JP2010246506A - 水田作業車 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】機体の旋回開始からの機体の走行距離を検出する走行距離検出手段56、又は機体の旋回開始からの経過時間を検出する経過時間検出手段57を備える。走行距離検出手段56の検出値が設定距離に達するまでに、又は経過時間検出手段57の検出値が設定時間に達するまでに、作業装置操作手段55による作業装置の作業状態への操作が終了しなければ、作業装置操作手段55の作動を停止させる停止手段58を備える。
【選択図】図3
Description
例えば特許文献1では、機体が畦際に達して前輪が操向操作されると、旋回が開始されたと判断され(特許文献1の段落番号[0038])、機体の旋回行程の位置の検出が開始されて(機体位置検出手段に相当)、機体が旋回終了位置に達したことが検出されると旋回が終了したと判断するように構成されている。
これにより、旋回の開始時に、運転者が昇降レバーによる苗植付装置の上昇操作を行わなくてもよいように、旋回の終了時に、運転者が昇降レバーによる苗植付装置の下降操作を行わなくてもよいようにしている。
(構成)
本発明の第1特徴は、水田作業車において次のように構成することにある。
機体に備えられた作業装置を作業状態及び非作業状態に操作自在に構成し、
機体の旋回開始に伴って機体の旋回行程の位置を検出する機体位置検出手段と、前記機体位置検出手段の検出に基づいて旋回終了位置を検出する旋回終了位置検出手段と、前記旋回終了位置検出手段の検出に基づいて前記作業装置を作業状態に操作する作業装置操作手段とを備え、
機体の旋回開始からの機体の走行距離を検出する走行距離検出手段、又は機体の旋回開始からの経過時間を検出する経過時間検出手段を備え、
前記走行距離検出手段の検出値が事前に設定された設定距離に達するまでに、又は前記経過時間検出手段の検出値が事前に設定された設定時間に達するまでに、前記作業装置操作手段による作業装置の作業状態への操作が終了しなければ、前記作業装置操作手段の作動を停止させる停止手段を備える。
本発明の第1特徴によると、機体の旋回開始に伴って機体の旋回行程の位置が検出されて、機体の旋回行程の位置の検出に基づいて旋回終了位置が検出されると、作業装置が作業状態に操作される。
本発明の第1特徴によると、機体の旋回開始からの機体の走行距離が検出される(又は機体の旋回開始からの経過時間が検出される)。この場合、機体の旋回開始から機体が通常の旋回を行う場合、機体位置検出手段が正常に作動していれば、機体の旋回開始から作業装置操作手段による作業装置の作業状態への操作が終了していると予想される走行距離又は経過時間を、設定距離又は設定時間として事前に設定しておけばよい。
機体の旋回開始から機体の走行距離が設定距離に達するまでに、又は機体の旋回開始から設定時間が経過するまでに、作業装置操作手段による作業装置の作業状態への操作が終了していなければ、機体位置検出手段が正常に作動していないと判断されて、作業装置の作業状態への操作は行われない(作業装置操作手段の作動を停止させる)。
本発明の第1特徴によると、水田作業車において、機体の旋回開始に伴って機体の旋回行程の位置を検出し、旋回終了位置が検出されると作業装置を作業状態に操作するように構成する場合、作業装置の作業状態への操作が行われる状態及び行われない状態を適切に得ることができるようになって、水田作業車の作業性能を向上させることができた。
(構成)
本発明の第2特徴は、本発明の第1特徴の水田作業車において次のように構成することにある。
機体の走行距離と前輪の直進位置からの操向角度とにより、機体の旋回半径と、機体の旋回中心に対して機体が移動した移動角度とを検出し、前記機体の旋回半径と移動角度とに基づいて三角関数により、前記旋回開始前の機体の進行方向における機体の位置を検出して、前記旋回開始前の機体の進行方向における機体の位置を前記機体の旋回行程の位置として検出するように、前記機体位置検出手段を構成する。
本発明の第2特徴によると、機体の走行距離と前輪の直進位置からの操向角度とを使用しており、機体の走行距離に対して前輪の直進位置からの操向角度を加味することによって、機体がどの方向にどれたけ進行したのかを検出することができる。
このように、機体がどの方向にどれだけ進行したのかを検出することができれば、大きな旋回が行われても小さな旋回が行われても、これに関係なく、旋回開始前(例えば図9のL01参照)の機体の進行方向(例えば図9の(+Y)(−Y)参照)における機体の位置(例えば図10(b)のY1参照)を検出することができる。
本発明の第2特徴によると、旋回開始前の機体の進行方向における機体の位置(機体の旋回行程の位置)を検出することにより、旋回終了位置を精度良く検出することができ、旋回終了位置の検出に基づいて作業装置を適切に作業状態に操作することができるようになって、水田作業車の作業性能を向上させることができた。
(構成)
本発明の第3特徴は、本発明の第1又は第2特徴の水田作業車において次のように構成することにある。
機体の旋回開始から前記作業装置操作手段による作業装置の作業状態への操作が終了するまでの間に、前記作業装置を操作する為の作業用人為操作具が操作されると、前記作業装置操作手段の作動を停止させるように、前記停止手段を構成する。
水田作業車では、作業装置を作業状態に自動的に操作する作業装置操作手段ばかりではなく、運転者が手動によって作業装置を操作する為の作業用人為操作具(例えば作業装置の昇降操作や作業装置に動力を伝達する作業クラッチの操作等を行う為の操作レバー等)を備えることが多い。
本発明の第3特徴によると、作業装置操作手段の作動を停止(中断)して、作業装置操作手段による作業装置の作業状態への操作とは別の操作(作業)に無理なく移行することができるようになって、水田作業車の作業性能を向上させることができた。
(構成)
本発明の第4特徴は、本発明の第1〜第3特徴の水田作業車のうちのいずれか一つにおいて次のように構成することある。
前記作業装置操作手段を作動及び停止状態に設定するもので人為的に操作される人為操作具を備える。
本発明の第4特徴によると、作業装置を作業状態に自動的に操作する作業装置操作手段を作動させる必要がある場合、作動させる必要が無い場合において、運転者が人為操作具を操作することによって、作業装置操作手段の作動及び停止状態を任意に設定することができる。
本発明の第4特徴によると、運転者が人為操作具を操作することによって、作業装置操作手段の作動及び停止状態を任意に設定することができるようになり、水田作業車の作業性能を向上させることができた。
(構成)
本発明の第5特徴は、本発明の第4特徴の水田作業車において次のように構成することにある。
前記人為操作具により作業装置操作手段が作動状態に設定されている状態において、エンジンの停止操作が行われ再びエンジンの始動操作が行われても、前記作業装置操作手段の作動状態が維持されるように構成する。
前項[IV]に記載のような人為操作具を備えた場合、運転者が人為操作具を操作して作業装置操作手段の作動状態を設定していた状態において、例えば運転者がエンジンの停止操作を行うと、作業装置操作手段が自動的に停止状態に設定されるように構成されていたとする。
この構成であるとエンジンの停止操作後にエンジンの始動操作を行った場合、エンジンの停止及び始動操作の前後において、作業装置操作手段の状態が異なるものになるので、運転者は作業装置操作手段が停止状態に設定されていることを忘れている可能性があり(作業装置操作手段が作動状態であると思い込んでいる可能性があり)、運転者の誤解を招くおそれがある。
これにより、エンジンの停止操作時に、運転者が作業装置操作手段は作動状態であると思い込んでいても、エンジンの停止及び始動操作の前後において、作業装置操作手段の状態が作動状態の同じものになるので、運転者の誤解を招くようなことがない。
本発明の第5特徴によると、エンジンの停止及び始動操作の前後において、作業装置操作手段の状態が作動状態の同じものになり、運転者の誤解を招くようなことがないので、誤解に基づく運転者の誤操作を少なくすることができた。
(構成)
本発明の第6特徴は、本発明の第1〜第5特徴の水田作業車のうちのいずれか一つにおいて次のように構成することある。
前輪の操向操作に基づいて前記作業装置を非作業状態に操作して機体の旋回が開始されたとする旋回開始操作手段を備え、
前記旋回終了位置検出手段の検出に基づいて前記作業装置操作手段が作業装置を作業状態に操作してから、機体が事前に設定された所定距離だけ走行するまでの間、又は、事前に設定された所定時間が経過するまでの間、前輪の操向操作が行われても、前記旋回開始操作手段の作動を阻止する牽制手段を備える。
水田作業車では、機体の旋回開始を判断するものとして、前項[III]に記載のような作業用人為操作具を運転者が操作して作業装置を非作業状態に操作すると、機体の旋回開始と判断するように構成することが多くある。
この構成に加えて又はこの構成に代えて、特許文献1のように、前輪の操向操作に基づいて作業装置を非作業状態に操作して機体の旋回が開始されたとする旋回開始操作手段を備えることがある(例えば運転者が操縦ハンドルを操作して前輪が操向操作されると、作業装置が非作業状態に操作されて、機体の旋回が開始されたとされる)。
本発明の第6特徴によると、前輪の操向操作に基づいて作業装置を非作業状態に操作して機体の旋回が開始されたとする旋回開始操作手段を備えた場合、作業装置が作業状態に操作された直後に再び非作業状態に操作されてしまうような状態が生じないようにすることができて、水田作業車の作業性能を向上させることができた。
(構成)
本発明の第7特徴によると、本発明の第1〜第6特徴の水田作業車のうちのいずれか一つにおいて次のように構成することある。
前記作業装置操作手段の作動及び停止状態を報知する報知手段を備える。
本発明の第7特徴によると、作業装置操作手段がどのような状態(作動及び停止状態)であるかを運転者が認識することができるので、作業装置操作手段の状態(作動及び停止状態)に関する運転者の誤解が少なくなる。
本発明の第7特徴は、作業装置操作手段の状態(作動及び停止状態)に関する運転者の誤解が少なくなり、誤解に基づく運転者の誤操作を少なくすることができた。
図1に示すように、右及び左の前輪1、右及び左の後輪2で支持された機体の後部にリンク機構3が昇降自在に支持されて、リンク機構3を昇降駆動する単動型の油圧シリンダ4が備えられており、リンク機構3の後部に苗植付装置5(作業装置に相当)が支持されて、水田作業車の一例である乗用型田植機が構成されている。水田は一般に下方の硬い耕盤G1の上に泥や水の層が形成されて、泥や水の層の最上面が田面G2となっており、右及び左の前輪1、右及び左の後輪2は耕盤G1に接地して走行する。
次に、右及び左の前輪1への伝動系について説明する。
図2に示すように、エンジン31の動力が伝動ベルト32を介して静油圧式無段変速装置33及びミッションケース34に伝達され、ミッションケース34の副変速装置(図示せず)から、前輪デフ機構(図示せず)及び前車軸ケース35の伝動軸(図示せず)を介して、右及び左の前輪1に伝達される。静油圧式無段変速装置33は中立位置から前進側及び後進側に無段階に変速自在に構成されており、図1に示すように、操縦ハンドル20の左横側に備えられた変速レバー45により静油圧式無段変速装置33を操作する。
次に、右及び左の後輪2への伝動系について説明する。
図2に示すように、ミッションケース34の副変速装置の動力が伝動軸36、後車軸ケース37の入力軸38、入力軸38に固定されたベベルギヤ38a、ベベルギヤ38aに咬合するベベルギヤ39a、ベベルギヤ39aが固定された伝動軸39、右及び左のサイドクラッチ40、右及び左の車軸65を介して右及び左の後輪2に伝達される。
次に、苗植付装置5及び繰り出し部15への伝動系について説明する。
図1及び図3に示すように、静油圧式無段変速装置33と副変速装置との間から分岐した動力が、植付クラッチ26及びPTO軸25を介して苗植付装置5に伝達される。静油圧式無段変速装置33と副変速装置との間から分岐した動力が、施肥クラッチ27及び駆動ロッド30を介して繰り出し部15に伝達されており、植付及び施肥クラッチ26,27を伝動及び遮断状態に操作する電動モータ28が備えられている。
次に、苗植付装置5の自動昇降制御手段61について説明する。
図3に示すように、自動昇降制御手段61が制御装置23に備えられている。苗植付装置5の横軸芯P1周りに中央のフロート9の後部が上下に揺動自在に支持されて、苗植付装置5に対する中央のフロート9の高さを検出するポテンショメータ22が備えられており、ポテンショメータ22の検出値が制御装置23に入力されている。機体の進行に伴って中央のフロート9が田面G2に接地追従するのであり、ポテンショメータ22の検出値により苗植付装置5に対する中央のフロート9の高さを検出することによって、田面G2(中央のフロート9)から苗植付装置5までの高さを検出することができる。
次に、昇降レバー11について説明する。
図1及び図3に示すように、運転座席13の右横側に昇降レバー11が備えられ、昇降レバー11は自動位置、上昇位置、中立位置、下降位置及び植付位置に操作及び保持自在に構成されており、昇降レバー11の操作位置が制御装置23に入力されている。機体に対するリンク機構3の上下角度を検出するポテンショメータ29が備えられて、ポテンショメータ29の検出値が制御装置23に入力されており、機体に対するリンク機構3の上下角度を検出することによって、機体に対する苗植付装置5の高さを検出することができる。
このように、昇降レバー11を上昇位置、中立位置及び下降位置に操作することによって、苗植付装置5を任意の高さに上昇及び下降させて停止させることができる。
図3に示すように、昇降レバー11を植付位置に操作すると、右及び左のマーカー19が格納姿勢に操作された状態で、自動昇降制御手段61が作動し、植付及び施肥クラッチ26,27が伝動状態に操作される。
次に、操作レバー12(作業用人為操作具に相当)について説明する。
図1及び図3に示すように、操縦ハンドル20の下側の右横側に操作レバー12が備えられ、操作レバー12が右の横外方に延出されている。操作レバー12は中立位置Nから上方の上昇位置U、下方の下降位置D、後方の右マーカー位置R及び前方の左マーカー位置Lの十字方向に操作自在に構成されて、中立位置Nに付勢されており、操作レバー12の操作位置が制御装置23に入力されている。
右(左)のマーカー19が格納姿勢に操作された状態において、操作レバー12を右マーカー位置R(左マーカー位置L)に第1設定時間(比較的短い時間)以上に亘って操作すると、右(左)のマーカー19が作用姿勢に操作される。
右(左)のマーカー19が作用姿勢に操作された状態において、操作レバー12を右マーカー位置R(左マーカー位置L)に第2設定時間(第1設定時間よりも長い時間)以上に亘って操作すると、右(左)のマーカー19が格納姿勢に操作される。
次に、乗用型田植機の作業形態について説明する。
例えば図7及び図8に示すように、平面視で四角形の水田において、乗用型田植機は以下のような作業形態を採用することがある。
次に、制御装置23について説明する。
図3に示すように、制御装置23に、機体位置検出手段51、旋回開始位置検出手段52、旋回終了位置検出手段53、マーカー操作手段54、作業装置操作手段55、走行距離検出手段56、経過時間検出手段57、停止手段58、記憶手段59、旋回開始操作手段60及び牽制手段62が備えられている。
作業行程L01,L02の間に行われる旋回LL2(右方向)を代表にして、前半の旋回行程L1(運転者が操作レバー12を上昇位置Uに操作した状態)、前半の旋回行程L1(運転者が操作レバー12を上昇位置Uに操作せずに操縦ハンドル20を操作した状態)、及び後半の旋回行程L2について、以下の[10]〜[16]において説明する。
次に、前半の旋回行程L1(運転者が操作レバー12を上昇位置Uに操作した状態)について、図4,5,6,9に基づいて説明する。
第1設定スイッチ46を作動位置に操作すると(ステップS1)、表示ランプ69が点灯する(ステップS2)。第1設定スイッチ46を停止位置に操作すると(ステップS1)、表示ランプ69が消灯する(ステップS3)。図7に示すように、位置K1に機体を位置させ、苗植付装置5を田面G2に下降させて、空作業行程LA1を開始する場合、前項[7]に記載のように、運転者は操作レバー12により左のマーカー19を作用姿勢に操作する。
図7に示すように、空作業行程LA1と作業行程L01との間において、旋回LL1(左方向)が行われたことにより、記憶手段59に「機体の旋回方向(左方向)」が記憶されている(ステップS14)。
次に、前項[10]に引き続いて前半の旋回行程L1(運転者が操作レバー12を上昇位置Uに操作した状態)について、図4,5,9に基づいて説明する。
操作レバー12が上昇位置Uに操作されると(ステップS4)(作業行程L01からの旋回開始に相当)、旋回開始位置検出手段52により、作業行程L01,L02の機体の進行方向(+Y)(−Y)における機体の位置Y1が「0(原点)」に設定され、「0(原点)」が旋回開始位置E1として検出(設定)される(ステップS101)。これと同時に、「0(原点)」が旋回終了位置E3として検出(設定)される(ステップS102)。
式1:Y1=R*SIN(θ)
R:機体の旋回半径
θ:旋回開始位置E1からの機体の移動角度
これにより、機体の移動角度θが0度(旋回開始位置E1)〜90度(境界位置E2)の範囲では、作業行程L01,L02の機体の進行方向(+Y)(−Y)における機体の位置Y1は、旋回開始位置E1から(+Y)に離れていく状態となる。
次に、前項[11]に引き続いて前半の旋回行程L1(運転者が操作レバー12を上昇位置Uに操作した状態)について、図4,5,6,9に基づいて説明する。
ステップS101において旋回開始位置E1の検出(設定)が行われると、走行距離検出手段56により検出(積算)される機体の走行距離Gと、右及び左の前輪1(操向部材41)の直進位置A1からの操向角度Aとに基づいて、機体の旋回角度F1が「0」から検出(積算)される(ステップS202)。この場合、旋回開始位置E1(作業行程L01)での機体の向きに対して、現在の機体の向きがどのような角度であるのかが、機体の走行距離Gと、右及び左の前輪1(操向部材41)の直進位置A1からの操向角度Aとに基づいて検出され、この検出値が機体の旋回角度F1として検出(積算)される。
前項[10]〜[12]に記載のように、運転者が操作レバー12を上昇位置Uに操作して(上昇位置Uに操作して中立位置Nに操作して)(ステップS4)、前半の旋回行程L1に入る場合とは別に、右及び左の前輪1(操向部材41)が右(左)の設定角度A2を越えて右(左)の操向限度A3側に操向操作されることに基づいて、前半の旋回行程L1に入る状態もある。以下、この状態について図4,5,6,9に基づいて説明する。
次に、後半の旋回行程L2について、図4,5,6,9に基づいて説明する。
機体の旋回角度F1が90度(境界位置E2)を越えると、機体が後半の旋回行程L2に入ったと判断される。前半の旋回行程L1における機体の向きに対して、後半の旋回行程L2の向きは逆向きになるので、作業行程L01,L02の機体の進行方向(+Y)(−Y)における機体の位置Y1は、旋回開始位置E1(旋回終了位置E3)に接近していく状態となる。
第2設定スイッチ67が作動位置に操作されている状態(マーカー操作手段54の作動状態)において(ステップS18)、記憶手段59に記憶されている「機体の旋回方向(右方向)」とは反対側の左のマーカー19が作用姿勢に操作されるのであり(ステップS19)、第2設定スイッチ67が停止位置に操作されている状態(マーカー操作手段54の停止状態)では(ステップS18)、前述のような右又は左のマーカー19の作用姿勢への操作は行われない。
次に、前半及び後半の旋回行程L1,L2において、停止手段58の作動について図4及び図6に基づいて説明する。
前項[11]に記載のように、ステップS101において旋回開始位置E1の検出(設定)が行われると、走行距離検出手段56により、旋回開始位置E1からの機体の走行距離Gの検出(積算)が開始される(ステップS51)。これと同時に経過時間検出手段57により、旋回開始位置E1の検出(設定)からの経過時間Tの検出が開始される(ステップS52)。
旋回開始位置E1から機体が通常の旋回を行う場合、機体位置検出手段51が正常に作動していれば、旋回開始位置E1から旋回終了位置E3の検出(作業装置操作手段55による植付及び施肥クラッチ26,27の伝動状態への操作)が終了していると予想される経過時間が設定時間T1として、制御装置23に事前に設定されている。
次に、作業行程L01,L02の機体の進行方向(+Y)(−Y)における機体の位置Y1が旋回終了位置E3に到達したことが、旋回終了位置検出手段53により検出され、作業装置操作手段55により植付及び施肥クラッチ26,27が伝動状態に操作された後の状態について、図5及び図9に基づいて説明する。
機体の向きの修正に必要と予想される十分な走行距離が所定距離G12として、制御装置23に事前に設定されており、機体の向きの修正に必要と予想される十分な経過時間が所定時間T12として、制御装置23に事前に設定されている。
前述の[発明を実施するための形態]の図6のステップS51〜S54において、機体の走行距離Gの検出(積算)及び経過時間Tの検出の両方を行うのではなく、ステップS52,S54を削除して、機体の走行距離Gの検出(積算)だけを行うように構成してもよい。ステップS51,S53を削除して、経過時間Tの検出だけを行うように構成してもよい。
前述の[発明を実施するための形態][発明を実施するための第1別形態]において、記憶手段59に機体の旋回方向を記憶するのではなく、マーカー操作手段54及び記憶手段59が以下のように作動するように構成してもよい。
前述の[発明を実施するための形態][発明を実施するための第1別形態][発明を実施するための第2別形態]の図4のステップS103において、式1に基づいて、空作業行程LA1、作業行程L01〜L05の機体の進行方向(+Y)(−Y)における機体の位置Y1を検出するように、機体位置検出手段51を構成するのではなく、機体位置検出手段51、旋回開始位置検出手段52及び旋回終了位置検出手段53を、以下のように構成してもよい。
次に旋回中心側の回転数センサー50の検出値(積算値)が前述の設定値に達すると、旋回終了位置E3に達したと判断されて(旋回終了位置検出手段53に相当)、植付及び施肥クラッチ26,27が伝動状態に操作される。
前述の[発明を実施するための形態][発明を実施するための第1別形態][発明を実施するための第2別形態]において、右及び左の前輪1(操向部材41)の直進位置A1からの操向角度Aが変化するごとに、機体の旋回中心C及び旋回半径R、機体の走行距離G、機体の移動角度θの検出、式1による空作業行程LA1、作業行程L01〜L05の機体の進行方向(+Y)(−Y)における機体の位置Y1の検出を行うのではなく、これに代えて以下のように構成してもよい。
例えば0度〜10度の領域において、右及び左の前輪1(操向部材41)の直進位置A1からの操向角度Aが5度の場合の機体の旋回半径R(図10(a)(b)参照)を、0度〜10度の領域の一つの機体の旋回半径Rとして設定する。
前述の[発明を実施するための第4別形態]に代えて以下のように構成してもよい。
図9に示す前半の旋回行程L1(後半の旋回行程L2)において、10度(所定の角度範囲に相当)の範囲を備えた9個の領域(0度〜10度の領域、10度〜20度の領域、20度〜30度の領域、30度〜40度の領域、40度〜50度の領域、50度〜60度の領域、60度〜70度の領域、70度〜80度の領域、80度〜90度の領域)に分けて、9個の領域の各々に一つの機体の旋回半径R(領域の最大の角度に対応する機体の旋回半径R)を設定する。
例えば0度〜10度の領域において、右及び左の前輪1(操向部材41)の直進位置A1からの操向角度Aが10度の場合の機体の旋回半径R(図10(a)(b)参照)を、0度〜10度の領域の一つの機体の旋回半径Rとして設定する。
前述の[発明を実施するための形態][発明を実施するための第1別形態]〜[発明を実施するための第5別形態]において、以下のように構成してもよい。
例えば溝切り器等の作業装置のように、作業装置に動力を伝達する作業クラッチを備えない場合、作業装置を田面G2から上昇させた状態を非作業状態とし、作業装置を田面G2に下降させた状態を作業状態とするように構成してもよい。
5,15 作業装置
12 作業用人為操作具
31 エンジン
46 人為操作具
51 機体位置検出手段
53 旋回終了位置検出手段
55 作業装置操作手段
56 走行距離検出手段
57 経過時間検出手段
58 停止手段
60 旋回開始操作手段
62 牽制手段
69,70 報知手段
A 前輪の直進位置からの操向角度
A1 直進位置
C 機体の旋回中心
E3 旋回終了位置
G 機体の走行距離
G1 設定距離
G12 所定距離
L1.L2 機体の旋回行程
R 機体の旋回半径
T 経過時間
T1 設定時間
T12 所定時間
+Y,−Y 旋回開始前の機体の進行方向
Y1 機体の旋回行程の位置
Y1 旋回開始前の機体の進行方向における機体の位置
θ 機体の移動角度
Claims (7)
- 機体に備えられた作業装置を作業状態及び非作業状態に操作自在に構成し、
機体の旋回開始に伴って機体の旋回行程の位置を検出する機体位置検出手段と、前記機体位置検出手段の検出に基づいて旋回終了位置を検出する旋回終了位置検出手段と、前記旋回終了位置検出手段の検出に基づいて前記作業装置を作業状態に操作する作業装置操作手段とを備え、
機体の旋回開始からの機体の走行距離を検出する走行距離検出手段、又は機体の旋回開始からの経過時間を検出する経過時間検出手段を備え、
前記走行距離検出手段の検出値が事前に設定された設定距離に達するまでに、又は前記経過時間検出手段の検出値が事前に設定された設定時間に達するまでに、前記作業装置操作手段による作業装置の作業状態への操作が終了しなければ、前記作業装置操作手段の作動を停止させる停止手段を備えてある水田作業車。 - 機体の走行距離と前輪の直進位置からの操向角度とにより、機体の旋回半径と、機体の旋回中心に対して機体が移動した移動角度とを検出し、前記機体の旋回半径と移動角度とに基づいて三角関数により、前記旋回開始前の機体の進行方向における機体の位置を検出して、前記旋回開始前の機体の進行方向における機体の位置を前記機体の旋回行程の位置として検出するように、前記機体位置検出手段を構成してある請求項1に記載の水田作業車。
- 機体の旋回開始から前記作業装置操作手段による作業装置の作業状態への操作が終了するまでの間に、前記作業装置を操作する為の作業用人為操作具が操作されると、前記作業装置操作手段の作動を停止させるように、前記停止手段を構成してある請求項1又は2に記載の水田作業車。
- 前記作業装置操作手段を作動及び停止状態に設定するもので人為的に操作される人為操作具を備えてある請求項1〜3のうちのいずれか一つに記載の水田作業車。
- 前記人為操作具により作業装置操作手段が作動状態に設定されている状態において、エンジンの停止操作が行われ再びエンジンの始動操作が行われても、前記作業装置操作手段の作動状態が維持されるように構成してある請求項4に記載の水田作業車。
- 前輪の操向操作に基づいて前記作業装置を非作業状態に操作して機体の旋回が開始されたとする旋回開始操作手段を備え、
前記旋回終了位置検出手段の検出に基づいて前記作業装置操作手段が作業装置を作業状態に操作してから、機体が事前に設定された所定距離だけ走行するまでの間、又は、事前に設定された所定時間が経過するまでの間、前輪の操向操作が行われても、前記旋回開始操作手段の作動を阻止する牽制手段を備えてある請求項1〜5のうちのいずれか一つに記載の水田作業車。 - 前記作業装置操作手段の作動及び停止状態を報知する報知手段を備えてある請求項1〜6のうちのいずれか一つに記載の水田作業車。
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