JP2010214282A - 汚染土壌の微生物分布および栄養塩分布の推定方法 - Google Patents

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Hiroyuki Ishimori
洋行 石森
Ryoichi Fukagawa
良一 深川
Yoshiki Matsumiya
芳樹 松宮
Kenzo Kubota
謙三 久保田
Miki Kubo
幹 久保
Nobuyuki Kadokura
伸行 門倉
Akio Kanamori
章雄 金森
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Abstract

【課題】微生物および栄養塩の地盤内における挙動を予測して、汚染土壌の微生物分布および栄養塩分布の推定方法を提供する。
【解決手段】物質移動モデルを用いた移流分散解析によるコンピュータシミュレーションにより、汚染土壌の微生物分布および栄養塩分布の時間変化を推定する方法であって、前記物質移動モデルが、地盤内の流れ場に関する浸透流解析の微分方程式と、前記地盤内での前記微生物の濃度分布および前記栄養塩の濃度分布に関する移流分散解析の微分方程式とを連立させた物質移動モデルであり、前記浸透流解析の微分方程式および前記移流分散解析の微分方程式の各々において、水の密度を、当該水に含まれる淡水の密度、前記微生物の濃度および前記栄養塩の濃度に依存する関数として与える。
【選択図】図3

Description

本発明は、汚染土壌を浄化するために注入された微生物および栄養塩(培地とも記す)の注入後の分布を推定する方法に関し、より詳細には、汚染土壌のバイオレメディエーションを行うに際し、微生物および栄養塩の地盤内における挙動を予測して、汚染土壌の微生物分布および栄養塩分布の推定方法に関する。
油によって汚染された土壌の浄化方法が研究、開発されている。多くの場合、油汚染帯の直上には工場等の稼働中の建物が存在する。そのような土壌を浄化するためには、土壌の浄化に用いる微生物および栄養塩を含む溶液(以下、菌液とも記す)を、汚染された土壌の原位置において分散させる「原位置バイオレメディエーション」と呼ばれる方法が用いられる(例えば、下記特許文献1を参照)。そして、実際の現場において汚染対策や適切な浄化処理を効率よく実施するためには、現場土壌の汚染状況を正確に把握したうえで、菌液を油汚染帯に対して的確に注入することが求められる。
一方、油汚染帯の全域に菌液を効率よく分散させるために、実際の菌液の注入に先立って、移流分散解析によるコンピュータシミュレーションにより、地盤内における菌液の挙動を予測し、菌液の最適な注入条件(例えば、微生物濃度、栄養塩濃度、栄養塩比重、注入流量、注入位置など)を決定することが行われる。従来の移流分散解析において使用する物質移動モデルの式を(式1)に示す。
Figure 2010214282
(式1)において、Cは物質濃度[M/L]、Hは全水頭[L]、Qは生成項(単位体積あたりの流入流量)[1/T]、kijは透水係数テンソル[L/T]、Rは遅延係数、vは間隙内流速[L/T]、Dijは分散係数テンソル[L/T]を表す。分散係数はDij=αδij+(α−α)v/|v|+τDδijより計算し、間隙内流速はダルシー則よりv=−kij/θ∂H/∂xより計算する。ここで、αは縦分散長[L]、αは横分散長[L]、τは屈曲率、Dは分子拡散係数[L/T]、δijはクロネッカーのデルタ、θは体積含水率を表す。なお、本明細書では、特に断りのない限り、濃度とは質量/体積濃度を意味する。
設定した解析空間に対して、初期条件には、全水頭H(地下水位の位置に基づき計算する)と物質濃度C(通常は、解析空間全域に対してゼロとする)とを与え、境界条件には、注入地点における物質濃度Cに、菌液濃度(微生物濃度または栄養塩濃度)を与え、生成項Qには注入流量を解析空間に対する有限要素メッシュで正規化して与える。
これらの式を、上記した初期条件および境界条件の下で数値的に解く(有限要素法)ことで、地盤内における菌液の分布を時間的に評価することができる。移流分散解析を行う具体的なコンピュータプログラムのオープンソースコードとしては、例えばUSEPA(U. S. Environmental Protection Agency)のFATMICやUTCHEMなどが知られている。
従来の推定方法では、対象とする地盤が均質であり、地下水の流れ場が一様であり、且つ注入する菌液の比重を無視する、と仮定した物質移動モデルに基づいて、移流分散解析によるシミュレーションを行い、菌液(微生物および栄養塩を含む溶液)の注入条件を決定している。
特開2007−222737号公報
図1は、地盤内における菌液の挙動を評価した実験結果を説明するための図である。図1(a)は、土と水とを含む実験用の土槽の断面写真であり、図1(b)は、(式1)に示す従来の物質移動モデルを用いて得られた、土槽内における菌液の分散シミュレーションの結果を示す。
実験用の土槽(幅240cm×高さ240cm×奥行60cm)において、地下水位は、地表面から130cm下方に位置し、地下水流向は、図1(a)および図1(b)中の左から右へと流れており、動水勾配は1.6cm(鉛直方向)/240cm(水平方向)である。図1(a)においてハッチングで表す範囲Aは、地下水帯に存在する油汚染帯を表し、地下水の水面下にまで油の汚染が及んでいることを示している。図1(b)中のコントラストは栄養塩の相対濃度を示し、注入する菌液の濃度を1として正規化した値である。図1(b)中のベクトルは流れ場を示す。
菌液の分散シミュレーションは、実験用の土槽において、上記した位置に地下水帯に存在する油汚染帯Aに対して、油汚染帯Aの上流から、図中Bの位置に、所定濃度の菌液(Rhodococcus属細菌(またはGordonia属細菌)と四倍濃縮改変SW培地と)を注入する場合を想定して、(式1)に示す従来の物質移動モデルを用いた移流分散解析法により行った。具体的には、菌液注入の7日後の、油汚染帯における微生物濃度>1×10cells/g−soil、栄養塩濃度>1%v/vとなるように、注入条件である注入流量および注入位置を決めた。図1(b)に示す菌液の分散シミュレーションの結果によると、図中Bの位置に注入された菌液は、油汚染帯が存在する土槽の水平方向(図1(b)中のX軸の正の方向)に分散し、菌液注入の6日後には、図中Cに示す範囲にまで拡散すると推定される。
次に、菌液の分散シミュレーションにより得られた最適な注入条件に基づいて、実験用の土槽内に実際に菌液を注入して、土槽内における菌液の挙動を観察した。図2は、土と水とを含む実験用の土槽内における比抵抗分布の測定値を示す図であり、図2(a)は、Rhodococcus属細菌と四倍濃縮改変SW培地(比重1.09)とを注入して7日後の比抵抗分布を示し、図2(b)は、Gordonia属細菌と四倍濃縮改変SW培地(比重1.02)とを注入して7日後の比抵抗分布を示す。図中のコントラストは比抵抗の大きさを示し、間接的には栄養塩濃度を示す。比抵抗値が低いほど栄養塩濃度は高い。菌液の挙動の観察には、実験用の土槽に比抵抗の測定装置(例えば、電気伝導度センサー)を埋設し、図中Dに示す範囲(図1(a)中の範囲Aと同じ)に油汚染帯を設定し、図中Eに示す位置(図1(a)中の位置Bと同じ)に菌液を注入した。そして、土槽に埋設した測定装置により比抵抗を実際に測定し、図2(a)および図2(b)に示す測定結果を得た。
栄養塩の比重の違いに着目して、図2(a)および図2(b)に示す比抵抗の測定結果を参照すると、図2(a)に示す比重1.09の場合では、注入地点Eよりも上には栄養塩が分散しておらず、注入地点Eよりも下に集中して流れている。一方、図2(b)に示す比重1.02の場合では、注入地点Eよりも上にも栄養塩が分散しており、油汚染帯Dの一部(注入地点Eに近い側)にも栄養塩が浸透していることがわかる。しかし、図2(a)および図2(b)に示す何れの場合でも、菌液は、油汚染帯Dが存在する土槽の水平方向(図2中のX軸の正の方向)には分散せず、土槽の下方向(図2中のZ軸の負の方向)に分散してしまい、油汚染帯Dを覆うようには分散しなかった。即ち、上記した菌液の分散シミュレーションによる結果は、実際に測定して得られた土槽内における菌液の挙動(油汚染帯Dを迂回するように分散する)と異なる。このように、従来の分散シミュレーションでは、流れ場が一様ではない地盤内における菌液の挙動を正確に予測することができていないという問題がある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、汚染土壌のバイオレメディエーションを行うに際し、微生物および栄養塩の地盤内における挙動を予測して、汚染土壌の微生物分布および栄養塩分布の推定方法を提供することにある。
上記目的の達成のために、本発明に係る汚染土壌の微生物分布および栄養塩分布の推定方法(1)は、物質移動モデルを用いた移流分散解析によるコンピュータシミュレーションにより、汚染土壌の微生物分布および栄養塩分布の時間変化を推定する方法であって、前記物質移動モデルが、地盤内の流れ場に関する浸透流解析の微分方程式と、前記地盤内での前記微生物の濃度分布および前記栄養塩の濃度分布に関する移流分散解析の微分方程式とを連立させた物質移動モデルであり、前記浸透流解析の微分方程式および前記移流分散解析の微分方程式の各々において、水の密度を、当該水に含まれる淡水の密度、前記微生物の濃度および前記栄養塩の濃度に依存する関数として与えることを特徴とする。
また、本発明に係る汚染土壌の微生物分布および栄養塩分布の推定方法(2)は、本発明に係る前記推定方法(1)において、前記浸透流解析の微分方程式および前記移流分散解析の微分方程式の各々において、間隙内流速の計算に用いる透水係数比を、水飽和度に依存する関数として与え、油汚染帯の油飽和度を、油の濃度に依存する関数として与え、当該油飽和度を用いて、前記水飽和度を修正してもよい。
また、本発明に係る汚染土壌の微生物分布および栄養塩分布の推定方法(3)は、本発明に係る前記推定方法(1)または(2)において、前記浸透流解析の微分方程式が、
Figure 2010214282
であり、前記移流分散解析の微分方程式が、
Figure 2010214282
であり、前記水の密度を与える前記関数が、
Figure 2010214282
であり、Sは水飽和度、ρは水の密度[M/L]、ρ は微生物または栄養塩の濃度[M/L]、λ は死滅定数または減衰定数[1/T]、vは土の間隙内を流れる水の流速[L/T]、Φは土の間隙率、Dijは分散係数テンソル[L/T]、Kijは固有透過度テンソル[L]、k は相対透水係数比、μは水の粘性係数[M/LT]、Pは水の圧力[M/LT]、γは水の単位体積重量[M/L]、zは基準位置からのz座標[L]、μWrは淡水の粘性係数[M/LT]、μ Wrは注入する菌液の粘性係数[M/LT]を表し、Qは生成項[1/T]を表し、ρWrは淡水の密度[M/L]、ρ Wrは注入する菌液の微生物濃度および栄養塩濃度[M/L]を表してもよい。
また、本発明に係る原位置バイオレメディエーションの注入条件決定方法(1)は、本発明に係る前記推定方法(1)〜(3)のいずれかによって、所定の時間における汚染土壌の微生物分布および栄養塩分布を得る第1ステップと、前記微生物分布および前記栄養塩分布が、前記汚染土壌に対して、所要量の前記微生物および前記栄養塩を与えることが可能な分布か否かを判断する第2ステップと、前記微生物分布および前記栄養塩分布が、前記汚染土壌に対して、所要量の前記微生物および前記栄養塩を与えることが可能な分布である場合に、前記微生物分布および前記栄養塩分布を与える前記微生物および前記栄養塩の注入条件を、原位置バイオレメディエーションの注入条件に決定する第3ステップとを含む。
また、本発明に係る原位置バイオレメディエーションの注入条件決定方法(2)は、本発明に係る前記注入条件決定方法(1)において、前記注入条件が、前記微生物および前記栄養塩の各々の注入位置と、前記微生物および前記栄養塩の各々の注入流量とを含む。
本発明によると、浄化を行う現場の施工条件や地盤特性、または油汚染帯の分布を考慮して、浄化に用いる菌液の最適な注入条件(例えば、微生物濃度、栄養塩濃度、栄養塩比重、注入流量、注入位置など)を決定することができる。特に、本発明では、油汚染帯の低透水性と栄養塩の比重とを考慮しているので、菌液注入後の微生物および栄養塩の分布を事前に高い精度で予測することができる。
また、本発明によれば、地盤内における菌液の挙動を正確に推定することができる。従って、油汚染帯に対して、原位置バイオレメディエーションに適した、菌液や空気の注入位置(即ち、菌液や空気注入用の管を通すための注入井のボーリング位置)を決定することができる。これにより、油汚染帯から離れた位置であっても、油汚染帯の全域に菌液を効率よく分散させることが可能となる。
また、本発明によれば、栄養塩の比重を調整することにより、油に汚染された地盤中での菌液の流れをコントロールすることが可能となる。これにより、例えば、油汚染帯の直上に建造物が存在し、油汚染帯から離れた位置から菌液を注入しなくてはいけない場合であっても、微生物に混合する栄養塩の比重を小さくすることで、油汚染帯の全域に菌液を効率よく分散させることができる。また、例えば、注入する栄養塩の比重を小さくすれば、水よりも軽い油(例えば、重油、灯油など)に対して有効な注入方法となり、注入する栄養塩の比重を大きくすれば、水よりも重い油(例えば、トリクロロエチレンやテトラクロロエチレンなど)に対して有効な注入方法となるので、汚染源の油の種類に応じた菌液の最適な注入条件を決定することができる。
地盤内における菌液の挙動を評価した実験結果を説明するための図である。 土と水とを含む実験用の土槽内における比抵抗分布の測定値を示す図である。 本発明の実施の形態に係る土壌の微生物分布および栄養塩分布の推定方法の処理手順を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態に係る推定方法により得られた、地盤内における菌液の分散シミュレーションの結果を示す図である。 実際の現場における菌液の原位置注入実験を説明する現場の地盤の概略断面図である。 本発明の実施の形態に係る推定方法を原位置バイオレメディエーションに適用して、微生物および栄養塩の最適な注入条件を決定する際の具体的な手順を示すフローチャートである。 対象地盤内での栄養塩濃度の実測値と本発明の推定方法によるシミュレーションによる予測値とを表すグラフである。
以下、本発明の実施の形態を、添付の図面を参照して詳細に説明する。本発明の実施の形態に係る土壌の微生物分布および栄養塩分布の推定方法では、地盤内における菌液の挙動を予測する方法として、移流分散解析によるコンピュータシミュレーションを行う。本発明の推定方法において移流分散解析に用いる物質移動モデルの式を(式2)および(式3)に示す。
Figure 2010214282
(式2)は、浸透流解析の微分方程式であり、地盤内の流れ場に関する。(式3)は、移流分散解析の微分方程式であり、菌液(微生物および栄養塩)の濃度分布に関する。(式3)は、対象となる物質に対して1つずつ、即ち、微生物および栄養塩の各々に対して1つずつ作成する。そして、(式2)および(式3)の2種類、合計3つの微分方程式を連立させて、初期条件および境界条件を与えてこれら微分方程式を数値的に解く(有限要素法)ことで、地盤内の流れ場(密度流)を考慮した土壌内での菌液の挙動を予測する。物質移動モデルにおいて地盤内の流れ場を考慮することで、比重の大きい菌液(微生物および栄養塩を含む溶液)の挙動をより正確に予測することができるようになる。
(式2)および(式3)において、Sは水飽和度、ρは水の密度[M/L]、ρ は微生物または栄養塩の濃度[M/L]、λ は死滅定数または減衰定数[1/T]、vは土の間隙内を流れる水の流速[L/T]、Φは土の間隙率、Dijは分散係数テンソル[L/T]、Kijは固有透過度テンソル[L]、k は相対透水係数比、μは水の粘性係数[M/LT]、Pは水の圧力[M/LT]、γは水の単位体積重量[M/L]、zは基準位置からのz座標[L]、μWrは淡水の粘性係数[M/LT]、μ Wrは注入する菌液の粘性係数[M/LT]を表す。水の密度はρ=ρWr+ρ (1−ρWr/ρ Wr)として定義し、地下水中の微生物濃度や栄養塩濃度に依存する関数として与える。ここで、ρWrは淡水の密度[M/L]、ρ Wrは注入する菌液の微生物濃度および栄養塩濃度[M/L]を表す。水の密度を地下水中の微生物濃度や栄養塩濃度に依存する関数として与えることで、栄養塩の比重を考慮した物質移動モデルを与える。
設定した解析空間に対して、初期条件には、解析空間の水飽和度Sおよび微生物または栄養塩の濃度ρ を与え、境界条件には、注入地点における微生物または栄養塩の濃度ρ に、注入する菌液の微生物濃度および栄養塩濃度をρ Wrを与え、生成項Qには注入流量を与える。
水飽和度Sの設定方法は、不飽和帯では対象地盤の水分特性曲線を用いて各深度における水飽和度Sを決定し、飽和帯ではS=1とする。ただし、地盤中に油汚染帯が存在する場合には、その油濃度を測定し、油飽和度をS=Cρ/ρ(Cは土の乾燥単位質量あたりに含まれる油の質量、ρは土の乾燥密度[M/L]、ρは油の密度[M/L])より求め、設定した水飽和度から油飽和度を減じて初期値を修正する。この作業により、物質移動モデルにおいて、油汚染帯の水飽和度が非汚染帯の水飽和度に比べて低くなることを表現する。
間隙内流速vは、前述と同様にダルシー則より計算されるが、計算に使用する透水係数比k は水飽和度Sに依存する形で与える。透水係数比k は水飽和度Sに対して単調に増加する関数で与える。これにより、油汚染帯中の水飽和度Sは非汚染帯の水飽和度に比べて低くなることから、油汚染帯中の透水係数kもまた非汚染帯の透水係数に比べて低くなる。よって、(式2)および(式3)で表される物質移動モデルにおいて油汚染帯の低透水性が考慮され、油汚染帯よりも非汚染帯を優先的に流れるという現象を、物質移動モデルにおいて表現することができる。
図3は、本発明の実施の形態に係る土壌の微生物分布および栄養塩分布の推定方法の処理手順を示すフローチャートである。移流分散解析は公知であり、コンピュータプログラムのオープンソースコードとして、例えば、USEPAのFATMICやUTCHEMなどが知られている。従って、以下では、図3のフローチャートを参照して推定方法の概要を説明し、詳細な説明は省略する。
以下において、特に断りのない限り、コンピュータを用いた処理では、実際には演算処理手段(以下、CPUと記す)が処理を行う。CPUは、メモリをワーク領域として使用して演算などの処理を行う。CPUが処理を行う前提条件は、外部から人によって操作手段(コンピュータ用キーボード、マウス等)が操作されて、データとして入力される。入力されたデータは、メモリの所定領域に一時記憶され、演算処理に使用される。入力されたデータや演算処理の結果は、適宜記録部(ハードディスク等)に記録される。
まず、ステップS1において、サイト条件を設定する。サイト条件は、対象とするサイト(現場)に関する浄化対策前の情報であり、例えば、汚染状況(地盤内での油汚染帯の分布および油種)、地盤構造(粘土、砂、シルト等の層構造および層の厚さ)、環境条件(飽和帯汚染の有無、不飽和帯汚染の有無、地盤の不均質性の有無、それらの規模)などの情報を、有限要素法におけるモデリング情報(構造データ、物性データ)として設定する。
次に、ステップS2において、目標とする菌液の散布範囲と、その範囲内での微生物濃度、および栄養塩濃度(以下、制約条件とも記す)を設定する。制約条件は、後述する繰り返し処理を終了するか否かを判断する基準である。
引き続き、ステップS3において初期パラメータを設定する。初期パラメータは、菌液の注入条件に関するパラメータの初期値であり、例えばパラメータは、注入流量および注入位置である。
ステップS4において、ステップS1およびS3で設定された値を用いて数値計算を実行し、ステップS5において、数値計算後の菌液の散布範囲とその範囲内における微生物濃度、および栄養塩濃度を決定し、ステップS6において、ステップ2において設定した目標値(すなわち、設計に対する制約条件)を満足するか否かを判断する。例えば、数値計算により得られた地盤内での菌液の分布が、制約条件に定められた菌液の分布を、所定の割合(例えば、75%)より高い割合で覆う場合に、制約条件を満たすと判断すればよい。制約条件を満たすか否かの判断は、予め記録された制約条件からコンピュータが自動的に判断してもよく、或いはオペレータが判断してその結果をコンピュータに入力してもよい。得られた数値計算の結果が制約条件を満たさなければステップS7に移行し、現状のパラメータの一部または全てを変更してステップS4に移行する。このようにして、ステップS5で得られた結果が、設定された制約条件を満たすまでステップS4〜S7の処理を繰り返し、現場土壌の汚染状況に応じた、菌液の最適な注入条件を決定する。
図4は、本発明の実施の形態に係る推定方法により得られた、地盤内における菌液の分散シミュレーションの結果を示す図である。
図4(a)は、図2(a)に示した土槽実験の結果(比重1.09の四倍濃縮改変SW培地を注入した実験)を対象としたシミュレーションの結果であり、図4(b)は、図2(b)に示した土槽実験の結果(比重1.02の四倍濃縮改変SW培地を注入した実験)を対象としたシミュレーションの結果である。
図4中の縦軸Zは、実験用土槽の鉛直方向を示し、横軸Xは、実験用土槽の水平方向を示す(土槽の底面左端を原点とする)。図4中のコントラストは、菌液の相対的な濃度であり、注入する菌液の濃度を1として正規化した値である。図4中のベクトルは流れ場を示す。地下水面下の飽和帯のみを計算対象としているため、縦軸Zは、0<Z<110cmまでの範囲を描画している。シミュレーションでは、図4において、油汚染帯の範囲が、図1(a)中の範囲Aと同じであり、且つ、図中Fに示す位置(図1(a)中の位置Bと同じ)に菌液を注入したと仮定している。
図4(a)および図4(b)に示すように、流れ場が油汚染帯の領域を迂回するように分布していることから、シミュレーションにおいて油汚染帯の低排水性が考慮されていることがわかる。また、栄養塩の比重の違いに着目して、図4(a)および図4(b)を参照すると、図2(a)および図2(b)に示す実験用土槽における比抵抗の測定値の分布を反映するように、図4(a)では、土槽の下方向(図4(a)中のZ軸の負の方向)に菌液が分布し、図4(b)では、土槽の水平方向(図4(b)中のX軸の正の方向)に菌液が分布していることから、シミュレーションにおいて栄養塩の比重が考慮されていることがわかる。よって、(式2)および(式3)に示す、本発明の推定方法において移流分散解析に用いる物質移動モデルは、原位置バイオレメディエーションの設計に有効である。
以上、本発明を特定の実施の形態によって説明したが、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではない。
上記実施形態では、土壌の浄化に用いる微生物にRhodococcus属細菌またはGordonia属細菌を用い、栄養塩に四倍濃縮改変SW培地を用いているが、これに限られず、土壌を浄化することができる微生物および栄養塩の組み合わせであればよい。
また、上記実施形態では、制約条件に、地盤内での菌液の分布を用いているが、追加の制約条件として、制約条件が、浄化対策に要する総時間、微生物の総量、浄化時間、イニシャルコストおよびトータルコスト等の費用に関する情報を含んでもよい。
また、上記実施形態では、初期パラメータに、注入流量および注入位置を用いているが、追加のパラメータとして、初期パラメータが注入井の本数およびその種類(鉛直または水平)、並びに注入方式(連続注入または間欠注入)を含んでもよい。鉛直の注入井戸は、解析空間の深度方向の幾つかの節点を用いて井戸のストレーナを表現し、ストレーナを構成する節点に対して、注入流量を井戸のストレーナの長さで割った値を(式2)および(式3)中の生成項Qとする。水平の注入井戸も、同様に、解析空間の水平方向の幾つかの節点に対して、注入流量を井戸のストレーナ長で割った値を(式2)および(式3)中の生成項Qとする。注入した総水量は、注入流量と注入時間との積、またはストレーナの単位長さ当たりの注入流量とストレーナ長と注入時間との積として与えられる。短期間で所定量の水量を注入するシミュレーションを実施する場合には、注入流量を大きくし、注入時間を小さくする条件設定となる。短期間での注入のように、間欠注入をシミュレーションする場合は、注入期間内は正の注入流量を与え、注入期間外は注入流量をゼロとするような、境界条件を時間とともに変化させる必要がある。
以下に、本発明の実施例を示し、本発明の特徴をより明確にする。図5に、実際の現場における菌液の原位置注入実験(原位置バイオレメディエーション)を説明する現場の地盤の概略断面図を示す。本実施例では、本発明の推定方法において用いる(式2)および(式3)に示す物質移動モデルの有効性を、実際の現場(以下、フィールドと記す)において検討した。
フィールドは、地表面(GL)から盛土、ローム、細砂、凝灰質粘土の順で地層が形成されており、細砂層内に地下水面が地表面から4.2m下方の位置に存在する地盤であった。地盤内の地表面から5.0m下方の位置に水平ボーリングを削孔し、注入用井戸管を配設し、水平部分の井戸管から、ゾーンIでは栄養塩を、ゾーンIIでは微生物を注入した。ゾーンIの周辺には、栄養塩濃度をモニタリングするための電気伝導度センサーを所定位置に埋設し、その応答から栄養塩の分布状況を把握した。栄養塩の地盤内挙動が実験値と予測値との間でどの程度の差異が生じるのかという検討を行い、本発明において用いる物質移動モデルのフィールドスケールでの有効性を調査した。
図6に、本発明の実施の形態に係る推定方法を原位置バイオレメディエーションに適用して、微生物および栄養塩の最適な注入条件を決定する際の具体的な手順を示すフローチャートを示す。
まず地盤調査を行い、地下水位、地下水流向、透水係数、不飽和浸透特性曲線、および水分特性曲線を調べた(ステップS11)。引き続き油汚染帯の分析を行い、汚染濃度、汚染範囲、油種を調べた(ステップS12)。ステップS12を行った後は、ステップS13とステップS15とを並行して行った。
次に、油汚染帯の油種に応じて、適切な微生物と栄養塩、およびそれらの濃度を決定し(ステップS13)、引き続き、注入する微生物および栄養塩の比重を各々測定した(ステップS14)。
一方、地下水面の位置に基づいて、解析空間に初期水飽和度分布を与え(ステップS15)、初期水飽和度分布に基づいて、解析空間に透水係数を与えた(ステップS16)。ここで、油汚染帯の透水係数を、飽和透水係数の1/3〜1/2の大きさで与えた。なお、透水係数を理論的に与える場合には、計測した不飽和浸透特性曲線に基づき、油汚染帯の水飽和度(1から油飽和度と空気飽和度を減じた値)に対応した透水係数値を与えればよい。
ステップS13〜ステップS14の処理と、ステップS15〜ステップS16の処理とを並行して行った後、ステップS14で測定した微生物および栄養塩の比重を各々物質移動モデルに代入し、ステップS13で決定した微生物および栄養塩の濃度を境界条件として、注入条件である注入位置と注入流量とを逐次パラメトリックに変化させて、移流分散解析によるシミュレーションを実施した(ステップS17)。引き続き、求めた微生物および栄養塩の濃度分布が、油汚染帯に所要量の微生物および栄養塩を与えることが可能な濃度分布か否かを判断した(ステップS18)。得られた濃度分布が、油汚染帯に所要量の微生物および栄養塩を与えることが可能な濃度分布でなかった場合は、ステップS19に移行し、注入条件である注入位置および注入流量の少なくとも一方を変更して、再びステップS17に移行した。このようにして、ステップS17で得られた濃度分布が、油汚染帯に所要量の微生物および栄養塩を与えることができる濃度分布となるまで、注入条件を変更してステップS17〜ステップS19の処理を繰り返し、油汚染帯に所要量の微生物および栄養塩を与えることができる最適な注入条件を決定した。
図7に、対象地盤内での栄養塩濃度の実測値と本発明の推定方法によるシミュレーションによる予測値とを表すグラフを示す。図7中、例えば[GL-4.5 m,r = 0.71 m]とは、地表面から深度4.5mで注入地点から0.71m離れた位置を表す。栄養塩の注入地点は[GL-5.0 m,r = 0.00 m]である。
図7のグラフに示された結果を参照すると、注入地点に近いほど、予測値(実線または破線で示す)は実測値(記号で示す)とほぼ等しくなっていた。逆に、注入地点から離れるにつれて実測値と予測値の差は顕著になるが、濃度プロファイルの傾向は充分に再現できていた。従って、栄養塩の浸透範囲を予測する手段として、(式2)および(式3)に示す物質モデルを用いることの有効性が、大規模なフィールド実験においても確認された。
以上、上記した実施例において、対象地盤内での菌液の挙動を表す実測値と、本発明の推定方法によるシミュレーション結果とが同じ傾向を与えたことにより、原位置バイオレメディエーションの注入条件の設計では、流体密度が充分に小さいものと仮定した従来の物質移動モデルよりも、栄養塩比重を考慮した物質移動モデルを適用することが有効であることが示された。また、油汚染帯の影響により油汚染帯を迂回するような流れ場が発生していることから、解析に与える初期条件(全水頭)や物性条件(透水係数)を解析空間に対して均質に与えるのではなく、油汚染帯の存在を考慮した条件設定が有効である(例えば、油汚染帯の透水係数を、非汚染帯のそれに比べて小さく設定する)ことが示された。
A,D 油汚染帯
B,E,F 菌液の注入位置
C 菌液の拡散範囲

Claims (5)

  1. 物質移動モデルを用いた移流分散解析によるコンピュータシミュレーションにより、汚染土壌の微生物分布および栄養塩分布の時間変化を推定する方法であって、
    前記物質移動モデルが、地盤内の流れ場に関する浸透流解析の微分方程式と、前記地盤内での前記微生物の濃度分布および前記栄養塩の濃度分布に関する移流分散解析の微分方程式とを連立させた物質移動モデルであり、
    前記浸透流解析の微分方程式および前記移流分散解析の微分方程式の各々において、水の密度を、当該水に含まれる淡水の密度、前記微生物の濃度および前記栄養塩の濃度に依存する関数として与えることを特徴とする、汚染土壌の微生物分布および栄養塩分布の推定方法。
  2. 前記浸透流解析の微分方程式および前記移流分散解析の微分方程式の各々において、
    間隙内流速の計算に用いる透水係数比を、水飽和度に依存する関数として与え、
    油汚染帯の油飽和度を、油の濃度に依存する関数として与え、当該油飽和度を用いて、前記水飽和度を修正することを特徴とする、請求項1に記載の汚染土壌の微生物分布および栄養塩分布の推定方法。
  3. 前記浸透流解析の微分方程式が、
    Figure 2010214282
    であり、
    前記移流分散解析の微分方程式が、
    Figure 2010214282
    であり、
    前記水の密度を与える前記関数が、
    Figure 2010214282
    であり、Sは水飽和度、ρは水の密度[M/L]、ρ は微生物または栄養塩の濃度[M/L]、λ は死滅定数または減衰定数[1/T]、vは土の間隙内を流れる水の流速[L/T]、Φは土の間隙率、Dijは分散係数テンソル[L/T]、Kijは固有透過度テンソル[L]、k は相対透水係数比、μは水の粘性係数[M/LT]、Pは水の圧力[M/LT]、γは水の単位体積重量[M/L]、zは基準位置からのz座標[L]、μWrは淡水の粘性係数[M/LT]、μ Wrは注入する菌液の粘性係数[M/LT]を表し、Qは生成項[1/T]を表し、ρWrは淡水の密度[M/L]、ρ Wrは注入する菌液の微生物濃度および栄養塩濃度[M/L]を表すことを特徴とする、請求項1または2に記載の汚染土壌の微生物分布および栄養塩分布の推定方法。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の推定方法によって、所定の時間における汚染土壌の微生物分布および栄養塩分布を得る第1ステップと、
    前記微生物分布および前記栄養塩分布が、前記汚染土壌に対して、所要量の前記微生物および前記栄養塩を与えることが可能な分布か否かを判断する第2ステップと、
    前記微生物分布および前記栄養塩分布が、前記汚染土壌に対して、所要量の前記微生物および前記栄養塩を与えることが可能な分布である場合に、前記微生物分布および前記栄養塩分布を与える前記微生物および前記栄養塩の注入条件を、原位置バイオレメディエーションの注入条件に決定する第3ステップとを含む、原位置バイオレメディエーションの注入条件決定方法。
  5. 前記注入条件が、前記微生物および前記栄養塩の各々の注入位置と、前記微生物および前記栄養塩の各々の注入流量とを含む請求項4に記載の原位置バイオレメディエーションの注入条件決定方法。
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