JP2010235672A - ノボラック型フェノール樹脂及びフォトレジスト用樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】 良好な耐熱性を有し、かつ高感度でその他特性についても汎用のものより劣ることのないノボラック型フェノール樹脂及びフォトレジスト用樹脂組成物を提供する。
【解決手段】 フェノ−ル類とアルデヒド類とを酸性触媒のもとで反応させて得られるノボラック型フェノール樹脂であって、フェノ−ル類の組成がメタクレゾール50−89重量%,パラクレゾール10−49重量%で、アルデヒド類がフタルアルデヒドなどの芳香族ジアルデヒドであることを特徴とするノボラック型フェノール樹脂である。
【選択図】 なし
Description
本発明はノボラック型フェノール樹脂及びフォトレジスト組成物に関する。
液晶表示装置回路または半導体集積回路のように微細な回路パターンは基板上に形成された絶縁膜または導電性金属膜にフォトレジスト組成物を均一にコーティングまたは塗布し、所定の形状のマスク存在下でコーティングされたフォトレジスト組成物を露光して現像し、目的とする形状のパターンに作られる。その後、パターンが形成されたフォトレジスト膜をマスクとして用いて金属膜または絶縁膜を除去した後、残存するフォトレジスト膜を除去して基板上に微細回路を形成する。このようなフォトレジスト組成物は露光される部分やフォトレジスト膜が可溶か不溶によって、ネガ形とポジ形に分類される。
一般にポジ型フォトレジスト組成物には、ナフトキノンジアジド化合物等のキノンジアジド基を有する感光剤とアルカリ可溶性樹脂(例えば、ノボラック型フェノ−ル樹脂)とが用いられている。このような組成からなるポジ型フォトレジスト組成物は、露光後にアルカリ溶液による現像によって高い解像力を示し、IC、LSI等の半導体製造、LCD等の液晶表示画面機器の製造及び印刷原版の製造等に利用されている。また、ノボラック型フェノ−ル樹脂は、プラズマドライエッチングに対し、芳香環を多く持つ構造に起因する高い耐熱性も有しており、これまでノボラック型フェノ−ル樹脂とナフトキノンジアジド系感光剤とを含有する数多くのポジ型フォトレジストが開発、実用化され、大きな成果を挙げてきている。
液晶表示装置回路用フォトレジスト組成物の実用面での重要な特性は形成されたレジスト膜の感度、現像コントラスト、解像度、基板との接着力、残膜率、耐熱性、回路線幅均一度(CD uniformity)である。その中でも高耐熱化のためにアルキルフェノ−ル類や芳香族アルデヒドなどのモノマーの適用が検討されている。しかしいずれも、若干の向上は見られるものの、飛躍的な効果は得られていない。またフォトレジスト工程技術の進化によって,これまでよりもさらに高温での耐熱性が求められている。特許文献1にはフォトレジスト特性を向上させるためにノボラック樹脂を分溜(Fractionation)処理する方法の使用が開示されており、前記の内容は当分野の従事者には広く知られているが,分溜することでフォトレジストの重要特性である感度が遅くなり,工程時間が長いため量産性に乏しいと言える。また、特許文献2にはグリオキザールを用いた感光性樹脂組成物が記載されているが、グリオキザールなどの脂肪族ジアルデヒドでは芳香環密度が乏しく、目的の耐熱性には及ばない。
本発明の目的は良好な耐熱性を有し、その他特性についても汎用のものより劣ることのないフォトレジストに用いるノボラック型フェノール樹脂及びフォトレジスト用樹脂組成物を提供することにある。
このような目的は、以下の本発明[1]〜[6]により達成される。
[1] フェノ−ル類とアルデヒド類とを酸性触媒のもとで反応させて得られるノボラック型フェノール樹脂であって、フェノ−ル類の組成がメタクレゾール50−89重量%,パラクレゾール10−49重量%で、アルデヒド類が芳香族ジアルデヒドであることを特徴とするノボラック型フェノール樹脂。
[2] 芳香族ジアルデヒドが、フタルアルデヒド、イソフタルアルデヒド又はテレフタルアルデヒドである[1]記載のノボラック型フェノール樹脂。
[3] 前記フェノール類に対するアルデヒド類のモル比率が、0.4〜1.0である[1]又は[2]に記載のノボラック型フェノール樹脂。
[4] GPCによるポリスチレン換算の重量平均分子量が、2000〜10000である[1]、[2]又は[3]に記載のノボラック型フェノール樹脂。
[5] フォトレジストに用いられるものである[1]乃至[4]のいずれか1項に記載のノボラック型フェノール樹脂。
[6] [1]乃至[5]のいずれか1項に記載のノボラック型フェノール樹脂、感光剤及び溶剤を含有することを特徴とするフォトレジスト用樹脂組成物。
[1] フェノ−ル類とアルデヒド類とを酸性触媒のもとで反応させて得られるノボラック型フェノール樹脂であって、フェノ−ル類の組成がメタクレゾール50−89重量%,パラクレゾール10−49重量%で、アルデヒド類が芳香族ジアルデヒドであることを特徴とするノボラック型フェノール樹脂。
[2] 芳香族ジアルデヒドが、フタルアルデヒド、イソフタルアルデヒド又はテレフタルアルデヒドである[1]記載のノボラック型フェノール樹脂。
[3] 前記フェノール類に対するアルデヒド類のモル比率が、0.4〜1.0である[1]又は[2]に記載のノボラック型フェノール樹脂。
[4] GPCによるポリスチレン換算の重量平均分子量が、2000〜10000である[1]、[2]又は[3]に記載のノボラック型フェノール樹脂。
[5] フォトレジストに用いられるものである[1]乃至[4]のいずれか1項に記載のノボラック型フェノール樹脂。
[6] [1]乃至[5]のいずれか1項に記載のノボラック型フェノール樹脂、感光剤及び溶剤を含有することを特徴とするフォトレジスト用樹脂組成物。
本発明によれば、優れた耐熱性と良好な感度を両立させたフォトレジスト用樹脂組成物を得ることができる。
以下に、本発明のノボラック型フェノール樹脂及びフォトレジスト用樹脂組成物について詳細に説明する。
本発明のノボラック型フェノール樹脂はフェノ−ル類とアルデヒド類とを酸性触媒のもとで反応させて得られるノボラック型フェノール樹脂であって、フェノ−ル類の組成がメタクレゾール50−89重量%,パラクレゾール10−49重量%で、アルデヒド類が芳香族ジアルデヒドであることを特徴とする。
本発明のノボラック型フェノール樹脂はフェノ−ル類とアルデヒド類とを酸性触媒のもとで反応させて得られるノボラック型フェノール樹脂であって、フェノ−ル類の組成がメタクレゾール50−89重量%,パラクレゾール10−49重量%で、アルデヒド類が芳香族ジアルデヒドであることを特徴とする。
本発明のノボラック型フェノール樹脂の製造に用いるフェノール類としては、メタクレゾ−ル、パラクレゾール、フェノール、3−アミノフェノール、3−メトキシフェノール、4−メトキシフェノール、サリチル酸(2−ヒドロキシ安息香酸)、4−ヒドロキシ安息香酸、カテコール、レゾルシノール及びヒドロキノン等が挙げられるが、フェノール類中、メタクレゾール50−89重量%,パラクレゾール10−49重量%が必須であり、好ましくはメタクレゾール60−75重量%,パラクレゾール30−45重量%である。上記比率とすることで、特にフォトレジスト用に適したアルカリ溶解時間(ADR)を持つノボラック型フェノール樹脂を得ると共に耐熱性向上させることができる。上記メタクレゾール、パラクレゾールの範囲外において、メタクレゾール、パラクレゾール以外のフェノール類を含むことができる。
また、本発明のノボラック型フェノール樹脂の製造に用いるアルデヒド類としては、フタルアルデヒド、イソフタルアルデヒド、テレフタルアルデヒドなどの芳香族ジアルデヒドが挙げられる。この他に本発明に用いることのできるアルデヒド類としては、例えば特開平08−231461号に記載の芳香族ジアルデヒド類が挙げられる。
また、本発明のノボラック型フェノール樹脂の製造に用いるアルデヒド類としては、フタルアルデヒド、イソフタルアルデヒド、テレフタルアルデヒドなどの芳香族ジアルデヒドが挙げられる。この他に本発明に用いることのできるアルデヒド類としては、例えば特開平08−231461号に記載の芳香族ジアルデヒド類が挙げられる。
本発明において、前記フェノール類に対するアルデヒド類のモル比率は、0.4〜1.0が好ましく,更に好ましくは0.5〜0.8である。上記モル比率とすることで、特にフォトレジスト用に適した重量平均分子量をもつノボラック型フェノール樹脂を得ることができる。
本発明のノボラック型フェノール樹脂の、GPCによるポリスチレン換算の重量平均分子量は、2000〜10000が好ましく、特に好ましくは3000〜8000である。上記重量平均分子量とすることで、特にフォトレジスト用に適したアルカリ溶解時間(ADR)をもつノボラック型フェノール樹脂を得ることができる。
フェノール類とアルデヒド類との反応時の酸性触媒としては、例えば、塩酸、硫酸、燐酸、ホウ酸などの無機酸類、蓚酸、酢酸、パラトルエンスルホン酸等の有機酸類が挙げられ、単独及び混合して使用することができる。また、モノマー除去時に分解、昇華などにより反応系から容易に除去できるものの使用が好ましい。使用量については触媒の種類にもよるが、系内のpHが1〜6の範囲になる量を設定することが好ましい。
本発明のノボラック型フェノール樹脂の製造方法を反応手順に沿って説明する。
反応は、攪拌機、温度計、熱交換機の付いた反応容器にフェノール類、酸性触媒を仕込み、所定温度に昇温する。所定温度に到達後、ホルマリンの逐次添加を開始する。逐次添加温度や時間はモノマーの反応性、目的とする特性によって適宜設定できるが、安定かつ経済的に製造可能なレベルに設定できる。
アルデヒド類の逐次添加時間は、30〜300分が好ましく、更に好ましくは60〜180分である。上記逐次添加時間とすることで、急激な昇温もなく適正な速度で反応を進めることができる。
反応は、攪拌機、温度計、熱交換機の付いた反応容器にフェノール類、酸性触媒を仕込み、所定温度に昇温する。所定温度に到達後、ホルマリンの逐次添加を開始する。逐次添加温度や時間はモノマーの反応性、目的とする特性によって適宜設定できるが、安定かつ経済的に製造可能なレベルに設定できる。
アルデヒド類の逐次添加時間は、30〜300分が好ましく、更に好ましくは60〜180分である。上記逐次添加時間とすることで、急激な昇温もなく適正な速度で反応を進めることができる。
また、ホルムアルデヒドの逐次添加温度は、70〜130℃が好ましく、更に好ましくは90〜110℃である。上記逐次添加温度とすることで、急激な昇温もなく適正な速度で反応を進めることができる。
上記逐次添加終了後、必要によってそのまま反応を継続することができる。また逐次添加・反応時において、必要によって反応溶媒を添加使用することもでき、特に溶媒の種類は限定されないが、フェノ−ル樹脂を溶解する溶媒であれば使用できる。一例をあげるとメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、ブタノ−ル等のアルコ−ル類、エトキシエタノ−ル等のエ−テルアルコ−ル類等が挙げられる。
上記反応終了後、必要によって、添加した酸性触媒を除去するために、水を加えて水洗を実施する。水洗水の量と回数は特に限定されないが、水洗回数は1〜5回程度が残留触媒量と経済的な観点から特に好ましい。また、水洗温度は特に限定されないが、触媒種除去の効率と作業性の観点から40〜95℃で行うのが好ましい。水洗中、樹脂と水洗水の分離が悪い場合は、樹脂の粘度を低下させる溶媒の添加や水洗温度を上昇させることが効果的である。この溶媒は特に限定されないが、フェノ−ル樹脂を溶解して粘度を低下させるものであれば使用することができる。一例をあげると、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、メタノ−ル、エタノ−ル、ブタノ−ルなどのアルコ−ル類、エトキシエタノ−ル等のエ−テルアルコ−ル類等が挙げられる。
上記水洗終了後、常圧下及び減圧下で脱水・脱モノマ−を行い、フォトレジスト用フェノール樹脂を得ることができる。脱水・脱モノマ−の条件は限定されないが、得られたフェノール樹脂の安定性(バラツキ)や粘度を考慮すると、減圧度は、0.1〜200torr程度で行うのが特に好ましく、反応釜からの取り出し温度は、150〜250℃で行うのが更に好ましい。
反応設備の好ましい材質について述べる。
フォトレジスト用フェノール樹脂は、金属不純物の混入が極力ないことが要求特性の一つにあり、本発明の製造方法による製造にあたっては、ガラスライニング製及び/又はタンタル、ハフニウム、ジルコニウム、ニオブ、チタンから選ばれた金属及び/又はそれらの合金からなり、実質的に他の材料を含まない金属材料を反応設備材質として用いた製造装置を使用することが好ましい。
フォトレジスト用フェノール樹脂は、金属不純物の混入が極力ないことが要求特性の一つにあり、本発明の製造方法による製造にあたっては、ガラスライニング製及び/又はタンタル、ハフニウム、ジルコニウム、ニオブ、チタンから選ばれた金属及び/又はそれらの合金からなり、実質的に他の材料を含まない金属材料を反応設備材質として用いた製造装置を使用することが好ましい。
本発明のノボラック型フェノール樹脂は、フォトレジスト用として用いることができる。
次に、本発明のフォトレジスト用樹脂組成物(以下、単に「組成物」ということがある)について説明する。
本発明の組成物は、上記本発明のノボラック型フェノール樹脂、感光剤、及び溶剤を含むことを特徴とする。
上記感光剤としては、例えば、キノンジアジド基含有化合物を含有することができる。また、これらを溶解する溶剤を用い、これに溶解して、溶液の形態で用いることが好ましい。
上記感光剤としては、例えば、キノンジアジド基含有化合物を含有することができる。また、これらを溶解する溶剤を用い、これに溶解して、溶液の形態で用いることが好ましい。
上記溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル等のエチレングリコールアルキルエーテル類、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル等のジエチレングリコールジアルキルエーテル類、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート等のエチレングリコールアルキルエーテルアセテート類、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート等のプロピレングリコールアルキルエーテルアセテート類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルアミルケトン等のケトン類、ジオキサンのような環式エーテル類及び、2−ヒドロキシプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、オキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、蟻酸エチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル等のエステル類を挙げることができる。これらは一種単独で用いてもよいし、また2種以上混合して用いてもよい。
上記溶剤の含有量は特に限定されないが、組成物の固形分濃度を全体に対して30〜65重量%とすることが好ましい。さらに好ましくは50〜65重量%である。固形分濃度を上記範囲とすることで、組成物の流動性を良好なものにすることができると共に、均一なレジストフィルムを得ることができる。
なお、本発明の組成物には、以上説明した成分のほかにも、必要により、界面活性剤、密着性向上剤、溶解促進剤等の種々の添加剤を使用してもよい。
本発明の組成物の調製方法としては特に限定されないが、組成物に充填材、顔料を添加しない場合には、上記の成分を通常の方法で混合・攪拌するだけでよく、充填材、顔料を添加する場合には、例えば、ディゾルバー、ホモジナイザー、3本ロールミル等の分散装置を用いて分散、混合させればよい。また、必要に応じて、さらにメッシュフィルター、メンブレンフィルター等を用いて濾過してもよい。
このようにして得られた本発明の組成物に対して、マスクを介して露光を行なうことで、露光部においては組成物に構造変化が生じ、アルカリ現像液に対しての溶解性を促進することができる。一方、非露光部においてはアルカリ現像液に対する低い溶解性を保持しているため、こうして生じた溶解性の差により、レジスト機能を付与することができる。
本発明のノボラック型フェノール樹脂を用いるフォトレジスト用樹脂組成物において、耐熱性の向上には芳香環密度が重要であると考えられる。アルデヒド種をホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒドとした樹脂では、積極的な三次元構造を取る事が難しくその結果芳香環密度が低く耐熱性に乏しい。ジアルデヒド、特に芳香族ジアルデヒドを用いることで、樹脂骨格を積極的に枝分かれ構造にすることができ、枝分かれ構造になることによって芳香環密度が上昇し耐熱性の向上が達成されるものと考えられる。
本発明のノボラック型フェノール樹脂を用いるフォトレジスト用樹脂組成物において、耐熱性の向上には芳香環密度が重要であると考えられる。アルデヒド種をホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒドとした樹脂では、積極的な三次元構造を取る事が難しくその結果芳香環密度が低く耐熱性に乏しい。ジアルデヒド、特に芳香族ジアルデヒドを用いることで、樹脂骨格を積極的に枝分かれ構造にすることができ、枝分かれ構造になることによって芳香環密度が上昇し耐熱性の向上が達成されるものと考えられる。
以下、本発明を実施例により説明する。しかし本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。また、実施例及び比較例に記載されている「部」及び「%」は、すべて「重量部」及び「重量%」を示す。但し、ホルマリン水溶液の濃度(%)を除く。
1.フォトレジスト用フェノール樹脂の合成
(1)実施例1
攪拌機、温度計、熱交換機の付いた3Lの四つ口フラスコにメタクレゾ−ル600部、パラクレゾール400部、ジエチル硫酸2.5部を仕込み、内温96〜100℃まで上昇させる。温度到達後、イソフタルアルデヒド745部(全フェノール類に対する仕込みモル比A/C=0.60)を、内温96〜100℃を維持させながら3時間で添加し、その後2時間還流反応を行った後、常圧下で脱水を行い、内温150℃まで上昇させ、次いで70Torrの減圧下で内温200℃まで脱水・脱モノマ−を行い、ノボラック型フェノール樹脂700部を得た。得られた樹脂の重量平均分子量は3000、遊離モノマ−2.3%であった。
(1)実施例1
攪拌機、温度計、熱交換機の付いた3Lの四つ口フラスコにメタクレゾ−ル600部、パラクレゾール400部、ジエチル硫酸2.5部を仕込み、内温96〜100℃まで上昇させる。温度到達後、イソフタルアルデヒド745部(全フェノール類に対する仕込みモル比A/C=0.60)を、内温96〜100℃を維持させながら3時間で添加し、その後2時間還流反応を行った後、常圧下で脱水を行い、内温150℃まで上昇させ、次いで70Torrの減圧下で内温200℃まで脱水・脱モノマ−を行い、ノボラック型フェノール樹脂700部を得た。得られた樹脂の重量平均分子量は3000、遊離モノマ−2.3%であった。
(2)実施例2
攪拌機、温度計、熱交換機の付いた3Lの四つ口フラスコにメタクレゾ−ル600部、パラクレゾール400部、ジエチル硫酸2.5部を仕込み、内温96〜100℃まで上昇させる。温度到達後、イソフタルアルデヒド870部(全フェノール類に対する仕込みモル比A/C=0.70)を、内温96〜100℃を維持させながら3時間で添加し、その後2時間還流反応を行った後、常圧下で脱水を行い、内温150℃まで上昇させ、次いで70Torrの減圧下で内温200℃まで脱水・脱モノマ−を行い、ノボラック型フェノール樹脂700部を得た。得られた樹脂の重量平均分子量は2000、遊離モノマ−2.5%であった。
攪拌機、温度計、熱交換機の付いた3Lの四つ口フラスコにメタクレゾ−ル600部、パラクレゾール400部、ジエチル硫酸2.5部を仕込み、内温96〜100℃まで上昇させる。温度到達後、イソフタルアルデヒド870部(全フェノール類に対する仕込みモル比A/C=0.70)を、内温96〜100℃を維持させながら3時間で添加し、その後2時間還流反応を行った後、常圧下で脱水を行い、内温150℃まで上昇させ、次いで70Torrの減圧下で内温200℃まで脱水・脱モノマ−を行い、ノボラック型フェノール樹脂700部を得た。得られた樹脂の重量平均分子量は2000、遊離モノマ−2.5%であった。
(3)実施例3
攪拌機、温度計、熱交換機の付いた3Lの四つ口フラスコにメタクレゾ−ル600部、パラクレゾール400部、ジエチル硫酸2.5部を仕込み、内温96〜100℃まで上昇させる。温度到達後、フタルアルデヒド745部(全フェノール類に対する仕込みモル比A/C=0.60)を、内温96〜100℃を維持させながら3時間で添加し、その後2時間還流反応を行った後、常圧下で脱水を行い、内温150℃まで上昇させ、次いで70Torrの減圧下で内温200℃まで脱水・脱モノマ−を行い、ノボラック型フェノール樹脂700部を得た。得られた樹脂の重量平均分子量は6500、遊離モノマ−2.8%であった。
攪拌機、温度計、熱交換機の付いた3Lの四つ口フラスコにメタクレゾ−ル600部、パラクレゾール400部、ジエチル硫酸2.5部を仕込み、内温96〜100℃まで上昇させる。温度到達後、フタルアルデヒド745部(全フェノール類に対する仕込みモル比A/C=0.60)を、内温96〜100℃を維持させながら3時間で添加し、その後2時間還流反応を行った後、常圧下で脱水を行い、内温150℃まで上昇させ、次いで70Torrの減圧下で内温200℃まで脱水・脱モノマ−を行い、ノボラック型フェノール樹脂700部を得た。得られた樹脂の重量平均分子量は6500、遊離モノマ−2.8%であった。
(4)実施例4
攪拌機、温度計、熱交換機の付いた3Lの四つ口フラスコにメタクレゾ−ル600部、パラクレゾール400部、ジエチル硫酸2.5部を仕込み、内温96〜100℃まで上昇させる。温度到達後、フタルアルデヒド870部(全フェノール類に対する仕込みモル比A/C=0.70)を、内温96〜100℃を維持させながら3時間で添加し、その後2時間還流反応を行った後、常圧下で脱水を行い、内温150℃まで上昇させ、次いで70Torrの減圧下で内温200℃まで脱水・脱モノマ−を行い、ノボラック型フェノール樹脂700部を得た。得られた樹脂の重量平均分子量は7000、遊離モノマ−2.5%であった。
攪拌機、温度計、熱交換機の付いた3Lの四つ口フラスコにメタクレゾ−ル600部、パラクレゾール400部、ジエチル硫酸2.5部を仕込み、内温96〜100℃まで上昇させる。温度到達後、フタルアルデヒド870部(全フェノール類に対する仕込みモル比A/C=0.70)を、内温96〜100℃を維持させながら3時間で添加し、その後2時間還流反応を行った後、常圧下で脱水を行い、内温150℃まで上昇させ、次いで70Torrの減圧下で内温200℃まで脱水・脱モノマ−を行い、ノボラック型フェノール樹脂700部を得た。得られた樹脂の重量平均分子量は7000、遊離モノマ−2.5%であった。
(5)比較例1
実施例1と同様の反応装置にメタクレゾ−ル600部、パラクレゾ−ル400部、37%ホルマリン465.5部(全クレゾールに対する仕込みモル比F/C=0.62)、蓚酸2部を仕込み、97〜103℃で4時間還流反応を行った後、常圧下で脱水を行い内温140℃まで上昇させ、次いで70Torrの減圧下で内温200℃まで脱水・脱モノマ−を行い、ノボラック型フェノール樹脂760部を得た。得られた樹脂の重量平均分子量は5000、遊離モノマ−2.7%であった。
実施例1と同様の反応装置にメタクレゾ−ル600部、パラクレゾ−ル400部、37%ホルマリン465.5部(全クレゾールに対する仕込みモル比F/C=0.62)、蓚酸2部を仕込み、97〜103℃で4時間還流反応を行った後、常圧下で脱水を行い内温140℃まで上昇させ、次いで70Torrの減圧下で内温200℃まで脱水・脱モノマ−を行い、ノボラック型フェノール樹脂760部を得た。得られた樹脂の重量平均分子量は5000、遊離モノマ−2.7%であった。
(6)比較例2
実施例1と同様の反応装置にメタクレゾ−ル600部、パラクレゾ−ル400部、37%ホルマリン600部(全クレゾールに対する仕込みモル比F/C=0.80)、蓚酸2部を仕込み、97〜103℃で4時間還流反応を行った後、常圧下で脱水を行い内温140℃まで上昇させ、次いで70Torrの減圧下で内温200℃まで脱水・脱モノマ−を行い、ノボラック型フェノール樹脂772部を得た。得られた樹脂の重量平均分子量は8000、遊離モノマ−2.0%であった。
実施例1と同様の反応装置にメタクレゾ−ル600部、パラクレゾ−ル400部、37%ホルマリン600部(全クレゾールに対する仕込みモル比F/C=0.80)、蓚酸2部を仕込み、97〜103℃で4時間還流反応を行った後、常圧下で脱水を行い内温140℃まで上昇させ、次いで70Torrの減圧下で内温200℃まで脱水・脱モノマ−を行い、ノボラック型フェノール樹脂772部を得た。得られた樹脂の重量平均分子量は8000、遊離モノマ−2.0%であった。
2.フォトレジスト用組成物の調整
(1)実施例11
実施例1で得られたフォトレジスト用フェノール樹脂A70部、及びナフトキノン1,2−ジアジド−5−スルホン酸の2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノンエステル15部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)150部に溶解した後、孔径1.0μmのメンブレンフィルターを用いて濾過し、ポジ型フォトレジスト組成物を調整した。
(1)実施例11
実施例1で得られたフォトレジスト用フェノール樹脂A70部、及びナフトキノン1,2−ジアジド−5−スルホン酸の2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノンエステル15部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)150部に溶解した後、孔径1.0μmのメンブレンフィルターを用いて濾過し、ポジ型フォトレジスト組成物を調整した。
(2)実施例12
フォトレジスト用フェノール樹脂Aの代わりに、実施例3で得られたフォトレジスト用フェノール樹脂Cを用いた他は、実施例11と同様にして組成物を調整した。
フォトレジスト用フェノール樹脂Aの代わりに、実施例3で得られたフォトレジスト用フェノール樹脂Cを用いた他は、実施例11と同様にして組成物を調整した。
(3)実施例13
フォトレジスト用フェノール樹脂Aの代わりに、実施例3で得られたフォトレジスト用フェノール樹脂Cを用いた他は、実施例11と同様にして組成物を調整した。
フォトレジスト用フェノール樹脂Aの代わりに、実施例3で得られたフォトレジスト用フェノール樹脂Cを用いた他は、実施例11と同様にして組成物を調整した。
(4)実施例14
フォトレジスト用フェノール樹脂Aの代わりに、実施例4で得られたフォトレジスト用フェノール樹脂Dを用いた他は、実施例11と同様にして組成物を調整した。
フォトレジスト用フェノール樹脂Aの代わりに、実施例4で得られたフォトレジスト用フェノール樹脂Dを用いた他は、実施例11と同様にして組成物を調整した。
(5)比較例11
比較例1で得られたフォトレジスト用フェノール樹脂E70部、及びナフトキノン1,2−ジアジド−5−スルホン酸の2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノンエステル15部を、PGMEA150部に溶解した後、孔径1.0μmのメンブレンフィルターを用いて濾過し、ポジ型フォトレジスト組成物を調整した。
比較例1で得られたフォトレジスト用フェノール樹脂E70部、及びナフトキノン1,2−ジアジド−5−スルホン酸の2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノンエステル15部を、PGMEA150部に溶解した後、孔径1.0μmのメンブレンフィルターを用いて濾過し、ポジ型フォトレジスト組成物を調整した。
(6)比較例12
フォトレジスト用フェノール樹脂Eの代わりに、比較例2で得られたフォトレジスト用フェノール樹脂Fを用いた他は、比較例11と同様にして組成物を調整した。
フォトレジスト用フェノール樹脂Eの代わりに、比較例2で得られたフォトレジスト用フェノール樹脂Fを用いた他は、比較例11と同様にして組成物を調整した。
実施例11〜14、及び比較例11〜12で得られたフォトレジスト組成物を用いて、下記に示す特性評価を行った。結果を表1に示す。
3.特性の評価方法
(1)耐熱性の評価方法
ヘキサメチルジシラザン処理したシリコンウエハ上にスピンコーターで乾燥時の膜厚が1.5μmになるように塗布し、110℃で90秒間ホットプレ−ト上で乾燥させた。その後縮小投影露光装置を用い、テストチャ−トマスクを介して露光し、現像液(2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロオキサイド水溶液)を用い、50秒間現像した。得られたシリコンウエハ−を温度を変えたホットプレ−ト上で30分間放置し、シリコウエハ−上のレジストパタ−ンの形状を走査型電子顕微鏡で観察し、正常なレジストパターンが得られなくなった時の温度を耐熱温度とした。
(1)耐熱性の評価方法
ヘキサメチルジシラザン処理したシリコンウエハ上にスピンコーターで乾燥時の膜厚が1.5μmになるように塗布し、110℃で90秒間ホットプレ−ト上で乾燥させた。その後縮小投影露光装置を用い、テストチャ−トマスクを介して露光し、現像液(2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロオキサイド水溶液)を用い、50秒間現像した。得られたシリコンウエハ−を温度を変えたホットプレ−ト上で30分間放置し、シリコウエハ−上のレジストパタ−ンの形状を走査型電子顕微鏡で観察し、正常なレジストパターンが得られなくなった時の温度を耐熱温度とした。
(2) 感度の測定方法
フォトレジスト組成物を3インチのシリコンウエハーに約1μmの厚さになるようにスピンコーターで塗布し、110℃のホットプレート上で100秒間乾燥させた。次いでこのシリコンウエハーにテストチャートマスクを重ね、20mj/cm2,40mj/cm2,60mj/cm2の紫外線をそれぞれ照射し、現像液(2.38%の水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液)を用い90秒間現像した。得られたパターンを走査型電子顕微鏡でパターン形状を観察することにより以下の基準で評価した。
A 20mj/cm2未満で画像が形成できる。
B 20〜40mj/cm2で画像が形成できる。
C 40〜60mj/cm2で画像が形成できる。
表1の結果から、実施例11〜14は、本発明のフォトレジスト用樹脂を用いた本発明のフォトレジスト用組成物であり、これを用いていない比較例11〜12に比べて、感度及び耐熱性が共に優れていることが確認できた。本発明のノボラック型フェノール樹脂は、ジアルデヒドを用いることによって樹脂構造の中に積極的に枝分かれ構造を組み込むことができ、その結果芳香環密度の上昇し耐熱性の向上が達成されたものと考えられる。また枝分かれ構造を取ることによって従来の樹脂よりも分子量が小さいため高感度であり、その結果耐熱性と高感度を兼ね備えたフォトレジストの製造を可能にするフォトレジスト用樹脂を提供することができると考えられる。
フォトレジスト組成物を3インチのシリコンウエハーに約1μmの厚さになるようにスピンコーターで塗布し、110℃のホットプレート上で100秒間乾燥させた。次いでこのシリコンウエハーにテストチャートマスクを重ね、20mj/cm2,40mj/cm2,60mj/cm2の紫外線をそれぞれ照射し、現像液(2.38%の水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液)を用い90秒間現像した。得られたパターンを走査型電子顕微鏡でパターン形状を観察することにより以下の基準で評価した。
A 20mj/cm2未満で画像が形成できる。
B 20〜40mj/cm2で画像が形成できる。
C 40〜60mj/cm2で画像が形成できる。
表1の結果から、実施例11〜14は、本発明のフォトレジスト用樹脂を用いた本発明のフォトレジスト用組成物であり、これを用いていない比較例11〜12に比べて、感度及び耐熱性が共に優れていることが確認できた。本発明のノボラック型フェノール樹脂は、ジアルデヒドを用いることによって樹脂構造の中に積極的に枝分かれ構造を組み込むことができ、その結果芳香環密度の上昇し耐熱性の向上が達成されたものと考えられる。また枝分かれ構造を取ることによって従来の樹脂よりも分子量が小さいため高感度であり、その結果耐熱性と高感度を兼ね備えたフォトレジストの製造を可能にするフォトレジスト用樹脂を提供することができると考えられる。
本発明のノボラック型フェノール樹脂及びフォトレジスト用樹脂組成物は、良好な熱安定性を有し、かつ高感度であることから、液晶表示装置回路や半導体集積回路の微細回路製造に好適に用いることができる。
Claims (6)
- フェノ−ル類とアルデヒド類とを酸性触媒のもとで反応させて得られるノボラック型フェノール樹脂であって、フェノ−ル類の組成がメタクレゾール50−89重量%,パラクレゾール10−49重量%で、アルデヒド類が芳香族ジアルデヒドであることを特徴とするノボラック型フェノール樹脂。
- 芳香族ジアルデヒドが、フタルアルデヒド、イソフタルアルデヒド又はテレフタルアルデヒドである請求項1記載のノボラック型フェノール樹脂。
- 前記フェノール類に対するアルデヒド類のモル比率が、0.4〜1.0である請求項1又は2に記載のノボラック型フェノール樹脂。
- GPCによるポリスチレン換算の重量平均分子量が、2000〜10000である請求項1、2又は3に記載のノボラック型フェノール樹脂。
- フォトレジストに用いられるものである請求項1乃至4のいずれか1項に記載のノボラック型フェノール樹脂。
- 請求項1乃至5のいずれか1項に記載のノボラック型フェノール樹脂、感光剤及び溶剤を含有することを特徴とするフォトレジスト用樹脂組成物。
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JP2009082512A JP2010235672A (ja) | 2009-03-30 | 2009-03-30 | ノボラック型フェノール樹脂及びフォトレジスト用樹脂組成物 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR101249405B1 (ko) * | 2011-06-09 | 2013-04-09 | 강남화성 (주) | 노볼락 수지 및 그 제조방법 |
WO2015060307A1 (ja) * | 2013-10-23 | 2015-04-30 | 日本化薬株式会社 | フェノール樹脂、エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物、プリプレグ、およびその硬化物 |
-
2009
- 2009-03-30 JP JP2009082512A patent/JP2010235672A/ja active Pending
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