JP2010171922A - 光ハイブリッド回路、光受信機及び光受信方法 - Google Patents

光ハイブリッド回路、光受信機及び光受信方法 Download PDF

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Abstract

【課題】低波長依存性、低位相ズレ特性、低挿入損失であり、コンパクト化、モノリシック集積化に適した光ハイブリッド回路、光受信機及び光受信方法を実現する。
【解決手段】光ハイブリッド回路1を、幅方向中心位置に対して対称な位置に設けられた一対の入力チャネルと、同相関係にある一対の第1光信号を出力するための隣接する一対の第1出力チャネルと、同相関係にある一対の第2光信号を出力するための隣接する一対の第2出力チャネルとを備え、四位相偏移変調信号光又は差分四位相偏移変調信号光を同相関係にある一対の第1光信号及び同相関係にある一対の第2光信号に変換する多モード干渉カプラ2と、第1出力チャネル又は第2出力チャネルに接続され、入力側に2つのチャネルを有し、出力側に2つのチャネルを有し、第1光信号又は第2光信号を直交位相関係にある一対の第3光信号に変換する2:2光カプラ3とを備えるものとする。
【選択図】図1

Description

本発明は、光伝送システムにおいて用いられる光ハイブリッド回路、光受信機、光送受信機及び光受信方法に関する。
近年、光伝送システムにおける伝送容量を増大するために、40Gbit/s以上の高ビットレートを有する光伝送システムが研究開発されている。
ネットワークトラフィックの急増に対応するためには、更なるビットレートの増大が必要不可欠である。特に、50Gbit/s以上の光伝送を可能にする光変調方式として、四位相偏移変調(QPSK:Quadrature Phase Shift Keying)方式又は差分四位相偏移変調(DQPSK:Differential Quadrature Phase Shift Keying)方式が最有力視されている。
このようなQPSK方式又はDQPSK方式によって変調された信号光を復調するためには、90度ハイブリッドを含むコヒーレント光受信機が必要となる。ここで、90度ハイブリッドは、QPSK信号光又はDQPSK信号光の位相変調状態により、それぞれ異なる分岐比を有する出力形態を示すものであり、コヒーレント光受信機において最も重要な構成要素である。
このような90度ハイブリッドに求められる条件としては、低損失、動作波長の広帯域性(低波長依存性)、低位相ズレ特性、コンパクトさ、及び、モノリシック集積性などを挙げることができる。
現在、バルク部品を用いた90度ハイブリッドが市販されている。
ここで、図48(A)は、バルク部品を用いた90度ハイブリッドの概略を示す図であり、図48(B)はこの90度ハイブリッドから出力される光信号の位相関係を示す位相関係図である。
なお、図48(A)中、S−L,S+L,S+jL,S−jLは、信号光(S)の位相を基準にして、局部発振(LO:Local Oscillator)光(L)の位相が相対的にどのような関係になっているかを示している。ここでは、S−LとS+Lとは180度ずれた位相関係になっていることを示しており、S+jL,S−jLは、それぞれ、S+L,S−Lに対して90度ずれた位相関係になっていることを示している。また、図48(B)の位相関係図は、QPSK信号光とLO光との間の相対位相差に応じて出力される光信号の位相関係を示している。
図48(A)に示すように、90度ハイブリッドには、2つの入力チャネルのそれぞれにQPSK信号光及びLO光が入力される。そして、90度ハイブリッドの4つの出力チャネルのうち、1番目の出力チャネル(Ch―1)と2番目の出力チャネル(Ch−2)からは同相(In-phase)関係の光信号が出力される。また、90度ハイブリッドの4つの出力チャネルのうち、3番目の出力チャネル(Ch−3)と4番目の出力チャネル(Ch−4)からは直交位相(Quadrature)関係の光信号が出力される。
このようなバルク製の90度ハイブリッドは、低損失、低波長依存性及び低位相ズレ特性などの優れた特性を有する。
一方、モノリシック集積化が可能な光導波路構造を有する90度ハイブリッドも研究開発されている。
ここで、図49(A)及び図50(A)は、導波光学に基づく90度ハイブリッドの概略を示す図であり、図49(B)及び図50(B)は、これらの90度ハイブリッドから出力される光信号の位相関係を示す位相関係図である。
なお、図49(A)及び図50(A)中、S−L,S+L,S+jL,S−jLは、信号光(S)の位相を基準にして、LO光(L)の位相が相対的にどのような関係になっているかを示している。ここでは、S−LとS+Lとは180度ずれた位相関係になっていることを示しており、S+jL,S−jLは、それぞれ、S+L,S−Lに対して90度ずれた位相関係になっていることを示している。また、図49(B)及び図50(B)の位相関係図は、QPSK信号光とLO光との間の相対位相差に応じて出力される光信号の位相関係を示している。
まず、図49(A)に示す90度ハイブリッドは、4つの3dBカプラ及び90度位相シフタによって構成される。このように構成される90度ハイブリッドから出力される光信号の位相関係は、図49(B)に示すように、上述のバルク製の90度ハイブリッドの場合と同様になる。
このような構成の90度ハイブリッドは、モノリシックに集積するのに適しており、低波長依存性及び低位相ズレ特性を期待できる。
次に、図50(A)に示す90度ハイブリッドは、入力側及び出力側にそれぞれ4つのチャネルを有する4:4多モード干渉(MMI:Multimode Interference)カプラによって構成される。
ここで、4:4MMIカプラを用いて90度ハイブリッド動作を得るためには、4:4MMIカプラの入力側の4つのチャネルのうち、非対称な位置にある2つのチャネルを、QPSK信号光及びLO光を入力するための入力チャネルとして選択する必要がある。これにより、4:4MMIカプラのMMI領域内部のモード干渉作用によって必然的に90度ずつ異なる位相関係が得られるため、90度ハイブリッドとして用いることが可能となる。
このような構成の90度ハイブリッドは、モノリシックに集積するのに適しており、コンパクトに構成できるという点で優れている。
但し、この90度ハイブリッドから出力される光信号の位相関係は、図50(B)に示すように、図48(A),図49(A)に示す90度ハイブリッドの場合の位相関係[図48(B),図49(B)参照]に対して、45度程度回転したものとなる。これは、2つの入力光がモード干渉する際に、必然的に45度の位相差が生じるからである。
また、図50(A)に示す90度ハイブリッドの場合、外側の2つ(Ch−1,Ch−4)から同相関係(In-phase)にある一対の光信号が出力され、内側の2つ(Ch−2,Ch−3)から直交位相(Quadrature)関係にある一対の光信号が出力される。つまり、同相関係にある一対の光信号が、それぞれ、空間的に離れている2つの出力チャネル(Ch−1,Ch−4)から出力される。
特開2004−132719号公報
D. Hoffmann et al., "Integrated Optics Eight-Port 90°Hybrid on LiNbO3", Journal of Lightwave Technology, Vol.7, No.5, pp.794-798, May 1989 E.C.M.Pennings et al., "Ultracompact, All-Passive Optical 90°-Hybrid on InP Using Self-Imaging", IEEE Photonics Technology Letters, Vol.5, No.6, pp.701-703, June 1993
しかしながら、上述の図48(A)に示す90度ハイブリッドでは、バルク部品を用いているため、モノリシックに集積するのに適していないこと、コンパクトさに欠けること、高コストであること等のデメリットがある。
また、上述の図49(A)に示す90度ハイブリッドでは、4つの3dBカプラ及び位相シフタが必要であるため、構成要素が多く、構成が複雑であること、光導波路が交差する領域を必ず含むため、この交差領域での過剰損失を伴うことなどのデメリットがある。
さらに、上述の図50(A)に示す90度ハイブリッドでは、上述の図49(A)に示す90度ハイブリッドと比較すると波長依存性が顕著になるというデメリットがある。つまり、比較的大きな波長依存性を有するというデメリットがある。
また、上述の図50(A)に示す90度ハイブリッドでは、光電変換を行なうために各出力チャネルと差動型フォトダイオード(BPD:Balanced Photodiode)とを接続する場合、図51に示すように、これらを接続するための光導波路が交差してしまう。このため、この交差領域での過剰損失を伴うこと、現在コヒーレント光受信機等において用いられている90度ハイブリッドとの互換性に乏しいことなどのデメリットもある。
つまり、通常、90度ハイブリッドから出力される光信号は、図51に示すように、光電変換を行なうためにBPDによって検出する。
上述の図50(A)に示す90度ハイブリッドの場合、同相関係にある一対の光信号が出力される2つの出力チャネル(Ch−1,Ch−4)を、一のBPDに接続し、直交位相関係にある一対の光信号が出力される2つの出力チャネル(Ch−2,Ch−3)を、他のBPDに接続する必要がある。
しかし、上述のように、図50(A)に示す90度ハイブリッドでは、同相関係にある一対の光信号が、それぞれ、空間的に離れている2つの出力チャネル(Ch−1,Ch−4)から出力されることになる。このため、図51に示すように、2つの出力チャネル(Ch−1,Ch−4)と一のBPDとを接続する光導波路と、2つの出力チャネル(Ch−2,Ch−3)と他のBPDとを接続する光導波路とは必然的に交差してしまうことになる。したがって、光導波路の交差領域で過剰損失が生じてしまうというデメリットがあり、これは受信効率の低下につながる。
また、交差領域ができないように出力チャネルとBPDとを接続し、BPDにおける電気配線を調整することも考えられる。
しかし、現在用いられているコヒーレント光受信機等で用いられている90度ハイブリッドは、図48(A)又は図49(A)に示すような構成になっている。これに対し、図50(A)に示す90度ハイブリッドでは、同相関係にある一対の光信号が出力される2つの出力チャネルの位置、及び、直交位相関係にある一対の光信号が出力される2つの出力チャネルの位置が異なる。このため、図48(A)又は図49(A)に示す90度ハイブリッドを、図50(A)に示す90度ハイブリッドで置き換える場合、90度ハイブリッドの出力側に設ける電子部品の交換が避けられない。つまり、現在コヒーレント光受信機等において用いられている90度ハイブリッドとの互換性に乏しく、コストパフォーマンスの面でも好ましくない。
そこで、低波長依存性、低位相ズレ特性、低挿入損失であり、コンパクト化、モノリシック集積化に適した光ハイブリッド回路、光受信機及び光受信方法を実現したい。
このため、本光ハイブリッド回路は、幅方向中心位置に対して対称な位置に設けられた一対の入力チャネルと、同相関係にある一対の第1光信号を出力するための隣接する一対の第1出力チャネルと、同相関係にある一対の第2光信号を出力するための隣接する一対の第2出力チャネルとを備え、四位相偏移変調信号光又は差分四位相偏移変調信号光を、同相関係にある一対の第1光信号及び同相関係にある一対の第2光信号に変換する多モード干渉カプラと、第1出力チャネル又は第2出力チャネルに接続されており、入力側に2つのチャネルを有し、出力側に2つのチャネルを有し、第1光信号又は第2光信号を、直交位相関係にある一対の第3光信号に変換する2:2光カプラとを備えることを要件とする。
また、本光ハイブリッド回路は、幅方向中心位置に対して対称な位置に設けられた一対の入力チャネルと、同相関係にある一対の第1光信号を出力するための隣接する一対の第1出力チャネルと、同相関係にある一対の第2光信号を出力するための隣接する一対の第2出力チャネルとを備え、四位相偏移変調信号光又は差分四位相偏移変調信号光を、同相関係にある一対の第1光信号及び同相関係にある一対の第2光信号に変換する多モード干渉カプラと、第1出力チャネル又は第2出力チャネルに接続されており、入力側に2つのチャネルを有し、出力側に2つのチャネルを有し、第1光信号又は第2光信号を、直交位相関係にある一対の第3光信号に変換する2:2光カプラとを備え、多モード干渉カプラは、第1の幅の入力端と、前記第1の幅と異なる第2の幅の出力端とを有し、一対の第1光信号間の位相差又は前記一対の第2光信号間の位相差がπ/2+p*π(pは整数)になることを要件とする。
本光受信機は、幅方向中心位置に対して対称な位置に設けられた一対の入力チャネルと、同相関係にある一対の第1光信号を出力するための隣接する一対の第1出力チャネルと、同相関係にある一対の第2光信号を出力するための隣接する一対の第2出力チャネルとを備え、四位相偏移変調信号光又は差分四位相偏移変調信号光を、同相関係にある一対の第1光信号及び同相関係にある一対の第2光信号に変換する多モード干渉カプラと、前記第1出力チャネル又は前記第2出力チャネルに接続されており、入力側に2つのチャネルを有し、出力側に2つのチャネルを有し、前記第1光信号又は前記第2光信号を、直交位相関係にある一対の第3光信号に変換する2:2光カプラとを備える光ハイブリッド回路と、多モード干渉カプラから出力される第1光信号又は第2光信号、及び、2:2光カプラから出力される第3光信号を、アナログ電気信号に変換するフォトダイオードと、フォトダイオードから出力されるアナログ電気信号をデジタル電気信号に変換するAD変換回路と、AD変換回路から出力されるデジタル電気信号を用いて演算処理を実行するデジタル演算回路とを備えることを要件とする。
本光受信機は、幅方向中心位置に対して対称な位置に設けられた一対の入力チャネルと、同相関係にある一対の第1光信号を出力するための隣接する一対の第1出力チャネルと、同相関係にある一対の第2光信号を出力するための隣接する一対の第2出力チャネルとを備え、四位相偏移変調信号光又は差分四位相偏移変調信号光を、同相関係にある一対の第1光信号及び同相関係にある一対の第2光信号に変換する多モード干渉カプラと、第1出力チャネル又は第2出力チャネルに接続されており、入力側に2つのチャネルを有し、出力側に2つのチャネルを有し、第1光信号又は第2光信号を、直交位相関係にある一対の第3光信号に変換する2:2光カプラとを備える光ハイブリッド回路と、多モード干渉カプラから出力される第1光信号又は第2光信号、及び、2:2光カプラから出力される第3光信号を、アナログ電気信号に変換するフォトダイオードと、フォトダイオードから出力されるアナログ電気信号をデジタル電気信号に変換するAD変換回路と、AD変換回路から出力されるデジタル電気信号を用いて演算処理を実行するデジタル演算回路とを備え、多モード干渉カプラは、第1の幅の入力端と、前記第1の幅と異なる第2の幅の出力端とを有し、一対の第1光信号間の位相差又は一対の第2光信号間の位相差がπ/2+p*π(pは整数)になることを要件とする。
本光受信方法は、幅方向中心位置に対して対称な位置に設けられた一対の入力チャネルと、同相関係にある一対の第1光信号を出力するための隣接する一対の第1出力チャネルと、同相関係にある一対の第2光信号を出力するための隣接する一対の第2出力チャネルとを備える多モード干渉カプラを用いて、四位相偏移変調信号光又は差分四位相偏移変調信号光を同相関係にある一対の第1光信号及び同相関係にある一対の第2光信号に変換し、第1出力チャネル又は第2出力チャネルに接続されており、入力側に2つのチャネルを有し、出力側に2つのチャネルを有する2:2光カプラを用いて、第1光信号又は第2光信号を直交位相関係にある一対の第3光信号に変換し、第1光信号又は第2光信号と、第3光信号とを受信することを要件とする。
本光受信方法は、幅方向中心位置に対して対称な位置に設けられた一対の入力チャネルと、同相関係にある一対の第1光信号を出力するための隣接する一対の第1出力チャネルと、同相関係にある一対の第2光信号を出力するための隣接する一対の第2出力チャネルとを備える多モード干渉カプラを用いて、四位相偏移変調信号光又は差分四位相偏移変調信号光を同相関係にある一対の第1光信号及び同相関係にある一対の第2光信号に変換し、第1出力チャネル又は第2出力チャネルに接続されており、入力側に2つのチャネルを有し、出力側に2つのチャネルを有する2:2光カプラを用いて、第1光信号又は第2光信号を直交位相関係にある一対の第3光信号に変換し、第1光信号又は第2光信号と、第3光信号とを受信し、多モード干渉カプラは、第1の幅の入力端と、前記第1の幅と異なる第2の幅の出力端とを有し、一対の第1光信号間の位相差又は一対の第2光信号間の位相差がπ/2+p*π(pは整数)になることを要件とする。
したがって、本光ハイブリッド回路、光受信機及び光受信方法によれば、低波長依存性、低位相ズレ特性、低挿入損失であり、コンパクト化、モノリシック集積化に適したものを実現できるという利点がある。
図1(A)は第1実施形態にかかる光ハイブリッド回路の構成を示す模式図である。図1(B)は図1(A)に示す光ハイブリッド回路の各チャネルから出力される光の位相関係を示す位相関係図である。 図2(A)は第1実施形態にかかる光ハイブリッド回路を構成する2:4MMIカプラによる作用を説明するための模式図である。図2(B)は図2(A)に示す2:4MMIカプラの各チャネルから出力される光の位相関係を示す位相関係図である。 図3(A)は第1実施形態にかかる光ハイブリッド回路を構成する2:4MMIカプラ及び2:2MMIカプラによる作用を説明するための模式図である。図3(B)は図3(A)に示す2:4MMIカプラ及び2:2MMIカプラの各チャネルから出力される光の位相関係を示す位相関係図である。 図3(A)に示すような構成の光ハイブリッド回路における課題を説明するための図であって、90度ハイブリッドのΔψに対する相対出力強度(Transmittance)を示す図である。 第1実施形態にかかる光ハイブリッド回路を構成する光半導体素子の構成を示す模式的断面図である。 第1実施形態にかかる光ハイブリッド回路を構成する2:4MMIカプラの具体的な構成例を示す模式図である。 図7(A),(B)は第1実施形態にかかる光ハイブリッド回路を構成する2:2MMIカプラの具体的な構成例を示す模式図である。 第1実施形態にかかる光ハイブリッド回路を構成する位相シフタの構成を示す模式的平面図である。 図9(A)〜(D)は第1実施形態にかかる光ハイブリッド回路を構成する光半導体素子にQPSK信号光(Signal)及びLO光を入力した場合の入出力特性を示す図である。図9(A)はΔψ=0、図9(B)はΔψ=π、図9(C)はΔψ=−π/2、図9(D)はΔψ=π/2の場合の入出力特性を示している。 図10(A)は4:4MMIカプラを用いた90度ハイブリッドのΔψに対する相対出力強度(Transmittance)を示す図である。図10(B)は第1実施形態にかかる90度ハイブリッドのΔψに対する相対出力強度(Transmittance)を示す図である。 第1実施形態にかかる光ハイブリッド回路とフォトダイオードとの接続関係を示す図である。 図12(A)は4:4MMIカプラを用いた90度ハイブリッドの一の構成例において、一の入力チャネルに信号光を入力した場合に4つの出力チャネル(Ch-1, Ch-2, Ch-3, Ch-4)から出力される光の透過率(Transmittance)の波長依存性を示す図である。図12(B)は第1実施形態にかかる90度ハイブリッドの一の構成例において、一の入力チャネルに信号光を入力した場合に4つの出力チャネル(Ch-1, Ch-2, Ch-3, Ch-4)から出力される光の透過率(Transmittance)の波長依存性を示す図である。 図13(A)は4:4MMIカプラを用いた90度ハイブリッドの一の構成例において、信号光とLO光とが同位相(Δψ=0)の場合に4つの出力チャネル(Ch-1, Ch-2, Ch-3, Ch-4)から出力される光の位相ズレ量Δφの波長依存性を示す図である。図13(B)は第1実施形態にかかる90度ハイブリッドの一の構成例において、信号光とLO光とが同位相(Δψ=0)の場合に4つの出力チャネル(Ch-1, Ch-2, Ch-3, Ch-4)から出力される光の位相ズレ量Δφの波長依存性を示す図である。 図14(A)は4:4MMIカプラを用いた90度ハイブリッドの他の構成例において、一の入力チャネルに信号光を入力した場合に4つの出力チャネル(Ch-1, Ch-2, Ch-3, Ch-4)から出力される光の透過率(Transmittance)の波長依存性を示す図である。図14(B)は第1実施形態にかかる90度ハイブリッドの他の構成例において、一の入力チャネルに信号光を入力した場合に4つの出力チャネル(Ch-1, Ch-2, Ch-3, Ch-4)から出力される光の透過率(Transmittance)の波長依存性を示す図である。 図15(A)は4:4MMIカプラを用いた90度ハイブリッドの他の構成例において、信号光とLO光とが同位相(Δψ=0)の場合に4つの出力チャネル(Ch-1, Ch-2, Ch-3, Ch-4)から出力される光の位相ズレ量Δφの波長依存性を示す図である。図15(B)は第1実施形態にかかる90度ハイブリッドの他の構成例において、信号光とLO光とが同位相(Δψ=0)の場合に4つの出力チャネル(Ch-1, Ch-2, Ch-3, Ch-4)から出力される光の位相ズレ量Δφの波長依存性を示す図である。 第1実施形態の一の変形例にかかる光ハイブリッド回路の構成を示す模式図である。 第1実施形態の他の変形例にかかる光ハイブリッド回路の構成を示す模式図である。 第1実施形態の他の変形例にかかる光ハイブリッド回路の構成を示す模式図である。 図19(A),(B)は第1実施形態の他の変形例にかかる光ハイブリッド回路の構成を示す模式図である。 図20(A),(B)は第1実施形態の他の変形例にかかる光ハイブリッド回路の構成を示す模式図である。 図21(A),(B)は第1実施形態の他の変形例にかかる光ハイブリッド回路の構成を示す模式図である。 図22(A)は第2実施形態にかかる光ハイブリッド回路の構成を示す模式図である。図22(B)は図22(A)に示す光ハイブリッド回路の各チャネルから出力される光の位相関係を示す位相関係図である。 MMI導波路の概念図である。 第2実施形態にかかる光ハイブリッド回路を構成する2:4MMIカプラの入力端の幅Wと出力端の幅Wとの比W/Wと、出力信号のチャネル間位相差の絶対値|Δθ|との関係を示す図である。 第2実施形態にかかる光ハイブリッド回路を構成する2:4MMIカプラの入力端の幅Wと出力端の幅Wとの比W/Wと、1/χSTとの関係を示す図である。 図26(A)〜(D)は第2実施形態にかかる光ハイブリッド回路を構成する光半導体素子にQPSK信号光(Signal)及びLO光を入力した場合の入出力特性を示す図である。図26(A)はΔψ=0、図26(B)はΔψ=π、図26(C)はΔψ=−π/2、図26(D)はΔψ=π/2の場合の入出力特性を示している。 図27(A)は4:4MMIカプラを用いた90度ハイブリッドのΔψに対する相対出力強度(Transmittance)を示す図である。図27(B)は第2実施形態にかかる90度ハイブリッドのΔψに対する相対出力強度(Transmittance)を示す図である。 第2実施形態にかかる光ハイブリッド回路とフォトダイオードとの接続関係を示す図である。 図29(A)は4:4MMIカプラを用いた90度ハイブリッドの一の構成例において、一の入力チャネルに信号光を入力した場合に4つの出力チャネル(Ch-1, Ch-2, Ch-3, Ch-4)から出力される光の透過率(Transmittance)の波長依存性を示す図である。図29(B)は第2実施形態にかかる90度ハイブリッドの一の構成例において、一の入力チャネルに信号光を入力した場合に4つの出力チャネル(Ch-1, Ch-2, Ch-3, Ch-4)から出力される光の透過率(Transmittance)の波長依存性を示す図である。 図30(A)は4:4MMIカプラを用いた90度ハイブリッドの一の構成例において、信号光とLO光とが同位相(Δψ=0)の場合に4つの出力チャネル(Ch-1, Ch-2, Ch-3, Ch-4)から出力される光の位相ズレ量Δφの波長依存性を示す図である。図30(B)は第2実施形態にかかる90度ハイブリッドの一の構成例において、信号光とLO光とが同位相(Δψ=0)の場合に4つの出力チャネル(Ch-1, Ch-2, Ch-3, Ch-4)から出力される光の位相ズレ量Δφの波長依存性を示す図である。 第2実施形態の一の変形例にかかる光ハイブリッド回路の構成を示す模式図である。 第2実施形態の他の変形例にかかる光ハイブリッド回路の構成を示す模式図である。 図33(A)〜(D)は第2実施形態の他の変形例にかかる光ハイブリッド回路を構成する光半導体素子にQPSK信号光(Signal)及びLO光を入力した場合の入出力特性を示す図である。図33(A)はΔψ=0、図33(B)はΔψ=π、図33(C)はΔψ=−π/2、図33(D)はΔψ=π/2の場合の入出力特性を示している。 第2実施形態の他の変形例にかかる光ハイブリッド回路の構成を示す模式図である。 第2実施形態の他の変形例にかかる光ハイブリッド回路の構成を示す模式図である。 第3実施形態にかかる光ハイブリッド回路の構成を示す模式図である。 第3実施形態にかかる光ハイブリッド回路を構成する2:4MMIカプラの入力端の幅Wと出力端の幅Wとの比W/Wと、出力信号のチャネル間位相差の絶対値|Δθ|との関係を示す図である。 第3実施形態にかかる光ハイブリッド回路を構成する2:4MMIカプラの入力端の幅Wと出力端の幅Wとの比W/Wと、1/χSQとの関係を示す図である。 第4実施形態にかかる光ハイブリッド回路の構成を示す模式図である。 第4実施形態にかかる光ハイブリッド回路を構成する2:4MMIカプラの入力端の幅Wと出力端の幅Wとの比W/Wと、出力信号のチャネル間位相差の絶対値|Δθ|との関係を示す図である。 第4実施形態にかかる光ハイブリッド回路を構成する2:4MMIカプラの入力端の幅Wと出力端の幅Wとの比W/Wと、1/χEXPとの関係を示す図である。 第5実施形態にかかる光受信機の構成を示す模式図である。 第5実施形態の変形例にかかる光受信機の構成を示す模式図である。 第6実施形態にかかる光ハイブリッド回路の構成を示す模式図である。 第6実施形態の変形例にかかる光ハイブリッド回路の構成を示す模式図である。 第7実施形態にかかる光受信機の構成を示す模式図である。 第7実施形態の変形例にかかる光受信機の構成を示す模式図である。 図48(A)は従来のバルク光学に基づく90度ハイブリッドの構成を示す模式図である。図48(B)は図48(A)に示す90度ハイブリッドの各チャネルから出力される光の位相関係を示す位相関係図である。 図49(A)は4つの3dBカプラ及び位相シフタを用いた90度ハイブリッドの構成を示す模式図である。図49(B)は図49(A)に示す90度ハイブリッドの各チャネルから出力される光の位相関係を示す位相関係図である。 図50(A)は4:4MMIカプラを用いた90度ハイブリッドの構成を示す模式図である。図50(B)は図50(A)に示す90度ハイブリッドの各チャネルから出力される光の位相関係を示す位相関係図である。 図50(A)に示す90度ハイブリッドとフォトダイオードとの接続関係を示す模式図である。
以下、図面により、本実施形態にかかる光ハイブリッド回路、光受信機、光送受信機及び光受信方法について説明する。
[第1実施形態]
まず、第1実施形態にかかる光ハイブリッド回路について、図1〜図15を参照しながら説明する。
本実施形態にかかる光ハイブリッド回路は、光伝送システム(光通信システム)において四位相偏移変調(QPSK)信号の位相変調情報を識別(復調)するために用いられる90度ハイブリッド回路(以下、90度ハイブリッドともいう)である。
本実施形態では、図1(A)に示すように、光ハイブリッド回路1は、前段の多モード干渉(MMI)カプラ2と、後段の光カプラ3とを備え、これらが従属接続されている。この光ハイブリッド回路1は、MMIカプラ2と光カプラ3とを備え、半導体導波路構造を有する光半導体素子によって構成されている。
ここでは、前段のMMIカプラ2は、入力側に2つのチャネルを有し、出力側に4つのチャネルを有する2:4MMIカプラである。
具体的には、対モード干渉(PI:Paired Interference)に基づく2:4MMIカプラである。つまり、2つの入力チャネルの中心はMMI幅の上側から1/3及び2/3に位置し(図6参照)、MMI領域において(3s−1)次の高次モード(sは1以上の自然数)が励振されない2:4MMIカプラである。このため、素子長を短くすることができる。
なお、ここでは、PIに基づく2:4MMIカプラを用いているが、これに限られるものではなく、一対の入力チャネルが幅方向中心位置に対して対称な位置に設けられており、中心対称性を有する構造を持つ2:4MMIカプラを用いれば良い。例えば、一般モード干渉(GI:General Interference)に基づく2:4MMIカプラを用いても良い。つまり、2つの入力チャネルの中心は、MMI領域の中心対称性を崩さない範囲内で、MMI幅の1/3及び2/3の位置を除いた領域に位置し、MMI幅に応じた全てのモードが励振する2:4MMIカプラを用いても良い。
後段の光カプラ3は、入力側に2つのチャネルを有し、出力側に2つのチャネルを有し、2つの入力チャネルのそれぞれから対角線上に位置する2つの出力チャネルへ向けて伝播する光の位相を90度遅らせる機能を有する2:2光カプラである。
具体的には、2:2MMIカプラである。ここでは、2:2MMIカプラ3は、2:4MMIカプラの出力側の上から3番目と4番目の2つのチャネル(即ち、隣接する一対の第2出力チャネル)に接続されている。なお、2:2MMIカプラ3は、PIに基づくものであっても良いし、GIに基づくものであっても良い。
このため、本光ハイブリッド回路1は、入力側に2つのチャネルを有し、出力側に4つのチャネル(Ch−1,Ch−2,Ch3,Ch−4)を有することになる。
この光ハイブリッド回路1の入力側の一のチャネル、即ち、2:4MMIカプラ2の入力側の一のチャネルには、QPSK信号光が入力される。つまり、光ハイブリッド回路1の入力側の一のチャネルは、QPSK信号光を入力するための入力チャネルである。また、光ハイブリッド回路1の入力側の他のチャネル、即ち、2:4MMIカプラ2の入力側の他のチャネルには、局部発振(LO)光が入力される。つまり、光ハイブリッド回路1の入力側の他のチャネルは、LO光を入力するための入力チャネルである。
そして、図2(A),(B)に示すように、2:4MMIカプラ2によって、QPSK信号光が同相(In-phase)関係にある一対の第1光信号及び同相(In-phase)関係にある一対の第2光信号に変換される。つまり、QPSK信号光が、直交位相成分(Q成分)を含まず、同相成分(I成分)のみを含む一対の第1光信号、及び、直交位相成分(Q成分)を含まず、同相成分(I成分)のみを含む一対の第2光信号に変換される。
なお、図2(A)中、S−L,S+Lは、信号光(S)の位相を基準にして、LO光(L)の位相が相対的にどのような関係になっているかを示している。ここでは、S−LとS+Lとは180度ずれた位相関係になっていることを示している。また、図2(B)の位相関係図は、QPSK信号光とLO光との間の相対位相差に応じて出力される光信号の位相関係を示している。
ここでは、一対の第1光信号は、2:4MMIカプラ2の出力側の上から1番目と2番目の2つのチャネル(即ち、隣接する一対の第1出力チャネル)、即ち、光ハイブリッド回路1の出力側の上から1番目と2番目の2つのチャネル(Ch−1,Ch−2)から出力される。また、一対の第2光信号は、2:4MMIカプラ2の出力側の上から3番目と4番目の2つのチャネル(即ち、隣接する一対の第2出力チャネル)から出力され、2:2MMIカプラ3の入力側の上から1番目と2番目の2つのチャネルに入力される。
次いで、図3(A),(B)に示すように、2:2MMIカプラ3によって、一対の第2光信号が直交位相(Quadrature)関係にある一対の第3光信号に変換される。つまり、同相成分(I成分)のみを含む一対の第2光信号が、直交位相成分(Q成分)のみを含む一対の第3光信号に変換される。
そして、一対の第3光信号は、2:2MMIカプラ3の出力側の上から1番目と2番目の2つのチャネル、即ち、光ハイブリッド回路1の出力側の上から3番目と4番目の2つのチャネル(Ch3,Ch−4)から出力される。
このような本光ハイブリッド回路1では、図3(A),(B)に示すように、同相関係にある一対の第1光信号(S−L,S+L)と、直交位相関係にある一対の第3光信号(S−jL,S+jL)とが出力されることになる。
なお、図3(A)中、S−L,S+L,S+jL,S−jLは、信号光(S)の位相を基準にして、LO光(L)の位相が相対的にどのような関係になっているかを示している。ここでは、S−LとS+Lとは180度ずれた位相関係になっていることを示しており、S+jL,S−jLは、それぞれ、S+L,S−Lに対して90度ずれた位相関係になっていることを示している。また、図3(B)の位相関係図は、QPSK信号光とLO光との間の相対位相差に応じて出力される光信号の位相関係を示している。
このように、光ハイブリッド回路1の4つの出力チャネル(Ch−1,Ch−2,Ch3,Ch−4)のそれぞれから出力される信号光の出力強度比が、QPSK信号光の位相(0,π,−π/2,+π/2)に応じて異なるものとなる。
上述のように、2:4MMIカプラ2によって、QPSK信号光を同相関係にある第1光信号及び同相関係にある第2光信号に変換した後、2:2MMIカプラ3によって、第2光信号を直交位相関係にある第3光信号に変換するようにしているのは、以下の理由による。
図2(A)に示すように、2:4MMIカプラ2にQPSK信号光及びLO光を入力すると、2:4MMIカプラ2の2つのチャネルから同相関係にある一対の第1光信号が出力され、他の2つのチャネルから同相関係にある一対の第2光信号が出力される。
QPSK信号光とLO光との相対位相差Δψが0、πの場合、4つの出力成分間の強度比(出力強度比)は、それぞれ、0:2:2:0、2:0:0:2となる。つまり、相対位相差Δψが0、πの場合、それぞれ異なる分岐比を有する出力形態が得られる。
しかし、相対位相差Δψが−π/2、+π/2のいずれの場合も出力強度比が1:1:1:1となる。つまり、相対位相差Δψが−π/2、+π/2の場合、同じ分岐比を有する出力形態になってしまう。
このため、図2(B)の位相関係図に示すように、180度ハイブリッドとしては機能するものの、90度ハイブリッドとしては機能しない。例えばPIに基づく2:4MMIカプラのように、中心対称性を有する構造を持つ2:4MMIカプラを用いる場合、90度ハイブリッドとして動作させることは原理的に不可能である。
そこで、上述のように、中心対称性を有する構造を持つ2:4MMIカプラ2に、図3(A)に示すように、2:2MMIカプラ3を従属接続することによって、非対称性を有する構造を形成し、90度ハイブリッドとして機能しうるようにしている。
つまり、2:4MMIカプラ2の3番目及び4番目の出力チャネルに2:2MMIカプラ3を従属接続することによって、2:4MMIカプラ2の3番目及び4番目の出力チャネルからの出力成分のみが2:2MMIカプラ3を伝搬する際に結合作用とともに新たな位相変化を受けるようにしている。ここでは、2:2MMIカプラ3を設けることによって、図3(B)の位相関係図に示すように、相対位相差Δψが−π/2、+π/2の場合にも、それぞれ異なる分岐比を有する出力形態が得られるようにしている。なお、2:2MMIカプラ3は、GIあるいはPIに基づくものであれば同様の特性を得ることができる。
これにより、本光ハイブリッド回路1は、図3(A)に示すように、同相関係にある一対の第1光信号(S−L,S+L)と、直交位相関係にある一対の第3光信号(S−jL,S+jL)とを出力することになる。
ここで、図4は、図3(A)に示すような構成の光ハイブリッド回路の相対位相差Δψに対する出力強度比(相対出力強度;透過率)をプロットしたものである。
図4に示すように、相対位相差Δψに対する出力強度比を線形的な値に換算して比較すると、それぞれ、0:2:1:1(Δψ=0)、2:0:1:1(Δψ=π)、1:1:1.7:0.3(Δψ=−π/2)および1:1:0.3:1.7(Δψ=+π/2)となる。つまり、相対位相差Δψが0、πの場合と比べ、相対位相差Δψが−π/2、+π/2の場合、3番目及び4番目の出力チャネルの分岐比において、光出力の高出力成分が低下し、低出力成分が増大する傾向になっている。このため、クロストークが発生し、特性が劣化することになる。但し、図4に示すように、相対位相差Δψが0、π、−π/2、+π/2の場合、それぞれ異なる分岐比を有する出力形態が得られるため(即ち、90度ハイブリッドにおける位相条件を満足しているため)、90度ハイブリッドとして機能しうる。
ところで、図3(A)に示すように構成した場合、相対位相差Δψが−π/2、+π/2の場合に、3番目及び4番目の出力チャネルの出力成分において、特性が劣化することが考えられる。これは、2:4MMIカプラ2の3番目及び4番目の出力チャネルにおける出力信号と2:2MMIカプラ3との間に位相整合がとれていないことに起因するものである。
特性の劣化が生じないようにして、確実に90度ハイブリッド動作が得られるようにするためには、2:4MMIカプラ2の3番目及び4番目の出力チャネルにおける出力信号と2:2MMIカプラ3との間に位相整合をとることが必要不可欠である。
具体的には、2:4MMIカプラ2の3番目と4番目の出力チャネルの一方(又は両方)から出力される光(一対の第2光信号)の位相を制御し、一対の第2光信号の位相差Δθがπ/2+p*π(pは整数)になれば解消する。
そこで、本実施形態では、2:4MMIカプラ2と2:2MMIカプラ3との間に、直交位相成分の特性劣化が生じないように位相を制御しうる位相制御領域を設けている。つまり、2:2MMIカプラ3の入力側の2つのチャネルに入力される光の位相差が90度になるように、位相制御領域4において、2:4MMIカプラ2の3番目と4番目の出力チャネルの一方(又は両方)から出力される光(一対の第2光信号)の位相を制御すれば良い。なお、位相制御領域4は、一対の第2光信号間の位相差がπ/2+p*π(pは整数)になるように位相を制御する領域として構成すれば良い。
ここでは、図1(A)に示すように、位相制御領域に位相シフタ4が設けられている。位相シフタ4は、2:4MMIカプラ2の出力側の4番目のチャネルと2:2MMIカプラ3の入力側の2番目のチャネルとを接続する光導波路の幅をテーパ状に変化させることによって形成されている。つまり、2:4MMIカプラ2の2:2MMIカプラ3が接続された一対の出力チャネルの一方に、テーパ状に幅が変化している導波路型位相シフタ4が設けられている。
具体的には、図8に示すように、2:4MMIカプラ2の出力ポートと2:2MMIカプラ3の入力ポートの間の光導波路の幅が、出力ポートから長さ方向の中間位置へ向けて直線的に広くなり、中間位置から入力ポートへ向けて直線的に狭くなるようにして、位相シフタ4を形成している。この場合、2:2MMIカプラ3の入力側の2番目のチャネルに入力される光は、2:2MMIカプラ3の入力側の1番目のチャネルに入力される光に対して、位相が遅れることになる。
これにより、本光ハイブリッド回路1は、図1(A),(B)に示すように、同相関係にある一対の第1光信号(S−L,S+L)と、直交位相関係にある一対の第3光信号(S−jL,S+jL)とを出力することになり、確実に90度ハイブリッド動作が得られることになる。つまり、本光ハイブリッド回路1によって、QPSK信号光が、同相成分(I成分)のみを含む一対の第1光信号と、直交位相成分(Q成分)のみを含む一対の第3光信号に変換され、確実に90度ハイブリッド動作が得られることになる。
ここでは、同相関係にある一対の第1光信号、即ち、同相成分のみを含む一対の第1光信号は、位相が180度ずれた一対の光信号である。また、直交位相関係にある一対の第3光信号、即ち、直交位相成分のみを含む一対の第3光信号は、一対の第1光信号に対して位相が90度ずれた一対の光信号である。なお、一対の第3光信号は、位相が180度ずれた一対の光信号である。
なお、図1(A)中、S−L,S+L,S+jL,S−jLは、信号光(S)の位相を基準にして、LO光(L)の位相が相対的にどのような関係になっているかを示している。ここでは、S−LとS+Lとは180度ずれた位相関係になっていることを示しており、S+jL,S−jLは、それぞれ、S+L,S−Lに対して90度ずれた位相関係になっていることを示している。また、図1(B)の位相関係図は、QPSK信号光とLO光との間の相対位相差に応じて出力される光信号の位相関係を示している。
なお、本実施形態では、確実に90度ハイブリッド動作が得られるように、位相制御領域(ここでは位相シフタ4)を設けているが、位相制御領域を設けることは必須ではない。例えば、同相関係の出力信号と直交位相関係の出力信号とが正確に90度の位相差を有する関係になっておらず、位相がずれていたとしても、フォトディテクタを含む受信回路において、この位相ずれを許容できるのであれば、位相制御領域を設けなくても良い。
次に、本光ハイブリッド回路を構成する光半導体素子の具体的な構成例について、図5〜図8を参照しながら説明する。
本光ハイブリッド回路1は、図5に示すように、InP基板10上に、GaInAsPコア層11、InPクラッド層12を備え、ハイメサ導波路構造を有する光半導体素子13である。
ここでは、2:4MMIカプラ2は、以下のように設定されている。
つまり、図6に示すように、2:4MMIカプラ2のMMI領域の幅(MMI幅)をWとして、2つの入力チャネル(入力導波路)を、それぞれ、その中心がMMI幅Wの上側から1/3及び2/3に位置するように設けている。また、4つの出力チャネル(出力導波路)を、上から1番目と2番目の2つの出力チャネルの中間位置と上から3番目と4番目の2つの出力チャネルの中間位置とが、それぞれ、MMI幅Wの上側から1/4及び3/4に位置するように設けている。さらに、1番目と2番目の2つの出力チャネルの間隔(gap)及び3番目と4番目の2つの出力チャネルの間隔(gap)は、いずれもMMI幅Wの1/6にしている。
例えば、2:4MMIカプラ2は、入出力チャネルの最小間隔、即ち、2つの出力チャネルの間隔(W/6)を3.5μmとし、入力チャネル及び出力チャネルの導波路幅(入出力導波路幅)Wを例えば2.0μmとし、単一モード条件を満たすようにする。そうすると、MMI幅Wは33μmに決まる。この場合、2:4MMIカプラの長さLM24は758μmになる。
また、例えば、2:4MMIカプラ2は、入出力チャネルの最小間隔、即ち、2つの出力チャネルの間隔(W/6)を2.3μmとし、入力チャネル及び出力チャネルの導波路幅(入出力導波路幅)Wを例えば2.0μmとし、単一モード条件を満たすようにする。そうすると、MMI幅Wは25.8μmに決まる。この場合、2:4MMIカプラの長さLM24は463μmになる。
また、2:2MMIカプラ3は、以下のように設定されている。
つまり、2:2MMIカプラ3をPIに基づくものとする場合、図7(A)に示すように、2:4MMIカプラ2のMMI幅Wを基準として、2つの入力チャネル(入力導波路)を、それぞれ、その中心がMMI領域の側面からW/6に位置するように設ける。また、2つの出力チャネル(出力導波路)も、それぞれ、その中心がMMI領域の側面からW/6に位置するように設ける。さらに、2つの入出力チャネルの間隔(gap)は、いずれも、W/6にしている。このため、2:2MMIカプラ3のMMI領域の幅(MMI幅)WM22はW/2となる。
一方、2:2MMIカプラ3をGIに基づくものとする場合、図7(B)に示すように、2:4MMIカプラ2のMMI幅Wを基準として、2つの入力チャネル(入力導波路)を、それぞれ、その中心がMMI領域の側面からW/6以外に位置し、中心対称性を有するように設ける。つまり、2つの入力チャネルは、それぞれ、その中心がMMI領域の側面から距離K(0以上の任意の実数、但し、K=W/6は除く)に位置するように設ける。また、2つの出力チャネル(出力導波路)も、それぞれ、その中心がMMI領域の側面からW/6以外に位置するように設ける。つまり、2つの出力チャネルは、それぞれ、その中心がMMI領域の側面から距離K(0以上の任意の実数、但し、K=W/6は除く)に位置するように設ける。さらに、2つの入出力チャネルの間隔(gap)は、いずれも、W/6にしている。このため、2:2MMIカプラ3のMMI領域の幅(MMI幅)WM22は2K+W/6となる。
例えば、GIに基づく2:2MMIカプラ3は、入出力チャネルの最小間隔、即ち、2つの入力チャネル及び2つの出力チャネルの間隔(W/6)を3.5μmとし、入力チャネル及び出力チャネルの導波路幅(入出力導波路幅)Wを例えば2.0μmとし、単一モード条件を満たすようにする。そうすると、MMI幅WM22は7.5μmに決まる。この場合、2:2MMIカプラの長さLM22は235μmになる。
また、例えば、GIに基づく2:2MMIカプラ3は、入出力チャネルの最小間隔、即ち、2つの入力チャネル及び2つの出力チャネルの間隔(W/6)を2.3μmとし、入力チャネル及び出力チャネルの導波路幅(入出力導波路幅)Wを例えば2.0μmとし、単一モード条件を満たすようにする。そうすると、MMI幅WM22は6.3μmに決まる。この場合、2:2MMIカプラの長さLM22は165μmになる。
さらに、位相シフタ4は、2:2MMIカプラ3に入力する2つの信号成分間において位相整合をとるために、以下のように設定されている。
つまり、図8に示すように、2:4MMIカプラ2の出力ポート及び2:2MMIカプラ3の入力ポートに接続される部分の導波路幅Wは2.0μmとする。また、2:4MMIカプラ2の出力ポート又は2:2MMIカプラ3の入力ポートから長さ方向の中間位置までの距離LTPはいずれも100μmとする。つまり、2:4MMIカプラ2の出力ポートから長さ方向中間位置まで直線的に導波路幅が広くなる幅広テーパ部、及び、長さ方向中間位置から2:2MMIカプラ3の入力ポートまで直線的に導波路幅が狭くなる幅狭テーパ部の長さ(テーパ長)はいずれも100μmとする。この場合、長さ方向中間位置の導波路幅WMIDは2.1μmとなる。また、位相シフタ4の長さLphaseは200μmとなる。
なお、位相シフタ4に関するパラメータ、即ち、テーパ長LTP及び中間位置の導波路幅WMIDの値は、これらの値に限られるものではなく、2:2MMIカプラ3に入力する2つの信号成分間にπ/4に相当する位相ズレ(位相変化量)を与えることができるように設定されていれば良い。例えば、π/4×2nπ(nは整数)に相当する位相変化量を与えることができれば良く、この場合も同様の効果が得られる。また、例えば、テーパ長LTP及び中間位置の導波路幅WMIDは、それぞれ、20μm、2.4μmに設定しても良く、この場合も、上述の場合と全く同じ位相ズレを与えることができる。この場合、位相シフタの長さLphaseを40μm以下にすることができ、コンパクトに形成することができる。
このように、光半導体素子として構成される光ハイブリッド回路1は、以下のようにして作製される。
まず、図5に示すように、n型InP基板10上に、例えば有機金属気相成長(MOVPE;Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法によって、アンドープGaInAsPコア層11、アンドープInPクラッド層12を順にエピタキシャル成長させる。
ここでは、アンドープGaInAsPコア層11は、発光波長1.30μm,層厚0.2μmである。また、アンドープInPクラッド層12は、層厚2.0μmである。なお、基板はアンドープInP基板であっても良い。また、クラッド層はp型ドープInPクラッド層であっても良い。
次に、上述のようにしてエピタキシャル成長を行なったウェハの表面上に、例えばSiO膜を例えば蒸着装置などによって成膜し、例えば光露光プロセスによって、光ハイブリッド回路1を形成するための導波路パターンをパターニングする。
次いで、このようにしてパターニングされたSiO膜をマスクとして、例えば誘導結合型プラズマ反応性イオンエッチング(ICP−RIE;Inductive Coupled Plasma-Reactive Ion Etching)などの方法でドライエッチングを行なう。これにより、例えば高さ3μm程度のハイメサ導波路ストライプ構造を形成する。
このような作製プロセスを経て、本光ハイブリッド回路1が完成する。
ここで、図9(A)〜(D)は、上述のように構成される光ハイブリッド回路1に波長1.55μmのQPSK信号光(Signal)及びLO光を入力した場合の入出力特性を、QPSK信号光とLO光との相対位相差Δψ毎に示している。
なお、図9(A)〜(D)に示す計算結果はビーム伝搬法(BPM:Beam Propagation Method)に基づくものである。図9(A)は相対位相差Δψが0の場合の入出力特性、図9(B)は相対位相差Δψがπの場合の入出力特性、図9(C)は相対位相差Δψが−π/2の場合の入出力特性、図9(D)は相対位相差Δψが+π/2の場合の入出力特性を示している。
図9(A)、(B)に示すように、相対位相差Δψが0、πの場合、光ハイブリッド回路1の出力強度比は、それぞれ、0:2:1:1、2:0:1:1となる。
また、図9(C)、(D)に示すように、相対位相差Δψが−π/2、+π/2の場合、光ハイブリッド回路1の出力強度比は、それぞれ、1:1:2:0、1:1:0:2となる。
このように、本光ハイブリッド回路1では、QPSK信号光の位相状態に対して、それぞれ異なる分岐比を有する出力形態が得られる。また、本光ハイブリッド回路1では、位相シフタ4が設けられているため、Quadrature成分におけるクロストークが著しく減少している。したがって、本光ハイブリッド回路1は確実に90度ハイブリッドとして機能する。
次に、図10(A)は、従来の4:4MMIカプラを用いた90度ハイブリッド[図50(A)参照]の相対位相差Δψに対する相対出力強度(透過率)を示しており、図10(B)は、本90度ハイブリッドの相対位相差Δψに対する相対出力強度(透過率)を示している。
なお、図10(A)、(B)は、相対位相差Δψが連続的に変化している場合における各出力チャネルの相対強度を示している。
図10(A)、(B)に示すように、いずれの場合も、相対位相差Δψに対する相対出力強度は正弦波関数的に変化する。但し、図10(A)では、4:4MMIカプラのモード干渉で必然的に生じる45度の位相差を反映してプロットしている。
図10(A)、(B)に示すように、本90度ハイブリッド1は、相対位相差Δψが0、π、−π/2、+π/2の場合に、従来の90度ハイブリッドよりも高い出力強度が得られ、挿入損失が小さいことがわかる。
また、図10(A)に示すように、従来の90度ハイブリッドでは、1番目の出力チャネル(Ch−1)の出力強度変化と4番目の出力チャネル(Ch−4)の出力強度変化とがx軸対称性を有することが分かる。また、2番目の出力チャネル(Ch−2)の出力強度変化と3番目の出力チャネル(Ch−3)の出力強度変化とがx軸対称性を有することが分かる。
特に、相対位相差Δψが0の場合に、3番目の出力チャネル(Ch−3)の出力強度が最大となることが分かる。また、相対位相差Δψがπの場合に、2番目の出力チャネル(Ch−2)の出力強度が最大となることが分かる。また、相対位相差Δψが−π/2の場合に、4番目の出力チャネル(Ch−4)の出力強度が最大になることが分かる。また、相対位相差Δψが+π/2の場合に、1番目の出力チャネル(Ch−1)の出力強度が最大になることが分かる。
この場合、1番目の出力チャネル(Ch−1)から出力される光信号と4番目の出力チャネル(Ch−4)から出力される光信号とは同相関係にある。また、2番目の出力チャネル(Ch−2)から出力される光信号と3番目の出力チャネル(Ch−3)から出力される光信号とは同相関係にある。そして、1番目及び4番目の出力チャネルから出力される光信号に対して、2番目及び3番目の出力チャネルから出力される光信号は直交位相関係にある。
これは、従来の90度ハイブリッドから出力される光信号を、光電変換のためにフォトダイオード(BPD)へ入力させるために、光導波路の交差が避けられないことを意味する(図51参照)。このため、光導波路の交差による過剰損失が生じ、光受信効率が劣化する。
これに対し、図10(B)に示すように、本90度ハイブリッド1では、1番目の出力チャネル(Ch−1)の出力強度変化と2番目の出力チャネル(Ch−2)の出力強度変化とがx軸対称性を有することが分かる。また、3番目の出力チャネル(Ch−3)の出力強度変化と4番目の出力チャネル(Ch−4)の出力強度変化とがx軸対称性を有することが分かる。
特に、相対位相差Δψが0の場合に、2番目の出力チャネル(Ch−2)の出力強度が最大となることが分かる。また、相対位相差Δψがπの場合に、1番目の出力チャネル(Ch−1)の出力強度が最大となることが分かる。また、相対位相差Δψが−π/2の場合に、3番目の出力チャネル(Ch−3)の出力強度が最大になることが分かる。また、相対位相差Δψが+π/2の場合に、4番目の出力チャネル(Ch−4)の出力強度が最大になることが分かる。
この場合、1番目の出力チャネル(Ch−1)から出力される光信号と2番目の出力チャネル(Ch−2)から出力される光信号とは同相関係にある。また、3番目の出力チャネル(Ch−3)から出力される光信号と4番目の出力チャネル(Ch−4)から出力される光信号とは同相関係にある。そして、1番目及び2番目の出力チャネルから出力される光信号に対して、3番目及び4番目の出力チャネルから出力される光信号は直交位相関係にある。
この場合、図4に示す場合とは異なり、直交位相成分であるCh−3及びCh−4における出力成分においてクロストークが生じていない。これは、位相シフタ4によりCh−3及びCh−4における出力成分間の相対位相差が適正化され、2:2MMIカプラ3と位相整合が取れていることを意味する。
また、本90度ハイブリッド1から出力される光信号を、光電変換のためにフォトダイオード(BPD)へ入力させるために、図11に示すように、光導波路を交差させる必要がないことを意味する。このため、過剰損失を防ぐことができる。
次に、図12(A)は、従来の4:4MMIカプラを用いた90度ハイブリッド[図50(A)参照]において、一の入力チャネルからQPSK信号光を入力した場合の4つの出力チャネル毎の透過率(Transmittance)の波長依存性を示している。また、図12(B)は、本90度ハイブリッド1において、入力チャネルからQPSK信号光を入力した場合の4つの出力チャネルにおける透過率(Transmittance)の波長依存性を示している。なお、図12(A)、(B)に示す特性は、QPSK信号光をどの入力チャネルから入力した場合であってもほぼ同様になる。
ここでは、いずれの場合も入出力導波路の最小間隔(gap)を3.5μmに設定している。
そして、入出力導波路幅Wを2μmとすると、4:4MMIカプラのMMI幅WM44、2:4MMIカプラ2のMMI幅W及びGIに基づく2:2MMIカプラ3のMMI幅WM22は、それぞれ、22μm、33μm、7.5μmに決まる。
この場合、4:4MMIカプラの長さLM44、2:4MMIカプラ2の長さLM24及び2:2MMIカプラ3の長さLM22は、それぞれ、1011μm、758μm、235μmになる。
また、本90度ハイブリッド1に備えられる位相シフタ4の長さLTP及び中間位置の導波路幅WMIDは、それぞれ、20μm、2.4μmである。
この場合、従来の4:4MMIカプラを用いた90度ハイブリッドの素子長LTot1(=LM44)及び本90度ハイブリッド1の素子長LTot2(=LM24+Lphase+LM22)は、それぞれ、1011μm、1033μmとなる。
図12(A)、(B)に示すように、本90度ハイブリッド1は、従来の90度ハイブリッドと比較して、Cバンドの波長範囲において、低波長依存性を有する。また、従来の90度ハイブリッドでは、Cバンドの波長範囲において生じる損失差が最大5.5dB程度であるのに対し、本90度ハイブリッドでは、最大2.8dB程度に抑えられている。
次に、図13(A)は、従来の4:4MMIカプラを用いた90度ハイブリッド[図50(A)参照]における位相ズレΔφの波長依存性を示している。また、図13(B)は、本90度ハイブリッド1における位相ズレΔφの波長依存性を示している。なお、90度ハイブリッドの各パラメータは、上述の図12(A)、(B)の場合と同様である。
なお、図13(A)、(B)では、QPSK信号光とLO光との相対位相差が0の場合(Δψ=0)に、4つの出力チャネルのそれぞれから出力される出力成分の絶対位相と基準位相との差分(位相ズレ量)Δφをプロットしている。ここで、基準位相は、図50(B)及び図1(B)に示す位相関係図における、各チャネルのそれぞれから出力される出力成分の位相である。また、位相ズレ量は、この基準位相からの過剰位相ズレ量である。したがって、位相ズレ量は小さければ小さいほど良い。QPSK変調信号をエラーフリーで復調するためには、位相ズレが生じないことが望ましい。たとえ、位相ズレが発生しても最低限に抑える必要があり、通常、位相ズレ量Δφは±5度以下(好ましくは±2.5度以下)に抑えるのが望ましい。
図13(A)、(B)に示すように、位相ズレ量を±5度以下に抑えたい場合、従来の90度ハイブリッド及び本90度ハイブリッド1における許容帯域幅は、それぞれ、33nm、38.3nmである。つまり、従来の90度ハイブリッドではCバンド領域の全体をカバーすることができないのに対し、本90度ハイブリッド1ではCバンド領域の全体をカバーすることができる。
また、本90度ハイブリッド1では、位相ズレ量を±2.5度以下に抑えたい場合であっても、帯域幅が36.4nmであり、Cバンド領域のほぼ全体をカバーすることが可能である。
このように、本90度ハイブリッド1は、従来の90度ハイブリッドと比較して、透過率及び位相ズレの波長依存性を低くすることができる。この特性は、90度ハイブリッドのパラメータを変更することによって、更に改善することができる。
以下に、具体的に説明するように、例えば入出力導波路の最小間隔(gap)を小さくすることによって、透過率及び位相ズレの波長依存性をさらに低くすることができる。
ここで、図14(A)は、従来の4:4MMIカプラを用いた90度ハイブリッド[図50(A)参照]において、一の入力チャネルからQPSK信号光を入力した場の4つの出力チャネル毎の透過率の波長依存性を示している。また、図14(B)は、本90度ハイブリッド1において、一の入力チャネルからQPSK信号光を入力した場の4つの出力チャネル毎の透過率の波長依存性を示している。なお、図14(A)、(B)に示す特性は、QPSK信号光をどの入力チャネルから入力した場合であってもほぼ同様になる。
ここでは、いずれの場合も入出力導波路の最小間隔(gap)を2.3μmに設定している。
そして、入出力導波路幅Wを2μmとすると、4:4MMIカプラのMMI幅WM44、2:4MMIカプラ2のMMI幅W及びGIに基づく2:2MMIカプラ3のMMI幅WM22は、それぞれ、17.2μm、25.8μm、6.3μmに決まる。
この場合、4:4MMIカプラの長さLM44、2:4MMIカプラ2の長さLM24及び2:2MMIカプラ3の長さLM22は、それぞれ、620μm、463μm、165μmになる。
また、本90度ハイブリッド1に備えられる位相シフタ4の長さLTP及び中間位置の導波路幅WMIDは、それぞれ、20μm、2.4μmである。
この場合、従来の4:4MMIカプラを用いた90度ハイブリッドの素子長LTot1(=LM44)及び本90度ハイブリッド1の素子長LTot2(=LM24+Lphase+LM22)は、それぞれ、620μm、668μmとなる。
図14(A)、(B)に示すように、本90度ハイブリッド1は、従来の90度ハイブリッドと比較して、Cバンドの波長範囲において、低波長依存性を有する。また、従来の90度ハイブリッドでは、Cバンドの波長範囲において生じる損失差が最大2.4dB程度であるのに対し、本90度ハイブリッドでは、最大1.8dB程度に抑えられている。
次に、図15(A)は、従来の4:4MMIカプラを用いた90度ハイブリッド[図50(A)参照]における位相ズレの波長依存性を示している。また、図15(B)は、本90度ハイブリッド1における位相ズレの波長依存性を示している。なお、90度ハイブリッドの各パラメータは、上述の図14(A)、(B)の場合と同様である。
図15(A)、(B)に示すように、位相ズレ量を±5度以下に抑えたい場合、従来の90度ハイブリッド及び本90度ハイブリッド1は、いずれも、Cバンド領域の全体をカバーすることができる。これに対し、本90度ハイブリッド1では、波長1.53μm近傍を除いて、位相ズレ量を±1度以下に保つことができるという優れた特性を有する。
このように、入出力導波路の最小間隔(gap)を小さくすることによって、従来の90度ハイブリッドに対する優位性を保ちながら、透過率及び位相ズレの波長依存性を改善することが可能である。
したがって、本実施形態にかかる光ハイブリッド回路によれば、低波長依存性、低位相ズレ特性、低挿入損失であり、コンパクト化、及び、モノリシック集積化に適した90度ハイブリッドを実現できるという利点がある。
また、従来の4:4MMIカプラを用いた90度ハイブリッド[図50(A)参照]では避けられない光導波路の交差部が不要であるため、過剰損失を最低限に抑えることができるという利点もある。さらに、4つの出力信号の位相関係を従来の90度ハイブリッド[図48(A)、図49(A)参照]と同様にすることができるため、現在コヒーレント光受信機やコヒーレント検波システム等に用いられている90度ハイブリッドとの互換性にも優れている。
なお、上述の実施形態では、前段のMMIカプラとして、2:4MMIカプラ2を用いる場合を例に挙げて説明しているが、これに限られるものではない。前段のMMIカプラは、四位相偏移変調信号光を、同相関係にある一対の第1光信号及び同相関係にある一対の第2光信号に変換するMMIカプラであれば良い。
例えば、上述の実施形態の光ハイブリッド回路1を構成する2:4MMIカプラ2に代えて、図16に示すように、入力側に4つのチャネルを有し、出力側に4つのチャネルを有する4:4MMIカプラ2Aを用いても良い。そして、4:4MMIカプラ2Aの入力側の4つのチャネルのうち幅方向中心位置に対して対称な位置に設けられた2つのチャネル(一対の入力チャネル)に光を入力するようにすることで、上述の実施形態の場合と同様に90度ハイブリッド動作が得られる。これにより、従来の4:4MMIカプラを用いた90度ハイブリッド(図51参照)のようにフォトディテクタに接続するために光導波路を交差させる必要がなくなる。なお、図16では、上述の実施形態[図1(A)参照]と同一のものには同一の符号を付している。
ここでは、4:4MMIカプラ2Aの入力側の4つのチャネルのうち、上から1番目のチャネルと4番目のチャネルに光を入力するようにしているが、2番目のチャネルと3番目のチャネルに光を入力するようにしても良い。これにより、4:4MMIカプラ2Aは上述の実施形態の2:4MMIカプラ2と同様に180度ハイブリッドとして機能することになる。
この場合、4:4MMIカプラ2Aは、GIに基づくものであり、MMI領域の中心軸対称性を崩さない範囲内で、入力チャネル及び出力チャネルを自由に位置させることができる。つまり、入力側の上から1番目及び2番目のチャネルと入力側の3番目及び4番目のチャネルとは、中心軸対称性があれば、その位置はどこでも良い。また、出力側の上から1番目及び2番目のチャネルと出力側の3番目及び4番目のチャネルとは、中心軸対称性があれば、その位置はどこでも良い。但し、チャネル位置によって分岐特性に多少影響はある。
また、上述の実施形態では、後段の光カプラ3として、2:2MMIカプラを用いる場合を例に挙げて説明しているが、これに限られるものではない。後段の光カプラ3は、第1光信号又は第2光信号を、直交位相関係にある一対の第3光信号に変換する光カプラであれば良い。
例えば、上述の実施形態の光ハイブリッド回路1を構成する2:2MMIカプラ3に代えて、図17に示すように、方向性結合器(3dBカプラ;例えば2:2方向性結合器)3Aを用いても良い。なお、図17では、上述の実施形態[図1(A)参照]と同一のものには同一の符号を付している。また、例えば、上述の実施形態の光ハイブリッド回路1を構成する2:2MMIカプラ3に代えて、図18に示すように、二モード干渉カプラ(例えば2:2二モード干渉カプラ)3Bを用いても良い。なお、図18では、上述の実施形態(図1参照)と同一のものには同一の符号を付している。これらの場合も上述の実施形態のものと同様の効果が得られる。また、ここでは、上述の実施形態[図1(A)参照]の変形例として説明しているが、これらの変形例を、前段のMMIカプラとして4:4MMIカプラを用いる変形例(図16参照)に適用することもできる。
また、上述の実施形態では、2:4MMIカプラ2の出力側の4番目のチャネル(ポート)と2:2MMIカプラ3の入力側の2番目のチャネル(ポート)との間に位相シフタ4(位相制御領域)を設ける場合を例に挙げて説明しているが、これに限られるものではない。
例えば、図19(A)に示すように、2:4MMIカプラ2の出力側の3番目のチャネル(ポート)と2:2MMIカプラ3の入力側の1番目のチャネル(ポート)との間に位相制御領域を設けても良い。つまり、2:4MMIカプラ2の2:2MMIカプラ3が接続された一対の出力チャネル(隣接する一対の第2出力チャネル)の他方に位相シフタ4Aを設けても良い。
この場合、位相シフタ4Aは、2:4MMIカプラ2の出力ポートと2:2MMIカプラ3の入力ポートとを接続する光導波路の幅をテーパ状に変化させた導波路型位相シフタを設ける点は上述の実施形態のものと同様であるが、その形状は上述の実施形態のものとは異なるものとする。つまり、図19(B)に示すように、2:4MMIカプラ2の出力ポートと2:2MMIカプラ3の入力ポートとの間の光導波路の幅が、出力ポートから長さ方向の中間位置へ向けて直線的に狭くなり、中間位置から入力ポートへ向けて直線的に広くなるようにして、位相シフタ4Aを形成する。この場合、2:2MMIカプラ3の入力側の1番目のチャネルに入力される光は、2:2MMIカプラ3の入力側の2番目のチャネルに入力される光に対して、位相が進むことになる。
具体的には、2:4MMIカプラ2の出力ポート及び2:2MMIカプラ3の入力ポートに接続される部分の導波路幅Wは2.0μmとする。また、2:4MMIカプラ2の出力ポート又は2:2MMIカプラ3の入力ポートから長さ方向の中間位置までの距離LTPはいずれも20μmとする。つまり、2:4MMIカプラ2の出力ポートから長さ方向中間位置まで直線的に導波路幅が狭くなる幅狭テーパ部、及び、長さ方向中間位置から2:2MMIカプラ3の入力ポートまで直線的に導波路幅が広くなる幅広テーパ部の長さ(テーパ長)はいずれも20μmとする。この場合、長さ方向中間位置の導波路幅WMIDは1.6μmとなる。また、位相シフタの長さLphaseは40μmとなる。
なお、位相シフタ4Aに関するパラメータ、即ち、テーパ長LTP及び中間位置の導波路幅WMIDの値は、これらの値に限られるものではなく、2:2MMIカプラ2に入力する2つの信号成分間にπ/4に相当する位相ズレ(位相変化量)を与えることができるように設定されていれば良い。
このように構成した場合も、上述の実施形態の場合と同様に、π/4に相当する位相変化を与えることができ、上述の実施形態のものと同様の効果が得られる[例えば図9、図10(B)参照]。
また、上述の実施形態では、光カプラ3によって、同相関係にある一対の第2光信号を直交位相関係にある一対の第3光信号に変換する場合を例に挙げて説明しているが、これに限られるものではない。
例えば、図20(A)、図21(A)に示すように、光カプラ3によって、同相関係にある一対の第1光信号を直交位相関係にある一対の第3光信号に変換するようにしても良い。
この場合、光カプラ3は、図20(A)、図21(A)に示すように、前段のMMIカプラ2の出力側の隣接する一対の第1出力チャネルに接続することになる。
具体的には、図20(A)、図21(A)に示すように、2:2MMIカプラ3を、2:4MMIカプラ2の出力側の上から1番目と2番目の2つのチャネル(即ち、隣接する一対の第1出力チャネル)に接続することになる。
また、位相シフタ4,4A(位相制御領域)は、図20(A)、図21(A)に示すように、前段のMMIカプラ2の光カプラ3が接続された一対の第1出力チャネルのいずれか一方に設ければ良い。
例えば、図20(A)に示すように、2:4MMIカプラ2の出力側の1番目のチャネル(ポート)と2:2MMIカプラ3の入力側の1番目のチャネル(ポート)との間に位相シフタ4を設ければ良い。
この場合、位相シフタ4として、2:4MMIカプラ2の出力ポートと2:2MMIカプラ3の入力ポートとを接続する光導波路の幅をテーパ状に変化させた導波路型位相シフタを、上述の実施形態の場合(図8参照)と同様に形成すれば良い。つまり、図20(B)に示すように、2:4MMIカプラ2の出力ポートと2:2MMIカプラ3の入力ポートとの間の光導波路の幅が、出力ポートから長さ方向の中間位置へ向けて直線的に広くなり、中間位置から入力ポートへ向けて直線的に狭くなるようにして、位相シフタ4を形成すれば良い。この場合、位相シフタ4の構造を規定する各パラメータは、上述の実施形態の場合(図8参照)と同様にすれば良い。
また、例えば、図21(A)に示すように、2:4MMIカプラ2の出力側の2番目のチャネル(ポート)と2:2MMIカプラ3の入力側の2番目のチャネル(ポート)との間に位相シフタ4Aを設けても良い。
この場合、位相シフタ4Aとして、2:4MMIカプラ2の出力ポートと2:2MMIカプラ3の入力ポートとを接続する光導波路の幅をテーパ状に変化させた導波路型位相シフタを、上述の変形例の場合[図19(B)参照]と同様に形成すれば良い。つまり、図21(B)に示すように、2:4MMIカプラ2の出力ポートと2:2MMIカプラ3の入力ポートとの間の光導波路の幅が、出力ポートから長さ方向の中間位置へ向けて直線的に狭くなり、中間位置から入力ポートへ向けて直線的に広くなるようにして、位相シフタ4Aを形成すれば良い。この場合、位相シフタ4Aの構造を規定する各パラメータは、上述の変形例の場合[図19(B)参照]と同様にすれば良い。
このように構成した場合、上述の実施形態や変形例のものに対して、90度ハイブリッドの出力信号におけるIn-phaseとQuadratureの位置関係が入れ替わることになる。そして、相対位相差Δψが0の場合、πの場合、−π/2の場合、+π/2の場合のそれぞれの場合において、出力強度比は0:2:1:1、2:0:1:1、1:1:2:0、1:1:0:2となる。
また、上述の実施形態では、位相制御領域に、直線的に導波路幅を変化させたテーパ状の位相シフタを設けているが、これに限られるものではない。例えば、指数関数的に導波路幅を変化させたテーパ状の位相シフタ、正弦波関数的に導波路幅を変化させたテーパ状の位相シフタ、楕円関数的に導波路幅を変化させたテーパ状の位相シフタなどを設けても良い。これらの場合も同様な効果を得ることができる。また、位相制御領域において、例えば、導波路幅を一定にし、電極を設けて電流注入又は電圧印加による位相制御を行なうようにしても良いし、ヒータ電極を設けて熱印加による位相制御を行なうようにしても良い。これらの場合も同様な効果を得ることができる。
[第2実施形態]
まず、第2実施形態にかかる光ハイブリッド回路について、図22〜図30を参照しながら説明する。
本実施形態にかかる光ハイブリッド回路は、上述の第1実施形態のものに対し、前段のMMIカプラ(2:4MMIカプラ)の構成、及び、位相シフタを備えない点が異なる。本実施形態では、図22(A)に示すように、光ハイブリッド回路1Xは、前段の多モード干渉(MMI)カプラ2Bと、後段の光カプラ3とを備え、これらが従属接続されている。
ここでは、前段のMMIカプラ2Bは、入力側に2つのチャネルを有し、出力側に4つのチャネルを有する2:4MMIカプラである。
具体的には、対モード干渉(PI:Paired Interference)に基づく2:4MMIカプラである。つまり、2つの入力チャネルの中心は入力端の幅の上側から1/3及び2/3に位置し、4つの出力チャネルの位置も入力チャネルの位置に関連付けられており、MMI領域において(3s−1)次の高次モード(sは1以上の自然数)が励振されない2:4MMIカプラである。このため、素子長を短くすることができる。
ここでは、本光ハイブリッド回路1Xでは、MMIカプラによるモード干渉作用を用いている。
通常、MMIカプラのモード間干渉作用は、MMIカプラにおける屈折率、励振モード数及び干渉メカニズムなどに依存し、これにより、MMIカプラの出力信号における振幅関係及び位相関係が変化する。
ここで、MMIの理論について簡単に説明しておく(例えばLucas B. Soldano et al., ”Optical Multi-Mode Interference Devices Based on Self-Imaging: Principles and Applications”, Journal of Lightwave Technology, Vol.13, No.4, pp.615-627, April 1995参照)。
図23にMMI導波路の概略図を示す。
通常、MMI導波路(MMI領域)内では、波数(kyv)と伝搬定数(β)は、次式(1)の分散方程式で関係付けられる。
ここで、vは励振モードの次数、kyvは伝搬する横モードの波数、kは真空中の波数、nはMMI導波路の屈折率を表す。なお、kyv≪kと仮定すれば、βは次式(2)に簡略化することができる。
ここで、WはMMI導波路のクラッド領域へのモード染み出し(グース・ヘンシェンシフトとも言われる)を含む等価的なMMI幅を表す。この場合、ハイメサ導波路のように、比屈折率差の大きい導波路はW≒W(W:MMI導波路の物理的な幅;MMI幅)の関係が成り立つ。
この場合、MMI導波路内で励振される基本モードと任意の高次モードとの伝搬定数差は、次式(3)のように表される。
ここで、Lπはビート長であり、π/(β−β)と定義されるファクタである。
結局、MMI導波路の任意の位置におけるフィールド分布(Ψ)は、次式(4)のように表すことができる。
ここで、cはモード励振係数、φ(y)はMMI導波路における横モード分布を表す。
上記式(4)に示すように、MMI導波路の任意の位置におけるフィールド分布はそれぞれの励振モードの重ね合わせで表される。
上記式(4)に示す指数関数で示されている項はモード位相を表す項であり、次式(5)のように書く下すことができる。
つまり、MMI導波路の伝搬方向において、任意の位置zにより、モード位相項が変化する。
例えば図50(A)に示すような4:4MMIカプラの場合、90度ハイブリッド動作が得られる。
ここで、4:4MMIカプラは一般モード干渉(GI:General Interference)に基づくものである。つまり、4つの入力チャネルの中心は、MMI導波路の中心対称性を崩さない範囲内で、MMI幅Wの1/3、1/2及び2/3の位置を除いた領域に位置し、MMI幅Wに応じた全てのモードが励振する4:4MMIカプラである。
この場合、x等分岐特性(xは1以上の整数)を得るための最短伝搬長zGIは、以下のようになる。
したがって、図50(A)に示す4:4MMIカプラの場合、4等分に分岐するための最短伝搬長zGIは3Lπ/4となる。
一方、例えば図6に示すようなPIに基づく2:4MMIカプラの場合、x等分岐特性を得るための最短伝搬長zPIは、以下のようになり、zPIはzGIの1/3の値となる。
つまり、上記式(7)は上記式(5)に示すモード位相項の周期が1/3に減少したことに相当する。上記式(6)及び上記式(7)により、MMI幅Wが等しい場合、2:4MMIカプラは、4:4MMIカプラの1/3のMMI長を有することになる。
但し、図50(A)及び図6に示すように、干渉メカニズムにより、出力チャネル位置は異なり、MMI幅Wが等しくても、入出力チャネルの最小間隔(Gap)、即ち、出力チャネルの間隔は等しくない。いずれのMMIカプラの場合もMMI長短縮のためにはMMI幅Wを小さくする必要があり、それにしたがって入出力チャネルの最小間隔も減少する。なお、通常、入出力チャネルの最小間隔は作製技術により制限されるパラメータである。
図50(A)及び図6に示すように、入出力チャネルの最小間隔はPIに基づくMMIカプラがGIに基づくMMIカプラよりも小さくなることから、入出力チャネルの最小間隔を一定にするためには、PIに基づくMMI幅Wを増大する必要がある。
したがって、上記入出力チャネルの最小間隔を一定にした場合におけるzPIは、以下のように表される。
つまり、入出力チャネルの最小間隔を一定にすると、PIによる短縮効果は3/4倍に減少する。いずれにせよ、PIに基づくMMIカプラは常にGIに基づくMMIカプラよりも短い相互作用長(伝搬長;MMI長)を有するため、コンパクトな素子(光分岐・結合素子)を形成するには有効である。
なお、ここでは、PIに基づく2:4MMIカプラ2Bを用いているが、これに限られるものではなく、一対の入力チャネルが幅方向中心位置に対して対称な位置に設けられており、中心対称性を有する構造を持つ2:4MMIカプラを用いれば良い。例えば、一般モード干渉(GI:General Interference)に基づく2:4MMIカプラを用いても良い。つまり、2つの入力チャネルの中心は、MMI領域の中心対称性を崩さない範囲内で、MMI幅の1/3及び2/3の位置を除いた領域に位置し、MMI幅に応じた全てのモードが励振する2:4MMIカプラを用いても良い。
ところで、上述の第1実施形態において説明したように、図3(A)に示すように構成した場合、相対位相差Δψが−π/2、+π/2の場合に、3番目及び4番目の出力チャネルの出力成分において、特性が劣化することが考えられる。
特性の劣化が生じないようにして、確実に90度ハイブリッド動作が得られるようにするためには、2:4MMIカプラ2Bの3番目及び4番目の出力チャネルにおける出力信号と2:2MMIカプラ3との間に位相整合をとることが必要不可欠である。
具体的には、2:4MMIカプラ2Bの3番目と4番目の出力チャネルの一方(又は両方)から出力される光(一対の第2光信号)の位相を制御し、一対の第2光信号の位相差Δθがπ/2+p*π(pは整数)になれば解消する。
しかし、通常の2:4MMIカプラから出力される一対の第2光信号の位相差Δθは、おおよそπ/4+p*π(pは整数)になるため、直交位相成分の特性劣化が生じないようにするのは容易ではない。
そこで、本実施形態では、直交位相成分の特性劣化が生じないように、図22(A)に示すように、2:4MMIカプラ2Bを、幅(導波路幅)が伝搬方向へ向かってテーパ状に変化する形状(幅テーパ構造)を有するものとしている。つまり、2:2MMIカプラ3の入力側の2つのチャネルに入力される光の位相差が90度になるように、2:4MMIカプラ2Bの幅テーパ構造によって、2:4MMIカプラ2Bから出力される一対の第2光信号の位相差Δθがπ/2+p*π(pは整数)になるようにしている。
この場合、2:4MMIカプラ2B(傾斜型2:4MMIカプラ)は、第1の幅Wの入力端2BXと、第1の幅Wと異なる第2の幅Wの出力端2BYとを有し、一対の第2光信号間の位相差Δθがπ/2+p*π(pは整数)になるように構成されていることになる。
具体的には、2:4MMIカプラ2Bは、その幅(MMI幅)が伝搬方向に向かって直線関数的に変化するテーパ形状(直線関数的テーパ形状)を有する。ここでは、2:4MMIカプラ2Bは、入力端2BXから出力端2BYへ向けて幅が直線的に広くなるテーパ形状を有する。
通常、2:4MMIカプラ2Bに幅テーパを形成すると、上記式(3)に示す励振モード間伝搬定数差の変化により、上記式(5)に示すモード位相項が変化し、結果的に上記式(4)に示すフィールド分布が変化する。したがって、2:4MMIカプラ2Bとしての振幅特性及び位相特性がともに変化する。
図22(A)に示すように、MMI幅が直線関数的に変化する場合、基本モードと任意の高次モード間の伝搬定数差が局所的に変化することになる。
この場合、MMI領域における正味の位相変化(Δρ)は、次式(9)のように表される。
ここで、W(z)は幅テーパ関数を表し、LM24は2:4MMI長を表す。
図22(A)に示す傾斜型2:4MMIカプラ2Bの場合、W(z)は、以下のように表すことができる。
上記式(9)及び上記式(10)により、基本モードと任意の高次モード間の伝搬定数差<β−β>は以下のように表される。
ここで、χSTはテーパ形状に依存する比例定数である。
上記式(11)及び上記式(12)から、直線関数的テーパ形状を有する2:4MMIカプラ2Bのビート長Lπ STは、次式(13)のように表すことができる。
したがって、テーパ形状を有しない2:4MMIカプラ(図6参照)のビート長Lπに対して、図22(A)に示すような直線関数的テーパ形状を有する2:4MMIカプラ2Bのビート長Lπ STは、比例定数χSTが大きくなるほど短縮することになる。なお、テーパ形状を有しない2:4MMIカプラ(図6参照)のMMI幅は、本実施形態の直線関数的テーパ形状を有する2:4MMIカプラ2Bの出力端2BYの幅Wと同一にしている。ここで、1/χSTは、テーパ形状を有しない2:4MMIカプラ(図6参照)のMMI長に対する、本実施形態の直線関数的テーパ形状を有する2:4MMIカプラ2BのMMI長LM24の短縮率(縮小率)を表すパラメータとも言える。
一方、2:4MMIカプラ2Bにおける位相変化は、直線関数的に変化するテーパ形状に依存する。
このため、Δψが−π/2及び+π/2の場合に2:4MMIカプラ2Bから出力される一対の第2光信号の位相差Δθがπ/2+p*π(pは整数)になるように、χSTを設定することによって、確実に90度ハイブリッド動作が得られることになる。つまり、χSTを適正化することによって、図22(A)に示すような光ハイブリッド回路が90度ハイブリッドとして機能することになる。また、2:4MMI長LM24の短縮化も図れる。
ここで、図24は、2:4MMIカプラ2BのMMI幅の変化率、即ち、2:4MMIカプラ2Bの入力端2BXの幅Wと出力端2BYの幅Wとの比W/Wと、出力信号のチャネル間位相差の絶対値|Δθ|との関係を示している。なお、図24は、出力信号のチャネル間位相差の絶対値|Δθ|は、2:4MMIカプラ2Bの3番目と4番目の出力チャネルから出力される出力信号(一対の第2光信号)のチャネル間位相差の絶対値である。
また、図25は、2:4MMIカプラ2BのMMI幅の変化率W/Wと、2:4MMI長LM24の縮小率、即ち、1/χST(即ち、W/W)との関係を示している。
なお、W/Wの値が1の場合、テーパ形状を有しない2:4MMIカプラ(図6参照)となる。また、ここでは、テーパ形状を有しない2:4MMIカプラに対して、2:4MMIカプラ2Bの出力端2BYの幅Wを同一にし(固定し)、入力端2BXの幅Wを変化させている。なお、2:4MMIカプラ2Bの入力端2BXの幅Wを固定し、出力端2BYの幅Wを変化させるようにしても良い。
図24,図25に示すように、W/Wの値が増大するにつれて、出力信号のチャネル間位相差の絶対値|Δθ|の値は線形的に大きくなり、1/χSTの値が小さくなる(即ち、MMI長LM24が短縮される)ことが分かる。
このため、2:4MMIカプラ2Bの入力端2BXの幅Wの値(即ち、W/Wの値)の設定によって、出力信号のチャネル間位相差の絶対値|Δθ|を所望のπ/2に設定することが可能となる。
ここでは、図24に示すように、出力信号のチャネル間位相差の絶対値|Δθ|がπ/2の場合におけるW/Wの値は2であり、図25に示すように、W/Wの値が2の場合における1/χSTの値は0.48である。この場合、χSTの値は2.06である。
したがって、直線関数的テーパ形状を有する2:4MMIカプラ2BのMMI長LM24は、テーパ形状を有しない2:4MMIカプラ(図6参照)のMMI長の1/χST倍、即ち、0.48倍となる。つまり、直線関数的テーパを有する2:4MMIカプラ2BのMMI長LM24は、テーパ形状を有しない2:4MMIカプラ(図6参照)のMMI長と比べて、半分以下となる。
また、図24,25に示す関係は、任意の入力端2BXの幅W及び出力端2BYの幅Wに対して成り立つ。つまり、任意の入力端2BXの幅W及び出力端2BYの幅Wに対して、χST=2.06の条件を満たせば、|Δθ|=π/2となり、図22(A)に示すような直線関数的テーパ形状を有する2:4MMIカプラ2Bを用いて、確実に90度ハイブリッド動作が得られることになる。
具体的には、2:4MMIカプラ2Bの出力端2BYの幅Wが33μmの場合、出力信号のチャネル間位相差の絶対値|Δθ|=π/2の条件から、入力端2BXの幅Wは、16μmに決まる(図24参照)。このようにして、2:4MMIカプラ2Bの出力端2BYの幅W及び入力端2BXの幅Wが決まると、1/χST=0.48、即ち、χST=2.06の条件から、2:4MMIカプラ2Bの長さLM24は368μmに決まる。これらの値を上記式(10)に代入することによって得られた式[テーパ関数W(z)]によって、2:4MMIカプラ2Bの直線関数的テーパ形状が規定される。
仮に、直線関数的テーパ形状を有する2:4MMIカプラ2Bの出力端2BYの幅Wが26.4μm(33μmの80%相当)に設定された場合、所望の入力端2BXの幅Wは、12.8μm(16μmの80%相当)となる。
このように直線関数的テーパ形状が規定されており、所定のテーパ関数によってMMI幅が変調されているため、2:4MMIカプラ2Bから出力される一対の第2光信号の位相差Δθがπ/2+p*π(pは整数)になる。このため、本光ハイブリッド回路1Xは、図22(A),(B)に示すように、同相関係にある一対の第1光信号(S−L,S+L)と、直交位相関係にある一対の第3光信号(S−jL,S+jL)とを出力することになり、確実に90度ハイブリッド動作が得られることになる。つまり、本光ハイブリッド回路1Xによって、QPSK信号光が、同相成分(I成分)のみを含む一対の第1光信号と、直交位相成分(Q成分)のみを含む一対の第3光信号に変換され、確実に90度ハイブリッド動作が得られることになる。
ここでは、同相関係にある一対の第1光信号、即ち、同相成分のみを含む一対の第1光信号は、位相が180度ずれた一対の光信号である。また、直交位相関係にある一対の第3光信号、即ち、直交位相成分のみを含む一対の第3光信号は、一対の第1光信号に対して位相が90度ずれた一対の光信号である。なお、一対の第3光信号は、位相が180度ずれた一対の光信号である。
なお、図22(A)中、S−L,S+L,S+jL,S−jLは、信号光(S)の位相を基準にして、LO光(L)の位相が相対的にどのような関係になっているかを示している。ここでは、S−LとS+Lとは180度ずれた位相関係になっていることを示しており、S+jL,S−jLは、それぞれ、S+L,S−Lに対して90度ずれた位相関係になっていることを示している。また、図22(B)の位相関係図は、QPSK信号光とLO光との間の相対位相差に応じて出力される光信号の位相関係を示している。
次に、本光ハイブリッド回路を構成する光半導体素子の具体的な構成例(図5、図7参照)について説明する。
本光ハイブリッド回路1Xは、上述の第1実施形態の場合と同様に、InP基板10上に、GaInAsPコア層11、InPクラッド層12を備え、ハイメサ導波路構造を有する光半導体素子13である。
ここでは、2:4MMIカプラ2Bは、以下のように設定されている。
つまり、2:4MMIカプラ2Bの入力端2BXの幅をWとして、2つの入力チャネル(入力導波路)を、それぞれ、その中心が2:4MMIカプラ2Bの入力端2BXの幅Wの上側から1/3及び2/3に位置するように設けている。また、2:4MMIカプラ2Bの出力端2BYの幅をWとして、4つの出力チャネル(出力導波路)を、上から1番目と2番目の2つの出力チャネルの中間位置と上から3番目と4番目の2つの出力チャネルの中間位置とが、それぞれ、2:4MMIカプラ2Bの出力端2BYの幅Wの上側から1/4及び3/4に位置するように設けている。さらに、1番目と2番目の2つの出力チャネルの間隔(gap)及び3番目と4番目の2つの出力チャネルの間隔(gap)は、いずれも、2:4MMIカプラ2Bの出力端2BYの幅Wの1/6にしている。なお、ここでは、2:4MMIカプラ2Bの出力端2BYの幅Wは、テーパ形状を有しない2:4MMIカプラ(図6参照)のMMI幅と同一にしている。
例えば、2:4MMIカプラ2Bは、入出力チャネルの最小間隔、即ち、2つの出力チャネルの間隔(W/6)を3.5μmとし、入力チャネル及び出力チャネルの導波路幅(入出力導波路幅)Wを例えば2.0μmとし、単一モード条件を満たすようにする。そうすると、2:4MMIカプラ2Bの出力端2BYの幅Wは33μmに決まる。また、2:2MMIカプラ3に入力する2つの信号成分間において位相整合をとるために、出力信号のチャネル間位相差の絶対値|Δθ|=π/2の条件から、2:4MMIカプラ2Bの入力端2BXの幅Wは16μmに決まる。このようにして、2:4MMIカプラ2Bの出力端2BYの幅W及び入力端2BXの幅Wが決まると、1/χST=0.48、即ち、χST=2.06の条件から、2:4MMIカプラ2Bの長さLM24は368μmに決まる。この結果、2:4MMIカプラ2BのMMI幅は、入力端2BXから出力端2BYへ向けて幅が直線的に広くなるテーパ形状(直線関数的テーパ形状)になる。
なお、2:4MMIカプラ2Bに関するパラメータは、これらの値に限られるものではなく、2:2MMIカプラ3に入力する2つの信号成分間にπ/4に相当する位相ズレ(位相変化量)を与えることができるように設定されていれば良い。例えば、π/4×2nπ(nは整数)に相当する位相変化量を与えることができれば良く、この場合も同様の効果が得られる。
また、2:2MMIカプラ3は、以下のように設定されている。
つまり、2:2MMIカプラ3をPIに基づくものとする場合[図7(A)参照]、2:4MMIカプラ2Bの出力端2BYの幅Wを基準として、2つの入力チャネル(入力導波路)を、それぞれ、その中心がMMI領域の側面からW/6に位置するように設ける。また、2つの出力チャネル(出力導波路)も、それぞれ、その中心がMMI領域の側面からW/6に位置するように設ける。さらに、2つの入出力チャネルの間隔(gap)は、いずれも、W/6にしている。このため、2:2MMIカプラ3のMMI領域の幅(MMI幅)WM22はW/2となる。
一方、2:2MMIカプラ3をGIに基づくものとする場合[図7(B)参照]、2:4MMIカプラ2Bの出力端2BYの幅Wを基準として、2つの入力チャネル(入力導波路)を、それぞれ、その中心がMMI領域の側面からW/6以外に位置し、中心対称性を有するように設ける。つまり、2つの入力チャネルは、それぞれ、その中心がMMI領域の側面から距離K(0以上の任意の実数、但し、K=W/6は除く)に位置するように設ける。また、2つの出力チャネル(出力導波路)も、それぞれ、その中心がMMI領域の側面からW/6以外に位置するように設ける。つまり、2つの出力チャネルは、それぞれ、その中心がMMI領域の側面から距離K(0以上の任意の実数、但し、K=W/6は除く)に位置するように設ける。さらに、2つの入出力チャネルの間隔(gap)は、いずれも、W/6にしている。このため、2:2MMIカプラ3のMMI領域の幅(MMI幅)WM22は2K+W/6となる。
例えば、GIに基づく2:2MMIカプラ3は、入出力チャネルの最小間隔、即ち、2つの入力チャネル及び2つの出力チャネルの間隔(W/6)を3.5μmとし、入力チャネル及び出力チャネルの導波路幅(入出力導波路幅)Wを例えば2.0μmとし、単一モード条件を満たすようにする。そうすると、MMI幅WM22は7.5μmに決まる。この場合、2:2MMIカプラの長さLM22は235μmになる。
ここで、図26(A)〜(D)は、上述のように構成される光ハイブリッド回路1Xに波長1.55μmのQPSK信号光(Signal)及びLO光を入力した場合の入出力特性を、QPSK信号光とLO光との相対位相差Δψ毎に示している。なお、2:4MMIカプラ2Bは、出力端2BYの幅Wが33μmであり、入力端2BXの幅Wが16μmであり、χST=2.06の条件を満たす直線関数的テーパ形状を有するものとしている。
なお、図26(A)〜(D)に示す計算結果はビーム伝搬法(BPM:Beam Propagation Method)に基づくものである。図26(A)は相対位相差Δψが0の場合の入出力特性、図26(B)は相対位相差Δψがπの場合の入出力特性、図26(C)は相対位相差Δψが−π/2の場合の入出力特性、図26(D)は相対位相差Δψが+π/2の場合の入出力特性を示している。
図26(A)、(B)に示すように、相対位相差Δψが0、πの場合、光ハイブリッド回路1Xの出力強度比は、それぞれ、0:2:1:1、2:0:1:1となる。
また、図26(C)、(D)に示すように、相対位相差Δψが−π/2、+π/2の場合、光ハイブリッド回路1Xの出力強度比は、それぞれ、1:1:2:0、1:1:0:2となる。
このように、本光ハイブリッド回路1Xでは、QPSK信号光の位相状態に対して、それぞれ異なる分岐比を有する出力形態が得られる。
また、本光ハイブリッド回路1Xでは、2:4MMIカプラ2Bの出力端2BYの幅W及び入力端2BXの幅Wが|Δθ|=π/2の条件を満たし、2:4MMIカプラ2Bの長さLM24がχST=2.06の条件を満たす直線関数的テーパ形状を有する2:4MMIカプラを用いている。このため、2:2MMIカプラ3からの出力信号間にクロストークも発生していない。したがって、本光ハイブリッド回路1Xは90度ハイブリッドとして機能する。
次に、図27(A)は、従来の4:4MMIカプラを用いた90度ハイブリッド[図50(A)参照]の相対位相差Δψに対する相対出力強度(透過率)を示しており、図27(B)は、本90度ハイブリッドの相対位相差Δψに対する相対出力強度(透過率)を示している。
なお、図27(A)、(B)は、相対位相差Δψが連続的に変化している場合における各出力チャネルの相対強度を示している。
図27(A)、(B)に示すように、いずれの場合も、相対位相差Δψに対する相対出力強度は正弦波関数的に変化する。但し、図27(A)では、4:4MMIカプラのモード干渉で必然的に生じる45度の位相差を反映してプロットしている。
また、図27(A)に示すように、従来の90度ハイブリッドでは、1番目の出力チャネル(Ch−1)の出力強度変化と4番目の出力チャネル(Ch−4)の出力強度変化とが位相が180度ずれた関係になっていることが分かる。また、2番目の出力チャネル(Ch−2)の出力強度変化と3番目の出力チャネル(Ch−3)の出力強度変化とが位相が180度ずれた関係になっていることが分かる。
特に、相対位相差Δψが0の場合に、3番目の出力チャネル(Ch−3)の出力強度が最大となることが分かる。また、相対位相差Δψがπの場合に、2番目の出力チャネル(Ch−2)の出力強度が最大となることが分かる。また、相対位相差Δψが−π/2の場合に、4番目の出力チャネル(Ch−4)の出力強度が最大になることが分かる。また、相対位相差Δψが+π/2の場合に、1番目の出力チャネル(Ch−1)の出力強度が最大になることが分かる。
この場合、1番目の出力チャネル(Ch−1)から出力される光信号と4番目の出力チャネル(Ch−4)から出力される光信号とは同相関係にある。また、2番目の出力チャネル(Ch−2)から出力される光信号と3番目の出力チャネル(Ch−3)から出力される光信号とは同相関係にある。そして、1番目及び4番目の出力チャネルから出力される光信号に対して、2番目及び3番目の出力チャネルから出力される光信号は直交位相関係にある。
これは、従来の90度ハイブリッドから出力される光信号を、光電変換のためにフォトダイオード(BPD)へ入力させるために、光導波路の交差が避けられないことを意味する(図51参照)。このため、光導波路の交差による過剰損失が生じ、光受信効率が劣化する。
これに対し、図27(B)に示すように、本90度ハイブリッド1では、1番目の出力チャネル(Ch−1)の出力強度変化と2番目の出力チャネル(Ch−2)の出力強度変化とが位相が180度ずれた関係になっていることが分かる。また、3番目の出力チャネル(Ch−3)の出力強度変化と4番目の出力チャネル(Ch−4)の出力強度変化とが位相が180度ずれた関係になっていることが分かる。
特に、相対位相差Δψが0の場合に、2番目の出力チャネル(Ch−2)の出力強度が最大となることが分かる。また、相対位相差Δψがπの場合に、1番目の出力チャネル(Ch−1)の出力強度が最大となることが分かる。また、相対位相差Δψが−π/2の場合に、3番目の出力チャネル(Ch−3)の出力強度が最大になることが分かる。また、相対位相差Δψが+π/2の場合に、4番目の出力チャネル(Ch−4)の出力強度が最大になることが分かる。
この場合、1番目の出力チャネル(Ch−1)から出力される光信号と2番目の出力チャネル(Ch−2)から出力される光信号とは同相関係にある。また、3番目の出力チャネル(Ch−3)から出力される光信号と4番目の出力チャネル(Ch−4)から出力される光信号とは同相関係にある。そして、1番目及び2番目の出力チャネルから出力される光信号に対して、3番目及び4番目の出力チャネルから出力される光信号は直交位相関係にある。
この場合、図4に示す例とは異なり、直交位相成分であるCh−3及びCh−4における出力成分においてクロストークが生じていない。これは、直線関数的テーパ形状を有する2:4MMIカプラ2BによりCh−3及びCh−4における出力成分間の相対位相差が適正化され、2:2MMIカプラ3と位相整合が取れていることを意味する。
また、本90度ハイブリッド1から出力される光信号を、光電変換のためにフォトダイオード(BPD)へ入力させるために、図28に示すように、光導波路を交差させる必要がないことを意味する。このため、過剰損失を防ぐことができる。
次に、図29(A)は、従来の4:4MMIカプラを用いた90度ハイブリッド[図50(A)参照]において、一の入力チャネルからQPSK信号光を入力した場合の4つの出力チャネル毎の透過率(Transmittance)の波長依存性を示している。また、図29(B)は、本90度ハイブリッド1において、入力チャネルからQPSK信号光を入力した場合の4つの出力チャネルにおける透過率(Transmittance)の波長依存性を示している。なお、図29(A)、(B)に示す特性は、QPSK信号光をどの入力チャネルから入力した場合であってもほぼ同様になる。
ここでは、いずれの場合も入出力導波路の最小間隔(gap)を3.5μmに設定している。
そして、入出力導波路幅Wを2μmとすると、4:4MMIカプラのMMI幅WM44、2:4MMIカプラ2Bの出力端2BYの幅W及び入力端2BXの幅W、及び、GIに基づく2:2MMIカプラ3のMMI幅WM22は、それぞれ、22μm、33μm、16μm、7.5μmに決まる。
この場合、4:4MMIカプラの長さLM44、2:4MMIカプラ2Bの長さLM24及び2:2MMIカプラ3の長さLM22は、それぞれ、1011μm、368μm、235μmになる。
なお、本90度ハイブリッド1では、2:4MMIカプラ2Bと2:2MMIカプラ3とを接続する光導波路4B(アクセス導波路;アクセス領域)の長さ(アクセス導波路長)Lは20μmである(図22参照)。
この場合、従来の4:4MMIカプラを用いた90度ハイブリッドの素子長LTot1(=LM44)及び本90度ハイブリッド1の素子長LTot2(=LM24+L+LM22)は、それぞれ、1011μm、622μmとなる。したがって、本90度ハイブリッド1によれば、従来の4:4MMIカプラを用いた90度ハイブリッドと比較して、素子長を40%程度短縮することができる。
図29(A)、(B)に示すように、本90度ハイブリッド1は、従来の90度ハイブリッドと比較して、Cバンドの波長範囲において、透過率の波長依存性が著しく低減している。また、従来の90度ハイブリッドでは、Cバンドの波長範囲において生じる損失差が最大5.5dB程度であるのに対し、本90度ハイブリッドでは、最大1.1dB程度に抑えられている。
次に、図30(A)は、従来の4:4MMIカプラを用いた90度ハイブリッド[図50(A)参照]における位相ズレの波長依存性を示している。また、図30(B)は、本90度ハイブリッド1における位相ズレΔφの波長依存性を示している。なお、90度ハイブリッドの各パラメータは、上述の図29(A)、(B)の場合と同様である。
なお、図30(A)、(B)では、QPSK信号光とLO光との相対位相差が0の場合(Δψ=0)に、4つの出力チャネルのそれぞれから出力される出力成分の絶対位相と基準位相との差分(位相ズレ量)Δφをプロットしている。ここで、基準位相は、図50(B)及び図22(B)に示す位相関係図における、各チャネルのそれぞれから出力される出力成分の位相である。また、位相ズレ量は、この基準位相からの過剰位相ズレ量である。したがって、位相ズレ量は小さければ小さいほど良い。QPSK変調信号をエラーフリーで復調するためには、位相ズレが生じないことが望ましい。たとえ、位相ズレが発生しても最低限に抑える必要があり、通常、位相ズレ量Δφは±5度以下(好ましくは±3度以下)に抑えるのが望ましい。
図30(A)、(B)に示すように、位相ズレ量Δφを±5度以下に抑えたい場合、従来の90度ハイブリッド及び本90度ハイブリッド1における許容帯域幅は、それぞれ、33nm、40nm以上である。つまり、従来の90度ハイブリッドではCバンド領域の全体をカバーすることができないのに対し、本90度ハイブリッド1ではCバンド領域の全体をカバーすることができる。
また、本90度ハイブリッド1では、位相ズレ量Δφが±3度程度の範囲内でCバンド領域(帯域)をカバーすることが可能である。
なお、その他の詳細については、上述の第1実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
したがって、本実施形態にかかる光ハイブリッド回路によれば、低波長依存性、低位相ズレ特性、低挿入損失であり、コンパクト化、及び、モノリシック集積化に適した90度ハイブリッドを実現できるという利点がある。
また、従来の4:4MMIカプラを用いた90度ハイブリッド[図50(A)参照]では避けられない光導波路の交差部が不要であるため、過剰損失を最低限に抑えることができるという利点もある。さらに、4つの出力信号の位相関係を従来の90度ハイブリッド[図48(A)、図49(A)参照]と同様にすることができるため、現在コヒーレント光受信機やコヒーレント検波システム等に用いられている90度ハイブリッドとの互換性にも優れている。
なお、上述の実施形態では、前段のMMIカプラとして、2:4MMIカプラ2Bを用いる場合を例に挙げて説明しているが、これに限られるものではない。前段のMMIカプラは、四位相偏移変調信号光を、同相関係にある一対の第1光信号及び同相関係にある一対の第2光信号に変換するMMIカプラであれば良い。
例えば、上述の実施形態の光ハイブリッド回路1Xを構成する2:4MMIカプラ2Bに代えて、入力側に4つのチャネルを有し、出力側に4つのチャネルを有する4:4MMIカプラ2Aを用いても良い。そして、4:4MMIカプラ2Aの入力側の4つのチャネルのうち幅方向中心位置に対して対称な位置に設けられた2つのチャネル(一対の入力チャネル)に光を入力するようにすることで、上述の実施形態の場合と同様に90度ハイブリッド動作が得られる。これにより、従来の4:4MMIカプラを用いた90度ハイブリッド(図51参照)のようにフォトディテクタに接続するために光導波路を交差させる必要がなくなる。
ここでは、4:4MMIカプラ2Aの入力側の4つのチャネルのうち、上から1番目のチャネルと4番目のチャネルに光を入力するようにしているが、2番目のチャネルと3番目のチャネルに光を入力するようにしても良い。これにより、4:4MMIカプラ2Aは上述の実施形態の2:4MMIカプラ2Bと同様に180度ハイブリッドとして機能することになる。
この場合、4:4MMIカプラ2Aは、GIに基づくものであり、MMI領域の中心軸対称性を崩さない範囲内で、入力チャネル及び出力チャネルを自由に位置させることができる。つまり、入力側の上から1番目及び2番目のチャネルと入力側の3番目及び4番目のチャネルとは、中心軸対称性があれば、その位置はどこでも良い。また、出力側の上から1番目及び2番目のチャネルと出力側の3番目及び4番目のチャネルとは、中心軸対称性があれば、その位置はどこでも良い。但し、チャネル位置によって分岐特性に多少影響はある。
また、上述の実施形態では、後段の光カプラ3として、2:2MMIカプラを用いる場合を例に挙げて説明しているが、これに限られるものではない。後段の光カプラ3は、第1光信号又は第2光信号を、直交位相関係にある一対の第3光信号に変換する光カプラであれば良い。
また、上述の実施形態では、2:2MMIカプラ3を、傾斜型2:4MMIカプラ2Bの出力側の上から3番目と4番目の2つのチャネル(即ち、隣接する一対の第2出力チャネル)に接続し、光カプラ3によって、同相関係にある一対の第2光信号を直交位相関係にある一対の第3光信号に変換する場合を例に挙げて説明しているが、これに限られるものではない。
例えば、図31に示すように、光カプラ3によって、同相関係にある一対の第1光信号を直交位相関係にある一対の第3光信号に変換するようにしても良い。
この場合、光カプラ3は、図31に示すように、前段のMMIカプラ2の出力側の隣接する一対の第1出力チャネルに接続することになる。
具体的には、図31に示すように、2:2MMIカプラ3を、傾斜型2:4MMIカプラ2Bの出力側の上から1番目と2番目の2つのチャネル(即ち、隣接する一対の第1出力チャネル)に接続することになる。
このように構成した場合、上述の実施形態や変形例のものに対して、90度ハイブリッドの出力信号におけるIn-phaseとQuadratureの位置関係が入れ替わることになる。そして、相対位相差Δψが0の場合、πの場合、−π/2の場合、+π/2の場合のそれぞれの場合において、出力強度比は1:1:2:0、1:1:0:2、2:0:1:1、0:2:1:1となる。
また、上述の実施形態では、2:4MMIカプラ2Bと2:2MMIカプラ3との間を光導波路(アクセス導波路)4Bによって接続しているが、これに限られるものではない。例えば図32に示すように、2:4MMIカプラ2Bの長さLM24の設定によっては、アクセス導波路4Bを経由せずに、2:4MMIカプラ2Bと2:2MMIカプラ3とを直接接続するようにしても良く、この場合も同様の作用・効果が得られる。
ここで、図33(A)〜(D)は、このように構成される光ハイブリッド回路1XにQPSK信号光(Signal)及びLO光を入力した場合の入出力特性を、QPSK信号光とLO光との相対位相差Δψ毎に示している。なお、素子パラメータは、上述の実施形態の場合(図22参照)と同様である。
なお、図33(A)〜(D)に示す計算結果はビーム伝搬法(BPM:Beam Propagation Method)に基づくものである。図33(A)は相対位相差Δψが0の場合の入出力特性、図33(B)は相対位相差Δψがπの場合の入出力特性、図33(C)は相対位相差Δψが−π/2の場合の入出力特性、図33(D)は相対位相差Δψが+π/2の場合の入出力特性を示している。
図33(A)、(B)に示すように、相対位相差Δψが0、πの場合、光ハイブリッド回路1Xの出力強度比は、それぞれ、0:2:1:1、2:0:1:1となる。
また、図33(C)、(D)に示すように、相対位相差Δψが−π/2、+π/2の場合、光ハイブリッド回路1Xの出力強度比は、それぞれ、1:1:2:0、1:1:0:2となる。
このように、2:4MMIカプラ2Bと2:2MMIカプラ3とを直接接続する場合であっても、上述の実施形態の場合と同様に、QPSK信号光の位相状態に対して、それぞれ異なる分岐比を有する出力形態が得られる。また、本光ハイブリッド回路1Xでは、2:4MMIカプラ2Bの出力端2BYの幅W及び入力端2BXの幅Wが|Δθ|=π/2の条件を満たし、2:4MMIカプラ2Bの長さLM24がχST=2.06の条件を満たす直線関数的テーパ形状を有する2:4MMIカプラを用いている。このため、2:2MMIカプラ3からの出力信号間にクロストークも発生していない。したがって、本光ハイブリッド回路1Xは90度ハイブリッドとして機能する。また、2:4MMIカプラ2Bと2:2MMIカプラ3とを直接接続する場合、更なる素子長の短縮化、且つ、構造の簡単化を図ることができる。
また、例えば、上述の実施形態の光ハイブリッド回路1Xを構成する2:2MMIカプラ3に代えて、図34に示すように、方向性結合器(3dBカプラ;例えば2:2方向性結合器)3Aを用いても良い。なお、図34では、上述の実施形態[図22(A)参照]と同一のものには同一の符号を付している。また、例えば、上述の実施形態の光ハイブリッド回路1Xを構成する2:2MMIカプラ3に代えて、図35に示すように、二モード干渉カプラ(例えば2:2二モード干渉カプラ)3Bを用いても良い。なお、図35では、上述の実施形態[図22(A)参照]と同一のものには同一の符号を付している。これらの場合も上述の実施形態のものと同様の効果が得られる。また、ここでは、上述の実施形態[図22(A)参照]の変形例として説明しているが、これらの変形例を、前段のMMIカプラとして4:4MMIカプラを用いる変形例に適用することもできる。
なお、上述の実施形態では、半導体材料としてInPを用いる場合を例に挙げて説明しているが、これに限られるものではない。例えば、他のIII−V族化合物半導体材料(例えばGaAs)あるいはIV族半導体材料(例えばSi)などを用いて、同様の導波路構造を形成しても良く、この場合にも同様の作用・効果を得ることが可能である。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態にかかる光ハイブリッド回路について、図36〜図38を参照しながら説明する。
本実施形態にかかる光ハイブリッド回路は、上述の第2実施形態のものに対し、2:4MMIカプラのテーパ形状が異なる。
つまり、本光ハイブリッド回路では、図36に示すように、2:4MMIカプラ2Cは、その幅(MMI幅;導波路幅)が伝搬方向に向かって二乗関数的に変化するテーパ形状(二乗関数的テーパ形状;幅テーパ構造)を有する。ここでは、2:4MMIカプラ2Cは、入力端2CXから出力端2CYへ向けて幅が二乗関数的に広くなるテーパ形状を有する。なお、図36では、上述の第2実施形態[図22(A)参照]と同一のものには同一の符号を付している。
このように、本実施形態では、2:2MMIカプラ3の入力側の2つのチャネルに入力される光の位相差が90度になるように、2:4MMIカプラ2Cの幅テーパ構造によって、2:4MMIカプラ2Cから出力される一対の第2光信号の位相差Δθがπ/2+p*π(pは整数)になるようにしている。
この場合、2:4MMIカプラ2C(傾斜型2:4MMIカプラ)は、第1の幅Wの入力端2CXと、第1の幅Wと異なる第2の幅Wの出力端2CYとを有し、一対の第2光信号間の位相差Δθがπ/2+p*π(pは整数)になるように構成されていることになる。なお、幅W及び幅Wの値は、上述の第2実施形態とは異なる。
図36に示すように、幅テーパが二乗関数的に変化する場合、基本モードと任意の高次モードとの間の伝搬定数差は局所的に変化することになる。
この場合、MMI領域における正味の位相変化(Δρ)は、上記式(9)と同様になる。
但し、本実施形態では、二乗関数的テーパ形状を用いており、幅テーパの変化が異なることから、幅テーパ関数W(z)は次式(14)のようになる。
上記式(9)及び上記式(14)により、基本モードと任意の高次モードとの間の伝搬定数差<β−β>は以下のように表される。
ここで、χSTはテーパ形状に依存する比例定数である。
上記式(15)及び上記式(16)から、二乗関数的テーパ形状を有する2:4MMIカプラのビート長Lπ SQは、次式(17)のように表すことができる。
したがって、テーパ形状を有しない2:4MMIカプラ(図6参照)のビート長Lπに対して、図36に示すような二乗関数的テーパ形状を有する2:4MMIカプラ2Cのビート長Lπ SQは、比例定数χSQが大きくなるほど短縮することになる。なお、テーパ形状を有しない2:4MMIカプラ(図6参照)のMMI幅は、本実施形態の二乗関数的テーパ形状を有する2:4MMIカプラ2Cの出力端2CYの幅Wと同一にしている。ここで、1/χSQは、テーパ形状を有しない2:4MMIカプラ(図6参照)のMMI長に対する、本実施形態の二乗関数的テーパ形状を有する2:4MMIカプラ2CのMMI長LM24の短縮率(縮小率)を表すパラメータとも言える。なお、MMI長LM24の値は、上述の第2実施形態とは異なる。
一方、2:4MMIカプラ2Cにおける位相変化は、二乗関数的に変化するテーパ形状に依存する。
このため、Δψが−π/2及び+π/2の場合に2:4MMIカプラ2Cから出力される一対の第2光信号の位相差Δθがπ/2+p*π(pは整数)になるように、χSQを設定することによって、確実に90度ハイブリッド動作が得られることになる。つまり、χSQを適正化することによって、図36に示すような光ハイブリッド回路が90度ハイブリッドとして機能することになる。また、2:4MMI長LM24の短縮化も図れる。
ここで、図37は、2:4MMIカプラ2CのMMI幅の変化率、即ち、2:4MMIカプラ2Cの入力端2CXの幅Wと出力端2CYの幅Wとの比W/Wと、出力信号のチャネル間位相差の絶対値|Δθ|との関係を示している。なお、図37は、出力信号のチャネル間位相差の絶対値|Δθ|は、2:4MMIカプラ2Cの3番目と4番目の出力チャネルから出力される出力信号(一対の第2光信号)のチャネル間位相差の絶対値である。
また、図37は、2:4MMIカプラ2CのMMI幅の変化率W/Wと、2:4MMI長LM24の縮小率、即ち、1/χSQ(即ち、W/W)との関係を示している。
なお、W/Wの値が1の場合、テーパ形状を有しない2:4MMIカプラとなる(図6参照)。また、ここでは、テーパ形状を有しない2:4MMIカプラ(図6参照)に対して、2:4MMIカプラ2Cの出力端2CYの幅Wを同一にし(固定し)、入力端2CXの幅Wを変化させている。なお、2:4MMIカプラ2Cの入力端2CXの幅Wを固定し、出力端2CYの幅Wを変化させるようにしても良い。
図37,図38に示すように、W/Wの値が増大するにつれて、出力信号のチャネル間位相差の絶対値|Δθ|の値は線形的に大きくなり、1/χSQの値が小さくなる(即ち、MMI長LM24が短縮される)ことが分かる。
また、二乗関数的テーパ形状を用いているため、図37,図38に示すように、直線関数的テーパ形状を用いる場合(図24,図25参照)と比べ、W/Wの値に対する|Δθ|の値の変化率が大きくなっている。
このため、2:4MMIカプラ2Cの入力端2CXの幅Wの値(即ち、W/Wの値)の設定によって、出力信号のチャネル間位相差の絶対値|Δθ|を所望のπ/2に設定することが可能となる。
ここでは、図37に示すように、出力信号のチャネル間位相差の絶対値|Δθ|がπ/2の場合におけるW/Wの値は1.5であり、図38に示すように、W/Wの値が1.5の場合における1/χSQの値は0.58である。この場合、χSTの値は1.74である。
したがって、二乗関数的テーパ形状を有する2:4MMIカプラ2CのMMI長LM24は、テーパ形状を有しない2:4MMIカプラ(図6参照)のMMI長の1/χSQ倍、即ち、0.58倍となる。つまり、二乗関数的テーパ形状を有する2:4MMIカプラ2CのMMI長LM24は、テーパ形状を有しない2:4MMIカプラ(図6参照)のMMI長と比べて、42%程度の縮小となる。
また、図37,図38に示す関係は、任意の入力端2CXの幅W及び出力端2CYの幅Wに対して成り立つ。つまり、任意の入力端2CXの幅W及び出力端2CYの幅Wに対して、χSQ=1.74の条件を満たせば、|Δθ|=π/2となり、図36に示すような二乗関数的テーパ形状を有する2:4MMIカプラ2Cを用いて、確実に90度ハイブリッド動作が得られることになる。
具体的には、二乗関数的テーパ形状を有する2:4MMIカプラ2Cの出力端2CXの幅Wが33μmの場合、出力信号のチャネル間位相差の絶対値|Δθ|=π/2の条件から、入力端2CXの幅Wは、21μmに決まる(図37参照)。このようにして、2:4MMIカプラ2Cの出力端2CYの幅W及び入力端2CXの幅Wが決まると、1/χSQ=0.58、即ち、χSQ=1.74の条件から、2:4MMIカプラ2Cの長さLM24は440μmに決まる。これらの値を上記式(14)に代入することによって得られた式[テーパ関数W(z)]によって、2:4MMIカプラ2Cの二乗関数的テーパ形状が規定される。
仮に、二乗関数的テーパ形状を有する2:4MMIカプラ2Cの出力端2CYの幅Wが26.4μm(33μmの80%相当)に設定された場合、所望の入力端2CXの幅Wは、16.8μm(21μmの80%相当)となる。
このように二乗関数的テーパ形状が規定されており、所定のテーパ関数によってMMI幅が変調されているため、2:4MMIカプラ2Cから出力される一対の第2光信号の位相差Δθがπ/2+p*π(pは整数)になる。このため、本光ハイブリッド回路1Xは、図36に示すように、同相関係にある一対の第1光信号(S−L,S+L)と、直交位相関係にある一対の第3光信号(S−jL,S+jL)とを出力することになり、確実に90度ハイブリッド動作が得られることになる。つまり、本光ハイブリッド回路1Xによって、QPSK信号光が、同相成分(I成分)のみを含む一対の第1光信号と、直交位相成分(Q成分)のみを含む一対の第3光信号に変換され、確実に90度ハイブリッド動作が得られることになる。
ここでは、同相関係にある一対の第1光信号、即ち、同相成分のみを含む一対の第1光信号は、位相が180度ずれた一対の光信号である。また、直交位相関係にある一対の第3光信号、即ち、直交位相成分のみを含む一対の第3光信号は、一対の第1光信号に対して位相が90度ずれた一対の光信号である。なお、一対の第3光信号は、位相が180度ずれた一対の光信号である。
なお、図36中、S−L,S+L,S+jL,S−jLは、信号光(S)の位相を基準にして、LO光(L)の位相が相対的にどのような関係になっているかを示している。ここでは、S−LとS+Lとは180度ずれた位相関係になっていることを示しており、S+jL,S−jLは、それぞれ、S+L,S−Lに対して90度ずれた位相関係になっていることを示している。
なお、その他の詳細については、上述の第2実施形態及び変形例(例えば図31〜図35参照)と同様であるため、ここでは説明を省略する。
したがって、本実施形態にかかる光ハイブリッド回路によれば、上述の第2実施形態と同様に、低波長依存性、低位相ズレ特性、低挿入損失であり、コンパクト化、及び、モノリシック集積化に適した90度ハイブリッドを実現できるという利点がある。
また、従来の4:4MMIカプラを用いた90度ハイブリッド[図50(A)参照]では避けられない光導波路の交差部が不要であるため、過剰損失を最低限に抑えることができるという利点もある。さらに、4つの出力信号の位相関係を従来の90度ハイブリッド[図48(A)、図49(A)参照]と同様にすることができるため、現在コヒーレント光受信機やコヒーレント検波システム等に用いられている90度ハイブリッドとの互換性にも優れている。
[第4実施形態]
次に、第4実施形態にかかる光ハイブリッド回路について、図39〜図41を参照しながら説明する。
本実施形態にかかる光ハイブリッド回路は、上述の第2実施形態のものに対し、2:4MMIカプラのテーパ形状が異なる。
つまり、本光ハイブリッド回路では、図39に示すように、2:4MMIカプラ2Dは、その幅(MMI幅;導波路幅)が伝搬方向に向かって指数関数的に変化するテーパ形状(指数関数的テーパ形状;幅テーパ構造)を有する。ここでは、2:4MMIカプラ2Dは、入力端2DXから出力端2DYへ向けて幅が指数関数的に広くなるテーパ形状を有する。なお、図39では、上述の第2実施形態[図22(A)参照]と同一のものには同一の符号を付している。
このように、本実施形態では、2:2MMIカプラ3の入力側の2つのチャネルに入力される光の位相差が90度になるように、2:4MMIカプラ2Dの幅テーパ構造によって、2:4MMIカプラ2Dから出力される一対の第2光信号の位相差Δθがπ/2+p*π(pは整数)になるようにしている。
この場合、2:4MMIカプラ2D(傾斜型2:4MMIカプラ)は、第1の幅Wの入力端2DXと、第1の幅Wと異なる第2の幅Wの出力端2DYとを有し、一対の第2光信号間の位相差Δθがπ/2+p*π(pは整数)になるように構成されていることになる。なお、幅W及び幅Wの値は、上述の第2実施形態とは異なる。
図39に示すように、幅テーパが指数関数的に変化する場合、基本モードと任意の高次モードとの間の伝搬定数差は局所的に変化することになる。
この場合、MMI領域における正味の位相変化(Δρ)は、上記式(9)と同様になる。
但し、本実施形態では、指数関数的テーパを用いており、幅テーパの変化が異なることから、幅テーパ関数W(z)は次式(18)のようになる。
上記式(9)及び上記式(18)により、基本モードと任意の高次モードとの間の伝搬定数差<β−β>は以下のように表される。
ここで、χEXPはテーパ形状に依存する比例定数である。
上記式(19)及び上記式(20)から、指数関数的テーパを有する2:4MMIカプラのビート長Lπ EXPは、次式(21)のように表すことができる。
したがって、テーパ形状を有しない2:4MMIカプラ(図6参照)のビート長Lπに対して、図39に示すような指数関数的テーパ形状を有する2:4MMIカプラ2Dのビート長Lπ EXPは、比例定数χEXPが大きくなるほど短縮することになる。なお、テーパ形状を有しない2:4MMIカプラ(図6参照)のMMI幅は、本実施形態の指数関数的テーパ形状を有する2:4MMIカプラ2Dの出力端2DYの幅Wと同一にしている。ここで、1/χEXPは、テーパ形状を有しない2:4MMIカプラ(図6参照)のMMI長に対する、本実施形態の指数関数的テーパ形状を有する2:4MMIカプラ2DのMMI長LM24の短縮率(縮小率)を表すパラメータとも言える。なお、MMI長LM24の値は、上述の第2実施形態とは異なる。
一方、2:4MMIカプラ2Dにおける位相変化は、指数関数的に変化するテーパ形状に依存する。
このため、Δψが−π/2及び+π/2の場合に2:4MMIカプラ2Dから出力される一対の第2光信号の位相差Δθがπ/2+p*π(pは整数)になるように、χEXPを設定することによって、確実に90度ハイブリッド動作が得られることになる。つまり、χEXPを適正化することによって、図39に示すような光ハイブリッド回路が90度ハイブリッドとして機能することになる。また、2:4MMI長LM24の短縮化も図れる。
ここで、図40は、2:4MMIカプラ2DのMMI幅の変化率、即ち、2:4MMIカプラ2Dの入力端2DXの幅Wと出力端2DYの幅Wとの比W/Wと、出力信号のチャネル間位相差の絶対値|Δθ|との関係を示している。なお、図40は、出力信号のチャネル間位相差の絶対値|Δθ|は、2:4MMIカプラ2Dの3番目と4番目の出力チャネルから出力される出力信号(一対の第2光信号)のチャネル間位相差の絶対値である。
また、図41は、2:4MMIカプラ2DのMMI幅の変化率W/Wと、2:4MMI長LM24の縮小率、即ち、1/χEXP(即ち、W/W)との関係を示している。
なお、W/Wの値が1の場合、テーパ形状を有しない2:4MMIカプラとなる(図6参照)。また、ここでは、テーパ形状を有しない2:4MMIカプラ(図6参照)に対して、2:4MMIカプラ2Dの出力端2DXの幅Wを同一にし(固定し)、入力端2DXの幅Wを変化させている。なお、2:4MMIカプラ2Dの入力端2DXの幅Wを固定し、出力端2DYの幅Wを変化させるようにしても良い。
図40,図41に示すように、W/Wの値が増大するにつれて、出力信号のチャネル間位相差の絶対値|Δθ|の値は線形的に大きくなり、1/χEXPの値が小さくなる(即ち、MMI長LM24が短縮される)ことが分かる。
また、指数関数的テーパ形状を用いているため、図40,図41に示すように、直線関数的テーパ形状を用いる場合(図24,図25参照)と比べ、W/Wの値に対する|Δθ|の値の変化率が大きくなっている。
このため、2:4MMIカプラ2Dの入力端2DXの幅Wの値(即ち、W/Wの値)の設定によって、出力信号のチャネル間位相差の絶対値|Δθ|を所望のπ/2に設定することが可能となる。
ここでは、図40に示すように、出力信号のチャネル間位相差の絶対値|Δθ|がπ/2の場合におけるW/Wの値は1.68であり、図41に示すように、W/Wの値が1.68の場合における1/χEXPの値は0.56である。この場合、χEXPの値は1.79である。
したがって、指数関数的テーパを有する2:4MMIカプラ2DのMMI長LM24は、テーパ形状を有しない2:4MMIカプラ(図6参照)のMMI長の1/χEXP倍、即ち、0.56倍となる。つまり、指数関数的テーパを有する2:4MMIカプラ2DのMMI長LM24は、テーパ形状を有しない2:4MMIカプラ(図6参照)のMMI長と比べて、44%程度の縮小となる。
また、図40,図41に示す関係は、任意の入力端2DXの幅W及び出力端2DYの幅Wに対して成り立つ。つまり、任意の入力端2DXの幅W及び出力端2DYの幅Wに対して、χEXP=1.79の条件を満たせば、|Δθ|=π/2となり、図39に示すような指数関数的テーパを有する2:4MMIカプラ2Dを用いて、確実に90度ハイブリッド動作が得られることになる。
具体的には、指数関数的テーパを有する2:4MMIカプラ2Dの出力端2DYの幅Wが33μmの場合、出力信号のチャネル間位相差の絶対値|Δθ|=π/2の条件から、入力端2DXの幅Wは、20μmに決まる(図40参照)。このようにして、2:4MMIカプラ2Dの出力端2DYの幅W及び入力端2DXの幅Wが決まると、1/χEXP=0.56、即ち、χEXP=1.79の条件から、2:4MMIカプラ2Dの長さLM24は423μmに決まる。これらの値を上記式(18)に代入することによって得られた式[テーパ関数W(z)]によって、2:4MMIカプラ2Dの指数関数的テーパ形状が規定される。
このように指数関数的テーパ形状が規定されており、所定のテーパ関数によってMMI幅が変調されているため、2:4MMIカプラ2Dから出力される一対の第2光信号の位相差Δθがπ/2+p*π(pは整数)になる。このため、本光ハイブリッド回路1Xは、図39に示すように、同相関係にある一対の第1光信号(S−L,S+L)と、直交位相関係にある一対の第3光信号(S−jL,S+jL)とを出力することになり、確実に90度ハイブリッド動作が得られることになる。つまり、本光ハイブリッド回路1Xによって、QPSK信号光が、同相成分(I成分)のみを含む一対の第1光信号と、直交位相成分(Q成分)のみを含む一対の第3光信号に変換され、確実に90度ハイブリッド動作が得られることになる。
ここでは、同相関係にある一対の第1光信号、即ち、同相成分のみを含む一対の第1光信号は、位相が180度ずれた一対の光信号である。また、直交位相関係にある一対の第3光信号、即ち、直交位相成分のみを含む一対の第3光信号は、一対の第1光信号に対して位相が90度ずれた一対の光信号である。なお、一対の第3光信号は、位相が180度ずれた一対の光信号である。
なお、図39中、S−L,S+L,S+jL,S−jLは、信号光(S)の位相を基準にして、LO光(L)の位相が相対的にどのような関係になっているかを示している。ここでは、S−LとS+Lとは180度ずれた位相関係になっていることを示しており、S+jL,S−jLは、それぞれ、S+L,S−Lに対して90度ずれた位相関係になっていることを示している。
なお、その他の詳細については、上述の第2実施形態及び変形例(例えば図31〜図35参照)と同様であるため、ここでは説明を省略する。
したがって、本実施形態にかかる光ハイブリッド回路によれば、上述の第2実施形態と同様に、低波長依存性、低位相ズレ特性、低挿入損失であり、コンパクト化、及び、モノリシック集積化に適した90度ハイブリッドを実現できるという利点がある。
また、従来の4:4MMIカプラを用いた90度ハイブリッド[図50(A)参照]では避けられない光導波路の交差部が不要であるため、過剰損失を最低限に抑えることができるという利点もある。さらに、4つの出力信号の位相関係を従来の90度ハイブリッド[図48(A)、図49(A)参照]と同様にすることができるため、現在コヒーレント光受信機やコヒーレント検波システム等に用いられている90度ハイブリッドとの互換性にも優れている。
なお、上述の第2〜第4実施形態にかかる光ハイブリッド回路1Xを構成する2:4MMIカプラのテーパ形状を規定するテーパ関数は、一対の第1光信号間の位相差又は一対の第2光信号間の位相差がπ/2+p*π(pは整数)になれば良い。このため、第2実施形態の直線関数的テーパ形状、第3実施形態の二乗関数的テーパ形状、及び、第4実施形態の指数関数的テーパ形状に限られるものではなく、例えば、平方根関数的テーパ形状、正弦波関数的テーパ形状、これらを合成した関数によるテーパ形状を用いても良い。
[第5実施形態]
次に、第5実施形態にかかる光受信機、光送受信機、光受信方法について、図42を参照しながら説明する。
本実施形態にかかる光受信機は、図42に示すように、上述の第1実施形態及びその変形例の光ハイブリッド回路1[QPSK信号用90度ハイブリッド;図1、図3(A)、図16〜図21参照]を含むコヒーレント光受信機20である。このコヒーレント光受信機20は、90度ハイブリッド1によって識別された光信号を電気信号に変換し、デジタル信号処理を行なうようになっている。
このため、本光受信機20は、図42に示すように、上述の第1実施形態の光ハイブリッド回路1と、フォトダイオード(光電変換部)21A,21Bと、AD変換回路(AD変換部)22A,22Bと、デジタル演算回路(デジタル演算部)23とを備える。
ここで、光ハイブリッド回路1は、QPSK信号光を同相関係にある一対の第1光信号及び同相関係にある一対の第2光信号に変換するMMIカプラ2と、第1光信号又は第2光信号を、直交位相関係にある一対の第3光信号に変換する光カプラ3とを備える[図1、図3(A)、図16〜図21参照]。
ここでは、MMIカプラ2は2:4MMIカプラである。また、光カプラ3は2:2MMIカプラである。そして、光ハイブリッド回路1は光半導体素子によって構成される。
本実施形態では、図42に示すように、光ハイブリッド回路1の2:4MMIカプラ2の入力側の一のチャネルにQPSK信号光が入力され、2:4MMIカプラ2の入力側の他のチャネルにLO光が入力されるようになっている。つまり、光ハイブリッド回路1の2:4MMIカプラ2の入力側の一のチャネルは、QPSK信号光を入力するためのチャネルである。また、光ハイブリッド回路1の2:4MMIカプラ2の入力側の他のチャネルは、LO光を入力するためのチャネルである。
このため、本光受信機20は、さらに、光ハイブリッド回路1の2:4MMIカプラ2の入力側の他のチャネルにLO光を入力するための局部発振光発生部(LO光源)24を備える。
そして、光ハイブリッド回路1にQPSK信号光(QPSK信号パルス)とこれに時間的に同期したLO光が入力されると、QPSK信号光とLO光との相対位相差Δψに応じて、それぞれ異なる分岐比を有する出力形態が得られる。ここでは、相対位相差Δψが0、π、−π/2、+π/2の場合に、光ハイブリッド回路1の出力強度比は、それぞれ、0:2:1:1、2:0:1:1、1:1:2:0、1:1:0:2となる(図9参照)。
フォトダイオード21A,21Bは、光ハイブリッド回路1の多モード干渉カプラ2及び光カプラ3のそれぞれから出力される一対の光信号をアナログ電気信号に光電変換するフォトダイオードである。
ここでは、光電変換及び信号復調のために、光ハイブリッド回路1の後段に差動型フォトダイオード(BPD)21A,21Bが設けられている。ここで、BPD21A,21Bは、2つのフォトダイオード(PD)を備え、一方のPDのみに光信号が入力された場合は「1」に相当する電流が流れ、他方のPDのみに光信号が入力された場合は「−1」に相当する電流が流れ、両方のPDに同時に光信号が入力された場合は電流が流れない。このため、相対位相差Δψに応じて、異なる出力強度比の光信号が、光ハイブリッド回路1から2つのBPD21A,21Bへ入力されると、2つのBPD21A,21Bから異なるパターンの電気信号が出力されることになる。つまり、2つのBPD21A,21Bによって、QPSK信号光における位相情報が識別され、それぞれ異なるパターンの電気信号に変換されることになる。
具体的には、光ハイブリッド回路1の出力側の1番目及び2番目のチャネルに第1BPD21Aが接続されており、光ハイブリッド回路1の出力側の3番目及び4番目のチャネルに第2BPD21Bが接続されている。つまり、同相関係にある一対の第1光信号が出力される1番目及び2番目のチャネル(隣接する一対の第1出力チャネル)に第1BPD21Aが接続されている。また、同相関係にある一対の第2光信号(第1光信号に対しては直交位相関係にある)が出力される3番目及び4番目のチャネル(隣接する一対の第2出力チャネル)に第2BPD21Bが接続されている。
AD変換回路22A,22Bは、フォトダイオード21A,21Bから出力されるアナログ電気信号をデジタル電気信号に変換するAD変換回路である。
デジタル演算回路23は、AD変換回路22A,22Bから出力されるデジタル電気信号を用いて、受信信号光の情報を推定するための演算処理を実行するデジタル演算回路(デジタル信号処理回路)である。
本光受信機20は、上述のように構成されるため、以下のようにして光信号を受信することになる(光受信方法)。
つまり、まず、光ハイブリッド回路1の多モード干渉カプラ(ここでは2:4MMIカプラ2)を用いて、QPSK信号光を同相関係にある一対の第1光信号及び同相関係にある一対の第2光信号に変換する。次いで、光カプラ(ここでは2:2MMIカプラ3)を用いて、第1光信号又は第2光信号を直交位相関係にある一対の第3光信号に変換する。そして、第1光信号又は第2光信号と、第3光信号とを受信する。
なお、光ハイブリッド回路1の詳細については、上述の第1実施形態及びその変形例と同様であるから、ここではその説明を省略する。
したがって、本実施形態にかかる光受信機によれば、低波長依存性、低位相ズレ特性、低挿入損失であり、コンパクト化、及び、モノリシック集積化に適した90度ハイブリッドを備える光受信機を実現できるという利点がある。
なお、上述の実施形態及び変形例では、光受信機として、上述の第1実施形態及び変形例の光ハイブリッド回路を含む光受信機を例に挙げて説明しているが、これに限られるものではなく、図43に示すように、上述の第2実施形態〜第4実施形態及び変形例の光ハイブリッド回路1Xのいずれかを含む光受信機20Xとして構成することもできる。なお、図43では、上述の実施形態(図42参照)と同一のものには同一の符号を付している。
また、上述の実施形態及び変形例では、光受信機を例に挙げて説明しているが、これに限られるものではなく、上述の実施形態の光受信機の構成を備えるものとして光送受信機を構成することもできる。
また、上述の実施形態及び変形例では、光ハイブリッド回路1,1Xが、MMIカプラ2,2A〜2Dと光カプラ3とを備える光半導体素子によって構成されているが、これに限られるものではない。例えば、MMIカプラ2,2A〜2Dと光カプラ3とを備える光半導体素子に、さらに、フォトダイオード(ここではBPD)21A,21Bが集積されていても良い。つまり、MMIカプラ2,2A〜2Dと、光カプラ3と、フォトダイオード(ここではBPD)21A,21Bとが一体に集積されていても良い。
[第6実施形態]
次に、第6実施形態にかかる光ハイブリッド回路について、図44を参照しながら説明する。
本実施形態にかかる光ハイブリッド回路は、上述の第1実施形態のものがQPSK信号光及びLO光が時間的に同期させて入力されるようになっているのに対し、差分四位相偏移変調(DQPSK)信号が入力されるようになっている点で異なる。
つまり、本光ハイブリッド回路は、光伝送システムにおいてDQPSK信号の位相変調情報を識別するために用いられる90度ハイブリッド回路(以下、90度ハイブリッドともいう)である。
このため、図44に示すように、本光ハイブリッド回路1Aは、上述の第1実施形態の光ハイブリッド回路1の構成に加え、光遅延回路5と、入力側に1つのチャネルを有し、出力側に2つのチャネルを有する1:2光カプラ6とを備える。つまり、本光ハイブリッド回路1Aは、上述の第1実施形態の光ハイブリッド回路1に含まれる2:4MMIカプラ2の前段(前端部)に光遅延回路5を介して1:2光カプラ6が従属接続された構造になっている。なお、上述の第1実施形態と同様に、光ハイブリッド回路1は、MMIカプラ2と光カプラ3とを備える光半導体素子によって構成されている。また、図44では、上述の第1実施形態[図1(A)参照]と同一のものには同一の符号を付している。
ここで、光遅延回路5は、上述の第1実施形態の光ハイブリッド回路1に含まれる2:4MMIカプラ2の入力側の一のチャネルに接続されている。
1:2光カプラ6は、光遅延回路5及び2:4MMIカプラ2の入力側の他のチャネルに接続されている。ここでは、1:2光カプラ6は1:2MMIカプラである。
具体的には、2:4MMIカプラ2の一の入力チャネルと1:2MMIカプラ6の一の出力チャネルとを接続する一の光導波路の長さを、2:4MMIカプラ2の他の入力チャネルと1:2MMIカプラ6の他の出力チャネルとを接続する他の光導波路の長さよりも長くしている。
つまり、2:4MMIカプラ2の2つの入力ポートと1:2MMIカプラ6の2つの出力ポートとを接続する2つの光導波路(アーム)の長さ(光路長)に差が設けられている。
ここでは、一の光導波路の長さを長くして、DQPSK信号パルスの1ビットの遅延に相当する光路長差を設けている。このため、上述の第1実施形態の光ハイブリッド回路1に含まれる2:4MMIカプラ2の一の入力チャネルに接続された一の光導波路が光遅延回路5である。
そして、1:2MMIカプラ6の入力側のチャネルに、DQPSK信号光が入力されるようになっている。このため、1:2MMIカプラ6の入力側のチャネルは、DQPSK信号光を入力するための入力チャネルである。DQPSK信号光パルスは、1:2MMIカプラ6を経由して2つの経路に分けられ、一方のDQPSK信号光は光遅延回路5によって1ビット遅延された後、2つのDQPSK信号光が時間的に同期して2:4MMIカプラ2に入力されることになる。この場合、2:4MMIカプラ2の2つの入力チャネルのそれぞれに入力されるDQPSK信号光の相対位相差は、上述の第1実施形態において説明した4種類の相対位相差Δψのいずれかになる(図9参照)。このため、上述の第1実施形態と同様の2:4MMIカプラ以降の回路構成によって、それぞれ異なる分岐比を有する出力形態が得られる。したがって、本光ハイブリッド回路1Aも、上述の第1実施形態の場合と同様に、90度ハイブリッドとして機能する。
なお、その他の詳細は、上述の第1実施形態と同様であるから、ここではその説明を省略する。ここで、上述の第1実施形態のものを本実施形態のものに適用するにあたっては、QPSK信号光及びLO光を、相対位相差Δψを有する2つのDQPSK信号光に読み替えて適用すれば良い。
したがって、本実施形態にかかる光ハイブリッド回路によれば、上述の第1実施形態の場合と同様に、低波長依存性、低位相ズレ特性、低挿入損失であり、コンパクト化、及び、モノリシック集積化に適した90度ハイブリッドを実現できるという利点がある。
また、従来の4:4MMIカプラを用いた90度ハイブリッド[図50(A)参照]では避けられない光導波路の交差部が不要であるため、過剰損失を最低限に抑えることができるという利点もある。さらに、4つの出力信号の位相関係を従来の90度ハイブリッド[図48(A)、図49(A)参照]と同様にすることができるため、現在コヒーレント光受信機やコヒーレント検波システム等に用いられている90度ハイブリッドとの互換性にも優れている。
なお、上述の実施形態では、2:4MMIカプラ2の前段に設けられる1:2光カプラ6として1:2MMIカプラを用いているが、これに限られるものではない。例えば、1:2MMIカプラの代わりに、Y分岐カプラ、2:2方向性結合器などを用いることもでき、この場合も上述の実施形態の場合と同様に90度ハイブリッド動作を得ることができる。
また、上述の実施形態では、上述の第1実施形態と同様に、光ハイブリッド回路1Aが、MMIカプラ2と光カプラ3とを備える光半導体素子を含むものとして構成されているが、これに限られるものではない。例えば、光ハイブリッド回路1Aが、MMIカプラ2と、光カプラ3と、光遅延回路5と、1:2光カプラ6とを備える光半導体素子によって構成されていても良い。
また、上述の第1実施形態の変形例[図3(A)、図16〜図21参照]は、本実施形態のものにも同様に適用することができる。
また、上述の実施形態では、上述の第1実施形態の光ハイブリッド回路を備えるものとし、上述の第1実施形態の変形例として説明しているが、図45に示すように、上述の第2実施形態〜第4実施形態の光ハイブリッド回路を備えるものとし、上述の第2実施形態〜第4実施形態の変形例として構成することもできる。つまり、光ハイブリッド回路1XAは、上述の第2実施形態〜第4実施形態の光ハイブリッド回路1Xの構成に加え、光遅延回路5と、入力側に1つのチャネルを有し、出力側に2つのチャネルを有する1:2光カプラ6とを備える。また、上述の第2実施形態の変形例(例えば図31〜図35参照)、上述の第3実施形態や第4実施形態の変形例は、本実施形態のものにも同様に適用することができる。
[第7実施形態]
次に、第7実施形態にかかる光受信機、光送受信機、光受信方法について、図46、図47を参照しながら説明する。
本実施形態にかかる光受信機は、図46、図47に示すように、上述の第6実施形態及びその変形例の光ハイブリッド回路1A,1XA(DQPSK信号用90度ハイブリッド;図44、図45、図3、図17〜図21参照)を含むコヒーレント光受信機20A,20XAである。このコヒーレント光受信機20A,20XAは、90度ハイブリッド1A,1XAによって識別された光信号を電気信号に変換し、デジタル信号処理を行なうようになっている。
このため、本光受信機20A,20XAは、図46,図47に示すように、上述の第6実施形態及び変形例の光ハイブリッド回路1A,1XAと、フォトダイオード(光電変換部)21A,21Bと、AD変換回路(AD変換部)22A,22Bと、デジタル演算回路(デジタル演算部)23とを備える。
なお、光ハイブリッド回路の詳細については、上述の第6実施形態及びその変形例[図44、図45、図3(A)、図16〜図21参照]と同様であるから、ここではその説明を省略する。また、フォトダイオード21A,21B、AD変換回路22A,22B、デジタル演算回路23の構成及び光受信方法については、上述の第5実施形態及びその変形例(図42,図43)と同様であるから、ここではその説明を省略する。但し、本光受信機20Aには局部発振光発生部は存在しない。ここで、上述の第5実施形態及びその変形例のものを本実施形態のものに適用するにあたっては、QPSK信号光及びLO光を、相対位相差Δψを有する2つのDQPSK信号光に読み替えて適用すれば良い。なお、図46,図47では、上述の第5実施形態(図42参照)及び第6実施形態(図44参照)のものと同一のものには同一の符号を付している。
したがって、本実施形態にかかる光受信機によれば、低波長依存性、低位相ズレ特性、低挿入損失であり、コンパクト化、及び、モノリシック集積化に適した90度ハイブリッドを備える光受信機を実現できるという利点がある。
なお、上述の実施形態では、光受信機を例に挙げて説明しているが、これに限られるものではなく、上述の第5実施形態の変形例と同様に、上述の実施形態の光受信機の構成を備えるものとして光送受信機を構成することもできる。
また、上述の実施形態では、光ハイブリッド回路1A,1XAが、MMIカプラ2,2A〜2Dと光カプラ3とを備える光半導体素子によって構成されることになるが(第6実施形態参照)、これに限られるものではない。例えば、MMIカプラ2,2A〜2Dと光カプラ3とを備える光半導体素子に、さらに、フォトダイオード(ここではBPD)21A,21Bが集積されていても良い。つまり、MMIカプラ2,2A〜2Dと、光カプラ3と、フォトダイオード(ここではBPD)21A,21Bとが一体に集積されていても良い。
また、上述の実施形態では、光ハイブリッド回路1A,1XAが、MMIカプラ2,2A〜2Dと、光カプラ3と、光遅延回路5と、1:2光カプラ6とを含む光半導体素子によって構成されることになるが(第6実施形態の変形例参照)、これに限られるものではない。例えば、MMIカプラ2,2A〜2Dと、光カプラ3と、光遅延回路5と、1:2光カプラ6とを含む光半導体素子に、さらに、フォトダイオード(ここではBPD)21A,21Bが集積されていても良い。つまり、MMIカプラ2,2A〜2Dと、光カプラ3と、光遅延回路5と、1:2光カプラ6と、フォトダイオード(ここではBPD)21A,21Bとが一体に集積されていても良い。
[その他]
なお、本発明は、上述した各実施形態及び変形例に記載した構成に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形することが可能である。
以下、上述の各実施形態及び変形例に関し、更に、付記を開示する。
(付記1) 幅方向中心位置に対して対称な位置に設けられた一対の入力チャネルと、同相関係にある一対の第1光信号を出力するための隣接する一対の第1出力チャネルと、同相関係にある一対の第2光信号を出力するための隣接する一対の第2出力チャネルとを備え、四位相偏移変調信号光又は差分四位相偏移変調信号光を、同相関係にある一対の第1光信号及び同相関係にある一対の第2光信号に変換する多モード干渉カプラと、
前記第1出力チャネル又は前記第2出力チャネルに接続されており、入力側に2つのチャネルを有し、出力側に2つのチャネルを有し、前記第1光信号又は前記第2光信号を、直交位相関係にある一対の第3光信号に変換する2:2光カプラとを備えることを特徴とする、光ハイブリッド回路。
(付記2)
前記2:2光カプラが接続された前記一対の第1出力チャネルの一方又は前記一対の第2出力チャネルの一方に位相制御領域を備えることを特徴とする、付記1記載の光ハイブリッド回路。
(付記3)
前記位相制御領域は、前記一対の第1光信号間の位相差又は前記一対の第2光信号間の位相差がπ/2+p*π(pは整数)になるように位相を制御する領域であることを特徴とする、付記2記載の光ハイブリッド回路。
(付記4)
前記多モード干渉カプラは、入力側に2つのチャネルを有し、出力側に4つのチャネルを有する2:4多モード干渉カプラであることを特徴とする、付記1〜3のいずれか1項に記載の光ハイブリッド回路。
(付記5)
前記2:4多モード干渉カプラは、対モード干渉に基づく2:4多モード干渉カプラであることを特徴とする、付記4記載の光ハイブリッド回路。
(付記6)
前記多モード干渉カプラは、入力側に4つのチャネルを有し、出力側に4つのチャネルを有する4:4多モード干渉カプラであり、前記入力側の4つのチャネルのうち幅方向中心位置に対して対称な位置に設けられた2つのチャネルが光を入力するための入力チャネルであることを特徴とする、付記1〜3のいずれか1項に記載の光ハイブリッド回路。
(付記7)
前記多モード干渉カプラの入力側の一のチャネルが、四位相偏移変調信号光を入力するための入力チャネルであり、
前記多モード干渉カプラの入力側の他のチャネルが、局部発振光を入力するための入力チャネルであることを特徴とする、付記1〜6のいずれか1項に記載の光ハイブリッド回路。
(付記8)
前記多モード干渉カプラの入力側の一のチャネルに接続された光遅延回路と、
前記光遅延回路及び前記多モード干渉カプラの入力側の他のチャネルに接続され、入力側に1つのチャネルを有し、出力側に2つのチャネルを有する1:2光カプラとを備え、
前記1:2光カプラの入力側のチャネルが、差分四位相偏移変調信号光を入力するための入力チャネルであることを特徴とする、付記1〜6のいずれか1項に記載の光ハイブリッド回路。
(付記9)
幅方向中心位置に対して対称な位置に設けられた一対の入力チャネルと、同相関係にある一対の第1光信号を出力するための隣接する一対の第1出力チャネルと、同相関係にある一対の第2光信号を出力するための隣接する一対の第2出力チャネルとを備え、四位相偏移変調信号光又は差分四位相偏移変調信号光を、同相関係にある一対の第1光信号及び同相関係にある一対の第2光信号に変換する多モード干渉カプラと、
前記第1出力チャネル又は前記第2出力チャネルに接続されており、入力側に2つのチャネルを有し、出力側に2つのチャネルを有し、前記第1光信号又は前記第2光信号を、直交位相関係にある一対の第3光信号に変換する2:2光カプラとを備え、
前記多モード干渉カプラは、第1の幅の入力端と、前記第1の幅と異なる第2の幅の出力端とを有し、前記一対の第1光信号間の位相差又は前記一対の第2光信号間の位相差がπ/2+p*π(pは整数)になることを特徴とする、光ハイブリッド回路。
(付記10)
前記多モード干渉カプラは、幅が伝搬方向に向かってテーパ状に変化する形状を備えることを特徴とする、付記9記載の光ハイブリッド回路。
(付記11)
前記多モード干渉カプラは、直線関数的テーパ形状、二乗関数的テーパ形状、指数関数的テーパ形状、平方根関数的テーパ形状、正弦波関数的テーパ形状、又は、これらを合成した関数によるテーパ形状を備えることを特徴とする、付記9又は10記載の光ハイブリッド回路。
(付記12)
前記多モード干渉カプラと前記2:2光カプラとが直接接続されていることを特徴とする、付記9〜11のいずれか1項に記載の光ハイブリッド回路。
(付記13)
前記多モード干渉カプラは、入力側に2つのチャネルを有し、出力側に4つのチャネルを有する2:4多モード干渉カプラであることを特徴とする、付記9〜12のいずれか1項に記載の光ハイブリッド回路。
(付記14)
前記多モード干渉カプラは、入力側に4つのチャネルを有し、出力側に4つのチャネルを有する4:4多モード干渉カプラであり、前記入力側の4つのチャネルのうち幅方向中心位置に対して対称な位置に設けられた2つのチャネルが光を入力するための入力チャネルであることを特徴とする、付記9〜13のいずれか1項に記載の光ハイブリッド回路。
(付記15)
前記多モード干渉カプラの入力側の一のチャネルが、四位相偏移変調信号光を入力するための入力チャネルであり、
前記多モード干渉カプラの入力側の他のチャネルが、局部発振光を入力するための入力チャネルであることを特徴とする、付記9〜14のいずれか1項に記載の光ハイブリッド回路。
(付記16)
前記多モード干渉カプラの入力側の一のチャネルに接続された光遅延回路と、
前記光遅延回路及び前記多モード干渉カプラの入力側の他のチャネルに接続され、入力側に1つのチャネルを有し、出力側に2つのチャネルを有する1:2光カプラとを備え、
前記1:2光カプラの入力側のチャネルが、差分四位相偏移変調信号光を入力するための入力チャネルであることを特徴とする、付記9〜15のいずれか1項に記載の光ハイブリッド回路。
(付記17)
幅方向中心位置に対して対称な位置に設けられた一対の入力チャネルと、同相関係にある一対の第1光信号を出力するための隣接する一対の第1出力チャネルと、同相関係にある一対の第2光信号を出力するための隣接する一対の第2出力チャネルとを備え、四位相偏移変調信号光又は差分四位相偏移変調信号光を、同相関係にある一対の第1光信号及び同相関係にある一対の第2光信号に変換する多モード干渉カプラと、前記第1出力チャネル又は前記第2出力チャネルに接続されており、入力側に2つのチャネルを有し、出力側に2つのチャネルを有し、前記第1光信号又は前記第2光信号を、直交位相関係にある一対の第3光信号に変換する2:2光カプラとを備える光ハイブリッド回路と、
前記多モード干渉カプラから出力される前記第1光信号又は前記第2光信号、及び、前記2:2光カプラから出力される前記第3光信号を、アナログ電気信号に変換するフォトダイオードと、
前記フォトダイオードから出力されるアナログ電気信号をデジタル電気信号に変換するAD変換回路と、
前記AD変換回路から出力されるデジタル電気信号を用いて演算処理を実行するデジタル演算回路とを備えることを特徴とする光受信機。
(付記18)
幅方向中心位置に対して対称な位置に設けられた一対の入力チャネルと、同相関係にある一対の第1光信号を出力するための隣接する一対の第1出力チャネルと、同相関係にある一対の第2光信号を出力するための隣接する一対の第2出力チャネルとを備え、四位相偏移変調信号光又は差分四位相偏移変調信号光を、同相関係にある一対の第1光信号及び同相関係にある一対の第2光信号に変換する多モード干渉カプラと、前記第1出力チャネル又は前記第2出力チャネルに接続されており、入力側に2つのチャネルを有し、出力側に2つのチャネルを有し、前記第1光信号又は前記第2光信号を、直交位相関係にある一対の第3光信号に変換する2:2光カプラとを備え、前記多モード干渉カプラは、第1の幅の入力端と、前記第1の幅と異なる第2の幅の出力端とを有し、前記一対の第1光信号間の位相差又は前記一対の第2光信号間の位相差がπ/2+p*π(pは整数)になる光ハイブリッド回路と、
前記多モード干渉カプラから出力される前記第1光信号又は前記第2光信号、及び、前記2:2光カプラから出力される前記第3光信号を、アナログ電気信号に変換するフォトダイオードと、
前記フォトダイオードから出力されるアナログ電気信号をデジタル電気信号に変換するAD変換回路と、
前記AD変換回路から出力されるデジタル電気信号を用いて演算処理を実行するデジタル演算回路とを備えることを特徴とする光受信機。
(付記19)
幅方向中心位置に対して対称な位置に設けられた一対の入力チャネルと、同相関係にある一対の第1光信号を出力するための隣接する一対の第1出力チャネルと、同相関係にある一対の第2光信号を出力するための隣接する一対の第2出力チャネルとを備える多モード干渉カプラを用いて、四位相偏移変調信号光又は差分四位相偏移変調信号光を同相関係にある一対の第1光信号及び同相関係にある一対の第2光信号に変換し、
前記第1出力チャネル又は前記第2出力チャネルに接続されており、入力側に2つのチャネルを有し、出力側に2つのチャネルを有する2:2光カプラを用いて、前記第1光信号又は前記第2光信号を直交位相関係にある一対の第3光信号に変換し、
前記第1光信号又は前記第2光信号と、前記第3光信号とを受信することを特徴とする光受信方法。
(付記20)
幅方向中心位置に対して対称な位置に設けられた一対の入力チャネルと、同相関係にある一対の第1光信号を出力するための隣接する一対の第1出力チャネルと、同相関係にある一対の第2光信号を出力するための隣接する一対の第2出力チャネルとを備える多モード干渉カプラを用いて、四位相偏移変調信号光又は差分四位相偏移変調信号光を同相関係にある一対の第1光信号及び同相関係にある一対の第2光信号に変換し、
前記第1出力チャネル又は前記第2出力チャネルに接続されており、入力側に2つのチャネルを有し、出力側に2つのチャネルを有する2:2光カプラを用いて、前記第1光信号又は前記第2光信号を直交位相関係にある一対の第3光信号に変換し、
前記第1光信号又は前記第2光信号と、前記第3光信号とを受信し、
前記多モード干渉カプラは、第1の幅の入力端と、前記第1の幅と異なる第2の幅の出力端とを有し、前記一対の第1光信号間の位相差又は前記一対の第2光信号間の位相差がπ/2+p*π(pは整数)になることを特徴とする光受信方法。
1,1A,1X,1XA 光ハイブリッド回路
2,2A,2B,2C,2D MMIカプラ(2:4MMIカプラ)
2X,2AX,2BX,2CX,2DX 入力端
2Y,2AY,2BY,2CY,2DY 出力端
3 光カプラ(2:2MMIカプラ)
3A 方向性結合器(2:2方向性結合器)
3B 二モード干渉カプラ(2:2二モード干渉カプラ)
4,4A 位相シフタ
4B 光導波路
5 光遅延回路
6 1:2光カプラ
10 InP基板
11 GaInAsPコア層
12 InPクラッド層
13 光半導体素子
20,20A,20X,20XA コヒーレント光受信機
21A,21B フォトダイオード(光電変換部;BPD)
22A,22B AD変換回路(AD変換部)
23 デジタル演算回路(デジタル演算部)
24 局部発振光発生部(LO光源)

Claims (10)

  1. 幅方向中心位置に対して対称な位置に設けられた一対の入力チャネルと、同相関係にある一対の第1光信号を出力するための隣接する一対の第1出力チャネルと、同相関係にある一対の第2光信号を出力するための隣接する一対の第2出力チャネルとを備え、四位相偏移変調信号光又は差分四位相偏移変調信号光を、同相関係にある一対の第1光信号及び同相関係にある一対の第2光信号に変換する多モード干渉カプラと、
    前記第1出力チャネル又は前記第2出力チャネルに接続されており、入力側に2つのチャネルを有し、出力側に2つのチャネルを有し、前記第1光信号又は前記第2光信号を、直交位相関係にある一対の第3光信号に変換する2:2光カプラとを備えることを特徴とする、光ハイブリッド回路。
  2. 前記2:2光カプラが接続された前記一対の第1出力チャネルの一方又は前記一対の第2出力チャネルの一方に位相制御領域を備えることを特徴とする、請求項1記載の光ハイブリッド回路。
  3. 前記位相制御領域は、前記一対の第1光信号間の位相差又は前記一対の第2光信号間の位相差がπ/2+p*π(pは整数)になるように位相を制御する領域であることを特徴とする、請求項2記載の光ハイブリッド回路。
  4. 前記多モード干渉カプラは、入力側に2つのチャネルを有し、出力側に4つのチャネルを有する2:4多モード干渉カプラであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の光ハイブリッド回路。
  5. 前記2:4多モード干渉カプラは、対モード干渉に基づく2:4多モード干渉カプラであることを特徴とする、請求項4記載の光ハイブリッド回路。
  6. 幅方向中心位置に対して対称な位置に設けられた一対の入力チャネルと、同相関係にある一対の第1光信号を出力するための隣接する一対の第1出力チャネルと、同相関係にある一対の第2光信号を出力するための隣接する一対の第2出力チャネルとを備え、四位相偏移変調信号光又は差分四位相偏移変調信号光を、同相関係にある一対の第1光信号及び同相関係にある一対の第2光信号に変換する多モード干渉カプラと、
    前記第1出力チャネル又は前記第2出力チャネルに接続されており、入力側に2つのチャネルを有し、出力側に2つのチャネルを有し、前記第1光信号又は前記第2光信号を、直交位相関係にある一対の第3光信号に変換する2:2光カプラとを備え、
    前記多モード干渉カプラは、第1の幅の入力端と、前記第1の幅と異なる第2の幅の出力端とを有し、前記一対の第1光信号間の位相差又は前記一対の第2光信号間の位相差がπ/2+p*π(pは整数)になることを特徴とする、光ハイブリッド回路。
  7. 幅方向中心位置に対して対称な位置に設けられた一対の入力チャネルと、同相関係にある一対の第1光信号を出力するための隣接する一対の第1出力チャネルと、同相関係にある一対の第2光信号を出力するための隣接する一対の第2出力チャネルとを備え、四位相偏移変調信号光又は差分四位相偏移変調信号光を、同相関係にある一対の第1光信号及び同相関係にある一対の第2光信号に変換する多モード干渉カプラと、前記第1出力チャネル又は前記第2出力チャネルに接続されており、入力側に2つのチャネルを有し、出力側に2つのチャネルを有し、前記第1光信号又は前記第2光信号を、直交位相関係にある一対の第3光信号に変換する2:2光カプラとを備える光ハイブリッド回路と、
    前記多モード干渉カプラから出力される前記第1光信号又は前記第2光信号、及び、前記2:2光カプラから出力される前記第3光信号を、アナログ電気信号に変換するフォトダイオードと、
    前記フォトダイオードから出力されるアナログ電気信号をデジタル電気信号に変換するAD変換回路と、
    前記AD変換回路から出力されるデジタル電気信号を用いて演算処理を実行するデジタル演算回路とを備えることを特徴とする光受信機。
  8. 幅方向中心位置に対して対称な位置に設けられた一対の入力チャネルと、同相関係にある一対の第1光信号を出力するための隣接する一対の第1出力チャネルと、同相関係にある一対の第2光信号を出力するための隣接する一対の第2出力チャネルとを備え、四位相偏移変調信号光又は差分四位相偏移変調信号光を、同相関係にある一対の第1光信号及び同相関係にある一対の第2光信号に変換する多モード干渉カプラと、前記第1出力チャネル又は前記第2出力チャネルに接続されており、入力側に2つのチャネルを有し、出力側に2つのチャネルを有し、前記第1光信号又は前記第2光信号を、直交位相関係にある一対の第3光信号に変換する2:2光カプラとを備え、前記多モード干渉カプラは、第1の幅の入力端と、前記第1の幅と異なる第2の幅の出力端とを有し、前記一対の第1光信号間の位相差又は前記一対の第2光信号間の位相差がπ/2+p*π(pは整数)になる光ハイブリッド回路と、
    前記多モード干渉カプラから出力される前記第1光信号又は前記第2光信号、及び、前記2:2光カプラから出力される前記第3光信号を、アナログ電気信号に変換するフォトダイオードと、
    前記フォトダイオードから出力されるアナログ電気信号をデジタル電気信号に変換するAD変換回路と、
    前記AD変換回路から出力されるデジタル電気信号を用いて演算処理を実行するデジタル演算回路とを備えることを特徴とする光受信機。
  9. 幅方向中心位置に対して対称な位置に設けられた一対の入力チャネルと、同相関係にある一対の第1光信号を出力するための隣接する一対の第1出力チャネルと、同相関係にある一対の第2光信号を出力するための隣接する一対の第2出力チャネルとを備える多モード干渉カプラを用いて、四位相偏移変調信号光又は差分四位相偏移変調信号光を同相関係にある一対の第1光信号及び同相関係にある一対の第2光信号に変換し、
    前記第1出力チャネル又は前記第2出力チャネルに接続されており、入力側に2つのチャネルを有し、出力側に2つのチャネルを有する2:2光カプラを用いて、前記第1光信号又は前記第2光信号を直交位相関係にある一対の第3光信号に変換し、
    前記第1光信号又は前記第2光信号と、前記第3光信号とを受信することを特徴とする光受信方法。
  10. 幅方向中心位置に対して対称な位置に設けられた一対の入力チャネルと、同相関係にある一対の第1光信号を出力するための隣接する一対の第1出力チャネルと、同相関係にある一対の第2光信号を出力するための隣接する一対の第2出力チャネルとを備える多モード干渉カプラを用いて、四位相偏移変調信号光又は差分四位相偏移変調信号光を同相関係にある一対の第1光信号及び同相関係にある一対の第2光信号に変換し、
    前記第1出力チャネル又は前記第2出力チャネルに接続されており、入力側に2つのチャネルを有し、出力側に2つのチャネルを有する2:2光カプラを用いて、前記第1光信号又は前記第2光信号を直交位相関係にある一対の第3光信号に変換し、
    前記第1光信号又は前記第2光信号と、前記第3光信号とを受信し、
    前記多モード干渉カプラは、第1の幅の入力端と、前記第1の幅と異なる第2の幅の出力端とを有し、前記一対の第1光信号間の位相差又は前記一対の第2光信号間の位相差がπ/2+p*π(pは整数)になることを特徴とする光受信方法。
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