JP2010150293A - アレルギー疾患の治療に有用な化合物をスクリーニングする方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】試験化合物が、Vimentin又はその機能的断片に特異的に結合するか否かを判定する工程を含む、アレルギー疾患の治療に有用な化合物をスクリーニングする方法。
【選択図】なし
Description
インタールは、抗原抗体反応に伴って起こるマスト細胞からのヒスタミンやSRS−A等の化学伝達物質の遊離(すなわち、脱顆粒)を抑制する作用を有すること等が知られている(例えば、治療薬マニュアル2004,医学書院,p301参照)。
しかし、上記のような多大な努力にもかかわらず、インタールが直接作用し、かつその薬理活性を十分に説明し得るターゲットの同定は、未解決な問題であった。
そのため、インタールの効果を超える又はその代替となる医薬の創出は困難を極めてきた。このことから、該医薬を創出するために、インタールと同様の作用メカニズムおよび薬理活性を有する化合物をスクリーニングする効率的な方法の開発が必要とされている。
〔1〕試験化合物が、Vimentin又はその機能的断片に特異的に結合するか否かを判定する工程を含む、アレルギー疾患の治療に有用な化合物をスクリーニングする方法。
〔2〕アレルギー疾患の治療に有用な化合物をスクリーニングする為の方法であって、以下の工程を含む方法;
(1)Vimentin又はその機能的断片を試験化合物に接触させる工程、
(2)該試験化合物が、Vimentin又はその機能的断片に特異的に結合するか否かを判定する工程、及び
(3)上記(2)の工程においてVimentin又はその機能的断片に特異的に結合する試験化合物を選択する工程。
〔3〕アレルギー疾患の治療に有用な化合物をスクリーニングする為の方法であって、以下の工程を含む方法;
(1)配列番号2のアミノ酸配列を有するタンパク質又はその機能的断片を試験化合物に接触させる工程、
(2)該試験化合物が、該タンパク質又はその機能的断片に特異的に結合するか否かを判定する工程、及び
(3)上記(2)の工程において該タンパク質又はその機能的断片に特異的に結合する試験化合物を選択する工程。
〔4〕アレルギー疾患の治療に有用な化合物をスクリーニングする為の方法であって、以下の工程を含む方法;
(1)配列番号2のアミノ酸配列において1又は2以上のアミノ酸を欠失、置換又は付加してなるアミノ酸配列を有し、以下の化合物と結合する、という特徴を有するタンパク質又はその機能的断片を試験化合物に接触させる工程、
(3)上記(2)の工程において該タンパク質又はその機能的断片に特異的に結合する試験化合物を選択する工程。
〔5〕上記〔1〕〜〔4〕の何れか1項に記載のスクリーニング方法によって得られるアレルギー疾患の治療に有用な化合物。
〔6〕Vimentinと特異的に結合する化合物を有効成分として含有する医薬組成物。
〔7〕Vimentinの発現を制御する化合物を有効成分として含有する医薬組成物。
〔8〕Vimentinの活性を制御する化合物を有効成分として含有する医薬組成物。
〔9〕アレルギー疾患の治療用である、上記〔6〕〜〔8〕の何れか1項に記載の医薬組成物。
〔10〕式(I)で表される化合物又はその医薬上許容される塩:
R2およびR2’は、同一または異なって、カルボン酸、アミドもしくはエステル(これらは、低級アルキルで置換されていてもよい)、またはテトラゾールであり;
Q1およびQ1’は、同一または異なって、O、S、NH、またはCH2であり;
Q2およびQ2’は、同一または異なって、C=O、C=S、C=NH、C=NOH、C=NOR3、O、アルキレンまたはNHであり;
Xは、CH2、O、S、NHまたはNR3(ここで、R3は、置換されていてもよいアルキルまたはシクロアルキルである)である]
ただし、以下の化合物を除く:
本発明は、Vimentinを用いてアレルギー疾患の治療に有用な化合物をスクリーニングする方法、ならびに該スクリーニングによって得られ得る化合物を有効成分として含む新しいタイプの抗アレルギー剤を提供する。
本明細書において、「核酸分子」とは、一本鎖または二本鎖のDNAまたはRNAのことを意味する。本明細書において、「ヌクレオチド配列」とは、特に言及しない限り、デオキシリボヌクレオチド(A、G、C、およびTで表す)の配列、またはリボヌクレオチド(A、G、C、およびUで表す)の配列を意味する。本明細書中において、特に言及しない限り、一本鎖ヌクレオチド配列は、左端が5’末端、右端が3’末端を表す。
あるいは、ヒトVimentinとしては、例えば、配列番号2のアミノ酸配列と、60%以上、70%以上、80%以上、好ましくは90%以上、特に好ましくは95%以上の相同性を有するアミノ酸配列で表わされるタンパク質であり、かつ、インタールと特異的に結合し得るタンパク質が挙げられる。
相同性を測定するための好ましい方法としては、試験する二つの配列間の最も大きな適合関係部分を得るように設計したものが挙げられる。このような方法は、コンピュータープログラムとして構築されているものが挙げられる。二つの配列間の相同性を測定するための好ましいコンピュータープログラム法としては、GCG プログラムパッケージ(Devereux,J. et al.,Nucleic Acids Research,12(1):387(1984))、BLASTP、FASTA等が挙げられるが、これらに限定されるものでなく、当該分野で公知の方法を使用することができる。
Vimentin又はその機能的断片が、インタールと特異的に結合するか否かを確認するためにインタールが使用され得る。インタールは、商業的に入手可能であり、また、公知技術に従って製造することもできる。
Vimentin又はその機能的断片に結合し得る化合物は、インタールと同様に、ヒトまたは非ヒト哺乳動物(例えば、サル、ウマ、ウシ、ヒツジ、イヌ、ネコ、ウサギ、マウス、ラット、モルモットなど)に対して、優れた抗アレルギー作用を有し得る。従って、本発明の医薬組成物は、種々のアレルギー性疾患(例えば、気管支喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、花粉症等)の治療剤として有用である。
さらに、Vimentinの発現や活性を直接的または間接的に制御する化合物もまた、アレルギー性疾患の治療に有用であり得る。
Vimentinの発現や活性を制御する化合物または物質としては、例えば、VimentinをコードするDNA、VimentinをコードするDNAが挿入されたベクター、Vimentinタンパク質等が挙げられる。
R2およびR2’は、同一または異なって、カルボン酸、アミドもしくはエステル(これらは、低級アルキルで置換されていてもよい)、またはテトラゾールであり;
Q1およびQ1’は、同一または異なって、O、S、NH、またはCH2であり;
Q2およびQ2’は、同一または異なって、C=O、C=S、C=NH、C=NOH、C=NOR3、O、CH2またはNHであり;
Xは、CH2、O、S、NHまたはNR3(ここで、R3は、置換されていてもよいアルキルまたはシクロアルキルである)である]
これらの置換基は、該鎖状炭化水素基上に化学的に許容される範囲において置換される。ただし、置換基の数が2個以上の場合は同一または相異なっていてもよい。
散剤は、薬学的に許容される散剤の基剤と共に製剤化される。基剤としては、タルク、ラクトース、澱粉等が挙げられる。
ドロップは水性又は非水性の基剤と一種又はそれ以上の薬学的に許容される拡散剤、懸濁化剤、溶解剤等と共に製剤化できる。
カプセルは、有効成分となる化合物を薬学的に許容される担体と共に中に充填することにより製造できる。当該化合物は薬学的に許容される賦形剤と共に混合し、又は賦形剤なしでカプセルの中に充填することができる。
カシェ剤も同様の方法で製造できる。本発明を坐剤として調製する場合、植物油(ひまし油、オリーブ油、ピーナッツ油等)や鉱物油(ワセリン、白色ワセリン等)、ロウ類、部分合成もしくは全合成グリセリン脂肪酸エステル等の基剤と共に通常用いられる手法によって製剤化される。
注射用液剤としては、溶液、懸濁液、乳剤等が挙げられる。例えば、水溶液、水−プロピレングリコール溶液等が挙げられる。液剤は、水を含んでも良い、ポリエチレングリコール及び/又はプロピレングリコールの溶液の形で製造することもできる。
局所投与剤としては、上記の液剤及び、クリーム、エアロゾル、スプレー、粉剤、ローション、軟膏等が挙げられる。上記の局所投与剤は、有効成分となる化合物と薬学的に許容される希釈剤及び担体とを混合することによって製造できる。軟膏及びクリームは、例えば、水性又は油性の基剤に増粘剤及び/又はゲル化剤を加えて製剤化する。該基剤としては、例えば、水、液体パラフィン、植物油等が挙げられる。増粘剤としては、例えばソフトパラフィン、ステアリン酸アルミニウム、セトステアリルアルコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ラノリン、水素添加ラノリン、蜜蝋等が挙げられる。局所投与剤には、必要に応じて、ヒドロキシ安息香酸メチル、ヒドロキシ安息香酸プロピル、クロロクレゾール、ベンザルコニウムクロリド等の防腐剤、細菌増殖防止剤を添加することもできる。ローションは、水性又は油性の基剤に、一種類又はそれ以上の薬学的に許容される安定剤、懸濁化剤、乳化剤、拡散剤、増粘剤、着色剤、香料等を加えることができる。
本スクリーニング方法において、Vimentin又はその機能的断片は、精製あるいは未精製のタンパク質(ポリペプチド)又はその(機能的)断片として用いることもできるし、細胞内で発現した状態で使用することもできる。
Vimentin又はその(機能的)断片は、(1)それらを産生する細胞の培養物又は組織を原料として単離精製する方法、(2)化学的に合成する方法、又は(3)遺伝子組換え技術等によりVimentin又はその(機能的)断片を発現するように操作された細胞から精製する方法等の公知手法を適宜用いることによって取得することができる。
まず、組織あるいは培養物をそのまま濾過又は遠心分離等の常法に付して組織もしくは細胞あるいは上清を回収する。細胞中に所望するタンパク質が蓄積されている場合には、当該回収した細胞を適当な緩衝液剤中に懸濁して、さらに界面活性剤を適当な濃度で加えて膜を可溶化する。界面活性剤としてはドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、セチルトリメチルアンモニウムブロマイド(CTAB)等が挙げられるが、これらは強力なタンパク質変性作用を有するので、タンパク質が生物活性を持つように折り畳まれるためには、例えばTritonX−100等の穏やかな非イオン性界面活性剤を用いることが好ましい。
次いで、得られる粗抽出液を、必要ならば界面活性剤の存在下で、一般に用いられる方法を適宜組み合わせることによって該タンパク質又はその機能的断片を単離精製する。一般に用いられる方法としては、例えば、塩析、溶媒沈澱法等の溶解度を利用する方法、透析、限外濾過、ゲル濾過、SDS−PAGE等の分子量の差を利用する方法、イオン交換クロマトグラフィー等の荷電を利用する方法、アフィニティークロマトグラフィー等の特異的親和性を利用する方法、逆相高速液体クロマトグラフィー等の疎水性の差を利用する方法、等電点電気泳動等の等電点の差を利用する方法等が挙げられる。より具体的には、例えば、減圧濃縮、凍結乾燥、常用の溶媒による抽出、pH調整、陰イオン交換樹脂又は陽イオン交換樹脂、非イオン性吸着樹脂等の常用の吸着剤による処理、結晶化、再結晶化等の慣用の方法によって分離、精製することができる。
また、遺伝子組換え技術等によりVimentin又はその(機能的)断片を発現するように操作された細胞から取得する場合には、具体的には以下のようにして行う。
まず、Vimentin又はその機能的断片をコードする遺伝子を機能的に含有する発現ベクターを調製する。
Vimentin又はその機能的断片をコードする遺伝子は、いかなる方法で得られるものであってもよい。例えば、mRNAから調製される相補DNA(cDNA)、ゲノミックライブラリーから調製されるゲノミックDNA、化学的に合成されるDNA、RNA又はDNAを鋳型としてPCR法により増幅させて得られるDNA及びこれらの方法を適当に組み合わせて構築されるDNA等が含まれる。
例えば、配列番号1(GenBank登録番号M14144)に示されるヒトVimentinの全コード領域の塩基配列から実質的になるDNAの全部又は一部を含むDNA等が例示される。また、上記塩基配列中の任意の塩基を置換、欠失させる技術(例えばインビトロ突然変異誘発、部位特異的突然変異誘発等)を利用することもできる。
ストリンジェントな条件は、所望する相同性やオリゴヌクレオチドの長さ等をもとに適宜当分野で利用されている計算式に当てはめて算出することができる。例えば、42℃でのハイブリダイゼーション、及び1×SSC、0.1%のSDSを含む緩衝液による42℃での洗浄処理や、65℃でのハイブリダイゼーション、及び0.1×SSC、0.1%のSDSを含む緩衝液による65℃での洗浄処理等が例示される。
ここで「機能的に」とは、そのベクターに適合する宿主細胞内で該遺伝子(DNA)が転写され、それにコードされるタンパク質が産生され得るように該遺伝子が配置されていることを意味する。好ましくは、プロモーター領域、開始コドン、Vimentin又はその機能的断片をコードする遺伝子、終止コドン及びターミネーター領域が連続的に配列された発現カセットを有するベクターである。形質転換体選択のためには選択マーカー遺伝子をさらに含有することが好ましい。
例えば哺乳動物細胞を形質転換する場合、動物ウイルス、例えばSV40、RSV、MMLV等のプロモーター及びポリアデニル化シグナルが制限酵素部位、好ましくはマルチクローニング部位を介して連結したプラスミドに、pSV2−neo、pSV2−dhfr等のプラスミド由来の選択マーカー遺伝子(ネオマイシン耐性遺伝子、ジヒドロ葉酸還元酵素等)を挿入したプラスミドが使用できる。
宿主細胞は使用する発現ベクターに適合し、形質転換され得るものであれば特に限定されず、本発明の技術分野において通常使用される天然細胞或いは人工的に樹立された組換え細胞等種々の細胞が利用できる。具体的には、大腸菌、枯草菌等の細菌、酵母等の真菌類、動物細胞又は昆虫細胞等が例示される。好ましくは哺乳動物細胞、特にラット由来細胞、ハムスター由来細胞(CHO、BHK等)、マウス由来細胞(COP、L、C127、Sp2/0、NS−1、NIH T3等)、サル由来細胞(COS1、COS3、COS7、CV1、Velo等)及びヒト由来細胞(HeLa、2倍体線維芽細胞由来細胞、ミエローマ細胞、Namalwa、Jurkat細胞等)が挙げられる。
発現ベクターの宿主細胞への導入は従来公知の方法を用いて行うことができる。例えば、哺乳動物細胞に導入する場合、リン酸カルシウム共沈澱法、プロトプラスト融合法、マイクロインジェクション法、エレクトロポレーション法、リソソーム法等が挙げられる。
培養は当分野において知られている方法により行われる。培養条件はタンパク質の発現が可能な条件であって、例えば温度、培地のpH及び培養時間は当該タンパク質が大量に生産されるように適宜選択される。
例えば、宿主が動物細胞である場合、培地としては例えば約5〜20%のウシ胎児血清(FCS)を含む最小必須培地(MEM)、ダルベッコ変法イーグル培地(DMEM)、RPMI−1640培地、199培地等を用いることができる。培地のpHは約6〜8であることが好ましく、培養は通常30〜40℃で約15〜72時間行われ、必要により通気や攪拌を行うこともできる。
本発明のVimentin又はその機能的断片は上記培養により得られる培養物から、前述のVimentin又はその機能的断片を発現している細胞あるいは組織からの抽出・単離・精製と同様にして採取することができる。
(1)1,3−ビス(2−カルボキシクロモン−5−イルオキシ)−2−ハイドロオキシプロパンの合成
1H−NMR(DMSO−d6) δ:4.30(4H,d),4.36(1H,t),5.32(1H,bs),6.86(2H,s),7.11(2H,d),7.17(2H,d),7.71(2H,t).
(2)1,3−ビス(2−カルボキシクロモン−5−イルオキシ)−2−ハイドロオキシプロパン固定化樹脂の合成
1,3−ビス(2−カルボキシクロモン−5−イルオキシ)−2−ハイドロオキシプロパン(187.3mg,0.4mmol)のアセトニトリル懸濁液(4.8ml)にホスゲンのトルエン溶液(1.65mol/l,24μl)を加えた。得られた反応液をそのまま室温において1時間攪拌した。スピードバック装置(approx.−90kPa)で5分間減圧濃縮後、得られた濃縮液をTOYOパール樹脂(TSKgel AF−amino,1ml)、ジイソプロピルエチルアミン(35μl,0.2mmol)のアセトニトリル懸濁液(5ml)に加え、室温で終夜攪拌させた。得られた樹脂をアセトニトリル、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水の順にそれぞれ5回ずつ洗浄した。
(b)アセチルキャッピング
(a)の工程で得られた樹脂に無水酢酸(2ml)、DMF(8ml)を加え、1時間室温で処理させた後、DMF、20%エタノール水溶液で5回洗浄した。反応終点はニンヒドリン反応で残存アミノ基が観測できなくなることで確認した。最後にTOYOパール樹脂を5回洗浄した。
(1)RBL−2H3細胞ライセートの調製
RBL−2H3細胞(250mg)を混合液A(2.5ml, 50mM Sucrose, 300μM N,N−ジエチルジチオカルバメートナトリウム塩, 25mM Urea, 2mM ジチオスレイトール, 1μM CaCl2, 25mM Tris−HCl pH7.5)に混ぜ、超音波により破砕した。9,000rpmで10分間遠心分離し、得られた上清をライセートとして使用した。なお、実験はすべて4℃あるいは氷上で行った。
(2)結合実験
製造例1で調製した試験化合物が固定化された固定化樹脂および実施例2(1)で調製したRBL−2H3細胞ライセートを用い、下記に示す手順で結合実験を行った。
樹脂(10μl)とライセート(1ml)を4℃で約1時間、静かに振とうした。その後、遠心分離操作を行い、各々の上澄みを注意深く採集した。そして、各上澄み液を再びフレッシュな化合物結合樹脂(10μl)と混合した。この時、分離した化合物結合樹脂を1回目の結合実験樹脂として4℃にて静かに保存しておく。1時間ほど静かに撹拌した後に、遠心分離操作を行い、上澄み液を除去した。こうして2回目の結合実験で得られた化合物結合樹脂と1回目で得られた樹脂とを混合液Aにて5回程度丁寧に洗浄し、樹脂上に結合するタンパク質以外を出来る限り除いた。こうして得られた各化合物結合樹脂に30μLのSDS用loading buffer(nakalai Cat.NO=30566-22、電気泳動用sample buffer solution with 2-ME(2-mercaptoethanol)(2X) for SDS PAGE)を加え、25℃で10分間撹拌した。こうして得られたサンプル液を市販のSDSゲル(BioRad readyGel J,10%SDS,cat. NO=161-J371V)で分離し、そのSDSゲルを解析した(図1)。1回目で得られた結合樹脂上に結合するタンパク質を含むサンプル液の電気泳動像(図1、レーン1)、および2回目で得られた結合樹脂上に結合するタンパク質を含むサンプル液の電気泳動像(図1、レーン2)とを比較した。
その結果、インタールを固定した樹脂にVimentinが結合し、しかもその結合は、化合物結合樹脂との1回目の結合実験で顕著に確認され、2回目の結合実験では殆ど観察されないことから特異的な結合であることが示された。
<インタールPEGアミンの合成>
1H−NMR(CD3OD) δ:1.77−1.84(4H,m),3.01(2H,t),3.40(2H,t),3.46−3.53(12H,m),4.30−4.32(5H,m),6.90(1H,d),6.92(1H,d),7.04(1H,d),7.05(1H,d),7.49−7.66(2H,m).
LC−MS:671.1,純度99%(254nm)
<インタール固定化チップの合成>
Biacore社CM5チップ(#BR−1000−14)に、BIAapplications Handbook (Biacore刊)記載の方法で、上記で合成したインタールPEGアミンを固定化した。なお、対照データは、同じ方法で2−エタノールアミンを固定化したチップを用いることによって得た。
<Vimentinサンプル作製>
Vimentinは、PROGEN Biotechnik社より購入したStandard Human Vimentin(cat.No.62015)を、Runningバッファー(0.25M Sucrose, 25mM Tris−HCl pH7.5, 0.3mM N,N−ジエチルジチオカルバメートナトリウム,25mM ウレア、1mM 塩化カルシウム)でバッファー交換をしてKd測定に用いた。
<Kd値測定>
Kdの測定は、Biacore3000(Biacore)を用いたSPR(表面プラズモン共鳴)スペクトル測定によって行った。上記の手順で作製したCM5上にインタールを固定化したチップに、上記のRunningバッファーを毎分20μlで流した。ここに、上記の手順で作製したVimentinを段階的に希釈したサンプル(0.29nM−4.6μM)を各5分間注入し、得られたSPRスペクトルをBIAevaluation software Ver.4.1 (Biacore)で解析することにより、Kd:56nMを得た。
以上の結果より、インタールとVimentinとの相互作用は特異的結合であることが証明された。
Claims (2)
- 式(I)で表される化合物又はその医薬上許容される塩:
R2およびR2’は、同一または異なって、カルボン酸、アミドもしくはエステル(これらは、低級アルキルで置換されていてもよい)、またはテトラゾールであり;
Q1およびQ1’は、同一または異なって、O、S、NH、またはCH2であり;
Q2およびQ2’は、同一または異なって、C=O、C=S、C=NH、C=NOH、C=NOR3、O、アルキレンまたはNHであり;
Xは、CH2、O、S、NHまたはNR3(ここで、R3は、置換されていてもよいアルキルまたはシクロアルキルである)である]
ただし、以下の化合物を除く:
- 請求項1記載の化合物又はその医薬上許容される塩を含有する、アレルギー疾患の治療剤。
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