JP2010171922A - 光ハイブリッド回路、光受信機及び光受信方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】光ハイブリッド回路1を、幅方向中心位置に対して対称な位置に設けられた一対の入力チャネルと、同相関係にある一対の第1光信号を出力するための隣接する一対の第1出力チャネルと、同相関係にある一対の第2光信号を出力するための隣接する一対の第2出力チャネルとを備え、四位相偏移変調信号光又は差分四位相偏移変調信号光を同相関係にある一対の第1光信号及び同相関係にある一対の第2光信号に変換する多モード干渉カプラ2と、第1出力チャネル又は第2出力チャネルに接続され、入力側に2つのチャネルを有し、出力側に2つのチャネルを有し、第1光信号又は第2光信号を直交位相関係にある一対の第3光信号に変換する2:2光カプラ3とを備えるものとする。
【選択図】図1
Description
ネットワークトラフィックの急増に対応するためには、更なるビットレートの増大が必要不可欠である。特に、50Gbit/s以上の光伝送を可能にする光変調方式として、四位相偏移変調(QPSK:Quadrature Phase Shift Keying)方式又は差分四位相偏移変調(DQPSK:Differential Quadrature Phase Shift Keying)方式が最有力視されている。
現在、バルク部品を用いた90度ハイブリッドが市販されている。
ここで、図48(A)は、バルク部品を用いた90度ハイブリッドの概略を示す図であり、図48(B)はこの90度ハイブリッドから出力される光信号の位相関係を示す位相関係図である。
一方、モノリシック集積化が可能な光導波路構造を有する90度ハイブリッドも研究開発されている。
ここで、図49(A)及び図50(A)は、導波光学に基づく90度ハイブリッドの概略を示す図であり、図49(B)及び図50(B)は、これらの90度ハイブリッドから出力される光信号の位相関係を示す位相関係図である。
このような構成の90度ハイブリッドは、モノリシックに集積するのに適しており、低波長依存性及び低位相ズレ特性を期待できる。
ここで、4:4MMIカプラを用いて90度ハイブリッド動作を得るためには、4:4MMIカプラの入力側の4つのチャネルのうち、非対称な位置にある2つのチャネルを、QPSK信号光及びLO光を入力するための入力チャネルとして選択する必要がある。これにより、4:4MMIカプラのMMI領域内部のモード干渉作用によって必然的に90度ずつ異なる位相関係が得られるため、90度ハイブリッドとして用いることが可能となる。
但し、この90度ハイブリッドから出力される光信号の位相関係は、図50(B)に示すように、図48(A),図49(A)に示す90度ハイブリッドの場合の位相関係[図48(B),図49(B)参照]に対して、45度程度回転したものとなる。これは、2つの入力光がモード干渉する際に、必然的に45度の位相差が生じるからである。
また、上述の図49(A)に示す90度ハイブリッドでは、4つの3dBカプラ及び位相シフタが必要であるため、構成要素が多く、構成が複雑であること、光導波路が交差する領域を必ず含むため、この交差領域での過剰損失を伴うことなどのデメリットがある。
また、上述の図50(A)に示す90度ハイブリッドでは、光電変換を行なうために各出力チャネルと差動型フォトダイオード(BPD:Balanced Photodiode)とを接続する場合、図51に示すように、これらを接続するための光導波路が交差してしまう。このため、この交差領域での過剰損失を伴うこと、現在コヒーレント光受信機等において用いられている90度ハイブリッドとの互換性に乏しいことなどのデメリットもある。
上述の図50(A)に示す90度ハイブリッドの場合、同相関係にある一対の光信号が出力される2つの出力チャネル(Ch−1,Ch−4)を、一のBPDに接続し、直交位相関係にある一対の光信号が出力される2つの出力チャネル(Ch−2,Ch−3)を、他のBPDに接続する必要がある。
しかし、現在用いられているコヒーレント光受信機等で用いられている90度ハイブリッドは、図48(A)又は図49(A)に示すような構成になっている。これに対し、図50(A)に示す90度ハイブリッドでは、同相関係にある一対の光信号が出力される2つの出力チャネルの位置、及び、直交位相関係にある一対の光信号が出力される2つの出力チャネルの位置が異なる。このため、図48(A)又は図49(A)に示す90度ハイブリッドを、図50(A)に示す90度ハイブリッドで置き換える場合、90度ハイブリッドの出力側に設ける電子部品の交換が避けられない。つまり、現在コヒーレント光受信機等において用いられている90度ハイブリッドとの互換性に乏しく、コストパフォーマンスの面でも好ましくない。
[第1実施形態]
まず、第1実施形態にかかる光ハイブリッド回路について、図1〜図15を参照しながら説明する。
本実施形態では、図1(A)に示すように、光ハイブリッド回路1は、前段の多モード干渉(MMI)カプラ2と、後段の光カプラ3とを備え、これらが従属接続されている。この光ハイブリッド回路1は、MMIカプラ2と光カプラ3とを備え、半導体導波路構造を有する光半導体素子によって構成されている。
具体的には、対モード干渉(PI:Paired Interference)に基づく2:4MMIカプラである。つまり、2つの入力チャネルの中心はMMI幅の上側から1/3及び2/3に位置し(図6参照)、MMI領域において(3s−1)次の高次モード(sは1以上の自然数)が励振されない2:4MMIカプラである。このため、素子長を短くすることができる。
具体的には、2:2MMIカプラである。ここでは、2:2MMIカプラ3は、2:4MMIカプラの出力側の上から3番目と4番目の2つのチャネル(即ち、隣接する一対の第2出力チャネル)に接続されている。なお、2:2MMIカプラ3は、PIに基づくものであっても良いし、GIに基づくものであっても良い。
この光ハイブリッド回路1の入力側の一のチャネル、即ち、2:4MMIカプラ2の入力側の一のチャネルには、QPSK信号光が入力される。つまり、光ハイブリッド回路1の入力側の一のチャネルは、QPSK信号光を入力するための入力チャネルである。また、光ハイブリッド回路1の入力側の他のチャネル、即ち、2:4MMIカプラ2の入力側の他のチャネルには、局部発振(LO)光が入力される。つまり、光ハイブリッド回路1の入力側の他のチャネルは、LO光を入力するための入力チャネルである。
そして、一対の第3光信号は、2:2MMIカプラ3の出力側の上から1番目と2番目の2つのチャネル、即ち、光ハイブリッド回路1の出力側の上から3番目と4番目の2つのチャネル(Ch3,Ch−4)から出力される。
なお、図3(A)中、S−L,S+L,S+jL,S−jLは、信号光(S)の位相を基準にして、LO光(L)の位相が相対的にどのような関係になっているかを示している。ここでは、S−LとS+Lとは180度ずれた位相関係になっていることを示しており、S+jL,S−jLは、それぞれ、S+L,S−Lに対して90度ずれた位相関係になっていることを示している。また、図3(B)の位相関係図は、QPSK信号光とLO光との間の相対位相差に応じて出力される光信号の位相関係を示している。
上述のように、2:4MMIカプラ2によって、QPSK信号光を同相関係にある第1光信号及び同相関係にある第2光信号に変換した後、2:2MMIカプラ3によって、第2光信号を直交位相関係にある第3光信号に変換するようにしているのは、以下の理由による。
QPSK信号光とLO光との相対位相差Δψが0、πの場合、4つの出力成分間の強度比(出力強度比)は、それぞれ、0:2:2:0、2:0:0:2となる。つまり、相対位相差Δψが0、πの場合、それぞれ異なる分岐比を有する出力形態が得られる。
このため、図2(B)の位相関係図に示すように、180度ハイブリッドとしては機能するものの、90度ハイブリッドとしては機能しない。例えばPIに基づく2:4MMIカプラのように、中心対称性を有する構造を持つ2:4MMIカプラを用いる場合、90度ハイブリッドとして動作させることは原理的に不可能である。
つまり、2:4MMIカプラ2の3番目及び4番目の出力チャネルに2:2MMIカプラ3を従属接続することによって、2:4MMIカプラ2の3番目及び4番目の出力チャネルからの出力成分のみが2:2MMIカプラ3を伝搬する際に結合作用とともに新たな位相変化を受けるようにしている。ここでは、2:2MMIカプラ3を設けることによって、図3(B)の位相関係図に示すように、相対位相差Δψが−π/2、+π/2の場合にも、それぞれ異なる分岐比を有する出力形態が得られるようにしている。なお、2:2MMIカプラ3は、GIあるいはPIに基づくものであれば同様の特性を得ることができる。
ここで、図4は、図3(A)に示すような構成の光ハイブリッド回路の相対位相差Δψに対する出力強度比(相対出力強度;透過率)をプロットしたものである。
具体的には、2:4MMIカプラ2の3番目と4番目の出力チャネルの一方(又は両方)から出力される光(一対の第2光信号)の位相を制御し、一対の第2光信号の位相差Δθがπ/2+p*π(pは整数)になれば解消する。
本光ハイブリッド回路1は、図5に示すように、InP基板10上に、GaInAsPコア層11、InPクラッド層12を備え、ハイメサ導波路構造を有する光半導体素子13である。
つまり、図6に示すように、2:4MMIカプラ2のMMI領域の幅(MMI幅)をWMとして、2つの入力チャネル(入力導波路)を、それぞれ、その中心がMMI幅WMの上側から1/3及び2/3に位置するように設けている。また、4つの出力チャネル(出力導波路)を、上から1番目と2番目の2つの出力チャネルの中間位置と上から3番目と4番目の2つの出力チャネルの中間位置とが、それぞれ、MMI幅WMの上側から1/4及び3/4に位置するように設けている。さらに、1番目と2番目の2つの出力チャネルの間隔(gap)及び3番目と4番目の2つの出力チャネルの間隔(gap)は、いずれもMMI幅WMの1/6にしている。
つまり、2:2MMIカプラ3をPIに基づくものとする場合、図7(A)に示すように、2:4MMIカプラ2のMMI幅WMを基準として、2つの入力チャネル(入力導波路)を、それぞれ、その中心がMMI領域の側面からWM/6に位置するように設ける。また、2つの出力チャネル(出力導波路)も、それぞれ、その中心がMMI領域の側面からWM/6に位置するように設ける。さらに、2つの入出力チャネルの間隔(gap)は、いずれも、WM/6にしている。このため、2:2MMIカプラ3のMMI領域の幅(MMI幅)WM22はWM/2となる。
つまり、図8に示すように、2:4MMIカプラ2の出力ポート及び2:2MMIカプラ3の入力ポートに接続される部分の導波路幅Wは2.0μmとする。また、2:4MMIカプラ2の出力ポート又は2:2MMIカプラ3の入力ポートから長さ方向の中間位置までの距離LTPはいずれも100μmとする。つまり、2:4MMIカプラ2の出力ポートから長さ方向中間位置まで直線的に導波路幅が広くなる幅広テーパ部、及び、長さ方向中間位置から2:2MMIカプラ3の入力ポートまで直線的に導波路幅が狭くなる幅狭テーパ部の長さ(テーパ長)はいずれも100μmとする。この場合、長さ方向中間位置の導波路幅WMIDは2.1μmとなる。また、位相シフタ4の長さLphaseは200μmとなる。
まず、図5に示すように、n型InP基板10上に、例えば有機金属気相成長(MOVPE;Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法によって、アンドープGaInAsPコア層11、アンドープInPクラッド層12を順にエピタキシャル成長させる。
次に、上述のようにしてエピタキシャル成長を行なったウェハの表面上に、例えばSiO2膜を例えば蒸着装置などによって成膜し、例えば光露光プロセスによって、光ハイブリッド回路1を形成するための導波路パターンをパターニングする。
このような作製プロセスを経て、本光ハイブリッド回路1が完成する。
なお、図9(A)〜(D)に示す計算結果はビーム伝搬法(BPM:Beam Propagation Method)に基づくものである。図9(A)は相対位相差Δψが0の場合の入出力特性、図9(B)は相対位相差Δψがπの場合の入出力特性、図9(C)は相対位相差Δψが−π/2の場合の入出力特性、図9(D)は相対位相差Δψが+π/2の場合の入出力特性を示している。
また、図9(C)、(D)に示すように、相対位相差Δψが−π/2、+π/2の場合、光ハイブリッド回路1の出力強度比は、それぞれ、1:1:2:0、1:1:0:2となる。
なお、図10(A)、(B)は、相対位相差Δψが連続的に変化している場合における各出力チャネルの相対強度を示している。
図10(A)、(B)に示すように、本90度ハイブリッド1は、相対位相差Δψが0、π、−π/2、+π/2の場合に、従来の90度ハイブリッドよりも高い出力強度が得られ、挿入損失が小さいことがわかる。
これに対し、図10(B)に示すように、本90度ハイブリッド1では、1番目の出力チャネル(Ch−1)の出力強度変化と2番目の出力チャネル(Ch−2)の出力強度変化とがx軸対称性を有することが分かる。また、3番目の出力チャネル(Ch−3)の出力強度変化と4番目の出力チャネル(Ch−4)の出力強度変化とがx軸対称性を有することが分かる。
また、本90度ハイブリッド1から出力される光信号を、光電変換のためにフォトダイオード(BPD)へ入力させるために、図11に示すように、光導波路を交差させる必要がないことを意味する。このため、過剰損失を防ぐことができる。
そして、入出力導波路幅Wを2μmとすると、4:4MMIカプラのMMI幅WM44、2:4MMIカプラ2のMMI幅WM及びGIに基づく2:2MMIカプラ3のMMI幅WM22は、それぞれ、22μm、33μm、7.5μmに決まる。
また、本90度ハイブリッド1に備えられる位相シフタ4の長さLTP及び中間位置の導波路幅WMIDは、それぞれ、20μm、2.4μmである。
図12(A)、(B)に示すように、本90度ハイブリッド1は、従来の90度ハイブリッドと比較して、Cバンドの波長範囲において、低波長依存性を有する。また、従来の90度ハイブリッドでは、Cバンドの波長範囲において生じる損失差が最大5.5dB程度であるのに対し、本90度ハイブリッドでは、最大2.8dB程度に抑えられている。
なお、図13(A)、(B)では、QPSK信号光とLO光との相対位相差が0の場合(Δψ=0)に、4つの出力チャネルのそれぞれから出力される出力成分の絶対位相と基準位相との差分(位相ズレ量)Δφをプロットしている。ここで、基準位相は、図50(B)及び図1(B)に示す位相関係図における、各チャネルのそれぞれから出力される出力成分の位相である。また、位相ズレ量は、この基準位相からの過剰位相ズレ量である。したがって、位相ズレ量は小さければ小さいほど良い。QPSK変調信号をエラーフリーで復調するためには、位相ズレが生じないことが望ましい。たとえ、位相ズレが発生しても最低限に抑える必要があり、通常、位相ズレ量Δφは±5度以下(好ましくは±2.5度以下)に抑えるのが望ましい。
このように、本90度ハイブリッド1は、従来の90度ハイブリッドと比較して、透過率及び位相ズレの波長依存性を低くすることができる。この特性は、90度ハイブリッドのパラメータを変更することによって、更に改善することができる。
ここで、図14(A)は、従来の4:4MMIカプラを用いた90度ハイブリッド[図50(A)参照]において、一の入力チャネルからQPSK信号光を入力した場の4つの出力チャネル毎の透過率の波長依存性を示している。また、図14(B)は、本90度ハイブリッド1において、一の入力チャネルからQPSK信号光を入力した場の4つの出力チャネル毎の透過率の波長依存性を示している。なお、図14(A)、(B)に示す特性は、QPSK信号光をどの入力チャネルから入力した場合であってもほぼ同様になる。
そして、入出力導波路幅Wを2μmとすると、4:4MMIカプラのMMI幅WM44、2:4MMIカプラ2のMMI幅WM及びGIに基づく2:2MMIカプラ3のMMI幅WM22は、それぞれ、17.2μm、25.8μm、6.3μmに決まる。
また、本90度ハイブリッド1に備えられる位相シフタ4の長さLTP及び中間位置の導波路幅WMIDは、それぞれ、20μm、2.4μmである。
図14(A)、(B)に示すように、本90度ハイブリッド1は、従来の90度ハイブリッドと比較して、Cバンドの波長範囲において、低波長依存性を有する。また、従来の90度ハイブリッドでは、Cバンドの波長範囲において生じる損失差が最大2.4dB程度であるのに対し、本90度ハイブリッドでは、最大1.8dB程度に抑えられている。
図15(A)、(B)に示すように、位相ズレ量を±5度以下に抑えたい場合、従来の90度ハイブリッド及び本90度ハイブリッド1は、いずれも、Cバンド領域の全体をカバーすることができる。これに対し、本90度ハイブリッド1では、波長1.53μm近傍を除いて、位相ズレ量を±1度以下に保つことができるという優れた特性を有する。
したがって、本実施形態にかかる光ハイブリッド回路によれば、低波長依存性、低位相ズレ特性、低挿入損失であり、コンパクト化、及び、モノリシック集積化に適した90度ハイブリッドを実現できるという利点がある。
例えば、上述の実施形態の光ハイブリッド回路1を構成する2:4MMIカプラ2に代えて、図16に示すように、入力側に4つのチャネルを有し、出力側に4つのチャネルを有する4:4MMIカプラ2Aを用いても良い。そして、4:4MMIカプラ2Aの入力側の4つのチャネルのうち幅方向中心位置に対して対称な位置に設けられた2つのチャネル(一対の入力チャネル)に光を入力するようにすることで、上述の実施形態の場合と同様に90度ハイブリッド動作が得られる。これにより、従来の4:4MMIカプラを用いた90度ハイブリッド(図51参照)のようにフォトディテクタに接続するために光導波路を交差させる必要がなくなる。なお、図16では、上述の実施形態[図1(A)参照]と同一のものには同一の符号を付している。
例えば、上述の実施形態の光ハイブリッド回路1を構成する2:2MMIカプラ3に代えて、図17に示すように、方向性結合器(3dBカプラ;例えば2:2方向性結合器)3Aを用いても良い。なお、図17では、上述の実施形態[図1(A)参照]と同一のものには同一の符号を付している。また、例えば、上述の実施形態の光ハイブリッド回路1を構成する2:2MMIカプラ3に代えて、図18に示すように、二モード干渉カプラ(例えば2:2二モード干渉カプラ)3Bを用いても良い。なお、図18では、上述の実施形態(図1参照)と同一のものには同一の符号を付している。これらの場合も上述の実施形態のものと同様の効果が得られる。また、ここでは、上述の実施形態[図1(A)参照]の変形例として説明しているが、これらの変形例を、前段のMMIカプラとして4:4MMIカプラを用いる変形例(図16参照)に適用することもできる。
例えば、図19(A)に示すように、2:4MMIカプラ2の出力側の3番目のチャネル(ポート)と2:2MMIカプラ3の入力側の1番目のチャネル(ポート)との間に位相制御領域を設けても良い。つまり、2:4MMIカプラ2の2:2MMIカプラ3が接続された一対の出力チャネル(隣接する一対の第2出力チャネル)の他方に位相シフタ4Aを設けても良い。
このように構成した場合も、上述の実施形態の場合と同様に、π/4に相当する位相変化を与えることができ、上述の実施形態のものと同様の効果が得られる[例えば図9、図10(B)参照]。
例えば、図20(A)、図21(A)に示すように、光カプラ3によって、同相関係にある一対の第1光信号を直交位相関係にある一対の第3光信号に変換するようにしても良い。
具体的には、図20(A)、図21(A)に示すように、2:2MMIカプラ3を、2:4MMIカプラ2の出力側の上から1番目と2番目の2つのチャネル(即ち、隣接する一対の第1出力チャネル)に接続することになる。
例えば、図20(A)に示すように、2:4MMIカプラ2の出力側の1番目のチャネル(ポート)と2:2MMIカプラ3の入力側の1番目のチャネル(ポート)との間に位相シフタ4を設ければ良い。
この場合、位相シフタ4Aとして、2:4MMIカプラ2の出力ポートと2:2MMIカプラ3の入力ポートとを接続する光導波路の幅をテーパ状に変化させた導波路型位相シフタを、上述の変形例の場合[図19(B)参照]と同様に形成すれば良い。つまり、図21(B)に示すように、2:4MMIカプラ2の出力ポートと2:2MMIカプラ3の入力ポートとの間の光導波路の幅が、出力ポートから長さ方向の中間位置へ向けて直線的に狭くなり、中間位置から入力ポートへ向けて直線的に広くなるようにして、位相シフタ4Aを形成すれば良い。この場合、位相シフタ4Aの構造を規定する各パラメータは、上述の変形例の場合[図19(B)参照]と同様にすれば良い。
[第2実施形態]
まず、第2実施形態にかかる光ハイブリッド回路について、図22〜図30を参照しながら説明する。
具体的には、対モード干渉(PI:Paired Interference)に基づく2:4MMIカプラである。つまり、2つの入力チャネルの中心は入力端の幅の上側から1/3及び2/3に位置し、4つの出力チャネルの位置も入力チャネルの位置に関連付けられており、MMI領域において(3s−1)次の高次モード(sは1以上の自然数)が励振されない2:4MMIカプラである。このため、素子長を短くすることができる。
通常、MMIカプラのモード間干渉作用は、MMIカプラにおける屈折率、励振モード数及び干渉メカニズムなどに依存し、これにより、MMIカプラの出力信号における振幅関係及び位相関係が変化する。
図23にMMI導波路の概略図を示す。
結局、MMI導波路の任意の位置におけるフィールド分布(Ψ)は、次式(4)のように表すことができる。
上記式(4)に示すように、MMI導波路の任意の位置におけるフィールド分布はそれぞれの励振モードの重ね合わせで表される。
例えば図50(A)に示すような4:4MMIカプラの場合、90度ハイブリッド動作が得られる。
この場合、x等分岐特性(xは1以上の整数)を得るための最短伝搬長zGIは、以下のようになる。
一方、例えば図6に示すようなPIに基づく2:4MMIカプラの場合、x等分岐特性を得るための最短伝搬長zPIは、以下のようになり、zPIはzGIの1/3の値となる。
但し、図50(A)及び図6に示すように、干渉メカニズムにより、出力チャネル位置は異なり、MMI幅WMが等しくても、入出力チャネルの最小間隔(Gap)、即ち、出力チャネルの間隔は等しくない。いずれのMMIカプラの場合もMMI長短縮のためにはMMI幅WMを小さくする必要があり、それにしたがって入出力チャネルの最小間隔も減少する。なお、通常、入出力チャネルの最小間隔は作製技術により制限されるパラメータである。
したがって、上記入出力チャネルの最小間隔を一定にした場合におけるzPIは、以下のように表される。
特性の劣化が生じないようにして、確実に90度ハイブリッド動作が得られるようにするためには、2:4MMIカプラ2Bの3番目及び4番目の出力チャネルにおける出力信号と2:2MMIカプラ3との間に位相整合をとることが必要不可欠である。
しかし、通常の2:4MMIカプラから出力される一対の第2光信号の位相差Δθは、おおよそπ/4+p*π(pは整数)になるため、直交位相成分の特性劣化が生じないようにするのは容易ではない。
具体的には、2:4MMIカプラ2Bは、その幅(MMI幅)が伝搬方向に向かって直線関数的に変化するテーパ形状(直線関数的テーパ形状)を有する。ここでは、2:4MMIカプラ2Bは、入力端2BXから出力端2BYへ向けて幅が直線的に広くなるテーパ形状を有する。
図22(A)に示すように、MMI幅が直線関数的に変化する場合、基本モードと任意の高次モード間の伝搬定数差が局所的に変化することになる。
図22(A)に示す傾斜型2:4MMIカプラ2Bの場合、WM(z)は、以下のように表すことができる。
上記式(11)及び上記式(12)から、直線関数的テーパ形状を有する2:4MMIカプラ2Bのビート長Lπ STは、次式(13)のように表すことができる。
このため、Δψが−π/2及び+π/2の場合に2:4MMIカプラ2Bから出力される一対の第2光信号の位相差Δθがπ/2+p*π(pは整数)になるように、χSTを設定することによって、確実に90度ハイブリッド動作が得られることになる。つまり、χSTを適正化することによって、図22(A)に示すような光ハイブリッド回路が90度ハイブリッドとして機能することになる。また、2:4MMI長LM24の短縮化も図れる。
なお、WM/WSの値が1の場合、テーパ形状を有しない2:4MMIカプラ(図6参照)となる。また、ここでは、テーパ形状を有しない2:4MMIカプラに対して、2:4MMIカプラ2Bの出力端2BYの幅WMを同一にし(固定し)、入力端2BXの幅WSを変化させている。なお、2:4MMIカプラ2Bの入力端2BXの幅WSを固定し、出力端2BYの幅WMを変化させるようにしても良い。
このため、2:4MMIカプラ2Bの入力端2BXの幅WSの値(即ち、WM/WSの値)の設定によって、出力信号のチャネル間位相差の絶対値|Δθ|を所望のπ/2に設定することが可能となる。
したがって、直線関数的テーパ形状を有する2:4MMIカプラ2BのMMI長LM24は、テーパ形状を有しない2:4MMIカプラ(図6参照)のMMI長の1/χST倍、即ち、0.48倍となる。つまり、直線関数的テーパを有する2:4MMIカプラ2BのMMI長LM24は、テーパ形状を有しない2:4MMIカプラ(図6参照)のMMI長と比べて、半分以下となる。
このように直線関数的テーパ形状が規定されており、所定のテーパ関数によってMMI幅が変調されているため、2:4MMIカプラ2Bから出力される一対の第2光信号の位相差Δθがπ/2+p*π(pは整数)になる。このため、本光ハイブリッド回路1Xは、図22(A),(B)に示すように、同相関係にある一対の第1光信号(S−L,S+L)と、直交位相関係にある一対の第3光信号(S−jL,S+jL)とを出力することになり、確実に90度ハイブリッド動作が得られることになる。つまり、本光ハイブリッド回路1Xによって、QPSK信号光が、同相成分(I成分)のみを含む一対の第1光信号と、直交位相成分(Q成分)のみを含む一対の第3光信号に変換され、確実に90度ハイブリッド動作が得られることになる。
本光ハイブリッド回路1Xは、上述の第1実施形態の場合と同様に、InP基板10上に、GaInAsPコア層11、InPクラッド層12を備え、ハイメサ導波路構造を有する光半導体素子13である。
つまり、2:4MMIカプラ2Bの入力端2BXの幅をWSとして、2つの入力チャネル(入力導波路)を、それぞれ、その中心が2:4MMIカプラ2Bの入力端2BXの幅WSの上側から1/3及び2/3に位置するように設けている。また、2:4MMIカプラ2Bの出力端2BYの幅をWMとして、4つの出力チャネル(出力導波路)を、上から1番目と2番目の2つの出力チャネルの中間位置と上から3番目と4番目の2つの出力チャネルの中間位置とが、それぞれ、2:4MMIカプラ2Bの出力端2BYの幅WMの上側から1/4及び3/4に位置するように設けている。さらに、1番目と2番目の2つの出力チャネルの間隔(gap)及び3番目と4番目の2つの出力チャネルの間隔(gap)は、いずれも、2:4MMIカプラ2Bの出力端2BYの幅WMの1/6にしている。なお、ここでは、2:4MMIカプラ2Bの出力端2BYの幅WMは、テーパ形状を有しない2:4MMIカプラ(図6参照)のMMI幅と同一にしている。
つまり、2:2MMIカプラ3をPIに基づくものとする場合[図7(A)参照]、2:4MMIカプラ2Bの出力端2BYの幅WMを基準として、2つの入力チャネル(入力導波路)を、それぞれ、その中心がMMI領域の側面からWM/6に位置するように設ける。また、2つの出力チャネル(出力導波路)も、それぞれ、その中心がMMI領域の側面からWM/6に位置するように設ける。さらに、2つの入出力チャネルの間隔(gap)は、いずれも、WM/6にしている。このため、2:2MMIカプラ3のMMI領域の幅(MMI幅)WM22はWM/2となる。
また、図26(C)、(D)に示すように、相対位相差Δψが−π/2、+π/2の場合、光ハイブリッド回路1Xの出力強度比は、それぞれ、1:1:2:0、1:1:0:2となる。
また、本光ハイブリッド回路1Xでは、2:4MMIカプラ2Bの出力端2BYの幅WM及び入力端2BXの幅WSが|Δθ|=π/2の条件を満たし、2:4MMIカプラ2Bの長さLM24がχST=2.06の条件を満たす直線関数的テーパ形状を有する2:4MMIカプラを用いている。このため、2:2MMIカプラ3からの出力信号間にクロストークも発生していない。したがって、本光ハイブリッド回路1Xは90度ハイブリッドとして機能する。
なお、図27(A)、(B)は、相対位相差Δψが連続的に変化している場合における各出力チャネルの相対強度を示している。
また、図27(A)に示すように、従来の90度ハイブリッドでは、1番目の出力チャネル(Ch−1)の出力強度変化と4番目の出力チャネル(Ch−4)の出力強度変化とが位相が180度ずれた関係になっていることが分かる。また、2番目の出力チャネル(Ch−2)の出力強度変化と3番目の出力チャネル(Ch−3)の出力強度変化とが位相が180度ずれた関係になっていることが分かる。
これに対し、図27(B)に示すように、本90度ハイブリッド1では、1番目の出力チャネル(Ch−1)の出力強度変化と2番目の出力チャネル(Ch−2)の出力強度変化とが位相が180度ずれた関係になっていることが分かる。また、3番目の出力チャネル(Ch−3)の出力強度変化と4番目の出力チャネル(Ch−4)の出力強度変化とが位相が180度ずれた関係になっていることが分かる。
また、本90度ハイブリッド1から出力される光信号を、光電変換のためにフォトダイオード(BPD)へ入力させるために、図28に示すように、光導波路を交差させる必要がないことを意味する。このため、過剰損失を防ぐことができる。
そして、入出力導波路幅Wを2μmとすると、4:4MMIカプラのMMI幅WM44、2:4MMIカプラ2Bの出力端2BYの幅WM及び入力端2BXの幅WS、及び、GIに基づく2:2MMIカプラ3のMMI幅WM22は、それぞれ、22μm、33μm、16μm、7.5μmに決まる。
なお、本90度ハイブリッド1では、2:4MMIカプラ2Bと2:2MMIカプラ3とを接続する光導波路4B(アクセス導波路;アクセス領域)の長さ(アクセス導波路長)LAは20μmである(図22参照)。
なお、図30(A)、(B)では、QPSK信号光とLO光との相対位相差が0の場合(Δψ=0)に、4つの出力チャネルのそれぞれから出力される出力成分の絶対位相と基準位相との差分(位相ズレ量)Δφをプロットしている。ここで、基準位相は、図50(B)及び図22(B)に示す位相関係図における、各チャネルのそれぞれから出力される出力成分の位相である。また、位相ズレ量は、この基準位相からの過剰位相ズレ量である。したがって、位相ズレ量は小さければ小さいほど良い。QPSK変調信号をエラーフリーで復調するためには、位相ズレが生じないことが望ましい。たとえ、位相ズレが発生しても最低限に抑える必要があり、通常、位相ズレ量Δφは±5度以下(好ましくは±3度以下)に抑えるのが望ましい。
なお、その他の詳細については、上述の第1実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
したがって、本実施形態にかかる光ハイブリッド回路によれば、低波長依存性、低位相ズレ特性、低挿入損失であり、コンパクト化、及び、モノリシック集積化に適した90度ハイブリッドを実現できるという利点がある。
例えば、上述の実施形態の光ハイブリッド回路1Xを構成する2:4MMIカプラ2Bに代えて、入力側に4つのチャネルを有し、出力側に4つのチャネルを有する4:4MMIカプラ2Aを用いても良い。そして、4:4MMIカプラ2Aの入力側の4つのチャネルのうち幅方向中心位置に対して対称な位置に設けられた2つのチャネル(一対の入力チャネル)に光を入力するようにすることで、上述の実施形態の場合と同様に90度ハイブリッド動作が得られる。これにより、従来の4:4MMIカプラを用いた90度ハイブリッド(図51参照)のようにフォトディテクタに接続するために光導波路を交差させる必要がなくなる。
また、上述の実施形態では、2:2MMIカプラ3を、傾斜型2:4MMIカプラ2Bの出力側の上から3番目と4番目の2つのチャネル(即ち、隣接する一対の第2出力チャネル)に接続し、光カプラ3によって、同相関係にある一対の第2光信号を直交位相関係にある一対の第3光信号に変換する場合を例に挙げて説明しているが、これに限られるものではない。
この場合、光カプラ3は、図31に示すように、前段のMMIカプラ2の出力側の隣接する一対の第1出力チャネルに接続することになる。
具体的には、図31に示すように、2:2MMIカプラ3を、傾斜型2:4MMIカプラ2Bの出力側の上から1番目と2番目の2つのチャネル(即ち、隣接する一対の第1出力チャネル)に接続することになる。
なお、図33(A)〜(D)に示す計算結果はビーム伝搬法(BPM:Beam Propagation Method)に基づくものである。図33(A)は相対位相差Δψが0の場合の入出力特性、図33(B)は相対位相差Δψがπの場合の入出力特性、図33(C)は相対位相差Δψが−π/2の場合の入出力特性、図33(D)は相対位相差Δψが+π/2の場合の入出力特性を示している。
また、図33(C)、(D)に示すように、相対位相差Δψが−π/2、+π/2の場合、光ハイブリッド回路1Xの出力強度比は、それぞれ、1:1:2:0、1:1:0:2となる。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態にかかる光ハイブリッド回路について、図36〜図38を参照しながら説明する。
つまり、本光ハイブリッド回路では、図36に示すように、2:4MMIカプラ2Cは、その幅(MMI幅;導波路幅)が伝搬方向に向かって二乗関数的に変化するテーパ形状(二乗関数的テーパ形状;幅テーパ構造)を有する。ここでは、2:4MMIカプラ2Cは、入力端2CXから出力端2CYへ向けて幅が二乗関数的に広くなるテーパ形状を有する。なお、図36では、上述の第2実施形態[図22(A)参照]と同一のものには同一の符号を付している。
この場合、2:4MMIカプラ2C(傾斜型2:4MMIカプラ)は、第1の幅WSの入力端2CXと、第1の幅WSと異なる第2の幅WMの出力端2CYとを有し、一対の第2光信号間の位相差Δθがπ/2+p*π(pは整数)になるように構成されていることになる。なお、幅WS及び幅WMの値は、上述の第2実施形態とは異なる。
この場合、MMI領域における正味の位相変化(Δρ)は、上記式(9)と同様になる。
但し、本実施形態では、二乗関数的テーパ形状を用いており、幅テーパの変化が異なることから、幅テーパ関数WM(z)は次式(14)のようになる。
上記式(15)及び上記式(16)から、二乗関数的テーパ形状を有する2:4MMIカプラのビート長Lπ SQは、次式(17)のように表すことができる。
このため、Δψが−π/2及び+π/2の場合に2:4MMIカプラ2Cから出力される一対の第2光信号の位相差Δθがπ/2+p*π(pは整数)になるように、χSQを設定することによって、確実に90度ハイブリッド動作が得られることになる。つまり、χSQを適正化することによって、図36に示すような光ハイブリッド回路が90度ハイブリッドとして機能することになる。また、2:4MMI長LM24の短縮化も図れる。
なお、WM/WSの値が1の場合、テーパ形状を有しない2:4MMIカプラとなる(図6参照)。また、ここでは、テーパ形状を有しない2:4MMIカプラ(図6参照)に対して、2:4MMIカプラ2Cの出力端2CYの幅WMを同一にし(固定し)、入力端2CXの幅WSを変化させている。なお、2:4MMIカプラ2Cの入力端2CXの幅WSを固定し、出力端2CYの幅WMを変化させるようにしても良い。
また、二乗関数的テーパ形状を用いているため、図37,図38に示すように、直線関数的テーパ形状を用いる場合(図24,図25参照)と比べ、WM/WSの値に対する|Δθ|の値の変化率が大きくなっている。
ここでは、図37に示すように、出力信号のチャネル間位相差の絶対値|Δθ|がπ/2の場合におけるWM/WSの値は1.5であり、図38に示すように、WM/WSの値が1.5の場合における1/χSQの値は0.58である。この場合、χSTの値は1.74である。
このように二乗関数的テーパ形状が規定されており、所定のテーパ関数によってMMI幅が変調されているため、2:4MMIカプラ2Cから出力される一対の第2光信号の位相差Δθがπ/2+p*π(pは整数)になる。このため、本光ハイブリッド回路1Xは、図36に示すように、同相関係にある一対の第1光信号(S−L,S+L)と、直交位相関係にある一対の第3光信号(S−jL,S+jL)とを出力することになり、確実に90度ハイブリッド動作が得られることになる。つまり、本光ハイブリッド回路1Xによって、QPSK信号光が、同相成分(I成分)のみを含む一対の第1光信号と、直交位相成分(Q成分)のみを含む一対の第3光信号に変換され、確実に90度ハイブリッド動作が得られることになる。
したがって、本実施形態にかかる光ハイブリッド回路によれば、上述の第2実施形態と同様に、低波長依存性、低位相ズレ特性、低挿入損失であり、コンパクト化、及び、モノリシック集積化に適した90度ハイブリッドを実現できるという利点がある。
次に、第4実施形態にかかる光ハイブリッド回路について、図39〜図41を参照しながら説明する。
本実施形態にかかる光ハイブリッド回路は、上述の第2実施形態のものに対し、2:4MMIカプラのテーパ形状が異なる。
この場合、2:4MMIカプラ2D(傾斜型2:4MMIカプラ)は、第1の幅WSの入力端2DXと、第1の幅WSと異なる第2の幅WMの出力端2DYとを有し、一対の第2光信号間の位相差Δθがπ/2+p*π(pは整数)になるように構成されていることになる。なお、幅WS及び幅WMの値は、上述の第2実施形態とは異なる。
この場合、MMI領域における正味の位相変化(Δρ)は、上記式(9)と同様になる。
但し、本実施形態では、指数関数的テーパを用いており、幅テーパの変化が異なることから、幅テーパ関数WM(z)は次式(18)のようになる。
上記式(19)及び上記式(20)から、指数関数的テーパを有する2:4MMIカプラのビート長Lπ EXPは、次式(21)のように表すことができる。
このため、Δψが−π/2及び+π/2の場合に2:4MMIカプラ2Dから出力される一対の第2光信号の位相差Δθがπ/2+p*π(pは整数)になるように、χEXPを設定することによって、確実に90度ハイブリッド動作が得られることになる。つまり、χEXPを適正化することによって、図39に示すような光ハイブリッド回路が90度ハイブリッドとして機能することになる。また、2:4MMI長LM24の短縮化も図れる。
なお、WM/WSの値が1の場合、テーパ形状を有しない2:4MMIカプラとなる(図6参照)。また、ここでは、テーパ形状を有しない2:4MMIカプラ(図6参照)に対して、2:4MMIカプラ2Dの出力端2DXの幅WMを同一にし(固定し)、入力端2DXの幅WSを変化させている。なお、2:4MMIカプラ2Dの入力端2DXの幅WSを固定し、出力端2DYの幅WMを変化させるようにしても良い。
また、指数関数的テーパ形状を用いているため、図40,図41に示すように、直線関数的テーパ形状を用いる場合(図24,図25参照)と比べ、WM/WSの値に対する|Δθ|の値の変化率が大きくなっている。
ここでは、図40に示すように、出力信号のチャネル間位相差の絶対値|Δθ|がπ/2の場合におけるWM/WSの値は1.68であり、図41に示すように、WM/WSの値が1.68の場合における1/χEXPの値は0.56である。この場合、χEXPの値は1.79である。
したがって、本実施形態にかかる光ハイブリッド回路によれば、上述の第2実施形態と同様に、低波長依存性、低位相ズレ特性、低挿入損失であり、コンパクト化、及び、モノリシック集積化に適した90度ハイブリッドを実現できるという利点がある。
[第5実施形態]
次に、第5実施形態にかかる光受信機、光送受信機、光受信方法について、図42を参照しながら説明する。
ここで、光ハイブリッド回路1は、QPSK信号光を同相関係にある一対の第1光信号及び同相関係にある一対の第2光信号に変換するMMIカプラ2と、第1光信号又は第2光信号を、直交位相関係にある一対の第3光信号に変換する光カプラ3とを備える[図1、図3(A)、図16〜図21参照]。
本実施形態では、図42に示すように、光ハイブリッド回路1の2:4MMIカプラ2の入力側の一のチャネルにQPSK信号光が入力され、2:4MMIカプラ2の入力側の他のチャネルにLO光が入力されるようになっている。つまり、光ハイブリッド回路1の2:4MMIカプラ2の入力側の一のチャネルは、QPSK信号光を入力するためのチャネルである。また、光ハイブリッド回路1の2:4MMIカプラ2の入力側の他のチャネルは、LO光を入力するためのチャネルである。
そして、光ハイブリッド回路1にQPSK信号光(QPSK信号パルス)とこれに時間的に同期したLO光が入力されると、QPSK信号光とLO光との相対位相差Δψに応じて、それぞれ異なる分岐比を有する出力形態が得られる。ここでは、相対位相差Δψが0、π、−π/2、+π/2の場合に、光ハイブリッド回路1の出力強度比は、それぞれ、0:2:1:1、2:0:1:1、1:1:2:0、1:1:0:2となる(図9参照)。
ここでは、光電変換及び信号復調のために、光ハイブリッド回路1の後段に差動型フォトダイオード(BPD)21A,21Bが設けられている。ここで、BPD21A,21Bは、2つのフォトダイオード(PD)を備え、一方のPDのみに光信号が入力された場合は「1」に相当する電流が流れ、他方のPDのみに光信号が入力された場合は「−1」に相当する電流が流れ、両方のPDに同時に光信号が入力された場合は電流が流れない。このため、相対位相差Δψに応じて、異なる出力強度比の光信号が、光ハイブリッド回路1から2つのBPD21A,21Bへ入力されると、2つのBPD21A,21Bから異なるパターンの電気信号が出力されることになる。つまり、2つのBPD21A,21Bによって、QPSK信号光における位相情報が識別され、それぞれ異なるパターンの電気信号に変換されることになる。
デジタル演算回路23は、AD変換回路22A,22Bから出力されるデジタル電気信号を用いて、受信信号光の情報を推定するための演算処理を実行するデジタル演算回路(デジタル信号処理回路)である。
つまり、まず、光ハイブリッド回路1の多モード干渉カプラ(ここでは2:4MMIカプラ2)を用いて、QPSK信号光を同相関係にある一対の第1光信号及び同相関係にある一対の第2光信号に変換する。次いで、光カプラ(ここでは2:2MMIカプラ3)を用いて、第1光信号又は第2光信号を直交位相関係にある一対の第3光信号に変換する。そして、第1光信号又は第2光信号と、第3光信号とを受信する。
したがって、本実施形態にかかる光受信機によれば、低波長依存性、低位相ズレ特性、低挿入損失であり、コンパクト化、及び、モノリシック集積化に適した90度ハイブリッドを備える光受信機を実現できるという利点がある。
また、上述の実施形態及び変形例では、光ハイブリッド回路1,1Xが、MMIカプラ2,2A〜2Dと光カプラ3とを備える光半導体素子によって構成されているが、これに限られるものではない。例えば、MMIカプラ2,2A〜2Dと光カプラ3とを備える光半導体素子に、さらに、フォトダイオード(ここではBPD)21A,21Bが集積されていても良い。つまり、MMIカプラ2,2A〜2Dと、光カプラ3と、フォトダイオード(ここではBPD)21A,21Bとが一体に集積されていても良い。
[第6実施形態]
次に、第6実施形態にかかる光ハイブリッド回路について、図44を参照しながら説明する。
つまり、本光ハイブリッド回路は、光伝送システムにおいてDQPSK信号の位相変調情報を識別するために用いられる90度ハイブリッド回路(以下、90度ハイブリッドともいう)である。
1:2光カプラ6は、光遅延回路5及び2:4MMIカプラ2の入力側の他のチャネルに接続されている。ここでは、1:2光カプラ6は1:2MMIカプラである。
具体的には、2:4MMIカプラ2の一の入力チャネルと1:2MMIカプラ6の一の出力チャネルとを接続する一の光導波路の長さを、2:4MMIカプラ2の他の入力チャネルと1:2MMIカプラ6の他の出力チャネルとを接続する他の光導波路の長さよりも長くしている。
ここでは、一の光導波路の長さを長くして、DQPSK信号パルスの1ビットの遅延に相当する光路長差を設けている。このため、上述の第1実施形態の光ハイブリッド回路1に含まれる2:4MMIカプラ2の一の入力チャネルに接続された一の光導波路が光遅延回路5である。
したがって、本実施形態にかかる光ハイブリッド回路によれば、上述の第1実施形態の場合と同様に、低波長依存性、低位相ズレ特性、低挿入損失であり、コンパクト化、及び、モノリシック集積化に適した90度ハイブリッドを実現できるという利点がある。
また、上述の実施形態では、上述の第1実施形態の光ハイブリッド回路を備えるものとし、上述の第1実施形態の変形例として説明しているが、図45に示すように、上述の第2実施形態〜第4実施形態の光ハイブリッド回路を備えるものとし、上述の第2実施形態〜第4実施形態の変形例として構成することもできる。つまり、光ハイブリッド回路1XAは、上述の第2実施形態〜第4実施形態の光ハイブリッド回路1Xの構成に加え、光遅延回路5と、入力側に1つのチャネルを有し、出力側に2つのチャネルを有する1:2光カプラ6とを備える。また、上述の第2実施形態の変形例(例えば図31〜図35参照)、上述の第3実施形態や第4実施形態の変形例は、本実施形態のものにも同様に適用することができる。
[第7実施形態]
次に、第7実施形態にかかる光受信機、光送受信機、光受信方法について、図46、図47を参照しながら説明する。
なお、光ハイブリッド回路の詳細については、上述の第6実施形態及びその変形例[図44、図45、図3(A)、図16〜図21参照]と同様であるから、ここではその説明を省略する。また、フォトダイオード21A,21B、AD変換回路22A,22B、デジタル演算回路23の構成及び光受信方法については、上述の第5実施形態及びその変形例(図42,図43)と同様であるから、ここではその説明を省略する。但し、本光受信機20Aには局部発振光発生部は存在しない。ここで、上述の第5実施形態及びその変形例のものを本実施形態のものに適用するにあたっては、QPSK信号光及びLO光を、相対位相差Δψを有する2つのDQPSK信号光に読み替えて適用すれば良い。なお、図46,図47では、上述の第5実施形態(図42参照)及び第6実施形態(図44参照)のものと同一のものには同一の符号を付している。
なお、上述の実施形態では、光受信機を例に挙げて説明しているが、これに限られるものではなく、上述の第5実施形態の変形例と同様に、上述の実施形態の光受信機の構成を備えるものとして光送受信機を構成することもできる。
[その他]
なお、本発明は、上述した各実施形態及び変形例に記載した構成に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形することが可能である。
(付記1) 幅方向中心位置に対して対称な位置に設けられた一対の入力チャネルと、同相関係にある一対の第1光信号を出力するための隣接する一対の第1出力チャネルと、同相関係にある一対の第2光信号を出力するための隣接する一対の第2出力チャネルとを備え、四位相偏移変調信号光又は差分四位相偏移変調信号光を、同相関係にある一対の第1光信号及び同相関係にある一対の第2光信号に変換する多モード干渉カプラと、
前記第1出力チャネル又は前記第2出力チャネルに接続されており、入力側に2つのチャネルを有し、出力側に2つのチャネルを有し、前記第1光信号又は前記第2光信号を、直交位相関係にある一対の第3光信号に変換する2:2光カプラとを備えることを特徴とする、光ハイブリッド回路。
前記2:2光カプラが接続された前記一対の第1出力チャネルの一方又は前記一対の第2出力チャネルの一方に位相制御領域を備えることを特徴とする、付記1記載の光ハイブリッド回路。
(付記3)
前記位相制御領域は、前記一対の第1光信号間の位相差又は前記一対の第2光信号間の位相差がπ/2+p*π(pは整数)になるように位相を制御する領域であることを特徴とする、付記2記載の光ハイブリッド回路。
前記多モード干渉カプラは、入力側に2つのチャネルを有し、出力側に4つのチャネルを有する2:4多モード干渉カプラであることを特徴とする、付記1〜3のいずれか1項に記載の光ハイブリッド回路。
(付記5)
前記2:4多モード干渉カプラは、対モード干渉に基づく2:4多モード干渉カプラであることを特徴とする、付記4記載の光ハイブリッド回路。
前記多モード干渉カプラは、入力側に4つのチャネルを有し、出力側に4つのチャネルを有する4:4多モード干渉カプラであり、前記入力側の4つのチャネルのうち幅方向中心位置に対して対称な位置に設けられた2つのチャネルが光を入力するための入力チャネルであることを特徴とする、付記1〜3のいずれか1項に記載の光ハイブリッド回路。
前記多モード干渉カプラの入力側の一のチャネルが、四位相偏移変調信号光を入力するための入力チャネルであり、
前記多モード干渉カプラの入力側の他のチャネルが、局部発振光を入力するための入力チャネルであることを特徴とする、付記1〜6のいずれか1項に記載の光ハイブリッド回路。
前記多モード干渉カプラの入力側の一のチャネルに接続された光遅延回路と、
前記光遅延回路及び前記多モード干渉カプラの入力側の他のチャネルに接続され、入力側に1つのチャネルを有し、出力側に2つのチャネルを有する1:2光カプラとを備え、
前記1:2光カプラの入力側のチャネルが、差分四位相偏移変調信号光を入力するための入力チャネルであることを特徴とする、付記1〜6のいずれか1項に記載の光ハイブリッド回路。
幅方向中心位置に対して対称な位置に設けられた一対の入力チャネルと、同相関係にある一対の第1光信号を出力するための隣接する一対の第1出力チャネルと、同相関係にある一対の第2光信号を出力するための隣接する一対の第2出力チャネルとを備え、四位相偏移変調信号光又は差分四位相偏移変調信号光を、同相関係にある一対の第1光信号及び同相関係にある一対の第2光信号に変換する多モード干渉カプラと、
前記第1出力チャネル又は前記第2出力チャネルに接続されており、入力側に2つのチャネルを有し、出力側に2つのチャネルを有し、前記第1光信号又は前記第2光信号を、直交位相関係にある一対の第3光信号に変換する2:2光カプラとを備え、
前記多モード干渉カプラは、第1の幅の入力端と、前記第1の幅と異なる第2の幅の出力端とを有し、前記一対の第1光信号間の位相差又は前記一対の第2光信号間の位相差がπ/2+p*π(pは整数)になることを特徴とする、光ハイブリッド回路。
前記多モード干渉カプラは、幅が伝搬方向に向かってテーパ状に変化する形状を備えることを特徴とする、付記9記載の光ハイブリッド回路。
(付記11)
前記多モード干渉カプラは、直線関数的テーパ形状、二乗関数的テーパ形状、指数関数的テーパ形状、平方根関数的テーパ形状、正弦波関数的テーパ形状、又は、これらを合成した関数によるテーパ形状を備えることを特徴とする、付記9又は10記載の光ハイブリッド回路。
前記多モード干渉カプラと前記2:2光カプラとが直接接続されていることを特徴とする、付記9〜11のいずれか1項に記載の光ハイブリッド回路。
(付記13)
前記多モード干渉カプラは、入力側に2つのチャネルを有し、出力側に4つのチャネルを有する2:4多モード干渉カプラであることを特徴とする、付記9〜12のいずれか1項に記載の光ハイブリッド回路。
前記多モード干渉カプラは、入力側に4つのチャネルを有し、出力側に4つのチャネルを有する4:4多モード干渉カプラであり、前記入力側の4つのチャネルのうち幅方向中心位置に対して対称な位置に設けられた2つのチャネルが光を入力するための入力チャネルであることを特徴とする、付記9〜13のいずれか1項に記載の光ハイブリッド回路。
前記多モード干渉カプラの入力側の一のチャネルが、四位相偏移変調信号光を入力するための入力チャネルであり、
前記多モード干渉カプラの入力側の他のチャネルが、局部発振光を入力するための入力チャネルであることを特徴とする、付記9〜14のいずれか1項に記載の光ハイブリッド回路。
前記多モード干渉カプラの入力側の一のチャネルに接続された光遅延回路と、
前記光遅延回路及び前記多モード干渉カプラの入力側の他のチャネルに接続され、入力側に1つのチャネルを有し、出力側に2つのチャネルを有する1:2光カプラとを備え、
前記1:2光カプラの入力側のチャネルが、差分四位相偏移変調信号光を入力するための入力チャネルであることを特徴とする、付記9〜15のいずれか1項に記載の光ハイブリッド回路。
幅方向中心位置に対して対称な位置に設けられた一対の入力チャネルと、同相関係にある一対の第1光信号を出力するための隣接する一対の第1出力チャネルと、同相関係にある一対の第2光信号を出力するための隣接する一対の第2出力チャネルとを備え、四位相偏移変調信号光又は差分四位相偏移変調信号光を、同相関係にある一対の第1光信号及び同相関係にある一対の第2光信号に変換する多モード干渉カプラと、前記第1出力チャネル又は前記第2出力チャネルに接続されており、入力側に2つのチャネルを有し、出力側に2つのチャネルを有し、前記第1光信号又は前記第2光信号を、直交位相関係にある一対の第3光信号に変換する2:2光カプラとを備える光ハイブリッド回路と、
前記多モード干渉カプラから出力される前記第1光信号又は前記第2光信号、及び、前記2:2光カプラから出力される前記第3光信号を、アナログ電気信号に変換するフォトダイオードと、
前記フォトダイオードから出力されるアナログ電気信号をデジタル電気信号に変換するAD変換回路と、
前記AD変換回路から出力されるデジタル電気信号を用いて演算処理を実行するデジタル演算回路とを備えることを特徴とする光受信機。
幅方向中心位置に対して対称な位置に設けられた一対の入力チャネルと、同相関係にある一対の第1光信号を出力するための隣接する一対の第1出力チャネルと、同相関係にある一対の第2光信号を出力するための隣接する一対の第2出力チャネルとを備え、四位相偏移変調信号光又は差分四位相偏移変調信号光を、同相関係にある一対の第1光信号及び同相関係にある一対の第2光信号に変換する多モード干渉カプラと、前記第1出力チャネル又は前記第2出力チャネルに接続されており、入力側に2つのチャネルを有し、出力側に2つのチャネルを有し、前記第1光信号又は前記第2光信号を、直交位相関係にある一対の第3光信号に変換する2:2光カプラとを備え、前記多モード干渉カプラは、第1の幅の入力端と、前記第1の幅と異なる第2の幅の出力端とを有し、前記一対の第1光信号間の位相差又は前記一対の第2光信号間の位相差がπ/2+p*π(pは整数)になる光ハイブリッド回路と、
前記多モード干渉カプラから出力される前記第1光信号又は前記第2光信号、及び、前記2:2光カプラから出力される前記第3光信号を、アナログ電気信号に変換するフォトダイオードと、
前記フォトダイオードから出力されるアナログ電気信号をデジタル電気信号に変換するAD変換回路と、
前記AD変換回路から出力されるデジタル電気信号を用いて演算処理を実行するデジタル演算回路とを備えることを特徴とする光受信機。
幅方向中心位置に対して対称な位置に設けられた一対の入力チャネルと、同相関係にある一対の第1光信号を出力するための隣接する一対の第1出力チャネルと、同相関係にある一対の第2光信号を出力するための隣接する一対の第2出力チャネルとを備える多モード干渉カプラを用いて、四位相偏移変調信号光又は差分四位相偏移変調信号光を同相関係にある一対の第1光信号及び同相関係にある一対の第2光信号に変換し、
前記第1出力チャネル又は前記第2出力チャネルに接続されており、入力側に2つのチャネルを有し、出力側に2つのチャネルを有する2:2光カプラを用いて、前記第1光信号又は前記第2光信号を直交位相関係にある一対の第3光信号に変換し、
前記第1光信号又は前記第2光信号と、前記第3光信号とを受信することを特徴とする光受信方法。
幅方向中心位置に対して対称な位置に設けられた一対の入力チャネルと、同相関係にある一対の第1光信号を出力するための隣接する一対の第1出力チャネルと、同相関係にある一対の第2光信号を出力するための隣接する一対の第2出力チャネルとを備える多モード干渉カプラを用いて、四位相偏移変調信号光又は差分四位相偏移変調信号光を同相関係にある一対の第1光信号及び同相関係にある一対の第2光信号に変換し、
前記第1出力チャネル又は前記第2出力チャネルに接続されており、入力側に2つのチャネルを有し、出力側に2つのチャネルを有する2:2光カプラを用いて、前記第1光信号又は前記第2光信号を直交位相関係にある一対の第3光信号に変換し、
前記第1光信号又は前記第2光信号と、前記第3光信号とを受信し、
前記多モード干渉カプラは、第1の幅の入力端と、前記第1の幅と異なる第2の幅の出力端とを有し、前記一対の第1光信号間の位相差又は前記一対の第2光信号間の位相差がπ/2+p*π(pは整数)になることを特徴とする光受信方法。
2,2A,2B,2C,2D MMIカプラ(2:4MMIカプラ)
2X,2AX,2BX,2CX,2DX 入力端
2Y,2AY,2BY,2CY,2DY 出力端
3 光カプラ(2:2MMIカプラ)
3A 方向性結合器(2:2方向性結合器)
3B 二モード干渉カプラ(2:2二モード干渉カプラ)
4,4A 位相シフタ
4B 光導波路
5 光遅延回路
6 1:2光カプラ
10 InP基板
11 GaInAsPコア層
12 InPクラッド層
13 光半導体素子
20,20A,20X,20XA コヒーレント光受信機
21A,21B フォトダイオード(光電変換部;BPD)
22A,22B AD変換回路(AD変換部)
23 デジタル演算回路(デジタル演算部)
24 局部発振光発生部(LO光源)
Claims (10)
- 幅方向中心位置に対して対称な位置に設けられた一対の入力チャネルと、同相関係にある一対の第1光信号を出力するための隣接する一対の第1出力チャネルと、同相関係にある一対の第2光信号を出力するための隣接する一対の第2出力チャネルとを備え、四位相偏移変調信号光又は差分四位相偏移変調信号光を、同相関係にある一対の第1光信号及び同相関係にある一対の第2光信号に変換する多モード干渉カプラと、
前記第1出力チャネル又は前記第2出力チャネルに接続されており、入力側に2つのチャネルを有し、出力側に2つのチャネルを有し、前記第1光信号又は前記第2光信号を、直交位相関係にある一対の第3光信号に変換する2:2光カプラとを備えることを特徴とする、光ハイブリッド回路。 - 前記2:2光カプラが接続された前記一対の第1出力チャネルの一方又は前記一対の第2出力チャネルの一方に位相制御領域を備えることを特徴とする、請求項1記載の光ハイブリッド回路。
- 前記位相制御領域は、前記一対の第1光信号間の位相差又は前記一対の第2光信号間の位相差がπ/2+p*π(pは整数)になるように位相を制御する領域であることを特徴とする、請求項2記載の光ハイブリッド回路。
- 前記多モード干渉カプラは、入力側に2つのチャネルを有し、出力側に4つのチャネルを有する2:4多モード干渉カプラであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の光ハイブリッド回路。
- 前記2:4多モード干渉カプラは、対モード干渉に基づく2:4多モード干渉カプラであることを特徴とする、請求項4記載の光ハイブリッド回路。
- 幅方向中心位置に対して対称な位置に設けられた一対の入力チャネルと、同相関係にある一対の第1光信号を出力するための隣接する一対の第1出力チャネルと、同相関係にある一対の第2光信号を出力するための隣接する一対の第2出力チャネルとを備え、四位相偏移変調信号光又は差分四位相偏移変調信号光を、同相関係にある一対の第1光信号及び同相関係にある一対の第2光信号に変換する多モード干渉カプラと、
前記第1出力チャネル又は前記第2出力チャネルに接続されており、入力側に2つのチャネルを有し、出力側に2つのチャネルを有し、前記第1光信号又は前記第2光信号を、直交位相関係にある一対の第3光信号に変換する2:2光カプラとを備え、
前記多モード干渉カプラは、第1の幅の入力端と、前記第1の幅と異なる第2の幅の出力端とを有し、前記一対の第1光信号間の位相差又は前記一対の第2光信号間の位相差がπ/2+p*π(pは整数)になることを特徴とする、光ハイブリッド回路。 - 幅方向中心位置に対して対称な位置に設けられた一対の入力チャネルと、同相関係にある一対の第1光信号を出力するための隣接する一対の第1出力チャネルと、同相関係にある一対の第2光信号を出力するための隣接する一対の第2出力チャネルとを備え、四位相偏移変調信号光又は差分四位相偏移変調信号光を、同相関係にある一対の第1光信号及び同相関係にある一対の第2光信号に変換する多モード干渉カプラと、前記第1出力チャネル又は前記第2出力チャネルに接続されており、入力側に2つのチャネルを有し、出力側に2つのチャネルを有し、前記第1光信号又は前記第2光信号を、直交位相関係にある一対の第3光信号に変換する2:2光カプラとを備える光ハイブリッド回路と、
前記多モード干渉カプラから出力される前記第1光信号又は前記第2光信号、及び、前記2:2光カプラから出力される前記第3光信号を、アナログ電気信号に変換するフォトダイオードと、
前記フォトダイオードから出力されるアナログ電気信号をデジタル電気信号に変換するAD変換回路と、
前記AD変換回路から出力されるデジタル電気信号を用いて演算処理を実行するデジタル演算回路とを備えることを特徴とする光受信機。 - 幅方向中心位置に対して対称な位置に設けられた一対の入力チャネルと、同相関係にある一対の第1光信号を出力するための隣接する一対の第1出力チャネルと、同相関係にある一対の第2光信号を出力するための隣接する一対の第2出力チャネルとを備え、四位相偏移変調信号光又は差分四位相偏移変調信号光を、同相関係にある一対の第1光信号及び同相関係にある一対の第2光信号に変換する多モード干渉カプラと、前記第1出力チャネル又は前記第2出力チャネルに接続されており、入力側に2つのチャネルを有し、出力側に2つのチャネルを有し、前記第1光信号又は前記第2光信号を、直交位相関係にある一対の第3光信号に変換する2:2光カプラとを備え、前記多モード干渉カプラは、第1の幅の入力端と、前記第1の幅と異なる第2の幅の出力端とを有し、前記一対の第1光信号間の位相差又は前記一対の第2光信号間の位相差がπ/2+p*π(pは整数)になる光ハイブリッド回路と、
前記多モード干渉カプラから出力される前記第1光信号又は前記第2光信号、及び、前記2:2光カプラから出力される前記第3光信号を、アナログ電気信号に変換するフォトダイオードと、
前記フォトダイオードから出力されるアナログ電気信号をデジタル電気信号に変換するAD変換回路と、
前記AD変換回路から出力されるデジタル電気信号を用いて演算処理を実行するデジタル演算回路とを備えることを特徴とする光受信機。 - 幅方向中心位置に対して対称な位置に設けられた一対の入力チャネルと、同相関係にある一対の第1光信号を出力するための隣接する一対の第1出力チャネルと、同相関係にある一対の第2光信号を出力するための隣接する一対の第2出力チャネルとを備える多モード干渉カプラを用いて、四位相偏移変調信号光又は差分四位相偏移変調信号光を同相関係にある一対の第1光信号及び同相関係にある一対の第2光信号に変換し、
前記第1出力チャネル又は前記第2出力チャネルに接続されており、入力側に2つのチャネルを有し、出力側に2つのチャネルを有する2:2光カプラを用いて、前記第1光信号又は前記第2光信号を直交位相関係にある一対の第3光信号に変換し、
前記第1光信号又は前記第2光信号と、前記第3光信号とを受信することを特徴とする光受信方法。 - 幅方向中心位置に対して対称な位置に設けられた一対の入力チャネルと、同相関係にある一対の第1光信号を出力するための隣接する一対の第1出力チャネルと、同相関係にある一対の第2光信号を出力するための隣接する一対の第2出力チャネルとを備える多モード干渉カプラを用いて、四位相偏移変調信号光又は差分四位相偏移変調信号光を同相関係にある一対の第1光信号及び同相関係にある一対の第2光信号に変換し、
前記第1出力チャネル又は前記第2出力チャネルに接続されており、入力側に2つのチャネルを有し、出力側に2つのチャネルを有する2:2光カプラを用いて、前記第1光信号又は前記第2光信号を直交位相関係にある一対の第3光信号に変換し、
前記第1光信号又は前記第2光信号と、前記第3光信号とを受信し、
前記多モード干渉カプラは、第1の幅の入力端と、前記第1の幅と異なる第2の幅の出力端とを有し、前記一対の第1光信号間の位相差又は前記一対の第2光信号間の位相差がπ/2+p*π(pは整数)になることを特徴とする光受信方法。
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