JP2010246454A - 施設栽培加温装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】植物を栽培するハウス施設栽培装置において、蒸気加温、温風加温など、大きなエネルギーを要する温度管理のエネルギーを減量する。
【解決手段】栽培する容器を熱媒体で直接的に加温することによって、植物を加温する熱エネルギーを減少する。具体的には、例えば、C鋼栽培においては、加温した湯を循環するあるいは、C鋼に配置した水をヒーターによって加温することによって、鉢を加温する。作業台上で栽培する栽培において、作業台床にヒーターを埋設し、鉢の底部から鉢を直接的に加温する。ハウス全体を加温して、植物の温度管理をするのに対して、容積が小さい植物を栽培する容器を直接的に加温することによって、加温エネルギーを減少する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、花や樹木や野菜などの植物を育成する施設栽培装置に関するものであり、さらに詳しくは、植物が適切に成長するために必要な温度条件に加温する栽培装置に関するものであり、植物を栽培する容器を直接的に加温することによって少ないエネルギーで加温できる装置に関するものである。
花卉や野菜を人工的に栽培する場合には、各々の植物に適した太陽光、水、空気、炭酸ガスおよび肥料などを施し、温度や湿度を適切に管理する。特に、温度の管理は、栽培用ハウスで、外気との熱遮断をするだけでなく、冬季は温風や温水を循環することによって、ハウスを暖房することが行われている。また、植物の栽培を少ないエネルギーで行なう方法が提案されている。
特許公開2005−237371には、きわめて低消費エネルギーで植物体を加温処理することにより植物体の休眠打破や草勢維持を行うことが可能な植物栽培技術が提案されている。該技術は、植物体の短縮茎を電熱ヒータにより、局部的に直接加温することにより当該植物体の葉部の伸長に必要な所定の温度範囲に維持する植物栽培方法である。特に、イチゴなどの短縮茎植物においては、成長を制御する部位を適切な温度に管理することが重要であるが、本発明は、植物を保持する容器である鉢を局部的に加温し、温度管理をするものである。本発明は、大量の植物を効率的に、低エネルギーで栽培するものであり、該特許出願と異なる技術を提供するものである。特開2002−305973には、
ハウス栽培の土壌1に遠赤外線放射体を設け、遠赤外線作用により土壌を加温することにより土壌1の温度を上げる方法及び装置を提案するものであるが、加温方法は、本発明の方法とは異なる。
特許2005−237371 特開2002−305973
植物の栽培では、植物に適した温度に管理することが、植物を健全に成長させるためには必要である。植物の栽培は、季節性がなくなり、どの季節にも出荷できるように生産されている。そのために、夏季には、冷却したり、涼しい場所に植物を移動して栽培することもあり、冬季には、加温して栽培することもある。そのために、夏季の冷却はなるべく省略できるように、暑さに弱い植物は、涼しい地域で栽培されることが多いが、逆に冬季は加温することが必要となり、温風送風機で発生した温気をダクトでハウス内に送風して加温したり、スチーム放熱機、ヒートポンプや地熱で加温したり、温湯を循環して加温することもある。ハウス全体を加温するには、大きなエネルギーが必要であった。
本発明は、植物を適切に栽培する施設栽培装置において、植物が必要とする部分のみを直接的に加温することによって、栽培の熱エネルギーを省略するものである。植物の栽培には、根の部分すなわち土壌の温度を管理することが重要であることが経験的に知られている。ハウス全体の容積を加温する必要はない。植物を栽培する鉢などの容器およびその周辺を加温することで十分である。
シクラメンなどは、ハウスでC鋼栽培と呼ばれる施設栽培が行なわれている。C鋼栽培とは、水を通したC鋼(樋)に鉢を設置し、鉢の底部から給水用の紐をC鋼内の水に垂らし、その紐を通して鉢中の土壌に給水する。シクラメンの適切な成長の温度範囲は15℃から23℃であり、冬季は外気温が10℃以下になることがあり、特に夜間は、ハウスの中でも、12℃を下回ることがある。シクラメンは15℃以下になると成長が停止するいわゆる休眠状態になり成長が止まる。さらに7℃を下回ると、シクラメンは生存が難しくなる、すなわち、枯れることがある。そのために、ハウスを加温してシクラメンが適切に生長することを促す。ところが、ハウスの容積は、鉢の合計の容積の数十倍に相当する。すなわち、必要な部分の数十倍の熱エネルギーを使用して加温していることになる。この解決策として、C鋼に30℃から60℃に加温した湯をC鋼内に設置あるいは循環し、鉢の底面から垂らした給水用の紐を通して土壌に吸収させることによって、土壌を加温することができる。C鋼の周りを断熱材で覆うことが有効であるが、C鋼全体を密閉したプラスチックチューブで覆うことによって熱の飛散を防ぐことができる。プラスチックフィルムでC鋼を覆う場合には、鉢を挿入する容器を該チューブの開口部に挿入し、気密に固定することによって、栽培用の鉢の取り付け、取り外しが容易な断熱とすることができる。
鉢が小さい場合には、栽培デスクの上で、デスクの床面の不織布に水分を含浸し底面給水によって給水することがある。または、上部から潅水し、給水することがある。また、発芽したばかりの苗は、トレーの中で、上部からの潅水によって給水することがある。いずれの場合でも、加温は温風発生器などにより、植物が成長するのに適切な温度に加温して栽培される。これらの場合にも、植物が成長するのに必要な加温する部分は、植物を栽培する土壌とその周辺のわずかな空間である。栽培デスクで鉢やトレーによって植物を栽培する場合には、デスクの床面を加温することによって、鉢やトレーを加温することができる。加温は、デスクの底部に温風ダクトを通して、温風を供給する方法や、デスク床面に線ヒーターを埋め込みデスク床を加温することができる。これらのいずれの方法もハウス全体を加温するのに比較して、少ない熱量で植物を成長に必要な温度に加温することができる。
植物を栽培する鉢やトレーを加温する方法において、鉢やトレーの周辺の植物が成長するのに必要な空間あるいは栽培作業をするのに必要な空間をプラスチックフィルムによって囲うことによって、さらに熱効率を高めることができる。プラスチックフィルムで囲う空間は、作業デスクの床面に対して、植物の最も成長した高さに、植物の栽培作業を加味した高さから成る空間である。例えば、シクラメンや野菜苗の場合、50cm程度の高さが適切であり、胡蝶蘭やシンピジュームのように、背の高い植物の場合には、1メートル程度が適切である。プラスチックフィルムは、栽培作業や湿度管理のために囲いの側面あるいは上面が開閉できる構造にすることが好ましい。
花卉や野菜の出荷は、季節に限定されず、1年中栽培され出荷されることが求められている。そのために、ハウスにより断熱し、その中で栽培されるが、冬季には、加温しないと、成長に適切な温度条件を確保することができない。現在は加温する場合には、ハウス全体を加温することが行なわれているので、大きな熱量が必要である。最近は、燃料の高騰により、加温エネルギー価格が生産価格に占める割合が大きくなりつつあり、生産者の大きな負担になっている。本発明は、植物を成長するのに適切な温度に管理をするのに必要なエネルギーを省略する方法を提供するものである。適切温度範囲は植物によって異なるために、厳密な省エネ効果を表現することは難しいが、空調機や温風加温器でハウス全体を所定の温度に管理するために比較して、本発明の装置により栽培容器を直接的に加温することによって、熱量は概ね30%から80%減少することが可能であり、さらに植物の周囲を囲うことにより、さらに約50%の減少が可能であり、全体で60%から90%の省エネが可能となり、生産価格の低減となり農業に貢献するところは大きい。
図1は、C鋼栽培における加温装置の断面図である。 図2は、デスク栽培における加温装置の鳥瞰図である。
図1において、C鋼1の内部に水を入れ、鉢2の底面から挿入した給水紐をC鋼の水に垂らして給水するが、C鋼に40℃から60℃に加温した湯をC鋼の端部から供給した。給水紐を通して湯は栽培容器の土壌に伝わり、土壌を加温することができる。C鋼から飛散する熱を減少するために、C鋼の周りを発泡スチロール板で覆うこと、C鋼をプラスチックチューブ3で覆うことによって熱効率を高めることができる。C鋼が長くなると、湯の供給の下部の温度が低下することがあるが、低下した温度を補うために線ヒーター4を設置し、加温することが有益である。また、湯の供給の上部と下部を交換することによって、C鋼の上部と下部の土壌の温度を均一に維持することが可能である。
図2において、植物を栽培するデスク5の床面に蒸気管あるいは線ヒーター6を埋め込み、床暖房の構造とした。床面は、不織布として水を給水し、鉢やトレーの底部から底面給水をすることができるし、上部から潅水することによって給水することができる。植物が成長するのに必要な温度になるように、水蒸気の供給あるいは電力量を調整した。
C鋼の床の上部を高さ50cmに支柱を配置し、プラスチックフィルムは貼って、囲いを設けた。デスクの下部は、プラスチックフィルムで囲った。植物をデスク上で栽培する場合も同様に、デスクの上部50cmの高さを囲い、デスクの下部の側面をプラスチックフィルムで囲った。この囲いの中で、C鋼内に湯を供給し植物栽培用の容器を加温し、あるいは、デスク床面に埋設したヒーターにより加温した。
幅8メートル、長さ25メートルのハウスの中で、C鋼1による底面給水方式で、シクラメンを栽培した。ハウス内のC鋼は、1つの作業台に長さ20メートルのC鋼8本を設置し、3つの作業台から構成した。C鋼に幅20cmの二重重ねのポリエチレンチューブ3を挿しこみ、プラスチック5号鉢3をポリエチレンチューブの開口部を挿入して輪ゴムで気密を保つように密着させ、底部に穴の開いたプラスチック容器を、該チューブに挿入し、輪ゴムで端部を固定し、気密を保った。該容器をC鋼に固定し、該容器に栽培用鉢を、気密を保つ状態で挿入した。C鋼には、ノーリツ株式会社製ガス温水器GQH−2445WXA3Hで加温した湯を循環した。C鋼をポリエチレンチューブで囲った目的は、C鋼内の湯から熱が放散しないようにする目的である。比較の栽培方法として、ネポン株式会社製ネポンハウス加温機HK4020でハウス全体を20℃に熱風加温装置で加温した。シクラメンの苗を植えたプラスチック5号鉢を使用した。シクラメンは、11月に種を播き、3月にプラスチック3号に植え替え、6月にプラスチック5号鉢に植え替えたものである。C鋼に15cm間隔に並べて栽培した。9月以降には、夜間のハウス温度が10℃を下回ることがあり、C鋼内に40℃に加温した湯を、1時間に1回供給した。湯を供給することによって、鉢内の土壌温度を20℃以上に維持することができた。10月以降には、ハウス温度はさらに低下し、10℃以下になる日は多くなった。湯の温度を50℃に設定して鉢の加温を実施した。C鋼の給湯の上流側の鉢は、20℃を維持したが、下流側は20℃を維持できなかった。熱が鉢に吸収されたことと、C鋼から熱が放散したことによるものと思われた。それで、C鋼の中央部に、長さ5メートルで、50ワットの線ヒーター4を設置した。下流部分の温度低下は補われ、全体に20℃以上を維持した。ハウス全体を加温する方法で、比較栽培した。比較栽培は、ネポン株式会社製ネポンハウス加温機HK4020でハウス全体を20℃に熱風加温装置で加温した。ハウス内で、同じC鋼栽培を行なった。その結果、本発明の栽培方法においても、比較の栽培方法においても、シクラメンは、同じレベルに葉茎が茂り、花芽を付け開花した。本発明の栽培方法では、LNG使用量は1417Kg、電気使用量は7968Kwで、比較の栽培方法では、重油5940Kg、電気使用量は7968Kw・時であった。電力料金を15円/Kw・時、重油価格を80円/Kgとして、エネルギー代を計算すると、本発明の栽培方法では、591400円であるのに対して、比較の栽培方法では、1293300円で、54%の省エネであった。
幅8メートル、長さ25メートルのハウスの中で、幅1.8メートル、長さ20メートルの作業デスク5が3列並ぶハウスにおいて、各デスクの床面に、インターワイヤード株式会社製ヒーター線6で、電気容量が0.2Kw、20メートルの線ヒーターを10本配置した。デスクの上部に高さ50cmのポリエチレンフィルムの囲いを設けた。デスクの床表面に不織布を敷き、底部に設置した水槽から不織布へ、複数の給水紐を通して水を供給する構造にした。1月に播種トレーにシクラメン、キュウリ及びナスの種を播き各々を試験体1、2及び3とし、デスク床面に設置した。ハウス内温度が10℃以下の時、デスク床面温度を25℃に設定して、自動運転を行なった。試験体1、2及び3の土壌温度は、21℃±2℃に調節でき、プラスチックフィルムの囲いの中は、床暖房の熱量以外に熱エネルギーを加えることなく10℃から15℃の温度範囲であった。各々の試験体は、30日から40日後に発芽し、2ヶ月で苗として成長した。試験体2及び3は、その後は、地耕栽培へ移行し、本試験は終了した。試験体1は、3号鉢に植え替え、さらに栽培を継続した。3号鉢に植え替えた後2ヶ月後には、5号鉢へ植え替えられる程に成長することができた。比較として、線ヒーターを設置していないデスク床面に播種トレーに、シクラメン、キュウリ及びナスの種を播いた試験体を各々比較試験体1,2及び3とし、実施例1と同じ条件で、ハウス全体を20℃に熱風加温装置で加温した。ハウスを加温しないで、シクラメン、キュウリ及びナスの種を播いた試験体を各々比較試験体4,5及び6とした。比較試験体1、2及び3は、30日から40日で発芽し、2ヶ月で苗として成長した。その後、3号鉢に植え替えた後2ヶ月後には、5号鉢に植え替えられる程度に成長することができた。この結果は、試験体1、2及び3と変わるところはなかった。比較試験体4、5及び6は、40日から50日で発芽したが、3ヶ月の段階では、3号鉢へ植え替えができる程度には成長しなかった。試験体1、2及び3を栽培した本発明の栽培方法では、播種以降5号鉢へ植え替えるまでの4ヶ月間に使用した電気量は10368Kw・時であった。比較試験体1、2及び3を栽培した栽培方法では、同じ期間の電気量は43632Kw・時で、燃料の重油は、4752Kgであった。電力料金を15円/Kw・時、重油を80円/Kgとすると、本発明の方法は、155520円であるのに対して、比較の方法は、1034640円で、約85%のエネルギー価格の低減になり、かつ、炭酸ガス発生量もそれに相当量の削減となった。
1 C鋼
2 栽培鉢
3 プラスチックフィルム
4 線ヒーター
5 作業デスク
6 線ヒーター

Claims (4)

  1. 植物を栽培するハウス施設栽培装置において、植物を栽培する容器を熱媒体によって、直接的に加温することを特徴とする植物栽培装置。
  2. 植物をC鋼(給水用樋)で栽培する施設栽培装置において、C鋼に配置した湯から給水紐を通して湯を鉢に供給し、植物を栽培する容器を加温する請求項1に記載の植物栽培装置。
  3. 植物を平板上で栽培する施設栽培装置において、平板を熱源で加温し、植物を栽培する容器を加温する請求項1に記載の植物栽培装置。
  4. 植物を栽培する施設栽培装置において、植物を栽培するのに必要な部分をプラスチックフィルムで囲い加温する請求項1に記載の植物栽培装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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