JP2010185025A - タイヤ用ゴム組成物およびその製造法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)ジエン系ゴム100重量部当り、(B)両末端の合計ポリスチレン含量が15〜25重量%および30〜50重量%の2種類のポリスチレン-ポリブタジエン-ポリスチレントリブロック共重合体混合物1〜30重量部、(C)カーボンブラックおよびシリカの少なくとも一種30〜90重量部、(D)熱によって気化または膨張して気体を発生させる物質を内包した熱膨張性マイクロカプセル1〜20重量部および(E)前記(B)成分に対し重量比で0.6〜20となる量の可塑剤を配合してなるタイヤ用ゴム組成物。
【選択図】 なし
Description
天然ゴム(RSS#3) 50重量部
ブタジエンゴム(日本ゼオン製品ニポールBR1220) 50 〃
カーボンブラック(東海カーボン製品シースト6) 35 〃
シリカ(日本シリカ工業製品ニップシールAQ) 25 〃
シランカップリング剤(デクサ製品Si69) 2 〃
酸化亜鉛(正同化学工業製品酸化亜鉛3種) 4 〃
ステアリン酸(日油製品ビーズステアリン酸) 2 〃
老化防止剤(フレキシス製品6PPD) 2 〃
アロマオイル(昭和シェル石油製品エキストラクト4号S) 20 〃
硫黄(鶴見化学工業製品金華印油入微粉硫黄) 1.5 〃
加硫促進剤(大内新興化学工業製品ノクセラーCZ-G) 1.5 〃
熱膨張性マイクロカプセルA(松本油脂製薬製品マイクロスフェアーF100) 3 〃
以上の各成分の内、硫黄、加硫促進剤および熱膨張性マイクロカプセルAを除く各成分を、密閉式バンバリーミキサを用いて5分間混合し、これらの混合物を混合機外に放出して室温迄冷却させた後、同じバンバリーミキサを用いて、硫黄、加硫促進剤および熱膨張性マイクロカプセルAを配合し、混合した。
氷上性能:加硫シートを偏平円柱状の台ゴムに貼り付け、インサイドドラム型氷上摩
擦試験機を用い、測定温度-1.5℃、荷重0.54MPa(5.5kg/cm2)、ドラム回転
速度25km/時間の条件下で氷上摩擦力を測定し、標準例で得られた値を100
とする指数で示した
(この値の大きい程、氷上性能にすぐれていることを示している)
老化硬化増加率:リュプケサンプルを、80℃、120時間の条件下で空気加熱老化試験
を行い、老化試験前後における20℃での硬度をJIS K6253に準拠し
て測定して、硬度の増加率(百分率)を算出し、標準例で得られた値
を100とする指数で示した
(この値の小さいもの程、空気加熱老化試験における硬度の増加率
が少なく、経時的な老化硬度の上昇が抑制され、物性変化が小さく
良好であることを示している)
発熱性:JIS K6394準拠、東洋精機製作所製粘弾性スペクトロメーターを用い、初期
歪10%、振幅±2%、周波数20Hzの条件下で、60℃におけるtanδを測定し、
標準例で得られた値を100とする指数として示した
(この値が小さい程、発熱量が抑えられ、また転がり抵抗が良好であること
を示している)
比較例1において、さらにポリスチレン-ポリブタジエン-ポリスチレントリブロック共重合体混合物(アルファジャパン製品α-Gel 1000;両末端の合計ポリスチレン含量が15〜25重量%のものが30重量%と30〜50重量%のものが70重量%のトリブロック共重合体混合物;Mn 20×104)が0.5重量部用いられ、同様の測定が行われた。
比較例1において、さらにポリスチレン-ポリブタジエン-ポリスチレントリブロック共重合体混合物(α-Gel 1000)が2重量部用いられ、同様の測定が行われた。
比較例1において、さらにポリスチレン-ポリブタジエン-ポリスチレントリブロック共重合体混合物(α-Gel 1000)が10重量部用いられ、同様の測定が行われた。
比較例1において、さらにポリスチレン-ポリブタジエン-ポリスチレントリブロック共重合体混合物(α-Gel 1000)が20重量部用いられ、同様の測定が行われた。
実施例2において、ポリスチレン-ポリブタジエン-ポリスチレントリブロック共重合体混合物(α-Gel 1000)が40重量部用いられ、同様の測定が行われた。
実施例2において、ポリスチレン-ポリブタジエン-ポリスチレントリブロック共重合体混合物(α-Gel 1000)が用いられず、同様の測定が行われた。
比較例1〜2、実施例1〜3、比較例3〜4において、それぞれアロマオイルの代わりにパラフィン系オイル(出光石油化学製品PW-380)が同量(20重量部)用いられ、同様の測定が行われた。測定結果は、標準例2を100とする指数で示した。
表1
オイル/共重合体 氷上 老化硬度 発熱性
例 重量比 性能 増加率 (tan δ)
比較例1 − 100 100 100
〃 2 40 100 99 100
実施例1 10 100 93 101
〃 2 2 101 89 101
〃 3 1 100 88 104
比較例3 0.5 100 89 111
〃 4 2 85 88 101
比較例5 − 100 100 100
〃 6 40 100 100 100
実施例4 10 101 87 100
〃 5 2 100 81 101
〃 6 1 101 80 104
比較例7 0.5 100 79 110
〃 8 2 87 80 101
比較例2、実施例1〜3、比較例3において、それぞれ同量のポリスチレン-ポリブタジエン-ポリスチレントリブロック共重合体混合物(40〜0.5重量部)およびアロマオイル(20重量部)を用い、アロマオイルを予めポリスチレン-ポリブタジエン-ポリスチレントリブロック共重合体混合物に吸収させた後、同様に混合、加硫および測定を行った。測定結果は、標準例1(比較例1)を100とする指数で示した。
アロマオイル20重量部を予めポリスチレン-ポリブタジエン-ポリスチレントリブロック共重合体混合物10重量部に吸収させて用いられた実施例8において、熱膨張性マイクロカプセルAが用いられなかった。
比較例9、実施例7〜9、比較例10〜11において、それぞれアロマオイルの代わりにパラフィン系オイル(PW-380)が同量用いられ、同様の測定が行われた。測定結果は、標準例2(比較例5)を100とする指数で示した。
表2
オイル/共重合体 オイル吸収 氷上 老化硬度 発熱性
例 重量比 重合体量(部) 性能 増加率 (tan δ)
比較例1 − − 100 100 100
〃 9 40 20.5 101 98 100
実施例7 10 22 100 86 100
〃 8 2 30 100 78 101
〃 9 1 40 101 77 103
比較例10 0.5 60 101 76 110
〃 11 2 30 82 77 101
比較例5 − − 100 100 100
〃 12 40 20.5 101 97 100
実施例10 10 22 100 80 101
〃 11 2 30 100 70 102
〃 12 1 40 101 68 104
比較例13 0.5 60 101 69 111
〃 14 2 30 85 69 102
ポリスチレン-ポリブタジエン-ポリスチレントリブロック共重合体混合物(α-1000)が10重量部用いられた実施例2において、熱膨張性マイクロカプセルとして特許文献7の実施例1〜2で合成された熱膨張性マイクロカプセルB(固形分濃度40重量%のコロイダルシリカ45g、ジエタノールアミン-アジピン酸縮合物1g、NaCl 150gおよびイオン交換水500gを加えて混合した後pHを3.5に調整し、水系分散媒体を製造した。これとは別に、アクリロニトリル70g、メタクリルニトリル70g、メタクリル酸7g、エチレングリコールジメタクリレート3gおよびアゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)1gを混合して均一溶液の単量体混合物とし、これにイソペンタン20gおよび2-メチルペンタン30gと共に、オートクレーブ中に仕込み、混合した。その後、水系分散媒体をオートクレーブ中に仕込み、5分間700rpmで攪拌した後窒素置換し、反応温度60℃、反応圧力0.5MPa、攪拌条件350rpmで8時間反応させたもの;発泡開始温度160℃、最大膨張温度200℃)が、同量(3重量部)用いられた。
実施例13において、シリカおよびシランカップリング剤が用いられず、カーボンブラック(シースト6)量が60重量部に変更された。
実施例13において、カーボンブラックが用いられず、シリカ(ニップシール)量が60重量部に、またシランカップリング剤(Si69)量が4.8重量部にそれぞれ変更された。
実施例13〜15において、それぞれアロマオイルの代わりにパラフィン系オイル(PW-380)が同量(20重量部)用いられ、同様の測定が行われた。測定結果は、標準例2を100とする指数で示される。
表3
氷上 老化硬度 発熱性
例 性能 増加率 (tan δ)
比較例1 100 100 100
実施例13 107 88 101
〃 14 105 88 105
〃 15 110 88 98
比較例5 100 100 100
実施例16 106 80 101
〃 17 104 81 104
〃 18 109 80 97
実施例14〜16において、それぞれ同量のポリスチレン-ポリブタジエン-ポリスチレントリブロック共重合体混合物(40〜0.5重量部)およびアロマオイル(20重量部)を用い、アロマオイルを予めポリスチレン-ポリブタジエン-ポリスチレントリブロック共重合体混合物に吸収させた後、同様に混合、加硫および測定を行った。測定結果は、標準例1(比較例1)を100とする指数で示される。
実施例19〜21において、それぞれアロマオイルの代わりにパラフィン系オイル(PW-380)が同量用いられ、同様の測定が行われた。測定結果は、標準例2(比較例5)を100とする指数で示される。
表4
氷上 老化硬度 発熱性
例 性能 増加率 (tan δ)
比較例1 100 100 100
実施例19 107 77 101
〃 20 104 77 104
〃 21 110 77 97
比較例5 100 100 100
実施例22 107 69 102
〃 23 105 69 103
〃 24 111 69 99
Claims (11)
- (A)ジエン系ゴム100重量部当り、(B)両末端の合計ポリスチレン含量が15〜25重量%および30〜50重量%の2種類のポリスチレン-ポリブタジエン-ポリスチレントリブロック共重合体混合物1〜30重量部、(C)カーボンブラックおよびシリカの少なくとも一種30〜90重量部、(D)熱によって気化または膨張して気体を発生させる物質を内包した熱膨張性マイクロカプセル1〜20重量部および(E)前記(B)成分に対し重量比で0.6〜20となる量の可塑剤を配合してなるタイヤ用ゴム組成物。
- (A)成分ジエン系ゴムが天然ゴム、ブタジエンゴムまたはこれらのブレンドゴムである請求項1記載のタイヤ用ゴム組成物。
- 2種類の異なる割合でポリスチレンがブロック共重合されたトリブロック共重合体混合物が、トリブロック共重合体混合物中、15〜25重量%の割合で両末端ポリスチレンがブロック共重合されたトリブロック共重合体20〜40重量%および30〜50重量%の割合で両末端ポリスチレンがブロック共重合されたトリブロック共重合体80〜60重量%の混合物である請求項1または2記載のタイヤ用ゴム組成物。
- (D)成分熱膨張性マイクロカプセルの殻材が、ニトリル系単量体を主成分とする単量体に分子中に二重結合およびカルボキシル基を有する単量体および2以上の二重結合を有する単量体を重合させた熱可塑性樹脂から構成されている請求項1、2または3記載のタイヤ用ゴム組成物。
- さらに膨張特性を調整するための共重合可能な単量体を重合させた熱可塑性樹脂が用いられた請求項4記載のタイヤ用ゴム組成物。
- (C)成分としてシリカを10重量部以上含有し、シリカ重量に対して3〜15重量%の硫黄含有シランカップリング剤を配合した請求項4または5記載のタイヤ用ゴム組成物。
- (E)成分可塑剤が石油系軟化剤または脂肪油系軟化剤である請求項1〜6のいずれかに記載されるタイヤ用ゴム組成物。
- スタッドレスタイヤのトレッド部成形材料として用いられる請求項1乃至7のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
- 請求項8記載のタイヤ用ゴム組成物から成形、加硫されたトレッド部を有するスタッドレスタイヤ。
- (A)ジエン系ゴム、(B)両末端の合計ポリスチレン含量が15〜25重量%および30〜50重量%の2種類のポリスチレン-ポリブタジエン-ポリスチレントリブロック共重合体混合物、(C)カーボンブラックおよびシリカの少なくとも一種および(E)可塑剤を混合機で混合した後、これに(D)熱によって気化または膨張して気体を発生させる物質を内包した熱膨張性マイクロカプセル、(F)硫黄および(G)加硫促進剤を混合機で混合することを特徴とする加硫性タイヤ用ゴム組成物の製造法。
- (E)可塑剤を予め吸収させた(B)両末端の合計ポリスチレン含量が15〜25重量%および30〜50重量%の2種類のポリスチレン-ポリブタジエン-ポリスチレントリブロック共重合体混合物を(A)ジエン系ゴムおよび(C)カーボンブラックおよびシリカの少なくとも一種と混合機で混合した後、これに(D)熱によって気化または膨張して気体を発生させる物質を内包した熱膨張性マイクロカプセル、(F)硫黄および(G)加硫促進剤と混合機で混合することを特徴とする加硫性タイヤ用ゴム組成物の製造法。
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