JP2010274377A - タイヤ成型金型ピースの加工装置及び加工方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】タイヤ成型金型ピース20を加工する加工装置の工具回転主軸3に取付けられトレッド意匠面21における複数の測定位置の基準位置に対する高さを測定する意匠面測定手段と意匠面測定手段の測定結果によりトレッド意匠面21の3次元方向の基準位置に対する傾き量又は位置を検出する検出手段と、検出手段の検出した結果に基づき工具回転主軸3及び保持手段のうち少なくとも一方の制御に補正を加える補正手段とを備えるようにした。
【選択図】図1
Description
上記タイヤ成型金型は、全体として重量が重くかつ、大型となるため、1つの金型で構成することなく、図8に示すように、複数のタイヤ成型金型ピース20としての部品をリング状に配置、結合させて一体化することで構成されている。
各タイヤ成型金型ピース20は、鋳造技術で成形されるが、このとき上記リング状のタイヤ成型空間に相当する湾曲溝から成るトレッド意匠面21が、鋳造加工により高精度をもってあらかじめ形成されており、タイヤ成型金型ピース20はトレッド意匠面21以外の側面(例えば5面)を加工面20a〜20eとして旋盤などの工作機械により旋盤加工して、部分Nを切削している。このタイヤ成型金型ピース20にはその他、上記タイヤ成形空間の形成用の他部品(ワーク)が形成して一体化される。
上記タイヤ成型金型ピース20は、図8(a)に示すようにドーナツ状ないしはリング状のタイヤ成形空間50を形成するように複数個連結される。トレッド意匠面21は、断面形状がC字状に湾曲し、かつ、トレッド意匠面21はリング状の周方向にも変形される。タイヤ成型金型ピース20は、図8(b)に示すように加工機械の対向旋回軸26a,27aのセンターのチャック26,27で両端(この場合、トレッド意匠面21の湾曲溝の幅方向両端であるが、トレッド意匠面21の湾曲溝の延長方向でも良い。)を保持し、対向旋回軸26a,27aを回転してチャック26,27でトレッド意匠面21の背面(加工面20a),側面(加工面20c,20e),傾斜面(加工面20d,20e)を順次、工具回転主軸の切削工具60側に対向させる。この対向毎に切削工具60で切削加工を行ってタイヤ成型金型ピース20の余分な部分Nを切削してタイヤ成型金型ピース20を成形し連結可能にしている。
このように、従来、タイヤ成型金型ピース20は、トレッド意匠面21が鋳造で精密に成形され、トレッド意匠面21以外の5面(加工面20a〜加工面20e)が機械加工により切削加工が行われる。この場合、トレッド意匠面21以外の加工面20a〜20eを鋳造で形成することは、鋳造精度上の理由から困難であるため、鋳造で成形されたトレッド意匠面21以外の部分の5面を加工面20a〜20eとして機械加工で形状加工を行っている。
Aの方法では、まず、NC旋盤等を用い、基準とする4本のピンをタイヤ直径でトレッド意匠面21の形状に沿った軌跡で旋盤加工し、この旋盤加工した基準ピン上に、ピンと鋳造部品のトレッド意匠面21が接するようにワークを段取りして鋳造部品の円筒面形状を旋盤加工する。
Bの方法は、基準とする4本のピンを基板上に立て、これにNC旋盤等を用いてトレッド意匠面21の形状に沿った軌跡で加工し、ピン立て基板をフライス加工機などの治具に取付け、さらにピンとトレッド意匠面21が接するようにピースとしてのワークを段取りして、トレッド意匠面21以外の最終形状には不要な部分に基準面加工を行い、基準面加工で形成した基準面を用いて別の治具に段取り換えを行い、ボールエンドミルなどで円筒面を加工するなどの方法がある。
円筒面以外の箇所は、Aの方法又はBの方法の通りに加工した円筒面を基準として3軸から5軸加工機に段取り換えを行い、フラットエンドミル、ボールエンドミル、テーパーエンドミル等を用いて形状加工を行う。
上記のような加工及び加工方法についての技術は特許文献1に公開されている。
基準ピンなどの治具加工を必要とするため、治具加工時間や加工前の段取り時間などの部品加工以外の無駄な時間が生じる。
また、円筒面加工の段取りの際、基準ピンと鋳造部品の意匠面とが接するように段取り作業が行われるが、タイヤ表面が3次元の曲面形状となっているため、曲面同士を当てての段取り作業となるため作業者の熟練度により芯出し精度の問題の理由により自動化が困難である。
また、円筒面加工と、その他の形状加工との間には必ず段取り換えの作業が発生するため段取り換えによる原点誤差が生じ加工精度低下の原因となっている。
また、鋳造部品加工を行うために2台以上の加工設備が必要となるため、多額の設備投資費用と広い設備面積が必要となる。
本構成によれば、工具回転主軸と保持手段の位置を補正可能とし、タイヤ成型金型ピースのトレッド意匠面の複数位置の基準位置に対する高さを測定する意匠面測定手段を工具回転主軸に取付けて測定し、この意匠面測定手段の測定結果によりトレッド意匠面の3次元方向の基準位置に対する傾き量又は位置を検出する検出手段を有し、この検出手段より検出した結果に基づき工具回転主軸と保持手段の少なくとも一方の制御に補正を加える補正手段を備えることにより、意匠面測定手段の測定結果に基づきトレッド意匠面の水平位置を求め、このトレッド意匠面の水平位置に対して工具回転主軸又は保持手段を制御して工具回転主軸が垂直となるように工作機械の加工基準を設定することができる。
チャックはタイヤ成形金型ピースの両端を支持する基準面を有し、タイヤ成型金型ピースがチャックの回転軸の周りを旋回する構成とした。
本構成によれば、意匠面測定手段は、工具回転主軸に取付けられて意匠面の所定の複数のポイントに当接して基準位置に対する各ポイントの高さを検出するセンサより成ることにより、接触式センサにより測定して補正したあとに工具回転主軸に取付けられるエンドミルなどの刃物と接触式センサを入れ替えるだけで加工を行うことができる。また、工具回転主軸の任意の位置を基準の高さとして意匠面の所定の複数のポイントを測定すれば工作機械のX,Y,Z軸などに対する意匠面の傾きを検出することができる。
本構成によれば、意匠面測定手段は、チャック取付方向中心線Pとタイヤ成形金型ピースにおける意匠面の幅方向中心線Qの交点を基準位置とし、基準位置からチャック取付方向及び幅方向に等距離で、かつ、チャック取付方向中心線Pに対して対称な第1測定点と第2測定点と、第1測定点と第2測定点が上記幅方向中心線Qに対してそれぞれ対称な第3測定点と第4測定点とを求め、意匠面測定手段により各測定点の回転工具主軸に対する高さ位置を検出して、タイヤ成形金型ピースの幅方向の傾き量α、又は、チャック取付方向の傾き量β等の傾き量を求めることにより、3次元曲面を有する意匠面から回転工具主軸に対する傾きを容易にかつ正確に得ることができる。
本構成によれば、意匠面測定手段は、トレッド意匠面の複数の高さを測定することで、チャックに取付けられた成型金型ピースの加工面の高さ位置と加工原点との誤差を求め、この誤差により補正手段は工具回転主軸と回転軸の制御を補正することにより、チャックに成型金型ピースを一度取付けることでトレッド意匠面と加工原点との誤差が自動で補正されるので、トレッド意匠面以外の加工を行うときにトレッド意匠面を基準とした加工を行うことができ、さらに加工前の段取りを省略することができる。
本構成によれば、工具回転主軸に取付けられた接触式センサがトレッド意匠面に直接接触して測定するので、接触式センサから実際に加工を行う工具と交換したときに測定値と加工位置の誤差をほとんどなくすことができる。
本形態によれば、タイヤ成型金型ピースのトレッド意匠面の水平位置に対する傾き量又は位置を測定し、この測定結果に基づき工具回転主軸又は保持手段のいずれかの制御に補正を加えることにより、トレッド意匠面の水平位置に対して工具回転主軸が垂直となるように工作機械の加工基準を設定することができる。
図1は、本発明によるタイヤ成型金型ピースの加工装置の一実施形態を示す概略図であり、同図において、1は工作機械であり、この工作機械1は工作機械本体2を有し、この工作機械本体2より、下方に突出する工具回転主軸3及びこの工具回転主軸3に設けられた工具チャック4を有する。なお、測定終了後の切削加工時に上記工具チャック4の先端には、通常後述の切削刃などの切削工具60が取付けられて、切削加工がなされる。
この接触式センサ5の先端より突出する球状の接触子6は、後述のタイヤ成型金型ピース20の湾曲溝として形成されたトレッド意匠面21のあらかじめ設定された複数ポイントに移動し、かつ、下降して接触することにより、接触部位の任意の基準位置(水平方向位置)に対する高さ(工具回転主軸3の下降ストロークと同一視可能)を検出可能となっている。図2,3に示すように、この高さは、チャック取付方向である矢印F方向(本例ではトレッド意匠面21の湾曲溝の幅方向)の複数ポイントの高さであり、上記チャック取付方向(矢印F)に対する直角方向としての矢印G方向の複数ポイントの高さである。
この接触式センサ5からの信号は、あらかじめ指定の複数ポイントに対する高さにより第1傾き量検出手段7と第2傾き量検出手段8に供給される。
第1補正手段9は、上記接触結果により矢印F方向、この場合にはタイヤ成型金型ピース20の湾曲溝の幅方向の傾き量αを検出して、工具回転主軸3にこのトレッド意匠面21としての湾曲溝の幅方向の傾き量αを相殺するように補正を加える。したがって、工具回転主軸3は、傾き量αに見合って若干の傾きが変えられる。
また、第2補正手段10は、上記接触結果によりタイヤ成型金型ピース20の矢印G方向、この場合はトレッド意匠面21の湾曲溝の延長方向の傾き量βを検出して、チャックを保持して回転する回転軸としての対向旋回軸26a,27aの回転位置に上記傾き量βを相殺するように補正を加える。したがって、対向旋回軸26a,27aは、傾き量βに見合う回転位置に補正制御が加えられる。
なお、18は工作機械本体2に備えられたモニタである。
この基準部28,29は、互いに対向方向に突出する支持片30,31の片面により形成される。
まず、背面の加工面20aを加工する場合、タイヤ成型金型ピース20の中心軸40は、タイヤ成型金型ピース20を間欠的に回転して切削毎に各加工面20a〜20eを工具回転主軸3側に上向きに向けて加工可能とするための中心軸となるもので、折曲片34,35の長さを所定の長さに設定して、タイヤ成型金型ピース20を支持片30,31に位置決めすることで、タイヤ成型金型ピース20の中心軸40がチャック26,27の中心軸41,42に合致するように設定される。
タイヤ成型金型ピース20は、あらかじめ鋳造加工により湾状溝としてのトレッド意匠面21が正確に鋳造形成された所定大きさの台形状のものが製造されており、本発明では図1に示すように工具チャック4に接触式センサ5を取付け、チャック26,27で、タイヤ成型金型ピース20のトレッド意匠面21の矢印F方向、本実施例では延長方向の両端を軸部32,33の基準部28,29で支持し、かつタイヤ成型金型ピース20の湾曲溝の延長方向の一側面をピン30a,31aで位置決めして、トレッド意匠面21を上向きとして工具回転主軸3側に対向させる。
具体的には、接触子6をトレッド意匠面21に接触させつつ沿わせて得られたチャック取付方向中心線P及び幅方向中心線Qの交点Aを求める。この交点Aがトレッド意匠面21の中心となる。この交点Aを基準位置として、基準位置からチャック取付方向中心線Pを挟んでチャック取付方向F及び幅方向Gに等距離になるように2点B,Dを定め、次に、上記2点B,Dがチャック取付方向中心を挟んで対称となる2点C,Eを定めて各点B,C,D,Eの高さを測定することで、トレッド意匠面21が、チャック取付方向中心線Pと幅方向中心線Qに対してそれぞれどの程度傾斜しているのかを測定することができる。
すなわち、チャック取付方向中心線Pと幅方向中心線Qの交点Aを基準位置とし、基準位置からチャック取付方向及び幅方向に等距離で、かつ、チャック取付方向中心に対して対称な第1測定点Bと第2測定点Dと、第1測定点Bと第2測定点Dがチャック取付方向中心線Pに対してそれぞれ対称な第3測定点Cと第4測定点Eとを求め、意匠面測定手段が上記各測定点B,C,D,Eの回転工具主軸3に対する高さ位置を検出することで、上記タイヤ成形金型ピース20の矢印F方向、すなわち、湾曲溝の幅方向の傾き量α、矢印G方向、すなわち湾曲溝の延長方向の傾き量β等の傾き量が求められる。なお、本例では、チャック取付方向中心線Pは中心軸40と等しい。
このような補正のなされた制御下で、接触式センサ5を切削刃よりなる切削工具60に取り替えて各加工面20a〜20eの切削加工を行うことで、必要な加工面の切削が可能となる。
この加工面の測定の終了後、チャック26,27を回転させて他の加工面を工具回転主軸3側に対向させ、第1補正手段9,第2補正手段10による補正制御下で各加工面20a〜20eを切削加工することにより、タイヤ成型金型ピース20をチャック26,27より取りはずすことなく加工を行うことができる。
また、図6(a)に示すように、前記G方向についてみると、トレッド意匠面21にβの傾斜が有ることにより、各ポイントへの接触子6の接触で、この傾き量βが検出されると、この傾き量βに相当する信号が第2傾き量検出手段8に送られ、図6(b)に示すように対向旋回軸26a,27aを例えば背面側の加工面20aの加工を目的として反転させたときに、上記傾き量βを有して反転するので第2補正手段10ではこの傾き量βに対し、対向旋回軸26a,27aの回動位置を調整することで加工面20aを図6(c)に示すように水平位置となるように補正制御する。
他の加工面についても同様な補正がなされる。
このように、基準治具加工や鋳造ピースの基準面加工及び、ピース段取り時の芯だし作業を不要にできる効果がある。
本発明の方法によれば、意匠面から直接座標系を設定することが可能となり、基準ピンが不要になり、基準ピンの加工時間やこれに関わる段取り時間が不要になる。
また、意匠面からタイヤ成型金型ピース20(ワーク)位置や傾きを測定し誤差を自動補正するため、段取り時の芯だし作業の必要がなくなり、段取り精度が作業者の熟練度に左右されることがなくなる。
また、段取り作業が熟練度を必要としない単純作業となったことで、加工工程の自動化が可能となり、さらに意匠面側と円筒面側をワンチャックで一括加工することも可能となる。
これにより、加工精度を低下させる要素であった段取り換えが無くなり加工精度が向上し、同一加工機内で必要な全ての加工を行うことができるため、複数台の加工設備を保有する必要がなくなり、設備投資費用と設置面積を抑えることができる。
タイヤ成型金型ピース20を180°反転させて背面を加工面20aとして加工する場合は、このようにして求めた湾状溝の内面の3次元位置による傾き量α,傾き量βをもとにして、補正して切削加工を行う。
あるいは、他面の加工面20b又は加工面20cを加工する場合も、傾き量α,傾き量βによる補正を加えて切削加工する。他の加工面も同様な方法で加工する。
すなわち、湾状溝内面の3次元位置でタイヤ成型金型ピース20自体の傾きが判明すればこの傾きを基準に、ピースがどのような方向を向いても、この向いたタイヤ成型金型ピース20の傾斜角は演算処理技術で判定でき、補正できる。
なお、タイヤ成型金型ピース20自体の傾きは、ピースの鋳造時の誤差、ピースのチャックへの取付け誤差、左右のチャック自体のバランス位置など種々の要因により出現する。
なお、実施形態1では、接触式センサ5の出力に基づいてタイヤ成型金型ピース20の湾曲溝の幅方向の傾き量αと、チャック回転方向の傾き量βを検出して、これ等傾き量α,βにより工具回転主軸3及びチャック26,27を補正制御するとして説明したが、本発明は、この傾き量の検出に限定されず、各加工面20a〜20eの任意の基準位置に対する高さ位置と加工原点との誤差を求め、この誤差により、第3補正手段により工具加工主軸3または、対向旋回軸26a,27aを制御するものであっても良い。
上記実施形態1で説明した工作機械1は、切削工具60を保持して回転、かつ3軸(3次元)移動可能とし、X軸まわりを旋回して首振り運動が可能な工具回転主軸3と、互いに対向する同期回転可能な対向旋回軸26a,27aに連動して回転するチャック26,27を有し、このチャック26,27で保持される軸部32,33に形成された基準部28,29に突設されたピン30a,31aにタイヤ成型金型ピース20を当接させて固定するように説明したが、工作機械1は、5軸制御可能なもので、一例として図9に示すような5軸制御のマシニングセンタなどの工作機械1′であってもよい。
旋回テーブル81は、工作機械1′のZ軸と旋回テーブル81を支持する対向旋回軸26a,27aの中心軸41が平行となるように設けられ、第2補正手段10及び図外の制御手段によって対向旋回軸26a,27aの動作が制御されて、回転テーブル82とともに矢印u方向に旋回する。
回転テーブル82は、旋回テーブル81のほぼ中央に位置し、図外の保持手段と回転機構を有し、第1補正手段9及び図外の制御手段によって動作が制御されて矢印v方向に回転する。
図10に示すように、治具70は、枠体72と基準部71A,71Bとよりなり、この基準部71A,71Bは枠体72の長手方向の内部両端に形成され、基準部71Aと基準部71Bの間には開口部73を有するように額縁状に形成される。基準部71A,71Bには、それぞれピン30a,31aが突設され、このピン30a,31aにタイヤ成型金型ピース20の長手方向の一側面が当接することで、タイヤ成型金型ピース20のトレッド意匠面21の湾曲溝の幅方向の移動が規制され、さらに、基準部71Aに突設されたピン32aにタイヤ成型金型ピース20の短手方向の一側面が当接することでトレッド意匠面21の湾曲溝の延長方向の移動が規制される。また、ピン30a〜32aがタイヤ成型金型ピース20の動きを規制することにより、湾曲溝の幅方向の中心40と治具70の幅方向の中心77の位置が一致する。
すなわち、治具70の基準部71A,71Bにタイヤ成型金型ピース20の加工面20a側が基準部71A,71Bに橋絡されるように載せられて、ピン30a〜32aに当接されることにより、治具70とタイヤ成型金型ピース20の芯出しが完了することになる。
そして、タイヤ成型金型ピース20が治具70に固定されたのちに、治具70の枠体72の外側一側面を回転テーブル82上に当接させて垂直に立設するように図外の固定手段で固定されることで回転テーブル82の回転中心周りをタイヤ成型金型ピース20が旋回可能となる。
これにより、加工面20a〜20eの加工が可能となり、特に治具70の開口部73から切削工具60が進入することにより、加工面20aの加工がなされる。
この接触式センサ5の先端より突出する球状の接触子6は、タイヤ成型金型ピース20の湾曲溝として形成されたトレッド意匠面21のあらかじめ設定された複数ポイントに移動し、かつ、下降して接触することにより、接触部位の任意の基準位置(水平方向位置)に対する高さ(工具回転主軸3の下降ストロークと同一視可能)を検出可能となっている。この高さは、本例ではトレッド意匠面21の湾曲溝の延長方向及び幅方向の複数ポイントの高さである。
この接触式センサ5からの信号は、あらかじめ指定の複数ポイントに対する高さにより第1傾き量検出手段7と第2傾き量検出手段8に供給される。
第2補正手段10は、上記接触結果により矢印G、この場合にはタイヤ成型金型ピース20の湾曲溝の幅方向の傾き量βを検出して、回転テーブル82にこのトレッド意匠面21としての湾曲溝の幅方向の傾き量βを相殺するように補正を加える。したがって、回転テーブル82には、トレッド意匠面21の傾き量βに見合う補正制御が加えられる。
また、第1補正手段9は、上記接触結果によりタイヤ成型金型ピース20の矢印F方向、この場合はトレッド意匠面21の湾曲溝の延長方向の傾き量αを検出して、旋回テーブル81の回転位置に上記傾き量αを相殺するように補正を加える。したがって、旋回テーブル81には、トレッド意匠面21の傾き量αに見合う補正制御が加えられる。
なお、18は工作機械本体2′に備えられたモニタである。
まず、図11(a)に示すように、タイヤ成型金型ピース20を治具70に固定したのちに、治具70の枠体72の外側一側面を回転テーブル82上に当接させて垂直に立設して、図外の固定手段で固定する。
次に、図11(b)に示すように、タイヤ成型金型ピース20のトレッド意匠面21が工具回転主軸3と対向するように旋回テーブル81をZ軸周りに回転させる。
これにより、工具回転主軸3に取付けられた接触式センサ5の接触子6をトレッド意匠面21に接触させることができる。
図11(b),(c)に示す状態で接触式センサ5の接触子6をトレッド意匠面21に接触させて、実施形態1で示したようにトレッド意匠面21の複数ポイントの高さを測定することでトレッド意匠面21の湾曲溝の延長方向の傾き量αと湾曲溝の幅方向の傾き量βが測定される。測定された結果に基づいて、旋回テーブル81を第2補正手段10で補正し、回転テーブル82を第1補正手段9で補正することにより、加工面20a〜20eを加工することができる。
つまり、治具70とともにタイヤ成型金型ピース20の一端側のみを回転テーブル82に固定することでトレッド意匠面21以外の加工をワンチャックで行うことができる。
5 接触式センサ、6 接触子、7 第1傾き量検出手段、8 第2傾き量検出手段、
9 第1補正手段、10 第2補正手段、18 モニタ、20 タイヤ成型金型ピース、20a 加工面、20b 加工面、20c 加工面、20d 加工面、20e 加工面、
21 トレッド意匠面、24 端部、25 端部、26 チャック、
26a 対向旋回軸、27 チャック、27a 対向旋回軸、28 基準部、
29 基準部、30 支持片、30a ピン、31 支持片、31a ピン、
32 軸部、40 中心軸、41 中心軸、42 中心軸、50 タイヤ成型空間、
60 工具、α 傾き量、β 傾き量。
Claims (6)
- 加工用工具を支承可能、かつ、3軸移動可能な工具回転主軸と、
湾曲溝を有するトレッド意匠面が形成されたタイヤ成型金型ピースを保持する保持手段と、
前記工具回転主軸と前記保持手段とを相対移動させて前記トレッド意匠面以外の加工面を所望の形状に加工するタイヤ成型金型ピースの加工装置であって、
前記工具回転主軸に取付けられ前記トレッド意匠面における複数の測定位置の、基準位置に対する高さを測定する意匠面測定手段と、
前記意匠面測定手段の測定結果により前記トレッド意匠面の3次元方向の基準位置に対する傾き量又は位置を検出する検出手段と、
前記検出手段の検出した結果に基づき前記工具回転主軸及び前記保持手段のうち少なくとも一方の制御に補正を加える補正手段とを備えることを特徴とするタイヤ成型金型ピースの加工装置。 - 前記保持手段は互いに対向し、回転自在なチャックであって、
前記チャックは前記タイヤ成形金型ピースの両端を支持する基準面を有し、
前記タイヤ成型金型ピースが前記チャックの回転軸の周りを旋回することを特徴とする請求項1に記載のタイヤ成型金型ピースの加工装置。 - 前記トレッド意匠面における複数の測定位置は、
前記タイヤ成形金型ピースにおけるチャック取付方向中心線Pと幅方向中心線Qの交点を測定基準位置としたときに、前記測定基準位置からチャック取付方向及び幅方向に等距離な4点であって、
前記意匠面測定手段が前記4点の回転工具主軸に対する高さ位置を測定し、
前記検出手段が前記測定の結果により前記タイヤ成型金型ピースの前記幅方向の傾き量α、又は、チャック取付方向の傾き量βを求めることを特徴とする請求項2に記載のタイヤ成型金型ピースの加工装置。 - 前記意匠面測定手段は、前記トレッド意匠面の複数の高さを測定することで、チャックに取付けられたタイヤ成型金型ピースの加工面の高さ位置と加工原点との誤差を求め、この誤差により補正手段は工具回転主軸と回転軸の制御を補正することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のタイヤ成型金型ピースの加工装置。
- 前記意匠面測定手段は、接触式センサからなることを特徴とする請求項1乃至請求項4いずれかに記載のタイヤ成型金型ピースの加工装置。
- 加工用工具を支承可能かつ3軸移動可能な工具回転主軸と、
湾曲溝を有するトレッド意匠面が形成されたタイヤ成型金型ピースを保持する保持手段と、
前記工具回転主軸と前記保持手段とを相対移動させて前記トレッド意匠面以外の加工面を所望の形状に加工するようにしたタイヤ成型金型ピースの加工方法であって、
前記工具回転主軸に意匠面測定手段を取付けて前記トレッド意匠面の複数位置の基準位置に対する高さを測定する測定ステップと、
前記意匠面測定手段の測定結果に基づき検出手段が前記トレッド意匠面の3次元方向の基準位置に対する傾き量又は位置を検出する検出ステップと、
前記検出手段の検出した結果に基づき補正手段が前記工具回転主軸と前記保持手段の少なくとも一方の制御に補正を加える補正ステップとを有することを特徴とするタイヤ成型金型ピースの加工方法。
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