JP2010255194A - 鉄筋コンクリート造外断熱建物の外壁構造 - Google Patents

鉄筋コンクリート造外断熱建物の外壁構造 Download PDF

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Abstract

【課題】 薄剛板を外装下地材に採用した通気性断熱複合パネルでコンクリート外壁を、外装下地材の剥離脱落が生じないように被覆する。

【解決手段】 薄剛板の外装下地材2Aを通気層Gを介在して断熱層2Cに層着した通気性断熱複合パネル1を、コンクリート外壁に、複合パネル1の内側(通気層)と外側の空気層差が生じないように、外壁下端、横目地及び外壁上端を通気層Gの開放形態に配置し、外装下地材2Aに負荷する負圧力を抑制する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、鉄筋コンクリート造外断熱建物の外壁構造に関するものであって、建築の技術分野に属するものである。
鉄筋コンクリート造外断熱建物の外壁構造として、乾式密着型の通気性断熱複合パネルで張設することは、図7に示す従来例1で既に提案され、実施されている。
従来例1(図7)は、本願出願人の提案した特許文献1で従来技術として挙げられたものであって、内面に通気用条溝群を備えた押出成形セメント板を、発泡プラスチック系断熱層と一体化層着した通気性断熱複合パネルを、外壁コンクリートの外側捨型枠として使用し、コンクリート外壁に一体的に被覆し、パネル上下接合部の横目地をクローズジョイントとして、腰水切から笠木まで、通気用条溝群で断熱層の外面を通気させるものである。
また、従来例2として挙げた図8は、特許文献2に開示されたものであって、図8(A)に示す如く、断熱パネルと耐火性耐力面材とを、間隔配置したスペーサーを介して層着し、各スペーサー間を空気流路(通気層)とした通気性外断熱パネルを、スペーサー間の空気流路部位に配置したコンクリートアンカーを介してコンクリート外壁面に、捨型枠手法で層着し、図8(B)に示す如く、各パネルの上下間の横目地隙間には、取付片を備えた水切具を、水切具取付用に配置した上下パネル間の隙間から、耐火性耐力面材の内面の取付用凹溝への取付片の嵌入止着により配置し、外部からの空気流の、水切具の通気孔から上下パネル間のポート機能の隙間への流入、及び隙間からパネル内空気流路への流入を保証した、横目地のオープンジョイント型外断熱通気性外壁構造である。
特開2008−2159号公報 特開2002−322745号公報
従来例1(図7)の、横目地のクローズジョイントタイプの通気性外断熱外壁にあっては、通気用条溝を成形セメント板に形成しているため、成形セメント板が必然的に肉厚となり、パネルが重量物となるため、搬送、型枠組みの作業性が悪いこと、複合パネルへのセパレータ挿入用孔、アンカーボルト挿入用孔等の加工性が悪いこと、押出成形セメント板は広幅にすれば反りが生じるため細幅物となり、所定外壁面積当りの被覆パネル数が多くなって施工性が悪く、外壁の並列接合縦目地も多くなって仕上上も不利である。
しかも、複合パネルの必要剛性を負担する押出成形セメント板が通気条溝を備えているため、コンクリート外壁への張着状態では、上下複合パネルの押出成形セメント板間には、施工時の衝合欠損防止、完成建物での地震時のセメント板相互の欠損防止上から、上下パネルの接合部では、セメント板間に横目地間隔を形成、保持することが必要であるため、複合パネル相互の上下接合部、即ち横目地部の上下セメント板間での通気条溝の上下連通形態を保証する施工は、特殊な、且つ断面形状の小さなハニカム通気バッカーを採用して、本願出願人が開発した施工技術によってのみ可能であり、各パネルの上下接合部の通気施工は、煩雑、且つ精緻な作業であり、生産性の低い困難な作業である。
また、横目地間隔を密閉する機密性の高い外壁構造にあっては、押出成形セメント板(外装下地材)の外面と内面とに気圧差(屋外が高く、通気層内が低い)が生じ、降雨時には、通気層内に雨水を引き込む怖れがあり、風圧力での負圧作用(建物から離れようとする力)は、100%外装下地材(押出成形セメント板)に負荷されるため、従来例1の外壁構造にあっては、外装材としてタイル等の重い部材を張着する場合は、外装の剥離危険性から5階建ての建物までが限度であり、高層建築への適用が不可能である。
従来例2(図8)の通気性外断熱外壁の施工にあっては、セパレータ及びコンクリートアンカーは、スペーサーに沿って空気流路内に配置するため、捨型枠の変位の問題があり、水切具はオープンジョイントのノンシールタイプであるが、水切具配置のために必要な上下パネル間の横目地隙間では、断熱パネルが上下間に外部空気流入用の隙間を有するため、横目地隙間、即ち上下パネルの断熱パネル間隙間、で熱橋作用が生じる。
その上、屋外からの正圧負荷、及び通気層内の負圧負荷により、水切具の取付片が剥離作用応力を受け、面材の薄肉凹部に損傷を与えて、水切具の損傷や、脱落の怖れもある。
また、外壁を伝う雨水は、水切板と耐火性耐力面材との当接部から毛細管張力によって凹溝を上昇し、空気流路内に吹出して、水切具後方のコンクリート露出面よりコンクリート躯体に染み込み、豆板(ジャンカ)などのコンクリート打設不良部から室内に漏出する怖れもある。
本発明は、従来例1(図7)や従来例2(図8)の問題点を、一挙に解決、又は改善する通気性外断熱外壁を提供するものであり、軽量化を可能とした通気性断熱複合パネルを採用し、横目地をオープンジョイントとして、コンクリート外壁を被覆する通気性断熱複合パネルの外側と内側との気圧差を均等とし、耐風圧で、雨水対応にも優れた通気性外断熱外壁を合理的に提供するものである。
本発明の外壁構造は、例えば図1に示す如く、乾式密着型の通気性断熱複合パネル1で被覆した鉄筋コンクリート外断熱建築物の外壁構造であって、通気性断熱複合パネル1は、発泡プラスチック系断熱層2Cと成形薄剛板の外装下地材2Aとを、縦方向に間隔配置した縦桟2B群を介して一体化し、各縦桟2B間を通気層Gとしたものであり、通気性断熱複合パネル相互を、上下左右に断熱層2Cの当接形態で配置すると共に、通気性断熱複合パネル1相互の上下接続部では、上側パネル1と下側パネル1間の外装下地材2A間を通気用の横目地dxとして開放し、外壁被覆パネル層の、下端、上端及び中間横目地dxを通気用に開放したものである。
この場合、発泡プラスチック系断熱層2Cは、押出法ポリスチレンフォーム、ビーズ法ポリスチレンフォーム、硬質ウレタンフォーム等のJISA9511の発泡プラスチック断熱板等が好ましく、典型的には、厚さ75mmの押出法ポリスチレンフォーム板である。
また、外装下地材2Aは、コンクリート型枠組みに耐え、外壁の外装下地材としての強度、耐風圧性、耐衝撃性、耐凍害性を満足させれば良く、板厚15mm以下の、マグネシウムセメント板、フェノール樹脂板、フライアッシュフェノール樹脂板が好ましく、典型的には、厚さ13mmの繊維混入フライアッシュフェノール樹脂板である。
また、縦桟2Bは、外装下地材2Aよりも、耐衝撃及び曲げ強度が大で、寸法安定性が良く、線膨張率及び熱伝導率の小さいものが好ましいが、外装下地材2Aが十分な物性を備えている場合は、外装下地材2Aと同材質でも使用可能である。
そして、断熱層2Cと外装下地材2Aとの縦桟2Bを介した一体化層着は、平板状縦桟2Bを挟着一体化しても良いが、一体化強度を確保するため、典型的には、幅50mm、厚さ20mmの縦桟2Bを、断熱層2Cの浅い(標準:5mm)嵌合溝2Gに嵌入形態で、ボルト挿入用孔hb及びセパレータ挿入用孔hs配置位置が縦桟2B上となるように、強固に層着する。
また、通気層2Gは、断熱層2C内に浸透して来る室内の湿気(水蒸気)を放出する機能と、外装下地材2Aの外気による高温化を空気貫流によって冷却抑制する機能を奏するためのものであり、通気層Gの厚さは、必要最小限の温度差換気でのドラフト空気貫流(上昇空気流:0.01m/s)を保証する必要があり、最小限の結露防止機能及び外装下地材2Aの過加熱抑制機能を保証するため、通気層Gの厚さT3は、典型的には15mm確保する。
また、複合パネル1相互の上下接続部に形成する横目地dxの開放形態は、雨水の浸入を抑制し、且つ水膜で閉止されない限界値(コンクリート系水膜限界値:横目地が9.1mm、縦目地が2mm)以上を保って空気流入を保証すれば良く、典型的には、図5(A)に示す如く、外装下地材2Aの外面に外装材3を張着した状態で、上下外装材3間の横目地間隔d6(標準:12mm)確保し、上方外装材3の下端3dが上方外装下地材2Aの下端Adより雨切り段差da(標準:6mm)だけ下方とする。
従って、本発明の外壁構造にあっては、横目地dxを開放目地型(オープンジョイント)として外気に開放し、複合パネル1群の張着で形成した被覆パネル層の、通気層Gの下端及び上端を外気に開放したため、外壁被覆層は、上端、中間横目地及び下端の開放と、通気層Gとて隙間を備えた外壁構造となり、外壁被覆層の外部(前面)、と内部(通気層)との気圧が略同等と出来たため、外装下地材2Aへの内外面での気圧差による応力負荷が軽減出来て、外装下地材2Aは、剥離作用の低減により脱落が抑制出来、耐久性が増大し、高層建築物への適用も可能となる。
そして、上下の外装下地材2A相互は、横目地間隔d6(標準:12mm)を保って開放し、外装下地材2Aの上下間に隙間を設け、各階の複合パネル1をコンクリート躯体と一体としているので、高層階の風圧力、地震時の水平力にも、各パネル1が一体挙動して、層間変形角(各階間の水平方向の相対変位差を階高で除した値)が大きくなっても、複合パネルの脱落は、コンクリート躯体に対する支持金具で阻止することが出来、上下方向応力負荷にあっても、外装下地材2A相互の横目地間隔及び断熱層の柔軟性によって対応するため、複合パネル1の脱落の抑制出来た通気性外断熱外壁となる。
また、本発明の外壁構造にあっては、通気性断熱複合パネル1は、図2に示す如く、等幅の断熱層2Cと外装下地材2Aとを、上下に貫通する縦桟2B群で、両側端2L,2Rでは、縦桟2Bと外装下地材2Aとを面一に、且つ断熱層2Cと外装下地材2Aとを、相欠け接合用の段差d1を保って一体化層着したものが好ましい。
この場合、相欠け段差d1は10mmとすれば良く、典型的なパネルにあっては、図2(B)に示す如く、幅(a1)が50mmの各縦桟2Bの5本を、両外側の幅(a3)が152.5mmの通気層Gと、中央両側の幅(a2)が177.5mmの通気層Gを形成して、両側の縦桟2Bの側端縁を外装下地材2Aの側端縁と面一に、外装下地材2Aと固定したものである。
従って、該複合パネル1でコンクリート外壁の外側型枠を構築する際には、各複合パネル1の並列接続が、両側縁の段差d1(標準:10mm)による相欠け接続となり、型枠組み作業が容易であると共に、打設コンクリートのセメント液(ノロ)の外部への流出が抑制出来、通気層Gのセメント液による流入損傷も避けられる。
そして、各縦桟2B間の空間は、パネル上下に貫通する大開口の通気層Gとなり、得られる外壁は、下端、中間横目地及び上端が大開口の通気層Gと連通して通気層Gの外壁外部との気圧の平準化を可能とし、外装下地材2Aへの内外風圧差による剥離脱落作用が抑制出来る。
また、コンクリート型枠組みに際しても、慣用の、パネル落下防止アンカー群は、縦桟2Bの両側及び中央を介して配置することによる、外装下地材2Aの損傷の怖れなく、パネル1の強固な保持が可能となる。
しかも、複合パネル1相互の縦目地dyは密着閉止形態となるため、外装材3による外装仕上げも、簡便、且つきれいに施工出来る。
また、本発明の外壁構造にあっては、通気性断熱複合パネル1相互の上下当接部は、図5(A)に示す如く、断熱層2C相互を気密シート2Fを介在して衝合当接し、複合パネル1の外装下地材2A下端には、内方に上昇する傾斜辺2Kを配置し、外装下地材2Aの表面に張着した外装材3の下端3dを外装下地材2Aの下端Adより雨切り段差da下方に突出して、横目地dxの間隔からの雨水の通気層G内への浸入を抑制するのが好ましい。
この場合、気密シート2Fは、幅25mmで0.5mm厚のアルデブチル気密シート((株)アルデエンジニアリングの商品名)を採用し、下方複合パネル1の断熱層2Cの前後上端Ct縁に、断熱層2Cの幅方向全長に亘って張着すれば良く、該気密シート2Fは、厳寒でも粘着力を保持し、夏でも軟化が無く、耐久性、耐水性、柔軟性、接着性が良く、凹凸面にも追従出来て、打設コンクリートのノロ(セメント液)漏出が阻止出来、通気層G内からの雨水の毛細管現象による断熱層2C衝合当接面への浸入が阻止出来る。
また、外装下地材2A下端の内方の上昇する傾斜辺2K、及び外装材3の下端の突出段差daは、強風時の雨水の通気層G内への雨滴の浸入を阻止するためであり、典型的には、図5(A)に示す如く、厚さT2が13mmの外装下地材2Aに、下端Adの損傷を抑制する前後厚3mmの下端辺を配置し、厚さ10mmに傾斜角52.5°で傾斜辺2Kを高さ13mmで配置し、外装材3の突出段差daを6mmとするため、雨滴の外装材下端3dからの上昇、及び通気層G内への浸入が抑制出来、実用上、十分な水切り効果が得られる。
この場合、傾斜辺2Kには、合成樹脂エマルジョンシーラー(JISK5663)等の吸水止め材2Mを付与すれば耐久性が向上する。
従って、複合パネル1の製作準備過程では、外装下地材2Aの下端Adに幅3mmの辺が存在するため、外装下地材2Aに欠損を生ずることなくパネル1が製作出来、外装材3の張設作業時には、外装材3の下端3dが雨切り段差da分下方に突出する形態で仕上るだけで、開放横目地dxからの雨水の、重力による浸入には、上方の傾斜辺2Kが、表面張力による浸入には雨切り段差da及び傾斜辺2Kが、毛細管現象による浸入には目地幅d6(標準:12mm)で対応して、通気層G内への雨水の浸入が抑制出来る。
また、例え、通気層G内へ雨水が浸入しても、通気層Gから下方へ流下放出出来、上下パネルの断熱層2C衝合当接部への雨水の毛細管現象による浸入は気密シート2Fで阻止出来、コンクリート打設時にあっても、セメント液(ノロ)の断熱層2Cの当接界面からの通気層G内への漏出が阻止出来るため、通気層G(標準厚T3:15mm)は設計値通りの換気機能が保証され、且つ雨水の通気層G内への浸入の抑制された外壁構造が得られる。
また、本発明の通気性断熱複合パネル1相互の上下当接部は、図5(A)に示す如く、上側外装材下端3dと下側外装材上端3tとの間隔を水膜抑制間隔とし、下側パネル1の外装下地材2Aの上端にも、内方に上昇する傾斜辺2K´を配置するのが好ましい。
この場合、外装下地材2Aの傾斜辺2K´の上端Atには上端辺(標準幅:3mm)を残しておけば、外装下地材2Aの取扱い過程での先端の損傷が抑制出来る。
また、水膜抑制間隔とは、水膜の形成されない間隔であって、外装材3の上端3tと、上側外装材3の下端3dとの隙間(d6)、即ち横目地dx幅、が水膜で閉止されない限界値(9.1mm)以上の12mmとすれば良い。
また、下側パネルの傾斜辺2K´は、典型的には、上側パネル下端の傾斜辺2Kと同角度(52.5°)である。
従って、本発明の開放横目地dxは、図5(A)に示す如く、横目地dxの開放幅d6が水膜の出来ない間隔であるため、横目地dxの水膜形態の雨水に対する風圧作用による通気層G内への水滴の浸入が抑制出来る。
そして、外装下地材上端の傾斜辺2K´は、雨水の運動エネルギーによる浸入上昇を抑制し、且つ上方からの降下水は外方へ排除出来る。
そのため、横目地dxは、雨水の浸入に対して、水平方向の風雨時にも、雨水は外装下地材上端の傾斜辺2K´に衝突して横目地dxから流出し、重力による浸入には上側傾斜辺2Kが、表面張力での浸入には、外装下地材の雨切り段差da及び上側傾斜辺2Kが、毛細管現象及び水膜による浸入には横目地間隔d6が、運動エネルギーによる浸入には下側傾斜辺2K´が対抗し、通気層Gは、外気との気圧差が小であるため、通気層Gのパネル表面側からの気圧差による雨水の吸引浸入も抑制出来、雨水浸入の抑制された外壁構造を提供する。
また、本発明の通気性断熱複合パネル1相互の上下当接部は、図5(B)に示す如く、下側パネル1の上端では、外装材3の上端3tに、外装下地材2Aの上端の傾斜辺2K´の延長形態の傾斜辺を配置し、上端に水返し17Uを備えた防水金具17を、外装材上端3tから外装下地材の傾斜辺2K´に亘って配置するのが好ましい。
この場合、防水金具17は、傾斜面17S、立上り辺17F及び外方に水平屈曲した水返し17Uを備えたアルミ押出成形で準備出来、水返し17Uは、横目地dxから通気層Gへの空気流入低下を招くため、短寸が好ましく、典型的には5mmであって、実用に耐えられる。
尚、防水金具17の止着は、タイル等の外装材3の張着前に、傾斜面17Sから適所でねじ17Bを縦桟2Bに打込めば良い。
そして、外装材上端3tの傾斜辺は、外装下地材上端Atの傾斜辺2K´と整合する傾斜であるため、外装材3の外装下地材2A表面への層着は防水金具17の傾斜面17Sの下面へのスムーズな挿入によりきれいに仕上げられる。
従って、長尺の防水金具17を配置した横目地dxにあっては、傾斜面17Sが雨水の運動エネルギーによる上昇浸入を抑制し、水返し17Uが風(気流)の上昇を阻止する機能を果すことにより横目地dxから吹き込む雨水の通気層G内への浸入を実質上阻止する。
そして、傾斜面17Sは、同一傾斜角(52.5°)の外装下地材3Aの上端傾斜辺2K´及び外装材上端3t傾斜辺を保護する。
また、本発明の外壁構造にあっては、図1に示す如く、外壁の、下端の開口Md、横目地の開口Mx及び上端の開口Muの各開口面積が、少なくとも、通気性断熱複合パネル1の通気層Gの各開口面積と同一であるのが好ましい。
この場合、各部位の開口面積とは、その部位での最小の開口断面積であり、通気層Gの開口面積は、典型的には、図2(B)に示す如く、厚さT3が15mmの通気層G内に、幅a1が50mmの縦桟2Bが5本入り、各縦桟2B間の各通気層幅は、a3が152.5mm、a2が177.5mmであるため、108.8cm/mである。
そして、横目地dx内に水返し17Uを備えた防水金具17を配置する場合には、水返し17Uの短寸化と横目地dxの間隔寸法d6の長寸化で、横目地開口Mxの開口面積維持に対応すれば良く、笠木支持ブラケット5は、縦桟2B上端の幅(50mm)内に収まるように配置すれば良い。
従って、外壁の複合パネル被覆層は、複合パネル1での設計開口度(開口面積)となり、空気の流出入経路での、開口面積の狭小化が無いため、外壁の被覆層(複合パネル)のドラフト換気機能は、複合パネル1での設定通気機能を100%発揮し、複合パネル1内の気圧も外気圧と同一、若しくは近似となり、雨水の外壁内部(複合パネル通気層)への吸引作用が生じない、且つ外装下地材2Aに対する風圧による剥離作用応力の略100%(標準:98%)が、外装下地材2Aをコンクリート外壁に固定した金具の負担となり、外装下地材2Aの剥離落下の抑制された外壁が得られる。
また、本発明の外壁構造にあっては、外壁上端では、図1に示す如く、パネル通気層Gに干渉しない形態で笠木ブラケット5を縦桟2Bの上端Btに固定し、笠木4を、通気層Gからの空気流aの流出に干渉しないように配置するのが好ましい。
この場合、笠木ブラケット5は、幅(標準:50mm)が縦桟2Bの上端Btの幅a1(50mm)内に収まるように、即ち縦桟2Bの上端面Btの領域から側方に食み出さないように、上端面Btに固定すれば良い。
また、笠木5は、パネル通気層Gの開口面積以上の、断面積の空間経路で通気層Gを外部に連通させれば良い。
従って、外壁上端の開口Mu部は、複合パネル通気層Gの外方への完全開放となり、複合パネル1の外面(外側)と内面(通気層G内)との気圧差の発生が抑制出来る。
また、本発明の外壁構造にあっては、図4に示す如く、通気性断熱複合パネル1相互の左右当接接合部の縦目地dy群の複数縦目地毎に、外装下地材2Aの左右方向伸縮を吸収するためのガスケット19を挟着した調整縦目地dzを配置するのが好ましい。
この場合、ガスケット19は、外装下地材2Aの日射熱による膨張を吸収するためであり、典型的な、厚さT2が13mm、幅AWが910mmのオーマルYB−R(岩倉化学工業(株)製商品名)の外装下地材2Aでは、太陽日射で60℃以上になれば、1m当り0.05mm熱膨張するため、パネル1の左右接続7枚毎にガスケット19を配置して、各ガスケット19間の最大熱膨張0.4mmを吸収すれば良い。
そして、ガスケット19としては、イワキ化成(株)製の肉厚が3mmのゴム製で、商品名IW−2020の、図4(B)に示す如く、幅12.5mm、奥行き17.5mmのガスケットを採用し、目地幅d8を10mmとして、両側の外装下地材2Aの側辺、及び両側の外装材3の側辺で圧縮した形態に配置すれば良い。
この場合、ガスケット19は、両側から圧力の負荷した状態での配置とする。
従って、縦目地dy群中に、ガスケットを挟着した調整縦目地dzをパネル適数枚(標準:7枚)置きに配置し、横目地dxを開放した外壁は、縦目地dy群が密閉型で複合パネル1の型枠組み及び外装材3での外装仕上げが容易であると共に、ガスケット19を備えた調整縦目地dzの介在によって、外装下地材2A及び外装材3の横方向熱伸縮にも対応出来、且つ下端開口Md、中央の横目地dx及び上端開口Muを備えた、外装材3及び外装下地材2Aの、外壁からの剥離脱落の抑制された、高層建築にも適用可能な外壁となる。
また、本発明の外壁構造は、図1に示す如く、外壁の下端では、外装下地材2A下端の内方に上昇する傾斜辺2Kを配置し、傾斜辺2K及び傾斜辺2Kと対向する断熱層2Cの下端外面に、吸水止め材2Mを付与し、外装材3の下端3dを外装下地材2Aの下端Adから雨切り段差da下方に突出させるのが好ましい。
この場合、傾斜辺2Kの角度は52.5°とし、雨切り段差daは6mmとし、吸水止め材2Mは合成樹脂エマルジョンシーラー(JISK5663)又はポリマーセメントモルタル(樹脂モルタル)を塗布すれば良い。
従って、外壁構造の下端は、腰水切等の存在しない通気層Gの解放形態であるが、外壁を伝う雨水は、複合パネル1の最下端では、外装材下端3dと外装下地材下端Adとの段差da(標準:6mm)で水が切れ、例え強風に雨水が混じっても、外装下地材2Aの下端は傾斜辺2Kの角度(標準:52.5°)で完全な水切り効果を発揮する。
そして、吸水止め材2Mは、開放下端での外装下地材2Aの傾斜辺2K及び断熱層2Cの露出下端外面からの吸水を阻止し、耐久性を保証する。
本発明の外壁構造は、横目地dxを開放形態としてパネル被覆層の内部の通気層Gと連通させ、且つ複合パネル被覆層の上端も下端も通気層Gを開放しているため、外壁被覆層は、各パネル毎に通気層Gと貫通する隙間を備えて被覆層の外部、即ち外装下地材2A及び外装材3の外部、と被覆層内部、即ち通気層G内、との気圧差が略等圧に維持出来て、外装下地材2A及び外装材3に負荷する負圧力が軽減出来、外装下地材2Aに対する剥離作用応力の大部分(標準:98%)は複合パネル1の支持金具の負担となり、外装下地材2A及び外装材3の剥離脱落は抑制出来る。
そして、外壁被覆層を構成する各複合パネル1は、上下の外装下地材2A間が横目地間隔(間隔d6)を保って開放しており、各階の複合パネル1を支持金具(落下防止アンカー)でコンクリート躯体と一体化しているため、高層階の風圧力や、地震時の水平応力にも、各パネルがコンクリート躯体と一体挙動し、層間変形角が大きくなっても、支持金具、即ち落下防止アンカー、の強度によって複合パネルの脱落は阻止出来、上下方向応力負荷にあっても、外装下地材2A相互間の開放横目地dx間隔の存在、及び断熱層2Cの変位追従性によって、コンクリート外壁の被覆層、即ち強度複合パネル層、の破損は抑制出来、本発明外壁構造は、高層建築物にも適用可能な外断熱被覆外壁を提供する。
本発明外壁構造の一部切欠縦断側面図である。 本発明に用いる複合パネルの説明図であって、(A)は一部切欠斜視図、(B)は横断面図、(C)は(B)図の部分拡大図である。 本発明に用いる複合パネルの一部切欠縦断側面図であって、(A)は最上階用複合パネルの、(B)は中間階用複合パネルの、(C)は1階用複合パネルの説明図である。 (A)は、本発明外壁構造の一部切欠横断面図、(B)は(A)の部分拡大図である。 (A)は本発明外壁の横目地部の縦断側面図であり、(B)は(A)の変形例図である。 本発明の変形例図であって、(A)は外壁構造の一部切欠縦断側面図、(B)は使用する防水金具の斜視図である。 従来例1の説明図であって、(A)は外壁上端の縦断側面図、(B)は横目地部の縦断側面図、(C)は外壁下端の縦断側面図である。 従来例2の説明図であって、(A)は断熱パネルの斜視図、(B)は横目地部の縦断側面図である。
〔複合パネル1(図2、図3)〕
複合パネル(通気性断熱複合パネル)1は、鉄筋コンクリート建物のコンクリート外壁構築時に、コンクリート外壁の外側型枠として型枠組みし、コンクリート打設によってコンクリート外壁の外面を外断熱形態に一体化被覆するパネルであって、最上階用複合パネル(上端パネル)と、中間階用複合パネル(中間パネル)と、1階用複合パネル(下端パネル)とがあり、各上端パネル、中間パネル、下端パネルの3タイプのパネルは、断面構造が同一で、上端及び下端で形状に差異があり、図2(A)は、標準パネル(中間パネル)の斜視図、図2(B)はパネル横断面図、図3(A)は上端パネル縦断面図、図3(B)は中間パネル縦断面図、図3(C)は下端パネル縦断面図である。
複合パネル1の断面構造は、図2(B)に示す如く、幅CWが910mm、厚さT4が75mmの断熱層2Cと、幅AWが910mm、厚さT2が13mmの外装下地材2Aとを、幅a1が50mm、厚さTBが20mmの縦桟2Bの5本を、縦方向に間隔配置して介在一体化し、各縦桟2B間の空間を通気層Gとしたものである。
各縦桟2Bの配置は、図2(B)に示す如く、幅方向両端の縦桟2Bは、外装下地材2Aの側端辺と面一で、且つ、断熱層2Cに対して一側縁1Lでは相欠け段差d1(標準:10mm)入り込み、他側縁1Rでは相欠け段差d1(10mm)突出させ、各縦桟2Bの間隔は、両側端部の間隔、即ち両側端部の通気層Gの幅が152.5mm(a3)、中央両側の間隔a2が177.5mmとし、各縦桟2Bは、断熱層2Cの層着面2Sに切欠配置した深さdBが5mmで幅が縦桟2Bの幅a1である浅い嵌合溝2G内に、5mm厚だけ入り込んだ形態に配置する。
そして、断熱層2C、縦桟2B、外装下地材2Aの層着一体化は、縦桟2Bの裏面を断熱層表面の嵌合溝2G内に接着剤で一部埋設一体化し、縦桟2Bの表面と外装下地材2A裏面とを接着一体化し、外装下地材2Aの表面から、慣用のねじn1の釘打ちを施し、糊釘併用一体化層着する。
得られる複合パネル1は、図2(B)に示す如く、厚さT2が13mmの外装下地材2Aと厚さTBが20mmの縦桟2Bとが両側端縁では面一で、且つ厚さT4が75mmの断熱層2Cに対し、一側端1Lでd1(10mm)入り込み、他側端1Rでd1(10mm)突出し、深さ(厚さ)T3が15mmの通気層Gが、両端内側で幅152.5mm(a3)、中央両側で幅177.5mm(a2)の4本配置となる。
複合パネル1の材質は、断熱層2Cとして、厚さT4が75mm、幅CWが910mm、高さChが2700mm(標準高さ)の押出法ポリスチレン板(JISA9511)を採用し、外装下地材2Aとして、厚さT2が13mm、幅AWが910mm、高さAhが2690mm(標準高さ)の、軽量(13kg/m)で高強度(曲げ強度:100kgf/cm)の岩倉化学工業(株)製のオーマルYB−R(商品名)のフェノール樹脂板(両面ガラス繊維混入、火山礫サンドアッシュ、フェノール樹脂板)を採用し、縦桟2Bとして、外装下地材2Aと同一材質(フェノール樹脂板)の、厚さTBが20mm、幅a1が50mm、長さが2700mmの板材を採用した。
〔上端複合パネル(図3(A))〕
最上階に適用する複合パネル1は、雨水のパネル1内への流入を阻止する笠木を配置する必要があり、図3(A)に示す如く、断熱層2Cの上端Ct内側にパラペットコンクリートが入り込むための幅方向全長に亘る切欠CP(標準:幅TPが37.5mm、高さhpが50mm)を配置し、上端面では、断熱層2C、縦桟2B及び外装下地材2Aを面一とし、下端面では、縦桟2Bのみ相欠け段差d4(標準:7mm)下方突出させ、外装下地材2Aには、幅方向全長に亘り、下端Adの補強用小寸辺(標準:3mm)を残して、52.5°の傾斜辺2Kを切削形成し、傾斜辺2Kには、吸水止め材2Mとして、合成樹脂エマルジョンシーラー(JISK5663)を塗布しておく。
〔中間複合パネル(図3(B))〕
中間複合パネル1は図3(B)に示す如く、断熱層2Cに対して、断熱層2Cの高さCh(2700mm)と同長の縦桟2B群を、縦桟上端Btが断熱層上端Ctより、相欠け接続用段差d4(標準:7mm)下方に入り込み、下端Bdは、断熱層下端Cdより相欠け接続用段差d4下方に突出させる。
また、外装下地材2Aは、上端Atでは、縦桟上端Btに揃え、且つ補強用の小寸辺(標準:3mm)を残して外側下方へ52.5°で傾斜する傾斜辺2K´を切削形成し、下端Adでは、断熱層下端Cdと揃えて補強用小寸辺(3mm)残して内側上方へ52.5°で傾斜する傾斜辺2Kを切削形成する。
そして、傾斜辺2K,2K´には吸水止め材2M(合成樹脂エマルジョンシーラー)を塗布しておく。
また、断熱層2Cの上端Ctの外側及び内側端縁には、幅が25mm、厚さ0.5mmの剥離紙付き気密シート2F((株)アルデエンジニアリング製のアルデブチル気密シート(商品名))を、断熱層2Cの幅全長に亘って止着しておく。
尚、該気密シート2Fは、厳寒下でも粘着力を保持し、夏でも軟化せず、耐久性、耐水性、柔軟性、接着性が良く、凹凸面にも馴染むもので、型枠組み時に剥離紙を剥がして上下パネルの断熱層2Cの衝合当接界面を気密シート2Fが密閉すれば、断熱層2Cの当接界面への打設コンクリートのセメント液(ノロ)の浸入、漏出及び通気層Gからの水の毛細管現象による浸入が阻止出来る。
〔1階用複合パネル(図3(C))〕
1階用複合パネル1は、図1に示す如く、下端は腰水切等を配置することなく、そのまま開放するものであって、図3(C)に示す如く、1階パネル上端は、断熱層上端Ctと、縦桟2B上端Bt及び外装下地材上端Atとは、段差d4(標準:7mm)を保って、上側パネル下端面との相欠け接合可能とし、外装下地材2Aの上端Atは、補強用の小寸辺(標準:3mm)を残して52.5°の傾斜辺2K´を形成し、傾斜辺2K´には吸水止め材(合成樹脂エマルジョンシーラー)を塗布し、断熱層2Cの前端及び後端に剥離紙付き気密シート2Fをパネル幅全長に亘って止着しておく。
また、1階パネル1の下端は、外装下地材2Aの下端Adと断熱層2Cの下端Cdが面一で、外装下地材2Aの下端Adには、前端に小寸辺(標準:3mm)の補強用平坦面を残して、内側上方へ52.5°で傾斜する傾斜辺2Kを切削加工しており、各縦桟2B群の下端Bdは、外装下地材傾斜辺2Kの上端位置まで入り込んだ形態に配置し、外装下地材下端の傾斜辺2K、及び断熱層2Cの下端前面と底面前縁とには吸水止め材(合成樹脂エマルジョンシーラー)を塗布しておく。
〔外壁の構築(図1、図4)〕
図1に示す如く、コンクリート基礎立上り部8は、複合パネル1の断熱層2Cと同質で厚さT4´が60mmの発泡プラスチック断熱板2C´と、複合パネル1の外装下地材2Aと同質、同厚の外装下地材2Aとを層着したパネル厚T8が73mmの基礎複合パネル1´を外型枠として、基礎複合パネル1´の上端が基礎立上り部の床スラブ表面Sfよりd2(標準:20mm)下方位置となるように構築しておく。
また、各階の通気性断熱複合パネル1には、予め、図2に示す如く、幅AWの両端2L,2R、及び中央の縦桟2Bの幅中央で、両端の縦桟位置には4段に、中央の縦桟2B位置には千鳥形態に3段、計11本のアンカーボルト挿入用孔hbを穿孔すると共に、中央から左右の縦桟2B位置上にはセパレータ挿入用孔hsの適数をバランス良く穿孔しておく。
次いで、慣用の手法で、1階用複合パネル1相互を段差d1(標準:10mm)での相欠け接続で、断熱層2C相互の衝合当接の下に並列配置すると共に、各パネル1のアンカーボルト挿入用孔hbを介して、1本当り、長期許容剪断力が290kgf、長期許容引張力が250kgfの落下防止金具(アンカーボルト:図示せず)を1m当り4本配置し、各散在するセパレータ挿入用孔hsにも、慣用の軸足セパレータ、セパレータ、断熱コーンから成る保持手段を配置し、コンクリート外壁の外型枠を構築し、外壁コンクリート型枠内へコンクリート打設して、コンクリート外壁の外側に通気性断熱複合パネル1層で被覆された外壁を構築する。
そして、中間階には、中間複合パネル1群を、下階複合パネル上に、下側複合パネルの断熱層上端Ctと上側複合パネル断熱層下端Cdとを、断熱層上端Ctと断熱層下端Cdとの当接界面dx´が床スラブ表面Sfよりd2(20mm)下方となるように、気密シール2Fで接着しながら、左右接続及び上下接続を断熱層2C相互の衝合当接によって、コンクリート外壁の外側型枠として構築し、順次、コンクリート外壁型枠の構築→コンクリート打設、の繰り返しでコンクリート外壁を構築していく。
尚、各階の複合パネル1による型枠組みに際しては、標準幅パネル(CW:910mm)の7枚並列毎に、図4に示す如く、両側の外装下地材2Aの側辺間に幅d8(標準:10mm)の目地間隔を保ち、該目地間隔d8内に、肉厚3mm、幅12.5mm、奥行き17.5mmの、イワキ化成(株)製の中空ガスケット(商品名:IW−2020)を両側面から押圧する状態で圧入する。
コンクリート外壁の外側型枠組みに際しては、各複合パネル1の左右接続は、縦桟2Bの積層形態で強化された外装下地材2A端辺の、接合用段差d1での相欠け接合であるため、外装下地材2Aの損傷を生ずること無く、単純作業で正確に実施出来た。
また、複合パネル1の上下階間の接続作業にあっても、上方パネル1の縦桟2Bの断熱層下端Cdからの突出部d4(標準:7mm)が位置合せ機能を発揮し、作業性が向上した。
また、コンクリート打設圧によるセメント液(ノロ)も、複合パネル1相互の、左右並列接続部が相欠け接合であり、上下接続が断熱層2Cの当接界面を気密シール2Fで堅実閉止したため、通気層G内及び縦目地dyへの浸入が阻止出来た。
そのため、縦目地dy当接面は、きれいな状態に構築出来、縦目地dyへの、慣用の樹脂モルタル+幅100mmのジョイントテープ1Tや、樹脂モルタルの外装下地材2A層の連続形態仕上げも容易、且つきれいに実施出来た。
そして、外装下地材2Aの表面には、慣用のタイルを外装材3として張着した、外壁上端では、図3(A)に示す如く、上端複合パネルの外装下地材上端At、縦桟上端Bt、及び断熱層上端Ctが面一であり、且つ、断熱層上端の後部の切欠CPにはパラペットコンクリートPが充填一体化しているため、図1に示す如く、アングル形態でパネル幅方向寸法が50mmの笠木ブラケット5をパネル上端の縦桟2Bの幅(50mm)上に載置し、ねじn5で縦桟2B上及び外装下地材2A上に固定し、笠木4は、先端をブラケット5の先端で係止し、後端を断熱層2Cの切欠CP上に充填されたパラペットセメントへのねじn9による固定で、前後2点支持の強固な固定となった。
そして、ブラケット5は、縦桟2B間の通気層Gには何ら干渉しないで、且つ、通気層Gの開口面積も、ブラケット5の立上り片5Pで上方に支承された笠木4と、パネル上端とのスペース形成により、外方への十分な開放面積が付与出来た。
得られた外壁構造にあっては、図1に示す如く、1階用複合パネル1の下端の縦桟2B群間の通気層G群から、外装下地材下端の傾斜辺2Kの助力の下に、空気流aが流入して通気層G内を温度差によりドラフト流として上昇し、各階の開放横目地dxでも、空気流aの流入流出を許容し、最上階パネル1の上端では、間隔配置したブラケット5の干渉を受けずに空気流aが外部へ放出する。
そのため、外壁構造は、強風時の正圧に対しては、外装下地材2Aと外装下地材2Aを支承する縦桟2Bとで風圧力に対抗し、負圧に対しては、外壁内(複合パネル1内)の気密性を低下させたことで、外装下地材2Aへの風圧負荷を、縦桟2B、落下防止金具(落下防止アンカー)、及び複合パネル1の構成材料同士の付着力に大半を負担させて風圧力に対抗させるので、薄剛板を複合パネル1の外装下地材2Aとした本発明の外壁構造は、外装下地材2A及び外装材3の剥離、落下作用の抑制された外壁構造となり、コンクリート建物の中低層建物はもとより、高層建物にも適用可能である。
〔その他〕
図6(B)に示す如く、断面形状が、傾斜天板20Tの後端から、外方に屈曲した水返し20Uを上端に備えた立上り辺20Bを、傾斜天板20Tの前端から、下端に外方に傾斜降下した斜辺20Sを備えた立下り辺20Fを備えた防水金具20を、図6(A)に示す如く、横目地dx間の縦桟2B及び1階パネル下端の縦桟2Bに、ねじn20で配置することも可能である。
この場合、防水金具20の配置は、横目地dxの開口Mx及び下端開口Mdの開口面積の減少を抑えて配置する必要がある。
該防水金具20を付与した場合は、外装材3を張着した外装下地材2Aに負荷する負圧力を抑制し、且つ外装下地材2A前後の気圧を等圧化して外壁パネル内部への雨水浸入が阻止出来ると共に、横目地dxにあっては、下側外壁の外装下地材上端At及び外装材上端3tを防水保護し、且つ、傾斜天板20Tで流下雨水を外方に導くため、下側外壁表面の雨水による汚れも軽減出来、下端開口Mdにあっても、開口面積を減ずることなく、外壁下端を流下する雨水による基礎立上り部8の外表面の雨水汚れが抑制出来る。
1 通気性断熱複合パネル(複合パネル、パネル)
1´ 基礎複合パネル(基礎パネル)
1T ジョイントテープ
2A 外装下地材
2B 縦桟
2C 断熱層
2C´ 断熱板
2F 気密シート
2G 嵌合溝
2K,2K´ 傾斜辺
2L,2R 側端
2M 吸水止め材
3 外装材
4 笠木
5 笠木ブラケット(ブラケット)
5P 立上り片
8 コンクリート基礎立上り部(基礎立上り部)
17,20 防水金具
19 ガスケット
17F,20B 立上り辺
17U,20U 水返し
17S 傾斜面
20F 立下り辺
20S 斜辺
20T 傾斜天板
CF コンクリート躯体
CP 切欠
da 雨切り段差
dx 横目地
dy 縦目地
dz 調整縦目地
G 通気層
hb ボルト挿入用孔
hs セパレータ挿入用孔
Md 下端開口(開口)
Mu 上端開口(開口)
Mx 横目地開口(開口)
n1,n5,n9,n17,n20 ねじ
Sf 床スラブ表面

Claims (9)

  1. 乾式密着型の通気性断熱複合パネル(1)で被覆した鉄筋コンクリート外断熱建築物の外壁構造であって、通気性断熱複合パネル(1)は、発泡プラスチック系断熱層(2C)と成形薄剛板の外装下地材(2A)とを、縦方向に間隔配置した縦桟(2B)群を介して一体化し、各縦桟(2B)間を通気層(G)としたものであり、通気性断熱複合パネル相互を、上下左右に断熱層(2C)の当接形態で配置すると共に、通気性断熱複合パネル(1)相互の上下接続部では、上側パネル(1)と下側パネル(1)間の外装下地材(2A)間を通気用の横目地(dx)として開放し、外壁被覆パネル層の、下端、上端及び中間横目地(dx)を通気用に開放した外壁構造。
  2. 通気性断熱複合パネル(1)は、等幅の断熱層(2C)と外装下地材(2A)とを、上下に貫通する縦桟(2B)群で、両側端(2L,2R)では、縦桟(2B)と外装下地材(2A)とを面一に、且つ断熱層(2C)と外装下地材(2A)とを、相欠け接合用の段差(d1)を保って一体化層着した、請求項1に記載の外壁構造。
  3. 通気性断熱複合パネル(1)相互の上下当接部は、断熱層(2C)相互を気密シート(2F)を介在して衝合当接し、複合パネル(1)の外装下地材(2A)下端には、内方に上昇する傾斜辺(2K)を配置し、外装下地材(2A)の表面に張着した外装材(3)の下端(3d)を外装下地材(2A)の下端(Ad)より雨切り段差(da)下方に突出して、横目地(dx)の間隔からの雨水の通気層(G)内への浸入を抑制した、請求項1又は2に記載の外壁構造。
  4. 上側外装材下端(3d)と下側外装材上端(3t)との間隔を水膜抑制間隔とし、下側パネル(1)の外装下地材(2A)の上端にも、内方に上昇する傾斜辺(2K´)を配置した、請求項3に記載の外壁構造。
  5. 下側パネル(1)の上端では、外装材(3)の上端(3t)に、外装下地材(2A)の上端の傾斜辺(2K´)の延長形態の傾斜辺を配置し、上端に水返し(17U)を備えた防水金具(17)を、外装材上端(3t)から外装下地材の傾斜辺(2K´)に亘って配置した、請求項4に記載の外壁構造。
  6. 外壁の、下端の開口(Md)、横目地の開口(Mx)及び上端の開口(Mu)の各開口面積が、少なくとも、通気性断熱複合パネル(1)の通気層(G)の開口面積と同一である、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の外壁構造。
  7. 外壁上端では、パネル通気層(G)に干渉しない形態で笠木ブラケット(5)を縦桟(2B)の上端(Bt)に固定し、笠木(4)を、通気層(G)からの空気流(a)の流出に干渉しないように配置した、請求項6に記載の外壁構造。
  8. 通気性断熱複合パネル(1)相互の左右当接接合部の縦目地(dy)群の複数縦目地毎に、外装下地材(2A)の左右方向伸縮を吸収するためのガスケット(19)を挟着した調整縦目地(dz)を配置した、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の外壁構造。
  9. 外壁の下端では、外装下地材(2A)下端の内方に上昇する傾斜辺2Kを配置し、傾斜辺(2K)及び傾斜辺(2K)と対向する断熱層(2C)の下端外面に、吸水止め材(2M)を付与し、外装材(3)の下端(3d)を外装下地材(2A)の下端(Ad)から雨切り段差(da)下方に突出させた、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の外壁構造。
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