JP2010263088A - リアクトル構造体、およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来構造よりも放熱特性に優れたリアクトル構造体、及びその製造方法を提供する。
【解決手段】コイルとコイルが挿通されるコアとを有するリアクトル10をケース90に収納した状態でケース90内に熱硬化性の樹脂80を充填し、樹脂80を硬化させることで、リアクトル10とケース90と樹脂80とが一体となったリアクトル構造体1を製造する。その際、ケース90内に充填した樹脂80を硬化させる際、ケース90の底面側がケースの開口部側よりも高温となるように温度勾配を形成し、底面側の樹脂80が開口部側の樹脂80よりも先に硬化するようにする。この製造方法により製造されたリアクトル構造体1は、ケース90の内周面近傍において、硬化後の樹脂80に殆ど亀裂が生じていないので、放熱特性に優れる。
【選択図】図2
【解決手段】コイルとコイルが挿通されるコアとを有するリアクトル10をケース90に収納した状態でケース90内に熱硬化性の樹脂80を充填し、樹脂80を硬化させることで、リアクトル10とケース90と樹脂80とが一体となったリアクトル構造体1を製造する。その際、ケース90内に充填した樹脂80を硬化させる際、ケース90の底面側がケースの開口部側よりも高温となるように温度勾配を形成し、底面側の樹脂80が開口部側の樹脂80よりも先に硬化するようにする。この製造方法により製造されたリアクトル構造体1は、ケース90の内周面近傍において、硬化後の樹脂80に殆ど亀裂が生じていないので、放熱特性に優れる。
【選択図】図2
Description
本発明は、電気自動車やハイブリット自動車などの移動体におけるコンバータなどの構成部品に利用されるリアクトル構造体、およびその製造方法に関するものである。
従来から、コイルと、コイルに挿通されるコアとを備えるリアクトルが知られている。このようなリアクトルを大電流で使用する場合、コアとコイルの発熱が大きくなるので、この熱を速やかに放熱する構成とすることが好ましい。
従来、リアクトルの放熱特性を上げる構成として、代表的には、リアクトルをケース(例えば、アルミニウム製)に入れ、ケースとリアクトルとの間に熱伝導性の高い樹脂をポッティングすることで形成したリアクトル構造体が提案されている(例えば、特許文献1の図3を参照)。この構成によれば、樹脂とケースを介してリアクトルで発生した熱を外部に放熱することができる。
しかし、近年では、上述のような放熱対策を施したリアクトル構造体をより大電流で利用する傾向にあり、リアクトル構造体の放熱特性をさらに向上させることが望まれている。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的の一つは、従来構造よりも放熱特性に優れたリアクトル構造体、及びその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、リアクトル構造体の放熱特性を向上させるため、従来構造のリアクトル構造体を詳細に調べた結果、ケース底面側の四隅におけるポッティング樹脂とケースとの間に隙間が生じていたり、ポッティング樹脂におけるケースの開口部側の周縁に非常に微細な亀裂が生じているとの知見を得た。このような微細な亀裂が生じているだけであれば、リアクトル構造体の放熱特性が設計理論値よりも大きく低下することはないが、リアクトル構造体の使用に伴い、亀裂がケースの底面側深くまで進展し、ケースから樹脂が剥離する虞がある。特に、大電流で利用されるリアクトル構造体のリアクトルの発熱対策として、耐熱性の高いエポキシ樹脂を利用した場合、エポキシ樹脂は硬く、伸びにくい上、硬化時の収縮が大きいため、亀裂が生じ易くなる虞がある。
本発明者らは、上記知見からリアクトル構造体を作製する際の樹脂の硬化状態をコントロールすることで、樹脂における亀裂の発生を抑制できるのではないかという着想を得、本発明を完成するに至った。以下に、本発明を説明する。
本発明リアクトル構造体の製造方法は、コイルとコイルが挿通されるコアとを有するリアクトルをケースに収納した状態でケース内に熱硬化性の樹脂を充填し、樹脂を硬化させることで、リアクトルとケースと樹脂とが一体となったリアクトル構造体を製造する方法に係る。そして、この本発明リアクトル構造体の製造方法は、ケース内に充填した樹脂を硬化させる際、前記ケースの底面側がケースの開口部側よりも高温となるように温度勾配を形成し、底面側の樹脂が開口部側の樹脂よりも先に硬化するようにしたことを特徴とする。なお、従来のリアクトル構造体の作製では、ケースに樹脂を充填した状態で所定温度の雰囲気炉に所定時間配置していた。
ここで、ケース内周面には樹脂が直接接触しているので、樹脂を硬化させるために設定する温度として、ケースの温度を採用することができる。
ケースに充填した樹脂を硬化させる際、ケースの底面側を高温(樹脂の硬化温度以上とする)、ケースの開口部側を低温とすることで、先に底面側の樹脂が硬化することになる。このとき、ケース底面側で樹脂が収縮することによりケース底面側の四隅などに隙間が生じても、この隙間に向かってケース開口部側の未硬化の樹脂が流入する。そのため、ケースと樹脂とを密着させた状態で樹脂を硬化させることができる。このように樹脂の硬化は、ケース底面側から開口部側に向かって順次進んでいくことになるので、ケースと樹脂との密着状態を作りながら樹脂を硬化させることができるし、樹脂に応力を残留させることなく樹脂を硬化させることができる。その結果、樹脂に隙間も亀裂も殆ど生じさせることなく、リアクトル構造体を製造することができる。
本発明リアクトル構造体の製造方法において、ケースの底面側と開口部側との温度差は、ケースの底面側において樹脂が硬化し始めるときに、開口部側における樹脂が十分な流動性を有するように設定すると良い。底面側と開口部側との温度差は、樹脂の種類によって変化するので、適宜選択することが好ましい。例えば、エポキシ樹脂であれば、硬化温度が120〜150℃であるので、ケースの底面側の温度を約150℃とし、ケースの開口部側の温度を約120℃とすることが挙げられる。その他、ウレタン樹脂であれば、硬化温度が80〜110℃であるので、ケースの底面側の温度を約110℃とし、ケースの開口部側の温度を約80℃とすることが挙げられる。
また、樹脂の加熱の時間は、ケース内の樹脂全てが確実に硬化する時間を適宜選択すれば良い。樹脂の硬化時間は、樹脂の種類によって変化するので適宜選択すれば良いが、概ね300分とすることが好ましい。
熱硬化性の樹脂を硬化させる際に最初に設定されるケースの温度をより詳しく限定するのであれば、開口部側の温度を樹脂の硬化開始温度以上とすることが好ましい。そもそも、ケースは放熱性を考慮して金属製であることが多いので、ケースを加熱すれば、最終的にはケース全体がほぼ均一な温度になる。そのため、ケースの開口部側の設定温度は、樹脂の硬化温度より低くても、最終的にはケース内の樹脂を確実に硬化させることができる。しかし、上記のように、ケース開口部側の設定温度を樹脂の硬化温度以上としておけば、ケース内における樹脂の硬化を迅速にすることができ、効率よくリアクトル構造体を製造することができる。
本発明リアクトル構造体の製造方法において、温度勾配を設ける方法として、ケースの外周面全体を覆う容器状のヒータにより前記温度勾配を形成することが好ましい。このような構成であれば、温度勾配を確実に形成することができ、かつ温度勾配を厳密に調整することが容易である。その他、ホットプレートなどの平板状の加熱部材にケースを載置して、ケースを底面側から加熱する構成としても良い。
上述したリアクトル構造体の製造方法により得られたリアクトル構造体は、硬化した樹脂において、肉眼で認識できるレベルの亀裂はもちろん、顕微鏡で認識できるレベルの亀裂も殆ど生じていない。そのため、このリアクトル構造体を使用した際、樹脂がケースから剥離するほどの亀裂の進展が殆どない。その結果、本発明のリアクトル構造体では、剥離に起因する樹脂の熱伝導性の低下や、熱伝導性の低下に伴う通電時のリアクトルの過熱などが生じ難い。
本発明リアクトル構造体の製造方法によれば、肉眼で認識できるレベルの亀裂はもちろん、顕微鏡で認識できるレベルの亀裂も殆ど生じることがなく、ケース内の樹脂を硬化させることができる。その結果、樹脂に生じる亀裂に起因する放熱特性の低下が抑制されたリアクトル構造体を製造することができる。
以下、図面を参照して、本発明リアクトルの実施形態を説明する。
(リアクトル構造体の全体構成)
図1に示すように、リアクトル構造体1は、リアクトル10とこのリアクトル10を収納するケース90とを備える。ケース90におけるリアクトル10は、ステー部材95で固定され、かつ、樹脂80で封止されている。このようなリアクトル構造体1は、ケース90を図示しない取り付け対象に固定することで取り付けられる。固定する位置としては、例えば、ハイブリッド自動車のコンバータ部であれば、コンバータ部の各構成を冷却する冷却ベースなどを挙げることができる。
図1に示すように、リアクトル構造体1は、リアクトル10とこのリアクトル10を収納するケース90とを備える。ケース90におけるリアクトル10は、ステー部材95で固定され、かつ、樹脂80で封止されている。このようなリアクトル構造体1は、ケース90を図示しない取り付け対象に固定することで取り付けられる。固定する位置としては、例えば、ハイブリッド自動車のコンバータ部であれば、コンバータ部の各構成を冷却する冷却ベースなどを挙げることができる。
<リアクトル>
リアクトル構造体1に備わるリアクトル10は、環状のコア30と、コア30の外周の一部を覆うように配置されるコイル40,50とを備える。また、このリアクトル10は、コア30とコイル40,50との間に介在され、両者の絶縁を確実にするインシュレータ60を備える。
リアクトル構造体1に備わるリアクトル10は、環状のコア30と、コア30の外周の一部を覆うように配置されるコイル40,50とを備える。また、このリアクトル10は、コア30とコイル40,50との間に介在され、両者の絶縁を確実にするインシュレータ60を備える。
≪コイル≫
コイル40,50は、後述するコア30のコイル巻回部の外側に配置される巻線からなる。巻線は、導体と導体の周囲を覆う絶縁性の被覆とからなり、導体には導電性に優れる金属材料を、絶縁性の被覆にはエナメルなどを利用することができる。また、巻線として、その断面形状が円形、楕円形、多角形などの種々の形態を有するものを利用できる。
コイル40,50は、後述するコア30のコイル巻回部の外側に配置される巻線からなる。巻線は、導体と導体の周囲を覆う絶縁性の被覆とからなり、導体には導電性に優れる金属材料を、絶縁性の被覆にはエナメルなどを利用することができる。また、巻線として、その断面形状が円形、楕円形、多角形などの種々の形態を有するものを利用できる。
コイル40,50は、屈曲連結部Jを介して連続しており、一連の巻線を屈曲して形成されるか、もしくは、別個に形成されたコイル40,50を溶接により接合して形成される。また、コイル40の端部41とコイル50の端部51は、コイル巻回部から離れるように引き出され、コイルに電力供給するための端子台の端子金具(図示略)に接続される。
≪コア≫
コア30は、コイル40,50が配置されるコイル巻回部と、コイル40,50に覆われずに露出する露出部とを有する。コイル巻回部は並列して設けられ、その一方側の端部同士が一つの露出部で接続されると共に、コイル巻回部の他方の端部同士が別の露出部で接続されている。つまり、2つのコイル巻回部と2つの露出部とが環状に繋がることでコア30が形成されている。
コア30は、コイル40,50が配置されるコイル巻回部と、コイル40,50に覆われずに露出する露出部とを有する。コイル巻回部は並列して設けられ、その一方側の端部同士が一つの露出部で接続されると共に、コイル巻回部の他方の端部同士が別の露出部で接続されている。つまり、2つのコイル巻回部と2つの露出部とが環状に繋がることでコア30が形成されている。
≪インシュレータ≫
インシュレータ60は、コイル40,50とコア30との間に介在され、両者の絶縁を確保するための部材である。インシュレータ60は、例えば、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂、液晶ポリマー(LCP)などの絶縁材料が利用できる。
インシュレータ60は、コイル40,50とコア30との間に介在され、両者の絶縁を確保するための部材である。インシュレータ60は、例えば、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂、液晶ポリマー(LCP)などの絶縁材料が利用できる。
樹脂80は、熱硬化性の樹脂であり、例えば、エポキシ樹脂やウレタン樹脂などを利用することができる。エポキシ樹脂は、耐熱性に優れるので、リアクトル構造体1を大電流で使用する場合でも、リアクトル10の発熱により絶縁性が低下し難い。また、ウレタン樹脂は、エポキシ樹脂に比べて耐熱性は劣るものの、柔らかく、伸び易いので、亀裂が生じ難いし、リアクトル構造体1の使用に伴う亀裂の進展も生じ難い。
<ケース>
ケース90は、リアクトル10を実質的に収納することができる箱状の部材であり、開口部を有する。ケース90は、例えば、アルミニウムやアルミニウム合金などで形成することができる。
ケース90は、リアクトル10を実質的に収納することができる箱状の部材であり、開口部を有する。ケース90は、例えば、アルミニウムやアルミニウム合金などで形成することができる。
(リアクトル構造体の製造方法)
次に、以上の構成を備えるリアクトル構造体1を作製する手順を図2に基づいて説明する。
次に、以上の構成を備えるリアクトル構造体1を作製する手順を図2に基づいて説明する。
まず初めに、従来と同様にリアクトル1を組み立てる。例えば、コイルを予め巻回した状態としておき、コアのコイル巻回部に嵌め込む。そして、コイルが配されたコイル巻回部に露出部を繋げ、リアクトル1を完成する。
次に、ケース90を用意し、ケース90をヒータ100の内部に配置する。ヒータ100は、ケース90を完全に収納するサイズを有する容器状であり、その内周面が伝熱面となる。ヒータ100に収納されたケース90の外周面は、伝熱面に接触し、ヒータ100により加熱される。
さらに、ヒータ100に収納されたケース90にリアクトル10を収納し、熱硬化性の樹脂80をケース90内に充填した後、ヒータ100でケース90(即ち、ケース90内の樹脂80)を加熱する。ヒータ100は、ケース90の底面側を高温側とし、ケース90の開口部側を低温側として、ケース90の底面側から開口部側に向かって加熱温度が低くなるように温度勾配を形成する。温度勾配は、ヒータ100の伝熱面の温度を部分的に異ならせることで行えば良く、例えば、樹脂80として硬化温度120〜150℃のエポキシ樹脂を使用するのであれば、ケース90の底板に接触するヒータ100の伝熱面の設定温度を150℃とし、ケース90の開口部の側端部に接触するヒータ100の伝熱面の設定温度を120℃とすると良い。また、加熱時間は例えば5時間とすると良い。
ここで、上記例示した低温側の設定温度は、樹脂80の硬化温度以上としているが、硬化温度未満としても良い。設定温度を樹脂の硬化温度未満としても良い理由は、ケース90はアルミニウムなどの金属製であるので、底面側と開口部側に温度勾配を設けても、最終的にケース90全体の温度は熱伝導によりほぼ均一となるからである。前段で例示したように、低温側の設定温度を樹脂80の硬化温度以上としているのは、樹脂80の硬化を迅速にして、生産性良くリアクトル構造体1を作製するためである。
以上説明したように温度勾配を形成することにより、ケース90の底面側における樹脂80が先に硬化し始める。硬化の際、樹脂80は収縮するため、ケース90の底面側(特に四隅)において、ケース90と樹脂80との間に隙間ができる。このとき、ケース90開口部側の樹脂80はまだ硬化しておらず流動性を有するため、底面側に形成された隙間に未硬化の樹脂80が流入し、隙間が埋められる。このような樹脂80の硬化と、硬化に伴って形成される隙間への未硬化の樹脂80の流入とを、ケース90の底面側から開口部側に向かって繰り返すことで、殆ど亀裂を生じることなく樹脂80を硬化させることができる。また、硬化した樹脂80に残留する応力が小さく、リアクトル構造体1の使用に伴って、樹脂80に亀裂が生じる虞も非常に少なくなる。
(本発明構造体と従来構造体との比較)
本発明リアクトル構造体の製造方法でリアクトル構造体を作製すると共に、従来のリアクトル構造体の製造方法でリアクトル構造体を作製し、両リアクトル構造体における樹脂の形成状態を肉眼および顕微鏡で調べた。両リアクトル構造体の作製条件は以下の通りである。
本発明リアクトル構造体の製造方法でリアクトル構造体を作製すると共に、従来のリアクトル構造体の製造方法でリアクトル構造体を作製し、両リアクトル構造体における樹脂の形成状態を肉眼および顕微鏡で調べた。両リアクトル構造体の作製条件は以下の通りである。
<本発明リアクトル構造体の製造方法>
エポキシ樹脂(菱電化成社製)を使用。
ケースの外周を覆う容器状のヒータを使用。
ケース底面側の温度を150℃、ケース開口部側の温度を120℃となるようにヒータを操作し、5時間加熱。
エポキシ樹脂(菱電化成社製)を使用。
ケースの外周を覆う容器状のヒータを使用。
ケース底面側の温度を150℃、ケース開口部側の温度を120℃となるようにヒータを操作し、5時間加熱。
<従来のリアクトル構造体の製造方法>
本発明リアクトル構造体の作製に使用したものと同じエポキシ樹脂を使用。
ケース全体を収納可能な雰囲気炉を使用。
雰囲気炉内の雰囲気温度を120℃で1時間加熱後、150℃で4時間加熱。
本発明リアクトル構造体の作製に使用したものと同じエポキシ樹脂を使用。
ケース全体を収納可能な雰囲気炉を使用。
雰囲気炉内の雰囲気温度を120℃で1時間加熱後、150℃で4時間加熱。
まず、従来のリアクトル構造体は、肉眼で認識できるレベルでケースとの境界近傍における樹脂に亀裂が生じていることが確認された。さらに、顕微鏡で認識できるレベルでも、当該付近に微細な亀裂が生じていることが確認された。このリアクトル構造体を大電流で使用すると、ケースと樹脂との熱膨張率の差に起因して、樹脂における亀裂がケースの底面側の深い位置まで進展する虞がある。その結果、亀裂によるリアクトル構造体の放熱特性が低下する虞がある。
一方、本発明リアクトル構造体は、肉眼で認識できるレベルで樹脂に亀裂が生じておらず、また、顕微鏡で認識できるレベルでも微細な亀裂が殆ど生じていなかった。そのため、本発明リアクトル構造体を大電流で使用しても、樹脂に亀裂が生じる虞が低く、仮に亀裂が生じたとしてもケース底面側の深い位置まで進展することがないと考えられる。そのため、亀裂によるリアクトル構造体の放熱特性が殆ど低下することがないと期待される。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるわけではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更することができる。
本発明リアクトル構造体の製造方法は、放熱特性に優れたリアクトル構造体の製造に好適に利用可能である。
1 リアクトル構造体
10 リアクトル
30 コア
40,50 コイル 41,51 端部
60 インシュレータ
80 樹脂
90 ケース 95 ステー部材
100 ヒータ
J 屈曲連結部
10 リアクトル
30 コア
40,50 コイル 41,51 端部
60 インシュレータ
80 樹脂
90 ケース 95 ステー部材
100 ヒータ
J 屈曲連結部
Claims (3)
- コイルとコイルが挿通されるコアとを有するリアクトルをケースに収納した状態でケース内に熱硬化性の樹脂を充填し、樹脂を硬化させることで、リアクトルとケースと樹脂とが一体となったリアクトル構造体を製造する方法であって、
前記樹脂を硬化させる際、前記ケースの底面側がケースの開口部側よりも高温となるように温度勾配を形成し、底面側の樹脂が開口部側の樹脂よりも先に硬化するようにしたことを特徴とするリアクトル構造体の製造方法。 - ケースの外周面全体を覆う容器状のヒータにより前記温度勾配を形成することを特徴とする請求項1に記載のリアクトル構造体の製造方法。
- 請求項1または2に記載のリアクトル構造体の製造方法により得られたリアクトル構造体。
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2009
- 2009-05-07 JP JP2009112899A patent/JP2010263088A/ja active Pending
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