JP2010287373A - 高圧放電灯点灯装置及び高圧放電灯の点灯方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】高圧放電灯に交流電流を供給する電力供給手段(20、30)、及び電力供給手段によって供給される交流電流の電流値及び極性反転間の時間幅を周期的に変化させるための制御手段(15)からなり、交流電流が期間TL及び期間TSの繰り返しからなり、期間TLにおいては、低周波の矩形波電流の半サイクルの直後に高周波の電流が1サイクル印加され、高周波電流1サイクルのうちの後半の半サイクルのみ又は高周波電流1サイクル全部のピーク電流値が低周波電流の電流値よりも高く、期間TSにおいては、低周波電流のみが連続的に繰り返されるように制御手段によって電力供給手段が制御される構成とした。
【選択図】図3
Description
PWM制御回路28の動作とブリッジ制御回路37の動作は制御手段15によって連動される。即ち、降圧チョッパ回路20及びフルブリッジ回路30で電力供給手段が構成され、それが制御手段15によって制御される。そして、交流ランプ電流について、PWM制御回路28によってその電流値が制御され、フルブリッジ制御回路30によって極性反転間の時間幅が制御される。
第1の点はフリッカの防止である。ここでいうフリッカとは、高圧放電灯の点灯中に放電アークの起点が電極上を転々と移動してしまい、それにより光出力がちらついてしまう現象をいう。電極が突起状に成長する現象は必ずしも明確ではないが下記のように推測される。加熱させたタングステンが蒸発したことによって発光管内に存在するハロゲン等と結合し、タングステン化合物を形成する。このタングステン化合物は対流などによって管璧付近から電極先端付近へ拡散し、高温部でタングステン原子に分解される。そしてタングステン原子はアーク中で電離することで陽イオンとなる。交流点灯している両電極が陽極と陰極を点灯周波数ごとに繰り返すが、この陰極動作をしている時にアーク中の陽イオンは、電界によって陰極側に引き寄せられることで両電極先端に析出され、それが突起を形成するものと考えられている。
なお、図2において、高周波期間の後半の半サイクル部のピーク電流値は低周波期間の電流値の1.1〜1.5倍であり、高周波期間の1サイクルの時間幅:低周波期間の半サイクルの時間幅は、1:4〜1:20である。また、{低周波半サイクル(正)+高周波1サイクル+低周波半サイクル(負)+高周波1サイクル}を単位サイクルとするとその繰り返し周波数は50Hz〜1kHz程度である。
なお、適正なランプ電圧の維持とは、電極上に形成される突起の成長を適切に抑制して電極間の距離が適正な範囲に維持することである。突起はフリッカ防止のためにも存在している必要があるが、アークの起点さえ定まればそれ以上長い必要はない。しかし、ランプ電圧が低く、十分なランプ電力を投入できないような状況では突起が必要以上に成長し易く、問題となる。この問題について、例えば特許文献2においては、通常の矩形波点灯の高圧放電灯点灯装置について、ランプ点灯開始後の所定期間において、検出されたランプ電圧が60V未満の場合(突起が成長し過ぎてしまっている場合)にはランプ電流を多めに投入することにより突起の成長を抑制し、電極間距離がそれ以上縮まらないようにしている。
特開2008−41588号公報
さらに、特許文献2のような制御を図2のようなランプ電流波形で行うと、突起が小さいため、突起を過度に溶かしてしまうことがあり、突起の移動を誘発することになる。
また、期間TS又はステップ(TS)における低周波電流の周波数を50Hz以上100Hz以下とした。
またさらに、期間TL又はステップ(TL)の継続時間と期間TS又はステップ(TS)の継続時間の合計に対する期間TS又はステップ(TS)の継続時間の比が10%以上50%以下となるようにした。
本発明の波形を用いてランプのライフテストを行った。なお、回路構成図は図1と同じである。
図8Aに従来の波形を用いた場合のライフテスト約1000時間のランプ電圧の推移を示す。ここで、従来の波形とは、図2の波形において、周波数を100Hz、高周波期間の1サイクルの時間幅:低周波期間の半サイクルの時間幅を1:6としたものである。なお、高周波期間の後半の半サイクルのピーク電流値を低周波期間の電流値の1.1〜1.5倍とした(ランプ電圧に応じてこの範囲で変化する)。
従来例の図8Aではランプ電圧が大きく上昇している(即ち、ランプ電極が消耗して電極間距離が広がっている)のに対し、本発明の図8Bではランプ電圧の変動は非常に小さく、即ち、突起の消耗が小さく長寿命が達成され、良好な結果が得られた。
また、期間TSでの周波数が50Hz未満となると、極性反転が視認できるようになり光源装置用としては不適当であることが知られている。一方、期間TSでの周波数が100Hzを超えるとランプ電圧が上昇してしまうことが分かった。従って、期間TSでの周波数は50Hz以上100Hz以下が好ましい。
これにより、フリッカ、アークの移動がなく、さらにランプ長寿命で信頼性の高いプロジェクタを得ることができる。
15:制御手段
20:降圧チョッパ回路
21:トランジスタ
22:ダイオード
23:チョークコイル
24:コンデンサ
25、26、27:抵抗
28:PWM制御回路
30:フルブリッジ回路
31、32、33、34:トランジスタ
37:ブリッジ制御回路
40:イグナイタ回路
50:高圧放電灯
61:高圧放電灯点灯装置
62:リフレクタ
63:筐体
80、81、82、83:ランプ電極
90、91、92、93:突起
Claims (9)
- 高圧放電灯に交流電流を供給する電力供給手段(20、30)及び該電力供給手段によって供給される交流電流の電流値及び極性反転間の時間幅を周期的に変化させるための制御手段(15)からなり、該交流電流が期間TL及び期間TSの繰り返しからなり、
該期間TLにおいては、所定の周波数の矩形波電流(以下、「低周波電流」という)の半サイクルの直後に該所定の周波数よりも高い周波数の電流(以下、「高周波電流」という)が1サイクル印加され、該高周波電流1サイクルのうちの後半の半サイクルのみ又は該高周波電流1サイクル全部のピーク電流値が該低周波電流の電流値よりも高く、該期間TSにおいては、低周波電流のみが繰り返されるように、前記制御手段によって前記電力供給手段が制御される高圧放電灯点灯装置。 - 請求項1記載の高圧放電灯点灯装置において、前記期間TLの{半サイクルの正の低周波電流、1サイクルの高周波電流、半サイクルの負の低周波電流、1サイクルの高周波電流}を単位サイクルULとして、該単位サイクルULの繰り返し周波数が70Hz以上200Hz以下であることを特徴とする高圧放電灯点灯装置。
- 請求項1記載の高圧放電灯点灯装置において、前記期間TSを構成する低周波電流の周波数が50Hz以上100Hz以下であることを特徴とする高圧放電灯点灯装置。
- 請求項1記載の高圧放電灯点灯装置において、前記期間TLの継続時間と前記期間TSの継続時間の合計に対する該期間TSの継続時間の比が10%以上50%以下であることを特徴とする高圧放電灯点灯装置。
- 請求項1記載の高圧放電灯点灯装置(61)、高圧放電灯(50)、該高圧放電灯が取り付けられるリフレクタ(62)、並びに該高圧放電灯点灯装置及び該リフレクタを内包する筐体(63)を備えたプロジェクタ。
- 交流電流を供給する電力供給手段(20、30)及び該電力供給手段によって供給される交流電流の電流値及び極性反転間の時間幅を周期的に変化させるための制御手段(15)を用いた高圧放電灯の点灯方法であって、
所定の周波数の矩形波電流(以下、「低周波電流」という)の半サイクルの直後に該所定の周波数よりも高い周波数の電流(以下、「高周波電流」という)を1サイクル印加するステップであって、該高周波電流1サイクルのうちの後半の半サイクルのみ又は該高周波電流1サイクル全部のピーク電流値が該低周波電流の電流値よりも高くなるように印加するステップ(TL)、及び
低周波電流のみを通電するステップ(TS)
からなり、
前記ステップ(TL)と前記ステップ(TS)が繰り返される点灯方法。 - 請求項6記載の点灯方法において、前記ステップ(TL)における{半サイクルの正の低周波電流、1サイクルの高周波電流、半サイクルの負の低周波電流、1サイクルの高周波電流}を単位サイクルULとして、該単位サイクルULの繰り返し周波数が70Hz以上200Hz以下である点灯方法。
- 請求項6記載の点灯方法において、前記ステップ(TS)における低周波電流の周波数が50Hz以上100Hz以下である点灯方法。
- 請求項6記載の点灯方法において、前記ステップ(TL)の継続時間と前記ステップ(TS)の継続時間の合計に対する該ステップ(TS)の継続時間の比が10%以上50%以下である点灯方法。
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