JP2010522101A - 表面改質材を有するスタンプを用いて基板上に機能材料のパターンを形成する方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、機能材料のパターンを基板上に形成する方法を提供する。本方法は、隆起表面を備えたレリーフ構造を有し、弾性率が少なくとも10メガパスカルであるエラストマースタンプを用いる。表面改質材をレリーフ構造に適用し、少なくとも隆起表面に層を形成する。機能材料と液体の組成物を、レリーフ構造上の表面改質材の層に適用して、液体を除去してフィルムを形成する。エラストマースタンプは、機能材料を隆起表面から基板に転写して、機能材料のパターンを基板上に形成する。本方法は、電子デバイスおよび部品のマイクロ回路の製造に好適である。
Description
本発明は、基板上に機能材料のパターンを形成する方法に関し、特に、本方法は、隆起表面を有するエラストマースタンプを用いて、部品およびデバイスのマイクロ加工に用いる基板上にパターンを形成するものである。
ほぼ全ての電子および光学デバイスにはパターン形成が必要である。マイクロ電子デバイスは、必要なパターンを形成するのに、フォトリソグラフィープロセスにより作製されてきた。この技術は、導体、絶縁体または半導体材料の薄膜を、基板上に堆積し、ネガまたはポジのフォトレジストを、材料の露出面にコートするものである。レジストに、所定のパターンで照射し、レジストの照射または非照射部分を表面から洗い流して、所定のパターンのレジストを表面に作製する。導電性金属材料のパターンを形成するには、所定のレジストパターンでカバーされていない金属材料をエッチングまたは除去する。次に、レジストパターンを除去して、金属材料のパターンを得る。しかしながら、フォトリソグラフィーは、複雑で、プラスチックエレクトロニクスの印刷では費用のかかり過ぎる多工程プロセスである。
接触印刷は、パターン化材料を形成するのに、柔軟性のある非リソグラフィー法である。接触印刷には、潜在的に、従来のフォトリソグラフィー技術を超える大きな利点がある。接触印刷は、電子部品アセンブリにおいて、プラスチックエレクトロニクス上に比較的高解像度のパターンを形成できるからである。マイクロ接触印刷には、基板表面に付与されるミクロン寸法のパターンを可能にする高解像度技術という特徴がある。マイクロ接触印刷はまた、フォトリソグラフィーシステムよりも経済的である。手順的にあまり複雑でなく、究極のところスピンコーティング機器も後続の現像工程も必要としないからである。さらに、マイクロ接触印刷は、オープンリール式電子部品アセンブリ操作に潜在的に適しており、フォトリソグラフィーおよびe−電子リソグラフィー(約数十ナノメートルの解像度が望ましい従来から用いられている技術)等の他の技術よりも高処理量の生産が可能となる。多数の画像を、オープンリール式アセンブリ操作において、マイクロ接触印刷を用いて、単一スタンプから印刷することができる。
接触印刷は、無線タグ(RFID)、センサ、メモリおよびバックパネルディスプレイ等のマイクロ電子デバイスの製造におけるフォトリソグラフィーに代わる可能性がある。分子種を形成する自己組織化単分子膜(SAM)を、基板に転写するというマイクロ接触印刷の能力はまた、金属のパターン化無電解堆積にも用途が見出されている。SAM印刷は、高解像度のパターンを作製することができるが、通常、金または銀の金属パターンを、チオールの化学により形成することに限られている。複数のバリエーションがあるものの、SAM印刷においては、エラストマースタンプに与えられたポジのレリーフパターンが基板に着色される。典型的にポリジメチルシロキサン(PDMS)でできたエラストマースタンプのレリーフパターンは、チオール材料により着色される。典型的に、チオール材料は、アルカンチオール材料である。基板は、金または銀の金属薄膜でブランケットコートされてから、金コートされた基板がスタンプと接触する。スタンプのレリーフパターンの金属膜との接触の際、所望のマイクロ回路パターンを有するチオール材料の単層が、金属膜に転写される。アルカンチオールは、自己組織化プロセスにより、金属に秩序ある単層を形成する。その結果、SAMは密集し、金属に良好に接合する。このように、SAMは、着色基板を、金属エッチング溶液に浸漬すると、エッチングレジストとして作用し、SAM保護金属領域以外は全て、下にある基板からエッチングされる。SAMは、剥離されて、所望のパターンの金属が残る。
材料を基板、特に、発光素子に転写する方法は、Coe−Sullivanら、国際公開第2006/047215号パンフレットに開示されている。この方法には、スタンプアプリケータの表面に材料を選択的に堆積し、スタンプアプリケータの表面を基板に接触することが含まれる。スタンプアプリケータは、テクスチャ付与、すなわち、凹凸パターンのある表面を有していても、特徴部なし、すなわち、凹凸を有していなくてもよい。材料は、ナノ材料インクであり、これは半導体ナノ結晶を含む。材料の基板への直接接触印刷だと、所望のマイクロ回路パターンを基板から形成しない過剰の材料をエッチングまたは除去するSAM印刷に関連する工程がなくされる。スタンプアプリケータは、ポリジメチルシロキサン(PDMS)等のエラストマー材料で作製することができる。
チオールの化学により印刷すると、20nmの特徴部が得られることが分かっているが、数少ない金属に限られており、オープンリール式プロセスには適合しない。対照的に、約50ミクロン以下、特に、1〜5ミクロンの解像度を備えた機能材料のパターンを、機能材料の直接レリーフ印刷により形成するのは難しい。
マイクロ接触印刷には、印刷される材料が、エラストマースタンプのレリーフ表面に広がらない、または濡らさないという問題が生じることがある。印刷される材料が、レリーフ表面スタンプをコートしない、または十分にコートしないと、材料は、印刷時、基板に均一に転写されず、基板上の材料の不完全なパターンを与える。
従って、機能材料のパターンを基板上に形成する方法を提供することが望まれている。機能材料のパターンを、基板上に直接する形成する方法が望まれている。基板上に導体材料のパターンを直接形成して、パターンを形成しない導体材料を除去するための中間エッチング工程を省くことが特に望ましい。かかる方法については、エラストマースタンプによるマイクロ接触印刷をしやすく、解像度50ミクロン以下、特に、約1〜5ミクロンを再生できるのも望ましい。ただし、金属への印刷に限られない。基板上にパターンを形成する材料の均一な転写のためには、エラストマースタンプのレリーフ表面に印刷されている材料の完全な被覆または改善された被覆を与える方法も望まれている。
本発明は、機能材料のパターンを基板上に形成する方法を提供する。本方法は、隆起表面を備えたレリーフ構造を有し、弾性率が少なくとも10メガパスカルであるエラストマースタンプを用いる。本方法は、第2の材料の均一な適用を行う表面改質材を含む第1の組成物をレリーフ構造に適用する工程と、機能材料と液体を含む第2の組成物を表面改質材に適用する工程と、少なくとも隆起表面に機能材料のフィルムが十分に形成されるように、レリーフ構造上の組成物から液体を除去する工程とを含む。機能材料は、隆起表面から転写されて、基板上にパターンを形成する。
本発明は、これらに限定されるものではないが、電子、光学、センサおよび診断用途をはじめとする様々な用途において、デバイスおよび部品に用いるために、基板上に機能材料のパターンを形成する方法を提供する。本方法は、機能材料として、様々な活性材料および不活性材料のパターン形成に適用することができる。本方法は、マスキング材料としてチオール材料のエラストマースタンプによる適用に限定されない。本方法は、機能材料のパターンを、広い面積について、50ミクロン未満のライン解像度で、様々な基板上に機能材料のパターンを直接形成できるため、特に、マイクロ回路を形成することができる。1〜5ミクロンの微細ライン解像度でも、本発明の方法により達成することができる。本方法は、機能材料を転写するために、レリーフ構造を有するエラストマースタンプで、特に、PDMSでできたスタンプに比べると、スタンプのサギングなし、または大幅なサギングなしで、材料の基板への望ましくない転写をすることなく、容易に印刷を行うものである。本方法は、エラストマースタンプ上の機能材料の濡れまたは広がりを改善して、スタンプのレリーフ構造上の機能材料のより均一な被覆または供給を提供する。本方法はまた、基板上の機能材料のパターン状転写または印刷も提供する。本発明の方法では、比較的広い面積にわたって、ミクロンの解像度で様々な機能材料を印刷することができる。本方法はまた、1つ以上の下にある層の機能を損なうことなく、連続したオーバーレイの印刷を可能にする。本方法は、特に、オープンリール式プロセス等の電子デバイスおよび部品の製造のための高速製造プロセスに適用できる。
スタンプは、基板のパターン化のために提供される。スタンプは、隆起表面を備えたレリーフ構造を含む。典型的に、レリーフ構造は、複数の隆起表面と複数の窪み表面とを含む。スタンプのレリーフ構造は、機能材料を基板上に印刷するための隆起表面のパターンを形成する。基板上の機能材料のパターンは、部品またはデバイスに有効な機能を与える。エラストマースタンプのレリーフ構造の隆起表面は、本方法により基板上に最終的に形成される機能材料のパターンを表し、窪み表面は、基板上のバックグラウンドまたは特徴部のない領域を表す。本発明の方法は、少なくとも10メガパスカル(Mpa)の弾性率を有するエラストマースタンプを用いる。これにより、50ミクロン未満の解像度の基板上の様々な機能材料の特徴部を形成することができる。30ミクロン未満、1〜5ミクロンと微細なライン解像度を形成することができる。機能材料が、例えば、半導体または誘電体材料である、ある実施形態において、50ミクロン未満の解像度が可能である。この解像度は、電子デバイスおよび部品の要件に適合するものである。機能材料が、例えば、導電材料である、ある実施形態において、本方法は、1〜5ミクロンの特徴部を形成することができる。本発明の方法は、基板上に機能材料のパターンを直接印刷できるため、導電性パターンを形成するための標準マイクロ接触印刷に関連する中間エッチング工程が省かれる。ある実施形態において、本発明の方法は、スタンプサギング(すなわち、窪み部分の天井崩壊)から典型的に生じる、機能材料の、基板上のパターンのない領域への転写を最小にもする。本発明の方法は、スタンプの隆起表面および窪み表面の相対的な寸法に関わらず、機能材料のパターン形成に適用することができる。
スタンプは、マイクロ接触印刷の業界の当業者であれば理解される従来の方法で形成される。例えば、スタンプは、レリーフ形態を表す表面(スタンプレリーフ構造の反対)を有するマスター上で、材料の層を鋳造および硬化することにより製造される。スタンプは、化学線への露光、加熱またはこれらの組み合わせにより硬化される。スタンプは、このように、エラストマー材料の層を含む。これは、エラストマー層、硬化層または硬化エラストマー層と呼ばれる。スタンプはまた、例えば、レリーフ構造を生成する方法で、剥離またはエングレイブによっても製造できる。スタンプのレリーフ構造において、隆起表面が基板と十分選択的に接触するよう、隆起表面は窪み表面から高さがある。窪み表面から隆起表面までの高さもまた、レリーフ深さと呼ばれる。一実施形態において、隆起表面は、窪み表面から約0.2〜20ミクロンの高さを有している。他の実施形態において、隆起表面は、窪み表面から約0.2〜2ミクロンの高さを有している。スタンプを形成するエラストマー層は、レリーフ構造が、印刷のための層中に形成できるのであれば特に限定されない厚さを有している。一実施形態において、エラストマー層の厚さは、1〜51ミクロンである。他の実施形態において、エラストマー層の厚さは、5〜25ミクロンである。
エラストマー層により、少なくとも10メガパスカル、好ましくは10メガパスカルを超える弾性率のスタンプが得られる。弾性率は、応力の増分対歪みの増分の比率である。本発明の方法について、弾性率は、ヤング率であり、低い歪みで、応力と歪みの関係が直線で、材料が、応力および歪みから回復できるようなものである。弾性率はまた、弾力性係数、弾力性率または弾性係数とも呼ばれる。弾性率は、当業者に周知の機械的特性である。材料の弾性率およびその他機械的特性の説明およびその分析は、Marks’Standard Handbook for Mechanical Engineers,eds.Avalone,E.およびBaumeister III,T.,第9版、5章、McGraw Hill、1987年にある。エラストマースタンプの弾性率を求めるのに好適な方法は、OliverおよびPharr、J.Mater.Res.7,1564(1992年)に記載されている。この方法は、エラストマー薄層、例えば、厚さ51ミクロン未満のスタンプを形成するエラストマー層の弾性率を求めるのに特に好適である。印刷スタンプの弾性率は、試料表面に対して法線で、既知の形状を有するインデンター先端を備えたインデンテーション試験機(インデンター)で測定することができる。インデンター先端を、プリセット値まで増大する負荷をかけることにより、試料に作用させる。試料の部分的または完全な弛緩が生じるまで、負荷を徐々に減じる。試料に、複数回のインデンテーションを行うことができる。荷重/非荷重および変位は、試験プロセス全体にわたって、連続的に記録されて、荷重変位曲線が生成され、これにより、弾性率その他といった機械的特性を求めることができる。各インデンテーションについての荷重/非荷重曲線の分析は、J.Mater.Res.に元々紹介されたOliverおよびPharrに記載された方法により行われる。
スタンプを形成する材料は、エラストマーで、これは、スタンプの少なくとも隆起部分を、基板の表面に適合させて、マスキング材料の完全な転写を促進するためのものである。少なくとも10メガパスカルの弾性率によって、直接レリーフ印刷により、基板上に機能材料の微細な解像度のパターンを、スタンプは確実に再生することができる。少なくとも10メガパスカルの弾性率を備えたスタンプは、機能材料の基板への直接印刷により、改善された解像度が可能となる。少なくとも10メガパスカルの弾性率を有するスタンプのある実施形態において、スタンプが示す窪み領域におけるサギングは少ない。一実施形態において、エラストマースタンプは、少なくとも11メガパスカルの弾性率を有する。一実施形態において、エラストマースタンプは、少なくとも15メガパスカルの弾性率を有する。他の実施形態において、エラストマースタンプは、少なくとも20メガパスカルの弾性率を有する。他の実施形態において、エラストマースタンプは、少なくとも40メガパスカルの弾性率を有する。
スタンプは、機能材料のパターンを、基板にレリーフ印刷することにより再生することのできる任意の材料または材料の組み合わせから製造することができる。エラストマースタンプを形成するのに好適なポリマー材料としては、これらに限定されるものではないが、例えば、フルオロポリマー、重合可能なフッ素化化合物、エポキシポリマー、共役ジオレフィンハイドロカーボンのポリマー、例えば、ポリイソプレン、1,2−ポリブタジエン、1,4−ポリブタジエンおよびブタジエン/アクリロニトリル、A−B−A型ブロックコポリマーのエラストマーブロックコポリマー(Aは、非エラストマーブロック、好ましくはビニルポリマーおよび最も好ましくはポリスチレンを表し、Bはエラストマーブロック、好ましくはポリブタジエンまたはポリイソプレンを表す)ならびにアクリレートポリマーが挙げられる。A−B−Aブロックポリマーとしては、これらに限定されるものではないが、ポリ(スチレン−ブタジエン−スチレン)およびポリ(スチレン−イソプレン−スチレン)が例示される。シリコーンポリマー、例えば、ポリジメチルシロキサン(PDMS)が、少なくとも10メガパスカルの弾性率を備えたスタンプを与えることのできる範囲であれば、シリコーンポリマーも好適な材料である。エラストマースタンプに用いる材料の選択は、ある程度、機能材料およびその液体の組成および/またはスタンプに適用される表面改質材およびその液体の組成に応じて異なる。例えば、エラストマースタンプ用に選択された材料は、表面改質組成物、特に、液体と接触しながら、膨潤に対して抵抗性がなければならない。フルオロポリマーは、典型的に、有機溶剤(機能材料について)に対して抵抗性がある。機能材料と共に用いるある溶剤、例えば、クロロホルムは、シリコーンベースのスタンプ、例えば、PDMSを膨潤する傾向がある。スタンプの膨潤によって、基板上の微細解像度パターンを生成する能力が変わる。ポリマー材料は、エラストマーであっても、硬化によりエラストマーになるものであってもよい。ポリマー材料自体は、感光性であり、かつ/またはポリマー材料が、組成物を感光性とする1種以上の添加剤と共に組成物中に含まれていてもよい。
一実施形態において、レリーフ構造が、化学線に露光する際に形成できるようエラストマースタンプを形成する材料は感光性である。「感光性」という用語には、感光性組成物が、化学線に応答して、1つ以上の反応、特に、光化学反応を開始できる系が含まれる。化学線への露光の際、モノマーおよび/またはオリゴマーの連鎖重合は縮合機構か、フリーラジカル付加重合のいずれかにより誘導される。全ての光重合可能な機構が考えられるが、エラストマースタンプ材料として有用な感光性組成物は、1つ以上の末端エチレン化不飽和基を有するモノマーおよび/またはオリゴマーのフリーラジカル開始付加重合について説明する。これに関して、化学線に露出したときの光開始剤系は、モノマーおよび/またはオリゴマーの重合を開始するのに必要なフリーラジカルの源として作用し得る。
組成物は感光性である。組成物は、光開始付加重合によりポリマーを形成することのできる少なくとも1つのエチレン化不飽和基を有する化合物を含有するためである。感光性組成物はまた、化学線により活性化される開始系も含有していて、光重合を誘導してもよい。重合可能な化合物は、非末端エチレン化不飽和基を有している、かつ/または組成物は、架橋を促進するモノマー等の1つ以上のその他の化合物を含有していてもよい。このように、「光重合可能な」という用語は、光重合可能、光架橋可能またはその両方の系を包含するものである。本明細書で用いる、光重合はまた、硬化とも呼ばれる。エラストマースタンプを形成する感光性組成物は、1つ以上の成分および/または添加剤を含んでいてよく、これらに限定されるものではないが、組成物を安定化またはその他強化する光開始剤、1つ以上のエチレン化不飽和化合物(モノマーと呼ばれる)、フィラ−、界面活性剤、熱重合防止剤、処理助剤、酸化防止剤、光増感剤等が挙げられる。
光開始剤は、化学線に感受性のある単一化合物または化合物の組み合わせとすることができ、過剰な停止反応なしで、重合を開始するフリーラジカルを生成する。公知の部類の光開始剤、特に、フリーラジカル開始剤、例えば、芳香族ケトン、キノン、ベンゾフェノン、ベンゾインエーテル、アリールケトン、過酸化物、ビイミダゾール、ベンジルジメチルケタ―ル、ヒドロキシルアルキルフェニルアセトフォン、ジアルコキシアセトフェノン、トリメチルベンゾイルホスフィンオキシド誘導体、アミノケトン、ベンゾイルシクロヘキサノール、メチルチオフェニルモルホリノケトン、モルホリノフェニルアミノケトン、アルファハロゲノアセトフェノン、オキシスルホニルケトン、スルホニルケトン、オキシフルホニルケトン、スルホニルケトン、ベンゾイルオキシムエステル、チオキサントロン、カンファーキノン、ケトクマリンおよびミヒラーズケトンを用いてよい。一実施形態において、光開始剤は、芳香族ケトン型の公知のフッ素を含まない光開始剤に基づくフッ素化光開始剤を含む。あるいは、光開始剤は、化合物の混合物であってもよく、そのうちの1つが、放射線により活性化される感光剤により、そのように行うと、フリーラジカルを与える。液体光開始剤は、組成物中で良好に分散するため、特に好適である。好ましくは、開始剤は、紫外線に感受性がある。光開始剤は、通常、感光性組成物の重量を基準にして、0.001%〜10.0%の量で存在する。
化学線により活性化される組成物中に用いることのできるモノマーは業界で周知であり、これらに限定されるものではないが、付加重合エチレン化不飽和化合物が挙げられる。付加重合化合物はまた、オリゴマーであってもよく、オリゴマーの単体または混合物とすることができる。組成物は、単体モノマーまたはモノマーの組み合わせを含有することができる。付加重合可能なモノマー化合物は、組成物の重量の5%未満、好ましくは3%未満の量で存在し得る。
一実施形態において、エラストマースタンプは、化学線に露光する際に、重合するフッ素化化合物を含む感光性組成物で構成されていて、フッ素化エラストマーベースの材料を形成する。好適なエラストマーベースのフッ素化化合物としては、これらに限定されるものではないが、重合反応により重合または架橋可能なパーフルオロポリエーテル、フルオロオレフィン、フッ素化熱可塑性エラストマー、フッ素化エポキシ樹脂、フッ素化モノマーおよびフッ素化オリゴマーが挙げられる。一実施形態において、フッ素化化合物は、反応して重合し、フッ素化エラストマー材料を形成する1つ以上の末端エチレン化不飽和基を有する。エラストマーベースのフッ素化化合物は、ポリウレタン、ポリアクリレート、ポリエステル、ポリシロキサン、ポリアミドおよび印刷フォーム前駆体および/またはその使用に好適なスタンプの所望の特性を達成するその他等でホモ重合または共重合することができる。化学線への露光は、フッ素化化合物を重合するのに十分なものであり、印刷スタンプとして用いられるようになり、高圧および/または室温より高い高温を加える必要がない。化学線に露光することにより硬化するフッ素化化合物を含有する組成物の利点は、PDMSベースの系等、熱硬化する組成物に比べると特に、組成物が比較的早く(例えば、1分以下で)硬化し、単純なプロセス過程であることである。
一実施形態において、エラストマースタンプは、フッ素化化合物が、パーフルオロポリエーテル(PFPE)化合物である感光性組成物の層を含む。パーフルオロポリエーテル化合物は、少なくとも大部分がパーフルオロエーテルセグメント、すなわち、パーフルオロポリエーテルを含む化合物である。PFPE化合物中に存在するパーフルオロエーテルセグメントの大部分は、PFPE化合物の総重量を基準にして、80重量パーセント以上である。パーフルオロポリエーテル化合物はまた、フッ素化されていないハイドロカーボンまたはハイドロカーボンエーテルである、かつ/またはフッ素化されているが、過フッ素化されていないハイドロカーボンまたはハイドロカーボンエーテルである1つ以上の延長セグメントを含んでいてもよい。一実施形態において、パーフルオロポリエーテル化合物は、少なくとも大部分がパーフルオロポリエーテルセグメントおよび末端光反応性セグメント、任意で、フッ素化されていないハイドロカーボンの延長セグメントを含む。パーフルオロポリエーテル化合物は、1つ以上の末端エチレン化不飽和基により官能基が付与されて、化合物を、化学線に対して反応性とする(すなわち、光反応性セグメント)。光反応性セグメントはまた、光重合可能なセグメントとも呼ばれる。
パーフルオロポリエーテル化合物は、限定されないが、鎖状および分岐構造を含む。パーフルオロポリエーテル化合物の鎖状骨格構造が好ましい。PFPE化合物は、モノマーであってよいが、典型的には、室温でオリゴマーおよび液体である。パーフルオロポリエーテル化合物は、オリゴマーパーフルオロエーテルセグメントを有するオリゴマー二官能性モノマーと考えてもよい。パーフルオロポリエーテル化合物は、光化学的に重合して、スタンプのエラストマー層を与える。PFPEベースの材料の利点は、PFPEが高フッ素化されていて、有機溶剤、特に、マイクロ接触印刷技術に用いるのに望ましい塩化メチレン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、トルエン、ヘキサンおよびアセトニトリル等による膨潤に抵抗性があることである。
任意で、エラストマースタンプは、可撓性フィルム、好ましくは可撓性ポリマーフィルムの支持体を含む。可撓性支持体は、スタンプのエラストマーレリーフ表面を、印刷可能な電子基板に、反りまたは歪みを生じさせることなく、適合または実質的に適合可能とする。支持体はまた、スタンプをマスターから剥離しながら、スタンプのエラストマー層と共に曲げることができるほど十分に可撓性でもある。支持体は、非反応性で、スタンプの製造および使用状況にわたって安定なままのフィルムを形成するポリマー材料とすることができる。好適なフィルム支持体としては、トリアセチルセルロース等のセルロースフィルムおよび、ポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリイミドおよびポリエステル等の熱可塑性材料が例示される。好ましいのは、ポリエチレン、例えば、ポリエチレンテレフタレートおよびポリエチレンナフタレートのフィルムである。同じく支持体に含まれるのは可撓性ガラスである。典型的に、支持体の厚さは、2〜50ミル(0.0051〜0.13cm)である。典型的に、支持体はシートフィルムの形態であるが、この形態に限定されない。一実施形態において、支持体は、感光性組成物が重合する化学線に対して透明、または実質的に透明である。
エラストマースタンプの提供後、本方法には、表面改質材を含む第1の組成物を、エラストマースタンプのレリーフ構造の少なくとも隆起表面に適用することが含まれる。一実施形態において、表面改質材は、スタンプのレリーフ構造、すなわち、スタンプの隆起表面と窪み表面の両方に適用される。スタンプのレリーフ構造の少なくとも隆起表面上の表面改質材は、同表面に機能材料が広がる、または濡らすのを補助する。機能材料は、スタンプの表面を均一にカバーする、または供給されて、基板と最終的に接触し、機能材料のパターンを印刷する。表面改質材を有するスタンプのレリーフ構造の1つまたは複数の表面によって、エラストマースタンプを形成するのに用いる材料と適合しない機能材料が、1つまたは複数の構造上に均一な層を形成することができる。表面改質材を有するスタンプのレリーフ構造の1つまたは複数の表面はまた、基板上の機能材料のパターンを画像状に転写または印刷するのを補助する。
表面改質材は、任意の好適な方法によりスタンプの少なくとも隆起表面に堆積できなければならない。表面改質材はまた、スタンプの取扱いまたは操作中、スタンプから欠けたり、剥離したり、剥がれ落ちたりしないフィルムを形成できなければならない。表面改質材は、スタンプが周囲条件下で操作されるときに欠けるのを最小にするために、室温近くまたは室温より低いガラス転移温度を有していればよい。理想的には、表面改質材は、スタンプを含む材料のガラス転移温度に近いガラス転移温度を有している。一実施形態において、表面改質材は、連続した、平滑な機械的に強固なフィルム、または実質的に連続した、平滑な機械的に強固なフィルムをスタンプ上に形成する。スタンプ上になった時点で、表面改質材は、機能材料の適用により、妨げられたり、再溶解したりしてはならない。スタンプ上になった時点で、表面改質材は、機能材料の濡れ挙動を向上(または修正)する。表面改質材は、機能材料についてスタンプ自体の表面張力とは異なる表面張力を与える。スタンプ上になった時点で、表面改質材は、機能材料を基板に転写するのに用いる条件で変化してはならない。特に、機能材料の転写中に高温を用いる場合には、表面改質材は、溶融したり、軟化したりしてはならない。任意で、表面改質材が、機能材料を基板に転写する場合には、表面改質材は、転写後、溶解を含む任意の好適な手段により、機能材料から除去できる。
表面改質材として好適な材料は、表面改質材が上記の能力を満たすのであれば限定されない。好適な表面改質材としては、これらに限定されるものではないが、両親媒性化合物、例えば、アルキルトリクロロシラン、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)およびペンタフルオロフェニルプロピルトリメトキシシラン、有機官能性シラン化合物、例えば、トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート、N,N’−ビス[(3−トリメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミン、高分子電解質化合物、例えば、ポリ(アリルアミン塩酸塩)、生物学的活性材料、例えば、リン脂質、アクリルポリマーおよびそのコポリマー、メタクリルポリマーおよびそのコポリマー、ビニルポリマーおよびそのコポリマー、ビニルポリマーと(メタ)アクリルポリマーのジ−、トリ−およびマルチ−ブロックコポリマー、例えば、ポリスチレン−ポリメチルメタクリレートブロックコポリマー、共役芳香族ポリマーおよび共役芳香族コポリマー、例えば、ポリ(パラ−フェニレンビニレン)ポリマーおよびコポリマーが例示される。
材料の取扱い、またはスタンプへの適用を補助するために、表面改質材を溶液に組み込むことができる。表面改質材は、液体に分散または溶解または懸濁させて、スタンプに適用するための組成物を形成することができる。表面改質材に用いる液体は限定されず、有機化合物および水性化合物を挙げることができる。一実施形態において、液体は、アルコール系化合物である有機化合物である。液体は、溶剤、すなわち、他の物質(例えば、表面改質材)を溶解して、均一な混合物を形成することのできる物質であっても、本発明の方法の工程を十分に実施できるように溶液中に材料を分散または懸濁することのできるキャリア化合物であってもよい。溶剤であってもキャリアであっても液体と表面改質材は、適用中、スタンプの少なくとも隆起表面を濡らすことが少なくともできるものでなければならない。表面改質材は、組成物の総重量を基準にして、0.1〜30重量%で液体中に存在していてよい。一実施形態において、表面改質材は、組成物の総重量を基準にして、0.001〜15重量%で液体中に存在する。液体は、表面改質材のための溶剤またはキャリアとして1種類または2種類以上の化合物を含んでいてよい。一実施形態において、液体は、表面改質材のための1種類の溶剤を含む。一実施形態において、液体溶液は、表面改質材のための1種類のキャリア化合物を含む。他の実施形態において、液体は、表面改質材のための2種類の溶剤、すなわち、共溶剤混合物を含む。共溶剤混合物を用いる実施形態において、混合物中の成分は、次のガイドラインのうち1つ以上に従って選択し得る。(1)個々の溶剤成分の蒸発速度(すなわち、揮発度)が異なる。(2)特定の表面改質材のための個々の溶剤成分の容媒和力が異なる。個々の溶剤成分の容媒和力および揮発度は、組成物中および/または液体除去中の勾配が形成されるよう十分に異なる。(3)個々の溶剤成分は、スタンプのレリーフ構造からの液体の除去中に生じる組成物範囲にわたって互いに混和する。(4)共溶剤混合物は、スタンプからの液体の除去中、スタンプの隆起表面を濡らし続ける。共溶剤混合物の一例としては、揮発性の低い貧溶剤と共に二成分溶剤溶液を形成する揮発性の高い非常に良好な、(表面改質材の)溶剤が挙げられる。二成分溶剤溶液が、スタンプの隆起表面から蒸発するにつれて、溶液組成が絶え間なく変化する(勾配)。溶液勾配は、液体の除去中の表面改質材の特性変化を促して、スタンプ上にフィルムを形成することができる。
表面改質材または表面改質材と液体の組成物は、これらに限定されるものではないが、注入、流し込み、液体鋳造、噴射、浸漬、吹付け、蒸着およびコーティングをはじめとする任意の好適な方法により、スタンプに適用することができる。コーティングの好適な方法としては、スピンコーティング、ディップコーティング、スロットコーティング、ローラーコーティングおよびドクターブレーディングが例示される。一実施形態において、表面改質材組成物がスタンプに適用されて、スタンプのレリーフ構造上に層を形成する。すなわち、組成物は、隆起表面と窪み表面に層を形成する。スタンプの表面改質材組成物の層は、連続または不連続とすることができる。表面改質材の層の厚さは、特に限定されない。一実施形態において、表面改質材層の厚さは、典型的に、スタンプのレリーフ高さ(隆起表面と窪み表面との差)より少ない。
表面改質材または表面改質材の組成物は、スタンプのレリーフ構造の少なくとも隆起表面上に層を形成することができなければならない。スタンプのエラストマーモジュラスの要件よりも、エラストマースタンプの特定の他の特性、例えば、スタンプ材料の耐溶剤性ならびに表面改質材の組成物の特定の特性、例えば、溶剤の沸点および表面改質材の溶剤における溶解度が、層を形成し、機能材料の濡れを補助する特定の表面改質材の能力に影響する。しかし、マイクロ接触印刷の当業者であれば、表面改質材およびエラストマースタンプの適切な組み合わせを決めることができる。
表面改質材と液体の組成物を、スタンプに適用する場合、組成物から液体の一部またはすべては除去され、表面改質材がスタンプ上に残る。レリーフ構造上の組成物からの液体は、十分に除去されて、表面改質材のフィルムが、スタンプの少なくとも隆起表面に形成される。2種類以上の化合物を、表面改質材組成物のための液体として用いる場合には、2種類以上の化合物の一部またはすべてを除去して、フィルムを形成する。除去は、ガスジェット、吸収材料によるブロット、室温または高温での蒸発等をはじめとする任意の方法で行うことができる。一実施形態において、除去は、スタンプ上の表面改質材の適用中、乾燥によりなされる。効率的な乾燥は、比較的低沸点の機能材料のための溶剤の選択により、かつ/または表面改質材の組成物の非常に薄い層(すなわち、約1ミクロン未満)の適用により補助される。機能材料が十分に濡らし、表面改質材の層上にフィルムを形成できるという条件で、液体は、組成物層から十分に除去される。一実施形態において、スタンプ上の表面改質材のフィルムの厚さは、0.001〜2ミクロン(マイクロメートル)である。他の実施形態において、スタンプ上の表面改質材のフィルム層の厚さは、0.01〜1ミクロンである。
一実施形態において、機能材料は、マイクロ加工によりパターン化されて、様々な部品およびデバイスにおける操作を促進する材料である。機能材料は、活性材料または不活性材料とすることができる。活性材料としては、これらに限定されるものではないが、電気的活性材料、光活性材料および生物学的活性材料が挙げられる。本明細書で用いる「電気的活性」、「光活性」および「生物学的活性」とは、電磁場、電位、太陽またはその他エネルギー放射線、生物刺激場またはこれらの組み合わせ等の刺激に応答して所定の活性を示す材料のことを指す。不活性材料としては、これらに限定されるものではないが、絶縁材料、例えば、誘電体材料、平坦化材料、バリア材料および閉じ込め材料が挙げられる。一実施形態において、平坦化材料が、カラーフィルタにおいてピクセルのパターンの上部に印刷されて、全てのピクセルを同じ高さとする。一実施形態において、バリア材料は、パターンで印刷されて、バリアを形成して、カソード中の電荷によって、有機発光ダイオード(OLED)中、発光ポリマー層への電荷注入が促される。一実施形態において、閉じ込め材料は、パターンとして印刷されて、後に適用される液体の、閉じ込め材料のパターンにより画定される特定の領域に対する膨張を制限する。不活性材料についての機能材料は、上述した実施形態に用いるものだけに限定されない。活性材料および不活性材料は、有機または無機とすることができる。有機材料は、ポリマー材料または小分子材料とすることができる。
機能材料は、電子部品およびデバイスのマイクロ製造に用いるためにパターン化された材料である。機能材料としては、これらに限定されるものではないが、例えば、導体材料、半導体材料、および誘電体材料が挙げられる。機能材料として用いる導体材料としては、これらに限定されるものではないが、インジウム錫酸化物、銀、金、銅およびパラジウム等の金属、金属錯体、金属合金等が例示される。半導体材料としては、これらに限定されるものではないが、例えば、シリコン、ゲルマニウム、ヒ化ガリウム、酸化亜鉛およびセレン化亜鉛が例示される。
機能材料は、微粒子、ポリマー、分子等をはじめとする任意の形態とすることができる。典型的に、半導体材料および誘電体材料はポリマーであるが、この形態に限定されず、機能材料は、可溶半導体分子を含むことができる。
本方法に用いる機能材料はまた、導体、半導体および誘電体材料のナノ粒子を含んでいてもよい。ナノ粒子は、サイズがナノメートル(nm)で測定される微小粒子である。ナノ粒子は、200nm未満の少なくとも1つの寸法を有する粒子を含む。一実施形態において、ナノ粒子の直径は、約3〜100nmである。サイズ範囲の下端では、ナノ粒子はクラスターと呼ばれる。ナノ粒子の形状は、限定されず、ナノスフェア、ナノロッドおよびナノカップが挙げられる。半導体材料でできたナノ粒子はまた、電子エネルギーレベルの量子化が生じるのに粒子が十分に小さい(典型的に、10nm未満)場合には、量子ドットとも呼ばれる。半導体材料は、発光量子ドットを含む。バルク材料は、通常、そのサイズに関わらず一定した物理特性を有するが、ナノ粒子については、これは当てはまらないことが多い。半導体粒子における量子閉じ込め、金属粒子における表面プラズモン共鳴および磁気材料における超常磁性のように、サイズ依存特性が観察される。機能材料としては、これらに限定されるものではないが、半固体ナノ粒子、例えば、リポソーム、軟性ナノ粒子、ナノ結晶、ハイブリッド構造、例えば、コア−シェルナノ粒子が挙げられる。機能材料としては、カーボンのナノ粒子、例えば、カーボンナノチューブ、導電性カーボンナノチューブおよび半導体カーボンナノチューブが挙げられる。金、銀および銅の金属ナノ粒子および分散液は、NanotechnologiesおよびANPより市販されている。
「光活性」という用語は、フォトルミネッセンス、エレクトロルミネッセンス、着色または感光性を示す材料のことを意味する。この用語には、特に、染料、光学漂白剤、フォトルミネッセンス材料、化学線に反応性の化合物および光開始剤が含まれる。一実施形態において、光活性材料には、化学線に応答して、反応、特に、光化学反応を開始できる材料または材料の組み合わせが含まれる。光活性材料は、それ自体が、化学線に反応性のある化合物を含む、かつ/または1種以上の化合物、例えば、組成物の化学線への反応性を与える、モノマーおよび光開始剤の組成物を含むことができる。機能材料の好適な光活性材料としては、感光性組成物およびエラストマースタンプに好適な材料として上述したようなものが挙げられる。一実施形態において、光活性材料は、エラストマースタンプについて上述したとおり、1種以上のフッ素化化合物、例えば、フルオロポリマー、フッ素化モノマーおよびフッ素化オリゴマーとすることができる。他の実施形態において、機能材料は、有機発光ポリマーである。
小分子材料と呼ばれる機能材料のさらなる例としては、これらに制限されないが、有機染料、半導体分子、蛍光発色団、りん光発色団、薬理活性化合物、生物学的活性化合物、触媒活性を有する化合物が挙げられ、単体または他の材料と様々に組み合わせて、電子、センサまたは診断用途に有用なパターン化されたデバイスの製造に好適である。
本発明において用いられるバイオ系材料とも呼ばれる生物学的活性材料としては、これらに限定されるものではないが、様々な分子量のデオキシリボ核酸(DNA)が挙げられ、テンプレートまたは骨格として用いて、DNAを、明確な形状へと結合する他の材料、タンパク質、ポリ(オリゴ)ペプチドおよびポリ(オリゴ)サッカリドを配置することができる、単体または他の材料との様々な組み合わせが、電子、センサまたは診断用途のパターン化デバイスの製造に好適である。
変形実施形態において、本発明の方法は、2006年8月23日出願の同時係属米国特許出願第11/50806号明細書(代理人整理番号IM−1336)に記載されているように、レリーフ構造上に表面改質材を有するエラストマースタンプを用いて、基板上にマスク材料のパターンを形成することができる。本実施形態において、マスク材料は、本発明の機能材料として処理することができる。すなわち、マスク材料は、スタンプの少なくとも隆起表面に適用し、基板に転写して、パターンを形成することができる。マスク材料は、機能材料について後述するのと同じ能力を少なくとも有していなければならない。ただし、マスク材料は、様々な部品およびデバイスにおいて、活性材料または不活性材料としての働きは促進しないということは除く。本実施形態において、エラストマースタンプのレリーフ構造の窪み表面は、最終的に基板上に形成される機能材料のパターンを表し、基板上にマスク材料のパターンを形成する隆起表面は、基板上のバックグラウンドまたは特徴部のない領域を表す。基板上のマスク材料のパターンは、電子部品またはデバイスに望ましい機能材料のパターンの反対またはネガである。基板上のマスク材料のパターンは、対応して、基板上に開口領域のパターンを形成する。上述したとおり、様々な部品およびデバイスにおいて、活性材料または不活性材料としての働きを促進しない機能材料を、基板上の開口領域の少なくともパターンに適用する。機能材料の適用後、マスク材料を除去する。マスク材料が、(1)スタンプのレリーフ構造の少なくとも隆起表面に層を形成し、(2)レリーフ構造に従ったパターンを基板に転写し、(3)機能材料に悪影響を与えることなく基板から除去できるのであれば、マスク材料として好適な材料は限定されない。
機能材料は、典型的に、液体に、分散、溶解または懸濁されて、スタンプに適用するための組成物が形成される。機能材料に用いる液体は、限定されず、有機化合物および水性化合物を含むことができる。一実施形態において、液体は、アルコールベースの化合物である有機化合物である。液体は、他の物質(すなわち、機能材料)を溶解して、均一な混合物を形成することのできる物質である溶剤、または本発明の方法の工程を実施するのに十分、溶液中に材料を分散または懸濁できるキャリア化合物であってよい。溶剤またはキャリアのいずれにしろ、液体と機能材料は、適用中、スタンプの少なくとも隆起表面を湿潤できるものでなければならない。機能材料は、組成物の総重量を基準にして、0.1〜30重量%で液体中に存在する。液体は、機能材料のための溶剤またはキャリアとして、1種または2種以上の化合物を含む。一実施形態において、液体は、機能材料のための1種の溶剤を含む。他の実施形態において、液体溶液は、機能材料のための1種のキャリア化合物を含む。他の実施形態において、液体は、機能材料のための2種の溶剤、すなわち、共溶剤混合物を含む。共溶剤混合物を用いる実施形態において、混合物中の成分は、次のガイドラインのうち1つ以上に従って選択する。(1)個々の溶剤成分の蒸発速度(すなわち、揮発度)が異なる。(2)特定の機能材料のための個々の溶剤成分の容媒和力が異なる。個々の溶剤成分の容媒和力および揮発度は、組成物中および/または液体除去中の勾配が形成されるよう十分に異なる。(3)個々の溶剤成分は、スタンプのレリーフ構造からの液体の除去中に生じる組成物範囲にわたって互いに混和する。(4)共溶剤混合物は、スタンプからの液体の除去中、スタンプの隆起表面を濡らし続ける。共溶剤混合物の一例としては、揮発性の低い貧溶剤と共に二成分溶剤溶液を形成する揮発性の高い非常に良好な溶剤(機能材料の)が挙げられる。二成分溶剤溶液が、スタンプの隆起表面から蒸発するにつれて、溶液組成が絶え間なく変化する(勾配)。溶液勾配は、液体の除去中の機能材料の特性変化を促して、スタンプ上にフィルムを形成することができる。かかる乾燥勾配の結果として、変化する特性としては、小芳香族分子の凝集体、例えば、半導体材料、およびDNAや半導体ポリマー等の(バイオ)ポリマーの配座が挙げられる。乾燥勾配から得られる機能材料のフィルムは、物理、化学または生物学的に異なる特性を有し、基板の機能材料のプリ−またはポスト−転写の状態に影響する可能性がある。
機能材料と液体の組成物は、組成物をスタンプのレリーフ構造の少なくとも隆起表面上の表面改質材の層に適用することにより、スタンプに提供される。機能材料と液体の組成物は、これらに限定されるものではないが、注入、流し込み、液体鋳造、噴射、浸漬、吹付け、蒸着およびコーティングをはじめとする任意の好適な方法により、表面改質材の層を有するスタンプの表面に適用することができる。コーティングの好適な方法としては、スピンコーティング、ディップコーティング、スロットコーティング、ローラーコーティングおよびドクターブレーディングが例示される。一実施形態において、組成物がスタンプに適用されて、スタンプのレリーフ構造上に層を形成する。すなわち、組成物は、隆起表面と窪み表面に層を形成する。スタンプの組成物の層は、連続または不連続とすることができる。組成物の層の厚さは、特に限定されない。一実施形態において、組成物層の厚さは、典型的に、スタンプのレリーフ高さ(隆起表面と窪み表面との差)より少ない。
組成物は、表面改質材の層を有するスタンプのレリーフ構造の少なくとも隆起表面上に層を形成することができなければならない。スタンプのエラストマーモジュラスの要件を超えて、スタンプ材料の耐溶剤性等のエラストマースタンプの特定の他の特性、ならびに溶剤の沸点および機能材料の溶剤における溶解度等の機能材料の組成物の特定の特性は、特定の機能材料の能力に影響して、表面改質材の層上に層を形成し、パターンとして基板に転写するものである。しかし、マイクロ接触印刷の当業者であれば、機能材料およびエラストマースタンプの適切な組み合わせを決めることができる。
一実施形態において、機能材料は、基板に適用するための溶剤の液体溶液中にある。他の実施形態において、機能材料は、基板に適用するための共溶剤混合物中にある。機能材料、特に、ナノ粒子の形態にあるときは、適用のためのキャリアシステム中に懸濁している。
機能材料および液体の組成物を、表面改質材の層を有するスタンプの少なくとも隆起表面に適用した後、組成物から液体の一部またはすべてを除去し、機能材料はスタンプ上に残す。レリーフ構造上の組成物からの液体は、十分に除去されて、機能材料のフィルムを、スタンプの少なくとも隆起表面に形成する。2種以上の化合物を、機能材料組成物のための液体として用いる場合には、2種以上の化合物の一部またはすべてを除去して、フィルムを形成する。除去は、ガスジェット、吸収材料によるブロット、室温または高温での蒸発等をはじめとする任意の方法で行うことができる。一実施形態において、除去は、スタンプ上の機能材料の適用中、乾燥によりなされる。効率的な乾燥は、比較的低沸点の機能材料のための溶剤の選択により、かつ/または機能材料の組成物の非常に薄い層(すなわち、約1ミクロン未満)の適用により補助される。液体は、組成物層から十分に除去されて、レリーフ構造に従って、機能材料のパターンが基板に転写されるようにする。一実施形態において、スタンプ上の機能材料のフィルムの厚さは、0.001〜2ミクロンである。他の実施形態において、スタンプ上の機能材料のフィルム層の厚さは、0.01〜1ミクロンである。
一実施形態において、機能材料は、液体、すなわち、溶剤またはキャリアを実質的に含まず、レリーフ構造上にフィルムを形成する。他の実施形態において、液体は、組成物から実質的に除去されて、機能材料の乾燥したフィルムを、少なくとも隆起表面に形成し、乾燥したフィルムを、気化状態の化合物に露出して、基板への転写を促す。気化した化合物は限定されず、水蒸気または有機化合物蒸気が挙げられる。以下に限定されるものではないが、フィルムがやや可鍛性となって、機能材料を基板に接合する能力が増大する限りは、乾燥したフィルムを気化した化合物に露出すると、乾燥したフィルムが可塑化するものと考えられる。典型的に、気化した化合物の乾燥したフィルムへの影響は一時的で、その直後、または実質的にその直後に、フィルムが基板へ転写される。
レリーフ構造の隆起表面から基板までの機能材料の転写により、基板上の機能材料のパターンが作成される。転写はまた印刷とも呼ばれる。機能材料の基板の隆起表面との接触によって、機能材料が転写され、スタンプが基板から分離されると、機能材料のパターンが形成される。一実施形態において、隆起表面にある機能材料の全てまたは実質的に全てが基板に転写される。基板からのスタンプの分離は、これらに限定されるものではないが、剥離、ガスジェット、液体ジェット、機械的デバイス等をはじめとする任意の好適な手段によりなされる。
任意で、圧力をスタンプに加えて、機能材料の基板との接触および基板への完全な転写を確実なものとする。機能材料を基板に転写するのに用いる好適な圧力は、5ポンド/cm2未満、好ましくは1ポンド/cm2未満、より好ましくは0.1〜0.9ポンド/cm2、最も好ましくは約0.5ポンド/cm2である。機能材料の基板への転写はいずれの方法で行ってもよい。機能材料の転写は、スタンプのレリーフ表面を基板に動かす、または基板をスタンプのレリーフ表面に動かす、または基板とレリーフ表面の両方を接触させて動かすことによりなされる。一実施形態において、機能材料は、手動で転写される。他の実施形態において、機能材料の転写は、例えば、コンベヤーベルト、オープンリール式プロセス、直接駆動可動固定具またはパレット、チェーン、ベルトまたはギア駆動固定具またはパレット、摩擦ローラ、印刷プレスまたは回転式装置により、自動化される。機能材料の層の厚さは、特に限定されず、基板上の機能材料層の典型的な厚さは、10〜10000オングストローム(0.001〜1ミクロン)である。
本発明の方法は、典型的に、室温、すなわち、17〜30℃(63〜86°F)の温度で行われるが、これに限定されない。熱が、エラストマースタンプ、機能材料、基板、基板上にパターンを形成する能力に悪影響を及ぼさない限りは、本発明の方法は、約100℃までの高温で行われる。基板が接着層を含む実施形態において、機能材料のスタンプから基板への転写を補助するために、室温より高い温度で、本発明の方法を実施するのが有用である。
一実施形態において、機能材料の基板への転写後、表面改質材の層はエラストマースタンプと共に残る。他の実施形態において、隆起表面上の表面改質材は、機能材料と共に、基板に転写される。本実施形態において、機能材料のパターンを妨害されたり、変化したりしない限りは、表面改質材は、任意の好適な手段により、基板上に形成された機能材料のパターンから除去することができる。一実施形態において、表面改質材は、表面改質材の溶剤(機能材料の溶剤でない)で洗うことにより除去される。
機能材料のパターンが、上に形成できるのであれば、基板は、限定されないが、プラスチック、ポリマーフィルム、金属、シリコン、ガラス、布帛、紙およびこれらの組み合わせが挙げることができる。基板は不透明または透明とすることができる。基板は剛性または可撓性とすることができる。本発明の方法による機能材料のパターンが基板上に形成される前、基板はまた、他の材料の1つ以上の層および/または1つ以上のパターンを含んでいてもよい。基板の表面は、接着促進表面、例えば、プライマー層を含む、または処理して、接着層または機能材料の基板への接着を促すことができる。任意で、機能材料をスタンプから基板まで転写するのを補助するために、基板は接着層を含むことができる。一実施形態において、接着剤は、室温より高いガラス転移温度を有する。接着層を有する基板を室温より高く加熱することにより、接着層は、軟化または粘着性となって、機能材料の基板への接着を補助する。スタンプと基板の表面エネルギーに十分な差があって、機能材料の基板への転写を促進するのであれば、基板が処理または接着層を有する必要はない。好適な基板としては、例えば、ポリマー、ガラスまたはセラミック基板上に金属フィルムのあるもの、ポリマー基板上に1枚または複数の導電性フィルム、その上に金属フィルムのあるもの、ポリマー基板上に半導体フィルム、その上に金属フィルムのあるものが挙げられる。好適な基板のさらなる例としては、例えば、ガラス、インジウム錫酸化物コートガラス、インジウム錫酸化物コートポリマーフィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリイミド、シリコンおよび金属ホイルが例示される。基板は、パターンが転写される1つ以上の電荷注入層、電荷輸送層および半導体層を含むことができる。
接着剤が任意の手段により層を形成でき、機能材料を基板へ転写するのを補助するのであれば、基板の接着剤として好適な材料は限定されない。一実施形態において、接着剤はアクリルラテックスである。他の実施形態において、接着剤は、接着剤として機能するために高温で軟化する固体材料である熱活性接着剤である。熱活性接着剤としては、これらに限定されるものではないが、ポリアミド、ポリアクリレート、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリイソブチレン、ポリスチレン、ポリビニル樹脂、ポリエステル樹脂およびこれらとその他ポリマーのコポリマーおよびブレンドが例示される。接着剤のさらなる例は、「Handbook of Adhesives」I.Skeist編、第2版、Van Nostrand Reinhold Company,New York,1977にある。接着層の厚さは、約10〜約10000オングストロームである。
任意で、基板上の機能材料のパターンは、加熱、紫外線および赤外線等の化学線源への露光等のさらなる処理工程を行ってもよい。機能材料が、ナノ粒子の形態である実施形態において、追加の処理工程は、機能材料を有効にする必要がある。例えば、機能材料が、金属ナノ粒子で構成されているときは、機能材料のパターンを加熱して、粒子を焼結し、パターンのラインを導電性にしてもよい。焼結は、ナノ粒子の形態等の金属粉末を、溶融せずに、加熱することにより、コヒーレント結合塊を形成する。導体材料を、約220℃未満、好ましくは約140℃未満の温度まで加熱すると、ナノ粒子導体材料が、連続機能フィルムへと焼結する。
本発明の方法は、これらに限定されるものではないが、電子、光学、センサおよび診断用途をはじめとする様々な用途で、デバイスおよび部品に用いる基板上に機能材料のパターンを形成する方法を提供する。本方法を用いて、電子デバイスおよび部品、ならびに光学デバイスおよび部品に用いる活性材料または不活性材料のパターンを形成することができる。かかる電子および光学デバイスおよび部品としては、無線タグ(RFID)、センサ、メモリおよびバックパネルディスプレイが挙げられる。本方法を用いて、基板上に、導体材料、半導体材料、誘電体材料のパターンを形成することができる。本方法を用いて、センサまたは診断用途に用いる基板上に生物材料および薬理活性材料のパターンを形成することができる。本方法によれば、機能材料を、セルまたはピクセルのバリア壁を形成して、発光材料、カラーフィルタ着色材料を含むパターンへ、あるいは、溶液から供給されたソース材料とドレイン電極間のチャネル長を画定するパターンへと形成することができる。バリア壁のパターンはまた、閉じ込め層またはバリア層とも呼ばれる。本方法によれば、機能材料を、バリア壁を形成するパターンへと形成し、カラーフィルタピクセルとして用いるセルを作成することができる。カラーフィルタピクセルに、顔料着色剤、染料着色剤をはじめとするカラーフィルタ用の着色材料を充填することができる。本方法によれば、機能材料を、ソース材料およびドレイン材料等の他の材料が、チャネルに供給されるトップゲートデバイスのためのトランジスタチャネルへと形成することができる。本方法によれば、機能材料を、ソースおよびドレイン材料が、チャネルに供給されるボトムゲートデバイスのための基板の半導体層上のトランジスタチャネルへと形成することができる。他の材料を、インクジェットをはじめとする手段により、溶液として基板上のセルに供給することができる。
図1〜3は、鋳造操作において、スタンプ5をスタンプ前駆体10から作製する方法の一実施形態を示す。図1に、マスター基板15の表面14に形成されたマイクロ電子特徴部のネガレリーフのパターン13を有するマスター12を示す。マスター基板15は、平滑または実質的に平滑な金属、プラスチック、セラミックまたはガラスとすることができる。一実施形態において、マスター基板はガラスまたはシリコン面である。典型的に、マスター基板15上のレリーフパターン13は、当業者に周知の従来の方法により、フォトレジスト材料で形成される。プラスチック格子フィルムおよび石英格子フィルムはまたマスターとしても用いることができる。約ナノメートルの微細特徴部が望ましい場合には、マスターは、e−ビーム放射線によりシリコンウェハ上に形成することができる。
マスター12は、鋳型筺体に、かつ/またはその周囲に沿ってスペーサ(図示せず)と共に配置して、感光性組成物の均一な層の形成を補助してもよい。スタンプを形成するプロセスは、鋳型筺体またはスペーサを用いずに単純化することができる。
図2において、感光性組成物が導入されて、層20を、レリーフパターン13を有するマスター12の表面に形成する。感光性組成物は、これらに限定されるものではないが、注入、流し込み、液体鋳造およびコーティングをはじめとする任意の好適な方法により、マスター12に導入することができる。一実施形態において、感光性組成物は、液体をマスターに注ぐことにより、層20に形成される。感光性組成物20の層をマスター12に形成すると、化学線露光後に、硬化した組成物が、厚さ約5〜50ミクロンの固体エラストマー層を形成する。示される実施形態において、任意の支持体16は、マスター12の反対の感光性組成物層20の側部に配置されて、接着層が、存在する場合には、感光性組成物の層に近接して、スタンプ前駆体10が形成される。支持体16は、スタンプ前駆体10を得るのに好適な任意の方法で組成物層に適用することができる。図示した実施形態においては紫外線である化学線露光の際、スタンプ前駆体10の透明支持体16を通して、感光性層20が重合して、スタンプ5のための組成物のエラストマー層24を形成する。感光性組成物20の層は、化学線露光により硬化または重合する。さらに、典型的に、露光を窒素雰囲気中で実施して、露光中の、雰囲気酸素の存在、および重合反応に酸素が与える影響をなくすかまたは最小限にする。
印刷フォーム前駆体を、紫外(UV)または可視光等の化学線に露光して、層20を硬化することができる。化学線は、透明支持体16を通して、感光性材料を露光する。露光した材料は、重合および/または架橋して、マスターのレリーフパターンに対応するレリーフ表面を備えた固体エラストマー層を有するスタンプまたはプレートとなる。一実施形態において、好適な露光エネルギーは、365nm I−ライナ露光ユニットで約10〜20ジュールである。
化学線源は、紫外、可視および赤外波長領域を含む。特定の化学線源の適合性は、感光性組成物の感光度、任意の開始剤および/またはスタンプ前駆体を調製するのに用いる少なくとも1つのモノマーにより決まる。スタンプ前駆体の好ましい感光度は、良好な室内光安定性を与えるよう、スペクトルのUVおよび短波長可視光領域にある。好適な可視およびUV源としては、カーボンアーク、水銀蒸気アーク、蛍光ランプ、電子フラッシュユニット、電子ビームユニット、レーザおよび写真フラッドランプが例示される。UV放射線の最も好適な源は、水銀蒸気ランプ、特に、日光ランプである。これらの放射線源は、通常、310〜400nmの長波UV放射線を放出する。これらの特定のUV源に感受性のあるスタンプ前駆体は、310〜400nmを吸収するエラストマーベースの化合物(および開始剤)を用いる。
図3において、支持体16を含むスタンプ5は、剥離によりマスター12から分離される。スタンプ5の支持体16は、支持体およびスタンプが、マスター12から分離するのに必要な曲げに耐えられるという点で十分に可撓性である。支持体16は、硬化したエラストマー層24と共に残って、ソフトリソグラフィー印刷法に関連したマイクロパターンおよびマイクロ構造を再生するのに必要な寸法安定性を備えたスタンプ5を与える。スタンプ5は、支持体16の反対側に、マスター12のレリーフパターン13のネガに対応する窪み表面28と隆起表面30とを有するレリーフ構造26を含む。レリーフ構造26には、隆起部分30と窪み部分28との間に高さの差、すなわち、レリーフ深さがある。スタンプ5のレリーフ構造26は、機能材料32を、基板34に印刷するための隆起表面30と、印刷されない窪み表面部分28とのパターンを形成する。
図4において、表面改質材36をスタンプ5のレリーフ構造26に適用する一実施形態として、スタンプ5は、スピンコーティングデバイスのプラットフォーム35にある。表面改質材36は、スタンプ5のレリーフ構造26に適用されており、プラットフォームを回転して、表面改質材の比較的均一な連続層を形成する。スタンプ5の適用後、表面改質材36を乾燥して、室温で蒸発することにより液体を除去してもよい。
図5において、スタンプ5のレリーフ構造26にある表面改質材36の層に機能材料32を適用する一実施形態として、スタンプ5は、スピンコーティングデバイスのプラットフォーム35にある。機能材料32は、スタンプ5上の表面改質材36の層に適用されており、プラットフォームを回転して、機能材料の比較的均一な連続層を形成する。スタンプ5の適用後、機能材料を乾燥して、室温で蒸発することにより液体を除去してもよい。
図6において、基板34およびスタンプ5(機能材料32の層と表面改質材36の層とを有する)が、互いに近接配置されていて、スタンプ5の隆起表面30上の機能材料が、基板34の表面38と接触している。
図7において、スタンプ5は、基板34から分離され、基板と接触している機能材料32は、基板上に残って、転写されて、機能材料のパターン40を形成する。本実施形態において、表面改質材36は、スタンプ5に残る。基板34は、機能材料32のパターン40および機能材料のない開口領域42を含む。基板34上にある機能材料32が、電子デバイスまたは部品のためのパターン40を形成する。
本発明の方法は、少なくとも10メガパスカル(MPa)の弾性率を有し、レリーフ構造上にある表面改質材を有するエラストマースタンプを用いる。これによって、50ミクロン未満の解像度から少なくとも1〜5ミクロンと微細な様々な機能材料の特徴部を、基板上に形成する能力が与えられる。本発明の方法は、機能材料または機能材料の組成物が、エラストマースタンプを形成する材料と適合しない、または実質的に適合しない実施形態に特に好適である。適合しない実施形態の一例は、機能材料組成物を、スタンプのレリーフ構造に直接適用した場合、機能材料の組成物によって、エラストマースタンプが組成物の液体中で膨潤するものである。適合しない実施形態の他の例は、スタンプのレリーフ構造に直接適用したとき、機能材料または機能材料の組成物が、基板に印刷するために均一な層を提供するのに、少なくとも隆起表面を十分に濡らさない、または広がらないものである。適合しない実施形態の他の例は、機能材料およびエラストマースタンプを形成する材料が化学的に反応するものである。適合しない実施形態の他の例は、機能材料が、スタンプを形成する材料と接触させることにより変性するものである。この場合の機能材料は、DNAや酵素等の構造上感受性のあるバイオ巨大分子であってもよい。適合しない実施形態のさらに他の例は、機能材料が、スタンプのレリーフ表面に移動する移動性(未硬化)種により汚染されたものである。感光性系の性質のために、感光性組成物から形成されたエラストマースタンプは、組成物を硬化または実質的に硬化(架橋)して、レリーフ構造を形成した後でも存在する移動性種を有していてもよい。好適なライン解像度の機能材料のパターンを形成する本発明の方法の能力は、決してこれらに限定されるものではないが、エラストマースタンプの材料の選択、用いている表面改質材、印刷されている機能材料、機能材料の組成、本発明の方法が実施される条件等により影響される。電子デバイスおよび部品において、最終用途に所望のライン解像度を与えるための最良の材料および条件を決めるのは、当業者にとって所定のことであると考えられる。
特に断りのない限り、パーセンテージは全て合計組成物の重量基準である。
実施例1
以下の実施例は、表面特徴が、薄いポリマー層の適用により修正されたエラストマーポリフルオロポリエーテル(PFPE)スタンプを用いる、可撓性基板上への高解像度、高導電性銀パターンの印刷の実例である。
以下の実施例は、表面特徴が、薄いポリマー層の適用により修正されたエラストマーポリフルオロポリエーテル(PFPE)スタンプを用いる、可撓性基板上への高解像度、高導電性銀パターンの印刷の実例である。
マスター作製:
厚さ0.6マイクロメートルの層のネガフォトレジストSU−8タイプ2(MicroChem(Newton,MA)製)を、3000rpmで60秒間シリコンウェハ上にコートした。コートされたフォトレジストフィルムを備えたウェハを、65℃で1分間加熱してから、95℃で1分間ベークして、フィルムを完全に乾燥した。ベークしたフィルムを、5秒間、I−ライナ(OAI Mask Aligner、Model200)中で365nmで、寸法が5〜250ミクロンのライン、スペースおよび矩形のパターンを有するマスクを通して露光し、65℃で1分間ポストベークした。95℃で1分間の最終ベーク後、非露光フォトレジストを、SU−8現像液で1分間現像した。現像したフィルムを、窒素で乾燥し、ウェハ上にパターンを形成し、スタンプのためのマスターとして用いた。
厚さ0.6マイクロメートルの層のネガフォトレジストSU−8タイプ2(MicroChem(Newton,MA)製)を、3000rpmで60秒間シリコンウェハ上にコートした。コートされたフォトレジストフィルムを備えたウェハを、65℃で1分間加熱してから、95℃で1分間ベークして、フィルムを完全に乾燥した。ベークしたフィルムを、5秒間、I−ライナ(OAI Mask Aligner、Model200)中で365nmで、寸法が5〜250ミクロンのライン、スペースおよび矩形のパターンを有するマスクを通して露光し、65℃で1分間ポストベークした。95℃で1分間の最終ベーク後、非露光フォトレジストを、SU−8現像液で1分間現像した。現像したフィルムを、窒素で乾燥し、ウェハ上にパターンを形成し、スタンプのためのマスターとして用いた。
支持体作製:
スタンプ用の支持体を、PFPEスタンプの成形前に、接着剤の層で作製した。UV硬化性の光学的に透明な接着剤、NOA73(Norland Products(Cranbury,NJ)より購入)の、厚さ5ミクロンの層を、5ミル(0.0127cm)のMelinex(登録商標)561ポリエステルフィルム支持体上に、3000rpmでスピンコートした。その後、フィルムを、紫外線(350〜400nm)に、1.6ワット出力(20mワット/cm2)で、90秒間、窒素環境で露光により硬化することにより作製した。
スタンプ用の支持体を、PFPEスタンプの成形前に、接着剤の層で作製した。UV硬化性の光学的に透明な接着剤、NOA73(Norland Products(Cranbury,NJ)より購入)の、厚さ5ミクロンの層を、5ミル(0.0127cm)のMelinex(登録商標)561ポリエステルフィルム支持体上に、3000rpmでスピンコートした。その後、フィルムを、紫外線(350〜400nm)に、1.6ワット出力(20mワット/cm2)で、90秒間、窒素環境で露光により硬化することにより作製した。
PFPEスタンプ作製:
パーフルオロポリエーテル化合物E10−DAは、Sartomerより製品タイプCN4000として供給され、入手したままの状態で用いた。E10−DAは、下式の構造を有しており、式中、RおよびR’はそれぞれアクリレートであり、Eは、(CH2CH2O)1-2CH2の鎖状非フッ素化ハイドロカーボンエーテルであり、E’は、(CF2CH2O(CH2CH2O)1-2の鎖状ハイドロカーボンエーテルであり、分子量約1000である。
パーフルオロポリエーテル化合物E10−DAは、Sartomerより製品タイプCN4000として供給され、入手したままの状態で用いた。E10−DAは、下式の構造を有しており、式中、RおよびR’はそれぞれアクリレートであり、Eは、(CH2CH2O)1-2CH2の鎖状非フッ素化ハイドロカーボンエーテルであり、E’は、(CF2CH2O(CH2CH2O)1-2の鎖状ハイドロカーボンエーテルであり、分子量約1000である。
R−E−CF2−O−(CF2−O−)n(−CF2−CF2−O−)m−CF2−E’−R’。光開始剤Darocur1173(Ciba Specialty Chemicals(Switzerland,Basel)製)。Darocur1173の構造は次のとおりである。
PFPEジアクリレートプレポリマーおよび1重量%のDarocur1173光開始剤を混合し、0.45マイクロメートルのPTFEフィルタでろ過して、PFPE感光性組成物を形成した。
PFPE感光性組成物を、マスターとして用いるウェハの現像したフォトレジストパターン上に注ぐことにより、印刷スタンプを作製し、湿潤厚さ約25ミクロンの層を形成した。
支持体の接着表面を、マスターから離れたPFPE組成物の層に適用した。PFPE層を、UV放射線に、10分間、365nmのI−ライナで露光して、PFPE層を硬化または重合して、成型スタンプを形成した。マスターから剥がすことにより、スタンプを分離したところ、マスターのパターンに対応するレリーフ表面を有していた。
印刷スタンプの弾性率を、Hysitron TriboIndenter(MN、Minneapolis、Hysitron Inc.)を用いて測定し、OliverおよびPharr、J.Mater.Res.7,1564(1992年)に記載された試験方法に従って求めた。TriboIndenterは、Berkovichダイアモンドインデンターを備えており、エラストマースタンプの試料にインデンテーションを行った。1つのスタンプについて、最大負荷100マイクロニュートンまで、少なくとも2組の25のインデンテーションを実施した。表面の影響および基板との相互作用は、測定した表面粗さに、11回以上、試料の合計厚さの10%以下インデンテーションすることにより最小とした。各セットのインデンテーションは、10um離れており、セットは少なくとも1mm分離されていた。インデンテーションを、5−2−5負荷関数を用いて行った。5秒負荷を加え、2秒保持(負荷をかけて、閉ループフィードバックを制御)して、ヒステリシス/クリープの影響を減じてから、5秒負荷をかけない状態とした。負荷/負荷なし曲線を、OliverおよびPharrの方法に従って得て、弾性率を求めた。トップから5%〜ボトムから20%まで曲線の負荷なし部分の75パーセントを計算に用いて、弾性率を求めた。この方法を用いたナノインデンテーションデータの分析に必要なインデンター面積関数を、縮合シリカ中で一連のインデントを用いて計算した。
作製した印刷スタンプの弾性率は、40メガパスカルであった。
表面改質材の適用
作製したエラストマースタンプのレリーフ表面を、表面改質材でコートした。表面改質材は、発光ポリマー(LEP)、COVION(登録商標)Super NRS−PPV(Merck製)であった。トルエン中0.5重量%のSuper NRS−PPV溶液を、PTFE1.5ミクロンフィルタでろ過した。LEPは、ポリ(パラ−フェニレンビニレン)(コ)ポリマーである。LEPの構造は以下のとおりである。
作製したエラストマースタンプのレリーフ表面を、表面改質材でコートした。表面改質材は、発光ポリマー(LEP)、COVION(登録商標)Super NRS−PPV(Merck製)であった。トルエン中0.5重量%のSuper NRS−PPV溶液を、PTFE1.5ミクロンフィルタでろ過した。LEPは、ポリ(パラ−フェニレンビニレン)(コ)ポリマーである。LEPの構造は以下のとおりである。
NRS−PPV溶液を、PFPEスタンプのレリーフ表面上に、2000rpmで60秒間スパンコートして、スタンプ上の乾燥フィルムをコートし、形成した。スタンプのレリーフ表面は、最上平坦面をそれぞれ有する隆起部分と、最下平坦面をそれぞれ有する窪み部分とを含んでいた。溶液を、隆起部分の最上面と、窪み部分の最下面にコートした。
機能材料のスタンプへの適用
銀組成物の薄層を、機能材料の印刷のために、作製においてスタンプの修正表面にコートした。用いた機能材料は、Silverjet DGP50(ANP South Korea)であった。平均粒径50nmの銀ナノ粒子で構成されたアルコール系銀分散液である。購入したままの分散液を、1.0グラムのSilverjet DGP50を、1.0グラムのエタノールと混合することにより希釈し、チップ超音波処理装置により、5分間超音波処理した。分散液を、0.45ミクロンのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)フィルタで2回ろ過した。ろ過した分散液を、LEPコートのPFPEスタンプのレリーフ表面上に、60秒間スパンした。分散液の溶剤は、スピニング中に蒸発して、スタンプのレリーフ表面の隆起部分と窪み部分の両方に、薄い銀フィルムが残った。LEPコートPFPEスタンプにコートされた銀フィルムを、可撓性基板に転写する前に、65℃で、1分間、ホットプレート上でさらに乾燥した。
銀組成物の薄層を、機能材料の印刷のために、作製においてスタンプの修正表面にコートした。用いた機能材料は、Silverjet DGP50(ANP South Korea)であった。平均粒径50nmの銀ナノ粒子で構成されたアルコール系銀分散液である。購入したままの分散液を、1.0グラムのSilverjet DGP50を、1.0グラムのエタノールと混合することにより希釈し、チップ超音波処理装置により、5分間超音波処理した。分散液を、0.45ミクロンのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)フィルタで2回ろ過した。ろ過した分散液を、LEPコートのPFPEスタンプのレリーフ表面上に、60秒間スパンした。分散液の溶剤は、スピニング中に蒸発して、スタンプのレリーフ表面の隆起部分と窪み部分の両方に、薄い銀フィルムが残った。LEPコートPFPEスタンプにコートされた銀フィルムを、可撓性基板に転写する前に、65℃で、1分間、ホットプレート上でさらに乾燥した。
銀機能材料の可撓性基板への印刷:
銀機能材料を可撓性基板に印刷する前に、アクリルラテックス接着剤を基板、Melinex(登録商標)561ポリエステルフィルム(5ミル)に、3000rpmで、40秒間スパンコートして、層を形成した。次に、ラテックス接着層を、140℃で5分間、対流オーブン中でアニールした。
銀機能材料を可撓性基板に印刷する前に、アクリルラテックス接着剤を基板、Melinex(登録商標)561ポリエステルフィルム(5ミル)に、3000rpmで、40秒間スパンコートして、層を形成した。次に、ラテックス接着層を、140℃で5分間、対流オーブン中でアニールした。
エラストマースタンプ上の銀機能材料を、基板のアクリルラテックスを有する接着側上のレリーフの隆起部分の最上表面の接触転写により、印刷した。65℃のホットプレートに置いた可撓性基板の接着コート側に、銀フィルムでコートされたスタンプのレリーフ表面を配置し、スタンプの支持側に適度な圧力を加えることにより、銀材料を転写した。スタンプを基板から分離して、銀フィルムのパターンを基板上に形成した。表面修正材料としてPFPEスタンプ表面上にコートしたLEPを、銀と共に転写した。LEP(すなわち、銀パターン)を、トルエンを用いることにより、基板から洗い流した。可撓性基板上の銀パターンを、140℃で3分間、対流オーブンで焼結した。焼結工程によって、銀フィルムのシート抵抗が3オーム/スクエアまで減少した。
転写フィルムのフィルム厚さは、50ミクロンの特徴部について約200nm、5ミクロンのラインについて約70nmであった。印刷した銀パターンは、解像度2ミクロンのソースドレイン櫛形パターンであった。銀のパターンラインは、平滑な端部で一様にきれいであり、破断していなかった。銀は、パターンライン間は転写されなかった。
比較例1
エラストマースタンプが表面改質材を含んでいなかった以外は実施例1を繰り返した。
エラストマースタンプが表面改質材を含んでいなかった以外は実施例1を繰り返した。
銀組成物の薄層を、機能材料の印刷のために、作製においてスタンプの非修正表面に適用した。銀溶液は、スタンプの非修正表面によくコートされなかった。銀溶液は、スタンプのレリーフ表面で玉状となり、全表面積に広がらなかった。銀材料を備えたスタンプを、基板と接触させたが、銀パターンは基板上に再生されなかった。
実施例2
可撓性基板を接着剤でコートしなかった、すなわち、可撓性基板が接着層を含んでいなかった以外は実施例1を繰り返した。
可撓性基板を接着剤でコートしなかった、すなわち、可撓性基板が接着層を含んでいなかった以外は実施例1を繰り返した。
ラテックス接着層のないMelinex(登録商標)561ポリエステルフィルム上のレリーフの隆起部分の最上表面の接触転写により、エラストマースタンプ上の銀機能材料を印刷した。転写させるために、65℃のホットプレートに置いた可撓性基板上の銀フィルムでコートされたスタンプのレリーフ表面を配置し、スタンプの支持側に適度な圧力を加えることにより、銀材料を転写した。銀材料のスタンプからの転写を、可撓性基板を加熱することにより補助した。スタンプを、基板から分離して、銀フィルムの部分パターンを基板上に形成した。
銀パターンは、可撓性基板上に完全に転写されなかったが、銀パターンの大部分が基板に転写された。これにより、機能材料の、接着層のない基板への転写が可能であることが分かる。完全なパターン転写は、異なる基板で、または異なる機能材料を用いることによりなされるものと考えられる。
Claims (27)
- 機能材料のパターンを基板上に形成する方法であって、
a)隆起表面を備えたレリーフ構造を有し、弾性率が少なくとも10メガパスカルであるエラストマースタンプを準備する工程と、
b)第2の組成物の均一な適用を行う表面改質材を含む第1の組成物を前記レリーフ構造に適用する工程と、
c)前記機能材料と液体を含む前記第2の組成物を前記表面改質材に適用する工程と、
d)少なくとも前記隆起表面に前記機能材料のフィルムが十分に形成されるように、前記レリーフ構造上の前記第2の組成物から前記液体を除去する工程と、
e)前記機能材料を前記隆起表面から前記基板に転写する工程と
を含む方法。 - 前記機能材料を備えた前記隆起表面から前記基板まで前記表面改質材を転写する工程をさらに含む請求項1に記載の方法。
- 前記第1の組成物が、液体をさらに含む請求項1に記載の方法。
- 前記第2の組成物が、前記第1の組成物に不溶である請求項3に記載の方法。
- 前記第2の組成物を適用する前に、前記液体を、前記第1の組成物から除去する工程をさらに含む請求項3に記載の方法。
- 前記表面改質材が、両親媒性化合物、有機機能性シラン、高分子電解質化合物、生物学的活性材料、アクリルポリマーおよびそのコポリマー、メタクリルポリマーおよびそのコポリマー、ビニルポリマーおよびそのコポリマー、ビニルポリマーと(メタ)アクリルポリマーのブロックコポリマー、共役芳香族ポリマーおよび共役芳香族コポリマーからなる群から選択される請求項1に記載の方法。
- 前記表面改質材の厚さが、基板上0.001〜2マイクロメートルの範囲である請求項1に記載の方法。
- 転写工程が、前記スタンプの前記隆起表面を、約5lbs./cm2未満の圧力で前記基板と接触させる工程を含む請求項1に記載の方法。
- 前記機能材料が、前記エラストマースタンプと適合しない請求項1に記載の方法。
- 前記第2の組成物の前記液体が、前記エラストマースタンプと適合しない請求項1に記載の方法。
- 前記機能材料が、導体材料、半導体材料、誘電体材料、小分子材料、バイオ系材料およびこれらの組み合わせからなる群から選択される請求項1に記載の方法。
- 前記機能材料が、電気的活性材料、光活性材料、生物学的活性材料、絶縁材料、平坦化材料、バリア材料および閉じ込め材料、有機染料、半導体分子、蛍光発色団、りん光発色団、薬理活性化合物、生物学的活性化合物、触媒活性を有する化合物、フォトルミネッセンス材料、エレクトロルミネッセンス材料、デオキシリボ核酸(DNA)、タンパク質、ポリ(オリゴ)ペプチドおよびポリ(オリゴ)サッカリドからなる群から選択される請求項1に記載の方法。
- 前記機能材料が、導体材料、半導体材料および誘電体材料からなる群から選択されるナノ粒子を含む請求項1に記載の方法。
- 前記機能材料が導体材料のナノ粒子を含み、前記方法が、前記基板上の前記ナノ粒子を焼結して、導体材料の連続フィルムを形成する工程e)をさらに含む請求項1に記載の方法。
- 焼結が、前記ナノ粒子を約220℃までの温度に加熱する工程を含む請求項14に記載の方法。
- 前記機能材料が、銀、金、銅、パラジウム、インジウム錫酸化物およびこれらの組み合わせからなる群から選択される導体材料である請求項1に記載の方法。
- 前記機能材料がマスキング材料である請求項1に記載の方法。
- 前記除去工程d)が、前記第2の組成物を加熱する工程、ガスストリームを前記第2の組成物に吹きつける工程、蒸発する工程、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される請求項1に記載の方法。
- 前記エラストマースタンプが、シリコーンポリマー、エポキシポリマー、共役ジオレフィンハイドロカーボンのポリマー、A−B−A型ブロックコポリマーのエラストマーブロックコポリマー(Aは非エラストマーブロックを表し、Bはエラストマーブロックを表す)、アクリレートポリマー、フルオロポリマー、重合可能なフッ素化化合物およびこれらの組み合わせからなる群から選択される組成物の層を含む請求項1に記載の方法。
- 前記エラストマースタンプを、感光性組成物の層から形成する工程をさらに含む請求項1に記載の方法。
- 前記エラストマースタンプを、化学線に露光することにより重合可能なフッ素化化合物を含む組成物の層から形成する工程をさらに含む請求項1に記載の方法。
- 前記フッ素化化合物が、パーフルオロポリエーテル化合物である請求項21に記載の方法。
- 前記エラストマースタンプが、可撓性フィルムの支持体をさらに含む請求項1に記載の方法。
- 前記基板が、プラスチック、ポリマーフィルム、金属、シリコン、ガラス、布帛、紙およびこれらの組み合わせからなる群から選択される請求項1に記載の方法。
- 前記パターンが前記基板上の層に転写され、前記基板上の前記層が、プライマー層、接着層、電荷注入層、電荷輸送層および半導体層からなる群から選択される請求項1に記載の方法。
- 前記第2の組成物の前記液体が、有機化合物および水性化合物からなる群から選択される1種以上の化合物を含む請求項1に記載の方法。
- 請求項1に記載の方法により作製された要素。
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