JP2010236543A - 淡水化装置付きバロメトリック型オープンサイクル海洋温度差発電装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】表層温海水が導入され蒸気を発生するとともに、導入された温海水が海面下に排水される蒸発器と、蒸発器で発生した蒸気によりタービン翼が駆動されて発電する発電機と、タービン翼を駆動した後の蒸気が導入されるとともに、深層冷海水が導入され、前記蒸気を凝縮させて淡水を生成する凝縮器とを備えた海洋温度差発電装置において、
凝縮器からの排気により冷海水排水中に淡水生成後に残る不凝縮ガスの気泡を発生する気泡発生手段、及び、冷海水と当該気泡の混合した気液混合液状態で海面下に排出する排出手段を設け、
淡水生成後に残る不凝縮ガスを、従来排気ポンプを用いることなく、排気することを特徴とする淡水化装置付きバロメトリック型オープンサイクル海洋温度差発電装置。
【選択図】図2
Description
この従来装置においては、そのまま運転すると、発生する不凝縮ガスがたまり圧力が高くなってタービン翼がとまり発電が停止してしまう。そこで、従来は、低圧にするための脱気ポンプ(排気ポンプ)が必要であった。また、凝縮器に残った不凝縮ガスが淡水化の効率を悪くしていた。
表層温海水が導入され蒸気を発生するとともに、導入された温海水が海面下に排水される蒸発器と、蒸発器で発生した蒸気によりタービン翼が駆動されて発電する発電機と、タービン翼を駆動した後の蒸気が導入されるとともに、深層冷海水が導入され、前記蒸気を凝縮させて淡水を生成する凝縮器とを備えた海洋温度差発電装置において、
凝縮器からの排気により冷海水排水中に淡水生成後に残る不凝縮ガスの気泡を発生する気泡発生手段、及び、冷海水と当該気泡の混合した気液混合液状態で海面下に排出する排出手段を設け、
淡水生成後に残る不凝縮ガスを、従来排気ポンプを用いることなく、排気することを特徴とする淡水化装置付きバロメトリック型オープンサイクル海洋温度差発電装置。
または、表層温海水が導入され蒸気を発生するとともに、導入された温海水が海面下に排水される蒸発器と、蒸発器で発生した蒸気によりタービン翼が駆動されて発電する発電機と、タービン翼を駆動した後の蒸気が導入されるとともに、深層冷海水が導入され、前記蒸気を凝縮させて淡水を生成する凝縮器とを備えた海洋温度差発電装置において、
淡水生成後に残る不凝縮ガスの気泡発生手段が、
当該不凝縮ガスと冷海水排水との気液混合液状態にする気液混合室からなる気泡発生手段、
および排出手段が、
前記蒸発器内部の液面位置の海面からの高さ[m]は、
大気圧に相当する真水の高さ[m]×(大気圧−蒸発器の飽和水蒸気圧)×(1/温海水密度[kg/L])
の値で決まるバランス高さより、排水側に流れが生じるようにわずかに高く設定され、
前記気泡発生手段の気液混合液面位置の海面からの高さ[m]は、
大気圧に相当する真水の高さ[m]×(大気圧−凝縮器の飽和水蒸気圧)×(1/気液混合液密度[kg/L])
の値で決まるバランス高さより、排水側に流れが生じるようにわずかに高く設定され、
当該気泡発生手段と海面(大気圧)と結ぶ配管からなる排出手段からなる
ことを特徴とする上記の淡水化装置付きバロメトリック型オープンサイクル海洋温度差発電装置。
または、表層温海水が導入され蒸気を発生するとともに、導入された温海水が海面下に排水される蒸発器と、蒸発器で発生した蒸気によりタービン翼が駆動されて発電する発電機と、タービン翼を駆動した後の蒸気が導入されるとともに、深層冷海水が導入され、前記蒸気を凝縮させて淡水を生成する凝縮器とを備えた海洋温度差発電装置において、
淡水生成後に残る不凝縮ガスの気泡発生手段が、当該不凝縮ガスと冷海水排水との気液混合液状態にするラバールノズルからなる気泡発生手段、
および排出手段が、
前記蒸発器内部の液面位置の海面からの高さ[m]は、
大気圧に相当する真水の高さ[m]×(大気圧−蒸発器の飽和水蒸気圧)×(1/温海水密度[kg/L])
の値で決まるバランス高さより、排水側に流れが生じるようにわずかに高く設定され、
前記気泡発生手段の気液混合液面位置の海面からの高さ[m]は、
大気圧に相当する真水の高さ[m]×(大気圧−凝縮器の飽和水蒸気圧)×(1/気液混合液密度[kg/L])
の値で決まるバランス高さより、排水側に流れが生じるようにわずかに高く設定され、
当該気泡発生手段と海面(大気圧)と結ぶ配管からなる排出手段からなる
ことを特徴とする上記の淡水化装置付きバロメトリック型オープンサイクル海洋温度差発電装置。
または、冷海水排水量の変動に対し、気泡発生手段および排出手段の動作を保証するために、
当該気泡発生手段位置よりも上流側から分岐して海面下に排水するバイパス管を有することを特徴とする上記の淡水化装置付きバロメトリック型オープンサイクル海洋温度差発電装置である。
そして、表層温海水入口2jの温海水汲み上げ管は海面(大気圧)下の表層に開口している。なお、図示されていないが、温海水出口2kは排水管により海面(大気圧)下に開口し、深層冷海水入口2iは冷海水汲み上げ管により海面下の深層に開口し、気液混合液出口2hは排水管(気液混合液の排出手段)により海面(大気圧)下に開口しており、また、淡水取り出し口2pからの淡水取り出しは、凝縮器内部の圧力を損なわずに取り出せるようにしてある。
また、上記のように構成することにより、装置全体を海面より数メートル高い位置に設置することができるから、波による外乱の影響を減じることもできる。例えば、図4は、本発明の淡水化装置付きバロメトリック型オープンサイクル海洋温度差発電装置を、湾内に設置した例であり、かなり大きな波浪であっても、装置の主要部分は、海面(大気圧)よりある高さに維持することができる。
なお、淡水取り出し口2pについても、凝縮器内の凝縮液(淡水)の液面位置の海面(大気圧)2Lからの高さ2fを、高さ2fの淡水(冷海水と同じ温度)の重力による圧力と凝縮器内の凝縮液面に作用する圧力(冷海水温度における飽和水蒸気圧)の和が大気圧に等しくなる位置よりも若干高めに設定しておいて淡水の排出ポンプ動力を軽減することもできる。
図3は、本発明の気泡発生手段の具体例を示したものであって、隔壁型の凝縮器3dの後部へ直接接触型の凝縮器3nを接続することにより気液混合手段を構成したものである。図5は、さらにその詳細図である。図3において、3jは蒸発器の温海水入口、3kは蒸発器の温海水出口、3dは隔壁型の凝縮器、3iは隔壁型の凝縮器への冷海水入口、3nは直接接触型の凝縮器で構成される気泡発生手段、3hは冷海水と不凝縮ガスの気液混合液出口、3pは淡水取り出し口、3mはデミスター、3bはタービン翼、3cはタービン及び発電機、3Lは海面(大気圧)、3gは蒸発器液面位置の海面(大気圧)からの高さ、3oは、直接接触型の凝縮器で構成された気泡発生手段3n内の気液混合液面位置の海面(大気圧)からの高さである。また、図示しないが、温海水入口3jは汲み上げ管により海面(大気圧)下表層に開口し、温海水出口3kは排水管により海面下に開口し、冷海水入口3iは汲み上げ管により海面(大気圧)下深層に開口し、気液混合液出口3hは排水管(排出手段)により海面(大気圧)下に開口している。なお、3fは隔壁型の凝縮器3d内の凝縮液(淡水)の液面位置の海面(大気圧)からの高さである。また、図5において、5dは隔壁型の凝縮器(淡水化用)、5eは直接接触型の凝縮器からなる気泡発生手段、5aはタービンからの蒸気入口、5bは凝縮器の冷海水入口、5cは冷海水と不凝縮ガスの気液混合液出口、5hは気液混合液面位置の海面(大気圧)からの高さであり、5fは凝縮液(淡水)の取り出し口である。
なお、5図において、排気効率を高めるために、冷海水出口と蒸気出口を狭めてあり、冷海水出口と蒸気出口の下部には穴あきプレートが設けてある。また、気液混合液出口5c部には、液面の調整とトラップのために、気液混合液面調整用曲管を設けて効率よく気液混合液として排出できるようにしてある。また、最適な排水速度は、気液混合液の気液混合割合によるため、実験により決められる。
3g[m]=1atmに相当する真水の高さ[m]×(1−蒸発器の飽和水蒸気圧[atm])×(1/温海水密度[kg/L])
3o[m]=1atmに相当する真水の高さ[m]×(1−凝縮器の飽和水蒸気圧[atm])×(1/気液混合液密度[kg/L])
ここで、気液混合液密度は、次式で計算される。
気液混合液密度[kg/L]=冷海水密度[kg/L]×冷海水体積[L]/(冷海水密度[kg/L]×冷海水体積[L]+蒸気密度[kg/L]×蒸気体積[L])
例えば、1atmに相当する真水の高さ=10.33m、温海水を30°Cとすると、温海水密度=1.020kg/L、蒸発器の飽和水蒸気圧=0.42atmとなり、上式に代入すれば、3g=10.33×(1−0.42)×(1/1.020)=5.87[m]となる。
さらに、冷海水温度を10°Cとし、気液混合液中に蒸気を15[mL/L]混合するものとすると、冷海水密度=1.025kg/L、気液混合液密度=1.025×0.985/(1.025×0.985+0.001206×0.015)=0.999982[kg/L]となり、凝縮器の飽和水蒸気圧は0.12atmであるから、3o=10.33×(1−0.12)×(1/0.999982)=9.09[m]となる。
なお、上記で求めた、3g=5.87m及び3o=9.09mの値は、ちょうどバランスする位置の高さであるから、実際には、これらの値より若干高くして(例えば数cm)、排水側に流れが生じるように設定する。
図6は、図2の気泡発生手段の他の具体例を説明した詳細図である。この具体例では、気泡発生部及び混合部分が凝縮器とほぼ同一高さに設置した例である。凝縮器からの排気管を気泡発生手段である混合室に連通させる。混合室(気泡発生手段)は凝縮器圧力Pcよりも低圧P1となる高さ5hに設置される。すなわち、Pc≧P1(=気液混合液密度(ρ)×海面(大気圧)からの高さ(5h))を満足する高さ5hに設置する。混合室(気泡発生手段)においては、水噴流により発生した気泡の比較的小さいものは排水とともに下方に流れ、大きいものは再度、噴流により微細化される。排水の流速は排水管径により調整され、気泡の上昇しようとする速度より大きな流速で排気される。
図7は、気泡発生手段のさらに他の具体例を説明した詳細図である。図7は、図6の混合室をなくし、微細な気泡を発生できるノズルを擁し、不凝縮ガスはノズルのベンチュリー効果により引き込まれ、気泡を発生する。図では、ノズルを有する気泡発生手段の上流で分岐するバイバス排水管を設けているが、バイパス排水管は設けなくてもよい。なお、凝縮器からの排気管が導入されるノズル位置が、凝縮器圧力Pcよりも低圧P1となる高さに設置されることは、図6の例と同様である。
1b,2b,3c タービン翼
1c,2c,3c タービン及び発電機
1d,2d,3d,5d 凝縮器
1j,2j,3j 温海水入口
1k,2k,3k 温海水出口
1i,2i,3i,5b 冷海水入口
1h 冷海水出口
2h,3h,5c 気液混合液出口
2L,3L 海面
2p,3p,5f 淡水取り出し口
2e,3n,5e 気泡発生手段
2g,3g 凝縮器の液面位置の海面からの高さ
2o,3o,5h 気泡発生手段の気液混合液面位置の海面からの高さ
Claims (4)
- 表層温海水が導入され蒸気を発生するとともに、導入された温海水が海面下に排水される蒸発器と、蒸発器で発生した蒸気によりタービン翼が駆動されて発電する発電機と、タービン翼を駆動した後の蒸気が導入されるとともに、深層冷海水が導入され、前記蒸気を凝縮させて淡水を生成する凝縮器とを備えた海洋温度差発電装置において、
凝縮器からの排気により冷海水排水中に淡水生成後に残る不凝縮ガスの気泡を発生する気泡発生手段、及び、冷海水と当該気泡の混合した気液混合液状態で海面下に排出する排出手段を設け、
淡水生成後に残る不凝縮ガスを、従来排気ポンプを用いることなく、排気することを特徴とする淡水化装置付きバロメトリック型オープンサイクル海洋温度差発電装置。 - 表層温海水が導入され蒸気を発生するとともに、導入された温海水が海面下に排水される蒸発器と、蒸発器で発生した蒸気によりタービン翼が駆動されて発電する発電機と、タービン翼を駆動した後の蒸気が導入されるとともに、深層冷海水が導入され、前記蒸気を凝縮させて淡水を生成する凝縮器とを備えた海洋温度差発電装置において、
淡水生成後に残る不凝縮ガスの気泡発生手段が、
当該不凝縮ガスと冷海水排水との気液混合液状態にする気液混合室からなる気泡発生手段、
および排出手段が、
前記蒸発器内部の液面位置の海面からの高さ[m]は、
大気圧に相当する真水の高さ[m]×(大気圧−蒸発器の飽和水蒸気圧)×(1/温海水密度[kg/L])
の値で決まるバランス高さより、排水側に流れが生じるようにわずかに高く設定され、
前記気泡発生手段の気液混合液面位置の海面からの高さ[m]は、
大気圧に相当する真水の高さ[m]×(大気圧−凝縮器の飽和水蒸気圧)×(1/気液混合液密度[kg/L])
の値で決まるバランス高さより、排水側に流れが生じるようにわずかに高く設定され、
当該気泡発生手段と海面(大気圧)と結ぶ配管からなる排出手段からなる
ことを特徴とする請求項1に記載の淡水化装置付きバロメトリック型オープンサイクル海洋温度差発電装置。 - 表層温海水が導入され蒸気を発生するとともに、導入された温海水が海面下に排水される蒸発器と、蒸発器で発生した蒸気によりタービン翼が駆動されて発電する発電機と、タービン翼を駆動した後の蒸気が導入されるとともに、深層冷海水が導入され、前記蒸気を凝縮させて淡水を生成する凝縮器とを備えた海洋温度差発電装置において、
淡水生成後に残る不凝縮ガスの気泡発生手段が、当該不凝縮ガスと冷海水排水との気液混合液状態にするラバールノズルからなる気泡発生手段、
および排出手段が、
前記蒸発器内部の液面位置の海面からの高さ[m]は、
大気圧に相当する真水の高さ[m]×(大気圧−蒸発器の飽和水蒸気圧)×(1/温海水密度[kg/L])
の値で決まるバランス高さより、排水側に流れが生じるようにわずかに高く設定され、
前記気泡発生手段の気液混合液面位置の海面からの高さ[m]は、
大気圧に相当する真水の高さ[m]×(大気圧−凝縮器の飽和水蒸気圧)×(1/気液混合液密度[kg/L])
の値で決まるバランス高さより、排水側に流れが生じるようにわずかに高く設定され、
当該気泡発生手段と海面(大気圧)と結ぶ配管からなる排出手段からなる
ことを特徴とする請求項1に記載の淡水化装置付きバロメトリック型オープンサイクル海洋温度差発電装置。 - 冷海水排水量の変動に対し、気泡発生手段および排出手段の動作を保証するために、
当該気泡発生手段位置よりも上流側から分岐して海面下に排水するバイパス管を有することを特徴とする請求項1、2または3に記載の淡水化装置付きバロメトリック型オープンサイクル海洋温度差発電装置。
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JP2000501807A (ja) * | 1995-06-07 | 2000-02-15 | オーティーイーシー・ディヴェロップメンツ | 海水熱エネルギー変換(otec)システム |
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