール、インドール、ピラゾール、イミダゾールまたはこれらの誘導体、ジフェニルアミン、トリフェニルアミン、トリベンジルアミン、2,6−ジイソプロピルアニリン、2,2’−ジビリジル、4,4’−ジビリジルなどが挙げられる。
これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(D)成分は、(A)成分100質量部に対して、通常、0.01〜5.0質量部の範囲で用いられる。上記範囲とすることにより、レジストパターン形状、引き置き経時安定性等が向上する。
有機カルボン酸としては、例えば、酢酸、マロン酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、安息香酸、サリチル酸などが好適である。
リンのオキソ酸およびその誘導体としては、リン酸、ホスホン酸、ホスフィン酸等が挙げられ、これらの中でも特にホスホン酸が好ましい。
リンのオキソ酸の誘導体としては、たとえば、上記オキソ酸の水素原子を炭化水素基で置換したエステル等が挙げられ、前記炭化水素基としては、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数6〜15のアリール基等が挙げられる。
リン酸の誘導体としては、リン酸ジ−n−ブチルエステル、リン酸ジフェニルエステル等のリン酸エステルなどが挙げられる。
ホスホン酸の誘導体としては、ホスホン酸ジメチルエステル、ホスホン酸−ジ−n−ブチルエステル、フェニルホスホン酸、ホスホン酸ジフェニルエステル、ホスホン酸ジベンジルエステル等のホスホン酸エステルなどが挙げられる。
ホスフィン酸の誘導体としては、フェニルホスフィン酸等のホスフィン酸エステルなどが挙げられる。
(E)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(E)成分は、(A)成分100質量部に対して、通常、0.01〜5.0質量部の範囲で用いられる。
(S)成分としては、使用する各成分を溶解し、均一な溶液とすることができるものであればよく、従来、化学増幅型レジストの溶剤として公知のものの中から任意のものを1種または2種以上適宜選択して用いることができる。
たとえば、γ−ブチロラクトン等のラクトン類;
アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチル−n−ペンチルケトン、メチルイソペンチルケトン、2−ヘプタノンなどのケトン類;
エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールなどの多価アルコール類;
エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノアセテート、またはジプロピレングリコールモノアセテート等のエステル結合を有する化合物、前記多価アルコール類または前記エステル結合を有する化合物のモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテル等のモノアルキルエーテルまたはモノフェニルエーテル等のエーテル結合を有する化合物等の多価アルコール類の誘導体[これらの中では、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)が好ましい];
ジオキサンのような環式エーテル類や、乳酸メチル、乳酸エチル(EL)、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチルなどのエステル類;
アニソール、エチルベンジルエーテル、クレジルメチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、フェネトール、ブチルフェニルエーテル、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、ペンチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、トルエン、キシレン、シメン、メシチレン等の芳香族系有機溶剤などを挙げることができる。
これらの有機溶剤は単独で用いてもよく、2種以上の混合溶剤として用いてもよい。
中でも、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、ELが好ましい。
また、PGMEAと極性溶剤とを混合した混合溶媒も好ましい。その配合比(質量比)は、PGMEAと極性溶剤との相溶性等を考慮して適宜決定すればよいが、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2の範囲内とすることが好ましい。
より具体的には、極性溶剤としてELを配合する場合は、PGMEA:ELの質量比は、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2である。また、極性溶剤としてPGMEを配合する場合は、PGMEA:PGMEの質量比は、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2、さらに好ましくは3:7〜7:3である。
また、(S)成分として、その他には、PGMEA及びELの中から選ばれる少なくとも1種とγ−ブチロラクトンとの混合溶剤も好ましい。この場合、混合割合としては、前者と後者の質量比が好ましくは70:30〜95:5とされる。
(S)成分の使用量は特に限定されず、基板等に塗布可能な濃度で、塗布膜厚に応じて適宜設定される。一般的にはレジスト組成物の固形分濃度が1〜20質量%、好ましくは2〜15質量%の範囲内となるように用いられる。
第二のポジ型レジスト組成物、すなわち本発明のパターン形成方法において第二の膜形成用材料として用いられる化学増幅型ポジ型レジスト組成物は、前記第一のポジ型レジスト組成物よりも高エネルギー量でアルカリ現像液に対する溶解性が増大するものであればよく、前記第一のポジ型レジスト組成物の説明で挙げたような、これまで提案されている多数の化学増幅型レジスト組成物のなかから適宜選択して用いることができる。
第二のポジ型レジスト組成物としては、たとえば、酸解離性溶解抑制基を有する基材成分(A’)(以下、(A’)成分という。)および露光により酸を発生する酸発生剤成分(B’)(以下、(B’)成分という。)を含有し、且つ前記基材成分(A’)が、前記基材成分(A)が有する酸解離性溶解抑制基よりも脱保護エネルギーが高い酸解離性溶解抑制基を有するものが挙げられる。かかるポジ型レジスト組成物を用いた場合、工程(2)において、露光量およびPEB温度により供給されるエネルギー量が、基材成分(A)が有する酸解離性溶解抑制基が解離し、かつ基材成分(A’)が有する酸解離性溶解抑制基が解離しないエネルギー量となるように露光およびPEBを行うことで、上記のように、反転パターンを形成できる。
これら第一のポジ型レジスト組成物および第二のポジ型レジスト組成物における酸解離性溶解抑制基の組み合わせについては、詳しくは、第一のポジ型レジスト組成物および第二のポジ型レジスト組成物の選択方法として後述する。
(A’)成分としては、前記基材成分(A)が有する酸解離性溶解抑制基よりも脱保護エネルギーが高い(解離しにくい)酸解離性溶解抑制基を有する以外は、前記(A)成分の説明で挙げたものと同様のものが挙げられる。
本発明においては、(A’)成分が、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大する樹脂成分(A1’)(以下、(A1’)成分ということがある。)を含有するものが好ましく、アクリル酸エステルから誘導される構成単位を含有するものがより好ましい。
かかる(A1’)成分としては、特に、酸解離性溶解抑制基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a1’)を有する樹脂成分(A1’−1)(以下、(A1’−1)成分という。)が好ましい。
また、(A1’ −1)成分は、構成単位(a1’)に加えて、さらに、ラクトン含有環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位および−SO2−含有環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位からなる群から選択される少なくとも1種の構成単位(a2’)を有することが好ましい。
(A1’ −1)成分は、構成単位(a1’)に加えて、または構成単位(a1’)および(a2’)に加えて、さらに、極性基含有脂肪族炭化水素基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a3’)を有することが好ましい。
(A1’ −1)成分は、構成単位(a1’)に加えて、または構成単位(a1’)および(a2’)に加えて、または構成単位(a1’)および(a3’)に加えて、または構成単位(a1’)、(a2’)および(a3’)に加えて、さらに、下記一般式(a5’)で表される構成単位(a5’)を有することが好ましい。
各構成単位は、それぞれ、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(A1’)成分中、構成単位(a1’)の割合は、当該(A1’)成分を構成する全構成単位に対し、10〜80モル%が好ましく、20〜70モル%がより好ましく、25〜50モル%がさらに好ましい。下限値以上とすることによって、レジスト組成物とした際に容易にパターンを得ることができ、上限値以下とすることにより他の構成単位とのバランスをとることができる。
(A1’)成分中、構成単位(a2’)の割合は、当該(A1’)成分を構成する全構成単位の合計に対し、5〜60モル%が好ましく、10〜50モル%がより好ましく、20〜50モル%がさらに好ましい。下限値以上とすることにより構成単位(a2)を含有させることによる効果が充分に得られ、上限値以下とすることにより他の構成単位とのバランスをとることができる。
(A1’)成分中、構成単位(a3’)の割合は、当該(A1’)成分を構成する全構成単位に対し、5〜50モル%であることが好ましく、5〜40モル%がより好ましく、5〜25モル%がさらに好ましい。
式(a5’)中、Rは、前記構成単位(a1)の説明中のRと同様である。Rとしては、水素原子またはメチル基が好ましい。
Y1は脂肪族環式基である。「脂肪族環式基」は、芳香族性を持たない単環式基または多環式基であることを示す。
構成単位(a5’)における「脂肪族環式基」は、置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。置換基としては、炭素数1〜5のアルキル基、フッ素原子、フッ素原子で置換された炭素数1〜5のフッ素化アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
「脂肪族環式基」の置換基を除いた基本の環(脂肪族環)の構造は、炭素および水素からなる環(炭化水素環)であることに限定はされず、その環(脂肪族環)の構造中に酸素原子を含んでいてもよい。また、「炭化水素環」は飽和、不飽和のいずれでもよいが、通常は飽和であることが好ましい。
脂肪族環式基は、多環式基、単環式基のいずれでもよい。脂肪族環式基としては、例えば、低級アルキル基、フッ素原子またはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいモノシクロアルカン;ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカン等のポリシクロアルカンから2個以上の水素原子を除いた基等が挙げられる。より具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等のポリシクロアルカンから2個以上の水素原子を除いた基等が挙げられる。
また、当該脂肪族環式基としては、例えば、低級アルキル基、フッ素原子またはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいテトラヒドロフラン、テトラヒドロピランから2個以上の水素原子を除いた基等も挙げられる。
構成単位(a5’)における脂肪族環式基は、多環式基であることが好ましく、中でも、アダマンタンから2個以上の水素原子を除いた基が好ましい。
「第3級アルキル基」は、第3級炭素原子を有するアルキル基を示す。「アルキル基」は、上述のように、1価の飽和炭化水素基を示し、鎖状(直鎖状、分岐鎖状)のアルキル基および環状構造を有するアルキル基を包含する。
「第3級アルキル基含有基」は、その構造中に第3級アルキル基を含む基を示す。第3級アルキル基含有基は、第3級アルキル基のみから構成されていてもよく、第3級アルキル基と、第3級アルキル基以外の他の原子または基とから構成されていてもよい。
第3級アルキル基とともに第3級アルキル基含有基を構成する前記「第3級アルキル基以外の他の原子または基」としては、カルボニルオキシ基、カルボニル基、アルキレン基、酸素原子(−O−)等が挙げられる。
環状構造を有さない第3級アルキル基含有基は、第3級アルキル基として分岐鎖状の第3級アルキル基を含有し、かつ、その構造内に環状構造を有さない基である。
分岐鎖状の第3級アルキル基としては、たとえば下記一般式(I)で表される基が挙げられる。
また、一般式(I)で表される基の全炭素数は、4〜7であることが好ましく、4〜6であることがより好ましく、4〜5であることが最も好ましい。
一般式(I)で表される基としては、tert−ブチル基、tert−ペンチル基等が好ましく挙げられ、tert−ブチル基がより好ましい。
第3級アルキル基含有鎖状アルキル基におけるアルキレン基としては、炭素数1〜5のアルキレン基が好ましく、炭素数1〜4のアルキレン基がより好ましく、炭素数〜2のアルキレン基がさらに好ましい。
鎖状の第3級アルキルオキシカルボニル基としては、たとえば下記一般式(II)で表される基が挙げられる。
式(II)中のR21〜R23は、前記式(I)中のR21〜R23と同様である。
鎖状の第3級アルキルオキシカルボニル基としては、tert−ブチルオキシカルボニル基(t−boc)、tert−ペンチルオキシカルボニル基が好ましい。
式(III)中のR21〜R23は、前記式(I)中のR21〜R23と同様である。
fは1〜3の整数であり、1または2が好ましい。
鎖状の第3級アルキルオキシカルボニルアルキル基としては、tert−ブチルオキシカルボニルメチル基、tert−ブチルオキシカルボニルエチル基が好ましい。
これらの中で、環状構造を有さない第3級アルキル基含有基としては、第3級アルキルオキシカルボニル基または第3級アルキルオキシカルボニルアルキル基が好ましく、第3級アルキルオキシカルボニル基がより好ましく、tert−ブチルオキシカルボニル基(t−boc)が最も好ましい。
環状構造を有する第3級アルキル基含有基において、環状構造は、環を構成する炭素数が4〜12であることが好ましく、5〜10であることがより好ましく、6〜10であることが最も好ましい。環状構造としては、例えばモノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカン等のポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基等が挙げられる。好ましくは、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等のポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基等が挙げられる。
[1]環状のアルキル基(シクロアルキル基)の環を構成する炭素原子に、直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が結合し、該炭素原子が第3級炭素原子となっている基。
[2]シクロアルキル基の環を構成する炭素原子に、第3級炭素原子を有するアルキレン基(分岐鎖状のアルキレン基)が結合している基。
[1]の基としては、2−メチル−2−アダマンチル基、2−エチル−2−アダマンチル基、1−メチル−1−シクロアルキル基、1−エチル−1−シクロアルキル基等が挙げられる。
[2]の基としては、たとえば下記化学式(IV)で表される基が挙げられる。
R25、R26は、それぞれ独立して直鎖状または分岐鎖状のアルキル基であり、該アルキル基としては、前記式(I)中のR21〜R23のアルキル基と同様のものが挙げられる。
Zにおけるアルコキシアルキル基としては、たとえば下記一般式(V)で表される基が挙げられる。
R41が直鎖状、分岐鎖状の場合は、炭素数1〜5であることが好ましく、エチル基、メチル基がさらに好ましく、特にエチル基が最も好ましい。
R41が環状の場合は炭素数4〜15であることが好ましく、炭素数4〜12であることがさらに好ましく、炭素数5〜10が最も好ましい。たとえば、フッ素原子またはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいモノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカン等のポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基等が挙げられる。より具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等のポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基等が挙げられる。中でもアダマンタンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましい。
R42は直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基である。該アルキレン基は、炭素数1〜5であることが好ましく、炭素数1〜3であることがより好ましく、炭素数1〜2であることがさらに好ましい。
Zのアルコキシアルキル基としては、特に、下記一般式(VI)で表される基が好ましい。
R43、R44において、アルキル基の炭素数は好ましくは1〜15であり、直鎖状、分岐鎖状のいずれでもよく、エチル基、メチル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。特に、R43、R44の一方が水素原子で、他方がメチル基であることが好ましい。
aは1または2であることが好ましく、1であることがより好ましい。
bは0であることが好ましい。
a+bは1または2であることが好ましく、1であることがより好ましい。
cは0〜3の整数であり、0または1であることが好ましく、0であることがより好ましい。
dは0〜3の整数であり、0または1であることが好ましく、0であることがより好ましい。
eは0〜3の整数であり、0または1であることが好ましく、0であることがより好ましい。
なお、bが1以上の場合、構成単位(a5’)は前記構成単位(a3’)の定義にも含まれるが、式(a5’)で表される構成単位は構成単位(a5’)に該当し、構成単位(a3’)には該当しないもととする。
前記式(a5’−2)におけるcが0の場合、アクリル酸エステルのカルボニルオキシ基(−C(=O)−O−)の末端の酸素原子は、環式基中の酸素原子に結合する炭素原子には結合していないことが好ましい。すなわち、cが0の場合、当該末端の酸素原子と当該環式基中の酸素原子との間には炭素原子が2つ以上存在する(この炭素原子の数が1である(すなわちアセタール結合となる)場合を除く)ことが好ましい。
該他の構成単位は、上述の構成単位(a1’)〜(a3’)および(a5’)に分類されない他の構成単位であれば特に限定されるものではなく、ArFエキシマレーザー用、KrFエキシマレーザー用(好ましくはArFエキシマレーザー用)等のレジスト用樹脂に用いられるものとして従来から知られている多数のものが使用可能である。
該他の構成単位としては、例えば、前記(A1)成分の説明で挙げた構成単位(a4)、(a11)〜(a13)等が挙げられる。
(A1’−1)成分中、アクリル酸エステルから誘導される構成単位(前記構成単位(a1)〜(a4)、(a5’)等)の合計の割合は、(A1’−1)成分を構成する全構成単位の合計に対して、50モル%以上が好ましく、80モル%以上がより好ましく、100モル%であってもよい。
(A’)成分において、(A1’−1)成分としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用しても良い。
(A1’−2)成分は、さらに、スチレンから誘導される構成単位(a13’)を有することが好ましい。
(A1’−2)成分中、構成単位(a11)の割合は、(A1−2)成分を構成する全構成単位の合計に対し、50〜90モル%であることが好ましく、55〜85モル%であることがより好ましい。該範囲の下限値以上であると、適度なアルカリ溶解性が得られ、構成単位(a11)を含有させることによる効果が充分に得られる。該範囲の上限値以下であると、他の構成単位とのバランスが良好である。
(A1’−2)成分中、構成単位(a12’)の割合は、前記構成単位(a11’)とのバランス、リソグラフィー特性等を考慮して適宜設定すればよい。
たとえば(A1’−2)成分が構成単位(a12’A)を有し、構成単位(a12’H)を有さない場合、(A1’−2)成分中の構成単位(a12’A)の割合は、(A1’−2)成分を構成する全構成単位の合計に対し、5〜40モル%が好ましく、10〜30モル%がより好ましい。該範囲の下限値以上であると、レジスト組成物とした際にパターンを得ることができ、上限値以下であると、他の構成単位とのバランスが良好である。
(A1’−2)成分が構成単位(a12’H)を有し、構成単位(a12’A)を有さない場合、(A1’−2)成分中の構成単位(a12’H)の割合は、(A1’−2)成分を構成する全構成単位の合計に対し、5〜60モル%が好ましく、10〜50モル%がより好ましい。該範囲の下限値以上であると、レジスト組成物とした際にパターンを得ることができ、上限値以下であると、他の構成単位とのバランスが良好である。
(A1’−2)成分が構成単位(a13’)を有する場合、(A1’−2)成分中の構成単位(a13’)の割合は、(A1’−2)成分を構成する全構成単位の合計に対し、5〜40モル%が好ましく、10〜30モル%がより好ましい。該範囲の下限値以上であると、構成単位(a13)を有することによる効果が高く、上限値以下であると、他の構成単位とのバランスが良好である。
また、(A1’)成分には、上記重合の際に、たとえばHS−CH2−CH2−CH2−C(CF3)2−OHのような連鎖移動剤を併用して用いることにより、末端に−C(CF3)2−OH基を導入してもよい。このように、アルキル基の水素原子の一部がフッ素原子で置換されたヒドロキシアルキル基が導入された共重合体は、現像欠陥の低減やLER(ラインエッジラフネス:ライン側壁の不均一な凹凸)の低減に有効である。
また、(A1’)成分の分散度(Mw/Mn)は、特に限定されず、1.0〜5.0が好ましく、1.0〜3.0がより好ましく、1.0〜2.5が最も好ましい。なお、Mnは数平均分子量を示す。
(B’)成分としては、前記第一のポジ型レジスト組成物の説明で挙げた(B)成分と同様のものが挙げられる。
(B’)成分としては、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
第二のポジ型レジスト組成物における(B’)成分の含有量は、(A’)成分100質量部に対し、0.5〜50質量部が好ましく、1〜40質量部がより好ましい。上記範囲とすることでパターン形成が充分に行われる。また、均一な溶液が得られ、保存安定性が良好となるため好ましい。
第二のポジ型レジスト組成物は、さらに、任意の成分として、含窒素有機化合物(以下、(D’)成分という)を含有してもよい。
(D’)成分としては、前記第一のポジ型レジスト組成物の説明で挙げた(D)成分と同様のものが挙げられる。
(D’)成分としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(D’)成分は、(A’)成分100質量部に対して、通常、0.01〜5.0質量部の範囲で用いられる。上記範囲とすることにより、レジストパターン形状、引き置き経時安定性等が向上する。
(E’)成分としては、前記第一のポジ型レジスト組成物の説明で挙げた(E)成分と同様のものが挙げられる。
(E’)成分としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(E’)成分は、(A’)成分100質量部に対して、通常、0.01〜5.0質量部の範囲で用いられる。
本発明において、第二のポジ型レジスト組成物は、有機溶剤として、前記第二の膜形成材料について説明したのと同様に、(S’)成分(第一のレジスト膜を溶解しない有機溶剤)を含有する。
(S’)成分としては、前記工程(2)の説明で挙げたものと同様のものが挙げられる。
第二のポジ型レジスト組成物に用いられる(S’)成分は、1種単独であってもよく、2種以上であってもよい。
第二のポジ型レジスト組成物は、前記第二の膜形成材料について説明したのと同様に、(S’)成分を用いることによる効果を損なわない範囲で、(S”)成分((S’)成分以外の有機溶剤)を含有してもよい。
(S”)成分としては、特に、第一のポジ型レジスト組成物の説明で挙げた(S)成分が好ましい。
(S”)成分の配合量は、第二のポジ型レジスト組成物に配合される全有機溶剤中、0〜20質量%が好ましく、1〜15質量%がより好ましい。
第二のポジ型レジスト組成物に用いられる全有機溶剤の使用量は、特に限定されず、通常、当該第二のポジ型レジスト組成物が、支持体上に塗布可能な濃度の液体となる量が用いられる。一般的には固形分濃度が1〜20質量%、好ましくは2〜15質量%の範囲内となるように用いられる。
上述したように、本発明においては、第二のポジ型レジスト組成物として、第一の型ポジ型レジスト組成物と同じかそれよりも少ないエネルギー量ではアルカリ現像液に対する溶解性が増大しないものを使用し、工程(2)にて、露光した領域内の前記第一のレジストパターンのみがアルカリ現像により除去されるように露光量および露光後ベーク温度を設定する。
そのため、工程(1)および工程(2)におけるリソグラフィー条件(露光量、PEB温度等)が上記の条件を満たすように、本発明のパターン形成方法に用いる第一のポジ型レジスト組成物および第二のポジ型レジスト組成物の組み合わせが選択される。
つまり、第一のポジ型レジスト組成物、第二のポジ型レジスト組成物それぞれの選択は、第二のポジ型レジスト組成物が、第一のポジ型レジスト組成物と同じかそれよりも少ないエネルギー量でアルカリ現像液に対する溶解性が増大しないものとなるように行われる。
Tmin1およびTmin2は、それぞれ、使用する第一のポジ型レジスト組成物および第二のポジ型レジスト組成物の組成を調節することにより調節できる。
たとえば第一のポジ型レジスト組成物、第二のポジ型レジスト組成物ともに、露光により酸を発生する酸発生剤成分および酸解離性溶解抑制基を有する基材成分を含有するものを用いる場合、該調節は、たとえば下記方法(2a)〜(2c)等により行うことができる。これらの方法(2a)〜(2c)は、いずれも、酸解離性溶解抑制基の脱保護反応の進行しやすさに影響していると考えられる。
(2a)第二のポジ型レジスト組成物の基材成分として、第一のポジ型レジスト組成物の基材成分が有する酸解離性溶解抑制基よりも脱保護エネルギーが高い酸解離性溶解抑制基を有するものを用いる方法。
(2b)第二のポジ型レジスト組成物の基材成分として、第一のポジ型レジスト組成物の基材成分よりも、露光および/またはPEBによるダメージを受けにくいものを用いる方法。
(2c)第二のポジ型レジスト組成物中の酸発生剤成分の配合量を、第一のポジ型レジスト組成物中の酸発生剤成分の配合量よりも少なくする方法。
これらの方法は、いずれか1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。本発明においては、少なくとも方法(2a)を用いることが好ましい。
各酸解離性溶解抑制基の脱保護エネルギーの差は、約2kcal/mol以上が好ましく、2.5kcal/mol以上がより好ましい。
工程1:特定保護基を導入したポリマーを用いてレジスト組成物を調製する。
工程2:工程1で調製したレジスト組成物によりレジスト膜を形成し、全面露光を行う。このときの露光量は最適露光量(Eop)と同量とする。
工程3:露光処理後のレジスト膜に対し、リソテックジャパン株式会社製脱保護反応解析装置(PAGA−100)を用いて脱保護反応の解析を行う(本装置によれば、PEB処理を行いながらレジスト膜のIRスペクトルを採取することにより、PEB処理中のレジスト組成物の構造変化を確認することができる。)。
工程4:複数のPEB温度に対してデータ採取を行い、解析を行う。
以下に、酸解離性溶解抑制基または酸解離性溶解抑制基を有するアクリル酸エステルから誘導される構成単位の具体的な構造と、それらが第一のポジ型レジスト組成物および第二のポジ型レジスト組成物のいずれに適しているかを説明する。ただし、本発明はこれに限定されるものではない。
ここで、「アクリル酸」は、α位の炭素原子(アクリル酸のカルボニル基が結合する炭素原子)に水素原子が結合しているアクリル酸(CH2=CHCOOH)のほか、α位の炭素原子に置換基(水素原子以外の原子または基)が結合しているものも含む概念とする。該α位の炭素原子に結合する置換基としては、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基、ヒドロキシアルキル基等が挙げられる。なお、アクリル酸エステルのα位の炭素原子とは、特に断りがない限り、アクリル酸のカルボニル基が結合している炭素原子のことである。
前記基がアクリル酸のカルボキシ基に直接結合しているとは、当該基が、アクリル酸のカルボニル基の水素原子を置換していることを示す。
「アクリル酸のカルボキシ基に直接結合して第3級アルキルエステルを形成している第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基」として、具体的には、前記構成単位(a1)の説明で挙げた式(a1−1)におけるX’が挙げられる。
「1価の脂肪族環式基の環骨格上、当該酸解離性溶解抑制基に隣接する原子と結合する炭素原子にメチル基が結合して第3級炭素原子が形成されている基」としては、たとえば、前記構成単位(a1)の説明で挙げた式(1−1)〜(1−9)におけるR14がメチル基であるものが挙げられる。
かかる酸解離性溶解抑制基は、比較的脱保護エネルギーが高く、解離しにくい。そのため、第二のポジ型レジスト組成物に適している。ただし、該酸解離性溶解抑制基よりも脱保護エネルギーが高い酸解離性溶解抑制基(たとえば後述する(エ)アクリル酸のカルボキシ基に直接結合して第3級アルキルエステルを形成している第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基であって、脂肪族分岐鎖状である基)を第二のポジ型レジスト組成物に用いる場合は、第一のポジ型レジスト組成物に用いることもできる。たとえば、該酸解離性溶解抑制基を、上述した、第一のレジストパターンをダブルパターニングプロセスにより形成する際のレジスト組成物[1]として用いることができる。
「1価の脂肪族環式基の環骨格上、当該酸解離性溶解抑制基に隣接する原子と結合する炭素原子に炭素数2以上のアルキル基が結合して第3級炭素原子が形成されている基」としては、たとえば、前記式(1−1)〜(1−9)におけるR14が炭素数2以上のアルキル基であるものが挙げられる。
かかる酸解離性溶解抑制基は、比較的(たとえば前記(ア)で示した基に比べて)脱保護エネルギーが低く、解離しやすい。たとえば前記式(1−1)におけるR14がメチル基である2−メチル−2−アダマンチル基(M)と、R14がエチル基である2−エチル−2−アダマンチル基(E)とを比較すると、Mの脱保護エネルギーが11.2[kcal/mol]であるのに対し、Eの脱保護エネルギーは8.3[kcal/mol]である。また、前記式(1−2)におけるgが2であり、R14がエチル基であるエチルシクロヘキシル基の脱保護エネルギーは8.1[kcal/mol]である。
そのため、該酸解離性溶解抑制基は、第一のポジ型レジスト組成物に適している。ただし、該酸解離性溶解抑制基よりも脱保護エネルギーが低い酸解離性溶解抑制基(たとえばアセタール型酸解離性溶解抑制基等)を第一のポジ型レジスト組成物に用いる場合は、第二のポジ型レジスト組成物に用いることもできる。
また、該酸解離性溶解抑制基は、上述した、第一のレジストパターンをダブルパターニングプロセスにより形成する際のレジスト組成物[2]に適している。ただし、該酸解離性溶解抑制基よりも脱保護エネルギーが低い酸解離性溶解抑制基(たとえば後述するアセタール型酸解離性溶解抑制基等)をレジスト組成物[2]に用いる場合は、レジスト組成物[1]に用いることもできる。
「1価の脂肪族環式基と、これに結合する第3級炭素原子を有する分岐鎖状アルキレンとを有する基とを有する基」としては、たとえば前記構成単位(a1)の説明で挙げた式(2−1)〜(2−6)で表される基が挙げられる。
かかる酸解離性溶解抑制基は、比較的脱保護エネルギーが高く、解離しにくい。そのため、第二のポジ型レジスト組成物に適している。
「脂肪族分岐鎖状である基」としては、たとえば前記構成単位(a1)の説明で、第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基として挙げた脂肪族分岐鎖状酸解離性溶解抑制基(たとえば式−C(R71)(R72)(R73)で表される基)が挙げられる。
かかる脂肪族分岐鎖状酸解離性溶解抑制基は、比較的脱保護エネルギーが高く、解離しにくい。そのため、第二のポジ型レジスト組成物に好適である。
具体的には、前記構成単位(a1)の説明で挙げた式(a1−3)におけるX’が挙げられる。
かかる酸解離性溶解抑制基は、連結基が介在していることにより、同じ構造の基が連結基を介在せずに直接結合している場合に比べて、比較的脱保護エネルギーが低く、解離しやすい。そのため、第一のポジ型レジスト組成物に適している。
アセタール型酸解離性溶解抑制基として、具体的には、前記構成単位(a1)の説明で挙げたものと同様のものが挙げられる。
アセタール型酸解離性溶解抑制基は、比較的脱保護エネルギーが低く、解離しやすい。たとえばアダマントキシメチル基の脱保護エネルギーは8.4[kcal/mol]である。そのため、第一のポジ型レジスト組成物に適している。
多官能酸解離性溶解抑制基は、例えば特開2005−325325号公報等に記載されているもの(一般式:R−[O−CH2]n−(式中、Rは炭素数20以下のn価以上の価数を有する有機基を表し、nは2から5の整数を表す。)で示される基)が挙げられる。
多官能型酸解離性溶解抑制基は、比較的脱保護エネルギーが低く、解離しやすい。そのため、第一のポジ型レジスト組成物に適している。
[組み合わせ1]:保護基1が前記(イ)および(オ)からなる群から選択される少なくとも1種であり、保護基2が前記(ア)である。
[組み合わせ2]:保護基1が前記(イ)および(オ)からなる群から選択される少なくとも1種であり、保護基2が前記(エ)である。
[組み合わせ3]:保護基1が前記(ア)、(イ)および(オ)からなる群から選択される少なくとも1種であり、保護基2が前記(エ)である。
[組み合わせA]:保護基1aが前記(ア)であり、保護基1bが前記(イ)および(オ)からなる群から選択される少なくとも1種である。
組み合わせAを採用する場合、保護基1と保護基2の組み合わせは前記組み合わせ3が好ましい。
以下に、どのような酸発生剤が第一のポジ型レジスト組成物および第二のポジ型レジスト組成物のいずれに適しているかを、具体例を挙げて説明する。ただし、酸発生剤が有効PEB温度に与える影響は、酸解離性溶解抑制基の場合に比べて小さいため、特にこれらに限定されるものではない。
かかる酸発生剤は、発生する酸が比較的強酸であるため、第一のポジ型レジスト組成物に適している。ただし、第二のポジ型レジスト組成物に用いることもできる。特に、式(b1)〜(b7)で表されるアニオン部を有するオニウム塩系酸発生剤については、第二のポジ型レジスト組成物にも好適である。
(2)前記R4”−SO3 −で表されるアニオン部を有するオニウム塩系酸発生剤であって、R4”がフッ素原子を含み、かつSO3 −の硫黄原子に隣接する炭素原子にフッ素原子が結合していないもの。
かかる酸発生剤は、いずれのポジ型レジスト組成物にも使用できる。
(3)前記R4”−SO3 −で表されるアニオン部を有するオニウム塩系酸発生剤であって、R4”がアルキル基であるもの。
かかる酸発生剤は、発生する酸が比較的弱酸であるため、第二のポジ型レジスト組成物に適している。
(4)前記式(b−3)または(b−4)で表されるアニオン部を有するオニウム塩系酸発生剤。
該酸発生剤は、第一のポジ型レジストに適している。
(5)ジアゾメタン系酸発生剤。
該酸発生剤は、いずれのポジ型レジストにも使用できるが、第二のポジ型レジスト組成物に好適である。
(6)オキシムスルホネート系酸発生剤。
該酸発生剤は、いずれのポジ型レジストにも使用できるが、第二のポジ型レジスト組成物に好適である。
<試験例1>
表1に示す各成分を混合、溶解してレジスト組成物(化学増幅型ポジ型レジスト組成物)を調製した。
(A)−01:下記化学式(A)−1で表される質量平均分子量(Mw)7000、分散度1.7の共重合体。式中、( )の右下の符号は、該符号が付された構成単位の割合(モル%)を示し、a1:a2:a3=45:35:20である。
(A)−02:下記化学式(A)−2で表される質量平均分子量(Mw)7000、分散度1.7の共重合体。式中、( )の右下の符号は、該符号が付された構成単位の割合(モル%)を示し、a1:a2:a3=35:45:20である。
(A)−03:下記化学式(A)−3で表される質量平均分子量(Mw)7000、分散度1.7の共重合体。式中、( )の右下の符号は、該符号が付された構成単位の割合(モル%)を示し、a1:a2:a3=40:40:20である。
(B)−01:(4−メチルフェニル)ジフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート。
(D)−01:トリ−n−ペンチルアミン。
(E)−01:サリチル酸。
(S)−01:γ−ブチロラクトン。
(S)−02:PGMEAとPGMEとの混合溶剤(PGMEA:PGME=6:4(質量比)。
8インチのシリコンウェーハに対し、処理温度90℃、処理時間36秒のHMDS処理を施して疎水化処理を行った。
該シリコンウェーハ上に、レジスト組成物(0−1)を、スピンナーを用いて塗布し、ホットプレート上で、110℃で60秒間のプレベーク(PAB)処理を行い、乾燥することにより、膜厚100nmのレジスト膜(第一のレジスト膜)を形成した。
次に、該第一のレジスト膜に対して、ArF露光装置NSR−S302(製品名、ニコン社製、NA(開口数)=0.60,σ 0.60)により、露光量を0〜100mJ/cm2の範囲内で変化させてオープンフレーム露光(フォトマスクを介さない露光)を行った。
その後、所定のPEB温度(85℃、90℃、95℃、100℃または110℃)で60秒間のPEB処理を行った。該処理ウェーハ上のレジスト膜に対し、リソテックジャパン株式会社製レジスト現像アナライザRDA−800を用いて、23℃の2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液に対する溶解速度(nm/s)を求めた。
そして、露光量を横軸、溶解速度を縦軸にとり、各PEB温度でPEB処理した際の第一のレジスト膜の現像液に対する溶解速度曲線を作成した。その結果を図3に示す。
図3に示す結果から、レジスト組成物(0−1)は、90℃以下のPEB温度では、露光量を増やしても溶解速度があまり増加せず、1nm/sより低い値で飽和を示すことが確認できた。一方、PEB温度が100℃以上であると、露光量が所定値を超えたときに溶解速度の大幅な増大が見られた。
上記結果から、レジスト組成物(0−1)を用いて形成されたレジスト膜の場合、PEB温度が100℃以上であれば、2.38質量%TMAH水溶液(23℃)による現像処理により溶解・除去可能な程度の溶解性を発現することがわかった。
同様にして、レジスト組成物(0−2)および(0−3)の場合についても、溶解・除去可能な程度の溶解性を発現するPEB温度を確認した。その結果、該PEB温度は、レジスト組成物(0−3)は100℃以上、(0−3)は80℃以上であることがわかった。
上記結果から、レジスト組成物に、アルカリ現像液による現像処理により溶解・除去可能な程度の溶解性を発現させるのに必要なPEB温度が主に酸解離性溶解抑制基の種類に依存し、酸解離性溶解抑制基の種類によって該PEB温度にギャップがあることが確認できた。
表2に示す各成分を混合、溶解してレジスト組成物(化学増幅型ポジ型レジスト組成物)を調製した。
(A)−1:下記構造式(A)−11で表される質量平均分子量(Mw)10000、分散度(Mw/Mn)1.65の共重合体。式中、( )の右下の符号は、該符号が付された構成単位の割合(モル%)を示す。
(A)−1’:下記構造式(A)−12で表される質量平均分子量(Mw)7000、分散度(Mw/Mn)1.7の共重合体。式中、( )の右下の符号は、該符号が付された構成単位の割合(モル%)を示し、a1:a2:a3=45:35:20である。
(A)−2:下記構造式(A)−21で表される質量平均分子量(Mw)7000、分散度(Mw/Mn)1.65の共重合体。式中、( )の右下の符号は、該符号が付された構成単位の割合(モル%)を示す。
(A)−2’:下記構造式(A)−22で表される質量平均分子量(Mw)7000、分散度(Mw/Mn)1.5の共重合体。式中、( )の右下の符号は、該符号が付された構成単位の割合(モル%)を示す。
(B)−1:下記構造式(B)−1で表される化合物。
(D)−1:トリ−n−ペンチルアミン。
(E)−1:サリチル酸。
(S)−1:PGMEAとPGMEとの混合溶剤(PGMEA:PGME=6:4(質量比)。
(S)−2:1−ブトキシ−2−プロパノール(PGB)とPGMEAとの混合溶剤(PGB:PGMEA=9:1(質量比)。
有機系反射防止膜組成物「ARC29」(商品名、ブリュワーサイエンス社製)を、スピンナーを用いて8インチのシリコンウェーハ上に塗布し、ホットプレート上で205℃、60秒間焼成して乾燥させることにより、膜厚82nmの有機系反射防止膜を形成した。
該有機系反射防止膜上に、上記レジスト組成物(1−1)を、スピンナーを用いて塗布し、ホットプレート上で、90℃で60秒間のプレベーク(PAB)を行い、乾燥することにより、膜厚100nmのレジスト膜(第一のレジスト膜)を形成した。次に、該第一のレジスト膜に対して、ArF露光装置NSR−S302(ニコン社製;NA(開口数)=0.60,2/3輪帯照明)により、ArFエキシマレーザー(193nm)を、表3に示す露光量(1st露光量)で、ライン幅120nm、ピッチ240nmのラインアンドスペースのレジストパターン(以下、ラインアンドスペースのレジストパターンをLSパターンという。)をターゲットとするマスクパターン1を介して照射した。
その後、表3に示す温度(1stPEB温度)で60秒間の条件で露光後ベーク(PEB)を行い、さらに23℃にて2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液で30秒間現像し、その後30秒間、純水を用いて水リンスし、振り切り乾燥を行った。その結果、第一のレジスト膜に、ターゲットのLSパターンが形成された。
続いて、各LSパターンに対し、表3に示す温度で60秒間のポストベークを行った。
その後、各LSパターン上に、前記レジスト組成物(2−1)を、スピンナーを用いて塗布し、ホットプレート上で、90℃で60秒間のプレベーク(PAB)を行い、乾燥することにより、膜厚70nmのレジスト膜(第二のレジスト膜)を形成した。次に、該第二のレジスト膜に対して、ArF露光装置NSR−S302(ニコン社製;NA(開口数)=0.60,2/3輪帯照明)により、ArFエキシマレーザー(193nm)を、表3に示す露光量(2nd露光量)で、オープンフレーム露光(フォトマスクを介さない露光)にて照射した。その後、表3に示す温度(2ndPEB温度)で60秒間のPEBを行い、さらに23℃にて2.38質量%TMAH水溶液で30秒間現像し、その後30秒間、純水を用いて水リンスし、振り切り乾燥を行った。
その結果、第一のレジスト膜に形成したLSパターンのライン部分がオープンフレーム露光後の現像により溶解、除去されるとともに、第一のレジスト膜に形成したLSパターンのスペース部分に、第二のレジスト膜に由来するラインが形成されて、第一のレジスト膜に形成したLSパターンの反転パターン(スペース幅約120nm、ピッチ約240nmのスペースアンドラインのレジストパターン(以下、スペースアンドラインのレジストパターンをSLパターンという。))が形成された。
マスクパターン2:ライン幅130nm、ピッチ260nmのLSパターンをターゲットとするマスクパターン。
マスクパターン3:ライン幅140nm、ピッチ280nmのLSパターンをターゲットとするマスクパターン。
マスクパターン4:ライン幅150nm、ピッチ300nmのLSパターンをターゲットとするマスクパターン。
その結果、いずれも例においても、第一のレジスト膜に形成したLSパターンの反転パターン(SLパターン)が形成された。
レジスト組成物(2−1)をレジスト組成物(2−2)に変更し、第二のレジスト膜に対する露光量(2nd露光量)を表3に示す露光量に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行った。
その結果、実施例1と同様、マスクパターン1〜4のいずれを用いた例においても、第一のレジスト膜に形成したLSパターンの反転パターンが形成された。
レジスト組成物(2−1)をレジスト組成物(2−3)に変更した他は、実施例1と同様の操作を行った。
その結果、第二のレジスト膜の現像を行った際、第一のレジスト膜に形成されていたラインパターンだけでなく、第二のレジスト膜も溶解、除去されて、支持体上にレジストパターンは形成されなかった。
実施例1において、マスクパターン1〜4をそれぞれ下記マスクパターン1’〜4’に変更し、第二のレジスト膜に対する露光量(2nd露光量)を表3に示す露光量に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行った。
マスクパターン1’:スペース幅120nm、ピッチ240nmのSLパターンをターゲットとするマスクパターン。
マスクパターン2’:スペース幅130nm、ピッチ260nmのSLパターンをターゲットとするマスクパターン。
マスクパターン3’:スペース幅140nm、ピッチ280nmのSLパターンをターゲットとするマスクパターン。
マスクパターン4’:スペース幅150nm、ピッチ300nmのSLパターンをターゲットとするマスクパターン。
その結果、第二のレジスト膜の現像を行った後、第一のレジスト膜に形成したSLパターンのライン部分がオープンフレーム露光後の現像により溶解、除去されるとともに、第一のレジスト膜に形成したSLパターンのスペース部分に、第二のレジスト膜に由来するラインが形成されて、第一のレジスト膜に形成したSLパターンの反転パターン(LSパターン)が形成された。
実施例2において、マスクパターン1〜4をそれぞれ下記マスクパターン1’〜4’に変更し、第二のレジスト膜に対する露光量(2nd露光量)を表3に示す露光量に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行った。
マスクパターン1’:スペース幅120nm、ピッチ240nmのSLパターンをターゲットとするマスクパターン。
マスクパターン2’:スペース幅130nm、ピッチ260nmのSLパターンをターゲットとするマスクパターン。
マスクパターン3’:スペース幅140nm、ピッチ280nmのSLパターンをターゲットとするマスクパターン。
マスクパターン4’:スペース幅150nm、ピッチ300nmのSLパターンをターゲットとするマスクパターン。
その結果、第二のレジスト膜の現像を行った後、第一のレジスト膜に形成したSLパターンのライン部分がオープンフレーム露光後の現像により溶解、除去されるとともに、第一のレジスト膜に形成したSLパターンのスペース部分に、第二のレジスト膜に由来するラインが形成されて、第一のレジスト膜に形成したSLパターンの反転パターン(LSパターン)が形成された。
表4に示す各成分を混合、溶解してレジスト組成物(化学増幅型ポジ型レジスト組成物)を調製した。
(A)−3:後述のポリマー合成例1により得られた、下記構造式(A)−3で表される質量平均分子量(Mw)7000、分散度(Mw/Mn)1.56の共重合体。式中、( )の右下の符号は、該符号が付された構成単位の割合(モル%)を示す。なお、構造式中、左から2番目の構成単位に対応するモノマー(化合物(1))は後述するモノマー合成例1で合成した。
(A)−4:下記構造式(A)−4で表される質量平均分子量(Mw)12000、分散度(Mw/Mn)2.1の共重合体。式中、( )の右下の符号は、該符号が付された構成単位の割合(モル%)を示す。
(A)−5:下記構造式(A)−5で表される質量平均分子量(Mw)12000、分散度(Mw/Mn)2.1の共重合体。式中、( )の右下の符号は、該符号が付された構成単位の割合(モル%)を示す。
(A)−6:下記構造式(A)−6で表される質量平均分子量(Mw)7000、分散度(Mw/Mn)1.6の共重合体。式中、( )の右下の符号は、該符号が付された構成単位の割合(モル%)を示す。
(B)−2:(4−メチルフェニル)ジフェニルスルホニウム ノナフルオロ−n−ブタンスルホネート。
(B)−3:下記式(B)−3で表される化合物(後述の(B)成分合成例1により得られた化合物(II)。アニオン部については特開2009−91350号公報参照)。
(B)−4:トリフェニルスルホニウム d−カンファー−10−スルホネート。
(B)−5:下記式(B)−5で表される化合物(特開2009−186952号公報の記載に従って合成した)。
(S)−3:γブチロラクトン。
(S)−4:PGEMA/PGME/CH=45/35/25(質量比)の混合溶剤。
(S)−5:イソブタノール。
有機系反射防止膜組成物「ARC29」(商品名、ブリュワーサイエンス社製)を、スピンナーを用いて8インチのシリコンウェーハ上に塗布し、ホットプレート上で205℃、60秒間焼成して乾燥させることにより、膜厚82nmの有機系反射防止膜を形成した。
該有機系反射防止膜上に、上記レジスト組成物(1−3)を、スピンナーを用いて塗布し、ホットプレート上で、110℃で60秒間のPABを行い、乾燥することにより、膜厚100nmのレジスト膜(第一のレジスト膜)を形成した。次に、該第一のレジスト膜に対して、ArF露光装置NSR−S302(ニコン社製;NA(開口数)=0.60,2/3輪帯照明)により、ArFエキシマレーザー(193nm)を、表5に示す露光量(1st露光量)で、ライン幅130nm、ピッチ260nmのLSパターンをターゲットとするマスクパターン1を介して照射した。
その後、95℃で60秒間の条件でPEBを行い、さらに23℃にて2.38質量%TMAH水溶液で30秒間現像し、その後30秒間、純水を用いて水リンスし、振り切り乾燥を行った。その結果、第一のレジスト膜に、ターゲットのLSパターンが形成された。
続いて、LSパターンに対し、140℃で60秒間のポストベークを行った。
その後、LSパターン上に、前記レジスト組成物(2−4)を、スピンナーを用いて塗布し、ホットプレート上で、90℃で60秒間のPABを行い、乾燥することにより、膜厚120nmのレジスト膜(第二のレジスト膜)を形成した。次に、該第二のレジスト膜に対して、ArF露光装置NSR−S302(ニコン社製;NA(開口数)=0.60,2/3輪帯照明)により、ArFエキシマレーザー(193nm)を、表5に示す露光量(2nd露光量)で、オープンフレーム露光にて照射した。その後、90℃で60秒間のPEBを行い、さらに23℃にて2.38質量%TMAH水溶液で30秒間現像し、その後30秒間、純水を用いて水リンスし、振り切り乾燥を行った。
その結果、第一のレジスト膜に形成したLSパターンのライン部分がオープンフレーム露光後の現像により溶解、除去されるとともに、第一のレジスト膜に形成したLSパターンのスペース部分に、第二のレジスト膜に由来するラインが形成されて、第一のレジスト膜に形成したLSパターンの反転パターン(スペース幅約130nm、ピッチ約260nmのSLパターンが形成された。
レジスト組成物(2−4)をレジスト組成物(2−5)に変更し、第二のレジスト膜に対する露光量(2nd露光量)を表5に示す露光量に変更した以外は、実施例5と同様の操作を行った。
その結果、実施例5と同様、第一のレジスト膜に形成したLSパターンの反転パターンが形成された。
前記レジスト組成物(1−3)の代わりに前記レジスト組成物(1−4)を用い、表6に示す露光量(1st露光量)で露光を行った他は<実施例5>と同様にして、ライン幅130nm、ピッチ520nmのLSパターンを形成した。
続いて、該LSパターンに対し、150℃で60秒間のポストベークを行った。
その後、該LSパターン上に、前記レジスト組成物(2−6)を、スピンナーを用いて塗布し、ホットプレート上で、90℃で60秒間のPABを行い、乾燥することにより、膜厚80nmのレジスト膜(レジスト膜[2])を形成した。次に、該レジスト膜[2]に対して、ArF露光装置NSR−S302(ニコン社製;NA(開口数)=0.60,2/3輪帯照明)により、ArFエキシマレーザー(193nm)を、表6に示す露光量(2nd露光量)で、マスクパターンを介して照射した。その後、90℃で60秒間のPEBを行い、さらに23℃にて2.38質量%TMAH水溶液で30秒間現像し、その後30秒間、純水を用いて水リンスし、振り切り乾燥を行った。
その結果、前記LSパターンのスペースの中央の位置にそれぞれライン幅約130nmの第2のパターンが形成され、結果的には、ライン幅130nm、スペース幅130nmの1:1のLSパターンが形成された。
続いて、該LSパターンに対し、120℃で60秒間のポストベークを行った。
その後、前記LSパターン上に、前記レジスト組成物(3−1)をスピンナーを用いて塗布し、ホットプレート上で、90℃で60秒間のPABを行い、乾燥することにより、膜厚120nmのレジスト膜(レジスト膜[3])を形成した。次に、該レジスト膜[3]に対して、ArF露光装置NSR−S302(ニコン社製;NA(開口数)=0.60,2/3輪帯照明)により、ArFエキシマレーザー(193nm)を、表6に示す露光量(3rd露光量)で、オープンフレーム露光にて照射した。その後、100℃で60秒間のPEBを行い、さらに23℃にて2.38質量%TMAH水溶液で30秒間現像し、その後30秒間、純水を用いて水リンスし、振り切り乾燥を行った。
その結果、レジスト組成物(1−4)およびレジスト組成物(2−6)を用いて形成したLSパターン(ライン幅130nm、スペース幅130nmの1:1のLSパターン)のライン部分がオープンフレーム露光後の現像により溶解、除去されるとともに、該LSパターンのスペース部分に、レジスト膜[3]に由来するラインが形成された、反転パターン(スペース幅約130nm、ピッチ約260nmSLパターン)が形成された。
(1)第二のポジ型レジスト組成物の(A)成分が有する酸解離性溶解抑制基の脱保護エネルギーが、2種の第一のポジ型レジスト組成物の(A)成分が有する酸解離性溶解抑制基の脱保護エネルギーよりも高い。
(2)第二のポジ型レジスト組成物の(S)成分として、2種の第一のポジ型レジスト組成物をそれぞれ用いて形成された第一のレジストパターンを溶解しないものを用いる。
500mlの3つ口フラスコに、窒素雰囲気下、下記アルコール(1)20g(105.14mmol)、エチルジイソプロピルアミノカルボジイミド(EDCI)塩酸塩30.23g(157.71mmol)およびジメチルアミノピリジン(DMAP)0.6g(5mmol)のTHF溶液300mlを入れ、そこに、氷冷下(0℃)で下記前駆体(1)16.67g(115.66mmol)を加えた後、室温で12時間撹拌した。
薄層クロマトグラフィー(TLC)にて原料の消失を確認後、50mlの水を加えて反応を停止した。反応溶媒を減圧濃縮し、酢酸エチルで3回抽出して得られた有機層を水、飽和炭酸水素ナトリウム、1N−HCl水溶液の順で洗浄した。減圧下、溶媒留去して得られた生成物を乾燥させ、目的の化合物(1)を得た。
得られた化合物の機器分析結果は、以下の通りであった。
1H−NMR(CDCl3,400MHz):δ(ppm)=6.22(s,1H,Ha),5.70(s,1H,Hb),4.71−4.85(m,2H,Hc,d),4.67(s,2H,Hk),3.40−3.60(m,2H,He,f),2.58−2.70(m,1H,Hg),2.11−2.21(m,2H,Hh),2.00(s,3H,Hi),1.76−2.09(m,2H,Hj).
温度計、還流管を繋いだ3つ口フラスコに、7.93g(46.64mmol)の化合物(2)、8.00g(25.32mmol)の化合物(1)、11.17g(42.64mmol)の化合物(3)、3.13g(18.66mmol)の化合物(4)、3.46g(14.66mmol)の化合物(5)を、50.54gのメチルエチルケトン(MEK)に溶解させた。この溶液に、重合開始剤としてアゾビスイソ酪酸ジメチル(V−601)を13.3mmol添加し溶解させた。これを窒素雰囲気下、3時間かけて、78℃に加熱したMEK28.07gに滴下した。滴下終了後、反応液を4時間加熱攪拌し、その後、反応液を室温まで冷却した。得られた反応重合液を大量のn−ヘプタン/イソプロピルアルコール混合溶媒に滴下し、重合体を析出させる操作を行い、沈殿した白色粉体をろ別、n−ヘプタン/イソプロピルアルコール混合溶媒にて洗浄、乾燥して、目的物である高分子化合物(A)−3を20g得た。
化合物(I)5.87g、ジクロロメタン41.85g及び純水20.93gをビーカーに添加し、そこへ前記化合物(VIII)4.16gを添加し、室温で1時間撹拌した。その後、反応液を分液し、さらに有機相に対して希塩酸洗浄、水洗を行った。得られた有機相を、n−ヘキサン249.0gに滴下することにより白色粉体として目的の化合物(II)6.70gを得た。
なお、化合物(I)のカウンターアニオンは、ブロマイド(Br)体とクロライド(Cl)体との混合物であり、組成比をイオンクロマトグラフィーにて分析した結果、Br/Cl=84/16(wt%)であった。
1H−NMR(DMSO−d6,400MHz):δ(ppm)=1.07−1.97(m,30H,Ad+CH3),2.21(s, 2H,Ad),2.31(s,6H,Ar−CH3),4.54(s,2H,OCH2),4.59(s,2H,CF2CH2),7.61(s,2H,Ar),7.72−7.83(m,10H,Ar)。
19F−NMR(DMSO−d6,376MHz):δ(ppm)=−111.3。
上記分析の結果から、化合物(II)が前記化学式(II)に示す構造を有することが確認できた。
Claims (12)
- 支持体上に、第一の化学増幅型ポジ型レジスト組成物を塗布して第一のレジスト膜を形成し、該第一のレジスト膜を露光し、露光後ベークを行い、アルカリ現像して第一のレジストパターンを形成する工程(1)と、
前記第一のレジストパターンが形成された前記支持体上に、第二の膜形成用材料を塗布して第二の膜を形成し、該第二の膜の、前記第一のレジストパターンが形成された位置を含む領域を露光し、露光後ベークを行い、アルカリ現像する工程(2)と、を有し、
前記第二の膜形成用材料として、前記第一のレジスト膜を溶解しない有機溶剤を含有し、且つ前記第一の化学増幅型ポジ型レジスト組成物と同じかそれよりも少ないエネルギー量ではアルカリ現像液に対する溶解性が増大しないものを使用し、
前記工程(2)にて、露光した領域内の前記第一のレジストパターンのみがアルカリ現像により除去されるように露光量および露光後ベーク温度を設定することを特徴とするパターン形成方法。 - 前記第二の膜形成用材料が、前記第一の化学増幅型ポジ型レジスト組成物よりも高エネルギー量でアルカリ現像液に対する溶解性が増大する化学増幅型ポジ型レジスト組成物である請求項1に記載のパターン形成方法。
- 前記第一の化学増幅型ポジ型レジスト組成物が、露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)および酸解離性溶解抑制基を有する基材成分(A)を含有するものであり、
前記第二の膜形成用材料が、露光により酸を発生する酸発生剤成分(B’)および酸解離性溶解抑制基を有する基材成分(A’)を含有し、且つ前記基材成分(A’)が、前記基材成分(A)が有する酸解離性溶解抑制基よりも脱保護エネルギーが高い酸解離性溶解抑制基を有するものである請求項2に記載のパターン形成方法。 - 前記基材成分(A’)は、酸解離性溶解抑制基を有するアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a1’)を有する樹脂成分(A1’−1)を含有する請求項2または3に記載のパターン形成方法。
- 前記樹脂成分(A1’−1)は、さらに、ラクトン含有環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位および−SO2−含有環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位からなる群から選択される少なくとも1種の構成単位(a2’)を有する請求項4に記載のパターン形成方法。
- 前記樹脂成分(A1’−1)は、さらに、極性基含有脂肪族炭化水素基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a3’)を有する請求項4または5に記載のパターン形成方法。
- 前記基材成分(A’)は、ヒドロキシスチレンから誘導される構成単位(a11’)と、酸解離性溶解抑制基を有するアクリル酸エステルから誘導される構成単位、およびヒドロキシスチレンから誘導される構成単位であって当該構成単位中の水酸基の水素原子の少なくとも1つが酸解離性溶解抑制基含有基で置換された構成単位からなる群から選択される少なくとも1種の構成単位(a12’)と、を有する樹脂成分(A1’−2)を含有する請求項2または3に記載のパターン形成方法。
- 前記樹脂成分(A1’−2)は、さらに、スチレンから誘導される構成単位(a13’)を有する請求項8に記載のパターン形成方法。
- 前記第一のレジスト膜を溶解しない有機溶剤が、アルコール系溶剤、フッ素系溶剤および水酸基を有さないエーテル系有機溶剤からなる群から選択される少なくとも1種である請求項1〜9のいずれか一項に記載のパターン形成方法。
- 前記第一のレジストパターンが、ラインパターンおよび/またはドットパターンを含む請求項1〜10のいずれか一項に記載のパターン形成方法。
- 前記第一のレジストパターンを、ダブルパターニングプロセスにより形成する請求項1〜11のいずれか一項に記載のパターン形成方法。
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