JP2010247115A - メタン発酵処理水の蒸発濃縮手段を備えた嫌気性処理方法と装置 - Google Patents

メタン発酵処理水の蒸発濃縮手段を備えた嫌気性処理方法と装置 Download PDF

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Abstract

【課題】メタン発酵処理水から再利用可能な回収水を得ると共に、濃縮液を有効利用できる嫌気性処理方法と装置を提供する。
【解決手段】有機性廃水又は有機性廃棄物を嫌気性微生物を用いて嫌気性処理する方法において、前記嫌気性処理後のメタン発酵処理水の一部を、蒸発操作により濃縮分離し、得られる濃縮液を前記嫌気性処理工程へ返送すると共に、得られる凝縮水は再利用するものであり、前記嫌気性処理は、メタン菌の活性促進作用のある微量元素を添加して行うのがよく、また、前記嫌気性処理が、酸発酵工程及びメタン発酵工程からなる二相式嫌気性処理であり、蒸発操作により濃縮分離して得られた濃縮液を酸発酵工程へ流入させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、各種工場等より排出される有機性の廃水又は有機性の廃棄物等を対象とし、これを無害化する嫌気性処理方法及び装置に関し、更に詳しくは、メタン発酵処理水の一部を蒸発操作により濃縮分離する工程を有する嫌気性処理方法及び装置に関する。
有機性の廃水あるいは有機性の廃棄物等は、嫌気性処理によって分解処理されることがある。このときの嫌気性処理方法には、嫌気微生物を浮遊状態で保持する嫌気性消化法や、嫌気微生物を固定床充填材の表面に生物膜として保持する嫌気性ろ床法、嫌気微生物を砂や粒状活性炭等の流動性担体表面に保持する嫌気性流動床法、上向流嫌気性汚泥床(以後、UASBとも記す)法が用いられることが多い。UASB法は、近年普及してきた方法で、メタン菌等の嫌気性菌をグラニュール状に造粒化することにより、リアクター内のメタン菌の濃度を高濃度に維持できるという特徴があり、その結果、廃水中の有機物の濃度が相当高い場合でも効率よく処理できる。例えば、この方法を具体化した装置では、重クロム酸カリウムを酸化剤として測定したCODcr(以後CODと記す)の容積負荷が、10〜15kg/m/dの廃水、廃棄物でも、効率よく運転できるという特徴がある。
原水の性状にもよるが、UASB処理水の水質は、処理水BOD、SSで数百mg/L以下であることが多い。この場合には、UASB処理水に対して活性汚泥処理等の好気処理を行わずに、下水道放流することが可能である。
近年の水不足事情もあり、メタン発酵処理水を回収し、再利用する要求が高まっている。特に、排水処理設備が、UASB処理設備等のメタン発酵処理設備のみであり、活性汚泥処理等の好気性処理設備を経ずに、メタン発酵処理水あるいはメタン発酵処理水の固形物を除去後、処理水を直接下水道放流している場合では、このメタン発酵処理水あるいはメタン発酵処理水の固形物を除去後、処理水を回収して再利用することが求められる。また、回収水はその用途から、有機物濃度、SS濃度、塩類濃度の極めて低い回収水が要求される。
回収水を再利用する手段としては膜分離法があるが、以下の理由により、メタン発酵処理水を回収し、有機物濃度、SS濃度、塩類濃度の極めて低い回収水を再利用するケースには適さない。
除濁膜(MF膜、UF膜)ではSSの低減は可能であるが、イオンや溶解性有機物は透過するため、低有機物濃度、低塩類濃度の回収水は得られない。
脱塩膜(NF膜、RO膜)では、低有機物濃度、低SS濃度、低塩類濃度の回収水を得ることは可能であるが、脱塩膜への供給水のSS、有機物濃度を低減する前処理装置が必要である。特に、有機物濃度はTOCで5mg/L以下まで低減する必要があるため、過大な有機物除去用の前処理設備が必要となる。
特開平11−207384号公報 須藤隆一ら,固定化微生物法による排水処理「7章スラッジブランケット(UASB)法」,産業用水調査会,1988年初版
本発明は、上記従来技術に鑑み、蒸発濃縮手段を用いることでメタン発酵処理水から有機物濃度、SS濃度、塩類濃度の極めて低い回収水を得ることができ、その際に発生する、通常、処理処分が困難な濃縮液を有効利用することで、メタン発酵処理工程の処理の安定化と薬品添加コストの低減を可能とする嫌気性処理方法と装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明では、有機性廃水又は有機性廃棄物を嫌気性微生物を用いて嫌気性処理する方法において、前記嫌気性処理後のメタン発酵処理水の一部を、蒸発操作により濃縮分離し、得られる濃縮液を前記嫌気性処理工程へ返送すると共に、得られる凝縮水は再利用することを特徴とする嫌気性処理方法としたものである。
前記嫌気性処理方法において、嫌気性処理は、メタン菌の活性促進作用のある微量元素を添加して行うのがよく、また、前記嫌気性処理が、酸発酵工程及びメタン発酵工程からなる二相式嫌気性処理であり、蒸発操作により濃縮分離して得られた濃縮液を酸発酵工程へ流入させることができる。
また、前記嫌気性処理において、処理工程中の塩類濃度を測定し、蒸発操作により濃縮分離するメタン発酵処理水の流量及び蒸発操作により濃縮する濃縮倍率を制御することができ、さらに、流入する原水の塩類濃度を測定し、蒸発操作により濃縮分離するメタン発酵処理水の流量及び蒸発濃縮する濃縮倍率を制御することができる。
前記嫌気性処理方法は、処理工程中の塩類濃度を3%以下に制御するのがよく、流入する原水の塩類濃度及び/又は処理工程中の塩類濃度の測定は、電気伝導度計を用いて行うことができ、また、処理工程中の陽イオン濃度を測定し、蒸発操作により濃縮分離するメタン発酵処理水の流量及び蒸発濃縮する濃縮倍率を制御することができる。
また、本発明は、有機性廃水又は有機性廃棄物を嫌気性処理するメタン発酵装置と、該メタン発酵装置からの流出水の一部を濃縮分離する蒸発装置とを備え、該蒸発装置で得られる濃縮液を、前記メタン発酵装置又は該メタン発酵装置の上流側に流入させる供給管を有することを特徴とする嫌気性処理装置としたものである。
また、本発明は、有機性廃水又は有機性廃棄物を二相式嫌気性処理する酸発酵装置及びメタン発酵装置と、該メタン発酵装置からの流出水の一部を濃縮分離する蒸発装置とを備え、該蒸発装置で得られる濃縮液を前記酸発酵装置又は酸発酵装置の上流側に流入させる供給管を有することを特徴とする嫌気性処理装置としたものである。
前記嫌気性処理において、メタン発酵装置及び/又は酸発酵装置には、発酵液中の電気伝導率を計測する電気伝導度計を備えることができる。
本発明によれば、メタン発酵処理水の一部を蒸発装置により濃縮分離を行い、得られる有機物濃度、SS濃度、塩類濃度の極めて低い凝縮水を回収して再利用し、これと同時に、メタン菌の活性促進作用のある微量元素が濃縮されて得られる濃縮液を、メタン発酵処理工程に返送することで、メタン発酵処理の安定化とメタン菌の活性促進作用のある微量元素の添加量低減を図り、さらに嫌気性処理が酸発酵工程及びメタン発酵工程からなる二相式嫌気性処理である場合には、アルカリ成分及びメタン菌の活性促進作用のある微量元素が濃縮された濃縮液を、酸発酵工程に返送することで、酸発酵工程に供給するアルカリ剤及びメタン菌の活性促進作用のある微量元素の添加量を低減でき、通常、処理処分が困難な濃縮液の有効利用が図れる。
以下、本発明を詳細に説明する。
図1は、嫌気性処理方法を実施するのに好ましい本発明の蒸発濃縮手段を備えた酸発酵工程とメタン発酵工程からなる二相式嫌気性処理方法の一形態を示すフロー構成図である。
メタン発酵工程としては、嫌気微生物を浮遊状態で保持する嫌気性消化法や、嫌気微生物を固定床充填材の表面に生物膜として保持する嫌気性ろ床法、嫌気微生物を砂や粒状活性炭等の流動性担体表面に保持する嫌気性流動床法、UASB法が用いられることが多いが、ここでは一例としてUASB法について説明する。
有機性廃水などを含んだ原水を酸発酵槽へ導入し、酸発酵処理水をUASBへ上向流で導入する。UASBは、嫌気性菌からなるグラニュール汚泥を投入して使用する。本発明の対象となる嫌気性処理は、30℃〜35℃を至適温度とした中温メタン発酵処理、50℃〜55℃を至適温度とした高温メタン発酵処理など、全ての温度範囲の嫌気性処理を対象としている。酸発酵槽からUASBへの送水は、ポンプ圧送による送水でも良いし、酸発酵槽の水位をUASBの水位よりも高くすることによる水頭差による送水でも良い。原水を、UASB処理水の循環液や系外から供給する希釈水等により、必要に応じて適宜希釈を行うことで、UASB内部での通水速度が0.1〜5m/hとなるように調節する。
嫌気微生物による処理法は、一般に酸発酵工程とメタン発酵工程に分けられる。酸発酵工程では、有機物の低分子化、有機酸への転換が行われ、メタン発酵では、主に酢酸などの有機酸を基質としてメタンを生成が行われる。酸発酵及びメタン発酵の至適pHの観点から、酸発酵槽内のpHを5〜8、UASB槽内のpHを6.5〜8.5に設定することが多い。酸発酵槽内でもメタン発酵が、メタン発酵槽であるUASB槽内でも酸発酵が起こるが、酸発酵槽及びUASB槽の機能がより効果的に発揮できるように、酸発酵槽のpHを5.5〜6.5に設定する。酸発酵工程では、メタン発酵が起こりにくいpH6.5以下とし、酸発酵処理を積極的に進行させることで、UASB内で良好なメタン発酵処理が行え、効率的な嫌気性処理が達成できることになる。UASBでは、メタン発酵の進行によりアルカリ度を生成し、pHが上昇するため、酸発酵槽のpHを5.5〜6.5に設定することで、UASB槽内のpHは6.5〜8.5に保たれる。
酸発酵槽とUASBは、各々1槽でもよいし、各々複数槽から構成されても良い。酸発酵槽を複数槽とする場合には、前段の酸発酵槽で、比較的酸発酵及び低分子化が容易な成分の反応が進行し、後段の酸発酵槽で、比較的酸発酵しにくい成分の酸発酵が進行する。
酸発酵槽では、アルカリ度を消費する酸発酵処理が進行するため、アルカリ剤を添加することで、酸発酵槽のpHを維持し、安定した酸発酵処理を行う。アルカリ剤としては、NaOH、Ca(OH)、Mg(OH)等があるが、pH制御の容易さ及び取り扱いの容易さを考慮して、NaOHを用いることが多い。
メタン発酵処理では、活性汚泥処理などの好気性処理と同様に、有機物を分解し、菌体が増殖する上で、栄養剤として窒素、リンが不可欠である。メタン発酵処理における一般的なCOD:窒素:リンの比率は、300〜500:6.7:1である。廃水中に窒素、リンが含まれていない場合、あるいはCODに対して窒素、リンが不足する場合には、栄養剤として尿素やリン酸等を添加し、不足分の窒素、リンを補う必要がある。
メタン菌の増殖・活性を促進する作用のある微量元素としては、N、P、B、S、Ca、Mg、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、K、Se、W、Moなどが挙げられる。以下、メタン菌の増殖・活性を促進する作用のある微量元素を、単に微量元素と記すこともある。これらの微量元素を添加することで、メタン菌の活性が高まり、処理の安定化や処理の高効率化が達成できる。微量元素は、溶解性の形態で供給することが好ましい。メタン菌の活性に影響を及ぼす成分は、相乗的に作用することがあるため、これらの微量元素を、複数組み合わせて添加することが効果的である。これらの微量元素の中には、過剰供給するとメタン菌に阻害を及ぼす成分もあるので、微量元素の添加量を適正にする必要がある。
UASB処理水の一部が、蒸発装置へ流入する。UASB処理水を蒸発装置内で蒸発濃縮させ、生成した蒸気を凝縮し、凝縮水として回収再利用し、濃縮液は、酸発酵槽へ流入させる。蒸発装置は、UASB処理水を蒸発濃縮可能であり、凝縮水及び濃縮液の回収が可能な構造であればよく、その型式は問わない。蒸発装置の配列と操作方式も特に問わないが、蒸気圧縮法、多重効用法、多段フラッシュ法、及びこれらを組み合わせた複合法は、エネルギー効率を向上させる方式である。
UASB処理水は、BOD、SSが数百mg/L以下であることが多く、UASB処理水を直接、蒸発装置内で蒸発濃縮することが可能である。原水性状等に起因して、UASB処理水SSが数百mg/L以上となり、SS濃度が蒸発装置内での蒸発濃縮に支障がある場合には、UASB処理水のSSを予め低減、除去してから蒸発装置内へ供給することが好ましい。UASB処理水のSS低減、除去としては、沈降分離、浮上分離、遠心分離等の手法が用いられるが、多くの場合は重力沈降分離で目的の水質が得られることが多い。
濃縮液の酸発酵槽への流入位置は、濃縮液を酸発酵槽へ直接流入させてもよく、濃縮液を原水配管へ流入させてもよく、濃縮液を原水と混合させた後、酸発酵槽へ流入させてもよい。
凝縮水は、SS濃度、有機物濃度、塩類濃度が極めて低いため、冷却水や中水道としての利用が可能である。凝縮水中にアンモニウムイオン等が存在し、再利用の妨げとなる場合には、凝縮水にイオン交換処理等の後処理を施すことで再利用が可能となる。
濃縮液には、アルカリ成分及びメタン菌の活性促進作用のある微量元素が濃縮されている。この濃縮液を、酸発酵槽に流入させることで、酸発酵処理時に消費されるアルカリ度や、メタン菌の増殖・活性を促進する作用のある微量元素を補うことができ、酸発酵槽に供給するアルカリ剤及びメタン菌の活性促進作用のある微量元素の添加量を、低減することが可能となる。
濃縮液では、アルカリ成分が濃縮しているため、UASB処理水に比べ、pHが上昇する。pH 7のUASB処理水を、蒸発装置内で10倍濃縮した濃縮液のpHは、約8〜9である。前記の微量元素の中には、濃縮液のpHが高くなると硫化物や水酸化物等の固形物を形成し、固定化されるものもある(ここで、固定化とは、溶解性の元素が硫化物等の固形物になることで、微量元素のメタン菌の増殖・活性を促進する作用が、低下することを意味する)。金属硫化物の溶解度積は、水酸化物の溶解度積よりもはるかに小さいので、硫化物形成時に溶解性金属濃度がより低くなる。UASB処理水中には、溶存硫化物が含まれているため、濃縮液のpHが高くなると硫化物を形成しやすい。
そのため、濃縮液をメタン発酵工程に返送する場合には、メタン菌の活性促進作用のある微量元素が、固定化されないように蒸発濃縮装置の濃縮倍率を設定する必要があり、具体的には、濃縮液のpHが9.5以下、好ましくは9.0以下になるように設定する。一方、濃縮液を酸発酵槽に返送する場合では、微量元素が硫化物等で固定化された濃縮液を、pH5.5〜6.5の酸発酵槽へ流入させることで、微量元素は、再び溶解性元素の形態をとり、微量元素のメタン菌の増殖・活性を促進する作用を発揮できる。そのため、濃縮液を酸発酵槽へ流入させることは、メタン発酵処理の安定化や高効率化を実現する上で非常に有効である。
酸発酵槽及びUASBで発生するバイオガスには、カロリーの高いメタン、水素が含まれているので、バイオガス回収して有効利用を図ることが好ましく、また、可燃性ガスに対する保安面からも望ましい。回収したバイオガスをボイラーの燃料として使用し、発生した蒸気を蒸発装置の熱源として利用することもできる。
UASB処理水の一部を蒸発装置に流入させ、濃縮液を酸発酵槽へ返送する場合においても、酸発酵槽及びUASBでの塩類濃度は上昇するため、酸発酵槽及びUASBでの塩類濃度が、メタン菌の阻害にならない範囲になるように、水回収率(原水に対する凝縮水の回収割合)及び蒸発濃縮処理での濃縮倍率を設定する必要がある。メタン菌への阻害が生じないように、酸発酵槽及びUASBでの塩類濃度が3%以下、好ましくは1%以下となるように蒸発濃縮処理での運転条件を設定する。ここで、塩類濃度とは、溶解性蒸発残留物濃度を意味している。
原水の塩類濃度が変動する場合においても、メタン菌への阻害が生じないように、酸発酵槽及びUASBでの塩類濃度が3%以下、好ましくは1%以下となるように、蒸発濃縮処理での運転条件を設定する必要がある。主な運転方法としては、以下の方法が挙げられる。
運転方法(1)
原水の塩類濃度が最も高い条件で、処理工程中の塩類濃度が3%以下、好ましくは1%以下となるように、蒸発濃縮処理での水回収率及び濃縮倍率を設定し、原水の塩類濃度が低くなった段階でも、水回収率及び濃縮倍率は変更しない方法。
運転方法(2)
原水又は処理工程中の塩類濃度を測定し、処理工程での塩類濃度が3%以下、好ましくは1%以下となるように、蒸発濃縮処理での水回収率及び濃縮倍率を制御する方法。具体的には、蒸発濃縮装置へのUASB処理水の流入量と蒸発装置での濃縮倍率を制御する方法である。ここで、処理工程中の塩類濃度とは、濃縮液が混合後の液中の塩類濃度であればよく、酸発酵槽内液、酸発酵槽流出水、UASB槽内液、UASB処理水の何れでもよい。
凝縮水の塩類濃度は極めて低く、蒸発装置に流入したUASB処理水中の塩類のほぼ全量が濃縮液側に残り、酸発酵槽に流入するため、原水の塩類濃度を測定して、蒸発装置へのUASB処理水の流入量と蒸発装置の濃縮倍率を設定することで、処理工程中の塩類濃度を3%以下、好ましくは1%以下に制御することは可能である。また、処理工程中の塩類濃度を測定して、メタン発酵処理工程の塩類濃度を3%以下、好ましくは1%以下になるように、適宜、蒸発装置へのUASB処理水の流入量と、蒸発装置の濃縮倍率を制御することも可能である。原水の塩類濃度と処理工程中の塩類濃度の両者を測定し、蒸発装置へのUASB処理水の流入量と、蒸発装置の濃縮倍率を制御することがより好ましい。
運転方法(2)は、原水の塩類濃度の変動に応じて水回収率及び濃縮倍率を制御することが可能となるため、運転方法(1)に比べて、回収水として再利用する凝縮液の回収量が増え、水回収率が向上する方法である。
塩類濃度と電気伝導率には、相関があるため、直接塩類濃度を測定しなくても、電気伝導率を測定することで、塩類濃度の監視が可能である。塩類濃度と電気伝導率の相関は、それぞれの廃水について求めておけばよく、一例として飲料製造廃水を対象とした場合では、塩類濃度0.5%で電気伝導率は800mS/m、塩類濃度1%で電気伝導率は1300mS/m、塩類濃度3%で電気伝導率は3200mS/mである。電気伝導度計により、原水及び/又は処理工程中の電気伝導率を測定することで、処理工程の塩類濃度を3%以下、好ましくは1%以下になるように、適宜、蒸発装置へのUASB処理水の流入量と蒸発装置の濃縮倍率を制御することは可能である。電気伝導度計により、原水及び/又は処理工程中の電気伝導率を連続的に測定する方法は、溶解性蒸発残留物濃度を適宜測定する方法に比べ、応答性が速く、蒸発装置へのUASB処理水の流入量と蒸発装置の濃縮倍率を制御する上で有効である。処理工程中の電気伝導率とは、濃縮液が混合後の液中の電気伝導率であればよく、酸発酵槽内液、酸発酵槽流出水、UASB槽内液、UASB処理水の何れでもよい。
UASB処理水の一部を蒸発装置に流入させ、濃縮液を酸発酵槽へ返送し、処理工程中の塩類濃度を3%以下とした場合でも、メタン発酵処理に阻害を及ぼす成分、特に、陽イオン金属が、高濃度になることでUASB処理が不安定になる可能性がある。また、酸発酵槽ではpHを維持し、安定した酸発酵処理を行う目的で、NaOH等のアルカリ剤を添加するため、原水中の陽イオン濃度が低い場合でも、アルカリ剤の添加により処理工程中の陽イオン濃度は増加する。
メタン発酵処理に阻害を及ぼす陽イオン金属としては、Na、K、Mg、Caが挙げられる。これらの陽イオン金属は、適度な濃度であればメタン発酵処理を促進させ、良好なメタン発酵処理を達成する一助となるが、高濃度では、メタン発酵処理を阻害する。例えば、Na:8000mg/L以上、K:5000mg/L以上、Mg:2000mg/L以上、Ca:5000mg/L以上では、メタン発酵処理性能が低下する。そのため、処理工程中の陽イオン濃度を測定し、陽イオン濃度がメタン発酵処理に阻害を及ぼさない濃度となるように、蒸発装置へのUASB処理水の流入量と蒸発装置の濃縮倍率を制御することが効果的である。また、酸発酵槽へ供給するアルカリ剤を複数使用することで、個々の陽イオン金属濃度を低減でき、メタン発酵の阻害を回避することが可能となる。処理工程中の陽イオン濃度とは、濃縮液が酸発酵槽で混合され、酸発酵槽にアルカリ剤が供給された後の液中の陽イオン濃度であればよく、酸発酵槽内液、酸発酵槽流出水、UASB槽内液、UASB処理水の何れでもよい。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。
実施例1
図2は、実施例1の概要を示すフロー図である。図2(a)は、従来法のUASB処理を行うA系列である。図2(b)は、UASB処理水の一部を蒸発装置に流入させるB系列(本発明)である。
両系列のUASBの容量は、1.5m(0.5m×0.5m×6m)である。原水には、飲料製造廃水(CODCr約4500mg/L)の中和処理水を使用した。UASBの水温は、35℃に制御した。原水には、リンを栄養剤として加えた。リンの添加量は、A、B系列何れもCOD:P=500:1である。
B系列の蒸発装置である蒸発濃縮装置は、伝熱体にポリエチレンフィルム薄膜を使用した機械式自己蒸気圧縮方式の装置(容量8m)を使用し、減圧圧力は約200hPa、蒸発温度は約60℃の条件で運転を行った。
各系列とも所定のCODCr負荷となるように、原水流量を調整した。B系列の蒸発濃縮装置では、水回収率を50%、濃縮倍率を5倍に設定した。原水流量3m/dの場合、B系列では、UASB槽流出水量が3.38m/d、UASB処理水量が1.5m/d、蒸発濃縮装置流入量が1.88m/d、凝縮水流量が1.5m/d、濃縮液流量が0.38m/dとなるように運転を行った。
処理成績を表1に示す。各UASBのCODCr負荷は、原水の流量及びCODCr濃度を基に算出した。各条件とも、1ヶ月間運転を行った。
Figure 2010247115
A−1系列では、CODCr負荷6kg/m/dでCODCr除去率89%の良好な処理であった。A−1系列に引き続きCODCr負荷を10kg/m/dに上げたA−2系列ではCODCr除去率が68%に低下した。
本発明に基づくB系列では、原水3.3m/dに対し、回収水が1.65m/d得られ(水回収率50%)、さらに、CODCr負荷が10kg/m/dで、CODCr除去率は88%の良好な処理であり、従来法のA系列よりも、高いCODCr負荷で安定した処理が達成できた。B系列では、微量元素が濃縮された濃縮液をメタン発酵処理工程に返送することが、メタン菌の活性促進作用のある微量元素を添加することと同等の効果があり、メタン発酵の安定化処理を達成したと考えられる。B系列のUASB流出水は、pHが7.5、溶解性Fe濃度が0.7mg/L、濃縮液は、pHが8.9、溶解性Fe濃度が3.0mg/Lであった。
実施例2
図3は、実施例2の概要を示すフロー図である。図3(a)は、微量元素を添加し、UASB処理を行うC系列(従来法)である。図3(b)は、微量元素を添加し、UASB処理水の一部を蒸発装置に流入させるD系列(本発明)である。
各系列のUASBの容量は、1.5m(0.5m×0.5m×6m)である。原水には、飲料製造廃水(CODCr約4500mg/L)の中和処理水を使用した。各槽の温度は、35℃になるように制御した。原水には、リンを栄養剤として加えた。さらに、メタン菌の活性向上及びUASB処理の安定化の目的のため、原水に微量元素としてFe、Ni、Coを添加した。リンの添加量は、C、D系列何れもCOD:P=500:1とした。微量元素の添加量は、C−1系列でCOD:Fe:Ni:Co=1000:0.5:0.005:0.005とし、C−2系列及びD系列では、C−1系列の5分の1の添加量とした。
D系列の蒸発装置である蒸発濃縮装置は、実施例1と同様の伝熱体にポリエチレンフィルム薄膜を使用した機械式自己蒸気圧縮方式の装置(容量8m)を使用し、減圧圧力は約200hPa、蒸発温度は約60℃の条件で運転を行った。
各系列とも所定のCODCr負荷となるように、原水流量を調整した。D系列の蒸発濃縮装置では、水回収率を50%、濃縮倍率を5倍に設定した。原水流量5m/dの場合、D系列では、UASB槽流出水量が5.6m/d、UASB処理水量が2.5m/d、蒸発濃縮装置流入量が3.1m/d、凝縮水流量が2.5m/d、濃縮液流量が0.6m/dとなるように運転を行った。
UASBの処理成績を表2に示す。各UASBのCODCr負荷は、原水の流量及びCODCr濃度を基に算出した。各条件とも、1ヶ月間運転を行った。
Figure 2010247115
※1 微量金属添加量はC−1系列を100とした時の割合で示す。
C−1系列では、CODCr負荷15kg/m/dでCODCr除去率91%の良好な処理であった。微量元素添加量をC−1系列の5分の1に減らしたC−2系列では、C−1系列と同じCODCr負荷で処理を行ったが、CODCr除去率は71%であり、A系列に比べCODCr除去率の低下が見られた。これは、微量元素の添加量を減らしたことによる影響であり、従来法では、安定したUASB処理を行う上で、微量元素添加量を5分の1に減らすことはできなかった。
本発明に基づくD系列では、原水5m/dに対し、回収水が2.5m/d得られ(水回収率50%)、さらに、CODCr負荷が15kg/m/dで、CODCr除去率は90%であり、C−1系列と同様に良好な処理成績であった。D系列では、メタン菌の活性促進作用のある微量元素が濃縮された濃縮液をメタン発酵槽に流入させているため、微量元素の添加量を5分の1に低減可能であった。
実施例3
図4は、実施例3の概要を示すフロー図である。図4(a)は、酸発酵槽の後段でUASB処理を行うE系列(従来法)である。図4(b)は、UASB処理水の一部を蒸発装置に流入させるF系列(本発明)である。
各系列の酸発酵槽の容量は、1.5m、UASBの容量は、1.5m(0.5m×0.5m×6m)である。原水には、飲料製造廃水(CODCr約4500mg/L)の中和処理水を使用した。各槽の温度は、35℃になるように制御した。原水には、リンを栄養剤として加えた。さらに、メタン菌の活性向上及びUASB処理の安定化の目的のため、原水に微量元素としてFe、Ni、Coを添加した。リンの添加量は、E、F系列何れもCOD:P=500:1とした。微量元素の添加量は、E−1系列でCOD:Fe:Ni:Co=1000:0.5:0.005:0.005とし、E−2系列及びF系列では、E−1系列の5分の1の添加量とした。酸発酵槽のpHが6.0になるように酸発酵槽にNaOHを注入した。
図4(b)で蒸発装置として用いる蒸発濃縮装置は、実施例1及び2と同様の伝熱体にポリエチレンフィルム薄膜を使用した機械式自己蒸気圧縮方式の装置(容量8m)を使用し、減圧圧力は約200hPa、蒸発温度は約60℃の条件で運転を行った。
各系列とも所定のCODCr負荷となるように、原水流量を調整した。F系列の蒸発濃縮装置では、水回収率を50%、濃縮倍率を5倍に設定した。原水流量10m/dの場合、F系列では、UASB槽流出水量が11.25m/d、UASB処理水量が5m/d、蒸発濃縮装置流入量が6.25m/d、凝縮水流量が5m/d、濃縮液流量が1.25m/dとなるように運転を行った。
処理成績を表3に示す。各UASB槽のCODCr負荷は、原水の流量及びCODCr濃度を基に算出した。各条件とも、1ヶ月間運転を行った。
Figure 2010247115
※1 微量金属添加量はE−1系列を100とした時の割合で示す。
E−1系列では、CODCr負荷30kg/m/dでCODCr除去率90%の良好な処理であった。微量元素添加量をE−1系列の5分の1に減らしたE−2系列では、E−1系列と同じCODCr負荷で処理を行ったが、CODCr除去率は72%であり、E−1系列に比べCODCr除去率の低下が見られた。これは、微量元素の添加量を減らしたことによる影響であり、従来法では、安定したUASB処理を行う上で、微量元素添加量を5分の1に減らすことはできなかった。
F系列では、原水5m/dに対し、回収水が2.5m/d得られ(水回収率50%)、さらに、CODCr負荷15kg/m/dでCODCr除去率90%であり、E−1系列と同様に良好な処理成績であった。F系列では、メタン菌の活性促進作用のある微量元素が濃縮された濃縮液を、酸発酵槽に流入させているため、微量元素の添加量を5分の1に低減可能であった。さらに、F系列では、アルカリ成分が濃縮された濃縮液を酸発酵槽に流入するため、NaOH添加量は4kg/dであり、E−1系列及びE−2系列の11kg/dよりも少なかった。
F系列のUASB流出水は、pHが7.2、M−アルカリ度が2070mg/L、溶解性Fe濃度が0.7mg/L、濃縮液は、pHが8.9、M−アルカリ度が9300mg/L、溶解性Fe濃度が3.0mg/Lであった。
UASB処理水を蒸発装置内で蒸発濃縮し、生成した蒸気を凝縮し、凝縮水として回収再利用し、これと同時に、メタン菌の活性促進作用のある微量金属が濃縮された濃縮液を、メタン発酵処理工程に返送する本願発明のB系列では、従来法のA系列よりも高いCODCr負荷での運転が可能となり、原水に微量元素を添加する場合では、本願発明のD系列では、従来法のC系列に比べ微量元素の添加量低減が可能であり、さらに、嫌気性処理が酸発酵工程及びメタン発酵工程からなる二相式嫌気性処理である場合には、アルカリ成分及びメタン菌の活性促進作用のある微量元素が濃縮された濃縮液を、酸発酵工程に返送することで、本発明のF系列では、従来法のE系列に比べ、酸発酵工程に供給するアルカリ剤及びメタン菌の活性促進作用のある微量元素の添加量の低減が可能であった。
B、D、F系列の蒸発濃縮装置で得られた凝縮水は、電気伝導率が約20mS/m、TOCが1mg/L以下、SSが1mg/L以下、アンモニア性窒素が10mg/Lであり、中水道等に有効利用可能な水質であった。この凝縮水をイオン交換処理し、アンモニウムイオンを除去することで、冷却水等に有効利用可能な水質となった。また、原水の塩類濃度は、0.5%以下、UASB処理水の塩類濃度は、1%以下であり、メタン菌の活性の阻害を与えることはなかった。
実施例4
実施例4のF、G、H系列は、UASB処理水の一部を蒸発装置に流入させる実施例3の図4(b)と同じ系列(本発明)である。
各系列の酸発酵槽の容量は、1.5m、UASBの容量は、1.5m(0.5m×0.5m×6m)である。原水には、飲料製造廃水(CODCr約4500mg/L)の中和処理水を使用した。各槽の温度は、35℃になるように制御した。原水には、リンを栄養剤として加えた。さらに、メタン菌の活性向上及びUASB処理の安定化の目的のため、原水に微量元素としてFe、Ni、Coを添加した。リンの添加量は、何れもCOD:P=500:1とした。微量元素の添加量は、COD:Fe:Ni:Co=1000:0.1:0.001:0.001とした。酸発酵槽のpHが6.0になるように、酸発酵槽にNaOHを注入した。
蒸発装置として用いた蒸発濃縮装置は、実施例1〜3と同様の伝熱体にポリエチレンフィルム薄膜を使用した機械式自己蒸気圧縮方式の装置(容量8m)を使用し、減圧圧力が約200hPa、蒸発温度が約60℃の条件で運転を行った。
各系列とも、原水流量10m/dで運転を行った。F系列では、蒸発濃縮装置での水回収率を50%、蒸発濃縮装置での濃縮倍率を5倍に設定し、UASB槽流出水量が11.25m/d、UASB処理水量が5m/d、蒸発濃縮装置流入量が6.25m/d、凝縮水流量が5m/d、濃縮液流量が1.25m/dとなるように運転を行った。
G系列では、UASB処理水の塩類濃度として溶解性蒸発残留物濃度を測定し、処理工程中の塩類濃度が1%となるように、蒸発装置へのUASB処理水流入量を制御した系列である。蒸発濃縮装置での濃縮倍率は、5倍に設定した。
H系列では、原水の塩類濃度として溶解性蒸発残留物濃度を測定し、処理工程中の塩類濃度が1%となるように、蒸発装置へのUASB処理水流入量を制御した系列である。蒸発濃縮装置での濃縮倍率は、5倍に設定した。
図5にフロー図として示すI系列では、UASB処理水の電気伝導率を電気伝導度計で連続的に計測し、測定した電気伝導率を塩類濃度に換算し、処理工程中の塩類濃度が1%となるように蒸発装置へのUASB処理水流入量を制御した系列である。蒸発濃縮装置での濃縮倍率は5倍に設定した。
図5にフロー図として示すJ系列では、原水の電気伝導率を電気伝導度計で連続的に計測し、測定した電気伝導率を塩類能に換算し、処理工程中の塩類濃度が1%となるように蒸発装置へのUASB処理水流入量を制御した系列である。蒸発濃縮装置での濃縮倍率は5倍に設定した。
処理成績を図7及び表4に示す。各UASB槽のCODCr負荷は、原水の流量及びCODCr濃度を基に算出した。各条件とも、1ヶ月間運転を行った。
Figure 2010247115
図7(a)に原水塩類濃度を示す。原水の塩類濃度は、0.25%〜0.5%で変動した。
図7(b)にUASB処理水塩類濃度、図7(c)に電気伝導率(mS/m)、図7(d)に水回収率(%)を示す。
水回収率を50%に設定したF系列では、UASB処理水の塩類濃度は0.5〜1%、CODCr除去率は90%であった。UASB処理水塩類濃度により、蒸発装置へのUASB処理水流入量を制御したG系列では、UASB処理水の塩類濃度は0.85〜1.1%(平均値1.0%)、水回収率は45〜70%(平均値60%)、CODCr除去率は90%であった。原水塩類濃度により、蒸発装置へのUASB処理水流入量を制御したH系列では、UASB処理水の塩類濃度は0.85〜1.2%(平均値1.0%)、水回収率は46〜73%(平均値61%)、CODCr除去率は90%であった。
UASB処理水の塩類濃度を測定し、処理工程中の塩類濃度が1%となるように、蒸発装置へのUASB処理水流入量を制御したG系列及び原水の塩類濃度を測定し、処理工程中の塩類濃度が1%となるように蒸発装置へのUASB処理水流入量を制御したH系列では、F系列よりも水回収率が向上し、CODCr除去性能が同等の処理方式であった。
UASB処理水の電気伝導率により、蒸発装置へのUASB処理水流入量を制御したI系列では、UASB処理水の塩類濃度は0.95〜1.1%(平均値1.0%)、水回収率は48〜74%(平均値63%)、CODCr除去率は90%であった。原水の電気伝導率により、蒸発装置へのUASB処理水流入量を制御したJ系列では、UASB処理水の塩類濃度は0.95〜1.1%(平均値1.0%)、水回収率は49〜75%(平均値64%)、CODCr除去率は90%であった。
電気伝導度計により、UASB処理水又は原水の電気伝導率を連続的に測定するI系列、J系列では、溶解性蒸発残留物濃度を測定するG系列、H系列に比べ、応答性が速く、適宜蒸発装置へのUASB処理水の流入量とを制御することが可能であるため、水回収率の向上が達成できた。
実施例5
図6は、実施例5のK、L系列の概要を示すフロー図である。K、L系列は、UASB処理水の一部を蒸発装置に流入させる系列(本発明)である。
各系列の酸発酵槽の容量は、1.5m、UASBの容量は、1.5m(0.5m×0.5m×6m)である。原水には、飲料製造廃水(CODCr約4500mg/L)の中和処理水を使用した。各槽の温度は、35℃になるように制御した。原水には、リンを栄養剤として加えた。さらに、メタン菌の活性向上及びUASB処理の安定化の目的のため、原水に微量元素としてFe、Ni、Coを添加した。リンの添加量は、何れもCOD:P=500:1とした。微量元素の添加量は、各系列でCOD:Fe:Ni:Co=1000:0.1:0.001:0.001とした。酸発酵槽のpHが6.0になるように、酸発酵槽にK系列では、NaOHを注入し、L系列では、NaOHとCa(OH)を併用した。
蒸発装置として用いた蒸発濃縮装置は、実施例1〜4と同様の伝熱体にポリエチレンフィルム薄膜を使用した機械式自己蒸気圧縮方式の装置(容量8m)を使用し、減圧圧力は約200hPa、蒸発温度は約60℃の条件で運転を行った。
各系列とも、原水流量10m/dで運転を行った。
K系列、L系列は、原水の塩類濃度として溶解性蒸発残留物濃度を測定し、処理工程中の塩類濃度が設定値となるように、蒸発装置へのUASB処理水流入量を調整した系列であり、蒸発濃縮装置での濃縮倍率は5倍に設定した。
K系列では、処理工程中の塩類濃度を、K−1系列:1%、K−2系列:2%、K−3系列:3%、K−4系列:4%となるように、蒸発装置へのUASB処理水流入量を調整した。K−5系列は、UASBのNa濃度を測定し、Na濃度が7500mg/Lを超えないように、蒸発装置へのUASB処理水流入量を制御した系列である。L系列では、処理工程中の塩類濃度を、L−1系列:1%、L−2系列:2%、L−3系列:3%、L−4系列:4%となるように、蒸発装置へのUASB処理水流入量を調整し、さらに。処理工程中のNa濃度を測定し、Naが7500mg/Lを超えないように、酸発酵槽へ注入するアルカリ剤としてNaOHとCa(OH)を併用した。
処理成績を表5に示す。各UASB槽のCODCr負荷は、原水の流量及びCODCr濃度を基に算出した。各条件とも、1ヶ月間運転を行った。ただし、処理が悪化した系列ではCODCr除去率が50%を下回った段階で運転を中止した。
Figure 2010247115
K−1系列では、水回収率55%、UASB処理水塩類濃度1%、CODCr除去率90%、K−2系列では、水回収率78%、UASB処理水塩類濃度2%、CODCr除去率84%の良好な処理成績であった。一方、UASB処理水塩類濃度3%のK−3系列及びUASB処理水塩類濃度4%のK−4系列では、処理が悪化し、CODCr除去率50%以下であった。UASB処理水のNa濃度は、K−1:3000mg/L、K−2:6500mg/L、K−3:10500mg/L、K−4:14000mg/Lであった。塩類濃度の増加とNa濃度の増加により、K−3系列及びK−4系列の処理が悪化した。K−5系列では、水回収率80%、UASB処理水塩類濃度2.2%、CODCr除去率81%の良好な処理成績であった。
L−1系列はK−1系列と、L−2系列はK−2系列と、同じ処理成績であった。L−3系列では、水回収率85%、UASB処理水塩類濃度3%、CODCr除去率78%の処理成績であった。一方、UASB処理水塩類濃度4%のL−4系列では、処理が悪化し、CODCr除去率30%であった。UASB処理水のNa濃度を、7500mg/L以下とすることで、塩類濃度3%のL−3系列においても、CODCr除去率78%を達成できたが、塩類濃度4%のL−4系列では、塩類濃度が高いため、処理が悪化した。
塩類濃度が増加すると、CODCr除去率は低下する傾向にあるが、塩類濃度3%以下では、UASB処理は可能であった。また、塩類濃度が3%以下であっても、Na濃度が10000mg/L以上になると、UASB処理は悪化した。K−5系列のように、処理工程中のNa濃度を測定し、Na濃度が、メタン発酵処理に阻害を及ぼさない濃度となるように、蒸発装置へのUASB処理水の流入量を制御することで、安定したCODCr除去性能と高い水回収率を達成できた。
本発明の二相式嫌気性処理方法の一形態を示すフロー構成図。 実施例1で用いたフロー図で、(a)A系列、(b)B系列を示す。 実施例2で用いたフロー図で、(a)C系列、(b)D系列を示す。 実施例3と4で用いたフロー図で、(a)E系列、(b)F、G、H系列を示す。 実施例4で用いたフロー図で、I系列とJ系列を示す。 実施例5で用いたフロー図で、K系列とL系列を示す。 実施例4の処理結果を示すグラフで、(a)原水塩類濃度(%)、(b)UASB処理水塩類濃度(%)、(c)電気伝導率(mS/m)、(d)水回収率(%)の経時変化を示す。
EC:電気伝導度計

Claims (11)

  1. 有機性廃水又は有機性廃棄物を嫌気性微生物を用いて嫌気性処理する方法において、前記嫌気性処理後のメタン発酵処理水の一部を、蒸発操作により濃縮分離し、得られる濃縮液を前記嫌気性処理工程へ返送すると共に、得られる凝縮水は再利用することを特徴とする嫌気性処理方法。
  2. 前記嫌気性処理は、メタン菌の活性促進作用のある微量元素を添加して行うことを特徴とする請求項1に記載の嫌気性処理方法。
  3. 前記嫌気性処理が、酸発酵工程及びメタン発酵工程からなる二相式嫌気性処理であり、蒸発操作により濃縮分離して得られた濃縮液を酸発酵工程へ流入させることを特徴とする請求項1又は2に記載の嫌気性処理方法。
  4. 前記嫌気性処理は、処理工程中の塩類濃度を測定し、蒸発操作により濃縮分離するメタン発酵処理水の流量及び蒸発濃縮する濃縮倍率を制御することを特徴とする請求項1、2又は3に記載の嫌気性処理方法。
  5. 前記嫌気性処理は、流入する原水の塩類濃度を測定し、蒸発操作により濃縮分離するメタン発酵処理水の流量及び蒸発濃縮する濃縮倍率を制御することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の嫌気性処理方法。
  6. 前記嫌気性処理は、処理工程中の塩類濃度を3%以下に制御することを特徴とする請求項4又は5に記載の嫌気性処理方法。
  7. 前記嫌気性処理は、流入する原水の塩類濃度及び/又は処理工程中の塩類濃度の測定に電気伝導度計を用いることを特徴とする請求項4、5又は6に記載の嫌気性処理方法。
  8. 前記嫌気性処理は、処理工程中の陽イオン濃度を測定し、蒸発操作により濃縮分離するメタン発酵処理水の流量及び蒸発濃縮する濃縮倍率を制御することを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の嫌気性処理方法。
  9. 有機性廃水又は有機性廃棄物を嫌気性処理するメタン発酵装置と、該メタン発酵装置からの流出水の一部を濃縮分離する蒸発装置とを備え、該蒸発装置で得られる濃縮液を、前記メタン発酵装置又は該メタン発酵装置の上流側に流入させる供給管を有することを特徴とする嫌気性処理装置。
  10. 有機性廃水又は有機性廃棄物を二相式嫌気性処理する酸発酵装置及びメタン発酵装置と、該メタン発酵装置からの流出水の一部を濃縮分離する蒸発装置とを備え、該蒸発装置で得られる濃縮液を前記酸発酵装置又は酸発酵装置の上流側に流入させる供給管を有することを特徴とする嫌気性処理装置。
  11. 前記メタン発酵装置及び/又は酸発酵装置には、発酵液中の電気伝導率を計測する電気伝導度計を備えたことを特徴とする請求項9又は10に記載の嫌気性処理装置。
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