JP2011017976A - 遮光性膜の形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 低温成膜が可能で簡便なフィルムの転写により遮光性を容易に安価に得ることのできる遮光性転写フィルムを用いた遮光性パターンの形成方法を提供する。
【解決手段】 (1)被転写基板に接着層を形成する工程、(2)仮支持体上に、感光性樹脂層、及び可視光線透過率が1%未満の遮光性薄膜が順次積層してなる遮光性転写フィルムの、可視光線透過率が1%未満の遮光性薄膜面と前記(1)で形成された接着層面を貼り合わせ、遮光性転写フィルム積層基板を形成する工程、並びに(3)前記遮光性転写フィルム積層基板の感光性樹脂層の所定部を露光する工程と、を含む遮光性膜の形成方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、所望の被転写基板(支持体)へ転写によりパターン像状の遮光性パターンを附与することができる遮光性転写フィルムを用いた遮光性パターンの形成方法に関する。
近年、表示デバイス、センサー等に遮光性膜が多用されている。この遮光性膜の製造方法としては、真空成膜法やめっき法、印刷法などの方法により、所望の支持体基板上に遮光性膜を形成する(例えば、特許文献1、2、3、4参照)。
例えばガラス基板上にスパッタリング装置を用いて、クロム薄膜を成膜し、ついで、感光性レジストを積層し、フォトリソグラフィー技術を用いて、所望のパターン像にして得るという方法が採られていた。
しかし、この方法で得る遮光性膜は、製造に時間を要したり、製造費用が高かったり、面内均一性の保持が難しいという問題があった。また、近年、支持体基板の大型化に伴い、遮光性膜は大型の成膜装置やこれらを設置するクリーンルームが必要で、設備投資も巨額なものになっている。
一方、カーボンや酸窒化チタンなどの遮光性顔料を樹脂とともに塗布したり、塗布した膜を転写フィルムにして転写する方法が、試みられているが、必要な遮光性を得るには、2μm以上の膜厚が必要で、パターン形成により、膜厚同等の表面段差が生じる好ましくない特性があったり、あるいは、200℃を超える焼成加熱で樹脂を熱硬化し、遮光性微粒子を樹脂硬化物中に高濃度に固定させる工程が必要で、耐熱性が乏しい樹脂膜上への遮光性膜形成や低温化による安価な遮光性膜形成が困難であるという問題があった(例えば、特許文献5参照)。
特開平5−216021号公報 特開2000−294755号公報 特開平01−11201号公報 特開昭56−119127号公報 特開2000−143985号公報
本発明の目的は、上記のような状況から、簡便な転写法により、低温成膜と十分な遮光性が得られる遮光性膜の形成方法を提供するものである。すなわち、フィルムの転写により遮光性を容易に安価に得る、遮光性膜の形成方法を提供するものである。
本発明者らは上記のような課題を解決するために、遮光性薄膜を、接着機能を付与する主として樹脂からなる接着層と、遮光性薄膜とを分けて複数の層を積層したタイプの転写フィルムにして形成し、所望支持体基板に遮光性薄膜を接着層とともに転写することで、遮光性薄膜を真空成膜法並に得られ、成膜温度を抑制できると考察の上、鋭意検討した結果、積層タイプの遮光性転写フィルムを発明し、遮光性試験結果が、考察に合致することを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、(1)被転写基板に接着層を形成する工程、(2)仮支持体上に、感光性樹脂層、及び可視光線透過率が1%未満の遮光性薄膜が順次積層してなる遮光性転写フィルムの、可視光線透過率が1%未満の遮光性薄膜面と前記(1)で形成された接着層面を貼り合わせ、遮光性転写フィルム積層基板を形成する工程、並びに(3)前記遮光性転写フィルム積層基板の感光性樹脂層の所定部を露光する工程と、を含む遮光性膜の形成方法に関する。
また、本発明は、遮光性転写フィルム積層基板の感光性樹脂層の所定部を露光、現像し、感光性樹脂層から露出する遮光性薄膜をエッチング除去する工程を含む上記に記載の遮光性膜の形成方法に関する。
本発明の遮光性転写フィルムを用いた遮光性膜の形成方法により、遮光性に優れ、煩雑な工程を必要とすることなくフィルムの転写により遮光性パターンを容易に、安価に得ることができる。
遮光性転写フィルムの実施形態の一例を示す断面図。 遮光性転写フィルムの実施形態の一例を示す断面図。 遮光性転写フィルムの実施形態の一例を示す断面図。 遮光性転写フィルムを用いた本発明の遮光性膜の形成方法の一例を示す断面図。
以下、本発明について詳述する。
本発明で形成される遮光性膜は、スピンコータ、ラミネータ装置やフィルム貼付機などを用いて、ガラスやシリコン、金属板などの被転写基板となる支持体にネガ型感光性樹脂層や熱硬化製樹脂層等を接着層とするとともに、この接着層上に遮光性パターンとなる遮光性薄膜を形成したものである。
本発明で用いる遮光性転写フィルムは、仮支持体の離型が容易な面に、図2に示したようにポジ型感光性樹脂層、遮光性薄膜とを積層した構造を有する遮光性転写フィルム、又は図1に示したように仮支持体の離型が容易な面に、ネガ型感光性樹脂層、遮光性薄膜を積層した構造を有する遮光性転写フィルムである。必要に応じ、カバーフィルムを積層してもよい。遮光性転写フィルムは、使用時の量産性を考慮し、樹脂などの筒型のコアを軸として、巻物状の形態である場合が多くの場合想定される。また、シート状に裁断してある形態であってもよい。形態については、特に制限されない。
本発明で用いる遮光性転写フィルムに用いる仮支持体としては、化学的、熱的に安定であり、フィルム、シートまたは板状に成形できるものを用いることができる。また、剥離性を付与するために表面に離型処理をしたものも含まれる。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のポリハロゲン化ビニル類、セルロースアセテート、ニトロセルロース、セロハン等のセルロース誘導体、ポリアミド、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリエステルである。これらの中で特に好ましいのは寸法安定性に優れ、感光性樹脂層を感光させる光線の透過が可能な2軸延伸ポリエチレンテレフタレートである。
本発明で用いる遮光性転写フィルムの感光性樹脂層は、ネガ型感光性樹脂層であっても良いしポジ型感光性樹脂層であっても良い。ネガ型感光性樹脂層としては、光の照射された箇所が硬化し、現像後に残るもので、硬化後に接着性を発揮できるものである。
また、ポジ型感光性樹脂層としては、光の照射された箇所が後の現像で除去されるものである。
ネガ型感光性樹脂層及びポジ型感光性樹脂層の膜厚は、0.1〜50μmであることが好ましく、0.5〜30μmであることがより好ましく、2〜20μmであることが特に好ましい。膜厚が厚過ぎると高精細パターン形成が難しくなる。薄いと、エッチング耐性が下がり、遮光性層である遮光膜のパターニング時間中にレジストが溶解、分解等でなくなってしまい、パターニング不良を生じる傾向がある。
ネガ型感光性樹脂層としては、(a)バインダーポリマー、(b)エチレン性不飽和二重結合を有する光重合性化合物及び(c)光重合開始剤を含有する感光性樹脂組成物から形成されるものが挙げられる。
(a)バインダーポリマーとしては、例えば、アクリル樹脂、スチレン樹脂、エポキシ樹脂、アミド樹脂、アミドエポキシ樹脂、アルキド樹脂、フェノール樹脂、エステル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸の反応で得られるエポキシアクリレート樹脂、エポキシアクリレート樹脂と酸無水物の反応で得られる酸変性エポキシアクリレート樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。アルカリ現像性及びフィルム形成性に優れる観点から、アクリル樹脂を用いることが好ましく、そのアクリル樹脂が(メタ)アクリル酸及び(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来するモノマー単位を構成単位として有するとより好ましい。ここで、「アクリル樹脂」とは、(メタ)アクリル基を有する重合性単量体に由来するモノマー単位を主に有する重合体のことを意味する。また、本明細書における「(メタ)アクリル酸」とは「アクリル酸」及びそれに対応する「メタクリル酸」を意味し、「(メタ)アクリル酸アルキルエステル」とは「アクリル酸アルキルエステル」及びそれに対応する「メタクリル酸アルキルエステル」を意味する。
上記アクリル樹脂は、(メタ)アクリル基を有する重合性単量体をラジカル重合して製造されるものが使用できる。このアクリル樹脂は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記(メタ)アクリル基を有する重合性単量体としては、例えば、ジアセトンアクリルアミド等のアクリルアミド、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリルエステル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸グリシジルエステル、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、α−ブロモ(メタ)アクリル酸、α−クロル(メタ)アクリル酸、β−フリル(メタ)アクリル酸、β−スチリル(メタ)アクリル酸等が挙げられる。
また、上記アクリル樹脂は、上記のような(メタ)アクリル基を有する重合性単量体の他に、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等のα−位若しくは芳香族環において置換されている重合可能なスチレン誘導体、アクリロニトリル、ビニル−n−ブチルエーテル等のビニルアルコールのエーテル類、マレイン酸、マレイン酸無水物、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノイソプロピル等のマレイン酸モノエステル、フマール酸、ケイ皮酸、α−シアノケイ皮酸、イタコン酸、クロトン酸等の1種又は2種以上の重合性単量体が共重合されていてもよい。
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、下記一般式(1)で表される化合物、これらの化合物のアルキル基に水酸基、エポキシ基、ハロゲン基等が置換した化合物が挙げられる。
Figure 2011017976
一般式(1)中、Rは水素原子又はメチル基を示し、Rは炭素数1〜12のアルキル基を示す。上記炭素数1〜12のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基及びこれらの構造異性体が挙げられる。
上記一般式(1)で表される化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチルエステル、(メタ)アクリル酸エチルエステル、(メタ)アクリル酸プロピルエステル、(メタ)アクリル酸ブチルエステル、(メタ)アクリル酸ペンチルエステル、(メタ)アクリル酸ヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸ヘプチルエステル、(メタ)アクリル酸オクチルエステル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸ノニルエステル、(メタ)アクリル酸デシルエステル、(メタ)アクリル酸ウンデシルエステル、(メタ)アクリル酸ドデシルエステル等が挙げられる。これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、(a)バインダーポリマーは、アルカリ現像性をより良好にする観点から、カルボキシル基を有することが好ましい。カルボキシル基を有する重合性単量体としては、上述したような(メタ)アクリル酸が挙げられる。
バインダーポリマーが有するカルボキシル基の比率は、使用する全重合性単量体に対するカルボキシル基を有する重合性単量体の割合として、アルカリ現像性とアルカリ耐性のバランスを図る観点から、12〜50質量%であることが好ましく、12〜40質量%であることがより好ましく、15〜30質量%であることが特に好ましく、15〜25質量%であることが極めて好ましい。このカルボキシル基を有する重合性単量体の割合が12質量%未満ではアルカリ現像性が劣る傾向があり、50質量%を超えるとアルカリ耐性が劣る傾向がある。
バインダーポリマーの重量平均分子量は、機械強度及びアルカリ現像性のバランスを図る観点から、5,000〜300,000であることが好ましく、20,000〜150,000であることがより好ましく、30,000〜100,000であることが特に好ましい。重量平均分子量が、5,000未満では耐現像液性が低下する傾向があり、300,000を超えると現像時間が長くなる傾向がある。なお、本発明における重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC)により測定され、標準ポリスチレンを用いて作成した検量線により換算された値である。
これらのバインダーポリマーは、1種を単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。2種類以上を組み合わせて使用する場合のバインダーポリマーとしては、例えば、異なる共重合成分からなる2種類以上のバインダーポリマー、異なる重量平均分子量の2種類以上のバインダーポリマー、異なる分散度の2種類以上のバインダーポリマーが挙げられる。
次に、(b)エチレン性不飽和二重結合を有する光重合性化合物について説明する。
エチレン性不飽和二重結合を有する光重合性化合物としては、エチレン性不飽和二重結合を有する光重合性化合物が好ましい。エチレン性不飽和二重結合を有する光重合性化合物としては、例えば、多価アルコールにα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシポリプロポキシ)フェニル)プロパン等のビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物、グリシジル基含有化合物にα,β−不飽和カルボン酸を反応させで得られる化合物、ウレタン結合を有する(メタ)アクリレート化合物等のウレタンモノマー、γ−クロロ−β−ヒドロキシプロピル−β’−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、β−ヒドロキシエチル−β’−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、β−ヒドロキシプロピル−β’−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、(メタ)アクリル酸アルキルエステル等が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
上記2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパンとしては、例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシトリエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘプタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシオクタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシノナエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシウンデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシドデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシトリデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシペンタデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサデカエトキシ)フェニル)プロパンが挙げられる。これらの中で、2,2−ビス(4−(メタクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパンは、「BPE−500」(新中村化学工業株式会社製、商品名)として商業的に入手可能であり、2,2−ビス(4−(メタクリロキシペンタデカエトキシ)フェニル)プロパンは、「BPE−1300」(新中村化学工業株式会社製、商品名)として商業的に入手可能である。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
上記多価アルコールにα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物としては、例えば、エチレン基の数が2〜14であるポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレン基の数が2〜14であるポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレン基の数が2〜14であり、プロピレン基の数が2〜14であるポリエチレンポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンテトラエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンペンタエトキシトリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、プロピレン基の数が2〜14であるポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが挙げられる。
上記ウレタンモノマーとしては、例えば、β位にヒドロキシル基を有する(メタ)アクリルモノマーとイソホロンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート等のジイソシアネート化合物との付加反応物、トリス[(メタ)アクリロキシテトラエチレングリコールイソシアネート]ヘキサメチレンイソシアヌレート、EO変性ウレタンジ(メタ)アクリレート、EO,PO変性ウレタンジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。なお、「EO」はエチレンオキサイドを示し、EO変性された化合物はエチレンオキサイド基のブロック構造を有する。また、「PO」はプロピレンオキサイドを示し、PO変性された化合物はプロピレンオキサイド基のブロック構造を有する。EO変性ウレタンジ(メタ)アクリレートとしては、例えば、「UA−11」(新中村化学工業株式会社製、商品名)が挙げられる。また、EO,PO変性ウレタンジ(メタ)アクリレートとしては、例えば、「UA−13」(新中村化学工業株式会社製、商品名)が挙げられる。
(b)エチレン性不飽和二重結合を有する光重合性化合物の含有割合は、(a)バインダーポリマー及び(b)光重合性化合物の総量100質量部に対して、30〜80質量部であることが好ましく、40〜70質量部であることがより好ましい。この含有割合が30質量部未満では接着性が不十分となる傾向があり、80質量部を超えるとフィルムとして巻き取った場合、保管が困難となる傾向がある。
次に(c)光重合開始剤について説明する。
光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、N,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、N,N’−テトラエチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパノン−1等の芳香族ケトン、2−エチルアントラキノン、フェナントレンキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、オクタメチルアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノン、2,3−ベンズアントラキノン、2−フェニルアントラキノン、2,3−ジフェニルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−メチルアントラキノン、1,4−ナフトキノン、9,10−フェナンタラキノン、2−メチル1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチルアントラキノン等のキノン類、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等のベンゾインエーテル化合物、ベンゾイン、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等のベンゾイン化合物、1,2−オクタンジオン−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−2−(O−ベンゾイルオキシム)、1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタノン1−(O−アセチルオキシム)等のオキシムエステル化合物、ベンジルジメチルケタール等のベンジル誘導体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9’−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体、N−フェニルグリシン、N−フェニルグリシン誘導体、クマリン系化合物、オキサゾール系化合物が挙げられる。また、2つの2,4,5−トリアリールイミダゾールのアリール基の置換基は同一で対称な化合物を与えてもよいし、相違して非対称な化合物を与えてもよい。また、ジエチルチオキサントンとジメチルアミノ安息香酸の組み合わせのように、チオキサントン系化合物と3級アミン化合物とを組み合わせてもよい。これらの中でも、透明性の見地からは、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1等の芳香族ケトン化合物や1,2−オクタンジオン−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−2−(O−ベンゾイルオキシム)等のオキシムエステル化合物がより好ましい。これらは、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
(c)光重合開始剤の含有割合は、(a)バインダーポリマー及び(b)光重合性化合物の総量100質量部に対して、0.1〜20質量部であることが好ましく、1〜10質量部であることがより好ましく、1〜5質量部であることが特に好ましい。この含有割合が0.1質量部未満では光感度が不十分となる傾向があり、20質量部を超えると露光の際に感光性樹脂層の表面での吸収が増大して内部の光硬化が不十分となる傾向がある。
感光性樹脂層には、必要に応じて、p−トルエンスルホンアミド等の可塑剤、充填剤、消泡剤、難燃剤、安定剤、密着性付与剤、レベリング剤、剥離促進剤、酸化防止剤、香料、イメージング剤、熱架橋剤等の添加剤を、単独で又は2種類以上を組み合わせて含有させることができる。これらの添加剤の添加量は、バインダーポリマー及び光重合性化合物の総量100質量部に対して各々0.01〜20質量部であることが好ましい。
ポジ型感光性樹脂層は、紫外光などの放射線の照射により露光部に酸を生成させ、この酸を触媒とする反応によって、活性放射線の照射部と非照射部の現像液に対する溶解性を変化させパターンを基板上に形成させるパターン形成材料である。アルカリ可溶性樹脂、放射線露光によって酸を発生する化合物(光酸発生剤)、及び酸分解性基を有しアルカリ可溶性樹脂に対する溶解阻止化合物から成る3成分系と、酸との反応により分解しアルカリ可溶となる基を有する樹脂と光酸発生剤からなる2成分系に大別できる。これら2成分系あるいは3成分系のポジ型感光性樹脂は、露光により光酸発生剤からの酸を介在させて、熱処理後現像してレジストパターンを得るものである。
(a)活性化学線照射により酸を発生する化合物(光酸発生剤)、(b)酸触媒反応によりアルカリ水溶液に対する溶解性が増加される酸分解性基を有する化合物、(c)溶剤などからなり、(a)成分である活性化学線照射により酸を発生する化合物は、露光により酸を発生させ、(b)成分の分解反応を誘起することにより、露光部のアルカリ水溶液への可溶性を増大させる機能を有するものである。
(a)成分としては、オニウム塩、ハロゲン含有化合物、キノンジアジド化合物、スルホン酸エステル化合物等が用いられる。
オニウム塩としては、例えば、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、ホスホニウム塩、アンモニウム塩、ジアゾニウム塩等が挙げられ、好ましくは、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩、トリアルキルスルホニウム塩(アルキル基の炭素数は1〜8)がある。該オニウム塩の対アニオンとしては、例えば、テトラフルオロホウ酸、ヘキサフルオロアンチモン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸等が好ましい。
ハロゲン含有化合物としては、例えば、ハロアルキル基含有炭化水素系化合物、ハロアルキル基含有ヘテロ環状化合物等が挙げられ、好ましくは、トリクロロメチルトリアジン、ブロモアセチルベンゼン等が好ましい。
キノンジアジド化合物としては、例えば、ジアゾベンゾキノン化合物、ジアゾナフトキノン化合物等を挙げることができる。
スルホン酸エステル化合物としては、フェノール性水酸基を有する芳香族化合物とアルキルスルホン酸あるいは芳香族スルホン酸とのエステルが挙げられる。例えば、フェノール性水酸基を有する芳香族化合物としては、フェノール、レゾルシノール、ピロガロール、1,2−ジヒドロキシナフタレン、1,3−ジヒドロキシナフタレン等がある。アルキルスルホン酸としては、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、ブチルスルホン酸、カンファースルホン酸等がある。芳香族スルホン酸としては、ベンゼンスルホン酸、ナフチルスルホン酸等がある。
(b)成分である酸触媒反応によりアルカリ水溶液に対する溶解性が増加される酸分解性基を有する化合物は、活性化学線照射により(a)成分より発生した酸を触媒とし分解反応を起こし、露光部のアルカリ水溶液への可溶性を増大させる機能を有するものである。上記(b)成分としては、フェノール性水酸基またはカルボキシル基を有する化合物においてフェノール性水酸基またはカルボキシル基の水素原子の一部または全てを酸分解性基で置換された化合物が好ましい。
フェノール性水酸基またはカルボキシル基を有する化合物としては、1〜15個のベンゼン環を有し、フェノール性水酸基またはカルボキシル基を分子内に1〜20個有する化合物が好ましい。また、これらの化合物は、フェノールノボラック樹脂やポリビニルフェノールのような樹脂状化合物を用いても良い。フェノール性水酸基またはカルボキシル基を有するポリヒドロキシアミドを用いても良い。これらの化合物のフェノール性水酸基またはカルボキシル基の水素原子の一部または全てが酸分解性基により置換されて用いられる。
フェノール性水酸基またはカルボキシル基の水素原子に置換される酸分解性基としては、アセタール、ケタール、シリル基、シリルエーテル基等の酸により分解される置換基が用いられる。
酸分解性基としては、例えば、t−ブトキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、テトラヒドロピラニル基、エトキシエチル基、メトキシエチル基、エトキシメチル基、トリメチルシリル基、t−ブトキシカルボニルメチル基、エチルビニルエーテル基、メチルビニルエーテル基、トリメチルシリルエーテル基等が挙げられる。
これらの置換基は、例えば、フェノール性水酸基またはカルボキシル基を有する化合物に酸触媒下でビニルエーテル化合物を反応させることにより容易に導入することができる。また、導入したい置換基の塩化物をアミン等のアルカリ触媒下で反応させることによっても容易に導入することができる。
(c)成分の溶剤としては、(a)〜(b)成分を良く相溶させ均一に溶解させることのできる溶剤であれば、特に制限はなく、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルアミド、テトラメチレンスルホン、γ−ブチロラクトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート等の非プロトン性極性溶剤が単独で又は2種以上併用して用いられる。
ポジ型感光性樹脂組成物は、米国特許第4,491,628号明細書、欧州特許第249,139号明細書、特開昭48−89003号公報、特開昭51−120714号公報、特開昭53−133429号公報、特開昭55−12995号公報、特開昭55−126236号公報、特開昭56−17345号公報、特開昭60−3625号公報、特開昭60−10247号公報、特開昭60−37549号公報、特開昭60−121446号公報、特開昭59−45439号公報、特開昭60−3625号公報、特開昭62−229242号公報、特開昭63−27829号公報、特開昭63−36240号公報、特開昭63−250642号公報等に記載されている。
本発明の可視光線透過率が、1%未満の遮光性薄膜としては、例えば、金属膜、酸化金属膜、窒化金属膜、フッ素化金属膜等が挙げられる。この中でも、銀、クロム、アルミニウム、ニッケルを主成分とする金属膜は、遮光性と加工性の観点から好ましい。金属膜は、複数種の金属膜が積層されていてもよい。また、合金であってもよい。合金を用いた場合は、感光性樹脂層の現像液や剥離液への耐性及びヒロック防止等に有効である。一方、吸光性が求められる用途においては、黒色や茶褐色の膜、例えば、酸化金属やチッ化金属、フッ化金属、チタンブラック、窒化クロム、酸窒化クロム、黒ニッケル、酸化銅、酸化銀、ダイヤモンドライクカーボンを遮光性の薄膜とするのが好ましく、金属や他の薄膜を積層または含んでもよい。遮光性の薄膜の膜厚は、特に限定されないが、実用性の観点で、0.02μm〜2μmの範囲が好ましい。さらに、薄膜のパターン形成により、膜厚同等の表面段差が生じる好ましくない特性を解消する観点で、0.02μm〜1μmの範囲がさらに好ましい。エッチングによるパターン形成において容易さの観点で、0.02μm〜0.5μmが特に好ましい。遮光性薄膜の成膜法は限定されるものではなく、真空成膜法や電析法、無電解めっき法などの方法で成膜される。
本発明で用いる被転写基板に形成する接着層は、硬化後も被転写基板に残るものである。したがって、接着性を備えられれば、特に制限されない。接着層は、前記感光性樹脂組成物層又は熱硬化性樹脂層が好ましい。接着性は、被転写基板に積層した後、接着層を光や熱で硬化する処理の有無にかかわりなく、仮支持体をはがしても両界面(被転写基板と接着層)が剥離しない強度があればよい。接着性の調整は、接着層の組成のほか、被転写基材、仮支持体、薄膜の選定により容易に行える。さらに、遮光性の薄膜をパターニングし、薄膜を除去した箇所の接着層の透過性を求める場合、接着性のほかに、可視光線透過性が必要になる場合がある。この場合、必要な可視光線透過性を備える樹脂を用いればよい。可視光線透過率は、50%以上あることが好ましい。
上記の接着層に用いられる熱硬化性樹脂としては、アクリル系樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂等を挙げることができる。アクリル系樹脂を用いる場合は多官能のアクリルモノマあるいは上記熱硬化型樹脂と併用して熱硬化組成物とすることも効果的である。
また、接着層には、黒色顔料を含有していてもよい。黒色顔料としては、有機または無機の顔料を、単独でまたは2種類以上混合して用いることができる。黒色顔料のなかでは、発色性が高く、且つ、耐熱性の高い顔料、特に耐熱分解性の高い顔料が好ましい。黒色色素として具体的には、例えば黒鉛、カーボンブラック、アニリンブラック、アントラキノン系黒色顔料、ペリレン系黒色顔料、アンバー、チタンブラック、チタンカーボン、合成鉄黒、黒ニッケル、二酸化マンガン、具体的には C.I.Pigment Black1、6、7、12、20、31等が挙げられる。なかでも、表面硬度と遮光性の大きさからチタンブラックが好ましい。チタンブラックは高い遮光性を得る観点から、アンモニアガスによる窒素還元率が高いものが好ましく、粒径が小さく粒径分布の狭いものが好ましい。チタンブラックは予め樹脂などで表面処理されていてもよいが、その樹脂は熱硬化性樹脂とよく相溶し加熱硬化時には熱硬化性樹脂と高い架橋密度を形成するものが表面硬度の観点から好ましい。さらに、黒色顔料は、最多の粒径が50nm以上、200nm未満である。好ましくは、60nm以上、190nm未満である。より好ましくは、70nm以上、180nm未満である。最多の粒径が、小さすぎると、高価になるため、量産に適さない。最多の粒径が、大きすぎると、高精細パターンの形成、パターン精度及び形状に不良を生じる。ここで、顔料の粒径は、溶媒に分散させた顔料のブラウン運動による動的光散乱法に基づいて、光子相関法(PCS)で測定(ベックマン・コールター社製N5)することで採取される値としている。ネガ型感光性樹脂組成物に黒色顔料を用いる場合の含有量は、ネガ型感光性樹脂組成物の総量に対して10〜80質量%含むことが好ましく、50〜75質量%含むことがより好ましい。黒色顔料の含有量を10質量%以上で用いることにより、遮光性をより向上することが可能となる。また黒色顔料の含有量を80質量%以下で用いることにより、十分な表面硬度を得ることができる。
また、薄膜との接着性やクラック防止などフィルムの信頼性向上のために、接着層にフィラーや着色顔料、体質顔料を含んでいても構わない。また、接着後、熱や光で硬化する材料であっても構わない。光硬化する材料であれば、工程が簡略になり、本発明の目的に沿い好ましい。さらに信頼性を上げるため光硬化後、熱で硬化する材料であってもよい。硬化する過程でガスの放出が少ない材料であることが好ましい。ガスの放出が多いと、薄膜にピンホールができやすい。
なお、本発明で説明する可視光線とは、実用上必要な可視波長の光線をいい、例えば、緑550nmを代表波長として透過率を得る。
前記遮光性転写フィルムに用いるカバーフィルムは、必要に応じ使用される。カバーフィルムとしては、化学的および熱的に安定で、接着層との剥離が容易であるものが望ましい。具体的にはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリビニルアルコール等の薄いシート状のもので表面の平滑性が高いものが好ましい。剥離性を付与するために表面に離型処理をしたものも含まれる。
本発明の遮光性膜の形成方法は、例えば以下のような手順で形成することが挙げられる。
感光性樹脂組成物又は熱硬化性樹脂組成物の溶液(接着層形成用溶液)を、ガラス基板上にスピンコートし、溶剤を除去して接着層を形成させる。次に、図1〜図3で示した遮光性転写フィルムの遮光性薄膜面を、カバーフィルムを剥離し、接着層が形成されたガラス基板の接着層面と、遮光性転写フィルムの遮光性薄膜面をラミネーターで加熱圧着し、ガラス基板上に、接着層、遮光性薄膜、感光性樹脂層、仮支持体が積層された状態にする。ラミネート条件は、70〜130℃で加熱することが好ましく、ラミネート速度は0.1m/分〜1m/分であることが好ましい。次に、仮支持体を剥がし、感光性樹脂層を露出させ、光源として超高圧水銀灯で、フォトマスクを介して所定の露光量で露光する。次いで、接着層が感光性樹脂組成物層である場合には、ガラス基板側から接着層に紫外線を照射しても良い。次いで、水酸化カリウム水溶液および、リン酸等を主成分とする公知のエッチャントにそれぞれ所定時間浸漬させ、現像と遮光膜のエッチングを行う。次いで、ガラス基板側の接着層と遮光性感光性樹脂層のそれぞれに、後露光として超高圧水銀灯を用いて紫外線照射することが好ましく、露光量としては200mJ/cm2〜1J/cmであることが好ましい。次いで、後加熱として、窒素雰囲気下、150〜250℃で、30〜120分間乾燥することが好ましい。このような工程を経て遮光性膜を形成できる。
以上により、被転写基板上に、所望の遮光性膜パターンが得られる。
以上説明したように、本発明の遮光性膜の形成方法は、遮光性転写フィルムの転写により遮光性を容易に安価に得て、フォトリソグラフィーにより、遮光性膜のパターン像を形成することができる。
(実施例1)
(遮光性転写フィルムの作製)
仮支持体として、PETフィルム(東洋紡績株式会社製A4100)に感光性樹脂層としてAZエレクトロニックマテリアルズ社製AZ−TFP210Kポジレジストをスピンコートした。PETフィルムの厚さは50μmである。スピンコート条件は、350rpmで15秒間後直ちに1000rpmで2秒間である。次いで、仮支持体上のポジレジストを90℃のホットプレートで2分間乾燥した。次いで、別に用意した離型フィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製A70)の離型面にアルミニウムを電子ビーム真空蒸着した。真空蒸着の際、成膜直前の真空度を7×10−6torrとし、成膜される膜の一部を茶褐色の酸チッ化気味のアルミニウム膜とした。アルミニウムの膜厚は、0.3μmである。PETフィルム上の感光性樹脂層と離型フィルム上のアルミニウム膜を90℃で、ラミネーターで加熱圧着し貼りあわせ、遮光性転写フィルムとした。離型フィルムはカバーフィルムとしての機能をもつ。得られた転写フィルムの550nmの光線透過率は、1%未満であった。
(遮光性転写フィルムの使用試験)
接着層として下記の光硬化性ネガ型感光性樹脂溶液(日立化成工業株式会社製)を、コーニング社製1737ガラス基板上に、1000rpmで10秒間スピンコートし、90℃のホットプレートで10分間乾燥し、被転写基板であるガラス板に接着層を形成した。前記で作製した遮光性転写フィルムのカバーフィルムを剥離し、前記接着層が形成されたガラス基板の接着層(ネガ型感光性樹脂層)面と遮光性転写フィルムのアルミニウム膜(遮光性薄膜)面をラミネーターで加熱圧着し、ガラス基板上に、接着層、遮光性薄膜、ポジ型感光性樹脂層、仮支持体が積層された状態にした。ラミネート条件は、90℃で速度0.2m/分である。仮支持体をそっと剥がし、ポジ型感光性樹脂層を露出させ、光源として超高圧水銀灯を用いた平行露光機で、フォトマスクを介して100mJ/cm露光した。次いで、ガラス基板側のネガ型感光性樹脂の接着層に、超高圧水銀灯の平行露光機で、50mJ/cm仮露光を施した。次いで、0.6質量%の水酸化カリウム水溶液に20℃で約2分間および、リン酸を主成分とする公知のエッチャントに2分間浸し、現像とアルミニウムのエッチングを続けて行った。次いで、ガラス基板側のネガ型感光性樹脂の接着層とポジ型の感光性樹脂層のそれぞれに、超高圧水銀灯の平行露光機で、500mJ/cm露光を施した。次いで、0.6質量%の水酸化カリウム水溶液に20℃で約5分間浸し、ポジ型の感光性樹脂層を剥離した。次いで、窒素雰囲気200℃の熱風循環オーブンで60分間加熱し、ガラス基板上に所望のアルミニウム膜の遮光パターン像を得た。アルミニウム膜が残っている部分の550nmの光線透過率は、1%未満であった。
(ネガ型感光性樹脂の接着層の塗液):
ポリマーとしてスチレン、メタクリル酸、メチルメタクリレート、ブチルアクリレート、グリシジルメタクリレート共重合樹脂を用いた(ポリマーA)。分子量は約70000、酸価は約75mgKOH/gである。
ポリマーA 823質量部
ペンタエリスリトールトリアクリレート(モノマー) 175質量部
2−(o−クロロフェニル)−4,5−
ジフェニルイミダゾール二量体(開始剤) 10.0質量部
N,N′−テトラエチル−4,4′−
ジアミノベンゾフェノン(開始剤) 1.5質量部
2−メルカプトベンズイミダゾール(開始剤) 1.0質量部
シリコーン(添加剤) 0.35質量部
2−(トリメトキシシリル)プロピルメタクリレート(添加剤) 41.6質量部
マロン酸(添加剤) 5.0質量部
水(添加剤) 8.9質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(溶剤) 750質量部
(実施例2)
実施例1の、アルミニウムの替わりに銅を真空スパッタ成膜したこと以外同じ方法で、遮光性転写フィルムを作製した。さらに、実施例1の、エッチャントにペルオキソ2硫酸アンモニウム水溶液に5分間浸すことよるエッチングを行なったこと以外同じ遮光性転写フィルムの使用試験を行い、ガラス基板上に所望の銅膜の遮光パターン像を得た。銅が残っている部分の550nmの光線透過率は、1%未満であった。
(実施例3)
仮支持体として、PETフィルム(東洋紡績株式会社製A4100)に感光性樹脂層としてチタンブラックを分散したポジ型感光性樹脂遮光レジスト(AZエレクトロニックマテリアルズ社製AZ−TFP210Kポジレジスト)をスピンコートした。PETフィルムの厚さは50μmである。スピンコート条件は、2000rpmで15秒間である。膜厚は0.5μmであった。次いで、仮支持体上のポジ型感光性樹脂遮光レジストを90℃のホットプレートで2分間乾燥した。次いで、ポジ型感光性樹脂層の表面にシリコーン系離型PETフィルム(東洋紡績株式会社製E7006)の離型面にアルミニウムを電子ビーム真空蒸着した遮光性薄膜を50℃、0.2m/minで押し当て、シリコーン系離型PETフィルム(E7006)をカバーフィルムとした。なお真空蒸着の際、成膜直前の真空度を7×10−6torrとし、成膜される膜の一部を茶褐色の酸チッ化気味のアルミニウム膜とした。アルミニウムの膜厚は、0.3μmである。得られたフィルムの550nmの光線透過率は、1%未満であった。
(遮光性転写フィルムの使用試験)
実施例1で用いた光硬化性ネガ型感光性樹脂溶液を接着層として、コーニング社製1737ガラス基板上に、1000rpmで10秒間スピンコートし、90℃のホットプレートで10分間乾燥した。前記遮光性転写フィルムで作製した遮光性転写フィルムのカバーフィルムを剥離し、前記接着層が形成されたガラス基板の接着層(光硬化性ネガ型感光性樹脂層)面と遮光性転写フィルムのアルミニウム膜(遮光性薄膜)面をラミネーターで加熱圧着し、ガラス基板上に、接着層、遮光性薄膜、チタンブラック分散感光性樹脂層、仮支持体が積層された状態にした。ラミネート条件は、90℃で速度0.2m/分である。仮支持体をそっと剥がし、チタンブラック分散感光性樹脂層を露出させ、超高圧水銀灯の平行露光機で、フォトマスクを介して100mJ/cm露光した。次いで、ガラス基板側のネガ型感光性の接着層に、超高圧水銀灯の平行露光機で、50mJ/cm仮露光を施した。次いで、0.6質量%の水酸化カリウム水溶液に20℃で約2分間および、リン酸を主成分とする公知のエッチャントに2分間浸し、現像とアルミニウムのエッチングを続けて行った。次いで、ガラス基板側のネガ型感光性樹脂の接着層と遮光性感光性樹脂層のそれぞれに、超高圧水銀灯の平行露光機で、500mJ/cm露光を施した。次いで、窒素雰囲気200℃の熱風循環オーブンで60分間加熱し、ガラス基板上に所望のアルミニウム膜とチタンブラック分散の遮光性感光性樹脂層の積層された遮光パターン像を得た。アルミニウム膜と遮光性感光性樹脂層が残っている部分の550nmの光線透過率は、1%未満であった。
(実施例4)
カバーフィルムとしてのシリコーン系離型PETフィルム(東洋紡績株式会社製E7006)の離型面にアルミニウムを電子ビーム真空蒸着した遮光性薄膜を準備し、遮光性薄膜上に、感光性樹脂層としてチタンブラックを分散したポジ型感光性遮光レジストをスピンコートした。スピンコート条件は、2000rpmで15秒間である。膜厚は0.5μmであった。次いで、遮光性薄膜上のチタンブラック分散ポジ型感光性遮光レジストを90℃のホットプレートで2分間乾燥した。次いで、仮支持体としてのPETフィルム(東洋紡績株式会社製A4100)を50℃、0.2m/minで感光性遮光レジスト面に押し当て、遮光性転写フィルムを得た。なお真空蒸着の際、成膜直前の真空度を7×10−6torrとし、成膜される膜の一部を茶褐色の酸チッ化気味のアルミニウム膜とした。アルミニウムの膜厚は、0.3μmである。得られたフィルムの550nmの光線透過率は、1%未満であった。
(遮光性転写フィルムの使用試験)
実施例1で用いた光硬化性ネガ型感光性樹脂溶液を接着層として、コーニング社製1737ガラス基板上に、1000rpmで10秒間スピンコートし、90℃のホットプレートで10分間乾燥した。前記遮光性転写フィルムで作製した遮光性転写フィルムのカバーフィルムを剥離し、前記接着層が形成されたガラス基板の接着層(ネガ型感光性樹脂層)面と遮光性転写フィルムのアルミニウム膜(遮光性薄膜)面をラミネーターで加熱圧着し、ガラス基板上に、接着層、遮光性薄膜、チタンブラック分散ポジ型感光性樹脂層、仮支持体が積層された状態にした。ラミネート条件は、90℃で速度0.2m/分である。仮支持体をそっと剥がし、チタンブラック分散ポジ型感光性樹脂層を露出させ、超高圧水銀灯の平行露光機で、フォトマスクを介して100mJ/cm露光した。次いで、ガラス基板側のネガ型感光性の接着層に、超高圧水銀灯の平行露光機で、50mJ/cm仮露光を施した。次いで、0.6質量%の水酸化カリウム水溶液に20℃で約2分間および、リン酸を主成分とする公知のエッチャントに2分間浸し、現像とアルミニウムのエッチングを続けて行った。次いで、ガラス基板側のネガ型感光性樹脂の接着層とチタンブラック分散の遮光性感光性樹脂層のそれぞれに、超高圧水銀灯の平行露光機で、500mJ/cm露光を施した。次いで、窒素雰囲気200℃の熱風循環オーブンで60分間加熱し、ガラス基板上に所望のアルミニウム膜と遮光性感光性樹脂層の積層された遮光パターン像を得た。アルミニウムと遮光性感光性樹脂が残っている部分の550nmの光線透過率は、1%未満であった。
本発明は、フィルムの転写により遮光性を容易に安価に得ることが可能な、遮光性転写フィルムを用いた遮光性膜の形成方法を提供するもので、本発明を用いたフォトリソグラフィーにより、遮光性膜のパターン像を容易で安価に得ることができる。そして、本発明を用いることで、たとえば、液晶表示装置のTFT素子の作製や太陽電池の作製に、基板を真空装置などに投入して遮光膜を得る必要が無くなり、大型の成膜装置やこれらを設置するクリーンルームを省くことができ、設備投資を抑制することが可能になる。

Claims (2)

  1. (1)被転写基板に接着層を形成する工程、(2)仮支持体上に、感光性樹脂層、及び可視光線透過率が1%未満の遮光性薄膜が順次積層してなる遮光性転写フィルムの、可視光線透過率が1%未満の遮光性薄膜面と前記(1)で形成された接着層面を貼り合わせ、遮光性転写フィルム積層基板を形成する工程、並びに(3)前記遮光性転写フィルム積層基板の感光性樹脂層の所定部を露光する工程と、を含む遮光性膜の形成方法。
  2. 遮光性転写フィルム積層基板の感光性樹脂層の所定部を露光、現像し、感光性樹脂層から露出する遮光性薄膜をエッチング除去する工程を含む請求項1に記載の遮光性膜の形成方法。
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