JP2010274377A - タイヤ成型金型ピースの加工装置及び加工方法 - Google Patents

タイヤ成型金型ピースの加工装置及び加工方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2010274377A
JP2010274377A JP2009129847A JP2009129847A JP2010274377A JP 2010274377 A JP2010274377 A JP 2010274377A JP 2009129847 A JP2009129847 A JP 2009129847A JP 2009129847 A JP2009129847 A JP 2009129847A JP 2010274377 A JP2010274377 A JP 2010274377A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
molding die
tire molding
design surface
die piece
processing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2009129847A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5313050B2 (ja
Inventor
Yukio Sasaki
幸生 佐々木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bridgestone Corp filed Critical Bridgestone Corp
Priority to JP2009129847A priority Critical patent/JP5313050B2/ja
Publication of JP2010274377A publication Critical patent/JP2010274377A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5313050B2 publication Critical patent/JP5313050B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】複数の工作機械の段取りや加工に使用する各工作機械毎の治具の作成及び治具の設置などを必要としないタイヤ成型金型の加工装置及び加工方法を提供する。
【解決手段】タイヤ成型金型ピース20を加工する加工装置の工具回転主軸3に取付けられトレッド意匠面21における複数の測定位置の基準位置に対する高さを測定する意匠面測定手段と意匠面測定手段の測定結果によりトレッド意匠面21の3次元方向の基準位置に対する傾き量又は位置を検出する検出手段と、検出手段の検出した結果に基づき工具回転主軸3及び保持手段のうち少なくとも一方の制御に補正を加える補正手段とを備えるようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は、タイヤ成型金型を構成するためのタイヤ成型金型ピースを加工する加工装置及び加工方法に関する。
従来、タイヤは、内周側が開口するリング状のタイヤ成型空間が形成されたタイヤ成型金型のタイヤ成型空間に、グリーンタイヤを収容し、このグリーンタイヤに対して圧力をもってタイヤ成型空間内に膨張させて型取り成型してトレッド溝付きタイヤとして形成される。
上記タイヤ成型金型は、全体として重量が重くかつ、大型となるため、1つの金型で構成することなく、図8に示すように、複数のタイヤ成型金型ピース20としての部品をリング状に配置、結合させて一体化することで構成されている。
各タイヤ成型金型ピース20は、鋳造技術で成形されるが、このとき上記リング状のタイヤ成型空間に相当する湾曲溝から成るトレッド意匠面21が、鋳造加工により高精度をもってあらかじめ形成されており、タイヤ成型金型ピース20はトレッド意匠面21以外の側面(例えば5面)を加工面20a〜20eとして旋盤などの工作機械により旋盤加工して、部分Nを切削している。このタイヤ成型金型ピース20にはその他、上記タイヤ成形空間の形成用の他部品(ワーク)が形成して一体化される。
上記タイヤ成型金型ピース20は、図8(a)に示すようにドーナツ状ないしはリング状のタイヤ成形空間50を形成するように複数個連結される。トレッド意匠面21は、断面形状がC字状に湾曲し、かつ、トレッド意匠面21はリング状の周方向にも変形される。タイヤ成型金型ピース20は、図8(b)に示すように加工機械の対向旋回軸26a,27aのセンターのチャック26,27で両端(この場合、トレッド意匠面21の湾曲溝の幅方向両端であるが、トレッド意匠面21の湾曲溝の延長方向でも良い。)を保持し、対向旋回軸26a,27aを回転してチャック26,27でトレッド意匠面21の背面(加工面20a),側面(加工面20c,20e),傾斜面(加工面20d,20e)を順次、工具回転主軸の切削工具60側に対向させる。この対向毎に切削工具60で切削加工を行ってタイヤ成型金型ピース20の余分な部分Nを切削してタイヤ成型金型ピース20を成形し連結可能にしている。
このように、従来、タイヤ成型金型ピース20は、トレッド意匠面21が鋳造で精密に成形され、トレッド意匠面21以外の5面(加工面20a〜加工面20e)が機械加工により切削加工が行われる。この場合、トレッド意匠面21以外の加工面20a〜20eを鋳造で形成することは、鋳造精度上の理由から困難であるため、鋳造で成形されたトレッド意匠面21以外の部分の5面を加工面20a〜20eとして機械加工で形状加工を行っている。
しかし、タイヤ成型金型ピース20は、円筒形(リング状)に配置されて一体化されるため、トレッド意匠面21以外の裏面の加工面20aは円筒の外周面が分割された円筒面となる。この円筒面に加工面20aなどを加工する方法として、次のA,Bの方法がある。
Aの方法では、まず、NC旋盤等を用い、基準とする4本のピンをタイヤ直径でトレッド意匠面21の形状に沿った軌跡で旋盤加工し、この旋盤加工した基準ピン上に、ピンと鋳造部品のトレッド意匠面21が接するようにワークを段取りして鋳造部品の円筒面形状を旋盤加工する。
Bの方法は、基準とする4本のピンを基板上に立て、これにNC旋盤等を用いてトレッド意匠面21の形状に沿った軌跡で加工し、ピン立て基板をフライス加工機などの治具に取付け、さらにピンとトレッド意匠面21が接するようにピースとしてのワークを段取りして、トレッド意匠面21以外の最終形状には不要な部分に基準面加工を行い、基準面加工で形成した基準面を用いて別の治具に段取り換えを行い、ボールエンドミルなどで円筒面を加工するなどの方法がある。
円筒面以外の箇所は、Aの方法又はBの方法の通りに加工した円筒面を基準として3軸から5軸加工機に段取り換えを行い、フラットエンドミル、ボールエンドミル、テーパーエンドミル等を用いて形状加工を行う。
上記のような加工及び加工方法についての技術は特許文献1に公開されている。
特開2000−741号公報
しかしながら、従来のタイヤ成型金型ピースの加工方法によれば次の問題があった。
基準ピンなどの治具加工を必要とするため、治具加工時間や加工前の段取り時間などの部品加工以外の無駄な時間が生じる。
また、円筒面加工の段取りの際、基準ピンと鋳造部品の意匠面とが接するように段取り作業が行われるが、タイヤ表面が3次元の曲面形状となっているため、曲面同士を当てての段取り作業となるため作業者の熟練度により芯出し精度の問題の理由により自動化が困難である。
また、円筒面加工と、その他の形状加工との間には必ず段取り換えの作業が発生するため段取り換えによる原点誤差が生じ加工精度低下の原因となっている。
また、鋳造部品加工を行うために2台以上の加工設備が必要となるため、多額の設備投資費用と広い設備面積が必要となる。
本発明は、上記課題を解決するため、複数の工作機械の段取りや加工に使用する各工作機械毎の治具の作成及び治具の設置を必要としないタイヤ成型金型ピースの加工装置及び加工方法を提供する。
本発明の第1の構成として、加工用工具を支承可能、かつ、3軸移動可能な工具回転主軸と、湾曲溝を有するトレッド意匠面が形成されたタイヤ成型金型ピースを保持する保持手段と、工具回転主軸と保持手段とを相対移動させてトレッド意匠面以外の加工面を所望の形状に加工するタイヤ成型金型ピースの加工装置であって、工具回転主軸に取付けられトレッド意匠面における複数の測定位置の、基準位置に対する高さを測定する意匠面測定手段と、意匠面測定手段の測定結果によりトレッド意匠面の3次元方向の基準位置に対する傾き量又は位置を検出する検出手段と、検出手段の検出した結果に基づき工具回転主軸及び保持手段のうち少なくとも一方の制御に補正を加える補正手段とを備える構成とした。
本構成によれば、工具回転主軸と保持手段の位置を補正可能とし、タイヤ成型金型ピースのトレッド意匠面の複数位置の基準位置に対する高さを測定する意匠面測定手段を工具回転主軸に取付けて測定し、この意匠面測定手段の測定結果によりトレッド意匠面の3次元方向の基準位置に対する傾き量又は位置を検出する検出手段を有し、この検出手段より検出した結果に基づき工具回転主軸と保持手段の少なくとも一方の制御に補正を加える補正手段を備えることにより、意匠面測定手段の測定結果に基づきトレッド意匠面の水平位置を求め、このトレッド意匠面の水平位置に対して工具回転主軸又は保持手段を制御して工具回転主軸が垂直となるように工作機械の加工基準を設定することができる。
本発明の第2の構成として、保持手段は互いに対向し、回転自在なチャックであって、
チャックはタイヤ成形金型ピースの両端を支持する基準面を有し、タイヤ成型金型ピースがチャックの回転軸の周りを旋回する構成とした。
本構成によれば、意匠面測定手段は、工具回転主軸に取付けられて意匠面の所定の複数のポイントに当接して基準位置に対する各ポイントの高さを検出するセンサより成ることにより、接触式センサにより測定して補正したあとに工具回転主軸に取付けられるエンドミルなどの刃物と接触式センサを入れ替えるだけで加工を行うことができる。また、工具回転主軸の任意の位置を基準の高さとして意匠面の所定の複数のポイントを測定すれば工作機械のX,Y,Z軸などに対する意匠面の傾きを検出することができる。
本発明の第3の構成として、トレッド意匠面における複数の測定位置は、タイヤ成形金型ピースにおけるチャック取付方向中心線Pと幅方向中心線Qの交点を測定基準位置としたときに、測定基準位置からチャック取付方向及び幅方向に等距離な4点であって、意匠面測定手段が4点の回転工具主軸に対する高さ位置を測定し、検出手段が測定結果によりタイヤ成型金型ピースの幅方向の傾き量α、又は、チャック取付方向の傾き量βを求める構成とした。
本構成によれば、意匠面測定手段は、チャック取付方向中心線Pとタイヤ成形金型ピースにおける意匠面の幅方向中心線Qの交点を基準位置とし、基準位置からチャック取付方向及び幅方向に等距離で、かつ、チャック取付方向中心線Pに対して対称な第1測定点と第2測定点と、第1測定点と第2測定点が上記幅方向中心線Qに対してそれぞれ対称な第3測定点と第4測定点とを求め、意匠面測定手段により各測定点の回転工具主軸に対する高さ位置を検出して、タイヤ成形金型ピースの幅方向の傾き量α、又は、チャック取付方向の傾き量β等の傾き量を求めることにより、3次元曲面を有する意匠面から回転工具主軸に対する傾きを容易にかつ正確に得ることができる。
本発明の第4の構成として、意匠面測定手段は、トレッド意匠面の複数の高さを測定することで、チャックに取付けられたタイヤ成型金型ピースの加工面の高さ位置と加工原点との誤差を求め、この誤差により補正手段は工具回転主軸と回転軸の制御を補正する構成とした。
本構成によれば、意匠面測定手段は、トレッド意匠面の複数の高さを測定することで、チャックに取付けられた成型金型ピースの加工面の高さ位置と加工原点との誤差を求め、この誤差により補正手段は工具回転主軸と回転軸の制御を補正することにより、チャックに成型金型ピースを一度取付けることでトレッド意匠面と加工原点との誤差が自動で補正されるので、トレッド意匠面以外の加工を行うときにトレッド意匠面を基準とした加工を行うことができ、さらに加工前の段取りを省略することができる。
本発明の第5の構成として、意匠面測定手段は、接触式センサからなる構成とした。
本構成によれば、工具回転主軸に取付けられた接触式センサがトレッド意匠面に直接接触して測定するので、接触式センサから実際に加工を行う工具と交換したときに測定値と加工位置の誤差をほとんどなくすことができる。
本発明の第6の形態として、工具回転主軸に意匠面測定手段を取付けてトレッド意匠面の複数位置の基準位置に対する高さを測定する測定ステップと、意匠面測定手段の測定結果に基づき検出手段がトレッド意匠面の3次元方向の基準位置に対する傾き量又は位置を検出する検出ステップと、検出手段の検出した結果に基づき補正手段が工具回転主軸と保持手段の少なくとも一方の制御に補正を加える補正ステップとを有する形態とした。
本形態によれば、タイヤ成型金型ピースのトレッド意匠面の水平位置に対する傾き量又は位置を測定し、この測定結果に基づき工具回転主軸又は保持手段のいずれかの制御に補正を加えることにより、トレッド意匠面の水平位置に対して工具回転主軸が垂直となるように工作機械の加工基準を設定することができる。
以下、発明の実施形態を通じて本発明を詳説するが、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明される特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らず、選択的に採用される構成を含むものである。
本発明の実施形態1に係るタイヤ成型金型ピース及び加工装置の概略図。 本発明の実施形態1に係る中心位置測定概念図。 本発明の実施形態1に係る傾き量の測定点及び測定概念上面図。 本発明の実施形態1に係るモニタによる測定結果表示図。 本発明の実施形態1に係る第1補正手段による補正を示す図。 本発明の実施形態1に係る第2補正手段による補正を示す図。 本発明の実施形態2に係る測定及び測定後の補正を示す図。 本発明の実施形態に係るタイヤ成型金型ピースのタイヤ成型概念図。 本発明の実施形態3に係るタイヤ成型金型ピース及び加工装置の概略図。 本発明の実施形態3に係る治具及びタイヤ成型金型ピースを示す図。 本発明の実施形態3に係る傾き量の測定概念図。
実施形態1
図1は、本発明によるタイヤ成型金型ピースの加工装置の一実施形態を示す概略図であり、同図において、1は工作機械であり、この工作機械1は工作機械本体2を有し、この工作機械本体2より、下方に突出する工具回転主軸3及びこの工具回転主軸3に設けられた工具チャック4を有する。なお、測定終了後の切削加工時に上記工具チャック4の先端には、通常後述の切削刃などの切削工具60が取付けられて、切削加工がなされる。
工具回転主軸3は、回転可能となり、切削工具60としての切削刃を保持して回転し、かつ、3軸(3次元)移動かつ旋回可能となっている。工具回転主軸3は、それぞれが直角に交差するX,Y,Z軸(3軸)方向に移動し、かつ、例えば、Z軸に沿って制御が可能となっている。すなわち、首振り運動が可能ともなっている。このため、後述の補正により工具回転主軸3の角度等の制御が可能となっている。
本実施形態では、加工前には工具回転主軸3の先端の工具チャック4には、意匠面測定手段としての接触式センサ5が取付けられる。
この接触式センサ5の先端より突出する球状の接触子6は、後述のタイヤ成型金型ピース20の湾曲溝として形成されたトレッド意匠面21のあらかじめ設定された複数ポイントに移動し、かつ、下降して接触することにより、接触部位の任意の基準位置(水平方向位置)に対する高さ(工具回転主軸3の下降ストロークと同一視可能)を検出可能となっている。図2,3に示すように、この高さは、チャック取付方向である矢印F方向(本例ではトレッド意匠面21の湾曲溝の幅方向)の複数ポイントの高さであり、上記チャック取付方向(矢印F)に対する直角方向としての矢印G方向の複数ポイントの高さである。
この接触式センサ5からの信号は、あらかじめ指定の複数ポイントに対する高さにより第1傾き量検出手段7と第2傾き量検出手段8に供給される。
上記、第1傾き量検出手段7により上記矢印F方向のタイヤ成型金型ピース20の傾き量αが検出され、その信号は、第1補正手段9に出力され、第2傾き量検出手段8により上記矢印G方向のタイヤ成型金型ピース20の傾き量βが検出され、その傾き量βの信号は、第2補正手段10に出力される。
第1補正手段9は、上記接触結果により矢印F方向、この場合にはタイヤ成型金型ピース20の湾曲溝の幅方向の傾き量αを検出して、工具回転主軸3にこのトレッド意匠面21としての湾曲溝の幅方向の傾き量αを相殺するように補正を加える。したがって、工具回転主軸3は、傾き量αに見合って若干の傾きが変えられる。
また、第2補正手段10は、上記接触結果によりタイヤ成型金型ピース20の矢印G方向、この場合はトレッド意匠面21の湾曲溝の延長方向の傾き量βを検出して、チャックを保持して回転する回転軸としての対向旋回軸26a,27aの回転位置に上記傾き量βを相殺するように補正を加える。したがって、対向旋回軸26a,27aは、傾き量βに見合う回転位置に補正制御が加えられる。
なお、18は工作機械本体2に備えられたモニタである。
上記タイヤ成型金型ピース20は、図2,図3に示すように一面には上述の湾状溝のトレッド意匠面21を有し、全体としては側方視したときにトレッド意匠面21付きのほぼ台形状に成形され、その両端24,25には矢印F方向の両端、本実施例ではトレッド意匠面21の幅方向の両端部にタイヤ成型金型ピース20の加工に精度を要しない部分が形成される。なお、幅方向の両端部の加工に精度を要しない部分の形成の代わりに突片などがタイヤ成型金型ピース20と一体に形成されてもよい。
工作機械1は、互いに対向する同期回転可能な回転軸である対向旋回軸26a,27aに連動して回転するチャック26,27を有し、このチャック26,27で保持される軸部32,33には基準部28,29が形成され、この基準部28,29にタイヤ成型金型ピース20が図外の固定手段で固定される。
この基準部28,29は、互いに対向方向に突出する支持片30,31の片面により形成される。
支持片30,31は、軸部32,33の折曲片34,35の先端よりクランク状に折曲して取付けられる。支持片30,31の基準部28,29にはピン30a,31aが突設され、このピン30a,31aにタイヤ成型金型ピース20の延長方向、すなわち長手方向の一側面が当接することで、タイヤ成型金型ピース20の矢印G方向、本実施例ではトレッド意匠面21の幅方向の移動が規制され、図2,図3に示すように、トレッド意匠面21の幅方向の長さを2分する中心軸(延長方向中心軸)40をチャック26,27側の軸部32,33の中心軸41,42に一致させることができる。
工具回転主軸3は、対向旋回軸26a,27aに対し垂直となって、工作機械1を構成する。
まず、背面の加工面20aを加工する場合、タイヤ成型金型ピース20の中心軸40は、タイヤ成型金型ピース20を間欠的に回転して切削毎に各加工面20a〜20eを工具回転主軸3側に上向きに向けて加工可能とするための中心軸となるもので、折曲片34,35の長さを所定の長さに設定して、タイヤ成型金型ピース20を支持片30,31に位置決めすることで、タイヤ成型金型ピース20の中心軸40がチャック26,27の中心軸41,42に合致するように設定される。
すなわち、本実施形態では、加工時は接触式センサ5を切削刃よりなる切削工具60に取り替えることで、タイヤ成型金型ピース20のトレッド意匠面21以外の5面(加工面20a〜20e)を一対のチャック26,27で保持したまま工具回転主軸3側に回転して順次対向させ、対向毎に切削することで、表面切削加工がワンチャックのもとで可能とする。
上記方法によりトレッド意匠面21以外の5面の切削加工が完了したタイヤ成型金型ピース20は、複数個のものを図8(a)に示すように、トレッド意匠面21がタイヤ周方向に連結するようにリング状に結合することにより、内周が開口したタイヤ成型空間50を形成でき、このタイヤ成型空間50を用いて図外のグリーンタイヤを押圧手段で押圧することにより、グリーンタイヤ表面にトレッド意匠面21の意匠型が反転して転写され、タイヤにスリップ止めトレッド溝を形成できる。
次に、上記構成及び方法によりタイヤ成型金型ピース20を加工する加工手順について説明する。
タイヤ成型金型ピース20は、あらかじめ鋳造加工により湾状溝としてのトレッド意匠面21が正確に鋳造形成された所定大きさの台形状のものが製造されており、本発明では図1に示すように工具チャック4に接触式センサ5を取付け、チャック26,27で、タイヤ成型金型ピース20のトレッド意匠面21の矢印F方向、本実施例では延長方向の両端を軸部32,33の基準部28,29で支持し、かつタイヤ成型金型ピース20の湾曲溝の延長方向の一側面をピン30a,31aで位置決めして、トレッド意匠面21を上向きとして工具回転主軸3側に対向させる。
次に、トレッド意匠面21の両面の複数ポイントの高さを測定する。すなわち次のとおり工具回転主軸3を駆動し、接触式センサ5の接触子6で接触させて、トレッド意匠面21のあらかじめ指定された所定ポイント(矢印F方向のポイントと矢印G方向のポイント)の基準位置に対する高さを検出する。
具体的には、接触子6をトレッド意匠面21に接触させつつ沿わせて得られたチャック取付方向中心線P及び幅方向中心線Qの交点Aを求める。この交点Aがトレッド意匠面21の中心となる。この交点Aを基準位置として、基準位置からチャック取付方向中心線Pを挟んでチャック取付方向F及び幅方向Gに等距離になるように2点B,Dを定め、次に、上記2点B,Dがチャック取付方向中心を挟んで対称となる2点C,Eを定めて各点B,C,D,Eの高さを測定することで、トレッド意匠面21が、チャック取付方向中心線Pと幅方向中心線Qに対してそれぞれどの程度傾斜しているのかを測定することができる。
すなわち、チャック取付方向中心線Pと幅方向中心線Qの交点Aを基準位置とし、基準位置からチャック取付方向及び幅方向に等距離で、かつ、チャック取付方向中心に対して対称な第1測定点Bと第2測定点Dと、第1測定点Bと第2測定点Dがチャック取付方向中心線Pに対してそれぞれ対称な第3測定点Cと第4測定点Eとを求め、意匠面測定手段が上記各測定点B,C,D,Eの回転工具主軸3に対する高さ位置を検出することで、上記タイヤ成形金型ピース20の矢印F方向、すなわち、湾曲溝の幅方向の傾き量α、矢印G方向、すなわち湾曲溝の延長方向の傾き量β等の傾き量が求められる。なお、本例では、チャック取付方向中心線Pは中心軸40と等しい。
このような方法により、トレッド意匠面21の複数ポイントの高さを検出することにより、接触式センサ5からの高さ信号を第1傾き量検出手段7に出力させて、第1傾き量検出手段7により矢印F方向、本例では湾曲溝の幅方向の傾き量αを検出し、工具回転主軸3に湾曲溝の幅方向の傾き量αに見合う補正を加える。これにより、工具回転主軸3が傾き量α分補正されるので、傾き量αを0に制御できる。このような補正が、加工面20a〜20eを加工する毎になされるので、タイヤ成型金型ピース20は傾き量αが内在していても、正確な切削ができる。
また、接触式センサ5から高さ信号を第2傾き量検出手段8に出力させて、第2傾き量検出手段8により本実施例では湾曲溝の延長方向の傾き量βを検出し、チャック26,27の対向旋回軸26a,27aに上記湾曲溝の延長方向の傾き量βに見合う旋回補正を加える。これにより、チャック26,27の対向旋回軸26a,27aが湾曲溝の延長方向の傾き量βを0に設定できる。
このような補正のなされた制御下で、接触式センサ5を切削刃よりなる切削工具60に取り替えて各加工面20a〜20eの切削加工を行うことで、必要な加工面の切削が可能となる。
上記傾き量α,傾き量βによる補正は、各加工面20a〜20e毎に行われる。
この加工面の測定の終了後、チャック26,27を回転させて他の加工面を工具回転主軸3側に対向させ、第1補正手段9,第2補正手段10による補正制御下で各加工面20a〜20eを切削加工することにより、タイヤ成型金型ピース20をチャック26,27より取りはずすことなく加工を行うことができる。
すなわち、以上説明した実施形態では、タイヤ成型金型ピース20のトレッド意匠面形状の両端を接触式センサ5で測定し、タイヤ成型金型ピース20長手方向のセンター位置を導出する。また、タイヤ成型金型ピース20の意匠面形状の矢印G方向のセンター位置は、加工機軸と平行になるように精度良く配置された基準ピン30a,31aにタイヤ成型金型ピース20を押し当てることにより割り出しが行われる。
次に、タイヤ成型金型ピース20のトレッド意匠面21のセンター位置から等距離の4点を計測し、タイヤ成型金型ピース20の傾きを測定する。さらに、図外のあらかじめ用意された意匠面形状の3Dデータに基づいて、測定点の位置関係の理論値(トレッド意匠面形状の設計値)を求めることで、意匠面形状による測定値の違いを傾きとして誤認識させない。
次に、上記より求めたタイヤ成型金型ピース20の傾き量α(角度)を補正値として使用し、チャック取付方向(長手方向)の傾き補正を回転工具主軸3の旋回軸で矢印F方向の傾き補正を対向旋回軸41,42を回転させて行う。
最後に、軸補正により新たに形成された座標系でタイヤ成型金型ピース20の加工を行うため、工具回転主軸3と対向旋回軸41,42の動作を制御する図外のNC制御装置で3次元座標変換を行う。
図4は、モニタ18の表示例を示すもので、P1が接触式センサ5の出力信号に基づく接触結果のパターンであり、P2が第1傾き量検出手段7の出力結果のパターンであり、このパターンP2では、矢印F方向(Y軸周り)、本実施例では湾曲溝の幅方向の傾き量αとともに外形パターンPMを成形すべきタイヤサイズの金型ピースにあわせて図外の記憶手段より読み出したパターン信号に基づき表示したものである。この第1傾き量検出手段7の出力する湾曲溝の幅方向の傾き量αに第1補正手段9で補正を加えることで、湾曲溝の幅方向の傾き量αを0としたパターンP3がモニタ18に表示され、この表示により湾曲溝の幅方向の傾き量αに補正が加えられていることがわかる。
以上の構成によれば、図5(a)に示すように、図5(a)中のF方向についてみると、トレッド意匠面21にαの傾斜がある場合、トレッド意匠面21への各ポイントへのセンサ5の接触でこの傾き量αが検出される。この傾き量αに相当する信号が第1傾き量検出手段7に送られ、図5(b)に示すようにタイヤ成型金型ピース20を、例えば背面側の加工面20aの加工を目的として反転させたときには、上記傾き量αを有して反転するので、第1補正手段9ではこの傾き量αに対し工具回転主軸3を調整することで、加工面20aに直角に対接するように補正制御する。他の加工面についても同様な補正がなされる。
また、図6(a)に示すように、前記G方向についてみると、トレッド意匠面21にβの傾斜が有ることにより、各ポイントへの接触子6の接触で、この傾き量βが検出されると、この傾き量βに相当する信号が第2傾き量検出手段8に送られ、図6(b)に示すように対向旋回軸26a,27aを例えば背面側の加工面20aの加工を目的として反転させたときに、上記傾き量βを有して反転するので第2補正手段10ではこの傾き量βに対し、対向旋回軸26a,27aの回動位置を調整することで加工面20aを図6(c)に示すように水平位置となるように補正制御する。
他の加工面についても同様な補正がなされる。
図4のモニタ18の表示例において、P4は接触式センサ5の出力信号に基づく接触結果のパターンであり、このパターンP5では矢印G方向、本実施例では湾曲溝の延長方向の傾き量βとともに外形パターンPNを、成形すべきタイヤサイズ金型ピースにあわせて図外の記憶手段により読み出したパターン信号に基づき表示したものである。この第2傾き量検出手段8の出力に第2補正手段10で補正を加えることでチャック回転方向の傾き量βを0としたパターンP6がモニタ18に表示され、この表示によりチャック回転方向の傾き量βに補正が加えられていることがわかる。
本実施形態によれば、段取り誤差を対向旋回軸26a,27a及びこの対向旋回軸26a,27aに垂直な工具回転主軸3の回転軸を旋回させて自動補正するもので、この対向旋回軸26a,27aそれぞれに軸部32,33を固定し、軸部32,33の支持片30,31に橋絡状態でタイヤ成型金型ピース20をクランプし、対向旋回軸26a,27aを同期回転することでトレッド意匠面21とタイヤ成型金型ピース20の背面の加工面20a(円筒面側)を同一段取りで加工するもので、段取りの手順が簡略化できる効果がある。
このように、基準治具加工や鋳造ピースの基準面加工及び、ピース段取り時の芯だし作業を不要にできる効果がある。
以上、本発明の要点をまとめると、次のとおりである。
本発明の方法によれば、意匠面から直接座標系を設定することが可能となり、基準ピンが不要になり、基準ピンの加工時間やこれに関わる段取り時間が不要になる。
また、意匠面からタイヤ成型金型ピース20(ワーク)位置や傾きを測定し誤差を自動補正するため、段取り時の芯だし作業の必要がなくなり、段取り精度が作業者の熟練度に左右されることがなくなる。
また、段取り作業が熟練度を必要としない単純作業となったことで、加工工程の自動化が可能となり、さらに意匠面側と円筒面側をワンチャックで一括加工することも可能となる。
これにより、加工精度を低下させる要素であった段取り換えが無くなり加工精度が向上し、同一加工機内で必要な全ての加工を行うことができるため、複数台の加工設備を保有する必要がなくなり、設備投資費用と設置面積を抑えることができる。
すなわち、接触式センサ5では、上向きとなって、工具側を向いたタイヤ成型金型ピース20のトレッド意匠面21内の複数箇所に接触し、この湾状溝の内面の3次元方向の位置を求め、第1傾き量検出手段7と第2傾き量検出手段8で傾き量α,傾き量βを求める。
タイヤ成型金型ピース20を180°反転させて背面を加工面20aとして加工する場合は、このようにして求めた湾状溝の内面の3次元位置による傾き量α,傾き量βをもとにして、補正して切削加工を行う。
あるいは、他面の加工面20b又は加工面20cを加工する場合も、傾き量α,傾き量βによる補正を加えて切削加工する。他の加工面も同様な方法で加工する。
すなわち、湾状溝内面の3次元位置でタイヤ成型金型ピース20自体の傾きが判明すればこの傾きを基準に、ピースがどのような方向を向いても、この向いたタイヤ成型金型ピース20の傾斜角は演算処理技術で判定でき、補正できる。
なお、タイヤ成型金型ピース20自体の傾きは、ピースの鋳造時の誤差、ピースのチャックへの取付け誤差、左右のチャック自体のバランス位置など種々の要因により出現する。
実施形態2
なお、実施形態1では、接触式センサ5の出力に基づいてタイヤ成型金型ピース20の湾曲溝の幅方向の傾き量αと、チャック回転方向の傾き量βを検出して、これ等傾き量α,βにより工具回転主軸3及びチャック26,27を補正制御するとして説明したが、本発明は、この傾き量の検出に限定されず、各加工面20a〜20eの任意の基準位置に対する高さ位置と加工原点との誤差を求め、この誤差により、第3補正手段により工具加工主軸3または、対向旋回軸26a,27aを制御するものであっても良い。
すなわち、例えば図7(a)に示すようにトレッド意匠面21の複数ポイントを測定した結果、中心軸41,42に対し、中心軸40が変位rだけ位置ずれし、反転状態では、中心軸41,42に対し中心軸40が変位rだけ切削工具60に近接する状態のときは、図外の変位手段でこの変位rを検出して切削工具60を保持する工具回転主軸3の位置に補正を加えて、工具回転主軸3の位置を常に変位rだけ上部位置に設定するようにしても良い。
図7(a),(b)において、タイヤ成型金型ピース20は、矢印F方向はチャック取付方向であり、長手方向となっており、矢印Gは、チャック取付方向Fに対し直角方向であり、短手方向となっているが、チャック取付方向Fを短手、矢印Gを長手方向としてタイヤ成型金型ピース20を形成してもよい。また、矢印Fのチャック取付方向にトレッド意匠面21はC字状に湾曲しているが、矢印G(矢印Fに直角方向)に沿ってC字状に湾曲するものであっても良い。
実施形態3
上記実施形態1で説明した工作機械1は、切削工具60を保持して回転、かつ3軸(3次元)移動可能とし、X軸まわりを旋回して首振り運動が可能な工具回転主軸3と、互いに対向する同期回転可能な対向旋回軸26a,27aに連動して回転するチャック26,27を有し、このチャック26,27で保持される軸部32,33に形成された基準部28,29に突設されたピン30a,31aにタイヤ成型金型ピース20を当接させて固定するように説明したが、工作機械1は、5軸制御可能なもので、一例として図9に示すような5軸制御のマシニングセンタなどの工作機械1′であってもよい。
図9に示すように、工作機械1′は、工作機械本体2′を有し、この工作機械本体2′より下方に突出する工具回転主軸3及びこの工具回転主軸3に設けられた工具チャック4を有する。なお、測定終了後の切削加工時に上記工具チャック4の先端には、後述の切削刃などの切削工具60が取付けられる。
また、工作機械1′は、互いに対向して同期回転する回転軸としての対向旋回軸26a,27aにより両端が支持され旋回する保持手段としての旋回テーブル81と旋回テーブル81上を回転する回転テーブル82とを備える。この回転テーブル82にはタイヤ成型金型ピース20が、後述の治具70とともに図外の固定手段により固定される。
旋回テーブル81は、工作機械1′のZ軸と旋回テーブル81を支持する対向旋回軸26a,27aの中心軸41が平行となるように設けられ、第2補正手段10及び図外の制御手段によって対向旋回軸26a,27aの動作が制御されて、回転テーブル82とともに矢印u方向に旋回する。
回転テーブル82は、旋回テーブル81のほぼ中央に位置し、図外の保持手段と回転機構を有し、第1補正手段9及び図外の制御手段によって動作が制御されて矢印v方向に回転する。
上記回転テーブル82に固定されるタイヤ成型金型ピース20は、治具70とともに固定される。
図10に示すように、治具70は、枠体72と基準部71A,71Bとよりなり、この基準部71A,71Bは枠体72の長手方向の内部両端に形成され、基準部71Aと基準部71Bの間には開口部73を有するように額縁状に形成される。基準部71A,71Bには、それぞれピン30a,31aが突設され、このピン30a,31aにタイヤ成型金型ピース20の長手方向の一側面が当接することで、タイヤ成型金型ピース20のトレッド意匠面21の湾曲溝の幅方向の移動が規制され、さらに、基準部71Aに突設されたピン32aにタイヤ成型金型ピース20の短手方向の一側面が当接することでトレッド意匠面21の湾曲溝の延長方向の移動が規制される。また、ピン30a〜32aがタイヤ成型金型ピース20の動きを規制することにより、湾曲溝の幅方向の中心40と治具70の幅方向の中心77の位置が一致する。
すなわち、治具70の基準部71A,71Bにタイヤ成型金型ピース20の加工面20a側が基準部71A,71Bに橋絡されるように載せられて、ピン30a〜32aに当接されることにより、治具70とタイヤ成型金型ピース20の芯出しが完了することになる。
そして、タイヤ成型金型ピース20が治具70に固定されたのちに、治具70の枠体72の外側一側面を回転テーブル82上に当接させて垂直に立設するように図外の固定手段で固定されることで回転テーブル82の回転中心周りをタイヤ成型金型ピース20が旋回可能となる。
これにより、加工面20a〜20eの加工が可能となり、特に治具70の開口部73から切削工具60が進入することにより、加工面20aの加工がなされる。
工具回転主軸3は、切削工具60としての切削刃を保持して回転し、かつ、加工機軸としてのX,Y,Z軸(3軸)方向に移動する。加工前の工具回転主軸3には、先端の工具チャック4に意匠面測定手段としての接触式センサ5が取付けられる。
この接触式センサ5の先端より突出する球状の接触子6は、タイヤ成型金型ピース20の湾曲溝として形成されたトレッド意匠面21のあらかじめ設定された複数ポイントに移動し、かつ、下降して接触することにより、接触部位の任意の基準位置(水平方向位置)に対する高さ(工具回転主軸3の下降ストロークと同一視可能)を検出可能となっている。この高さは、本例ではトレッド意匠面21の湾曲溝の延長方向及び幅方向の複数ポイントの高さである。
この接触式センサ5からの信号は、あらかじめ指定の複数ポイントに対する高さにより第1傾き量検出手段7と第2傾き量検出手段8に供給される。
上記、第2傾き量検出手段8により湾曲溝の延長方向周りのタイヤ成型金型ピース20の傾きβが検出され、その信号は、第2補正手段10に出力され、第1傾き量検出手段7により湾曲溝の幅方向周りのタイヤ成型金型ピース20の傾き量αが検出され、その傾き量αの信号は、第1補正手段9に出力される。
第2補正手段10は、上記接触結果により矢印G、この場合にはタイヤ成型金型ピース20の湾曲溝の幅方向の傾き量βを検出して、回転テーブル82にこのトレッド意匠面21としての湾曲溝の幅方向の傾き量βを相殺するように補正を加える。したがって、回転テーブル82には、トレッド意匠面21の傾き量βに見合う補正制御が加えられる。
また、第1補正手段9は、上記接触結果によりタイヤ成型金型ピース20の矢印F方向、この場合はトレッド意匠面21の湾曲溝の延長方向の傾き量αを検出して、旋回テーブル81の回転位置に上記傾き量αを相殺するように補正を加える。したがって、旋回テーブル81には、トレッド意匠面21の傾き量αに見合う補正制御が加えられる。
なお、18は工作機械本体2′に備えられたモニタである。
上記構成によれば、トレッド意匠面21の傾き量α及び傾き量βを次のように測定し補正することができる。
まず、図11(a)に示すように、タイヤ成型金型ピース20を治具70に固定したのちに、治具70の枠体72の外側一側面を回転テーブル82上に当接させて垂直に立設して、図外の固定手段で固定する。
次に、図11(b)に示すように、タイヤ成型金型ピース20のトレッド意匠面21が工具回転主軸3と対向するように旋回テーブル81をZ軸周りに回転させる。
これにより、工具回転主軸3に取付けられた接触式センサ5の接触子6をトレッド意匠面21に接触させることができる。
図11(b),(c)に示す状態で接触式センサ5の接触子6をトレッド意匠面21に接触させて、実施形態1で示したようにトレッド意匠面21の複数ポイントの高さを測定することでトレッド意匠面21の湾曲溝の延長方向の傾き量αと湾曲溝の幅方向の傾き量βが測定される。測定された結果に基づいて、旋回テーブル81を第2補正手段10で補正し、回転テーブル82を第1補正手段9で補正することにより、加工面20a〜20eを加工することができる。
本形態によれば、治具70とタイヤ成型金型ピース20の長手方向の中心位置を位置決めして回転テーブル82に固定することで、タイヤ成型金型ピース20の中心軸40が回転テーブル82に対して垂直に固定され、タイヤ成型金型ピース20のトレッド意匠面21の湾曲溝の延長方向と回転テーブル82の回転軸を平行にできるので、回転テーブル82を回転させることで傾き量βの補正ができ、旋回テーブル81をZ軸周りに旋回させることにより傾き量αの補正を行うことができる。
つまり、治具70とともにタイヤ成型金型ピース20の一端側のみを回転テーブル82に固定することでトレッド意匠面21以外の加工をワンチャックで行うことができる。
なお、実施形態1乃至実施形態3で示した接触式センサ5に代えて非接触式センサを用いても良く、トレッド意匠面21を測定するためにCCDカメラなどを用いてトレッド意匠面21の傾き量または位置を検出するように構成してもよい。
以上、本発明を実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。上記実施形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
1 工作機械、2 工作機械本体、3 工具回転主軸、4 工具チャック、
5 接触式センサ、6 接触子、7 第1傾き量検出手段、8 第2傾き量検出手段、
9 第1補正手段、10 第2補正手段、18 モニタ、20 タイヤ成型金型ピース、20a 加工面、20b 加工面、20c 加工面、20d 加工面、20e 加工面、
21 トレッド意匠面、24 端部、25 端部、26 チャック、
26a 対向旋回軸、27 チャック、27a 対向旋回軸、28 基準部、
29 基準部、30 支持片、30a ピン、31 支持片、31a ピン、
32 軸部、40 中心軸、41 中心軸、42 中心軸、50 タイヤ成型空間、
60 工具、α 傾き量、β 傾き量。

Claims (6)

  1. 加工用工具を支承可能、かつ、3軸移動可能な工具回転主軸と、
    湾曲溝を有するトレッド意匠面が形成されたタイヤ成型金型ピースを保持する保持手段と、
    前記工具回転主軸と前記保持手段とを相対移動させて前記トレッド意匠面以外の加工面を所望の形状に加工するタイヤ成型金型ピースの加工装置であって、
    前記工具回転主軸に取付けられ前記トレッド意匠面における複数の測定位置の、基準位置に対する高さを測定する意匠面測定手段と、
    前記意匠面測定手段の測定結果により前記トレッド意匠面の3次元方向の基準位置に対する傾き量又は位置を検出する検出手段と、
    前記検出手段の検出した結果に基づき前記工具回転主軸及び前記保持手段のうち少なくとも一方の制御に補正を加える補正手段とを備えることを特徴とするタイヤ成型金型ピースの加工装置。
  2. 前記保持手段は互いに対向し、回転自在なチャックであって、
    前記チャックは前記タイヤ成形金型ピースの両端を支持する基準面を有し、
    前記タイヤ成型金型ピースが前記チャックの回転軸の周りを旋回することを特徴とする請求項1に記載のタイヤ成型金型ピースの加工装置。
  3. 前記トレッド意匠面における複数の測定位置は、
    前記タイヤ成形金型ピースにおけるチャック取付方向中心線Pと幅方向中心線Qの交点を測定基準位置としたときに、前記測定基準位置からチャック取付方向及び幅方向に等距離な4点であって、
    前記意匠面測定手段が前記4点の回転工具主軸に対する高さ位置を測定し、
    前記検出手段が前記測定の結果により前記タイヤ成型金型ピースの前記幅方向の傾き量α、又は、チャック取付方向の傾き量βを求めることを特徴とする請求項2に記載のタイヤ成型金型ピースの加工装置。
  4. 前記意匠面測定手段は、前記トレッド意匠面の複数の高さを測定することで、チャックに取付けられたタイヤ成型金型ピースの加工面の高さ位置と加工原点との誤差を求め、この誤差により補正手段は工具回転主軸と回転軸の制御を補正することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のタイヤ成型金型ピースの加工装置。
  5. 前記意匠面測定手段は、接触式センサからなることを特徴とする請求項1乃至請求項4いずれかに記載のタイヤ成型金型ピースの加工装置。
  6. 加工用工具を支承可能かつ3軸移動可能な工具回転主軸と、
    湾曲溝を有するトレッド意匠面が形成されたタイヤ成型金型ピースを保持する保持手段と、
    前記工具回転主軸と前記保持手段とを相対移動させて前記トレッド意匠面以外の加工面を所望の形状に加工するようにしたタイヤ成型金型ピースの加工方法であって、
    前記工具回転主軸に意匠面測定手段を取付けて前記トレッド意匠面の複数位置の基準位置に対する高さを測定する測定ステップと、
    前記意匠面測定手段の測定結果に基づき検出手段が前記トレッド意匠面の3次元方向の基準位置に対する傾き量又は位置を検出する検出ステップと、
    前記検出手段の検出した結果に基づき補正手段が前記工具回転主軸と前記保持手段の少なくとも一方の制御に補正を加える補正ステップとを有することを特徴とするタイヤ成型金型ピースの加工方法。
JP2009129847A 2009-05-29 2009-05-29 タイヤ成型金型ピースの加工装置及び加工方法 Expired - Fee Related JP5313050B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009129847A JP5313050B2 (ja) 2009-05-29 2009-05-29 タイヤ成型金型ピースの加工装置及び加工方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009129847A JP5313050B2 (ja) 2009-05-29 2009-05-29 タイヤ成型金型ピースの加工装置及び加工方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010274377A true JP2010274377A (ja) 2010-12-09
JP5313050B2 JP5313050B2 (ja) 2013-10-09

Family

ID=43421809

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009129847A Expired - Fee Related JP5313050B2 (ja) 2009-05-29 2009-05-29 タイヤ成型金型ピースの加工装置及び加工方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5313050B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012106330A (ja) * 2010-10-27 2012-06-07 Takeda Kikai:Kk 測定装置
JP2014024182A (ja) * 2012-07-30 2014-02-06 Roland Dg Corp 回転保持装置および回転保持装置における回転方法
JP5670525B1 (ja) * 2013-08-21 2015-02-18 ファナック株式会社 工作機械の制御装置
CN108747421A (zh) * 2018-05-08 2018-11-06 广东鸿图武汉压铸有限公司 一种数控转台水平设定的方法
CN110270845A (zh) * 2019-07-25 2019-09-24 安徽行者智能科技股份有限公司 一种自适应工装及智能加工中心
CN115533172A (zh) * 2022-11-30 2022-12-30 泰昇机械科技(南通)有限公司 一种汽车门板模架自动铣削装置及工艺

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0655324A (ja) * 1992-06-08 1994-03-01 Sumitomo Rubber Ind Ltd ゴルフクラブヘッド又はその原型の製造方法
JP2000000741A (ja) * 1998-06-15 2000-01-07 Sanyo Machine Kk 六面連続自動加工機および該加工機を用いた加工方法
JP2005034961A (ja) * 2003-07-16 2005-02-10 Toyoda Mach Works Ltd Nc加工装置
JP2007086953A (ja) * 2005-09-21 2007-04-05 Jtekt Corp 加工面のnc補正加工方法および補正加工用ncデータの作成装置
JP2007168192A (ja) * 2005-12-20 2007-07-05 Yokohama Rubber Co Ltd:The タイヤ成形用金型の製造方法
JP2007333462A (ja) * 2006-06-13 2007-12-27 Yokohama Rubber Co Ltd:The タイヤ型部材検査方法、タイヤ型部材検査装置、および型部材作製工程精度検査方法

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0655324A (ja) * 1992-06-08 1994-03-01 Sumitomo Rubber Ind Ltd ゴルフクラブヘッド又はその原型の製造方法
JP2000000741A (ja) * 1998-06-15 2000-01-07 Sanyo Machine Kk 六面連続自動加工機および該加工機を用いた加工方法
JP2005034961A (ja) * 2003-07-16 2005-02-10 Toyoda Mach Works Ltd Nc加工装置
JP2007086953A (ja) * 2005-09-21 2007-04-05 Jtekt Corp 加工面のnc補正加工方法および補正加工用ncデータの作成装置
JP2007168192A (ja) * 2005-12-20 2007-07-05 Yokohama Rubber Co Ltd:The タイヤ成形用金型の製造方法
JP2007333462A (ja) * 2006-06-13 2007-12-27 Yokohama Rubber Co Ltd:The タイヤ型部材検査方法、タイヤ型部材検査装置、および型部材作製工程精度検査方法

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012106330A (ja) * 2010-10-27 2012-06-07 Takeda Kikai:Kk 測定装置
JP2014024182A (ja) * 2012-07-30 2014-02-06 Roland Dg Corp 回転保持装置および回転保持装置における回転方法
JP5670525B1 (ja) * 2013-08-21 2015-02-18 ファナック株式会社 工作機械の制御装置
CN104423328A (zh) * 2013-08-21 2015-03-18 发那科株式会社 机床的控制装置
CN104423328B (zh) * 2013-08-21 2016-06-22 发那科株式会社 机床的控制装置
US9823643B2 (en) 2013-08-21 2017-11-21 Fanuc Corporation Controller for machine tool
CN108747421A (zh) * 2018-05-08 2018-11-06 广东鸿图武汉压铸有限公司 一种数控转台水平设定的方法
CN110270845A (zh) * 2019-07-25 2019-09-24 安徽行者智能科技股份有限公司 一种自适应工装及智能加工中心
CN115533172A (zh) * 2022-11-30 2022-12-30 泰昇机械科技(南通)有限公司 一种汽车门板模架自动铣削装置及工艺

Also Published As

Publication number Publication date
JP5313050B2 (ja) 2013-10-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5313050B2 (ja) タイヤ成型金型ピースの加工装置及び加工方法
JP5670504B2 (ja) 数値制御工作機械および数値制御工作機械の主軸誤差補正方法
KR101607586B1 (ko) 공작기계의 간섭판정방법 및 간섭판정장치
KR20190028339A (ko) 기어 스카이빙을 위한 장치 및 방법
JP2006231509A (ja) プログラム制御の工作機械を測定する方法
CN112222947B (zh) 一种3+2轴机床加工的二次对刀方法
JP2007044802A (ja) 多軸工作機械における旋回軸中心測定方法
WO2008060238A1 (en) Method and device for the compensation of geometrical errors in machining machinery.
KR20170074817A (ko) 화상 정보와 레이저 센서를 이용한 배관 정렬 상태 검출 장치 및 방법
JP2006062077A (ja) 加工物のプロファイルの研削方法及び研削装置
CN104985332A (zh) 激光切割机及其封闭检测方法
KR101503616B1 (ko) 연삭 가공반 및 연삭 가공 방법
JP2011206862A (ja) 多軸加工機における回転工具の位置合わせ方法
JP2008036806A (ja) 溝加工装置およびその加工位置補正方法
JP4172614B2 (ja) ボールネジ送り駆動補正方法
JP2010194623A (ja) ねじ研削盤及びねじ溝研削方法
CN109108695B (zh) 一种三轴加工中心加工斜面孔的夹具
JP3866834B2 (ja) 歯科補綴物の製造装置
WO2021206172A1 (ja) 加工方法
JP2015039732A (ja) 工作機械及び工作機械を用いたワーク加工部測定方法
JP2008238285A (ja) 加工装置および加工方法
JP5154884B2 (ja) レンズの連続加工方法
CN112045443A (zh) 一种四轴机床偏心装夹工件加工方法
WO2020183627A1 (ja) スクロール加工装置および加工方法
JP5151545B2 (ja) 同時多軸制御評価方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120323

TRDD Decision of grant or rejection written
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130628

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130702

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130703

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 5313050

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees