〔1〕第1実施形態
(1-1)複合機1の概要
第1実施形態の複合機1は、スキャナ、コピー機、ファクシミリ装置、及びプリンタとして機能する装置である。複合機1の概要について説明する。
図1に示すように、複合機1は、画像読取部2、画像形成部3、タッチパネル4、制御装置10等を備える。複合機1は、さらに、原稿台及び自動原稿搬送装置を備える。また、複合機1は、外部のPC(Personal Computer)から印刷用の画像データを受け取るデータ通信部、及び外部ファクシミリ装置との間でファクシミリのやり取りを行うファクシミリ通信部等を備える(いずれも図示せず)。
画像読取部2は、原稿台上に置かれた原稿又は自動原稿搬送装置により搬送中の原稿上の画像を読み取る。具体的には、画像読取部2は、光源、ミラー、レンズ、イメージセンサ等を備える。画像読取部2が画像を読み取ることで得た画像データは、図示しないメモリに保存される。
画像形成部3は、画像読取部2、上述のデータ通信部(図示せず)、又はファクシミリ通信部(図示せず)が得た画像データに基づいて、用紙(記録媒体の一例)上に画像を印刷(形成)する。
具体的には、画像形成部3は、現像部31及び用紙搬送部32を備え、この他に、転写部及び定着部(図示せず)を備える。現像部31は、例えば、感光体ドラムと、感光体ドラム上に静電潜像を描く描画部と、トナー(現像剤の一例)によってこの静電潜像を現像する現像器とを備える。現像された画像は、用紙搬送部32の搬送する用紙上に転写され、熱圧着によって用紙上に定着される。用紙搬送部32は、複数のローラやベルト等を備え、互いに異なるサイズの用紙が収容された複数の用紙カセット(図示せず)から、用紙を引き出して搬送する。
図1に示すように、タッチパネル4は、表示パネル(表示部)41及びタッチセンサ(検出部)42を備える。
表示パネル41としては、液晶表示パネル等の表示装置が好適に用いられる。
タッチセンサ42は、表示パネル41上における、ユーザの指やタッチペン等との接触点の位置(以下、「接触位置」と称する)を検出することができれば、その構造は特に限定されるものではない。例えば、タッチセンサ42としては、アナログ抵抗膜方式、静電容量方式等のタッチセンサが採用されてもよい。
なお、複合機1は、タッチパネル4以外にも、コピー、プリンタ、ファクシミリ、又はスキャナうちのいずれの機能を実行するかの選択を受け付ける主機能選択キー、及びテンキー等といったハードキーを、ユーザからの指示を受け付ける機構として備えていてもよい。
制御装置10は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を備え、複合機1内の動作を制御する。
具体的には、図1に示すように、制御装置10は、表示制御部11及び画像形成制御部12を備える。表示制御部11は、表示パネル41を制御し、種々の画面(ソフトキーを含む)を表示させる。画像形成制御部12は、タッチセンサ42からの信号に基づいて、画像形成制御部3の動作を制御する。
なお、画像形成制御部12は、タッチセンサ42以外の受付部、すなわちハードキー、データ通信部、及びファクシミリ装置等が、ユーザや外部装置から受け付けた指示やデータに基づいて、画像形成部3の動作を制御することができる。
また、制御装置10は、表示パネル41及び画像形成部3以外にも、画像読取装置2、データ通信部、ファクシミリ通信部等の動作を制御することができる。
制御装置10のこれらの機能は、CPUが、ROM等の中に格納されたプログラムを読み出して実行することで実現される。
(1-2)コピー受付時の動作
複合機1は、コピーの受付画面が、受付画面のデフォルトとして設定されている。以下では、図2〜図10を参照して、コピーの実行指示を受け付けるときの複写機1の動作を説明する。
図2に示すように、ユーザがタッチパネル4に触れるまでは、表示制御部11の制御の下、表示パネル41に初期画面が表示される(ステップS20)。図4に示すように、初期画面には、「画面に触れて下さい」等、ユーザにタッチパネル4に触れることを促すメッセージが表示される。
タッチセンサ42がユーザの接触を検知すると、検知信号がタッチセンサ42から制御装置10へ送信される(ステップS21でYes)。このとき、表示パネル41上に受付画面P(図6等)が表示されていなければ(ステップS22でNo)、表示制御部11は、接触位置T(図6等)が表示可能領域42a(図5等)に含まれるかどうかを判断する(ステップS23)。
接触位置Tが表示可能領域42a内に含まれていれば(ステップS23でYes)、表示制御部11は、スタートボタン(決定ボタン)B1(図6等)が接触位置Tに配置された受付画面Pを表示パネル41に表示させる(ステップS24)。他方、ステップS23が「No」であれば、つまり、接触位置Tが表示不可能領域42b(図5等)に含まれていれば、表示制御部11は、スタートボタンB1が、表示可能領域42aにおいて、接触位置Tから最も近い位置に配置された受付画面Pを、表示パネル41に表示させる(ステップS29)。
ステップS23、S24、及びS29について、詳細に説明する。
図5に示すように、タッチパネル4において、タッチセンサ42は、表示パネル41の下に、表示パネル41と重ねて配置されている。表示パネル41及びタッチセンサ42の外縁は長方形であり、長辺が図5の左右方向に平行に、短辺が図5の上下方向に平行になるように、配置されている。
表示制御部11は、タッチセンサ42からの検出信号のうち、特定の位置を示す検出信号を、表示可能領域42aからの検出信号として認識し、それ以外を表示不可能領域42bからの検出信号として認識する。つまり、タッチパネル4において、これらの領域42aと42bとの間に構造上の違いはない。
図5に示すように、本実施形態では、表示可能領域42aの外縁は長方形状であって、その外縁の長辺がタッチセンサ42の外縁の長方形の長辺に平行になるように、かつ、その短辺がタッチセンサ42の外縁の長方形の短辺に平行になるように、配置されている。表示可能領域42aの外縁の短辺は、図5の横方向において、タッチセンサ42の外縁の短辺との間に距離D1を置くように配置される。また、表示可能領域42aの外縁の長辺は、図5の横方向において、表示可能領域42aの外縁の長辺との間に距離D2を置くように配置される。表示可能領域42a以外の領域、すなわち、表示可能領域42aの外縁よりも、タッチセンサ42の外縁に近い領域が、表示不可能領域42bである。
ユーザの接触位置T(点線て示す丸印)が表示可能領域42a内(領域の境界上を含む)に位置する場合(ステップS23でYes)、表示制御部11の制御の下、図6に示すように、受付画面Pが表示パネル41に表示される。
受付画面Pは、スタートボタンB1と、スタートボタンB1の周囲を囲むように配置された機能設定ボタン(設定ボタンの一例)B2を含む。受付画面Pは、その外縁が楕円形であり、その楕円の中心が接触位置Tに位置するように表示される。また、受付画面Pは、その楕円の長径がタッチセンサ42の外縁の長辺に平行になるように、かつ短径がタッチセンサ42の外縁の短辺に平行になるように、表示される。スタートボタンB1は、楕円形状であり、その中心が接触位置Tに位置するように表示される(ステップS24)。
他方、ユーザの接触位置Tが、表示不可能領域42b内に位置する場合(ステップS23でNo)、受付画面Pは、図7に示す通りに配置される(ステップS29)。すなわち、ステップS29で表示される受付画面Pの内容は、ステップS24で表示される受付画面Pと同一であって、その表示位置のみが異なる。このように、表示制御部11が受付画面Pの表示位置を制御することで、受付画面P全体が表示される。つまり、表示不可能領域42b内がタッチされたときは、その接触位置Tの直近の表示可能領域42aの外縁を中心として、スタートボタンB1及び受付画面Pが表示される。
仮に、表示不可能領域42bが設定されず、接触位置Tがタッチパネル4上のどこに位置しても、そこを中心として受付画面Pが表示されるとする。この場合、接触位置Tがタッチセンサ42の外縁に非常に近いとき、受付画面Pの一部が表示パネル41の外縁よりも外側に位置するので、表示パネル41は、受付画面Pの一部を表示することができない。
これに対して、本実施形態では、表示可能領域42a及び表示不可能領域42bが設定されている。そして、図7に示すように、上述の距離D1及びD2は、受付画面Pの中心が表示可能領域42aの外縁上に位置するときに、受付画面Pの全体が表示されるように設定されている。具体的には、受付画面Pの長径をR1、短径をR2とすると、距離D1≧(1/2)×R1、距離D2≧(1/2)×R2と設定される。
このように、ユーザの接触位置Tからタッチセンサ42の外縁までの距離が所定値(D1、D2)以上であるときは、ユーザの接触位置T(第1位置)にスタートボタンB1が表示され、スタートボタンB1の周囲を囲むように、表示パネル41に、機能設定ボタンB2が表示される。そして、ユーザの接触位置Tからタッチセンサ42の外縁までの距離が所定値(D1、D2)未満であれば、接触位置Tまでの距離が所定値以上であって、接触位置Tまでの距離が最短である位置(第2位置)に、スタートボタンB1が表示される。
上述の主機能選択キーが、コピー、プリント、スキャン、ファクシミリ等の大まかな機能の選択を受け付けるキーであったのに対して、機能設定ボタンB2は、これら大まかな機能における、詳細な機能の設定を受け付けるボタンである。機能設定ボタンB2として、図6等には、コピー機能における、部数、倍率、集約等の機能に対応するボタンが描かれている。なお、図中で、機能設定ボタンB2において「・・・」と記載されている箇所は、その機能設定ボタンB2に対応する機能名が適宜表示されることを意味する。
機能設定ボタンB2には、それぞれ、対応する機能の設定値が表示される。受付画面Pが、例えば図6に示す状態であれば、「倍率」は「100%」、「部数」は「1」、「用紙サイズ」は「A4」と設定されている。
図6に示すように、受付画面Pにおいて、機能設定ボタンB2は、スタートボタンB1を囲むドーナツ形状の層構造を構成する。図6の受付画面Pは、2つの層(第1層C1及び第2層C2)を有し、スタートボタンB1に近い側から、第1層C1及び第2層C2が配置された2層構成となっている。1つの層には、2以上の機能設定ボタンB2が表示可能である。
本実施形態では、表示層数のデフォルトが“2”であるものとするが、デフォルトは0以上の整数であればよく、ユーザの指示に応じて変更可能である。例えば、表示層数のデフォルトは“0”であれば、ユーザがタッチパネル4に触れると、スタートボタンB1のみが表示され、後述するようにスタートボタンB1の長押しによって機能設定ボタンB2が表示される。
受付画面Pが表示された状態で、タッチパネル4にユーザが接触すると(S21及びS22の両方でYes)、ユーザの接触位置に表示されているボタンが押下されたものとして、制御装置10はユーザの指示を受け付ける(ステップS25)。指示の受付の詳細については、図3等を参照して後述する。
スタートボタンB1が押下されると(ステップS26)、画像形成制御部12の制御の下、それまでに受け付けたユーザからの指示に応じた設定(部数、画像サイズ、カラー/モノクロ等)で、画像形成部3がコピーを行う(ステップS27)。
なお、制御装置10が、スタートボタンB1の押下をコピーの実行指示と認識するのは、スタートボタンB1が短押しされたときである。短押しとは、押下の時間が後述のステップS31の長押しよりも短い時間であることを意味する。長押しと短押しとの押下時間の境界は、例えば1秒以下、0.7秒、0.5秒等に設定可能である。
スタートボタンB1が押下されずにキャンセルキー(図示せず)が押下されると(ステップS26でNo,ステップS28でYes)、コピーは実行されずに動作は終了となる。
次に、図3、図8〜図10等を参照して、受付画面Pを介した指示受付の詳細について説明する。
図3に示すように、スタートボタンB1が長押しされると(ステップS31でYes)、表示制御部11は、表示する層数を増加させる(ステップS32)。例えば、図6に示す画面で、スタートボタンB1が長押しされると、図8に示すように、第2層C2の外側に、第3層C3が表示される。
これ以外にも、表示層の数のデフォルトが“1”であれば、最初にユーザがタッチパネル4に触れたときには、表示可能な層のうち、第1層C1のみが表示される。そして、スタートボタンB1が長押しされると、表示制御部11の制御の下、第2層C2が表示され、再度長押しされると第3層C3が表示される。
なお、表示層数の最大値は、複合機1の有する機能、並びにオプション機器の種類及び数等によって、適宜設定される。
各層に表示されるボタンの種類は特に限定されないが、例えば、受付画面Pの内側、つまりスタートボタンB1に近い方の層内には、よく使われる機能についてのボタンや、大まかな設定を受け付けるボタンが配置されてもよい。例えば、図8の例では、第1層C1には、「モノクロ/カラー」、「倍率」、「片面/両面」、及び「部数」等、大まかな設定に対応するボタンが;第2層には、「用紙サイズ」、「ページ集約」、「鏡像」、「白黒反転」、「濃度調整」、「カラーバランス調整」、「画質選択」等、ページレイアウト、濃度、及び画質の設定に対応するボタンが;第3層には、「仕上げ」、「給紙トレイ選択」、「枠消し」、「センター移動」、「余白設定」等、オプション機器の設定や、印刷物の内容の編集等に対応するボタンが配置される。
また、各機能設定ボタンB2の配置は、初期設定値として、ユーザからの自由な指示内容に沿って、設定可能である。つまり、各層にどの機能設定ボタンB2を配置するか、またどのような順序で配置するかは、ユーザからの指示に応じて設定可能である。
また、機能設定ボタンB2の配列順序は特に限定されないが、関連する2つの機能に対応する機能設定ボタンB2は、互いに接近して配置されることが好ましい。特に、楕円の経方向において並んだ機能設定ボタンB2は、互いに関連する機能に対応することが好ましい。「関連する」機能として、例えば、併せて設定されることが多い2以上の機能が挙げられる。具体的には、「両面印刷」が設定されたときに「集約印刷」が併せて設定されることが多い場合には、図5に示すように、「片面/両面」ボタンの外側に「集約」ボタンが配置されることが好ましい。
図8に示す受付画面Pにおいて、機能設定ボタンB2のいずれかが押下されると(ステップS33でYes)、表示制御部11の制御の下、押下された機能設定ボタンB2と同層に、詳細設定ボタン(設定ボタンの一例)B3が表示される(ステップS34)。詳細設定ボタンB3は、押下された機能設定ボタンB2に対応する機能についての選択肢を表示する。詳細設定ボタンB3が押下されると(ステップS35でYes)、表示制御部11の制御の下、詳細設定ボタンB3の表示は消され、ステップS32で消された機能設定ボタンB2が再び表示される(ステップS36)。
具体的には、図8の受付画面Pで、第2層C2に含まれる「集約」ボタンが押下された場合、図9に示すように、第2層C2中の「集約」ボタン以外の機能設定ボタンB2の表示が消え、代わりに、「集約」機能に含まれる選択肢である「2 in 1」及び「4 in 1」にそれぞれ対応する詳細設定ボタンB3が、第2層C2に表示される。そして、「4 in 1」の詳細設定ボタンB3が押下されると、図10に示すように、表示されるボタンは図8の状態に戻るとともに、「集約」の機能設定ボタンB2内の設定値の表示は、指定された設定「4 in 1」に変更される。ユーザは、機能設定ボタンB2の表示内容を見ることで、どのような機能が設定されているかを、容易に認識することができる。
こうして押下された詳細設定ボタンB3に応じて、コピーについての詳細な設定がなされる。つまり、画像形成制御部21は、例えば図10の受付画面Pにおいて、スタートボタンB1が押下されると、2頁の原稿を1枚の用紙の片面に集約して印刷するように、画像形成制御部12を制御する。
複合機1では、タッチパネル4上でユーザが最初に触れた箇所にスタートボタンB1が表示される。つまり、ユーザが触りやすい箇所にスタートボタンB1が表示される。よって、ユーザにとっては操作が行いやすいという利点がある。
また、複合機1では、スタートボタンB1を囲む層中に、動作内容の設定指示を受け付ける設定ボタン(ボタンB2及びB3)が複数表示され、この層がスタートボタンB1から外に向かって重なるように配置される。特に、1つの機能についての選択肢(詳細設定ボタンB3)が、単一の層中に表示されるので、ユーザの指の移動範囲は、小さく抑えられる。特に、1つの受付画面Pに2以上の層が表示されると、多くの設定ボタンが表示されるので、ユーザは指を移動させて他の画面に移動することなく、様々な機能の設定を行うことができる。
また、個々の機能についての機能設定ボタンB2と、その機能設定ボタンB2に対応する機能の詳細設定ボタンB3とが、同一の層中に表示されるので、ユーザの指の移動範囲は、さらに小さく抑えられる。
また、複合機1では、スタートボタンB1と設定ボタン(ボタンB2及びB3)とが、同一の受付画面P中に表示される。よって、複合機1が多くの機能を有する場合にも、ユーザは、前もってスタートボタンB1の位置を把握しておく必要がなく、決定の指示を容易に入力することができる。
また、複合機1が多くの機能を有する場合にも、1つの受付画面P中に、複数の設定ボタン(ボタンB2及びB3)が配置されるので、ユーザは、実行可能な機能を容易に把握することができる。
〔2〕第2実施形態
第2実施形態の複合機は、表示制御部11が受付画面Pを第1実施形態とは異なる態様で表示させるようになっている以外は、第1実施形態の複合機1と同様の構成である。よって、以下、既に説明した部材等と同一の機能を有する部材等については、同一の符号を付して、その説明を省略することがある。
図11に示すように、本実施形態では、表示制御部11は、ステップS23、S24及びS29に代えて、ステップS113、S114、S119を実行する。これ以外の処理(ステップS110〜112、S115〜S118)は、図2のステップS20〜S22、及びS25〜S28と同様である。
図12に示すように、本実施形態では、表示制御部11は、表示判定マスクMによる判定を行う。すなわち、表示制御部11は、接触位置Tを中心として、楕円形の受付画面Pを配置したと仮定して、受付画面Pのうち、表示パネル41から外れる(表示できない)面積の大きさから、受付画面Pの形状を決定する。
通常、接触位置Tがタッチパネル4の中央付近であれば(ステップS113でNo)、表示制御部11は、接触位置Tを中心として、楕円形の受付画面Pを、表示パネル41上に表示させる(ステップS114)。このように表示されても、受付画面Pの全ての機能設定ボタンB2及び詳細設定ボタンB3は表示される。
しかし、受付画面Pのうち表示パネル41から外れる面積(受付画面Pのうち、図12でハッチングに含まれる面積)が、表示判定マスクMの2マス以上であれば(ステップS113でYes)、図13に示すように、表示制御部11は、スタートボタンB1を接触位置Tに配置し、スタートボタンB1の周囲機能設定ボタンB2を層状に配置しつつ、受付画面P全体が表示されるように、受付画面Pの大きさや形状を調整する(ステップS119)。なお、ステップS113の判定基準であるマス数は、「2」に限定されず、変更可能である。
受付画面P全体を表示するには、つまり、表示されないマス数が「2」未満になるように、表示制御部11は、受付画面Pの外縁を、一部が欠けた形状や、歪んだ楕円形状とすることができる(図13)。
また、表示制御部11は、通常の状態(ステップS114)であれば1つの層内に表示する機能設定ボタンB2を、ステップS119では、2つ以上の層に分けることができる。例えば、図13では、表示制御部11は、通常であれば第1層C1として表示される機能設定ボタンB2が、2つの層C1a及びC1bに分けて表示されている。
また、表示制御部11は、接触位置Tに合わせて、機能設定ボタンB2の数を減らすことができる。例えば、ユーザから、表示層数を“3”にするようにとの指示を予め受けていれば、表示制御部11は、図13に示すように、第2層C2の機能設定ボタンB2の一部を、層C2aとして層C1bの外側に表示し、第2層C2のその他の機能設定ボタンB2については表示を省略することで、表示層数を“3”とすることができる。
他方、表示する機能設定ボタンB2の数をユーザから予め指定されていれば、表示制御部11は、表示層数を増やすことにより、指定された全ての機能設定ボタンB2を表示することができる。
本実施形態の複合機においても、スタートボタンB1の長押しによる層数の変更や、詳細設定ボタンB3の表示、設定の受付など、第1実施形態の図3で説明した処理が行われる。
〔3〕その他の実施形態
(3-1)スタートボタンB1及び受付画面Pの外縁の形態は、楕円形に限らず、円形であってもよいし、三角形、四角形(正方形、長方形、及び平行四辺形等)、五角形等の多角形 であってもよい。
機能設定ボタンB2及び詳細設定ボタンB3の形状も、変更可能である。
(3-2)第1及び第2実施形態では、複写実行時に、ユーザがタッチパネル4を介して入力を行う場合について説明したが、第1及び第2実施形態の表示形態及び指示受付処理は、プリント機能使用時、ファクシミリ機能使用時、スキャナ機能使用時の画面表示に適用することもできる。
(3-3)表示可能領域42aの形状及び大きさは、受付画面Pの形状及び大きさに応じて、適宜変更される。
(3-4)表示制御部11は、スタートボタンB1が長押しされたときに、表示する機能設定ボタンB2の数又は表示層数を減少させてもよい。
また、表示制御部11は、スタートボタンB1以外のソフトキー又はハードキーを介して、表示ボタン数や表示層数の変更指示を受け付けてもよい。つまり、ボタン数変更受付部及び層数変更受付部は、スタートボタンB1には限定されない。
(3-5)第2実施形態では、接触位置Tから表示パネル41の縁までの距離が、受付画面P全体を表示できるものかどうかを判定するために、表示判定マスクMを用いている。ただし、表示判定マスクMを用いる以外にも、第1実施形態と同様に表示可能領域42aを用いるなど、接触位置Tから表示パネル41の縁までの距離が所定値以上であるか否かを判定できれば、その判定方法は限定されない。
また、逆に、第1実施形態において、接触位置Tから表示パネル41の縁までの距離が、表示判定マスクMを利用して評価されてもよい。
なお、上述の距離D1及びD2は、受付画面Pの長径や短径よりも大きく設定されていてもよい。すなわち、ユーザの使用態様などに応じて、距離D1及びD2、並びにステップS113の判断基準となる上述の表示判定マスクのマス数を変更することで、受付画面の表示位置を調整することができる。
(3-6)第1及び第2実施形態における表示形態及び指示受付処理は、複合機だけでなく、コピー機、プリンタ、ファクシミリ装置等、種々の画像形成装置に適用可能である。