JP2010135527A - 半導体記憶装置およびその製造方法 - Google Patents

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Takahiro Morikawa
貴博 森川
Kenzo Kurotsuchi
健三 黒土
Yoshitaka Sasako
佳孝 笹子
Satoru Hanzawa
悟 半澤
Norikatsu Takaura
則克 高浦
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Abstract

【課題】多値記録が可能なメモリセルを備えた半導体記憶装置の性能を向上させる。
【解決手段】シリコン基板1上に配置された複数のメモリセルmc1を有する半導体記憶装置であって、個々のメモリセルmc1は直列に接続された選択素子D1と複数の記憶素子RM1,RM2,RM3を有し、個々の記憶素子RM1,RM2,RM3は、ジュール熱によって抵抗値が変化する機能を有する抵抗変化層rvとその上面と下面とにそれぞれ配置された電極E1,E2,E3とを有する。それぞれのメモリセルmc1のうち、異なる記憶素子RM1,RM2,RM3を構成する抵抗変化層rvは同じ材料からなり、異なる記憶素子RM1,RM2,RM3を構成する電極E1,E2,E3はそれぞれ異なる導体材料からなっている。
【選択図】図2

Description

本発明は、半導体記憶装置に関し、特に、相変化材料を含む記憶素子を備えた半導体装置に適用して有効な技術に関するものである。
不揮発性半導体記憶装置のうち、所謂フラッシュメモリが広く知られている。このフラッシュメモリは、近年、パーソナルコンピュータやデジタルカメラ等の小型携帯情報機器の記憶装置として急速に需要が拡大している。その市場の拡大にはメモリセル面積の縮小によるビットコストの低減が重要な要素である。しかし、微細化を進めるほど電極間の絶縁破壊などによる劣化が生じやすいことから、微細化は困難になると予想される。このような状況の中、微細化に適した記憶素子として抵抗素子を用いる相変化メモリやReRAM(Resistance Random Access Memory)などが研究されている。
例えば、特開2003−100085号公報(特許文献1)には、相変化メモリ技術として、材料の非晶質(非結晶、アモルファス)状態と結晶状態との間の電気抵抗の差を、電流量あるいは電圧変化で検出する記憶装置に関する技術が開示されている。また、カルコゲナイド材料を用いた相変化メモリの特性に関しても、報告が行われている(例えば非特許文献1参照)。
また、例えば、特開2006−510220号公報(特許文献2)には、1つのメモリ素子と直列に接続した2つのアクセス装置で構成されたメモリの構造が開示されている。ここでは、アクセス装置として、カルコゲナイド材料を電極で挟んだ構造が開示されている。
また、例えば、特開2008−078663号公報(特許文献3)には、結晶化温度が異なる2つの相変化材料を適用し、高温相変化メモリセルと低温相変化メモリセルとを備えた相変化メモリセルの構造が開示されている。
また、ReRAMとしては、金属酸化物材料への通電時に発生するジュール熱によって、材料中に微細な金属の導電性フィラメントを生成、または、消滅させることにより、抵抗値を変化させる技術が知られている。
上記のような可変抵抗メモリ素子の記録密度向上のために、複数の可変抵抗層を接続して、多値記録(マルチレベルメモリ)状態を実現するメモリセル構造が提案されている。
例えば、特開2006−108645号公報(特許文献4)には、2個の相変化層と電極とを並列または直列に接続して、1つのメモリセルを構成することで、マルチレベルメモリ状態を実現する技術が開示されている。
また、例えば、特開2007−214419号公報(特許文献5)には、複数個の相変位メモリ素子を複数層に積層し、かつ、加熱素子を適用することで、記憶容量の増大を実現する技術が開示されている。
特開2003−100085号公報 特開2006−510220号公報 特開2008−078663号公報 特開2006−108645号公報 特開2007−214419号公報 「アイ・トリプル・イー インターナショナル エレクトロン デバイス ミーティング, テクニカル ダイジェスト(IEEE International Electron Devices meeting, TECHNICAL DIGEST)」,(米国),2001年,p.803−806
上記のような技術によって多値記録技術を実現した半導体記憶装置において、更なる高集積化による高性能化を本発明者らが検討したところ、以下のような課題が見出された。
上記特許文献4に開示された技術では、電流−時間関係の特性曲線が互いに異なる第1相変化層と第2相変化層とを適用することで、2個の相変化素子を選択的に抵抗変化させている。ここでは、十分な動作マージンを得るために、各相変化素子を構成する相変化材料が互いに異なっている必要がある。
本発明者らの検討によれば、異なる相変化材料を用いた場合、その加工工程は複雑になり、第1相変化層と第2相変化層とを一括して加工することは困難である。従って、第1相変化層に接する電極と第2相変化層に接する電極とを別の工程で作製するため、追加のフォトリソグラフィ工程およびエッチング工程が必要になる。このように、複数回のフォトリソグラフィ工程、エッチング工程による場合、マスクの合わせずれに対するマージンなどを取る必要があることなどから、より微細な加工は困難となる。
このように、上記特許文献4の技術では、マルチレベル相変化メモリは実現できるものの、製造プロセスの観点から、更なる高集積化による高性能化は困難であることが、本発明者らの検討により明らかになった。また、上記特許文献4で開示されている構造および動作方式の場合、記録データが1セル当たり2ビットに限定されるため、さらなる大容量化に制限があることも課題である。
また、上記特許文献5に開示された技術では、複数個の相変位メモリ素子に対応するように配置した加熱素子により、1つの相変化メモリ素子を選択的に相変化させることで、多値記憶を実現している。
本発明者らの検討によれば、上記のような加熱素子を適用した場合、一つのメモリセル自体の占有面積は大きくなる。また、加熱素子を駆動するための回路も必要になる。結果的に、メモリアレイの面積が大きくなる。
このように、上記特許文献5の技術では、相変位メモリの多値化による記憶容量の増大は実現できるものの、デバイス構造の観点から、更なる高集積化による高性能化は困難であることが、本発明者らの検討により明らかになった。
そこで、本発明の目的は、多値記録が可能なメモリセルを備えた半導体記憶装置の性能を向上させる技術を提供することにある。
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
本願においては複数の発明が開示されるが、そのうちの一実施例の概要を簡単に説明すれば以下の通りである。
半導体基板上に配置された複数のメモリセルを有する半導体記憶装置であって、個々のメモリセルは、電気的に直列に接続されるように積層して配置された選択素子と複数の記憶素子とを有し、個々の記憶素子は、ジュール熱によって抵抗値が変化する機能を有する抵抗変化層とその上面と下面にそれぞれ配置された電極とを有し、複数のメモリセルのそれぞれを構成する複数の記憶素子のうち、異なる記憶素子を構成する抵抗変化層はそれぞれ同じ材料からなり、同一の記憶素子を構成する電極はそれぞれ同じ導体材料からなり、異なる記憶素子を構成する電極はそれぞれ異なる導体材料からなっている。
本願において開示される複数の発明のうち、上記一実施例により得られる効果を代表して簡単に説明すれば以下のとおりである。
即ち、多値記録が可能なメモリセルを備えた半導体記憶装置の性能を向上させることができる。
本実施の形態を説明するための全図において同一機能を有するものは同一の符号を付すようにし、その繰り返しの説明は可能な限り省略するようにしている。以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
(実施の形態1)
本発明者らが検討したメモリセルを有する半導体記憶装置の概要は以下の通りである。
相変化メモリの基本的なメモリセルの構造は、相変化材料を有する記憶素子と選択素子とを組み合わせた構造である。相変化メモリは、選択素子から電流を加えることで記憶素子に発生するジュール熱により相変化材料を結晶状態、もしくは非晶質状態にすることで情報を記憶、保持する。その書き換えは、相変化材料を電気的に高抵抗の非晶質状態にするか、電気的に低抵抗の結晶状態にする。非晶質状態にする場合、大電流を印加し、相変化材料の温度が融点以上となるようにした後、急冷する。結晶状態にする場合、印加する電流を制限して、融点よりも低い結晶化温度になるようにする。このような相変化材料としては、カルコゲナイドを主体とする材料が用いられる。本発明者が検討した相変化メモリでは、記憶素子の抵抗値は、相変化材料の相変化により、2桁から3桁変化する。このため、相変化メモリは、相変化材料が結晶か非晶質かによって読み出し信号が大きく異なり、センス動作が容易である。
また、ReRAMでは、可変抵抗材料を有する記憶素子への通電時に発生するジュール熱によって、材料中に微細な金属の導電性フィラメントを生成、または、消滅させることにより抵抗値を変化させる。記憶を担う可変抵抗材料は、酸化チタン(TiO)、酸化ニッケル(NiO)などの遷移金属酸化物を用いる。この点、相変化材料としてカルコゲナイドを用いる相変化メモリとは異なるが、通電時のジュール熱によって材料の抵抗値を変化させる点では、相変化メモリとReRAMとは同様である。ReRAMのメモリセル構造は、選択素子と記憶素子とを組み合わせた構造であり、この点でも相変化メモリと同様である。
以下では、本実施の形態1のメモリセルを有する半導体記憶装置を説明する。
図1には、本実施の形態1の半導体記憶装置の要部平面図を示している。この平面図には、便宜上ハッチングを付している。周辺回路を含むシリコン基板(半導体基板)1上には、第1金属配線EL1および第2金属配線EL2が配置されている。複数の第1金属配線EL1は、それぞれ平行に、シリコン基板1の主面に沿って延在するようにして配置されている。同様に、複数の第2金属配線EL2は、それぞれ平行に、シリコン基板1の主面に沿って延在するようにして配置されている。また、第1金属配線EL1と第2金属配線EL2とは、平面的に見て互いに交差するようにして配置されている。また、第1金属配線EL1は第2金属配線EL2よりもシリコン基板1に近い位置に配置されている。言い換えれば、第1金属配線EL1は第2金属配線EL2よりも下層に配置されている。以下、下層と表す場合、よりシリコン基板1に近い方に配置された層を表す。上層はその逆である。
第1金属配線EL1と第2金属配線EL2との間の層において、両者が平面的に重なる位置に、メモリセルmc1が配置されている。即ち、本実施の形態1の半導体記憶装置は、シリコン基板1上に配置された複数のメモリセルmc1を有している。以下では、本実施の形態1の半導体記憶装置が有するメモリセルmc1の構造を、図2〜図5の要部断面図を用いて説明する。図2および図3は、図1の第2金属配線EL2に沿う断面図である。特に、図2は図1中のA1−A1線に沿って矢印方向に見た要部断面図であり、図3は図1中のA2−A2線に沿って矢印方向に見た要部断面図である。また、図4および図5は、図1の第1金属配線EL1に沿う断面図である。特に、図4は図1中のB1−B1線に沿って矢印方向に見た要部断面図であり、図5は図1中のB2−B2線に沿って矢印方向に見た要部断面図である。A1−A1線およびB1−B1線はメモリセルmc1を横断し、A2−A2線およびB2−B2線はメモリセルmc1を横断しない。
本実施の形態1の半導体記憶装置が有するメモリセルmc1は、図2〜図5を用いて説明する以下の構成を有する。
第1金属配線EL1は、タングステン(W)を主体とする導体膜であり、10nm以上、100nm以下の膜厚である。第1金属配線EL1は薄すぎると配線抵抗が高くなり、厚すぎると加工後の形状制御が困難となるので、前記の膜厚が好適である。
シリコン基板1上に延在するようにして配置された第1金属配線EL1の上には、選択素子D1が配置されている。選択素子D1は下層から順に、p型多結晶シリコンp1,n型多結晶シリコンn1,n型多結晶シリコンn2によって構成されている。下層のp型多結晶シリコンp1はホウ素(B)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)などを多く含み、p型導電型を有する。n型多結晶シリコンn1は真性状態(Intrinsic)に近く、高抵抗な層である。上層のn型多結晶シリコンn2はリン(P)、ヒ素(As)などを多く含み、n型導電型を有する。選択素子D1は、上記の3層からなるPINダイオードである。下層のp型多結晶シリコンp1から上層のn型多結晶シリコン層n2までの合計膜厚は、30nm以上、250nm以下である。
ここで、上述の第1金属配線EL1はタングステン以外の金属材料を主体とする導体膜であっても良いが、タングステンを主体とする導体膜である方がより好ましい。なぜなら、第1金属配線EL1上に配置されたp型多結晶シリコンp1としてホウ素を含む多結晶シリコンを適用する場合、第1金属配線EL1としてタングステン膜を適用すれば、両者の接触抵抗を低くすることができるからである。
更に、メモリセルmc1は、選択素子D1上に配置された複数の記憶素子を有する。本実施の形態1のメモリセルmc1は、複数の記憶素子として、選択素子D1上に積層された3つの記憶素子RM1〜RM3を有し、下層から、第1記憶素子(記憶素子、複数の記憶素子)RM1、第2記憶素子(記憶素子、複数の記憶素子)RM2、第3記憶素子(記憶素子、複数の記憶素子)RM3として表す。複数の記憶素子RM1,RM2,RM3は、それぞれがシリコン基板1上に積層されるようにして配置され、それらは、選択素子D1上に積層されるようにして配置されている。そして、個々のメモリセルmc1を構成する選択素子D1および複数の記憶素子RM1,RM2,RM3は互いに電気的に直列に接続されるようにして配置されている。以下では、個々のメモリセルmc1を構成する複数の記憶素子は3つであるとして説明するが、この個数に限定されるものではなく、2つ以上であればいくつで構成されていても良い。
以下では、一つのメモリセルmc1を構成する複数の記憶素子RM1〜RM3のうち、個々の記憶素子の構成に関して詳しく説明する。第1記憶素子RM1は、抵抗変化層rvと、その両面を挟む第1電極(電極)E1とを有している。即ち、第1電極E1は、抵抗変化層rvの上面と下面とにそれぞれ配置されている。同様に、第2記憶素子RM2は、抵抗変化層rvと、その両面を挟む第2電極(電極)E2とを有している。同様に、第3記憶素子RM3は、抵抗変化層rvと、その両面を挟む第3電極(電極)E3とを有している。
抵抗変化層rvとは、ジュール熱によって抵抗値が変化する機能を有する層である。このような抵抗変化層rvは、上述のように、カルコゲナイド材料のような相変化材料でも良いし、金属酸化物のような可変抵抗材料でも良い。本実施の形態1のメモリセルmc1に適用する抵抗変化層rvの材料種に関しては、当該半導体記憶装置の用途によって、より適した材料種を選択し得る。これらの使い分けに関しては、後に詳しく説明する。
また、抵抗変化層rvの膜厚は、厚すぎると駆動電圧が高くなり、薄すぎると安定した抵抗変化動作ができなくなる。この観点から、抵抗変化層rvの膜厚は2nm以上、100nm以下とするのが好ましい。特に、抵抗変化層rvとしてカルコゲナイド材料を適用する場合は、その膜厚は5nm以上、100nm以下とするのがより好ましい。また、抵抗変化層rvとして金属酸化物材料を適用する場合は、その膜厚は2nm以上、20nm以下とするのがより好ましい。
電極E1,E2,E3とは、抵抗値の低い導体材料からなり、例えば、窒化タンタル(TaN)、窒化アルミニウム(AlN)、ケイ窒化タンタル(TaSiN)、窒化チタン(TiN)、窒化ジルコニウム(ZrN)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)などを適用できる。これらの材料種を具体的にどのように選択するか、また、その膜厚に関しては、後に詳しく説明する。
ここで、一つのメモリセルmc1を構成する選択素子D1および複数の記憶素子RM1〜RM3の接続関係をより詳しく説明すると以下の通りである。まず、選択素子D1の下層のp型多結晶シリコンp1は、第1金属配線EL1と接触することで、互いに電気的に接続している。
また、選択素子D1の上層のn型多結晶シリコンn2は、第1記憶素子RM1の下層の第1電極E1と互いに電気的に接続している。ここでは、選択素子D1のn型多結晶シリコンn2と第1記憶素子RM1の第1電極E1との間の接触抵抗が高い場合や相互拡散が起こり易い場合には、両者間にケイ化チタン(TiSi)やケイ化ニッケル(NiSi)などのシリサイド層、あるいは、バッファ層bfを形成しても良い。このようなバッファ層bfは、その膜厚が厚すぎると記憶素子RM1〜RM3の駆動電圧が高くなるため、50nm以下とするのが好ましい。
また、第1記憶素子RM1の上層の第1電極E1は、第2記憶素子RM2の下層の第2電極E2と接触している。第2記憶素子RM2の上層の第2電極E2は、第3記憶素子RM3の下層の第3電極E3と接触することで、互いに電気的に接続している。
また、第3記憶素子RM3の上層の第3電極E3は、第2金属配線EL2と接触することで、互いに電気的に接続している。以上のようにして、下層から、第1金属配線EL1、選択素子D1、第1記憶素子RM1、第2記憶素子RM2、第3記憶素子RM3、第2金属配線EL2の順に、互いに直列に接続されている。
なお、第2金属配線EL2は、タングステンを主体とする導体膜である。また、第2金属配線EL2と第3記憶素子RM3の上層の第3電極E3との合計膜厚は200nm以下である。第2金属配線EL2は厚すぎると加工が困難となるので、前記の膜厚が好適である。
上記で説明したメモリセルmc1および両金属配線EL1,EL2は、酸化シリコンを主体とする絶縁膜からなる層間絶縁膜ILによって覆われている。
本実施の形態1の半導体記憶装置が有する複数のメモリセルmc1では、更に以下のような特徴を有する。
一つのメモリセルmc1を構成する複数の記憶素子RM1,RM2,RM3のうち、異なる記憶素子を構成する抵抗変化層rvは、それぞれ同じ材料からなる。言い換えれば、第1記憶素子RM1の抵抗変化層rvと、第2記憶素子RM2の抵抗変化層rvと、第3記憶素子RM3の抵抗変化層rvとは、同じ材料によって構成される。
また、一つのメモリセルmc1を構成する複数の記憶素子RM1,RM2,RM3のうち、同一の記憶素子を構成する電極E1〜E3は、それぞれ同じ導体材料からなる。言い換えれば、第1記憶素子RM1を構成する抵抗変化層rvの上下層の第1電極E1は互いに同じ材料である。また、第2記憶素子RM2を構成する抵抗変化層rvの上下層の第2電極E2は互いに同じ材料である。また、第3記憶素子RM3を構成する抵抗変化層rvの上下層の第3電極E3は互いに同じ材料である。
また、一つのメモリセルmc1を構成する複数の記憶素子RM1,RM2,RM3のうち、異なる記憶素子を構成する電極E1〜E3は、それぞれ異なる導体材料からなる。言い換えれば、第1記憶素子RM1を構成する第1電極E1と、第2記憶素子RM2を構成する第2電極E2と、第3記憶素子RM3を構成する第3電極E3とは、互いに異なる材料によって構成される。
このように、本実施の形態1のメモリセルmc1では、個々の記憶素子RM1,RM2,RM3間で比較して、同じ材料からなる抵抗変化層rvを有し、異なる材料からなる電極E1,E2,E3を有する。即ち、本実施の形態1のメモリセルmc1では、電極E1,E2,E3に差異を持たせ、各記憶素子RM1,RM2,RM3に異なる作用を及ぼすことで、多値記録を可能にする。従って、複数の記憶素子RM1,RM2,RM3それぞれにおいて同一の抵抗変化層rvを適用しつつ、多値記録を実現できる。これにより、上述したような製造プロセス上の問題を回避することができ、半導体記録装置の更なる高集積化による高性能化を実現できる。結果として、多値記録が可能なメモリセルを備えた半導体記憶装置の性能を、向上させることができる。製造プロセスにもたらす効果に関しては、後に詳しく説明する。
以下では、本実施の形態1のメモリセルmc1において、一つのメモリセルmc1を構成する各記憶素子RM1,RM2,RM3ごとに、電極E1,E2,E3を構成する材料を変えることでもたらされる上述の効果に関して、より詳しく説明する。
図6には、本実施の形態1の一つのメモリセルmc1を模式的に表した説明図を示している。選択素子D1としてのダイオードおよび各記憶素子RM1,RM2,RM3は直列に接続されているため、これらの構成要素には同一の電流Ipが流れる。メモリセルmc1に流す電流Ipを、特にプログラミング電流Ipと言うこともある。本実施の形態1のメモリセルmc1では、各記憶素子RM1,RM2,RM3において、同じ材料種の抵抗変化層rvを用いている。従って、それぞれの記憶素子RM1,RM2,RM3において、同一のプログラミング電流Ipによって生じるジュール熱による相変化の程度は同様となる。このままでは、各記憶素子RM1,RM2,RM3の抵抗値を差別化できず、多値記録は実現し難い。
そこで、本実施の形態1のメモリセルmc1では、各記憶素子RM1,RM2,RM3を構成する電極E1,E2,E3に、それぞれ異なる導体材料を適用する。これにより、同一のプログラミング電流Ipであっても、各記憶素子RM1,RM2,RM3ごとに抵抗変化層rvの相変化の程度を選択的に制御することができる。
特に、各電極E1,E2,E3において、その熱伝導率が異なる導体材料を適用することで、各記憶素子RM1,RM2,RM3の抵抗変化層rvの相変化に有意な差を持たせることができる。即ち、本実施の形態1のメモリセルmc1では、一つのメモリセルmc1を構成する複数の記憶素子RM1,RM2,RM3のうち、異なる記憶素子RM1,RM3,RM3を構成する電極E1,E2,E3は、それぞれ、熱伝導率の異なる導体材料からなる。これにより、各記憶素子RM1,RM2,RM3を流れるプログラミング電流Ipが同一であり、それぞれの抵抗変化層rvに生じるジュール熱が同様であっても、そのジュール熱が各電極E1,E2,E3を介して発散される程度に差を持たせることができる。以下でより詳しく説明する。
一例として、各記憶素子RM1,RM2,RM3を構成する各電極E1,E2,E3のうち、異なる記憶素子RM1,RM2,RM3を構成する電極E1,E2,E3は、シリコン基板1に近い位置(下層)に配置されたものほど、高い熱伝導率を有するとして説明する。言い換えれば、第1記憶素子RM1を構成する第1電極E1の熱伝導率は、第2記憶素子RM2を構成する第2電極E2の熱伝導率よりも高く、その第2電極E2の熱伝導率は、第3記憶素子RM3を構成する第3電極E3の熱伝導率よりも高い。
これにより、熱伝導率が最も高い第1電極E1に挟まれた第1記憶素子RM1の抵抗変化層rvでは、プログラミング電流Ipによって生じるジュール熱が最も発散され易くなる。また、熱伝導率が最も低い第3電極E3に挟まれた第3記憶素子RM3の抵抗変化層rvでは、プログラミング電流Ipによって生じるジュール熱が最も発散され難くなる。従って、一つのメモリセルmc1全体に同一のプログラミング電流Ipが流れ、同程度のジュール熱が発生しても、各記憶素子RM1,RM2,RM3ごとに抵抗変化層rvの上昇温度は異なり、相変化の程度を差別化できる。
図7には、上記のような構成の本実施の形態1のメモリセルmc1における、プログラミング電流Ipの変化に対しての、各記憶素子RM1,RM2,RM3の抵抗(素子抵抗)Rdの変化を表すグラフ図を示している。素子抵抗Rdとは、各電極E1,E2,E3および各抵抗変化層rvからなる、個々の記憶素子RM1,RM2,RM3自体の抵抗を表している。図中、第1記憶素子RM1の特性は特性F1、第2記憶素子RM2の特性は特性F2、第3記憶素子RM3の特性は特性F3として表す。図7(a)は、各記憶素子RM1,RM2,RM3があらかじめ低抵抗状態にある、即ち、各抵抗変化層rvがあらかじめ結晶状態にあるときに、プログラミング電流Ipを印加した場合の特性である。また、図7(b)は、各記憶素子RM1,RM2,RM3があらかじめ高抵抗状態にある、即ち、各抵抗変化層rvがあらかじめ非晶質状態にあるときに、プログラミング電流Ipを印加した場合の特性である。
まず、図7(a)を用い、低抵抗状態から始まる第1記憶素子RM1の特性を説明する。第1記憶素子RM1の抵抗変化層rvが結晶状態(低抵抗状態)にあるときの素子抵抗Rdの値を、第1低抵抗値Rc1と表す。また、第1記憶素子RM1の抵抗変化層rvが非晶質状態(高抵抗状態)にあるときの素子抵抗Rdの値を、第1高抵抗値Ra1と表す。第1記憶素子RM1に流れるプログラミング電流Ipを上昇させていくと、ジュール熱により第1記憶素子RM1の抵抗変化層rvが加熱される。そして、ある臨界電流に達したときに、抵抗変化層rvは非晶質化されて高抵抗になる。初期に第1低抵抗値Rc1を有していた第1記憶素子RM1が、第1高抵抗値Ra1に遷移する臨界のプログラミング電流Ipの値を、第1高抵抗化遷移電流値Ir1と表す。言い換えれば、結晶状態にある第1記憶素子RM1の抵抗変化層rvは、第1高抵抗化遷移電流値Ir1のプログラミング電流Ipがもたらすジュール熱によって非晶質化する。
上記の説明は、第2記憶素子RM2、第3記憶素子RM3にも適用できる。即ち、図7(a)のように、第2記憶素子RM2の特性では、初期に第2低抵抗値Rc2を有する状態から、プログラミング電流Ipを印加していくと、第2高抵抗化遷移電流値Ir2を境界にして、第2高抵抗値Ra2を有する状態に遷移する。また、第3記憶素子RM3の特性では、初期に第3低抵抗値Rc3を有する状態から、プログラミング電流Ipを印加していくと、第3高抵抗化遷移電流値Ir3を境界にして、第3高抵抗値Ra3を有する状態に遷移する。
そして、ここでは、上述のように、第1記憶素子RM1を構成する第1電極E1、第2記憶素子RM2を構成する第2電極E2、第3記憶素子RM3を構成する第3電極E3の順に高い熱伝導率を有した構造を例示している。従って、直列接続している各記憶素子RM1,RM2,RM3には同一のプログラミング電流Ipが流れ、各抵抗変化層rvには同様のジュール熱が生じるが、その散逸量は素子によって異なる。より具体的には、同じジュール熱であっても、熱伝導率が高い第1電極E1に挟まれた第1記憶素子RM1の抵抗変化層rvではジュール熱が放熱され易く、最も加熱され難い。即ち、第1記憶素子RM1の抵抗変化層rvを高抵抗化する(非晶質化する)には、より大きな値のプログラミング電流Ipが必要になる。言い換えれば、上述の各高抵抗化遷移電流Ir1,Ir2,Ir3は、以下のような大小関係を有する。即ち、第1高抵抗化遷移電流値Ir1は第2高抵抗化遷移電流値Ir2より大きく、第2高抵抗化遷移電流値Ir2は第3高抵抗化遷移電流値Ir3より大きい。
次に、図7(b)を用い、高抵抗状態から始まる第1記憶素子RM1の特性を説明する。第1記憶素子RM1に流れるプログラミング電流Ipを上昇させていくと、ジュール熱により第1記憶素子RM1の抵抗変化層rvが加熱される。そして、ある臨界電流に達したときに、抵抗変化層rvは結晶化されて低抵抗になる。初期に第1高抵抗値Ra1を有していた第1記憶素子RM1が、第1低抵抗値Rc1に遷移する臨界のプログラミング電流Ipの値を、第1低抵抗化遷移電流値Is1と表す。言い換えれば、非晶質状態にある第1記憶素子RM1の抵抗変化層rvは、第1低抵抗化遷移電流値Is1のプログラミング電流Ipがもたらすジュール熱によって結晶化する。
上記の説明は、第2記憶素子RM2、第3記憶素子RM3にも適用できる。即ち、図7(b)のように、第2記憶素子RM2の特性では、初期に第2高抵抗値Ra2を有する状態から、プログラミング電流Ipを印加していくと、第2低抵抗化遷移電流値Is2を境界にして、第2低抵抗値Rc2を有する状態に遷移する。また、第3記憶素子RM3の特性では、初期に第3高抵抗値Ra3を有する状態から、プログラミング電流Ipを印加していくと、第3低抵抗化遷移電流値Is3を境界にして、第3低抵抗値Rc3を有する状態に遷移する。
そして、ここでは、上述のように、第1記憶素子RM1を構成する第1電極E1、第2記憶素子RM2を構成する第2電極E2、第3記憶素子RM3を構成する第3電極E3の順に高い熱伝導率を有した構造を例示している。従って、直列接続している各記憶素子RM1,RM2,RM3には同一のプログラミング電流Ipが流れ、各抵抗変化層rvには同様のジュール熱が生じるが、その散逸量は素子によって異なる。より具体的には、同じジュール熱であっても、熱伝導率が高い第1電極E1に挟まれた第1記憶素子RM1の抵抗変化層rvではジュール熱が放熱され易く、最も加熱され難い。即ち、第1記憶素子RM1の抵抗変化層rvを低抵抗化する(結晶化する)には、より大きな値のプログラミング電流Ipが必要になる。言い換えれば、上述の各低抵抗化遷移電流Is1,Is2,Is3は、以下のような大小関係を有する。即ち、第1低抵抗化遷移電流値Is1は第2低抵抗化遷移電流値Is2より大きく、第2低抵抗化遷移電流値Is2は第3低抵抗化遷移電流値Is3より大きい。
そして、一般的には、この各素子の特性における各低抵抗化遷移電流値Is1,Is2,Is3は、それぞれ、上述の各高抵抗化遷移電流値Ir1,Ir2,Ir3よりも小さい。従って、初期状態の素子抵抗Rdが高抵抗状態(抵抗変化層rvが非結晶状態)であり、この状態からプログラミング電流Ipを印加していくと、各記憶素子RM1,RM2,RM3の特性はU字型のプログラミング特性となる。
本実施の形態1のメモリセルmc1では、上記の様な異なるプログラミング特性を有する複数の記憶素子RM1,RM2,RM3を直列に接続した構造を備えることで、多値記録を実現できる。以下では、上記図6、図7を用いて、本実施の形態1のメモリセルmc1の多値記録方法について詳しく説明する。
まず、3つの記憶素子RM1,RM2,RM3が全て高抵抗状態にあるとき、メモリセルmc1の抵抗(メモリ抵抗)Rmの値は、第1高抵抗値Ra1、第2高抵抗値Ra2および第3高抵抗値Ra3の和になる。これを、第1状態M1と表す。
更に、第1状態M1から、メモリセルmc1に第3低抵抗化遷移電流値Is3以上、第2低抵抗化遷移電流値Is2未満の電流を印加すると、第3記憶素子RM3のみが低抵抗状態に遷移する。これを、第2状態M2と表す。第2状態M2のメモリ抵抗Rmの値は、第1高抵抗値Ra1、第2高抵抗値Ra2および第3低抵抗値Rc3の和になる。
更に、第2状態M2から、メモリセルmc1に第2低抵抗化遷移電流値Is2以上、第1低抵抗化遷移電流値Is1未満の電流を印加すると、第3記憶素子RM3に加え、第2記憶素子RM2も低抵抗状態に遷移する。これを、第3状態M3と表す。第3状態M3のメモリ抵抗Rmの値は、第1高抵抗値Ra1、第2低抵抗値Rc2および第3低抵抗値Rc3の和になる。
更に、第3状態M3から、メモリセルmc1に第1低抵抗化遷移電流値Is1以上、第3高抵抗化遷移電流値Ir3未満の電流を印加すると、第2、第3記憶素子RM2,RM3に加え、第1記憶素子RM1も低抵抗状態に遷移する。これを、第4状態M4と表す。第4状態M4のメモリ抵抗Rmの値は、第1低抵抗値Rc1、第2低抵抗値Rc2および第3低抵抗値Rc3の和になる。
更に、第4状態M4から、メモリセルmc1に第3高抵抗化遷移電流値Ir3以上、第2高抵抗化遷移電流値Ir2未満の電流を印加すると、第3記憶素子RM3のみが高抵抗状態に遷移する。これを、第5状態M5と表す。第5状態M5のメモリ抵抗Rmの値は、第1低抵抗値Rc1、第2低抵抗値Rc2および第3高抵抗値Ra1の和になる。
更に、第5状態M5から、メモリセルmc1に第2高抵抗化遷移電流値Ir2以上、第1高抵抗化遷移電流値Ir1未満の電流を印加すると、第3記憶素子RM3に加え、第2記憶素子RM2も高抵抗状態に遷移する。これを、第6状態M6と表す。第6状態M6のメモリ抵抗Rmの値は、第1低抵抗値Rc1、第2高抵抗値Ra2および第3高抵抗値Ra3の和になる。
更に、第6状態から、メモリセルmc1に第1高抵抗化遷移電流値Ir1以上の電流を印加すると、第2、第3記憶素子RM2,RM3に加え、第1記憶素子RM1も高抵抗状態に遷移する。この状態は、全ての記憶素子RM1,RM2,RM3が高抵抗化している第1状態M1と同様であり、第1状態M1に戻ったことになる。そのメモリ抵抗Rmの値も第1状態M1と同様である。
このように、本実施の形態1のメモリセルmc1では、あるプログラミング電流Ipにおいて、メモリ抵抗Rmが安定する状態が複数存在する(状態M1〜M6)。これらの安定状態M1〜M6を記憶状態に対応させることで、一つのメモリセルmc1で複数の情報を記憶する多値記録化を実現できる。
以上は、第1状態M1、第2状態M2、第3状態M3、第4状態M4、第5状態M5、第6状態M6と順に遷移させるシーケンスを説明した。一方、例えば、第1状態M1にあるメモリセルmc1に、第1低抵抗化遷移電流値Is1以上、第3高抵抗化遷移電流値Ir未満のプログラム電流Ipを印加することで、第4状態M4に直接遷移させることも可能である。
また、第1高抵抗化遷移電流値Ir1以上のプログラミング電流Ipを印加して一旦全ての素子を高抵抗化した後に、対応する範囲のプログラミング電流Ipを印加して所望の安定状態M1〜M6に遷移させることも可能である。同様に、第1低抵抗化遷移電流値Is1以上、第3高抵抗化遷移電流値Ir3未満のプログラミング電流Ipを印加して一旦全ての素子を低抵抗化した後に、対応する範囲のプログラミング電流Ipを印加して所望の安定状態M1〜M6に遷移させることも可能である。
また、素子抵抗Rdの各低抵抗値Rc1,Rc2,Rc3の差が小さい場合、あるいは、素子抵抗Rdの各高抵抗値Ra1,Ra2,Ra3の差が小さい場合がある。この場合、2つの素子が高抵抗で1つの素子が低抵抗であるような2つの状態、即ち、第2状態M2と第6状態M6との差が小さくなる。同様に、1つの素子が高抵抗で2つの素子が低抵抗であるような2つの状態、即ち、第3状態と第5状態との差が小さくなる。これらの場合、両状態間の区別が困難になる。この場合、各状態の抵抗閾値を読み出しが可能なように設定し、例えば、高抵抗状態にある素子の数が0個、1個、2個、3個となる4状態を安定な記録状態としても良い。
また、上記では、抵抗変化層rvを構成する材料として、カルコゲナイド材料のような相変化材料でも良いし、金属酸化物のような可変抵抗材料でも良いとして説明した。実際には、本実施の形態1のメモリセルmc1を適用する半導体記憶装置の用途によって、より適した材料種を選択し得る。
カルコゲナイド材料のうち、テルル(Te)を含むカルコゲナイド材料(GeSbTe,GSTとも言う)は高速で相変化させることができる。即ち、抵抗変化が高速である。従って、Teを含むカルコゲナイド材料を抵抗変化層rvとして用いることで、記憶素子RM1,RM2,RM3を高速で書き換えることが可能である。このような理由から、本実施の形態1のメモリセルmc1を高速動作性が望まれる用途として用いる場合、抵抗変化層rvは、少なくともTeを含むカルコゲナイド材料からなる相変化材料を用いる方が、より好ましい。結果として、多値記録が可能なメモリセルを備えた半導体記憶装置の性能を、更に向上させることができる。
また、金属酸化物材料のうち、Ni,Ti,Mn,Ta,W,Moの少なくとも1つの元素を含む金属酸化物材料は、相変化状態の高温耐性が優れている。即ち、これらの金属酸化物を抵抗変化層rvとして用いることで、記憶素子RM1,RM2,RM3の高温でのデータ保持特性を向上させることができる。このような理由から、本実施の形態1のメモリセルmc1を高温耐性が望まれる用途として用いる場合、抵抗変化層rvは、Ni,Ti,Mn,Ta,W,Moの少なくとも1つの元素を含む金属酸化物材料を用いる方が、より好ましい。結果として、多値記録が可能なメモリセルを備えた半導体記憶装置の性能を、更に向上させることができる。このような金属酸化物材料には、一例として、酸化ニッケル(NiO)や酸化チタン(TiO)などがある。
このように、各記憶素子RM1,RM2,RM3の抵抗変化層rvとしてカルコゲナイド材料、または、金属酸化物材料のいずれを用いるかは、適用する半導体記憶装置の仕様用途や使用環境などを考慮して、上記特徴に合わせて選択する。
また、上記では、一例として、第1記憶素子RM1の第1電極E1、第2記憶素子RM2の第2電極E2、第3記憶素子RM3の第3電極E3の順に、熱伝導率の高い導体材料を適用するとして説明した。このような関係を満たす各電極E1,E2,E3の導体材料を以下に示す。即ち、最も熱伝導率の高い第1電極E1としてはW,Moなどが好適であり、次に熱伝導率の高い第2電極E2としてはTiN,ZrNなどが好適であり、最も熱伝導率の低い第3電極E3としてはTaN,AlN,TaSiNなどが好適である。特に、接触する電極同士の化学反応性などを考慮すると、第1電極E1としてW、第2電極E2としてTiN、第3電極E3としてTaNを適用する方が、より好ましい。この点に関しては、後の製造方法の説明時により詳しく説明する。
また、各電極E1,E2,E3の厚さは、薄すぎると熱の消散量を調整する効果が薄れてしまい、厚すぎると各記憶素子RM1,RM2,RM3全体の駆動電圧が高くなってしまう。この観点から、各電極E1,E2,E3の厚さは20nm以上、50nm以下とするのが好ましい。
以上のように、本実施の形態1のメモリセルmc1によれば、複数の記憶素子RM1,RM2,RM3に、それぞれ熱伝導率の異なる電極E1,E2,E3を適用することで、複数の安定状態M1〜M6を有する電気特性(プログラミング電流Ip−メモリ抵抗Rm特性)を実現できる。この複数の安定状態M1〜M6を各記憶状態とすることで、多値記録化を実現できる。そして、本実施の形態1のメモリセルmc1では、加熱素子など、メモリセルmc1に新たな構成要素を追加することなく、電極材料を変更することで、上述のような多値記録化を実現できる。従って、素子面積を増大させることなく、メモリセルの多値記録化を実現できる。これは、言い換えれば、多値記録化によって記録密度を向上させたメモリセルにおいて、更に高集積化し易い構造であると言える。結果として、多値記録が可能なメモリセルを備えた半導体記憶装置の性能を、更に向上させることができる。
更に、本実施の形態1のメモリセルmc1によれば、各記憶素子RM1,RM2,RM3の抵抗変化層rvは同じ材料を適用して、上記の効果を得ることができる。言い換えれば、各記憶素子RM1,RM2,RM3を構成する抵抗変化層rvを複数種類用いる必要が無い。これにより、製造プロセスが簡略化でき、特に、微細加工に適している。この点に関しては、後の製造方法の説明時により詳しく説明する。
更に、本実施の形態1のメモリセルmc1によれば、抵抗変化層rvの厚さは同じであっても上記の効果は得られるが、以下のような条件で異なる膜厚を有している方が、より好ましい。即ち、一つのメモリセルmc1を構成する複数の記憶素子RM1,RM2、RM3のうち、異なる記憶素子RM1,RM2,RM3を構成する抵抗変化層rvの厚さは、熱伝導率の高い電極E1,E2,E3に挟まれたものほど薄い方が、より好ましい。その理由を以下で説明する。
上述の例では、第1電極E1、第2電極E2、第3電極E3は、この順に熱伝導率が高い。従って、図8に示すように、第1電極E1に挟まれた第1記憶素子RM1の抵抗変化層rv、第2電極E2に挟まれた第2記憶素子RM2の抵抗変化層rv、第3電極E3に挟まれた第3記憶素子RM3の抵抗変化層rvの順に膜厚Tmが薄い方が、より好ましい。抵抗変化層rvの膜厚Tmが薄いほど、電極E1,E2,E3に散逸するジュール熱の割合が高くなる。即ち、薄い膜厚Tmの抵抗変化層rvであるほど、ジュール熱が逃げ易く、温度が上昇し難い。
そこで、上記のように、熱伝導率が高く、ジュール熱を逃がし易い電極(例えば第1電極E1)に挟まれた抵抗変化層rvの膜厚Tmを薄くすれば、よりジュール熱が逃げやすくなる。このように、抵抗変化層rvの膜厚Tmを上記のように変えることで、電極E1,E2,E3の材料種を変化させたことによるジュール熱の散逸効果を、より大きく作用させることができる。言い換えれば、各抵抗変化層rvを相変化させるための電流値の差異がより大きくなる。これにより、上記図7を用いて説明した複数の安定状態M1〜M6の電流値に対する範囲が大きくなり(より急峻に各状態M1〜M6間を遷移するようになり)、動作マージンを大きくとることができる。結果として、多値記録が可能なメモリセルを備えた半導体記憶装置の性能を、更に向上させることができる。
以下では、本実施の形態1のメモリセルmc1を適用したメモリマトリクスの動作方式について、図9を用いて説明する。図9はメモリマトリクスの等価回路の要部構成図である。メモリセルmcij(i=1,2,3,・・・,m,・・・)(j=1,2,3,・・・,n,・・・)は、複数本平行に配置されたワード線WLi(i=1,2,3,・・・,m,・・・)と、ワード線WLiと交差するように複数本平行に配置されたビット線BLj(j=1,2,3,・・・n,・・・)との交点に配置される。上記図1の平面図と対比させ、上記図2〜図5の断面図を参照すれば、ワード線WLiが第1金属配線EL1に対応し、ビット線BLiが第2金属配線EL2に対応することが分かる。また、上記図1〜図5を用いて説明したように、一つのメモリセルmcijでは、選択素子D1および記憶素子RM1,RM2,RM3が直列に接続された構造となっている。
本実施の形態1のメモリセルmc1によって構成されたメモリマトリクスのメモリ動作は、以下のようにして行う。
例えば、メモリセルmc11に書き込み動作を施す場合、1番目のワード線WL1に電圧Vhを印加し、1番目のビット線BL1に電圧Vlを印加する。ここで、電圧Vhは電圧Vlよりも高い。従って、メモリセルmc11の選択素子D1であるダイオードは順方向バイアスとなり、メモリセルmc11に電流が流れる。そして、メモリセルmc11は、この電流(上記図7のプログラム電流Ip)に応じた抵抗値(メモリ抵抗Rm)に変位し、書き込み状態となる。
この時、1番目のワード線WL1以外のワード線WLiには電圧Vlを印加し、1番目のビット線BL1以外のビット線BLjには電圧Vhを印加しておく。これにより、書き込み対象であるメモリセルmc11以外(非選択)のメモリセルmcijでは、選択素子D1であるダイオードは順方向バイアスとはならず、有意な電流は流れない。このような条件とすることで、非選択のメモリセルmcijには、書き込み動作は施されない。このように、書き込み動作の際、非選択のメモリセルmcijに誤書き込みが施されないようにするため、整流作用を持つ選択素子D1が必要となる。また、電圧Vhは選択素子D1であるダイオードの降伏電圧以下とする。
また、例えば、メモリセルmc11の記録状態を読み出す場合、1番目のワード線WL1に電圧Vmを印加し、1番目のビット線BL1に電圧Vlを印加する。ここで、電圧Vmは電圧Vlよりも高く、かつ、メモリセルmc11のいずれの記憶素子RM1,RM2,RM3に対しても抵抗を変化させない(抵抗変化層rvに相変化を起こさせない)程度の高さの電圧値である。このような電圧条件下では、メモリセルmc11の選択素子D1であるダイオードは順方向バイアスとなり、メモリセルmc11には書き込み動作が施されない程度の電流が流れる。その際、1番目のビット線BL1に流れる電流の大きさから、メモリセルmc11の記憶状態を読み出すことができる。
この時、1番目のワード線WL1以外のワード線WLiには電圧Vl以下の電圧を印加し、1番目のビット線BL1以外のビット線BLjには電圧Vm以上の電圧を印加しておく。これにより、非選択のメモリセルmcijでは、選択素子D1であるダイオードは順方向バイアスとはならず、有意な電流は流れない。従って、上記のような動作により、読み出し電流として、所望のメモリセルmc11の記憶情報のみに起因する電流を読み出すことができる。このように、読み出し動作の際、非選択のメモリセルmcijの情報を誤って読み出さないようにするためにも、整流作用を持つ選択素子D1が必要となる。
なお、上記では、第1金属配線EL1をワード線WLiとして、また、第2金属配線EL2をビット配線BLjとして説明したが、これらの関係は逆であっても良い。その場合、各動作のバイアス条件における印加電圧の大小関係も逆にする。
また、本実施の形態1のメモリセルmc1において、上記の記憶動作を実現するためには選択素子D1が必要であることを説明した。ここでは、上記図2〜図5を用いて説明したように、選択素子D1としてPINダイオードを適用したが、これは、PNダイオードであっても良い。その場合、選択素子D1を構成する真性状態に近いn型多結晶シリコンn1において、n型不純物濃度を高くした構造とする。
PINダイオードは逆方向バイアス時の電流が小さい。従って、選択素子D1の整流性を重視する用途としては、PINダイオードを適用する方がより好ましい。また、PNダイオードは順方向バイアス時の電流が大きい。従って、選択素子D1のオン電流、または、メモリセルmc1全体の電流駆動力を重視する用途としては、PNダイオードを適用する方がより好ましい。
また、上記では、選択素子D1としてダイオードを適用した構造を説明した。この選択素子D1としては、メモリセルmcijのメモリ動作時に、選択素子と非選択素子とに流れる電流を制御するための整流性を有することが必要であり、ダイオード以外にも、トランジスタなどを適用しても良い。ただし、本実施の形態1の半導体記憶装置が有するメモリセルmcijの選択素子D1はダイオードである方が、より好ましい。なぜなら、ダイオードは、トランジスタなどと比べて平面的な占有面積が小さく、高集積化に適しているからである。即ち、選択素子D1として上述のようなダイオードを適用することで、本実施の形態1のメモリセルmcijを、より高集積化に適した構造とすることができる。結果として、多値記録が可能なメモリセルを備えた半導体記憶装置の性能を、更に向上させることができる。
以下では、図10〜図19を用いて、本実施の形態1の半導体記憶装置が有するメモリセルmc1の製造方法を説明する。図10〜図19は、本実施の形態1のメモリセルmc1の製造工程中を示す要部断面図である。以下の工程中に形成される各構成要素の仕様やその構成要素を備えることの効果は、上記図1〜図9を用いた説明と同じ構成要素に関しては、同様の仕様や効果を有するものとして、ここでの重複した説明は省略する。
まず、図10に示すように、周辺回路を含むp型のシリコン基板1上に、第1配線用導体膜2、第1多結晶シリコン膜3、第2多結晶シリコン膜4、および、第3多結晶シリコン膜5を順に堆積する。ここでは、第1配線用導体膜2を、化学気相成長(Chemical Vapor Deposition:CVD)法やスパッタリング法などによって形成する。また、第1多結晶シリコン膜3、第2多結晶シリコン膜4、および、第3多結晶シリコン膜5を、それぞれCVD法などによって形成する。
ここで、上記で形成した膜は、後の加工により上記図2〜図5で説明した以下の構成要素となる。即ち、第1配線用導体膜2は第1金属配線EL1、第1多結晶シリコン膜3は選択素子D1のp型多結晶シリコンp1、第2多結晶シリコン膜4は選択素子D1のn型多結晶シリコンn1、第3多結晶シリコン膜5は選択素子D1のn型多結晶シリコンn2となる膜である。従って、それぞれの膜の材料や膜厚といった仕様は、上記図2〜図5を用いて説明した、対応する構成の仕様と同様になるように形成する。
次に、図11に示すように、第3多結晶シリコン膜5の上に第1電極用導体膜(導体膜)E1a、抵抗変化膜rva、第1電極用導体膜(導体膜)E1bを順に、スパッタリング法などによって堆積する。本工程で堆積した膜は、後の工程により上記図2〜図5で説明した以下の構成要素となる。即ち、第1電極用導体膜E1a,E1bは第1記憶素子RM1の第1電極E1、抵抗変化膜rvaは抵抗変化層rvとなる膜である。従って、それぞれの膜の材料や膜厚といった仕様は、上記図2〜図5を用いて説明した、対応する構成の仕様と同様になるように形成する。
なお、第3多結晶シリコン膜5と第1電極用導体膜E1aとの間に、バッファ膜6を形成しても良い。このバッファ膜6は、後の加工により上記図2〜図5で説明したバッファ層bfになる膜であり、これと同様の仕様となるように形成する。
次に、図12に示すように、第1電極用導体膜E1bの上に第2電極用導体膜(導体膜)E2a、抵抗変化膜rva、第2電極用導体膜(導体膜)E2bを順に、スパッタリング法などによって堆積する。本工程で堆積した膜は、後の工程により上記図2〜図5で説明した以下の構成要素となる。即ち、第2電極用導体膜E2a,E2bは第2記憶素子RM2の第2電極E2、抵抗変化膜rvaは抵抗変化層rvとなる膜である。従って、それぞれの膜の材料や膜厚といった仕様は、上記図2〜図5を用いて説明した、対応する構成の仕様と同様になるように形成する。
次に、図13に示すように、第2電極用導体膜E2bの上に第3電極用導体膜(導体膜)E3a、抵抗変化膜rva、第3電極用導体膜(導体膜)E3bを順に、スパッタリング法などによって堆積する。本工程で堆積した膜は、後の工程により上記図2〜図5で説明した以下の構成要素となる。即ち、第3電極用導体膜E3a,E3bは第3記憶素子RM3の第3電極E3、抵抗変化膜rvaは抵抗変化層rvとなる膜である。従って、それぞれの膜の材料や膜厚といった仕様は、上記図2〜図5を用いて説明した、対応する構成の仕様と同様になるように形成する。
以上のように、上記図11〜図13に示す工程では、第1電極用導体膜E1a、抵抗変化膜rva、第1電極用導体膜E1b、第2電極用導体膜E2a、抵抗変化膜rva、第2電極用導体膜E2b、第3電極用導体膜E3a、抵抗変化膜rva、第3電極用導体膜E3bを、この順番に堆積したことになる。言い換えれば、本工程では、導体膜、抵抗変化膜および導体膜を、この順番で、複数回(上記の例では3回)繰り返して形成したことになる。
続く工程では、上記の工程までに形成した積層膜に加工を施す。この工程を説明するために用いる以下の図では、シリコン基板1上において、交差する2方向から見た断面図を示す。特に、上記図1を用いて説明した平面図において、第2金属配線EL2に沿ったA1−A1線と同じ箇所の断面(上記図2に対応)と、第1金属配線EL1に沿ったB1−B1線と同じ箇所の断面(上記図4に対応)とを示す。
図14に示すように、上記の工程までに形成した積層膜に対してフォトリソグラフィ法および異方性エッチングを施すことで、当該積層膜をライン・アンド・スペース状に加工する。特に、第1配線用導体膜2を第1金属配線EL1となるように加工するため、A1−A1線に沿った方向に見て、ライン・アンド・スペース形状となるように上記の加工を施す。本工程により、第1配線用導体膜2からなる第1金属配線EL1が形成される。
次に、図15に示すように、シリコン基板1上において、上記の構成を形成した側の表面側を覆うようにして、酸化シリコン膜7を形成する。ここでは、低圧(low-Pressure:LP)CVD法などによって、酸化シリコンを主体とする酸化シリコン膜7を形成する。
次に、図16に示すように、化学的機械的研磨(Chemical Mechanical Polishing:CMP)法によって、酸化シリコン膜7の表面を研磨することで、上記の工程で生じた積層膜間の溝を埋め込むようにして、酸化シリコン膜7からなる層間絶縁膜ILを形成する。
次に、図17に示すように、シリコン基板1上において、上記の構成を形成した側の表面側を覆うようにして、第2配線用導体膜8を堆積する。ここでは、第2配線用導体膜8は、CVD法やスパッタリング法などによって形成する。ここで、第2配線用導体膜8は、後の加工により上記図2〜図5で説明した第2金属配線EL2となる膜である。従って、第2配線用導体膜8の材料や膜厚といった使用は、上記図2〜図5を用いて説明した第2金属配線EL2と同様になるように形成する。
次に、図18に示すように、上記の工程までに形成した構成に対してフォトリソグラフィ法および異方性エッチングを施すことで、当該構成をライン・アンド・スペース状に加工する。特に、第2配線用導体膜8を第2金属配線EL2となるように加工するため、B1−B1線に沿った方向に見て、ライン・アンド・スペース形状となるように上記の加工を施す。本工程により、第2配線用導体膜8からなる第2金属配線EL2が形成される。
更に、本工程によって、上記図1〜図5を用いて説明した、選択素子D1、および、複数の記憶素子(第1記憶素子RM1、第2記憶素子RM2および第3記憶素子RM3)が形成されたことになる。より具体的には、第1多結晶シリコン膜3を加工してp型多結晶シリコンp1とし、第2多結晶シリコン膜4を加工してn型多結晶シリコンn1とし、第3多結晶シリコン5を加工してn型多結晶シリコンn2とすることで、これら積層構造で構成される選択素子D1を形成する。また、第1電極用導体膜E1a,E1bを加工して第1電極E1とし、抵抗変化膜rvaを加工して抵抗変化層rvとすることで、これらの積層構造で構成される第1記憶素子RM1を形成する。また、第2電極用導体膜E2a,E2bを加工して第2電極E2とし、抵抗変化膜rvaを加工して抵抗変化層rvとすることで、これらの積層構造で構成される第2記憶素子RM2を形成する。また、第3電極用導体膜E3a,E3bを加工して第3電極E3とし、抵抗変化膜rvaを加工して抵抗変化層rvとすることで、これらの積層構造で構成される第3記憶素子RM3を形成する。
以上のように、本実施の形態1の製造方法によれば、シリコン基板1上にスタック状に積層する複数の記憶素子RM1〜RM3を形成する際に、上記図14および図18を用いて示したように、一括して異方性エッチングを施して加工することができる。これは、上述のように加工方法が特殊なカルコゲナイド材料などからなる抵抗変化層rvとして、本実施の形態1のメモリセルmc1では、複数の記憶素子RM1〜RM3に渡って、同じ材料からなる抵抗変化層rvを適用できることによる。以下でより詳しく説明する。
例えば、異なる種類のカルコゲナイド材料などを抵抗変化層rvとして適用する場合、同一の条件で加工することが困難となる。これにより、フォトリソグラフィ工程や異方性エッチング工程を複数回に分ける必要が生じる。これらの加工を複数回に分けて施す際には、マスクの合わせずれなどを考慮して、加工寸法に余裕(マージン)を持たせる必要がある。このような加工マージンは、更なる微細化を困難とさせる原因となる。
これに対し、本実施の形態1のメモリセルmc1では、複数の記憶素子RM1〜RM3において同じ材料からなる抵抗変化層rvを適用できるから、加工工程を一括して施すことができる。これは、更なる微細加工を施し易い、半導体記憶装置の製造方法である。即ち、本実施の形態1の製造方法によれば、多値記録が可能なメモリセルmc1を、より高集積化することができる。結果として、多値記録が可能なメモリセルを備えた半導体記憶装置の性能を、更に向上させることができる。
続く工程では、図19に示すように、シリコン基板1上において、上記の構成を形成した側の表面側を覆うようにして、酸化シリコン膜9を形成する。ここでは、低圧(low-Pressure:LP)CVD法などによって、酸化シリコンを主体とする酸化シリコン膜9を形成する。その後、CMP法によって、酸化シリコン膜9の表面を研磨して平坦化することで、上記の工程で形成した構成を覆うようにして、酸化シリコン膜9からなる層間絶縁膜ILを形成する。
以上のようにして、本実施の形態1のメモリセルmc1を備えた半導体記憶装置を形成できる。
(実施の形態2)
本実施の形態2の半導体記憶装置が有するメモリセル(複数のメモリセル)mc2の構造を、図20を用いて説明する。本実施の形態2のメモリセルmc2は、以下で説明する構成を除き、上記実施の形態1の構成と同様であり、その構成がもたらす効果も同様である。図20には、シリコン基板1上において、交差する2方向から見た要部断面図を示している。特に、上記図1を用いて説明した平面図において、第2金属配線EL2に沿ったA1−A1線と同じ箇所の断面(上記図2に対応)と、第1金属配線EL1に沿ったB1−B1線と同じ箇所の断面(上記図4に対応)とを示している。
本実施の形態2のメモリセルmc2において、各記憶素子RM1,RM2,RM3を構成する抵抗変化層rvは、各電極E1,E2,E3と接する面積が、シリコン基板1に近い位置に配置されたものほど大きい。即ち、シリコン基板1に最も近い位置に配置された第1記憶素子RM1の抵抗変化層rvが第1電極E1と接する部分の面積は、シリコン基板1に次に近い位置に配置された第2記憶素子RM2の抵抗変化層rvが第2電極E2と接する部分の面積よりも大きい。また、シリコン基板1に最も遠い位置に配置された第3記憶素子RM3の抵抗変化層rvが第3電極E3と接する部分の面積は、上記2つの面積よりも小さい。
本実施の形態2のメモリセルmc2は、上記実施の形態1のメモリセルmc1と同様に、各記憶素子RM1,RM2,RM3間で材料の同じ抵抗変化層rvを適用し、材料の異なる電極E1,E2,E3を適用している。特に、最もシリコン基板1に近い第1電極E1を最も熱伝導率の高い材料とし、最もシリコン基板1から離れた第3電極E3を最も熱伝導率の低い材料としている。これにより、各記憶素子RM1,RM2,RM3間でジュール熱が散逸する程度が異なり、抵抗変化層rvの抵抗値が上昇する(相変化する)プログラミング電流Ipの値を素子ごとに変えることができる(上記図7参照)。このようにして、各記憶素子RM1,RM2,RM3の書き換え電流(低抵抗化または高抵抗化遷移電流)に差を生じさせることができる。
更に、本実施の形態2のメモリセルmc2では、シリコン基板1に近い側(下層側)にある記憶素子(例えば第1記憶素子RM1)の抵抗変化層rvほど、その断面積を大きくし、電極(例えば第1電極E1)との接触面積が大きくなっている。電極E1,E2,E3と抵抗変化層rvとの接触面積が大きいほど、抵抗変化層rvに生じるジュール熱は外部に散逸され易い。従って、下層に配置された記憶素子の抵抗変化層rvほど、相変化を起こすために、より大きなプログラミング電流Ipを要する。
このように、本実施の形態2のメモリセルmc2では、上記実施の形態1の構成のメモリセルmc1と同じ効果を、別の構造で実現している。従って、上記実施の形態1の構成に本実施の形態2の上記の構成を適用することで、上述の効果をより得やすい構造にすることができる。即ち、本実施の形態2の構成のメモリセルmc2とすることで、各記憶素子RM1,RM2,RM3の書き換え電流の相違をより大きくすることができ、多値記録動作を行うためのプログラミング条件のマージンを、より大きく取ることができる。結果として、多値記録が可能なメモリセルを備えた半導体記憶装置の性能を、更に向上させることができる。
以下では、上記のような構造の本実施の形態2のメモリセルmc2を有する半導体記憶装置の製造方法を、図21、図22を用いて説明する。各図には、上記図14などと同様に、シリコン基板1上において、交差する2方向から見た断面図を示している。特に、上記図1を用いて説明した平面図において、第2金属配線EL2に沿ったA1−A1線と同じ箇所の断面(上記図2に対応)と、第1金属配線EL1に沿ったB1−B1線と同じ箇所の断面(上記図4に対応)とを示している。
本実施の形態2のメモリセルmc2の形成方法は、上記図13で説明した工程まで、上記実施の形態1のメモリセルmc1の形成方法と同様の工程を施す。
続く工程では、図21に示すように、まず、最上層の第3電極用導体膜E3b、その下層の抵抗変化膜rva、および、その下層の第3電極用導体膜E3aまでを、異方性エッチングによって一部除去する。その際、平面的な形状は、上記図14を用いて説明したようなライン・アンド・スペース形状となるように加工する。その後、抵抗変化膜rvaが選択的に等方性エッチングされる条件を用いて、抵抗変化膜rvaのみをサイドエッチングする。ここでは、両第3電極用導体膜E3a,E3bに挟まれた抵抗変化膜rvaのみにサイドエッチングが加わる。
その後、第3電極用導体膜E3aの下層の第2電極用導体膜E2b、その下層の抵抗変化膜rva、および、その下層の第2電極用導体膜E2aまでを、異方性エッチングによって、上記図14と同様に一部除去する。その後、前工程と同様にして、抵抗変化膜rvaのみに選択的にサイドエッチングを施す。ここでは、両第3電極用導体膜E3a,E3bに挟まれた抵抗変化膜rvaと、両第2電極用導体膜E2a,E2bに挟まれた抵抗変化膜rvaとに対してサイドエッチングが加わる。従って、第3電極用導体膜E3a,E3bに挟まれた抵抗素子rvaには、2回のサイドエッチングが施されたことになる。
その後、第2電極用導体膜E2aの下の第1電極用導体膜E1b、その下の抵抗変化膜rva、その下層の第1電極用導体膜E1a、バッファ膜6、第3多結晶シリコン膜5、第2多結晶シリコン膜4、および、第1多結晶シリコン膜3を、異方性エッチングによって、上記図14と同様に一部除去する。その後、前工程と同様にして、抵抗変化膜rvaのみに選択的にサイドエッチングを施す。ここでは、積層された全ての抵抗変化膜rvaに対してサイドエッチングが加わる。従って、第3電極用導体膜E3a,E3bに挟まれた抵抗素子rvaには、3回のサイドエッチングが施されたことになる。更に、第2電極用導体膜E2a,E2bに挟まれた抵抗変化膜rvaには、2回のサイドエッチングが施されたことになる。
続く工程では、上記図15〜図17の説明と同様の工程を施す。その後、図22に示すように、上記図18を用いて説明したような形状となるように加工する。ただし、本実施の形態2の製造方法では、この工程において、上記図21を用いて説明した方法と同様にして、異方性エッチングに加えて、抵抗変化膜rvaに対してサイドエッチングを施す。
以上のような工程により、上層の抵抗変化膜rvaほど、多くのサイドエッチングが加えられ、平面的に見て断面積の小さい形状となる。抵抗変化層rvaは、本工程の加工によって抵抗変化層rvとなる。本工程によって、選択素子D1、各記憶素子RM1,RM2,RM3、および、第2金属配線EL2が形成されたことになる。
続く工程では、上記図19の説明と同様の工程を施す。以上のようにして、上記図20に示す本実施の形態2のメモリセルmc2を形成することができる。
また、抵抗変化膜rvaのサイドエッチングは、例えば上記図14の工程と同様にして、上層の第3電極用導体膜E3bから下層の第1電極用導体膜E1aまでを、異方性エッチングにより加工した後に行っても良い。この場合、全ての抵抗変化膜rvaに対して同じ量のサイドエッチングが施されるから、上述の本実施の形態2の構成による効果は得難くなる。一方、上記実施の形態1のメモリセルmc1と比較して、全ての記憶素子RM1,RM2,RM3において、抵抗変化層rvと電極E1,E2,E3との接触面積は小さくなる。これにより、全ての記憶素子RM1,RM2,RM3に流れるプログラミング電流Ipが、その接触面積に比例して低下することになる。この場合、最も大きな書き換え電流を必要とする第1記憶素子RM1の電流値が低くなるため、全体として、電流値を低減する効果がある。
また、上記では、下層の抵抗変化層rvほど大きな断面積を有する構成を示した。ここでは、熱伝導率の高い電極に挟まれた抵抗変化層rvほど、大きな断面積を有していることが効果的であって、この条件を満たせば、下層であるか上層であるかは問わない。一方、製造工程の観点からは、上記図21、図22で説明したように、上層の抵抗変化膜rvaほど等方性エッチングを受ける回数が増える。従って、製造工程上は、上層の抵抗変化層rvほど断面積が小さくなる。これを考慮すると、下層の抵抗変化層rvを挟む電極(例えば第1電極E1)ほど、高い熱伝導率を有する電極材料を用いるのが好適である。言い換えれば、本実施の形態2のメモリセルmc2では、複数の記憶素子RM1,RM2,RM3において、下層の電極E1,E2,E3ほど熱伝導率が高く、下層の抵抗変化層rvほど電極との接触面積が大きいような、上記図20を用いて説明した構造が好適である。
また、上述の構成を有する本実施の形態2のメモリセルmc2と同様の効果を発現し得る他の構造を、図23を用いて説明する。図23には、本実施の形態2の他のメモリセル(複数のメモリセル)mc3の要部断面図を示している。その仕様、構成、効果は、以下で説明するものを除き、上記図20を用いて説明した本実施の形態2のメモリセルmc2と同様である。
本実施の形態2のメモリセルmc3においては、シリコン基板1上に積層された複数(ここでは3つ)の記憶素子RM1,RM2,RM3は、その側面がテーパ状の傾斜を有している。ここで、テーパ状とは、シリコン基板1に遠い側(上層側)から近い側(下層側)に向かって幅広となるような斜面形状のことを言う。本実施の形態2のメモリセルmc3では、下層から順に第1記憶素子RM1、第2記憶素子RM2、第3記憶素子RM3が積層されている。従って、本実施の形態2のメモリセルmc3は、第1記憶素子RM1の構成要素から第3記憶素子RM3の構成要素に向かって、その断面積が順次小さくなるような形状を有している。
言い換えれば、下層の記憶素子(例えば第1記憶素子RM1)ほど、抵抗変化層rvと電極(例えば第1電極E1)との接触面積が大きくなっている。この点で、本実施の形態2のメモリセルmc3は、上記図20を用いて先に説明した本実施の形態2のメモリセルmc2と同様の構成を、他の構造で実現している。従って、同様の効果を有する。即ち、本実施の形態2の構成のメモリセルmc3とすることで、各記憶素子RM1,RM2,RM3の書き換え電流の相違をより大きくすることができ、多値記録動作を行うためのプログラミング条件のマージンを、より大きく取ることができる。結果として、多値記録が可能なメモリセルを備えた半導体記憶装置の性能を、更に向上させることができる。
上記のような構造のメモリセルmc3を形成するためには、図24に示すように、上記実施の形態1の製造方法における上記図14で説明した工程において、シリコン基板1上の積層膜に異方性エッチングを施す際に、やや等方的なエッチング条件も加えて加工する。更に、図25に示すように、上記実施の形態1の製造方法における上記図18で説明した工程において、シリコン基板1上の積層膜に異方性エッチングを施す際に、やや等方的なエッチング条件も加えて加工する。これにより、複数の記憶素子RM1,RM2,RM3の側面がテーパ状の傾斜を有するような、上記図23のような形状の記憶素子RM1,RM2,RM3を形成できる。
また、上記では、異方性エッチングを施す際に、やや等方的なエッチング条件も加えて加工するとしたが、始めに異方性エッチングを施して上記図14や図18のように加工した後、等方性エッチングを施しても良い。
上記の工程以外は、上記図21、図22を用いて説明したメモリセルmc2の形成工程と同様である。このようにして、上記図23を用いて説明したような、本実施の形態2のメモリセルmc3を形成できる。
また、このように側面がテーパ状の傾斜を有した複数の記憶素子RM1,RM2,RM3を有するメモリセルmc3とした場合、層間絶縁膜ILとしての酸化シリコン膜7,9を形成する工程において下記のような利点を有する。
例えば、先に説明した本実施の形態2のメモリセルmc2(上記図20)では、記憶素子RM1,RM2,RM3の側面において抵抗変化層rvの部分で凹凸を有している。このような形状のメモリセルmc2と比較して、側面がテーパ状の傾斜を有した形状であると、層間絶縁膜ILとしての酸化シリコン膜7,9を埋め込み易い。従って、本実施の形態2のメモリセルmc3によれば、多値記録が可能な記憶素子において、層間絶縁膜ILの絶縁不良などを起こし難くすることができる。結果として、多値記録が可能なメモリセルを備えた半導体記憶装置の性能を、更に向上させることができる。
以上、本発明者らによってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
例えば、上記実施の形態1,2では、メモリセルmc1,mc2,mc3が有する複数の記憶素子の数は3つである構造を例にして説明した。ただし、上述の効果は3つの記憶素子を有するメモリセルの場合のみに限定されるものではなく、2つ以上の記憶素子を有する同様のメモリセルに適用して効果的である。
また、例えば、上記実施の形態2では、各記憶素子の抵抗変化層の断面積に相違を持たせた構造(上記図20のメモリセルmc2)と、記憶素子の側面がテーパ状の傾斜を有した構造(上記図23のメモリセルmc3)とを別々に例示した。これらの構成は、同時に適用して、より効果的である。
本発明は、例えば、パーソナルコンピュータやモバイル機器等において、情報処理を行なうために必要な半導体産業に適用することができる。
本発明の実施の形態1である半導体記憶装置の要部平面図である。 図1に示した半導体記憶装置のA1−A1線に沿って矢印方向に見た要部断面図である。 図1に示した半導体記憶装置のA2−A2線に沿って矢印方向に見た要部断面図である。 図1に示した半導体記憶装置のB1−B1線に沿って矢印方向に見た要部断面図である。 図1に示した半導体記憶装置のB2−B2線に沿って矢印方向に見た要部断面図である。 図1〜図5に示した半導体記憶装置の動作を説明するための説明図である。 図1〜図5に示した半導体記憶装置の特性を示すグラフ図であって、(a)はあらかじめ低抵抗状態にあった素子の電流−抵抗特性を示し、(b)はあらかじめ高抵抗状態にあった素子の電流−抵抗特性を示している。 本発明の実施の形態1である他の半導体記憶装置の要部断面図である。 図1〜図5に示した半導体記憶装置の等価回路を示す回路図である、 本発明の実施の形態1である半導体記憶装置の製造工程中における要部断面図である。 図10に続く半導体記憶装置の製造工程中における要部断面図である。 図11に続く半導体記憶装置の製造工程中における要部断面図である。 図12に続く半導体記憶装置の製造工程中における要部断面図である。 図13に続く半導体記憶装置の製造工程中における要部断面図であって、左は図1のA1−A1線に対応する線に沿って見た要部断面図であり、右は図1のB1−B1線に対応する線に沿って見た要部断面図である。 図14に続く半導体記憶装置の製造工程中における要部断面図である。 図15に続く半導体記憶装置の製造工程中における要部断面図である。 図16に続く半導体記憶装置の製造工程中における要部断面図である。 図17に続く半導体記憶装置の製造工程中における要部断面図である。 図18に続く半導体記憶装置の製造工程中における要部断面図である。 本発明の実施の形態2である半導体記憶装置の要部断面図であって、左は図1のA1−A1線に対応する線に沿って見た要部断面図であり、右は図1のB1−B1線に対応する線に沿って見た要部断面図である。 本発明の実施の形態2である半導体記憶装置の製造工程中であって、図13に続く製造工程中における要部断面図である。 本発明の実施の形態2である半導体記憶装置の製造工程中であって、図17に続く製造工程中における要部断面図である。 本発明の実施の形態2である他の半導体記憶装置の要部断面図であって、左は図1のA1−A1線に対応する線に沿って見た要部断面図であり、右は図1のB1−B1線に対応する線に沿って見た要部断面図である。 本発明の実施の形態2である他の半導体記憶装置の製造工程中であって、図21に対応する製造工程中における要部断面図である。 本発明の実施の形態2である他の半導体記憶装置の製造工程中であって、図22に続く製造工程中における要部断面図である。
符号の説明
1 シリコン基板(半導体基板)
2 第1配線用導体膜
3 第1多結晶シリコン膜
4 第2多結晶シリコン膜
5 第3多結晶シリコン膜
6 バッファ膜
7,9 酸化シリコン膜
8 第2配線用導体膜
bf バッファ層
BL1,BL2,BLn ビット線(第2金属配線)
D1 選択素子
E1 第1電極(電極)
E1a,E1b 第1電極用導体膜(導体膜)
E2 第2電極(電極)
E2a,E2b 第2電極用導体膜(導体膜)
E3 第3電極(電極)
E3a,E3b 第3電極用導体膜(導体膜)
EL1 第1金属配線(ワード線)
EL2 第2金属配線(ビット線)
F1,F2,F3 特性
IL 層間絶縁膜
Ip 電流(プログラミング電流)
Ir1 第1高抵抗化遷移電流値
Ir2 第2高抵抗化遷移電流値
Ir3 第3高抵抗化遷移電流値
Is1 第1低抵抗化遷移電流値
Is2 第2低抵抗化遷移電流値
Is3 第3低抵抗化遷移電流値
M1 第1状態
M2 第2状態
M3 第3状態
M4 第4状態
M5 第5状態
M6 第6状態
mc1,mc2,mc3 メモリセル(複数のメモリセル)
mc11,mc12,mc1n,mc21,mc22,mc2n,mcm1,mcm2,mcmm メモリセル
n1,n2 n型多結晶シリコン
p1 p型多結晶シリコン
Ra1 第1高抵抗値
Ra2 第2高抵抗値
Ra3 第3高抵抗値
Rc1 第1低抵抗値
Rc2 第2低抵抗値
Rc3 第3低抵抗値
Rd 抵抗(素子抵抗)
Rm 抵抗(メモリ抵抗)
RM1 第1記憶素子(記憶素子、複数の記憶素子)
RM2 第2記憶素子(記憶素子、複数の記憶素子)
RM3 第3記憶素子(記憶素子、複数の記憶素子)
rv 抵抗変化層
rva 抵抗変化膜
Tm 膜厚
Vl,Vm,Vh 電圧
WL1,WL2,WLm ワード線(第1金属配線)

Claims (20)

  1. 半導体基板上に配置された複数のメモリセルを有する半導体記憶装置であって、
    個々の前記メモリセルは、選択素子と、複数の記憶素子とを有し、
    前記選択素子および前記複数の記憶素子は、前記半導体基板上に積層されるように、かつ、電気的に直列に接続されるようにして配置され、
    個々の前記記憶素子は、抵抗変化層と、その上面と下面とにそれぞれ配置された電極とを有し、
    前記抵抗変化層は、ジュール熱によって抵抗値が変化する機能を有し、
    前記複数のメモリセルのそれぞれを構成する前記複数の記憶素子のうち、
    異なる前記記憶素子を構成する前記抵抗変化層は、それぞれ同じ材料からなり、
    同一の前記記憶素子を構成する前記電極は、それぞれ同じ導体材料からなり、
    異なる前記記憶素子を構成する前記電極は、それぞれ異なる導体材料からなることを特徴とする半導体記憶装置。
  2. 請求項1記載の半導体記憶装置において、
    前記複数のメモリセルのそれぞれを構成する前記複数の記憶素子のうち、
    異なる前記記憶素子を構成する前記電極は、それぞれ、熱伝導率の異なる導体材料からなることを特徴とする半導体記憶装置。
  3. 請求項2記載の半導体記憶装置において、
    前記複数のメモリセルのそれぞれを構成する前記複数の記憶素子のうち、
    異なる前記記憶素子を構成する前記抵抗変化層の厚さは、熱伝導率の高い前記電極に挟まれたものほど薄いことを特徴とする半導体記憶装置。
  4. 請求項3記載の半導体記憶装置において、
    前記選択素子は、ダイオードであることを特徴とする半導体記憶装置。
  5. 請求項4記載の半導体記憶装置において、
    前記抵抗変化層は、少なくともTeを含むカルコゲナイド材料からなることを特徴とする半導体記憶装置。
  6. 請求項5記載の半導体記憶装置において、
    前記複数のメモリセルのそれぞれを構成する前記複数の記憶素子のうち、
    異なる前記記憶素子を構成する前記電極は、前記半導体基板に近い位置に配置されたものほど、高い熱伝導率の導体材料からなり、
    異なる前記記憶素子を構成する前記抵抗変化層は、その前記電極と接する面積が、前記半導体基板に近い位置に配置されたものほど大きいことを特徴とする半導体記憶装置。
  7. 請求項5記載の半導体記憶装置において、
    前記複数のメモリセルのそれぞれを構成する前記複数の記憶素子のうち、
    異なる前記記憶素子を構成する前記電極は、前記半導体装置に近い位置に配置されたものほど、高い熱伝導率の導体材料からなり、
    前記半導体基板上に積層された前記複数の記憶素子は、その側面がテーパ状の傾斜を有していることを特徴とする半導体記憶装置。
  8. 請求項4記載の半導体記憶装置において、
    前記抵抗変化層は、Ni,Ti,Mn,Ta,W,Moの少なくとも1つの元素を含む金属酸化物材料からなることを特徴とする半導体記憶装置。
  9. 請求項8記載の半導体記憶装置において、
    前記複数のメモリセルのそれぞれを構成する前記複数の記憶素子のうち、
    異なる前記記憶素子を構成する前記電極は、前記半導体基板に近い位置に配置されたものほど、高い熱伝導率の導体材料からなり、
    異なる前記記憶素子を構成する前記抵抗変化層は、その前記電極と接する面積が、前記半導体基板に近い位置に配置されたものほど大きいことを特徴とする半導体記憶装置。
  10. 請求項8記載の半導体記憶装置において、
    前記複数のメモリセルのそれぞれを構成する前記複数の記憶素子のうち、
    異なる前記記憶素子を構成する前記電極は、前記半導体装置に近い位置に配置されたものほど、高い熱伝導率の導体材料からなり、
    前記半導体基板上に積層された前記複数の記憶素子は、その側面がテーパ状の傾斜を有していることを特徴とする半導体記憶装置。
  11. 半導体基板上に複数のメモリセルを形成する工程を有する半導体記憶装置の製造方法であって、
    前記複数のメモリセルを構成する個々の前記メモリセルを形成する工程は、
    (a)前記半導体基板上に選択素子を形成する工程と、
    (b)前記選択素子上に積層するようにして、複数の記憶素子を形成する工程とを有し、
    前記選択素子および前記複数の記憶素子は、電気的に直列に接続されるようにして形成し、
    前記(b)工程において、前記複数の記憶素子を構成する個々の前記記憶素子を形成する工程は、
    (b1)導体膜、抵抗変化膜および前記導体膜を順に形成する工程と、
    (b2)前記(b1)工程を複数回繰り返すことで、複数の前記導体膜および複数の前記抵抗変化膜の積層膜を形成する工程と、
    (b3)前記導体膜からなる電極と、前記抵抗変化膜からなる抵抗変化層とが積層して配置するように、前記(b1)および(b2)工程で形成した前記複数の導体膜および前記複数の抵抗変化膜の積層膜を一括して加工する工程とを有し、
    前記(b1)および(b2)工程における前記抵抗変化膜は、ジュール熱によって抵抗値が変化する機能を有し、
    前記(b)工程では、
    前記抵抗変化層と、その上面と下面とにそれぞれ配置された前記電極とによって構成される前記記憶素子を複数形成し、
    前記複数のメモリセルのそれぞれを構成する前記複数の記憶素子のうち、
    異なる前記記憶素子を構成する前記抵抗変化層が、それぞれ同じ材料からなるように、前記(b1)および(b2)工程において前記抵抗変化膜を形成し、
    同一の前記記憶素子を構成する前記電極が、それぞれ同じ導体材料からなるように、前記(b1)および(b2)工程において前記導体膜を形成し、
    異なる前記記憶素子を構成する前記電極が、それぞれ異なる導体材料からなるように、前記(b1)および(b2)工程において前記導体膜を形成することを特徴とする半導体記憶装置の製造方法。
  12. 請求項11記載の半導体記憶装置の製造方法において、
    前記(b)工程では、
    前記複数のメモリセルのそれぞれを構成する前記複数の記憶素子のうち、
    異なる前記記憶素子を構成する前記電極が、それぞれ、熱伝導率の異なる導体材料からなるように、前記(b1)および(b2)工程において前記導体膜を形成することを特徴とする半導体記憶装置の製造方法。
  13. 請求項12記載の半導体記憶装置の製造方法において、
    前記(b)工程では、
    前記複数のメモリセルのそれぞれを構成する前記複数の記憶素子のうち、
    異なる前記記憶素子を構成する前記抵抗変化層の厚さが、熱伝導率の高い前記電極に挟まれるものほど薄くなるように、前記(b1)および(b2)工程において前記抵抗変化膜を形成することを特徴とする半導体記憶装置の製造方法。
  14. 請求項13記載の半導体記憶装置の製造方法において、
    前記(a)工程では、
    前記選択素子としてダイオードを形成することを特徴とする半導体記憶装置の製造方法。
  15. 請求項14記載の半導体記憶装置の製造方法において、
    前記(b)工程では、
    前記抵抗変化層が少なくともTeを含むカルコゲナイド材料からなるように、前記(b1)および(b2)工程において前記抵抗変化膜を形成することを特徴とする半導体記憶装置の製造方法。
  16. 請求項15記載の半導体記憶装置の製造方法において、
    前記(b)工程では、
    前記複数のメモリセルのそれぞれを構成する前記複数の記憶素子のうち、
    異なる前記記憶素子を構成する前記電極が、前記半導体基板に近い位置に配置されたものほど高い熱伝導率を有する導体材料からなるように、前記(b1)および(b2)工程において前記導体膜を形成し、
    異なる前記記憶素子を構成する前記抵抗変化層において、その前記電極と接する面積が、前記半導体基板に近い位置に配置されたものほど大きくなるように、前記(b3)工程において前記抵抗変化膜を加工することを特徴とする半導体記憶装置の製造方法。
  17. 請求項15記載の半導体記憶装置の製造方法において、
    前記(b)工程では、
    前記複数のメモリセルのそれぞれを構成する前記複数の記憶素子のうち、
    異なる前記記憶素子を構成する前記電極が、前記半導体基板に近い位置に配置されたものほど高い熱伝導率を有する導体材料からなるように、前記(b1)および(b2)工程において前記導体膜を形成し、
    前記複数の記憶素子の側面がテーパ状の傾斜を有するように、前記(b3)工程において、前記複数の導体膜および前記複数の抵抗変化膜の積層膜を一括して加工することを特徴とする半導体記憶装置の製造方法。
  18. 請求項14記載の半導体記憶装置の製造方法において、
    前記(b)工程では、
    前記抵抗変化層がNi,Ti,Mn,Ta,W,Moの少なくとも1つの元素を含む金属酸化物材料からなるように、前記(b1)および(b2)工程において前記抵抗変化膜を形成することを特徴とする半導体記憶装置の製造方法。
  19. 請求項18記載の半導体記憶装置の製造方法において、
    前記(b)工程では、
    前記複数のメモリセルのそれぞれを構成する前記複数の記憶素子のうち、
    異なる前記記憶素子を構成する前記電極が、前記半導体基板に近い位置に配置されたものほど高い熱伝導率を有する導体材料からなるように、前記(b1)および(b2)工程において前記導体膜を形成し、
    異なる前記記憶素子を構成する前記抵抗変化層において、その前記電極と接する面積が、前記半導体基板に近い位置に配置されたものほど大きくなるように、前記(b3)工程において前記抵抗変化膜を加工することを特徴とする半導体記憶装置の製造方法。
  20. 請求項18記載の半導体記憶装置の製造方法において、
    前記(b)工程では、
    前記複数のメモリセルのそれぞれを構成する前記複数の記憶素子のうち、
    異なる前記記憶素子を構成する前記電極が、前記半導体基板に近い位置に配置されたものほど高い熱伝導率を有する導体材料からなるように、前記(b1)および(b2)工程において前記導体膜を形成し、
    前記複数の記憶素子の側面がテーパ状の傾斜を有するように、前記(b3)工程において、前記複数の導体膜および前記複数の抵抗変化膜の積層膜を一括して加工することを特徴とする半導体記憶装置の製造方法。
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