JP2011018896A - 圧電素子及びそれを備えた圧電アクチュエータ、液体吐出装置、発電装置 - Google Patents

圧電素子及びそれを備えた圧電アクチュエータ、液体吐出装置、発電装置 Download PDF

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Abstract


【課題】圧電素子において、発信能および受信能が共に優れ、圧電アクチュエータ、センサ、更に、超音波センサ、発電素子として好適なものとする。
【解決手段】圧電素子1は、圧電性を有する圧電体13と、圧電体13に対して所定方向に電界を印加する1対の電極12、14とを備え、圧電体13の圧電歪定数d33(pm/V)と比誘電率ε33とが下記式(1)及び(2)を満足するものである。
100<ε33<1500 ・・・(1)、
33(pm/V)>12√ε33 ・・・(2)
【選択図】図10

Description

本発明は圧電素子と、該圧電素子を駆動する駆動ドライバとを備えた圧電アクチュエータ及び液体吐出装置、また、圧電素子を備えた発電装置に関するものである。
圧電材料はそれ自身の内的機能(物性)により、電気エネルギーと機械エネルギーの相互変換を行うことができる。圧電材料は、この電気機械相互変換機能と機械的振動体としての優れた特性とにより、周波数フィルター等の周波数制御、電気通信用のエレクトロニクス部品へ幅広く応用されている。また、メカトロニクス分野においては、集積化、微小化技術と併せて、圧電材料の電気機械相互変換機能のセンサやアクチュエータ等への応用が重要視されている。
圧電材料の性能(以下、圧電性能とする。)を示す指標は、一般に、圧電歪定数(圧電d定数)、及び電圧出力定数(圧電g定数)で主に表される。d定数は、単位電界あたりの歪量(発信能)の指標であり、d定数が高いほど、インクジェット式記録ヘッド等に用いられるアクチュエータとしての性能が高くなる。また、g定数は、単位応力あたりの発生電界強度(受信能)の指標であり、g定数が高いほど、センサとしての性能が高くなる。
自発分極軸のベクトル成分と電界印加方向とが一致したときに、電界印加強度の増減によって電界印加方向に伸縮する通常の電界誘起圧電歪においては、d=k√ε√ε・√s、g=d/εεで算出される(kは電気機械結合係数、εは真空の誘電率、εは比誘電率、sは弾性コンプライアンス)。従って、通常の電界誘起圧電歪に関しては、いずれの定数も電気機械結合係数kが大きいほど高くなることから、アクチュエータ、センサいずれの分野においても高い電気機械結合係数を有する材料が求められている。
電気機械結合係数を高める試みとして、非特許文献1には、ポリマーの中にチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)の棒状のバルク体を複数平行に並べて配した複合構造体とすることにより、樹脂の可撓性により機械的拘束を和らげて厚み方向に有効に振動を取り出す超音波センサ用の複合圧電材料が記載されている。しかしながら、非特許文献1のように、複合構造体を作製する方法では、製造プロセスが複雑化する上、ポリマー部分による圧電性能の低下も考えられる。従って、圧電材料自体の電気機械結合係数が高いことが好ましい。
非特許文献2では、Pb(Zn,Nb)O3とPbTiO3(PT)の固溶体(PZN-PT)をバルク単結晶化することにより、高電気機械結合係数化に成功している。
仲前和夫他、高分解能,広帯域複合圧電材料の開発、新素材、SEIテクニカルレビュー、2003年9月、第163号、p. 48-52. 松下三芳他、大口径高変換効率圧電単結晶PMT-PT、JFE技法 2005年6月、No.8、p. 43-48.
一方、d定数とg定数の両方が高い材料もまた、超音波センサや発電素子等への応用が期待されている。超音波センサでは、発信能と受信能のバランスのよい圧電材料が好ましく、また、発電素子では、圧電材料のd定数とg定数との積がその性能の指標となる。しかしながら、上記式に示されるように、d定数は誘電率が大きいほど高い値に、g定数は誘電率が大きいほど低い値となるために、電気機械結合係数と共に誘電率も高い非特許文献2の材料(PZN-PT)では、高いd定数は得られるものの、g定数は低い値となってしまう。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、発信能および受信能が共に優れ、圧電アクチュエータ、センサ、更に、超音波センサ、発電素子として好適な圧電素子を提供することを目的とするものである。本発明はまた、上記圧電素子を備えた圧電アクチュエータ、液体吐出装置、及び発電装置を提供することを目的とするものである。
本発明の圧電素子は、圧電性を有する圧電体と、該圧電体に対して所定方向に電界を印加する1対の電極とを備えた圧電素子において、
前記圧電体の圧電歪定数d33(pm/V)と比誘電率ε33とが下記式(1)及び(2)を満足するものである。
100<ε33<1500 ・・・(1)、
33(pm/V)>12√ε33 ・・・(2)
ここで、d33及びε33の添字表記は、直交する3つの軸1,2,3を規定した時、最初の添字が電界の印加方向、2番目の添字が歪みの方向を示しており、歪みまたは応力を取り出す方向が、電界を加えた方向に対して平行方向である縦振動モードであることを示している。従って、d33及びε33は縦振動モードの圧電歪定数及び誘電率を示している。
本発明の圧電素子において、前記圧電体は、一般式ABOで表される1種又は2種以上のペロブスカイト型酸化物からなる(不可避不純物を含んでいてもよい)ことが好ましい(一般式ABOにおいて、AはAサイト元素、BはBサイト元素であり、各々1種又は複数種の金属元素、Oは酸素原子。Aサイト元素の総モル数及びBサイト元素の総モル数の、酸素原子のモル数に対する比は、それぞれ1:3が標準であるが、ペロブスカイト構造を取り得る範囲内で1:3からずれてもよい。)。
ここで、Aサイト元素AはBiを含むものであることが好ましく、また、下記一般式(P)で表される1種又は2種以上のペロブスカイト型酸化物からなる(不可避不純物を含んでいてもよい)ことが好ましい。かかる構成では、下記式(3)及び(4)を満足する圧電素子とすることができる。
(Ba,Bi,A)(Ti,Fe,M)O・・・(P)、
100<d33(pm/V) ・・・(3)、
80<g33(×10−3V・m/N) ・・・(4)
(式(P)中、Ba,Bi,及びAはAサイト元素、Ti,Fe,及びMはBサイト元素。A及びMは、Pbを除く各々1種又は複数種の金属元素である。Aサイト元素の総モル数及びBサイト元素の総モル数の、酸素原子のモル数に対する比は、それぞれ1:3が標準であるが、ペロブスカイト構造を取り得る範囲内で1:3からずれてもよい。また、式(4)中、g33は前記圧電体の電圧出力定数(圧電感度定数)である。)
上記一般式(P)において、下記式(5)を満足することが好ましく、また前記一般式(P)において、Aサイト元素AがBa及び/又はBiである場合、Bサイト元素MはTi及びFe以外の元素であり、Bサイト元素MがTi及び/又はFeである場合、Aサイト元素AはBa及びBi以外の元素であり、下記式(5)及び(6)を満足するものであることが好ましく、更に、下記式(7)を満足するものであることがより好ましい。
0.97≦TF(P)≦1.02・・・(5)
TF(BiFeO)<TF(AMO)<TF(BaTiO)・・・(6)
0.97≦TF(AMO)≦1.02・・・(7)
(式中、TF(P)は上記一般式(P)で表される酸化物の許容因子、TF(BiFeO)、TF(AMO)、及びTF(BaTiO)はそれぞれ()内に記載の酸化物の許容因子である。)
また、前記圧電体が、異なる結晶系を有する複数の成分を有するものであることが好ましく、Pbを含まないことをことが好ましい。
本明細書において、「許容因子TF」は下記式で表されるファクターである。
TF=(rA+rO)/√2(rB+rO)
(式中、rAはAサイトの平均イオン半径、rBはBサイトの平均イオン半径、rOは酸素のイオン半径である。)
本明細書において、「イオン半径」は、いわゆるShannonのイオン半径を意味している(R. D. Shannon, Acta Crystallogr A32,751 (1976)を参照)。「平均イオン半径」は、格子サイト中のイオンのモル分率をC、イオン半径をRとしたときに、ΣCiRiで表される量である。ただし、12配位のBiのイオン半径に関しては、前記文献に記載が無く、また共有結合性が強いので、「共有結合半径」を用いる。
Aサイト元素Aは、Srであることが好ましい。Bサイト元素MがTi及びFe以外の元素である場合は、Aサイト元素Aは、Bi又はBa,及びBiとBaが固溶したものであってもよい。また、Aサイト元素AがBa及びBi以外の元素である場合は、Bサイト元素Mは、Ti又はFe,及びTiとFeが固溶したものであってもよい。
BaTiO、BiFeO、AMO、及び上記一般式(P)で表されるペロブスカイト型酸化物について、各々理論的に許容因子を求める(TF(BaTiO)=1.062、TF(BiFeO)=0.989)。この際、実際には単独でペロブスカイト型酸化物にならないものでも許容因子を理論的に求める。そして、上記規定の関係となるように、上記一般式(P)の組成を決定することが好ましい。
また、本発明の圧電素子において、前記圧電体が、<100>又は<001>1軸配向性を有する多結晶又は単結晶であることが好ましい。ここで、「1軸配向性を有する」とは、厚み方向に単一の結晶方位を持つ結晶を意味し、結晶の面内方位は特に問うものではない。また、「単結晶」とは、厚み方向及び面内方向に単一の結晶方位を有する結晶を意味する。圧電体が圧電膜である場合、3軸配向性のエピタキシャル膜も単結晶に含むものとする。ここで単一の結晶方位とは、Lotgerling法により測定される配向率Fが、80%以上であることと定義する。
配向率Fは、下記式で表される。
F(%)=(P−P0)/(1−P0)×100・・・(i)
式(i)中、Pは、配向面からの反射強度の合計と全反射強度の合計の比である。(001)配向の場合、Pは、(00l)面からの反射強度I(00l)の合計ΣI(00l)と、各結晶面(hkl)からの反射強度I(hkl)の合計ΣI(hkl)との比({ΣI(00l)/ΣI(hkl)})である。例えば、ペロブスカイト結晶において(001)配向の場合、P=I(001)/[I(001)+I(100)+I(101)+I(110)+I(111)]である。
P0は、完全にランダムな配向をしている試料のPである。
完全にランダムな配向をしている場合(P=P0)にはF=0%であり、完全に配向をしている場合(P=1)にはF=100%である。
前記圧電体が、基板上に成膜された圧電膜である場合は、厚み1μm以上100μm以下の圧電膜であることが好ましい。この場合、単結晶基板であることがより好ましい。
また、前記圧電体がバルク体である場合は、Pbを含まない粒子配向セラミックス焼結体からなるものであってもよい。
本発明の圧電アクチュエータは、上記本発明の圧電素子と、該圧電素子の前記圧電体に電界を印加して前記圧電素子を駆動する駆動手段とを備えたことを特徴とするものである。
本発明の液体吐出装置は、上記本発明の圧電アクチュエータと、該圧電アクチュエータの前記基板に一体的にまたは別体として設けられた液体吐出部材とを備え、該液体吐出部材は、液体が貯留される液体貯留室と、該液体貯留室から外部に前記液体が吐出される液体吐出口とを有するものであることを特徴とするものである。
本発明の発電装置は、前記圧電体の下層に、外部からの力を前記圧電体に伝えて該圧電体を変位させる振動板を備えた上記本発明の圧電素子と、前記変位により該圧電体に生じる電荷を前記電極から外部に取り出す取り出し電極とを備えたことを特徴とするものである。
本発明の圧電素子は、圧電歪定数d33(pm/V)と比誘電率ε33とが下記式(1)及び(2)を満足する圧電体を備えた構成としている。
100<ε33<1500 ・・・(1)、
33(pm/V)>12√ε33 ・・・(2)
背景技術の項において述べたように、これまで高いd33値と高いg33値を両立することは難しいとされていたが、上記構成の本発明により、はじめて、誘電率を高めることなく高いd33値を得ることに成功した。本発明の圧電素子では、従来の圧電体に比して低誘電率にて高いd33値を有する圧電体、つまり、d33値及び電圧出力定数g33が共に優れた圧電体を備えているため、発信能および受信能が共に優れた圧電素子となる。従って、本発明によれば、圧電アクチュエータ、センサ、更に、超音波センサ、発電素子として好適な圧電素子を得ることができる。
また、圧電素子は、その消費電力は誘電率が低いほど、圧電定数が高いほど小さくなる。従って、本発明によれば、高性能かつ高効率な圧電素子を提供することができる。
更に、本発明の圧電素子では、Pbを含まないペロブスカイト型酸化物からなる圧電体を備えた構成とすることが可能である。Pbは、その有害性により電気電子機器等においてもできるだけ含まれないことが好ましいとされていることから、かかる構成は、環境負荷の低減の観点からも好ましい。
本発明に係る実施形態の圧電素子及びこれを備えたインクジェット式記録ヘッド(液体吐出装置)の構造を示す要部断面図 種々のペロブスカイト型酸化物について、Aサイト元素のイオン半径と、Bサイト元素のイオン半径と、許容因子TFと、結晶系との関係を示す図 図1のインクジェット式記録ヘッドを備えたインクジェット式記録装置の構成例を示す図 図2のインクジェット式記録装置の部分上面図 (A)は本発明に係る実施形態の発電装置の要部上面図、(B)は(A)の発電装置のA−A’断面図。 実施例1の圧電体のXRD結果を示す図 実施例1の圧電体のTEM像及び電子線回折結果を示す図 AFMによる圧電特性の誤差に対するサイドエッチングの効果を示す図(非特許文献3Fig.1より) 実施例2の圧電体のXRD結果を示す図 実施例の圧電素子及び既存の鉛系、非鉛系材料を用いた圧電素子の誘電率と圧電歪定数との関係を示す図 実施例の圧電素子及び既存の鉛系、非鉛系材料を用いた圧電素子の圧電歪定数と電圧出力定数との関係を示す図
「圧電素子、圧電アクチュエータ、及びインクジェット式記録ヘッド」
図面を参照して、本発明に係る実施形態の圧電素子、及びこれを備えた圧電アクチュエータ(圧電装置)、及びインクジェット式記録ヘッド(液体吐出装置)の構造について説明する。図1はインクジェット式記録ヘッドの要部断面図(圧電素子の厚み方向の断面図)である。視認しやすくするため、構成要素の縮尺は実際のものとは適宜異ならせてある。
図1に示す圧電素子1は、基板11の表面に、下部電極12と圧電体13と上部電極14とが順次積層された素子である。圧電体13は圧電性を有する無機化合物結晶からなり、下部電極12と上部電極14とにより厚み方向に電界が印加されるようになっている。
基板11としては特に制限されないが、圧電体13がペロブスカイト型酸化物からなる(不可避不純物を含んでいてもよい。)場合、積層される圧電体13等の各層と格子整合性が良好で、且つ配向を制御しやすいことから、チタン酸ストロンチウム等のペロブスカイト型単結晶基板であることが好ましい。基板11としては、その他、シリコン,ガラス,ステンレス(SUS),イットリウム安定化ジルコニア(YSZ),アルミナ,サファイヤ,シリコンカーバイド等の基板が挙げられる。基板11としては、シリコン基板上にSiO膜とSi活性層とが順次積層されたSOI基板等の積層基板を用いてもよい。
下部電極12の主成分としては特に制限なく、Au,Pt,Ir,IrO,RuO,LaNiO,及びSrRuO等の金属又は金属酸化物、及びこれらの組合せが挙げられ、基板と同様、積層される各層と格子整合性が良好で、且つ配向を制御しやすいことからペロブスカイト構造を有するLaNiO,及びSrRuO等金属酸化物電極が好ましい。本実施形態では後記する圧電アクチュエータに振動板16を備えた構成としているが、下部電極12に振動板としての機能を兼ね備えさせることもできる。
上部電極14の主成分としては特に制限なく、下部電極20で例示した材料,Al,Ta,Cr,Cu等の一般的に半導体プロセスで用いられている電極材料、及びこれらの組合せが挙げられる。
下部電極12と上部電極14の厚みは特に制限なく、電極として圧電体13に実効的に電界を加えるために必要な導電性を有するための最低の厚みが必要である。その厚みは電極材料の導電率や圧電素子1全体の大きさによって決めることができ、例えば、50〜500nmであることが好ましい。また、各電極は多層構造であってもよい。
また、圧電素子1では、圧電体13の結晶性や配向性を制御するためや、各層の密着性等を良好にするために、各種バッファ層を備えた構成としてもよい。バッファ層としては、基板及び下地の格子定数と8%以下の違いの範囲で一致していることが好ましい。
圧電アクチュエータ(圧電装置)2は、圧電素子1の基板11の裏面に、圧電体14の伸縮により振動する振動板16が取り付けられたものである。圧電アクチュエータ2には、圧電素子1を駆動する駆動回路等の駆動手段15も備えられている。圧電体13の駆動手段15による駆動条件は制限されない。
インクジェット式記録ヘッド(液体吐出装置)3は、概略、圧電アクチュエータ2の裏面に、インクが貯留されるインク室(液体貯留室)21及びインク室21から外部にインクが吐出されるインク吐出口(液体吐出口)22を有するインクノズル(インク貯留吐出部材)20が取り付けられたものである。
インクジェット式記録ヘッド3では、圧電素子1に印加する電界強度を増減させて圧電素子1を伸縮させ、これによってインク室21からのインクの吐出や吐出量の制御が行われる。
基板11とは独立した部材の振動板16及びインクノズル20を取り付ける代わりに、基板11の一部を振動板16及びインクノズル20に加工してもよい。例えば、基板11がSOI基板等の積層基板からなる場合には、基板11を裏面側からエッチングしてインク室21を形成し、基板自体の加工により振動板16とインクノズル20とを形成することができる。
圧電体13は、厚み1μm以上10μm以下の圧電膜であることが好ましい。アクチュエータ用途では、かかる膜厚の場合はアクチュエータを駆動させる実効電界を特殊な駆動電源を用いることなく設定することができる。
圧電体13の配向性は特に制限されないが、特性が良好になることから、<100>又は<001>の1軸配向性を有する多結晶、又は単結晶(エピタキシャル膜を含む)であることが好ましい。
圧電体13が1軸配向性を有するかどうかは、X線回折を用いて確認することができる。例えば、<100>単結晶(エピタキシャル膜)である場合は、X線回折の2θ/θ測定での圧電体に起因するピークは、{100},{200}等の{L00}面(Lは1,2,3・・・n,nは整数)のピークのみが検出される。更に、{110}非対称面の極点測定をした際に、中心から約45度の傾きを表す同じ半径位置に90°毎に4回対称のスポット状のパターンが得られる。
また、<100>1軸配向性の圧電体13において、{110}非対称面の極点測定をした際に、中心から約45°の傾きを表す同じ半径位置に8回対称や12回対称のパターンが得られる結晶や、パターンが楕円状のスポットである結晶もありえる。これらの結晶も本実施形態の結晶の単結晶と1軸配向結晶の中間の対称性を有するものであるため、広義に単結晶及び1軸配向結晶とみなす。また、結晶相については複数の結晶層が混在していても、双晶に起因する結晶が混在する場合や、転移や欠陥等がある場合も、広義に単結晶及び1軸配向結晶とみなす。
上記のように圧電体13は配向性を有することが好ましいため、後記する圧電体13の組成制御が可能であり、配向制御が可能な成膜方法であれば、圧電体13の成膜方法は特に制限されない。かかる膜を成膜可能な成膜方法としては、例えば、スパッタ法、MOCVD法、CVD法、MBE法、及びパルスレーザデポジション(PLD)法等の気相法;ゾルゲル法、水熱合成法、及び有機金属分解法等の液相法など公知の薄膜形成方法が挙げられる。圧電体13を良好に配向制御して一軸配向性結晶やエピタキシャル膜とする場合は、上記したように、基板11及び下部電極12に圧電体13と格子整合性が良く配向性の良好なものを用いるが好ましい。例えば、エピタキシャル膜を形成可能な下部電極/基板の好適な組合せとしては、SrRuO/SrTiO、及びPt/MgO、SRO/MgO/Si等が挙げられる。
本実施形態において、圧電体13は、圧電歪定数d33(pm/V)と比誘電率ε33とが下記式(1)及び(2)を満足する圧電体を備えた構成としている。
100<ε33<1500 ・・・(1)、
33(pm/V)>12√ε33 ・・・(2)
圧電歪には、
(i)自発分極軸のベクトル成分と電界印加方向とが一致したときに、電界印加強度の増減によって電界印加方向に伸縮する通常の電界誘起圧電歪(真性圧電歪(intrinsic))、
(ii)電界印加強度の増減によって分極軸が可逆的に非180°回転することで生じる圧電歪、
(iii)電界印加強度の増減によって結晶を相転移させ、相転移による体積変化を利用する圧電歪、
(iv)電界印加により相転移する特性を有する材料を用い、自発分極軸方向とは異なる方向に結晶配向性を有する強誘電体相を含む結晶配向構造とすることで、より大きな歪が得られるエンジニアードドメイン効果を利用する圧電歪(エンジニアードドメイン効果を利用する場合には、相転移が起こる条件で駆動してもよいし、相転移が起こらない範囲で駆動してもよい)などが挙げられる。
上記(i)の圧電歪は真性(intrinsic)圧電歪、(ii)〜(iv)はいずれも外因性(extrinsic)の圧電歪であり、(i)〜(iv)はそれぞれの歪発生の原理に応じた組成や結晶配向構造とすることにより大きな圧電歪が得られる。圧電歪(i)〜(iv)は単独で又は組み合わせて利用することができる。
背景技術の項において述べたように、圧電素子において、d定数は、単位電界あたりの歪量(発信能)の指標であり、また、g定数は、単位応力あたりの発生電界強度(受信能)の指標となる。
一般に、上記(i)の通常の電界誘起圧電歪(intrinsicな圧電歪:真性圧電歪)の縦振動モードの圧電歪定数d33(pm/V)と比誘電率ε33とはd33=k33√s√ε√ε33の関係にあり、g33=d33/εε33で算出されることが知られている。つまり、intrinsicな圧電歪において、α=k33√s√εとした時、d33は√ε33に比例し、g33は反比例することが知られている(k33は電気機械結合係数、εは真空の誘電率(N/V)、sは弾性コンプライアンス(m/N))。
また、これまで開発されている公知材料、及び本発明者らが発明し開示してきた高いintrinsicな圧電歪が得られる材料は、鉛系(Pb系)、非鉛系材料共に、√ε33に対してd33はほぼ比例することが確認されている(後記実施例の図10を参照)。
しかしながら、本発明者らが上記目的を達成するために材料設計及びその製造方法、配向性等を検討した結果、図10に示される直線上から大きくはずれる、同じ誘電率ε33を有しながらd33値がこれまでの材料に比して大きい圧電体、即ち、上記式(1)及び(2)を満足する圧電体13とすることにより、後記実施例に示されるように、d33値及びg33が共に優れ、発信能および受信能が共に優れた圧電素子1を得ることに成功した(後記実施例の図10、図11参照)。
また、圧電素子の消費電力は比誘電率ε33が低いほど、圧電定数d33が高いほど小さくなる。従って、圧電素子1は、高性能かつ高効率な圧電素子となることが可能である。
以下に上記式(1)及び(2)を満足する圧電体13の材料設計の一例について説明する。
従来、鉛系のペロブスカイト型酸化物のバルクセラミクスでは、MPB組成において、圧電性能と、Aサイト元素の平均原子量MとBサイト元素の平均原子量Mとの差|M−M|とには相関があり、|M−M|が大きいほど電気機械結合係数k33が大きくなり、圧電性能が優れることが報告されている(東芝レビューVol.59, No. 10, p.41 (2004))。
一方、s33値はヤング率の逆数であるため、比較的低いヤング率も材料を選定することによりある程度特性を高めることは可能であるが、ある程度材料によって範囲が固定される値である。従って、比誘電率を高くすることなくd33値を高くするには、k33値を高くすることが好ましい。
本発明者らは、非鉛系のペロブスカイト型酸化物においても同様の相関があることを見出し、|M−M|が大きくなるように、Aサイト元素とBサイト元素とを選択することにより、より優れた圧電性能を得ることができると考え、特開2008-195603において、AサイトがBi(原子量209.0)を主成分とする33系ペロブスカイト型酸化物において、モルフォトロピック相境界(MPB)及びその近傍となるように、組成を設計することにより、高い電気機械結合係数k33値及び優れた圧電性能を、非鉛系ペロブスカイト型酸化物において達成したことを報告している。ここで、「MPBの近傍」とは、電界をかけた時に相転移する領域のことである。
圧電体13においても、圧電体13が1種又は2種以上のペロブスカイト型酸化物からなる(不可避不純物を含んでいてもよい)場合は、特開2008−195603と同様に、MPB組成において|M−M|が大きくなるように、Aサイト元素とBサイト元素とを選択することにより、電気機械結合係数k33を高いものとすることができる。
圧電体13としては、鉛系、非鉛系の制限はないが、環境負荷の点から非鉛系であることが好ましい。本発明者らは、特開2008−195603と同様の手法により、非鉛系において上記式(1)及び(2)を満足する圧電体13の材料設計を行ったところ、下記一般式(P)で表される1種又は2種以上のペロブスカイト型酸化物が圧電体13として好適であることを見いだし、更に、一般式(P)において、Aサイト元素AがBa及び/又はBiである場合、Bサイト元素MはTi及びFe以外の元素であり、Bサイト元素MがTi及び/又はFeである場合、Aサイト元素AはBa及びBi以外の元素であり、下記式(5)及び(6)を満足するものであることがより好ましく、下記式(7)を満足するものであることが更に好ましいことを見いだした。
(Ba,Bi,A)(Ti,Fe,M)O・・・(P)
(式(P)中、Ba,Bi,及びAはAサイト元素、Ti,Fe,及びMはBサイト元素。A及びMは、Pbを除く各々1種又は複数種の金属元素である。Aサイト元素の総モル数及びBサイト元素の総モル数の、酸素原子のモル数に対する比は、それぞれ1:3が標準であるが、ペロブスカイト構造を取り得る範囲内で1:3からずれてもよい。)
0.97≦TF(P)≦1.02・・・(5)、
TF(BiFeO)<TF(AMO)<TF(BaTiO)・・・(6)、
0.97≦TF(AMO)≦1.02・・・(7)
(式中、TF(P)は上記一般式(P)で表される酸化物の許容因子、TF(BiFeO)、TF(AMO)、及びTF(BaTiO)はそれぞれ()内に記載の酸化物の許容因子である。)
上記材料設計において、本発明者らは、BaTiO、BiFeO、AMO、及び上記一般式(P)で表されるペロブスカイト型酸化物について、各々理論的に許容因子を求める(TF(BaTiO)=1.059、TF(BiFeO)=0.989)。この際、実際には単独でペロブスカイト型酸化物にならないものでも許容因子を理論的に求める。そして、上記規定の関係となるように、上記一般式(P)の組成を決定している。
図2は、1個又は2個の元素によりAサイトが構成され、1個又は2個の元素によりBサイト元素が構成された種々のペロブスカイト型酸化物について、Aサイト元素の平均イオン半径と、Bサイト元素の平均イオン半径と、許容因子TFと、結晶系との関係を示す図である。図中、結晶系を示す符号は各々、C:立方晶(cubic crystal)、M:単斜晶(monoclinic crystal)、PC:疑立方晶(pseudocubic crystal)、R:菱面体晶(rhombohedral crystal)、T:正方晶(tetragonal crystal)、Tr:三方晶(trigonal crystal)である。図2中にMnが2つ記載されているが、0.64Åは3価のMnのイオン半径であり、0.67Åは2価のMnのイオン半径である。
TF=1.0のとき、ペロブスカイト構造の結晶格子は最密充填となる。この条件では、Bサイト元素は結晶格子内でほとんど動かず安定した構造を取りやすい。この組成では、立方晶又は疑立方晶などの結晶構造を取りやすく、強誘電性を示さない、あるいは強誘電性を示してもそのレベルは極めて小さい。
TF>1.0のとき、Aサイト元素に対してBサイト元素が小さい。この条件では、結晶格子が歪まなくてもBサイト元素は結晶格子内に入りやすく、かつBサイト元素は結晶格子内で動きやすい。この組成では、正方晶(自発分極軸<001>方向)などの結晶構造を取りやすく、強誘電性を有する。TFの値が1.0から離れる程、強誘電性は高くなる傾向がある。
TF<1.0のとき、Aサイト元素に対してBサイト元素が大きい。この条件では、結晶格子が歪まなければBサイト元素が結晶格子内に入らない。この組成では、斜方晶(自発分極軸<110>方向)又は菱面体晶(自発分極軸<111>方向)などの結晶構造を取りやすく、強誘電性を有する。TFの値が1.0から離れる程、強誘電性は高くなる傾向がある。
表1は、TF>1.0の第1成分とTF<1.0の第2成分との既存の種々の混晶について、各成分単独の結晶系/Aサイトイオン半径/Bサイトイオン半径/TF、モルフォトロピック相境界(MPB)となる第1成分と第2成分との割合(モル比)、及びMPB組成の第1成分と第2成分との混晶のAサイト平均イオン半径/Bサイト平均イオン半径/TFをまとめたものである。表1中、結晶系を示す符号は各々、T:正方晶(tetragonal crystal)、O:斜方晶(orthorhombic crystal)、R:菱面体晶(rhombohedral crystal)である。
表1から分かるように、MPB組成のTFは0.97〜1.02に収まっている。従って、0.97≦TF(P)≦1.02・・・(5)を満足する組成とすることにより、圧電体13は、MPB又はその近傍の組成を有するものとすることができる。
一般式(P)であらわされるペロブスカイト型酸化物では、TF>1.0の第1成分BaTiO(TF=1.059)と、TF<1.0の第2成分BiFeO(TF=0.989)を含んでおり、MPBを構成することができる。従って、一般式(P)において、全体のTFが0.97〜1.02となるように、添加元素A,Mを選定することで、上記式(5)〜(6)、好ましくは上記式(5)〜(7)を満足するペロブスカイト型酸化物を設計することができる。
具体的には、Aサイト元素Aとしては、La,Ca,Sb,Bi,Si,Sr等が、挙げられ、非鉛系ではなくなるが、Pbも選択することができる。また、Bサイト元素Bとしては、Nd,Nb,Ta,Cr,Fe,Sc等が挙げられる。
例えば、第三成分にSrTiOを選択した場合、SrTiOはTF=1.002でほぼ1.0(0.97〜1.01の範囲内)にあるので、BaTiOとBiFeOとにSrTiOを添加することで、添加後の全体のTFを0.97〜1.01とすることができる。このときの組成は(Ba,Bi,Sr)(Ti,Fe)Oである。
また、上記式(5)中のAMOにおいてA又はMが複数元素からなる場合は、各元素の混合量は(5)式を満たす範囲で任意である。その場合、A及びMの一部がドーパントとして機能してもよい。
Aサイト及びBサイトにドーパントを添加することにより、電気特性が良好になることが知られている。ドーパントとして好ましい元素としては、Mg,Ca,Sr,Ba,Bi,Nb,Ta,W,Mn,及びLn(=ランタニド元素(La,Ce,Pr,Nd,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,及びLu))等の金属イオンが挙げられる。
また、BiFeOはキュリー温度の高い材料として知られている。従って、一般式(P)において、BiFeOの組成が多くなればなるほど、圧電体13のキュリー温度の高くなる。従って、高温雰囲気下での使用の可能性も高くなる。
上記ペロブスカイト型酸化物の相構造は、BaTiO、BiFeO、及びAMOの3成分が共存した3相混晶構造になる場合もあるし、BaTiO、BiFeO、及びAMOが完全固溶して1つの相になる場合もあるし、その他の構造もあり得る。
ただし、一般式(P)で示されるペロブスカイト型酸化物は、TF>1.0の第1成分BaTiOと、TF<1.0の第2成分BiFeOと、TFが1.0に近い第3成分AMOとを含むことが好ましい(各成分において、Aサイト元素の総モル数及びBサイト元素の総モル数の、酸素原子のモル数に対する比は、それぞれ1:3が標準であるが、ペロブスカイト構造を取り得る範囲内で1:3からずれてもよい。)。
また、第1成分BaTiOと第2成分BiFeOと第3成分AMOとは結晶系が異なっていることが特に好ましい。例えば、第1成分BaTiOの結晶系は、正方晶系であり、第2成分BiFeOの結晶系は、菱面体晶であり、第3成分AMOの結晶系が立方晶系又は疑立方晶系である態様が挙げられる。圧電体13が、上記第1〜第3成分(BaTiO、BiFeO、AMO)の3相混晶構造であるペロブスカイト型酸化物は、発明者が特開2007-116091号にて提案している電界誘起相転移の系に有効な材料であり、高い圧電性能が得られることを見出している。
本実施形態の圧電素子1において、上記材料設計の圧電体13とすることにより、下記式(3)及び式(4)を満足する、定数及び定数が両方高い圧電素子とすることができる。
100<d33(pm/V) ・・・(3)
80<g33(×10−3V・m/N) ・・・(4)
(式中、g33は前記圧電体の電圧出力定数(圧電感度定数)である。)
後記実施例の図10に示されるように、圧電素子1において、約200pm/Vのd33値を達成している。このd33値は、非鉛系では本願出願時までに報告された中で世界最高レベルである。圧電体13を上記材料設計に基づいて設計された上記ペロブスカイト型酸化物とすることで、MPB又はその近傍の組成を有し、且つ電気機械結合係数が高く、圧電性能の高い圧電素子1とすることができる。
以上、圧電体13について、非鉛系で特に好ましい材料について説明したが、圧電体13としてはこれらの材料に限られるものではない。上記したペロブスカイト型酸化物の組成を設計する方法は、上記材料に限らず、また鉛系、非鉛系に限らず適用することができる。より良好な圧電特性を有することから、MPB組成を有するものであることが好ましいが、電気機械結合係数k33を良好に高めることにより、MPB組成以外であっても圧電体13を形成することができる。また、既に述べた(i)〜(iv)の圧電歪みを好適に組み合わせることにより、更に高特性化をすることが可能である。
「インクジェット式記録装置」
図3及び図4を参照して、上記実施形態のインクジェット式記録ヘッド3を備えたインクジェット式記録装置の構成例について説明する。図3は装置全体図であり、図4は部分上面図である。
図示するインクジェット式記録装置100は、インクの色ごとに設けられた複数のインクジェット式記録ヘッド(以下、単に「ヘッド」という)3K,3C,3M,3Yを有する印字部102と、各ヘッド3K,3C,3M,3Yに供給するインクを貯蔵しておくインク貯蔵/装填部114と、記録紙116を供給する給紙部118と、記録紙116のカールを除去するデカール処理部120と、印字部102のノズル面(インク吐出面)に対向して配置され、記録紙116の平面性を保持しながら記録紙116を搬送する吸着ベルト搬送部122と、印字部102による印字結果を読み取る印字検出部124と、印画済みの記録紙(プリント物)を外部に排紙する排紙部126とから概略構成されている。
印字部102をなすヘッド3K,3C,3M,3Yが、各々上記実施形態のインクジェット式記録ヘッド3である。
デカール処理部120では、巻き癖方向と逆方向に加熱ドラム130により記録紙116に熱が与えられて、デカール処理が実施される。
ロール紙を使用する装置では、図3のように、デカール処理部120の後段に裁断用のカッター128が設けられ、このカッターによってロール紙は所望のサイズにカットされる。カッター128は、記録紙116の搬送路幅以上の長さを有する固定刃128Aと、該固定刃128Aに沿って移動する丸刃128Bとから構成されており、印字裏面側に固定刃128Aが設けられ、搬送路を挟んで印字面側に丸刃128Bが配置される。カット紙を使用する装置では、カッター128は不要である。
デカール処理され、カットされた記録紙116は、吸着ベルト搬送部122へと送られる。吸着ベルト搬送部122は、ローラ131、132間に無端状のベルト133が巻き掛けられた構造を有し、少なくとも印字部102のノズル面及び印字検出部124のセンサ面に対向する部分が水平面(フラット面)となるよう構成されている。
ベルト133は、記録紙116の幅よりも広い幅寸法を有しており、ベルト面には多数の吸引孔(図示略)が形成されている。ローラ131、132間に掛け渡されたベルト133の内側において印字部102のノズル面及び印字検出部124のセンサ面に対向する位置には吸着チャンバ134が設けられており、この吸着チャンバ134をファン135で吸引して負圧にすることによってベルト133上の記録紙116が吸着保持される。
ベルト133が巻かれているローラ131、132の少なくとも一方にモータ(図示略)の動力が伝達されることにより、ベルト133は図3上の時計回り方向に駆動され、ベルト133上に保持された記録紙116は図3の左から右へと搬送される。
縁無しプリント等を印字するとベルト133上にもインクが付着するので、ベルト133の外側の所定位置(印字領域以外の適当な位置)にベルト清掃部136が設けられている。
吸着ベルト搬送部122により形成される用紙搬送路上において印字部102の上流側に、加熱ファン140が設けられている。加熱ファン140は、印字前の記録紙116に加熱空気を吹き付け、記録紙116を加熱する。印字直前に記録紙116を加熱しておくことにより、インクが着弾後に乾きやすくなる。
印字部102は、最大紙幅に対応する長さを有するライン型ヘッドを紙送り方向と直交方向(主走査方向)に配置した、いわゆるフルライン型のヘッドとなっている(図4を参照)。各印字ヘッド3K,3C,3M,3Yは、インクジェット式記録装置100が対象とする最大サイズの記録紙116の少なくとも一辺を超える長さにわたってインク吐出口(ノズル)が複数配列されたライン型ヘッドで構成されている。
記録紙116の送り方向に沿って上流側から、黒(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の順に各色インクに対応したヘッド3K,3C,3M,3Yが配置されている。記録紙116を搬送しつつ各ヘッド3K,3C,3M,3Yからそれぞれ色インクを吐出することにより、記録紙116上にカラー画像が記録される。
印字検出部124は、印字部102の打滴結果を撮像するラインセンサ等からなり、ラインセンサによって読み取った打滴画像からノズルの目詰まり等の吐出不良を検出する。
印字検出部124の後段には、印字された画像面を乾燥させる加熱ファン等からなる後乾燥部142が設けられている。印字後のインクが乾燥するまでは印字面と接触することは避けた方が好ましいので、熱風を吹き付ける方式が好ましい。
後乾燥部142の後段には、画像表面の光沢度を制御するために、加熱・加圧部144が設けられている。加熱・加圧部144では、画像面を加熱しながら、所定の表面凹凸形状を有する加圧ローラ145で画像面を加圧し、画像面に凹凸形状を転写する。
こうして得られたプリント物は、排紙部126から排出される。本来プリントすべき本画像(目的の画像を印刷したもの)とテスト印字とは分けて排出することが好ましい。このインクジェット式記録装置100では、本画像のプリント物と、テスト印字のプリント物とを選別してそれぞれの排出部126A、126Bへと送るために排紙経路を切り替える選別手段(図示略)が設けられている。
大きめの用紙に本画像とテスト印字とを同時に並列にプリントする場合には、カッター148を設けて、テスト印字の部分を切り離す構成とすればよい。
インクジェット記記録装置100は、以上のように構成されている。
「発電装置」
図面を参照して、本発明に係る実施形態の圧電素子、及びこれを備えた発電装置の構造について説明する。図5(A)は発電装置の上面図、図5(B)は要部断面図(圧電素子の厚み方向の断面図)である。視認しやすくするため、構成要素の縮尺は実際のものとは適宜異ならせてある。
図5(B)に示す発電装置4は、圧電素子1の裏面に外部からの力を圧電体13に伝えて該圧電体を変位させる振動板16を備え、変位により圧電体13に生じる電荷を電極(下部電極12、上部電極14)から外部に取り出す取り出し電極40(41,42)を備えた構成としている。本実施形態において圧電素子1は片持ち梁態様に支持された構成としており(図5(A))、支持されている端部は外部からの力を発生させる発生源(図示略)に接続されている。発電装置4の表面(上面)は、取り出し電極40の表面を除きSiO等の絶縁性の保護膜43で覆われている。片持ち梁態様は、外力が加わった際に圧電体13が大きく変位しやすいため好ましい。
外力が加わって圧電体13が変位すると、圧電素子1には引っ張り応力と圧縮応力が発生する。圧電体13は振動板16に固着されていることから、固着面が伸び縮みできずに圧電体13には上記応力が加わることになり、その結果下部電極12及び上部電極14には電荷が生じる。
振動板16としては、良好な弾性を有しているものであれば特に制限されず、樹脂、金属、セラミックス等様々な材料を用いることができ、ステンレス鋼やリン青銅などの耐腐食性が良く弾性の大きいものが特に好ましい。
取り出し電極40としては特に制限されないが、導電性の良好なAu等の金属電極であることが好ましい。
発電装置4は、例えば、基板11としてSOI基板を用いる場合、基板11上に下部電極12,圧電体13、上部電極を順次形成した後、上記インクジェット式記録ヘッド3と同様に、基板11の裏面側から、基板の一部をエッチングにより加工して振動板16を備えた片持ち梁態様を形成し、次いで、保護膜43、取り出し電極40を形成し、最後にドライエッチングにより加工して製造することができる。
圧電素子1は、上記インクジェット式記録ヘッドの圧電素子1と同様の構成としているが、アクチュエータ用途においてはd定数がその性能の指標となるが、発電装置としての用途においては、背景技術の項において記載したように、発電効率はd×gがその指標となることから、d定数だけでなくg定数も高いことが必要となる。
上記インクジェット式記録ヘッド3の実施形態においては、d定数についてのみ説明をしたが、上記したように、上記実施形態の圧電素子1は、低誘電率且つ高い電気機械結合係数k33を有する圧電体13を備えた構成としている。従って、上記実施形態で説明した圧電素子1は、d定数及びg定数が両方高い素子である。
例えば、後記実施例では、図10、図11に示されるように低い誘電率において高いd33値、g33値を達成している(d33≧200pm/V、g33≧120×10−3V・m/N)。既に述べたように、発電効率は圧電材料のd定数とg定数との積(d33×g33)がその指標となる。実施例では、d33×g33≧24×10−12(m/N)と高いd33×g33値が得られていることから、本実施形態の発電装置4によれば、高いd33×g33値を有し、発電効率に優れた発電装置を得ることが可能となる。
圧電素子1は、圧電歪定数d33(pm/V)と比誘電率ε33とが下記式(1)及び(2)を満足する圧電体13を備えた構成としている。
100<ε33<1500 ・・・(1)、
33(pm/V)>12√ε33 ・・・(2)
圧電素子において、これまで高いd33値と高いg33値を両立することは難しいとされていたが、本実施形態により、はじめて、誘電率を高めることなく高いd33値を得ることに成功した。圧電素子1では、従来の圧電体に比して低誘電率にて高いd33値を有する圧電体、つまり、d33値及び電圧出力定数g33が共に優れた圧電体13を備えているため、発信能および受信能が共に優れた圧電素子1となる。従って、圧電素子1は、圧電アクチュエータ及び発電素子として好適なものである。
また、圧電素子は、その消費電力は誘電率が低いほど、圧電定数が高いほど小さくなる。従って、圧電素子1は、高性能かつ高効率な圧電素子となる。
更に、圧電素子1では、Pbを含まないペロブスカイト型酸化物からなる圧電体13を備えた構成とすることが可能である。Pbは、その有害性により電気電子機器等においてもできるだけ含まれないことが好ましいとされていることから、かかる構成は、環境負荷の低減の観点からも好ましい。
「設計変更」
上記実施形態では、圧電体13が、基板上に成膜された圧電膜である場合について説明したが、圧電体13はバルク体であってもよい。バルク体である場合も単結晶又は粒子配向性セラミクス焼結体であることが好ましい。粒子配向性セラミックス焼結体は、ホットプレス法、シート法、及びシート法で得られる複数のシートを積層プレスする積層プレス法等により、形成できる。
上記実施形態では、圧電素子1は、インクジェット式記録ヘッドに用いられるアクチュエータ用途及び発電装置で用いられる場合について説明したがこれらの用途に制限されるものではない。圧電素子1は、受信性能及び発信性能共に良好なものであることから、いずれの特性を必要とする場合にでも良好に適用することができる。従って、センサや、超音波センサ等、圧電素子の受信能及び発信能のいずれの特性を要求されるものにおいても高性能なものとなる。
また、用途に応じて圧電体の厚み等の好適な態様は異なる。例えば、超音波センサ用途では、圧電膜の膜厚は10〜100μm程度有していることが好ましい。従って、本発明の圧電素子において、適宜大きさや膜厚は用途に応じて設計されることが好ましい。
本発明に係る実施例及び比較例について説明する。
(実施例1)
厚み500μmの(100)SrTiO(STO)基板を用意し、パルスレーザデポジション法(PLD法)にて、その表面に膜厚約200nmのSrRuO(SRO)下部電極を成膜した。その際、ターゲットは市販のSROターゲットを用い、成膜条件は基板温度700℃,酸素分圧10mmTorr(1.3Pa),レーザ強度300mJ,レーザパルス周波数5Hz,基板―ターゲット間距離50mm,ターゲット回転数9.7rpmとし、成膜時間は約10分間とした。
次いで、基板温度を580℃,酸素分圧50mTorrとし、SRO下部電極上に、同じくPLD法により膜厚が1200nmの、組成の異なる2種類の(Ba,Bi)(Ti,Fe,Mn)O3 膜を形成した。組成はそれぞれ、(Ba0.2,Bi0.8)(Ti0.19,Fe0.76,Mn0.05)O3((1)膜)及び、(Ba0.3,Bi0.7)(Ti0.29,Fe0.66,Mn0.05)O3((2)膜)とし、これらの組成が得られるようにターゲットを作製して成膜を行った。成膜時に用いたターゲットは、以下の方法により作製したものを使用した。
まず、市販のBaTiO,BiFeO,及びMnの粉末を用意し、それぞれ所望の組成となるように計量してボールミルと乳鉢とを用いて均一になるまで混合した。BiFeOの粉末は、蒸気圧が高いため揮発しやすいBiの揮発分を補うために、Biの組成が10%過剰に含まれる組成のものを用いた。
得られた圧電膜についてXRD及び電子線回折により結晶構造解析を行った。その結果を図6及び7にそれぞれ示す。図7は圧電素子のTEM像と電子線回折による測定結果を併せて示したものであり、[100]入射の回折パターンのみが観察されている。従って、図6及び図7より、結晶方位の良くそろった(001)エピタキシャル膜であることが確認された。なお、図6及び図7は、Ba組成が0.3である(2)膜についての測定結果である。(1)膜についても同様の結果が得られたが、ここでは省略する。
また、得られたターゲット組成が(Ba0.2,Bi0.8)(Ti0.19,Fe0.76,Mn0.05)O3である圧電膜(1)の誘導結合プラズマ(Inductively Coupled Plasma、略称ICP)による組成分析を行ったところ、(Ba0.22,Bi0.78)(Ti0.17,Fe0.79,Mn0.04)O3であり、ターゲットとの組成のずれは5%以下であることが確認された。
次に、圧電膜の特性評価のために、圧電膜の上に、直径10μmと100μm,厚み100nmのPt上部電極をスパッタ法により形成して、本発明の圧電素子を作製した。評価として誘電率ε33測定及び圧電定数d33測定を実施するために、上部電極は2カ所に形成した。
得られた圧電素子の誘電率ε33の測定は、100μmの電極にて東陽テクニカ社製インピーダンスアナライザを使用し、圧電定数d33の測定は10μmの上部電極を備えた圧電膜をサイドエッチングした後にAFMにより実施した。
AFMによるd33の測定は、以下のようにして実施した。
上部電極の表面に、AFMのプローブを接触させておき、電圧印加時の伸びをプローブの上下方向の移動量から求める。測定周波数は1kHzとした。本方法では、測定の精度を上げるため、サイドエッチングを行った。
AFMによる圧電特性の測定については、非特許文献3「H. Okino et al, “Electric-Field-Induced displacements in Pt/PZT/Pt/SiO2/Si System Investigated by Finite Element Method: Material-Constant Dependences.”, Mater. Res. Soc. Symp. Proc. Vol. 902E, T03-49.1, 2006.」に、その測定誤差及びサイドエッチングによる高精度測定について記載されている。
上記文献には、基板/下部電極/圧電体膜/上部電極(ドット状)の順に積層された圧電素子において、膜の形状(サイドエッチングの有無)や上部電極のサイズ(結局は上部電極サイズ/膜の厚み)の違いにより、AFMで得られる値の精度について論じている。文献のFig.1(本明細書図8)に示されるように、基板や積層膜に圧電膜が拘束されていることによる制約により、本来の圧電素子の圧電特性よりも小さな特性が検出されるが、拘束されている部分にサイドエッチングを施すことにより(図中×印及びエッチング部)、拘束から解放され圧電体本来の特性が測定できることが示されている。
作製した2つの組成の圧電素子について誘電率及び圧電特性(d33値、g33値)を測定した結果、組成が(Ba0.2,Bi0.8)(Ti0.19,Fe0.76,Mn0.05)O3((1)膜)では、ε33=115,d33=183pm/Vであり、g33=180×10−3V・m/Nであった。
また、(Ba0.3,Bi0.7)(Ti0.29,Fe0.66,Mn0.05)O3((2)膜)では、ε33=140,d33=171pm/Vであり、g33=138×10−3V・m/Nであった。
(実施例2)
厚み500μmの(100)Si基板を用意し、まず表面の自然酸化膜を除去した後にパルスレーザデポジション法(PLD法)にて、その表面に膜厚約20nmのMgOバッファ層及び膜厚約200nmのSrRuO(SRO)下部電極を成膜した。その際、ターゲットは市販のMgメタルターゲット及びSROターゲットを用い、成膜条件は基板温度400℃(MgO)、700℃(SRO),酸素分圧1mTorr=0.13Pa(MgO)、10mTorr=1.3Pa(SRO),レーザ強度300mJ,レーザパルス周波数5Hz,基板―ターゲット間距離50mm,ターゲット回転数9.7rpmとし、成膜時間約2分(MgO)、約10分(SRO)とした。
次いで、実施例1と同様にして、SRO下部電極上に、PLD法により、膜厚が1200nmの、組成の異なる2種類の(Ba,Bi)(Ti,Fe,Mn)O3 膜を形成した( (1)’膜及び、(2)’膜)。
得られた圧電膜の結晶構造解析を行ったところ、(001)エピタキシャル膜であることが確認された(図9)。
また、実施例2では、実施例1において組成ズレは殆どないことが確認されたため、ICPによる組成分析は省略した。
次に、実施例1と同様にして、本発明の圧電素子を作製し、誘電率及び圧電特性(d33値、g33値)を測定した結果、(1)’膜では、ε33=250,d33=244pm/Vであり、g33=110×10−3V・m/Nであった。
また、(2)’膜では、ε33=300,d33=220pm/Vであり、g33=83×10−3V・m/Nであった。
(実施例3)
実施例1と同じ基板、同じ方法にて、組成の異なる2つの膜(膜(3),膜(4))を作製した。組成はそれぞれ、(Ba0.15,Bi0.8,Sr0.05)(Ti0.19,Fe0.76,Mn0.05)O3((3)膜)及び、(Ba0.2,Bi0.8)(Ti0.15,Fe0.75,Nb0.05,Mn0.05)O3((4)膜 )とした。
ターゲットはこれまでのものにSrTiO3,BaNbO3を加えて作製した。
(実施例4)
実施例2と同じ基板、同じ方法にて、組成の異なる2つの膜(膜(3)’,膜(4)’)を作製した。組成はそれぞれ、(Ba0.15,Bi0.8,Sr0.05)(Ti0.19,Fe0.76,Mn0.05)O3((3)’膜)及び、(Ba0.2,Bi0.8)(Ti0.15,Fe0.75,Nb0.05,Mn0.05)O3((4)’膜 )とした。
(既存値と実施例との比較)
上記実施例の圧電素子と、既存の鉛系、及び非鉛系材料の圧電素子の誘電率と圧電歪定数との関係を図10に示す。図10に示されるように、既存の鉛系材料及び非鉛系材料共に誘電率と圧電歪定数はほぼ比例関係になっているが、上記実施例のプロットはその直線から大きくはずれ、低い誘電率側で高いd33値を示していることがわかる。従って、上記実施例の圧電素子は、これまでにない高い電気機械結合係数k33を有する新規圧電素子であることが確認される。
また、得られたg33値をd33値に対してプロットした結果を図11に示す。図11に示されるように、上記実施例の圧電素子は、アクチュエータ等に必要な高い発信能と、センサ等に必要な高い受信能とを兼ね備えた圧電素子であることが確認された。
表2に図10及び図11に示した各実施例のデータを示す。
本発明の圧電素子は、インクジェット式記録ヘッド,磁気記録再生ヘッド,MEMS(Micro Electro-Mechanical Systems)デバイス,マイクロポンプ、及び超音波探触子等に搭載される圧電アクチュエータ、センサ、超音波センサ及び強誘電メモリ(FRAM)等に好ましく利用できる。
1 圧電素子
2 圧電アクチュエータ(圧電装置)
3,3K,3C,3M,3Y インクジェット式記録ヘッド(液体吐出装置)
4 発電装置
12、14 電極
13 圧電体
15 駆動手段
16 振動板
20 インクノズル(インク貯留吐出部材)
21 インク室(液体貯留室)
22 インク吐出口(液体吐出口)
40,41,42 取り出し電極
100 インクジェット式記録装置

Claims (19)

  1. 圧電性を有する圧電体と、該圧電体に対して所定方向に電界を印加する1対の電極とを備えた圧電素子において、
    前記圧電体の圧電歪定数d33(pm/V)と比誘電率ε33とが下記式(1)及び(2)を満足することを特徴とする圧電素子。
    100<ε33<1500 ・・・(1)、
    33(pm/V)>12√ε33 ・・・(2)
  2. 前記圧電体の圧電歪定数d33と電圧出力定数g33とが下記式(3)及び(4)を満足するものであることを特徴とする請求項1に記載の圧電素子。
    100<d33(pm/V) ・・・(3)、
    80<g33(×10−3V・m/N) ・・・(4)
  3. 前記圧電体が、<100>又は<001>1軸配向性を有する多結晶又は単結晶であることを特徴とする請求項1又は2に記載の圧電素子。
  4. 前記圧電体が、一般式ABOで表される1種又は2種以上のペロブスカイト型酸化物からなる(不可避不純物を含んでいてもよい)ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の圧電素子。
    (一般式ABOにおいて、AはAサイト元素、BはBサイト元素であり、各々1種又は複数種の金属元素、Oは酸素原子。Aサイト元素の総モル数及びBサイト元素の総モル数の、酸素原子のモル数に対する比は、それぞれ1:3が標準であるが、ペロブスカイト構造を取り得る範囲内で1:3からずれてもよい。)
  5. Aサイト元素Aが、Biを含むものであることを特徴とする請求項4に記載の圧電素子。
  6. 前記圧電体が、下記一般式(P)で表される1種又は2種以上のペロブスカイト型酸化物からなる(不可避不純物を含んでいてもよい)ことを特徴とする請求項5に記載の圧電素子。
    (Ba,Bi,A)(Ti,Fe,M)O・・・(P)
    (式(P)中、Ba,Bi,及びAはAサイト元素、Ti,Fe,及びMはBサイト元素。A及びMは、Pbを除く各々1種又は複数種の金属元素である。
    Aサイト元素の総モル数及びBサイト元素の総モル数の、酸素原子のモル数に対する比は、それぞれ1:3が標準であるが、ペロブスカイト構造を取り得る範囲内で1:3からずれてもよい。)
  7. 前記一般式(P)において、下記式(5)を満足することを特徴とする請求項6に記載の圧電素子。
    0.97≦TF(P)≦1.02・・・(5)
    (式中、TF(P)は上記一般式(P)で表される酸化物の許容因子である。)
  8. 前記一般式(P)において、Aサイト元素AがBa及び/又はBiである場合、Bサイト元素MはTi及びFe以外の元素であり、Bサイト元素MがTi及び/又はFeである場合、Aサイト元素AはBa及びBi以外の元素であり、下記式(6)を満足するものであることを特徴とする請求項7に記載の圧電素子。
    TF(BiFeO)<TF(AMO)<TF(BaTiO)・・・(6)
    (式中、TF(P)は上記一般式(P)で表される酸化物の許容因子、TF(BiFeO)、TF(AMO)、及びTF(BaTiO)はそれぞれ()内に記載の酸化物の許容因子である。)
  9. さらに下記式(7)を充足することを特徴とする請求項8に記載の圧電素子。
    0.97≦TF(AMO)≦1.02・・・(7)
  10. 前記圧電体が、異なる結晶系を有する複数の成分を有するものであることを特徴とする請求項4〜9のいずれかに記載の圧電素子。
  11. 前記圧電体が、Pbを含まないことを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の圧電素子。
  12. 前記圧電体が、厚み1μm以上100μm以下の圧電膜であることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の圧電素子。
  13. 前記圧電膜が、単結晶基板上に成膜されたものであることを特徴とする請求項12に記載の圧電素子。
  14. 前記圧電体が、粒子配向セラミックス焼結体からなることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の圧電素子。
  15. 圧電性を有する圧電体(但し、Pb系バルク単結晶を除く)と、該圧電体に対して所定方向に電界を印加する1対の電極とを備えた圧電素子において、
    前記圧電体が下記式(4)を満足するものであることを特徴とする圧電素子。
    80<g33(×10−3V・m/N) ・・・(4)
    (式中、g33は前記圧電体の電圧出力定数である。)
  16. 請求項1〜15のいずれかに記載の圧電素子と、該圧電素子の前記圧電体に電界を印加して前記圧電素子を駆動する駆動手段とを備えたことを特徴とする圧電アクチュエータ。
  17. 前記圧電体の下層に、前記圧電素子を駆動することにより前記圧電体に生じる変位を外部に伝える振動板を備えたことを特徴とする請求項16に記載の圧電アクチュエータ。
  18. 請求項16又は17に記載の圧電アクチュエータと、
    該圧電アクチュエータに隣接して設けられた液体吐出部材とを備え、
    該液体吐出部材は、液体が貯留される液体貯留室と、前記圧電体に対する前記電界の印加に応じて該液体貯留室から外部に前記液体が吐出される液体吐出口とを有することを特徴とする液体吐出装置。
  19. 前記圧電体の下層に、外部からの力を前記圧電体に伝えて該圧電体を変位させる振動板を備えた請求項1〜15のいずれかに記載の圧電素子と、前記変位により該圧電体に生じる電荷を前記電極から外部に取り出す取り出し電極とを備えたことを特徴とする発電装置。
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