JP2010156063A - 繊維構造体およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】極細繊維による緻密な構造を持ちながら同時に高空隙率を有し、フィルターやセパレータ等の各種用途に用いて優れた性能を発揮する繊維構造体およびその製造方法を提供する。
【解決手段】繊維径が1〜1000nmの極細繊維からなる繊維構造体であって、該繊維構造体中に、繊維径が3〜50μm、繊維長が3〜20mmのカットファイバーが、該繊維構造体重量に対して35〜80重量%分散混合されていることを特徴とする繊維構造体とする。また、紡糸溶液に高電圧を印加して極細繊維を紡糸部から紡出し、該紡糸部と空間を挟んで配置された捕集部で紡出した極細繊維を捕集し、その際、該空間にカットファイバーを分散させて供給し、極細繊維とカットファイバーを同時に捕集部で捕集することにより上記繊維構造体を製造する。
【選択図】なし

Description

本発明は、空隙率が高く、かつ極細繊維の特徴を有する繊維構造体に関する。さらに詳しくは、気体および液体ろ過用フィルター、電子部品用セパレータに有用な繊維構造体に関する。
ナノオーダーの繊維径を有する極細繊維からなる構造体は、空隙が小さい、比表面積が大きいなどの形態に起因する、ろ過性能、払拭性能、液体保持性能などに優れることが知られている。例えば、電界紡糸法により成形された極細繊維を使用することにより、圧力損失の上昇を抑えながらも優れたろ過性能を発揮させたろ過材(特許文献1)や、ポリマーアロイ繊維から、海成分を抽出して得られた平均繊維径が500nm以下で直径が1μm以上の繊維状物を使用することにより、保液性に優れたセパレータ(特許文献2)などが開示されている。
しかしながら、特許文献1に記載の接着方法では、厚さ方向に接着材をしみ込ませていることから、該等部分付近の極細繊維が密集し、また、特許文献2では極細繊維が集合しすぎており、いずれも極細繊維特有の性能を発現できる極細繊維の数が少ない。
特開2007−30175号公報 特開2006−244804号公報
本発明の目的は、極細繊維による緻密な構造を持ちながら同時に高空隙率を有し、フィルターやセパレータ等の各種用途に用いて優れた性能を発揮する繊維構造体およびその製造方法を提供することにある。また、上記繊維構造体を用いた、気体または液体のろ過に用いるろ過用フィルター、及び、電子部品用セパレータを提供することである。
本発明者が鋭意検討したところ、上記課題は、以下に記載する繊維構造体およびその製造方法により、解決可能であることを見出した。
すなわち本発明は、繊維径が1〜1000nmの極細繊維からなる繊維構造体であって、該繊維構造体中に、繊維径が3〜50μm、繊維長が3〜20mmのカットファイバーが、該繊維構造体重量に対して35〜80重量%分散混合されていることを特徴とする繊維構造体である。
また、他の本発明は、上記繊維構造体を含むことを特徴とするろ過用フィルター、及び、上記繊維構造体からなることを特徴とする電子部品用セパレータである。
さらに、本発明の製造方法は、上記繊維構造体を製造する方法であって、紡糸溶液に高電圧を印加して極細繊維を紡糸部から紡出し、該紡糸部と空間を挟んで配置された捕集部で紡出した極細繊維を捕集し、その際、該空間にカットファイバーを分散させて供給し、極細繊維とカットファイバーを同時に捕集部で捕集することを特徴とする繊維構造体の製造方法である。
本発明によれば、極細繊維からなる繊維構造体中に特定のカットファイバーが分散混合されていることにより、極細繊維による緻密な構造を持ちながら同時に高空隙率を有する繊維構造体を提供することができる。
したがって、上記繊維構造体を、気体および液体のろ過に用いるろ過用フィルターに使用した場合は、捕集効率に優れるだけでなく低圧力損失であるため、大流量の気体や液体をこれに流すことができる。又、電子部品用セパレータに使用した場合は、緻密な構造を有し、かつ空隙率が大きく電解液保持性が良好であるため、耐短絡性とイオン透過性の両方を満足させることができる。
又、本発明の製造方法によれば、複数の工程を経ずとも繊維径分布のオーダーが異なる、一体型の繊維構造体の製造が極めて容易に行うことが可能であるばかりでなく、カットファイバーが繊維構造体の骨格としての機能も併せ持つため、良好な取扱い性をも達成することができる。
本発明における繊維構造体は、繊維径が1〜1000nmの極細繊維からなる繊維構造体であって、該繊維構造体中に繊維径が3〜50μmで、繊維長が3〜20mm以下のカットファイバーが、該繊維構造体重量に対し、35〜80重量%が分散混合されていることを特徴とする。
上記繊維構造であることによって、極細繊維による緻密な構造を持ちながら同時に高空隙率を有することなり、フィルターやセパレータ等の各種用途に用いて優れた性能を発揮する。
例えば、上記繊維構造体を気体および液体のろ過に用いるろ過用フィルターに使用した場合は、空隙率が確保されることで極細繊維の有効表面積が増加し、高い捕集効率を有しつつ、低圧力損失であり大流量の気体や液体を該フィルターに流すことができる。また、長時間使用しても目詰まりが発生しにくい。
さらに、上記繊維構造体を電子部品用セパレータに使用した場合は、緻密な構造を有し、かつ空隙率が大きく電解液保持性が良好であるため、耐短絡性とイオン透過性の両方を満足させることができる。
本発明において、カットファイバーが「分散混合されている」とは、極細繊維からなる繊維構造体の内外に、カットファイバーが偏在することなく、分配されている状態を指し、かかる構造とすることで前述した効果を発揮することができる。したがって、例えば、極細繊維からなる繊維構造体にカットファイバーからなる繊維構造体を積層させた層構造体の場合には本発明の効果が得られない。
上記極細繊維の繊維径は、1〜1000nmであり、好ましくは10〜600nm、より好ましくは30〜300nmである。繊維径が1nm未満であると得られる強力が著しく低下し、加工時に破損しやすくなり、一方、極細繊維の繊維径が1000nmを越えると、ナノメートルオーダー特有とされる種々の特徴、例えば圧力損失の低下や、微粒子の高捕集効率などが発現されなくなる。
上記の繊維構造体からなる繊維構造体は、極細繊維の繊維径として1〜1000nmを達成することが可能な、乾式不織布製造法により成形され、例えば、特開2006−037276号公報の電界紡糸法などを好ましく挙げることができる。
カットファイバーは、繊維径が、3〜50μm、好ましくは5〜20μmであり、また、繊維長が、3〜20mm、好ましくは5〜15mmである。繊維径が3μm未満、繊維長が3mm未満であると、空隙率が低下しやすくなり、本発明の効果が得られにくい。一方、繊維径が50μmを越え、繊維長が20mmを越えると、後に述べる製造方法において、繊維自体が飛散しにくく捕集が難しくなり、また飛散や捕集ができたとしても、繊維構造体中にカットファイバーを均等に分散混合させることが難しくなり、幅方向、長さ方向に分散ムラの発生しやすくなる。
繊維構造体中のカットファイバーの含有量は、30〜80重量%であり、好ましくは35〜70重量%である。カットファイバーの含有量が30重量%未満であると、空隙率の向上がごく僅かであり、70重量%を超えると、繊維構造体としての形態を保持することが困難となるため、好ましくない。
繊維構造体の厚さは、好ましくは3〜60μm、より好ましくは5〜30μmであり、密度は、好ましくは0.05〜0.5g/cm、より好ましくは0.1〜0.4g/cmである。厚さが3μm未満、密度が0.1μm未満であると、極細繊維のみからなる構造体と同等の空隙率しか得らない。また、厚さが60μmを超え、密度が0.5g/cmを超えると、極細繊維が多い場合は、空隙率の向上が僅かであり、カットファイバーが多い場合は、繊維構造体としての形態を保持することが困難となる。
以上の形態を有する繊維構造体であれば、極細繊維固有の特徴である高捕集効率を有しながらも、カットファイバーのもたらす空隙がさらに極細繊維の表面積を有効にすることで、さらに圧力損失の低いフィルターを提供することが可能である。
また、電解液保持性に優れるためにイオン透過性に優れながら、極細繊維の緻密な構造が耐短絡性を付与するといった、電子部品用セパレータを提供することが可能である。
本発明の極細繊維を構成するポリマーは、それぞれの用途に合わせて選択することが可能であり、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリアクリロニトリル−メタクリレート共重合体、ポリメタクリル酸メチル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン−アクリレート共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン12、ナイロン−4,6などのナイロン系、アラミド、ポリベンズイミダゾール、ポリビニルアルコール、セルロース、酢酸セルロース、酢酸セルロースブチレート、ポリビニルピロリドン−酢酸ビニル、ポリ(ビス−(2−(2−メトキシ−エトキシエトキシ))ホスファゼン)(poly(bis−(2−(2−methoxy−ethoxyethoxy))phosphazene);MEEP)、ポリプロピレンオキサイド、ポリエチレンイミド(PEI)、ポリこはく酸エチレン(poly(ethylenesuccinate))、ポリアニリン、ポリエチレンサルファイド、ポリオキシメチレン−オリゴ−オキシエチレン(poly(oxymethylene−oligo−oxyethylene))、SBS共重合体、ポリヒドロキシ酪酸、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンオキサイド、コラーゲン、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリD,L−乳酸−グリコール酸共重合体、ポリアリレート、ポリプロピレンフマラート(poly(propylenefumalates))、ポリカプロラクトンなどの生分解性高分子、ポリペプチド、タンパク質などのバイオポリマー、コールタールピッチ、石油ピッチなどのピッチ系などの溶融または適正溶媒に溶解可能なポリマーであれば適用可能であり、中でも高強度、高耐熱性、難燃性を兼ね備えた全芳香族ポリアミドは産業資材用途等広い範囲に適用可能であるので特に有用である。
上記のポリマーは共重合体及び混合物なども使用可能である。また、金属アルコキシドを加水分解した曳糸性のゾル溶液も使用可能である。さらに、前記ポリマー溶液に合成樹脂などのエマルジョン或いは有機、無機物の粉末を混合して用いることも可能である。
上記ポリマーの溶媒としては、例えば、(a)揮発性の高いアセトン、クロロホルム、エタノール、イソプロパノール、メタノール、トルエン、テトラヒドロフラン、水、ベンゼン、ベンジルアルコール、1,4−ジオキサン、プロパノール、四塩化炭素、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、塩化メチレン、フェノール、ピリジン、トリクロロエタン、酢酸などと、(b)揮発性が相対的に低いN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、1−メチル−2−ピロリドン(NMP)、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ジメチルカーボネート(DMC)、アセトニトリル(AN)、N−メチルモルホリン−N−オキシド、ブチレンカーボネート(BC)、1,4−ブチロラクトン(BL)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジエチルエーテル(DEE)、1,2−ジメトキシエタン(DME)、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)、1,3−ジオキソラン(DOL)、エチルメチルカーボネート(EMC)、メチルホルマート(MF)、3−メチルオキサゾリジン−2−オン(MO)、メチルプロピオネート(MP)、2−メチルテトラヒドロフラン(MeTHF)、スルホラン(SL)などがある。
カットファイバーを構成するポリマーは、用途に合わせて選択可能であり、例えば、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリアクリロニトリル−メタクリレート共重合体、ポリメタクリル酸メチル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン−アクリレート共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン12、ナイロン−4,6、アラミド、ポリベンズイミダゾール、ポリビニルアルコール、ポリプロピレンオキサイド、ポリエチレンイミド(PEI)、ポリエチレンサルファイドなどを挙げることができる。
以上に説明した本発明の繊維構造体は以下の方法によって製造することができる。すなわち、紡糸溶液に高電圧を印加して極細繊維を紡糸部から紡出し、該紡糸部と空間を挟んで配置された捕集部で紡出した極細繊維を捕集し、その際、該空間にカットファイバーを分散して供給し、極細繊維とカットファイバーを同時に捕集部で捕集することによって、カットファイバーが分散混合された本発明の繊維構造体を成形することができる。
上記の紡糸溶液に高電圧を印加して極細繊維を紡糸部から紡出し、該紡糸部と空間を挟んで配置された捕集部で紡出した極細繊維を捕集する方法(以下、電界紡糸法と称することがある)には、例えば、注射針や紡糸口金等の紡糸部から紡糸溶液(以下、ポリマー溶液と称することがある)を押出しながら高電圧を印加し、アースへ接地もしくは負電圧印加した対向電極部である捕集部で極細繊維を収集するといった手法がある。
カットファイバーは、圧縮空気、送気ブロアにより、又は落下させることにより単糸が分かれるように分散させ、電界紡糸を実施する空間へ供給する。カットファイバーを供給する供給部に設けられた供給口は、紡糸部と捕集部の間であれば、いずれの位置もしくは方向に向けて設置しても良い。
上記のように成形した繊維構造体は、適用する用途に合わせて、加熱加圧処理を施しても差し支えなく、該処理を施すことにより、密着性、加工性が向上するといった利点もある。
さらに図によって具体的に説明する。図1は本発明の繊維構造体の製造装置を示す概略図である。
図1における紡糸部においては、極細繊維の原料となるポリマー溶液を貯蔵する紡糸ノズル2に、ポリマー溶液を押し出すポリマー供給機4が接続されており、さらに該紡糸ノズル2には高電圧電源5が接続されている。該紡糸ノズル2は材料としては、導電材料、例えば金、銀、銅、鉄などを用いることができる。
また、この紡糸ノズル2に対向して、捕集部である平面状の対向電極3とが配置されており、この対向電極3は接地されている。図1では、対向電極3はコンベア形状をなしており、エンドレスに回転することができる。対向電極3は、図1に示すコンベア状の電極に限らず、平面状又は曲面状金属製電極など種々の形状の電極を使用することができる。また、対向電極3は通気性を有し、その裏側に図1のようにサクションボックス8を設置することも可能である。紡糸ノズル2から対向電極3までの距離は5〜30cmまでが生産性の観点から好適である。
さらに、図1の装置においては、ポリマー溶液から揮発した溶媒を回収できるように、これらの紡糸ノズル2及び対向電極3は、所定の容器1内に収容されている。容器1には揮発した溶媒を吸引する吸引装置6が接続されており、また吸引装置6に吸引された空気は大気に放出されるかもしくは記載していない溶媒回収装置などが接続される。容器1から吸引装置6の間には吸引流量調整バルブ7が配置される。容器1の材料は絶縁材料、例えば、ガラス/ゴムなどを使用する。なお、繊維の原料となるポリマー溶液に溶媒を使用しないもしくは回収する必要がない場合など容器1を設置する必要がないことはいうまでもない。
図1の装置においては、カットファイバーを、紡糸部と捕集部の間の空間、すなわち紡糸ノズル2と対抗電極3の間の空間に、カットファイバーを開繊、分散、攪拌等して供給するためのサイクロン装置9が設けられ、該サイクロン装置9の上部は開放されておりその開放部分に分散メッシュ10が配置されている。また、このサイクロン装置9には空気供給口11が取り付けられており、圧縮空気又は送気ブロアなどを接続し空気を送り込むことによりサイクロン装置9内に貯蔵されているカットファイバーを開繊、分散、攪拌等させることができる。
上記図1の装置を用いて繊維構造体を製造するためには、まず、ポリマー供給機4を稼働させることにより貯蔵した極細繊維の原料となるポリマー溶液を紡糸ノズル2の先端から押し出す。紡糸ノズル2及び対向電極3間に高電圧を印加すると、帯電した液状のポリマーはその溶媒が揮発し、凝固して極細繊維となり対向電極3に向かって進行する。
このように、極細繊維を紡糸している状態で、サイクロン装置9に空気供給口11から空気を送り込むことによりカットファイバー18が該サイクロン装置9の上部に設置されている分散メッシュ10を通過して、紡糸ノズル2と対抗電極3の間に供給される。カットファイバー18は開繊されて帯電しているため、紡糸ノズル2と対抗電極3の間を浮遊した後対向電極3に積層される。さらに対向電極3の裏に設置されているサクションボックス8を稼働させることにより、カットファイバー18及び極細繊細19はより積極的に捕捉され、対向電極3に積層させることができる。
また、上記の製造装置においては、図1に示すように、作製した繊維構造体12を搬送する搬送装置13、該繊維構造体12に熱処理を行う熱処理装置14、作製した繊維構造体12を回収する繊維構造体回収装置17(例えば、巻き取り装置)などを設けることができる。また、この際、上記の繊維構造体12に、例えば不織布などからなる基材15を接合させることもでき、該基材15を供給するための基材供給装置16(例えば、巻き出し装置)を設けてもよい。これらの装置については、製造する繊維構造体の構成や加工方法等により必要に応じて設置すればよい。
さらに本発明の繊維構造体は、図2に示すように、紡糸ノズル2と対抗電極3間の空間の上部にカットファイバーを供給するサイクロン装置を設けた装置によっても製造することができる。図2においては、開繊機20で開繊したカットファイバーをサイクロン装置21に貯蔵した後、空気供給口22より空気を送り込むことにより攪拌しサイクロン装置21の下部に設置されている分散メッシュ23を通過して、該カットファーバーを落下させながら容器1内に供給する。その後、紡糸ノズル2から押し出されたポリマー溶液が凝固して極細繊維19を形成し、カットファイバー18とともに対向電極3に積層される。
この様にして極細繊維とカットファイバーからなる成形体であって、緻密な構造を持ちながらも高空隙率を有しており、さらに極細繊維特有の性能を発揮できる極細繊維の有効本数が多い繊維構造体を作製することができる。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに詳細に説明する。しかし、以下の例によって、本発明が限定されることはない。
(1)フィルター性能評価
繊維構造体を、平均繊維径25μm、目付け50g/mのポリプロピレンからなるスパンボンド不織布に乗せて積層体とし、この積層体を100mm×100mmに切り出し、0.3μmのNaCl粒子の試験用粉塵含有空気を面速度5.3cm/sになるように調整し、フィルター前後の圧力差(圧力損失)を微差圧計にて測定し、さらに積層体の上流側および下流側におけるNaCl粒子濃度CINおよびCOUTを、それぞれパーティクルカウンタによって測定し、下記式によって捕集効率を求めた。フィルターとして使用する際には、圧力損失は低い方が好ましく、捕集効率は高い方が好ましい。
捕集効率(%)=(1−CIN/COUT)×100
(2)セパレータ性能評価(マクミラン数×厚さ)
複合構造体を200mmφに切り出し、2枚のSUS電極に挟み、10kHzでの交流インピーダンスから算出した伝導度で電解液のイオン伝導度を除し、算出する。電解液は1M LiBFEC/PCを重量比で1/1に調整したものを用い、測定温度は25℃とする。この数値と複合構造体の厚さの積が250μm以下であれば、セパレータとして使用する際のイオン透過が良く好ましい。
[実施例1]
特公昭47−10863号公報実施例1記載の方法に準じ、界面重合法によりメタ型芳香族ポリアミドを主成分とする芳香族ポリアミド粉末状体を製造した。繊維構造体の製造には、図1に示す装置を用い、上記で得られた芳香族ポリアミド粉末状体を、溶媒N,N−ジメチルアセトアミドに、10:90の重量比で溶解させたポリマー溶液を調製し、このポリマー溶液を紡糸ノズル2から電解紡糸法にて高圧電源5により電圧20kVを印加して押し出し、芳香族ポリアミド極細繊維19を成形した。また、該電解紡糸を行うと同時に、5mm長となるようにカットした帝人テクノプロダクツ(株)製テイジンコーネックス(繊維径が約10μm)のカットファイバー18を、0.3MPaの圧縮空気を空気供給口から送り込み、カットファイバーをサイクロン装置9内で分散させ、さらに10メッシュの金網からなる分散メッシュ10を通過させて、紡糸ノズル2と対向電極3の間の空間に飛散させ、極細繊維19と共に捕集部である対向電極3に積層させ、全目付けが1.2g/mの繊維構造体を得た。図1においては、熱処理装置14が設けられ、基材15を供給する例が記載されているが、熱処理は行わず、また、基材を供給することなく極細繊維19とカットファイバー18からなる繊維構造体を製造し、これを巻き取り式の繊維構造体回収装置17により回収した。得られた繊維構造体を、前述したようにポリプロピレンからなるスパンボンド不織布に積層して、フィルター性能評価を行った。また、得られた繊維構造体のマクミラン数を測定しセパレータ性能を評価した。結果を表1に示す。
[実施例2]
繊維構造体にカレンダー加工を実施した以外は、実施例1記載の方法と同様にして繊維構造体を得、各種評価を行った。結果を表1に示す。
[実施例3]
ポリマー溶液において、芳香族ポリアミド粉末状体:溶媒N,N−ジメチルアセトアミドの重量比を10:90から7:93に変更した以外は、実施例1と同様にして繊維構造体を得、各種評価を行った。結果を表1に示す。
[実施例4]
ポリマー溶液において、芳香族ポリアミド粉末状体:溶媒N,N−ジメチルアセトアミドの重量比を10:90から15:85に変更した以外は、実施例1と同様にして繊維構造体を得、各種評価を行った。結果を表1に示す。
[実施例5]
テイジンコーネックスのカットファイバーを、帝人ファイバー(株)製ポリエチレンテレフタレート繊維(繊維径が約20μm)を長さ8mmとなるようにカットしたカットファイバーに変更した以外は、実施例1と同様にして繊維構造体を得、各種評価を行った。結果を表1に示す。
[比較例1]
カットファイバーを使用しなかった以外は、実施例1と同様にして、極細繊維のみからなる繊維構造体を得、各種評価を行った。得られた結果を表1に示す。
[比較例2]
芳香族ポリアミドポリマー溶液の代わりに、(株)クラレ製ポリビニルアルコールを、溶媒である水に、17:85の重量比で溶解させて調製したポリマー溶液を用いた以外は、実施例1と同様にして繊維構造体を得、各種評価を行った。結果を表1に示す。
[比較例3]
カットファイバーの長さを5mmから、30mmに変更した以外は、実施例1と同様の繊維構造体を得た。得られた繊維構造体は容易に破損するため、各種評価は実施しなかった。
[比較例4]
テイジンコーネックスのカットファイバーを、帝人ファイバー(株)製ポリエチレンテレフタレート繊維(繊維径が約70μm)を長さ8mmとなるようにカットしたカットファイバーに変更した以外は、実施例1と同様にして繊維構造体を得た。得られた繊維構造体は容易に破損するため、各種評価は実施しなかった。
Figure 2010156063
本発明によれば、極細繊維による緻密な構造を持ちながら同時に高空隙率を有し、フィルターやセパレータ等の各種用途に用いて優れた性能を発揮する繊維構造体を提供することができるため、該繊維構造体は、気体または液体のろ過に用いるろ過用フィルターや、電子部品用セパレータ等として、きわめて高い性能を発揮する。また、本発明の製造方法によれば、上記繊維構造体を容易に製造することができる。
本発明の繊維構造体を製造する装置の概略図である。 本発明の繊維構造体を製造する他の装置の概略図である。
符号の説明
1 電界紡糸装置用容器
2 紡糸ノズル
3 対向電極
4 ポリマー供給装置
5 高圧電源
6 吸引装置
7 吸引流量調整バルブ
8 サクションボックス
9 サイクロン装置
10 分散メッシュ
11 空気供給口
12 繊維構造体
13 搬送装置
14 熱処理装置
15 別基材
16 基材供給装置
17 繊維構造体回収装置
18 カットファイバー
19 極細繊維
20 開繊機
21 サイクロン装置
22 空気供給口

Claims (8)

  1. 繊維径が1〜1000nmの極細繊維からなる繊維構造体であって、該繊維構造体中に、繊維径が3〜50μm、繊維長が3〜20mmのカットファイバーが、該繊維構造体重量に対して35〜80重量%分散混合されていることを特徴とする繊維構造体。
  2. 厚さが3〜60μm、密度が0.05〜0.5g/cmである請求項1の繊維構造体。
  3. 極細繊維が、電界紡糸法によって成形されている請求項1または2に記載の繊維構造体。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の繊維構造体を含むことを特徴とするろ過用フィルター。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の繊維構造体からなる特徴とする電子部品用セパレータ。
  6. 請求項1記載の繊維構造体を製造する方法であって、紡糸溶液に高電圧を印加して極細繊維を紡糸部から紡出し、該紡糸部と空間を挟んで配置された捕集部で紡出した極細繊維を捕集し、その際、該空間にカットファイバーを分散させて供給し、極細繊維とカットファイバーを同時に捕集部で捕集することを特徴とする繊維構造体の製造方法。
  7. 紡糸部と捕集部の間の空間に、カットファイバーを圧縮空気または送気ブロアにより吹き上げて供給する請求項6記載の繊維構造体の製造方法。
  8. 紡糸部と捕集部の間の空間に、カットファイバーを落下させて供給する請求項6記載の繊維構造体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN103952780A (zh) * 2014-05-06 2014-07-30 嘉兴学院 一种静电纺微纳米纤维的负压气流收集方法和装置
EP2710652B1 (en) 2011-05-20 2017-10-18 Dreamweaver International, Inc. Single-layer lithium ion battery separator
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