JP2010244771A - 電源回路及び照明装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電源回路100は、交流電源ACから電力の供給を受けて、定電圧特性を有する負荷回路(光源回路LA)に電力を供給する。電圧検出回路110は、交流電源ACから入力する交流電圧を検出して、入力電圧とする。インピーダンス回路120は、負荷回路(光源回路LA)に直列に電気接続し、電圧検出回路110が検出した入力電圧が大きいほどインピーダンスが大きくなる。
【選択図】図1
Description
定電流制御の方式には、例えば以下のような方式がある。
第一の方式は、負荷回路と直列に電流制限抵抗を設ける方式である。
第二の方式は、負荷電流を検出する電流検出回路を設け、電流検出回路が検出した負荷電流をフィードバックして、電源回路の生成電圧を制御する方式である。
第三の方式は、負荷回路と直列にコンデンサやコイルなどのリアクタンスを設ける方式である。
この発明は、例えば、上記のような課題を解決するためになされたものであり、簡単な回路構成で、電力損失を抑え、電源電圧などの変動にも対処できる定電流制御をすることを目的とする。
交流電源から電力の供給を受けて、定電圧特性を有する負荷回路に電力を供給する電源回路において、
上記交流電源から入力する交流電圧を検出して、入力電圧とする電圧検出回路と、
上記負荷回路に直列に電気接続し、上記電圧検出回路が検出した入力電圧が大きいほどインピーダンスが大きくなるインピーダンス回路とを有することを特徴とする。
実施の形態1について、図1〜図5を用いて説明する。
照明装置800は、電源回路100、光源回路LAを有する。
光源回路LAは、例えばLED(発光ダイオード)などの光源を有する。
電源回路100は、商用電源などの交流電源ACから電力を入力し、光源回路LAに供給する電力を生成して、光源を点灯する。電源回路100は、電圧検出回路110、インピーダンス回路120、制御回路130を有する。
電圧検出回路110は、電源回路100が入力する交流電力の電圧を検出する。
インピーダンス回路120は、例えばコンデンサなどであり、制御回路130からの信号に基づいて、インピーダンスを変えることができる。
制御回路130は、電圧検出回路110が検出した電圧に基づいて、インピーダンス回路120のインピーダンスを制御する制御信号を生成する。制御回路130は、インピーダンス回路120のインピーダンスを変えることにより、光源回路LAに供給される電力をほぼ一定に制御する。
なお、光源回路LAは、交流入力でLEDを点灯できる回路であればよく、例えば、ダイオードブリッジの出力側にLED直列回路を電気接続した回路であってもよい。
電圧検出回路110は、例えば、整流素子D11、コンデンサC12、二つの分圧抵抗R13,R14を有する。
整流素子D11は、交流電源ACから交流電力を入力する端子と、コンデンサC12とを電気接続している。整流素子D11は、交流電源ACの電圧よりコンデンサC12に充電された電圧のほうが低ければ導通して、コンデンサC12を充電する電流が流れる。これにより、コンデンサC12には、交流電源ACの交流電圧の最大値とほぼ等しい電圧が充電される。
二つの分圧抵抗R13,R14は、互いに直列に電気接続していて、コンデンサC12に直列に電気接続している。分圧抵抗R13,R14は、コンデンサC12の両端電圧を分圧し、分圧抵抗R14の両端に、コンデンサC12の両端電圧に比例する電圧検出電圧が発生する。
二つのコンデンサC21,C22は、互いに直列に電気接続している。
スイッチング素子SWは、コンデンサC22に並列に電気接続している。スイッチング素子SWは、例えばリレーなどの機械式スイッチや、パワーMOSFET(金属酸化膜半導体型電界効果トランジスタ)、サイリスタ、双方向サイリスタなどの半導体スイッチである。スイッチング素子SWは、制御回路130からの制御信号に基づいて開閉する。
また、この例では、インピーダンス回路120のインピーダンスZが容量性リアクタンスであるが、誘導性リアクタンスであってもよいし、レジスタンス成分を有するものであってもよい。ただし、インピーダンス回路120のインピーダンスZにレジスタンス成分があると、電力損失が発生するので、レジスタンス成分は小さいほうが好ましい。
交流電源ACの周波数が例えば50〜60Hz(ヘルツ)である場合、インピーダンス回路120をコイルなどにより誘導性リアクタンスとして構成しようとすると、インピーダンス回路120が大きくなる。したがって、インピーダンス回路120をコンデンサなどにより容量性リアクタンスとして構成するほうが好ましい。特に、コンデンサC21,C22は、フィルムコンデンサで構成することが望ましい。フィルムコンデンサは、低損失であり、周波数や温度による静電容量の変動が少なく、寿命が長いからである。
基準電圧源V31は、電圧検出電圧と比較する基準となる基準電圧を生成する直流電圧源である。
オペアンプA32は、電圧検出回路110が出力した電圧検出電圧と、基準電圧源V31が生成した基準電圧とを比較して、比較した結果を表わす信号を制御信号として出力する。
なお、制御回路130は、アナログデジタル変換回路や論理回路あるいはマイコンなどを用いて構成してもよい。また、スイッチング素子SWをオンオフするために必要な電流が大きい場合などは、制御回路130が生成した制御信号から、スイッチング素子SWをオンオフする駆動信号を生成する駆動回路を設けてもよい。
横軸は、光源回路LAの両端電圧を示す。縦軸は、光源回路LAを流れる電流を示す。曲線511は、光源回路LAの電圧電流特性を示す。
光源回路LAは、両端電圧が−V−超V+未満の場合、ほとんど電流が流れない。両端電圧がV+以上の場合、順方向に電流が流れ、両端電圧が−V−以下の場合、逆方向に電流が流れる。両端電圧がV+以上の場合およびV−以下の場合、わずかな電圧変動で、流れる電流が大きく変化する。光源回路LAは、このような定電圧特性を有する回路である。
順方向の閾値電圧V+は、逆並列に電気接続した二つのLED直列回路のうち順方向に接続されたLED直列回路を構成する複数のLEDの順方向降下電圧の合計である。逆方向の閾値電圧V−は、逆並列に電気接続した二つのLED直列回路のうち逆方向に接続されたLED直列回路を構成する複数のLEDの順方向降下電圧の合計である。いずれの閾値電圧も、LEDの特性のバラツキや温度変化により、例えば±10%の範囲内で変動する。
横軸は、時刻を示す。縦軸は、電圧または電流を示す。曲線521は、交流電源ACから供給される交流電力の電圧(瞬間値)を示す。曲線522は、光源回路LAの両端電圧を示す。曲線523は、光源回路LA(及びインピーダンス回路120)を流れる電流を示す。
なお、インピーダンス回路120の両端電圧は、曲線521と曲線522との差に相当する。
時刻t1において、交流電源ACの電圧の瞬間値は、最大値Vpとなる。このとき、光源回路LAの両端電圧は、ほぼV+であり、インピーダンス回路120のコンデンサには、電圧[Vp−V+]が充電されている。
時刻t1を過ぎると、交流電源ACの電圧の瞬間値が下降し始める。インピーダンス回路120のコンデンサの両端電圧はほぼ変わらないので、光源回路LAの両端電圧が下降する。光源回路LAの両端電圧がV+と−V−の間になるので、光源回路LA(及びインピーダンス回路120)には電流が流れない。
交流電源ACの電圧の瞬間値が更に下がり、時刻t2において、光源回路LAの両端電圧が−V−まで下がる。光源回路LA(及びインピーダンス回路120)には、逆方向の電流が流れ、インピーダンス回路120のコンデンサを放電する。これにより、インピーダンス回路120の両端電圧が下がっていく。
時刻t4において、交流電源ACの電圧の瞬間値が最小値−Vpとなる。このとき、光源回路LAの両端電圧は、ほぼ−V−であり、インピーダンス回路120のコンデンサには、電圧[V−−Vp]が充電される。
時刻t4を過ぎると、交流電源ACの電圧の瞬間値が上昇し始め、光源回路LAの両端電圧がV+と−V−の間になるので、光源回路LA(及びインピーダンス回路120)には電流が流れない。
交流電源ACの電圧の瞬間値が更に上がり、時刻t5において、光源回路LAの両端電圧がV+まで上がると、光源回路LA(及びインピーダンス回路120)に順方向の電流が流れ、インピーダンス回路120のコンデンサを充電し、インピーダンス回路120の両端電圧が上昇する。
電源回路100は、以上の動作を、交流電源ACの周期ごとに繰り返す。
横軸は、電源回路100が入力する交流電源ACの電圧の最大値Vpを示す。縦軸は、光源回路LAを流れる電流の絶対値の平均ILを示す。直線531は、スイッチング素子SWが閉じている場合におけるVpとILとの関係を示す。直線532は、スイッチング素子SWが開いている場合におけるVpとILとの関係を示す。太線533は、電源回路100全体としてのVpとILとの関係を示す。
このため、スイッチング素子SWが開いている場合の電流ILは、スイッチング素子SWが閉じている場合よりも小さくなる。
このため、電源回路100全体で見ると、VpとILとの関係は太線533で表わされる関係になる。
また、ILは、VpがVTよりわずかに低い場合に最大となり、その最大値はITである。ITはなるべく小さいほうがよいので、閾値VTは、例えば、電圧V1に対して15%〜20%増しの値に設定することが好ましい。
電圧検出回路110は、上記交流電源ACから入力する交流電圧(最大値Vp)を検出して、入力電圧とする。
インピーダンス回路120は、上記負荷回路(光源回路LA)に直列に電気接続し、上記電圧検出回路110が検出した入力電圧が大きいほどインピーダンスが大きくなる。
上記スイッチ(スイッチング素子SW)は、上記入力電圧が上記所定の閾値電圧より低い場合に導通する。
光源回路LAは、上記負荷回路として上記電源回路100に電気接続し、一または直列に接続した複数の発光ダイオード(LED)を有する二つの発光ダイオード回路(LED回路)が逆並列に電気接続している。
LED照明用電源装置は、電源電圧値の増減に合わせて前記スイッチをオン・オフして、前記コンデンサの直列数を増減し回路インピーダンスを変えることにより、発光部を流れる電流をほぼ一定に保つことができるので、電源電圧の切り替えが可能になる。
LED照明用電源装置は、制御回路130で電源電圧を自動検出して、前記スイッチをオンオフし、前記コンデンサの直列数を増減し回路インピーダンスを変えることにより、照明電圧の切り替えを自動で行うことができる。
制御回路130は、電源電圧を検出する電源電圧検出部(電圧検出回路110)と、検出電圧と基準電圧Vrefとを比較する電圧比較器(オペアンプA32)と、前記フィルムコンデンサC22に並列に接続されたスイッチをオンオフするスイッチ駆動回路とで構成されている。
この回路構成において、発光部(光源回路LA)であるLEDを流れる電流は、フィルムコンデンサC21とC22のみで任意の値に決めることができ、LEDの電流電圧特性のバラツキや、周囲温度によるLEDの順方向電圧の変化による影響を受け難く、電流を一定に保つことが出来る。
なお、コンデンサC21,C22は、フィルムコンデンサでなくてもよいが、フィルムコンデンサは、電解コンデンサに比べて低損失で、周波数や温度に依存する静電容量の安定性が優れ、定格範囲内での使用に関しては磨耗故障に至らず寿命という概念がない。したがって、電解コンデンサではなく、フィルムコンデンサを使うことで、LEDの長寿命という本来の長所を十分に生かすことができ、好ましい。
また、交流電源と発光部とをコンデンサで直列に接続したことにより、定電流源や電流検出回路などの複雑な回路を用いず、単純な回路構成でLEDに流れる電流をほぼ定電流にすることができる。
コンデンサの損失tanδは非常に小さいので、コンデンサの損失が占める電力損失は小さい。
LEDに流れる電流を制限するため、コンデンサではなく抵抗を直列に接続する構成の場合、抵抗の両端に印加される電圧とLEDに流れる電流の積に相当する電力損失が発生する。また、トランジスタや定電流ダイオードを使用した場合でも抵抗と同様に電力損失が発生し、コンデンサの損失と比較すると、その損失は非常に大きい。
このように、抵抗やトランジスタなどではなく、コンデンサを使用することにより、極めて小さい損失で発光部であるLEDを駆動することができる。
また、電源回路100を構成する部品点数がわずかであるため、製造コストなどを抑えられるだけでなく、故障が減り、信頼性が高くなる。
実施の形態2について、図6〜図7を用いて説明する。
なお、実施の形態1で説明した照明装置800と共通する部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
電源回路100は、実施の形態1で説明した電圧検出回路110に代えて、周波数検出回路140を有する。
周波数検出回路140は、交流電源ACから入力する交流の周波数fを検出する。周波数検出回路140は、例えば、交流電源ACから入力した交流電圧のゼロクロスを検出し、所定の期間中のゼロクロスの回数を計数することにより、周波数fを検出する。
制御回路130は、周波数検出回路140が検出した周波数fに基づいて、インピーダンス回路120のインピーダンスを制御する制御信号を生成する。制御回路130は、例えば、周波数検出回路140が検出した周波数fが所定の周波数(以下「閾値周波数fT」と呼ぶ。)より高ければ、インピーダンス回路120のスイッチング素子SWを開き、周波数検出回路140が検出した周波数fが閾値周波数fTより低ければ、インピーダンス回路120のスイッチング素子SWを閉じる制御信号を生成する。
横軸は、交流電源ACの交流の周波数fを示す。縦軸は、光源回路LAを流れる電流の絶対値の平均ILを示す。直線541は、スイッチング素子SWが閉じている場合におけるfとILとの関係を示す。直線542は、スイッチング素子SWが開いている場合におけるfとILとの関係を示す。太線543は、電源回路100全体としてのfとILとの関係を示す。
このため、電源回路100全体で見ると、fとILとの関係は太線543で表わされる関係になる。
交流電源ACの周波数fの範囲がf1±1%及びf2±1%である場合、光源回路LAを流れる電流の絶対値の平均ILは、I1〜I2の範囲になる。
閾値周波数fTが周波数f1に近いほうが電流の最大値ITが小さくなるので、閾値周波数fTは、例えば、周波数f1に対して2〜3%増し程度に設定することが好ましい。
実施の形態3について、図8〜図9を用いて説明する。
なお、実施の形態1〜実施の形態2で説明した照明装置800と共通する部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
電源回路100は、実施の形態1で説明した構成に加えて、更に、突入電流抑制回路150を有する。
突入電流抑制回路150(突入電流防止回路)は、スイッチング素子SWの状態が変化したときに流れる突入電流を抑制する。突入電流抑制回路150は、例えば、二つの抵抗R51,R53、コンデンサC52、スイッチング素子SW2を有する。
抵抗R51とコンデンサC52とは、遅延回路を構成している。抵抗R53は、スイッチング素子SWに直列に電気接続している。スイッチング素子SW2は、抵抗R53に並列に電気接続している。スイッチング素子SW2は、抵抗R51とコンデンサC52とからなる遅延回路の出力により、開閉する。これにより、スイッチング素子SWの状態が変化すると、スイッチング素子SW2は、少し遅れてスイッチング素子SWに追随して、状態が変化する。すなわち、スイッチング素子SWが閉じると、少し遅れてスイッチング素子SW2が閉じ、スイッチング素子SWが開くと、少し遅れてスイッチング素子SW2が開く。遅延時間は、例えば数百ミリ秒である。
判定結果が変化すると、制御回路130がスイッチング素子SWを閉じる制御信号を生成し、スイッチング素子SWが閉じる。このとき、スイッチング素子SW2は、まだ閉じず、開いた状態のままである。
コンデンサC22がスイッチング素子SW及び抵抗R53を介して放電して、コンデンサC22の両端電圧が下がると、その分、コンデンサC21が充電される。コンデンサC21を充電する電流は、スイッチング素子SW・抵抗R53・光源回路LA・交流電源ACを介して流れる。コンデンサC22を放電する電流及びコンデンサC21を充電する電流は、ともに抵抗R53により制限される。
コンデンサC22の両端電圧がある程度下がったのち、スイッチング素子SW2が閉じる。
コンデンサC22がスイッチング素子SW及びスイッチング素子SW2を介して放電し、その分、コンデンサC21が、スイッチング素子SW・スイッチング素子SW2・光源回路LA・交流電源ACを介して流れる電流により充電される。スイッチング素子SW2が閉じるまでの間に、コンデンサC22の両端電圧がある程度下がっているので、コンデンサC22を放電する電流及びコンデンサC21を充電する電流は、あまり大きくならない。
このように、スイッチング素子SWが閉じたのち、少し遅れてスイッチング素子SW2が閉じることにより、突入電流を抑制することができる。
判定結果が変化する前は、制御回路130がスイッチング素子SWを閉じる制御信号を生成し、二つのスイッチング素子SW,SW2が閉じている状態である。二つのスイッチング素子SW,SW2が閉じているので、コンデンサC22の両端が短絡された状態となり、コンデンサC22は、空の状態である。
判定結果が変化すると、制御回路130がスイッチング素子SWを開く制御信号を生成し、スイッチング素子SWが開く。このとき、スイッチング素子SW2は、まだ開かず、閉じたままの状態である。
スイッチング素子SWが開いたことにより、それまでスイッチング素子SW及びスイッチング素子SW2を流れていた電流がコンデンサC22を流れるようになり、コンデンサC22を充電する。その分、コンデンサC21は充電されなくなるので、コンデンサC21(及び光源回路LA)を流れる電流が少なくなる。
その後、スイッチング素子SW2が開く。スイッチング素子SWが開いた段階でスイッチング素子SW2には既に電流が流れなくなっているので、スイッチング素子SW2が開いたことによる影響はない。
スイッチング素子SWが開くときも、スイッチング素子SW2が開くときも、急激な電圧の変化はないので、突入電流は流れない。
インピーダンス回路120は、二つのコンデンサC21,C22が互いに並列に電気接続している。スイッチング素子SWは、コンデンサC22に直列に電気接続している。インピーダンス回路120の静電容量は、スイッチング素子SWが開いているとき、コンデンサC21の静電容量C1と等しく、スイッチング素子SWが閉じているとき、コンデンサC21の静電容量C1とコンデンサC22の静電容量C2との和に等しい。スイッチング素子SWを閉じたときのほうが、インピーダンス回路120の静電容量が大きくなるので、制御回路130は、交流電源ACの電圧が高いときにスイッチング素子SWを開き、交流電源ACの電圧が低いときにスイッチング素子SWを閉じる。
突入電流抑制回路150の抵抗R53は、スイッチング素子SW及びコンデンサC22に直列に電気接続し、スイッチング素子SW2は、抵抗R53に並列に電気接続している。図8の例と同様、スイッチング素子SW2は、スイッチング素子SWの開閉から少し遅れて、スイッチング素子SWに追随して開閉する。
その後、スイッチング素子SW2が閉じると、コンデンサC22を充電あるいは放電する電流は、スイッチング素子SW2・光源回路LA・交流電源AC・スイッチング素子SWを介して流れるようになる。それまでの充電あるいは放電により、コンデンサC22の両端電圧とコンデンサC21の両端電圧との差が小さくなっているので、このとき流れる電流は、あまり大きくない。
このように、スイッチング素子SWが閉じたのち、少し遅れてスイッチング素子SW2が閉じることにより、突入電流を抑制することができる。
また、交流電源ACとして、商用電源ではなく、インバータ回路などを用いる構成としてもよい。
実施の形態4について、図10を用いて説明する。
なお、実施の形態1〜実施の形態3で説明した照明装置800と共通する部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
スイッチング素子SWは、二つのFETQ61,Q62、二つの整流素子D63,D64を有する。
二つのFETQ61,Q62は、例えばエンハンスメント型NチャネルMOSFETである。二つのFETQ61,Q62のゲート端子は、互いに電気接続し、制御回路130からの制御信号を伝達する一対の制御信号線の一方に電気接続している。また、二つのFETQ61,Q62のソース端子も、互いに電気接続し、一対の制御信号線のもう一方に電気接続している。
整流素子D63(ボディダイオード)は、FETQ61のドレイン−ソース間に電気接続し、FETQ61を逆電圧から保護する。整流素子D64(ボディダイオード)は、FETQ62のドレイン−ソース間に電気接続し、FETQ62を逆電圧から保護する。
制御回路130は、スイッチング素子SWを閉じるとき、一対の制御信号線の電位差を、数ミリ秒から数十ミリ秒程度かけてゆっくりと上昇させる。スイッチング素子SWを開くときも同様に、一対の制御信号線の電位差を、数ミリ秒から数十ミリ秒程度かけてゆっくりと下降させる。
このとき、二つのFETQ61,Q62は、突入電流を抑制する抵抗として働き、突入電流が流れるのを抑制する。
LED照明用電源装置は、機械接点を持たないMOSFETをスイッチに使用することで、リレーを使用した場合と異なり、接点焼損や溶着といった接点不良が起きない。また、安全動作領域の広いMOSFETを選定することで、突入電流による故障を防ぐことができる。突入電流防止回路(突入電流抑制回路150)を必要としないので、装置の小型化、低コスト化が可能となる。
スイッチSWを2個のNチャネルMOSFETで構成したことにより、LED照明用装置の低背化、小型軽量化を図ることができる。また、2個のMOSFETを直列に接続したことで、MOSFETで生じる損失・発熱を抑えることができる。
MOSFETは、リレーと異なり、機械接点を持たないので、オンオフの際にアークが発生せず、溶着や接点不良といった故障が起きない。また、半導体なので、リレーなどの機械接点と比較して、耐久性が高いため寿命が長く、スイッチの寿命に伴うLED照明装置の交換といったメンテナンス周期が長くなる。MOSFETをスイッチに使うことでスイッチ寿命にともなうメンテナンスの煩わしさが減るだけでなく長寿命で信頼性の高いLED照明用電源装置を得ることができる。
なお、突入電流抑制回路150を設ける構成であってもよい。その場合、安全動作領域が比較的狭いMOSFETを使用することができる。
Claims (8)
- 交流電源から電力の供給を受けて、定電圧特性を有する負荷回路に電力を供給する電源回路において、
上記交流電源から入力する交流電圧を検出して、入力電圧とする電圧検出回路と、
上記負荷回路に直列に電気接続し、上記電圧検出回路が検出した入力電圧が大きいほどインピーダンスが大きくなるインピーダンス回路とを有することを特徴とする電源回路。 - 上記インピーダンス回路は、上記電圧検出回路が検出した入力電圧が所定の閾値電圧より高い場合に、上記入力電圧が上記所定の閾値電圧より低い場合よりも静電容量が小さくなる容量性リアクタンスであることを特徴とする請求項1に記載の電源回路。
- 上記インピーダンス回路は、第一のコンデンサと、上記第一のコンデンサに直列に電気接続した第二のコンデンサと、上記第二のコンデンサに並列に電気接続したスイッチとを有し、
上記スイッチは、上記入力電圧が上記所定の閾値電圧より低い場合に導通することを特徴とする請求項2に記載の電源回路。 - 上記電源回路は、更に、
上記スイッチの状態が変化したとき流れる突入電流を抑制する突入電流抑制回路を有することを特徴とする請求項3に記載の電源回路。 - 上記突入電流抑制回路は、抵抗と、上記抵抗に並列に電気接続した第二のスイッチとを有し、上記第一のコンデンサと上記第二のコンデンサと上記スイッチとのうちいずれかに直列に電気接続し、
上記第二のスイッチは、上記スイッチの状態が、導通状態から遮断状態へ変化したとき及び遮断状態から導通状態へ変化したときのうち少なくともいずれかのときから所定の時間が経過したのち、導通することを特徴とする請求項4に記載の電源回路。 - 上記スイッチは、機械式スイッチと、半導体スイッチとのうちいずれかを有することを特徴とする請求項3乃至請求項5のいずれかに記載の電源回路。
- 上記スイッチは、エンハンスメント型MOSFETを有することを特徴とする請求項3乃至請求項6のいずれかに記載の電源回路。
- 請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の電源回路と、
上記負荷回路として上記電源回路に電気接続し、一または直列に接続した複数の発光ダイオードを有する二つの発光ダイオード回路が逆並列に電気接続している光源回路とを有することを特徴とする照明装置。
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