JP2010276114A - サスペンション装置 - Google Patents

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Yasuhiro Inagaki
泰弘 稲垣
Takashi Teraoka
崇志 寺岡
Noboru Yoshida
昇 吉田
Mitsuhiko Hirose
光彦 廣瀬
Yasuhiro Ota
康洋 太田
Toshihiro Mori
俊廣 森
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Abstract

【課題】装置全体を小型化でき車両への取付の際に制約が少ないサスペンション装置を提供する。
【解決手段】ダンパ本体2に対してダンパロッド3が出入りする伸縮作動を呈すると所定の減衰力を発揮するダンパDと、ダンパ本体2に連結される本体側スプリングシート4とダンパロッド3に連結されるロッド側スプリングシート5との間に介装される懸架スプリングSとを備えたサスペンション装置1において、懸架スプリングSは、直列配置される二つのスプリング6,7と、スプリング6,7間に介装される中間スプリングシート8とを備え、中間スプリングシート8と本体側スプリングシート4との間或いは中間スプリングシート8とロッド側スプリングシート5との間に介装されて並列されるスプリング7の伸長作動を抑制するシリンダ装置C1を設けた。
【選択図】図1

Description

本発明は、サスペンション装置の改良に関する。
従来のサスペンション装置にあっては、たとえば、ダンパ本体と、ダンパ本体内に出入りするダンパロッドとを備えて、ダンパ本体に対してダンパロッドが出入りする伸縮作動を呈すると所定の減衰力を発揮するダンパと、ダンパ本体に連結される本体側スプリングシートとロッドに連結されるロッド側スプリングシートとの間に介装される懸架スプリングとを備えて、車両の車体と車軸との間に介装されている。
このようなサスペンション装置の場合、車両の車体を懸架スプリングで弾性支持するとともに車体振動をダンパが発揮する減衰力で抑制するようになっている。そして、たとえば、車両旋回中の車体姿勢を安定させるうえでは、懸架スプリングのばね剛性を高くしておくとよいのであるが、懸架スプリングのばね剛性が高いと車両搭乗者にゴツゴツ感を感じさせるなど車両における乗り心地を悪化させる傾向となるので、乗り心地の面からすると懸架スプリングのばね剛性は低い方がよい場合もあり、両者はトレードオフの関係にある。
そこで、懸架スプリングのばね剛性を車両の走行状況に適して変更させて車体姿勢の安定と乗り心地の両者を満足させるサスペンション装置の提案があり、この提案では、懸架スプリングをダンパ本体の外周に装着した補助ばねとダンパ本体とは別置きにされるサスペンションばねとで構成し、ダンパが所定量伸長するまではサスペンションばねのみで車体を支持するが、ダンパが所定量以上伸長するとサスペンションばねに加えて補助ばねによっても車体を支持するようになっており、補助ばねが利きはじめる伸長長さをダンパロッドに装着したジャッキで変更するようになっている(たとえば、特許文献1参照)。
したがって、このサスペンション装置によれば、ダンパが所定量伸長するまでは、補助ばねが利かないので懸架スプリング全体としてのばね剛性が低くなり、ダンパが所定量伸長すると、補助ばねが利いて懸架スプリング全体としてのばね剛性が高くなるので、車両走行中に懸架スプリングのばね剛性を変更することができ、車体姿勢の安定と乗り心地の向上を両立できるようになっている。
特開平06−129471号公報(図13)
しかしながら、上記した従来のサスペンション装置では、サスペンションばねがダンパとは別に独立して車体と車軸との間に介装しなくてはならず、補助ばねが利きはじめる伸長長さをダンパロッドに装着したジャッキで調節するため、装置全体が大型でダンパにおけるストローク長を確保しにくいなど、車両への取付の際の制約が大きい。
そこで、本発明は、上記した点を改善するために創案されたものであって、その目的とするところは、装置全体を小型化でき車両への取付の際に制約が少ないサスペンション装置を提供することである。
本発明の課題解決手段は、ダンパ本体に対してダンパロッドが出入りする伸縮作動を呈すると所定の減衰力を発揮するダンパと、ダンパ本体に連結される本体側スプリングシートとダンパロッドに連結されるロッド側スプリングシートとの間に介装される懸架スプリングとを備えたサスペンション装置において、懸架スプリングは、直列配置される二つのスプリングと、スプリング間に介装される中間スプリングシートとを備え、中間スプリングシートと本体側スプリングシートとの間或いは中間スプリングシートとロッド側スプリングシートとの間に介装されて並列されるスプリングの伸長作動を抑制するシリンダ装置を設けたことを特徴とする。
本発明のサスペンション装置によれば、シリンダ装置によって並列されるスプリングの伸長を抑制しており、サスペンション装置の伸長時に、懸架スプリングのばね剛性を大きくすることができるのである。
このように本実施の形態のサスペンション装置にあっては、シリンダ装置C1が並列されるスプリング7の長さが所定長以上となると伸長作動を抑制するので、サスペンション装置1の伸長時に、懸架スプリングSのばね剛性を大きくすることができるのである。
それゆえ、サスペンション装置を車両の左右両輪に設けておくことで、車両旋回時のローリングの抑制と乗り心地を向上を両立させることができ、また、懸架スプリングがダンパの外周に設けられているので、装置全体を小型化することができる。加えて、シリンダ装置がダンパの側部に並列されて配置されるので、ダンパのストローク長を犠牲にすることが無い。
したがって、このサスペンション装置によれば、装置全体を小型化するとともにストローク長の確保も容易であるので、車両への取付の際の制約が従来のサスペンション装置に比較して少なくなるのである。
本発明の一実施の形態におけるサスペンション装置の縦断面図である。 図1のシリンダ装置におけるピストン部の拡大断面図である。 本発明の一実施の形態の一変形例におけるサスペンション装置の縦断面図である。 図3のシリンダ装置におけるピストン部の拡大断面図である。
以下、図に示した一実施の形態に基づいて本発明について説明する。一実施の形態におけるサスペンション装置1は、図1に示すように、ダンパ本体2に対してダンパロッド3が出入りする伸縮作動を呈すると所定の減衰力を発揮するダンパDと、ダンパ本体2に連結される本体側スプリングシート4とダンパロッド3に連結されるロッド側スプリングシート5との間に介装される懸架スプリングSとを備えて構成されている。
そして、このサスペンション装置1における懸架スプリングSは、直列配置される二つのスプリング6,7と、スプリング6,7間に介装される中間スプリングシート8とを備えており、また、サスペンション装置1は、中間スプリングシート8の本体側スプリングシート4との間介装されて並列されるスプリング7の伸長作動を抑制するシリンダ装置C1を備えている。
以下、サスペンション装置1の各部について詳細に説明する。ダンパ本体2は、ダンパシリンダ10と、ダンパシリンダ10を覆うとともにシリンダ10との間の環状隙間でリザーバ15を形成するアウターシェル11と、シリンダ10とアウターシェル11の図1中上端を閉塞する環状のロッドガイド12と、アウターシェル11の図1中下端を閉塞するキャップ13と、キャップ13とダンパシリンダ10との間に介装されてダンパシリンダ10内とリザーバ15との間を仕切る仕切部材16とを備えて構成されている。
ダンパシリンダ10内には、ダンパロッド3に連結されたピストン17が摺動自在に挿入されており、ダンパシリンダ10内を二つの作動室18,19とに仕切っている。また、ダンパロッド3は、ロッドガイド12の内周で軸支され、ピストン17に連結される下端がダンパシリンダ10内に移動自在に挿入されている。なお、作動室18,19内には液体が充填され、リザーバ15内には液体の他、気体が充填されている。
そして、ピストン17には、環状であって外周がシリンダ10の内周に摺接するとともに、作動室18,19を連通する流路20,21が設けられている。また、流路20は、ピストン17の図1中上方に積層されたリーフバルブ22によって開閉されるようになっており、当該リーフバルブ22で作動室19から作動室18へ向かう液体の流れに抵抗を与えるようになっている。流路21は、ピストン17の図1中下端に積層されたリーフバルブ23によって開閉されるようになっており、当該リーフバルブ23で作動室18から作動室19へ向かう液体の流れに抵抗を与えるようになっている。
また、仕切部材16には、リザーバ15と作動室19とを連通する排出流路24と吸込流路25とが設けられており、排出流路24は仕切部材16の図1中下端に積層されたリーフバルブ26で開閉され、吸込流路25は仕切部材16の図1中上端に積層されたチェックバルブ27で開閉されるようになっている。したがって、吸込流路25はリザーバ15から作動室19へ向かう液体の流れのみを許容しており、チェックバルブ27が殆ど抵抗無く上記流れを許容される一方、排出流路24は作動室19からリザーバ15へ向かう液体の流れのみを許容しており、当該流れにリーフバルブ26が抵抗を与えることになる。
したがって、このダンパDにあっては、ダンパシリンダ10に対してピストン17が図1中上方へ移動する伸長作動時には、作動室18から作動室19へ液体が移動するとともに、ダンパシリンダ10内でダンパロッド3が退出する体積分の液体が不足するので吸込流路25を介してリザーバ15から液体を作動室19内へ吸込むことになる。そして、上記したように作動室18から作動室19へ向かう流れに対してはリーフバルブ23で抵抗を与えるので、作動室18と作動室19の圧力に差が生じて、伸長作動を抑制する減衰力が発生される。
対して、ダンパシリンダ10に対してピストン17が図1中下方へ移動する収縮作動時には、作動室19から作動室18へ液体が移動するとともに、ダンパシリンダ10内でダンパロッド3が侵入する体積分の液体が過剰するので排出流路24を介して作動室19からリザーバ15へ液体が排出されることになる。そして、上記したように作動室19から作動室18へ向かう流れに対してはリーフバルブ22で抵抗を与え、作動室19からリザーバ15へ向かう流れに対してはリーフバルブ26で抵抗を与えるので、作動室18と作動室19の圧力に差が生じて、収縮作動を抑制する減衰力が発生される。なお、リーフバルブ23は、チェックバルブに変えてもよく、この場合には、リーフバルブ22のみで減衰力を発揮することになる。また、ダンパDの上記構成は、一例であり、上記したところに限られるものではない。
そして、このサスペンション装置1における懸架スプリングSは、直列配置される二つのスプリング6,7と、スプリング6,7間に介装される中間スプリングシート8とを備えており、また、サスペンション装置1は、中間スプリングシート8の本体側スプリングシート4との間に介装されて並列されるスプリング7の伸長作動を抑制する一対のシリンダ装置C1,C1を備えている。
本体側スプリングシート4は、環状であって外周部が上方へ彎曲されるとともに、アウターシェル11の外周に固定されており、上端側に着座するスプリング7の下端を支承している。なお、本体側スプリングシート4とスプリング7との間にはワッシャ60が介装され、ワッシャ60の介装によってスプリング7の収縮時の周方向の回転が許容され、スプリング7の終端で本体側スプリングシート4を傷つけないようになっている。ワッシャ60は、外周部が上方へ彎曲されていて、本体側スプリングシー4の彎曲された外周部に当接して、径方向へ位置決めされている。
ロッド側スプリングシート5は、環状であって、筒部5aと、筒部5aの図1中下端内周に設けた内周フランジ5bと、筒部5aの図1中上端外周に設けた外周フランジ5cとを備えて構成され、内周フランジ5bを挟持する防振ゴム61,62を介してダンパロッド3の外周に固定されている。そして、このロッド側スプリングシート5は、外周フランジ5cに着座するスプリング6の上端を支承するとともに、当該外周フランジ5cに固定されるボルト63を用いて車両の車体側へ取付けることができるようになっている。なお、スプリング6の上端と外周フランジ5cとの間には、環状の防振ゴム64が介装されており、当該防振ゴム64でスプリング6の振動の車体への伝達を抑制するようになっている。
さらに、中間スプリングシート8は、環状であって、内径がアウターチューブ11の外径より大きい径に設定されている。また、中間スプリングシート8は、図1中上端でスプリング6の下端を支承し、図1中下端でスプリング7の上端を支承しており、中間スプリングシート8はこれらスプリング6,7で挟持されるようになっている。なお、スプリング6,7の回転の許容と中間スプリングシート8の傷つきの防止のため、中間スプリングシート8とスプリング6との間にはワッシャ66が介装され、中間スプリングシート8とスプリング7との間にはワッシャ67が介装されている。
このように、スプリング6は、ロッド側スプリングシート5と中間スプリングシート8との間に介装され、スプリング7は、中間スプリングシート8と本体側スプリングシート4との間に介装されて、スプリング6,7が直列に配置されてダンパDに並列される懸架スプリングSを構成している。この場合、スプリング6のばね剛性(ばね定数)を、スプリング7のばね剛性より大きくしてある。
このシリンダ装置C1は、シリンダ31と、シリンダ31内に移動自在に挿入されるロッド32と、シリンダ31内に摺動自在に挿入されてシリンダ31内にロッド側室33とピストン側室34を区画するピストン35と、ピストン35に設けたロッド側室83とピストン側室34とを連通する通路36と、通路36のロッド側室33側の開口に隙間を空けて対向するバルブ37と、ピストン35がシリンダ31に対して所定位置を超えてロッド側室33を圧縮する方向へ移動するとバルブ37を押圧して当該バルブ37で通路36を閉塞させるバルブスプリング38と、ピストン側室34をダンパDに設けたリザーバ15に連通するリザーバ通路39とを備えて構成されている。
また、ロッド32の上端が中間スプリングシート8に固定され、シリンダ31の下端がダンパDのキャップ13を介してダンパDに連結されており本体側スプリングシート4に間接的に固定されることで、中間スプリングシート8と本体側スプリングシート4との間に介装されている。なお、ダンパDがフルストロークして移動が制限されない状態における中間スプリングシート8が軸方向となる図1中上下方向へ移動しても、シリンダ装置C1がフルストロークすることが無いように、そのストローク長が設定されている。
シリンダ装置C1について詳しく説明すると、シリンダ31は、キャップ40によって閉塞されており、上端側の内周には環状のロッドガイド41が固定されている。そして、シリンダ31は、ダンパDのキャップ13に設けた取付孔28内に挿入されて固定されている。また、シリンダ31は、ピストン側室34に対向する透孔31aを備えており、上述のように取付孔28内に固定されると透孔31aがキャップ13に設けられてリザーバ15に通じるリザーバ通路39に通じて、ピストン側室34がダンパDのリザーバ15に連通されるようになっている。このように、シリンダ31をダンパDに固定することで、シリンダ31は、ダンパDに固定される本体側スプリングシート4に軸方向に移動不能に連結される。
シリンダ31内に摺動自在に挿入されるピストン35は、図1および図2に示すように、環状であってロッド側室33とピストン側室34を連通する流路36が設けられている。また、ピストン35のロッド室側33には、環状の間座42、環板状のバルブ37、環状の間座44、環状のバルブストッパ45が順に積層されて、これらはピストン35とともにロッド32の一端となる図1中下端の小径部32aに組み付けられ、当該小径部32aに螺合するピストンナット46によって固定されている。このように、バルブ37とピストン35との間には間座42が介装されているので、通路36のロッド側室33側の開口端とバルブ37との間には間座42の厚み分の隙間が形成されており、バルブ37に背面となる図1中上方側から何ら負荷が無いとバルブ37は通路36を閉塞せずに開放したままとなる。
転じて、ロッド32は、ロッドガイド41の内周に摺動自在に挿入されて当該ロッドガイド41に軸支され、上述したように、一端となる図1中下端がシリンダ31内に挿入されて環状のピストン35に連結され、他端となる図1中上端が中間スプリングシート8に連結されている。具体的には、ロッド32の上端には、螺子部32bが設けられており、この螺子軸32bを中間スプリングシート8に設けた孔8aに挿入し、ナット47で固定することによって、ロッド32を中間スプリングシート8に取付けられるようになっている。また、シリンダ31内には、ピストン35が摺動自在に挿入されており液体が充填されるロッド側室33とピストン側室34が区画されるとともに、ロッドガイド41より上方にはロッド32の外周に摺接するシール部材48が固定されており、ロッド32の外周がシールされてシリンダ31内が液密に保たれている。
さらに、ロッドガイド41は、図1中下端に凸部41aを備えており、当該凸部41aの外周にバルブスプリング38が嵌合されて固定されている。バルブスプリング38は、コイルスプリングとされており、ピストン35がシリンダ31に対して所定位置を超えてロッド側室33を圧縮する方向、つまり、図1中上方へ移動すると下端がバルブ37に当接してバルブ37を押圧して、当該バルブ37で通路36を閉塞することができるようになっている。
そして、上記所定位置は、シリンダ装置C1に並列されているスプリング7の長さが所定長さとなる位置に設定されており、ピストン35がシリンダ31に対して所定位置にあるときにスプリング7が所定長さとなり、シリンダ31に対してピストン35が所定位置を超えてロッド側室33を圧縮する方向へ移動すると、バルブ37が通路36を閉塞するようになっている。反対に、ピストン35がシリンダ31に対してピストン側室34を圧縮する方向、或いは、ピストン35がシリンダ31に対して所定位置より図1中下方となるピストン側室34側にある場合には、通路36はバルブ37によって閉塞されない。
このように構成されたシリンダ装置C1にあっては、ピストン35がシリンダ31に対して所定位置より図1中下方となるピストン側室34側にある場合、つまり、スプリング7の長さが所定長に達していない状況では、通路36がバルブ37で閉塞されずロッド側室33とピストン側室34とが連通状態に維持される。そうすると、ピストン35がシリンダ31に対して上下方向へ移動する際に液体が自由にロッド側室33とピストン側室34とを行き来することができ、また、ロッド32がシリンダ31内に出入りしてシリンダ31内で過不足となる液体がリザーバ15によって補償されることになる。したがって、この場合には、シリンダ装置C1が伸縮可能なフリー状態とされ、中間スプリングシート8の軸方向となる図1中上下方向の移動を妨げることが無いので、ダンパDの伸縮に伴ってスプリング6,7の両方とも伸縮することができ、懸架スプリングSのばね剛性はスプリング6,7の合成ばね剛性となる。
他方、このシリンダ装置C1にあっては、ピストン35がシリンダ31に対して所定位置を超えて所定位置より図1中上方となるロッド側室33側にあってロッド側室33を圧縮する方向に移動している場合には、スプリング7の長さが所定長に達している状況では、上記したバルブスプリング38がバルブ37に当接してこれを押圧するとともにバルブ37が当該ロッド側室33の圧縮により背面側の圧力が通路36に向く正面側の圧力より上回ってバルブ37を通路36を閉塞する方向の力が加わるので、通路36がバルブ37で閉塞され、ロッド側室33とピストン側室34とが連通しない状態とされる。そうすると、ピストン35がシリンダ31に対して所定位置より上方向へ移動する際は、ロッド32がシリンダ31内に出入りしてシリンダ31内で過不足となる液体がリザーバ15によって補償されるものの、ロッド側室33内の液体が自由にピストン側室34へ行き来することができず、シリンダ装置C1が伸長不能となってロック状態となり、中間スプリングシート8の図1中上方への移動が規制されて並列されるスプリング7の伸長が阻止され、スプリング6のみの伸長が許容されるだけとなり、懸架スプリングSのばね剛性はスプリング6のばね剛性となる。
なお、ピストン35がシリンダ31に対して所定位置を超えて所定位置より図1中上方となるロッド側室33側にあるものの、移動方向が上記とは反対にピストン側室34を圧縮する方向に移動している場合には、上記したバルブスプリング38がバルブ37に当接してこれを押圧するものの、バルブ37が当該ピストン側室34の圧縮とロッド側室33の減圧により、通路36が開放されてロッド側室33とピストン側室34とが連通されるので、シリンダ装置C1は収縮可能で、中間スプリングシート8の図1中下方への移動は規制されないので、ダンパDの伸縮に伴ってスプリング6,7の両方ともが収縮することができ、懸架スプリングSのばね剛性はスプリング6,7の合成ばね剛性となる。
そして、このサスペンション装置1にあっては、上記シリンダ装置C1によってスプリング7の所定長以上の伸長を規制して当該スプリング7の伸長作動を抑制しており、スプリング6,7の合成ばね剛性はスプリング6のばね剛性より小さくなるので、サスペンション装置1の伸長時に、懸架スプリングSのばね剛性を大きくすることができるのである。
それゆえ、サスペンション装置1を車両の左右両輪に設けておくことで、車体がローリングする際には車両の左右に配置されるサスペンション装置1のうち伸側のサスペンション装置1の懸架スプリングSのばね剛性を高くして、上記ローリング抑制効果を高めることができるだけでなく、収縮に対しては左右のサスペンション装置1の懸架スプリングSのばね構成を低くしておくことができるので、乗り心地を向上することができる。すなわち、車両旋回時のローリングの抑制と乗り心地を向上を両立させることができる。
なお、スプリング6,7のばね剛性は、それそれ任意に設定することが可能であるが、中間スプリングシート8をシリンダ装置C1でロックした際に、自由伸縮可能なスプリング6のばね剛性をスプリング7のばね剛性より大きく設定しているので、ロック時とフリー時とで懸架スプリングSのばね剛性の変化率を大きくすることが可能である。それゆえ、中間スプリングシート8の伸長を阻止するロック時における懸架スプリングSのばね剛性をより高く設定できて、上記ローリング抑制効果を高めることができるだけでなく、収縮作動時における懸架スプリングSのばね剛性をより低く設定でき乗り心地を向上することができる。
そして、サスペンション装置1は、懸架スプリングSがダンパDの外周に設けられているので、装置全体を小型化することができ、加えて、シリンダ装置C1がダンパDの側部に並列されて配置されるので、ダンパDのストローク長を犠牲にすることが無い。したがって、本実施の形態におけるサスペンション装置1にあっては、より装置全体を小型化することができ、ストローク長の確保も容易であるので、車両への取付の際の制約が従来のサスペンション装置に比較して少なくなるのである。
さらに、片ロッド型に設定されるシリンダ装置C1がダンパDのリザーバ15を利用して、ロッド32のシリンダ31内へ出入りする体積を補償するようになっているので、別途、シリンダ31内へ気室やリザーバを設ける必要が無いので、シリンダ装置C1をより一層小型化することができる。シリンダ装置1のより一層の小型化という利点を享受できないが、リザーバ15を用いてシリンダ装置C1の体積補償を行わない場合、シリンダ装置C1にリザーバ或いは気室を設けて、ダンパDから別個独立させるようにしてもよい。
また、一対のシリンダ装置C1を用いているので、中間スプリングシート8の上下移動がシリンダ装置C1,C1によってガイドされるので、スプリング6,7の横方向への撓みを抑制でき、中間スプリングシート8のダンパDへの干渉を防止でき、サスペンション装置1の円滑な伸縮を実現できる。
さらに、一対のシリンダ装置C1を用いているので、シリンダ装置C1で中間スプリングシート8をロックする際に、中間スプリングシート8が傾いた状態でロックされることがないようになっているが、たとえば、中間スプリングシート8がダンパ本体2の外周に摺接して傾くことが無い場合には、一つのシリンダ装置C1のみで中間スプリングシート8をロックするようにしてもよい。
つづいて、図3に示した一実施の形態の一変形例におけるサスペンション装置51について説明する。このサスペンション装置51にあっては、シリンダ装置C2におけるバルブ52の構成が上記したサスペンション装置1と異なるのみである。しがたって、以下の説明では、説明が重複するので、同一の部材については同一符号を付するのみとして、異なるバルブ52についてのみ詳細に説明することとする。
一変形例におけるサスペンション装置51は、図3に示すように、ダンパ本体2に対してダンパロッド3が出入りする伸縮作動を呈すると所定の減衰力を発揮するダンパDと、ダンパ本体2に連結される本体側スプリングシート4とダンパロッド3に連結されるロッド側スプリングシート5との間に介装される懸架スプリングSとを備えて構成されている。
そして、このサスペンション装置1における懸架スプリングSは、直列配置される二つのスプリング6,7と、スプリング6,7間に介装される中間スプリングシート8とを備えており、また、サスペンション装置1は、中間スプリングシート8の本体側スプリングシート4との間介装されて並列されるスプリング7の伸長作動を抑制するシリンダ装置C2を備えている。
そして、シリンダ装置C2におけるバルブ52は、環板状であって、ピストン35のロッド側室33側に積層され、ピストン35に設けられてロッド側室33とピストン側室34とを連通する通路36のロッド側室33側の開口を閉じるようになっている。また、このバルブ52は、外周に切欠によって形成される固定オリフィス53を備えている。なお、固定オリフィス53は、バルブ52の外周を切り欠いて形成する以外にも孔を設けて形成してもよい。
したがって、この一変形例におけるシリンダ装置C2にあっては、ピストン35がシリンダ31に対して下方へ移動する収縮作動を呈する際には、上記バルブ52が撓んで通路36を開放するようになっており、通路36をピストン側室34からロッド側室33へ向けて通過する液体の流れが許容され、自由に収縮することが可能となっている。
これに対して、シリンダ装置C2が、ピストン35がシリンダ31に対して上方へ移動する伸長作動を呈する際には、上記バルブ52はロッド側室33の圧力によってピストン35に押付けられて通路36を閉じた状態に維持するので、ロッド側室33からピストン側室34へ向けて移動しようとする液体は固定オリフィス53を通ることになり、ロッド側室33とピストン側室34に大きな差圧が生じて伸長作動を妨げる減衰力を発生することになる。
それゆえ、このサスペンション装置51にあっては、収縮作動時には、シリンダ装置C2は収縮可能なフリー状態とされ、中間スプリングシート8の軸方向となる図3中下方向の移動を妨げることが無いので、スプリング6,7の両方とも伸縮することができ、懸架スプリングSのばね剛性はスプリング6,7の合成ばね剛性となる。
他方、サスペンション装置51が伸長作動する場合には、シリンダ装置C2は伸長を妨げる減衰力を発生するので、中間スプリングシート8の図3中上法への移動が抑制され、シリンダ装置C2に並列されるスプリング7の伸長も抑制されることになり、主としてスプリング6が伸長することによって懸架スプリングS全体が伸長することになるため、懸架スプリングSのばね剛性は、スプリング6のばね剛性に略等しくなる。
したがって、この一変形例におけるサスペンション装置51によれば、上記シリンダ装置C2によってスプリング7の収縮作動を妨げず伸長作動を抑制するので、収縮作動時にあっては、懸架スプリングSのばね剛性を低くし、伸長作動時にあっては、懸架スプリングSのばね剛性を高くすることができる。それゆえ、サスペンション装置51にあっても上述のサスペンション装置1と同様に、車両旋回時のローリングの抑制と乗り心地を向上の両立を実現できる。
そして、サスペンション装置51にあっても、懸架スプリングSがダンパDの外周に設けられているので、装置全体を小型化することができ、その分、車両への取付の際の制約が従来のサスペンション装置に比較して少なくなるほか、サスペンション装置1と同様の作用効果を奏することができる。
なお、上記した各実施の形態において、シリンダ装置C1,C2を中間スプリングシート8と本体側スプリングシート4との間に介装しているが、これを中間スプリングシート8とロッド側スプリングシート5との間に介装して、並列されるスプリング6の伸長を抑制するようにしてもよい。
以上で、本発明の実施の形態についての説明を終えるが、本発明の範囲は図示されまたは説明された詳細そのものには限定されないことは勿論である。
本発明は車両のサスペンション装置に利用可能である。
1,51 サスペンション装置
2 ダンパ本体
3 ダンパロッド
4 本体側スプリングシート
5 ロッド側スプリングシート
5a ロッド側スプリングシートにおける筒部
5b ロッド側スプリングシートにおける内周フランジ
5c ロッド側スプリングシートにおける外周フランジ
6,7 スプリング
8 中間スプリングシート
8a 中間スプリングシートにおける孔
10 ダンパシリンダ
11 アウターシェル
12 ダンパにおけるロッドガイド
13 ダンパにおけるキャップ
15 リザーバ
16 ダンパにおける仕切部材
17 ダンパにおけるピストン
18,19 ダンパにおける作動室
20,21 ピストンにおける流路
22,23,26 ダンパにおけるリーフバルブ
24 仕切部材における排出流路
25 仕切部材における吸込流路
27 ダンパにおけるチェックバルブ
28 取付孔
31a シリンダにおける透孔
32a 螺子軸
31 シリンダ
32 ロッド
32a ロッドにおける螺子軸
33 ロッド側室
34 ピストン側室
35 ピストン
36 通路
37,52 バルブ
38 バルブスプリング
39 リザーバ通路
40 キャップ
41 ロッドガイド
41a 凸部
42,44 間座
45 バルブストッパ
46 ピストンナット
47 ナット
48 シール部材
53 固定オリフィス
60,66,67 ワッシャ
61,62,64 防振ゴム
63 ボルト
C1,C2 シリンダ装置
D ダンパ
S 懸架スプリング

Claims (5)

  1. ダンパ本体に対してダンパロッドが出入りする伸縮作動を呈すると所定の減衰力を発揮するダンパと、ダンパ本体に連結される本体側スプリングシートとダンパロッドに連結されるロッド側スプリングシートとの間に介装される懸架スプリングとを備えたサスペンション装置において、懸架スプリングは、直列配置される二つのスプリングと、スプリング間に介装される中間スプリングシートとを備え、中間スプリングシートと本体側スプリングシートとの間或いは中間スプリングシートとロッド側スプリングシートとの間に介装されて並列されるスプリングの伸長作動を抑制するシリンダ装置を設けたことを特徴とするサスペンション装置。
  2. シリンダ装置は、シリンダと、シリンダ内に移動自在に挿入されるロッドと、シリンダ内に摺動自在に挿入されてシリンダ内に二つのロッド側室とピストン側室とに区画するピストンと、ピストンに設けられてロッド側室とピストン側室とを連通する通路と、通路のロッド側室側の開口に隙間を空けて対向するバルブと、ピストンがシリンダに対して所定位置を超えてロッド側室を圧縮する方向へ移動するとバルブを押圧して当該バルブで通路を閉塞させるバルブスプリングとを備え、シリンダとロッドの一方を本体側スプリングシート或いはロッド側スプリングシートに連結し、シリンダとロッドの他方を中間スプリングシートに連結したことを特徴とする請求項1に記載のサスペンション装置。
  3. シリンダ装置は、シリンダと、シリンダ内に移動自在に挿入されるロッドと、シリンダ内に摺動自在に挿入されてシリンダ内に二つのロッド側室とピストン側室とに区画するピストンと、ピストンに設けられてロッド側室とピストン側室とを連通する通路と、通路のロッド側室側の開口を閉じる固定オリフィス付きチェックバルブとを備え、シリンダとロッドの一方を本体側スプリングシート或いはロッド側スプリングシートに連結し、シリンダとロッドの他方を中間スプリングシートに連結したことを特徴とする請求項1に記載のサスペンション装置。
  4. ダンパはリザーバを備え、シリンダ装置のピストン側室をリザーバへ連通したことを特徴とする請求項2または3のサスペンション装置。
  5. シリンダ装置が対を成して設けられることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のサスペンション装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2018017249A (ja) * 2016-07-25 2018-02-01 学校法人東京理科大学 振動制御装置
JP7499087B2 (ja) 2020-06-25 2024-06-13 清水建設株式会社 ダンパーシステムおよびこれを備えた免震構造物

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