JP2010234582A - インクジェット記録方法、インクジェット記録装置およびインクジェット記録用インクセット - Google Patents

インクジェット記録方法、インクジェット記録装置およびインクジェット記録用インクセット Download PDF

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Abstract

【課題】 白スジを生じることなく、ムラのない均一なベタ画像を記録可能であり、かつ、光学濃度(OD)値が高く、フェザリングも改善されたインクジェット記録方法を提供する。
【解決手段】 自己分散型顔料、水および水溶性有機溶媒を含むインクジェット記録用水性インク22aをインクジェット方式により吐出して記録する記録工程と、凝集剤、水および水溶性有機溶媒を含む処理液25aをインクジェット方式により吐出して前記水性インク22aによる記録部分22bに重ね打ちする後処理工程とを含むインクジェット記録方法であって、前記記録工程において、吐出するインク液滴量を13.5pL〜35pLとし、下記式(1)で表される液滴拡がり率を1.1倍〜1.5倍とすることを特徴とする。

液滴拡がり率(倍)=X/Y (1)
X:前記後処理工程におけるドット径
Y:前記記録工程におけるドット径

【選択図】 図1

Description

本発明は、インクジェット記録方法、インクジェット記録装置およびインクジェット記録用インクセットに関する。
従来から、自己分散型顔料、水および水溶性有機溶媒を含むインクジェット記録用水性インクが汎用されている。前記水性インクは、記録用紙等の被記録媒体への浸透性が充分でない場合があり、ベタ(前記水性インクで、記録部分一面を塗りつぶした)画像の記録において白スジを生じることがあった。前記白スジを生じさせることなく、ムラのない均一なベタ画像を記録するには、前記水性インクに、浸透剤を添加し、被記録媒体への前記水性インクの浸透性を高めるという手法がある。また、前記水性インクの液滴量を増やすという手法もある。しかし、前記水性インクの被記録媒体への浸透性を高めると、記録物の光学濃度(OD)値が低下し、この点で記録品質が低下するという問題がある。また、前記水性インクの液滴量を増やすと、フェザリングが目立つようになる。
一方、光学濃度(OD)値およびフェザリング等の改善のために、被記録媒体上にインクジェット記録用水性インクと、凝集剤を含む処理液とを吐出して記録するインクジェット記録方法が各種提案されている(特許文献1〜6)。しかし、これらのインクジェット記録方法では、前記白スジの問題の解決には至らない。
特開2006−241279号公報 特開2007−2122号公報 特開2006−248049号公報 特開2004−9406号公報 特開2004−10633号公報 特開2004−35863号公報
そこで、本発明は、白スジを生じることなく、ムラのない均一なベタ画像を記録可能であり、かつ、光学濃度(OD)値が高く、フェザリングも改善されたインクジェット記録方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明のインクジェット記録方法は、
自己分散型顔料、水および水溶性有機溶媒を含むインクジェット記録用水性インクをインクジェット方式により吐出して記録する記録工程と、
凝集剤、水および水溶性有機溶媒を含む処理液をインクジェット方式により吐出して前記水性インクによる記録部分に重ね打ちする後処理工程とを含むインクジェット記録方法であって、
前記記録工程において、吐出するインク液滴量を13.5pL〜35pLとし、
下記式(1)で表される液滴拡がり率を1.1倍〜1.5倍とすることを特徴とする。

液滴拡がり率(倍)=X/Y (1)
X:前記後処理工程におけるドット径
Y:前記記録工程におけるドット径
本発明のインクジェット記録方法によれば、前記インク拡がり率を1.1倍以上とすることで、白スジを生じることなく、ムラのない均一なベタ画像を記録可能である。また、本発明のインクジェット記録方法によれば、前記インク液滴量を13.5pL以上とし、かつ、前記処理液中の凝集剤の作用で、前記水性インク中の自己分散型顔料が被記録媒体表面付近で凝集することで、光学濃度(OD)値を高くできる。さらに、本発明のインクジェット記録方法によれば、前記インク液滴量を35pL以下、かつ、前記液滴拡がり率を1.5倍以下とすることで、フェザリングも改善される。
図1は、本発明のインクジェット記録方法の一例を示す工程図である。 図2は、本発明のインクジェット記録装置の構成の一例を示す概略斜視図である。
本発明において、前記式(1)の前記後処理工程におけるドット径(X)は、前記水性インクによる記録部分に同一走査において前記処理液を重ね打ちした後、前記水性インクと前記処理液とが完全に拡がりきったときのドット径である。また、本発明において、前記式(1)の前記記録工程におけるドット径(Y)は、前記水性インクのみで記録した後、前記水性インクが完全に拡がりきったときのドット径である。前記ドット径は、1ドットで記録した線の線幅であってもよいし、所定数ドットで記録した線の線幅を、前記所定数で割った値であってもよい。
本発明のインクジェット記録方法において、ライフタイム100msの条件で測定された前記水性インクの動的表面張力が、45mN/m以上であり、かつ、前記条件で測定された前記処理液の動的表面張力よりも10mN/m以上高いことが好ましい。
本発明のインクジェット記録方法において、前記凝集剤が、多価金属塩、カチオン性ポリマーおよびカチオン性界面活性剤からなる群から選択される少なくとも一つを含むことが好ましい。
本発明のインクジェット記録方法において、前記記録工程と、前記後処理工程とを、同一走査内で実施することが好ましい。
本発明のインクジェット記録装置は、本発明のインクジェット記録方法に用いるインクジェット記録装置であって、
インク収容部と、インク吐出手段と、処理液吐出手段とを含み、
前記インク収容部に、前記インクジェット記録用水性インクと、前記処理液とが収容され、
前記水性インクが、前記インク吐出手段から吐出され、
前記処理液が、前記処理液吐出手段から吐出されることを特徴とする。
本発明のインクジェット記録用インクセットは、本発明のインクジェット記録方法に用いるインクジェット記録用インクセットであって、前記インクジェット記録用水性インクと、前記処理液とを含むことを特徴とする。
つぎに、本発明のインクジェット記録方法について説明する。前述のとおり、本発明のインクジェット記録方法は、記録工程および後処理工程を含む。
本発明のインクジェット記録方法の記録対象となる被記録媒体としては、例えば、記録用紙があげられる。前記記録用紙としては、例えば、普通紙があげられる。前記普通紙としては、例えば、International Paper社製の「Reytoday Copy」、XEROX社製の「Business」および「Xerox4200」、Hammermill社製の「Laser Print」、M−real社製の「DATE COPY紙」、富士ゼロックスオフィスサプライ(株)製の「4200DP PAPER」等があげられる。
前記記録工程は、インクジェット記録用水性インク(以下、単に「インク」または「水性インク」と言うことがある)をインクジェット方式により吐出して記録する工程である。前記記録は、印字、印画および印刷等を含む。前記記録工程に用いるインクジェット記録用水性インクは、自己分散型顔料、水および水溶性有機溶媒を含む。
前記自己分散型顔料は、例えば、顔料粒子の表面にカルボキシル基、カルボニル基、ヒドロキシル基、スルホン基等の親水性官能基およびそれらの塩の少なくとも一種が、直接または他の基を介して化学結合により導入されていることによって、分散剤なしでも水に分散可能なものである。
前記自己分散型顔料は、特に限定されず、例えば、特開平8−3498号公報、特表2000−513396号公報等に記載の方法によって表面処理された自己分散型顔料を用いることができる。前記自己分散型顔料は、例えば、市販品を用いてもよい。前記市販品としては、例えば、キャボット・スペシャルティ・ケミカルズ社製の「CAB−O−JET(登録商標)200」、「CAB−O−JET(登録商標)250C」、「CAB−O−JET(登録商標)260M」、「CAB−O−JET(登録商標)300」および「CAB−O−JET(登録商標)400」;オリエント化学工業(株)製の「BONJET(登録商標)BLACK CW−1」、「BONJET(登録商標)BLACK CW−2」および「BONJET(登録商標)BLACK CW−3」;東洋インキ製造(株)製の「LIOJET(登録商標)WD BLACK 002C」;等があげられる。
前記自己分散型顔料の原料として用いることができる顔料は、特に限定されず、無機顔料および有機顔料のいずれも使用することができる。また、前記表面処理を行うのに適した無機顔料としては、例えば、三菱化学(株)製の「MA8」および「MA100」;デグサ社製の「カラーブラックFW200」;等のカーボンブラックがあげられる。
前記水性インク全量に対する前記自己分散型顔料の固形分配合量(顔料割合;顔料固形分量)は、特に限定されず、例えば、所望の光学濃度または色彩等により、適宜決定できる。前記顔料割合は、例えば、0.1重量%〜20重量%であり、好ましくは、1重量%〜10重量%であり、より好ましくは、2重量%〜9重量%であり、さらに好ましくは、3重量%〜8重量%である。前記自己分散型顔料は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
前記水性インクは、自己分散型顔料以外の着色剤を含んでもよい。前記自己分散型顔料以外の着色剤としては、例えば、自己分散型顔料以外の顔料、染料等があげられる。
前記水は、イオン交換水または純水であることが好ましい。前記水性インク全量に対する前記水の配合量(水割合)は、所望のインク特性等に応じて適宜決定される。前記水割合は、例えば、他の成分の残部としてもよい。
前記水溶性有機溶媒は、例えば、インクジェットヘッドのノズル部におけるインクの乾燥を防止する湿潤剤および被記録媒体上での乾燥速度を調整する浸透剤に分類される。
前記湿潤剤は、特に限定されず、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール等の低級アルコール;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド;ジアセトンアルコール等のケトアルコール;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル;ポリアルキレングリコール、アルキレングリコール、グリセリン等の多価アルコール;2−ピロリドン;N−メチル−2−ピロリドン;1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等があげられる。前記ポリアルキレングリコールは、特に限定されず、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等があげられる。前記アルキレングリコールは、特に限定されず、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール等があげられる。これらの中でも、アルキレングリコール、グリセリン等の多価アルコールが好適である。前記湿潤剤は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
前記水性インク全量に対する前記湿潤剤の配合量(湿潤剤割合)は、特に限定されず、例えば、0重量%〜95重量%であり、好ましくは、10重量%〜80重量%であり、より好ましくは、10重量%〜50重量%である。
前記浸透剤は、特に限定されず、例えば、グリコール系エーテルがあげられる。前記グリコール系エーテルは、特に限定されず、例えば、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコール−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコール−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコール−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコール−n−ヘキシルエーテル、トリエチレングリコールメチルエーテル、トリエチレングリコールエチルエーテル、トリエチレングリコール−n−プロピルエーテル、トリエチレングリコール−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコール−n−プロピルエーテル、プロピレングリコール−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルエーテル、ジプロピレングリコール−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコール−n−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、トリプロピレングリコールエチルエーテル、トリプロピレングリコール−n−プロピルエーテル、トリプロピレングリコール−n−ブチルエーテル等があげられる。前記浸透剤は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
前記水性インク全量に対する前記浸透剤の配合量(浸透剤割合)は、特に限定されず、例えば、0重量%〜20重量%である。前記浸透剤割合を前記範囲とすることで、前記水性インクの記録用紙等の被記録媒体への浸透性を、より好適なものとできる。前記浸透剤割合は、好ましくは、0重量%〜15重量%であり、より好ましくは、0重量%〜10重量%である。
前記水性インクは、必要に応じて、さらに、従来公知の添加剤を含んでもよい。前記添加剤としては、例えば、界面活性剤、粘度調整剤、表面張力調整剤、防黴剤等があげられる。前記粘度調整剤は、特に限定されず、例えば、ポリビニルアルコール、セルロース、水溶性樹脂等があげられる。
前記水性インクは、例えば、自己分散型顔料、水および水溶性有機溶媒と、必要に応じて他の添加成分とを、従来公知の方法で均一に混合し、フィルタ等で不溶解物を除去することにより調製できる。
前記記録工程における記録の詳細については、後述する。
つぎに、前記後処理工程は、処理液をインクジェット方式により吐出して前記水性インクによる記録部分に重ね打ちする工程である。前記後処理工程に用いる処理液は、凝集剤、水および水溶性有機溶媒を含む。
前記凝集剤は、前記被記録媒体上において、前記水性インクおよび前記処理液が接触した際に、前記水性インク中の自己分散型顔料を凝集させる機能を有する。前記凝集剤としては、例えば、アルカリ金属塩、多価金属塩、カチオン性ポリマー、カチオン性界面活性剤等があげられ、これらの中でも、前記水性インク中の自己分散型顔料の凝集効果が高い多価金属塩、カチオン性ポリマー、カチオン性界面活性剤が好ましい。
前記アルカリ金属塩としては、例えば、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、硫酸ナトリウム、硝酸カリウム、酢酸ナトリウム、シュウ酸カリウム、クエン酸ナトリウム、安息香酸カリウム等があげられる。
前記多価金属塩としては、例えば、塩化アルミニウム、臭化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、硫酸ナトリウムアルミニウム、硫酸カリウムアルミニウム、酢酸アルミニウム、塩化バリウム、臭化バリウム、ヨウ化バリウム、酸化バリウム、硝酸バリウム、チオシアン酸バリウム、塩化カルシウム、臭化カルシウム、ヨウ化カルシウム、亜硝酸カルシウム、硝酸カルシウム、リン酸二水素カルシウム、チオシアン酸カルシウム、安息香酸カルシウム、酢酸カルシウム、サリチル酸カルシウム、酒石酸カルシウム、乳酸カルシウム、フマル酸カルシウム、クエン酸カルシウム、塩化銅、臭化銅、硫酸銅、硝酸銅、酢酸銅、塩化鉄、臭化鉄、ヨウ化鉄、硫酸鉄、硝酸鉄、シュウ酸鉄、乳酸鉄、フマル酸鉄、クエン酸鉄、塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、ヨウ化マグネシウム、硫酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、酢酸マグネシウム、乳酸マグネシウム、塩化マンガン、硫酸マンガン、硝酸マンガン、リン酸二水素マンガン、酢酸マンガン、サリチル酸マンガン、安息香酸マンガン、乳酸マンガン、塩化ニッケル、臭化ニッケル、硫酸ニッケル、硝酸ニッケル、酢酸ニッケル、硫酸スズ、塩化チタン、塩化亜鉛、臭化亜鉛、硫酸亜鉛、硝酸亜鉛、チオシアン酸亜鉛、酢酸亜鉛等があげられる。
前記カチオン性ポリマーとしては、例えば、ポリアミン、ポリアリルアミン、ポリエチレンイミン、ポリビニルアミン、ポリビニルピリジン、ポリエチレンイミン−エピクロルヒドリン反応物、ポリアミド−ポリアミン樹脂、ポリアミド−エピクロルヒドリン樹脂、カチオンデンプン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアミジン、カチオンエポキシ樹脂、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリビニルホルムアミド、アミノアセタール化ポリビニルアルコール、ポリビニルベンジルオニウム、ジシアンジアミド・ホルマリン重縮合物、ジシアンジアミド・ジエチレントリアミン重縮合物、エピクロルヒドリン・ジメチルアミン付加重合物、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド・SO共重合物、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド重合物、およびこれらの誘導体等があげられる。また、前記カチオン性ポリマーとしては、例えば、ジメチルアミノエチル−メタクリレート(DM)、メタクリロイロキシエチル−トリメチルアンモニウム−クロライド(DMC)、メタクリロイロキシエチル−ベンジルジメチル−アンモニウムクロライド(DMBC)、ジメチルアミノエチル−アクリレート(DA)、アクリロイロキシエチル−トリメチルアンモニウム−クロライド(DMQ)、アクリロイロキシエチル−ベンジルジメチル−アンモニウムクロライド(DABC)、ジメチルアミノプロピル−アクリルアミド(DMAPAA)、アクリルアミドプロピル−トリメチルアンモニウム−クロライド(DMAPAAQ)等の水溶性モノマーの少なくとも一つからなる単一モノマー重合体または複数種のモノマーの共重合体等もあげられる。前記ポリアミンは、例えば、日東紡績(株)から市販されている(商品名「ポリアミンシリーズ(PAS)」)。
前記カチオン性界面活性剤としては、例えば、第1級、第2級および第3級アミン塩型化合物、アルキルアミン塩、ジアルキルアミン塩、脂肪族アミン塩、ベンザルコニウム塩、第4級アンモニウム塩、第4級アルキルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、スルホニウム塩、ホスホニウム塩、オニウム塩等があげられる。具体的には、例えば、ラウリルアミン、ヤシアミン、ロジンアミン等の塩酸塩、酢酸塩等、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリブチルアンモニウムクロライド、塩化ベンザルコニウム、セチルピリジニウムクロライド、セチルピリジニウムブロマイド、ジヒドロキシエチルラウリルアミン、デシルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ドデシルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、テトラデシルジメチルアンモニウムクロライド、ヘキサデシルジメチルアンモニウムクロライド、オクタデシルジメチルアンモニウムクロライド等があげられ、これらの中でも、ドデシルジメチルアンモニウムクロライド、テトラデシルジメチルアンモニウムクロライドが好ましい。
前記処理液全量に対する前記凝集剤の配合量(凝集剤割合)は、特に限定されず、例えば、0.1重量%〜10重量%であり、好ましくは、0.5重量%〜5重量%であり、より好ましくは、0.5重量%〜2重量%である。前記凝集剤は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
前記水は、イオン交換水または純水であることが好ましい。前記処理液全量に対する前記水の配合量(水割合)は、前記水溶性有機溶媒の種類や組成等に応じて適宜決定される。前記水割合は、例えば、他の成分の残部としてもよい。
前記水溶性有機溶媒としては、従来公知のものを使用することができ、例えば、多価アルコール、多価アルコール誘導体、アルコール、アミド、含窒素溶媒、含硫黄溶媒、炭酸プロピレン、炭酸エチレン等があげられる。前記多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、トリメチロールプロパン、1,5−ペンタンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール等があげられる。前記多価アルコール誘導体としては、例えば、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコール−n−プロピルエーテル、エチレングリコール−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコール−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコール−n−ブチルエーテル、プロピレングリコール−n−プロピルエーテル、プロピレングリコール−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコール−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコール−n−ブチルエーテル等があげられる。前記アルコールとしては、例えば、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、ベンジルアルコール等があげられる。前記アミドとしては、例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等があげられる。前記含窒素溶媒としては、例えば、ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロへキシルピロリドン、トリエタノールアミン等があげられる。前記含硫黄溶媒としては、例えば、チオジエタノール、チオジグリセロール、スルホラン、ジメチルスルホキシド等があげられる。
前記処理液全量に対する前記水溶性有機溶媒の配合量は、特に限定されない。前記水溶性有機溶媒は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
前記処理液は、さらに、着色剤を含んでもよい。前記処理液に着色剤を含ませれば、前記処理液が無色の場合と比べ、後述の処理液吐出手段の吐出チェックを容易に行うことができる。前記処理液全量に対する前記着色剤の配合量は、特に限定されないが、前記水性インクによる記録部分に重ね打ちしても、前記記録部分を変色させない程度であることが好ましく、例えば、0.001重量%〜1重量%である。前記着色剤としては、例えば、従来公知の染料または顔料を用いることができる。また、前記着色剤として、染料および顔料を混合して用いてもよい。ただし、前記処理液は、自己分散型顔料を含まないことが好ましい。
前記処理液は、必要に応じて、さらに、従来公知の添加剤を含んでもよい。前記添加剤としては、例えば、界面活性剤、粘度調整剤、表面張力調整剤、防黴剤等があげられる。前記粘度調整剤は、特に限定されず、例えば、ポリビニルアルコール、セルロース、水溶性樹脂等があげられる。
前記処理液は、例えば、凝集剤、水および水溶性有機溶媒と、必要に応じて他の添加成分とを、従来公知の方法で均一に混合し、フィルタ等で不溶解物を除去することにより調製できる。
つぎに、前記後処理について説明する。前記後処理では、前記処理液をインクジェット方式により吐出して前記水性インクによる記録部分に重ね打ちする。このとき、前記被記録媒体上において、前記水性インクおよび前記処理液が接触する。この結果、前記処理液中の凝集剤の作用で、前記水性インク中の自己分散型顔料が前記被記録媒体表面付近で凝集する。このようにして、前記後処理が実施される。前記後処理の詳細については、後述する。
図1の工程図に、本発明のインクジェット記録方法の一例を示す。まず、図1(A)に示すように、インク吐出手段23から、前記被記録媒体(例えば、前記普通紙)21に、前記水性インク22aを吐出する。このとき、吐出される前記水性インク22aのインク液滴量を、13.5pL〜35pLとする。前記インク液適量は、例えば、前記インク吐出手段の駆動周波数、前記インク吐出手段のノズル径、前記水性インクの粘度等を調整することにより、当業者であれば、過度の試行錯誤を要することなく、容易に達成可能である。同図において、符号24は、処理液吐出手段である。
前記インク吐出手段23としては、特に限定されず、例えば、従来公知のインクジェット方式による吐出手段を用いることができる。
前記インク吐出手段23にノズルが複数列ある場合には、例えば、前記複数列のノズルから、それぞれ、色の異なる水性インクが、順次吐出される。これにより、前記被記録媒体21上において、前記色の異なる水性インクが混合され、画像情報に基づいた色が表現される。
つぎに、図1(B)に示すように、前記水性インク22aが前記被記録媒体21の表面に達することで、前記被記録媒体21に記録部分22bが形成される。ついで、矢印で示すように、前記処理液吐出手段24が、前記記録部分22bの上部に位置するように、前記インク吐出手段23および前記処理液吐出手段24が移動する。
つぎに、図1(C)に示すように、前記処理液吐出手段24から、前記記録部分22b上に、処理液25aを吐出する。前記処理液25aの吐出は、前記水性インク22aの吐出と同一走査内で実施することが好ましい。前記処理液25aの吐出量は、前記インク液適量の1/2以上であることが好ましい。前記処理液25aの吐出量の上限は、特に制限するものではないが、例えば、前記インク液適量の3倍である。
前記処理液吐出手段24としては、前記インク吐出手段23と同様のものを用いることができる。なお、同図においては、前記処理液吐出手段24は、前記インク吐出手段23の右側にのみ設けられている。ただし、本発明は、これに限定されない。前記処理液吐出手段24は、前記インク吐出手段23を挟み込むように、前記インク吐出手段の左側にも設けられていることが好ましい。このような態様であれば、前記インク吐出手段23および前記処理液吐出手段24の移動方向に関わらず、前記処理液25aの吐出を、前記水性インク22aの吐出と同一走査内で実施することができる。
つぎに、図1(D)に示すように、前記処理液25aが前記記録部分22b上に達することで、後処理が行われる。このとき、前記液滴拡がり率を、1.1倍〜1.5倍とする。ついで、矢印で示すように、前記インク吐出手段23が、つぎの記録部分の上部へと移動する。この後、図1(A)〜(D)に示した工程を繰り返すことで、前記被記録媒体21に記録を行う。
前述のとおり、本発明のインクジェット記録方法において、ライフタイム100msの条件で測定された前記水性インクの動的表面張力が、45mN/m以上であり、かつ、前記条件で測定された前記処理液の動的表面張力よりも10mN/m以上高いことが好ましい。前記水性インクの動的表面張力を45mN/m以上とすることで、前記処理液の重ね打ち前に、前記水性インクが前記被記録媒体中に浸透するのを抑制し、前記後処理の効果をより大きくできる。また、前記水性インクの動的表面張力を、前記条件で測定された前記処理液の動的表面張力よりも10mN/m以上高くすることで、動的表面張力の低い前記処理液の重ね打ちにより、前記被記録媒体上に留まっている前記水性インクを、前記被記録媒体中に適度に拡げることができる。前記水性インクの動的表面張力は、より好ましくは、45mN/m〜70mN/mであり、さらに好ましくは、45mN/m〜67mN/mである。前記処理液の動的表面張力は、より好ましくは、25mN/m〜50mN/mであり、さらに好ましくは、28mN/m〜40mN/mである。
前記動的表面張力の測定方法としては、例えば、最大泡圧法、振動ジェット法、メニスカス法等があげられる。これらの中でも、最大泡圧法が好ましい。
前記最大泡圧法による動的表面張力の測定は、例えば、つぎのようにして実施される。すなわち、気体供給源から気体をプローブ(細管)に送り、前記プローブを前記水性インクまたは前記処理液に浸して前記プローブ先端から気泡を発生させる。その際に、気体流量を変化させることにより気体発生速度を変え、そのときの前記水性インクまたは前記処理液から気泡にかかる圧力の変化を測定し、下記式により動的表面張力を求める。

σ=(ΔP×r)/2
σ:動的表面張力
ΔP:気泡にかかる圧力の最大値と最小値との差
r:プローブ先端部分の半径

前記気泡にかかる圧力は、気泡の曲率半径がプローブ先端部分の半径と等しいときに最大となる(最大泡圧)。
ここで、動的表面張力の測定におけるライフタイム(気泡の寿命)とは、最大泡圧後に気泡がプローブから離れ、前記プローブに新しい界面が形成されてから次の最大泡圧に達するまでの時間である。
前記最大泡圧法による動的表面張力の測定は、例えば、協和界面科学(株)製の動的表面張力計「BP−D4」を用いて実施できる。
つぎに、本発明のインクジェット記録装置について説明する。前述のとおり、本発明のインクジェット記録装置は、本発明のインクジェット記録方法に用いるインクジェット記録装置であって、インク収容部と、インク吐出手段と、処理液吐出手段とを含み、前記インク収容部に、前記インクジェット記録用水性インクと、前記処理液とが収容され、前記水性インクが、前記インク吐出手段から吐出され、前記処理液が、前記処理液吐出手段から吐出されることを特徴とする。本発明のインクジェット記録装置において、前記水性インクおよび前記処理液の組成および性能、前記インク吐出手段および前記処理液吐出手段の構成、および前記インク液適量の調整方法等は、本発明のインクジェット記録方法と同様にすることができる。これらを除き、本発明のインクジェット記録装置の構成は、例えば、従来公知のインクジェット記録装置と同様であってもよい。
前記インク収容部としては、例えば、インクカートリッジ等があげられる。前記インクカートリッジの本体としては、例えば、従来公知のものを使用できる。
図2に、本発明のインクジェット記録装置の一例の構成を示す。図示のとおり、このインクジェット記録装置1は、5つのインクカートリッジ2と、インクジェットヘッド3と、ヘッドユニット4と、キャリッジ5と、駆動ユニット6と、プラテンローラ7と、パージ装置8とを主要な構成部材として含む。
前記5つのインクカートリッジ2は、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの4色の水性インクおよび処理液を、それぞれ1つずつ含む。本例のインクジェット記録装置1においては、前記インクジェットヘッド3が、前記インク吐出手段および前記処理液吐出手段である。前記インクジェットヘッド3は、前記4色の水性インクを、記録用紙等の被記録媒体Pに吐出して記録を行う。また、前記インクジェットヘッド3は、前記処理液を、前記水性インクによる記録部分に重ね打ちする。前記ヘッドユニット4は、前記インクジェットヘッド3を備えている。前記キャリッジ5には、前記5つのインクカートリッジ2および前記ヘッドユニット4が搭載される。前記駆動ユニット6は、前記キャリッジ5を直線方向に往復移動させる。前記プラテンローラ7は、前記キャリッジ5の往復方向に延び、前記インクジェットヘッド3と対向して配置されている。
前記駆動ユニット6は、前記キャリッジ5を直線方向に往復移動させる。前記駆動ユニット6としては、例えば、従来公知のものを使用できる(例えば、特開2008−246821号公報参照)。
前記被記録媒体Pは、このインクジェット記録装置1の側方又は下方に設けられた給紙カセット(図示せず)から給紙される。前記被記録媒体Pは、前記インクジェットヘッド3と、前記プラテンローラ7との間に導入される。すると、前記被記録媒体Pに、前記インクジェットヘッド3から吐出される水性インクにより記録部分が形成される。ついで、前記記録部分に前記処理液が重ね打ちされ、後処理が行われる。前記インクジェットヘッド3には、前記処理液を吐出するノズルが2列あり、前記2列のノズルが、前記4色の水性インクを吐出する4列のノズルを挟み込むように設けられていることが好ましい。このような態様であれば、前記インクジェットヘッド3の移動方向に関わらず、前記処理液の吐出を、前記水性インクの吐出と同一走査内で実施することができる。前記被記録媒体Pは、その後、前記インクジェット記録装置1から排紙される。図2においては、前記被記録媒体Pの給紙機構及び排紙機構の図示を省略している。
前記パージ装置8は、前記インクジェットヘッド3の内部に溜まる気泡等を含んだ不良インクを吸引する。前記パージ装置8としては、例えば、従来公知のものを使用できる(例えば、特開2008−246821号公報参照)。
前記パージ装置8の前記プラテンローラ7側の位置には、前記パージ装置8に隣接してワイパ部材20が配設されている。前記ワイパ部材20は、へら状に形成されており、前記キャリッジ5の移動に伴って、前記インクジェットヘッド3のノズル形成面を拭うものである。図2において、キャップ18は、インクの乾燥を防止するため、記録が終了すると前記リセット位置に戻される前記インクジェットヘッド3の複数のノズルを覆うものである。
本発明のインクジェット記録装置において、前記5つのインクカートリッジは、複数のキャリッジに搭載されていてもよい。また、前記インクカートリッジは、前記キャリッジには搭載されず、インクジェット記録装置内に配置、固定されていてもよい。この態様においては、例えば、前記インクカートリッジと、前記キャリッジに搭載された前記ヘッドユニットとが、チューブ等により連結され、前記インクカートリッジから前記ヘッドユニットに前記水性インクおよび前記処理液が供給される。
つぎに、本発明のインクジェット記録用インクセットについて説明する。前述のとおり、本発明のインクジェット記録用インクセットは、本発明のインクジェット記録方法に用いるインクジェット記録用インクセットであって、前記インクジェット記録用水性インクと、前記処理液とを含むことを特徴とする。本発明のインクジェット記録用インクセットにおいて、前記水性インクおよび前記処理液の組成および性能等は、本発明のインクジェット記録方法と同様にすることができる。
本発明のインクジェット記録装置およびインクジェット記録用インクセットにおいて、ライフタイム100msの条件で測定された前記水性インクの動的表面張力が、45mN/m以上であり、かつ、前記条件で測定された前記処理液の動的表面張力よりも10mN/m以上高いことが好ましい。
本発明のインクジェット記録装置およびインクジェット記録用インクセットにおいて、前記凝集剤が、多価金属塩、カチオン性ポリマーおよびカチオン性界面活性剤からなる群から選択される少なくとも一つを含むことが好ましい。
つぎに、本発明の実施例について比較例と併せて説明する。なお、本発明は、下記の実施例および比較例によって限定および制限されない。
[水性インクの調製]
インク組成成分(表1)のうち、自己分散型顔料「CAB−O−JET(登録商標)300」を除く成分を、均一に混合しインク溶媒を得た。つぎに、前記自己分散型顔料に前記インク溶媒を徐々に加え、均一に混合した。その後、得られた混合物を、東洋濾紙(株)製のセルロースアセテートタイプメンブレンフィルタ(孔径3.00μm)で濾過することで、インク1〜4を得た。
[処理液の調製]
処理液組成成分(表1)を、均一に混合した。その後、得られた混合物を、東洋濾紙(株)製の親水性ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)タイプメンブレンフィルタ(孔径0.20μm)で濾過することで、処理液1〜3を得た。
[動的表面張力の測定]
協和界面科学(株)製の動的表面張力計「BP−D4」を用いて、前記インク1〜4および前記処理液1〜3の動的表面張力を、ライフタイム100msの条件で最大泡圧法により測定した。その結果を、表1に示す。
Figure 2010234582
[実施例1]
ブラザー工業(株)製のインクジェットプリンタ搭載デジタル複合機DCP−330Cを使用して、インク液滴量を13.7pLに設定し、前記インク1を用いて普通紙上にベタ画像(600dpi×600dpi;100%duty)を記録したのち、前記インク1の記録と同一走査内において、前記インク1の記録部分に前処理液1を重ね打ちした。前記水性インク1と前記処理液1との吐出量比(インク1:処理液1)は、約1:1とした。本実施例においては、前記ドット径として、6ドットで記録した線の線幅を、6で割った値を用いて算出した前記液滴拡がり率が、1.11倍であった。前記普通紙として、International Paper社製の「Reytoday」およびXEROX社製の「Business」の2種類を用いて評価した。これらの点については、下記実施例および比較例についても同様である。なお、前記100%dutyの「duty」とは、下記式で算出される値であり、「100%duty」とは、画素に対する単色の最大インク重量を意味する。

duty(%)={実記録ドット数/(縦解像度×横解像度)}×100
実記録ドット数:単位面積当たりの実記録ドット数
縦解像度:単位面積当たりの縦解像度
横解像度:単位面積当たりの横解像度
[実施例2]
インク液滴量を34.4pLに設定し、前記インク2および前記処理液2を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、インクジェット記録を行った。本実施例においては、前記液滴拡がり率が、1.45倍であった。
[実施例3]
インク液滴量を24.2pLに設定し、前記インク2を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、インクジェット記録を行った。本実施例においては、前記液滴拡がり率が、1.23倍であった。
[実施例4]
インク液滴量を28.5pLに設定し、前記インク3を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、インクジェット記録を行った。本実施例においては、前記液滴拡がり率が、1.25倍であった。
[実施例5]
インク液滴量を22.5pLに設定し、前記インク1と前記処理液1との吐出量比(インク1:処理液1)を、約1:0.6としたこと以外は、実施例1と同様にして、インクジェット記録を行った。本実施例においては、前記液滴拡がり率が、1.13倍であった。
[実施例6]
前記インク1と前記処理液1との吐出量比(インク1:処理液1)を、約1:1としたこと以外は、実施例5と同様にして、インクジェット記録を行った。本実施例においては、前記液滴拡がり率が、1.3倍であった。
[実施例7]
前記インク1と前記処理液1との吐出量比(インク1:処理液1)を、約0.6:1としたこと以外は、実施例5と同様にして、インクジェット記録を行った。本実施例においては、前記液滴拡がり率が、1.35倍であった。
[比較例1]
インク液滴量を12.9pLに設定したこと以外は、実施例1と同様にして、インクジェット記録を行った。本比較例においては、前記液滴拡がり率が、1.08倍であった。
[比較例2]
インク液滴量を36.5pLに設定したこと以外は、実施例2と同様にして、インクジェット記録を行った。本比較例においては、前記液滴拡がり率が、1.56倍であった。
[比較例3]
インク液滴量を27.3pLに設定し、前記処理液3を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、インクジェット記録を行った。本比較例においては、前記液滴拡がり率が、1.07倍であった。
[比較例4]
インク液滴量を32.9pLに設定したこと以外は、実施例1と同様にして、インクジェット記録を行った。本比較例においては、前記液滴拡がり率が、1.6倍であった。
[比較例5]
ブラザー工業(株)製のインクジェットプリンタ搭載デジタル複合機DCP−330Cを使用して、前記処理液1を用いて普通紙上に前処理を施したのち、インク液滴量を24.2pLに設定し、前記前処理を施した部分に、前記前処理と同一走査内において、前記インク2を用いて記録を行い、ベタ画像(600dpi×600dpi;100%duty)を記録した。前記処理液1と前記インク2との吐出量比(インク2:処理液1)は、約1:1とした。本比較例においては、前記液滴拡がり率が、1.06倍であった。
[比較例6]
インク液滴量を13.2pLに設定し、前記インク4を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、インクジェット記録を行った。本比較例においては、前記液滴拡がり率が、1.12倍であった。
実施例および比較例のインクについて、(a)光学濃度(OD)値評価、(b)ベタ画像の均一性評価および(c)フェザリング(ラギットネス)評価を、下記の方法により行った。
(a)光学濃度(OD)値評価
前記ベタ画像記録部分の光学濃度(OD)値を、Gretag Macbeth社製の分光測色計Spectrolino(光源:D50、視野:2°、ANSI T)により測定し、下記評価基準に従って評価した。
光学濃度(OD)値評価 評価基準
A:OD値が、1.4以上
B:OD値が、1.35以上1.4未満
C:OD値が、1.35未満
(b)ベタ画像の均一性評価
前記ベタ画像記録部分を目視で観察し、下記評価基準に従って評価した。
ベタ画像の均一性評価 評価基準
A:前記ベタ画像記録部分に、白スジが確認されなかった。
B:前記ベタ画像記録部分に、白スジが確認され、ややムラがあった。
C:前記ベタ画像記録部分に、白スジが確認され、ムラがあった。
(c)フェザリング(ラギットネス)評価
1ドットラインを、解像度600dpi×600dpiで、記録した。前記記録のラインに対するRagを、クオリティ・エンジニアリング・アソシエイツ(QEA)社製のハンディ型画像評価システム「PIAS(登録商標)−II」を使用して測定した。前記測定結果を、下記評価基準に従って評価した。前記Ragは、ISO13660で定義されたラインのラギットネスである。前記ラギットなラインは、スムーズな理想のラインエッジに対し、スムーズでない波状のラインである。
フェザリング(ラギットネス) 評価基準
G :1ドットラインのRagが、20μm以下
NG: 1ドットラインのRagが、20μmを越える
実施例および比較例のインクと処理液の動的表面張力の差および評価結果を、表2に示す。
Figure 2010234582
表2に示すとおり、実施例では、光学濃度(OD)値評価、ベタ画像の均一性評価およびフェザリング(ラギットネス)評価のすべての結果が、良好であった。一方、インク液滴量を12.9pL、液滴拡がり率を1.08倍とした比較例1では、光学濃度(OD)値評価およびベタ画像の均一性評価の結果が、劣っていた。また、インク液滴量を36.5pL、液滴拡がり率を1.56倍とした比較例2では、フェザリング(ラギットネス)評価の結果が、劣っていた。そして、液滴拡がり率を1.07倍とし、前記動的表面張力差が10mN/m以下である比較例3では、光学濃度(OD)値評価およびベタ画像の均一性評価の結果が、劣っていた。さらに、液滴拡がり率を1.6倍とした比較例4では、フェザリング(ラギットネス)評価の結果が、劣っていた。さらに、水性インクより先に処理液を吐出し、液滴拡がり率を1.06倍とした比較例5では、ベタ画像の均一性評価の結果が、劣っていた。さらに、インク液滴量を13.2pLとした比較例6では、光学濃度(OD)値評価の結果が、劣っていた。
以上のように、本発明のインクジェット記録方法によれば、白スジを生じることなく、ムラのない均一なベタ画像を記録可能であり、かつ、光学濃度(OD)値が高く、フェザリングも改善される。本発明のインクジェット記録方法の用途は、特に限定されず、各種のインクジェット記録に広く適用可能である。
1 インクジェット記録装置
2 インクカートリッジ
3 インクジェットヘッド
4 ヘッドユニット
5 キャリッジ
6 駆動ユニット
7 プラテンローラ
8 パージ装置
21 被記録媒体
22a 水性インク
22b 記録部分
23 インク吐出手段
24 処理液吐出手段
25a 処理液

Claims (6)

  1. 自己分散型顔料、水および水溶性有機溶媒を含むインクジェット記録用水性インクをインクジェット方式により吐出して記録する記録工程と、
    凝集剤、水および水溶性有機溶媒を含む処理液をインクジェット方式により吐出して前記水性インクによる記録部分に重ね打ちする後処理工程とを含むインクジェット記録方法であって、
    前記記録工程において、吐出するインク液滴量を13.5pL〜35pLとし、
    下記式(1)で表される液滴拡がり率を1.1倍〜1.5倍とすることを特徴とするインクジェット記録方法。

    液滴拡がり率(倍)=X/Y (1)
    X:前記後処理工程におけるドット径
    Y:前記記録工程におけるドット径
  2. ライフタイム100msの条件で測定された前記水性インクの動的表面張力が、45mN/m以上であり、かつ、前記条件で測定された前記処理液の動的表面張力よりも10mN/m以上高い請求項1記載のインクジェット記録方法。
  3. 前記凝集剤が、多価金属塩、カチオン性ポリマーおよびカチオン性界面活性剤からなる群から選択される少なくとも一つを含む請求項1または2記載のインクジェット記録方法。
  4. 前記記録工程と、前記後処理工程とを、同一走査内で実施する請求項1〜3のいずれか一項に記載のインクジェット記録方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のインクジェット記録方法に用いるインクジェット記録装置であって、
    インク収容部と、インク吐出手段と、処理液吐出手段とを含み、
    前記インク収容部に、前記インクジェット記録用水性インクと、前記処理液とが収容され、
    前記水性インクが、前記インク吐出手段から吐出され、
    前記処理液が、前記処理液吐出手段から吐出されることを特徴とするインクジェット記録装置。
  6. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のインクジェット記録方法に用いるインクジェット記録用インクセットであって、前記インクジェット記録用水性インクと、前記処理液とを含むことを特徴とするインクジェット記録用インクセット。
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