JP2010171692A - 路側通信システム - Google Patents
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Abstract
【課題】局所通信メディアと広域通信メディアとを相互補完的に用いて、通信の効率性を高める。
【解決手段】車両Vに搭載された第1車載通信機3との通信を行う局所通信機1と、前記車両に搭載された第2車載通信機4との通信を行う広域通信機2とを有する路側通信システムであって、前記局所通信機は、所定の局所エリアA1に存在する第1車載通信機との通信を行うよう構成され、前記広域通信機は、前記局所エリアよりも広いエリアであって、前記局所エリア近傍の又は前記局所エリアと重複する広域エリアA2、に存在する第2車載通信機との通信を行うよう構成され、前記局所通信機及び前記広域通信機を制御するための制御部5を有し、前記制御部は、前記車両側へ送信すべきデータのうち、前記局所通信機及び前記広域通信機のうちいずれか一方の通信機によって送信できなかったデータを、他方の通信機によって補完的に車両側へ送信する。
【選択図】図3
【解決手段】車両Vに搭載された第1車載通信機3との通信を行う局所通信機1と、前記車両に搭載された第2車載通信機4との通信を行う広域通信機2とを有する路側通信システムであって、前記局所通信機は、所定の局所エリアA1に存在する第1車載通信機との通信を行うよう構成され、前記広域通信機は、前記局所エリアよりも広いエリアであって、前記局所エリア近傍の又は前記局所エリアと重複する広域エリアA2、に存在する第2車載通信機との通信を行うよう構成され、前記局所通信機及び前記広域通信機を制御するための制御部5を有し、前記制御部は、前記車両側へ送信すべきデータのうち、前記局所通信機及び前記広域通信機のうちいずれか一方の通信機によって送信できなかったデータを、他方の通信機によって補完的に車両側へ送信する。
【選択図】図3
Description
本発明は、路側通信システムに関するものである。
路側の通信機から、道路を走行する車両に対してデータを送信する技術としては、VICS(Vehicle Information and Communication System)が普及している。VICSでは、路側に設置されたビーコン(光ビーコン又は電波ビーコン)とよばれる通信機によって、リンク渋滞情報、リンク旅行時間等の交通情報を、車両に提供する。
一方、車車間の通信にも利用できる無線通信の方式として、UHF帯及び5.8GHz帯において、米国のDSRCに類する無線メディアを用いたCSMA型のアクセス方式が検討されており、本方式によって路車間の無線通信を行う方式が検討されている(例えば、非特許文献1,2参照)。
IEEE802.11p
IEEE802.11
VICSにおいて用いられる光ビーコンは、通信エリアが狭く、通信エリアとなる所定の局所エリア内に存在する車両のみとのスポット通信を行うものであるため、通信地点を、車両の位置評定に利用し易い。また、光ビーコンでは、スポット通信であるため、個々の車両に対する確実な帯域確保が可能であり、また秘匿性にも優れる。
しかし、光ビーコンは通信エリアが狭いため、車両の速度が大きい場合、狭い通信エリアに車両が滞在している時間が短く、十分にデータのやり取りができなくなるおそれがある。
一方、非特許文献1、2に記載のような無線メディア(以下、「広域通信メディア」という)は、光ビーコンよりも伝送容量が多いだけでなく、広い通信エリアへの適用を想定しており、エリア内で多くの通信回線を設けられる。したがって、通信エリア内の車両数が少なければ、車両1台当たりの伝送容量が、光ビーコンを勝る可能性がある。
しかし、前記広域通信メディアでは、電波漏洩が生じるため、サービス基点情報を車両に提供することが困難である。
また、前記広域通信メディアでは、路車間通信のほか車車間通信、路路間通信も行われる可能性があるため、通信エリア内の車両数が増加すると、帯域が逼迫するおそれがある。例えば、渋滞時には通信エリア内の車両数が増加し、通信エリア内に収容される車両台数は1000台超となることが予想され、個々の車両に対して十分な帯域を確保することが困難である。
また、前記広域通信メディアでは、路車間通信のほか車車間通信、路路間通信も行われる可能性があるため、通信エリア内の車両数が増加すると、帯域が逼迫するおそれがある。例えば、渋滞時には通信エリア内の車両数が増加し、通信エリア内に収容される車両台数は1000台超となることが予想され、個々の車両に対して十分な帯域を確保することが困難である。
このように、局所通信メディアでは、車両速度が速い場合などにおいてデータ送信が不十分となるおそれがあり、前記広域通信メディアでは、車両数の増加時などおいて帯域が逼迫して、やはりデータ送信が不十分となるおそれがある。
そこで、本発明は、ビーコンのような局所通信メディアと広域通信メディアとを相互補完的に用いることで、通信の効率性を高めることを目的とする。
(1)第1の本発明は、車両に搭載された第1車載通信機との通信を行う局所通信機と、前記車両に搭載された第2車載通信機との通信を行う広域通信機と、を有する路側通信システムに関するものである。
前記路側通信システムが有する局所通信機は、所定の局所エリアに存在する車両に搭載された第1車載通信機との通信を行うよう構成されたものであり、典型的には、光ビーコン若しくは電波ビーコンなどのビーコン、又はDSRC(車用狭域通信;Dedicated Short Range Communication)用通信機である。
前記路側通信システムが有する局所通信機は、所定の局所エリアに存在する車両に搭載された第1車載通信機との通信を行うよう構成されたものであり、典型的には、光ビーコン若しくは電波ビーコンなどのビーコン、又はDSRC(車用狭域通信;Dedicated Short Range Communication)用通信機である。
前記路側通信システムが有する広域通信機は、前記局所エリアよりも広いエリアに存在する車両に搭載された第2車載通信機との通信を行うよう構成されたものであり、典型的には、UHF帯を無線で路車間通信・車車間通信に共用する方式の無線通信機である。
広域エリアは、局所エリア近傍に位置するか、又は前記局所エリアと重複して位置する。広域エリアと局所エリアの位置関係としては、車両が、局所エリアに先に進入し、その後に広域エリアに進入するようなものでもよいし、あるいは、車両が、広域エリアに先に進入し、その後に局所エリアに進入するようなものでもよい。また、局所エリアと広域エリアが連続するように隣接又は重複している必要はない。
広域エリアは、局所エリア近傍に位置するか、又は前記局所エリアと重複して位置する。広域エリアと局所エリアの位置関係としては、車両が、局所エリアに先に進入し、その後に広域エリアに進入するようなものでもよいし、あるいは、車両が、広域エリアに先に進入し、その後に局所エリアに進入するようなものでもよい。また、局所エリアと広域エリアが連続するように隣接又は重複している必要はない。
第1の本発明に係る路側通信システムは、前記局所通信機によるデータ送信及び前記広域通信機によるデータ送信を制御するための制御部を有している。これにより、局所通信機と広域通信機を連携させた一体運用が可能となっている。
そして、前記制御部は、前記車両側へ送信すべきデータのうち、前記局所通信機及び前記広域通信機のうちいずれか一方の通信機によって送信できなかったデータを、他方の通信機によって補完的に車両側へ送信させるよう構成されている。
この構成により、車両はいずれかの通信機からデータを受信でき、局所通信機と広域通信機とを相互補完的に機能させることができる。
この構成により、車両はいずれかの通信機からデータを受信でき、局所通信機と広域通信機とを相互補完的に機能させることができる。
(2)第2の本発明も、車両に搭載された第1車載通信機との通信を行う局所通信機と、車両に搭載された第2通信機との通信を行う広域通信機と、を有する路側通信システムに関するものである。
第1の本発明と同様に、前記局所通信機は、所定の局所エリアに存在する車両に搭載された第1車載通信機との通信を行うよう構成され、前記広域通信機は、前記局所エリアよりも広いエリアであって、前記局所エリア近傍の又は前記局所エリアと重複する広域エリア、に存在する車両に搭載された第2車載通信機との通信を行うよう構成されている。
第1の本発明と同様に、前記局所通信機は、所定の局所エリアに存在する車両に搭載された第1車載通信機との通信を行うよう構成され、前記広域通信機は、前記局所エリアよりも広いエリアであって、前記局所エリア近傍の又は前記局所エリアと重複する広域エリア、に存在する車両に搭載された第2車載通信機との通信を行うよう構成されている。
第2の本発明に係る路側通信システムは、前記局所通信機による情報送信及び前記広域通信機によるデータ送信を制御するための制御部を備えている。
前記制御部は、前記局所エリア若しくは前記広域エリア又はそれらのエリア近傍における交通状況に基づいて、車両側に送信すべきデータを、前記局所通信機及び前記広域通信機のいずれによって送信するかを選択するため、あるデータを、局所通信機から送信するか、広域通信機から送信するかを選択できる。したがって、交通状況に応じて、より適切な通信機からデータを車両へ送信することができる。
前記制御部は、前記局所エリア若しくは前記広域エリア又はそれらのエリア近傍における交通状況に基づいて、車両側に送信すべきデータを、前記局所通信機及び前記広域通信機のいずれによって送信するかを選択するため、あるデータを、局所通信機から送信するか、広域通信機から送信するかを選択できる。したがって、交通状況に応じて、より適切な通信機からデータを車両へ送信することができる。
(3)第3の本発明も、車両に搭載された第1車載通信機との通信を行う局所通信機と、車両に搭載された第2通信機との通信を行う広域通信機と、を有する路側通信システムに関するものである。
前記局所通信機は、所定の局所エリアに存在する車両に搭載された第1車載通信機との通信を行うよう構成され、前記広域通信機は、前記局所エリアよりも広い広域エリアに存在する車両に搭載された第2車載通信機との通信を行うものであり、前記広域エリアは、前記車両が前記局所エリアを通過した後において、当該広域エリア内に位置するように、前記局所エリアよりも車両進行方向下流側に配置されている。
前記局所通信機は、所定の局所エリアに存在する車両に搭載された第1車載通信機との通信を行うよう構成され、前記広域通信機は、前記局所エリアよりも広い広域エリアに存在する車両に搭載された第2車載通信機との通信を行うものであり、前記広域エリアは、前記車両が前記局所エリアを通過した後において、当該広域エリア内に位置するように、前記局所エリアよりも車両進行方向下流側に配置されている。
第3の本発明に係る路側通信システムは、前記局所通信機による情報送信及び前記広域通信機によるデータ送信を制御するための制御部を備え、前記制御部は、前記局所エリア若しくは前記広域エリア又はそれらのエリア近傍における交通状況に基づいて、前記局所通信機によって送信すべきデータ量を調整し、前記局所通信機によって送信しきれなかったデータを、前記広域通信機によって送信させるよう構成されている。
ここで、例えば、交通状況が「混雑」又は「車両が低速」であることを示すものである場合、広域エリアには多数の車両が存在している可能性があり、広域通信機による通信では帯域が逼迫しやすく不利になる一方、局所エリアでの車両の滞在時間は長くなるため、局所通信機では、データを確実に送信でき、有利になる。
逆に、交通状況が「閑散」又は「車両が中・高速」であることを示すものである場合、広域エリアに存在する車両の数は少ない可能性が高く、広域通信機による通信では帯域に余裕が生じやすくなり有利である一方、局所エリアでの車両の滞在時間が短くなるため、局所通信機では、十分なデータを送信する時間を確保できず、不利になる。
逆に、交通状況が「閑散」又は「車両が中・高速」であることを示すものである場合、広域エリアに存在する車両の数は少ない可能性が高く、広域通信機による通信では帯域に余裕が生じやすくなり有利である一方、局所エリアでの車両の滞在時間が短くなるため、局所通信機では、十分なデータを送信する時間を確保できず、不利になる。
そこで、第3の本発明では、前記制御部は、交通状況に基づいて、前記局所通信機によって送信すべきデータ量を調整する。つまり、車両が先に進入する局所エリアでの通信を行う局所通信機によるデータ送信量が、交通状況(例えば、車両速度や車両の混雑度)に応じて調整される。
そして、前記局所通信機によって送信しきれなかったデータが、前記広域通信機によって送信される。上記のように、交通状況によって、局所通信機と広域通信機のうちいずれか一方が有利になるため、局所通信機によって送信しきれなかったデータを、広域通信機によって送信することで、両通信機において相互補完が行われ、全体として効率的に通信を行うことができる。
そして、前記局所通信機によって送信しきれなかったデータが、前記広域通信機によって送信される。上記のように、交通状況によって、局所通信機と広域通信機のうちいずれか一方が有利になるため、局所通信機によって送信しきれなかったデータを、広域通信機によって送信することで、両通信機において相互補完が行われ、全体として効率的に通信を行うことができる。
(4) 前記制御部は、前記広域通信機が前記車両側へ送信すべきデータ量、及び、前記交通状況に基づいて、前記広域通信機の送信データレートを調整するのが好ましい。データレートの調整には、変調度の調整、誤り訂正効率の調整、空間多重数の調整によって行える。また、前記調整手段を組み合わせてもよい。
ここで、前記広域通信機が前記車両側へ送信すべきデータ量と交通状況とは、スループット性能に関連性を与える。そこで、データ量と交通状況に応じて、データレートの調整を行うことで、スループットを向上させることができる。
前記制御部は、車両より車両が対応するいずれかの無線メディア(無線機)より対応する無線メディアの情報(各無線メディアに対する対応/未対応/異常情報等)を受信し、その情報に基づき、送信する無線メディア及び各無線メディアにおける送信データ量を決定することを特長とする。
本発明によれば、局所通信機と広域通信機とを相互補完的に機能させることができ、通信の効率性を高めることができる。
〔システムの全体構成〕
図1及び図2は、路側の通信機として、局所通信機(局所通信メディア)である光ビーコン1と、広域通信機(広域通信メディア)である路側無線通信機2とを複合的に備えた路側通信システムを示している。この路側通信システムは、高度道路交通システム(ITS)における通信システムの一部として用いられ、道路を走行する車両Vに対して、安全支援などのための各種データを提供するために使用される。
図1及び図2は、路側の通信機として、局所通信機(局所通信メディア)である光ビーコン1と、広域通信機(広域通信メディア)である路側無線通信機2とを複合的に備えた路側通信システムを示している。この路側通信システムは、高度道路交通システム(ITS)における通信システムの一部として用いられ、道路を走行する車両Vに対して、安全支援などのための各種データを提供するために使用される。
この路側通信システムは、光ビーコン1及び路側無線通信機2に接続された路側制御機(制御部)5を備えている。路側制御機5は、公衆電話回線網を介して、情報提供センタ(交通管制センタ)内の装置6に接続されている。
前記光ビーコン1は、車両が通過する道路の上方に設置されており、車両Vに搭載された光ビーコン用車載機(第1車載通信機)3との間で光の送受信を行い、車両Vを感知できるほか、路側通信システムから車両Vへ情報を提供したり、車両Vから路側通信システムへ情報を送信することができる。なお、車両感知は、光ビーコン1とは別の車両感知器で行っても良い。
光ビーコン1が光ビーコン用車載機3と通信可能なエリアは、車両Vが1台しか存在できない程度の比較的狭い局所エリアA1であり、具体的には光ビーコン1の直下であって車両進行方向長さが3.5m程度の範囲である。つまり、光ビーコン1は狭いエリアへのスポット通信を行うものであり、車両Vは、局所エリアA1を通過したときだけ、光ビーコン1との通信が可能である。光ビーコン1の場合、通信エリアである局所エリアA1には、通常、1台しか車両が進入できないため、個々の車両Vごとに帯域が確保でき、秘匿性に優れる。また、光ビーコン1の場合、通信位置を車両Vの位置評定に利用しやすい。
前記路側無線通信機2は、例えば、交差点に設置され、車両 Vに搭載された無線通信用車載機(第2車載通信機)4との間で無線通信(電波による通信)を行い、路側通信システムから車両5へ情報を提供したり、車両5から路側通信システムへ情報を送信することができる。
路側無線通信機2が無線通信用車載機4と通信可能なエリアは、路側無線通信機2の周囲の比較的広い広域エリアA2であり、具体的には、路側無線通信機2の周囲の数十〜数百メートルの範囲である。したがって、車両Vの無線通信用車載機4は、広域エリアA2内を走行している間は、連続して路側無線通信機2との通信が可能である。
また、広域エリアA2は、比較的広いため、多数の車両Vが、当該広域エリアA2内に存在することがある。
また、広域エリアA2は、比較的広いため、多数の車両Vが、当該広域エリアA2内に存在することがある。
図1に示す本実施形態においては、局所エリアA1は、広域エリアA2の境界付近であって、広域エリアA2の車両V走行方向上流側に設定されており、車両Vは、広域エリアA2に進入する直前において、局所エリアA1に進入することになる。なお、局所エリアA1と広域エリアA2との位置関係は、図1のものに限定されるわけではない。例えば、局所エリアA1は、広域エリアA2の境界付近であって、広域エリアA2の車両V走行方向下流側に設定されていてもよい。また、図1において、局所エリア1と広域エリアA2とは隣接しているが、両エリアA1,A2は重複していてもよいし、離れていても良い。
また、図1において、局所エリア1と広域エリアA2とは隣接しているが、両エリアA1,A2は重複していてもよいし、離れていても良い。
また、図1において、局所エリア1と広域エリアA2とは隣接しているが、両エリアA1,A2は重複していてもよいし、離れていても良い。
なお、無線通信用車載機4は、路側無線通信機2との通信(以下、「路車間無線通信」という)と同じ周波数帯域を用いて、無線通信用車載機4同士の通信(以下、「車車間無線通信」という)、路側無線通信機2同士の通信(以下、「路路間通信」という)も行える。車車間無線通信は、車両V間で安全運転支援に役立つ情報を相互に提供し合うこと等を行うものである。路路間通信は、路側機間の送信タイミング制御や情報共有等を行うものである。
路側無線通信機2が信号送信する時間(路側用スロット)と、無線通信用車載機4が信号送信する時間(車両用スロット)とは、時分割によって分けられている。複数の路側無線通信機2は、路側無線通信機2に割り当てられた時間(スロット)においてTDMA方式乃至はCSMA方式によって信号送信を行い、複数の無線通信用車載機4は、無線通信用車載機4に割り当てられた時間(スロット)において、CSMA方式によって信号送信を行う。
図2に示すように、光ビーコン1は、送受信データの変復調を行うデータ変復調部11と、送受信データの加工を行うデータ加工部12とを備えている。
また、路側無線通信機2も、送受信データの変復調を行うデータ変復調部21と、送受信データの加工を行うデータ加工部22とを備えている。
また、路側無線通信機2も、送受信データの変復調を行うデータ変復調部21と、送受信データの加工を行うデータ加工部22とを備えている。
路側制御機(制御部)5は、送信データ処理部51及び受信データ処理部52を備えている。送信データ処理部51は、光ビーコン1及び/又は路側無線通信機2から送信すべきデータを処理し、当該送信データを光ビーコン1及び/又は路側無線通信機2に与えるためのものである。
受信データ処理部52は、光ビーコン1及び/又は路側無線通信機2からデータを受信し、当該受信データを処理するためのものである。
また、路側制御機5は、情報提供センタの装置6からのデータの変復調を行う変復調部53を備えている。この変復調部53は、交通信号機7とも接続されており、路側制御機5は、情報提供センタ(交通管制センタ)の装置6からの指令に基づいて、交通信号機7の動作を制御することができる。
受信データ処理部52は、光ビーコン1及び/又は路側無線通信機2からデータを受信し、当該受信データを処理するためのものである。
また、路側制御機5は、情報提供センタの装置6からのデータの変復調を行う変復調部53を備えている。この変復調部53は、交通信号機7とも接続されており、路側制御機5は、情報提供センタ(交通管制センタ)の装置6からの指令に基づいて、交通信号機7の動作を制御することができる。
また、車両Vは、前記光ビーコン用車載機3及び前記無線通信用車載機4のほか、これら車載機3,4に接続された車載制御機8を備えている。
前記光ビーコン用車載機3は、送受信データの変復調を行うデータ変復調部31と、送受信データの加工を行うデータ加工部32とを備えている。
また、無線通信用車載機4も、送受信データの変復調を行うデータ変復調部41と、送受信データの加工を行うデータ加工部42とを備えている。
前記光ビーコン用車載機3は、送受信データの変復調を行うデータ変復調部31と、送受信データの加工を行うデータ加工部32とを備えている。
また、無線通信用車載機4も、送受信データの変復調を行うデータ変復調部41と、送受信データの加工を行うデータ加工部42とを備えている。
車載制御機8は、送信データ処理部81及び受信データ処理部82を備えている。送信データ処理部51は、光ビーコン用車載機3及び/又は無線通信用車載機4から送信すべきデータを処理し、当該送信データを光ビーコン用車載機3及び/又は無線通信用車載機4に与えるためのものである。なお、送信データ処理部51は、車両Vに設けられた車速センサ12と接続されており、車両Vの速度情報を取得することができる。
受信データ処理部82は、光ビーコン用車載機3及び/又は無線通信用車載機4からデータを受信し、当該受信データを処理するためのものである。なお、受信データは、車載制御機83の記憶部83に記憶可能である。
受信データ処理部82は、光ビーコン用車載機3及び/又は無線通信用車載機4からデータを受信し、当該受信データを処理するためのものである。なお、受信データは、車載制御機83の記憶部83に記憶可能である。
また、受信データ処理部82は、車両Vに搭載されたカーナビゲーションシステムのためのナビゲーション処理部9と接続されており、当該ナビゲーション処理部9から情報を取得することができる。なお、ナビゲーション処理部11は、操作部10及び表示部11を備えており、各種操作を受け付け、様々な情報を表示することができる。
さて、路側通信システムでは、車両Vに送信すべきデータを、他装置6から受け取ったり、あるいは自ら生成するが、そのような送信データを車両Vへ送るためのメディア(通信機)としては、前述のように、局所通信メディアとしての光ビーコン1と、広域通信メディアとしての路側無線通信機2の2つが備わっている。
そして、本実施形態において、車両Vへ送信すべきデータ(情報)は、3つにカテゴライズされている。第1カテゴリのデータは、光ビーコン1のみによって送信されるデータであり、第2カテゴリのデータは、路側無線通信機2のみによって送信されるデータであり、第3カテゴリのデータは、光ビーコン1及び路側無線通信機2のいずれでも送信可能なデータである。
専ら光ビーコン1によって送信される第1カテゴリデータは、光ビーコン1の特性を活かせるデータであり、専ら路側無線通信機2によって送信される第2カテゴリデータは、路側無線通信機2の特性を活かせるデータである。
光ビーコン1の特性としては、例えば、スポット通信であることが挙げられる。スポット通信の場合、通信位置が限定されるため、その通信位置を基準位置とした位置情報(サービス基点情報)を提供するのに有利である。位置情報としては、例えば、現在位置情報、交差点までの距離の情報、路側無線通信機2によるデータ提供サービスエリアへのIN地点/OUT地点の情報などが挙げられる。
このような光ビーコン1の特性を活かせる位置情報等は、第1カテゴリデータとなる。
このような光ビーコン1の特性を活かせる位置情報等は、第1カテゴリデータとなる。
また、無線通信機2の特性としては、例えば、光ビーコン1よりも伝送容量が多く、通信エリアも広いことから通信回線が多く、車両V数が少なければ、車両1台あたりの伝送容量が、光ビーコン1を勝る可能性がある点である。したがって、無線通信機2では、比較的データ量が多くしかもリアルタイム性を有するサービス情報を提供するのに有利である。時々刻々と内容が変わるリアルタイム性を有するサービス情報としては、右直事故防止支援情報(右直画像情報、左折巻込防止情報など)や、その他の緊急情報などが挙げられる。
これらの路側無線通信機2の特性が活かせるリアルタイム性サービス情報等は、第2カテゴリデータとなる。
これらの路側無線通信機2の特性が活かせるリアルタイム性サービス情報等は、第2カテゴリデータとなる。
光ビーコン1及び路側無線通信機2のいずれでも送信可能な第3カテゴリデータは、第1及び第2カテゴリデータを除く、その他のサービス情報であり、例えば、認証手続き情報、鍵(認証鍵・暗号鍵)交換手続き情報等である。
第3カテゴリデータのうち、光ビーコン1から送信される割合(データ量)と、路側無線通信機2から送信される割合(データ量)とが、路側制御機5において調整される。つまり、第3カテゴリデータは、その一部又が光ビーコン1から送信され、他の一部が路側制御機5によって送信される。なお、第3カテゴリデータの送信割合の調整によっては、光ビーコン1及び路側無線通信機2のいずれか一方によって第3カテゴリデータ全部が送信されることもありえる。
第3カテゴリデータのうち、光ビーコン1から送信される割合(データ量)と、路側無線通信機2から送信される割合(データ量)とが、路側制御機5において調整される。つまり、第3カテゴリデータは、その一部又が光ビーコン1から送信され、他の一部が路側制御機5によって送信される。なお、第3カテゴリデータの送信割合の調整によっては、光ビーコン1及び路側無線通信機2のいずれか一方によって第3カテゴリデータ全部が送信されることもありえる。
図3〜図5は、路側通信システムにおける車両Vへのデータ送信処理を示している。図3に示すように、まず、路側通信システム(の路側制御機5)は、必要な初期設定(ステップS1)を行ったのち、局所エリアA1に車両Vが進入したか否かを判定する(ステップS2)。局所エリアA1に車両Vが進入したか否かの検出は、光ビーコン1の車両感知機能若しくは、光ビーコン1が車両Vからのデータを受信したことの検出によって行われる。
局所エリアA1に車両Vが進入したことが検出されると、路側通信システムの路側制御機5は、交通状況の算出を行い(ステップS3)、交通状況に基づいて、第3カテゴリデータのうち、光ビーコン1にて送信すべきデータ量及び路側無線通信機2にて送信すべきデータ量それぞれを調整する(ステップS4)。
そして、路側通信システムにおける路側制御機5の送信データ処理部51は、車両5に送信すべきデータのうち、第1カテゴリデータ、及び、第3カテゴリデータであって光ビーコン1用に割り当てられたデータを、光ビーコン1に与え、さらに、第2カテゴリデータ、及び、第3カテゴリデータであって路側無線通信機2用に割り当てられたデータを、路側無線通信機2に与える。光ビーコン1は、路側制御機1から与えられたデータを、車両Vに対して送信し(ステップS5)、路側無線通信機2は、路側制御機1から与えられたデータを、車両Vに対して送信する(ステップS6)。
図4は、前記ステップS3の交通状況の算出手順の詳細を示している。ここで求められる交通状況は、局所エリアA1若しくは前記広域エリアA2又はそれらのエリアA1,A2近傍における交通状況である。また、交通状況としては、例えば、車両の車速と車両の混雑状況が算出される。
交通状況の算出では、まず、路側制御機5は、現在の周辺車両Vの平均速度を求めるため、光ビーコン12による受信結果に基づいて、車両Vの光ビーコン用車載機3からのデータ(パケット)送信の有無を判定する(ステップS31)。車両Vの光ビーコン用車載機3からのデータ(パケット)には、当該車両Vの速度情報が含まれており、当該データを光ビーコン1が受信できた場合には、当該データに基づいて、路側制御機5は、過去の複数の車両Vの速度情報をも用いて、周辺車両Vの平均速度を算出することができる(ステップS32)。算出された平均速度は、路側制御機5の記憶部に保存される。
一方、光ビーコン1が光ビーコン用車載機3から車両速度を含むデータ(パケット)を受信できなかった場合には、光ビーコン1の車両感知機能によって、車両Vの速度を算出する(ステップS33)。具体的には、局所エリアA1を通過するのに要した時間によって当該車両Vの速度を推定することができる。推定された速度及び過去の複数の車両Vの推定速度に基づいて、周辺車両Vの平均速度を算出することができる。算出された平均速度は、路側制御機5の記憶部に保存される。
なお、車両の速度情報は、路側無線通信機2が、車両Vの無線通信用車載機4からの定期的なフラッディングによって取得してもよい。
また、光ビーコン1に対して、光ビーコン用車載機3からのデータ送信があった場合には、光ビーコン1の車両感知機能によって存在が感知された車両Vは、光ビーコン用車載機3を搭載しており、光ビーコン通信に対応した車両であることがわかる。そこで、ステップS32の段階で、算出した平均速度のほか、当該車両Vが光ビーコン対応車であることを示す情報も路側制御機5の記憶部に保存する。
一方、光ビーコン1が光ビーコン用車載機3からデータ(パケット)を受信できなかった場合には、光ビーコン1の車両感知機能によって存在が感知された車両Vは、光ビーコン用車載機3を搭載しておらず、光ビーコン通信に非対応の車両であると推定される。そこで、ステップS33の段階で、算出した車両Vの速度のほか、当該車両Vが光ビーコン非対応車であることを示す情報も路側制御機5の記憶部に保存する。
ステップS32ののち、路側制御機5は、車両Vの光ビーコン用車載機3から送信されたデータに含まれる他メディア対応情報に基づいて、当該車両Vが、路側無線通信機2との通信に対応しているか否か、つまり、無線通信用車載機4を備えているか否かを確認する(ステップS34)。車両Vが、路側無線通信機2との通信に対応している場合には、当該車両Vが無線通信対応車であることを示す情報が路側制御機5の記憶部に保存され、車両Vが、路側無線通信機2との通信に対応していない場合には、当該車両Vが無線通信非対応車であることを示す情報が路側制御機5の記憶部に保存される。
続いて、路側制御機5は、車両の混雑度を計算する(ステップS35)。混雑度は、光ビーコン1によって単位時間当たりの路側機通過車両数を求めることによって得られる。なお、厳密には前記広域通信機を実装する車両数を把握できれば良いため、路側無線通信機2が、車両Vの無線通信用車載機4からの定期的なフラッディングパケットより、前記広域エリア内の当該車両数に基づいて、混雑度を算出してもよい。また、車両Vが光ビーコン用車載機3と無線通信用車載機4を併載する場合は、路側機は車両Vより光ビーコンによる通信を介して前記広域通信機による通信の可否情報を取得してもよい。さらに混雑度は、電波ビーコンなど他の集計手段を用いて求めても良い。
なお、平均速度や混雑度の計算更新周期は、例えば、算出された平均速度において局所エリアA1又は広域エリアA2を抜けるまでの時間より長くするのが好ましい。
なお、平均速度や混雑度の計算更新周期は、例えば、算出された平均速度において局所エリアA1又は広域エリアA2を抜けるまでの時間より長くするのが好ましい。
ここで、図6は、車速と混雑度との関係を示している。図6に示すように、一般に、車速が遅ければ混雑度が高く、車速が速ければ混雑度が低い(閑散としている)、といえる。このため、路側制御機5は、車速と混雑度の関係を規定したテーブル又は関係式を有し、当該テーブル又は関係式を用いて、路側制御機5の記憶部に保存した車速から混雑度を算出してもよい。
なお、路側制御機5は、速度と混雑度のいずれか一方だけを求めるものであってもよい。
なお、路側制御機5は、速度と混雑度のいずれか一方だけを求めるものであってもよい。
図5は、ステップ4のデータ量調整処理の詳細を示している。データ量調整処理では、車両Vに送信すべきデータのうち、第3カテゴリに属するデータ群について、光ビーコン1と路側無線通信機2それぞれのデータ提供割合を調整する。
具体的には、まず、局所通信メディアである光ビーコン1によって送信すべきデータ量(セットデータ量)を決定する(ステップS41)。光ビーコン1によって送信すべきデータ量は、路側制御機5の記憶部に記憶されている車両Vの速度情報、混雑度情報、及び無線通信対応車であるか否かの情報に基づいて、決定される。
このように、第3カテゴリに属するデータそれぞれは、光ビーコン1及び路側無線通信機2のいずれによって送信するかが、路側制御機5によって選択される。
具体的には、まず、局所通信メディアである光ビーコン1によって送信すべきデータ量(セットデータ量)を決定する(ステップS41)。光ビーコン1によって送信すべきデータ量は、路側制御機5の記憶部に記憶されている車両Vの速度情報、混雑度情報、及び無線通信対応車であるか否かの情報に基づいて、決定される。
このように、第3カテゴリに属するデータそれぞれは、光ビーコン1及び路側無線通信機2のいずれによって送信するかが、路側制御機5によって選択される。
光ビーコン1によって送信すべきデータ量は、路側制御機5が有するセットデータテーブル51を参照することによって決定される。セットデータテーブル51は、光ビーコン1及び路側無線通信機2のそれぞれのセットデータ量を、車速(平均速度)との関係で規定したものである。セットデータテーブル51は、混雑度に応じて複数用意されており、例えば、図7(a)に示すように、混雑度が低い(閑散)の場合のセットデータテーブルと、図7(b)に示すように、混雑度が高い(混雑)の場合のセットデータテーブルの2つを用意することができる。
図7に示すように、セットデータテーブルでは、光ビーコン1によって提供されるデータ量(セットデータ量)は、車速が遅くなるほど多くなり、車速が速くなるほど少なくなるように設定されている。逆に、路側無線通信機2によって提供されるデータ量(セットデータ量)は、車速が遅くなるほど少なくなり、車速が速くなるほど多くなるように設定されている。
これは、車速が速くなると、光ビーコン1の通信エリアである局所エリアA1内に車両Vが滞在する時間が短くなり、その分、光ビーコン1から送信する機会が減少し、光ビーコン1から提供できるデータ量を増やせないためである。これに対し、車速が遅くなると、局所エリアA1内に車両Vが滞在する時間が比較的長くなり、その分、光ビーコン1から送信する機会が増大し、光ビーコン1から提供できるデータ量を増やせるためである。
一方、車速が速いのは、道路上の車両数は比較的少なく閑散としており、速度を大きくすることが可能であるためと考えられる。したがって、広域エリアA2内の車両数も少ないことから、路車間無線通信や車車間無線通信に帯域の余裕が生じ、路側無線通信機2がより多くのデータを車両Vに提供しても問題が生じない。
また、車速が遅いのは、道路上の車両数が比較的多く混雑しており、速度を大きくすることができないためと考えられる。したがって、広域エリアA2内の車両数も多いことから、路車間無線通信や車車間無線通信に帯域の余裕がなくなり、路側無線通信機2が車両Vに提供するデータ量は少なくすべきである。
また、車速が遅いのは、道路上の車両数が比較的多く混雑しており、速度を大きくすることができないためと考えられる。したがって、広域エリアA2内の車両数も多いことから、路車間無線通信や車車間無線通信に帯域の余裕がなくなり、路側無線通信機2が車両Vに提供するデータ量は少なくすべきである。
本実施形態では、上記のような光ビーコン1と路側無線通信機2の相互補完的な特性を利用し、車速が遅くなるほど、光ビーコン1により提供されるデータ量を増やすことで、路側無線通信機2から提供されるデータ量を低減して、路車間無線通信や車車間無線通信のための無線資源を節約している。
また、図7(a)(b)の対比から明らかなように、車速が低速である場合には、混雑度が高い(図7(b))ときには、混雑度が低い(図7(a))ときよりも、光ビーコン1から提供されるデータ量が多くなるように設定されている。混雑するほど、路車間無線通信及び車車間無線通信の帯域が逼迫しやすくなるが、本実施形態では、混雑するほど光ビーコン1から提供されるデータ量を多くするため、路車間無線通信や車車間無線通信のための無線資源を節約することができる。
なお、光ビーコン1は、同じデータを所定サイクルで繰り返し送信するよう構成されているため、繰り返し回数を減らすことで、より多くのデータ量を送ることが可能となる。また、車両閑散時の平均車速低速時(図7(a))は、車両混雑時の平均車速低速時(図7(b))より少ないデータセット量としている。これは図6に示すように、車両閑散時の広域エリア内の車両速度のばらつきは混雑時のそれに比べ大きいことが予想されるため、閑散時はデータセット量を少なくし、繰り返し回数を増加させることで通信信頼性を向上させることが可能となる。
なお、光ビーコン1は、同じデータを所定サイクルで繰り返し送信するよう構成されているため、繰り返し回数を減らすことで、より多くのデータ量を送ることが可能となる。また、車両閑散時の平均車速低速時(図7(a))は、車両混雑時の平均車速低速時(図7(b))より少ないデータセット量としている。これは図6に示すように、車両閑散時の広域エリア内の車両速度のばらつきは混雑時のそれに比べ大きいことが予想されるため、閑散時はデータセット量を少なくし、繰り返し回数を増加させることで通信信頼性を向上させることが可能となる。
ステップS41では、路側制御機5は、混雑度に基づいて、複数のセットデータテーブル51のうちどのセットデータテーブル51を用いるか決定し、さらに、算出された平均速度に基づいて、光ビーコン1にて送るデータ量を求める。なお、第3カテゴリデータのうち、本来、無線通信のために利用される性質のデータについては、車両Vが無線通信非対応車である場合には、車両Vに与える必要がないため、セットデータテーブル51に基づいて決定されるデータ量よりも、データ量が削減される。
ステップS41にて決定された光ビーコン1のデータ量にて、車両Vに送信すべき第3カテゴリデータ全てを送信できる場合には、路側無線通信機2にて送信すべき第3カテゴリデータが無くなるため、路側無線通信機2にて送るデータ量を決定することなく、路側無線通信機2にて送るべき第3カテゴリデータのデータ量=0として、データ量調整処理を終了する(ステップS42)。
ステップS41にて決定された光ビーコン1のデータ量では、車両Vに送信すべき第3カテゴリデータ全てを送信できない場合には、続いて、路側無線通信機2にて送るデータ量を決定する(ステップS43)。路側無線通信機2にて送るデータ量は、第3カテゴリデータのうち、光ビーコン1では送れなかった残りのデータ量として算出される。
このとき、路側制御機5は、当該路側制御機5が有する伝送レートテーブル52を参照して、路側無線通信機2にて送るデータ量及び車速に基づいて、最もスループットが高くなる伝送レート(変調方式、誤り訂正効率、空間多重数など)を選択する。
図8に示すように、伝送レートテーブル52は、車速と無線通信のスループットとの関係を規定したものであり、データ量毎(例えば、1000Byte用、500Byte用、100Byte用)にそれぞれ設定されている。
図8に示すように、伝送レートテーブル52は、車速と無線通信のスループットとの関係を規定したものであり、データ量毎(例えば、1000Byte用、500Byte用、100Byte用)にそれぞれ設定されている。
図8のグラフから明らかなように、車速が遅い場合には、無線通信の伝搬環境(路側無線通信機2から車両Vの間)の経時的変動が小さいため、変調方式がより高値(高速)であるなど伝送レートが高い方が、高いスループットが得られる。一方、車速が速い場合には、無線通信の伝搬環境(路側無線通信機2から車両Vの間)の経時的変動が非常に大きくなるため、変調方式がより低い値(低速)であるなど伝送レートが低い方が、スループットを確保し易い。このため、車速に応じて、伝送レートを調整すると、スループットを最大化することが可能である。
ただし、路側通信機2から送信すべきデータ量が小さい場合には、そのデータが格納されるパケットサイズが小さくなる。パケットサイズが小さいと、パケットサイズが大きい場合に比べて、1パケットを送るために必要な時間が短くなる。この結果、データ量が小さい場合には、車速が多少速くても、1パケットを送信する間の伝搬環境の変動は小さくなり、伝送レートを高くしても、スループットを高く維持できる。
そこで、本実施形態では、伝送レートテーブル52は、路側通信機2から送信すべきデータ量に応じて、複数用意されており、各伝送レートテーブル52は、それぞれのデータ量における車速とスループットとの関係を規定している。
路側制御機5は、ステップS43にて決定された路側通信機2から送信すべきデータ量に基づいて、使用する伝送レートテーブル52を決定し、決定された伝送レートテーブルを参照して、車速に基づいて、スループットが最大となる伝送レート(例えば、64QAM、16QAM、QPSKのいずれか)を決定する。
路側制御機5は、ステップS43にて決定された路側通信機2から送信すべきデータ量に基づいて、使用する伝送レートテーブル52を決定し、決定された伝送レートテーブルを参照して、車速に基づいて、スループットが最大となる伝送レート(例えば、64QAM、16QAM、QPSKのいずれか)を決定する。
以上のように、本実施形態の路側通信システムによれば、車速・混雑度などの交通状況に基づき、路側制御機5が、局所通信メディアである光ビーコン1及び広域通信メディアである路側無線通信機2のデータ量の割り当て制御を行うため、両メディア1,2を単独で運用する場合や、それぞれのメディア1,2で送信されるデータ量を固定する場合に比べて、両メディア1,2の帯域を効率良く利用しつつ、高い信頼性で通信を行える。
その結果、路側無線通信機2による路車間無線通信で帯域を節約でき、その分余った帯域を他の通信(例えば、車車間無線通信)に提供できる。
また、本発明に関して、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 光ビーコン(局所通信機)
2 路側無線通信機(広域通信機)
3 光ビーコン用車載機(第1車載通信機)
4 無線通信用車載機(第2車載通信機)
5 路側制御機(制御部)
A1 局所エリア
A2 広域エリア
V 車両
2 路側無線通信機(広域通信機)
3 光ビーコン用車載機(第1車載通信機)
4 無線通信用車載機(第2車載通信機)
5 路側制御機(制御部)
A1 局所エリア
A2 広域エリア
V 車両
Claims (4)
- 車両に搭載された第1車載通信機との通信を行う局所通信機と、前記車両に搭載された第2車載通信機との通信を行う広域通信機と、を有する路側通信システムであって、
前記局所通信機は、所定の局所エリアに存在する車両に搭載された第1車載通信機との通信を行うよう構成され、
前記広域通信機は、前記局所エリアよりも広いエリアであって、前記局所エリア近傍の又は前記局所エリアと重複する広域エリア、に存在する車両に搭載された第2車載通信機との通信を行うよう構成され、
前記局所通信機によるデータ送信及び前記広域通信機によるデータ送信を制御するための制御部を有し、
前記制御部は、前記車両側へ送信すべきデータのうち、前記局所通信機及び前記広域通信機のうちいずれか一方の通信機よって送信できなかったデータを、他方の通信機によって補完的に車両側へ送信させる
ことを特徴とする路側通信システム。 - 車両に搭載された第1車載通信機との通信を行う局所通信機と、車両に搭載された第2通信機との通信を行う広域通信機と、を有する路側通信システムであって、
前記局所通信機は、所定の局所エリアに存在する車両に搭載された第1車載通信機との通信を行うよう構成され、
前記広域通信機は、前記局所エリアよりも広いエリアであって、前記局所エリア近傍の又は前記局所エリアと重複する広域エリア、に存在する車両に搭載された第2車載通信機との通信を行うよう構成され、
前記局所通信機によるデータ送信及び前記広域通信機によるデータ送信を制御するための制御部を有し、
前記制御部は、前記局所エリア若しくは前記広域エリア又はそれらのエリア近傍における交通状況に基づいて、車両側に送信すべきデータを、前記局所通信機及び前記広域通信機のいずれより送信するかを選択する
ことを特徴とする路側通信システム。 - 車両に搭載された第1車載通信機との通信を行う局所通信機と、車両に搭載された第2通信機との通信を行う広域通信機と、を有する路側通信システムであって、
前記局所通信機は、所定の局所エリアに存在する車両に搭載された第1車載通信機との通信を行うよう構成され、
前記広域通信機は、前記局所エリアよりも広い広域エリアに存在する車両に搭載された第2車載通信機との通信を行うものであり、前記広域エリアは、前記車両が前記局所エリアを通過した後において、当該広域エリア内に位置するように、前記局所エリアよりも車両進行方向下流側に配置され、
前記局所通信機によるデータ送信及び前記広域通信機によるデータ送信を制御するための制御部を有し、
前記制御部は、前記局所エリア若しくは前記広域エリア又はそれらのエリア近傍における交通状況に基づいて、前記局所通信機によって送信すべきデータ量を調整し、前記局所通信機によって送信しきれなかったデータを、前記広域通信機によって送信させる
ことを特徴とする路側通信システム。 - 前記制御部は、前記広域通信機が前記車両側へ送信すべきデータ量、及び、前記交通状況に基づいて、前記広域通信機の送信データレートを調整する請求項3記載の路側通信システム。
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