JP2010184284A - アルミニウム系材料の接合方法及び接合構造 - Google Patents
アルミニウム系材料の接合方法及び接合構造 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】アルミニウム又はアルミニウム合金から成る被接合材1,2の間に、酸化の標準生成自由エネルギーがAlよりも小さい元素、例えばLaを含有し、かつ被接合材の融点よりも低い融点を有する中間材3を介在させた状態で、中間材3の融点以上、被接合材1,2の融点以下の温度に加熱することによって、フラックスを用いることなく被接合材を接合する。
【選択図】図1
Description
このようなフラックスとしては、塩化物系又はフッ化物系の一種よりなるものが使用される(例えば、特許文献1参照)。
一般に、このようなフラックスの大部分は、熱水(80〜100℃)によって除去することができるが、さらに完全に除去するためには、酸処理を行う必要がある。
いずれにしても、このような酸処理や、その後の洗浄の工程、そのための設備が必要となって、生産コストが増すと共に、洗浄を完全に行うための酸洗が部品形状によって制約があったり、洗浄が十分ではないと腐食が生じたりするといったことが問題となる。
そもそも、熱応力や熱衝撃が問題となるような複雑形状の部品においては、製造工程上の制約から接合プロセス温度の上限が存在するため、高温プロセスであるロウ付による接合方法は適用できない。
すなわち、上記中間材には、酸化の標準生成自由エネルギーがAlよりも小さい元素、言い換えると、Alよりも酸化されやすい元素が含まれている。したがって、接合プロセスにおいて、アルミニウム系材料の表面に生成している酸化皮膜(Al2O3)が当該元素により還元され、被接合材の新生面が露出し、強固な接合界面が形成されることになる。
さらに、中間材の融点以上、被接合材の融点以下の温度で接合でき、中間材の選定によってかなり低温での接合が可能となるため、母材の焼きなましが防止され、強固な継手強度を確保できる。したがって、熱応力や熱衝撃が問題となるような複雑形状の部品のように、接合プロセス温度の上限が存在するような継手の接合にも適用することができる。
すなわち、各金属の酸化物の標準生成自由エネルギーについては、2823Kにおいて、Al2O3が−497kJ/mol−O2であるのに対し、La2O3、CeO2、Ce2O3、Pr2O3のそれは、それぞれ−928kJ/mol−O2、−775kJ/mol−O2、−900kJ/mol−O2、−989kJ/mol−O2であることが知られている。
また、上記「酸化の標準生成自由エネルギー」とは、接合プロセス温度におけるもの、すなわち中間材の融点以上、被接合材の融点以下の温度における標準生成自由エネルギーであることは言うまでもない。
そして、所定時間保持した後、放熱することによって、図1(e)に示すように、接合が完了する。
図2に示すように、純アルミニウム材(A1050−H24)から成る幅25mm、長さ100mm、厚み0.5mmの被接合材1,2の間に、La系合金La55Al25Ni20(融点:702K)から成る幅20mm、長さ12mm、厚さ30〜40μmの中間材3を挟み、重ね代を18mmとして接合を行った。
接合装置としては、図3に示すように、真空チャンバー内に試験片設置部と加圧部を備え、チャンバー内温度を熱電対によって検出して制御することができるホットプレス装置を用い、接合条件としては、加圧力を3tに一定制御し、接合温度を705K、保持時間を10分とした。
その結果、図4に示すように、接合界面に酸化物や他の成分によるコンタミは検出されなかった。
以上の観察結果からLa系合金とアルミニウム材間で拡散反応が確認され、La系合金の組成の一つであるNiが接合の際の冶金反応に寄与することで界面の密着性を向上させることができた。また、接合界面において、未接合領域である空隙などは確認されず、良好な接合界面が得られた。
上記同様の被接合材1,2を接合するに際し、中間材3として、La系合金La55Al20Cu25(融点:679K)を使用し、加圧力を3t、接合温度を682K、保持時間を10分の接合条件を採用したこと以外は、実施例1と同様の操作を繰り返し、本例の接合継手を得た。
当該実施例によって得られた接合界面においては、実施例1の接合界面に見られたような拡散反応層は確認されなかったが、実施例1と同様、接合界面において、未接合領域である空隙などは確認されず、良好な接合界面が得られた。
上記被接合材1,2を接合するに際し、中間材3として、Ce系合金Ce70Al10Cu20(融点:647K)を使用し、加圧力を3t、接合温度を650K、保持時間を10分の接合条件を採用したこと以外は、実施例1と同様の操作を繰り返し、本例の接合継手を得た。
同様の継手引張試験の結果、同様に母材破断する良好な継手性能が確認されると共に、接合界面における酸化物やコンタミの存在は検出されなかった。
同様に、上記被接合材1,2を接合するに際して、中間材3として、Pr系合金Pr68Cu25Al7(融点:705K)を使用し、加圧力を3t、接合温度を709K、保持時間を10分の接合条件を採用したこと以外、実施例1と同様の操作を繰り返し、本例の接合継手を得た。
そして、継手引張試験の結果、母材破断する良好な継手性能が同様に確認された。また、接合界面に酸化物やコンタミの存在は検出されなかった。
2 被接合材
3 中間材
F 酸化皮膜
Claims (4)
- アルミニウム又はアルミニウム合金から成る被接合材の間に、酸化物生成の標準自由エネルギーがAlよりも小さい元素を含有すると共に、被接合材よりも低い融点を有する中間材を介在させた状態で、上記中間材の融点以上、被接合材の融点以下の温度に加熱して接合することを特徴とするアルミニウム系材料の接合方法。
- 上記中間材がLa、Ce及びPrから成る群より選ばれた少なくとも1種の金属を主成分として含有する合金であることを特徴とする請求項1に記載の接合方法。
- アルミニウム又はアルミニウム合金から成る被接合材の新生面同士が中間材を介して接合され、上記中間材には酸化の標準生成自由エネルギーがAlよりも小さい元素が含まれていることを特徴とするアルミニウム系材料の接合構造。
- 上記中間材がLa、Ce及びPrから成る群より選ばれた少なくとも1種の金属を主成分として含有する合金であることを特徴とする請求項3に記載の接合構造。
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