JP2010196329A - 手摺りの取付構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】使用者Mが手摺り8を掴んで床面1の上段2及び下段3間の段差部4を上り下りする際に、安定した姿勢で上り下りできるようにする。
【解決手段】手摺り8は、下段側端部13aが床面1における上段2の段差側端部2aに対応する位置よりも所定距離Xだけ下段3側にずれて位置するように、上段2から下段3に亘る範囲の床面1に対応して水平又は略水平に取り付けられる上側水平部13と、この上側水平部13の下段側端部13aに連続し、下段3の床面1に向かって下がるように傾斜して取り付けられる傾斜部14とを有するものとし、使用者Mが手摺り8の上側水平部13を掴んで床面1の段差部4を上り下りできるようにする。
【選択図】図1
【解決手段】手摺り8は、下段側端部13aが床面1における上段2の段差側端部2aに対応する位置よりも所定距離Xだけ下段3側にずれて位置するように、上段2から下段3に亘る範囲の床面1に対応して水平又は略水平に取り付けられる上側水平部13と、この上側水平部13の下段側端部13aに連続し、下段3の床面1に向かって下がるように傾斜して取り付けられる傾斜部14とを有するものとし、使用者Mが手摺り8の上側水平部13を掴んで床面1の段差部4を上り下りできるようにする。
【選択図】図1
Description
本発明は、玄関等に取り付けられる手摺りの取付構造に関する。
従来、床面に段差がある箇所に設置される手摺りの取付構造として、図8に示すように、玄関ホール2′と、この玄関ホール2′に段差部4を介して連続する土間3′とが形成された玄関の床面1′において、その玄関ホール2′又は土間3′の床面1′に対し平行に直棒状の手摺り8′を配設したものが知られている。図8中、22は手摺り8′の両端部に取り付けられたエンドキャップ、23は手摺り8′を壁面6に取付固定するためのブラケットである。
また、この他、例えば特許文献1に示されるように、廊下から玄関ホールにかけて床面に対して平行に配設した手摺りと、土間及び玄関ホールの間の段差に合わせて傾斜して配設した手摺りとをそれぞれ支柱上端に取り付け、両手摺りを組み合わせて連続させたものも知られている。
特開2007−132065号公報
しかしながら、このような従来の手摺り取付構造では、それぞれ次のような欠点があった。
すなわち、直棒状の手摺り8′を玄関ホール2′又は土間3′の床面1′に対して平行に配設した図8のものでは、手摺り8′を上段の玄関ホール2′において使い易い高さ位置に設置すると、下段側の土間3′において手摺り8′の高さ位置が高くなり過ぎて使用し難くなる。逆に、手摺り8′を下段側の土間3′において使い易い高さ位置に設置すると、玄関ホール2′において手摺り8′の高さ位置が低くなり過ぎてしまい、やはり使用し難くなる。
一方、使用者が手摺りに手を添わせながら前方に進む場合、通常、現在位置よりも前方の手摺りを掴んだ後に体を前に進める動作が行われる。そのため、上記のように、廊下から玄関ホールにかけて床面に対して平行に配設した手摺りと、土間及び玄関ホール間の段差に合わせて傾斜して配設した手摺りとを組み合わせて連続させた引用文献1のものにおいては、特に段差部を降りる際に、手摺りの傾斜した部分を掴む(握る)ことになり、姿勢(体勢)が若干前屈みになることで不安を覚えることになる。
本発明は斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、手摺りの取付構造を工夫することで、使用者が手摺りを掴んで段差部を上り下りする際に、安定した姿勢で上り下りできるようにすることにある。
上記の目的の達成のため、この発明では、手摺りの水平部分を上段の下段側端部(段差側端部)の位置よりも下段側に延ばして配置し、その水平部分で掴んで段差部を上り下りできるようにした。
具体的には、第1の発明に係る手摺りの取付構造は、上段及び下段が段差部を介して連続する床面の上方に、手摺りが上段及び下段間の床面に対応して連続するように取り付けられる取付構造であって、上記手摺りは、下段側端部が上記床面における上段の段差側端部に対応する位置(段差側端部の真上位置)よりも所定距離だけ下段側にずれて位置するように、上段及び該上段から下段に向かう範囲の床面に対応して水平又は略水平に取り付けられる水平部と、この水平部の下段側端部に連続し、下段の床面に向かって下がるように傾斜して取り付けられる傾斜部とを有していることを特徴とする。
この第1の発明では、手摺りが床面における上段に対応する水平部を有し、この水平部の下段側端部が、上段の段差側端部に対応する位置よりも所定距離だけ下段側にずれて位置しているので、その水平部は上段の範囲よりも下段側に所定距離だけ延びていることになる。そのため、使用者が手摺りを掴んで(握って)床面の上段から下段に段差部を下りる際に、下段側に向かって手摺りの水平部を掴んで状態で下りることができるようになり、安定した姿勢(体勢)で段差部を下りることができる。
また、逆に床面を下段から上段へ段差部を上がる際も、水平部を掴んだ状態で上がることができるため、傾斜した部分を握る必要がある従来の構造よりも安定した姿勢で上がることができる。
さらに、手摺りは、水平部の下段側端部に連続しかつ下段の床面に向かって下がる傾斜部を有するため、その傾斜部で手摺りに手を摺らせながら段差部の上り下りの動作ができ、一層安全に手摺りを使用することができる。
第2の発明は、第1の発明において、手摺りの水平部の下段側端部が、床面における上段の段差側端部に対応する位置から下段側にずれた距離は、その上段の段差側端部上に下段側に向かって立った人が手を下段側に伸ばして手摺りを掴んだときに該手が水平部の下段側端部を掴み得るように、10cm以上でかつ20cm以下(10〜20cm)であることを特徴とする。
すなわち、成人の使用者が床面を上段から下段に下りようとする際に、その爪先(つま先)が上段における段差側端部の位置になるように立ったとき、その手を前に差し出して手摺りを掴む位置は上段の段差側端部の位置よりも5〜11cm程度下段側となる。しかし、実際に下段に下りるために手摺りで手を摺りながら使用する場合に、使用者の姿勢が若干前屈みになり、使用者の年齢や体格等にも個人差がある。このことから、第2の発明では、水平部の下段側端部の位置を10〜20cmとすることで、使用者に個人差や姿勢変化があっても、それらに対応して安定して床面の段差を上り下りすることができる。
第3の発明は、第1又は2の発明において、床面は玄関の床面であることを特徴とする。
この第3の発明では、本発明の効果が有効に発揮される最適な床面が得られる。
以上説明のように、第1の発明によると、上段及び下段が段差部を介して連続する床面上方に、手摺りを上段及び下段間の床面に対応して連続するように取り付ける場合において、手摺りを、略上段の床面に対応して取り付けられる水平部と、この水平部に連続し、下段の床面に向かって下がるように傾斜して取り付けられる傾斜部とを有するものとし、その水平部の傾斜部側たる下段側の端部を床面における上段の段差側端部に対応する位置よりも所定距離だけ下段側にずらして配置したことにより、使用者が手摺りを掴んで床面の上段から下段に段差部を下りる際に、下段側に向かって手摺りの水平部を掴んだ状態の安定した姿勢で段差を下りることができるとともに、逆に床面を下段から上段へ段差部を上がる際も、水平部を掴んだ状態の安定した姿勢で上がることができ、さらには、手摺りの傾斜部で手摺りに手を摺らせながら段差の上り下りの動作ができ、一層安全に手摺りを使用することができる。
第2の発明によると、水平部の下段側端部が、床面における上段の段差側端部に対応する位置から下段側にずれた距離を、上段の段差側端部上に下段側に向かって立った人が手を下段側に伸ばして手摺りを掴んだときに該手が水平部の下段側端部を掴むよう10〜20cmとしたことにより、使用者に個人差や下りるときに姿勢変化があっても、それらに対応して安定して床面の段差を上り下りすることができる。
第3の発明によると、床面を玄関の床面としたことにより、本発明の効果が有効に発揮される最適な床面が得られる。
以下、本発明の最良の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものでは全くない。
(実施形態1)
図1は本発明の実施形態1に係る手摺りの取付構造を示し、1は例えば玄関における床面であって、この床面1には水平な上段2と、この上段2よりも所定の高さh(例えばh=18cmだけ低い水平な下段3とが形成され、これら上段2及び下段3は上下鉛直面からなる1つの段差部4を介して連続している。
図1は本発明の実施形態1に係る手摺りの取付構造を示し、1は例えば玄関における床面であって、この床面1には水平な上段2と、この上段2よりも所定の高さh(例えばh=18cmだけ低い水平な下段3とが形成され、これら上段2及び下段3は上下鉛直面からなる1つの段差部4を介して連続している。
6は上記床面1側方の壁面で、この壁面6には床面1を歩行移動する際の支えとなる手摺り8が上段2及び下段3間の床面1に対応して連続するように取り付けられている。
上記手摺り8は第1〜第3の3つの手摺り部材9〜11からなり、その何れも、通常一般の手摺りによく用いられている例えば直径35mm程度の断面円形の棒状のものである(図2(c)参照)。第1及び第3手摺り部材9,11は真っ直ぐに延びた直棒状のものであるが、第2手摺り部材10は略S字状に湾曲している。
すなわち、図2に拡大して示すように、第2手摺り部材10の中間部には、互いに逆方向に同じ曲率半径で曲がる上側及び下側の湾曲部10b,10cが連続して形成されている。そして、上側湾曲部10bには上側直線部10aが、また下側湾曲部10cには下側直線部10dがそれぞれ連続して形成され、これら直線部10a,10dは第2手摺り部材10の両端部に位置して互いに平行に直線状に延びている。尚、この第2手摺り部材10の2つの湾曲部10b,10cの曲率半径によって後述する傾斜部14の傾斜角度θが決まるようになっており、その傾斜角度θは上段2及び下段3間の段差部4の高さhに合わせて設定される。例えば、図2に示す第2手摺り部材10は段差部4の高さhが小さい床面1に対応するものであるのに対し、段差部4の高さhが大きい場合には、図4に示すように、湾曲部10b,10cの曲率半径が小さく、傾斜部14の傾斜角度θが大きい(急な角度の傾斜部14を有する)ものが用いられる。このことで、段差部4の高さhに応じて容易に調整することができる。
各手摺り部材9〜11の材料としては、例えば集成材、合板、木質繊維板(IB、MDF等)、木削片板(パーティクルボード、ストランドボード、OSB等)、無垢材、その他の木質材料、プラスチック等の合成樹脂、アルミニウム等の金属、或いはこれらを任意に組み合わせた複合材料等を用いることができる。
そして、第1及び第3手摺り部材9,11間に第2手摺り部材10を各々の端部が突き合わされるように直列に配置し、第1手摺り部材9の一端部と第2手摺り部材10の一端部とを連結金具21により、また第2手摺り部材10の他端部と第3手摺り部材11の一端部とを連結金具21によりそれぞれ接続することで、手摺り8が構成されている。
また、手摺り8全体の両端部に相当する、第1及び第3手摺り部材9,11の各他端部にはそれぞれエンドキャップ22,22が取り付けられている。
さらに、手摺り8は、各手摺り部材9〜11の端部の位置で複数のブラケット23,23,…により下側から支持されて壁面6に取り付けられている。尚、これに限らず、例えば床面1上に複数の支柱を立設してその上端部間に手摺り8を取り付けるようにしてもよい。
上記連結金具21、エンドキャップ22、ブラケット23は一般的で公知のものであり、例えば金属製やプラスチック製のものが用いられる。
上記第1〜第3手摺り部材9〜11が接続されて構成された手摺り8は、上側水平部13と傾斜部14と下側水平部15とに分けられている。上側水平部13は、第1手摺り部材9の全体と、この第1手摺り部材9の一端部に接続された第2手摺り部材10の上側直線部10aとからなり、この上側水平部13は、その下段側端部13aで傾斜部14に連続している。
また、傾斜部14は第2手摺り部材10の中間部、つまり上側湾曲部10b及び下側湾曲部10cからなるもので、その上段側端部が上記上側水平部13の下段側端部13a(第2手摺り部材10における上側直線部10aの端部)に連続している。
さらに、下側水平部15は、上記上側水平部13と同様に、第2手摺り部材10の下側直線部10dと第3手摺り部材11とからなり、その上段側端部が上記傾斜部14の下段側端部に連続している。
そして、上記上側水平部13は、その下段側端部13a、つまり第2手摺り部材10の上側直線部10aと上側湾曲部10bとの境界位置が、上記床面1における上段2の下段3側にある段差側端部2a(段差部4)に対応する位置(段差側端部2aの真上位置)よりも所定距離Xだけ下段3側にずれて位置するように、上段2から下段3に亘る範囲の床面1に対応して水平又は略水平に取り付けられている。すなわち、第1手摺り部材9と第2手摺り部材10の上側直線部10aとからなる上側水平部13が、床面1の上段2及び下段3間の段差部4の、上段2側から下段3側に亘り設けられる位置となるように、手摺り8が取り付けられている。この上側水平部13の下段側端部13aが、床面1における上段2の段差側端部2aに対応する位置(段差側端部2aの真上位置)から下段3側にずれた距離Xは、図3(a)に示すように、上段2の段差側端部2a上に下段3側に向かって立った人(使用者M)が手M1を下段3側に伸ばして手摺り8を掴んだときに該手M1が上側水平部13の下段側端部13aを掴み得るように、10cm以上でかつ20cm以下(X=10〜20cm)とされている。
また、傾斜部14は、下段3の床面1に向かって下がるように床面1(上段2及び下段3)に対し所定の傾斜角度θで傾斜して取り付けられている。さらに、下側水平部15は、下段3の床面1に対応して水平又は略水平に取り付けられている。
また、上記手摺り8の上側水平部13の上段2から高さと、下側水平部15の下段3から高さとは同じか略同じとされている。
したがって、この実施形態の手摺りの取付構造においては、手摺り8における上側水平部13の下段側端部13aが、床面1における上段2の段差側端部2aに対応する位置(段差側端部2aの真上位置)よりも所定距離Xだけ下段3側にずれて位置しており、その上側水平部13は、床面1における上段2の範囲よりも下段3側に所定距離Xだけ延びていることになる。そのため、図3(a)に示すように、使用者Mが手摺り8を掴んで床面1の上段2から下段3に段差部4を下りる際に、下段3側に向かって手摺り8の上側水平部13を掴んだ状態で下りることができるようになり、安定した姿勢で段差部4を下りることができる。
そして、このように成人の使用者Mが床面1を上段2から下段3に下りようとする際に、その爪先(つま先)が上段2における段差側端部2aの位置になるように立った状態では、その手M1を前に差し出して手摺り8を掴む位置は上段2の段差側端部2aの位置よりも5〜11cm程度だけ下段3側となるが、実際に下段3に下りるために手摺り8で手M1を摺りながら使用する場合には、使用者Mの姿勢が若干前屈みになり、使用者Mの年齢や体格等にも個人差がある。この実施形態では、手摺り8の上側水平部13の下段側端部13aが下段3側にずれた距離Xは、上段2の段差側端部2a上に下段3側に向かって立った人が手M1を下段3側に伸ばして手摺り8を掴んだときに該手M1が上側水平部13の下段側端部13aを掴み得るように、10〜20cmとされているため、使用者Mが手摺り8を掴んで床面1の上段2から下段3に段差部4を下りる際に、使用者Mに個人差や姿勢変化があっても、下段3側に向かって手摺り8の上側水平部13を掴んだ状態で下りることができるようになり、安定した姿勢で段差部4を下りることができる。
また、図3(b)に示すように、逆に床面1を下段3から上段2へ段差部4を上がる際も、上記上側水平部13を掴んだ状態で上がることができ、傾斜した部分を握る必要のある従来の構造よりも安定した姿勢で上がることができる。
さらに、手摺り8は、上側水平部13の下段側端部13aに連続しかつ下段3の床面1に向かって下がる傾斜部14を有するため、その傾斜部14で手摺り8に手M1を摺らせながら段差部4の上り下りの動作ができ、一層安全に手摺り8を使用することができる。
また、本実施形態1に係る手摺り8は、第1〜第3手摺り部材9〜11を一体的に接続したものであるので、第2手摺り部材10のみを共通部材とし、第1又は第3手摺り部材9,11の長さを変更することで、それぞれの使用状況に合わせて、床面1の上段2又は下段3に応じて水平な部分の長さを調節することができるとともに、施工現場への配送等を行い易くすることができる。
(実施形態2)
図5は本発明の実施形態2を示し(尚、以下の各実施形態では、図1〜図4と同じ部分については同じ符号を付してその詳細な説明は省略する)、手摺り8を一体形成したものである。
図5は本発明の実施形態2を示し(尚、以下の各実施形態では、図1〜図4と同じ部分については同じ符号を付してその詳細な説明は省略する)、手摺り8を一体形成したものである。
すなわち、この実施形態に係る手摺り8は、上記実施形態1のように第1〜第3手摺り部材9〜11に分割されておらず、第1及び第2手摺り部材9,10にそれぞれ相当するものが、予め接続後の形状に成形により一体に形成されている。尚、第3手摺り部材11に相当するものは設けられていない。
また、第2手摺り部材10に相当するものは略S字状に湾曲しておらず、その下端部は斜めに延びた直棒状のものとされている。そして、手摺り8は水平部13と、この水平部13の下段側端部13aに連続する傾斜部14とからなり、水平部13は、その下段側端部13aが床面1における上段2の段差側端部2aに対応する位置(段差側端部2aの真上位置)よりも所定距離Xだけ下段3側にずれて位置するように、上段2から下段3に亘る範囲の床面1に対応して水平又は略水平に取り付けられている。また、傾斜部14は、下段3の床面1に向かって下がるように傾斜して取り付けられている。その他の構成は上記実施形態1と同じである。
したがって、この実施形態でも実施形態1と同様の作用効果を奏することができる。また、手摺り8が予め接続後の形状に一体に成形されたものであるので、連結金具21は不要となり、実施形態1のように、段差部4の上り下りの際に掴む部分付近に、連結金具21や、その連結金具21付近で各手摺り部材9〜11を確実に壁面6に固定するために取り付けられるブラケット23が位置することはなく、より使用し易いものとなる。
(実施形態3)
図6は実施形態3を示し、上記実施形態1,2とは異なり、上段2及び下段3の間に中段を有する床面1上の手摺り8の取付構造に適用したものである。
図6は実施形態3を示し、上記実施形態1,2とは異なり、上段2及び下段3の間に中段を有する床面1上の手摺り8の取付構造に適用したものである。
すなわち、この実施形態では、床面1に、水平な上段2と、この上段2よりも所定の高さh1(例えばh1=15cm)だけ低い水平な中段5と、この中段5よりもさらに所定の高さh2(例えばh2=15cm)だけ低い水平な下段3とが形成されており、上段2及び中段5は上下鉛直面からなる上段側段差部4aを介して、また中段5及び下段3は同様の下段側段差部4bを介してそれぞれ連続している。すなわち、上段2及び下段3は2つの段差部4a,4bを介して連続している。尚、中段5の幅(上段2及び下段3に沿う方向の長さ)は例えば45cmである。
そして、この実施形態に係る手摺り8は、上記実施形態1のものと同様に、直列に接続された第1〜第3手摺り部材9〜11で構成されていて、上側水平部13、傾斜部14及び下側水平部15からなり、上側水平部13は、その下段側端部13aが上記床面1における上段2の段差側端部2a(上段側段差部4a)に対応する位置(段差側端部2aの真上位置)よりも所定距離Xだけ下段3側にずれて中段5の幅方向中間部の真上位置に位置するように、上段2から中段5に亘る範囲の床面1に対応して水平又は略水平に取り付けられている。この上側水平部13の下段側端部13aが、床面1における上段2の段差側端部2aに対応する位置(段差側端部2aの真上位置)から下段3側にずれた距離Xは、上記実施形態1の場合と同様に、上段2の段差側端部2a上に下段3側に向かって立った人(使用者M)が手M1を下段3側に伸ばして手摺り8を掴んだときに該手M1が5上側水平部13の一端部を掴に得るように、10cm以上でかつ20cm以下とされている(図示例ではX=15cm)。
また、傾斜部14は、下段3の床面1に向かって下がるように床面1(上段2、中段5及び下段3)に対し傾斜して取り付けられている。さらに、下側水平部15は、下段3の床面1に対応して水平又は略水平に取り付けられている。
その他の構成は実施形態1と同様であり、この実施形態においても、中段5を有する床面1上に手摺り8を取り付ける構造に対し、実施形態1と同様の作用効果を奏することができる。
(その他の実施形態)
上記各実施形態では、手摺り8(手摺り部材9〜11)として、断面円形状のもの(図2(c)参照)を用いているが、これに限定されず、その他の断面形状のものを使用することができる。例えば、図7に示すように、床面1の段差部4,4a,4bの上り下りの際に指先をかけ易くするための凸状部を設けたもの等であってもよい。この手摺り8は、平らな上面部8aと、この上面部8aの左右両端に滑らかに連続する左右1対の指掛け凸部8b,8bと、この各指掛け凸部8bの下端に位置し、握ったときに指の第1関節よりも先端部が収まる左右1対の指先凹部8cと、これらの指先凹部8c,8c同士を接続する1つの半径の円弧面からなる下部8dとを備えていて、横断面形状が左右対称の形状のものである。
上記各実施形態では、手摺り8(手摺り部材9〜11)として、断面円形状のもの(図2(c)参照)を用いているが、これに限定されず、その他の断面形状のものを使用することができる。例えば、図7に示すように、床面1の段差部4,4a,4bの上り下りの際に指先をかけ易くするための凸状部を設けたもの等であってもよい。この手摺り8は、平らな上面部8aと、この上面部8aの左右両端に滑らかに連続する左右1対の指掛け凸部8b,8bと、この各指掛け凸部8bの下端に位置し、握ったときに指の第1関節よりも先端部が収まる左右1対の指先凹部8cと、これらの指先凹部8c,8c同士を接続する1つの半径の円弧面からなる下部8dとを備えていて、横断面形状が左右対称の形状のものである。
また、上記実施形態では、床面1の段差部4,4a,4bが上下鉛直面からなっているが、本発明は、段差部が傾斜している床面に対しても適用することができる。
また、上記実施形態では、玄関の床面1上方に手摺り8を取り付ける場合を示しているが、本発明は、玄関だけに限らず、床面に段差部が生じていて上り下りの補助のために手摺りが必要となる場所に対しても適用することができる。
本発明は、段差が生じて上り下りの補助のために手摺りが必要となる場所において、使用者が手摺りの水平部を握った状態で床面の段差部を上り下りできるという有効な効果があり、極めて有用で産業上の利用可能性が高い。
1 床面
2 上段
2a 段差側端部
3 下段
4,4a,4b 段差部
5 中段
8 手摺り
13 上側水平部(水平部)
13a 下段側端部(一端部)
X 所定距離
14 傾斜部
M 使用者
M1 手
2 上段
2a 段差側端部
3 下段
4,4a,4b 段差部
5 中段
8 手摺り
13 上側水平部(水平部)
13a 下段側端部(一端部)
X 所定距離
14 傾斜部
M 使用者
M1 手
Claims (3)
- 上段及び下段が段差部を介して連続する床面の上方に、手摺りが上段及び下段間の床面に対応して連続するように取り付けられる取付構造であって、
上記手摺りは、下段側端部が上記床面における上段の段差側端部に対応する位置よりも所定距離だけ下段側にずれて位置するように、上段及び該上段から下段に向かう範囲の床面に対応して水平又は略水平に取り付けられる水平部と、
上記水平部の下段側端部に連続し、下段の床面に向かって下がるように傾斜して取り付けられる傾斜部とを有していることを特徴とする手摺りの取付構造。 - 請求項1において、
手摺りの水平部の下段側端部が、床面における上段の段差側端部に対応する位置から下段側にずれた距離は、上段の段差側端部上に下段側に向かって立った人が手を下段側に伸ばして手摺りを掴んだときに該手が水平部の下段側端部を掴み得るように、10cm以上でかつ20cm以下であることを特徴とする手摺りの取付構造。 - 請求項1又は2において、
床面は玄関の床面であることを特徴とする手摺りの取付構造。
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JP2009041293A Pending JP2010196329A (ja) | 2009-02-24 | 2009-02-24 | 手摺りの取付構造 |
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JP (1) | JP2010196329A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016073551A (ja) * | 2014-10-08 | 2016-05-12 | 株式会社岡村製作所 | 補助部材、肘掛及び椅子 |
JP2016073552A (ja) * | 2014-10-08 | 2016-05-12 | 株式会社岡村製作所 | 椅子 |
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JPH0395911U (ja) * | 1990-01-19 | 1991-09-30 | ||
JPH07139116A (ja) * | 1993-11-15 | 1995-05-30 | Masanao Oiwa | 階段手摺り |
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JP3137495U (ja) * | 2007-09-14 | 2007-11-22 | 株式会社モルテン | 手すり |
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2009
- 2009-02-24 JP JP2009041293A patent/JP2010196329A/ja active Pending
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A521 | Written amendment |
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