JP2011027990A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 簡易な構成にて、環境の変化に対してレスポンスが早くトナー電荷量を算出し、安定した高品位の画像を常時出力することができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】 像担持体1と像担持体1上の現像剤像にレーザー光を照射し、反射されたレーザー光のスペックルパターンを検出する。トナーの厚さに相当するスペックルパターンの移動量をトナー質量に換算する。そして予測もしくは現像後に位置する電位センサーにて、トナー電位を測定し、トナー電位とトナー質量からトナー電荷を算出する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電子写真方式或いは静電記録方式を用いて像担持体上に現像剤像を形成し、これを記録材に転写することで記録画像を得る画像形成装置に関するものであり、より詳細には、第1の像担持体上に形成した現像剤像を第2の像担持体に転写した後記録材に転写して記録画像を得る、複写機、レーザビームプリンタなどの画像形成装置に関する。
従来、例えば電子写真方式を用いた画像形成装置においては、感光体或いは中間転写体上に現像剤(トナー)で形成した可視画像(トナー像)を紙などの記録材上に転写して画像を得る際に、安定して良好な転写が行えるように、転写帯電手段に印加する転写電流などの制御が行われている。
又、最適な画像を得るために、感光体近傍に温湿度センサー(環境センサー)や感光体の表面電位を測定する表面電位センサーを配設し、画像形成プロセスに先立って各々の測定値に応じて感光体の表面電位、露光手段の像露光量、現像装置の現像バイアス、転写帯電装置の転写電流などを制御している。このような制御が必要なのは、特に温度・湿度により、感光体の電位特性、現像剤中のトナーの帯電特性が大きく影響されるためである。特に、中間転写体を有する画像形成装置では、中間転写体に複数色のトナーにより一度フルカラー画像を形成させ、この複数のトナーによって形成されたトナー像を紙などの記録材に一括転写させる際に、各色のトナーの電荷量(トナーのトリボ)に差があると、色毎に最適な転写電流値が異なり、転写電流の最適化が困難となり、転写不良が発生してしまう。このため、中間転写体上のトナーの電荷量を調整するためのポスト帯電器が広く採用されている。
トナーのり量の測定に関する事柄について、
プリンタエンジンにおける色調整では、例えば特許文献1に記載されているように、単色の階調のパッチ画像を出力し、これをリーダ部で読み込んで濃度を算出し、所望のターゲット(濃度リニアや明度リニア等)になるように一次元LUT(階調補正テーブル)を作成するという処理が行われている。上述の色調整においては、リーダ部から出射された白色光が出力パッチ画像に入射し、その乱反射光がCCDセンサに入射してパッチ画像の画像濃度を検出している。
また、特許文献2に記載されているように、転写体にパッチ画像を形成し、正反射センサを用いて形成したパッチ画像のトナーの載り量(濃度)を検知し、検知した載り量をLUT又はATRにフィードバックして色調整を行う技術が開示されている。これにより、ユーザの手を煩わすことなく色の安定性が維持される。
さらに、特許文献3に記載されているように、乱反射センサと正反射センサの出力を演算することで、記録材使用量を最適な値に自動的にコントロールする技術が開示されている。
乱反射光を用いて検知することが困難である透明の記録材の量については、特許文献4に記載されているように、出力後の画像の正反射光量を用いてマクロ的な光沢度合いを検出して、記録材量をコントロールする技術が開示されている。
また、特色については、特許文献5に記載されているように、分光反射率データから記録材量(インキ盛り量)を算出する技術が開示されている。
特開平11−75067号公報 特開2002−72574号公報 特開2003−215981号公報 特開2005−275250号公報 特開2005−280358号公報
しかしながら、上記従来の技術では、次のような問題があった。
つまり、例えば、高湿状態から低湿状態に急に湿度が変化した場合などにおいては、温湿度センサーは直ちに雰囲気の温度及び/又は湿度を検知するが、トナーの帯電特性の追随性は環境変動に対して鈍いため、トナーの単位重量当たりの電荷量Q/Mは温湿度センサーの検知結果から予想される値とは異なった値となる場合がある。
このように、温湿度センサーを用いて装置動作条件を制御する従来の方法では、環境の変化に対するレスポンスが低く、安定した高品位の画像を常時出力することは困難である。
又、ポスト帯電器を用いてトナーの電荷量を調整する方式を採用する場合、ポスト帯電器のコストやスペースを要するばかりでなく、飛び散り画像を誘発するなどの弊害を引き起こすこともある。
これに対し、特開平6−130768号公報には、像露光直後の位置と、現像直後の位置と、前露光ランプによる露光照射直後の位置に、それぞれ第1、第2、第3の表面電位センサを設置し、潜像形成直後の感光体ドラム上の表面電位Vi、トナー現像直後の感光体ドラム上の表面電位Vx、並びにトナー像を保持した感光体ドラムを前露光ランプにより十分に露光照射した直後のトナー層上の表面電位Vtをそれぞれ測定する。そして、トナーで現像することによりトナーの電荷によって変動する電位分Vx−Vi、及び露光照射後のトナー層上の表面電位Vtの測定値から、感光体ドラム上に現像されたトナーの単位面積当たりの現像量M/S、単位重量当たりのトナー電荷量Q/Mの計算を行い、予測を行って、転写条件などを制御する方法が提案されている。
しかし、この方法では、表面電位センサーを複数箇所に設置する必要があるため、コスト高になることに加え、感光体ドラム周りにスペースを必要とするという問題があった。
また同時に従来の色調整方法においては、CMYK、特色、透明全ての記録材量を検知するには、乱反射光及び正反射光を出力するセンサ光学構成に加えて、特色の記録材量検知用に乱反射光の分光反射率センサまでもが必要であった。このため、画像形成装置にこれらのセンサ全てを設ける必要があり、装置のコストが上昇し、また、センサを設置するために大きなスペースが必要となり、装置を大型化してしまう。
さて、特許文献1に示されている記録材の光吸収を利用した濃度検知方法では、高濃度検知の精度に課題があった。この要因は2つに分類できる。1つは記録材の検知方法、もう1つは画像形成方法である。
検知方法が要因となる理由を、濃度算出方法を用いて説明する。濃度の測定は、下記数式を用いて行われる。尚、下記数式においては、I1は反射光強度を、I0は入射光強度を示す
濃度=−log(I1/I0)
濃度1.0では入射光の10%の光が返ってくるが、高濃度の2.0では1%の光しか反射していない。図7は濃度と検知輝度の関係を示す図である。読み取り分解能は8ビットに設定されている。図8は高濃度部に着目した濃度と検知輝度の関係を示す図である。図8に示すように、高濃度部においては、検知輝度が0.5%ずれた場合には、即ち検知精度が0.5%ずれた場合には、濃度が約0.1も異なる。このように従来の記録材濃度の検知方法は、特に高濃度において精度良く記録材の濃度を検知することができなかった。
画像形成方法が要因となる理由は、トナーと定着システムにある。電子写真方式の場合、トナーが積層され、融解されて発色するわけだが、規定の記録材量を超えると濃度値が上がらなくなる(図9)。規定以上の記録材量を超えると、簾(グロスムラ)、未定着画像、又はオフセットと呼ばれるトナーはがれ現象などが発生し、このため濃度値が上がらない。
このため、画像形成装置においては、画像の濃度を測定し、この濃度が所望の濃度となるように使用記録材量を調整して色調整を行っていたが、高濃度部における濃度検知の精度の低下、及び記録材使用量とのミスマッチが起きていた。
同様に、特許文献2〜5の記録材量の検知方法も、高濃度部における濃度検知の精度が低かった。
さらに、特許文献4に記載されている光沢度を用いた記録材量の検知方法では、紙の種類や定着条件、トナーの種類、電位設定の範囲などを最適化しなければ精度のよい記録材量の制御は難しい。精度低下は、記録材使用量がばらつくことを意味する。使用量減は、濃度が薄くなるためダイナミックレンジが狭くなり、画質が低下する。使用量増は、未定着画像のようなトナーが剥れる画像不良を発生させてしまう可能性がある。
上記背景から、規定の色材使用量を維持するために高精度記録材量算出によるトナー電荷量算出法が望まれている。
従って、本発明の目的は、簡易な構成にて環境の変化に対してレスポンスが早く、トナー電荷量を算出し、安定した高品位の画像を常時出力することができる画像形成装置を提供することである。
上記目的は本発明に係る画像形成装置によって達成される。要約すれば、本発明は、第1の像担持体と、前記第1の像担持体を帯電させる帯電手段と、現像バイアスを印加することで前記第1の像担持体に現像剤を付着させて現像剤像を形成する現像手段と、前記第1の像担持体から現像剤像が転写される第2の像担持体と、第1の転写バイアスを印加することで前記第1の像担持体から前記第2の像担持体に現像剤像を転写させる第1の転写手段と、第2の転写バイアスを印加することで前記第2の像担持体から記録材に現像剤像を転写させる第2の転写手段と、を有する画像形成装置において、
前記第1の像担持体上の現像剤像の高さを検出する高さ検知手段と、
前記像担持体上に潜像を形成した直後の前記像担持体の表面電位Vdと
前記像担持体上の潜像を現像剤にて現像した直後の現像剤像表面電位Vtと
前記像担持上の現像剤の高さの情報とから現像剤電荷量を算出すること
を有することを特徴とする。
上記各本発明は、各々異なる色の現像剤像を形成する複数の現像手段を有する画像形成装置に好適に適用することができ、各色の現像剤電荷量を算出し、その算出結果に基づいて第1および第2の転写バイアスの値をおのおの決定する。又、上記各本発明の一実施態様によると、画像形成装置は、各々異なる色の現像剤像が形成される複数の第1の像担持体を有する。
上記各本発明の他の実施態様によると、各色の現像剤像間で現像剤電荷量に基づいて現像剤電荷量を調整する現像剤電荷量調整手段を有する。一実施態様では、前記現像剤電荷量調整手段は、前記現像手段内の現像剤の攪拌手段の動作及び/又は前記現像手段への現像剤補給量を調整することにより、現像剤電荷量を調整する。
本発明によれば、第1の像担持体或いは第2の像担持体上の各色のトナーの電荷量を算出する手段を有し、第2の転写バイアスの値を決定することで、簡易な構成にて、環境の変化に対してレスポンスが早くトナー電荷量を算出することができる。その上2次転写条件を設定し、安定した高品位の画像を常時出力することができる。
本発明に係る画像形成装置の一実施例の概略断面図である。 図1の画像形成装置の画像形成部をより詳しく示す概略断面図である。 2次転写条件の制御手順の一実施例を説明するためのフロー図である。 レーザー変位計の出力値と感光ドラム上のトナー高さとの関係を示すグラフ図である。 トナー層厚とトナーのり量の関係を示すグラフ図である。 トナー電荷量とトナー質量と電位情報から算出した値の関係を示すグラフ図である。 記録材の濃度と検知輝度の関係を示す図である。 高濃度部における記録材の濃度と検知輝度の関係を示す図である。 記録材の記録材量と濃度の関係を示す図である。
以下、本発明に係る画像形成装置を図面に則して更に詳しく説明する。
図1を参照して、本発明に係る画像形成装置の一実施例について説明する。本実施例の画像形成装置100は、電子写真方式を用いて第1の像担持体としての複数の感光体に形成した現像剤像(トナー像)を、第2の像担持体としての中間転写体に転写した後、記録材、例えば、記録用紙、OHPシートなどに転写して記録画像を得る、フルカラー画像の形成が可能なレーザビームプリンタである。
(A)先ず、本実施例の画像形成装置100の基本的な作像動作について説明する。図1は、本実施例の画像形成装置100の概略断面を示す。
画像形成装置本体(装置本体)A内には、第2の像担持体としての中間転写体である、図中矢印X方向に走行する無端状の中間転写ベルト40が配設されている。この中間転写ベルト40は、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリフッ化ビニリデン、ポリイミドなどの誘電体樹脂のフィルムによって形成することができる。本実施例では、中間転写ベルト40は、2次転写対向ローラ41、駆動ローラ42、テンションローラ43の3つのローラに掛け渡されて無端移動する。
中間転写ベルト40の上方には、第1〜第4の4つの画像形成部(像形成手段,ステーション)Pa、Pb、Pc、Pdが直列状に配置されている。これらの画像形成部Pa〜Pdはほぼ同様の構成をしており、それぞれマゼンタ、シアン、イエロー、ブラックのトナー像を形成する点が異なる。
図2をも参照して、第1の画像形成部Paを例にとって各画像形成部Pa〜Pdの構成及び動作を説明する。第1の画像形成部Paは、第1の像担持体として、回転可能に配置されたドラム状の電子写真感光体(以下、「感光ドラム」と呼ぶ。)1aを備えている。感光ドラム1aの周囲には、帯電手段である一次帯電器2a、現像手段である現像装置3a、クリーニング手段である感光ドラムクリーナ5aなどのプロセス機器が配置されている。各画像形成部Pa〜Pdの構成は同様であり、現像装置3a、3b、3c、3dが収容する現像剤の色が異なる。現像装置3a、3b、3c、3dには、それぞれマゼンタ現像剤、シアン現像剤、イエロー現像剤、ブラック現像剤が収容されている。11aは電位センサーであり、99aはレーザー変位計である。
図2中矢印R1の反時計方向に回転する感光ドラム1aは、1次帯電器2aによって一様に帯電される。帯電された感光ドラム1aには、露光手段たるレーザスキャナ6aから、原稿のマゼンタ成分色の画像信号によるレーザー光Lがポリゴンミラー(図示せず)などを介して投射され、感光ドラム1a上に静電潜像が形成される。感光ドラム1aに形成された静電潜像には、現像装置3aによってマゼンタトナーが供給され、マゼンタトナー像として可視化される。このトナー像が、感光ドラム1aの回転に伴って、感光ドラム1aと中間転写ベルト40とが当接する1次転写部位T1に到来すると、1次転写手段(第1の転写手段)としての1次転写ローラ(1次転写帯電部材)4aに印加した1次転写バイアス(第1の転写バイアス)による1次転写電流で、感光ドラム1a上のマゼンタトナー像が中間転写ベルト40に転写される(1次転写)。
次に、中間転写ベルト40のマゼンタトナー像を担持した部位が第2の画像形成部Pbに移動すると、このときまでに第2の画像形成部Pbにおいて上記と同様な動作で感光ドラム1b上に形成されたシアントナー像が、マゼンタトナー像の上から中間転写ベルト40に転写される。
同様に、中間転写ベルト40が移動するにつれて、第3、第4の画像形成部Pc、Pdのそれぞれの1次転写部位T1において、イエロートナー像、ブラックトナー像が、中間転写ベルト40上のマゼンタトナー像及びシアントナー像の上に重ね合わせて転写される。
一方、このときまでに、給紙カセット14からピックアップローラ15によって1枚づつ取り出された記録材Pは、レジストローラ13を経て、2次転写手段(第2の転写手段)としての2次転写ローラ(2次転写帯電部材)7と2次転写対向ローラ41とが中間転写ベルト40を介して当接する2次転写部位T2に供給される。そして、2次転写ローラ7に印加した2次転写バイアス(第2の転写バイアス)による2次転写電流で、中間転写ベルト40上の4色のトナー像は、2次転写部位T2に達した記録材P上に一括して転写される(2次転写)。
尚、1次転写が終了した感光ドラム1aは、その表面に残留したトナー(1次転写残りトナー)を感光ドラムクリーナ5aによって除去されて、次の画像形成が可能になる状態となる。又、中間転写ベルト40の表面に残留したトナー(2次転写残りトナー)は、ベルトクリーニング部材16によって除去される。
こうして4色のトナー像が転写された記録材Pは、分離部(図示せず)により中間転写ベルト40から分離された後、定着手段としての定着器11に搬送される。定着器11では、1対のローラにより記録材Pに熱と圧力を加えて、トナー像を記録材Pに定着する。その後、画像が定着された記録材Pは、画像形成装置外に排出される。
本実施例の画像形成装置100の各要素について更に説明する。尚、各画像形成部Pa〜Pdで共通の要素について説明する場合、第1の画像形成部Paを例として説明する。
(1)中間転写ベルト
本実施例では、中間転写ベルト40として、無端状のポリイミド樹脂ベルトを採用している。又、ポリイミド樹脂としては、各画像形成部Pa〜Pd間で電位上昇が起こらない抵抗を有するものを用いた。
つまり、詳しくは後述するように、本実施例では、トナーの電荷量を画像形成に先立って求め、2次転写電流値を決める。そのため、トナーが中間転写ベルト40上で多重に転写されてもトナーの電荷量が上昇しないことが重要である。このため、あまり抵抗の高い中間転写ベルト40を採用することは好ましくない。中間転写ベルト40の体積抵抗率は、各画像形成部Pa〜Pd間の干渉(中間転写ベルト40の体積抵抗率下限値)や、画像形成部Pa〜Pd間での電位上昇(中間転写ベルト40の体積抵抗率上限値)を考慮すると、10〜1012Ω・cmであることが好ましい。より好ましくは、10〜1011Ω・cm、最も好ましくは、10〜1010Ω・cmである。体積抵抗率がこの範囲より小さいと、各画像形成部Pa〜Pd間で1次転写電流の干渉が顕著となる。又、この範囲より大きいと、各画像形成部Pa〜Pd間を搬送される間の、中間転写ベルト40上のトナーの電位の上昇が顕著となる。
具体的には、本実施例では、中間転写ベルト40として、厚み80μm、体積抵抗率約10Ω・cm(JIS−K6911法準拠プローブを使用し、印加電圧100V、印加時間60秒)の導電性ポリイミド樹脂を採用した。
(2)感光ドラム
本実施例では、感光ドラム1aとして、直径30mmのアルミニウム製のドラム基体上に通常用いられている有機感光体層を有し、最表層に電荷注入層が設けられている、負帯電の有機感光体を用いた。電荷注入層は、絶縁性樹脂のバインダーに、導電性微粒子としてSnO超微粒子を分散した材料の塗工層である。
具体的には、本実施例では、電荷注入層は、絶縁性樹脂に、光透過性の導電フィラーであるアンチモンをドーピングして低抵抗化(導電化)した粒径約0.03μmのSnO超微粒子を、樹脂に対して70重量パーセント分散した材料の塗工層である。このようにして調合した塗工液をエディッピング塗工法、スプレー塗工法、ロールコート塗工法、ビームコート塗工法などの適当な塗工法にて厚さ約3μmに塗工して電荷注入層とした。
電荷注入層の体積抵抗率は、1010〜1016Ω・cmであることが好ましい。より好ましくは、1011〜1015Ω・cm、最も好ましくは1012〜1014Ω・cmである。体積抵抗率が上記範囲より大きいと、電荷注入性の低下が顕著となり、延いては、詳しくは後述するように帯電手段に印加する帯電バイアス電圧の値から感光ドラム1aの帯電電位を予測することが難しくなる。又、体積抵抗率が上記範囲より小さいと、電荷保持性の低下が顕著となり、静電潜像を保持する像担持体としては機能しなくなる。
尚、被帯電体たる感光ドラム1は、上述のように機能分離された層構成を有するものに限定されるものではなく、例えば、電荷注入層を有さず、感光層の体積抵抗率が上記範囲であるものなどを好適に用いることができる。
(3)1次帯電器
本実施例では、1次帯電器として磁気ブラシ帯電装置2aを用いた。この磁気ブラシ帯電装置2aは、詳しくは後述するように、帯電後の感光ドラム1の表面電位を容易に予測可能な帯電手段として用いられる。
図2に示すように、磁気ブラシ帯電装置2aは、ハウジング24a内に、磁性粒子からなる帯電粒子を収容している。ハウジング24aは、感光ドラム1aと対向する領域が一部開口しており、この開口部に位置して、マグネットローラ22aを内包した、帯電粒子担持体としての帯電スリーブ21aが、感光ドラム1aとの間に所定間隙を有するように配置されている。そして、図2中矢印R2の反時計方向の回転に伴って、帯電スリーブ21a上に所定厚さの帯電粒子の磁気ブラシ(帯電磁気ブラシ)層を形成し、又帯電スリーブ21aに帯電バイアス電圧を印加することにより、感光ドラム1aと帯電磁気ブラシとの接触部(帯電部)N1にて感光ドラム1aを所望電位に帯電させる。帯電部N1より帯電スリーブ21aの回転方向上流側において、帯電スリーブ21aと所定間隙を隔てて帯電粒子規制部材としての帯電粒子規制ブレード23aが対向配置されており、これによりマグネットローラ22aの磁力で帯電スリーブ22a上に吸着された帯電粒子の層厚が所定厚さに規制される。
本実施例では、帯電スリーブ21aには、帯電時に交流(AC)電圧に直流(DC)電圧が重畳された帯電バイアス電圧が印加される。より具体的には、本実施例では、
直流電圧:−700V
交流電圧:1200Vpp(1000Hz)
の重畳電圧が帯電スリーブ21aに印加される。
帯電用の磁性粒子としては、飽和磁化が250A・m/Kg、平均粒径40.0μmのコア粒子として水素還元Zn−Cuフェライトから成る磁性粒子を用いた。
又、磁気ブラシ帯電装置2aは、転写残トナーのうち、特にプラス極性を有するものを静電気的に回収し、又帯電磁気ブラシによる強制的なかきとりによりそれ以外のものも回収する。
斯かる磁気ブラシ帯電装置2aによれば、被帯電体たる感光ドラム1aを、帯電スリーブ21aへの印加電圧とほぼ同電位に帯電処理することができる。従って、帯電後の感光ドラム1aの表面電位を容易に予測することが可能である。
(4)現像装置
本実施例では、現像装置3aは2成分接触現像装置(2成分磁気ブラシ現像装置)であり、現像容器34a内に、主に磁性キャリア(キャリア)と樹脂トナー粒子(トナー)を備える2成分現像剤(現像剤)を収容している。現像容器34aは、感光ドラム1aと対向する領域が開口しており、この開口部に位置して一部分現像容器34a外に露出するように、マグネットローラ32aを内包した現像剤担持体としての現像スリーブ31aが、感光ドラム1aとの間に所定間隙を有するように配置されている。現像スリーブ31aは、図2中矢印R3の反時計方向の回転に伴い、マグネットローラ32aの磁力により現像容器34内の現像剤を吸着する。又、現像スリーブ31aと所定間隙を隔てて、現像剤規制部材としての現像剤規制ブレード33aが対向配置されており、現像スリーブ31aの回転に伴い、現像スリーブ31a上に所定厚さの現像剤薄層(現像磁気ブラシ)が形成される。そして、現像スリーブ31a上に形成された現像剤薄層を現像部N2にて感光ドラム1aに接触させ、又現像スリーブ31aに所定の現像バイアス電圧を印加することにより、感光ドラム1aに形成された静電潜像を現像する。
本実施では、トナーとしては、平均粒径6μmのネガ帯電トナーを用い、キャリアとしては、飽和磁化が205A・m/Kg、平均粒径35μmの磁性キャリアを用いた。又、トナーとキャリアとを重量比6:94で混合したものを現像剤として用いた。
ここで、本明細書において磁性粒子(キャリア及び帯電粒子)、トナーの平均粒径は、次に示す装置及び方法にて測定した体積平均粒径である。測定装置としてはコールターカウンターTA−II型(コールター社製)を用い、個数分布、体積分布を出力するためのインターフェース(日科機製)及びCX−Iパーソナルコンピュータ(キヤノン製)を接続し、電解液は1級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液を調製する。測定方法は以下に示す通りである。即ち、上記電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を0.1〜5ml加え、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、コールターカウンターTA−II型により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、粉末の体積、個数を測定して1μm〜40μmの粒子の体積分布と個数分布とを算出する。そして、体積分布から求められた平均粒径の値を体積平均粒径とした。
又、現像剤中のトナー濃度(トナーとキャリアの比率)を一定に維持するために、図示しない検知手段でトナー濃度を検知し、適宜、現像剤補給手段たるトナーホッパー36aからトナー補給が行われる。現像剤中のトナー濃度を検知する検知手段としては、光学式、透磁率測定式、或いは画像形成によって消費された分に相当するトナー量を例えば形成画像の画素数をカウントするなどして算出する方式など、斯界にて種々知られているが、本発明において、斯かる検知手段及びトナー濃度の制御方法自体は任意であるので、ここではこれ以上の説明は省略する。
又、現像容器34a内には、現像容器34a内の現像剤を攪拌しながら搬送する現像剤攪拌部材35aが設けられている。本実施例では、現像容器34a内に設けられた2本のスクリューとされる現像剤攪拌部材35a、35aは、現像スリーブ31の長手方向と略平行方向、且つ、互いに逆の進行方向に現像剤を搬送しながら攪拌し、現像容器34a内で現像剤を循環させる。つまり、現像スリーブ31aによって現像に供されてトナー濃度の低下した現像剤(2成分現像剤)は、トナーホッパー36aから補給されたトナーと混合攪拌されることでトナー濃度が増加されて、再び現像スリーブ31aへと搬送される。
本実施例では、現像スリーブ31aには、電源(図示せず)から直流(DC)及び交流(AC)電圧を重畳した現像バイアス電圧が印加される。より具体的には、本実施例では、
直流電圧:−500V
交流電圧:周波数2000Hz、ピーク間電圧1500V
の重畳電圧を印加する。
斯かる現像バイアス電圧を用いて、感光ドラム1aの露光部にのみ選択的に現像している。一般に、2成分現像法においては、交流電圧を印加すると現像効率が増し、画像は高品位になるが、逆にかぶりが発生しやすくなるという問題が生じる。このため、通常は現像スリーブ31aに印加する直流電圧と感光ドラム1aの表面電位(暗部電位,未露光部)との間に電位差を設けることによって、かぶりの防止を実現している。かぶり防止のための、この電位差をカブリ取り電位差(Vback)と呼ぶ。
(5)1次転写ローラ
本実施例において、1次転写ローラ4aは、導電性の芯金の周りに導電性の弾性体を形成したものである。導電性弾性体としては、その抵抗値が10〜1010Ω(芯金・表層間−印加電圧100V)程度であり、単泡性或いは連泡性のEPDM、SBR、BRなどが望ましい。本実施例では、芯金はSUS製で直径10mm、弾性体がNBR製で厚3mmのスポンジとした。芯金と弾性体表面の実抵抗値は10Ωである。
(6)2次転写ローラ
2次転写ローラ7は、導電性の芯金の周りに半導電性の弾性体を形成したもので、半導電の弾性体の抵抗値は10〜10Ω(芯金−表層間の印加電圧2000V)程度であり、NBR、EPDM等のスポンジローラが好ましい。本実施例では、10Ω(芯金−表層間2000V印加)の肉厚4mm、外径20mm(芯金径12mm)のNBRスポンジローラを採用した。
レーザー変位計によるトナー高さ測定の概要
レーザー変位形に関して、特願昭54−102473号公報記載のとおり、物体にレーザー光を照射し、その反射光のレーザースペックルパターンの移動量から物体の変位量を決定することが知られている。より詳しくは、物体が変更を受ける前後におけるスペックルパターンを光電変換し、得られる相互相関関数の解として得られるスペックルパターンの移動量から物体の変形量を測定する方法である。
本件におけるトナー高さ計測部は、レーザ光源である可視光レーザと、位置検出素子であるPSD(Position Sensitive Device)とを有している。前記可視光レーザは、前記転写ベルトの表面に対向する位置に集光レンズを介して配置されており、前記PSDは、前記可視光レーザから出射されて前記転写ベルトで反射されたレーザ光を検出する。
あらかじめ、像担持体上にレーザー光を照射する。その後、スペックルパターンの移動量からトナーの高さを算出する。図3にその結果を示す。その際トナー高さは、ベタののり量でおこなった。
以上のように、トナーの高さをレーザー変位計から求める。また帯電条件から感光ドラム1aの表面を、磁気ブラシ帯電装置2aによって所定電位Vdに帯電させる。本実施例では、1次帯電器として磁気ブラシ帯電装置2aを用いているため、帯電スリーブ21aに印加されている帯電バイアス電圧のDC成分に近い値で、感光ドラム1の表面が帯電される。このため、特別な表面電位センサーを用いることなく、感光ドラム1aの表面の帯電電位(暗部電位,未露光部電位)Vdを精度良く予測することができる。本実施例では、帯電スリーブ21aに−500Vの直流電圧を印加して、予測される感光ドラム1aの帯電電位Vdは−500Vである。
またレーザー変位計より前段に位置し、現像後に位置する電位センサーによって露光後電位を測定する。その結果、トナー高さ情報とトナー電位Vtが測定される。その後トナー高さに所定の関数に代入し、トナー質量に変換する。
そして以下の式に代入する。
Q/M=α(Vd−Vt)/(M/S)
ただしα=(2εt/Lt+εd/Ld)・ε0
ここでL:トナー層厚、
Ld:ドラム膜厚
Εt:トナー層比誘電率
εd :ドラム比誘電率
ε0:自由空間誘電率
である。
感光体ドラム1としては、εk=3.0、dk=25μmの有機感光体ドラム(OPC感光体ドラム)とし、εt=2.5、εd=3、ε0=8.85×10−12を用いた。
以上の式からトナー層厚とVd、Vtを測定することによって、単位質量あたりのトナー電荷量を求めることができる。
またトナー層厚とのり量の関係について、図4を示す。
上記のような関係について関数を求め、トナー層厚とのり量を変換する。
上記によれば、潜像後のドラム電位と、現像後のトナー電位、およびトナー高さを測定することによって、正確にトナー電荷量を測定することができる。
実施例2では2次転写条件の制御方法について説明する。本発明の他の実施例について説明する。本実施例の画像形成装置の基本構成及び動作は、実施例1のものと同様であるので、同様の構成、作用を有する要素には同一符号を付し、詳しい説明は省略する。
(B)本実施例において最も特徴的な、2次転写条件の制御方法について説明する。本実施例では、感光体ドラム1a上に現像されたトナーの単位面積当たりの載り量(M/S)を測定し、単位重量当たりのトナー電荷量(トリボ)(Q/M)を算出することにより、2次転写条件を制御する。
単位重量当たりのトナー電荷量(Q/M)の算出及び2次転写条件の設定は、以下のような手順で行われる。この2次転写条件の設定制御は、出力画像の形成動作に先立って、所定のタイミングで行われる。例えば、装置本体Aの電源投入時、所定の画像出力枚数毎に、適宜実行すればよい。
図5及び図6をも参照して説明する。図5は、本実施例における2次転写条件の制御態様を模式的に示し、図6は、本実施例の概略制御フローを示す。尚、単位面積当たりのトナー載り量(M/S)の測定、単位重量当たりのトナー電荷量(Q/M)の算出は、各画像形成部Pa〜Pd毎に行うが、その方法は各画像形成部Pa〜Pdについて同一であるので、第1の画像形成部Paを例にとって説明する。
(ステップ1)
感光ドラム1aの表面を、磁気ブラシ帯電装置2aによって所定電位Vdに帯電させる。本実施例では、1次帯電器として磁気ブラシ帯電装置2aを用いているため、帯電スリーブ21aに印加されている帯電バイアス電圧のDC成分に近い値で、感光ドラム1の表面が帯電される。このため、特別な表面電位センサーを用いることなく、感光ドラム1aの表面の帯電電位(暗部電位,未露光部電位)Vdを精度良く予測することができる。本実施例では、帯電スリーブ21aに−500Vの直流電圧を印加して、予測される感光ドラム1aの帯電電位Vdは−500Vである。通常の作像時と2次転写条件の制御時とで、感光ドラム1aの帯電電位は異なる。
(ステップ2)
所定電位Vdに帯電された感光ドラム1表面を、現像装置3aによって、現像バイアス(DC成分)Vdcを段階的に振りながら現像する。このときの感光ドラム1aの帯電電位Vdと、現像バイアスVdcとの差の絶対値が、感光ドラム1aの非露光表面を現像した際の現像コントラスト電位Vcont(=|Vdc−Vt|)である(図5)。この現像コントラストVcontが大きいほど、より多くのトナーが感光ドラム1aに転移する傾向を示す。
本実施例では、現像バイアスVdcを、−650Vとした。このトナー像は、感光ドラム1aの長手方向の画像形成領域全体に延在する帯画像(パターン)として形成される。各現像バイアスVdcによる現像剤像は、後述する現像剤濃度検知手段により濃度検知が可能な搬送方向幅を有していればよい。
ここで、感光ドラム1を帯電後、露光部に対して現像を行うという、一般的な反転現像工程を行わないのは、次の理由による。つまり、現像コントラストVcontを、露光部電位Vlと現像バイアスVtとの差(絶対値)でとると、露光部電位Vlは感光ドラム1aの環境変動や耐久変動により変動しやすいため、感光ドラム1aの表面電位センサーなしでは正確な現像コントラストVcontを得ることが困難なためである。
各画像形成部Pa〜Pdの感光ドラム1a〜1dへのトナー像の形成は、同時に行っても、異なるタイミングで行ってもよい。
(ステップ3)
次に、前ステップで段階的に現像コントラストVcontにおいて感光ドラム1a上の形成したトナー像の高さをレーザー変位形9aによって検知する。
本実施例では、感光ドラム1a上のトナー高さは、感光ドラム1aの回転方向において現像装置3aの下流、且つ、感光ドラム1aの回転方向において転写ローラ4aの上流において感光ドラム1aに対向配置されるレーザー変位計9aの出力位置の変動に基づいて求められる。レーザー変位計9aとしては、感光ドラム1aの表面に対して検出光を照射して、その反射光量を測定する。そして上述のレーザー変位原理によって、検出位置の変動より対象物の高さを検出する、公知の任意のものを用いることができる。図8は、本実施例にて用いたレーザー変位計9aの検出特性を示す。現像剤像濃度検知手段の構成は、第1〜第4の画像形成部Pa〜Pdで同様である。
(ステップ4)
ここで、トナー高さを測定し、トナーのり量へ変換する。その方法は、トナー高さとトナー質量を変換するテーブルを図5のようにもつ。
このように、現像コントラストVcont(=|Vd−Vt|)において、単位面積当たりのトナー載り量(M/S)をレーザー変位計9aの結果に基づいて求めることによって、単位重量当たりのトナーの電荷量(トリボ)(Q/M)を求めることができる。
(ステップ5)
次に、前ステップにて各画像形成部Pa〜Pd毎に算出した、各色のトナーの単位重量当たりの電荷量(Q/M)に基づいて、中間転写ベルト40上のトナー像の最大電荷密度(トナー電荷量の最大値)を計算する。本実施例では、各色での単位面積当たりの最大トナー載り量は1.0mg/cmであり、単位面積当たりの最大載り量は2色分(2.0mg/cm)である。従って、中間転写ベルト40上に形成されるトナー像の単位面積当たりの最大電荷密度は、最も高い単位重量当たりのトナー電荷量(Q/M)を有する色のトナーと、2番目に高い単位重量当たりのトナー電荷量(Q/M)を有する色のトナーを基準に算出することができる。
具体的には、各色で最も高い単位重量当たりのトナー電荷量をQ1(C/kg)、2番目に高いトナー電荷量をQ2(C/kg)とするとき、下記式(1)、
(Q1+Q2)×1.0×10−2 …(1)
により、中間転写ベルト40上のトナー像の単位面積当たりの最大電荷密度(C/m)が算出される。
(ステップ6)
中間転写ベルト40上に形成されるトナー像の、単位面積当たりのトナーの最大電荷密度から、2次転写ローラ4aに印加する2次転写バイアスを決定する。
例えば、本実施例の画像形成装置100において、中間転写ベルト40上のトナー像の単位面積当たりのトナー最大電荷密度が6×10−4C/mである場合、トナーをCLC用紙(キヤノン((株)製、CLC推奨紙(坪量80g/m))、A4横送りの紙に転写するのに必要な転写電流値は30μAであり、単位面積当たりのトナー最大電荷密度が3×10−4C/mである場合は15μAであった。
尚、本実施例のように、2次転写バイアスの制御方法として定電流制御を採用している場合、記録材Pに供給する電荷密度を一定にするために、非通紙部に流れる電流値も考慮し、横送り時の記録材Pの幅(記録材Pの長手方向長さ)、即ち、記録材Pの搬送方向に略直交する方向の長さによって2次転写バイアスの電流値を可変にすると、より正確に記録材Pに供給する電荷密度を制御することができる。
本実施例では、上述のような2次転写条件の制御は、画像形成装置100の動作を統括制御する制御回路50が行う。制御回路50は、制御の中心素子たるCPU51、記憶手段としてRAM52及びROM53、データ変換素子であるA/D変換器55、D/A変換器56、外部の機器との情報の入出力のためのインターフェイス素子54などを備えている。制御回路50は、外部の機器としてのレーザー変位計9aの出力信号を取り込み、RAM52に一旦記憶させ、CPU51による演算制御に供する。そして、ROM53に記憶された制御プログラム、予め設定された各種データを用いて、外部の機器としての現像スリーブ31aに現像バイアスを印加する現像バイアス電源57、帯電スリーブ21aに帯電バイアスを印加する帯電バイアス電源58、2次転写ローラ7に2次転写バイアスを印加する2次転写バイアス電源59を制御する。又、RAM52には、各画像形成部Pa〜Pd毎に算出された単位重量当たりのトナー電荷量など、演算制御過程における各種データが一旦記憶される。
本実施例では、2次転写バイアス条件の制御に関して、ROM53には、感光ドラム1aの表面を所定電位Vdに帯電させるために帯電スリーブ21aに印加する所定の帯電バイアス値(ステップ1)、段階的に変更して現像スリーブ31aに印加する現像バイアス値(ステップ2)、レーザー変位計9aの出力電圧と感光ドラム1a上の単位面積当たりのトナー載り量(M/S)との関係(ステップ3)、現像コントラストVcontと単位面積当たりのトナー載り量(M/S)との関係の傾きと、単位重量当たりのトナーの電荷量(Q/M)との関係(ステップ4)、単位面積当たりのトナー最大電荷密度と最適な2次転写電流値(記録材Pのサイズで可変)との関係(ステップ6)などの予め設定されたデータが記憶されている。CPU51は、これらのデータを用いて、上述のような演算制御により、2次転写バイアス電源59から2次転写ローラ7に印加する2次転写バイアスの値を決定する。本実施例において、演算制御素子たるCPU51は、現像剤電荷量を算出する現像剤電荷量算出手段と、第2の像担持体上の現像剤電荷量の最大値を計算する手段と、2次転写バイアスの値を決定する制御手段との機能を有している。
以上、本実施例によれば、各画像形成部Pa〜Pdにおいて各色のトナーの単位重量当たりの電荷量(Q/M)を検出し、これに基づいて中間転写ベルト40上のトナー像の単位面積当たりのトナー最大電荷密度を算出し、そしてこれに基づいて2次転写バイアスを設定することで、温湿度センサー(環境センサー)や環境制御を具備することなく、常に最適な条件で中間転写ベルト40上のトナー像を記録材Pに転写することができる。
次に、本発明の他の実施例について説明する。本実施例の画像形成装置の基本構成、動作は上記実施例1、2と同様である。従って、ここでは、同様の構成、作用を有する要素には同一の符号を付し、詳しい説明は省略する。
本実施例では、各色のトナーの単位重量当たりの電荷量(Q/M)を求めた後の制御に特徴がある。各色のトナーの単位重量当たりの電荷量(Q/M)は、実施例1又は2と同様にして求めることができる。
本実施例では、各色のトナーの単位重量当たりの電荷量(Q/M)の中で、最大のものTmaxと最小のものTminとの差、即ち、ΔT=Tmax−Tminが予め決められた規定値より大きくなった場合には、各画像形成部Pa〜Pdにおいてトナーの電荷量を調整する動作に入る。本実施例では、ΔTが1×10−2C/kgを越えた場合に、次の動作に入る。
つまり、各色のトナーの単位重量当たりの電荷量TM(マゼンタ)、TC(シアン)、TY(イエロー)、TK(ブラック)の平均値をターゲットのトナー電荷量とし、各画像形成部Pa〜Pdにおける現像装置3a〜3d内のトナー濃度(トナーとキャリアの比率)を変える動作を行う。上述のように、現像装置3a〜3d内のトナー濃度は、図示しない検知手段により検知した現像容器34a〜34d内のトナー濃度に基づいて、現像剤補給手段たるトナーホッパー36a〜36dから現像容器34a〜34dに補給するトナーを補給量を調節することで、調節することができる。又、現像容器34a〜34d内の現像剤を攪拌・搬送する現像剤攪拌部材35a〜35dの動作を調節することにより、トナーの電荷量を調節することもできる。勿論、これら両者を行ってもよい。
トナー補給或いは現像剤攪拌動作とトナー電荷量との関係は、予め実験などによって求めることができ、斯かるデータに基づいて必要時にトナーホッパー36a〜36d、現像剤攪拌部材35a〜35dを適宜駆動すればよい。
又、本実施例では、Tmaxの上限値は4×10−2C/kgとし、Tminの下限値は1×10−2C/kgとした。そして、Tmaxが上限値を超えているか、Tminが下限値を下回っている場合には、その色以外のトナーの単位重量当たりの電荷量から、平均トナー電荷量を算出し、ターゲットのトナー電荷量とする。こうすることによって、2次転写電流をより正確に設定することができ、転写不良を防止することができる。
本実施例では、各色のトナー電荷量の差を、ある一定の範囲内に収めるための制御を有することを特徴としている。従って、例えば、上記では、各色のトナー電荷量の平均を求めるとしたが、その他の適当な統計処理であってもよく、上記構成と類似の手段で行ってもかまわない。
本実施例では、実施例1、2と概略同様にして2次転写条件を制御する制御回路50は、ΔTが規定値を超えた場合にトナー補給動作及び/又は現像剤攪拌動作を制御する現像剤電荷量調整手段としても機能する。制御回路50の記憶手段たるROM53には、予め設定されたΔT(=Tmax−Tmin)の規定値が記憶されている。又、ROM53には、トナー補給動作或いは現像剤攪拌動作と、トナー電荷量との関係が記憶されている。そして、外部の機器としてトナーホッパー36a〜36d、現像剤攪拌部材35a〜35dの動作を制御する。
以上、本実施例によれば、実施例1、2と同様に、常に最適な条件で2次転写を行うことができ、更に、トナー電荷量の変動が規定値を超えた場合にこれを調整することができ、転写不良を防止することができる。
次に、本発明の更に他の実施例について説明する。本実施例は、実施例4の変形例である。
実施例3によれば、トナーの電荷量を調整する動作に入ると、画像形成動作を一時停止することになる。画像形成装置の画像生産性を考えると、画像形成動作を停止せずに連続して行えることが好ましい。
そこで、本実施例では、各色のトナーの単位重量当たりの電荷量(Q/M)の中で、最大のものTmaxと最小のものTminとの差、即ち、ΔT=Tmax−Tminが規定値を越えると判断された場合には、電荷量の低い色のトナーに、1次転写部位T1において帯電を付与する手段を講じる。
例えば、第2の画像形成部Pbのシアントナーのみ、電荷量がTminの下限値を下回っていた場合には、第2の画像形成部Pbにおける1次転写電圧を規定値(通常の値)より所定量だけ上昇させる。逆に、シアントナーのみ、Tmaxの上限値を越えていた場合には、他の色の1次転写電圧を規定値(通常の値)より所定量だけ上昇させる。即ち、1次転写手段から中間転写ベルト40への供給電荷密度を変更する。
転写電荷が不足した場合の転写不良に比べて、転写電荷過多の転写不良は、画像上で均一に転写抜けが発生するので、画像不良として目立ちにくいという特徴があるため、上記のような構成をとりうる。
そして、このような、一時的な(緊急時の)転写電圧設定で画像形成している間に、実施例3で説明したように、トナー補給或いは現像剤の攪拌動作を行い、各色のトナーの電荷量を所望の電荷量にする。
本実施例では、実施例3と同様に、2次転写条件を制御する制御回路50が、現像剤電荷量調整手段として機能する。本実施例では、制御回路50の記憶手段たるROM53には、Tminの下限値、Tmaxの上限値のデータ、各色のトナーがTmin下限値或いはTmax上限値を越えた場合の1次転写バイアスの変更量などのデータが記憶されている。
以上、本実施例によれば、画像形成動作を一時停止することなく、トナーの電荷量を調整することができる。
尚、上記各実施例では、帯電手段として磁気ブラシ帯電器を採用したが、本発明はこれに限定されるものではない。帯電手段は、被帯電体たる感光体上の表面電位(帯電電位)を容易に、即ち、表面電位センサーを用いずに予測できる帯電手段であればよい。
例えば導電性微粒子(例えばSiOなどの金属酸化物)を塗布した発砲弾性ローラを被帯電体に接触させて帯電処理するものなど、接触式のローラ或いはブラシ帯電器などであってもよく、上記各実施例と同じ効果を得ることができる。又、非接触のコロナ帯電器であっても、グリッドを有するスコロトロン帯電器などで、グリッド電位より被帯電体の表面電位が予測できるものであれば用いることができ、上記各実施例と同じ効果が得られることはいうまでもない。
又、上記各実施例では、1次転写手段、2次転写手段として、転写ローラを用いたが、本発明はこれに限定されるものではない。他の転写手段として、コロナ帯電方式のもの、或いはブレード形状、ブラシ形状のものなどであってもかまわない。
更に、上記各実施例では、それぞれが像担持体としての感光ドラムを有する複数の画像形成部を有し、各画像形成部の感光ドラムに形成したトナー像を中間転写体上で重ね合わせた後、記録材に2次転写するとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、当業者には周知のように、像担持体として感光ドラムを1つ有し、又この感光ドラム上の静電潜像を現像しうる複数の現像手段を有し、色分解された画像情報に従って感光ドラム上に静電潜像を順次形成するごとに、対応する色の現像手段で現像し、これを中間転写体上に順次重ねて転写する工程を繰り返し、その後中間転写体から記録材に一括して転写して記録画像を得る画像形成装置にも、本発明は等しく適用可能であり、上記各実施例と同様の効果を奏する。この場合、上記各実施例において説明した単位面積当たりのトナー載り量の検知工程は、1つの感光ドラム上或いは中間転写体上で、順次に行えばよい。その他の構成、動作については、上記各実施例の説明を援用する。
1 感光ドラム(第1の像担持体、電子写真感光体)
2 磁気ブラシ帯電装置(1次帯電器、帯電手段)
3 現像装置(現像手段)
4 1次転写ローラ(1次転写帯電部材、第1の転写手段)
7 2次転写ローラ(2次転写帯電部材、第2の転写手段)
9 トナー高さ検知手段

Claims (8)

  1. 第1の像担持体と、前記第1の像担持体を帯電させる帯電手段と、現像バイアスを印加することで前記第1の像担持体に現像剤を付着させて現像剤像を形成する現像手段と、前記第1の像担持体から現像剤像が転写される第2の像担持体と、第1の転写バイアスを印加することで前記第1の像担持体から前記第2の像担持体に現像剤像を転写させる第1の転写手段と、第2の転写バイアスを印加することで前記第2の像担持体から記録材に現像剤像を転写させる第2の転写手段と、を有する画像形成装置において、
    前記第1の像担持体上の現像剤像の高さを検出する高さ検知手段と、
    前記像担持体上に潜像を形成した直後の前記像担持体の表面電位Vdと
    前記像担持体上の潜像を現像剤にて現像した直後の現像剤像表面電位Vtと
    前記像担持上の現像剤の高さの情報とから現像剤電荷量を算出すること
    を有することを特徴とする画像形成装置。
  2. 第1の像担持体と、前記第1の像担持体を帯電させる帯電手段と、現像バイアスを印加することで前記第1の像担持体に現像剤を付着させて現像剤像を形成する現像手段と、前記第1の像担持体から現像剤像が転写される第2の像担持体と、第1の転写バイアスを印加することで前記第1の像担持体から前記第2の像担持体に現像剤像を転写させる第1の転写手段と、第2の転写バイアスを印加することで前記第2の像担持体から記録材に現像剤像を転写させる第2の転写手段と、を有する画像形成装置において、
    前記像担持体上に配置した表面電位検知手段が現像剤像の高さを検出する高さ検知手段の前段に位置する関係をもつことを特徴とする画像形成装置。
  3. 前記現像剤電荷量算出手段は、前記像担持体上に潜像を形成した直後の前記像担持体の表面電位Viを測定する第1の表面電位検知手段と、
    前記像担持体上の潜像を現像剤にて現像した直後の前記像担持体の表面電位Vxを測定する第2の表面電位検知手段とを有し、
    該現像剤像の現像剤電荷量を算出することを特徴とする請求項1又2記載の画像形成装置。
  4. 前記現像剤電荷量算出手段の算出結果に基づいて前記第1の転写バイアスの値を決定する制御手段と、
    を有することを特徴とする請求項1、2又は3記載の画像形成装置。
  5. 前記現像剤電荷量算出手段の算出結果に基づいて前記第2の転写バイアスの値を決定する制御手段と、
    を有することを特徴とする請求項1〜4記載の画像形成装置。
  6. 各々異なる色の現像剤像が形成される複数の第1の像担持体を有することを特徴とする請求項1〜5記載の画像形成装置。
  7. 各色の現像剤像間で現像剤帯電量に基づいて、現像剤帯電量を調整する現像剤帯電量調整手段を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかの項に記載の画像形成装置。
  8. 前記現像剤帯電量調整手段は、前記現像手段内の現像剤の攪拌手段の動作及び/又は前記現像手段への現像剤補給量を調整することにより、現像剤帯電量を調整することを特徴とする請求項1〜7の画像形成装置。
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