JP2010230780A - 液晶表示装置及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
る。
【解決手段】一対の基板のうち、第1基板ARを被覆する第1の絶縁膜15と、走査線1
2及びコモン配線13と交差する方向に、第1の絶縁膜15上に設けられた複数の信号線
17と、複数の走査線12及び信号線17で区画された領域毎に形成されているとともに
コモン配線13に接続された下電極14と、下電極14の表面に形成された第2の絶縁膜
18と、第2の絶縁膜18上に平面視で下電極14と重畳するように形成され、複数のス
リット20を有する上電極21とを備えた液晶表示装置10において、コモン配線13は
、該コモン配線13が配設された領域に隣接する走査線12の一方側に寄せて配設され、
下電極14は、コモン配線13の側面に段差14aが形成されるように、コモン配線13
を覆っている。
【選択図】図2
Description
S」という。)モードの液晶表示装置に関し、特に、信号線と共通電極(以下、下電極と
もいう)との短絡を抑制したFFSモードの液晶表示装置に関する。
対の電極を備えたFFSモードの液晶表示装置が知られている。このFFSモードの液晶
表示装置は、液晶層に電界を印加するための画素電極と共通電極をそれぞれ絶縁膜を介し
て異なる層に配置したものであり、広視野角かつ高コントラストであり、さらに低電圧駆
動ができると共により高透過率であるため明るい表示が可能となるという特徴を備えてい
る。加えて、FFSモードの液晶表示装置は、平面視で画素電極と共通電極との重畳面積
が大きいために、より大きな保持容量が副次的に生じ、別途補助容量電極を設ける必要が
なくなるという長所も存在している。
分解による有機金属化学蒸着法などにより製造されており、このようなFFSモードの液
晶表示装置では、信号線がコモン配線と交差する位置に積層による段差が生じ、段差の側
面領域の膜厚が薄くなることで絶縁耐圧が低下しやすく、断線故障ないし短絡故障が時折
り見受けられた。従来のFFSモードの液晶表示装置では、コモン配線の表面は下電極で
被覆され、下電極の表面はゲート絶縁膜で被覆されており、ゲート絶縁膜の表面には信号
線が形成されており、さらに、走査線及び信号線の交差部近傍にはスイッチング素子とし
ての薄膜トランジスタTFT(Thin Film Transistor)が形成されている。そのため、製
造時には、ゲート絶縁膜表面の全面に例えばアモルファスシリコン(a−Si)層及びn
+a−Si層を成膜した後、フォトリソグラフィー法によってTFT形成用の半導体層を
パターニングしている。このとき、a−Si層及びn+a−Si層に対してフォトリソグ
ラフィー法を適用してパターニングする前に純水による洗浄工程があるが、純水とn+a
−Si層との間で静電気が発生するため、この静電気によってn+a−Si層とコモン配
線との間でスパークが発生し、n+a−Si層と下電極との間の第1の絶縁膜に絶縁破壊
が生じることがある。
と、段差の周囲の平坦部分での膜厚の比率をステップカバレッジといい、段差の周囲の平
坦部分での膜厚をA、段差の側面領域での膜厚をBとするとき、ステップカバレッジはB
/Aと表される。この値が1より大きいほどカバレッジ性がよく、1より小さいほどカバ
レッジ性が悪い。段差の周囲の平坦部分での膜厚に比較して段差の側面領域の膜厚が薄い
とカバレッジ性が悪く、段差の側面領域に微細な穴やクラックが生じやすい。
及びドレイン電極等をパターニングすると、ソースレイヤーがゲート絶縁膜の破壊された
箇所に進入するので、信号線と下電極とが短絡してしまい、線欠陥として表れることがあ
る。このような現象が生じる原因は、コモン配線と下電極とにより形成される段差が大き
く、しかも、コモン配線と下電極を被覆しているゲート絶縁膜のステップカバレッジが悪
いため、コモン配線と下電極の側面を被覆しているゲート絶縁膜の厚さが薄くなってしま
うためである。このようにコモン配線と下電極とにより形成される段差が大きくなる理由
は、
(1)コモン配線を、このコモン配線が配設された領域に隣接する走査線の一方側に寄せ
て配設して開口率を向上させると共に表示画質を向上させるため、
(2)コモン配線と下電極間の接触抵抗を小さくするために最大限にコモン配線と下電極
間の接触面積を大きくする必要があるため、
走査線側に下電極がはみ出さないようにコモン配線の側面と同一位置に側面が形成される
ようにしているためである。
とで、静電気等に対して充分な絶縁破壊強度を確保することができる半導体装置が開示さ
れている。下記特許文献1に開示されている半導体装置において、絶縁膜を酸化ケイ素膜
又はチッ化ケイ素膜からなる第1の絶縁膜と耐熱性の有機系材料からなる第2の絶縁膜の
2層構造としている。そして、第2の絶縁膜は、粘性を大きくした液状物を塗布すること
により形成されているため、肩はダレて絶壁にならず、膜端部の形状が緩和されてなだら
かな斜面状(テーパー状)となるため、従来に比べ絶縁膜の膜厚を増加することができ、
静電気に対して充分な絶縁破壊強度を確保できるとしている。
して十分な膜厚を得る方法では、下電極の端部の上部側に形成された絶縁膜は、端部を斜
面状としてステップカバレッジをよくしたとはいえ、平坦部に比べると膜厚が薄くなって
いることには変わりはなく、絶縁膜全体に亘って十分な厚さに形成することは困難である
。そのため、上記特許文献1に開示されている半導体装置においても、洗浄中に発生した
静電気と下電極との間で発生した電界によって下電極の斜面状の端部の上側に形成されて
いる厚さが薄い部分で局所的に静電破壊されてしまうことがある。
パーク発生の起点となるコモン配線上に形成される下電極を延設して複数の段差を形成す
ることで、第1の絶縁膜のCVD成膜時にエッジ部の膜厚形成不足を解消させることがで
きることを見出し、本発明を完成するに至ったのである。すなわち、本発明の目的は、下
電極と信号線間の短絡を抑制し、線欠陥の発生を少なくした、信頼性の高いFFSモード
の液晶表示装置を提供することにある。
晶表示装置の製造方法を提供することにある。
ち、一方の基板上には、平行に設けられた複数の走査線及びコモン配線と、前記走査線、
前記コモン配線及び前記一方の基板を被覆する第1の絶縁膜と、前記走査線及び前記コモ
ン配線と交差する方向に、前記第1の絶縁膜上に設けられた複数の信号線と、前記走査線
及び前記信号線の交差部近傍に設けられた薄膜トランジスタと、前記第1の絶縁膜の下に
形成されているとともに前記コモン配線に接続された下電極と、前記薄膜トランジスタと
、前記信号線と、前記第1の絶縁膜との表面に形成された第2の絶縁膜と、前記第2の絶
縁膜上に平面視で前記下電極と重畳するように形成され、スリットを有する上電極と、を
備え、前記下電極と前記上電極との間に生じる電界によって前記液晶層が駆動される表示
領域と、前記表示領域の外側に形成される非表示領域を有する液晶表示装置において、前
記コモン配線は、該コモン配線が配設された領域に隣接する前記走査線の一方側に寄せて
配設され、前記下電極は、前記コモン配線の側面に複数の段差が形成されるように前記コ
モン配線を覆っていることを特徴とする。
行に設けられた複数の走査線及びコモン配線と、前記走査線、コモン配線及び露出してい
る前記第1基板を被覆する第1の絶縁膜と、前記走査線及びコモン配線と交差する方向に
、前記第1の絶縁膜上に設けられた複数の信号線と、前記走査線及び信号線の交差部近傍
に設けられた薄膜トランジスタTFT(Thin Film Transistor)と、複数の前記走査線及
び信号線で区画された領域毎に、前記第1の絶縁膜の下に形成されているとともに前記コ
モン配線に接続された透明導電性材料からなる下電極と、前記薄膜トランジスタ及びその
電極と、前記信号線と、露出している前記第1の絶縁膜の表面に形成された第2の絶縁膜
と、前記第2の絶縁膜上に平面視で前記下電極と重畳するように形成され、互いに平行に
設けられた複数のスリットを有する透明導電性材料からなる上電極と、を備えている。そ
れによって本発明の液晶表示装置はFFSモードの液晶表示装置として作動する。ここで
は、下電極は共通電極として作動し、上電極が画素電極として作動する。
ように、コモン配線を覆うように形成し、コモン配線と下電極とにより複数の段差が形成
されるようにしている。このような構成であると、これらの表面に第1の絶縁膜を被覆し
ても、個々の段差は小さいので第1の絶縁膜の厚さが薄くなることが抑制され、前述のよ
うな第1の絶縁膜が洗浄等の製造工程中に静電気によって絶縁破壊されることが抑制され
るようになる。従って、本発明の液晶表示装置によれば、信号線とコモン配線との間の短
絡が抑制されるので、線欠陥の少ない液晶表示装置を提供することができる。
にしている。通常、下電極は複数の前記走査線及び信号線で区画された領域毎に形成され
ていればよいものであるが、下電極間のコモン配線の表面をも覆うようにすると、コモン
配線と交差する部分で信号線の両側の第1の絶縁膜に段差が生じないので、より洗浄時の
静電気による第1の絶縁膜の絶縁破壊を抑制することができるようになる。
域に隣接する走査線の一方側に寄せて配設されている。このような構成を採用することに
より、コモン配線が1画素内の中央部に位置することがなくなるので、開口率を大きくす
ることができ、また、1画素がコモン配線によって2つの領域に分割されることがなくな
るので、表示画質が良好となる。
線の側面から2.25μm以上であることが好ましい。
であり、さらにゲート絶縁膜とも称される第1の絶縁膜の厚さは一般に0.4μm程度で
ある。そのため、下電極の段差部分の幅をコモン配線の側面から2.25μm以上とする
ことにより、信号線の線幅のバラツキやパターンズレを考慮しても、下電極の上層に成膜
される第1の絶縁膜の厚さを段差部分の側面においても静電気による絶縁破壊を十分抑制
できる厚さにすることができる。そのため、本発明の液晶表示装置によれば、信号線とコ
モン配線との間の短絡をより抑制することができ、より線欠陥が少ない液晶表示装置を提
供することができる。下電極の段差の幅が2.25μm未満となると、下電極と信号線と
の間の短絡が多くなるので好ましくない。
前記信号線とが交差する位置の近傍にのみ形成されていることが好ましい。
部分はコモン配線と信号線とが交差する部分のみ形成すれば十分である。そのため、本発
明の液晶表示装置によれば、線欠陥の発生が抑制されていると共に、開口率が大きく、し
かも、表示画質が良好な液晶表示装置を提供することができる。
前記下電極上の平坦部に形成された絶縁膜の厚さをAとし、前記下電極の段差の側面に形
成された絶縁膜の厚さをBとしたとき、
B/A≧1
の関係を満たすように形成されていることが好ましい。
周囲の平坦部分での膜厚に比較して段差の側面領域の膜厚が十分厚くカバレッジ性が良い
と判断でき、第1の絶縁膜に十分な絶縁耐圧を付与することができる。そのため、本発明
の液晶表示装置によれば、第1の絶縁膜の絶縁耐力を大きくすることができるので、信号
線とコモン配線との間の短絡をより抑制することができ、より線欠陥の発生が少ない液晶
表示装置を提供することができる。ステップカバレッジがB/A<1の関係になると、段
差の周囲の平坦部分での膜厚に比較して段差の側面領域の膜厚が薄くなり、段差の側面領
域に微細な穴やクラックが生じやすく、下電極と信号線との間の短絡が多くなるので好ま
しくない。
おり、前記下電極の段差部分は前記ダミー画素に形成されていることが好ましい。
域である。しかし、ダミー画素が形成されていることにより、表示領域の各層の膜厚とダ
ミー画素の各層の膜厚とを同一とすることができるため、表示領域の周辺部の画素の表示
画質が非表示領域と隣接していることによる悪影響を受けることが少なくなる。また、ダ
ミー画素は、表示領域周辺に形成されているため、外部からの静電気等のストレスを吸収
することができるので、表示領域内の画素に欠陥が発生することを抑制できる。そのため
、本発明の液晶表示装置によれば、ダミー画素においても信号線とコモン配線との間の短
絡を抑制することができるから、ダミー画素が正常に機能することで表示領域内の表示画
素の欠陥を抑制した信頼性の高い液晶表示装置を提供することができる。
特徴とする。
(1)透明な基板の表面全体に亘って導電性層を被覆し、エッチングすることによりゲー
ト電極部分を有する複数の走査線及び複数のコモン配線を互いに平行にパターニングする
工程、
(2)前記(1)の工程で得られた基板の表面全体に亘って透明導電性層を被覆し、各画
素に対応する位置に、前記下電極間のコモン配線の表面を覆うと共に、コモン配線の側面
を超えて延在するように下電極をパターニングする工程、
(3)前記(2)の工程で得られた基板の表面全体に亘って第1の絶縁膜を被覆する工程
、
(4)前記第1の絶縁膜の表面全体に亘って半導体層を被覆し、エッチングすることによ
りゲート電極部分に対応する位置に半導体層をパターニングする工程、
(5)前記(4)の工程で得られた基板表面全体に亘って導電性層を被覆し、エッチング
することにより、前記走査線及びコモン配線と交差する方向に信号線を、それぞれの画素
毎にドレイン電極と前記信号線に電気的に接続されたソース電極とをパターニングする工
程、
(6)前記(5)の工程で得られた基板の表面全体に亘って第2の絶縁膜を被覆する工程
、
(7)前記それぞれの画素のドレイン電極上に位置する前記第2の絶縁膜にコンタクトホ
ールを形成する工程、
(8)前記(7)の工程で得られた基板の表面全体に亘って透明導電性層を被覆し、エッ
チングすることにより各画素に複数のスリットを有する上電極をパターニングすると共に
、前記上電極とドレイン電極とを電気的に導通させる工程、
(9)前記(8)の工程で得られた基板とカラーフィルター基板とを対向させ、両基板間
に液晶を封入する工程。
液晶表示装置を製造することができる。
発明の技術思想を具体化するための液晶表示装置としてFFSモードの液晶表示装置を例
示するものであって、本発明をこのFFSモードの液晶表示装置に特定することを意図す
るものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のものにも等しく適応し得
るものである。なお、この明細書における説明のために用いられた各図面においては、各
層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異な
らせて表示しており、必ずしも実際の寸法に比例して表示されているものではない。
。本実施形態に係る液晶表示装置10は、図1に示すように、アレイ基板AR及びカラー
フィルター基板CFと、両基板AR、CFを貼り合わせるシール材25と、アレイ基板A
R、カラーフィルター基板CF及びシール材25により囲まれた領域に液晶(図示省略)
が液晶注入口27から注入され液晶注入口27が封止材28で封止された構成の液晶表示
装置である。この液晶表示装置10においては、シール材25により囲まれた領域が表示
領域26を形成しており、この表示領域26の周囲に設けられる画像が認識されない領域
が液晶表示装置10の非表示領域29となる。
動用の各種配線等が形成されたものである。このアレイ基板ARはカラーフィルター基板
CFよりもその長手方向の長さが長く、両基板AR、CFを貼り合わせた際に外部に延在
する延在部11aが形成されるようになっており、この延在部11aには駆動信号を出力
するICチップあるいはLSI等からなるドライバーDrが設けられている。
表面全体に亘って、フォトリソグラフィー法あるいはエッチング法等によって、複数の走
査線12及び複数のコモン配線13が互いに平行になるように形成する(図2、図4A参
照)。なお、本発明にかかる液晶表示装置10では、開口率を向上させると共に表示画質
を向上させるため、コモン配線13を走査線12の一方側に寄せて配設している。
TO(Indium Thin Oxide)又はIZO(Indium Zink Oxide)等からなる透明導電性層を
被覆し、同じくフォトリソグラフィー法等によって下電極14を形成する。このとき、下
電極14は、図4B、図6A及び図6Bに示すように、各画素間のコモン配線13の表面
をも覆うと共に、複数の段差14aが幅Xにわたって形成されるようコモン配線13の表
面を覆うようにする。なお、ここでは下電極14の一部を、信号線17と平面視で重畳す
る位置において、隣接する画素の走査線12を覆う位置まで延在させている。
第1の絶縁膜15を被覆する(図4C参照)。このとき、第1の絶縁膜15は、下電極1
4に形成された複数の段差14a上に成膜されるため、第1の絶縁膜15も複数の段差が
形成される。
亘って被覆した後に、同じくフォトリソグラフィー法等によって、TFT形成領域にa−
Si層16a及びn+a−Si層16bからなる半導体層16を形成する(図4D、図4
E参照)。この半導体層16が形成されている位置の走査線12の領域がTFTのゲート
電極Gを形成する。
同じくフォトリソグラフィー法等によって、信号線17及びドレイン電極Dを形成する(
図5A参照)。この信号線17のソース電極S部分及びドレイン電極D部分は、いずれも
半導体層16の表面に部分的に重なっている。
。図4Fに示す工程では、半導体層16bを成膜した後、純水WTで洗浄する工程がある
。従来例では、コモン配線13上の第1の絶縁膜15は、図7Aに示すように下電極14
がエッジ部Eを有しており、その上層に第1の絶縁膜15を形成しているため、第1の絶
縁膜15の平坦部の厚さA'に比べ、エッジ部Eに形成された第1の絶縁膜の厚さB'が薄
くなり、ステップカバレッジ(B'/A')が悪くなる。
15の表面にも成膜され、この状態で洗浄される。そのため、純水WTによる洗浄中に、
純水WTとn+a−Si層16bとの間での摩擦により発生した静電気がn+a−Si層
16b及びa−Si層16aを経てコモン配線13上に形成された下電極14との間でス
パーク22を起し、下電極14上に薄く形成された第1の絶縁膜15が破壊されて傷23
が形成されてしまう(図8B参照)。そして、この第1の絶縁膜15に傷23を残したま
ま図4Fに示す工程に進んで、第1の絶縁膜15の上層に信号線17を形成すると、ソー
スレイヤー形成時にソースレイヤーが第1の絶縁膜15の破壊された傷23に進入するの
で、信号線17と下電極14とが短絡してしまい、線欠陥不良となる。
を覆うように複数の段差14aが幅Xにわたって形成されるようにしている。そして、こ
の段差14aを覆うように第1の絶縁膜15を形成することにより、第1の絶縁膜15は
、平坦部の厚さAと段差14a部の厚さBとがほぼ同じになるように形成される。そのた
め、この段差部分の第1の絶縁膜15のステップカバレッジ(B/A)が良化し、すなわ
ち、第1の絶縁膜15が従来例のものよりも厚く形成されるため、静電気に対する絶縁耐
力が向上し、純水WTによる洗浄中に発生した静電気により第1の絶縁膜15が破壊され
ることが抑制され、その結果、下電極14と信号線17間の短絡24を抑制することがで
きるようになる。
いて、隣接する画素の走査線12を覆う位置まで延在させているため、上述の信号線17
とコモン配線13との間に生じる効果を、信号線17と走査線12との間にも期待できる
ようになる、そのため、本実施形態では、信号線17と走査線12との間に形成される可
能性がある短絡も抑制することができるようになる。
ケイ素層からなる第2の絶縁膜18を被覆した後、ドレイン電極Dに対応する位置の第2
の絶縁膜18にコンタクトホール19を形成してドレイン電極Dの一部を露出させる(図
5B参照)。さらに、この表面全体に亘ってITO等からなる透明導電性層を被覆し、同
じくフォトリソグラフィー法等によって、図2に示したパターンとなるように、走査線1
2及び信号線17で囲まれた領域の第2の絶縁膜18上に、互いに平行に複数のスリット
20を有する上電極21を形成する(図5C参照)。このスリット20は、フリンジフィ
ールド効果を発生させるためのものである。この上電極21はコンタクトホール19を介
してドレイン電極Dと電気的に接続されているため、画素電極として機能する。
ARが完成される。このようにして製造されたアレイ基板ARと別途製造されたカラーフ
ィルター基板とを対向させ、周囲をシール材25で貼り合わせて両基板間に形成された空
間に液晶を封入することにより実施形態に係るFFSモードの液晶表示装置10が得られ
る。なお、カラーフィルター基板CFの詳細な説明は省略したが、ガラス等の透明基板の
表面にカラーフィルター層、オーバーコート層及び配向膜がそれぞれ積層されており、共
通電極が設けられていない他は従来のTN(Twisted Nematic)方式の液晶表示装置用の
ものと実質的に同一の構成を備えている。
表面にステップカバレッジの良好な第1の絶縁膜が形成されるので、静電気による第1の
絶縁膜の破壊が抑制され、その結果、下電極と信号線との間での短絡を抑制することがで
き、信頼性の高い液晶表示装置を提供することができる。
示したが、短絡の起こりやすい場所のみ、例えばコモン配線と信号線とが交差する位置の
近傍にのみ形成されるようにしてもよい。このようにすることで、下電極と信号線との間
の短絡防止の目的を達することができ、表示画質が良好なFFSモードの液晶表示装置を
提供することができる。
るために、2.25μm以上とするとよい。下電極の厚さは0.1μm程度であるが、ゲ
ート絶縁膜と称される第1の絶縁膜の厚さは通常0.4μm程度も必要である。下電極の
複数の段差の幅Xを2.25μm以上とすることで、信号線の線幅のバラツキやパターン
ズレを考慮しても、下電極の上層に成膜される第1の絶縁膜の厚さを段差部分の側面にお
いても静電気による絶縁破壊を十分抑制できる厚さにすることができるようになる。この
下電極の複数の段差の幅Xが2.25μm未満となると、下電極と信号線との間の短絡が
多くなるので好ましくない。
縁膜の平坦部の膜厚Aの測定箇所は、段差最上部の平坦部中央、又は段差周囲の平坦部で
あることがのぞましく、側面領域の膜厚Bの測定箇所は該当段差部の最薄部とすることが
のぞましく、これにより正確にステップカバレッジ(B/A)の値を算出できる。
であるステップカバレッジ(B/A)の値は、1以上となるようにするとよい。そのよう
にすることで、側面領域の膜厚Bが平坦部の膜厚Aと比較して十分に厚く、段差部の側面
領域にも膜を形成するための材料物質が十分留まっており、微細な穴やクラックが生じる
ことなく安定した金属膜や絶縁膜が成膜できる。このようにすることで、第1の絶縁膜に
十分な絶縁耐圧を付与することができるため、第1の絶縁膜の絶縁耐力を大きくすること
ができ、信号線とコモン配線との間の短絡をより抑制することができるので、より線欠陥
の発生が少ない液晶表示装置を提供することができる。ステップカバレッジ(B/A)の
値が1未満であると、側面領域の膜厚Bが平坦部の膜厚Aと比較して薄く、段差部の側面
領域にも膜を形成するための材料物質が十分留まっておらず、微細な穴やクラックが生じ
るため、下電極と信号線との間の短絡が多くなるので好ましくない。
下電極の段差部分をこのダミー画素に形成されるようにするとよい。ダミー画素は静電気
によって優先的に破壊されて表示領域内の画素に静電気の影響が及ばないようにする機能
をも備えているため、ダミー画素が正常に機能していればより表示領域の画素に静電気の
影響が及ばないようにすることができるため、より信頼性の高い液晶表示装置を提供する
ことができるようになる。
線 14:下電極 14a:段差 15:第1の絶縁膜 16:半導体層 17:信号線
18:第2の絶縁膜 19:コンタクトホール 20:スリット 21:上電極 22
:スパーク 23:傷 24:短絡 25:シール材 26:表示領域 27:液晶注入
口 28:封止材 29:非表示領域 AR:アレイ基板CF:カラーフィルター基板
D:ドレイン電極 G:ゲート電極 S:ソース電極 Dr:ドライバー E:エッジ部
Claims (6)
- 液晶層を挟持した一対の基板のうち、一方の基板上には、
平行に設けられた複数の走査線及びコモン配線と、
前記走査線、前記コモン配線及び前記一方の基板を被覆する第1の絶縁膜と、
前記走査線及び前記コモン配線と交差する方向に、前記第1の絶縁膜上に設けられた複
数の信号線と、
前記走査線及び前記信号線の交差部近傍に設けられた薄膜トランジスタと、
前記第1の絶縁膜の下に形成されているとともに前記コモン配線に接続された下電極と
、
前記薄膜トランジスタと、前記信号線と、前記第1の絶縁膜との表面に形成された第2
の絶縁膜と、
前記第2の絶縁膜上に平面視で前記下電極と重畳するように形成され、スリットを有す
る上電極と、
を備え、
前記下電極と前記上電極との間に生じる電界によって前記液晶層が駆動される表示領域
と、前記表示領域の外側に形成される非表示領域を有する液晶表示装置において、
前記コモン配線は、該コモン配線が配設された領域に隣接する前記走査線の一方側に寄
せて配設され、
前記下電極は、前記コモン配線の少なくとも一方の側面に複数の段差が形成されるよう
に前記コモン配線を覆っていることを特徴とする液晶表示装置。 - 前記下電極の段差部分の幅は、前記コモン配線の側面から2.25μm以上であること
を特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。 - 前記下電極の段差部分は、前記コモン配線と前記信号線とが交差する位置の近傍にのみ
形成されていることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。 - 前記第1の絶縁膜のステップカバレッジは、
前記下電極上の平坦部に形成された絶縁膜の厚さをAとし、
前記下電極の段差の側面に形成された絶縁膜の厚さをBとしたとき、
B/A≧1
の関係を満たすように形成されていることを特徴とする請求項1に記載された液晶表示装
置。 - 前記非表示領域にはダミー画素が形成されており、前記下電極の段差部分は前記ダミー
画素に形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の液晶表示装置。 - 以下の(1)〜(9)の工程を含むことを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
(1)透明な基板の表面全体に亘って導電性層を被覆し、エッチングすることによりゲー
ト電極部分を有する複数の走査線及び複数のコモン配線を互いに平行にパターニングする
工程、
(2)前記(1)の工程で得られた基板の表面全体に亘って透明導電性層を被覆し、各画
素に対応する位置に、前記下電極間のコモン配線の表面を覆うと共に、コモン配線の側面
を超えて延在するように下電極をパターニングする工程、
(3)前記(2)の工程で得られた基板の表面全体に亘って第1の絶縁膜を被覆する工程
、
(4)前記第1の絶縁膜の表面全体に亘って半導体層を被覆し、エッチングすることによ
りゲート電極部分に対応する位置に半導体層をパターニングする工程、
(5)前記(4)の工程で得られた基板表面全体に亘って導電性層を被覆し、エッチング
することにより、前記走査線及びコモン配線と交差する方向に信号線を、それぞれの画素
毎にドレイン電極と前記信号線に電気的に接続されたソース電極とをパターニングする工
程、
(6)前記(5)の工程で得られた基板の表面全体に亘って第2の絶縁膜を被覆する工程
、
(7)前記それぞれの画素のドレイン電極上に位置する前記第2の絶縁膜にコンタクトホ
ールを形成する工程、
(8)前記(7)の工程で得られた基板の表面全体に亘って透明導電性層を被覆し、エッ
チングすることにより各画素に複数のスリットを有する上電極をパターニングすると共に
、前記上電極とドレイン電極とを電気的に導通させる工程、
(9)前記(8)の工程で得られた基板とカラーフィルター基板とを対向させ、両基板間
に液晶を封入する工程。
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