JP2010266379A - 積層型ガスセンサ、及びその製造方法 - Google Patents

積層型ガスセンサ、及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】排気ガスセンサの特性を特に低化させることなく、耐熱衝撃性および耐久信頼性を向上させた排気ガス用の積層型ガスセンサを提供する。
【解決手段】基板(1)の一方の面の上に下部電極層(3)を挟んで固体電解質層(4)を備え、固体電解質層(4)の上に上部電極層(5)を備えた積層型ガスセンサであって、基板(1)が窒化珪素、炭化珪素及び窒化アルミの少なくとも一種の基板材料から成る緻密質の基板であり、必要に応じて下部電極層(3)の少なくとも一部及び基板(1)と固体電解質層(4)との間に熱膨張緩衝層(8)が備えられており、そして、固体電解質層(4)の熱膨張係数と固体電解質層(4)の少なくとも一部に接する基板(1)あるいは熱膨張緩衝層(8)の熱膨張係数との差が5ppm/℃以下である、積層型ガスセンサ、及びその製造方法を提供する。
【選択図】図2

Description

本発明は、例えば自動車の排ガス中の特定ガス成分を検出するための酸素センサやNOxセンサ等の積層型ガスセンサ、ならびにその積層型ガスセンサの製造方法に関するものである。
大気汚染防止のため、自動車エンジン等からの排ガスに対する規制が年々厳しくなっている。排ガス中の有害成分を低減する手段として、排ガス流路内に特定ガス成分の濃度を検出する濃度検出素子を設け、エンジンの燃焼制御により排ガス中の有害成分の発生を抑制するシステムや、排ガス中の酸素濃度や窒素酸化物(NOx)濃度等からエンジンの燃焼状態を知り、燃料噴射や空燃比等の制御にフィードバックするシステム等が用いられている。
この様な濃度検出素子として、その活性時間の早さ、高機能化の容易さ等から、従来のコップ型ガスセンサに変わり、例えば特許文献1に示されるように、センサ部と加熱用ヒータ部とを一体化した積層型の排気ガスセンサが広く用いられるようになってきた。
また、排気ガスセンサは、排気ガス中に燃焼により生じた水分が含まれているため、常に被水環境に曝されている。そのため、500℃以上の高温で使用される排気ガスセンサには耐熱衝撃性が要求される。現状の排気ガスセンサ用の基体では、通常熱膨張係数が大きいアルミナもしくはジルコニアが使用されているために、排気ガスセンサの耐熱衝撃温度が200℃と低くて好ましくない。
排気ガスセンサの耐熱衝撃性を向上するために、これまでに排気ガスセンサの最表面に多孔質のアルミナなどの保護コートを形成したものが提案されている。特許文献2には、積層型ガス検出素子において水滴の付着による熱衝撃により生じる素子自体の損傷を防ぎ、長寿命の積層型ガス検出素子を提供することを目的として、複数のセラミックス基板の接合界面が露出している面の少なくとも1面のうち、測定対象気体に曝されることになる接合界面を少なくとも覆うように多孔質保護層が設けられている積層型ガス検出素子が提案されている。
また、特許文献3には、水滴等の接触によっても抵抗発熱体を有する基体上に検出層を積層してなる板状の素子本体にクラックが生じることを防止することができる積層型ガスセンサ素子を提供することを目的として、素子本体の少なくとも測定対象気体に晒されることになる先端側であってその素子本体の長手方向に延びる各角部のうち抵抗発熱体の配置位置に近い側の角部を少なくとも覆うように多孔質保護層が形成され多孔質保護層の厚さは角部から20μm以上である積層型ガスセンサ素子が提案されている。
しかしながら、それらの提案された排気ガスセンサでは、耐被水性がまだ不充分であり、応答性などのセンサ特性を悪化させるという問題があり、更なる改良が望まれている。
また、低熱膨張なコージェライトを基体とする排気ガスセンサも提案されている。特許文献4には、高い耐熱衝撃性と低い熱伝導率を有する基板を備え低コストで製造できるガスセンサ及びそれを備えた自動車両を提供することを目的として、ガスセンサ部と、ガスセンサ部を支持する基板とを備えたガスセンサであって、基板はコージェライトを主成分とするセラミックス基板であり、セラミックス基板はムライト相を含むガスセンサが提案されている。
しかしながら、その提案された排気ガスセンサでは、熱伝導率が低いためヒータによるセンサ部の加熱が遅くなり、活性化が遅いという問題があり、更なる改良が望まれている。
また、多孔質窒化珪素を基体とする排気ガスセンサも提案されている。特許文献5には、多孔質基材上にイットリア安定化ジルコニア薄膜を効率よく形成させると共にピンホールフリーのイットリア安定化ジルコニア薄膜を形成しようとすることを目的として、酸素等のガスセンサや燃料電池に利用することが可能な、四窒化三ケイ素多孔質焼結体上に、イットリア安定化ジルコニア薄膜を形成してなるジルコニア薄膜の複合材料が提案されている。
しかしながら、その提案された排気ガスセンサでは、多孔質であるため低強度で耐熱衝撃性はまだ不充分であり、また低熱伝導率で活性化が遅いという問題があると共に、その表面に緻密なセンサ部の形成が困難であり、更なる改良が望まれている。
また、緻密な窒化珪素等を基体とする排気ガスセンサも提案されている。特許文献6には、素子を急速に加熱させると共に耐久性に優れたセラミックヒータを備えた酸素センサを得ることを目的として、単位体積当たりの熱容量が0.60cal/cm・℃以下、熱膨張係数が4.5×10‐6/℃以下、かつ曲げ強度50kg/mm以上の窒化珪素を主成分とするセラミック基体中に発熱体を埋設してなるセラミックヒータを用いて、筒状体の固体電解質を加熱するようにした酸素センサが提案されている。
しかしながら、その提案されている酸素センサでは、発熱体を埋設した基体と筒状体の固体電解質が一体化されていないため熱伝達が悪く、急速昇温性に問題があり、更なる改良が望まれている。
また、特許文献7には、通気性のあるポーラス基板を用いることの問題を回避し電極や固体電解質層以外に拡散律速のための層を付加することがなくて製造工程が少なく簡単で大量生産に適しておりしかも周辺回路や他のセンサなどとの複合化も容易な限界電流式酸素センサを提供することを目的として、通気性のない緻密な炭化珪素、窒化珪素、窒化アルミ等の基板と基板上に形成された下部電極層と下部電極層を覆うよう形成された通気性を有する酸素イオン導電性の固体電解質層と固体電解質層の上に設けられた上部電極層とを備える限界電流式酸素センサが提案されている。
しかしながら、この提案された緻密な窒化珪素等を基体とする排気ガスセンサでは、隙間があり、かつ通気性を有する固体電解質では強度が低く、また固体電解質と緻密な窒化珪素などの基体の熱膨張係数差が大きいため接合界面に過大な応力が残留し、耐熱衝撃性や耐久信頼性を満足することが困難であり、更なる改良が望まれている。
特開2006−023128号公報 特開2001−281210号公報 特開2003−322632号公報 特開2007−171118号公報 特開2000−062077号公報 特開平09−080012号公報 特開平10−197476号公報
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたものであり、特に、排気ガスセンサの特性を特に低化させることなく、耐熱衝撃性および耐久信頼性を向上させた排気ガス用の積層型ガスセンサを提供しようとするものである。
本願の請求項1に記載の発明(以下「本願の第一発明」という)は、基板(1)の一方の面の上に下部電極層(3)を挟んで固体電解質層(4)を備え、該固体電解質層(4)の上に上部電極層(5)を備えた積層型ガスセンサであって、該基板(1)が窒化珪素、炭化珪素及び窒化アルミの少なくとも一種の基板材料から成る緻密質の基板であり、必要に応じて該下部電極層(3)の少なくとも一部及び該基板(1)と該固体電解質層(4)との間に熱膨張緩衝層(8)が備えられており、そして、該固体電解質層(4)の熱膨張係数と該固体電解質層(4)の少なくとも一部に接する該基板(1)あるいは該熱膨張緩衝層(8)の熱膨張係数との差が5ppm/℃以下である、積層型ガスセンサを提供するものである。
かかる本願の第一発明では、用いる窒化珪素、炭化珪素及び窒化アルミの少なくとも一種の基板材料から成る緻密質の基板が、低熱膨張、高強度であるため耐熱衝撃性に優れ、かつ高熱伝導であるため、そのセンサの早期活性化に優れており、固体電解質層(4)の熱膨張係数とその固体電解質層(4)の少なくとも一部に接する基板(1)あるいは熱膨張緩衝層(8)の熱膨張係数との差が5ppm/℃以下であることによって、接合界面の応力の低減が可能になり、その結果、ガスセンサとしての耐熱衝撃性および耐久信頼性を確実に得ることが可能になる。その結果、基板の表面にかかる薄膜構造のセンサ素子が形成されることにより、排気ガスセンサの耐被水性を大幅に向上する。固体電解質層(4)の熱膨張係数とその固体電解質層(4)の少なくとも一部に接する基板(1)あるいは熱膨張緩衝層(8)の熱膨張係数との差が5ppm/℃を超えた場合には、接合界面の応力が増大し、接合界面に剥離や亀裂などが生じ、好ましくない。
第一発明の一つの好ましい態様として、前記基板(1)の熱膨張係数が5ppm/℃以下である、積層型ガスセンサが挙げられる(請求項2参照)。かかる態様によれば、ガスセンサとしての耐熱衝撃性をより確実に得ることが可能である。
第一発明のもう一つの好ましい態様として、前記固体電解質層(4)の少なくとも一部が前記基板(1)の一部と接する、積層型ガスセンサが挙げられる(請求項3参照)。かかる態様によれば、固体電解質層(4)の熱膨張係数と基板(1)の熱膨張係数との差を5ppm/℃以下にすることによって、ガスセンサとしての耐熱衝撃性をより確実に得ることが可能になる。
第一発明のもう一つの好ましい態様として、該固体電解質層(4)が固体電解質材料と熱膨張係数が5ppm/℃以下の脆性材料の混合結晶相からなるものである、積層型ガスセンサが挙げられる(請求項4参照)。かかる態様によれば、固体電解質層(4)の熱膨張係数と基板(1)あるいは熱膨張緩衝層(8)の熱膨張係数との差を5ppm/℃以下にすることがより容易になって、ガスセンサとしての耐熱衝撃性をより確実に得ることが可能である。
第一発明のもう一つの好ましい態様として、前記固体電解質層(4)の少なくとも一部が前記熱膨張緩衝層(8)の少なくとも一部と接する、積層型ガスセンサが挙げられる(請求項5参照)。かかる態様によれば、固体電解質層(4)の熱膨張係数と熱膨張緩衝層(8)の熱膨張係数との差を5ppm/℃以下にすることによって、ガスセンサとしての耐熱衝撃性をより確実に得ることが可能になる。
第一発明のもう一つの好ましい態様として、前記熱膨張緩衝層(8)の熱膨張係数が5〜10ppm/℃である、積層型ガスセンサが挙げられる(請求項6参照)。かかる態様によれば、固体電解質層(4)の熱膨張係数と熱膨張緩衝層(8)の熱膨張係数との差を5ppm/℃以下にすることが容易になって、ガスセンサとしての耐熱衝撃性をより確実に得ることが可能である。
第一発明のもう一つの好ましい態様として、前記熱膨張緩衝層(8)が固体電解質材料と熱膨張係数が5ppm/℃以下の脆性材料の混合結晶相からなるものである、積層型ガスセンサが挙げられる(請求項7参照)。かかる態様によれば、固体電解質層(4)の熱膨張係数と熱膨張緩衝層(8)の熱膨張係数との差を5ppm/℃以下にすることがより容易になって、ガスセンサとしての耐熱衝撃性をより確実に得ることが可能である。
第一発明のもう一つの好ましい態様として、前記熱膨張緩衝層(8)が、前記下部電極層(3)の一部及び前記基板(1)の一部に接して備えられている、積層型ガスセンサが挙げられる(請求項8参照)。かかる態様によれば、ガスセンサの特性をより良好に維持したままで、固体電解質層(4)の熱膨張係数と熱膨張緩衝層(8)の熱膨張係数との差を5ppm/℃以下にすることが容易になって、ガスセンサとしての耐熱衝撃性をより確実に得ることが可能である。
このように、固体電解質層(4)の熱膨張係数とその固体電解質層(4)の少なくとも一部に接する基板(1)あるいは熱膨張緩衝層(8)の熱膨張係数との差が5ppm/℃以下であるようにするために、基板(1)の熱膨張係数が5ppm/℃以下であって、その基板(1)に接する上の層である固体電解質層(4)の熱膨張係数を5〜10ppm/℃の範囲で選択することが可能である。また、固体電解質層(4)と基板(1)の間に熱膨張緩衝層(8)が位置する場合には、熱膨張緩衝層(8)の熱膨張係数を5〜10ppm/℃として、固体電解質層(4)の熱膨張係数を、5〜10ppm/℃との差が5ppm/℃以下である広い範囲で選択することが可能になる。
第一発明のもう一つの好ましい態様として、前記基板(1)の他方の面、あるいは前記基板(1)の内部において、加熱用ヒータ(7)が更に備えられている、積層型ガスセンサが挙げられる(請求項9参照)。かかる態様によれば、ヒータ(7)、基板(1)および固体電解質層が一体化されているため固体電解質層の昇温が早く、センサの早期活性が可能である。
第一発明のもう一つの好ましい態様として、前記固体電解質層(4)の上に前記上部電極層(5)を挟んでガス拡散層(6)が更に備えられている、積層型ガスセンサが挙げられる(請求項10参照)。かかる態様によれば、限界電流式酸素センサとしてガス濃度の変化を検知することが可能である。
本願の請求項11に記載の発明(以下「本願の第二発明」という)は、基板(1)の一方の面の上に下部電極層(3)を挟んで固体電解質層(4)を設け、該固体電解質層(4)の上に上部電極層(5)を設けてなる、積層型ガスセンサの製造方法であって、
窒化珪素、炭化珪素及び窒化アルミの少なくとも一種の基板材料を用いて緻密質の該基板(1)を形成する工程、
該基板(1)の一方の面の一部の上に下部電極層(3)を配する工程、
該下部電極層(3)及び該下部電極層(3)が配されていない該基板(1)の該面の一部の上に、エアロゾルデポジション法により、該基板(1)の熱膨張係数との差が5ppm/℃以下である熱膨張係数を有する該固体電解質層(4)を形成する工程、及び
該固体電解質層(4)の一部の上に該上部電極層(5)を配する工程
を含む、積層型ガスセンサの製造方法を提供するものである。
かかる本願の第二発明では、用いる窒化珪素、炭化珪素及び窒化アルミの少なくとも一種の基板材料から成る緻密質の基板が、低熱膨張、高強度であるため耐熱衝撃性に優れ、かつ高熱伝導であるため、そのセンサの早期活性化に優れており、固体電解質層(4)の熱膨張係数と基板(1)の熱膨張係数との差を5ppm/℃以下にすることによって、ガスセンサとしての耐熱衝撃性および耐久信頼性をより確実に得ることが可能な積層型ガスセンサを有利に製造することが可能である。
また、本願の請求項12に記載の発明(以下「本願の第三発明」という)は、基板(1)の一方の面の上に下部電極層(3)及び熱膨張緩衝層(8)を挟んで固体電解質層(4)を設け、該固体電解質層(4)の上に上部電極層(5)を設けてなる、積層型ガスセンサの製造方法であって、
窒化珪素、炭化珪素及び窒化アルミの少なくとも一種の基板材料を用いて緻密質の該基板(1)を形成する工程、
該基板(1)の一方の面の一部の上に下部電極層(3)を配する工程、
少なくとも該下部電極層(3)が配されていない該基板(1)の該面の一部の上に、エアロゾルデポジション法により該熱膨張緩衝層(8)を形成する工程、
少なくとも該熱膨張緩衝層(8)の上に、該熱膨張緩衝層(8)の熱膨張係数との差が5ppm/℃以下である熱膨張係数を有する該固体電解質層(4)を形成する工程、及び
該固体電解質層(4)の一部の上に該上部電極層(5)を配する工程
を含む、積層型ガスセンサの製造方法を提供するものである。
その本願の第三発明でも、用いる窒化珪素、炭化珪素及び窒化アルミの少なくとも一種の基板材料から成る緻密質の基板が、低熱膨張、高強度であるため耐熱衝撃性に優れ、かつ高熱伝導であるため、そのセンサの早期活性化に優れており、固体電解質層(4)の熱膨張係数と熱膨張緩衝層(8)の熱膨張係数との差を5ppm/℃以下にすることによって、ガスセンサとしての耐熱衝撃性をより確実に得ることが可能な積層型ガスセンサを有利に製造することが可能である。
第二発明の一つの好ましい態様として、前記固体電解質層(4)を形成する工程が、前記固体電解質材料の微結晶粒子と熱膨張係数が5ppm/℃以下の脆性材料の微結晶粒子を用いて、エアロゾルデポジション法により該固体電解質材料と熱膨張係数が5ppm/℃以下の脆性材料の混合結晶相の該固体電解質層(4)を形成するものである、積層型ガスセンサの製造方法が挙げられる(請求項13参照)。かかる態様によれば、固体電解質層(4)の熱膨張係数を10ppm/℃以下とすることができ、基板(1)との熱膨張係数の差をより容易に5ppm/℃以下とすることが可能である。
第三発明の一つの好ましい態様として、前記熱膨張緩衝層(8)を形成する工程が、前記固体電解質材料の微結晶粒子と熱膨張係数が5ppm/℃以下の脆性材料の微結晶粒子を用いてエアロゾルデポジション法により該固体電解質材料と熱膨張係数が5ppm/℃以下の脆性材料の混合結晶相の該熱膨張緩衝層(8)を形成するものである、積層型ガスセンサの製造方法が挙げられる(請求項14参照)。かかる態様によれば、熱膨張緩衝層(8)の熱膨張係数を5〜10ppm/℃以下とすることができ、基板(1)および固体電解質層(4)との熱膨張係数の差をより容易に5ppm/℃以下とすることが可能である。
第三発明のもう一つの好ましい態様として、前記熱膨張緩衝層(8)を形成する工程が、前記下部電極層(3)が配されていない前記基板(1)の前記面の一部、及び前記下部電極層(3)の一部の上に、該熱膨張緩衝層(8)を形成するものである、積層型ガスセンサの製造方法が挙げられる(請求項15参照)。かかる態様によれば、前記下部電極層(3)の上の大部分に熱膨張係数が10ppm/℃の高イオン導電性を有する固体電解質層(4)のみを形成し、基板(1)とは熱膨張緩衝層(8)を挟んで接合できるため、センサ特性と耐熱衝撃性をともに向上することが可能である。
第二発明及び第三発明のもう一つの好ましい態様として、前記基板(1)の他方の面に、又は前記基板(1)の内部に、加熱用ヒータ(7)を配する工程を更に含む、積層型ガスセンサの製造方法が挙げられる(請求項16参照)。かかる態様によれば、加熱用ヒータ、基板および固体電解質層を一体化し、熱伝達を向上できるためセンサの早期活性化が可能である。
第二発明及び第三発明のもう一つの好ましい態様として、前記固体電解質層(4)の上に前記上部電極層(5)を挟んでガス拡散層(6)を配する工程を更に含む、積層型ガスセンサの製造方法が挙げられる(請求項17参照)。かかる態様によれば、限界電流式酸素センサとしてガス濃度の変化を検知することが可能である。
本発明の積層型ガスセンサの製造方法によれば、原料セラミック粒子の結晶相を維持したまま成膜できる。また、本発明の積層型ガスセンサでは、例えば、熱膨張係数が5ppm/℃以下と小さい基板上に、熱膨張係数が10ppm/℃以上のイットリア安定化ジルコニア(YSZ)などの固体電解質との熱膨張係数の差による応力を低減するため固体電解質との熱膨張係数の差が5ppm/℃以下のセラミック粉の混合粉により、固体電解質膜を形成することによって応力を低減させることができる。
また、固体電解質との熱膨張係数の差が5ppm/℃以下のセラミック粉の混合粉を、中間緩衝層としての熱膨張緩衝層に形成することによっても、応力を低減させることが可能である。また、この電極層の端部及び基板部と固体電解質層の界面のみにそのような熱膨張緩衝層を形成することにより、ガスセンサの特性を悪化させることなく、応力を低減させることが可能になる。
本発明のガスセンサを模式的に示す説明図である。 本発明のガスセンサを、図1におけるA−A’部の断面で模式的に示す説明図である。 本発明のガスセンサを、図1におけるA−A’部の断面で模式的に示す説明図である。
本発明の積層型ガスセンサにおける基板1は、窒化珪素、炭化珪素及び窒化アルミの少なくとも一種の基板材料から成る緻密質のものである。それらのうちで、高温での高強度の点で、窒化珪素及び炭化珪素が好ましく、特に窒化珪素が好ましい。また、基板1は、通常7ppm/℃以下の熱膨張係数を有するものであって、耐熱衝撃性の点でより好ましくは5ppm/℃以下の熱膨張係数を有するものである。
尚、基板1は、通常0.1〜5mm、より好ましくは0.2〜2mmの厚さを有する。また、基板1は、通常、ドクターブレード法によりシート成形したものを焼成する方法で形成されるものである。
固体電解質層4は、それが基板1に直接接する場合には、基板1の熱膨張係数との差が5ppm/℃以下の熱膨張係数を有するものであることが望ましい。例えば、基板1の熱膨張係数よりも5ppm/℃以下だけ大きい熱膨張係数を有する固体電解質層4として、熱膨張係数が好ましくは5〜10ppm/℃、特に好ましくは5〜8ppm/℃であるものが挙げられ、より具体的には、固体電解質材料と熱膨張係数が5ppm/℃以下の脆性材料の混合結晶相からなるものが挙げられる。
その固体電解質材料の具体例としては、イットリア安定化ジルコニア、カルシア安定化ジルコニア、マグネシア安定化ジルコニア、セリア安定化ジルコニア等が挙げられ、その中でもイットリア安定化ジルコニアが好適である。熱膨張係数が5ppm/℃以下の脆性材料の具体例としては、窒化珪素、炭化珪素、窒化アルミ、ムライト、コージライト等が挙げられる。
その固体電解質材料の上記の熱膨張係数が5ppm/℃以下の脆性材料に対する混合割合としては、好ましくは50.0%〜99.0%、特に好ましくは70.0〜99.0%が挙げられる。また、固体電解質材料の結晶の大きさとしては通常0.01〜5.0μmが好ましく、熱膨張係数が5ppm/℃以下の脆性材料の結晶の大きさとしては通常0.01〜5μmが好ましい。
固体電解質層4が、基板1に接するのではなくて、熱膨張緩衝層8を介して存在しており、基板1に直接接していない場合には、基板1の熱膨張係数との差が5ppm/℃よりも大きな熱膨張係数を有するものであってもよい。即ち、その場合には、固体電解質層4としては、熱膨張緩衝層8の熱膨張係数との差が5ppm/℃以下であるような熱膨張係数を有するものであることが望ましい。
上記のような固体電解質層4としては、固体電解質材料と上記の熱膨張係数が5ppm/℃以下の脆性材料の混合結晶相からなるものであってもよく、或いは、通常使用されるようなジルコニア(ZrO)等の固体電解質材料であってもよい。その固体電解質層であるジルコニア層には、通常、イットリア(Y)を固溶させたイットリア安定化ジルコニアが用いられる。
また、固体電解質層4は、通常1〜100μm、より好ましくは2〜20μmの厚さを有する。また、固体電解質層4は、後述するようなエアロゾルデポジション法等の方法で形成されるものである。
熱膨張緩衝層8としては、固体電解質層4の熱膨張係数との差が5ppm/℃以下である熱膨張係数を有するものであることが望ましい。そのような熱膨張緩衝層8としては、熱膨張係数が好ましくは5〜10ppm/℃、特に好ましくは6〜8ppm/℃であるものが挙げられ、より具体的には、固体電解質材料と熱膨張係数が5ppm/℃以下の脆性材料の混合結晶相からなるものが挙げられる。その固体電解質材料の具体例としては、イットリア安定化ジルコニア、カルシア安定化ジルコニア、マグネシア安定化ジルコニア、セリア安定化ジルコニア等が挙げられ、その中でもイットリア安定化ジルコニアが好適である。また、熱膨張係数が5ppm/℃以下の脆性材料の具体例としては、窒化珪素、炭化珪素、窒化アルミ、ムライト、コージライト等が挙げられる。尚、その固体電解質材料の上記の熱膨張係数が5ppm/℃以下の脆性材料に対する混合割合としては、好ましくは10.0〜90.0、特に好ましくは30.0〜70.0が挙げられる。また、固体電解質材料の結晶の大きさとしては通常0.01〜5.0μmが好ましく、熱膨張係数が5ppm/℃以下の脆性材料の結晶の大きさとしては通常0.01〜5.0μmが好ましい。
尚、熱膨張緩衝層8は、通常0.1〜10μm、より好ましくは1〜5μmの厚さを有する。また、熱膨張緩衝層8は、後述するようなエアロゾルデポジション法等の方法で形成されるものである。
また、下部電極層3(基準電極)は、通常の下部電極層であって、特に制限されるものではなくて、より具体的には、白金(Pt)等から成るものが挙げられ、通常0.1〜5μmの厚さを有する。
上部電極層5(測定電極)は、通常の上部電極層であって、特に制限されるものではなくて、より具体的には、白金(Pt)等から成るものが挙げられ、通常0.1〜5μmの厚さを有する。
ガス拡散層6は、通常のガス拡散層であって、特に制限されるものではなくて、より具体的には、窒化珪素、コージェライト、アルミナ等から成るものが挙げられ、通常1〜100μmの厚さを有する。
また、加熱用ヒータ7は、ガスセンサを室温から1000℃程度の任意の温度環境下において、高感度で安定的に使用することを可能にするためのものであって、基板1の裏面側に、或いは基板1の内部に設置される。かかる加熱用ヒータ7は、適宜望ましい形状に成形された白金(Pt)層、モリブデン(Mo)等からなるものであって、通常1〜10μmの厚さを有する。
ガス拡散層6は、被測定ガスが拡散して上部電極層5(測定電極)に被測定ガスを到達させるためのものであって、その具体例として、窒化珪素、コージェライト、アルミナ等からなる膜状のガス拡散層が挙げられる。
また、本発明の積層型ガスセンサの製造方法におけるエアロゾルデポジション法は、セラミックスなどの微粒子をガス中に分散させたエアロゾルをノズルから例えば基板1及び下部電極層3に向けて噴射し、基板1と下部電極層3に微粒子を衝突させ、この衝突の衝撃により微粒子を接合させ、基板1と下部電極層3の上に微粒子の構成材料からなる薄膜の固体電解質層4をダイレクトで形成させることができ、特に加熱手段を必要としない常温で薄膜が形成可能である。エアロゾルデポジション法のプロセス温度は常温であり、微粒子材料の融点より十分に低い温度、すなわち数百℃以下で薄膜形成が行われる。
通常のセラミックの焼結においては、その融点近傍まで加熱する必要があるが、本発明においては基材への衝突エネルギーを利用して薄膜を作成するため、高温での焼結工程を省くことが可能となり生産性の面で優れている。またスパッタ法により薄膜を形成する場合に比べ、低真空であること、成膜時間が短いことなどから生産性の面で優れている。
エアロゾルデポジション法のより具体的な条件としては、プロセス温度が通常室温〜400℃、より好ましくは室温〜100℃であり、セラミックスなどの微粒子の結晶サイズが通常0.01〜10μm、より好ましくは0.1〜5μmであり、プロセスガスが通常空気、窒素ガス又はヘリウムガス等である。
エアロゾルデポジション法に用いられる装置は、通常エアロゾルを発生させるエアロゾル発生器と、エアロゾルを基材に向けて噴射するノズルとからなり、ノズルの開口よりも大きな面積で構造物を作製する場合には、基材とノズルを相対的に移動・揺動させる位置制御手段を有し、減圧下で作製を行う場合には構造物を形成させるチャンバーと真空ポンプを有し、またエアロゾルを発生させるためのガス発生源を備える。
本発明における熱膨張係数は、例えば「1ppm/℃の熱膨張係数」の場合、温度が1℃変化することによって、1/10の比率で対象物の体積が膨張することを意味する。また、かかる熱膨張係数の測定装置としては、通常レーザスペックル歪み計が用いられ、その測定は通常40℃〜800℃の条件で行われる。
本発明における「緻密質」とは、気孔率が5%以下であることを意味する。また、基板が緻密質であることは、通常比重測定、浸透液による検査、あるいはSEM観察等の方法によって確認することができる。
本発明における「脆性材料」とは、具体的にはセラミックスであることを意味する。
以下に本願発明についての実施例を挙げて更に具体的に本願発明を説明するが、それらの実施例によって本願発明が何ら限定されるものではない。
実施形態例1
図1には、基板1とその上に形成された、全体の厚みが通常0.1〜5mm、より好ましくは0.2〜3mmであるガスセンサ部2からなる積層型ガスセンサの実施形態が模式的に示されており、図2には、図1におけるA−A’部の断面として、より具体的に本発明の積層型ガスセンサの実施形態例1が模式的に記載されている。即ち、図2において、基板1の一方の面の一部の上に下部電極層3が備えられており、その下部電極層3及び下部電極層3の配されていない基板1の部分の上に固体電解質層4が備えられており、その固体電解質層4の一部の上に上部電極層5が備えられており、さらにその上部電極層5及び上部電極層5の配されていない固体電解質層4の上にガス拡散層6が備えられている。また、図2の基板1の他方の面の一部には、加熱用ヒータ7が備えられている。ここで、固体電解質層4の熱膨張係数と、それに接する下の層である基板1の熱膨張係数との差が5ppm/℃以下である。
実施形態例2
図3には、図1におけるA−A’部の断面として、より具体的に本発明の積層型ガスセンサの実施形態例3が模式的に記載されている。即ち、図3において、基板1の一方の面の一部の上に下部電極層3が備えられており、その下部電極層3の一部であるその端部周辺及び基板1の部分の上に熱膨張緩衝層8が備えられており、その熱膨張緩衝層8及び熱膨張緩衝層8が配されていない下部電極層3の上に固体電解質層4が備えられており、その固体電解質層4の一部の上に上部電極層5が備えられており、さらにその上部電極層5及び上部電極層5の配されていない固体電解質層4の上にガス拡散層6が備えられている。また、図3の基板1の他方の面の一部には、加熱用ヒータ7が備えられている。ここで、固体電解質層4の熱膨張係数と、それに接する下の層である熱膨張緩衝層8の熱膨張係数との差が5ppm/℃以下である。
実施例1
市販されている窒化珪素基板(東芝セラミックTSN−90、熱膨張係数3.4ppm/℃)を4×40mmの形状に切断し、端面を研磨したものをセンサ基板とし、一方の面にPtヒータ層を、また他方の面に1mm角のPt第1電極層と測定用リード電極を形成した。このPt第1電極層の全面を覆うようにイットリア安定化ジルコニア原料粉80%と窒化珪素原料粉20%を混合した微粒子混合粉を用いてエアロゾルデポジッション法にて膜厚10μmの固体電解質層を2mm角の大きさで形成した。成膜に用いたエアロゾルデポジッション法の条件は、原料微粒子中にHeガスを10リットル/分導入し原料微粒子をエアロゾル化し、減圧した成膜室にノズルを介して導入し、該ノズルと対向して設置された前記窒化珪素基板に噴射することにより成膜した。成膜時の圧力はエアロゾル化室30kPa、成膜室0.2kPaであった。なお、固体電解質層の熱膨張係数をレーザスペックル法にて評価した結果7.8ppm/℃であり、窒化珪素基板の熱膨張係数との差が4.4ppm/℃であった。
次に、固体電解質層の上面に1.5mm角のPt第2電極層と測定用リード電極を形成した。上記の作製サンプルにて耐熱衝撃性(耐被水性)を評価した。評価方法は、ヒータ電極に放射温度計にて固体電解質層が800℃になるように電流を印加し、その状態で室温の水中に浸漬した後、電流印加を停止し取り出した。このセンサをクラック評価用の浸透チェック液に浸漬した後浸透液をふき取り、クラックの有無を実体顕微鏡にて観察評価した。その結果、窒化珪素基板および固体電解質層にクラック、剥離などは発生しなかった。
比較例1
市販されているアルミナ基板(A476、熱膨張係数7.9ppm/℃)を4×40mmの形状に切断し、端面を研磨したものをセンサ基板とし、一方の面にPtヒータ層を、また他方の面に1mm角のPt第1電極層と測定用リード電極を形成した。このPt第1電極層の全面を覆うようにイットリア安定化ジルコニア原料粉1000%の微粒子粉を用いてエアロゾルデポジッション法にて膜厚10μmの固体電解質層を2mm角の大きさで形成した。成膜に用いたエアロゾルデポジッション法の条件は、原料微粒子中にHeガスを10リットル/分導入し原料微粒子をエアロゾル化し、減圧した成膜室にノズルを介して導入し、該ノズルと対向して設置された前記アルミナ基板に噴射することにより成膜した。成膜時の圧力はエアロゾル化室30kPa、成膜室0.2kPaであった。なお固体電解質層の熱膨張係数をレーザスペックル法にて評価した結果10.5ppm/℃であり、アルミナ基板の熱膨張係数との差が2.6ppm/℃であった。
次に、固体電解質層の上面に1.5mm角のPt第2電極層と測定用リード電極を形成した。上記の作製サンプルにて耐熱衝撃性(耐被水性)を評価した。評価方法は、ヒータ電極に放射温度計にて固体電解質層が250℃になるように電流を印加し、その状態で室温の水中に浸漬した後、電流印加を停止し取り出した。このセンサをクラック評価用の浸透チェック液に浸漬した後浸透液をふき取り、クラックの有無を実体顕微鏡にて観察評価した。その結果、アルミナ基板および固体電解質層に大きなクラックが観察された。

Claims (17)

  1. 基板(1)の一方の面の上に下部電極層(3)を挟んで固体電解質層(4)を備え、該固体電解質層(4)の上に上部電極層(5)を備えた積層型ガスセンサであって、該基板(1)が窒化珪素、炭化珪素及び窒化アルミの少なくとも一種の基板材料から成る緻密質の基板であり、必要に応じて該下部電極層(3)の少なくとも一部及び該基板(1)と該固体電解質層(4)との間に熱膨張緩衝層(8)が備えられており、そして、該固体電解質層(4)の熱膨張係数と該固体電解質層(4)の少なくとも一部に接する該基板(1)あるいは該熱膨張緩衝層(8)の熱膨張係数との差が5ppm/℃以下である、積層型ガスセンサ。
  2. 前記基板(1)の熱膨張係数が5ppm/℃以下である、請求項1に記載の積層型ガスセンサ。
  3. 前記固体電解質層(4)の少なくとも一部が前記基板(1)の一部と接する、請求項1又は2に記載の積層型ガスセンサ。
  4. 該固体電解質層(4)が固体電解質材料と熱膨張係数が5ppm/℃以下の脆性材料の混合結晶相からなるものである、請求項3に記載の積層型ガスセンサ。
  5. 前記固体電解質層(4)の少なくとも一部が前記熱膨張緩衝層(8)の少なくとも一部と接する、請求項1又は2に記載の積層型ガスセンサ。
  6. 前記熱膨張緩衝層(8)の熱膨張係数が5〜10ppm/℃である、請求項5に記載の積層型ガスセンサ。
  7. 前記熱膨張緩衝層(8)が固体電解質材料と熱膨張係数が5ppm/℃以下の脆性材料の混合結晶相からなるものである、請求項6に記載の積層型ガスセンサ。
  8. 前記熱膨張緩衝層(8)が、前記下部電極層(3)の一部及び前記基板(1)の一部に接して備えられている、請求項5〜7のいずれか一項に記載の積層型ガスセンサ。
  9. 前記基板(1)の他方の面、あるいは前記基板(1)の内部において、加熱用ヒータ(7)が更に備えられている、請求項1〜8のいずれか一項に記載の積層型ガスセンサ。
  10. 前記固体電解質層(4)の上に前記上部電極層(5)を挟んでガス拡散層(6)が更に備えられている、請求項1〜9のいずれか一項に記載の積層型ガスセンサ。
  11. 基板(1)の一方の面の上に下部電極層(3)を挟んで固体電解質層(4)を設け、該固体電解質層(4)の上に上部電極層(5)を設けてなる、積層型ガスセンサの製造方法であって、
    窒化珪素、炭化珪素及び窒化アルミの少なくとも一種の基板材料を用いて緻密質の該基板(1)を形成する工程、
    該基板(1)の一方の面の一部の上に下部電極層(3)を配する工程、
    該下部電極層(3)及び該下部電極層(3)が配されていない該基板(1)の該面の一部の上に、エアロゾルデポジション法により、該基板(1)の熱膨張係数との差が5ppm/℃以下である熱膨張係数を有する該固体電解質層(4)を形成する工程、及び
    該固体電解質層(4)の一部の上に該上部電極層(5)を配する工程
    を含む、積層型ガスセンサの製造方法。
  12. 基板(1)の一方の面の上に下部電極層(3)及び熱膨張緩衝層(8)を挟んで固体電解質層(4)を設け、該固体電解質層(4)の上に上部電極層(5)を設けてなる、積層型ガスセンサの製造方法であって、
    窒化珪素、炭化珪素及び窒化アルミの少なくとも一種の基板材料を用いて緻密質の該基板(1)を形成する工程、
    該基板(1)の一方の面の一部の上に下部電極層(3)を配する工程、
    少なくとも該下部電極層(3)が配されていない該基板(1)の該面の一部の上に、エアロゾルデポジション法により該熱膨張緩衝層(8)を形成する工程、
    少なくとも該熱膨張緩衝層(8)の上に、該熱膨張緩衝層(8)の熱膨張係数との差が5ppm/℃以下である熱膨張係数を有する該固体電解質層(4)を形成する工程、及び
    該固体電解質層(4)の一部の上に該上部電極層(5)を配する工程
    を含む、積層型ガスセンサの製造方法。
  13. 前記固体電解質層(4)を形成する工程が、前記固体電解質材料の微結晶粒子と熱膨張係数が5ppm/℃以下の脆性材料の微結晶粒子を用いて、エアロゾルデポジション法により該固体電解質材料と熱膨張係数が5ppm/℃以下の脆性材料の混合結晶相の該固体電解質層(4)を形成するものである、請求項11に記載の積層型ガスセンサの製造方法。
  14. 前記熱膨張緩衝層(8)を形成する工程が、前記固体電解質材料の微結晶粒子と熱膨張係数が5ppm/℃以下の脆性材料の微結晶粒子を用いてエアロゾルデポジション法により該固体電解質材料と熱膨張係数が5ppm/℃以下の脆性材料の混合結晶相の該熱膨張緩衝層(8)を形成するものである、請求項12に記載の積層型ガスセンサの製造方法。
  15. 前記熱膨張緩衝層(8)を形成する工程が、前記下部電極層(3)が配されていない前記基板(1)の前記面の一部、及び前記下部電極層(3)の一部の上に、該熱膨張緩衝層(8)を形成するものである、請求項12又は14に記載の積層型ガスセンサの製造方法。
  16. 前記基板(1)の他方の面に、又は前記基板(1)の内部に、加熱用ヒータ(7)を配する工程を更に含む、請求項11又は12に記載の積層型ガスセンサの製造方法。
  17. 前記固体電解質層(4)の上に前記上部電極層(5)を挟んでガス拡散層(6)を配する工程を更に含む、請求項11又は12に記載の積層型ガスセンサの製造方法。
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