JP2010158604A - 電気集塵機の洗浄方法およびその装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】
電気集塵機の内部洗浄において、電気集塵機の内部洗浄において洗浄効果の向上を図るとともに、廃棄処理する必要がある洗浄排水の量を低減することができる電気集塵機の洗浄方法を提供する。
【解決手段】
電気集塵機10の内部を水で洗浄する第1の洗浄では、その排水を廃棄処理する。第1の洗浄工程後、電気集塵機20の内部を人の手により水で洗浄する第2の洗浄では、その排水を炭酸水素ナトリウム17により中和する。中和した洗浄排水は第2の洗浄で再利用する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電気集塵機の洗浄方法およびその装置に関する。
従来から、石油焚きまたは石炭焚き等のボイラから排出される排ガスを処理する為の集塵装置の一つとして電気集塵機が用いられている。この電気集塵機は、排ガスの通路に集塵電極と放電極とを設け、両者の間に高電圧をかけることでイオンを発生させ、帯電したガス中の粒子(ダスト)を電気力により対向する集塵電極へひきつけて捕集するものである。このような原理で集塵を行う電気集塵機は、内部とくに放電線に付着物が増加すると電荷効率が落ち、集塵効率も低下するため定期的に内部洗浄が行われる。その際、電気集塵機の内部洗浄に使用する洗浄水はワンスルーで使用されており、電機集塵機内部から排出された洗浄排水はそのまま電気集塵機の下部に設置された非定常排水槽へと貯留されていた。この非定常排水槽に貯留された多量の排水は、全量を産業廃棄物として処理しなければならず、その費用は非常に高いものとなっていた。
また、電気集塵機下部に設置されている非定常排水槽の容量は一般的に1000m程度のものが多く使用されており、非定常排水槽が満杯になると電気集塵機内部の汚れに関わらず、そこで強制的に洗浄を終了しなければならなかった。その為、電気集塵機の内部を十分に洗浄しきれないという問題も生じていた。不十分な洗浄では電気集塵機内部に残留付着物を残し、特に放電線に付着物が残留した場合には電気集塵機の荷電効率が低下し、電気集塵機を運転する際の不安定要素を生じていた。
なお、廃棄物焼却炉設備の洗浄において、化学洗浄により排出される廃液を循環タンクに回収して再び洗浄水として利用する技術が特許文献1に記載されている。
特開2003−13602号公報
本発明は、上記問題点を鑑み、電気集塵機の内部洗浄において洗浄効果の向上を図るとともに、廃棄処理する必要がある洗浄排水の量を低減することができる電気集塵機の洗浄方法およびその装置を提供することを目的とする。
本発明は上記目的を達成するため、電気集塵機の内部を水で洗浄する第1の洗浄工程と、第1の洗浄工程の排水を廃棄処理する工程と、第1の洗浄工程後、電気集塵機の内部を人の手により水で洗浄する第2の洗浄工程と、第2の洗浄工程の排水を炭酸水素ナトリウムにより中和する工程と、前記中和した洗浄排水を第2の洗浄工程で再利用する工程とを含む電気集塵機の洗浄方法を含むことを特徴とする。また、本発明の電気集塵機の洗浄方法は、第2の洗浄工程後に、水で電気集塵機10の内部を洗浄する第3の洗浄工程と、第3の洗浄工程の排水を廃棄処理する工程とをさらに含むことを特徴とする。
また、本発明の別の態様によれば、電気集塵機の内部を水で洗浄する洗浄手段と、電気集塵機の下部ホッパーの下方にそれぞれ設けられた洗浄廃水を受け取るための複数の受水槽と、複数の受水槽から洗浄排水が導入されるとともに、炭酸水素ナトリウムが導入され、洗浄排水が中和される中和槽と、中和槽から洗浄手段に中和された洗浄水を送る循環ポンプとを備えた電気集塵機の洗浄装置を含むことを特徴とする。また、本発明の電気集塵機の洗浄装置は、炭酸水素ナトリウムを溶解水として供給するための炭酸水素ナトリウム溶解手段と、炭酸水素ナトリウム溶解水を前記中和槽に導入する注入ポンプと、中和槽で槽内の洗浄廃水を撹拌するための撹拌手段とをさらに備え、循環ポンプと、炭酸水素ナトリウム溶解手段と、注入ポンプと、撹拌手段とが、一つのベース上に配置されていることを含むことを特徴とする。
本発明に係る電気集塵機の洗浄方法によれば、灰分が多く含まれる第1の定置ノズル洗浄工程の排水は廃棄するものの、第2の洗浄工程において手洗浄排水を循環させ、繰り返し洗浄水として使用することにより延べ洗浄水量を増やすことができ、非定常排水槽の許容容量によらず、電気集塵機内部付着灰の洗浄効果を確実に向上させることができる。
さらに、第2の洗浄工程の手洗浄水を循環させて使用するため、使用後の洗浄排水の絶対量を低減することも可能となり、排水を産廃処分する場合は産業廃棄処理にかかる費用を低減することができ、また排水を別途処理する場合には同処理装置の負荷を軽減することが可能となる。
特に中和剤として弱アルカリ性の炭酸水素ナトリウムを用いることで、第2の洗浄を安全に人の手で行うことができるので、電気集塵機の内部をより丁寧に洗浄することができる。
本願発明の電気集塵機の洗浄装置を概略的に示す側面図である。 受水槽を電気集塵機側から見た平面図である。 本発明の一部の装置がベース上に積載された装置ユニットを概略的に示す平面図である。 図3に示す装置ユニットの配線図である。 放電線付着灰の溶解試験結果を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明に係る電気集塵機の洗浄装置を概略的に示す側面図である。図1に示すように、本発明の電気集塵機の洗浄装置は、電気集塵機10の内部を洗浄する洗浄手段(図示省略)と、電気集塵機10の下部に設けられた受水槽12と、受水槽12で受けた排水が供給される中和槽14と、中和槽14で中和された洗浄排水を洗浄手段へと送る循環ポンプ15とから構成されている。
本発明の洗浄方法を適用できる電気集塵機10は、特に制限されることはないが、例えばゴミ焼却炉等の排気処理に使用される電気集塵機が挙げられる。電気集塵機10の底部には、電気集塵機の運転中に捕集した灰を排出するホッパー11が設けられている。また、電気集塵機10下部のホッパー11のさらに下方には、電気集塵機10内部を洗浄した排水を受けるための非定常排水槽20が設置されている。非定常排水槽20の容量は例えば、800〜1200mである。
電気集塵機10の下部には受水槽12を設置することができ、受水槽12は電気集塵機10からの洗浄排水を受け取る。受水槽12は電気集塵機10下部のホッパー11の数に対応して設置されれば良い。例えば受水槽12の平面図である図2に示すように、電気集塵機10のホッパー数11が12箇所であれば、12個の受水槽12を電気集塵機10の下部に設置すれば良い。受水槽12は、ホッパーの大きさ、形状や電気集塵機10と非定常排水槽20との間の間等を考慮して、適当な大きさや形状のものを用いればよい。例えば可搬性を考慮して、容量が1.0〜2.0mが好ましい。
各受水槽12には電気集塵機10受け取った洗浄排水を中和槽14に移すための受水槽ポンプ13が投入されている。受水槽ポンプ13としては、受水槽12から中和槽14へ洗浄排水を移す能力あるものであれば、特に制限されないが、レベルスイッチ付水中ポンプが好ましい。
中和槽14には、受水槽ポンプ13の他に、炭酸水素ナトリウム溶液を注入する炭酸水素ナトリウムポンプ16と、循環ポンプ15とが接続されており、好ましくは撹拌ブロワ18と、pH計19とが接続されている。中和槽14の大きさは、特に制限されないが、電気集塵機10の大きさや循環させる洗浄水量等を考慮して適宜設定することが好ましい。例えば循環が円滑に起るまでの間、洗浄水を途切れることなく噴射可能なように、手洗浄水量の約1時間分である40〜50mとするのが好ましい。また、中和槽14は、移動や設置作業の容易性から組み立てパネル式タンクのものが好ましい。
中和槽14に注入される炭酸水素ナトリウム溶液は炭酸水素ナトリウム溶解装置17において調整され、炭酸水素ナトリウムポンプ16によって注入される。炭酸水素ナトリウム溶解装置17は、特に制限されないが、粉末状の炭酸水素ナトリウムを水で溶解して自動で一定の濃度の炭酸水素ナトリウム溶液を調整できる装置が好ましい。
攪拌装置18としては、特に制限されないが、中和槽が40〜50mとなるために、撹拌機よりもブロワを用いた方が電動機容量は小さくできる。攪拌ブロワとしては、当業者の周知のものを用いることができ、撹拌ブロワの形状やエアー吐出圧等は対象となる中和槽や循環させる洗浄水量等により適宜決定することができる。
pH計19としては図示の流通式であれば、浸漬式を用いた場合に必要なpH計測用の中継槽が不要となり、設備が簡素にできる。pH計19は、図1に示すように、中和槽から循環する洗浄排水が流通する型式を用いることができる。手洗浄を行う作業員の安全のため、洗浄排水はpH5〜9の範囲内にすることが好ましい。
循環ポンプ15は中和槽14において中和された洗浄排水を、電気集塵機10内部の洗浄手段へ送ることができる能力のものであれば、特に制限されず、当業者に周知なものを用いることができる。但し揚程の決定については、EP内部での噴射距離やノズル圧損を総合して決定する必要があり、内部構造を熟知した者の検討が必要と考える。
洗浄手段としては、電気集塵機10内部に取り付ける定置ノズルや人の手で移動可能なホース等による洗浄が挙げられる。洗浄手段を用いた洗浄作業には、従来からの工業用水を洗浄水として用いることもでき、また、循環ポンプ15により送られる中和した洗浄水を再利用することもできる。
洗浄手段として機械水洗を行う場合は、電気集塵機10内部にあらかじめ、または洗浄時に定置ノズルを備え付ける。スプレーノズルの孔径、スプレーパターン、孔数等の仕様は洗浄対象となる電気集塵機10の形状等に応じて適宜選択され得る。また、設置するスプレーノズルの数、スプレーノズルの設計位置等についても対象の形状や構造に合わせて適宜設計され得る。スプレーノズルから噴霧する洗浄水の吐出圧力、洗浄水量、洗浄時間は、洗浄対象の形状や汚れ等を考慮して適宜決定することができる。
本発明に用いる洗浄水としては、工業用水を用いることができる。洗浄水の温度は、特に加熱設備を必要としない常温で洗浄するのが好ましい。
上記の構成によれば、先ず、電気集塵機10を定置ノズルにて機械水洗する第1の洗浄工程を行う。機械水洗では、受水槽12は電気集塵機10の下部に設けられない。すなわち、第1の水洗の工程においては、電気集塵機10内部の洗浄に使用された排水はホッパー11を通して電気集塵機10の下部に設置された非定常排水槽20へ貯留される。このように、本発明の電気集塵機10の洗浄方法においては先ず、従来のワンスルーの洗浄を行うことにより大まかに汚れを洗浄することができる。
第1の水洗の工程が完了した後、次に電気集塵機を手洗浄する第2の水洗の工程へと移る。手洗浄にあたり、受水槽12を電気集塵機10の下部に配置する。第2の水洗の工程では、電気集塵機10のホッパー11を通して排水された洗浄排水は、電気集塵機10下部ホッパー11と非定常排水層20との間に設置した受水槽12へと導かれる。受水槽12に排水された洗浄排水は、受水槽ポンプ13により中和槽14へと移される。中和槽14には洗浄排水の他に、炭酸水素ナトリウム溶解装置17により作製された炭酸水素ナトリウム溶液が炭酸水素ナトリウム注入ポンプ16を通して注入される。炭酸水素ナトリウム溶液の注入は、酸性である洗浄排水を中和するために行われる。また、中和槽14には撹拌ブロワ18が接続されており、中和槽14中の洗浄排水と炭酸水素ナトリウム溶液とが撹拌ブロワ18により撹拌され、洗浄排水が均一に中和される。また、中和槽14のpH計19で、洗浄排水の中和の程度を確認することも可能である。炭酸水素ナトリウム溶解装置17により作製され中和槽14へ送られる炭酸水素ナトリウム溶液の量は、洗浄排水のpHが適当な範囲になるように、適宜自動注入すればよい。
このように、本発明の電気集塵機の洗浄方法において、中和槽14に移された洗浄排水は炭酸水素ナトリウム溶液により中和される。そのため、電気集塵機内部で手洗浄を行う作業員は安全に作業を進めることが可能である。また、過剰に炭酸水素ナトリウム溶液を注入した場合であっても、溶解時のpHは弱アルカリ性(例えばpH8.2)となり、取扱いを安全に行うことができるため好ましい。
中和槽14で中和された洗浄排水は、循環ポンプ15を通して電気集塵機10内へ送られ、洗浄水として再度使用される。
手洗浄の第2の洗浄工程は、作業員が電気集塵機10内へ入り直接洗浄作業を行うことで、機械洗浄で落としきれなかった付着物等を洗浄することができる。このとき、作業員の数によりホース等の数を増減させれば良く、洗浄水の吐出圧力、洗浄水量、洗浄時間は、洗浄対象の汚れ等を考慮して適宜決定することができる。
第2の洗浄工程において、中和槽14には予め洗浄水が張られており、循環ポンプ15により中和槽14に張られた洗浄水を電気集塵機10内部へ送り、洗浄に再利用する。予め張られる洗浄水および新たに張り替えられる洗浄水は、長時間連続して洗浄作業を行える量にすることが好ましく、例えば1時間に15m使用するホースを3本用いて手洗浄する場合、45mの洗浄水量を中和槽14に張ることが好ましい。しかしながら、電気集塵機10の大きさにより循環水が追い付かずに連続洗浄が不可能な場合には、洗浄中に中和槽14へ新たな洗浄水を補給することもできる。また、洗浄水の張り替え回数は、排ガスの元となる燃料の質や電気集塵機10内の汚れ具合等により濁度が異なるため、目視により適宜決定することができる。
新たに洗浄水を張り替える際は、濁度が高くなった洗浄水を中和槽14に接続されているドレンラインより非定常排水槽20へ排水し、さらに中和槽14には新たな洗浄水を張ることで洗浄水の交換を行い、洗浄作業を継続することができる。洗浄工程は、吐出される洗浄水の勢いで物理的に電気集塵機10内を洗浄することができるが、濁度が高くなった洗浄水は付着物の溶解効率が悪くなるため交換されることが好ましい。
また、第2の洗浄工程を終えた後には、新しく洗浄水を張り替えて第3の洗浄工程を行うことができる。第3の洗浄には、ワンスルーによるリンス洗浄を行うことができる。従来の洗浄工程は非定常排水槽20の容量を考慮して不十分な洗浄のまま、電気集塵機を乾燥させ、稼働させていた。しかしながら、本発明により洗浄排水の絶対量を低減できることにより、第2の洗浄工程の後に新しい洗浄水を用いたワンスルーのリンス洗浄を行うことが可能となり、より電気集塵機10内部の洗浄効果を向上させることが可能となる。
また、本発明で提供される洗浄水を中和・循環するための上記の装置は、車載可能にユニット化することができる。好ましくは、図3に示すように、一つのベース30上に、循環ポンプ35と、炭酸水素ナトリウム注入ポンプ36と、炭酸水素ナトリウム溶解装置37と、撹拌ブロワ38とが積載された装置ユニットが提供できる。装置ユニットには、これらの装置の他にも必要な装置等を積載することができる。例えば図3に示すように、上記装置を制御する動力制御盤32や、炭酸水素ナトリウム溶解装置37に粉末の炭酸水素ナトリウムを投入する作業を行えるよう階段31を備えることも可能である。
このように、電気集塵機10を洗浄するための装置をユニット化することで、洗浄を必要とする別施設に移送して設置や解体作業を行う際の作業時間を短縮し、作業効率を大幅に向上させることが可能となる。また、清浄を必要とする各施設においては受水層12と受水層ポンプ13と中和層14とを用意するのみで、洗浄排水の中和・循環処理を容易に取り入れることが可能となり、これにより延べ洗浄水量の増加と洗浄排水の低減が可能となる。
このベース上に積載された装置ユニットおよび循環層ポンプ35は、図4に示すように動力制御盤32へ配線により接続することができ、一体として制御されることが好ましい。動力制御盤32と各装置とは、2次配線ケーブル41を介し接続される。また、電力制御盤32と受水槽ポンプ13との2次配線ケーブルの接続部には、コネクタ44を備えることが好ましい。これにより一次電源用ケーブル40により一次電源も各施設から得ることができ、設置や解体作業が容易となる。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
(1.洗浄水の量、温度、pHの検討)
(1−1.試験方法)
1mmメッシュ上に供試灰(放電線付着灰)を置き、供試灰の上から洗浄水が洗浄ノズルを通して噴霧できる装置を作製した。また、噴霧した洗浄水がメッシュの下に設置された排水タンクに溜まるように排水タンクを設置した。
(1−2.試験手順)
まず、放電線に固着した付着灰を粉砕し、10〜20mmの大きさとなるように篩分けを行った。次に篩分けされたサンプルを乾燥させ、供試灰質量を計測した。サンプルをメッシュ上に置き、スプレーノズルから洗浄水を0.5L/minの流量で所定時間噴霧した。特に設定の変更がない限り、噴霧時間=30秒、洗浄水量/灰=7.8L/kg、洗浄水温度は28℃(常温)の条件で行った。また、洗浄水は表1に従い、水量(洗浄時間)、温度、pHの値を変更して試験を行った。噴霧終了後、排水タンクに溜まった洗浄水を採取し、メッシュ上に残った灰を乾燥させ供試灰残重量を測定し、灰除去率を次のように算出し、評価した。
灰除去率(%)=(供試灰重量(g)―供試灰残重量(g))/供試灰重量(g)
Figure 2010158604
(1−3.結果)
放電線付着物の除去に関する試験結果を図5に示す。
図5は洗浄水量、洗浄水温度、および洗浄水のpHと灰除去率との相関を示している。結果は洗浄水量の増加に伴い灰除去率の向上を示し、また固着物は溶解性であり、洗浄水を増やすことにより放電線残留付着物を除去することが可能であることを示した。しかしながら、洗浄水の温度を40℃または60℃とした場合には、常温よりも除去率はわずかに上昇するが大幅な向上は見られないという結果となった。また、pH=4.0(HCl添加)、pH=10(NaCO1%添加)、pH=12(NaCO添加)の洗浄水を用いて行った場合も、除去率は純粋の場合と同程度であり、薬品添加により大きな変化は認められなかった。
このような灰除去試験の結果から、放電線への付着残留物を低減するためには、洗浄水量を増加させる手段が最も有効であることが明らかとなった。
(2.放電線付着灰溶解液の中和滴定)
循環洗浄水に添加する炭酸水素ナトリウム(NaHCO)量の概略値を求めるため、放電線付着灰が溶解した洗浄水の中和滴定試験を行った。灰溶解洗浄水には10重量%の濃度(純水90gに放電線付着灰10g溶解)と1重量%の濃度(純水99gに放電線付着灰1g溶解)の2種類を用意し、滴定液には1.0mol/L炭酸水素ナトリウムを用いた。
(2−1.結果)
NaHCO添加量(kg)/灰溶解洗浄水(m)とpHとの関係を図8に示す。10%(mass)灰溶解洗浄水をpH7.0に中和するには、灰溶解洗浄水1mあたりNaHCOが2.3kg必要であった。
(3.実施例)
本発明の電気集塵機の洗浄方法は、表2の実施例のように行うことができる。また比較例として、従来のワンスルーの洗浄方法と比較する。第1の洗浄工程として機械洗浄を行い、この機械洗浄は電気集塵機10内部に設置されている定置ノズルを用いて行う。ノズルは、洗浄水を90m/本・hで使用するものを用い、30分ごとに手動で9つのノズルを切り替え、洗浄する(計4時間30分)。次に第2の洗浄工程として手洗浄を行う。手洗浄の工程は、15m/本・hで洗浄水を使用するホースを3本用いて行う。この時、洗浄水は3回新しく張替え、それぞれ4回循環させるものとする。手洗浄後には、リンス洗浄として新たな洗浄水によるワンスルーの洗浄工程を入れ、また電気集塵機に付属するエアヒータを連続して洗浄する場合について検討した。比較例もエアヒータ洗浄を行うものとする。
Figure 2010158604
表2に示すように、従来の洗浄方法では、機械洗浄とエアヒータ洗浄に使用する洗浄水量も考慮しなければならず、また非定常排水槽が一定であるため、手洗浄で使用できる洗浄水量は限られてしまう。しかしながら、本発明の洗浄方法によれば、手洗浄の工程において洗浄水を循環して使用することができるため、洗浄水量を低減できるとともに、延べ洗浄水量を増やすことが可能となる。これにより、十分な電気集塵機内の洗浄が可能となるとともに、洗浄排水量の低減も図ることができる。
10 電気集塵機
11 ホッパー
12 受水槽
13 受水槽ポンプ
14 中和槽
15 循環ポンプ
16 NaHCO注入ポンプ
17 NaHCO溶解装置
18 撹拌ブロワ
19 pH計
20 非定常排水槽
30 ベース
31 階段
32 動力制御盤
40 一次電源用ケーブル
41 二次配線ケーブル
44 コネクタ

Claims (4)

  1. 電気集塵機の内部を水で洗浄する第1の洗浄工程と、
    第1の洗浄工程の排水を廃棄処理する工程と、
    第1の洗浄工程後、電気集塵機の内部を人の手により水で洗浄する第2の洗浄工程と、
    第2の洗浄工程の排水を炭酸水素ナトリウムにより中和する工程と、
    中和した洗浄排水を第2の洗浄工程で再利用する工程と
    を含む電気集塵機の洗浄方法。
  2. 第2の洗浄工程後に、水で電気集塵機の内部を洗浄する第3の洗浄工程と、
    第3の洗浄工程の排水を廃棄処理する工程と
    をさらに含む請求項1に記載の方法。
  3. 電気集塵機の内部を水で洗浄する洗浄手段と、
    電気集塵機の下部ホッパーの下方にそれぞれ設けられた洗浄廃水を受け取るための複数の受水槽と、
    複数の受水槽から洗浄排水が導入されるとともに、炭酸水素ナトリウムが導入され、洗浄排水が中和される中和槽と、
    中和槽から洗浄手段に中和された洗浄水を送る循環ポンプと
    を備えた電気集塵機の洗浄装置。
  4. 炭酸水素ナトリウムを溶解水として供給するための炭酸水素ナトリウム溶解手段と、
    炭酸水素ナトリウム溶解水を中和槽に導入する注入ポンプと、
    中和槽で槽内の洗浄排水を撹拌するための撹拌手段と
    をさらに備え、循環ポンプと、炭酸水素ナトリウム溶解手段と、注入ポンプと、撹拌手段とが、一つのベース上に配置されている請求項3に記載の装置。
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