JP2010511055A - アルコール乱用、嗜癖および依存の処置方法 - Google Patents

アルコール乱用、嗜癖および依存の処置方法 Download PDF

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Abstract

本発明はアルコール乱用、嗜癖および/または依存を、単独または1もしくは複数の抗依存薬と組み合わせて処置する方法を対象とする。
【選択図】なし

Description

関連出願との関係
本出願は引用により本明細書に全部編入する2006年11月28日に出願された特許文献1の利益を主張する。
発明の分野
本発明は、単独または1もしくは複数の抗依存薬(anti−addiction agent)と組み合わせたアルコール乱用、嗜癖および/または依存の処置方法を対象とする。
発明の背景
アルコール乱用は、典型的には臨床的に重大な障害または窮迫に導くアルコール使用の順応不良のパターンとして特徴付けられているが、深刻な医学的および社会的問題である。動物のアルコール飲用に、水または食物の平行摂取の減少を生じることなく選択的な減少を生じる作用物質は、ヒトのアルコール中毒症の処置に臨床的に効果的となる可能性があると示唆されてきた。中国で「アルコール嗜癖」の伝統的処置として使用されているダイズィン(Daidzin)は中国薬草Radix pureariea(RP)の有効成分であるが、水または食物摂取に減少を生じることなくゴールデンハムスターを対象としたアルコール飲用を減少させるプロファイルに合う。対照的に、動物のアルコール消費を抑制することが示された特異的なセロトニンアゴニスト(例えばセルトラリン)およびアヘン剤拮抗薬(例えばナロキソンおよびナルトレキソン)を含む多くの薬剤は、同時に水または食物消費も減少させた。しかし非定型抗精神薬が物質乱用に可能な処置として提案されているが、そのような薬剤は物質乱用患者で実質的な肝代謝を受け得る。肝臓障害がある患者集団は極めて多い。したがって肝臓で有意に代謝されなかった非定型抗精神薬で物質乱用患者を使用することが有利となるだろう。
アルコール乱用、嗜癖および/または依存の効果的処置を提供する必要性が存在する。
2003年9月5日に出願された特許文献2(特許文献3として22004年7月22日に公開された)(これは引用に本明細書に編入する)でBattista et al.は、ORL−1Gタンパク質により媒介される障害および状態、例えば不安、鬱、パニック、躁病、痴呆、双極性障害、物質乱用、神経障害性疼痛、急性疼痛、慢性疼痛、片頭痛、喘息、咳、精神病、統合失調症、癲癇、高血圧、肥満、摂食障害、渇望(cravings)、糖尿病、不整脈、過敏性腸症候群、クローン病、尿失禁、副腎障害、注意欠陥障害(ADD)、注意欠陥過活動性障害(ADHD)、アルツハイマー病、認知または記憶障害および精神安定化(mood stabilization)の処置に有用であるヒドロキシアルキル置換1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−4−オン誘導体を開示する。
米国特許仮出願第60/861,375号明細書 米国特許出願第10/656,934号明細書 米国特許出願第2004/0142,955号明細書
発明の要約
本発明はアルコール乱用、嗜癖または依存を処置する方法を対象とし、この方法は処置が必要な個体に治療に有効な量の式(I)
Figure 2010511055
[式中
およびRは各々独立して、水素およびC1−4アルキルからなる群から選択される]
の化合物またはその製薬学的に許容し得る塩を投与することを含んでなる。
さらに本発明はアルコール乱用、嗜癖または依存を処置する方法を対象とし、この方法は処置が必要な個体に、少なくとも1つの抗依存薬および式(I)
Figure 2010511055
[式中、
およびRは各々独立して、水素およびC1−4アルキルからなる群から選択される]
の化合物またはその製薬学的に許容し得る塩を含んでなる治療に有効な量のコ−セラピー(co−therapy)を施すことを含んでなる。
発明の詳細な説明
本発明はアルコール乱用、嗜癖および/または依存を処置する方法を対象とし、ここでこの方法は処置が必要な個体に治療に有効な量の式(I)
Figure 2010511055
の化合物(式中、RおよびRは本明細書に定義する通りである)またはその製薬学的に許容し得る塩を、単独または1もしくは複数の抗依存薬とのコ−セラピーとして施すことを含んでなる。
1つの態様では、本発明はアルコール乱用、嗜癖および/または依存を処置する方法を対象とし、ここで式(I)の化合物は、3−(3−アミノ−2−(R)−ヒドロキシ−プロピル)−1−(4−フルオロ−フェニル)−8−(8−メチル−ナフタレン−1−イルメチル)−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−4−オンとしても知られている式(I−A)
Figure 2010511055
の化合物またはその製薬学的に許容され得る塩である。
別の態様では、本発明はアルコール乱用、嗜癖および/または依存を処置する方法を対象とし、ここで式(I)の化合物は式(I−A)
Figure 2010511055
の化合物の結晶性一硫酸塩(好ましくは式(I−A)の化合物の結晶性、無水、非吸湿性の一硫酸塩)である。
別の態様では、本発明はアルコール乱用、嗜癖および/または依存を処置する方法を対象とし、ここで式(I)の化合物は、その対応するXRDピークの位置(2θ)およびd−間隔により特徴付けられるような式(I−A)の化合物の結晶性一硫酸塩である。
粉末X−線回折を用いて、CuKα放射、30mA、40KV;1/12゜発散スリット、0.2受信スリット;0.017゜2θ/秒の走査速度で4から30゜2θへの走査
を使用し、そしてアルミニウム サンプルホルダーを使用して測定した約10%以上の相対強度を持つ代表的XRDピークは、以下の表1に示す通りである。
Figure 2010511055
別の態様では、本発明はアルコール乱用、嗜癖および/または依存を処置する方法を対象とし、ここで式(I)の化合物は式(I−A)の化合物の結晶性一硫酸塩である。
本発明の1つの態様では、RおよびRがそれぞれ水素である。本発明の別の態様では、RまたはRの1つが水素であり、そしてRまたはRの他の1つがC1−4アルキル、好ましくはメチル、エチル、イソプロピルおよびt−ブチルからなる群から選択されるC1−4アルキル、より好ましくはメチルおよびエチルからなる群から選択されるC1−4アルキルからなる群から選択される。
本明細書で使用する用語「C1−4アルキル」は、単独または置換基の一部として使用される場合であっても、1〜4個の炭素原子を含んでなる直鎖および分枝鎖のアルキル鎖を含む。例えばアルキル基にはメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチルおよびt−ブチルを含む。好ましくはC1−4アルキルはメチル、エチル、イソプロピルおよびt−ブチルからなる群から選択され、より好ましくはC1−4アルキルはメチルおよびエチルからなる群から選択される。
本明細書で使用する場合、他に明記しない限り、用語「アルコール乱用、嗜癖および/または依存」とは、アルコール乱用、アルコール嗜癖、アルコール渇望(限定するわけではないが剥奪後渇望(post−deprivation craving)、離脱後渇望(post−withdrawal craving)、再発渇望および耽溺渇望(binge craving)を含む)、アルコール依存、アルコール離脱および関連する障害を含むアルコール関連状態を含む。
本明細書で使用する場合、他に明記しない限り、用語「抗依存薬(anti−addiction agent)」は、アルコール乱用、嗜癖および/または依存の処置に有用
な任意の薬剤を意味する。より詳細には、「抗依存薬」には、代用薬、補充薬(drug
of replacement)、渇望を遮断する薬剤、離脱症状を遮断または軽減する薬剤、物質乱用の快感および恩恵を遮断する薬剤などが含まれる。
適切な例には、限定するわけでないが、ナルトレキソン(REVIA、TREXANまたはVIVTREXとしても知られている)、ナルメフェン(nalmephene)、ジスルフィラム(ANTABUSEとしても知れらている)、アカンプロセート(CAMPRALとしても知られている)、トピラメート(TOPAMAXとしても知られている)、リスペリドン(RISPERDALとしても知られている)、パリペリドン、オンダンセトロン(ZORFRANとしても知られている)、選択的セロトニン再取り込み阻害剤(フルオキセチン(PROZACとしても知られている)、セルトラリン、パロキセチン、シタロプラム、フルボキサミン等のようなSSRI)、およびセロトニン(serorotonin)/ノルエピネフリン(norepenephrine)取り込み阻害剤(ベンラファキシン(EFFEXORとしても知られている)、ジュロキセチン(CYMBALTAとしても知られている)等のようなSNRI)等が含まれる。好ましくは、抗依存薬は、ナルトレキソン、ジスルフィラムおよびアカンプロセートからなる群から選択される。
本発明の態様では、抗依存薬は、ナルトレキソン、ナルメフェン、ジスルフィラム、アカンプロセート、トピラメート、リスペリドン、パリペリドン、オンダンセトロン、フルオキセチン、セルトラリン、パロキセチン、シタロプラム、フルボキサミン等からなる群から選択される。本発明の別の態様では、抗依存薬はナルトレキソンである。
1つの態様では、本発明はアルコール乱用、嗜癖または依存を処置する方法を対象とし、この方法は処置の必要がある個体に治療に有効な量の式(I)の化合物またはその製薬学的に許容され得る塩(好ましくは式(I−A)の化合物またはその製薬学的に許容され得る塩)および1もしくは複数の抗依存薬(好ましくは1つの抗依存薬)を投与することを含んでなる。
本発明の別の態様では、抗依存薬はナルトレキソン、ジスルフィラム、アカンプロセート、トピラメート、リスペリドン、パリペリドンおよびフルオキセチンからなる群から選択される。本発明の他の態様では、抗依存薬はSSRI、好ましくはフルオキセチン、セルトラリン、パロキセチン、シタロプラムおよびフルボキサミンからなる群から選択されるSSRIである。本発明の別の態様では、抗依存薬はSNRI、好ましくはベンラファキシンおよびジュロキセチンからなる群から選択されるSNRIである。本発明の別の態様では、抗依存薬はナルトレキソン、ジスルフィラムおよびアカンプロセートからなる群から選択される。本発明の別の態様では、抗依存薬はナルトレキソンである。
本明細書で使用する場合、用語「コ−セラピー(co−therapy)」および「組み合わせ治療(combination therapy)」とは、1もしくは複数の式(I)の化合物を1もしくは複数の抗依存薬と組み合わせて投与することによる、処置の必要がある個体の処置を意味し、ここで式(I)の化合物(1もしくは複数)および抗依存薬(1もしくは複数)は、適切な手段で、同時、順次、個別または単一の製剤として投与される。式(I)の化合物(1もしくは複数)および抗依存薬(1もしくは複数I)が別個の剤形として投与される場合、各化合物を1日当たりに投与する投薬回数は同じまたは異なってもよい。式(I)の化合物(1もしくは複数)および抗依存薬(1もしくは複数I)は、同じまたは異なる投与経路を介して投与することができる。適切な投与方法の例には、これらに限定するものでないが、経口、静脈内(iv)、筋肉内(im)、皮下(sc)、経皮および直腸が含まれる。また化合物を神経系に直接投与することも可能であり、それには限定するわけでないが、脳内、脳室内、大脳室内、鞘内、嚢内、髄腔内お
よび/または脊髄周辺の投与経路(ポンプ装置の使用有り無しによる頭蓋内または脊髄内針および/またはカテーテルを用いたデリバリーによる)が含まれる。式(I)の化合物(1もしくは複数)および抗依存薬(1もしくは複数I)を同時または交互の処方に従って治療過程中の同じまたは異なる時に分割または単一形態で同時に投与してもよい。
本明細書で使用する場合、他に明記しない限り、本明細書で使用する用語「治療に有効な量」は、研究者、獣医師、医師または他の臨床医により求められる、処置する疾患もしくは障害の症状の緩和を含む組織系、動物またはヒトにおける生物学的または医学的応答を誘導する活性化合物もしくは製薬学的薬剤の量を意味する。
本発明が1もしくは複数の式(I)の化合物および1もしくは複数の抗依存薬を投与することを含んでなる「コ−セラピー」または「組み合わせ治療」を対象とする場合、「治療に有効な量」は、薬剤を一緒に組み合わせた時にその組み合わせ効果によって所望の生物学的もしくは医薬的応答が現れるような量を意味する。例えば、式(I)の化合物および少なくとも1つの抗依存薬を投与することを含んで成るコ−セラピーの治療的に有効な量は、式(I)の化合物と抗依存薬を一緒に、または順次に投与した時に治療的に有効な組み合わせ効果を有する式(I)の化合物の量および抗依存薬の量である。さらに当業者は、上記例のような治療に有効な量を用いたコ−セラピーの場合、式(I)の化合物の量および/または抗依存薬の量は個別に治療的に有効な量であってもなくてもよいことも認識するであろう。
本明細書で使用するように、他に明記しない限り本明細書で使用する用語「個体」は、処置、観察または実験の対象となった動物、好ましくは哺乳動物、最も好ましくはヒトを指す。好ましくは個体は、処置および/または防止される疾患もしくは障害の少なくとも1つの症状を経験した、かつ/または発現したことがある。
本明細書で使用するように、用語「組成物」は、特定の成分を特定の量で含んでなる生成物、ならびに特定の成分を特定の量で組み合わせたものから直接または間接的に生じる任意の生成物を包含することを意図する。
本発明の化合物の塩を薬剤(medicine)で用いる場合、これは無毒の「製薬学的に許容され得る塩」を指す。しかし本発明に従う化合物またはこれらの製薬学的に許容され得る塩の調製に他の塩を用いることも有用となり得る。本化合物の適切な製薬学的に許容され得る塩には酸付加塩が含まれ、これらは、例えば本化合物の溶液を製薬学的に許容され得る酸、例えば塩酸、硫酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酢酸、安息香酸、クエン酸、酒石酸、炭酸またはリン酸などの溶液と混合することで調製できる。さらに本発明の化合物が酸性部分を持つ場合、それらの適切な製薬学的に許容され得る塩には、アルカリ金属塩、例えばナトリウムもしくはカリウム塩;アルカリ土類金属塩、例えばカルシウムもしくはマグネシウム塩;および適切な有機リガンドと形成される塩、例えば第四級アンモニウム塩などが含まれ得る。このように、代表的な製薬学的に許容され得る塩には以下のものが含まれる:
酢酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重炭酸塩、重硫酸塩、重酒石酸塩、ホウ酸塩、臭化物、エデト酸カルシウム、カンシル酸塩、炭酸塩、塩化物、クラブラン酸塩、クエン酸塩、二塩酸塩、エデト酸塩、エジシル酸塩、エストレート、エシレート(esylate)、フマル酸塩、グルセプテート(gluceptate)、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリコリルアルサニレート(glycollylarsanilate)、ヘキシルレゾルシネート(hexylresorcinate)、ヒドラバミン(hydrabamine)、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩、ヨウ化物、イソチオン酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、メチル臭化物、メチル硝酸塩、メチル硫酸塩、ムコ酸塩、ナ
プシル酸塩、硝酸塩、N−メチルグルカミンアンモニウム塩、オレイン酸塩、パモ酸塩(エンボネート)、パルミチン酸塩、パントテン酸塩、リン酸塩/二リン塩、ポリガラクツロネート、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、硫酸塩、塩基性酢酸塩、コハク酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクレート(teoclate)、トシル酸塩、トリエチオジド(triethiodide)および吉草酸塩。
製薬学的に許容され得る塩の調製に使用可能な代表的酸および塩基には下記が含まれる:
酢酸、2,2−ジクロロ酢酸、アシル化アミノ酸、アジピン酸、アルギン酸、アスコルビン酸、L−アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、4−アセトアミド安息香酸、(+)−樟脳酸、樟脳スルホン酸、(+)−(1S)−カンファー−10−スルホン酸、カプリン酸、カプロン酸、カプリル酸、桂皮酸、クエン酸、シクラミン酸、ドデシル硫酸、エタン−1,2−ジスルホン酸、エタンスルホン酸、2−ヒドロキシ−エタンスルホン酸、ギ酸、フマル酸、ガラクタル酸、ゲンチシン酸、グルコヘプトン酸、D−グルコン酸、D−グルクロン酸、L−グルタミン酸、α−オキソ−グルタル酸、グリコール酸、馬尿酸、臭化水素酸、塩酸、(+)−L−乳酸、(±)−DL−乳酸、ラクトビオン酸、マレイン酸、(−)−L−リンゴ酸、マロン酸、(±)−DL−マンデル酸、メタンスルホン酸、ナフタレン−2−スルホン酸、ナフタレン−1,5−ジスルホン酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、ニコチン酸、硝酸、オレイン酸、オロチン酸、蓚酸、パルミチン酸、パモ酸、リン酸、L−ピログルタミン酸、サリチル酸、4−アミノ−サリチル酸、セバシン酸、ステアリン酸、コハク酸、硫酸、タンニン酸、(+)−L−酒石酸、チオシアン酸、p−トルエンスルホン酸およびウンデシレン酸を含む酸、および
アンモニア、L−アルギニン、ベネタミン、ベンザチン、水酸化カルシウム、コリン、デアノール、ジエタノールアミン、ジエチルアミン、2−(ジエチルアミノ)−エタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−メチル−グルカミン、ヒドラバミン、1H−イミダゾール、L−リシン、水酸化マグネシウム、4−(2−ヒドロキシエチル)−モルホリン、ピペラジン、水酸化カリウム、1−(2−ヒドロキシエチル)−ピロリジン、第二級アミン、水酸化ナトリウム、トリエタノールアミン、トロメタミンおよび水酸化亜鉛を含む塩基。
さらに本発明は、製薬学的に許容できる担体とともに式(I)の化合物または1もしくは複数の抗依存性化合物と組み合わせた式(I)の化合物を含有する製薬学的組成物を含んでなる。有効成分として、本明細書に記載される1もしくは複数の本発明の化合物を含有する製薬学的組成物は、従来の製薬学的配合法に従って、製薬学的担体と1もしくは複数の化合物を直接的に混合することにより調製することができる。担体は所望の投与経路(例えば、経口、非経口)に応じて広範な形態を取ることができる。従って、懸濁剤、エリキシルおよび溶液剤のような液体経口調製物に適する担体および添加剤は、水、グリコール、油、アルコール、香料、保存剤、安定剤、着色剤等を包含し、散剤、カプセルおよび錠剤のような固形経口調製物に適する担体および添加剤は、デンプン、糖、希釈剤、顆粒化剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤等を包含する。固形経口調製物はまた、糖のような物質でコートするか、または吸収の主要部位を改変するように腸溶性コートを施すことができる。非経口投与のための担体は通常、滅菌水よりなり、そして溶解度または保存性を増加するための他の成分を添加することができる。注射用懸濁剤または液剤はまた、適当な添加剤と一緒に水性担体を利用して調製することができる。
本発明の製薬学的組成物を調製するためには、有効成分として本発明の1もしくは複数の本発明の化合物を従来の製薬学的配合法に従って、製薬学的担体と直接的に混合し、その担体は、投与に所望される調製形態、例えば経口または、筋肉内のような非経口に応じて、広範な形態を取ることができる。経口剤形の組成物の調製には、いずれかの通常の製薬学的媒質を使用することができる。従って、例えば懸濁剤、エリキシルおよび溶液剤の
ような液体経口調製物に適する担体および添加剤は水、グリコール、油、アルコール、香料、保存剤、着色剤等を含み、例えば散剤、カプセル、カプレット、ゲルカプおよび錠剤のような固形経口調製物に適する担体および添加剤は、デンプン、糖、希釈剤、顆粒化剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤等を含む。それらの投与の容易性のために、錠剤およびカプセルが最も有利な経口投与単位剤形を表し、その場合は固形の製薬学的担体が明らかに使用される。所望される場合は錠剤は標準的方法により糖衣または腸溶性コートを施すことができる。非経口のための担体は、例えば溶解度を補助するか、または保存のため目的で他の成分を包含することができるが、通常は滅菌水を含んでなる。また注射用懸濁液も調製することができ、その場合は、適当な液体担体、懸濁剤等を使用することができる。本明細書における製薬学的組成物は投与単位、例えば錠剤、カプセル、散剤、注射、茶サジ等につき、前記の有効用量をデリバリーするために必要な有効成分量を含有するであろう。本明細書の製薬学的組成物は、単位剤形、例えば錠剤、カプセル、散剤、注射、座薬、茶サジ等当たり約0.1〜1000mgを含有し、そして約0.01〜300mg/kg/日またはその中の範囲、好ましくは約0.5〜10.0mg/kg/日、より好ましくは約1.0〜5.0mg/kg/日で与えることができる。しかし投薬用量は患者の必要性、処置されている状態の重篤度および使用されている化合物に応じて異なる可能性がある。毎日の投与または周期後投与のいずれかの使用を利用することができる。
これらの組成物は好ましくは、経口非経口、鼻孔内、舌下または直腸内投与のため、または吸入または吹き込みによる投与のための、錠剤、ピル、カプセル、散剤、顆粒、滅菌非経口溶液剤または懸濁液、計量エアゾールまたは液体スプレー、滴剤、アンプル、自動注入装置または座薬のような単位剤形である。あるいは組成物は毎週1回または毎月1回の投与に適した形態で提供することができ、例えばデカノエート塩のような有効化合物の不溶性塩は筋肉内注射のためのデポー調製物を提供するよう作り変えることができる。錠剤のような固形組成物を調製するためには、主要な有効成分を製薬学的担体、例えばコーンスターチ、ラクトース、蔗糖、ソルビトール、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、リン酸二カルシウムまたはガムのような従来の打錠成分、および他の製薬学的希釈剤、例えば水と混合して、本発明の化合物または製薬学的に許容できるその塩の均一な混合物を含有する固形の調合前組成物を形成する。これらの調合前組成物が均一であると言う場合、それは組成物が錠剤、ピルおよびカプセルのように等分に有効な剤形に容易に副分割することができるように、有効成分が組成物全体に均一に分散されていることを意味する。次に、この固形の調合前組成物を、0.1〜約500mgの本発明の有効成分を含有する前記のタイプの単位剤形に副分割する。新規組成物の錠剤またはピルはコートするかあるいは配合して、長期作用の利点を与える剤形を提供することができる。例えば、錠剤またはピルは内部投与成分および外部投与成分を含んでなることができ、ここで後者は前者を包む形態である。2成分は胃内部での崩壊に抵抗する役割をもつ腸溶層により分離することができ、内部成分を十二指腸内にそのまま通過させるかまたは放出を遅らせる。種々の物質をこのような腸溶層またはコーティングのために使用することができ、このような物質にはセラック、セチルアルコールおよび酢酸セルロースのような物質を含む多数のポリマー酸を包含する。
本発明の新規組成物が経口または注射による投与のために取り入れることができる液体形態には、水溶液、適当に風味を付けたシロップ、水性または油性懸濁物および、綿実油、ゴマ油、ココナツ油または落花生油のような食用油を含む風味を付けたエマルションならびにエリキシルおよび同様な製薬学的ベヒクルがある。水性懸濁液に適当な分散または懸濁剤はトラガカント、アカシア、アルギネート、デキストラン、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニル−ピロリドンまたはゼラチンのような合成および天然ガムを含む。
本発明に記載するアルコール乱用、嗜癖および/または依存を処置する方法はまた、本
明細書に定義されたいずれかの化合物および製薬学的に許容され得る担体を含んでなる製薬学的組成物を使用して実施することができる。製薬学的組成物は約0.1mg〜1000mgの間またはその中の範囲の化合物、好ましくは約10〜500mgの間またはその中の範囲の化合物を含有することができ、そして選択される投与様式に適したいずれかの形態に構成することができる。担体は、限定するわけではないが、結合剤、懸濁剤、滑沢剤、香料、甘味剤、保存剤、染料およびコーティングを包含する、必要かつ不活性な製薬学的賦形剤を含む。経口投与に適した組成物にはピル、錠剤、カプレット、カプセル(それぞれ即時放出、時限放出および徐放性製剤を包含する)、顆粒および散剤のような固形形態、ならびに液剤、シロップ、エリキシル、エマルションおよび懸濁物のような液体形態を含む。非経口投与に有用な形態には滅菌溶液、エマルションおよび懸濁物を含む。
本発明の化合物は有利には1日の用量を1回で投与することができ、あるいは1日の総用量を1日に2、3または4回の分割用量で投与することができる。さらに本発明の化合物は適当な鼻腔内ベヒクルの局所使用により鼻腔内形態で、または当業者に周知の経皮的皮膚パッチにより投与することができる。経皮デリバリー系の形態で投与するための投薬はもちろん、投与計画中、断続的でなく連続的であろう。
例えば、錠剤またはカプセルの形態の経口投与のための有効薬剤成分は、エタノール、グリセロール、水等のような経口用の、無毒な製薬学的に許容され得る不活性担体と組み合わせることができる。さらに所望される時または必要な時は、適当な結合剤、滑沢剤、崩壊剤および着色剤も混合物中に取り入れることができる。適当な結合剤は限定されずに、デンプン、ゼラチン、グルコースまたはベータ−ラクトースのような天然糖、コーン甘味剤、アカシア、トラガカントのような天然および合成ガム、またはオレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム等を含む。崩壊剤は、限定するわけではないが、デンプン、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、キサンタンガム等を含む。
液体形態には適当に風味を付けた懸濁剤または分散剤、例えば合成および天然ガム、例えばトラガカント、アカシア、メチルセルロース等を含む。非経口投与のためには、滅菌懸濁物および溶液剤が望ましい。静脈内投与が望まれる時は、一般に適当な保存剤を含有する等張性調製物が使用される。
本発明の製薬学的組成物を調製するために、有効成分として式(I)の化合物を、投与(例えば経口もしくは非経口)に望ましい調製物の形態に依存して広範な様々な形態を取ることができる製薬学的担体と、従来の製薬学的配合技術に従い直接的に混合する。適切な製薬学的に許容され得る担体は当該技術分野で周知である。これら幾つかの製薬学的に許容され得る担体の記載は、米国製薬学協会(American Pharmaceutical Association)および英国製薬学会(Pharmaceutical Society of Great Britain)により公開されている製薬学的賦形剤のハンドブック(The Handbook of Pharmaceutical Excipients)により見いだすことができる。
製薬学的組成物を配合する方法は、マルセルデッカー社(Marcel Dekker,Inc)により出版されているLieberman et al.により編集された「製薬学的剤形:錠剤、第2版、改訂および増補」(Pharmaceutical Dosage Forms:Tablets,Second Edition,Revised and Expanded)第1〜3巻;Avis et al.により編集された「製薬学的剤形:非経口薬剤」、(Pharmaceutical Dosage Forms:Parenteral Medications)第1〜2巻;およびLieberman et al.により編集された「製薬学的剤形:分散系」(Pharmac
eutical Dosage Forms:Dispers Systems)第1〜2巻のような数々の出版物に記載されてきた。
本発明の化合物は、アルコール乱用、嗜癖および/または依存の処置が必要とされる場合はいつでも、前記の任意の組成物中で当該技術分野で確立された投薬処方に従い投与されることができる。
製品の1日の投薬用量は1日に成人一人当たり0.01〜5,000mgまたはその中の範囲で広く変動し得る。処置される患者に対して投薬用量を症状に合わせるために、経口投与用の組成物は、好ましくは0.01、0.05、0.1、0.5、1.0、2.5、5.0、10.0、15.0、25.0、50.0、100、150、200、250および500ミリグラムの有効成分を含有する錠剤の形態で提供される。薬剤の有効量は通常、1日に体重1kg当たり約0.01mg/kg〜約300mg/kgまたはその中の範囲の投与用量レベルで供給される。好ましくはその範囲は約0.5〜約10.0mg/kg体重/日、最も好ましくは約1.0〜約5.0mg/kg体重/日である。化合物は1日1〜4回の処方で投与することができる。
投与される最適用量は当業者により容易に決定することができ、使用される特定の化合物、投与様式、調製物の強度、投与様式および疾患状態の進行とともに異なるであろう。さらに患者の年齢、体重、食事および投与時間を含め、処置されている特定の患者に関わる因子が投薬を調節する必要性をもたらすであろう。さらに当業者は、薬剤パッケージインサート、FDAガイドライン、Physician’s Desk Reference等のような適切な参照書を調べることにより既知の、かつ/または市販されている抗依存薬に関して推薦される用量レベルを容易に決定することができる。
当業者は適切な既知の一般的に許容され得る細胞および/または動物モデルを使用したインビボおよびインビトロ試験の両方で、上記障害を処置または防止する試験化合物の能力が予測されると認識するだろう。
さらに当業者は健康な受診者および/または上記障害に罹患している人を対象としたヒトで初めての、投薬用量範囲および効力試験を含むヒトの臨床試験を、臨床および医学的分野で周知な方法に従い完了できると認識するだろう。
以下の実施例は本発明の理解を補助するために示され、以後に続く特許請求の範囲に示される本発明をどのようにも限定することは意図せず、またそう考えてはならない。
以下の実施例では、幾つかの合成生成物が残渣として単離されたと列挙されている。当業者はこの用語「残渣」が生成物が単離された物理的状態に限定されず、そして例えば固体、油状、泡沫状、ガム、シロップ等を含むことができると理解している。
1−(4−フルオロ−フェニル)−8−(8−メチル−ナフタレン)−1−イルメチル)−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]−デカン−4−オン
Figure 2010511055
工程A:(8−ヒドロキシメチル−ナフタレン−1−イル)−メタノール
熱電対、頭頂撹拌機、2リットルの添加漏斗、および冷却器を備えた12リットルの4首フラスコにN下で1,8−無水ナフタレン酸(200g、1.0モル)(2.5リットルのトルエン中)を室温で入れた。反応混合物はDIBAL−H(トルエン中1.5M、2.664リットル、4モル)を添加漏斗を介して1.5時間にわたり加えながらゆすった。次いで溶液を一晩95℃に加熱し、15℃に冷却し、次いで酢酸エチル(2.2リットル)およびHO(2リットル)でゆっくりと希釈し、次いで濃HCl(320mL)を加えた。生じた懸濁液を室温で30分間撹拌し、濾過し、そしてフィルター上で2時間、風乾した。生じた物質を95%エタノール(1.2リットル)に入れ、70℃で2時間撹拌し、そして濾過して湿潤固体を得、これをフィルター上で一晩風乾し、次いで70℃にて真空オーブン中で乾燥させて(8−ヒドロキシメチル−ナフタレン−1−イル)−メタノールを固体として得た;
H NMR(400MHz,CDOD)δ7.85(2H,dd,J=1.3および8.2Hz),7.61(2H,dd,J=1.0および7.0Hz),7.46−7.42(2H,m),5.22(2H,s),4.82(4H,s).
工程B:1H,3H−ベンゾ[de]イソクロメン
頭頂撹拌機、冷却器および熱電対を備えた1リットルの3首フラスコに、(8−ヒドロキシメチル−ナフタレン−1−イル)−メタノール(33.0g、0.175モル)、濃リン酸(225mL)および水(5mL)を入れた。反応混合物は140℃で3時間、撹拌し、室温に冷却し、CHCl(800mL)で希釈し、そして2リットルの分離漏斗に移した。有機層を水および飽和NaHCOで洗浄した後、MgSOで乾燥させ、そして蒸発させて1H,3H−ベンゾ[de]イソクロメンを固体として得た。
H NMR(400MHz,DMSO−d):δ6.96−6.92(2H,m),6.62−6.58(2H,m),6.39−6.37(2H,m),4.17(3H,s).
工程C:(8−メチル−ナフタレン−1−イル)−メタノール(Tetrahedron,2000,56,8375−8382を参照)
頭頂撹拌機、熱電対、冷却器、窒素入口および1リットルの添加漏斗を備えた3リットルの4首フラスコに、カリウム(30g、0.764モル)およびTHF(1リットル)を入れた。金属懸濁液を60℃に30分間加熱し、次いで撹拌して室温にした。次いで反応混合物にナフタレン(2g、0.015モル)を加え、懸濁液を室温で10分間撹拌し、次いで−20℃に冷却して青色の懸濁液を得た。1H,3H−ベンゾ[de]イソクロメン(26g、0.153モル)の溶液(500mlのTHF中)を添加漏斗を介してゆっくり加え、添加は反応温度が−15℃を越えないように制御した。−20℃で5時間撹拌した後、懸濁液を冷却浴から取り出し、撹拌しながら0℃に温め、次いで撹拌せずに静
置した(カリウム金属が沈降した)。溶液をデカントし、残存するカリウムを冷却し、そして慎重にイソプロピルアルコール(IPA)でN下にて分解した。デカントした溶液は窒素下で水(20mL)を用いて慎重に処理し、そして撹拌を20分間続けた。追加の水およびエーテルを加え、そして有機層を分離した。水性層をCHClで抽出し、そして合わせた有機物をMgSOで乾燥させ、そして真空下で濃縮して粗物質を得た。この粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(7.5/2.5ヘキサン/EtOAc)により精製して、8−メチル−1−ナフタレンメタノールを固体として得た。
H NMR(300MHz,DMSO−d):δ7.82−7.80(1H,m),7.73−7.69(1H,m),7.52−7.50(1H,m),7.41−7.32(3H,m),5.17(2H,bs),3.01(3H,s).
工程D:8−メチル−ナフタレン−1−カルボアルデヒド
頭頂撹拌機、冷却器および熱電対を備えた1リットルの4首フラスコに、8−メチル−1−ナフタレンメタノール(18.5g、0.107モル)(500mlのCHCl中)を入れ,そしてN下で室温にて撹拌した。固体Mn(IV)(61g、0.7モル)を慎重に加え、そして反応物を室温で3時間撹拌し、次いで40℃で6時間、次いで室温で一晩撹拌した。反応混合物をCHCl(500ml)で希釈し、濾過し、そして濾液を1N HClで洗浄し、次いでMgSOで乾燥させた。生じた粗物質は、シリカゲルクロマトグラフィー(8/2ヘキサン/酢酸エチル)を使用して精製して、8−メチル−ナフタレン−1−カルボアルデヒドを固体として得た。
H NMR(400MHz,CDCl)δ10.92(1H,s),8.04(1H,dd,J=1.3および8.1Hz),7.96(1H,dd,J=1.4および7.1Hz),7.82−7.73(1H,m),7.55−7.51(1H,m),7.49−7.44(2H,m),2.82(3H,s)
工程E:1−(4−フルオロ−フェニル)−8−(8−メチル−ナフタレン−1−イルメチル)−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]−デカン−4−オン
頭頂撹拌機および熱電対を備えた1リットルの3首フラスコ中のCHC1(500mL)に、8−メチル−ナフタレン−1−カルボアルデヒド(13.75g、0.08モル)および1−(4−フルオロ−フェニル)−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−4−オン(21.5g、0.085モル)をN下で入れた。20分間撹拌した後、HOAc(1mL)を加え、続いて固体NaBH(OAc)(33.4g、0.157モル)を慎重に加えた。混合物を室温で16時間撹拌した(懸濁液は溶液になる)。次いで反応物を50℃で2時間温め、室温に冷却し、次いで0.5N NaOH(50mL)で処理し、10分間撹拌し、次いでCHCl(100mL)で希釈した。有機層を単離し、そしてMgSOで乾燥させた。溶媒を蒸発させて残渣を得、これをジエチルエーテルに懸濁し、20分間撹拌し、濾過し、そして60℃の真空オーブン中で乾燥させて、1−(4−フルオロ−フェニル)−8−(8−メチル−ナフタレン−1−イルメチル)−1,3,8−トリアザ−スピロ[4.5]−デカン−4−オンを白色固体として得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ7.79−7.76(1H,m),7.72−7.69(1H,m),7.39−7.30(4H,m),6.98−6.92(2H,m),6.87−6.82(2H,m),6.24(1H,br s),4.66(2H,s),4.01(2H,s),3.12(3H,s),2.86−2.78(4H,m),2.33−2.23(2H,m),1.72(2H,d,J=14.1Hz);
MS(ES)m/z 404.2(M+H)
元素分析:
理論値:C:69.26%,H:7.06%,N:11.34%,F:3.91%,
O:1.85%
測定値:C:68.96%,H:6.83%,N:11.38%,F:4.00%,
O:0.58%
1−(4−フルオロ−フェニル)−8−(8−メチル−ナフタレン−1−イルメチル)−3−(S)−オキシラニルメチル−1,3,8−トリアザ−スピロ[4.5]−デカン−4−オン
Figure 2010511055
1−(4−フルオロ−フェニル)−8−(8−メチル−ナフタレン−1−イルメチル)−1,3,8−トリアザ−スピロ[4.5]−デカン−4−オン(2.0g、4.95ミリモル)を、N,N−ジメチルホルムアミド(25.0mL)に溶解した。次いでこの反応混合物に0℃で水素化ナトリウム(鉱物油中の60%、238mg、5.94ミリモル)を窒素雰囲気下で加え、そして反応混合物を0℃で1時間撹拌した。次いでこの反応混合物に0℃で(2R)−(−)−グリシジル−3−ニトロベンゼンスルホネート(1.54g、5.94ミリモル)を加えた。反応混合物を0℃で1時間撹拌し、次いで室温で窒素雰囲気下で18時間撹拌し、そして水と酢酸エチルに分配した。有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、そして溶媒を真空下で蒸発させて粗油を得た。この粗油はフラッシュクロマトグラフィー(2.5%メタノール/ジクロロメタン)を介して精製して表題化合物を泡沫として得た。
H NMR(300MHz,CDCl)δ7.78−7.76(1H,m),7.73−7.69(1H,m),7.38−7.31(4H,m),6.99−6.91(2H,m),6.89−6.84(2H,m),4.76(1H,d,J=4.8Hz),4.65(1H,d,J=4.8Hz),4.01(2H,s),3.20−3.11(6H,m),2.86−2.77(5H,m),2.61−2.59(1H,m),2.31−2.21(2H,m),1.69−1.63(2H,m)
MS(ES)m/z 460.2(M:+:H)
3−(3−アミノ−2−(R)−ヒドロキシ−プロピル)−1−(4−フルオロ−フェニル)−8−(8−メチル−ナフタレン−1−イルメチル)−1,3,8−トリアザ−スピロ[4.5]−デカン−4−オン
Figure 2010511055
1−(4−フルオロ−フェニル)−8−(8−メチル−ナフタレン−1−イルメチル)−3−(S)−オキシラニルメチル−1,3,8−トリアザ−スピロ[4.5]−デカン−4−オン(0.06g、0.13ミリモル)をエチルアルコール(2mL)およびメチルアルコール(0.4mL)に溶解した。次いでこの溶液に濃水酸化アンモニウム(1mL)を加え、そして反応混合物を40℃で2時間、加圧フラスコ中で撹拌した。次いで溶媒を真空下で蒸発させて粗油を得た。この粗油はフラッシュクロマトグラフィー(メタノール中5.0%アンモニア2.0M/ジクロロメタン)を介して精製して表題化合物を泡沫として得た。
H NMR(400MHz,CDCl)δ7.77−7.75(1H,m),7.71−7.68(1H,m),7.37−7.30(4H,m),6.97−6.91(2H,m),6.87−6.83(2H,m),4.74(2H,s),4.0(2H,s),3.79−3.74(1H,m),3.57−3.52(1H,m),3.41−3.36(1H,m),3.11(3H,s),2.91−2.74(4H,m),2.66−2.61(1H,m),2.30−2.23(2H,m),1.66(2H,d,J=13.7Hz)
MS(ES)m/z 477.1(M:+:H)
3−(3−アミノ−2−(R)−ヒドロキシ−プロピル)−1−(4−フルオロ−フェニル)−8−(8−メチル−ナフタレン−1−イルメチル)−1,3,8−トリアザ−スピロ[4.5]−デカン−4−オン、結晶、無水、一硫酸塩
エタノール中(1mL)、3−(3−アミノ−2−(R)−ヒドロキシ−プロピル)−1−(4−フルオロ−フェニル)−8−(8−メチル−ナフタレン−1−イルメチル)−1,3,8−トリアザ−スピロ[4.5]−デカン−4−オン(50mg)を、1当量の18M HSOおよび水(0.2mL)で処理し、次いで加熱して固体を溶解した。次いで生じた溶液を室温に一晩ゆっくりと冷却した。生じた固体を集め、そしてフィルターパッド上で乾燥させて表題化合物を固体として得た。
融解は最初に196℃で始まり、210℃および224℃にピークがあった。
式(Is)の化合物のビス−2−ケト−L−グロン酸塩から式(Is)の化合物の一硫酸塩の直接的調製
水中(11mL)、3−(3−アミノ−2−(R)−ヒドロキシ−プロピル)−1−(4−フルオロ−フェニル)−8−(8−メチル−ナフタレン−1−イルメチル)−1,3,8−トリアザ−スピロ[4.5]−デカン−4−オン、ビス−2−ケト−L−グロン酸塩(10g、10ミリモル)および硫酸(1.1g、11ミリモル)を約75〜80℃に
加熱し、次いで生じた溶液をエタノール(60g)で処理した。50℃に冷却すると沈殿が形成した。反応混合物を20〜25℃で約1.5から2時間にわたり冷却し、次いで約10〜12時間撹拌した。固体を濾過し、エタノール(30g)で洗浄し、そして真空オーブン中60℃で乾燥させて表題化合物を固体として得た。
式(Is)の化合物の一硫酸塩の再結晶化
水中(95mL)、3−(3−アミノ−2−(R)−ヒドロキシ−プロピル)−1−(4−フルオロ−フェニル)−8−(8−メチル−ナフタレン−1−イルメチル)−1,3,8−トリアザ−スピロ[4.5]−デカン−4−オン、ビス−2−ケト−L−グロン酸塩(3.3g、5.74ミリモル)を100℃に加熱した。生じた溶液を熱いまま濾過し、そして濾液を減圧および温度(50mbar、60℃)で濃縮して約80gの水を除去した。60〜70℃の間の反応温度を維持しながら、エタノール(34mL)を加えた。沈殿が始まった後、反応物を約1.5から2時間にわたり25℃に冷却し、そして撹拌を約12〜14時間続けた。固体を真空濾過により単離し、そして水(2×7mL)およびエタノール(9mL)で洗浄した。固体を真空オーブン中60℃で乾燥させて表題化合物を固体として得た。
3−(3−アミノ−2−(R)−ヒドロキシ−プロピル)−1−(4−フルオロ−フェニル)−8−(8−メチル−ナフタレン−1−イルメチル)−1,3,8−トリアザ−スピロ[4.5]−デカン−4−オンの結晶、一硫酸塩を含んでなる固体剤形
式(Is)の化合物の結晶、一硫酸塩を含んでなる固体の錠剤剤形を、表2に列挙する組成物を用いて調製した。既知の方法に従い成分を混合し、そして打錠した。以下の表では、略号BHAはブチル化ヒドロキシトルエンを表し、BTAはブチル化ヒドロキシアニソールを表す。PROSOLV HD90(商標)は、98%微晶質セルロースおよび2%コロイド状二酸化珪素からなる珪素化高密度微結晶セルロースである。CROSPOVIDONEは架橋結合N−ビニル−2−ピロリドンの合成ホモポリマーである。
Figure 2010511055
インビボモデルを対象としたアルコール嗜好性ラット
選択的に交配したオス成体のアルコール嗜好性ラット(N=14)を使用した。このアルコール飲酒ラットの特定種は、種々の化合物が自発的なアルコール摂取に及ぼす効果を試験するために特徴付けられ、そして広く使用されてきた(Farren et al.2000;Rezvani et al.1990,1991,1992a,1992b,1999,2000,2003;Murphy et al,1988;Overstreet et al.,2003,1999;Li and McBride,199
0)。ラットは認可されたケージに、22+1℃の一定室温および12:12の明暗サイクル(8:00〜20:00、暗い)で個別に収容された。動物にはAgway Prolab ラット/マウス/ハムスター3000フォーミュラおよび水を自由に与えた。
アルコール摂取は、我々の、および他の研究室で長年利用された標準的な2−ボトル選択法を使用して決定した(Murphy et al,1988;Rezvani et
al.1990,1991,1993,1995、1997、Rezvani and
Grady,1994,Rezvani et al.,1993)。動物は最初に、目盛りを付けたRichter試験管中の水を2日間、自由に飲ませた。次いで連続して3日間、動物は10(容量/容量)%のエタノール溶液のみ飲ませた。この期間に、動物をRichter試験管から飲むこと、そしてアルコールの味および薬理学的効果に慣らした。その後、動物は水および10%アルコール溶液の両方を少なくとも連続して4週間、そして実験期間を通して自由に取らせた。ラットには食料を自由に取らせた。水およびアルコールの摂取は、処置後6および24時間に記録し、食料の摂取は24時間目に測定した。動物の体重は処置の日およびその後、毎日測定した。
アルコール、食料および水の摂取に関する安定したベースラインの確立後、ラットは(胃管栄養チューブを介して)午前9:30に賦形剤または式(I)の化合物の4種の用量(1、3、10および30mg/kg)の1つを、無作為な割り当ての交差実験計画で投与された。式(I)の化合物のアルコール摂取に及ぼす効力を比較することができるように、陽性対照としてナルトレキソンを含めた。同じラットに経口投与量の20mg/kgのナルトレキソンを与えた。すべての動物がすべての処置を無作為の順序で受けた。処置間の間隔は、少なくとも1週間であった。アルコールおよび水の摂取は、薬剤投与から6および24時間後に記録し、そして食料摂取は24時間目に記録した。薬剤投与の容量は6ml/kgであった。
投与後6および24時間の結果を、以下の表3および4に平均±SEMとして与える。アルコール摂取(g/kg)は消費したアルコールの容量(ml)に10%および0.7893(エタノール密度)/体重(kg)を掛けることにより算出した。パーセントで表されるアルコールの嗜好性は、以下のように算出した(消費したアルコール容量(ml)/全流体摂取量(ml)×100(Rezvani and Grady,1994;Rezvani et al.,1997)。薬剤処置と対照群との間の統計的差異は、反復測定を用いたANOVAを使用することにより決定した。各処置は対応する賦形剤値と比較した。略号NSは、値における差が統計的に有意でなかったことを示す。
Figure 2010511055
Figure 2010511055
上記表1に表すように、3、10および30mg/kgの式(I−A)の化合物の急性経口投与は、賦形剤と比べた時に6時間後のアルコール摂取を有意に下げた。上記表2に表すように、24時間では30mg/kg用量の式(I−A)の化合物のみがアルコール摂取の低下において統計的に有意であった(p<0.0002)。比較により、ナルトレキソンはアルコール摂取の低下において投与後24時間、統計的に有意なままであった(p<0.0028)。さらに投与後6および24時間の両方で、ナルトレキソンおよび30mg/kgの式(I−A)の化合物がアルコール嗜好性を下げた。(式(I−A)の化合物の他の用量は統計的に有意なレベルでアルコール嗜好性に有意な影響を及ぼさなかった)。
アルコール嗜好性ラット−慢性および再投与実験
この実験には選択的に交配したオス成体のアルコール嗜好性ラットを使用した。選択的に交配しアルコール嗜好性ラットは、自発的なアルコール摂取に及ぼす化合物の抑制効果を実験するために広く使用されている(Faren et al.2000;Rezvani et al,1990,1991,1992a,1992b,1999,2000,2002;2003;Murphy et al,1988;Overstreet et al.,1992,1999;Li and McBride,1995)。
ラットは22±1℃の一定室温および12:12の明暗サイクル(7:00〜19:0
0、暗い)で個別に収容した。動物にはAgway Prolab ラット/マウス/ハムスター3000フォーミュラおよび水を自由に与えた。
アルコール摂取ベースラインの確立:
アルコール摂取は標準的な2−ボトル選択法を使用して決定した(Murphy et
al,1988;McBride et al.1990;Rezvani et al.1990,1991,1993,1995、1997、Rezvani et al.,2007a,b;Rezvani and Grady,1994)。動物には最初に、目盛りを付けたRichter試験管中の水を1日間、自由に飲ませた。次いで連続して3日間、動物は10(容量/容量)%のエタノール溶液のみ飲ませた。この期間に、動物をRichter試験管から飲むこと、そしてアルコールの味および薬理学的効果に慣らした。その後、動物は水および10%アルコール溶液の両方に連続して4週間、そして実験期間を通して自由に取らせた。動物には食料を自由に取らせた。水およびアルコールの摂取は、6および24時間に記録した。
実験A:長期投与:
アルコールおよび水の摂取に関する信頼性のあるベースラインの確立後、動物は処置法に無作為に割り当てた。動物には1日1回、胃管栄養チューブを介して賦形剤(0.5%メチルセルロース)または式(I−A)の化合物(30mg/kg)またはナルトレキソン(20mg/kg)のいずれかを、14日間連続して投与した。各処置には群あたり6〜7匹の動物を使用した。アルコールおよび水の摂取を投与から6および24時間目に記録した。
結果は平均±SEMとして与える。アルコール摂取(g/kg)は、消費したアルコールの容量(ml)に10%および0.7893(エタノール密度)/体重(kg)を掛けることにより算出した。パーセントで表されるアルコールの嗜好性は、(消費したアルコール容量(ml)/全流体摂取量(ml)×100(Rezvani and Grady,1994;Rezvani et al.,2007a)として算出した。薬剤処置と対照群との間の統計的差異は、ANOVAおよび多比較のためのターキーのスチューデントt検定を使用することにより決定した。
実験Aからの結果は、長期処置後の試験化合物の抑制効果に対して動物が耐性を発生するかどうかの尺度を提供する。実験Aに関する結果は、以下の表5、6および7に列挙する。以下の表5〜8では、略号「(I−A)」は式(I−A)の化合物を表し、略号「Naltx」はナルトレキソンを表し、そして略号「EtOH」はエタノールを表す。
Figure 2010511055
Figure 2010511055
Figure 2010511055
上記表に示すように、式(I−A)の化合物で処置したラットは、14日間の過程にわたり6および24時間でのアルコール摂取に減少を示した。またデータは14日間の投与にわたり、動物が式(I−A)の化合物のアルコール低減効果に対して耐性を発生しなかったことも示した。
実験B:剥奪後効果:
実験Aの後、ラットは薬剤無しで15日間、アルコールについて管理された。胃管栄養から16日後、ラットには72時間、食料および水のみを与えた。翌日、アルコールに再暴露する45分前、ラットを賦形剤(0.5%メチルセルロースで)、ナルトレキソン(20mg/kgで)または式(I−A)の化合物(30mg/kgで)処置した。次いでアルコールの摂取を暴露から1、3、6および24時間後に測定した。
結果を平均として表す。アルコール摂取(g/kg)は消費したアルコールの容量(ml)に10%および0.7893(エタノール密度)/体重(kg)を掛けることにより算出した。パーセントで表されるアルコールの嗜好性は、(消費したアルコール容量(ml)/全流体摂取量(ml)×100(Rezvani and Grady,1994;Rezvani et al.,2007a)として算出した。薬剤処置と対照群との間の統計的差異は、ANOVAおよび多比較のためのターキーのスチューデントt検定を使用することにより決定した。
実験Bからの結果は、剥奪後誘導されるアルコールに対する渇望(post−deprivation−induced craving for alcohol)を抑制する試験化合物の効力の尺度を提供する。実験Bに関する結果は、以下の表8に列挙する。
Figure 2010511055
上記表8に表すように、式(I−A)の化合物で処置したラットは、投与後1、3、6および24時間のアルコール摂取および嗜好性の低下を表し、この化合物が剥奪後の渇望の抑制に効果的となり得ることを示唆している。
前記明細書は本発明の原理を教示しているが、実施例は具体的説明の目的で提供され、本発明の実施には以下の特許請求の範囲およびそれらの等価物の範囲となるような、すべての通常の変更、適応および/または修飾を包含するものと理解される。

Claims (23)

  1. アルコール乱用、嗜癖または依存を処置する方法であって、処置が必要な個体に治療に有効な量の式(I)
    Figure 2010511055
    [式中
    およびRは各々独立して、水素およびC1−4アルキルからなる群から選択される]
    の化合物またはその製薬学的に許容し得る塩を単独で、または少なくとも1つの抗依存薬とのコ−セラピーとして施すことを含んでなる上記処置方法。
  2. アルコール乱用、嗜癖または依存を処置する方法であって、処置が必要な個体に治療に有効な量の式(I−A)
    Figure 2010511055
    の化合物またはその製薬学的に許容し得る塩を投与することを含んでなる上記処置方法。
  3. 式(I−A)の化合物またはその製薬学的に許容され得る塩が、式(I−A)の化合物の結晶性一硫酸塩である請求項2に記載の方法。
  4. アルコール乱用、嗜癖または依存がアルコール乱用または依存である請求項2に記載の方法。
  5. アルコール乱用、嗜癖または依存がアルコール渇望である請求項2に記載の方法。
  6. アルコール乱用、嗜癖または依存が離脱または再発後の渇望である請求項2に記載の方法。
  7. アルコール乱用、嗜癖または依存が耽溺渇望である請求項2に記載の方法。
  8. アルコール乱用、嗜癖または依存を処置する方法であって、処置が必要な個体に式(I−A)
    Figure 2010511055
    の化合物またはその製薬学的に許容し得る塩および少なくとも1つの抗依存薬を含んでなる治療に有効な量のコ−セラピーを施すことを含んでなる上記処置方法。
  9. 式(I−A)の化合物またはその製薬学的に許容され得る塩が、式(I−A)の化合物の結晶性一硫酸塩である請求項8に記載の方法。
  10. 抗依存薬が代用薬、補充薬、渇望を遮断する薬、離脱症候群を遮断または軽減する薬、および物質乱用の快感または恩恵を遮断する薬からなる群から選択される、請求項8に記載の方法。
  11. 抗依存薬がナルトレキソン、ナルメフェン、ジスルフィラム、アカンプロセート、トピラメート、リスペリドン、パリペリドン、オンダンセトロン、フルオキセチン、セルトラリン、パロキセチン、シタロプラム、フルボキサミン、ベンラファキシンおよびデュロキセチンからなる群から選択される、請求項8に記載の方法。
  12. 抗依存薬がナルトレキソン、ジスルフィラムおよびアカンプロセートからなる群から選択される請求項11に記載の方法。
  13. 抗依存薬がナルトレキソンである請求項12に記載の方法。
  14. アルコール乱用、嗜癖または依存がアルコール乱用または依存である請求項8に記載の方法。
  15. アルコール乱用、嗜癖または依存がアルコール渇望である請求項8に記載の方法。
  16. アルコール乱用、嗜癖または依存が離脱または再発後の渇望である請求項8に記載の方法。
  17. アルコール乱用、嗜癖または依存が耽溺渇望である請求項8に記載の方法。
  18. アルコール乱用、嗜癖または依存を処置する方法であって、処置が必要な個体に少なくとも1つの抗依存薬および式(I−A)
    Figure 2010511055
    の化合物の結晶性一硫酸塩を含んでなる治療に有効な量のコ−セラピーを施すことを含んでなる上記処置方法。
  19. 抗依存薬がナルトレキソン、ナルメフェン、ジスルフィラム、アカンプロセート、トピラメート、リスペリドン、パリペリドン、オンダンセトロン、フルオキセチン、セルトラリン、パロキセチン、シタロプラム、フルボキサミン、ベンラファキシンおよびデュロキセチンからなる群から選択される、請求項18に記載の方法。
  20. 抗依存薬がナルトレキソンである請求項18に記載の方法。
  21. アルコール乱用、嗜癖または依存がアルコール乱用、アルコール依存またはアルコール渇望である請求項18に記載の方法。
  22. アルコール乱用、嗜癖または依存を処置する方法であって、処置が必要な個体にナルトレキソンおよび式(I−A)
    Figure 2010511055
    の化合物またはその製薬学的に許容され得る塩を含んでなる治療に有効な量のコ−セラピーを施すことを含んでなる上記処置方法。
  23. 請求項22に記載のアルコール乱用、嗜癖または依存を処置する方法であって、処置が必要な個体にナルトレキソンおよび式(I−A)
    Figure 2010511055
    の化合物の結晶性一硫酸塩を含んでなる治療に有効な量のコ−セラピーを施すことを含んでなる上記処置方法。
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