JP2010269633A - ハイブリッド自動車およびその制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】残余の二次電池のうち第2低電圧系に接続されている二次電池である接続二次電池がある状態と接続二次電池がない状態とで、内燃機関から出力される動力と電動機から入出力される動力とを用いて走行するハイブリッド走行によって走行する際に走行用に出力可能な動力が大きく変化するのを抑制する。
【解決手段】エンジンが運転されているときには(S500)、スレーブ側昇圧回路に接続されているスレーブバッテリがあるか否かに拘わらず、マスタバッテリの入出力制限Win1,Wout1を制御用入出力制限Winf,Woutfとして設定する(S540)。そして、設定した制御用入出力制限Winf,Woutfの範囲内でモータが駆動されながら走行するようエンジンとモータとマスタ側昇圧回路とスレーブ側昇圧回路とを制御する。
【選択図】図11

Description

本発明は、ハイブリッド自動車およびその制御方法に関する。
従来、この種のハイブリッド自動車としては、エンジンと、エンジンに動力分割機構または駆動輪に連結された駆動軸を介して接続された2つのモータジェネレータと、2つのモータジェネレータを各々に駆動する2つのインバータと、第1の蓄電装置と、第1の蓄電装置と2つのインバータが接続された主正母線および主負母線との間で電圧変換を行なう第1のコンバータと、第2の蓄電装置と、第2の蓄電装置と主正母線および主負母線との間で電圧変換を行なう第2のコンバータと、を備えるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このハイブリッド自動車では、許容放電電力が制限されるSOCまでの残存電力量を各蓄電装置について算出し、算出した各蓄電装置の残存電力量の比率に応じて放電電力分配率を算出し、算出した放電電力分配率に応じて各コンバータを制御することにより、いずれかの蓄電装置において他の蓄電装置よりも早く放電限界に達してしまうケースを抑制している。
特開2008−109840号公報
こうしたハイブリッド自動車では、第1の蓄電装置や第2の蓄電装置の蓄電量が低下するまでは第1の蓄電装置および第2の蓄電装置と2つのモータジェネレータとの間で電力をやりとりしながら走行するようエンジンと2つのモータジェネレータと2つのコンバータとを制御し、第1の蓄電装置や第2の蓄電装置の蓄電量が低下すると第2の蓄電装置と第2のコンバータとの間に設けられた接続解除部をオフとして第2の蓄電装置を第2のコンバータから切り離した状態で第1の蓄電装置と2つのインバータとの間で電力をやりとりしながら走行するようエンジンと2つのモータジェネレータと2つのコンバータとを制御する場合などにおいて、エンジンから出力される動力とモータジェネレータから入出力される動力とを用いて走行するハイブリッド走行によって走行するときに、第2の蓄電装置を第2のコンバータから切り離す前後で走行用の動力が大きく変化すると、運転者が違和感を感じることがある。
本発明のハイブリッド自動車およびその制御方法は、第2電池部の二次電池が電動機側に接続されている接続状態と第2電池部の二次電池が電動機側に接続されてない接続解除状態とで、ハイブリッド走行によって走行するときに走行用に出力可能な動力が大きく変化するのを抑制することを主目的とする。
本発明のハイブリッド自動車およびその制御方法は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明のハイブリッド自動車は、
走行用の動力を出力可能な内燃機関と、走行用の動力を出力可能な電動機と、前記電動機側に接続された二次電池を有する第1電池部と、二次電池を有する第2電池部と、前記第2電池部の二次電池の前記電動機側への接続および接続の解除を行なう接続解除手段と、前記第1電池部の二次電池と前記電動機側との間でやりとりされる電力である第1電力と前記第2電池部の二次電池と前記電動機側との間でやりとりされる電力である第2電力との比である分配比を調整可能な分配比調整手段と、を備え、前記電動機から入出力される動力だけを用いて走行する電動走行と前記内燃機関から出力される動力と前記電動機から入出力される動力とを用いて走行するハイブリッド走行とが可能なハイブリッド自動車であって、
前記第2電池部の二次電池が前記電動機側に接続されている接続状態で前記ハイブリッド走行によって走行するときには前記接続状態で前記電動走行によって走行するときに比して制限され且つ前記第1電池部の二次電池の出力制限以上の制御用出力制限を設定し、前記第2電池部の二次電池が前記電動機側に接続されてない接続解除状態のときには前記第1電池部の二次電池の出力制限を前記制御用出力制限として設定し、前記設定した制御用出力制限の範囲内で前記電動機が駆動されると共に走行に要求される要求駆動力に基づく駆動力により走行するよう前記内燃機関と前記電動機と前記分配比調整手段とを制御する制御手段と、
を備えることを要旨とする。
この本発明のハイブリッド自動車では、第2電池部の二次電池が電動機側に接続されている接続状態でハイブリッド走行によって走行するときには接続状態で電動走行によって走行するときに比して制限され且つ第1電池部の二次電池の出力制限以上の制御用出力制限を設定し、第2電池部の二次電池が電動機側に接続されてない接続解除状態のときには第1電池部の二次電池の出力制限を制御用出力制限として設定し、設定した制御用出力制限の範囲内で電動機が駆動されると共に要求駆動力に基づく駆動力により走行するよう内燃機関と電動機と分配比調整手段とを制御する。これにより、接続状態でハイブリッド走行によって走行するときと接続解除状態でハイブリッド走行によって走行するときとで、制御用出力制限が大きく変化するのを抑制することができ、走行用に出力可能な動力が大きく変化するのを抑制することができる。この結果、例えば、ハイブリッド走行による走行を継続しながら接続状態から接続解除状態に移行するときに、走行用に出力可能な動力が大きく変化するのを抑制することができる。なお、ハイブリッド走行によって走行する際には、内燃機関から出力される動力によって運転者の要求にある程度対応することができる。また、接続状態で電動走行するときには、接続状態でハイブリッド走行によって走行するときに比して大きな制御用出力制限の範囲内で電動機が駆動されて要求駆動力に基づく駆動力によって電動走行するよう内燃機関と電動機とを制御することにより、走行用に出力可能な動力を大きくすることができる。ここで、前記制御手段は、前記接続状態のとき、前記第1電力が前記第1電池部の二次電池の入出力制限の範囲内になると共に前記第2電力が前記第2電池部の二次電池の入出力制限の範囲内になるよう前記分配比調整手段を制御する手段である、ものとすることもできる。
こうした本発明のハイブリッド自動車において、前記制御手段は、前記接続状態で前記電動走行によって走行するときには前記第1電池部の二次電池の出力制限と前記第2電池部の二次電池の出力制限との和を前記制御用出力制限として設定し、前記接続状態で前記ハイブリッド走行によって走行するときには前記第1電池部の二次電池の出力制限と前記第2電池部の二次電池の出力制限との和よりも制限された制御用出力制限を設定する手段である、ものとすることもできる。この場合、前記制御手段は、前記接続状態で前記ハイブリッド走行によって走行するときには、前記第1電池部の二次電池の出力制限を前記制御用出力制限として設定する手段である、ものとすることもできる。こうすれば、接続状態でハイブリッド走行によって走行するときと接続解除状態でハイブリッド走行によって走行するときとの制御用出力制限の変化をより抑制することができる。
また、本発明のハイブリッド自動車において、前記制御手段は、前記接続状態のときには、前記電動走行によって走行するときの制御用出力制限をモード判定用出力制限として設定し、前記要求駆動力から得られる走行に要求される走行用パワーが前記設定したモード判定用出力制限以下のときには前記電動走行によって走行するよう制御し、前記走行用パワーが前記設定したモード判定用出力制限より大きいときには前記ハイブリッド走行によって走行するよう制御する手段である、ものとすることもできる。上述したように、制御用出力制限は、接続状態のときには、ハイブリッド走行によって走行するときに電動走行によって走行するときに比して制限されるから、電動走行によって走行するときの制御用出力制限をモード判定用出力制限として設定することにより、ハイブリッド走行によって走行するときの制御用出力制限をモード判定用出力制限として設定するものに比して電動走行による走行をより行ないやすくすることができる。この場合、前記制御手段は、前記接続状態のときには、前記第1電池部の二次電池の出力制限と前記第2電池部の二次電池の出力制限との和を前記モード判定用出力制限として設定する手段である、ものとすることもできる。また、前記制御手段は、前記接続解除状態のときには、前記第1電池部の二次電池の出力制限を前記モード判定用出力制限として設定する手段である、ものとすることもできる。
さらに、本発明のハイブリッド自動車において、前記制御手段は、前記第2電池部の二次電池が所定の低蓄電量状態になる蓄電量条件が成立する前は前記接続状態で走行するよう制御し、前記蓄電量条件が成立した以降は前記接続解除状態で走行するよう制御する手段である、ものとすることもできる。この場合、前記第2電池部は、複数の二次電池を有し、前記蓄電量条件は、前記第2電池部の全ての二次電池が前記所定の低蓄電量状態になったときに成立する条件である、ものとすることもできる。
あるいは、本発明のハイブリッド自動車において、前記分配比調整手段は、前記第1電池部の二次電池に接続された第1電池電圧系と前記電動機側に接続された高電圧系との間で電圧の調整を伴って電力のやりとりを行なう第1昇降圧回路と、前記第2電池部の二次電池に前記接続解除手段を介して接続された第2電池電圧系と前記高電圧系との間で電圧の調整を伴って電力のやりとりを行なう第2昇降圧回路と、を備える手段である、ものとすることもできる。
加えて、本発明のハイブリッド自動車において、システムオフ時に外部電源に接続されて該外部電源からの電力を用いて前記第1電池部の二次電池および前記第2電池部の二次電池を充電可能な充電手段、ものとすることもできる。
また、本発明のハイブリッド自動車において、動力の入出力が可能な発電機と、前記内燃機関の出力軸と前記発電機の回転軸と車軸に連結された駆動軸との3軸に3つの回転要素が接続された遊星歯車機構と、を備え、前記第1電池部の二次電池は、前記発電機および前記電動機側に接続されてなり、前記接続解除手段は、前記第2電池部の二次電池の前記発電機および前記電動機側への接続および接続の解除を行なう手段であり、前記制御手段は、前記内燃機関の運転制御に際して前記発電機を制御する手段である、ものとすることもできる。
本発明のハイブリッド自動車の制御方法は、
走行用の動力を出力可能な内燃機関と、走行用の動力を出力可能な電動機と、前記電動機側に接続された二次電池を有する第1電池部と、二次電池を有する第2電池部と、前記第2電池部の二次電池の前記電動機側への接続および接続の解除を行なう接続解除手段と、前記第1電池部の二次電池と前記電動機側との間でやりとりされる電力である第1電力と前記第2電池部の二次電池と前記電動機側との間でやりとりされる電力である第2電力との比である分配比を調整可能な分配比調整手段と、を備え、前記電動機から入出力される動力だけを用いて走行する電動走行と前記内燃機関から出力される動力と前記電動機から入出力される動力とを用いて走行するハイブリッド走行とが可能なハイブリッド自動車の制御方法であって、
前記第2電池部の二次電池が前記電動機側に接続されている接続状態で前記ハイブリッド走行によって走行するときには前記接続状態で前記電動走行によって走行するときに比して制限され且つ前記第1電池部の二次電池の出力制限以上の制御用出力制限を設定し、前記第2電池部の二次電池が前記電動機側に接続されてない接続解除状態のときには前記第1電池部の二次電池の出力制限を前記制御用出力制限として設定し、前記設定した制御用出力制限の範囲内で前記電動機が駆動されると共に走行に要求される要求駆動力に基づく駆動力により走行するよう前記内燃機関と前記電動機と前記分配比調整手段とを制御する、
ことを特徴とする。
この本発明のハイブリッド自動車の制御方法では、第2電池部の二次電池が電動機側に接続されている接続状態でハイブリッド走行によって走行するときには接続状態で電動走行によって走行するときに比して制限され且つ第1電池部の二次電池の出力制限以上の制御用出力制限を設定し、第2電池部の二次電池が電動機側に接続されてない接続解除状態のときには第1電池部の二次電池の出力制限を制御用出力制限として設定し、設定した制御用出力制限の範囲内で電動機が駆動されると共に要求駆動力に基づく駆動力により走行するよう内燃機関と電動機と分配比調整手段とを制御する。これにより、接続状態でハイブリッド走行によって走行するときと接続解除状態でハイブリッド走行によって走行するときとで、制御用出力制限が大きく変化するのを抑制することができ、走行用に出力可能な動力が大きく変化するのを抑制することができる。この結果、例えば、ハイブリッド走行による走行を継続しながら接続状態から接続解除状態に移行するときに、走行用に出力可能な動力が大きく変化するのを抑制することができる。なお、ハイブリッド走行によって走行する際には、内燃機関から出力される動力によって運転者の要求にある程度対応することができる。また、接続状態で電動走行するときには、接続状態でハイブリッド走行によって走行するときに比して大きな制御用出力制限の範囲内で電動機が駆動されて要求駆動力に基づく駆動力によって電動走行するよう内燃機関と電動機とを制御することにより、走行用に出力可能な動力を大きくすることができる。ここで、前記制御手段は、前記接続状態のとき、前記第1電力が前記第1電池部の二次電池の入出力制限の範囲内になると共に前記第2電力が前記第2電池部の二次電池の入出力制限の範囲内になるよう前記分配比調整手段を制御する手段である、ものとすることもできる。
本発明の一実施例としてのハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。 マスタバッテリ50の電池温度Tb1と入出力制限Win1,Wout1との関係の一例を示す説明図である。 マスタバッテリ50の蓄電量SOC1と入出力制限Win1,Wout1の補正係数との関係の一例を示す説明図である。 ハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される状態設定ルーチンの一例を示すフローチャートである。 ハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 要求トルク設定用マップの一例を示す説明図である。 エンジン22を運転停止している状態で走行しているときの動力分配統合機構30の回転要素における回転数とトルクとの力学的な関係を示す共線図の一例を示す説明図である。 エンジン22の始動時にモータMG1のトルク指令Tm1*に設定するトルクマップの一例とエンジン22の回転数Neの変化の様子の一例とを示す説明図である。 エンジン22の動作ラインの一例と目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定する様子を示す説明図である。 エンジン22からパワーを出力している状態で走行しているときの動力分配統合機構30の回転要素における回転数とトルクとの力学的な関係を示す共線図の一例を示す説明図である。 ハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される制御用入出力制限設定処理の一例を示すフローチャートである。 変形例のハイブリッド自動車120の構成の概略を示す構成図である。 変形例のハイブリッド自動車220の構成の概略を示す構成図である。 変形例のハイブリッド自動車320の構成の概略を示す構成図である。
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例としてのハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、図示するように、エンジン22と、エンジン22の出力軸としてのクランクシャフト26にダンパ28を介して接続された3軸式の動力分配統合機構30と、動力分配統合機構30に接続された発電可能なモータMG1と、動力分配統合機構30に接続された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに減速ギヤ35を介して接続されたモータMG2と、モータMG1,MG2を駆動するためのインバータ41,42と、充放電可能なマスタバッテリ50と、マスタバッテリ50からの電力を昇圧してインバータ41,42に供給するマスタ側昇圧回路55と、マスタバッテリ50とマスタ側昇圧回路55との接続や接続の解除を行なうシステムメインリレー56と、充放電可能なスレーブバッテリ60,62と、スレーブバッテリ60,62からの電力を昇圧してインバータ41,42に供給するスレーブ側昇圧回路65と、スレーブバッテリ60,62の各々とスレーブ側昇圧回路65との接続や接続の解除を各々に行なうシステムメインリレー66,67と、車両全体をコントロールするハイブリッド用電子制御ユニット70と、を備える。以下、説明の都合上、マスタ側昇圧回路55およびスレーブ側昇圧回路65よりインバータ41,42側を高電圧系といい、マスタ側昇圧回路55よりマスタバッテリ50側を第1低電圧系といい、スレーブ側昇圧回路65よりスレーブバッテリ60,62側を第2低電圧系という。
エンジン22は、例えばガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力する内燃機関であり、エンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという)24により燃料噴射制御や点火制御,吸入空気量調節制御などの運転制御を受けている。エンジンECU24には、エンジン22の運転状態を検出する各種センサからの信号、例えば、エンジン22のクランクシャフト26のクランク角を検出する図示しないクランクポジションセンサからのクランクポジションなどが入力されている。エンジンECU24は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によりエンジン22を運転制御すると共に必要に応じてエンジン22の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。なお、エンジンECU24は、図示しないクランクポジションセンサからのクランクポジションに基づいてクランクシャフト26の回転数、即ちエンジン22の回転数Neも演算している。
動力分配統合機構30は、外歯歯車のサンギヤ31と、このサンギヤ31と同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ32と、サンギヤ31に噛合すると共にリングギヤ32に噛合する複数のピニオンギヤ33と、複数のピニオンギヤ33を自転かつ公転自在に保持するキャリア34とを備え、サンギヤ31とリングギヤ32とキャリア34とを回転要素として差動作用を行なう遊星歯車機構として構成されている。動力分配統合機構30は、キャリア34にはエンジン22のクランクシャフト26が、サンギヤ31にはモータMG1が、リングギヤ32にはリングギヤ軸32aを介して減速ギヤ35がそれぞれ連結されており、モータMG1が発電機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力をサンギヤ31側とリングギヤ32側にそのギヤ比に応じて分配し、モータMG1が電動機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力とサンギヤ31から入力されるモータMG1からの動力を統合してリングギヤ32側に出力する。リングギヤ32に出力された動力は、リングギヤ軸32aからギヤ機構37およびデファレンシャルギヤ38を介して、最終的には車両の駆動輪39a,39bに出力される。
モータMG1およびモータMG2は、いずれも発電機として駆動することができると共に電動機として駆動できる周知の同期発電電動機として構成されており、インバータ41,42やマスタ側昇圧回路55を介してマスタバッテリ50と電力のやりとりを行なうと共にインバータ41,42やスレーブ側昇圧回路65を介してスレーブバッテリ60,62と電力のやりとりを行なう。インバータ41,42とマスタ側昇圧回路55とスレーブ側昇圧回路65とを接続する電力ライン(以下、高電圧系電力ラインという)54は、各インバータ41,42が共用する正極母線および負極母線として構成されており、モータMG1,MG2のいずれかで発電される電力を他のモータで消費することができるようになっている。モータMG1,MG2は、いずれもモータ用電子制御ユニット(以下、モータECUという)40により駆動制御されている。モータECU40には、モータMG1,MG2を駆動制御するために必要な信号、例えばモータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ43,44からの信号や図示しない電流センサにより検出されるモータMG1,MG2に印加される相電流などが入力されており、モータECU40からは、インバータ41,42へのスイッチング制御信号が出力されている。モータECU40は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によってモータMG1,MG2を駆動制御すると共に必要に応じてモータMG1,MG2の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。なお、モータECU40は、回転位置検出センサ43,44からの信号に基づいてモータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2も演算している。
マスタ側昇圧回路55およびスレーブ側昇圧回路65は、周知の昇圧コンバータとして構成されている。マスタ側昇圧回路55は、マスタバッテリ50にシステムメインリレー56を介して接続された電力ライン(以下、第1低電圧系電力ラインという)59と前述の高電圧系電力ライン54とに接続され、マスタバッテリ50の電力を昇圧してインバータ41,42に供給したりインバータ41,42に作用している電力を降圧してマスタバッテリ50を充電したりする。スレーブ側昇圧回路65は、スレーブバッテリ60にシステムメインリレー66を介して接続されると共にスレーブバッテリ62にシステムメインリレー67を介して接続された電力ライン(以下、第2低電圧系電力ラインという)69と高電圧系電力ライン54とに接続され、スレーブバッテリ60,62のうちスレーブ側昇圧回路65に接続されているスレーブバッテリ(以下、接続スレーブバッテリという)の電力を昇圧してインバータ41,42に供給したりインバータ41,42に作用している電力を降圧して接続スレーブバッテリを充電したりする。なお、高電圧系電力ライン54の正極母線と負極母線とには平滑用のコンデンサ57が接続されており、第1低電圧系電力ライン59の正極母線と負極母線とには平滑用のコンデンサ58が接続されており、第2低電圧系電力ライン69の正極母線と負極母線とには平滑用のコンデンサ68が接続されている。
マスタバッテリ50とスレーブバッテリ60,62とは、いずれもリチウムイオン二次電池として構成されており、バッテリ用電子制御ユニット(以下、バッテリECUという)52によって管理されている。バッテリECU52には、マスタバッテリ50やスレーブバッテリ60,62を管理するのに必要な信号、例えば、マスタバッテリ50の端子間に設置された電圧センサ51aからの端子間電圧Vb1,マスタバッテリ50の正極側の出力端子に取り付けられた電流センサ51bからの充放電電流Ib1,マスタバッテリ50に取り付けられた温度センサ51からの電池温度Tb1,スレーブバッテリ60,62の各々の端子間に設置された電圧センサ61a,63aからの端子間電圧Vb2,Vb3,スレーブバッテリ60,62の各々の正極側の出力端子に取り付けられた電流センサ61b,63bからの充放電電流Ib2,Ib3,スレーブバッテリ60,62にそれぞれ取り付けられた温度センサ61,63からの電池温度Tb2,Tb3などが入力されており、必要に応じてマスタバッテリ50やスレーブバッテリ60,62の状態に関するデータを通信によりハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。また、バッテリECU52は、マスタバッテリ50を管理するために、電流センサ51bにより検出された充放電電流Ib1の積算値に基づいて蓄電量SOC1を演算したり、演算した蓄電量SOC1と電池温度Tb1とに基づいてマスタバッテリ50を充放電してもよい最大許容電力である入出力制限Win1,Wout1を演算したりすると共に、スレーブバッテリ60,62を管理するために、電流センサ61b,63bにより検出された充放電電流Ib2,Ib3の積算値に基づいて蓄電量SOC2,SOC3を演算したり、演算した蓄電量SOC2,SOC3と電池温度Tb2,Tb3とに基づいてスレーブバッテリ60,62の入出力制限Win2,Wout2,Win3,Wout3を演算したりしている。なお、マスタバッテリ50の入出力制限Win1,Wout1は、電池温度Tb1に基づいて入出力制限Win1,Wout1の基本値を設定し、マスタバッテリ50の蓄電量SOC1に基づいて出力制限用補正係数と入力制限用補正係数とを設定し、設定した入出力制限Win1,Wout1の基本値に補正係数を乗じることにより設定することができる。図2にマスタバッテリ50の電池温度Tb1と入出力制限Win1,Wout1との関係の一例を示し、図3にマスタバッテリ50の蓄電量SOC1と入出力制限Win1,Wout1の補正係数との関係の一例を示す。スレーブバッテリ60,62の入出力制限Win2,Wout2,Win3,Wout3は、マスタバッテリ50の入出力制限Win1,Wout1と同様に設定することができる。なお、マスタバッテリ50,スレーブバッテリ60,62は、実施例では、同一の定格容量で同一の温度特性を有するものを用いるものとした。
第2低電圧系には、スレーブ側昇圧回路65に対してスレーブバッテリ60,62と並列に充電器90が接続されると共にこの充電器90に車両側コネクタ92が接続されている。車両側コネクタ92は、車外の電源である交流の外部電源(例えば、家庭用電源(AC100V)など)100に接続された外部電源側コネクタ102を接続可能に形成されている。充電器90は、第2低電圧系と車両側コネクタ92との接続や接続の解除を行なう充電用リレーや、外部電源100からの交流電力を直流電力に変換するAC/DCコンバータ,AC/DCコンバータにより変換した直流電力の電圧を変換して第2低電圧系に供給するDC/DCコンバータなどを備える。
ハイブリッド用電子制御ユニット70は、CPU72を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU72の他に処理プログラムを記憶するROM74と、データを一時的に記憶するRAM76と、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備える。ハイブリッド用電子制御ユニット70には、コンデンサ57の端子間に取り付けられた電圧センサ57aからの電圧(高電圧系の電圧)VHや、コンデンサ58の端子間に取り付けられた電圧センサ58aからの電圧(第1低電圧系の電圧)VL1,コンデンサ68の端子間に取り付けられた電圧センサ68aからの電圧(第2低電圧系の電圧)VL2,イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号,スレーブ側昇圧回路65の高電圧系電力ライン54側の端子に取り付けられた電流センサ65aからのスレーブ側電流Ibs,シフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP,アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc,ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ88からの車速Vなどが入力ポートを介して入力されている。ハイブリッド用電子制御ユニット70からは、マスタ側昇圧回路55のスイッチング素子へのスイッチング制御信号や、スレーブ側昇圧回路65のスイッチング素子へのスイッチング制御信号,システムメインリレー56,66,67への駆動信号,充電器90への制御信号などが出力ポートを介して出力されている。ハイブリッド用電子制御ユニット70は、前述したように、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。なお、実施例のハイブリッド自動車20では、シフトポジションセンサ82により検出するシフトポジションSPとしては、駐車ポジション(Pポジション)や中立ポジション(Nポジション),ドライブポジション(Dポジション),リバースポジション(Rポジション)などがある。
こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20は、運転者によるアクセルペダル83の踏み込み量に対応するアクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクを計算し、この要求トルクに対応する要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるように、エンジン22とモータMG1とモータMG2とが運転制御される。エンジン22とモータMG1とモータMG2の運転制御としては、要求動力に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にエンジン22から出力される動力のすべてが動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによってトルク変換されてリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御するトルク変換運転モードや要求動力とマスタバッテリ50やスレーブバッテリ60,62の充放電に必要な電力との和に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にマスタバッテリ50やスレーブバッテリ60,62の充放電を伴ってエンジン22から出力される動力の全部またはその一部が動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによるトルク変換を伴って要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御する充放電運転モード、エンジン22の運転を停止してモータMG2からの要求動力に見合う動力をリングギヤ軸32aに出力するよう運転制御するモータ運転モードなどがある。以下、説明の都合上、モータMG2から入出力される動力だけを用いた走行を電動走行といい、エンジン22から出力される動力とモータMG2から入出力される動力とを用いた走行をハイブリッド走行という。
また、実施例のハイブリッド自動車20では、自宅や予め設定された充電ポイントで車両をシステム停止した後に外部電源側コネクタ102と車両側コネクタ92とが接続されると、充電器90内の充電用リレーをオンとし、システムメインリレー56,66,67のオンオフとマスタ側昇圧回路55やスレーブ側昇圧回路65,充電器90内のAC/DCコンバータやDC/DCコンバータの制御とにより、外部電源100からの電力を用いてマスタバッテリ50やスレーブバッテリ60,62を満充電や満充電より低い所定の充電状態(例えば、蓄電量SOC1,SOC2,SOC3が80%や85%の状態)にする。このようにしてマスタバッテリ50やスレーブバッテリ60,62が充分に充電されている状態でシステム起動(イグニッションオン)されて走行する際には、マスタバッテリ50やスレーブバッテリ60,62からの電力を用いて電動走行によってある程度の距離(時間)を走行することが可能となる。しかも、実施例のハイブリッド自動車20では、マスタバッテリ50に加えてスレーブバッテリ60,62を備えるから、マスタバッテリ50だけを備えるものに比して電動走行によって走行する走行距離(走行時間)を長くすることができる。
さらに、実施例のハイブリッド自動車20では、基本的には、ハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される図4に例示する状態設定ルーチンによって設定される状態で走行する。まず、外部電源100からの電力を用いてマスタバッテリ50やスレーブバッテリ60,62が充分に充電されている状態でシステム起動(イグニッションオン)されたときには、システムメインリレー56,66をオンとして第1接続状態(マスタバッテリ50とマスタ側昇圧回路55とが接続されると共にスレーブバッテリ60とスレーブ側昇圧回路65とが接続される状態)にする(ステップS100)。そして、マスタバッテリ50の蓄電量SOC1に比してスレーブバッテリ60の蓄電量SOC2が迅速に低下するようマスタ側昇圧回路55とスレーブ側昇圧回路65とを制御しながら電動走行とハイブリッド走行とのうち電動走行を優先して走行し、スレーブバッテリ60の蓄電量SOC2が所定値Sref2以下になると(ステップS110,S120)、第1接続状態からシステムメインリレー66をオフとすると共にシステムメインリレー67をオンとした第2接続状態(スレーブバッテリ60とスレーブ側昇圧回路65との接続が解除されてスレーブバッテリ62とスレーブ側昇圧回路65とが接続される状態)に移行し(ステップS130)、マスタバッテリ50の蓄電量SOC1が所定値Sref1以下になると共にスレーブバッテリ62の蓄電量SOC3が所定値Sref3以下になるタイミングが揃うようマスタ側昇圧回路55とスレーブ側昇圧回路65とを制御しながら電動走行を優先して走行する。そして、マスタバッテリ50の蓄電量SOC1が所定値Sref1以下になると共にスレーブバッテリ62の蓄電量SOC3が所定値Sref3以下になると(ステップS140、S150)、第2接続状態からシステムメインリレー67をオフとしたスレーブ遮断状態(スレーブバッテリ62とスレーブ側昇圧回路65との接続が解除される状態)に移行し(ステップS160)、その後は、その後は車両に要求される要求パワー(後述の要求パワーPe*)に基づいてエンジン22を間欠運転しながら走行する。なお、実施例では、簡単のために、所定値Sref1,Sref2,Sref3は、同一の値Sref(例えば、25%や30%,35%など)を用いるものとした。また、実施例のハイブリッド自動車20では、外部電源100からの電力を用いてマスタバッテリ50やスレーブバッテリ60,62が充電されていない状態でシステム起動されたときには、マスタバッテリ50やスレーブバッテリ60,62の蓄電量SOC1,SOC2,SOC3などに応じて第1接続状態,第2接続状態,スレーブ遮断状態のいずれかで走行を開始するものとした。
次に、こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20の動作、特に、外部電源100からの電力を用いてマスタバッテリ50やスレーブバッテリ60,62が充分に充電されている状態でシステム起動されて走行する際の動作について説明する。図5はハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、所定時間毎(例えば、数msec毎)に繰り返し実行される。
駆動制御ルーチンが実行されると、ハイブリッド用電子制御ユニット70のCPU72は、まず、アクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Accや車速センサ88からの車速V,エンジン22の回転数Ne,モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2,マスタバッテリ50やスレーブバッテリ60,62の入出力制限Win1,Wout1,Win2,Wout2,Win3,Wout3,第1接続状態のときに値1が設定されると共に第1接続状態でないときに値0が設定される第1接続状態フラグF1,第2接続状態のときに値1が設定されると共に第2接続状態でないときに値0が設定される第2接続状態フラグF2など制御に必要なデータを入力する処理を実行する(ステップS200)。ここで、エンジン22の回転数Neは、図示しないクランクポジションセンサからの信号に基づいて演算されたものをエンジンECU24から通信により入力するものとした。また、モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2は、回転位置検出センサ43,44により検出されたモータMG1,MG2の回転子の回転位置に基づいて演算されたものをモータECU40から通信により入力するものとした。さらに、マスタバッテリ50の入出力制限Win1,Wout1はマスタバッテリ50の電池温度Tb1と蓄電量SOC1とに基づいて設定されたものを、スレーブバッテリ60の入出力制限Win2,Wout2はスレーブバッテリ60の電池温度Tb2と蓄電量SOC2とに基づいて設定されたものを,スレーブバッテリ62の入出力制限Win3,Wout3はスレーブバッテリ62の電池温度Tb3と蓄電量SOC3とに基づいて設定されたものを,それぞれバッテリECU52から通信により入力するものとした。
こうしてデータを入力すると、入力したアクセル開度Accと車速Vとに基づいて車両に要求されるトルクとして駆動輪39a,39bに連結された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクTr*を設定すると共に設定した要求トルクTr*にリングギヤ軸32aの回転数Nrを乗じることによって走行に要求される走行用パワーPr*を設定し、設定した走行用パワーPr*からマスタバッテリ50やスレーブバッテリ60,62が要求する充放電要求パワーPb*(放電側を正、充電側を負とする)を減じることによって車両に要求される要求パワーPe*を設定する(ステップS210)。ここで、要求トルクTr*は、実施例では、アクセル開度Accと車速Vと要求トルクTr*との関係を予め定めて要求トルク設定用マップとしてROM74に記憶しておき、アクセル開度Accと車速Vとが与えられると記憶したマップから対応する要求トルクTr*を導出して設定するものとした。図6に要求トルク設定用マップの一例を示す。また、リングギヤ軸32aの回転数Nrは、車速Vに換算係数kを乗じること(Nr=k・V)によって求めたり、モータMG2の回転数Nm2を減速ギヤ35のギヤ比Grで割ること(Nr=Nm2/Gr)によって求めることができる。さらに、充放電要求パワーPb*は、実施例では、第1接続状態のときにはマスタバッテリ50,スレーブバッテリ60の蓄電量SOC1,SOC2に基づいて設定し、第2接続状態のときにはマスタバッテリ50,スレーブバッテリ62の蓄電量SOC1,SOC3に基づいて設定し、スレーブ遮断状態のときにはマスタバッテリ50の蓄電量SOC1に基づいて設定するものとした。
続いて、第1接続状態フラグF1と第2接続状態フラグF2とに基づいて、電動走行による走行を許容する走行用パワーPr*の上下限としての電動走行許容上下限Prmin,Prmaxを設定する(ステップS220〜S250)。電動走行許容上下限Prmin,Prmaxの設定は、実施例では、第1接続状態フラグF1の値と第2接続状態フラグF2の値とを調べ(ステップS220)、第1接続状態フラグF1が値1で第2接続状態フラグF2が値0のときには、第1接続状態であると判断し、マスタバッテリ50の入力制限Win1とスレーブバッテリ60の入力制限Win2との和を電動走行許容下限Prminとして設定すると共にマスタバッテリ50の出力制限Wout1とスレーブバッテリ60の出力制限Wout2との和を電動走行許容上限Prmaxとして設定し(ステップS230)、第1接続状態フラグF1が値0で第2接続状態フラグF2が値1のときには、第2接続状態であると判断し、マスタバッテリ50の入力制限Win1とスレーブバッテリ62の入力制限Win3との和を電動走行許容下限Prminとして設定すると共にマスタバッテリ50の出力制限Wout1とスレーブバッテリ62の出力制限Wout3との和を電動走行許容上限Prmaxとして設定し(ステップS240)、第1接続状態フラグF1と第2接続状態フラグF2とが共に値0のときには、スレーブ遮断状態であると判断し、マスタバッテリ50の入出力制限Win1,Wout1を電動走行許容上下限Prmin,Prmaxとして設定する(ステップS250)ことにより行なうものとした。即ち、第1接続状態または第2接続状態のときには、マスタバッテリ50の入出力制限Win1,Wout1と接続スレーブバッテリの入出力制限との和を電動走行許容上下限Prmin,Prmaxとして設定し、スレーブ遮断状態のときには、マスタバッテリ50の入出力制限Win1,Wout1を電動走行許容上下限Prmin,Prmaxとして設定するものとした。これにより、第1接続状態のときや第2接続状態のときには、スレーブ遮断状態のときに比して電動走行による走行をより許容することができる。
こうして電動走行許容上下限Prmin,Prmaxを設定すると、走行用パワーPr*が電動走行許容上下限Prmin,Prmaxの範囲内であるか否かを判定し(ステップS260)、走行用パワーPr*が電動走行許容上下限Prmin,Prmaxの範囲内のときには、電動走行による走行を許容すると判断し、第1接続状態フラグF1の値と第2接続状態フラグF2の値とを調べ(ステップS270)、第1接続状態フラグF1と第2接続状態フラグF2とのうち一方が値1のときには、第1接続状態または第2接続状態である(スレーブ遮断状態でない)と判断し、電動走行によって走行するためにエンジン22を運転停止すると判断し、燃料噴射制御や点火制御を停止してエンジン22を運転停止する制御信号(運転停止信号)をエンジンECU24に送信すると共に(ステップS280)、モータMG1のトルク指令Tm1*に値0を設定してこれをモータECU40送信する(ステップS290)。運転停止信号を受信したエンジンECU24は、エンジン22が運転停止されているときにはその状態を継続し、エンジン22が運転されているときにはその運転を停止する。また、トルク指令Tm1*を受信したモータECU40は、トルク指令Tm1*(この場合、値0)でモータMG1が駆動されるようインバータ41のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。
続いて、要求トルクTr*にトルク指令Tm1*を動力分配統合機構30のギヤ比ρで除したものを加えて更に減速ギヤ35のギヤ比Grで除してモータMG2から出力すべきトルクの仮の値である仮トルクTm2tmpを次式(1)により計算すると共に(ステップS400)、マスタバッテリ50,スレーブバッテリ60,62の入出力制限Win1,Wout1,Win2,Wout2,Wout3と第1接続状態フラグF1と第2接続状態フラグF2とに基づいて後述の制御用入出力制限設定処理により制御用入出力制限Winf,Woutfを設定し(ステップS410)、設定した制御用入出力制限Winf,Woutfと設定したトルク指令Tm1*に現在のモータMG1の回転数Nm1を乗じて得られるモータMG1の消費電力(発電電力)との差分をモータMG2の回転数Nm2で割ることによりモータMG2から出力してもよいトルクの上下限としてのトルク制限Tm2min,Tm2maxを次式(2)および式(3)により計算すると共に(ステップS420)、設定した仮トルクTm2tmpを式(4)によりトルク制限Tm2min,Tm2maxで制限してモータMG2のトルク指令Tm2*を設定してこれをモータECU40に送信する(ステップS430)。トルク指令Tm2*を受信したモータECU40は、トルク指令Tm2*でモータMG2が駆動されるようインバータ42のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。エンジン22を運転停止している状態で走行しているときの動力分配統合機構30の回転要素における回転数とトルクとの力学的な関係を示す共線図の一例を図7に示す。図中、左のS軸はモータMG1の回転数Nm1であるサンギヤ31の回転数を示し、C軸はエンジン22の回転数Neであるキャリア34の回転数を示し、R軸はモータMG2の回転数Nm2を減速ギヤ35のギヤ比Grで除したリングギヤ32の回転数Nrを示す。式(1)は、図7から容易に導くことができる。
Tm2tmp=(Tr*+Tm1*/ρ)/Gr (1)
Tm2min=(Winf-Tm1*・Nm1)/Nm2 (2)
Tm2max=(Woutf-Tm1*・Nm1)/Nm2 (3)
Tm2*=max(min(Tm2tmp,Tm2max),Tm2min) (4)
そして、高電圧系の電圧VHが目標電圧VH*になるようマスタ側昇圧回路55を制御すると共に接続スレーブバッテリ(第1接続状態のときにはスレーブバッテリ60、第2接続状態のときにはスレーブバッテリ62)とインバータ41,42側との間でやりとりされる電力(以下、スレーブ側電力という)Pbsが目標スレーブ側電力Pbs*になるようスレーブ側昇圧回路65を制御して(ステップS440)、駆動制御ルーチンを終了する。ここで、実施例では、高電圧系の電圧VHは、電圧センサ57aにより検出されたものを用いるものとし、目標電圧VH*は、モータMG1の目標動作点(トルク指令Tm1*,回転数Nm1)でモータMG1を駆動できる電圧とモータMG2の目標動作点(トルク指令Tm2*,回転数Nm2)でモータMG2を駆動できる電圧とのうち大きい方の電圧を設定するものとした。また、実施例では、スレーブ側電力Pbsは、電圧センサ57aからの高電圧系の電圧VHと電流センサ65aからのスレーブ側電流Ibsとの積として演算されたものを用いるものとし、目標スレーブ側電力Pbs*は、モータMG1とモータMG2とにより入出力される電力の総和としての総電力Pm(=Tm1*・Nm1+Tm2*・Nm2)のうち接続スレーブバッテリとインバータ41,42との間でやりとりすべき電力として、マスタバッテリ50,スレーブバッテリ60,62の蓄電量SOC1,SOC2,SOC3から得られる分配比Drと総電力Pmとマスタバッテリ50の入出力制限Win1,Wout1と接続スレーブバッテリの入出力制限とを用いて、マスタバッテリ50とインバータ41,42側との間でやりとりされる電力(以下、マスタ側電力という)Pb1がマスタバッテリ50の入出力制限Win1,Wout1の範囲内になると共にスレーブ側電力Pbsが接続スレーブバッテリの入出力制限の範囲内になるよう設定するものとした。この目標スレーブ側電力Pbs*の設定は、具体的には、分配比Drに総電力Pmを乗じて目標スレーブ側電力Pbs*を計算し、目標スレーブ側電力Pbs*が接続スレーブバッテリの入出力制限の範囲内になると共に目標スレーブ側電力Pbs*を総電力Pmから減じた電力(Pm−Pbs*)がマスタバッテリ50の入出力制限Win1,Wout1の範囲内になるよう必要に応じてスレーブ側目標電力Pbs*を補正することにより行なうものとした。なお、分配比Drは、例えば、第1接続状態で電動走行によって走行するときにはマスタバッテリ50の蓄電量SOC1から所定値Sref1を減じた値ΔSOC1とスレーブバッテリ60の蓄電量SOC2から所定値Sref2を減じた値ΔSOC2とスレーブバッテリ62の蓄電量SOC3から所定値Sref3を減じた値ΔSOC3とに基づいて次式(5)により計算し、第2接続状態で電動走行によって走行するときには値ΔSOC1と値ΔSOC3とに基づいて次式(6)により計算し、第1接続状態や第2接続状態でハイブリッド走行によって走行するときにはマスタバッテリ50の蓄電量SOC1と接続スレーブバッテリの蓄電量とに基づいて設定することができ、スレーブ遮断状態のときには値0を設定することができる。こうした制御により、第1接続状態や第2接続状態のときには、走行用パワーPr*が電動走行許容上下限Prmin,Prmaxの範囲内であることを条件として、制御用入出力制限Winf,Woutfの範囲内でモータMG1,MG2が駆動されて電動走行によって要求トルクTr*に基づくトルクをリングギヤ軸32aに出力して走行することができる。また、こうした制御により、第1接続状態や第2接続状態のときに、マスタ側電力Pb1をマスタバッテリ50の入出力制限Win1,Wout1の範囲内にすることができると共にスレーブ側電力Pbsを接続スレーブバッテリの入出力制限の範囲内にすることができる。
Dr=(ΔSOC2+ΔSOC3)/(ΔSOC1+ΔSOC2+ΔSOC3) (5)
Dr=ΔSOC3/(ΔSOC1+ΔSOC3) (6)
ステップS270で第1接続状態フラグF1と第2接続状態フラグF2とが共に値0のときには、スレーブ遮断状態であると判断し、エンジン22が運転されているか否かを判定し(ステップS300)、エンジン22が運転されていない即ち運転停止されていると判定されたときには、エンジン22の始動中であるか否かを判定すると共に(ステップS310)、要求パワーPe*をエンジン22を始動するための閾値Pstartと比較する(ステップS320)。ここで、閾値Pstartは、エンジン22を比較的効率よく運転することができるパワー領域の下限値近傍の値を用いることができる。エンジン22の始動中ではなく、要求パワーPe*が閾値Pstart未満のときには、エンジン22の運転停止状態を継続すると判断し、前述したステップS280以降の処理を実行して駆動制御ルーチンを終了する。
ステップS300でエンジン22が運転停止されていると判定され、ステップS310でエンジン22の始動中でないと判定されたときに、ステップS320で要求パワーPe*が閾値Pstart以上のときには、エンジン22を始動すると判断し、始動時のトルクマップとエンジン22の始動開始からの経過時間tstとに基づいてモータMG1のトルク指令Tm1*を設定してこれをモータECU40に送信する(ステップS330)。エンジン22の始動時にモータMG1のトルク指令Tm1*に設定するトルクマップの一例とエンジン22の回転数Neの変化の様子の一例とを図8に示す。実施例のトルクマップは、エンジン22の始動指示がなされた時間t11の直後からレート処理を用いて比較的大きなトルクをトルク指令Tm1*に設定してエンジン22の回転数Neを迅速に増加させる。エンジン22の回転数Neが共振回転数帯を通過したか共振回転数帯を通過するのに必要な時間以降の時間t12にエンジン22を安定して所定回転数Nstart以上でモータリングすることができるトルクをトルク指令Tm1*に設定し、電力消費や駆動軸としてのリングギヤ軸32aにおける反力を小さくする。そして、エンジン22の回転数Neが所定回転数Nstartに至った時間t13からレート処理を用いてトルク指令Tm1*を値0とし、エンジン22の完爆が判定された時間t14から発電用のトルクをトルク指令Tm1*に設定する。ここで、所定回転数Nstartは、エンジン22の燃料噴射制御や点火制御を開始する回転数である。
続いて、エンジン22の回転数Neを所定回転数Nstartと比較し(ステップS340)、いま、エンジン22の始動開始時を考えているから、エンジン22の回転数Neは小さく所定回転数Nstartには至っていないため、エンジン22の燃料噴射制御や点火制御を開始することなく、前述したステップS400以降の処理を実行して駆動制御ルーチンを終了する。
こうしてエンジン22の始動が開始されると、ステップS310ではエンジン22の始動中であると判定されるから、始動時のトルクマップと経過時間tstとに基づいてモータMG1のトルク指令Tm1*を設定し(ステップS330)、エンジン22の回転数Neが所定回転数Nstart未満のときには(ステップS340)、ステップS400以降の処理を実行して駆動制御ルーチンを終了し、エンジン22の回転数Neが所定回転数Nstart以上のときには(ステップS340)、エンジン22の燃料噴射制御や点火制御を開始する制御信号(運転開始信号)をエンジンECU24に送信し(ステップS350)、ステップS400以降の処理を実行して駆動制御ルーチンを終了する。こうした制御により、停止しているエンジン22を始動しながら制御用入出力制限Winf,Woutfの範囲内でモータMG1,MG2が駆動されて要求トルクTr*に基づくトルクをリングギヤ軸32aに出力して走行することができる。
ステップS300でエンジン22が運転停止されていない、即ち、運転されていると判定されたときには、要求パワーPe*をエンジン22を運転停止するための閾値Pstopと比較する(ステップS370)。ここで、閾値Pstopは、エンジン22を比較的効率よく運転することができるパワー領域の下限値近傍の値を用いることができるが、エンジン22の始動と運転停止とが頻繁に行なわれないようにするために、前述のエンジン22を始動するための閾値Pstartより小さい値を用いるのが好ましい。
要求パワーPe*が閾値Pstop以上のときには、エンジン22の運転を継続すると判断し、要求パワーPe*に基づいてエンジン22を運転すべき運転ポイントとしての目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定してこれらをエンジンECU24に送信する(ステップS380)。エンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*との設定は、エンジン22を効率よく動作させる動作ラインと要求パワーPe*とに基づいて行なわれる。エンジン22の動作ラインの一例と目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定する様子を図9に示す。図示するように、目標回転数Ne*と目標トルクTe*は、動作ラインと要求パワーPe*(Ne*×Te*)が一定の曲線との交点により求めることができる。目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを受信したエンジンECU24は、エンジン22が目標回転数Ne*と目標トルクTe*とによって示される運転ポイントで運転されるようにエンジン22における吸入空気量制御や燃料噴射制御,点火制御などの制御を行なう。
次に、エンジン22の目標回転数Ne*とモータMG2の回転数Nm2と動力分配統合機構30のギヤ比ρと減速ギヤ35のギヤ比Grとを用いて次式(7)によりモータMG1の目標回転数Nm1*を計算すると共に計算した目標回転数Nm1*と入力したモータMG1の回転数Nm1とエンジン22の目標トルクTe*と動力分配統合機構30のギヤ比ρとに基づいて式(8)によりモータMG1のトルク指令Tm1*を計算してこのトルク指令Tm1*をモータECU40に送信し(ステップS390)、ステップS400以降の処理を実行して駆動制御ルーチンを終了する。エンジン22からパワーを出力している状態で走行しているときの動力分配統合機構30の回転要素における回転数とトルクとの力学的な関係を示す共線図の一例を図10に示す。なお、図中、R軸上の2つの太線矢印は、モータMG1から出力されたトルクTm1がリングギヤ軸32aに作用するトルクと、モータMG2から出力されるトルクTm2が減速ギヤ35を介してリングギヤ軸32aに作用するトルクとを示す。式(7)は、この共線図を用いれば容易に導くことができる。式(8)中、右辺第2項の「k1」は比例項のゲインであり、右辺第3項の「k2」は積分項のゲインである。こうした制御により、エンジン22が効率よく運転されると共に制御用入出力制限Winf,Woutfの範囲内でモータMG1,MG2が駆動されてハイブリッド走行によって要求トルクTr*に基づくトルクをリングギヤ軸32aに出力して走行することができる。
Nm1*=Ne*・(1+ρ)/ρ-Nm2/(Gr・ρ) (7)
Tm1*=-ρ・Te*/(1+ρ)+k1・(Nm1*-Nm1)+k2・∫(Nm1*-Nm1)dt (8)
ステップS370で要求パワーPe*が閾値Pstop未満のときには、エンジン22を運転停止すると判断し、前述のステップS280以降の処理を実行して駆動制御ルーチンを終了する。
ステップS260で走行用パワーPr*が電動走行許容上下限Prmin,Prmaxの範囲外のときには、電動走行による走行を許容しないと判断し、エンジン22が運転されているか否かを判定し(ステップS360)、エンジン22が運転されていると判定されたときには、エンジン22の運転を継続すると判断し、前述したステップS380以降の処理を実行して駆動制御ルーチンを終了し、エンジン22が運転されていない即ち運転停止されていると判定されたときには、エンジン22を始動すると判断し、ステップS330以降の処理を実行して駆動制御ルーチンを終了する。即ち、走行用パワーPr*が電動走行許容上下限Prmin,Prmaxの範囲外のときには、ハイブリッド走行によって走行するようエンジン22とモータMG1,MG2とを制御するのである。実施例では、前述したように、第1接続状態や第2接続状態のときには、スレーブ遮断状態のときに比して、電動走行許容下限Prminが小さくなる(絶対値として大きくなる)と共に電動走行許容上限Prmaxが大きくなるため、電動走行による走行をより許容することになる。即ち、第1接続状態や第2接続状態のときには、スレーブ遮断状態のときに比して要求トルクTr*の要件によってエンジン22が運転されるのをより抑制することができ、より電動走行によって走行することができる。
次に、図11に例示する制御用入出力制限設定処理によって制御用入出力制限Winf,Woutfを設定する処理について説明する。制御用入出力制限設定処理では、エンジン22が運転されているか否かを判定し(ステップS500)、エンジン22が運転されていない即ち運転停止されていると判定されたときには、第1接続状態フラグF1の値と第2接続状態フラグF2の値とを調べ(ステップS510)、第1接続状態フラグF1が値1で第2接続状態フラグF2が値0のときには、第1接続状態であると判断し、マスタバッテリ50の入力制限Win1とスレーブバッテリ60の入力制限Win2との和を制御用入力制限Winfとして設定すると共にマスタバッテリ50の出力制限Wout1とスレーブバッテリ60の出力制限Wout2との和を制御用出力制限Woutfとして設定し(ステップS520)、第1接続状態フラグF1が値0で第2接続状態フラグF2が値1のときには、第2接続状態であると判断し、マスタバッテリ50の入力制限Win1とスレーブバッテリ62の入力制限Win3との和を制御用入力制限Winfとして設定すると共にマスタバッテリ50の出力制限Wout1とスレーブバッテリ62の出力制限Wout3との和を制御用出力制限Woutfとして設定し(ステップS530)、第1接続状態フラグF1と第2接続状態フラグF2とが共に値0のときには、スレーブ遮断状態であると判断し、マスタバッテリ50の入出力制限Win1,Wout1を制御用入出力制限Winf,Woutfとして設定して(ステップS540)、制御用入出力制限設定処理を終了する。即ち、エンジン22が運転停止されているときにおいて、第1接続状態または第2接続状態のときにはマスタバッテリ50の入出力制限Win1,Wout1と接続スレーブバッテリの入出力制限との和を制御用入出力制限Winf,Woutfとして設定し、スレーブ遮断状態のときにはマスタバッテリ50の入出力制限Win1,Wout1を制御用入出力制限Winf,Woutfして設定するのである。これにより、第1接続状態または第2接続状態のときに電動走行によって走行するときには、マスタバッテリ50の入出力制限Win1,Wout1よりも絶対値が大きな制御用入出力制限Winf,Woutfの範囲内でモータMG2からリングギヤ軸32aにトルクを出力して走行することができる。
ステップS500でエンジン22が運転されていると判定されたときには、第1接続状態か第2接続状態かスレーブ遮断状態かに拘わらず、マスタバッテリ50の入出力制限Win1,Wout1を制御用入出力制限Winf,Woutfとして設定して(ステップS540)、制御用入出力制限設定処理を終了する。第1接続状態または第2接続状態のときに、エンジン22が運転されているか否かに拘わらずマスタバッテリ50の入出力制限Win1,Wout1と接続スレーブバッテリの入出力制限との和を制御用入出力制限Winf,Woutfとして設定するものとすると、第1接続状態または第2接続状態でエンジン22が運転されているときとスレーブ遮断状態でエンジン22が運転されているときとで、制御用入出力制限Winf,Woutfが大きく変化することによってモータMG2から入出力可能な動力の範囲が大きく変化し、走行用に出力可能な動力が大きく変化して運転者に違和感を与えてしまうことがある。これに対して、実施例では、第1接続状態または第2接続状態のときでもエンジン22が運転されているときにはマスタバッテリ50の入出力制限Win1,Wout1を制御用入出力制限Winf,Woutfとして設定することにより、第1接続状態または第2接続状態でエンジン22が運転されているときとスレーブ遮断状態でエンジン22が運転されているときとで制御用入出力制限Winf,Woutfが変化するのを抑制してモータMG2から入出力可能な動力の範囲が変化するのを抑制することができるから、第1接続状態または第2接続状態でハイブリッド走行によって走行するときとスレーブ遮断状態でハイブリッド走行によって走行するときとで走行用に出力可能な動力が変化するのを抑制することができる。したがって、例えば、ハイブリッド走行によって走行しながら第2接続状態からスレーブ遮断状態に移行するときに走行用に出力可能な動力が変化するのを抑制することができる。なお、エンジン22が運転されていてハイブリッド走行によって走行するときには、エンジン22から出力される動力によって運転者の要求にある程度対応することができる。
以上説明した実施例のハイブリッド自動車20によれば、エンジン22が運転されているときには、マスタバッテリ50とマスタ側昇圧回路55が接続されスレーブバッテリ60とスレーブ側昇圧回路65とが接続される第1接続状態かマスタバッテリ50とマスタ側昇圧回路55とが接続されスレーブバッテリ62とスレーブ側昇圧回路65とが接続される第2接続状態かマスタバッテリ50とマスタ側昇圧回路55とが接続されスレーブバッテリ60,62の両方とスレーブ側昇圧回路65との接続が解除されるスレーブ遮断状態かに拘わらず、マスタバッテリ50の入出力制限Win1,Wout1を制御用入出力制限Winf,Woutfとして設定し、設定した制御用入出力制限Winf,Woutfの範囲内でモータMG1,MG2が駆動されると共に要求トルクTr*に基づくトルクが駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力されるようエンジン22とモータMG1,MG2とマスタ側昇圧回路55とスレーブ側昇圧回路65とを制御するから、第1接続状態または第2接続状態でエンジン22が運転されているときとスレーブ遮断状態でエンジン22が運転されているときとで走行用に出力可能な動力が変化するのを抑制することができる。
実施例のハイブリッド自動車20では、第1接続状態または第2接続状態でエンジン22が運転されているときには、マスタバッテリ50の入出力制限Win1,Wout1を制御用入出力制限Winf,Woutfとして設定するものとしたが、これに限られず、マスタバッテリ50の入出力制限Win1,Wout1以上で且つマスタバッテリ50の入出力制限Win1,Wout1と接続スレーブバッテリの入出力制限との和よりも制限された入出力制限を制御用入出力制限Winf,Woutfとして設定するものであればよく、例えば、マスタバッテリ50の入出力制限Win1,Wout1よりも絶対値として若干大きい入出力制限を制御用入出力制限Winf,Woutfとして設定するものとしてもよい。この場合でも、マスタバッテリ50の入出力制限Win1,Wout1と接続スレーブバッテリの入出力制限との和を制御用入出力制限Winf,Woutfとして設定するものに比して、第1接続状態または第2接続状態でエンジン22が運転されているときとスレーブ遮断状態でエンジン22が運転されているときとで制御用入出力制限Winf,Woutfが変化するのを抑制することができる。
実施例のハイブリッド自動車20では、第1接続状態または第2接続状態でエンジン22が運転されているときには、マスタバッテリ50の入出力制限Win1,Wout1と接続スレーブバッテリの入出力制限との和よりも制限された入出力制限を制御用入出力制限Winf,Woutfとして設定するものとしたが、マスタバッテリ50の出力制限Wout1と接続スレーブバッテリの入出力制限との和よりも制限された出力制限を制御用出力制限Woutfとして設定すると共にマスタバッテリ50の入力制限Win1と接続スレーブバッテリの入力制限との和を制御用入力制限Winfとして設定するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、マスタバッテリ50とマスタ側昇圧回路55とスレーブバッテリ60,62とスレーブ側昇圧回路65とを備えるものとしたが、スレーブバッテリは2つに限られず、1つまたは3つ以上備えるものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、減速ギヤ35を介して駆動軸としてのリングギヤ軸32aにモータMG2を取り付けるものとしたが、減速ギヤ35に代えて2段変速や3段変速,4段変速などの変速機を介してリングギヤ軸32aにモータMG2を取り付けるものとしても構わない。
実施例のハイブリッド自動車20では、モータMG2の動力を減速ギヤ35により変速してリングギヤ軸32aに出力するものとしたが、図12の変形例のハイブリッド自動車120に例示するように、モータMG2の動力をリングギヤ軸32aが接続された車軸(駆動輪39a,39bが接続された車軸)とは異なる車軸(図12における車輪39c,39dに接続された車軸)に出力するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、エンジン22からの動力を動力分配統合機構30を介して駆動輪39a,39bに接続された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すると共にモータMG2からの動力を減速ギヤ35を介してリングギヤ軸32aに出力するものとしたが、図13の変形例のハイブリッド自動車220に例示するように、駆動輪39a,39bに接続された駆動軸に変速機230を介してモータMGを取り付け、モータMGの回転軸にクラッチ228を介してエンジン22を接続する構成とし、エンジン22からの動力をモータMGの回転軸と変速機230とを介して駆動軸に出力すると共にモータMGからの動力を変速機230を介して駆動軸に出力するものとしてもよい。あるいは、図14の変形例のハイブリッド自動車320に例示するように、エンジン22からの動力を変速機330を介して駆動輪39a,39bに接続された車軸に出力すると共にモータMGからの動力を駆動輪39a,39bが接続された車軸とは異なる車軸(図14における車輪39c,39dに接続された車軸)に出力するものとしてもよい。即ち、走行用の動力を出力するエンジンと走行用の動力を出力する電動機とを備えるものであれば如何なるタイプのハイブリッド自動車としてもよいのである。
また、こうしたハイブリッド自動車に適用するものに限定されるものではなく、ハイブリッド自動車の制御方法の形態としてもよい。
実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、エンジン22が「内燃機関」に相当し、モータMG2が「電動機」に相当し、リチウムイオン二次電池として構成されたマスタバッテリ50が「第1電池部」に相当し、リチウムイオン二次電池として構成されたスレーブバッテリ60,62が「第2電池部」に相当し、システムメインリレー66,67が「接続解除手段」に相当し、マスタ側昇圧回路55とスレーブ側昇圧回路65とを組み合わせたものが「分配比調整手段」に相当し、エンジン22が運転されているときには、マスタバッテリ50とマスタ側昇圧回路55が接続されスレーブバッテリ60とスレーブ側昇圧回路65とが接続される第1接続状態かマスタバッテリ50とマスタ側昇圧回路55とが接続されスレーブバッテリ62とスレーブ側昇圧回路65とが接続される第2接続状態かマスタバッテリ50とマスタ側昇圧回路55とが接続されスレーブバッテリ60,62の両方とスレーブ側昇圧回路65との接続が解除されるスレーブ遮断状態かに拘わらず、マスタバッテリ50の入出力制限Win1,Wout1を制御用入出力制限Winf,Woutfとして設定し、設定した制御用入出力制限Winf,Woutfの範囲内でモータMG1,MG2が駆動されると共に要求トルクTr*に基づくトルクが駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力されるようエンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定してエンジンECU24に送信すると共にモータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定してモータECU40に送信し、マスタ側昇圧回路55とスレーブ側昇圧回路65とを制御する図4の駆動制御ルーチンと図11の制御用入出力制限設定処理とを実行するハイブリッド用電子制御ユニット70と、受信した目標回転数Ne*と目標トルクTe*とに基づいてエンジン22を制御するエンジンECU24と、受信したトルク指令Tm1*,Tm2*に基づいてモータMG1,MG2を制御するモータECU40と、が「制御手段」に相当する。また、充電器90が「充電手段」に相当し、モータMG1が「発電機」に相当し、動力分配統合機構30が「遊星歯車機構」に相当する。
ここで、「内燃機関」としては、ガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力する内燃機関に限定されるものではなく、水素エンジンなど、走行用の動力を出力可能なものであれば如何なるタイプの内燃機関であっても構わない。「電動機」としては、同期発電電動機として構成されたモータMG2に限定されるものではなく、誘導電動機など、走行用の動力を出力可能なものであれば如何なるタイプの電動機であっても構わない。「第1電池部」としては、リチウムイオン二次電池として構成されたマスタバッテリ50に限定されるものではなく、二つ以上のバッテリとしたり、バッテリをリチウムイオン二次電池以外の二次電池(例えばニッケル水素二次電池やニッケルカドミウム二次電池,鉛蓄電池など)とするなど、機器に接続された二次電池を有するものであれば如何なるものとしても構わない。「第2電池部」としては、リチウムイオン二次電池として構成されたマスタバッテリ60,62に限定されるものではなく、一つまたは三つ以上のバッテリとしたり、これらのバッテリをリチウムイオン二次電池以外の二次電池(例えばニッケル水素二次電池やニッケルカドミウム二次電池,鉛蓄電池など)とするなど、二次電池を有するものであれば如何なるものとしても構わない。「接続解除手段」としては、システムメインリレー66,67に限定されるものではなく、第2電池部の二次電池の機器への接続および接続の解除を行なうものであれば如何なるものとしても構わない。「分配比調整手段」としては、マスタ側昇圧回路55とスレーブ側昇圧回路65とを組み合わせたものに限定されるものではなく、第1電池部の二次電池と機器との間でやりとりされる電力である第1電力と第2電池部の二次電池と機器との間でやりとりされる電力である第2電力との比である分配比を調整可能なものであれば如何なるものとしても構わない。「制御手段」としては、ハイブリッド用電子制御ユニット70とエンジンECU24とモータECU40とからなる組み合わせに限定されるものではなく単一の電子制御ユニットにより構成されるなどとしてもよい。また、「制御手段」としては、エンジン22が運転されているときには、マスタバッテリ50とマスタ側昇圧回路55が接続されスレーブバッテリ60とスレーブ側昇圧回路65とが接続される第1接続状態かマスタバッテリ50とマスタ側昇圧回路55とが接続されスレーブバッテリ62とスレーブ側昇圧回路65とが接続される第2接続状態かマスタバッテリ50とマスタ側昇圧回路55とが接続されスレーブバッテリ60,62の両方とスレーブ側昇圧回路65との接続が解除されるスレーブ遮断状態かに拘わらず、マスタバッテリ50の入出力制限Win1,Wout1を制御用入出力制限Winf,Woutfとして設定し、設定した制御用入出力制限Winf,Woutfの範囲内でモータMG1,MG2が駆動されると共に要求トルクTr*に基づくトルクが駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力されるようエンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定してエンジン22を制御すると共にモータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定してモータMG1,MG2を制御しマスタ側昇圧回路55とスレーブ側昇圧回路65とを制御するものに限定されるものではなく、第2電池部の二次電池が電動機側に接続されている接続状態でハイブリッド走行によって走行するときには接続状態で電動走行によって走行するときに比して制限され且つ第1電池部の二次電池の出力制限以上の制御用出力制限を設定し、第2電池部の二次電池が電動機側に接続されてない接続解除状態のときには第1電池部の二次電池の出力制限を制御用出力制限として設定し、設定した制御用出力制限の範囲内で電動機が駆動されると共に要求駆動力に基づく駆動力により走行するよう内燃機関と電動機と分配比調整手段とを制御するものであれば如何なるものとしても構わない。「充電手段」としては、充電器90に限定されるものではなく、システムオフ時に外部電源に接続されて外部電源からの電力を用いて第1電池部の二次電池および第2電池部の二次電池を充電可能なものであれば如何なるものとしても構わない。「発電機」としては、同期発電電動機として構成されたモータMG1に限定されるものではなく、誘導電動機など、動力の入出力が可能なものであれば如何なるタイプの発電機としても構わない。「遊星歯車機構」としては、動力分配統合機構30に限定されるものではなく、内燃機関の出力軸と発電機の回転軸と車軸に連結された駆動軸との3軸に3つの回転要素が接続されたものであれば如何なるものとしても構わない。
なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、ハイブリッド自動車の製造産業などに利用可能である。
20,120,220,320 ハイブリッド自動車、22 エンジン、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、26 クランクシャフト、28 ダンパ、30 動力分配統合機構、31 サンギヤ、32 リングギヤ、32a リングギヤ軸、33 ピニオンギヤ、34 キャリア、35 減速ギヤ、37 ギヤ機構、38 デファレンシャルギヤ、39a,39b 駆動輪、39c,39d 車輪、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、41,42 インバータ、43,44 回転位置検出センサ、50 マスタバッテリ、51a,61a,63a 電圧センサ、51b,61b,63b 電流センサ、51c,61c,63c 温度センサ、52 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、54 電力ライン(高電圧系電力ライン)、55 マスタ側昇圧回路、56,66,67 システムメインリレー、57,58,68 コンデンサ、57a,58a,68a 電圧センサ、59 電力ライン(第1低電圧系電力ライン)、60,62 スレーブバッテリ、65 スレーブ側昇圧回路、69 電力ライン(第2低電圧系電力ライン)、70 ハイブリッド用電子制御ユニット、72 CPU、74 ROM、76 RAM、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88 車速センサ、90 充電器、92 車両側コネクタ、100 外部電源、102 外部電源側コネクタ、228 クラッチ、230,330 変速機、MG1,MG2,MG モータ。

Claims (11)

  1. 走行用の動力を出力可能な内燃機関と、走行用の動力を出力可能な電動機と、前記電動機側に接続された二次電池を有する第1電池部と、二次電池を有する第2電池部と、前記第2電池部の二次電池の前記電動機側への接続および接続の解除を行なう接続解除手段と、前記第1電池部の二次電池と前記電動機側との間でやりとりされる電力である第1電力と前記第2電池部の二次電池と前記電動機側との間でやりとりされる電力である第2電力との比である分配比を調整可能な分配比調整手段と、を備え、前記電動機から入出力される動力だけを用いて走行する電動走行と前記内燃機関から出力される動力と前記電動機から入出力される動力とを用いて走行するハイブリッド走行とが可能なハイブリッド自動車であって、
    前記第2電池部の二次電池が前記電動機側に接続されている接続状態で前記ハイブリッド走行によって走行するときには前記接続状態で前記電動走行によって走行するときに比して制限され且つ前記第1電池部の二次電池の出力制限以上の制御用出力制限を設定し、前記第2電池部の二次電池が前記電動機側に接続されてない接続解除状態のときには前記第1電池部の二次電池の出力制限を前記制御用出力制限として設定し、前記設定した制御用出力制限の範囲内で前記電動機が駆動されると共に走行に要求される要求駆動力に基づく駆動力により走行するよう前記内燃機関と前記電動機と前記分配比調整手段とを制御する制御手段と、
    を備えるハイブリッド自動車。
  2. 請求項1記載のハイブリッド自動車であって、
    前記制御手段は、前記接続状態で前記電動走行によって走行するときには前記第1電池部の二次電池の出力制限と前記第2電池部の二次電池の出力制限との和を前記制御用出力制限として設定し、前記接続状態で前記ハイブリッド走行によって走行するときには前記第1電池部の二次電池の出力制限と前記第2電池部の二次電池の出力制限との和よりも制限された制御用出力制限を設定する手段である、
    ハイブリッド自動車。
  3. 請求項2記載のハイブリッド自動車であって、
    前記制御手段は、前記接続状態で前記ハイブリッド走行によって走行するときには、前記第1電池部の二次電池の出力制限を前記制御用出力制限として設定する手段である、
    ハイブリッド自動車。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1つの請求項に記載のハイブリッド自動車であって、
    前記制御手段は、前記接続状態のときには、前記電動走行によって走行するときの制御用出力制限をモード判定用出力制限として設定し、前記要求駆動力から得られる走行に要求される走行用パワーが前記設定したモード判定用出力制限以下のときには前記電動走行によって走行するよう制御し、前記走行用パワーが前記設定したモード判定用出力制限より大きいときには前記ハイブリッド走行によって走行するよう制御する手段である、
    ハイブリッド自動車。
  5. 請求項4記載のハイブリッド自動車であって、
    前記制御手段は、前記接続状態のときには、前記第1電池部の二次電池の出力制限と前記第2電池部の二次電池の出力制限との和を前記モード判定用出力制限として設定する手段である、
    ハイブリッド自動車。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1つの請求項に記載のハイブリッド自動車であって、
    前記制御手段は、前記第2電池部の二次電池が所定の低蓄電量状態になる蓄電量条件が成立する前は前記接続状態で走行するよう制御し、前記蓄電量条件が成立した以降は前記接続解除状態で走行するよう制御する手段である、
    ハイブリッド自動車。
  7. 請求項6記載のハイブリッド自動車であって、
    前記第2電池部は、複数の二次電池を有し、
    前記蓄電量条件は、前記第2電池部の全ての二次電池が前記所定の低蓄電量状態になったときに成立する条件である、
    ハイブリッド自動車。
  8. 請求項1ないし7のいずれか1つの請求項に記載のハイブリッド自動車であって、
    前記分配比調整手段は、前記第1電池部の二次電池に接続された第1電池電圧系と前記電動機側に接続された高電圧系との間で電圧の調整を伴って電力のやりとりを行なう第1昇降圧回路と、前記第2電池部の二次電池に前記接続解除手段を介して接続された第2電池電圧系と前記高電圧系との間で電圧の調整を伴って電力のやりとりを行なう第2昇降圧回路と、を備える手段である、
    ハイブリッド自動車。
  9. 請求項1ないし8のいずれか1つの請求項に記載のハイブリッド自動車であって、
    システムオフ時に外部電源に接続されて該外部電源からの電力を用いて前記第1電池部の二次電池および前記第2電池部の二次電池を充電可能な充電手段、
    を備えるハイブリッド自動車。
  10. 請求項1ないし9のいずれか1つの請求項に記載のハイブリッド自動車であって、
    動力の入出力が可能な発電機と、
    前記内燃機関の出力軸と前記発電機の回転軸と車軸に連結された駆動軸との3軸に3つの回転要素が接続された遊星歯車機構と、
    を備え、
    前記第1電池部の二次電池は、前記発電機および前記電動機側に接続されてなり、
    前記接続解除手段は、前記第2電池部の二次電池の前記発電機および前記電動機側への接続および接続の解除を行なう手段であり、
    前記制御手段は、前記内燃機関の運転制御に際して前記発電機を制御する手段である、
    ハイブリッド自動車。
  11. 走行用の動力を出力可能な内燃機関と、走行用の動力を出力可能な電動機と、前記電動機側に接続された二次電池を有する第1電池部と、二次電池を有する第2電池部と、前記第2電池部の二次電池の前記電動機側への接続および接続の解除を行なう接続解除手段と、前記第1電池部の二次電池と前記電動機側との間でやりとりされる電力である第1電力と前記第2電池部の二次電池と前記電動機側との間でやりとりされる電力である第2電力との比である分配比を調整可能な分配比調整手段と、を備え、前記電動機から入出力される動力だけを用いて走行する電動走行と前記内燃機関から出力される動力と前記電動機から入出力される動力とを用いて走行するハイブリッド走行とが可能なハイブリッド自動車の制御方法であって、
    前記第2電池部の二次電池が前記電動機側に接続されている接続状態で前記ハイブリッド走行によって走行するときには前記接続状態で前記電動走行によって走行するときに比して制限され且つ前記第1電池部の二次電池の出力制限以上の制御用出力制限を設定し、前記第2電池部の二次電池が前記電動機側に接続されてない接続解除状態のときには前記第1電池部の二次電池の出力制限を前記制御用出力制限として設定し、前記設定した制御用出力制限の範囲内で前記電動機が駆動されると共に走行に要求される要求駆動力に基づく駆動力により走行するよう前記内燃機関と前記電動機と前記分配比調整手段とを制御する、
    ことを特徴とするハイブリッド自動車の制御方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN102328599A (zh) * 2011-07-25 2012-01-25 江苏金彭车业有限公司 一种增程式电动三轮车
JP2012161216A (ja) * 2011-02-03 2012-08-23 Toyota Motor Corp 車両および車両用制御方法
JP2013035614A (ja) * 2011-08-03 2013-02-21 Tadano Ltd 作業車両

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