JP2011027010A - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】サルファパージが要と判定された場合にNOx吸蔵触媒24の内部の温度の検出結果に応じてNOx吸蔵触媒24が失活しない範囲でNOx吸蔵触媒24に供給することが可能な最大燃料量Xを決定する。そして、NOx吸蔵触媒24をサルファパージするためにNOx吸蔵触媒24に供給される燃料量が最大燃料量X以下となるように、燃料供給手段18が排気流路16に供給する燃料の供給量を制限する。
【選択図】図1
Description
このような触媒として、酸化触媒、三元触媒、NOx吸蔵触媒などが知られている。
酸化触媒は、CO、HCをCO2(二酸化炭素)、H2O(水)に酸化させるものである。
三元触媒は、COをCO2に酸化し、HCをCO2とH2Oに酸化し、NOxをO2(酸素)とN2(窒素)とに還元する触媒である。
三元触媒によってCO、HC、NOxの3種類の有害物質を効率的に除去するためには、酸化雰囲気と還元雰囲気とが混在することが必要となる。そのため、三元触媒は、理論空燃比(ストイキオメトリック)付近で運転される内燃機関、例えば、ガソリンエンジンの排気浄化装置に適用されることが多い。
NOx吸蔵触媒は、ディーゼルエンジンあるいは直噴式ガソリンエンジンのようにリーン空燃比(希薄空燃比)で運転する内燃機関の排気浄化装置に適用されることが多い。
また、NOx吸蔵触媒は、吸蔵し得るNOxの量に限界があるため、NOx吸蔵触媒に吸蔵されたNOxをNOxパージという方法によって除去する必要がある。
NOxパージは、排気に含まれる還元材としてのCO、HCを増加させ、これら還元材をNOx吸蔵触媒に与えることでNOx吸蔵触媒に吸蔵されたNOxをO2とN2とに還元する。これにより、NOx吸蔵触媒が再生される。
NOx吸蔵触媒に吸蔵された硫黄(サルファ)は、NOxに比較してより安定した状態でNOx吸蔵触媒に結合していることから、NOxパージの場合の温度雰囲気よりも高温の状態にしないと、硫黄(サルファ)をNOx吸蔵触媒から脱離することができない。
すなわち、NOx吸蔵触媒に吸蔵された硫黄(サルファ)はNOxパージによって除去することができないため、NOx吸蔵触媒に吸蔵された硫黄(サルファ)をサルファパージという方法によって除去する必要がある。
サルファパージは、NOx吸蔵触媒を高温雰囲気とするか、あるいは、高温雰囲気かつ還元雰囲気とすることでなされる。
具体的には、NOx吸蔵触媒に供給される排気の温度を高温とすることによって高温雰囲気を形成する。あるいは、未燃燃料(還元材)をNOx吸蔵触媒に供給することによりNOx吸蔵触媒で未燃燃料(還元材)を酸化(燃焼)させることで高温雰囲気かつ還元雰囲気を形成する。
そこで、次のような排気浄化装置が提案されている(特許文献1参照)。
すなわち、この排気浄化装置は、NOx吸蔵触媒よりも上流の排気通路の箇所に可燃物(燃料)を反応させて排気温度を上昇させる可燃物反応手段が設けられている。
そして、NOx吸蔵触媒よりも上流側の排気通路の箇所でNOx吸蔵触媒に近接した箇所に、排気温度検出手段が設けられている。
この排気浄化装置は、排気温度検出手段で検出された温度に基づいて可燃物反応手段に供給する可燃物の量を増減することでNOx吸蔵触媒の温度を制御する。
ところで、排気浄化装置として、NOx吸蔵触媒と、該NOx吸蔵触媒の下流側に配置されたディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF:Diesel Particulate Filter)などの下流側排気浄化手段とを備えたものが提供されている。
この排気浄化装置では、NOx吸蔵触媒の上流側から可燃物(燃料)を供給することによって、NOx吸蔵触媒で可燃物(燃料)を酸化(燃焼)させ、これにより高温雰囲気あるいは高温雰囲気かつ還元雰囲気を形成してサルファパージを行うことになる。
しかしながら、NOx吸蔵触媒で処理し得る許容量を超えて可燃物(燃料)が供給されると、NOx吸蔵触媒が失活し、NOx吸蔵触媒で利用されなかった可燃物(燃料)が下流側排気浄化手段に供給される。すると、下流側排気浄化手段で可燃物(燃料)が急激に酸化(燃焼)するため、場合によっては下流側排気浄化手段が熱劣化してしまうことが懸念される。
本発明はこのような事情に鑑みなされたものであり、その目的は、NOx吸蔵触媒の失活を抑制しつつNOx吸蔵触媒のサルファパージをより的確に実行する上で有利な内燃機関の排気浄化装置を提供することにある。
そして、NOx吸蔵触媒をサルファパージするためにNOx吸蔵触媒に供給される燃料量が最大燃料量以下となるように、燃料供給手段が排気流路に供給する燃料の供給量を制限する。
そのため、NOx吸蔵触媒の失活を抑制しつつNOx吸蔵触媒のサルファパージをより的確に実行する上で有利となる。
まず、排気浄化装置22が適用されるエンジン(内燃機関)10について説明する。
図1に示すように、車両に搭載されたエンジン10は、燃焼室12と、燃料噴射弁14(筒内燃料噴射弁)と、排気流路16と、A/F検出装置(酸素濃度センサー)18と、後述するECU(Electronic Control Unit)20を含んで構成されている。
燃焼室12は、燃料が燃焼される空間を形成するものである。
燃料噴射弁14は、図示しない燃料タンクを有する燃料供給装置に燃料パイプを介して接続されている。前記燃料供給装置は、燃料タンク内の燃料を燃料噴射弁14に供給することにより、この燃料を燃料噴射弁14から燃焼室12内に向けて所望の燃圧で噴射する高圧燃料ポンプを備えている。
燃料噴射弁14は、ECU20により燃料の噴射タイミング、噴射量が制御される。
本実施の形態では、エンジン10は、燃焼室12内に燃料噴射弁14により燃料を噴射する直噴式ディーゼルエンジンで構成されている。なお、エンジン10は、ガソリンエンジンなどであってもよく限定されるものではない。
NOx吸蔵触媒24は、例えば、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)等の貴金属とバリウム(Ba)、カリウム(K)等のNOx吸蔵剤を担持させて構成されている。
NOx吸蔵触媒24は、リーン空燃比雰囲気(酸化雰囲気)下でNOxを捕捉、吸蔵する。
NOx吸蔵触媒24は、リッチ空燃比雰囲気(還元雰囲気)下で(言い換えるとNOxパージされることによって)、捕捉しているNOxを放出し、HC、COと反応させて還元する。すなわち、HC、COは還元材である。
前述したように、NOx吸蔵触媒24には、NOxと共に、燃料及びエンジンオイル中のサルファ分からの硫黄(サルファ)が吸蔵され、当該硫黄(サルファ)はNOxパージでは除去不能である。
そのため、硫黄(サルファ)吸蔵量の推定値が所定量に達したときにサルファパージを行うことによりNOx吸蔵触媒24に吸蔵されていたサルファを脱離させ、SO2、H2Sなどの硫黄化合物として排出させる。
サルファパージでは、未燃燃料(還元材)をNOx吸蔵触媒24に供給することによりNOx吸蔵触媒24で未燃燃料(還元材)を酸化(燃焼)させることで高温雰囲気かつ還元雰囲気(高温リッチ雰囲気ともいう)を形成する。
本実施の形態では、下流側排気浄化手段26はディーゼルパティキュレートフィルタ26Aで構成されている。
なお、下流側排気浄化手段26は、ディーゼルパティキュレートフィルタ26Aに限定されるものではない。下流側排気浄化手段26として、酸化触媒、三元触媒、NOx吸蔵触媒24とは別のNOx吸蔵触媒など従来公知のさまざまな排気浄化手段が使用可能である。
ディーゼルパティキュレートフィルタ26Aは、排気中に含まれる粒子状物質(PM:Particulate Matter)を捕集し浄化するものである。
図2に示すように、未燃燃料が供給されると、NOx吸蔵触媒24において未燃燃料が酸化してNOx吸蔵触媒24の温度が上昇して高温雰囲気が形成され、かつ、未燃燃料(還元材)によって還元雰囲気が形成される。
この場合、温度が上昇した排気がディーゼルパティキュレートフィルタ26Aに到達することでディーゼルパティキュレートフィルタ26Aの温度が上昇する。
なお、図2は、未燃燃料の全てがNOx吸蔵触媒24で酸化した場合を示している。
しかしながら、未燃燃料の一部がNOx吸蔵触媒24で酸化し、未燃燃料の残りがディーゼルパティキュレートフィルタ26Aに供給される場合もある。
この場合は、NOx吸蔵触媒24で未燃燃料が酸化することによる排気の温度上昇によってディーゼルパティキュレートフィルタ26Aの温度が上昇することに加え、ディーゼルパティキュレートフィルタ26Aでも未燃燃料が酸化することでディーゼルパティキュレートフィルタ26Aの温度がさらに上昇することになる。
しかしながら、図3に示すように、NOx吸蔵触媒24に供給される未燃燃料の量がある基準を超えるとNOx吸蔵触媒24が失活して未燃燃料の酸化反応が生じにくくなり、NOx吸蔵触媒24の温度はほとんど上昇しない。
NOx吸蔵触媒24で利用されなかった残りの未燃燃料はそのままディーゼルパティキュレートフィルタ26Aに供給される。
ディーゼルパティキュレートフィルタ26Aは、該ディーゼルパティキュレートフィルタ26Aに供給される未燃燃料が許容量を超えると、未燃燃料の酸化による温度上昇が急激なものとなり、ディーゼルパティキュレートフィルタ26Aの温度が許容温度を超えてしまうことによってディーゼルパティキュレートフィルタ26Aの熱劣化が生じ、ディーゼルパティキュレートフィルタ26Aとしての機能が低下する。
NOx吸蔵触媒24の失活は、NOx吸蔵触媒24の温度が十分に上昇していない場合、すなわち、サルファパージの開始時に発生しやすい。
また、NOx吸蔵触媒24の失活は、未燃燃料(還元材)が液体に近いほどNOx吸蔵触媒24に高い反応活性が要求されるために発生しやすい。
したがって、NOx吸蔵触媒24をサルファパージする場合には、NOx吸蔵触媒24が失活しないようにして下流側排気浄化手段26の急激な発熱の抑制を図る必要がある。
本実施の形態では、燃料供給手段28は、排気流路16のうちNOx吸蔵触媒24の上流側に設けられた燃料噴射弁28Aを備えている。言い換えると、燃料を排気流路16に噴射する排気管噴射を行うようにしている。
燃料噴射弁28Aには、図示しない燃料タンクから、エンジン10によって駆動される燃料ポンプによって燃料が供給される。
燃料噴射弁28Aは、ECU20により燃料の噴射タイミング、噴射量が制御される。
第2温度検出器32は、排気流路16のうちNOx吸蔵触媒24の下流側でディーゼルパティキュレートフィルタ26Aの上流側に設けられ、ディーゼルパティキュレートフィルタ26Aの出口近傍における排気の温度を検出するものである。
ECU20は、CPU、制御プログラムなどを格納するROM、ワーキングエリアを提供するRAM、周辺回路とのインタフェースをとるインタフェース部などがバスによって接続されたマイクロコンピュータによって構成されている。そして、前記CPUが制御プログラムを実行することにより機能する。
すなわち、ECU20の入力側には、従来公知の各種センサ類が接続され、これらセンサ類からの検出情報が入力される。
また、ECU20の入力側には、A/F検出装置(酸素濃度センサー)18、第1、第2温度検出器30、32からの検出情報が入力される。
また、ECU20の出力側には、前述の燃料噴射弁14、28Aなどの各種出力デバイスが接続されている。
ECU20は、CPUが前記制御プログラムを実行することにより、前記各種センサ類からの検出情報に基づき前記各種出力デバイスを制御し、これにより、エンジン10の制御がなされる。
本実施の形態では、判定手段34は、NOx吸蔵触媒24に吸蔵された硫黄(サルファ)量を推定し、この推定された硫黄(サルファ)量が予め定められた判定基準値を超えたことをもってサルファパージが必要であると判定する。
硫黄(サルファ)量の推定は例えば次のような手順で行う。
すなわち、判定手段34は、エンジン10の運転状態に基づいてその時々の排ガス中に含まれる硫黄(サルファ)量を推定し、推定した硫黄(サルファ)量を前回のサルファパージの実行時から逐次積算して硫黄(サルファ)量の積算値を求める。そして、この硫黄(サルファ)量の積算値を現在のNOx吸蔵触媒24に吸蔵された硫黄(サルファ)量と見なす。
なお、NOx吸蔵触媒24のサルファパージの要否判定を行う構成は、このような推定値を用いて行う構成に限定されない。例えば、NOx吸蔵触媒24の下流側にNOxセンサを配置し、このNOxセンサで検出されるNOx濃度の値に基づいて行うなど従来公知のさまざまな構成が使用可能である。
本実施の形態では、温度検出手段36は前記の第1、第2温度検出器30、32で検出された温度に基づいてNOx吸蔵触媒24の内部の温度を検出する。
より詳細には、温度検出手段36は、第1温度検出器30で検出されたNOx吸蔵触媒24の入口近傍における排気の温度と、第2温度検出器32で検出されたNOx吸蔵触媒24の出口近傍における排気の温度との温度差を求める。そして、この温度差に基づいてNOx吸蔵触媒24の内部の温度を推測することでNOx吸蔵触媒24の内部の温度を検出する。
予め実験によって、前記の温度差とNOx吸蔵触媒24の内部の温度との関係を測定し、温度差とNOx吸蔵触媒24の内部の温度との関係をマップとして設定しておく。そして、前記温度差に基づいてNOx吸蔵触媒24の内部の温度をマップから読み出す。
なお、温度検出手段36の構成は、本実施の形態に限定されるものではない。例えば、NOx吸蔵触媒24の内部の温度を直接検出する温度検出器を設け、この温度検出器によって温度検出手段を構成してもよい。
最大燃料量Xの決定は、例えば次のように行う。
すなわち、図4に示すように、NOx吸蔵触媒24の内部の温度Tと、この温度に対応してNOx吸蔵触媒24が失活しない範囲でNOx吸蔵触媒24に供給することが可能な最大燃料量Xとの関係を予め実験によって測定しておく。
通常、温度Tが上昇するほど最大燃料量Xも増加する傾向にある。
そして、NOx吸蔵触媒24の温度Tと最大燃料量Xとの関係をマップとして設定しておく。そして、温度検出手段36で検出されたNOx吸蔵触媒24の内部の温度Tに基づいて最大燃料量Xをマップから読み出す。
本実施の形態では、制限手段40は、NOx吸蔵触媒24のサルファパージの開始から所定期間、燃料の供給量を制限する。ここで所定期間とは、NOx吸蔵触媒24の温度が失活しない程度の十分な高温となるまでの期間である。
また、具体的には、制限手段40は、該制限手段40が燃料噴射弁28Aによる燃料の噴射タイミングおよび燃料の噴射量の一方または双方を制御することによって燃料供給手段28から供給される燃料の供給量の制限を行う。制限手段40による燃料の噴射タイミングおよび燃料の噴射量の制御については後述する。
エンジン10が駆動トルクを発生するために行う燃焼によりエンジン10から実際に排出された排気の空燃比を実空燃比A/Fbとする。本実施の形態では、実空燃比A/Fbは、ECU20が吸入空気量と燃料噴射量とから演算することによって求められる。
NOx吸蔵触媒24をサルファパージするために必要な排気雰囲気を形成する排気の空燃比を目標空燃比A/Faとする。目標空燃比A/FaはNOx吸蔵触媒24に応じて予め算出され設定されている。
要求燃料量決定手段42は、実空燃比A/Fbと目標空燃比A/Faとの差分に相当する燃料量を演算によって算出し要求燃料量Yとして決定する。
そして、制限手段40は、要求燃料量Yが最大燃料量X以下であれば、燃料供給手段28が供給する燃料の供給量を要求燃料量Yに制限する。
また、制限手段40は、要求燃料量Yが最大燃料量Xを上回れば、燃料供給手段28が供給する燃料の供給量を最大燃料量Xに制限する。
このような要求燃料量決定手段42を設けることにより、実空燃比A/Fbと目標空燃比A/Faとの差分を求めるといった単純な演算で要求燃料量Yを決定する。
図5に示す一連の処理は、ECU20によって一定期間毎に実行(起動)される。
まず、判定手段34によってサルファパージの要否が判定される(ステップS10)。
ステップS10が否定ならば、サルファパージが不要であるため、図5に示す一連の処理をスキップする。
ステップS10が肯定ならば、温度検出手段36は、NOx吸蔵触媒24の内部温度を検出する(ステップS12)。
次に、要求燃料量決定手段42は、実空燃比A/Fbと目標空燃比A/Faとの差分に相当する燃料量を演算によって算出し要求燃料量Yとして決定する(ステップS16)。
ステップS18の判定結果が否定であれば(要求燃料量Y>最大燃料量X)、制限手段40は、燃料供給手段28が供給する燃料の供給量を最大燃料量Xに制限した状態で燃料供給手段28による燃料の供給を行い(ステップS20)、ステップS10に戻る。
この場合、燃料供給手段28が供給する燃料の供給量は最大燃料量Xに制限されていることから、NOx吸蔵触媒24が失活することなくNOx吸蔵触媒24に燃料が供給されることになる。
NOx吸蔵触媒24は供給された燃料(最大燃料量X)が酸化することによって、NOx吸蔵触媒24から下流側排気浄化手段26に対して昇温した排気が供給され、NOx吸蔵触媒24の温度も上昇する。
このようにしてステップS18の判定結果が否定となり、ステップS20により最大燃料量Xに制限された燃料の供給が実行される処理が何度か繰り返される毎に、NOx吸蔵触媒24および下流側排気浄化手段26の温度が次第に上昇していく。したがって、最大燃料量Xの値も次第に増加していくことになる。
言い換えると、NOx吸蔵触媒24の温度が上昇すると、より多くの燃料を供給してもNOx吸蔵触媒24は失活しない。したがって、NOx吸蔵触媒24の温度上昇に応じて最大燃料量Xを次第に増加させていくことになる。
この場合、燃料供給手段28が供給する燃料の供給量は最大燃料量X以下の要求燃料量Yに制御されていることから、NOx吸蔵触媒24が失活することなくNOx吸蔵触媒24に燃料が供給されることになる。
NOx吸蔵触媒24は供給された燃料(要求燃料量Y)が酸化することで温度が上昇することにより、NOx吸蔵触媒24にサルファパージを行うに足る高温雰囲気が形成される。
また、NOx吸蔵触媒24に供給された燃料は還元材でもあるため、NOx吸蔵触媒24にサルファパージを行うに足る高温雰囲気かつ還元雰囲気が形成される。
このようにしてNOx吸蔵触媒24がサルファパージを行うに足る高温雰囲気かつ還元雰囲気となることによりNOx吸蔵触媒24のサルファパージが行われる。
なお、サルファパージを終了するか否かの判定は、例えば、サルファパージを実行している時間を計時しておき、その計時した時間が予め定められた所定時間に到達したか否かに基づいて行うことができる。
以上のようにしてサルファパージが実行される。
そして、時間が経過するにしたがってステップS20が繰り返して実行されることによってNOx吸蔵触媒24の温度Tが次第に上昇し最大燃料量Xも次第に増加する。
そのため、NOx吸蔵触媒24の温度がサルファパージを行うに足りる十分な高温となるまでの期間、燃料供給手段28によって供給する燃料の供給量は、最大燃料量Xの増加に伴って増加する。
そして、NOx吸蔵触媒24の温度がサルファパージを行うに足りる十分な高温となった段階で、燃料供給手段28によって供給する燃料の供給量は、要求燃料量Yとなる。
すなわち、制限手段40は、NOx吸蔵触媒24のサルファパージの開始から所定期間、燃料の供給量を制限している。すなわち、所定期間は、NOx吸蔵触媒24の温度がサルファパージを行うに足りる十分な高温となるまでの期間である。
図6(A)、(B)、(C)、(D)は燃料噴射弁28Aによる燃料噴射パターンの説明図である。横軸は時間、縦軸は噴射量を示す。
図6(A)は比較例として示したものであり、制限手段40の制御により燃料供給手段28から供給される燃料の供給量の制限を行っていない場合の燃料噴射パターンを示している。
すなわち、燃料噴射を一定の周期で間欠的に行い、かつ、燃料の噴射量を一定とした燃料噴射パターンを示している。
NOx吸蔵触媒24の温度が低い段階でこのような噴射を行うと、NOx吸蔵触媒24の失活が発生し、未燃燃料が下流側排気浄化手段26に供給されることで急激に温度が上昇し、下流側排気浄化手段26の熱劣化が生じてしまう。
また、図6(B)、(C)、(D)において、符号t0は燃料噴射弁28Aによる燃料噴射を開始した時点を示す。また、符号t1、t2、t3はそれぞれNOx吸蔵触媒24にサルファパージを行うに足りる十分な高温雰囲気および還元雰囲気が形成された時点を示す。
このように噴射量を制御することによって、燃料供給手段28によって供給する燃料の供給量が最大燃料量Xに制限される。
この場合、燃料の噴射が間欠的になされるため、燃料が噴射されていない噴射休止期間が発生するため、燃料の供給を最大燃料量Xに制限している期間(時点t0から時点t1までの期間)を比較的長く要することになる。そのため、サルファパージの処理時間の短縮化を図る上で改善の余地がある。
なお、図6(B)、(C)、(D)において、サルファパージを行うに足りる十分な高温雰囲気および還元雰囲気が形成された時点t1、t2、t3以降は、燃料供給手段28によって供給する燃料の供給量は要求燃料量Yとされることになる。すなわち、時点t1、t2、t3以降は、燃料噴射を一定の周期で間欠的に行い、かつ、燃料の噴射量を一定としている。
このように噴射量を制御することによって、燃料供給手段28によって供給する燃料の供給量が最大燃料量Xに制限される。
この場合、燃料の供給を最大燃料量Xに制限している期間(時点t0から時点t2の期間)は、時間経過と共にステップ状に噴射量を増加させるため、噴射休止期間が発生しない。
そのため、図6(B)の場合に比較して、燃料の供給を最大燃料量Xに制限している期間の短縮を図る上で有利となり、サルファパージの処理時間の短縮化を図る上で有利となる。
このように噴射量を制御することによって、燃料供給手段28によって供給する燃料の供給量が最大燃料量Xに制限される。
この場合、燃料の供給を最大燃料量Xに制限している期間(時点t0から時点t3の期間)は、時間経過に比例して噴射量を増加させるため、噴射休止期間が発生せず、かつ、図6(C)の場合に比較して、燃料の噴射量をより短時間で増加させることができる。
そのため、図6(C)の場合に比較して、燃料の供給を最大燃料量Xに制限している期間の短縮を図る上でより有利となり、サルファパージの処理時間の短縮化を図る上でより一層有利となる。
そして、NOx吸蔵触媒24をサルファパージするためにNOx吸蔵触媒24に供給される燃料が最大燃料量X以下となるように、燃料供給手段28が供給する燃料の供給量を制限する。
したがって、NOx吸蔵触媒24の失活を効果的に抑制しつつNOx吸蔵触媒24のサルファパージをより的確に実施することができる。
また、本実施の形態のように、NOx吸蔵触媒24の下流側に下流側排気浄化手段26が設けられている場合には、NOx吸蔵触媒24の失活を効果的に抑制できるため、下流側排気浄化手段26が性能劣化に至る可能性を低減する上で有利となる。
これに対し、本発明では、最大燃料量決定手段38で決定した最大燃料量Xを超えないように燃料の供給量が制限される。
したがって、排気流路16中に燃料噴射弁28Aが設けられた構成であっても、NOx吸蔵触媒の失活を抑止しつつ、NOx吸蔵触媒24のサルファパージをより的確に実施することができる。
この場合、NOx吸蔵触媒24の失活の抑止と、NOx吸蔵触媒24のサルファパージをより一層的確に両立して実現することができる。
この場合には、燃料供給手段28を、エンジン10に設けられた燃料噴射弁14で構成してもよい。すなわち、燃焼室12において燃料が燃焼した後に、燃料噴射弁14から燃焼しないタイミングで未燃燃料を燃焼室12に供給するようにしてもよい。
ポスト噴射の場合には、該燃料噴射弁14から燃焼室12に供給された未燃燃料は、燃焼室12および排気通路16によって温度が高められた状態となり反応性が高められた状態でNOx吸蔵触媒24に至る。
そのため、NOx吸蔵触媒24で発生する燃料の酸化反応を効果的に行わせることができ、したがって、サルファパージの処理時間の短縮化を図る上でより有利となる。
しかしながら、本発明は、排気浄化装置22がNOx吸蔵触媒24を備える構成であれば適用可能であり、NOx吸蔵触媒24と下流側排気浄化手段26とに加えて1つ以上の排気浄化手段を備える排気浄化装置にも無論適用可能である。
Claims (5)
- 内燃機関の排気流路に設けられたNOx吸蔵触媒と、
前記NOx吸蔵触媒よりも上流側から燃料を供給する燃料供給手段と、
前記NOx吸蔵触媒のサルファパージの要否を判定する判定手段と、
前記NOx吸蔵触媒の内部の温度を検出する温度検出手段と、
前記判定手段により前記サルファパージが要と判定された場合に、前記温度検出手段の検出結果に応じて前記NOx吸蔵触媒が失活しない範囲で前記NOx吸蔵触媒に供給することが可能な燃料の最大量である最大燃料量を決定する最大燃料量決定手段と、
前記NOx吸蔵触媒をサルファパージするために前記NOx吸蔵触媒に供給される燃料量が前記最大燃料量以下となるように、前記燃料供給手段が供給する前記燃料の供給量を制限する制限手段と、
を備える内燃機関の排気浄化装置。 - 前記排気流路中で前記NOx吸蔵触媒よりも下流側に設けられた下流側排気浄化手段をさらに備える、
請求項1記載の内燃機関の排気浄化装置。 - 前記燃料供給手段は、前記排気流路中で前記NOx吸蔵触媒よりも上流側に設けられ、前記排気流路内に向けて燃料を噴射する燃料噴射弁を備えている、
請求項1記載の内燃機関の排気浄化装置。 - 前記制限手段は、前記NOx吸蔵触媒のサルファパージの開始から所定期間が経過する間に燃料の供給量を制限する、
請求項1記載の内燃機関の排気浄化装置。 - 前記内燃機関の実空燃比と、前記NOx吸蔵触媒をサルファパージするために必要な排気の空燃比である目標空燃比との差分に基づき要求燃料量を決定する要求燃料量決定手段を有し、
前記制限手段は、
前記要求燃料量が前記最大燃料量以下であれば、前記燃料供給手段が供給する前記燃料の供給量を前記要求燃料量とし、
前記要求燃料量が前記最大燃料量を上回れば、前記燃料供給手段が供給する前記燃料の供給量を前記最大燃料量に制限する、
請求項1記載の内燃機関の排気浄化装置。
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