JP2010170874A - 組電池システム及び組電池の劣化検知方法 - Google Patents

組電池システム及び組電池の劣化検知方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 組電池をなすリチウムイオン二次電池のうち、1つなど一部のリチウムイオン二次電池の電池劣化を検知することで、組電池全体の電池劣化を適切に推定可能な組電池システムを提供する。組電池全体の電池劣化を適切に推定可能な組電池の劣化検知方法を提供する。
【解決手段】 組電池システム1は、互いに直列に接続された複数のリチウムイオン二次電池B1〜B56を有する組電池2を備え、複数のリチウムイオン二次電池は、使用すると、他のリチウムイオン二次電池BX,B54に比して、ハイレート電流の充放電によって生じる第1種電池劣化が早く進む特性を有する劣化速度大電池B4を1つ以上含み、劣化速度大電池の上記第1種電池劣化を検知する第1種劣化検知手段5,M1を備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、複数のリチウムイオン二次電池を有する組電池を備える組電池システム、及び、組電池の劣化検知方法に関する。
近年、ハイブリッド車やノート型パソコン、ビデオカムコーダなどのポータブル電子機器の駆動用電源に、リチウムイオン二次電池(以下、単に電池とも言う)が利用されている。例えば、特許文献1では、複数のリチウムイオン二次電池を互いに接続した組電池が挙げられている。
ところで、このような電池は、使用と共に、自身の内部抵抗が増大したり、電池容量が低下したりする電池劣化が生じる。
特開2008−103268号公報
しかしながら、特許文献1に記載したような組電池では、これをなす複数の電池は、各々の特性のばらつき等により、電池劣化の進み具合にもばらつきを生じる可能性がある。従って、組電池全体の電池劣化の程度を適切に知ることは難しい。このため、例えば、組電池の交換時期を適切に判断したり、電池劣化を抑制或いは回復させるように組電池の制御を適切に変更することが難しくなる。
そこで、例えば、各々の電池の全てに、その電池劣化を検知可能な検知手段を設けることが考えられる。しかし、多数の検知手段を設けることとなり、組電池の構成が複雑になって好ましくない。
一方、例えば、組電池をなす、同一特性の複数の電池のうち、1又は適数個の電池について劣化の検知手段を設けて、この電池の劣化を検知することが考えられる。しかし、検知手段で劣化を検知した電池が、複数の電池の代表として適切であるかどうか不明確であるため、検知した電池の電池劣化を基に、組電池全体の電池劣化を把握し難い。
本発明は、かかる問題に鑑みてなされたものであって、組電池をなすリチウムイオン二次電池のうち、1つなど一部のリチウムイオン二次電池の電池劣化を検知することで、組電池全体の電池劣化を適切に推定可能な組電池システムを提供することを目的とする。また、組電池全体の電池劣化を適切に推定可能な組電池の劣化検知方法を提供することを目的とする。
そして、その解決手段は、互いに直列に接続された複数のリチウムイオン二次電池を有する組電池を備える組電池システムであって、上記複数のリチウムイオン二次電池は、使用すると、他のリチウムイオン二次電池に比して、ハイレート電流の充放電によって生じる第1種電池劣化が早く進む特性を有する劣化速度大電池を1つ以上含み、この組電池システムは、上記劣化速度大電池の上記第1種電池劣化を検知する第1種劣化検知手段を備える組電池システムである。
本発明の組電池システムでは、複数の電池に上述の劣化速度大電池を1つ以上含んでいる。また、この組電池システムは、劣化速度大電池の第1種電池劣化を検知する第1種劣化検知手段を備える。劣化速度大電池は、第1種電池劣化が他の電池より早く進むため、この第1種劣化検知手段を用いて、劣化速度大電池の第1種電池劣化を検知することで、他の電池の劣化に先行して第1種電池劣化の程度を検知できたと考えることができる。従って、劣化速度大電池に関する第1種電池劣化の検知結果に基づいて、例えば、その検知結果をユーザに通知したり、組電池の交換時期が来たか否かを判定したり、組電池の充放電パターンを、第1種電池劣化を抑制或いは回復するパターンに変更するなど、各種の処理を適切に行うことが可能となる。
なお、ハイレート電流とは、各電池に流す電流として比較的大きな電流(例えば、10C以上)の電流をいう。また、第1種電池劣化とは、電池をハイレート電流で充放電した場合に生じる、その電池の内部抵抗が増大する劣化をいう。また、劣化速度大電池としては、例えば、他の電池に比して、電解液の液量を多くして第1種電池劣化を生じやすくした電池や、リチウムイオンの濃度を大きくした電解液を用いて第1種電池劣化を生じやすくした電池が挙げられる。
また、劣化検知手段としては、例えば、電池の電解液におけるリチウムイオンの濃度と相関関係を有する濃度相関物理量を測定する手段(物理量測定手段)や、電池の正極端子と負極端子との間の端子間電圧を測定する手段(第1端子間電圧検知手段)が挙げられる。
さらに、上述の組電池システムであって、前記複数のリチウムイオン二次電池がそれぞれ配置される位置のうち、前記組電池を充放電させた場合に、電池温度が最も低温になる位置を、最低温位置としたとき、前記劣化速度大電池を、上記最低温位置に配置してなる組電池システムとすると良い。
発明者らは、リチウムイオン二次電池をハイレート電流で充放電した場合、その電池の温度が低温であるほど、その電池における第1種電池劣化がより早く進むことを見出した。
この知見に基づき、本発明の組電池システムでは、劣化速度大電池を上述の最低温位置に配置している。このため、組電池において、他の電池に比して劣化速度大電池について、第1種電池劣化を確実かつ最も早く進行させることができる。そして、この劣化速度大電池の第1種電池劣化を検知することで、他の電池も含めて、組電池のうちで最も第1種電池劣化の進んだ電池の第1種電池劣化について検知できることになる。従って、この検知結果に基づいて容易に組電池の交換や制御の変更など、第1種電池劣化に応じた処理を適切に行うことができる。
さらに、上述のいずれかの組電池システムであって、前記複数のリチウムイオン二次電池はいずれも、電池ケース内に、リチウムイオンを含む電解液を有してなり、前記劣化速度大電池は、前記他のリチウムイオン二次電池に比して、上記電解液の液量が多くされてなる組電池システムとすると良い。
発明者らは、リチウムイオン二次電池をハイレート電流で充放電する場合、その電池ケース内に収容した電解液の液量を多くする程、その電池のハイレート劣化(第1種電池劣化)が早く進むことを見出した。
この知見に基づき、本発明の組電池システムでは、劣化速度大電池の電解液の液量を他の電池に比して多くしてある。かくして、簡易で安価な方法で、劣化速度大電池、さらには、これを有する組電池システムとすることができる。
さらに、上述のいずれかの組電池システムであって、前記複数のリチウムイオン二次電池はいずれも、正極板及び負極板を有する発電要素と、上記発電要素に含浸された、リチウムイオンを含む含浸電解液と、を有してなり、前記劣化速度大電池は、上記含浸電解液に前記他のリチウムイオン二次電池に比して、上記リチウムイオンの濃度の低い電解液を使用してなる組電池システムとすると良い。
発明者らは、リチウムイオン二次電池をハイレート電流で充放電する場合、その電池の含浸電解液におけるリチウムイオンの濃度が低い程、その電池のハイレート劣化(第1種電池劣化)が早く進むことを見出した。
この知見に基づき、本発明の組電池システムでは、劣化速度大電池の含浸電解液の濃度を他の電池における含浸電解液の濃度に比して低くしてある。かくして、簡易で安価な方法で、劣化速度大電池、さらには、これを有する組電池システムとすることができる。
さらに、上述のいずれかの組電池システムであって、前記劣化速度大電池は、正極板及び負極板を有する発電要素と、上記発電要素を収容してなる電池ケースと、上記電池ケース内に収容され、リチウムイオンを含む電解液と、を有してなり、前記第1種劣化検知手段は、上記電解液の上記リチウムイオンの濃度と相関関係を有する濃度相関物理量を測定可能とされた物理量測定手段である組電池システムとすると良い。
本発明の組電池システムでは、第1種劣化検知手段として上述の物理量測定手段を有するので、濃度相関物理量から、電池ケース内に位置する電解液におけるリチウムイオンの濃度を知ることができる。これにより、劣化速度大電池の第1種電池劣化を確実に検知できる。
または、前述のいずれかの組電池システムであって、前記第1種劣化検知手段は、前記劣化速度大電池の正極端子と負極端子との間の端子間電圧を測定する第1端子間電圧測定手段である組電池システムとすると良い。
本発明の組電池システムにおいて、第1種劣化検知手段は、上述の第1端子間電圧測定手段である。このため、測定した端子間電圧を用いて、或いはこれと充放電の電流値とから内部抵抗を検知するなどにより、劣化速度大電池の第1種電池劣化を適切に検知することができる。
さらに、上述のいずれかの組電池システムであって、前記複数のリチウムイオン二次電池のうち、少なくともいずれかの電池を第2種電池としたとき、この第2種電池の正極端子と負極端子との間の端子間電圧を測定する第2端子間電圧測定手段を備える組電池システムとすると良い。
ところで、電池の端子間電圧を測定することで、或いは、この端子間電圧と充放電の電流値とから電池の内部抵抗を検知することにより、その電池の第1種電池劣化のみならず、電池の放置劣化やリチウム析出劣化を検知することができる。
これに対し、本発明の組電池システムでは、第2種電池の端子間電圧を測定する第2端子間電圧測定手段を備える。このため、この組電池システムでは、劣化速度大電池の第1種電池劣化を検知して、第1種電池劣化に応じて適切に処理を行える上、第2端子間電圧測定手段を用いて第2種電池の第1種電池劣化、リチウム析出劣化或いは放置劣化による劣化を検知することができる。
ここで、放置劣化とは、電池を充放電させずに放置(静置)しておくと、発電要素の正極活物質表面に被膜が生成され、このためにその電池の内部抵抗が増大する劣化をいう。
また、リチウム析出劣化とは、充電の際に、負極活物質に挿入しきれなかったリチウムイオンがリチウム金属として発電要素(特に負極活物質)上に析出して、その後の充放電を阻害するために、端子間電圧が低下する劣化をいう。
また、第2種電池としては、組電池をなす複数の電池のいずれでも良い。従って、第2種電池は、劣化速度大電池を兼ねても良い。さらに、劣化速度大電池の第1種劣化測定手段として第1端子間電圧測定手段を用いる場合には、第1端子間電圧測定手段は、第2端子間電圧測定手段を兼用することもできる。
さらに、上述の組電池システムであって、前記複数のリチウムイオン二次電池がそれぞれ配置される位置のうち、前記組電池を充放電させた場合に、電池温度が最も低温になる位置を、最低温位置としたとき、前記第2種電池を、上記最低温位置に配置してなる組電池システムとすると良い。
リチウムイオン二次電池は、その温度が低温である程、リチウム析出劣化が進行し易い。
この知見に基づき、本発明の組電池システムでは、第2端子間電圧測定手段で最低温位置に配置した第2種電池の端子間電圧を測定するので、組電池をなす複数の電池のうちで、リチウム析出劣化が進行し易い電池においてリチウム析出劣化を検知することができる。従って、容易に組電池の交換や制御の変更など、第1種電池劣化に加えて、リチウム析出劣化に応じた処理を適切に行うことのできる組電池システムとすることができる。
さらに、上述の組電池システムであって、前記劣化速度大電池が前記第2種電池を兼ねる組電池システムとすると良い。
本発明の組電池システムでは、劣化速度大電池が第2種電池を兼ねるので、この1つの劣化速度大電池で、第1種電池劣化及びリチウム析出劣化を検知できる。
または、前述の組電池システムであって、前記複数のリチウムイオン二次電池がそれぞれ配置される位置のうち、前記組電池を充放電させた場合に、電池温度が最も高温になる位置を、最高温位置としたとき、前記第2種電池を、上記最高温位置に配置してなる組電池システムとすると良い。
リチウムイオン二次電池は、その温度が高温である程、放置劣化が進行し易い。
この知見に基づき、本発明の組電池システムでは、第2端子間電圧測定手段で最高温位置に配置した第2種電池の端子間電圧を測定するので、組電池をなす複数の電池のうちで、放置劣化が進行し易い電池において放置劣化を検知することができる。従って、容易に組電池の交換や制御の変更など、第1種電池劣化に加えて、放置劣化に応じた処理を適切に行うことのできる組電池システムとすることができる。
または、前述のいずれかの組電池システムであって、前記複数のリチウムイオン二次電池のうち、少なくともいずれかの電池を第2種電池としたとき、この第2種電池の電池温度を測定する電池温度測定手段を備える組電池システムとすると良い。
ところで、電池の放置劣化は、前述のとおり電池の内部抵抗が増大する劣化であるので、電池の電池温度を測定することにより、その電池の放置劣化を検知することができる。つまり、電池の放置劣化が生じると、この放置劣化による内部抵抗が増大した分、電池の電池温度が以前よりも上昇するので、電池温度を測定することにより、放置劣化を検知できる。
これに対し、本発明の組電池システムでは、第2種電池の電池温度を測定する電池温度測定手段を備える。このため、組電池において、劣化速度大電池の第1種電池劣化を検知できる上に、第2種電池の放置劣化を検知することができる。
さらに、上述の組電池システムであって、前記複数のリチウムイオン二次電池がそれぞれ配置される位置のうち、前記組電池を充放電させた場合に、電池温度が最も高温になる位置を、最高温位置としたとき、前記第2種電池を、上記最高温位置に配置してなる組電池システムとすると良い。
本発明の組電池システムでは、最高温位置に配置した第2種電池の電池温度を測定するので、組電池をなす複数の電池のうちで、放置劣化が進行し易い電池において放置劣化を検知することができる。従って、容易に組電池の交換や制御の変更など、第1種電池劣化に加えて、放置劣化に応じた処理を適切に行うことのできる組電池システムとすることができる。
さらに、他の解決手段は、互いに直列に接続された複数のリチウムイオン二次電池を有する組電池の劣化検知方法であって、上記複数のリチウムイオン二次電池は、使用すると、他のリチウムイオン二次電池に比して、ハイレート電流の充放電によって生じる第1種電池劣化が早く進む特性を有する劣化速度大電池を一部含み、この組電池の劣化検知方法は、上記劣化速度大電池の上記第1種電池劣化を検知する検知ステップを備える組電池の劣化検知方法である。
本発明の組電池の劣化検知方法では、劣化速度大電池の第1種電池劣化が他の電池よりも早く進むため、複数の電池における代表の電池と考えることができる。従って、検知ステップにおいて、劣化速度大電池の第1種電池劣化を検知することで、他の電池の劣化に先行して第1種電池劣化の程度を検知できる。これにより、組電池の劣化について適切な知見を得ることができる組電池の劣化検知方法とすることができる。
なお、検知ステップとしては、例えば、電池の電解液におけるリチウムイオンの濃度と相関関係を有する濃度相関物理量の測定や、電池の正極板と負極板との間における電位差の測定が挙げられる。
さらに、上述の組電池の劣化検知方法であって、前記複数のリチウムイオン二次電池がそれぞれ配置される位置のうち、前記組電池を充放電させた場合に、電池温度が最も低温になる位置を、最低温位置としたとき、前記劣化速度大電池を、上記最低温位置に配置してなる組電池の劣化検知方法とすると良い。
本発明の組電池の劣化検知方法では、劣化速度大電池を上述の最低温位置に配置している。このため、他の電池に比して、第1種電池劣化を確実かつ最も早く進行させた劣化速度大電池を検知できる。
実施形態1,実施形態2にかかる組電池システムの斜視図である。 実施形態1にかかる組電池システムの平面図である。 実施形態1の組電池部を充放電した後の、各電池の電池温度を示すグラフである。 実施形態1の複数の電池のうち、最低温位置或いは最高温位置以外に配置した他の電池、及び、実施形態3の最低温位置に配置した電池の斜視図である。 実施形態1の複数の電池のうち、最低温位置或いは最高温位置以外に配置した他の電池の断面図である。 実施形態1の複数の電池のうち、最高温位置に配置した電池の斜視図である。 実施形態1の複数の電池のうち、最低温位置に配置した電池の斜視図である。 実施形態1,実施形態2の複数の電池のうち、最低温位置に配置した電池の断面図である。 電池の、充放電サイクル試験前後における、内部抵抗初期比の変化、及び、含浸電解液のリチウムイオン濃度の変化を示すグラフである。 電池の、貯留電解液におけるリチウムイオンの濃度と起電力との関係を示すグラフである。 電池の、充放電のサイクル数と、内部抵抗初期比と、或いは、貯留電解液のリチウムイオン濃度との関係を示すグラフである。 充放電サイクル試験に用いる充放電パターンである。 電池の、充放電のサイクル数と内部抵抗初期比との関係を示すグラフである。 電池の、充放電のサイクル数と内部抵抗値との関係を示すグラフである。 電池の、電池温度と容量低下率との関係を示すグラフである。 実施形態1,実施形態2にかかる組電池システムに用いるフローチャートである。 電池の、充放電サイクル試験前後における、電圧の変化を示すグラフである。 実施形態3にかかる組電池システムの斜視図である。 実施形態3にかかる組電池システムの平面図である。 実施形態3にかかる組電池システムに用いるフローチャートである。 最低温位置に配置した電池の変形例の断面図である。 最低温位置に配置した電池の変形例の断面図である。
(実施形態1)
次に、本発明の実施形態1について、図面を参照しつつ説明する。
まず、本実施形態1にかかる組電池システム1について説明する。図1にこの組電池システム1の部分切欠斜視図を、図2に組電池システム1の部分拡大平面図をそれぞれ示す。組電池システム1は、56個の電池B1〜B56を有する組電池部2と、この組電池部2から延出する、複数の導線を束ねてなる導線集束部5とを備える。
このうち、導線集束部5は、ケーブル形状の集束本体部5Lと、この集束本体部5Lの先端に接続した、樹脂製のコネクタ部5Cとからなる。このうち、集束本体部5Lは、後述する電池B4から延びる第1導線42及び第2導線52と、この電池B4の正極端子部71Aに接続している第1センシング線6M、及び、負極端子部72Aに接続している第2センシング線6Nと、後述する電池B54から延びる熱電対用導線7Xとを束ねてなる。
また、コネクタ部5Cの内では、第1導線42、第2導線52、第1センシング線6M、第2センシング線6N及び熱電対用導線7Xの各端子(図示しない)がそれぞれ、外部の制御部(図示しない)から延びる導線と電気的に接続している。
なお、導線収束部5は、コネクタ部5Cを通じて、組電池システム1の外部に配置された制御部(図示しない)と接続される。これにより、制御部で組電池部2における第1種電池劣化(後述)や放置劣化を検知できる。
また、組電池部2は、長手方向DL(図1中、左上側と右下側とを結ぶ方向、及び、図2中左右方向)に2列に列置された複数の電池B1〜B56を組電池ケース3内に収容している。この組電池部2は、これら複数の電池B1〜B56のほか、これら電池B1〜B56を挟んで、長手方向DL両端側にそれぞれ配置された2つのエンドプレート(第1エンドプレート8A,第2エンドプレート8B)と、複数の電池B1〜B56を冷却する冷却空気を吸気・排気する冷却用吸気ダクト9S,冷却用排気ダクト9Tと、図示しない拘束バンドとを有する。なお、複数の電池B1〜B56は、銅板のバスバ90によって互いに直列に接続されている。
このうち、冷却用吸気ダクト9Sは、図2に示すように、組電池ケース3内の図2中、上方の内側を、長手方向DLに沿って延びる。一方、冷却用吸気ダクト9Tは、組電池ケース3内の図2中、下方の内側を、長手方向DLに沿って延びる。冷却用吸気ダクト9Sから流出する冷却空気は、図2中、上方から下方に向けて流れて、冷却用排気ダクト9Tに流入する。このとき冷却空気は、冷却用吸気ダクト9Sと冷却用排気ダクト9Tとの間に位置する複数の電池B1〜B56を冷却する。
ところで、発明者らは、組電池部2の各電池B1〜B56を充放電した後の、各電池B1〜B56の電池温度BTを測定した。
具体的には、組電池システム1を実際に搭載した車両を連続して走行させた。なお、各電池B1〜B56の電池ケースにはそれぞれサーミスタを予め取り付けてあり、これらを用いて走行時の各電池B1〜B56の電池温度BTを測定した。測定した各電池B1〜B56の電池温度BTを図3に示す。
図3によれば、各電池B1〜B56の電池温度BTに約11度のばらつきが生じることが判る。
そして、電池B1〜B56のうち、電池B4(図2中、左上方)が最も電池温度BTが低く(約38℃)、電池B54(図2中、右下方)が最も電池温度BTが高い(約49℃)。このことから、組電池部2を充放電させた場合に、電池B4を配置している位置が、電池温度BTが最も低温になる最低温位置LPであり、電池B54を配置している位置が、電池温度BTが最も高温になる最高温位置HPであることが判った。
そこで、本実施形態1では、組電池部2の複数の電池B1〜B56のうち、最低温位置LPに配置した電池を最低温電池と、最高温位置HPに配置した電池を最高温電池とそれぞれ呼ぶ。
複数の電池B1〜B56のうち、最低温電池である電池B4、及び、最高温電池である電池B54以外の他の電池B1〜B3,B5〜B53,B55,B56(以下、他の電池BXとも言う)は、いずれも矩形箱形の電池ケース10Xと、正極板21及び負極板22を含む発電要素20と、電解液30とを有する捲回形のリチウムイオン二次電池である(図4,5参照)。
この電池ケース10Xは、開口11Aを含む電池ケース本体11及び封口蓋12Xを有する。このうち封口蓋12Xは、矩形板状であり、電池ケース本体11の開口11Aを閉塞して、この電池ケース本体11に溶接されている。この封口蓋12Xには、後述する正極端子部71A及び負極端子部72Aが貫通して、上面12aから突出している。なお、これら正極端子部71A及び負極端子部72Aと封口蓋12Xとの間には、それぞれ樹脂製の絶縁部材75が介在され、互いを絶縁している。さらに、この封口蓋12Xには矩形板状の安全弁部77も封着されている。
また、発電要素20は、帯状の正極板21及び負極板22が、ポリエチレンからなる帯状のセパレータ23を介して扁平形状に捲回されてなる(図4参照)。なお、この発電要素20の正極板21及び負極板22はそれぞれ、クランク状に屈曲した板状の正極集電部材71又は負極集電部材72に接合されている。また、正極集電部材71の先端側(図4中、上方)には、正極端子部71Aが、負極集電部材72の先端側(図4中、上方)には、負極端子部72Aがそれぞれ位置する。
発電要素20の正極板21は、帯状のアルミ箔のうち、一方辺に沿う正極リード部21fを残して、その両面に図示しない正極活物質層を担持してなる。また、負極板22は、帯状の銅箔のうち、一方辺に沿う負極リード部22fを残して、その両面に図示しない負極活物質層を担持してなる。
また、電解液30は、エチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とを、体積比でEC:EMC=3:7に調整した混合有機溶媒に、溶質としてLiPF6を添加し、リチウムイオンを1.0mol/lの濃度とした有機電解液である。
また、本実施形態1では、この電解液30を保持される部位の違いにより分類する。即ち、上述の発電要素20に含浸されている電解液を含浸電解液30Hと呼ぶ。また、発電要素20に含浸させるよりも多くの電解液を電池ケース10Xに注入したことにより、図5に示すように、含浸電解液30Hと相互に流通可能とされた状態で、発電要素20と電池ケース10Xとの間のうちの、電池ケース10X内の下部10Bに貯められている電解液を貯留電解液30Sと呼ぶこととする。
なお、本実施形態1の他の電池BXにおいて、電解液30(含浸電解液30H及び貯留電解液30S)の液量30QXとして標準量(50g)分が収容されている。後述するが、これは、電池B4における電解液30の液量30QYよりも9g少なくされており、電池B4に比して第1種電池劣化(後述)を進行し難くしている。
次いで、最高温電池とする電池B54について説明する。この電池B54は、上述の他の電池BXと同様の、電池ケース10Xと、発電要素20と、電解液30とを含む捲回形のリチウムイオン二次電池を有する。但し、電池ケース10Xの外側に熱電対7が取り付けられている点で上述の他の電池BXと異なる(図6参照)。
即ち、最高温電池B54は、上述の他の電池BXと同じ形態のリチウムイオン二次電池の、電池ケース10Xのうち、図6中、手前に面したケース表面10XFの中央付近に、熱電対7の温接点が接している。なお、熱電対7は絶縁テープTPでケース表面10XF上に固定されている。また、熱電対7の熱電対用導線7Xは、前述の導線集束部5に向けて延びる。
一方、最低温電池とする電池B4は、前述の他の電池BXと同様の発電要素20を有する捲回形のリチウムイオン二次電池である。但し、電池B4は、濃度差起電力測定手段M1を有する点、電解液30の液量30QYが多い点、正極端子部71Aに第1センシング線6Mを、負極端子部72Aに第2センシング線6Nをそれぞれ接続している点、及び、電池ケース10Yの形態の点で他の電池BXとは異なる。
このうち、電池ケース10Yは、封口蓋12Yに、第1導線42及び第2導線52が貫通して、上面12aから突出している点で、他の電池BXと異なる(図7参照)。
また、電解液30は、他の電池BXと同じ有機電解液である。
但し、電池B4には、この電解液30の液量30QYとして59g分が収容されている。これは、他の電池BX及び最高温電池B54における電解液30の液量30QX(=50g)よりも9g多くしている。後述するが、これにより、電池B4が、他の電池BX及び電池B54に比して第1種電池劣化(後述)を進行し易くなっている。
また、図1,2に示すように、電池B4は、正極端子部71Aにおいて、これとバスバ90との間に第1センシング線6Mが接続されている。また、負極端子部72Aにおいて、これとバスバ90との間に第2センシング線6Nが接続されている。このため、これら第1センシング線6M及び第2センシング線6Nを通じて、電池B4の端子間電圧VBを測定することができる。かくして、電池B4の、前述したリチウム析出劣化を検知することができる。
次に、濃度差起電力測定手段M1について説明する。なお、この濃度差起電力測定手段M1は、本発明の第1種劣化検知手段に対応する。
この濃度差起電力測定手段M1は、貯留電解液30Sに浸漬されている第1測定電極40、基準電解液60、この基準電解液60を収容する円筒容器61、基準電解液60に浸漬されている第2測定電極50、及び、貯留電解液30Sと基準電解液60とを隔離するフィルタ80を備える。
このうち、第1測定電極40は、ニッケルからなる矩形メッシュ形状の担持体41Aの両面に、金属リチウムからなる第1金属板41Lを保持させてなる第1電極本体部41と、これに導通する第1導線42とを有する。また、第2測定電極50は、ニッケルからなる矩形メッシュ形状の担持体51Aの両面に、金属リチウムからなる第2金属板51Lを保持させてなる第2電極本体部51と、これに導通する第2導線52とを有する。第1導線42及び第2導線52は、電極本体部41,51とそれぞれ導通するニッケル線42X,52Xの周りを絶縁樹脂の被覆部材42Y,52Yで覆ってなる。
第1測定電極40の第1電極本体部41は、上述の貯留電解液30Sに浸漬されている。一方、第2測定電極50は、第2電極本体部51と第2導線52の一部が、ガラス製の円筒容器61内に配置されている。この円筒容器61内には、上述の電解液30と同様の組成の基準電解液60、即ち、エチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とを、体積比でEC:EMC=3:7に調整した混合有機溶媒に、溶質としてLiPF6を添加し、リチウムイオンを1.0mol/lの濃度に調整した基準電解液60が封入されている。第2測定電極50の第2電極本体部51は、円筒容器61内の基準電解液60に浸漬されている。
上述の円筒容器61は、図8に示すように、その底部61Bが貯留電解液30Sに浸漬されている。ところで、この円筒容器61の底部61Bには、多孔質のガラス板からなるフィルタ80が設けられている。このフィルタ80は、貯留電解液30S及び基準電解液60の間の濃度差に起因するイオン移動を防止するとともに、第1測定電極40及び第2測定電極50による、貯留電解液30Sと基準電解液60との間の電位差の測定を可能とする。
なお、円筒容器61は、電池ケース本体11の側部11nに接着されている。
ところで、発明者らは、電池B4について、充放電サイクル試験を行い、この試験の前後で、電池B4の内部抵抗値、及び、含浸電解液30Hのリチウムイオンの濃度をそれぞれ測定した。
上述の試験結果を図9に示す。図9は、初期(試験前)及び試験後における、試験前の初期の電池B4の内部抵抗値を基準として規格化した、電池B4の内部抵抗初期比、及び、含浸電解液30H中のリチウムイオン濃度を示すグラフである。このグラフによれば、試験後において、電池B4の内部抵抗初期比が高くなる、即ち、電池B4の内部抵抗値が初期よりも増大すると共に、貯留電解液30Sにおけるリチウムイオンの濃度が低くなっていることが判る。
また、上述の電池B4と同様であるが、電池ケース10内の電解液30(貯留電解液30S)のリチウムイオン濃度を異ならせた電池を作製した。そして、各電池について、濃度差起電力測定手段M1における、第1電極本体部41と第2電極本体部51との間に生じる起電力VPを測定した。
上述の結果を図10に示す。図10は、各電池の貯留電解液におけるリチウムイオン濃度と、第1電極本体部41及び第2電極本体部51の間に生じた起電力VPとの関係を示すグラフである。このグラフから判るように、貯留電解液30Sにおけるリチウムイオン濃度と、電極本体部41,51間の起電力VPとの間には相関関係があることが判る。
次いで、本実施形態1にかかる電池B4について、充放電サイクル試験を行った。
即ち、雰囲気温度25℃に温度制御された恒温槽内に電池B4を静置し、電池の充電状態(以下、SOCともいう)の中心を50%にして、放電20Cを10秒間、充電4Cを50秒間のパルス充放電サイクル試験を行った。なお、上述の充放電サイクル試験の途中で、定期的に電池B4の内部抵抗値、及び、貯留電解液30Sのリチウムイオンの濃度をそれぞれ測定した。
具体的には、内部抵抗値の測定は、雰囲気温度25℃において、電池のSOCを50%としたものに、放電レートが20Cで10秒間の放電を行う。また、貯留電解液30Sのリチウムイオンの濃度は、濃度差起電力測定手段M1の第1測定電極40及び第2測定電極50を電圧計に接続し、第1電極本体部41及び第2電極本体部51の間に生じる起電力VPを測定し、図10のグラフによってリチウムイオン濃度に換算することで得た。
上述の試験結果を図11に示す。図11は、電池B4に行った充放電サイクル数と、充放電サイクル試験前の初期の電池B4の内部抵抗値を基準として規格化した、電池B4の内部抵抗初期比との、及び、貯留電解液30S中のリチウムイオン濃度との関係を示すグラフである。
このグラフによれば、充放電サイクル数の増加に伴い、電池B4の内部抵抗初期比が高くなる、即ち、電池B4の内部抵抗値が増大すると、これと共に、貯留電解液30Sにおけるリチウムイオンの濃度も高くなっていることが判る。
逆にこの結果から、電池B4において、第1電極本体部41と第2電極本体部51との間に生じた起電力VPの大きさから、貯留電解液30Sのリチウムイオン濃度を知ることで、電池B4の内部抵抗値が増大しているか否かを、容易に知り得ることが判る。具体的には、以下のようにして、電池B4の内部抵抗値の増大を検知することができる。
電池B4において、第1測定電極40と第2測定電極50とを電圧計に接続し、第1電極本体部41及び第2電極本体部51の間に生じている起電力VPを測定する。
次にこの起電力VPから、上述の貯留電解液30Sにおけるリチウムイオン濃度と起電力との相関関係(図10参照)を基に貯留電解液30Sのリチウムイオン濃度を算出する。
算出した貯留電解液30Sのリチウムイオン濃度は、前述のグラフ(図11参照)に示したように、電池B4の内部抵抗初期比との相関関係を有しているので、このリチウムイオン濃度の変化から各時点での電池B4の内部抵抗値の変化を知ることができる。
かくして、濃度差起電力測定手段M1における、第1電極本体部41及び第2電極本体部51の間に生じる起電力VPの大きさから、電池B4の内部抵抗値の増大の程度を容易に知ることができる。
また、電池を比較的大きな電流(ハイレート電流)で充放電する際、その電池の電池温度が異なると、ハイレート電流の充放電による内部抵抗値の増大(第1種電池劣化)の速度が異なることが判ってきた。
そこで、発明者らは、自身の電池温度を変えた複数の電池を用意し、これらの電池について充放電サイクル試験を行った。これにより、電池温度と電池における内部抵抗初期比との関係について調査した。
具体的には、電池A,B,Cを用意し、室内温度を25℃、40℃及び60℃に設定した各恒温槽(図示しない)にそれぞれ投入し静置した。各恒温槽の外部には電源装置(図示しない)を設置しており、各恒温槽内の電池A、電池B及び電池Cの正極端子部及び負極端子部(図示しない)とそれぞれ接続している。
そして、電源装置を用いて、電池A、電池B及び電池Cについて、充放電サイクル試験を行った。具体的には、図12に示すような、連続1500秒間の充放電パターンを複数回繰り返すよう、電源装置を制御した(図12中に示す充放電パターンの縦軸は、+側が放電電流を、−側が充電電流を表している)。この充放電パターンは、最大約30Cのパルス放電と最大20Cのパルス充電とを交互に繰り返すパターンである。なお、各電池A,B,Cの電池温度を、いずれも室内温度と等しくしてから、充放電サイクル試験を行った。
上述の充放電サイクル試験において、所定のサイクル数毎に測定した電池A、電池B及び電池Cの内部抵抗初期比を示すグラフを図13に示す。なお、各電池A,B,Cの内部抵抗初期比は、前述した実施形態1と同様、充放電サイクル試験前の初期の各電池A,B,Cの内部抵抗値をそれぞれ基準として、各時点での電池A等の内部抵抗値を規格化したものである。
図13から判るように、電池B及び電池Cについて、5000サイクルにおける電池B及び電池Cの内部抵抗初期比で比較してみると、同じ充放電サイクル数において、電池Bの方が、電池Cよりも内部抵抗初期比が大きい。このことから、電池の環境温度を60℃よりも低い40℃にすると、その電池の内部抵抗初期比が大きくなることが判る。
また、電池Aと電池Bとを比べると、電池の環境温度を40℃よりもさらに低い25℃にすると、電池の内部抵抗初期比が大きくなることが判る。
以上より、少なくとも25〜60℃の温度範囲では、電池温度が低いほど、その電池の内部抵抗初期比が大きくなる、即ち、その電池の第1種電池劣化の進行の速度が大きいことが判る。
さらに、電池をハイレート電流で充放電する際、その電池の電解液(前述の含浸電解液及び貯留電解液)の液量が異なると、第1種電池劣化の進行速度が異なることが判ってきた。
そこで、発明者らは、自身の電解液の液量を変えた複数の電池を用意し、これらの電池について充放電サイクル試験を行った。これにより、電解液の液量と電池における内部抵抗値との関係について調査した。
具体的には、電池D、電池E及び電池Fを用意し、電解液の液量を50g、56g及び59gとした。そして、電池D、電池E及び電池Fの正極端子部及び負極端子部(図示しない)を電源装置(図示しない)にそれぞれ接続した。
そして、電源装置を用いて、電池D、電池E及び電池Fについて、充放電サイクル試験を行った。具体的には、SOCを60%とした各電池D,E,Fを用意する。そして、これら各電池D,E,Fについて、一定電流(150A)で10秒間の放電と、40Aで120秒間のCCCV(Constant Current Constant Voltage)充電とを組み合わせて1サイクルとする充放電サイクルを、1000サイクル繰り返した。なお、CCCV充電では、充電後の各電池D,E,FにおけるSOCが60%に戻るようにしている。
上述の充放電サイクル試験において、所定のサイクル数毎(400サイクル及び1000サイクル)に測定した電池D、電池E及び電池Fの内部抵抗値を示すグラフを図14に示す。
図14に示すように、電池D及び電池Eについて、1000サイクルにおける電池D及び電池Eの内部抵抗値を比較してみると、同じ充放電サイクル数において、電池Eの方が、電池Dよりも内部抵抗値が大きい。このことから、電解液の液量が50gよりも多いと(56g)、その電池の内部抵抗値がより増大、即ち、第1種電池劣化の進行の速度が大きくなることが判る。
また、電池Eと電池Fとを比べると、電池の液量が56gよりもさらに多いと(59g)、電池の内部抵抗値がさらに増大、即ち、第1種電池劣化の進行の速度がさらに大きくなることが判る。
以上より、電池の電解液の液量が多いほど、その電池の内部抵抗値がより増大、即ち、その電池の第1種電池劣化の進行の速度がより大きいことが判る。
さらに、電池を充放電する際、その電池温度が異なると、リチウム析出劣化の進行の速度が異なることが判ってきた。
そこで、発明者らは、自身の電池温度を変えた複数の電池を用意し、これらの電池について充放電サイクル試験を行った。これにより、電池温度と電池におけるリチウム析出劣化との関係について調査した。
具体的には、電池G,Hを用意し、室内温度を−25℃及び0℃に設定した各恒温槽(図示しない)にそれぞれ投入し静置した。各恒温槽の外部には電源装置(図示しない)を設置しており、各恒温槽内の電池G及び電池Hの正極端子部及び負極端子部(図示しない)とそれぞれ接続している。
そして、電源装置を用いて、電池G及び電池Hについて容量試験を行った。具体的には、SOCを100%とした電池電池G及び電池Hを用意し、一定電流(1/3C)で3.0Vまで放電させた。このとき計測した放電量を充放電サイクル試験前の電池容量とした。
上述の容量試験の後に、充放電サイクル試験を行った。具体的には、SOCを60%とした電池G及び電池Hについて、一定電流(100A)で10秒間の放電と、40Aで120秒間のCCCV充電とを組み合わせて1サイクルとする充放電サイクルを繰り返した。なお、CCCV充電では、充電後の各電池G,HにおけるSOCが60%に戻るようにしている。
充放電サイクル試験の後、各電池G,Hについて、再度、上述と同条件の容量試験を行い、このときの放電量を充放電サイクル試験後の電池容量とした。
上述の充放電サイクル試験後における、電池G及び電池Hの容量低下率(充放電サイクル試験前の電池容量から充放電サイクル試験後の電池容量を差し引いた差分を、充放電サイクル数で割ったもの)を示すグラフを図15に示す。なお、電池においてリチウム析出劣化が生じると、リチウム金属がデンドライト状或いは微粒子状に析出して、発電要素から脱落したり、導電性を失ってしまうので、その電池容量が小さくなる。このことから、容量低下率が大きいほど、その電池においてリチウム析出劣化がより早く進行することが判る。
電池G及び電池Hについて、これらの容量低下率で比較してみると、電池Gの方が、電池Hよりも大きいことが判る。かくして、電池温度が低いほど、リチウム析出劣化がより早く進行することが判る。
本実施形態1の電池B4は、最低温位置LPに配置され、濃度差起電力測定手段M1を有し、電解液30の液量30QY(=59g)が、他の電池BX及び電池B54の液量30QX(=50g)よりも多い。従って、この電池B4は、他の電池BX及び電池B54に比べて、第1種電池劣化の進行の速度が大きい劣化進行大電池であり、濃度差起電力測定手段M1を用いて、この電池B4の第1種電池劣化を検知できる。
また、この電池B4は、第1センシング線6M及び第2センシング線6Nを有するので、本発明の第2種電池のうち、リチウム析出劣化を検知できる電池である。
一方、前述の電池B54は、最高温位置HPに配置され、熱電対7を有するので、本発明の第2種電池のうち、放置劣化を検知できる電池である。
上述の電池B4,B54を含む、本実施形態1の組電池システム1では、前述の制御部(図示しない)で、電池B4の濃度差起電力測定手段M1、及び、電池B54の熱電対7を用いて、第1種電池劣化の程度、及び、放置劣化の程度について検知する。
例えば、図16に示したフローチャートのように制御する。
制御部(図示しない)は、所定期間毎に濃度差起電力測定手段M1を用いて、組電池部2の電池B4における、第1電極本体部41及び第2電極本体部51の間に生じる起電力VPを定期的に検知する(ステップS1)。
次いで、ステップS2において、検知した起電力VPが第1所定値以上か否かを判定する。この第1所定値とは、起電力VPに対し、第1種電池劣化による、次述するステップS3における処理を必要とするか否かを決めるしきい値である。
ここで、YES、即ち起電力が所定値以上の場合には、ステップS3に進み、組電池システム1に対して、次述する処理を実施する。一方、NO、即ち起電力VPが第1所定値未満の場合には、ステップS4に進む。
ステップS3の処理とは、具体的には、例えば、検知結果をユーザに通知したり、組電池部2の交換時期が来たか否かを別手段で判定したり、組電池部2の充放電パターンを、第1種電池劣化を抑制或いは回復するパターンに変更する処理等が挙げられる。なお、ステップS3で処理を実施した後は、ステップS4に進む。
ステップS4では、所定期間毎に、電池B54の熱電対7における熱起電力VHを定期的に検知する。
次いで、ステップS5において、検知した熱電対7の熱起電力VHが第2所定値以上か否かを判定する。この第2所定値とは、熱起電力VHに対し、放置劣化による組電池部2の交換(次述するステップS8)を必要とするか否かを決めるしきい値である。
ここで、YES、即ち熱起電力VHが第2所定値以上の場合には、ステップS8に進み、組電池部2の交換を行う。一方、NO、即ち熱起電力VHが第2所定値未満の場合には、ステップS6に進む。
ステップS6では、所定期間毎に、第1センシング線6M及び第2センシング線6Nを用いて、電池B4における端子間電圧VBを定期的に検知する。
次いで、ステップS7において、検知した端子間電圧VBが第3所定値以上か否かを判定する。この第3所定値とは、端子間電圧VBに対し、リチウム析出劣化による組電池部2の交換(次述するステップS8)を必要とするか否かを決めるしきい値である。
ここで、YES、即ち端子間電圧VBが第3所定値以上の場合には、ステップS8に進み、組電池部2の交換を行う。一方、NO、即ち端子間電圧VBが第3所定値未満の場合には、ステップS1に戻る。
以上より、本実施形態1にかかる組電池システム1では、複数の電池B1〜B56に前述の劣化速度大電池である電池B4を含んでいる。また、この組電池システム1は、電池B4の第1種電池劣化を検知する濃度差起電力測定手段M1を備える。電池B4は、第1種電池劣化が他の電池BX及び電池B54より早く進むため、この濃度差起電力測定手段M1を用いて、電池B4の第1種電池劣化を検知することで、他の電池BX及び電池B54の第1種電池劣化に先行して第1種電池劣化の程度を検知できたと考えることができる。
従って、電池B4に関する第1種電池劣化の検知結果に基づいて、例えば、その検知結果をユーザに通知したり、組電池の交換時期が来たか否かを判定したり、組電池の充放電パターンを、第1種電池劣化を抑制或いは回復するパターンに変更するなど、各種の処理(上述のステップS3)を適切に行うことが可能となる。
また、この組電池システム1では、電池B4を最低温位置LPに配置している。このため、組電池部2において、他の電池BX及び電池B54に比して電池B4について、第1種電池劣化を確実かつ最も早く進行させることができる。そして、この電池B4の第1種電池劣化を検知することで、他の電池BX及び電池B54も含めて、組電池部2のうちで最も第1種電池劣化の進んだ電池の第1種電池劣化について検知できることになる。従って、この検知結果に基づいて容易に組電池部2の交換や制御の変更など、第1種電池劣化に応じた処理を適切に行うことができる。
また、この組電池システム1では、電池B4の電解液30の液量30QYを他の電池BX及び電池B54に比して多くしてある。かくして、簡易で安価な方法で、電池B4、さらには、これを有する組電池システム1とすることができる。
また、本発明の第1種劣化検知手段として上述の濃度差起電力測定手段M1を有するので、濃度差起電力測定手段M1の第1電極本体部41及び第2電極本体部51の間に生じる起電力VPから、電池ケース10内に位置する電解液30におけるリチウムイオンの濃度を知ることができる。これにより、電池B4の第1種電池劣化を確実に検知できる。
また、この組電池システム1では、第2種電池のうちリチウム析出劣化を検知できる電池である電池B4の端子間電圧VBを測定する第1センシング線6M及び第2センシング線6Nを備える。このため、この組電池システム1では、電池B4の第1種電池劣化を検知して、第1種電池劣化に応じて適切に処理を行える上、第1センシング線6M及び第2センシング線6Nを用いて電池B4のリチウム析出劣化を検知することができる。
また、この組電池システム1では、第1センシング線6M及び第2センシング線6Nで最低温位置LPに配置した電池B4の端子間電圧VBを測定するので、組電池部2をなす複数の電池B1〜B56のうちで、リチウム析出劣化が進行し易い電池(電池B4)においてリチウム析出劣化を検知することができる。従って、容易に組電池部2の交換や制御の変更など、第1種電池劣化に加えて、リチウム析出劣化に応じた処理を適切に行うことのできる組電池システム1とすることができる。
また、組電池システム1では、劣化速度大電池である電池B4が第2種電池を兼ねるので、この1つの電池B4で、第1種電池劣化及びリチウム析出劣化を検知できる。
また、この組電池システム1では、第2種電池である電池B54の電池温度を測定する熱電対7及び熱電対用導線7Xを備える。このため、組電池部2において、電池B4の第1種電池劣化を検知できる上に、電池B54の放置劣化を検知することができる。
また電池は、その温度が高温である程、放置劣化が進行し易い。これに対し、本実施形態1にかかる組電池システム1では、最高温位置HPに配置した電池B54の電池温度を測定するので、組電池部2をなす複数の電池B1〜B56のうちで、放置劣化が進行し易い電池において放置劣化を検知することができる。従って、容易に組電池部2の交換や制御の変更など、第1種電池劣化に加えて、放置劣化に応じた処理を適切に行うことのできる組電池システム1とすることができる。
次に、本実施形態1にかかる組電池部2の劣化検知方法について説明する。
前述した劣化速度大電池である電池B4を含む複数の電池B1〜B56を有する組電池部2の劣化検知方法は、電池B4の第1種電池劣化を検知する検知ステップS1(図15のフローチャートにおけるステップS1)を備える。
本実施形態1にかかる組電池部2の劣化検知方法では、電池B4の第1種電池劣化が他の電池BX及び電池B54よりも早く進むため、複数の電池B1〜B56における代表の電池と考えることができる。従って、検知ステップにおいて、電池B4の第1種電池劣化を検知することで、他の電池BX及び電池B54の第1種電池劣化に先行して第1種電池劣化の程度を検知できる。これにより、組電池部2の劣化について適切な知見を得ることができる組電池部2の劣化検知方法とすることができる。
また、電池B4を上述の最低温位置LPに配置している。このため、他の電池BX及び電池B54に比して、第1種電池劣化を確実かつ最も早く進行させた電池B4を検知できる。
(実施形態2)
次に、本発明の実施形態2にかかる組電池システム101について、図1,8,17を参照しつつ説明する。
本実施形態2の組電池システム101では、第1種電池劣化を検知する電池の電解液のリチウムイオンの濃度を他の電池よりも低くしている点が、前述の実施形態1と異なる。
即ち、本実施形態2の組電池システム101における、最低温位置LPに配置された電池B104は、リチウムイオンを0.8mol/lの濃度130Cとした有機電解液の電解液130(含浸電解液130H)を含む(図8参照)。これは、1.0mol/lのリチウムイオン濃度30Cの有機電解液を用いる、他の電池BX及び電池B54に比べて、リチウムイオンの濃度が低い。
ところで、電池をハイレート電流で充放電する際、その電池の電解液のリチウムイオン濃度が異なると、第1種電池劣化の進行速度が異なることが判ってきた。
そこで、発明者らは、自身の電解液のリチウムイオン濃度を変えた複数の電池を用意し、これらの電池について充放電サイクル試験を行った。これにより、電解液のリチウムイオンの濃度と電池における電圧との関係について調査した。
具体的には、電池L、電池M,電池N及び電池Pを用意し、これらの電解液のリチウムイオン濃度をそれぞれ0.8、1.0、1.2及び1.4mol/lとした。そして、電池L、電池M,電池N及び電池Pの正極端子部及び負極端子部(図示しない)を電源装置(図示しない)にそれぞれ接続した。
そして、電源装置を用いて、電池L、電池M、電池N及び電池Pについて、充放電サイクル試験を行った。具体的には、SOCを60%とした各電池L,M,N,Pを用意する。これらの各電池L,M,N,Pについて、まず、一定電流(150A)で10秒間放電する。5秒間充放電を停止した後に、一定電流(40A)で充電をしてSOC60%に相当する電圧(3.7V)に到達させて(定電流充電)、到達後には、充電電流を小さくしながら、一定電圧(3.7V)で120秒間充電する(定電圧充電)。これを1サイクルとして、700サイクル繰り返した。
上述の充放電サイクル試験の後に、各電池L、電池M、電池N及び電池Pの電圧を測定した。具体的には、SOCを60%にした各電池L,M,N,Pの正極端子及び負極端子に電源装置(図示しない)を接続し、各電池L,M,N,Pから一定電流(3A)で放電させる。このとき、放電開始から5秒目の各電池L,M,N,Pの電圧(以下、放電時電圧ともいう)をそれぞれ測定した。
なお、充放電サイクル試験前の各電池L,M,N,Pの内部抵抗値はいずれも等しく、各電池L,M,N,Pの放電時電圧もまた等しかった。このため、各電池L,M,N,Pにおいて第1種電池劣化が進行すれば、内部抵抗が増大するので、その分、放電時電圧が低くなる。
図17には、各電池L,M,N,Pについて、1.0mol/lのリチウムイオン濃度である電池Mの放電時電圧を基準に規格化した、相対電圧比を示す。この相対電圧比は、電池Mよりも高い放電時電圧の電池では1よりも大きくなり、逆に、電池Mよりも低い放電時電圧の電池では1よりも小さくなる。
図17に示すように、電池P、電池N、電池M及び電池Lの相対電圧比は、この順で大きくなっている。このことから、電解液のリチウムイオン濃度が低くなるのに伴って、その電池の放電時電圧が低くなることが判る。
また、電池Lの相対電圧比は1よりも小さいので、電解液のリチウムイオン濃度が1.0mol/lよりも低いと、所定サイクル数における、電池Lの放電時電圧が低くなる、即ち、第1種電池劣化の進行の速度が大きくなることが判る。
以上より、電池の電解液のリチウムイオン濃度が低いほど、その電池の第1種電池劣化の進行の速度がより大きいことが判る。
本実施形態2にかかる組電池システム101では、電池B104の含浸電解液130Hの濃度130Cを、他の電池BX及び電池B54における含浸電解液30Hの濃度30Cに比して低くしてある。かくして、簡易で安価な方法で、電池B104、さらには、これを有する組電池システム101とすることができる。
(実施形態3)
次に、本発明の実施形態3にかかる組電池システム201について、図18,19を参照しつつ説明する。
本実施形態3の組電池システム201では、最低温位置に配置した電池に第1端子間電圧測定手段を、最高温位置に配置した電池に第2端子間電圧測定手段をそれぞれ有する点が、前述の実施形態1と異なり、それ以外は同様である。
そこで、実施形態1と異なる点を中心に説明し、同様の部分の説明は省略又は簡略化する。なお、同様の部分については同様の作用効果を生じる。また、同内容のものには同番号を付して説明する。
本実施形態3にかかる組電池システム201について説明する。図18にこの組電池システム201の部分切欠斜視図を、図19に組電池システム201の部分拡大平面図をそれぞれ示す。組電池システム201は、実施形態1と同様の電池B1〜B3,B5〜B53,B55,B56(他の電池BX)のほか、この他の電池BXと同一形態の電池B254、及び、電池B204を有する組電池部202と、この組電池部202から延出する、複数の導線を束ねてなる導線集束部205とを備える。
このうち、導線集束部205は、ケーブル形状の集束本体部205Lと、この集束本体部205Lの先端に接続した、樹脂製のコネクタ部5Cとからなる。この集束本体部5Lは、電池B204の正極端子部71Aに接続している第3センシング線206T、及び、負極端子部72Aに接続している第4センシング線206Uと、電池B254の正極端子部71Aに接続している第5センシング線206V、及び、負極端子部72Aに接続している第6センシング線206Wとを束ねてなる。
なお、導線収束部205は、実施形態1と同様、コネクタ部5Cを通じて、組電池システム1の外部に配置された制御部(図示しない)と接続されている。
また、組電池部202は、実施形態1と同様に、長手方向DL(図1中、左上側と右下側とを結ぶ方向、及び、図2中左右方向)に2列に列置された複数の電池(他の電池BX,電池B204,電池B254)を組電池ケース3内に収容している。これらは、実施形態1と同様、銅板のバスバ90によって互いに直列に接続されている。
なお、実施形態1と同様にして、組電池部202の各電池(複数の電池BX,電池B204,電池B254)を充放電した後の、これらの電池温度を測定した。図3に示す測定結果によれば、電池B204(図19中、左上方)が最も電池温度が低く、電池B254(図19中、右下方)が最も電池温度が高いことが判る。これにより、電池B204を配置している位置が、電池温度が最も低温になる最低温位置LPであり、電池B254を配置している位置が、電池温度が最も高温になる最高温位置HPであることが判る(図19参照)。
複数の電池(他の電池BX,電池204,電池254)のうち、最高温電池である電池B254は、電池温度測定手段である熱電対7の代わりに、第2端子間電圧測定手段の第5センシング線206V及び第6センシング線206Wを接続している点で実施形態1と異なる。
即ち、この電池B254は、正極端子部71Aにおいて、これとバスバ90との間に第5センシング線206Vが接続されている。また、負極端子部72Aにおいて、これとバスバ90との間に第6センシング線206Wが接続されている。これら第5センシング線206V及び第6センシング線206Wを通じて、電池B254の第2端子間電圧VB2を測定できる。従って、第5センシング線206Vと第6センシング線206Wを用いて、電池B254の、前述した放置劣化を検知することができる。
一方、最低温電池とする電池B204は、濃度差起電力測定手段M1の代わりに、第1端子間電圧測定手段の第3センシング線206T及び第4センシング線206Uを接続している点、及び、電池ケースの形態の点で実施形態1とは異なる。このうち、他の電池BXと同様の電池ケース10Xが、実施形態1の電池ケース10Yと異なる。
この電池B204は、正極端子部71Aにおいて、これとバスバ90との間に第3センシング線206Tが接続されている。また、負極端子部72Aにおいて、これとバスバ90との間に第4センシング線206Uが接続されている。このため、これら第3センシング線206T及び第4センシング線206Uを通じて、電池B204の第1端子間電圧VB1を測定できる。従って、第3センシング線206Tと第4センシング線206Uとを用いて、電池B204の、前述した第1種電池劣化を検知することができる。
以上から、本実施形態3の電池B204は、実施形態1と同様、電解液30の液量30QYが他の電池BX及び電池B254よりも多いほか、最低温位置LPに配置され、第3センシング線206T及び第4センシング線206Uを有する。従って、この電池B204は、他の電池BX及び電池B254に比べて、第1種電池劣化の進行の速度が大きい劣化進行大電池であり、第3センシング線206T及び第4センシング線206Uを用いて、この電池B204の第1種電池劣化を検知できる。
一方、前述の電池B254は、最高温位置HPに配置され、第5センシング線206V及び第6センシング線206Wを有するので、本発明の第2種電池のうち、放置劣化を検知できる電池である。
上述の電池B4,B54を含む、本実施形態3の組電池システム201では、前述の制御部(図示しない)で、電池B204の第3センシング線206T及び第4センシング線206U、及び、電池B254の第5センシング線206V及び第6センシング線206Wを用いて、第1種電池劣化の程度、及び、放置劣化の程度を検知する。
例えば、図20に示したフローチャートのように制御する。
制御部(図示しない)は、所定期間毎に第3センシング線206T及び第4センシング線206Uを用いて、組電池部202の電池B204における、正極端子部71A及び負極端子部72Aの間に生じる第1端子間電圧VB1を定期的に検知する(ステップS11)。
次いで、ステップS12において、検知した第1端子間電圧VB1が第4所定値を越えたか否かを判定する。この第4所定値とは、第1端子間電圧VB1に対し、第1種電池劣化による、次述するステップS13における処理を必要とするか否かを決めるしきい値である。
ここで、YES、即ち第1端子間電圧VB1が第4所定値を越えた場合には、ステップS13に進み、組電池システム201に対して、次述する処理を実施する。一方、NO、即ち第1端子間電圧VB1が第4所定値を越えていない場合には、ステップS14に進む。
ステップS13の処理とは、具体的には、例えば、検知結果をユーザに通知したり、組電池部202の交換時期が来たか否かを別手段で判定したり、組電池部202の充放電パターンを、第1種電池劣化を抑制或いは回復するパターンに変更する処理等が挙げられる。なお、ステップS13で処理を実施した後は、ステップS14に進む。
ステップS14では、所定期間毎に、電池B254の第2端子間電圧VB2を定期的に検知する。
次いで、ステップS15において、検知した第2端子間電圧VB2が第5所定値を越えたか否かを判定する。この第5所定値とは、熱起電力VHに対し、放置劣化による組電池部202の交換(次述するステップS16)を必要とするか否かを決めるしきい値である。
ここで、YES、即ち第2端子間電圧VB2が第5所定値を越えた場合には、ステップS16に進み、組電池部202の交換を行う。一方、NO、即ち第2端子間電圧VB2が第5所定値を越えていない場合には、ステップS11に戻る。
以上より、本実施形態3にかかる組電池システム201において、本発明の第1種劣化検知手段は、前述の第3センシング線206T及び第4センシング線206Uである。このため、測定した第1端子間電圧VB1を用いて、劣化速度大電池である電池B204の第1種電池劣化を適切に検知することができる。
また電池は、その温度が高温である程、放置劣化が進行し易いので、本実施形態3にかかる組電池システム201では、最高温位置HPに配置した電池B254の第2端子間電圧VB2を測定するので、組電池部202をなす複数の電池(他の電池BX,電池B204,電池B254)のうちで、放置劣化が進行し易い電池において放置劣化を検知することができる。従って、容易に組電池部202の交換や制御の変更など、第1種電池劣化に加えて、放置劣化に応じた処理を適切に行うことのできる組電池システム201とすることができる。
以上において、本発明を実施形態1〜3に即して説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることは言うまでもない。
例えば、実施形態等では、電池を捲回形のリチウムイオン二次電池としたが、複数の正極板と複数の負極板とを、セパレータを介して交互に積層してなる積層型のリチウムイオン二次電池でも良い。また、濃度相関物理量として、第1測定電極及び第2測定電極間の起電力或いは抵抗値(電流値)としたが、例えば、定電流を流すことにより、電解液のリチウムイオン濃度に応じた、第1測定電極と第2測定電極との間に生じる電圧の大きさを用いても良い。
また、実施形態1では、濃度差起電力測定手段M1を用いて、電池B4の第1種電池劣化を検知した。しかし、例えば、貯留電解液30Sにいずれも浸漬している第1測定電極140及び第2測定電極150を備え、貯留電解液30Sのリチウムイオン濃度を検知可能な貯留電解液抵抗測定手段M2を用いても良い(図21参照)。
具体的には、この貯留電解液抵抗測定手段M2の、第1測定電極140の第1電極本体部141、及び、第2測定電極150の第2電極本体部151が、互いに離間しつつ、いずれも貯留電解液30Sに浸漬されている(図21参照)。
この第1電極本体部141と第2電極本体部151との間に電圧を印加すると、両電極間の抵抗の大きさに応じた電流が流れる。この抵抗の大きさは、貯留電解液30Sの導電率によって変化し、この導電率は貯留電解液30S中のリチウムイオンの濃度によって変化する。つまり、第1電極本体部141及び第2電極本体部151の間に生じる抵抗の大きさと、貯留電解液30Sのリチウムイオン濃度との間には相関関係がある。このことから、第1電極本体部141及び第2電極本体部151間の抵抗の大きさ(第1測定電極140と第2測定電極150との間に一定電圧を印加したときに流れる電流の大きさ)から、貯留電解液30S中のリチウムイオンの濃度や濃度変化の程度を検知できる。かくして、検知した貯留電解液30Sのリチウムイオン濃度を基に、第1種電池劣化を検知できる。
また、例えば、含浸電解液30Hに浸漬している第1測定電極240及び第2測定電極250を備え、この含浸電解液30Hのリチウムイオン濃度を検知可能な含浸電解液抵抗測定手段M3を用いても良い(図22参照)。
具体的には、この含浸電解液抵抗測定手段M3の、第1測定電極240の第1電極本体部241、及び、第2測定電極250の第2電極本体部251が、互いに離間しつつ、セパレータ23に挿入されている。そして、いずれも含浸電解液30Hに浸漬されている(図22参照)。
この第1電極本体部241と第2電極本体部251との間に電圧を印加すると、両電極間の抵抗の大きさに応じた電流が流れる。上述の貯留電解液抵抗測定手段M2と同様の原理で、第1電極本体部241及び第2電極本体部251間の抵抗の大きさ(第1測定電極240と第2測定電極250との間に一定電圧を印加したときに流れる電流の大きさ)から、含浸電解液30H中のリチウムイオンの濃度や濃度変化の程度を検知できる。かくして、検知した含浸電解液30Hのリチウムイオン濃度を基に、電池の第1種電池劣化を検知できる。
また、実施形態1では、隔離部材として、多孔質のガラス板からなるフィルタ80を用いたが、この隔離部材の第1面と第2面との間で、貯留電解液及び基準電解液の間の濃度差に起因するイオン移動を防止するとともに、第1測定電極40と第2測定電極50による、貯留電解液30Sと基準電解液60との間の電位の測定を可能とする部材であれば良く、例えば、このような特性を有するセラミックス、樹脂を用いることもできる。
1,101,201 組電池システム
2,202 組電池部(組電池)
5,205 導線集束部(第1種劣化検知手段,物理量測定手段,電池温度測定手段)
6M 第1センシング線(第2端子間電圧測定手段)
6N 第2センシング線(第2端子間電圧測定手段)
7 熱電対(電池温度測定手段)
7X 熱電対用導線(電池温度測定手段)
10X,10Y 電池ケース
20 発電要素
21 正極板
22 負極板
30 電解液
30C,130C (リチウムイオンの)濃度
30QX,30QY (電解液の)液量
30H 含浸電解液
30S 貯留電解液
40 第1測定電極
41 第1電極本体部
42 第1導線
50 第2測定電極
51 第2電極本体部
52 第2導線
71A 正極端子部(正極端子)
72A 負極端子部(負極端子)
206T 第3センシング線(第1端子間電圧測定手段)
206U 第4センシング線(第1端子間電圧測定手段)
206V 第5センシング線(第2端子間電圧測定手段)
206W 第6センシング線(第2端子間電圧測定手段)
B4,B104,B204 電池(複数のリチウムイオン二次電池,劣化速度大電池,第2種電池)
B1〜B3,B5〜B53,B55,B56,BX 電池(複数のリチウムイオン二次電池)
B54,B254 電池(複数のリチウムイオン二次電池,第2種電池)
BT 電池温度
HP 最高温位置
LP 最低温位置
M1 濃度差起電力測定手段(物理量測定手段,第1種劣化検知手段)
M2 貯留電解液抵抗測定手段(物理量測定手段,第1種劣化検知手段)
M3 含浸電解液抵抗測定手段(物理量測定手段,第1種劣化検知手段)
VB 端子間電圧
VB1 第1端子間電圧(端子間電圧)
VB2 第2端子間電圧(端子間電圧)
VP 起電力(濃度相関物理量)

Claims (14)

  1. 互いに直列に接続された複数のリチウムイオン二次電池を有する組電池を備える組電池システムであって、
    上記複数のリチウムイオン二次電池は、
    使用すると、他のリチウムイオン二次電池に比して、ハイレート電流の充放電によって生じる第1種電池劣化が早く進む特性を有する劣化速度大電池を1つ以上含み、
    この組電池システムは、
    上記劣化速度大電池の上記第1種電池劣化を検知する第1種劣化検知手段を備える
    組電池システム。
  2. 請求項1に記載の組電池システムであって、
    前記複数のリチウムイオン二次電池がそれぞれ配置される位置のうち、前記組電池を充放電させた場合に、電池温度が最も低温になる位置を、最低温位置としたとき、
    前記劣化速度大電池を、上記最低温位置に配置してなる
    組電池システム。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の組電池システムであって、
    前記複数のリチウムイオン二次電池はいずれも、
    電池ケース内に、リチウムイオンを含む電解液を有してなり、
    前記劣化速度大電池は、
    前記他のリチウムイオン二次電池に比して、上記電解液の液量が多くされてなる
    組電池システム。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の組電池システムであって、
    前記複数のリチウムイオン二次電池はいずれも、
    正極板及び負極板を有する発電要素と、
    上記発電要素に含浸された、リチウムイオンを含む含浸電解液と、を有してなり、
    前記劣化速度大電池は、
    上記含浸電解液に前記他のリチウムイオン二次電池に比して、上記リチウムイオンの濃度の低い電解液を使用してなる
    組電池システム。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の組電池システムであって、
    前記劣化速度大電池は、
    正極板及び負極板を有する発電要素と、
    上記発電要素を収容してなる電池ケースと、
    上記電池ケース内に収容され、リチウムイオンを含む電解液と、を有してなり、
    前記第1種劣化検知手段は、
    上記電解液の上記リチウムイオンの濃度と相関関係を有する濃度相関物理量を測定可能とされた物理量測定手段である
    組電池システム。
  6. 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の組電池システムであって、
    前記第1種劣化検知手段は、
    前記劣化速度大電池の正極端子と負極端子との間の端子間電圧を測定する第1端子間電圧測定手段である
    組電池システム。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の組電池システムであって、
    前記複数のリチウムイオン二次電池のうち、少なくともいずれかの電池を第2種電池としたとき、
    この第2種電池の正極端子と負極端子との間の端子間電圧を測定する第2端子間電圧測定手段を備える
    組電池システム。
  8. 請求項7に記載の組電池システムであって、
    前記複数のリチウムイオン二次電池がそれぞれ配置される位置のうち、前記組電池を充放電させた場合に、電池温度が最も低温になる位置を、最低温位置としたとき、
    前記第2種電池を、上記最低温位置に配置してなる
    組電池システム。
  9. 請求項8に記載の組電池システムであって、
    前記劣化速度大電池が前記第2種電池を兼ねる
    組電池システム。
  10. 請求項7に記載の組電池システムであって、
    前記複数のリチウムイオン二次電池がそれぞれ配置される位置のうち、前記組電池を充放電させた場合に、電池温度が最も高温になる位置を、最高温位置としたとき、
    前記第2種電池を、上記最高温位置に配置してなる
    組電池システム。
  11. 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の組電池システムであって、
    前記複数のリチウムイオン二次電池のうち、少なくともいずれかの電池を第2種電池としたとき、
    この第2種電池の電池温度を測定する電池温度測定手段を備える
    組電池システム。
  12. 請求項11に記載の組電池システムであって、
    前記複数のリチウムイオン二次電池がそれぞれ配置される位置のうち、前記組電池を充放電させた場合に、電池温度が最も高温になる位置を、最高温位置としたとき、
    前記第2種電池を、上記最高温位置に配置してなる
    組電池システム。
  13. 互いに直列に接続された複数のリチウムイオン二次電池を有する組電池の劣化検知方法であって、
    上記複数のリチウムイオン二次電池は、
    使用すると、他のリチウムイオン二次電池に比して、ハイレート電流の充放電によって生じる第1種電池劣化が早く進む特性を有する劣化速度大電池を1つ以上含み、
    この組電池の劣化検知方法は、
    上記劣化速度大電池の上記第1種電池劣化を検知する検知ステップを備える
    組電池の劣化検知方法。
  14. 請求項13に記載の組電池の劣化検知方法であって、
    前記複数のリチウムイオン二次電池がそれぞれ配置される位置のうち、前記組電池を充放電させた場合に、電池温度が最も低温になる位置を、最低温位置としたとき、
    上記組電池は、
    前記劣化速度大電池を、上記最低温位置に配置してなる
    組電池の劣化検知方法。
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