JP2010159974A - ヘリウムリークデテクタ - Google Patents
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Abstract
【課題】真空ポンプに大きな負荷を長時間かけることなく、極めて大きな漏れの存在を検出することができるヘリウムリークデテクタを提供する。
【解決手段】真空容器100の内部を排気しているときに油回転ポンプ3に供給される電流を検出する電流検出器22と、電流検出器22によって検出された電流が所定値以上である状態が所定時間以上継続する場合、真空容器100の排気を中止させる閾値判定継続時間測定回路23とを備える。
【選択図】図1
【解決手段】真空容器100の内部を排気しているときに油回転ポンプ3に供給される電流を検出する電流検出器22と、電流検出器22によって検出された電流が所定値以上である状態が所定時間以上継続する場合、真空容器100の排気を中止させる閾値判定継続時間測定回路23とを備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、真空容器の気密性の検査等に用いられるリークデテクタに関するものである。
試験体を粗引プロセスで排気したときの圧力を測定するためにピラニ真空計を備えたヘリウムリークデタクタが従来技術として知られている(たとえば、特許文献1参照)。このヘリウムリークデテクタでは、試験体を真空に排気するために粗引き用真空ポンプで粗引きを行う。しかし、試験体に極めて大きな漏れが存在したり、試験体とヘリウムリークデテクタとを接続する箇所のシール部に極めて大きな漏れが存在したりする場合は、その粗引きの過程で試験体内の圧力をあまり下げることができない。ところで、このような極めて大きな漏れをピラニ真空計で検知するには、測定圧力レンジの上限が足りない。このため、粗引きを開始してから予め設定しておいた規定時間内にピラニ真空計で検出できる所定圧力以下に試験体内の圧力が到達したか否かによって、上述の極めて大きな漏れの存在を判定している。
しかし、この規定時間は、試験体によって変わるため、リーク試験を行う都度、規定時間を調整する必要がある。このとき、ある程度の許容度をもって規定時間を設定しないと、単に試験体の容量が大きいために試験体の排気に時間がかかったにもかかわらず、試験体に極めて大きな漏れが存在すると誤判定されるおそれがある。しかし、ある程度の許容度をもって規定時間を設定してしまうと、極めて大きな漏れが存在する場合、粗引き用真空ポンプが大量の空気を排気する時間が長くなり、粗引き用真空ポンプに大変な負荷がかかることになる。そのため、上記規定時間を過度に長く設定できないので、リーク試験を行う試験体が限定され、汎用性の高いリークデテクタを提供できない。
請求項1の発明は、真空ポンプによって内部が排気された被検体からリークされたヘリウムガスを分析管に導いて検出するヘリウムリークデテクタにおいて、被検体の内部を排気しているときに真空ポンプに供給される電流を検出する電流検出手段と、電流検出手段によって検出された電流が所定値以上である状態が所定時間以上継続する場合、被検体の排気を中止させる排気制御手段とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、真空ポンプに大きな負荷を長時間かけることなく、極めて大きな漏れの存在を検出することができる。また、汎用性の高いリークデテクタを提供することができる。
以下、本発明によるヘリウムリークデテクタについて、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施の形態によるヘリウムリークデテクタを模式的に示す全体構成図である。ヘリウムリークデテクタ1は、テストポート2を介してリーク検査の被検体である真空容器100に配管接続されている。
図1は、本発明の実施の形態によるヘリウムリークデテクタを模式的に示す全体構成図である。ヘリウムリークデテクタ1は、テストポート2を介してリーク検査の被検体である真空容器100に配管接続されている。
ヘリウムリークデテクタ1は、油回転ポンプ3,4、機械式ドライポンプ5およびターボ分子ポンプ6の4台の真空ポンプと、排気経路を開閉する6個のバルブV1〜V4,V6と、排気経路を大気開放する2個のリークバルブV7,V8と、校正部7と、分析管8と、排気経路内の圧力を検出する2個のピラニ真空計P1,P2と、電流検出器22と、閾値判定継続時間測定回路23と、制御回路24とを有する。閾値判定継続時間測定回路23は、時間を計測するタイマ23aを内蔵している。
電流検出器22は、油回転ポンプ3の電源ライン21を流れる電流を検出する検出装置である。閾値判定継続時間測定回路23は、電流検出器22から出力される電流値信号に基づいて、油回転ポンプ3の排気による粗引きプロセスを中止するか否かを判定し、中止と判定した場合、制御回路24に対して、粗引きプロセスを中止する命令の信号を出力する。制御回路24は、ヘリウムリークデテクタ1の動作を制御する。
分析管8は、ターボ分子ポンプ6、機械式ドライポンプ5、バルブV6を介して油回転ポンプ4に配管接続されている。真空容器100は、テストポート2、バルブV1を介して油回転ポンプ3に配管接続されている。また、真空容器100は、テストポート2、バルブV4を介してターボ分子ポンプ6の排気口6aに配管接続されている。リーク校正部7は、バルブV3、バルブV4を介してターボ分子ポンプ6の排気口6aに配管接続されている。
次に、真空容器100のリーク検査について説明する。このリーク検査では、真空容器100のき裂やピンホール等に起因する微量のリークを検出する。真空容器100のリーク検査は、以下の手順で行う。
(1)バルブV1〜V4およびリークバルブV7,V8を閉じるとともに、バルブV6を開いて、分析管8内をターボ分子ポンプ6、機械式ドライポンプ5、油回転ポンプ4の直列構成で所定のバックグランド値(真空度)になるまで排気する。
(2)分析管8内が所定のバックグランド値になった後、バルブV1を開いて、真空容器100内を油回転ポンプ3で真空容器100内の圧力が所定の値以下になるまで、粗引き排気する(粗引きプロセス)。
(3)バルブV1を閉じるともにバルブV4を開いて、分析管10によるリークガス検出を開始し、真空容器100のリーク試験箇所にヘリウム(He)ガスを吹き付ける。
(4)真空容器100のリーク試験箇所にリークがあると、真空容器100内にHeガスが侵入し、そのHeガスの分圧に応じた量は、開放になっているバルブV4、ターボ分子ポンプ6を経て分析管8に到達する。分析管8がHeガスを検出することにより、真空容器100のリーク量が測定される。
(5)リーク量の測定が終わった後は、V4のバルブを閉じた後、リークバルブV7を開いて大気開放する。
(1)バルブV1〜V4およびリークバルブV7,V8を閉じるとともに、バルブV6を開いて、分析管8内をターボ分子ポンプ6、機械式ドライポンプ5、油回転ポンプ4の直列構成で所定のバックグランド値(真空度)になるまで排気する。
(2)分析管8内が所定のバックグランド値になった後、バルブV1を開いて、真空容器100内を油回転ポンプ3で真空容器100内の圧力が所定の値以下になるまで、粗引き排気する(粗引きプロセス)。
(3)バルブV1を閉じるともにバルブV4を開いて、分析管10によるリークガス検出を開始し、真空容器100のリーク試験箇所にヘリウム(He)ガスを吹き付ける。
(4)真空容器100のリーク試験箇所にリークがあると、真空容器100内にHeガスが侵入し、そのHeガスの分圧に応じた量は、開放になっているバルブV4、ターボ分子ポンプ6を経て分析管8に到達する。分析管8がHeガスを検出することにより、真空容器100のリーク量が測定される。
(5)リーク量の測定が終わった後は、V4のバルブを閉じた後、リークバルブV7を開いて大気開放する。
リーク量の校正をする場合は、テストポート2を閉じ、バルブV3,V4を開いて、Heガスをリーク校正部7から分析管8に導く。リーク構成部7からは既定の流量でHeガスが流出される。このときの検出値がリーク量の基準値となる。
上述したようにヘリウムリークデテクタは、真空容器100のき裂やピンホール等に起因する微量のリークを検出するものである。したがって、真空容器100に極めて大きな漏れが存在したり、真空容器100とヘリウムリークデテクタ1とを接続する箇所のシール部に極めて大きな漏れが存在したりする場合は、リークガス検出を開始する前、つまり粗引きプロセスの段階でリーク検査を中止する必要がある。次に、本発明の実施形態における粗引きプロセス中止判断処理について、図2のフローチャートを参照して説明する。図2の処理は、粗引きプロセスが開始されるとスタートするプログラムにより、閾値判定継続時間測定回路23において実行される。
ステップS101では、タイマ23をリセットした後、タイマ23の計測を開始する。粗引きプロセス中止判断処理の開始時は、真空容器100の圧力が高いため、油回転ポンプ3の排気量は大きく、油回転ポンプ3の電源ライン21を流れる電流は大きい。ステップS102では、電流検出器22を用いて油回転ポンプ3の電源ライン21を流れる電流を検出する。
ステップS103では、油回転ポンプ3の電源ライン21を流れる電流が所定値以上であるか否かを判定する。油回転ポンプ3の電源ライン21を流れる電流が所定値以上である場合はステップS103が肯定判定され、ステップS104へ進む。油回転ポンプ3の電源ライン21を流れる電流が所定値未満である場合はステップS103が否定判定され、粗引きプロセス中止判断処理を終了する。
ステップS104では、タイマ23aで計測している計測時間が所定時間以上であるか否かを判定する。計測時間が所定時間以上である場合はステップS104が肯定判定され、ステップS105へ進む。計測時間が所定時間未満である場合はステップS104が否定判定され、ステップS102に戻る。
ステップS105では、粗引きプロセスを中止する指令を制御回路24に出力する。そして、粗引きプロセス中止判断処理を終了する。
制御回路24は、閾値判定継続時間測定回路23から出力された粗引きプロセスを中止する指令を入力すると、バルブV1を閉じてヘリウムリークデテクタ1の粗引きプロセスを中止させる。
以上説明した実施形態によれば、次の作用効果が得られる。
(1)被検体である真空容器100の内部を排気しているときに油回転ポンプ3に供給される電流を検出し、検出された電流が所定値以上である状態が所定時間以上継続する場合、真空容器100の排気を中止するようにした。この所定時間は、ピラニ真空計を使用して極めて大きな漏れの存在を判定する場合の規定時間に比べて短い時間で済むので、油回転ポンプ3に大きな負荷を長時間かけることなく、大きな漏れの存在を検出することができる。
(1)被検体である真空容器100の内部を排気しているときに油回転ポンプ3に供給される電流を検出し、検出された電流が所定値以上である状態が所定時間以上継続する場合、真空容器100の排気を中止するようにした。この所定時間は、ピラニ真空計を使用して極めて大きな漏れの存在を判定する場合の規定時間に比べて短い時間で済むので、油回転ポンプ3に大きな負荷を長時間かけることなく、大きな漏れの存在を検出することができる。
また、油回転ポンプ3はヘリウムが混ざっている空気を大量に排気すると、ヘリウムが油回転ポンプ3内に残留してしまい、ヘリウム検出時のバックグランドレベルが上昇して測定精度が低下してしまうが、そのようなことがないので、測定精度が低下してしまうことはない。また、粗引きプロセスを開始してから短時間で大きな漏れの存在を検出することができる。さらに、油回転ポンプ3の極端なモーター電流入時間を短縮できるためヘリウムリークデテクタ1の省電力化が図れる。
(2)真空容器100と油回転ポンプ3との間に設けられたバルブV1を閉じることによって真空容器100の排気を中止するようにした。これにより、バルブV1を開いて中止した粗引きプロセスをすぐに再開することができる。
(3)油回転ポンプ3に供給される電流と、その電流が供給され続けている時間とに基づいて真空容器100のリークを検出するようにした。これにより、真空容器100内の真空度が低いときに真空容器100内の圧力を検出する圧力センサを別途設けることなく、大きな漏れの存在を検出することができる。また、新たな圧力センサを取り付けると、分析管8にノイズが入ってしまい、測定精度は低下するが、本実施形態ではそのようなことは起こらない。
以上の実施形態を次のように変形することができる。
(1)大きな漏れの存在を検出できれば、真空容器100の排気を中止するときの判断基準となる電流値およびその電流値以上である状態が継続する継続時間は、とくに限定されない。たとえば、以下のように、上記の電流値および継続時間を求めるようにしてもよい。
(1)大きな漏れの存在を検出できれば、真空容器100の排気を中止するときの判断基準となる電流値およびその電流値以上である状態が継続する継続時間は、とくに限定されない。たとえば、以下のように、上記の電流値および継続時間を求めるようにしてもよい。
図3を参照して、試験体の排気を中止するときの判断基準となる電流値およびその電流値以上である状態の継続時間の算出方法を説明する。油回転ポンプ3のモータの定格から、油回転ポンプ3が真空状態に排気できる試験体の最大内容量が決まる。その最大内容量の試験体を実際に排気したときに油回転ポンプ3に供給される電流の時間変化特性線図31、たとえば、油回転ポンプ3のモータに流れる電流の電流値の時間変化特性線図31を予め調べる。
次に、その試験体の一部を開放状態にした場合に油回転ポンプ3のモータに流れる電流の時間変化特性線図32を予め調べる。2つの時間変化特性線図31,32の電流値の乖離が所定値以上となるときの継続時間33を検出する。この継続時間33が試験体の排気を中止するときの判断基準となる継続時間になる。
次に、2つの時間変化特性線図31,32における継続時間33での電流値を求め、その2つの電流値の中間値34を算出する。この算出した電流値が試験体の排気を中止するときの判断基準となる電流値34になる。以上より、これらの継続時間33および電流値34に基づく点35が試験体の排気を中止するときの判断基準となる。
なお、2つの時間変化特性線図31,32が乖離したと判断できるポイントであれば、継続時間33および電流値34に基づくポイント35は、上記のポイント35に限定されない。
(2)所定回数、たとえば、3回やり直しても油回転ポンプ3に供給される電流が所定値以上である状態が所定時間以上継続する場合に、大きな漏れの存在をアラームなどでユーザに通知するようにしてもよい。これにより、大きな漏れの存在を確実に検出することができる。
(3)油回転ポンプ3,4に代えてダイヤフラム真空ポンプやスクロールポンプを用いるようにしてもよい。
実施形態と変形例の一つ、もしくは複数を組み合わせることも可能である。変形例同士をどのように組み合わせることも可能である。
以上の説明はあくまで一例であり、発明は、上記の実施形態に何ら限定されるものではない。
1:ヘリウムリークデテクタ
2:テストポート
3,4:油回転ポンプ
5:機械式ドライポンプ
6:ターボ分子ポンプ
8:分析管
22:電流検出器
23:閾値判定継続時間測定回路
23a:タイマ
24:制御回路
2:テストポート
3,4:油回転ポンプ
5:機械式ドライポンプ
6:ターボ分子ポンプ
8:分析管
22:電流検出器
23:閾値判定継続時間測定回路
23a:タイマ
24:制御回路
Claims (2)
- 真空ポンプによって内部が排気された被検体からリークされたヘリウムガスを分析管に導いて検出するヘリウムリークデテクタにおいて、
前記被検体の内部を排気しているときに真空ポンプに供給される電流を検出する電流検出手段と、
前記電流検出手段によって検出された電流が所定値以上である状態が所定時間以上継続する場合、前記被検体の排気を中止させる排気制御手段とを備えることを特徴とするヘリウムリークデテクタ。 - 請求項1に記載のヘリウムデテクタにおいて、
前記被検体と前記真空ポンプとの間に設けられた弁を有し、
前記排気制御手段は、前記弁を閉じることによって前記被検体の排気を中止させることを特徴とするヘリウムリークデテクタ。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2009000551A JP2010159974A (ja) | 2009-01-06 | 2009-01-06 | ヘリウムリークデテクタ |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2013046480A1 (ja) * | 2011-09-30 | 2013-04-04 | オムロン株式会社 | 検知装置、検知方法、プログラムおよび記録媒体 |
WO2020139686A1 (en) * | 2018-12-27 | 2020-07-02 | Avent, Inc. | Method for detecting presence of tubing in pump assembly |
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2009
- 2009-01-06 JP JP2009000551A patent/JP2010159974A/ja active Pending
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JPWO2013046480A1 (ja) * | 2011-09-30 | 2015-03-26 | オムロン株式会社 | 検知装置、検知方法、プログラムおよび記録媒体 |
EP2746744A4 (en) * | 2011-09-30 | 2015-07-29 | Omron Tateisi Electronics Co | DETECTOR, DETECTION METHOD, PROGRAM AND RECORDING MEDIUM |
WO2020139686A1 (en) * | 2018-12-27 | 2020-07-02 | Avent, Inc. | Method for detecting presence of tubing in pump assembly |
US11564731B2 (en) | 2018-12-27 | 2023-01-31 | Avent, Inc. | Method for detecting presence of tubing in pump assembly |
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