JP2011033495A - 予後予測のための大腸癌組織の検査方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】大腸癌組織サンプル中のREG4タンパク質及びREG1Aタンパク質を検出し、大腸癌細胞におけるそれらの検出結果を組み合わせて大腸癌の予後指標とすることを特徴とする、大腸癌組織の検査方法。
【選択図】図1
Description
[1] 大腸癌組織サンプル中のREG4タンパク質及びREG1Aタンパク質を検出し、大腸癌細胞におけるそれらの検出結果を組み合わせて大腸癌の予後指標とすることを特徴とする、大腸癌組織の検査方法。
本方法では、REG4タンパク質及びREG1Aタンパク質を、それぞれ抗REG4抗体及び抗REG1A抗体を用いて検出することが好ましい。
本方法では、大腸癌はUICC-TNM分類でステージII又はステージIIIに分類されるものであることが好ましい。
[2] 抗REG4抗体及び抗REG1A抗体を含む、予後予測用の大腸癌組織検査キット。
本発明の検査方法では、切除された大腸癌組織を検査に用いる。この大腸癌組織は、大腸癌患者から外科的に得られた病変部位に由来するものであることが好ましい。大腸癌組織としては、生検材料であっても外科手術材料であってもよいが、術後患者の予後予測情報を提供する上では、大腸癌組織の外科的切除によって得られる手術材料であることが好ましい。対象となる大腸癌組織は、大腸(盲腸、結腸、直腸に分けられる)の任意の部位に由来するものであってよい。
本発明の検査方法では、上記のようにして作製される病理標本等の大腸癌組織サンプルについて、REG4タンパク質及びREG1Aタンパク質のそれぞれの検出をin vitroで行う。
本発明の方法では、上記で得た、大腸癌組織サンプルについての大腸癌細胞におけるREG4タンパク質の検出結果(陽性又は陰性)とREG1Aタンパク質の検出結果(陽性又は陰性)を組み合わせて、それを大腸癌の予後指標として提供することができる。具体的には、本発明の方法で得られるそれらの検査結果の組み合わせは、以下の基準で、検査した大腸癌組織サンプルの由来する大腸癌患者における特に外科的切除後の予後を予測するための指標となる。
本発明の検査方法によって得られる予後指標に基づき、大腸癌患者の予後予測を行う予後予測モデルを図1に示す。
1)大腸癌組織から作製した病理標本について、免疫染色法で抗REG4抗体によるREG4タンパク質の検出を行い、陽性か陰性かを決定する。
2)その結果が陰性の場合には、予後良好となる可能性が高いと予測されることから、従来の判断基準に従い、適宜補助療法などの治療を行い経過観察する。
3)抗REG4抗体による検出結果が陽性で尚且つ同様に行う抗REG1A抗体による検出結果が陽性の場合には、予後不良の可能性が高いと予測されることから、術後の補助療法や経過の観察に注意が必要となる。
4)抗REG4抗体による検出結果が陽性の場合であって、かつ抗REG1A抗体による検出結果が陰性の場合には、予後不良の可能性が極めて高いと予測されるため、さらに術後補助療法及び経過について厳重な観察が必要になる。
本発明は、本発明の検査方法において好適に使用可能である、抗REG4抗体及び抗REG1A抗体を含む、好ましくは予後予測用の、大腸癌組織検査キットも提供する。本発明の検査は大腸癌患者の予後予測の際に非常に有利に使用できるため、本発明の検査キットも大腸癌患者の予後予測用に好適である。このような本発明の検査キットは、さらに検査試薬等の各種試薬、例えば免疫染色試薬(発色基質、二次抗体等)、抗原賦活液、ブロッキング試薬、洗浄バッファー、細胞染色試薬(ヘマトキシリン等)などを含んでもよい。
UICC-TNM分類に基づきステージII(n=18)又はステージIII(n=10)に分類された33歳〜83歳までの男女の大腸癌患者から外科手術により切除した大腸癌組織を、検査対象のサンプルとした。それら大腸癌組織は、管状腺癌,高分化型、管状腺癌,中分化型、粘液癌のいずれかの組織型に分類された。なおいずれも、遠隔転移を認めず、外科切除された材料について通常の病理組織学的検索を行った範囲内では、癌組織の完全な外科的切除に成功した症例であった。調べた患者全体の生存率は68%であった。なお本実施例でいう生存率は、手術時から死亡(大腸癌による癌死)するまでの期間(生存している場合には手術時から観察期間終了時点までの期間)を生存期間とし、全観察期間にわたる生存割合として算出した累積生存率である。なお生存症例については手術後10年程度で生存確認を行っている。
病理標本中のREG4タンパク質の検出には抗REG4抗体を、REG1Aタンパク質の検出には抗REG1A抗体を使用した。使用した抗REG4抗体は、ヒトREG4タンパク質(配列番号2;GenBankアクセッション番号NM_032044の全長CDS配列に対応)の部分断片を抗原として用いて作製されたものである。抗REG1A抗体は、ヒトREG1Aタンパク質(配列番号4;GenBankアクセッション番号NM_002909の全長CDS配列に対応)の部分断片を抗原として用いて作製されたものである。これらの抗体については、それぞれ、ヒトREG4タンパク質(配列番号2)、ヒトREG1Aタンパク質(配列番号4)に対する特異性をウェスタンブロット解析により確認し、さらにホルマリン固定パラフィン包埋ブロックから作製した標本でもその特異的反応性が保持されていることを予め確認した。
抗原賦活液は、1m M EDTAを含有する10m M Tris緩衝液(pH9.0)を蒸留水で10倍に希釈し油浴等で95〜98℃に温めたものを下記で使用した。
各大腸癌患者より外科的に切除された結腸及び直腸組織から、常法によりホルマリン固定パラフィンブロックを作製した。ホルマリン固定パラフィンブロックから常法によりヘマトキシリン・エオジン標本を作製し、観察の結果その症例を代表するブロック(優勢の組織型を含み一番深達度の進んだブロック)を選択した。選択したブロックからミクロトームにて3〜5μmの切片を薄切し、それをコーティングスライドに貼り付けて乾燥させることにより、大腸癌組織の病理標本を作製した。
上記のようにして作製した、免疫染色標本と同一のパラフィンブロックから作製済みのヘマトキシリン・エオジン染色標本で確認した癌の浸潤先端部を観察した。細胞質が(具体的には貯留粘液や粗顆粒状に部分的あるいは全体的に)染色された癌細胞を陽性細胞(用いた抗体に応じ、REG4タンパク質陽性細胞又はREG1Aタンパク質陽性細胞である)として計数した。抗REG4抗体を用いて検出されたREG4タンパク質陽性細胞が、浸潤先端部に位置する癌細胞総数(例として腺管あるいは集簇を形成している、細胞総数)に対して10%以上存在する病理標本については、この病理標本の大腸癌細胞におけるREG4タンパク質の検出結果は「陽性(+)」であるとして、一方その陽性細胞が10%未満の病理標本についてはREG4タンパク質の当該検出結果は「陰性(−)」であるとして評価した。同様に、抗REG1A抗体を用いて検出されたREG1Aタンパク質陽性細胞が、浸潤先端部の癌細胞総数の10%以上存在する病理標本については、この病理標本の大腸癌細胞におけるREG1Aタンパク質の検出結果は「陽性(+)」であるとして、一方その陽性細胞が10%未満の病理標本についてはREG1Aタンパク質の当該検出結果は「陰性(−)」であるとして評価した。この10%の基準は、免疫染色法において陽性細胞の存在が有意に認められることを示す評価基準としてしばしば用いられ、例えば乳がんにおける分子標的治療薬ハーセプチンの適用について病理組織標本で免疫染色によるHER2タンパクの過剰発現の有無を検討する場合の判定基準として陽性癌細胞が10%以上とする基準が確立されているのと同様である。
検討症例(28症例)の詳細なデータを表3にまとめた。
Claims (4)
- 大腸癌組織サンプル中のREG4タンパク質及びREG1Aタンパク質を検出し、大腸癌細胞におけるそれらの検出結果を組み合わせて大腸癌の予後指標とすることを特徴とする、大腸癌組織の検査方法。
- REG4タンパク質及びREG1Aタンパク質を、それぞれ抗REG4抗体及び抗REG1A抗体を用いて検出する、請求項1に記載の方法。
- 大腸癌がUICC-TNM分類でステージII又はステージIIIに分類されるものである、請求項1又は2に記載の方法。
- 抗REG4抗体及び抗REG1A抗体を含む、予後予測用の大腸癌組織検査キット。
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