JP2010128361A - 正立等倍レンズアレイプレート、イメージセンサユニットおよび画像読取装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】迷光を十分に除去するとともに、小型化および低コスト化することのできる正立等倍レンズアレイプレートを提供する。
【解決手段】正立等倍レンズアレイプレート10は、複数の凸レンズ18を両面に形成した2枚の平板状レンズアレイプレートが積層されている。各平板状レンズアレイプレートにおいて、複数の凸レンズ18は、レンズ主配列方向が主走査方向と異なるように配置されている。正立等倍レンズアレイプレート10の中間面における倒立像が形成される位置近傍に、結像に寄与しない光を遮断する遮光部材16を備える。遮光部材16は、各凸レンズ18の透光領域を、主走査方向と略平行なスリット状開口部20に制限し、それ以外の部分の透光を全て遮断したものである。スリット状開口部20は、最も像面に近い第4レンズ面14bのレンズ座標を基準として位置が定められている。
【選択図】図2
【解決手段】正立等倍レンズアレイプレート10は、複数の凸レンズ18を両面に形成した2枚の平板状レンズアレイプレートが積層されている。各平板状レンズアレイプレートにおいて、複数の凸レンズ18は、レンズ主配列方向が主走査方向と異なるように配置されている。正立等倍レンズアレイプレート10の中間面における倒立像が形成される位置近傍に、結像に寄与しない光を遮断する遮光部材16を備える。遮光部材16は、各凸レンズ18の透光領域を、主走査方向と略平行なスリット状開口部20に制限し、それ以外の部分の透光を全て遮断したものである。スリット状開口部20は、最も像面に近い第4レンズ面14bのレンズ座標を基準として位置が定められている。
【選択図】図2
Description
本発明は、画像読取装置や画像形成装置に用いられる正立等倍レンズアレイプレート並びに該正立等倍レンズアレイプレートを用いたイメージセンサユニットおよび画像読取装置に関する。
従来、スキャナ等の画像読取装置として、正立等倍結像光学系を用いた装置が知られている。正立等倍結像光学系を用いた場合、縮小結像光学系の場合よりも装置をコンパクトにすることができる。画像読取装置の場合、正立等倍結像光学系は、ライン状光源と、正立等倍レンズアレイと、ラインイメージセンサから構成される。
正立等倍結像光学系における正立等倍レンズアレイとしては、正立等倍像を結像可能なロッドレンズアレイが用いられる。ロッドレンズアレイは、通常はレンズアレイの長手方向(画像読取装置の主走査方向)にロッドレンズが配列される。ロッドレンズの列数を増加することで、光量伝達率の向上、透過光量ムラの低減が図れるが、ロッドレンズアレイの場合、ロッドレンズの列数は、価格とのかねあいで1〜2列が一般的である。
一方、正立等倍レンズアレイとして、両面に複数の微小凸レンズを規則的に配列した透明な平板状レンズアレイプレートを、個々の凸レンズの光軸が一致するように複数枚積層した正立等倍レンズアレイプレートも構成可能である。このような正立等倍レンズアレイプレートは、射出成型などの方法により形成できるため、複数列の正立等倍レンズアレイを比較的安価に製造することができる。
正立等倍レンズアレイプレートでは、隣接したレンズ間に光線を隔離するための壁が無いため、正立等倍レンズアレイプレートに斜めに入射した光線が、プレート内部を斜めに進んで隣接した凸レンズに入り込み、出射してゴースト像を形成するという迷光の問題がある。
この迷光対策のため、たとえば特許文献1には、正立等倍レンズアレイプレートの表面に遮光壁を設け、さらに正立等倍レンズアレイプレートの周囲にスリット状開口部を有する隔壁構造体を設ける技術が開示されている。また、特許文献2には、正立等倍レンズアレイプレートの中間結像面に遮光手段を設けた結像光学系が開示されている。
特開2005−37891号公報
特開2005−122041号公報
しかしながら、特許文献1に開示された結像光学系の場合、正立等倍レンズアレイプレートの周囲にスリット状開口部を有する隔壁構造体が存在するために、光学系を小型化および軽量化することが難しい。
また、特許文献2に開示された結像光学系の場合、副走査方向(正立等倍レンズアレイプレートの短手方向)への迷光は遮光手段により除去することが可能であるが、本発明者が検討したところ、主走査方向の迷光を十分に除去することは難しいことが分かった。
さらに、平板状レンズアレイプレートは、凸レンズを形成する際の誤差により、両面の対応する凸レンズ同士の光軸がずれてしまう場合がある。このような場合、迷光を除去するための遮光手段を適切に配置しないと、所望の光学性能が得られるようにラインイメージセンサを配置するのが難しくなり、その結果、製造コストが高くなってしまう可能性がある。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、迷光を好適に除去するとともに光学系を小型化および軽量化することのでき、さらにイメージセンサユニットの製造コストを低減することのできる正立等倍レンズアレイプレート並びに該正立等倍レンズアレイプレートを用いたイメージセンサユニットおよび画像読取装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の正立等倍レンズアレイプレートは、複数のレンズを両面に形成した平板状レンズアレイプレートが対応するレンズの組が共軸のレンズ系を構成するように複数枚積層され、一方の側の略直線状の光源からの光を受けて、他方の側の像面に略直線状の光源の正立等倍像を形成する正立等倍レンズアレイプレートであって、各平板状レンズアレイプレートにおいて、複数のレンズは、レンズ主配列方向が当該正立等倍レンズアレイプレートの主走査方向と異なるように配置されており、当該正立等倍レンズアレイプレートの中間面における略直線状の光源の倒立像が形成される位置近傍に、結像に寄与しない光を遮断する遮光部材を備え、該遮光部材は、各レンズの透光領域を、主走査方向と略平行なスリット状開口部に制限し、それ以外の部分の透光を全て遮断したものであり、スリット状開口部は、複数枚の平板状レンズアレイプレートにおける複数のレンズ面のうち、最も像面に近いレンズ面のレンズ座標を基準として位置が定められている。
この態様によると、正立等倍レンズアレイプレートの中間面における略直線状の光源の倒立像が形成される位置近傍に遮光手段を備えるとともに、レンズ主配列方向を主走査方向と異ならせたことにより、迷光を好適に除去でき、ゴーストのない正立等倍像を像面に形成することができる。また、正立等倍レンズアレイプレートの中間面に遮光手段を備えるので、正立等倍レンズアレイプレートの周囲に隔壁構造体を設けた場合よりも、結像光学系を小型化および軽量化することができる。
さらに、最も像面に近いレンズ面のレンズ座標を基準としてスリット状開口部の位置が定められていることにより、平板状レンズアレイプレートの両面における対応する凸レンズ同士がずれて形成されている場合であってもイメージセンサユニットの組立が簡易なものとなり、製造コストを低減できる。
平板状レンズアレイプレートの板厚をtと、レンズの作動距離をWDと、平板状レンズアレイプレートの屈折率をnと、当該正立等倍レンズアレイプレートと直交し且つ主走査方向と平行な所定の基準面から、最も像面に近いレンズ面におけるレンズの中心までの距離をy1としたときに、スリット状開口部は、基準面からスリット状開口部の副走査方向の幅中心までの距離Yが、Y=y1×{1+t/(WD×n)}で表されるように形成されてもよい。
平板状レンズアレイプレートの板厚をtと、レンズの作動距離をWDと、平板状レンズアレイプレートの屈折率をnと、レンズのピッチをPと、レンズ配列角度をθとしたときに、スリット状開口部の副走査方向の幅wが、w<2×{1+t/(WD×n)}×P×sinθの範囲にあってもよい。
像面において要求される正立等倍像の副走査方向の幅をw0としたときに、スリット状開口部の副走査方向の幅wが、w≦2×{1+t/(WD×n)}×P×sinθ−w0×t/(WD×n)の範囲にあってもよい。
像面において要求される正立等倍像の副走査方向の幅をw0としたときに、スリット状開口部の副走査方向の幅wが、w0×t/(WD×n)≦w≦2×{1+t/(WD×n)}×P×sinθ−w0×t/(WD×n)の範囲にあってもよい。
平板状レンズアレイプレートの板厚をtと、レンズの作動距離をWDと、平板状レンズアレイプレートの屈折率をnと、スリット状開口部の副走査方向の幅をwと、レンズのピッチをPとしたときに、レンズ配列角度θは、w=2×{1+t/(WD×n)}×P×sinθ1を満たす角度θ1より大きく、且つレンズの配列パターンによって決まる第1隣接レンズ間角度から角度θ1を引いた角度θ2より小さい範囲にあってもよい。
レンズ配列角度θは、角度θ1に1°を加えた角度以上、且つ角度θ2から1°を引いた角度以下の範囲にあってもよい。
当該正立等倍レンズアレイプレートの少なくとも一方の面に、結像に寄与しない光をさらに除去する遮光壁を形成してもよい。
本発明の別の態様は、イメージセンサユニットである。このイメージセンサユニットは、被読取画像に光を照射するライン状光源と、被読取画像から反射した光を集光する上述の正立等倍レンズアレイプレートと、正立等倍レンズアレイプレートを透過した光を受光するラインイメージセンサとを備える。
この態様によると、上述の正立等倍レンズアレイプレートを用いてイメージセンサユニットを構成しているので、迷光が好適に除去された良質の画像信号を検出できるとともに、イメージセンサユニットの小型化、軽量化および低コスト化を図ることができる。
本発明のさらに別の態様は、画像読取装置である。この装置は、上述のイメージセンサユニットと、イメージセンサユニットによって検出された画像信号を処理する画像処理部とを備える。
この態様によると、上述のイメージセンサユニットを用いて画像読取装置を構成しているので、迷光が好適に除去された良質の画像データを生成できるとともに、小型且つ軽量の画像読取装置を構成できる。さらに、製造コストが低減されたイメージセンサユニットを用いているので、安価な画像読取装置を実現することができる。
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、などの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、迷光を好適に除去するとともに光学系を小型化および軽量化することのでき、さらにイメージセンサユニットの製造コストを低減することのできる正立等倍レンズアレイプレート並びに該正立等倍レンズアレイプレートを用いたイメージセンサユニットおよび画像読取装置を提供できる。
図1は、本発明の実施の形態に係る正立等倍レンズアレイプレート10を用いた画像読取装置100の概略構成を示す図である。画像読取装置100は、筐体108の内部に正立等倍結像光学系110(イメージセンサユニットとも呼ぶ)が収容されている。正立等倍結像光学系110は、ライン状光源106と、正立等倍レンズアレイプレート10と、ラインイメージセンサ104とを備える。
ライン状光源106は、略直線状の光を出射する光源である。ここで略直線状とは、200μm程度の幅を有する直線または200μm程度の幅内に含まれる曲線若しくは千鳥に配置された直線のことを示す。ライン状光源106から出射された光は、原稿台102上に置かれた被読取画像としての原稿120に照射される。原稿120は、ライン状光源106からの略直線状の光を正立等倍レンズアレイプレート10に向けて反射する。以下、必要に応じて適宜、原稿120の光を反射する領域を、光源Bと呼ぶ。光源Bは、正立等倍レンズアレイプレート10に向けて略直線状の光を出射する。
正立等倍レンズアレイプレート10は、後述するように、複数のレンズを両面に形成した平板状レンズアレイプレートが対応するレンズの組が共軸のレンズ系を構成するように複数枚積層されたものである。正立等倍レンズアレイプレート10は、一方の側の光源Bからの略直線状の光を受けて、他方の側の像面に正立等倍像を形成する。正立等倍像が形成される像面には、受光素子としてのラインイメージセンサ104が配設され、正立等倍像を受光する。そして、正立等倍結像光学系110を副走査方向に走査することにより、原稿120を読み取ることができるようになっている。
正立等倍レンズアレイプレート10は、その長手方向が主走査方向に、短手方向が副走査方向に一致するように画像読取装置100に装着される。また、正立等倍レンズアレイプレート10と直交し、且つ正立等倍レンズアレイプレート10の副走査方向における中心線を通る面を基準面50としたときに、基準面50上に光源Bとラインイメージセンサ104の中心線が位置するように、正立等倍レンズアレイプレート10は画像読取装置100に装着される。
図2(a)(b)は、本発明の実施の形態に係る正立等倍レンズアレイプレート10を示す図である。図2(a)は、正立等倍レンズアレイプレート10の平面図であり、図2(b)は、図2(a)に示す正立等倍レンズアレイプレート10のX−X断面図である。
図2(a)(b)に示すように、正立等倍レンズアレイプレート10は、第1平板状レンズアレイプレート12と、第2平板状レンズアレイプレート14と、遮光部材16と、を備える。第1平板状レンズアレイプレート12および第2平板状レンズアレイプレート14は、長方形状であり、それぞれ両面には複数の凸レンズ18が配列形成されている。正立等倍レンズアレイプレート10は、第1平板状レンズアレイプレート12の下面である第2レンズ面12bと第2平板状レンズアレイプレート14の上面である第3レンズ面14aとが対向するように積層されている。正立等倍レンズアレイプレート10は、第1平板状レンズアレイプレート12の上面である第1レンズ面12aが光源Bに面し、第2平板状レンズアレイプレート14の下面である第4レンズ面14bがラインイメージセンサ104に面するように画像読取装置100に組み込まれる。
第1平板状レンズアレイプレート12および第2平板状レンズアレイプレート14の材質は、射出成型に使用可能で、必要な波長帯域の光に対して光透過性が高く、吸水性の低いものが望ましい。望ましい材質としては、シクロオレフィン系樹脂や、オレフィン系樹脂、ノルボルネン系樹脂などを例示することができる。
第1平板状レンズアレイプレート12と第2平板状レンズアレイプレート14において、凸レンズ18は同一の配列パターンで形成されており、第1平板状レンズアレイプレート12と第2平板状レンズアレイプレート14を対向して配置したときに、1対1で対応するようになっている。第1平板状レンズアレイプレート12と第2平板状レンズアレイプレート14は、対応する凸レンズ18同士の光軸が一致するようにして配置される。本実施の形態では、凸レンズ18の形状を球面としたが、凸レンズ18の形状は非球面であってもよい。
図2(a)に示すように、凸レンズ18は、六方配列で配置されている。六方配列は、1つの凸レンズ18から見た場合に、6つの方向に延びる配列である。さらに、本実施の形態に係る正立等倍レンズアレイプレート10では、レンズ主配列方向が、正立等倍レンズアレイプレート10の長手方向(主走査方向)と異なるように、凸レンズ18が配置されている。なお、本実施の形態においては、近接する2つのレンズの中心を結んで得られる直線の方向を、近接レンズ配列方向と呼ぶ。近接する2つのレンズとは、レンズ間に他のレンズがない2つのレンズを意味する。そして、近接レンズ配列方向のうち、並ぶレンズの数が最も多くなる方向を、レンズ主配列方向と呼ぶ。また、レンズ主配列方向と主走査方向のなす角度のうち、小さい方の角度を、レンズ配列角度θと呼ぶ。
平板状レンズアレイプレートを対向して配置した正立等倍レンズアレイプレートを用いて、点光源を像面に結像する場合、迷光が現れる方向は、近接レンズ配列方向である。従って、たとえば特開2005−122041に開示されるようにレンズ主配列方向が主走査方向と同じ方向である場合、発生した迷光が、主走査方向と平行に配置されるラインイメージセンサに直接入射してしまい、ゴーストが発生してしまう。この現象は、レンズが基準面上または基準面から離れている場合においても同様に発生し、レンズ(光が透過する部分)が主走査方向に平行に配列されている限りゴーストが発生する。本実施の形態に係る正立等倍レンズアレイプレート10では、レンズ主配列方向を主走査方向と異ならせたことにより、迷光の発生する方向が副走査方向にずれるので、ラインイメージセンサに直接入射する迷光を減らすことができる。
遮光部材16は、第1平板状レンズアレイプレート12と第2平板状レンズアレイプレート14の中間に設けられるフィルム状の部材である。図1(b)に示すように、遮光部材16は、第1平板状レンズアレイプレート12の第2レンズ面12bに形成された凸レンズ18と、第2平板状レンズアレイプレート14の第3レンズ面14aに形成された凸レンズ18とにより挟み込まれている。
遮光部材16は、結像に寄与しない光を遮断する機能を有する。正立等倍レンズアレイプレート10では、上述したようにレンズ主配列方向を主走査方向と異ならせているが、これだけでは、迷光の発生する方向が副走査方向にずれるだけであり、迷光自体が除去された訳ではない。そこで、本実施の形態に係る正立等倍レンズアレイプレート10では、遮光部材16を設け、この副走査方向にずれた迷光が正立等倍レンズアレイプレート10を透過するのを遮断している。ラインイメージセンサに迷光が直接入射しなくても、迷光がラインイメージセンサ周辺に照射されると、コントラストが低下し、画質が低下してしまう。遮光部材16を設けることにより、迷光が好適に除去され、画質を向上することができる。
図3は、遮光部材16の平面図である。図3では、凸レンズ18とスリット状開口部20の位置関係が分かるように、凸レンズ18を破線で示している。遮光部材16は、各凸レンズ18の透光領域を、各凸レンズ18の有効領域と、主走査方向と略平行な一定幅を有したスリット状開口部20との重なる領域とし、それ以外の部分の透光を全て遮断したものである。ここでレンズの有効領域とは、レンズとしての機能を有する部分のことをいい、略平行とはおおよそ平行であることで、たとえば少し傾いた直線同士(交わった角度10°以下)や波線等でその中央線が平行であるもの等も含むものとする。
図3に示すように、遮光部材16には、各凸レンズ18に対して1つずつスリット状開口部20が形成されている。スリット状開口部20により、各凸レンズ18の透光領域が制限されている。遮光部材16において、スリット状開口部20以外の領域は、光吸収性層によって覆われており、透光を全て遮断している。
遮光部材16としては、光学的透過率が大きいフィルムの表面に光吸収性層を印刷してスリット状開口部20を形成したもの、あるいは光学的透過率が小さいフィルムに孔を設けてスリット状開口部20を形成したものを用いることができる。
遮光部材16において、スリット状開口部20は、正立等倍レンズアレイプレート10の積層方向の中間面における光源Bの倒立像が形成される位置近傍に形成される。光源Bの倒立像が形成される位置は、各凸レンズ18によって異なるため、スリット状開口部20の位置も凸レンズ18ごとに異なっている。たとえば、レンズ中心が基準面50上にある凸レンズ18は、スリット状開口部20の中心がレンズ中心と一致しているが、レンズ中心が基準面50から離れるほど、スリット状開口部20の中心とレンズ中心が離れている。スリット状開口部20の形状および位置については後述するが、図3に示すようなスリット状開口部20を形成した遮光部材16を第1平板状レンズアレイプレート12と第2平板状レンズアレイプレート14の間に設けることにより、像面の結像に寄与する光である結像光を透過しつつ、結像に寄与しない迷光を好適に除去することができる。
図4は、スリット状開口部20を形成する位置について説明するための図である。図4は、第1平板状レンズアレイプレート12と第2平板状レンズアレイプレート14とを、対応する凸レンズ同士を接触させて配置した図である。図4において、縦方向が正立等倍レンズアレイプレート10の副走査方向(短手方向)であり、奥行き方向が主走査方向(長手方向)である。
図4において、光源Bから出射された光は、第1平板状レンズアレイプレート12の凸レンズ18a、18bにより集光され、第1平板状レンズアレイプレート12と第2平板状レンズアレイプレート14の中間面に倒立像Aが形成される。倒立像が形成される中間面を、倒立像結像面52と呼ぶ。この倒立像Aは、第2平板状レンズアレイプレート14の凸レンズ18c、18dにより集光され、像面に正立等倍像Cを形成する。
図5は、倒立像結像面52における倒立像Aを示す図である。正立等倍レンズアレイプレート10は、ライン状光源を用いた光学系に適用されるので、倒立像Aは、図5に示すように略直線状の像となる。凸レンズの開口は円形であるが、結像光として使用するのは、倒立像Aが形成される領域のみであるので、この領域を中心にスリット状開口部20を形成すればよい。
図4に戻り、平板状レンズアレイプレートが、板厚t、屈折率n、レンズの作動距離WDとすると、レンズ中心から距離y1の位置にある基準面50上の光源Bからの光が集光されて、レンズ中心からy1’の距離に倒立像Aが形成される場合、レンズ中心から倒立像Aまでの距離y1’は、以下のように求めることができる。
光源Bから凸レンズ18aに入射する光の入射角をθ、凸レンズ18aに入射した光の屈折角をθ’とすると、スネルの法則により、θとθ’の間には、(1)式の関係が成り立つ。
sinθ=n×sinθ’ ・・・(1)
また、図4より(2)式、(3)式の関係が成り立つ。
tanθ=y1/WD ・・・(2)
tanθ’=y1’/t ・・・(3)
ここで、sinθ≒tanθ、sinθ’≒tanθ’と近似すると、(1)式〜(3)式により、以下の(4)式を導くことができる。
y1’/y1=t/(WD×n) ・・・(4)
sinθ=n×sinθ’ ・・・(1)
また、図4より(2)式、(3)式の関係が成り立つ。
tanθ=y1/WD ・・・(2)
tanθ’=y1’/t ・・・(3)
ここで、sinθ≒tanθ、sinθ’≒tanθ’と近似すると、(1)式〜(3)式により、以下の(4)式を導くことができる。
y1’/y1=t/(WD×n) ・・・(4)
(4)式の右辺t/(WD×n)は定数であるので、倒立像Aが形成される位置は、基準面50からレンズ中心までの距離y1に比例した値だけ、レンズ中心からずれることになる。
また、基準面50から倒立像Aまでの距離Yは、Y=y1+y1’であるので、以下の(5)式の関係が成り立つ。
Y/y1=1+t/(WD×n) ・・・(5)
Y/y1=1+t/(WD×n) ・・・(5)
(5)式の右辺1+{t/(WD×n)}は定数(以下、この定数を適宜Fと呼ぶ)であるので、基準面50から倒立像Aまでの距離Yは、基準面50からレンズ中心までの距離y1を一定の倍率Fで拡大した値となる。この式(5)式に従って、各凸レンズ18ごとに倒立像Aが形成される位置を算出し、その位置を副走査方向の幅中心としてスリット状開口部20を形成する。これにより、結像光を確実に透過させつつ、迷光を除去することができる。
なお、本実施の形態では、倒立像Aが形成される位置を中心としてスリット状開口部20を形成しているが、スリット状開口部20を形成する位置は、厳密に倒立像Aが形成される位置に限られず、倒立像Aが形成される位置近傍であればよい。すなわち、倒立像Aの形成に寄与する光が透過できるようにスリット状開口部20を設ければよい。たとえば、第1平板状レンズアレイプレート12下面の凸レンズ18表面における倒立像Aの形成に寄与する光が通る位置や、第2平板状レンズアレイプレート14上面の凸レンズ18表面における倒立像Aの形成に寄与する光が通る位置に、たとえば印刷手法やフォトレジストによって直接スリット状開口部20を形成してもよい。
次に、スリット状開口部20の副走査方向の幅について説明する。上述したように、スリット状開口部20は、倒立像結像面の倒立像が形成される位置近傍に形成される。本来、結像光を透過させるだけであれば、結像光の幅だけ開口が形成されていればよいが、第1平板状レンズアレイプレート12、第2平板状レンズアレイプレート14および遮光部材16を位置合わせする工程を容易とするために、スリット状開口部20の副走査方向の幅は出来るだけ大きくとることが好ましい。位置合わせ工程を容易とすることにより、製造コストを低減することができる。
図6は、スリット状開口部20の副走査方向の幅wについて説明するための図である。図6に示すように、凸レンズ18e、18fが、ピッチP、レンズ配列角度θで配列されているとする。ここでピッチPとは、レンズ主配列方向に並ぶ2つのレンズの間隔を表す。凸レンズ18eのレンズ中心の基準面50からの距離をyとすると、凸レンズ18eに隣接する凸レンズ18fのレンズ中心の基準面50からの距離は、y+P×sinθとなる。このとき、(5)式より、凸レンズ18eによって形成される倒立像A1の基準面50からの距離は、y×Fとなり、凸レンズ18fによって形成される倒立像A2の基準面50からの距離は、(y+P×sinθ)×Fとなる。従って、倒立像A1と倒立像A2間の副走査方向の距離は、F×P×sinθとなる。
ここで、凸レンズ18fに対応するスリット状開口部20について考察すると、凸レンズ18eを透過し、凸レンズ18eによって形成される倒立像A1と同じ副走査方向位置を透過する迷光が、スリット状開口部20を透過しないようにするためには、倒立像A1の副走査方向の幅が無視できる程小さいとすると、スリット状開口部20の副走査方向の幅wの半分w/2を、倒立像A1と倒立像A2間の副走査方向の距離F×P×sinθよりも小さく設定してやればよい。すなわち、以下の(6)式の範囲に、スリット状開口部20の副走査方向の幅wがあればよい。
w<2×F×P×sinθ ・・・(6)
このように、迷光を遮断するためには、(6)式の右辺2×F×P×sinθよりもスリット状開口部20の副走査方向の幅wを小さく作らなければならない。この意味で、(6)式の右辺を、開口限界幅wmaxと呼ぶ。
wmax=2×F×P×sinθ ・・・(7)
w<2×F×P×sinθ ・・・(6)
このように、迷光を遮断するためには、(6)式の右辺2×F×P×sinθよりもスリット状開口部20の副走査方向の幅wを小さく作らなければならない。この意味で、(6)式の右辺を、開口限界幅wmaxと呼ぶ。
wmax=2×F×P×sinθ ・・・(7)
図7は、倒立像の幅が無視できない場合のスリット状開口部20の副走査方向の幅wについて説明するための図である。(6)式においては、倒立像A1の副走査方向の幅が無視できる程小さいとしてスリット状開口部20の副走査方向の幅wを限定したが、倒立像A1の副走査方向の幅が無視できない場合も存在する。たとえば、像面にRGB3色のCCDラインイメージセンサを設ける場合、副走査方向にRGBに対応する3列のCCDを並べる必要がある。そして、この3列のCCDに光を入射するためには、像面に少なくともCCD3つ分の幅を有する正立等倍像を形成する必要がある。この場合、倒立像結像面に形成される倒立像も副走査方向に所定の幅を有するため、凸レンズ18eによって形成される倒立像A1がスリット状開口部20を透過しないようにするためには、スリット状開口部20の幅wを(6)式よりもさらに限定する必要がある。
ここで、像面において要求される正立等倍像の副走査方向の幅をw0(以下、w0を要求像面幅と呼ぶ)とする。要求像面幅w0は、たとえば、像面に3列のCCDラインイメージセンサを設ける場合は、CCD3列分の幅である。本実施の形態に係る正立レンズアレイは、正立等倍レンズアレイであるので、光源Bの副走査方向の幅もw0となる。この副走査方向の幅がw0の光源Bからの光が凸レンズ18eに入射すると、倒立像結像面に形成される倒立像A1の副走査方向の幅w1は、w0×(F−1)となる。たとえば、w0=20μm、F=1.25の場合、w1=5μmとなる。
従って、図7より、スリット状開口部20の副走査方向の幅wの半分w/2が、倒立像A1と倒立像A2間の副走査方向の距離F×P×sinθから倒立像A1の副走査方向の幅w1の半分w1/2を引いた値以下であれば、凸レンズ18eを透過し、凸レンズ18eによって形成される倒立像A1と同じ副走査方向位置を透過する迷光がスリット状開口部20を透過しないようにすることができる。すなわち、以下の(8)式の範囲に、スリット状開口部20の副走査方向の幅wがあればよい。
w≦2×F×P×sinθ−w0×(F−1) ・・・(8)
w≦2×F×P×sinθ−w0×(F−1) ・・・(8)
また、スリット状開口部20は、凸レンズ18fによって形成される倒立像A2を形成する光を全て透過させなければならないため、副走査方向の幅wは、倒立像A2の幅w2以上、すなわちw0×(F−1)以上である必要がある。従って、スリット状開口部20の副走査方向の幅wは、下記(9)式の範囲内にあることがさらに望ましい。
w0×(F−1)≦w≦2×F×P×sinθ−w0×(F−1) ・・・(9)
w0×(F−1)≦w≦2×F×P×sinθ−w0×(F−1) ・・・(9)
図8は、最も安全を見た場合のスリット状開口部20の副走査方向の幅wについて説明するための図である。凸レンズ18eに対応するスリット状開口部20aと、凸レンズ18fに対応するスリット状開口部20bとが、副走査方向において重ならないようにした場合に、凸レンズ18eを透過し、凸レンズ18eによって形成される倒立像A1と同じ副走査方向位置を透過する迷光がスリット状開口部20bを透過する可能性を最も小さくすることができる。すなわち、以下の(10)式の範囲に、スリット状開口部20の副走査方向の幅wがあればよい。
w≦F×P×sinθ ・・・(10)
w≦F×P×sinθ ・・・(10)
しかしながら、スリット状開口部20の副走査方向の幅wが小さくなるほど正立等倍像を形成する光の透過量が減少してしまうため、開口幅はできるだけ大きいことが望ましい。よって、スリット状開口部20の副走査方向の幅wは、以下の(11)式の値となることがさらに望ましい。
w=F×P×sinθ ・・・(11)
なお、スリット状開口部20の主走査方向の幅は、凸レンズ18の直径と等しく設定すればよい。
w=F×P×sinθ ・・・(11)
なお、スリット状開口部20の主走査方向の幅は、凸レンズ18の直径と等しく設定すればよい。
以上、スリット状開口部20の形成位置および副走査方向の幅について説明した。図9は、スリット状開口部20と各凸レンズ18との位置関係を示す図である。図9において、スリット状開口部20と凸レンズ18の有効領域が重なっている部分に、各凸レンズ18の透光領域を設けたものが図3となる。
図10は、近接するレンズ以外のレンズを考慮した場合のスリット状開口部の副走査方向の幅wについて説明するための図である。ここで、レンズ中心が基準面50上にある凸レンズを基準レンズ70としたとき、基準レンズ70に近接する点線60上の凸レンズを、第1隣接レンズと呼ぶ。また、第1隣接レンズの周囲に位置する点線62上の凸レンズを、第2隣接レンズと呼ぶ。また、第3隣接レンズの周囲に位置する点線64上の凸レンズを、第3隣接レンズと呼ぶ。なお、第1隣接レンズのうち隣り合う2つのレンズ中心と基準レンズ70のレンズ中心とを結んだ2本の直線がなす角度のうち、小さい方の角度を第1隣接間角度と呼ぶ。第1隣接間角度は、レンズの配列パターンによって決まり、図10のように六方配列の場合、第1隣接レンズ間角度は60°であり、正方配列の場合は、第1隣接レンズ間角度は、90°である。
上述の(6)式、(8)式および(9)式では、基準レンズ70と第1隣接レンズとの位置関係を考慮してスリット状開口部20の副走査方向の幅wを限定したが、第1隣接レンズ以外のレンズを通ってくる迷光も存在する。但し、基準レンズ70から距離が遠いレンズによる迷光は影響が少ないため、本実施の形態では、基準レンズ70と第2隣接レンズ、第3隣接レンズの関係について検討する。
レンズ配列角度θを0°から大きくしていった場合、まず最初に基準レンズ70と副走査方向における位置が等しくなるのは、第3隣接レンズ72である。六方配列の場合、レンズ配列角度θ=19.1°のときに、基準レンズ70と第3隣接レンズ72の副走査方向における位置が等しくなる。
ここで、基準面50から第3隣接レンズ72のレンズ中心までの距離d3は、レンズ配列角度θが0°<θ<19.1°の範囲の場合、以下の(12)式のように表される。
d3=P×{sin(60°−θ)−2×sinθ} ・・・(12)
基準レンズ70により形成される倒立像と、第3隣接レンズ72により形成される倒立像間の副走査方向間の距離d3’は、d3をF倍した値となるので、
d3’=F×P×{sin(60°−θ)−2×sinθ} ・・・(13)
のように表される。よって、基準レンズ70に対して第3隣接レンズ72を考慮する場合は、以下の(14)式の範囲にスリット状開口部の副走査方向の幅wを設定する。
w<2×F×{P×sin(60°−θ)−2×P×sinθ} ・・・(14)
d3=P×{sin(60°−θ)−2×sinθ} ・・・(12)
基準レンズ70により形成される倒立像と、第3隣接レンズ72により形成される倒立像間の副走査方向間の距離d3’は、d3をF倍した値となるので、
d3’=F×P×{sin(60°−θ)−2×sinθ} ・・・(13)
のように表される。よって、基準レンズ70に対して第3隣接レンズ72を考慮する場合は、以下の(14)式の範囲にスリット状開口部の副走査方向の幅wを設定する。
w<2×F×{P×sin(60°−θ)−2×P×sinθ} ・・・(14)
従って、レンズ配列角度θが、0°<θ<19.1°の範囲の場合は、第1隣接レンズと、第3隣接レンズを考慮して、(6)式と(14)式の両方を満たすようにスリット状開口部の副走査方向の幅wを設定することが好ましい。このような範囲にスリット状開口部の副走査方向の幅wを設定することにより、好適に迷光を除去することができる。
レンズ配列角度θを19.1°からさらに大きくしていった場合、次に基準レンズ70と副走査方向における位置が等しくなるのは、第2隣接レンズ74である。六方配列の場合、レンズ配列角度θ=30°のときに、基準レンズ70と第2隣接レンズ74の副走査方向における位置が等しくなる。
レンズ配列角度θが19.1°<θ<30°の範囲の場合、基準面50から第3隣接レンズ72のレンズ中心までの距離d3は、以下の(15)式のように表される。
d3=P×{2×sinθ−cos(30°+θ)} ・・・(15)
基準レンズ70により形成される倒立像と、第3隣接レンズ72により形成される倒立像間の副走査方向間の距離d3’は、(15)式のd3をF倍した値となるので、
d3’=F×P×{2×sinθ−cos(30°+θ)} ・・・(16)
のように表される。よって、レンズ配列角度θが19.1°<θ<30°の範囲のとき、基準レンズ70に対して第3隣接レンズ72を考慮する場合は、以下の(17)式の範囲にスリット状開口部の副走査方向の幅wを設定する。
w<2×F×P×{2×sinθ−cos(30°+θ)} ・・・(17)
d3=P×{2×sinθ−cos(30°+θ)} ・・・(15)
基準レンズ70により形成される倒立像と、第3隣接レンズ72により形成される倒立像間の副走査方向間の距離d3’は、(15)式のd3をF倍した値となるので、
d3’=F×P×{2×sinθ−cos(30°+θ)} ・・・(16)
のように表される。よって、レンズ配列角度θが19.1°<θ<30°の範囲のとき、基準レンズ70に対して第3隣接レンズ72を考慮する場合は、以下の(17)式の範囲にスリット状開口部の副走査方向の幅wを設定する。
w<2×F×P×{2×sinθ−cos(30°+θ)} ・・・(17)
一方、レンズ配列角度θが19.1°<θ<30°の範囲の場合、基準面50から第2隣接レンズ74のレンズ中心までの距離d2は、以下の(18)式のように表される。
d2=P×{sin(60°−θ)−sinθ} ・・・(18)
基準レンズ70により形成される倒立像と、第2隣接レンズ74により形成される倒立像間の副走査方向間の距離d2’は、(18)式のd2をF倍した値となるので、
d2’=F×P×{sin(60°−θ)−sinθ} ・・・(19)
のように表される。よって、レンズ配列角度θが19.1°<θ<30°の範囲のとき、基準レンズ70に対して第2隣接レンズ74を考慮する場合は、以下の(20)式の範囲にスリット状開口部の副走査方向の幅wを設定する。
w<2×F×P×{sin(60°−θ)−sinθ} ・・・(20)
d2=P×{sin(60°−θ)−sinθ} ・・・(18)
基準レンズ70により形成される倒立像と、第2隣接レンズ74により形成される倒立像間の副走査方向間の距離d2’は、(18)式のd2をF倍した値となるので、
d2’=F×P×{sin(60°−θ)−sinθ} ・・・(19)
のように表される。よって、レンズ配列角度θが19.1°<θ<30°の範囲のとき、基準レンズ70に対して第2隣接レンズ74を考慮する場合は、以下の(20)式の範囲にスリット状開口部の副走査方向の幅wを設定する。
w<2×F×P×{sin(60°−θ)−sinθ} ・・・(20)
従って、レンズ配列角度θが、19.1°<θ<30°の範囲の場合は、第1隣接レンズと、第2隣接レンズと、第3隣接レンズを考慮して、(6)式、(17)式および(20)式を全て満たすようにスリット状開口部の副走査方向の幅wを設定することが好ましい。このような範囲にスリット状開口部の副走査方向の幅wを設定することにより、好適に迷光を除去することができる。
図11は、本実施の形態に係る正立等倍レンズアレイプレート10におけるレンズ配列角度θと迷光比の関係を示す図である。ここでは、光線追跡シミュレーションにて、レンズ配列角度θを変化させたときの迷光比を計算した。正立等倍レンズアレイプレート10の主走査方向の領域にわたり、略直線状の光源Bに相当する光線をランバシャン90度の条件で発し、像面の特定の線上に到達した結像光の光量を伝達光量とし、特定の場所以外に到達した光量を迷光量とした。迷光量の総和を伝達光量で割った値を迷光比とした。ちなみに、図11において各点を結んだ曲線は、単に各点(計算値)間を滑らかに結んだものである。
シミュレーションを行った条件は、レンズ配列は六方配列、レンズ作動距離WD=6.7mm、平板状レンズアレイプレートの板厚t=2.4mm、レンズピッチP=0.42mm、レンズ直径D=0.336mm、屈折率n=1.53、曲率半径=0.679mm、TC共役長=18.2mmである。スリット状開口部の副走査方向幅wは、0.01mmと、0.0415mmの2種類についてシミュレーションを行った。図11に示すように、レンズ配列を六方配列としているので、レンズ配列の対称性により、迷光比はレンズ配列角度θ=30°を中心に対称となっている。
図11に示すように、レンズ配列角度θ=0°のとき、w=0.01mmは迷光比120%、w=0.0415mmは迷光比232%と非常に高いが、レンズ配列角度θを大きくしていくと、迷光比を低くすることができる。
ここで、スリット状開口部の副走査方向幅wを0.01mmとしたときに、レンズ配列角度θをどのような範囲に設定すれば迷光を好適に低減できるか検討する。上述したように、迷光を好適に低減するためには、スリット状開口部の副走査方向幅wを、開口限界幅wmaxより小さい値に設定する必要がある。
開口限界幅wmaxを0.01mmとして、このときのレンズ配列角度θ1を(7)式より求めると、θ1=0.55°となる。図11から、レンズ配列角度θ1=0.55°のとき、迷光比は94.76%となり、100%を下回ることができる。また、開口限界幅wmaxを0.0415mmとして、このときのレンズ配列角度θ1を(7)式より求めると、θ1=2.3°となる。図11から、レンズ配列角度θ1=2.3°のとき、迷光比は93.65%となり、100%を下回ることができる。従って、迷光を好適に低減するためには、レンズ配列角度θを、
w=2×F×P×sinθ1 ・・・(21)
を満たす角度θ1より大きく設定することが好ましい。
w=2×F×P×sinθ1 ・・・(21)
を満たす角度θ1より大きく設定することが好ましい。
また、上述したように、迷光比はθ=30°を中心として対称となるので、レンズ配列角度θは、第1隣接レンズ間角度である60°からθ1を引いた角度θ2より小さい値に設定することが好ましい。スリット状開口部の副走査方向幅w=0.01mmの場合は、θ2=59.45°、w=0.0415mmの場合は、θ2=57.7°となる。
以上をまとめると、迷光を好適に低減するためには、レンズ配列角度θは、(21)式を満たす角度θ1より大きく、且つ第1隣接レンズ間角度から角度θ1を引いた角度θ2より小さい範囲に設定することが好ましい。
レンズ配列角度θは、角度θ1に1°を加えた角度以上、且つ角度θ2から1°を引いた角度以下の範囲にあることがより好ましい。たとえば、スリット状開口部の副走査方向幅w=0.01mmの場合、レンズ配列角度θは、1.55°≦θ≦58.45°の範囲に設定し、w=0.0415mmの場合は、3.3°≦θ≦56.7°の範囲に設定する。w=0.01mmの場合、迷光比は21.06%、w=0.0415mmの場合は11.22%となり、後述する配列角度θ4における迷光比よりも小さくなる。このような範囲にレンズ配列角度θを設定することにより、より好適に迷光を低減することができる。
図11に示すように、スリット状開口部の副走査方向幅w=0.01mm、w=0.0415mmの場合ともに、レンズ配列角度θ=19.1°、30°で迷光比は極大値をとる。これは、レンズ配列角度θ=19.1°の場合は、図10において説明したように、基準レンズと第3隣接レンズ72の副走査方向における位置が等しくなるためである。また、レンズ配列角度θ=30°の場合は、基準レンズ70と第2隣接レンズ74の副走査方向における位置が等しくなるためである。
従って、レンズ配列角度θは、基準レンズと第3隣接レンズの副走査方向における位置が等しくなるレンズ配列角度θ3と、基準レンズと第2隣接レンズの副走査方向における位置が等しくなるレンズ配列角度θ4には設定しないことが好ましい。さらに、マージンを見て、レンズ配列角度θは、レンズ配列角度θ3の±1°の範囲、レンズ配列角度θ4の±1°の範囲には設定しないことがより好ましい。
図12は、第1平板状レンズアレイプレート12上に遮光壁30を設けた正立等倍レンズアレイプレート90を示す図である。図12では、正立等倍レンズアレイプレート90を画像読取装置100に組み込んだ様子を示している。なお、図12では、遮光部材の図示を省略している。図2(a)(b)に示す遮光壁を設けていない正立等倍レンズアレイプレート10であっても迷光を十分に除去することが可能であるが、図12に示すように、第1平板状レンズアレイプレート12上の、凸レンズ18間に迷光を除去するための遮光壁30を形成することにより、さらに効果的に迷光を除去することができる。
図13(a)〜(c)は、遮光壁30の別の設置例を示す図である。なお、図13(a)〜(c)でも、遮光部材の図示を省略している。図13(a)に示すように、遮光壁30は、像面側の第2平板状レンズアレイプレート14上のみに設けてもよいし、図13(b)に示すように第1平板状レンズアレイプレート12と第2平板状レンズアレイプレート14の両方に設けてもよい。また、図13(c)に示すように、第1平板状レンズアレイプレート12の内部に埋め込むように設けてもよい。遮光壁30の形成方法については、たとえば特開2005−37891号公報などに開示があるので、ここでは詳細な説明は省略する。
図14は、遮光壁30の高さhについて説明するための図である。図10において説明したように、本実施の形態では、基準レンズ80に対して、第1隣接レンズ81、第2隣接レンズ82および第3隣接レンズ83による迷光までは、レンズ配列角度θを調整することにより、遮光部材16で除去したが、第4隣接レンズ84以降のレンズによる迷光が影響を与える可能性がある。基準レンズ80に対して遠方に位置するレンズになるほど、迷光の光量が少なくなるため、影響は小さくなるが、これを遮光壁30で除去することにより、さらに画質を向上できる。以下においては、第4隣接レンズ84を通る迷光を遮光壁30で除去するための条件について説明する。なお、図14では、光源Bから出射され、レンズ中心に入射した光が屈折せずに描かれているが、これは、平板状レンズアレイプレートの板厚tを1/n倍して描いているためである。
図14に示すように、第1平板状レンズアレイプレート12側の第4隣接レンズ84に入射した光が、基準レンズ80に対応するスリット状開口部を透過して、第2平板状レンズアレイプレート14を通り、第2平板状レンズアレイプレート14側の第4隣接レンズ84’から出射されるとする。
図15は、第2平板状レンズアレイプレート14側の第4隣接レンズ84’周辺を拡大した図である。ここでは、第4隣接レンズ84’のレンズ中心を通る光線111と、レンズ端部を通る光線112、114が平行な光線であると仮定する。この場合、レンズ直径をD、遮光壁の高さをhとすると、図4におけるWDをh/2と、y1’をy2’と、y1をD/2と置き換えたのと同様の関係が成り立つので、
t/n:h/2=y2’:D/2 ・・・(22)
の関係が成り立つ。(22)式を変形すると、
h/D=t/(y2’×n) ・・・(23)
となる。この(23)式より、第4隣接レンズによる迷光を除去するための遮光壁30の高さhを求めることができる。
t/n:h/2=y2’:D/2 ・・・(22)
の関係が成り立つ。(22)式を変形すると、
h/D=t/(y2’×n) ・・・(23)
となる。この(23)式より、第4隣接レンズによる迷光を除去するための遮光壁30の高さhを求めることができる。
遮光壁の効果を確認するため、光線シミュレーションにて遮光壁がある場合とない場合において迷光比を計算し、比較を行った。計算を行った時の条件は、前述の通りである。前述の計算の条件と異なっている点は、スリット開口部の副走査方向幅wをw=0.13mm、レンズ配列角度θを13.9°としていることである。遮光壁のない場合では、迷光比が15.64%であったのに対し、0.3mmの遮光壁を図12同様光源側に設けた場合では、迷光を完全に除去することができ、迷光比を0.00%とすることができた。
以上、本実施の形態に係る正立等倍レンズアレイプレートについて説明した。正立等倍レンズアレイプレートでは、第1平板状レンズアレイプレートと第2平板状レンズアレイプレートの中間面に、スリット状開口部が形成された遮光部材を設け、さらに凸レンズの主配列方向を正立等倍レンズアレイプレートの主走査方向と異なるようにした。これにより、結像光を透過しつつ、迷光を好適に除去することができる。また、正立等倍レンズアレイプレートの少なくとも一方の面に遮光壁を形成することにより、さらに好適に迷光を除去することができる。
本実施の形態に係る正立等倍レンズアレイプレートでは、上述の特許文献1に開示されるようなスリット状開口部を有する隔壁構造体を用いずとも迷光を十分に除去できるので、光学系を小型化および軽量化することができる。また、部品点数を削減できるので、コストを下げることができる。さらに、隔壁構造体を用いないため、隔壁構造体で反射した光が迷光となるおそれがない。従って、画像形成装置等に組み込んだ際にゴースト像が形成される事態が防止されるので、画質を向上できる。
また、平板状レンズアレイプレート間に遮光部材を設けるため、隔壁構造体と平板状レンズアレイプレートとの位置調整が不要となる。また、遮光部材が平板状レンズアレイプレートと一体の構造であるため、一度固定した後は位置ずれが起こらず、安定して迷光を防止することができる。
正立等倍レンズアレイプレートは、迷光のみを除去し、結像光は除去しないため、結像光伝達率が高い光学系を構成でき、明るい画像、特に副走査方向に明るい画像を得ることができる。
本実施の形態に係る正立等倍レンズアレイプレートは、スリット状開口部を有する隔壁構造体を用いた従来の正立等倍レンズアレイプレートと同等の迷光除去能力を有する。従って、本実施の形態に係る正立等倍レンズアレイプレートは、高品質な画像読取装置や画像書込装置に用いることができる。
図16(a)(b)は、レンズの形状の変形例を示す図である。図16(a)に示すレンズ92は、六角形状のレンズであり、図16(b)に示すレンズ92は、四角形状のレンズである。これらのレンズ形状の場合でも、レンズ主配列方向を主走査方向からレンズ配列角度θ傾け、さらに開口部93を有する遮光部材を設けることにより、迷光を好適に除去することができる。
図17(a)(b)は、遮光部材の変形例を示す図である。図17(a)(b)では、レンズ92に対して、レンズ92の有効領域よりも小さい開口部93を設けている。このように、遮光部材は、スリット状開口部の内側であって、曲線または直線を用いてスリット状開口部より小さい開口を形成し、それ以外の部分の透光を全て遮断したものであってもよい。この場合、レンズ92の有効領域を透過する光が一部遮断されるため、伝達光量は若干減少するが、迷光の除去はより効果的に行うことができる。
図18は、正立拡大縮小レンズアレイプレート152を用いた結像光学系150を示す図である。図18に示すように、第1平板状レンズアレイプレート158のレンズと第2平板状レンズアレイプレート160のレンズのレンズ径を異ならせることにより、正立拡大縮小レンズアレイプレート152を構成することができる。図18に示す正立拡大縮小レンズアレイプレート152は、光源154からの略直線状の光を受けて、像面156に正立拡大像を形成する。正立拡大縮小レンズアレイプレート152においても、図2に示す正立等倍レンズアレイプレート10と同様に、スリット状開口部が形成された遮光部材(図示せず)を設け、さらにレンズの主配列方向を主走査方向と異ならせることにより、迷光を好適に除去することができる。
図19は、正立等倍レンズアレイプレートを用いたイメージセンサユニットの概略断面図である。図19に示すイメージセンサユニット500は、スキャナやコピー機などの画像読取装置560に組み込んで用いられる。イメージセンサユニット500は、略直方体状のモジュールであり、その長手方向が主走査方向に、短手方向が副走査方向に一致するように画像読取装置560に組み込まれる。図19には、イメージセンサユニット500の他に、画像読取装置560の原稿台としてのガラス板530と、ガラス板530上に載置された原稿532が図示されている。イメージセンサユニット500を副走査方向に走査することにより、原稿532を読み取ることができるようになっている。なお、図19には図示していないが、画像読取装置560は、イメージセンサユニット500によって検出された画像信号を処理する画像処理部を備える。
図19に示すように、イメージセンサユニット500は、被読取画像としての原稿532に光を照射するライン状光源502と、原稿532から反射した光を集光する正立等倍レンズアレイプレート504と、正立等倍レンズアレイプレート504を透過した光を受光する受光素子としてのCCDラインイメージセンサ506を備える基板508とを、筐体510に組み込んだ構造になっている。
イメージセンサユニット500において、正立等倍レンズアレイプレート504は、図2に示した正立等倍レンズアレイプレート10であってもよいし、図12、図13に示した正立等倍レンズアレイプレート90であってもよい。また、正立等倍レンズアレイプレート504に代えて、図18に示した正立拡大縮小レンズアレイプレート152を筐体510に組み込んでもよい。ここでは、図2に示した正立等倍レンズアレイプレート10を用いた場合について説明を行う。
筐体510は、略直方体形状であって、樹脂材料により一体成形された部品である。筐体510は、その上部に、ライン状光源502を取り付けるためのライン状光源取付部516と、正立等倍レンズアレイプレート504を取り付けるための正立等倍レンズアレイプレート取付部512が形成されている。
正立等倍レンズアレイプレート取付部512は、筐体510の上部に形成された主走査方向に延びる細長の溝部である。正立等倍レンズアレイプレート取付部512の一方の内壁面は、正立等倍レンズアレイプレート504を筐体510の所定の位置に取り付けるための取付基準面514とされている。正立等倍レンズアレイプレート504を筐体510に組み付ける際には、正立等倍レンズアレイプレート504を正立等倍レンズアレイプレート取付部512に挿入し、正立等倍レンズアレイプレート504を取付基準面514に押し付けた状態で固定する。これにより、正立等倍レンズアレイプレート504を筐体510の所定の位置に取り付けることができる。
また、筐体510の下部には、CCDラインイメージセンサ506を備える基板508を取り付けるための基板取付部518が形成されている。基板508の筐体510への取付は、筐体510に設けた取付基準ピン520を、基板508に設けた位置決め用の孔522に嵌合させて行う。筐体510に設ける取付基準ピン520の形状は、凸状であれば特に限定されない。基板508に設ける孔522は、貫通孔でもよいし、凹部としてもよい。また、筐体510に孔または凹部を設け、基板508に取付基準ピンを設けるようにしてもよい。いずれの場合においても、基板508を筐体510に固定するために、少なくとも1つの取付基準ピン520が設けられる。
ここで、正立等倍レンズアレイプレート504と直交し、且つ正立等倍レンズアレイプレート504の副走査方向における中心線を通る面を基準面550とする。取付基準面514、取付基準ピン520は、正立等倍レンズアレイプレート504、基板508を筐体510に取り付けた際に、CCDラインイメージセンサ506の中心線が基準面550上に位置するように、筐体510に設けられる。
このように、図19に示すイメージセンサユニット500においては、正立等倍レンズアレイプレート504とCCDラインイメージセンサ506は、互いの位置関係を精密に調整することなく、所謂無調芯で、取付基準面514と取付基準ピン520を用いて位置合わせされて筐体510に取り付けられている。無調芯で正立等倍レンズアレイプレート504とCCDラインイメージセンサ506を筐体510に取り付ける場合、取付公差が発生するので、正立等倍レンズアレイプレート504をこの取付公差を許容できるような構成にする必要がある。イメージセンサユニット500では、図3に示すような主走査方向と略平行なスリット状開口部20を有する遮光部材16を備えた正立等倍レンズアレイプレートを用いているので、副走査方向の取付公差を許容できるようスリット状開口部20の副走査方向の幅w0を規定する必要がある。
そこで、イメージセンサユニット500では、正立等倍レンズアレイプレート504とCCDラインイメージセンサ506を筐体510に取り付けたときの副走査方向の取付公差を含んだ、像面において要求される正立等倍像の副走査方向の幅wt0を考慮して、スリット状開口部20の副走査方向の幅w0を規定する(以下、wt0を取付公差含有要求像面幅と呼ぶ)。
正立等倍レンズアレイプレート504とCCDラインイメージセンサ506の副走査方向の取付公差を±tv(公差絶対値としては、2×tv)と、CCD1列分の副走査方向の幅をwcとすると、CCDが1列のCCDラインイメージセンサ506を用いたときの取付公差含有要求像面幅wt0は、
wt0=2×tv+wc ・・・(24)
のようになる。たとえば、tv=±40μm、wc=40μmの場合、wt0=120μmとなる。また、CCDが3列のCCDラインイメージセンサ506を用いたときの取付公差含有要求像面幅wt0は、
wt0=2×tv+3×wc ・・・(25)
のようになる。たとえば、tv=±40μm、wc=40μmの場合、wt0=200μmとなる。
wt0=2×tv+wc ・・・(24)
のようになる。たとえば、tv=±40μm、wc=40μmの場合、wt0=120μmとなる。また、CCDが3列のCCDラインイメージセンサ506を用いたときの取付公差含有要求像面幅wt0は、
wt0=2×tv+3×wc ・・・(25)
のようになる。たとえば、tv=±40μm、wc=40μmの場合、wt0=200μmとなる。
取付公差含有要求像面幅がwt0のときのスリット状開口部20の副走査方向の幅wの範囲は、上述の(9)式を導出した過程と同様に考えることができるので、(9)式における要求像面幅w0を取付公差含有要求像面幅wt0で置き換えた以下の(26)式のようになる。
wt0×(F−1)≦w≦2×F×P×sinθ−wt0×(F−1)・・・(26)
wt0×(F−1)≦w≦2×F×P×sinθ−wt0×(F−1)・・・(26)
スリット状開口部20の副走査方向の幅wが大きいほど、取付時に発生するずれの許容量は大きくなる。従って、ずれ量の許容性能および迷光除去性能を両立させる最適値は、
w=F×P×sinθ ・・・(27)
となる。
w=F×P×sinθ ・・・(27)
となる。
以下に、スリット状開口部20における副走査方向の幅wの範囲の実施例を示す。ここでは、平板状レンズアレイプレートの板厚t=2.4mm、平板状レンズアレイプレートの屈折率n=1.53、レンズの作動距離WD=6.7mm、レンズピッチP=0.42mm、レンズ配列角度θ=13.9°、CCD1列分の副走査方向の幅wc=0.04mm、正立等倍レンズアレイプレート504とCCDラインイメージセンサ506の副走査方向の取付公差を±0.04mmとする。
CCDが1列のCCDラインイメージセンサ506を用いたときの取付公差含有要求像面幅wt0は、(24)式より、wt0=0.120mmとなる。また、F=1+{t/(WD×n)}であるので、F=1.234となる。これらの値を(26)式に適用すると、CCDが1列のCCDラインイメージセンサ506を用いたときのスリット状開口部20の副走査方向の幅wの範囲は、
0.028mm≦w≦0.2219mm ・・・(28)
となる。
0.028mm≦w≦0.2219mm ・・・(28)
となる。
また、CCDが3列のCCDラインイメージセンサ506を用いたときの取付公差含有要求像面幅wt0は、(25)式より、wt0=0.200mmとなる。また、F=1.234である。これらの値を(26)式に適用すると、CCDが3列のCCDラインイメージセンサ506を用いたときのスリット状開口部20の副走査方向の幅wの範囲は、
0.0468mm≦w≦0.2032mm ・・・(29)
となる。
0.0468mm≦w≦0.2032mm ・・・(29)
となる。
また、CCDが1列と3列のいずれの場合も、ずれ量の許容性能および迷光除去性能を両立させるwの最適値は、(27)式より、
w=0.125mm ・・・(29)
となる。このwの最適値を(26)式の左側の不等式に適用すると、
wt0×(F−1)≦0.125mm ・・・(30)
となる。(30)式にF=1.234を代入して変形すると、
wt0≦0.534mm ・・・(31)
となる。(31)式より、取付公差含有要求像面幅wt0の最大値は、0.534mmとなる。
w=0.125mm ・・・(29)
となる。このwの最適値を(26)式の左側の不等式に適用すると、
wt0×(F−1)≦0.125mm ・・・(30)
となる。(30)式にF=1.234を代入して変形すると、
wt0≦0.534mm ・・・(31)
となる。(31)式より、取付公差含有要求像面幅wt0の最大値は、0.534mmとなる。
以上、イメージセンサユニット500について説明した。イメージセンサユニット500によると、図1〜図18を用いて説明した正立等倍レンズアレイプレートを用いてイメージセンサユニットを構成しているので、迷光が好適に除去された良質の画像信号を検出できるとともに、イメージセンサユニットを小型且つ軽量に構成できる。また、筐体510の取付基準面514および取付基準ピン520を用いて正立等倍レンズアレイプレート504とCCDラインイメージセンサ506を取り付ける構成としているので、正立等倍レンズアレイプレート504とCCDラインイメージセンサ506の位置合わせにそれほど精密な調整が要らない。従って、イメージセンサユニットの組立が簡易なものとなり、製造コストを低減できる。
また、イメージセンサユニット500では、筐体510を一体成形された一部品としている。筐体510を一体成形の一部品とすることにより、取付基準面514と取付基準ピン520の位置精度が増す。従って、正立等倍レンズアレイプレートと受光素子の取付公差を大きくとれるようになり、イメージセンサユニットの組立がより簡易なものとなる。
図19に示すイメージセンサユニット500では、正立等倍レンズアレイプレート504を筐体510の取付基準面514に押し当てて位置合わせし、CCDラインイメージセンサ506を基板508を介して取付基準ピン520により位置合わせする構成としたが、正立等倍レンズアレイプレート504とCCDラインイメージセンサ506は、筐体に設けられた取付基準面に各々を押し当てることにより筐体の所定の位置に取り付けられてもよい。この場合、取り付け基準面は、同一の面であってもよいし、別々の面であってもよい。
図20は、平板状レンズアレイプレートの凸レンズが両面間でずれて形成されている場合のスリット状開口部20を形成する位置について説明するための図である。図20において、図4と同一の構成要素については同一の符号を用いて表す。また、図20においても、図4と同様に縦方向が正立等倍レンズアレイプレート10の副走査方向(短手方向)であり、奥行き方向が主走査方向(長手方向)である。
第1平板状レンズアレイプレート12、第2平板状レンズアレイプレート14は、上述したように両面の対応する凸レンズ同士の光軸が一致するように形成される。しかしながら、凸レンズを形成する際の誤差により、対応する凸レンズ同士の光軸がずれて形成される場合がある。図20では、第1平板状レンズアレイプレート12の第1レンズ面12aにおける凸レンズ18aは、第2レンズ面12bにおける凸レンズ18bに対して光軸が副走査方向にΔy1ずれて形成されている。同様に、第2平板状レンズアレイプレート14の第3レンズ面14aにおける凸レンズ18cは、第4レンズ面14bにおける凸レンズ18dに対して光軸が副走査方向にΔy1ずれて形成されている。なお、図20では、基準面50上に正立等倍像Cが形成されるように、光線を描いている。平板状レンズアレイプレートの凸レンズが両面間でずれて形成されているため、光源Bの位置は基準面50から外れている。
ここで、正立等倍レンズアレイプレート10の製造工程について簡単に説明すると、正立等倍レンズアレイプレート10は、まず第2平板状レンズアレイプレート14上に遮光部材16を形成し、その後、遮光部材16上に第2平板状レンズアレイプレート14を設けることにより製造される。第2平板状レンズアレイプレート14上に遮光部材16を形成する際には、上述したように(5)式に従って、各凸レンズ18ごとに倒立像Aが形成される位置を算出し、その位置を副走査方向の幅中心としてスリット状開口部20を形成する。なお、ここでは正立等倍像Cから光路を逆にたどって倒立像Aの位置を算出しているが、図4と同様に(5)式を適用することができる。
(5)式に示されるように、スリット状開口部20が形成される位置は、基準面50からレンズ中心までの距離y1に比例する。従って、図20のように第2平板状レンズアレイプレート14の第3レンズ面14aにおける凸レンズ18cが、第4レンズ面14bにおける凸レンズ18dに対して光軸が副走査方向にずれて形成されている場合には、第3レンズ面14aの凸レンズ18cと第4レンズ面14bの凸レンズ18dのどちらのレンズ座標を基準としてスリット状開口部20を形成するかが問題となる。すなわち、(5)式のy1として選定すべき値として、基準面50から第4レンズ面14bの凸レンズ18dの中心までの距離y1と、基準面50から第3レンズ面14aの凸レンズ18cの中心までの距離y1+Δy1とが存在する。
このような場合、スリット状開口部20は、最も像面に近いレンズ面である第4レンズ面14bにおける凸レンズ18dの座標を基準として形成位置が定められることが望ましい。すなわち、(5)式のy1として選定すべき値として、基準面50から第4レンズ面14bの凸レンズ18dの中心までの距離y1を用いるのである。これは、スリット状開口部20を形成すべき位置である倒立像Aが形成される位置は、第4レンズ面14bの凸レンズ18dだけによって決まり、他のレンズ面は無関係のためである。
図21は、第3レンズ面14aのレンズ座標を基準としてスリット状開口部20を形成した場合の主光線40を示す図である。基準面50から第3レンズ面14aの凸レンズ18cの中心までの距離y1+Δy1を選定して、(5)式によりスリット状開口部20の形成位置を算出すると、スリット状開口部20の副走査方向の幅中心は、本来形成すべき位置よりもΔy1×Fだけ副走査方向にずれる。このスリット状開口部20の形成位置のずれは、正立等倍像Cを本来の位置から副走査方向にΔy1×F/(F−1)ずらすことになる。スリット状開口部20の形成位置と正立等倍像Cのずれる方向は、図21に示すように逆方向となる。正立等倍像Cのずれ量Δy1×F/(F−1)は、本来のラインイメージセンサ104の設置位置からのずれ量となる。これは、取付交差含有要求像面幅wt0を消費してしまうことになり、イメージセンサユニットの組立性が低下するため望ましくない。
なお、このずれ量Δy1が、主走査方向で一定であるならば、スリット状開口部20の形成位置のずれ量が主走査方向全体に均一である。従って、ラインイメージセンサ104の設置中心位置を平行移動して調整し直すことが可能であればこの問題は回避できる。また、Δy1が主走査方向で一定ではなく、主走査方向に比例関係をもって変化する場合も、スリット状開口部20の形成位置自体は直線状に保たれるため、平行移動ではなく、傾きを加えて調整し直すことが可能であればこの問題は回避できる。しかしながら、ずれ量Δy1が主走査方向に対して一定でなく、且つ変化が比例関係でない場合は、スリット状開口部20の形成位置自体が直線状ではなく、もはやラインイメージセンサ104の位置調整では回避できなくなり、取付交差含有要求像面幅wt0の消費は避けられないことになる。なお、ラインイメージセンサ104での調整が可能であったとしても、当初の設計位置よりずれることは、取付交差含有要求像面幅wt0を消費することには変わりない。従って、Δy1の変化がいずれの場合であっても、Δy1の最大値をもって正立等倍像Cのずれ量Δy1×F/(F−1)が取付交差含有要求像面幅wt0を消費することに変わりはない。
以下に、(5)式のy1として選定すべき値として、基準面50から第3レンズ面14aの凸レンズ18cの中心までの距離y1+Δy1を選定した場合の取付交差含有要求像面幅wt0の具体的な減少量を示す。ここでは、平板状レンズアレイプレートの板厚t=2.4mm、平板状レンズアレイプレートの屈折率n=1.53、レンズの作動距離WD=6.7mm、スリット状開口部20の幅w=0.13mm、レンズ径D=0.336mm、レンズピッチP=0.42mm、曲率半径=0.679mm、レンズ配列角度θ=15°、遮光壁の高さh=0.3mmとする。
この場合、(5)式の右辺である定数Fは、1+{t/(WD×n)}=1.234となる。また、取付交差含有要求像面幅wt0の最大値は、wt0=w/(F−1)より、0.13/0.234=0.555mmである。この光学系で、第2平板状レンズアレイプレート14の両面における対応するレンズ同士のずれが、Δy1=0.02mm発生したとすると、正立等倍像Cのずれ量Δy1×F/(F−1)は、0.02×5.274=0.105mmとなる。取付交差含有要求像面幅wt0=0.555mmから0.105mmが消費されることになるので、取付交差含有要求像面幅wt0は0.450mmに減少してしまう。
一方、第4レンズ面14bのレンズ座標を基準としてスリット状開口部20を形成した場合、正立等倍像Cは、本来の設計位置からずれること無く結像される。これは、上述したようにスリット状開口部20を形成すべき位置である倒立像Aが形成される位置は、第4レンズ面14bの凸レンズ18dだけによって決まるためである。従って、第4レンズ面14bのレンズ座標を基準としてスリット状開口部20を形成すれば、取付交差含有要求像面幅wt0を消費してしまうことはなく、イメージセンサユニットの組立性が向上し、製造コストを低減できる。
以下に、実際に作成した正立等倍レンズアレイプレートの実験結果について説明する。示す。図22(a)〜(c)は、比較例として、第3レンズ面のレンズ座標を基準としてスリット状開口部を形成した正立等倍レンズアレイプレートの実験結果を示す図である。図23(a)〜(c)は、本実施の形態に係る、第4レンズ面のレンズ座標を基準としてスリット状開口部を形成した正立等倍レンズアレイプレートの実験結果を示す図である。
図22、図23は、それぞれ遮光部材に副走査方向の幅が130μmのスリット状開口部を設け、正立等倍レンズアレイプレートの上方に幅の広い光源(面光源)を配置したときに像面に到達した光をカメラで測定したものである。カメラを主走査方向に走査し、主走査方向の左端、中央、右端における像を測定した。ここで作成した正立等倍レンズアレイプレートは、倒立像結像面に形成される倒立像の副走査方向の幅が4倍に拡大されて像面へ投影されるため、図22、図23では、幅が130μmのスリット状開口部を透過した光が520μmの光の帯として観察されている。
比較例として作成した正立等倍レンズアレイプレートでは、図22(a)に示す主走査方向左端の像に比べて、図22(b)、(c)に示す主走査方向中央、右端の像は100μmずれていた。上述したように、ここで用いた正立等倍レンズアレイプレートは、倒立像結像面に形成される倒立像の副走査方向の幅が4倍に拡大されて像面へ投影されるため、主走査方向左端と、主走査方向中央および右端とでは、スリット状開口部が25μmずれて形成されていたことになる。この比較例の場合、像面に結像される正立等倍像が主走査方向の位置によってずれているため、取付交差含有要求像面幅wt0が減少してしまう。すなわち、要求されるラインイメージセンサの組み付け精度が厳しくなるので、イメージセンサユニットの組立性が低下してしまう。
一方、本実施の形態に係る正立等倍レンズアレイプレートでは、図23(a)〜(c)に示すように、主走査方向左端、中央、右端でほとんど像のずれが生じていなかった。従って、第4レンズ面のレンズ座標を基準としてスリット状開口部を形成することにより、本体設計した値から取付交差含有要求像面幅wt0が減少してしまうのが抑制されるため、イメージセンサユニットの組立性が向上し、製造コストを低減できる。
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
たとえば、上述の実施の形態では、第1平板状レンズアレイプレートと第2平板状レンズアレイプレートの間にフィルム状の部材を挟み込むことにより遮光部材を形成したが、第1平板状レンズアレイプレートの下面または第2平板状レンズアレイプレートの上面に、スリット状開口部のパターンを黒色インキなどの遮光材料を用いて印刷して遮光部材を形成してもよい。このとき、スリット状開口部は、第1平板状レンズアレイプレート下面の凸レンズ表面における倒立像の形成に寄与する光が通る位置や、第2平板状レンズアレイプレート上面の凸レンズ表面における倒立像の形成に寄与する光が通る位置に形成する。この場合、遮光部の位置調整をする工程がなくなるので、製造コストを低減できる。
図1に示す正立等倍結像光学系では、正立等倍レンズアレイプレートと直交し、且つ正立等倍レンズアレイプレートの副走査方向における中心線を通る面を基準面としたが、正立等倍レンズアレイプレートと直交する主走査方向と平行な所定の面を基準面としてもよい。
上述の実施の形態では、平板状レンズアレイプレートを2枚積層して正立等倍レンズアレイプレートを構成したが、平板状レンズアレイプレートの積層枚数は、2枚に限られない。たとえば、3枚の平板状レンズアレイプレートを重ね、真ん中の平板状レンズアレイプレートの中間面に、遮光部材を設けてもよい。
上述の実施の形態では、レンズを六方配列で配列したが、レンズの配列パターンは、六方配列に限られない。たとえば、レンズを正方配列で配置した場合でも、本発明を適用することができる。
10 正立等倍レンズアレイプレート、 12 第1平板状レンズアレイプレート、 14 第2平板状レンズアレイプレート、 16 遮光部材、 18 凸レンズ、 20 スリット状開口部、 22 遮光領域、 30 遮光壁、 50 基準面、 52 倒立像結像面、 100 画像読取装置、 102 原稿台、 104 ラインイメージセンサ、 106 ライン状光源、 110 正立等倍結像光学系、 500 イメージセンサユニット、 502 ライン状光源、 504 正立等倍レンズアレイプレート、506 CCDラインイメージセンサ、 508 基板、 510 筐体、 514 取付基準面、 520 取付基準ピン。
Claims (10)
- 複数のレンズを両面に形成した平板状レンズアレイプレートが対応する前記レンズの組が共軸のレンズ系を構成するように複数枚積層され、一方の側の略直線状の光源からの光を受けて、他方の側の像面に前記略直線状の光源の正立等倍像を形成する正立等倍レンズアレイプレートであって、
各平板状レンズアレイプレートにおいて、前記複数のレンズは、レンズ主配列方向が当該正立等倍レンズアレイプレートの主走査方向と異なるように配置されており、
当該正立等倍レンズアレイプレートの中間面における前記略直線状の光源の倒立像が形成される位置近傍に、結像に寄与しない光を遮断する遮光部材を備え、該遮光部材は、各レンズの透光領域を、前記主走査方向と略平行なスリット状開口部に制限し、それ以外の部分の透光を全て遮断したものであり、
前記スリット状開口部は、複数枚の前記平板状レンズアレイプレートにおける複数のレンズ面のうち、最も像面に近いレンズ面のレンズ座標を基準として位置が定められていることを特徴とする正立等倍レンズアレイプレート。 - 前記平板状レンズアレイプレートの板厚をtと、前記レンズの作動距離をWDと、前記平板状レンズアレイプレートの屈折率をnと、当該正立等倍レンズアレイプレートと直交し且つ主走査方向と平行な所定の基準面から、前記最も像面に近いレンズ面におけるレンズの中心までの距離をy1としたときに、前記スリット状開口部は、前記基準面から前記スリット状開口部の副走査方向の幅中心までの距離Yが、
Y=y1×{1+t/(WD×n)}
で表されるように形成されることを特徴とする請求項1に記載の正立等倍レンズアレイプレート。 - 前記平板状レンズアレイプレートの板厚をtと、前記レンズの作動距離をWDと、前記平板状レンズアレイプレートの屈折率をnと、前記レンズのピッチをPと、レンズ配列角度をθとしたときに、前記スリット状開口部の副走査方向の幅wが、
w<2×{1+t/(WD×n)}×P×sinθ
の範囲にあることを特徴とする請求項1または2に記載の正立等倍レンズアレイプレート。 - 像面において要求される正立等倍像の副走査方向の幅をw0としたときに、前記スリット状開口部の副走査方向の幅wが、
w≦2×{1+t/(WD×n)}×P×sinθ−w0×t/(WD×n)
の範囲にあることを特徴とする請求項3に記載の正立等倍レンズアレイプレート。 - 像面において要求される正立等倍像の副走査方向の幅をw0としたときに、前記スリット状開口部の副走査方向の幅wが、
w0×t/(WD×n)≦w≦2×{1+t/(WD×n)}×P×sinθ−w0×t/(WD×n)
の範囲にあることを特徴とする請求項3に記載の正立等倍レンズアレイプレート。 - 前記平板状レンズアレイプレートの板厚をtと、前記レンズの作動距離をWDと、前記平板状レンズアレイプレートの屈折率をnと、前記スリット状開口部の副走査方向の幅をwと、前記レンズのピッチをPとしたときに、レンズ配列角度θは、
w=2×{1+t/(WD×n)}×P×sinθ1
を満たす角度θ1より大きく、且つ前記レンズの配列パターンによって決まる第1隣接レンズ間角度から角度θ1を引いた角度θ2より小さい範囲にあることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の正立等倍レンズアレイプレート。 - 前記レンズ配列角度θは、前記角度θ1に1°を加えた角度以上、且つ前記角度θ2から1°を引いた角度以下の範囲にあることを特徴とする請求項6に記載の正立等倍レンズアレイプレート。
- 当該正立等倍レンズアレイプレートの少なくとも一方の面に、結像に寄与しない光をさらに除去する遮光壁を形成したことを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の正立等倍レンズアレイプレート。
- 被読取画像に光を照射するライン状光源と、
前記被読取画像から反射した光を集光する請求項1から8のいずれかに記載の正立等倍レンズアレイプレートと、
前記正立等倍レンズアレイプレートを透過した光を受光するラインイメージセンサと、
を備えることを特徴とするイメージセンサユニット。 - 請求項9に記載のイメージセンサユニットと、
前記イメージセンサユニットによって検出された画像信号を処理する画像処理部と、
を備えることを特徴とする画像読取装置。
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